JP2018040369A - エンジンの排気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガスが有する限られた熱量でモノリス触媒12を効率良く活性にする、特にモノリス触媒12が低温の排気ガスで冷やされた後の再活性を早める。
【解決手段】モノリス触媒12は軸心を略水平にした状態でケース11に収容されている。ケース11には、モノリス触媒12の上流側の端面に相対し排気ガスをモノリス触媒12に略水平に流入させる流入口部13と、流入口部13に相対しモノリス触媒12の下流側から排気ガスを略水平に流出させる流出口部14とが設けられている。流入口部13及び流出口部14各々の中心はモノリス触媒12の軸心に対して下方にオフセットしている。
【選択図】図2

Description

本発明はエンジンの排気装置に関する。
自動車のエンジンの排気系には排気ガスを浄化するための触媒コンバータが設けられている。特許文献1には、モノリス触媒を略水平に配置し、このモノリス触媒に対して排気ガスをC型に湾曲した連絡導管によって斜め上から導入し、このモノリス触媒から排気ガスを斜め下方へ流出させることが記載されている。モノリス触媒に流入する排気ガスの流れを均一にし、排気ガスがモノリス触媒の一部に集中することを防止せんとするものである。
特許4326145号公報
ところで、最近はエンジンの熱効率の向上により、排気に捨てられるエネルギーが少なくなっており、それに伴って、排気ガス温度が低下する傾向にある。従って、排気ガスから得られる限られた熱量で触媒をいかに効率良く活性化させるかが重要になる。
触媒が活性を呈する温度になった後においても、エンジンの運転状態が低負荷運転に移行したときや燃料カット時には、排気ガス温度が低くなる。その結果、この低温の排気ガスで触媒が冷やされてその活性が低下する。その後、エンジン運転状態が中負荷運転や高負荷運転に移行すると、排気ガス温度が高くなる結果、触媒が加熱されて再び活性を呈するようになる。
上記触媒の活性低下は、エンジン運転状態の変化によって生ずる一時的なものであるが、その間は排気ガスの浄化率が低下する。そのため、触媒の再活性に要する時間が長くなると、それだけ自動車のエミッション性能に悪影響がでる。
以上のことは、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンのいずれにおいてもいえることであるが、排気ガス温度が元から低いディーゼルエンジンにおいて特に問題になる。
そこで、本発明は、排気ガスが有する限られた熱量で触媒を効率良く活性にすること、特に触媒が低温の排気ガスで冷やされた後の再活性を早めることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、排気ガスの主流が略水平に設けられたモノリス触媒の下部側を通るようにし、熱気が上昇する性質をモノリス触媒全体の効率的な活性化に利用するようにした。
ここに提示するエンジンの排気装置は、排気ガス浄化用の触媒コンバータを備え、
上記触媒コンバータは、排気ガスの流入口部と流出口部を備えたケースにモノリス触媒がその軸心を略水平にした状態で収容されてなり、
上記ケースの流入口部は、上記モノリス触媒の上流側の端面に相対し、且つ該流入口部の中心が該モノリス触媒の軸心に対して下方にオフセットしていて、排気ガスが上記モノ
リス触媒に向かって略水平に流入するように設けられ、
上記ケースの流出口部は、上記モノリス触媒の下流側から排気ガスが斜め下方に流出するように設けられ、又は上記モノリス触媒の下流側の端面に相対し、且つ該流出口部の中心が該モノリス触媒の軸心に対して下方にオフセットしていて、排気ガスが上記モノリス触媒の下流側から略水平に流出するように設けられていることを特徴とする。
この排気装置においては、ケースの流入口部がモノリス触媒の上流側の端面に相対し、且つ該流入口部の中心が下方にオフセット(偏倚)しているから、ケースの流出口部が、モノリス触媒の下流側から排気ガスが斜め下方に流出するように設けられている場合、排気ガスの流れが速い主流部分は主としてモノリス触媒の軸心付近から下部寄りの部分を通ることになる。ケースの流出口部がモノリス触媒の下流側の端面に相対し、且つ該流出口部の中心が該モノリス触媒の軸心に対して下方にオフセット(偏倚)している場合も、排気ガスの主流部分は主としてモノリス触媒の軸心付近から下部寄りの部分を通ることになる。
一方、モノリス触媒の上部側を流れる排気ガス流量は下部側に比べると少ないが、エンジンの中負荷・高負荷運転においてはエンジンから排出される排気ガス流量自体が多い。従って、モノリス触媒の上部にも少なくない量の排気ガスが流れるから、モノリス触媒の上部も排気ガスの浄化に有効に利用される。
