JP2018040936A - フォトマスク、及び露光装置、並びに表示装置基板の製造方法 - Google Patents

フォトマスク、及び露光装置、並びに表示装置基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カラーフィルタ基板にスペーサなどの高さの異なる構造物を形成する表示装置基板の製造工程において、フォトマスク表面に昇華物が付着した場合でも、頻繁なマスク洗浄工程を必要とせず、構造物の高さの変化を抑制するように製造することができるフォトマスク、及び露光装置、並びにそれらを用いる表示装置基板の製造方法を提供する。【解決手段】遮光部と透光部と半透過部を有するフォトマスクであって、半透過部は透明基板上に半透過膜と偏光層を積層してなるフォトマスクとし、光源から被露光基板に至る光路中に偏光板を備える露光装置であって、偏光板は光の入射方向を光軸として光軸に垂直になるように設置され、光軸に垂直な面内で回転角度を制御する機構を備える露光装置とし、前記フォトマスク、及び前記露光装置を用いる表示装置基板の製造方法とする。【選択図】図8

Description

本発明は、表示装置基板作製用フォトマスク、及び露光装置、並びにそれらを用いた表示装置基板の製造方法に関わる。
液晶表示装置を始めとする平面型表示装置をカラー表示するために使用するカラーフィルタを透明基板上に効率よく製造する技術として、フォトリソグラフィ法により顔料分散タイプの感光性着色樹脂材料を基板に塗布、乾燥後、露光、現像、硬化して形成する方法は従来より行われている。一般にフォトリソグラフィ法では、光照射部分が選択的に硬化または分解する感光性の塗布材料の特性に応じて、選択的に光を透過する遮光パターンを予め形成したフォトマスクを露光装置に設置して、感光性材料を塗布した被露光基板とフォトマスクとの正確な位置合わせを行い露光する。
前記フォトマスクとしては、平坦で無欠陥であり、高い透明性を有し、機械的強度に優れ、熱に対して低膨張の合成石英基板またはガラス基板の表面に、金属クロム等の遮光膜パターンを高精度で形成している。フォトマスクを通してパターン露光される被露光基板としては、大画面の表示装置に使用するカラーフィルタを例にとると、大サイズのマザーガラス基板を用い多面付けして製造することが量産上有利である。そこで、前記のカラーフィルタの製造工程では、一括露光用の大型のフォトマスクを用いて、フォトマスクと被露光基板との間に70μm〜300μm程度の均一な微小間隔(露光ギャップ)を設けてパターン露光するプロキシミティ(近接)露光が行われる。
露光装置の光源としては高圧水銀灯を用いることが実用的であり、高圧水銀灯が出射する露光光の主波長は、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)とあるが、カラーフィルタにおけるパターンを形成するには、通常、波長の短いi線が最も有効に利用される。尚、露光光は通常、無偏光が使用される。
液晶表示装置は一般に、ガラス基板上の各画素に合わせて薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチング素子を形成した画素電極基板と、着色画素パターンを配列したカラーフィルタ基板を、所定の間隔(セルギャップ)を設けて対向させて貼り合わせ、セルギャップ内に液晶を封入することにより構成される。ここで、セルギャップが均一に保持されていない場合、面内で液晶層の厚みの差が生じ、液晶の旋光特性差による着色や部分的な色ムラなどの表示不具合が起こる。
そのため、液晶にスペーサと称する直径2μmから10μmの樹脂、ガラス、アルミナ等からなる粒子あるいは棒状体を多数混合し、セルギャップ保持を図っている。しかし、スペーサが透明な粒子であると、画素内に液晶と一諸に入っていることで、黒色表示時にスペーサを介した光漏れや、スペーサ近傍の液晶分子の配列が乱されることに起因した光漏れによるコントラスト低下といった問題が生じる。
このような問題を解決する技術として、例えばフォトリソグラフィ法により、感光性樹脂組成物を用い部分的なパターン露光、現像を行い、着色画素間のブラックマトリックス上に固定スペーサを形成する方法が特許文献1、2に提案されている。固定スペーサは、フォトスペーサ、あるいは柱状(ポスト)スペーサなどとも呼ばれる。固定スペーサは、高さの高いメインスペーサ85と高さの低いサブスペーサ86で形成されることが多い。以下の記載では、固定スペーサを単にスペーサと略称し、カラーフィルタ基板にスペーサが形成された形態を表示装置基板と称する(図10参照)。