そうして、上述の如く排気ガスの主流はモノリス触媒の軸心付近から下部寄りを通るから、モノリス触媒の下部側は排気ガスの主流によって加熱される。一方、熱気は上昇するという性質があるため、排気ガスが流入口部からケース内に流入すると、熱気が上方へ流れてモノリス触媒に流入し、また、モノリス触媒の下部からも熱気が上昇する。その結果、モノリス触媒の上部側も上記熱気の上昇によって加熱されることになる。そのため、モノリス触媒全体が効率良く加熱されて触媒の活性化が図れるとともに、その活性が維持される。
すなわち、排気ガスの流入口部の中心がモノリス触媒の軸心に対してオフセットしていない従来装置では、モノリス触媒の軸心まわりは排気ガスの主流で加熱され、モノリス触媒の上部も熱気の上昇によって加熱されるものの、モノリス触媒の下部側は上部に比べて温度が低くなり易いという問題がある。これが本発明によって解決される。
要するに、排気ガスの主流部分がモノリス触媒の軸心付近から下部にわたる部分を通るようにし、熱気の上昇によってモノリス触媒の上部を加熱するようにしたから、排気ガスが保有する限られた熱量がモノリス触媒全体の昇温および温度維持に効率的に利用されるということである。
次にエンジンの運転状態が低負荷運転や燃料カット運転に移行すると、排気ガスの温度が低くなるが、エンジンから排出される排気ガス流量も少なくなる。その温度が低い排気ガスの多くは、モノリス触媒の軸心付近から下部にわたる部分を通り、モノリス触媒の上部側を通る排気ガス量は少ない。
従って、モノリス触媒の軸心付近から下部にわたる部分は低温の排気ガスで冷やされるものの、先に熱気の上昇によって温度が高くなっているモノリス触媒の上部では熱が保有され、温度の低下が少ない。
すなわち、従来装置では、温度が低い排気ガスがモノリス触媒の軸心付近に向かって流入するから、モノリス触媒の上部も低温の排気ガスで冷やされ易いが、本発明では、モノリス触媒の上部に熱が保有され易い。
そのため、その後にエンジン運転状態が中負荷運転や高負荷運転に移行して高温の排気ガスがモノリス触媒に流入したときには、モノリス触媒の上部によって奪われる熱量が少ないから、モノリス触媒の下部側の温度が速やかに上昇して、モノリス触媒全体が早期に再活性化する。よって、エミッション性能の悪化が避けられる。
本発明の好ましい態様では、さらに、上記触媒コンバータから流出する排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタを有する粒子状物質処理装置を備え、
上記触媒コンバータがエンジン本体の側面に沿って配置され、
上記粒子状物質処理装置が上記触媒コンバータの下側において該触媒コンバータの下面および上記エンジン本体の側面に沿うように軸心を略水平にして配置されている。
これによれば、触媒コンバータおよび粒子状物質処理装置をエンジン本体の側面にコンパクトにまとめて配置することができるとともに、エンジン本体、触媒コンバータおよび粒子状物質処理装置の三者が互いの放熱を妨げる関係になり、熱損失の低減に有利になる。
本発明の別の好ましい態様では、さらに、排気ターボ過給機を備え、該排気ターボ過給機のタービンハウジングの排気ガス出口部が上記触媒コンバータのケースの流入口部に直結されている。
これによれば、エンジンの中負荷ないしは高負荷運転時に排気ターボ過給機が作動すると、排気ガスがタービンの回転により旋回流となって触媒コンバータのケース内に流入する。よって、上述の如く、流入口部のオフセット配置を採用しても、排気ガスがモノリス触媒全体に分散し易くなり、モノリス触媒の上部が排気ガスの浄化に有効に利用されることになる。
一方、排気ターボ過給機が作動しないエンジンの低負荷運転時や燃料カット時には、排気ガスは旋回流とならないため、モノリス触媒の下部側を主として流れる。よって、モノリス触媒の上部側が低温の排気ガスによって冷やされることが避けられる。
上述の如く、本発明によれば、排気ガスの主流部分がモノリス触媒の軸心付近から下部にわたる部分を通るようにし、熱気の上昇によってモノリス触媒の上部を加熱するようにしたから、排気ガスが保有する限られた熱量をモノリス触媒全体の昇温および温度維持に効率的に利用することができる。また、燃料カット時等の排気ガス温度が低く排気ガス流量が少ないときには、モノリス触媒の上部に熱気が保有され該上部の温度低下を抑制されるから、その後に高温の排気ガスがモノリス触媒に流入するようになったときに、モノリス触媒の上部によって奪われる熱が少なくなる。その結果、モノリス触媒全体が早期に活性温度に達することになり、上記排気ガス温度の低下に伴うエミッション性能の悪化が軽減される。
エンジンの排気装置を示す斜視図である。 同排気装置を一部縦断面で示す側面図である。 同排気装置の触媒コンバータを示す正面図である。 粒子状物質処理装置、EGRクーラ及びEGRバルブを示す分解斜視図である。 触媒コンバータの他の例を示す概略縦断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1において、1は自動車のエンジンルームに設けられるディーゼルエンジンのエンジン本体である。本実施形態ではエンジン本体1はクランクシャフトが車幅方向に延びる横置きにされ、エンジン本体1の側面(この場合は背面)に排気ターボ過給機2、触媒コンバータ3、粒子状物質処理装置4、EGRクーラー5およびEGRバルブ6が配置されている。
本例の触媒コンバータ3は排気ガス中のHCおよびCOを酸化浄化する酸化触媒である。粒子状物質処理装置4は、排気ガス中の粒子状物質を捕集して燃焼除去する、所謂DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)である。EGRクーラー5は吸気系に還流させる排気ガスを冷却する。EGRバルブ6は吸気系へのEGR量(排気ガス還流量)を調節する。
ターボ過給機2および触媒コンバータ3は、各々の軸心が略水平にされ、すなわち軸心が横にされ、エンジン本体1の上部の側面に沿ってエンジン本体1の長手方向(車幅方向)に連ねて配置されている。粒子状物質処理装置4は、触媒コンバータ3の下側において該触媒コンバータ3の下面およびエンジン本体1の側面に沿うように軸心が略水平にされて配置されている。触媒コンバータ3は粒子状物質処理装置4に湾曲した連結管7によって連結されている。
このような触媒コンバータ3および粒子状物質処理装置4のレイアウトによれば、触媒コンバータ3および粒子状物質処理装置4をエンジン本体1の側面にコンパクトにまとめて配置することができる。しかも、エンジン本体1、触媒コンバータ3および粒子状物質処理装置4の三者が互いの放熱を妨げる関係になり、熱損失の低減に有利になる。
粒子状物質処理装置4には車室床下に配置されるフレキシブルチューブ8を介して自動車後方に延びる排気管9が接続されている。図示は省略しているが、排気管9は排気サイレンサを介してテールパイプに続いている。図1において、26は粒子状物質処理装置4の入口ガス温度を検出する温度センサ、27は粒子状物質処理装置4の入口側のガス圧を検出する圧力センサ(図示せず)の圧力取出し部である。
図2に示すように、触媒コンバータ3は、ケース11にモノリス触媒12を略水平にした状態で収容してなる。ケース11は、モノリス触媒12を収容するケース本体11aと、モノリス触媒12の上流側の端面を覆うコーン状の上流側カバー11bと、モノリス触媒12の下流側の端面を覆うコーン状の下流側カバー11cとを備えてなる。上流側カバー11bには、モノリス触媒12の上流側の端面に相対し、排気ガスをモノリス触媒12に向かって略水平に(横方向に)流入させる流入口部13が設けられている。また、下流側カバー11cには、モノリス触媒12を挟んで流入口部13に相対し(モノリス触媒12の下流側の端面に相対し)、モノリス触媒12の下流側から排気ガスを略水平に(横方向に)流出させる流出口部14が設けられている。
ケース11の流入口部13には、排気ターボ過給機2のタービンハウジング15の排気ガス出口部16が直結されている。ケース11の流出口部14には、連結管7の上流端が結合している。また、上流側カバー11bの流入口部13からケース本体11aに至るコーン壁部の上半周側に触媒コンバータ3の入口ガス温度を検出する温度センサ17が取付けられている。
上記ケース11の流入口部13および流出口部14は、各々の口径がモノリス触媒12の直径よも小さく、流入口部13の中心Ciおよび流出口部14の中心Coはモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットしている。流入口部13の中心Ciのモノリス触媒12の軸心Ccに対するオフセット量D1、並びに流出口部14の中心Coのモノリス触媒12の軸心Ccに対するオフセット量D2はいずれも、モノリス触媒12の半径の1/4以上1/2以下であることが好ましい。
図3に示すように、流入口部13および流出口部14は、各々の開口面積の2/3以上がモノリス触媒12の上流側及び下流側各々の下半周側の端面に相対するように配置されていることが好ましい。さらに、好ましいのは、上記オフセット量D1,D2を1/2以下とし、流入口部13および流出口部14各々の開口面積の2/3以上がモノリス触媒12の上流側及び下流側各々の下半周側の端面に相対するようにすることである。