メインスペーサは液晶表示装置において液晶のセルギャップ規制を目的とし、サブスペーサはこの液晶パネルに機械的な圧力がかかったときの変形を防止する目的で形成される。メインスペーサとサブスペーサは、平面視の大きさを異ならせた設計仕様で形成されることが多く、選択的に位置決めされる複数のスペーサを、カラーフィルタ基板上に感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィ法により規則的に配して形成する。高さの異なるスペーサに関わる技術は、特許文献3に記載されている。
カラーフィルタのパターン(複数色の着色画素パターン)やカラーフィルタのブラックマトリックス上に形成されるスペーサは、近時高精細化が進んでいる。高精細化対応のため、メインスペーサやサブスペーサなど高さの異なる構造物の形成にあたっては、それぞれの高さに応じて異なった透過率をもつフォトマスク、すなわち透光部と半透過(ハーフトーン)部を有するフォトマスクが用いられることが多くなっている。
たとえば、メインスペーサと高さの低いサブスペーサを形成するための従来のフォトマスク(図11参照)では、フォトマスクのメインスペーサを形成するマスクパターン透光部(開口部)73の透過率よりサブスペーサを形成するマスクパターン開口部(半透過部74)の透過率を低くするために、半透過部74には酸化クロムやモリブデンシリコン系の半透過膜が形成されている。図12は、フォトマスク70を用いて露光し、カラーフィルタ基板80にメインスペーサ85、サブスペーサ86を形成して表示装置基板90を作製する形態を示す模式断面図である。
特開平10−48636号公報 特開平8−262484号公報 特開平9−258192号公報
しかしながら、上述のスペーサの製造工程では、生産数量に伴う露光シート数の増加により、サブスペーサの高さやサイズが変化する現象が見られている。フォトマスクを介して感光性樹脂組成物を露光する際、数十〜数百μmの露光ギャップを設けているため両者は直接は接触しないが、露光を数百〜数千回繰り返すと、スペーサの製造工程で用いる感光性樹脂組成物から昇華物が発生し、フォトマスクの膜面に付着する現象が確認されるようになる。接触せずに汚れが付着することから、この汚れを昇華物汚れと呼んでいる。
フォトマスクに昇華物汚れが付着すると、フォトマスクを通過して感光性樹脂組成物に照射される露光量に変化が起こり、スペーサパターンの高さやサイズに変化が現れるようになる。特に、半透過膜を用いて作製するサブスペーサに対して影響が大きく、サブスペーサの高さやサイズが露光を繰り返すごとに変わっていく。露光量の変化は半透過膜と昇華物の薄膜干渉によるものであり、通常は露光量が高くなる方向へ変化し、従ってサブスペーサの高さは高くなる方向へ変化する(図13参照)。
スペーサの高さなどの特性値が変化すると、液晶表示装置作製時の液晶封入量マージンや貼り合わせ後の押圧耐性に不具合が生じる原因となる。このため、定期的にフォトマスクを洗浄し昇華物を洗い落とす必要があるが、頻繁なマスク洗浄の工程が生産ラインの時間稼動率や生産量を低下させることが問題となっている。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、カラーフィルタ基板にスペーサなどの
高さの異なる構造物を形成する表示装置基板の製造工程において、フォトマスク表面に昇華物が付着した場合でも、頻繁なマスク洗浄工程を必要とせず、高さの異なる構造物の高さや大きさの変化を抑制するように製造することができる表示装置基板作製用フォトマスク、及び露光装置、並びにそれらを用いて高さの異なる構造物を形成する表示装置基板の製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、遮光部と透光部と半透過部を有するフォトマスクであって、
前記半透過部は、透明基板上に半透過膜と偏光層を積層してなることを特徴とするフォトマスクとしたものである。
請求項2に記載の発明は、前記偏光層は、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて延伸処理した偏光膜からなることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクとしたものである。
請求項3に記載の発明は、前記偏光層は、ワイヤグリッド偏光子からなることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクとしたものである。
請求項4に記載の発明は、光源から被露光基板に至る光路中に偏光板を備える露光装置であって、
前記偏光板は、光の入射方向を光軸として、前記光軸に垂直になるように設置され、
前記光軸に垂直な面内で、回転角度を制御する機構を備えることを特徴とする露光装置としたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のフォトマスク、及び請求項4に記載の露光装置を用いる表示装置基板の製造方法であって、
請求項4に記載の露光装置が備える前記偏光板の回転角度を制御して、請求項1〜3のいずれかに記載のフォトマスクの前記半透過部の透過率を調整し、
カラーフィルタ基板上に複数の高さの異なる構造物を形成することを特徴とする表示装置基板の製造方法としたものである。
本発明によると、透明基板上に半透過膜と偏光層を積層してなる半透過部を有するフォトマスクと、光の入射方向を光軸として光軸に垂直な面内で偏光板の回転角度を制御することができる機構を備える露光装置を用いるので、フォトマスク表面に昇華物が付着した場合でも頻繁なマスク洗浄工程を必要とせず、構造物の高さや大きさの変化を容易に規格内に納めることができるようになり、生産ラインの時間稼動率や生産量を低下させることなく表示装置基板を製造することができる。
本発明のフォトマスクの第1の実施形態に係る、部分的な(a)模式断面図(b)模式平面図である。 本発明のフォトマスクの第2の実施形態に係る、部分的な(a)模式断面図(b)模式平面図である。 本発明のフォトマスクの第1の実施形態に係る、製造工程例を説明するための模式断面図である。 本発明のフォトマスクの第2の実施形態に係る、ワイヤグリッド偏光子を偏光層とする半透過部の斜視図である。 本発明の露光装置の基本構成と光路を例示する概略図である。 本発明の表示装置基板の製造方法に係る、本発明の露光装置で偏光板の回転角度を制御して露光行うフロー図である。 図6を、露光シート数を横軸、作製されるスペーサ高さを縦軸として補足説明するためのグラフである。 本発明の表示装置基板の製造方法に係る、第1の実施形態のフォトマスクを用いてカラーフィルタ基板にスペーサを形成する形態を示す模式断面図である。 本発明の表示装置基板の製造方法に係る、第2の実施形態のフォトマスクを用いてカラーフィルタ基板にスペーサを形成する形態を示す模式断面図である。 カラーフィルタ基板にスペーサを形成した表示装置基板の模式断面図である。 表示装置基板にスペーサを形成するための従来のフォトマスクの部分的な(a)模式断面図(b)模式平面図である。 従来のフォトマスクを用いてカラーフィルタ基板にスペーサを形成する形態を示す模式断面図である。 従来の表示装置基板の作製数(露光シート数)に伴うスペーサ高さの変化を例示する特性図である。
以下、本発明の表示装置基板作製用フォトマスク、及び露光装置、並びにそれらを用いた表示装置基板の製造方法について詳細に説明する。尚、同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一の符号を付け、重複する説明は省略する。また、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じではない。
図1は、本発明のフォトマスクの第1の実施形態に係る、部分的な(a)模式断面図(b)模式平面図である。第1の実施形態のフォトマスク10は、遮光部2と透光部3と半透過部4を有し、半透過部4は、透明基板1上に半透過膜5とポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて延伸処理した偏光膜6aからなる偏光層を積層した構造からなっている。
図2は、本発明のフォトマスクの第2の実施形態に係る、部分的な(a)模式断面図(b)模式平面図である。第2の実施形態のフォトマスク20は、遮光部2と透光部3と半透過部7を有し、半透過部7は、透明基板1上に半透過膜5とワイヤグリッド偏光子8からなる偏光層を積層した構造からなっている。
第1の実施形態及び第2の実施形態で、半透過膜5は特に違いはなく同種のものでよい。従来のフォトマスク70(図11参照)の半透過膜75と比べると、半透過膜5は同種のものでよいが、透過率は従来の半透過膜75と同じであるか、高いものが好ましい。その理由については、後述の本発明の表示装置基板の製造方法において説明する。尚、本発明に限らないが、半透過膜は透過率の異なるものを複数形成しておくことで、複数の高さの異なるスペーサ(構造物)を同時に形成することができる。
第1の実施形態のフォトマスク10で用いる偏光膜6aは、一般的にポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素を吸着させて延伸処理して作製される。PVAは延伸処理により結晶構造の向きが揃うようになり、一方向に整列した構造の中に入るヨウ素分子も配向が揃い、細かなスリット構造ができて、スリットに対して平行に振動する成分だけが透過する偏光特性を示すようになる。偏光膜の透過率はスリット幅に依存するが、通常50%程度である。