図3の例では、流入口部13の開口面積の殆どがモノリス触媒12の上流側の下半周側の端面に相対し、流出口部14の開口面積の少なくとも5/6がモノリス触媒12の下流側の下半周側の端面に相対している。
図2に示すように、粒子状物質処理装置4は、ケース18に排気ガス中の粒子状物質を捕集するモノリスフィルタ19を収容してなる。フィルタ19には、該フィルタ19に堆積した粒子状物質を燃焼除去するための触媒がコーティングされている。ケース18は、フィルタ19を収容するケース本体18aと、フィルタ19の上流側の端面を覆う上流側カバー18bと、フィルタ19の下流側の端面を覆う下流側カバー18cとを備えてなる。上流側カバー18bに連結管7の下流端が結合している。
図4に示すように、粒子状物質処理装置4の下流側カバー18cは、扁平になっていて、粒子状物質処理装置4の後方に向かって突出しており、その先端に排気ガスをテールパイプに導く図2に示す排気ガス排出口21が開口している。そして、下流側カバー18cにおけるフィルタ19の軸心Cfから前方(該軸心Cfを挟んで排気ガス排出口21の反対側)にオフセットした位置に、排気ガスをEGRクーラ5に導く図4に示すEGR用の排気ガス取出口22が開口している。
EGRクーラ5は、一連に接続したEGR用のガス導入部5a、クーラ本体部5bおよびEGR用のガス流出部5cを備えてなる。EGRクーラ5は水冷であり、クーラ本体部5bに冷却水供給管23と冷却水排出管24が接続されている。そうして、ガス導入部5aが下流側カバー18cの排気ガス取出口22に接続されて、EGRクーラ5は、扁平な下流側カバー18cに沿うように、フィルタ19の軸心Cfを挟んで排気ガス取出口22の反対側、つまり、後方へ延びている。
このEGRクーラ5の後端のガス流出部5cにEGR用ガスの流出口25が側方(粒子状物質処理装置4の反対側)に向かって開口し、該流出口25にEGRバルブ6が接続されている。
以上により、粒子状物質処理装置4、EGRクーラ5およびEGRバルブ6は、エンジン本体1の側面(背面)に沿って該エンジン本体1の長手方向に配列されている。
上記エンジンの排気装置によれば、排気ガスは触媒コンバータ3のケース11の流入口部13からモノリス触媒12に向かって略水平に流入する。この流入口部13の中心Ciはモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットし、且つ流出口部14の中心Coもモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットしているから、排気ガスの流
れが速い主流部分はモノリス触媒12の軸心Cc付近から下部にわたる部分を通る。
一方、モノリス触媒12の上部を流れる排気ガス量は下部に比べると少ないが、エンジンの中負荷・高負荷運転においてはエンジンから排出される排気ガス量自体が多い。しかも、排気ターボ過給機2のタービンハウジング15がケース11の流入口部13に直結されているから、排気ターボ過給機2が作動すると、排気ガスがタービンの回転により旋回流となってケース11内に流入する。よって、ケース11の流入口部13を上述の如くオフセット配置していても、排気ガスがモノリス触媒12の全体に分散し易くなる。つまり、モノリス触媒12の上部にも少なくない量の排気ガスが流れるから、このモノリス触媒12の上部も排気ガスの浄化に有効に利用される。
そうして、上述の如く排気ガスの主流はモノリス触媒の軸心付近から下部寄りを通るから、モノリス触媒12の下部側は排気ガスの主流によって加熱される。一方、熱気は上昇するという性質があるため、排気ガスが流入口部13からケース11に流入すると、熱気が上方へ流れてモノリス触媒12に流入し、また、モノリス触媒12の下部からも熱気が上昇する。その結果、モノリス触媒12の上部側も上記熱気の上昇によって加熱されることになる。そのため、モノリス触媒全体が効率良く加熱されて触媒の活性化が図れるとともに、その活性が維持される。
要するに、排気ガスの主流がモノリス触媒12の軸心付近から下部にわたる部分を通るようにし、熱気の上昇によってモノリス触媒12の上部を加熱するようにしたから、排気ガスが保有する限られた熱量がモノリス触媒12全体の昇温および温度維持に効率的に利用されることになる。
エンジンの運転状態が低負荷運転や燃料カット運転に移行すると、排気ガスの温度が低くなるが、エンジンから排出される排気ガス流量も少なくなる。また、排気ターボ過給機2が作動しないエンジンの低負荷運転時や燃料カット時には、触媒コンバータ3に流入する排気ガスは旋回流とならない。そのため、温度が低い排気ガスの多くは、モノリス触媒12の軸心付近から下部にわたる部分を通り、モノリス触媒12の上部側を通る排気ガス量は少ない。