図3は、本発明のフォトマスクの第1の実施形態に係る、製造工程例を説明するための模式断面図である。まず、従来のフォトマスク70(図11参照)と同じ構造のフォトマ
スクの膜面側全体に、別途前記のように作製した偏光膜6を、PVA系接着剤(図示せず)を介して貼り合わせる(図3(a))。ここで、平面視で偏光膜6のスリット方向は、スペーサの並びと平行か、垂直な方向であるようにすることが、後述の露光装置の偏光板との偏光方向の相対角度を考慮する上で好ましい。
次に、フォトリソグラフィ法に従い、まず前記偏光膜6上の全面にポジ型またはネガ型のフォトレジスト9(図ではポジ型)を公知の方法により塗布し、半透過膜5を含まない領域を透光部(開口部)とするフォトマスク11を介して公知の方法により露光し(図3(b))、その後現像を行い、レジストパターン9aを形成する(図3(c)。)
次に、レジストパターン9aをマスクとして、半透過膜5を含まない領域の偏光膜、及びPVA系接着剤(図示せず)を除去する(図3(d))。ここで、偏光膜、接着剤ともにPVAをベース樹脂としており、PVAは有機溶剤に対する耐性が高いが、親水性が高いので温水によって除去することができる。その後、レジストパターン9aを有機溶剤等により除去して、半透過膜5に偏光層として偏光膜6aを積層した本発明の第1の実施形態のフォトマスク10となる(図3(e))。
上記では、半透過膜5を含まない領域の偏光膜6を除去する方法として、フォトリソグラフィ法を説明したが、エキシマUVランプ(例えば、Semiconductor FPD World,プレスジャーナル,2009年8月号参照)や、レーザアブレーション(例えば、IHI技報、Vol.54,No.3,2014参照)によるドライクリーニングを利用することもできる。
エキシマUVランプを利用する場合は、偏光膜6の除去したい部分にステンシルマスクの開口部を位置合わせし、エキシマUVランプを照射する。また、レーザアブレーションを利用する場合は、特にマスクキングを行わなくても偏光膜6の除去したい部分にレーザ光を照射しつつスキャニングすればよい。
第2の実施形態のフォトマスク20(図2)では、偏光層としてワイヤグリッド偏光子8を用いる。図4は、半透過膜5とワイヤグリッド偏光子8が積層された第2の実施形態の半透過部7を示す斜視図である。一般にワイヤグリッド偏光子は、このように透明性基板(ここでは半透過膜5)上に金属材料の格子パターンを形成したものであり、格子パターンの周期を波長と同等以下とすることで、格子の並びと平行な方向に振動する成分は透過光、垂直な方向に振動する成分は反射光となり、偏光層として機能する。
半透過膜5上にワイヤグリッド偏光子8を形成する方法としては、格子線幅が波長の同等以下と微細であるために、電子線描画やレーザ描画を用いるリソグラフィによることが好ましい。電子線リソグラフィやレーザリソグラフィは、半導体デバイス作製用の微細なパターンを有するフォトマスクの製造に一般的に用いられる方法である。金属材料としては、可視光の吸収が少なく、高い導電率を有する点から、銀、アルミニウム、クロム、マグネシウムが好ましいが、コスト的にアルミニウムが特に好ましい。
図5は、本発明の露光装置の基本構成と光路を例示する概略図である。ここで、本発明の露光装置100は、露光光源51から被露光基板(塗布膜59を有するガラス基板60)に至る光路中に偏光板55を備え、偏光板55は光の入射方向を光軸として、光軸に対して垂直になるように設置され、光軸に垂直な面内で回転角度を制御することができる機構(図示せず)を備えている。回転角度制御機構による回転角度の好適な範囲については後述する。
図5で、偏光板55はインテグレータレンズ54の直後に設置しているが、インテグレ
ータレンズ54の前に設置してもかまわない。また、スペースが許せば、露光光源51からフォトマスク58までの光路中のどの位置に設置してもかまわない。しかし、偏光板55の大きさも関与してくるため、インテグレータレンズ54前後のなるべく集光している位置に設置することが望ましい。また、偏光板55を搭載する位置での露光光が平行光となるように光学設計することで、偏光特性のばらつきを低減することができる。
偏光板55の構造は、本発明のフォトマスクの第1の実施形態の偏光層のように、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素を吸着させて延伸処理して作製された偏光板であってもよいし、第2の実施形態の偏光層のようにワイヤグリッド偏光子を用いたものであってもよい。
偏光板55を設置し、光軸に垂直な面内で偏光板55の回転角度を制御可能とする理由は、偏光板55の偏光方向とフォトマスクの半透過部の偏光層の偏光方向とのなす角度(相対角度)θを可変とすることで半透過部の透過率を調整し、頻繁なマスク洗浄工程による生産ラインの時間稼動率や生産量の低下を受けずに、目的とする高さ、サイズのサブスペーサを製造することができるようにするためである。
図6は、本発明の表示装置基板の製造方法に係る、本発明の露光装置100(図5参照)で偏光板55の回転角度を制御して露光を行うフロー図である。ここで、露光装置100の偏光板55の角度はAで露光を始め、(N−1)シートまではメインスペーサ−サブスペーサの高さの差は規格内であったが、Nシート目の露光において規格外が発生している。そこで、(N+1)シート目からは偏光板55の角度をBに変更し、半透過部の透過率を調整して露光を行い、再び規格内に納めるフローを表わしている。
図7は、露光シート数を横軸、作製されるスペーサ高さを縦軸として、図6を補足説明するためのグラフである。このように、初期の偏光板55の角度Aで露光を続けると、メインスペーサの高さはMAでほぼ変わらないが、サブスペーサの高さはSA1から次第に高くなってくる(従って、通常はメインスペーサ−サブスペーサの高さの差が規格となるが、図7では便宜上サブスペーサの高さで規格内を表わしている)。
図7で、(N−1)シート目の露光で、サブスペーサの高さはSA2で規格内にあったが、Nシート目の露光において規格外が発生している。そこで、偏光板55の角度をBに変更し、半透過部の透過率を調整して以降の露光を行い、再び規格内(SB1〜)に納めるようにする。ここで、偏光板55の角度をBに変更しても、メインスペーサを形成する光路が通過する偏光領域は偏光板55のみで、通過前の露光光は無偏光であるので、露光量は変わらず、メインスペーサの高さはMB=MAで変化しない。
図8は、本発明の表示装置基板の製造方法に係り、第1の実施形態のフォトマスク10を用いて露光し、カラーフィルタ基板21にスペーサを形成する形態を示す模式断面図である。図8(a)では露光光13、偏光板55、第1の実施形態のフォトマスク10のみを示し、その他の構成要素を省略している。フォトマスク10の透光部3直下のカラーフィルタ基板21上にはメインスペーサ25が形成され、半透過部4直下にはサブスペーサ26が形成される(図8(b))。ここで、偏光板55を光軸Kに垂直な面内で回転角度を制御して、偏光板55の偏光方向と偏光膜6aの偏光方向の相対角度θを変化させ、半透過部4を透過する露光量を調整して、メインスペーサ−サブスペーサの高さの差を規格内に納めるようにする。
図9は、本発明の表示装置基板の製造方法に係り、第2の実施形態のフォトマスク20を用いて露光し、カラーフィルタ基板31にスペーサを形成する形態を示す模式断面図である。ここでは、図8同様、フォトマスク20の透光部3直下のカラーフィルタ基板31
上にはメインスペーサ35が形成され、半透過部7直下にはサブスペーサ36が形成される(図9(b))。ここで、偏光板55を光軸Kに垂直な面内で回転角度を制御して、偏光板55の偏光方向とワイヤグリッド偏光子8の偏光方向の相対角度θを変化させ、半透過部7を透過する露光量を調整して、メインスペーサ−サブスペーサの高さの差を規格内に納めるようにする。
製品仕様にもよるが、通常メインスペーサとサブスペーサの高さの差は通常0.25〜0.55μmであり、従来のフォトマスク70(図11参照)では、透光部73と半透過部74の透過率の差のみが前記の高さの差の形成を担ってきた。このため、半透過部74の透過率は高さの差に比例して、透光部73の透過率の10〜30%であった。一方、本発明の表示装置基板の製造方法では、メインスペーサを形成する光路、サブスペーサを形成する光路ともに露光装置の偏光板55を通過することにより、いずれも露光量は通過前の約50%となるが、露光時間を約2倍とすることで、初期状態でメインスペーサとサブスペーサの高さの差が0.25〜0.55μmとなるように形成することができる。
その後、露光シート数が増加するにつれて、本発明のフォトマスクにおいても昇華物が付着し、半透過部の透過率が変化(通常は上昇)し、サブスペーサの高さが(通常は高く)変化する。そこで、本発明の表示装置基板の製造方法では、露光装置の偏光板55の回転角度を制御して、偏光板55の偏光方向とフォトマスクの半透過部の偏光層の偏光方向との相対角度θを変化させ、フォトマスクの半透過部を透過する露光量を(通常は低く)調整する。
一般に、2枚の偏光板の相対角度をθとしたとき、1枚目の偏光板を通過した光の透過率をTとすると、2枚目の偏光板を通過した後の光の透過率Tは、
=T×(Cosθ) ・・・(1)
となる。本発明では、前記「1枚目の偏光板」に露光装置が備える偏光板55が該当し、前記「2枚目の偏光板」にフォトマスクの半透過部の偏光層が該当する。