従って、モノリス触媒12の下部側は低温の排気ガスで冷やされるものの、上部側が低温の排気ガスによって冷やされることが避けられる。よって、先に熱気の上昇によって温度が高くなっているモノリス触媒12の上部では熱が保有され、温度の低下が少ない。
そのため、その後にエンジン運転状態が中負荷運転や高負荷運転に移行して高温の排気ガスがモノリス触媒12に流入したときには、モノリス触媒12の上部によって奪われる熱量が少ないから、モノリス触媒12の下部側の温度が速やかに上昇してモノリス触媒12の全体が活性を呈する状態になり易い。よって、エミッション性能の悪化が避けられる。
また、上述の如くケース11の流入口部13の中心Ciをモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットさせたことにより、ケース11の上流側カバー11bは、その下半周側に比べて上半周側のコーン壁の、流入口部13からケース本体11aに至る距離が長くなっている。従って、この上半周側のコーン壁に対する温度センサ17のレイアウトが容易になる。
図5は別の実施形態を示す。図2に示す実施形態では触媒コンバータ3の流入口部13と流出口部14がモノリス触媒12を挟んで相対しているが、図5では流入口部13と流出口部14が相対しない構造になっている。
まず、ケース11の上流側カバー11bは、図2に示す実施形態と同じく、モノリス触媒12の上流側の端面に相対して排気ガスをモノリス触媒12に向かって略水平に流入させる流入口部13を備えている。流入口部13の中心Ciはモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットしている。そのオフセット量D1はモノリス触媒12の半径の1/4以上1/2以下であることが好ましい。そして、この流入口部13から湾曲して立ち上がった上流側の管部に上流側排気管又は排気ターボ過給機のタービンハウジングが結合されている。
一方、ケース11の下流側カバー11cは、モノリス触媒12を収容するケース本体11aから斜め下方に延びており、その先端にモノリス触媒12の下流側から排気ガスを斜め下方に流出させる流出口部14が下向きに開口している。そして、この流出口部14に連結管7によって粒子状物質処理装置(図示省略)が接続されている。
図5に示す実施形態においても、ケース11の流出口部14はモノリス触媒12の下流側から排気ガスを斜め下方に流出させるから、流入口部13から流入する排気ガスの主流はモノリス触媒12の軸心付近から下部にわたる部分を通ることになる。
よって、エンジンの中負荷・高負荷運転時には、モノリス触媒12の下部側は排気ガスの主流によって加熱され、上部側は熱気の上昇によって加熱されるため、排気ガスが保有する限られた熱量がモノリス触媒12全体の昇温および温度維持に効率的に利用されることになる。
また、エンジンの運転状態が低負荷運転や燃料カット運転に移行したときは、モノリス触媒12の下部側は低温の排気ガスで冷やされるものの、先に熱気の上昇によって温度が高くなっているモノリス触媒12の上部側では熱が保有され、温度の低下が少なくなる。そのため、その後に高温の排気ガスがモノリス触媒12に流入したときには、モノリス触媒12の上部によって奪われる熱量が少ないから、モノリス触媒12全体が速やかに活性温度まで上昇することになる。
1 エンジン本体
2 排気ターボ過給機
3 触媒コンバータ
4 粒子状物質処理装置
5 EGRクーラー
6 EGRバルブ
7 連結管
11 ケース
12 モノリス触媒
13 流入口部
14 流出口部
15 タービンハウジング
16 排気ガス出口部
19 フィルタ
本発明はエンジンの排気装置に関する。
自動車のエンジンの排気系には排気ガスを浄化するための触媒コンバータが設けられている。特許文献1には、モノリス触媒を略水平に配置し、このモノリス触媒に対して排気ガスをC型に湾曲した連絡導管によって斜め上から導入し、このモノリス触媒から排気ガスを斜め下方へ流出させることが記載されている。モノリス触媒に流入する排気ガスの流れを均一にし、排気ガスがモノリス触媒の一部に集中することを防止せんとするものである。
特許4326145号公報
ところで、最近はエンジンの熱効率の向上により、排気に捨てられるエネルギーが少なくなっており、それに伴って、排気ガス温度が低下する傾向にある。従って、排気ガスから得られる限られた熱量で触媒をいかに効率良く活性化させるかが重要になる。