ここで、メインスペーサの高さが変化しない場合、サブスペーサの高さとの差を規格内に納めるためのサブスペーサの高さ変化の許容範囲は、−10%〜+10%程度である。一方、前記の式(1)では、
(Cos20°)≒0.88
である。従って、本発明の露光装置の回転角度制御機構は、−20°〜+20°の範囲で制御できるような機構を備えておればよい。
式(1)によれば、θ=0、すなわち露光装置の偏光板55の偏光方向とフォトマスクの偏光層の偏光方向が揃っている時にT=Tで最大となる。従って、初期状態でθ=0であれば、偏光板の回転の±によらずT<Tとなり、露光量を小さくしてサブスペーサの高さを低くする方向にしか調整することができない。サブスペーサの高さを高くする方向に調整できるようにするためには、θ≠0を初期状態としておき、θ=0に近づくように回転すればよい。同時に、初期状態のθ≠0でサブスペーサの高さが最適な高さで、その後の変化でサブスペーサの高さを高い方向にも低い方向にも調整できるようにするためには、従来のフォトマスクの半透過膜75(図11)よりも透過率の高い半透過膜5(図1、図2)を使用すればよい。すなわち、露光シート数の増加によるサブスペーサの高さの変化が常に高くなる方向であれば、半透過膜5の透過率は従来の半透過膜75と同じでよいが、低くなる場合に備えて半透過膜5の透過率を高くしておくことが好ましい。
本発明は、表示装置基板作製用フォトマスク、及び露光装置、並びにそれらを用いた表示装置基板の製造方法に関わり、特にカラーフィルタ基板にスペーサなど高さの異なる構
造物を形成する工程において、フォトマスク洗浄工程の頻度を低減しても構造物の高さや大きさの変化が小さく、従って生産ラインの時間稼動率や生産量を向上させるので、コスト低減に寄与する製造技術となる。
1、71・・・・・透明基板
2、72・・・・・遮光膜
3、73・・・・・透光部
4、7、74・・・半透過部
5、75・・・・・半透過膜
6・・・・・偏光膜
6a・・・・部分除去された偏光膜
8・・・・・ワイヤグリッド偏光子
9・・・・・フォトレジスト
9a・・・・フォトレジストパターン
10、20・・本発明のフォトマスク
11・・・・・フォトマスク
12、13、93・・・露光光
K・・・・光軸
21、31・・・カラーフィルタ基板(外形のみ)
25、35、85・・・メインスペーサ
26、36、86・・・サブスペーサ
30、40、90・・・表示装置基板
51・・・・・露光光源
52・・・・・楕円ミラー
53・・・・・熱線カットフィルタ
54・・・・・インテグレータレンズ
55・・・・・偏光板
56・・・・・コリメーションミラー
57・・・・・凹面ミラー
58、70・・・・・フォトマスク
59・・・・・塗布膜
60・・・・・ガラス基板
61・・・・・露光ステージ
100・・・・露光装置
80・・・・・カラーフィルタ基板
81・・・・・透明基板
82・・・・・ブラックマトリックス
83(R)、83(G)、83(B)・・・・着色画素
84・・・・・オーバーコート層

Claims (5)

  1. 遮光部と透光部と半透過部を有するフォトマスクであって、
    前記半透過部は、透明基板上に半透過膜と偏光層を積層してなることを特徴とするフォトマスク。
  2. 前記偏光層は、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて延伸処理した偏光膜からなることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク。
  3. 前記偏光層は、ワイヤグリッド偏光子からなることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク。
  4. 光源から被露光基板に至る光路中に偏光板を備える露光装置であって、
    前記偏光板は、光の入射方向を光軸として、前記光軸に垂直になるように設置され、
    前記光軸に垂直な面内で、回転角度を制御する機構を備えることを特徴とする露光装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のフォトマスク、及び請求項4に記載の露光装置を用いる表示装置基板の製造方法であって、
    請求項4に記載の露光装置が備える前記偏光板の回転角度を制御して、請求項1〜3のいずれかに記載のフォトマスクの前記半透過部の透過率を調整し、
    カラーフィルタ基板上に複数の高さの異なる構造物を形成することを特徴とする表示装置基板の製造方法。
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