触媒が活性を呈する温度になった後においても、エンジンの運転状態が低負荷運転に移行したときや燃料カット時には、排気ガス温度が低くなる。その結果、この低温の排気ガスで触媒が冷やされてその活性が低下する。その後、エンジン運転状態が中負荷運転や高負荷運転に移行すると、排気ガス温度が高くなる結果、触媒が加熱されて再び活性を呈するようになる。
上記触媒の活性低下は、エンジン運転状態の変化によって生ずる一時的なものであるが、その間は排気ガスの浄化率が低下する。そのため、触媒の再活性に要する時間が長くなると、それだけ自動車のエミッション性能に悪影響がでる。
以上のことは、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンのいずれにおいてもいえることであるが、排気ガス温度が元から低いディーゼルエンジンにおいて特に問題になる。
そこで、本発明は、排気ガスが有する限られた熱量で触媒を効率良く活性にすることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、触媒コンバータおよび粒子状物質処理装置をエンジン本体の側面にコンパクトにまとめて配置するようにした。
ここに提示するエンジンの排気装置は、排気ガス浄化用の触媒コンバータを備え、
さらに、上記触媒コンバータから流出する排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタを有する粒子状物質処理装置を備え、
上記触媒コンバータがエンジン本体の側面に沿って配置され、
上記粒子状物質処理装置が上記触媒コンバータの下側において該触媒コンバータおよび上記エンジン本体に沿うように配置され、
さらに、吸気系に還流させる排気ガスを冷却するEGRクーラと、吸気系への排気ガス還流量を調節するEGRバルブとを備え、
上記粒子状物質処理装置の下流側に、排気ガスをEGRクーラに導くEGR用の排気ガス取出口が開口し、
上記EGRバルブは、上記EGRクーラのEGR用ガスの流出口側に接続されて、上記粒子状物質処理装置の上記エンジン本体側の端部よりも上記エンジン本体の側面から離れた位置に設けられていることを特徴とする。
この排気装置によれば、触媒コンバータおよび粒子状物質処理装置をエンジン本体の側面にコンパクトにまとめて配置することができるとともに、エンジン本体、触媒コンバータおよび粒子状物質処理装置の三者が互いの放熱を妨げる関係になり、熱損失の低減に有利になる。よって、排気ガスが有する限られた熱量で触媒を効率良く活性にする上で有利になる。
本発明の好ましい態様では、上記触媒コンバータは、軸心が横にされた排気ガス浄化用の触媒と、該触媒に排気ガスを流入させる、口径が該触媒の直径よりも小さい流入口部とを備え、
上記エンジン本体の側面視において、上記流入口部と上記触媒の上流側の端面が横方向に相対し、且つ該流入口部の中心が該触媒の軸心に対して下方に偏倚している。
この態様においては、触媒コンバータの流入口部が触媒の上流側の端面に相対し、且つ該流入口部の中心が下方に偏倚しているから、排気ガスの流れが速い主流部分は主として触媒の軸心付近から下部寄りの部分を通ることになる。
一方、触媒の上部側を流れる排気ガス流量は下部側に比べると少ないが、エンジンの中負荷・高負荷運転においてはエンジンから排出される排気ガス流量自体が多い。従って、触媒の上部にも少なくない量の排気ガスが流れるから、触媒の上部も排気ガスの浄化に有効に利用される。
そうして、上述の如く排気ガスの主流は触媒の軸心付近から下部寄りを通るから、触媒の下部側は排気ガスの主流によって加熱される。一方、熱気は上昇するという性質があるため、排気ガスが流入口部から触媒コンバータ内に流入すると、熱気が上方へ流れて触媒に流入し、また、触媒の下部からも熱気が上昇する。その結果、触媒の上部側も上記熱気の上昇によって加熱されることになる。そのため、触媒全体が効率良く加熱されて触媒の活性化が図れるとともに、その活性が維持される。
すなわち、排気ガスの流入口部の中心触媒の軸心に対して偏倚していない従来装置では、触媒の軸心まわりは排気ガスの主流で加熱され、触媒の上部も熱気の上昇によって加熱されるものの、触媒の下部側は上部に比べて温度が低くなり易いという問題がある。これが当該態様によって解決される。
要するに、排気ガスの主流部分が触媒の軸心付近から下部にわたる部分を通るようにし、熱気の上昇によって触媒の上部を加熱するようにしたから、排気ガスが保有する限られた熱量が触媒全体の昇温および温度維持に効率的に利用されるということである。
次にエンジンの運転状態が低負荷運転や燃料カット運転に移行すると、排気ガスの温度が低くなるが、エンジンから排出される排気ガス流量も少なくなる。その温度が低い排気ガスの多くは、触媒の軸心付近から下部にわたる部分を通り、触媒の上部側を通る排気ガス量は少ない。
従って、触媒の軸心付近から下部にわたる部分は低温の排気ガスで冷やされるものの、先に熱気の上昇によって温度が高くなっている触媒の上部では熱が保有され、温度の低下が少ない。
すなわち、従来装置では、温度が低い排気ガスが触媒の軸心付近に向かって流入するから、触媒の上部も低温の排気ガスで冷やされ易いが、当該態様では、触媒の上部に熱が保有され易い。
そのため、その後にエンジン運転状態が中負荷運転や高負荷運転に移行して高温の排気ガスが触媒に流入したときには、触媒の上部によって奪われる熱量が少ないから、触媒の下部側の温度が速やかに上昇して、触媒全体が早期に再活性化する。よって、エミッション性能の悪化が避けられる。
本発明の別の好ましい態様では、上記触媒コンバータの排気ガスの流出口部は、上記触媒の下流側から排気ガスが斜め下方に流出するように設けられ、又は上記触媒の下流側の端面に相対し、且つ該流出口部の中心が該触媒の軸心に対して下方に偏倚していて、排気ガスが上記触媒の下流側から横方向に流出するように設けられている
触媒コンバータの流出口部が、触媒の下流側から排気ガスが斜め下方に流出するように設けられている場合、排気ガスの流れが速い主流部分は主として触媒の軸心付近から下部寄りの部分を通ることになる。触媒コンバータの流出口部が触媒の下流側の端面に相対し、且つ該流出口部の中心が該触媒の軸心に対して下方に偏倚している場合も、排気ガスの主流部分は主として触媒の軸心付近から下部寄りの部分を通ることになる。
本発明の別の好ましい態様では、上記EGRクーラは、一連に接続したEGR用のガス導入部、クーラ本体部およびEGR用のガス流出部を備え、上記ガス導入部が上記粒子状物質処理装置のEGR用の排気ガス取出口に接続されている。
本発明の別の好ましい態様では、上記EGRバルブは上記EGRクーラのEGR用ガスの流出口に直結されている
上述の如く、本発明によれば、触媒コンバータがエンジン本体の側面に沿って配置され、粒子状物質処理装置が触媒コンバータの下側において該触媒コンバータおよびエンジン本体に沿うように配置され、粒子状物質処理装置の下流側に排気ガスをEGRクーラに導くEGR用の排気ガス取出口が開口し、EGRバルブはEGRクーラのEGR用の排気ガス流出口側に接続されて、粒子状物質処理装置のエンジン本体側の端部よりもエンジン本体の側面から離れた位置に設けられているから、触媒コンバータおよび粒子状物質処理装置をエンジン本体の側面にコンパクトにまとめて配置することができるとともに、エンジン本体、触媒コンバータおよび粒子状物質処理装置の三者が互いの放熱を妨げる関係になり、熱損失の低減に有利になる。よって、排気ガスが有する限られた熱量で触媒を効率良く活性にする上で有利になる。
エンジンの排気装置を示す斜視図である。 同排気装置を一部縦断面で示す側面図である。 同排気装置の触媒コンバータを示す正面図である。 粒子状物質処理装置、EGRクーラ及びEGRバルブを示す分解斜視図である。 触媒コンバータの他の例を示す概略縦断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1において、1は自動車のエンジンルームに設けられるディーゼルエンジンのエンジン本体である。本実施形態ではエンジン本体1はクランクシャフトが車幅方向に延びる横置きにされ、エンジン本体1の側面(この場合は背面)に排気ターボ過給機2、触媒コンバータ3、粒子状物質処理装置4、EGRクーラ5およびEGRバルブ6が配置されている。
本例の触媒コンバータ3は排気ガス中のHCおよびCOを酸化浄化する酸化触媒である。粒子状物質処理装置4は、排気ガス中の粒子状物質を捕集して燃焼除去する、所謂DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)である。EGRクーラ5は吸気系に還流させる排気ガスを冷却する。EGRバルブ6は吸気系へのEGR量(排気ガス還流量)を調節する。
ターボ過給機2および触媒コンバータ3は、各々の軸心が略水平にされ、すなわち軸心が横にされ、エンジン本体1の上部の側面に沿ってエンジン本体1の長手方向(車幅方向)に連ねて配置されている。粒子状物質処理装置4は、触媒コンバータ3の下側において該触媒コンバータ3の下面およびエンジン本体1の側面に沿うように軸心が略水平にされて配置されている。触媒コンバータ3は粒子状物質処理装置4に湾曲した連結管7によって連結されている。
このような触媒コンバータ3および粒子状物質処理装置4のレイアウトによれば、触媒コンバータ3および粒子状物質処理装置4をエンジン本体1の側面にコンパクトにまとめて配置することができる。しかも、エンジン本体1、触媒コンバータ3および粒子状物質処理装置4の三者が互いの放熱を妨げる関係になり、熱損失の低減に有利になる。
粒子状物質処理装置4には車室床下に配置されるフレキシブルチューブ8を介して自動車後方に延びる排気管9が接続されている。図示は省略しているが、排気管9は排気サイレンサを介してテールパイプに続いている。図1において、26は粒子状物質処理装置4の入口ガス温度を検出する温度センサ、27は粒子状物質処理装置4の入口側のガス圧を検出する圧力センサ(図示せず)の圧力取出し部である。
図2に示すように、触媒コンバータ3は、ケース11にモノリス触媒12を略水平にした状態で収容してなる。ケース11は、モノリス触媒12を収容するケース本体11aと、モノリス触媒12の上流側の端面を覆うコーン状の上流側カバー11bと、モノリス触媒12の下流側の端面を覆うコーン状の下流側カバー11cとを備えてなる。上流側カバー11bには、エンジン本体1の側面視において、モノリス触媒12の上流側の端面に相対し、排気ガスをモノリス触媒12に向かって略水平に(横方向に)流入させる流入口部13が設けられている。また、下流側カバー11cには、モノリス触媒12を挟んで流入口部13に相対し(モノリス触媒12の下流側の端面に相対し)、モノリス触媒12の下流側から排気ガスを略水平に(横方向に)流出させる流出口部14が設けられている。
ケース11の流入口部13には、排気ターボ過給機2のタービンハウジング15の排気ガス出口部16が直結されている。ケース11の流出口部14には、連結管7の上流端が結合している。また、上流側カバー11bの流入口部13からケース本体11aに至るコーン壁部の上半周側に触媒コンバータ3の入口ガス温度を検出する温度センサ17が取付けられている。
上記ケース11の流入口部13および流出口部14は、各々の口径がモノリス触媒12の直径よも小さく、流入口部13の中心Ciおよび流出口部14の中心Coはモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットしている。流入口部13の中心Ciのモノリス触媒12の軸心Ccに対するオフセット量D1、並びに流出口部14の中心Coのモノリス触媒12の軸心Ccに対するオフセット量D2はいずれも、モノリス触媒12の半径の1/4以上1/2以下であることが好ましい。
図3に示すように、流入口部13および流出口部14は、各々の開口面積の2/3以上がモノリス触媒12の上流側及び下流側各々の下半周側の端面に相対するように配置されていることが好ましい。さらに、好ましいのは、上記オフセット量D1,D2を1/2以下とし、流入口部13および流出口部14各々の開口面積の2/3以上がモノリス触媒12の上流側及び下流側各々の下半周側の端面に相対するようにすることである。
図3の例では、流入口部13の開口面積の殆どがモノリス触媒12の上流側の下半周側の端面に相対し、流出口部14の開口面積の少なくとも5/6がモノリス触媒12の下流側の下半周側の端面に相対している。
図2に示すように、粒子状物質処理装置4は、ケース18に排気ガス中の粒子状物質を捕集するモノリスフィルタ19を収容してなる。フィルタ19には、該フィルタ19に堆積した粒子状物質を燃焼除去するための触媒がコーティングされている。ケース18は、フィルタ19を収容するケース本体18aと、フィルタ19の上流側の端面を覆う上流側カバー18bと、フィルタ19の下流側の端面を覆う下流側カバー18cとを備えてなる。上流側カバー18bに連結管7の下流端が結合している。
図4に示すように、粒子状物質処理装置4の下流側カバー18cは、扁平になっていて、粒子状物質処理装置4の後方に向かって突出しており、その先端に排気ガスをテールパイプに導く図2に示す排気ガス排出口21が開口している。そして、下流側カバー18cにおけるフィルタ19の軸心Cfから前方(該軸心Cfを挟んで排気ガス排出口21の反対側)にオフセットした位置に、排気ガスをEGRクーラ5に導く図4に示すEGR用の排気ガス取出口22が開口している。
EGRクーラ5は、一連に接続したEGR用のガス導入部5a、クーラ本体部5bおよびEGR用のガス流出部5cを備えてなる。EGRクーラ5は水冷であり、クーラ本体部5bに冷却水供給管23と冷却水排出管24が接続されている。そうして、ガス導入部5aが下流側カバー18cの排気ガス取出口22に接続されて、EGRクーラ5は、扁平な下流側カバー18cに沿うように、フィルタ19の軸心Cfを挟んで排気ガス取出口22の反対側、つまり、後方へ延びている。
このEGRクーラ5の後端のガス流出部5cにEGR用ガスの流出口25が側方(粒子状物質処理装置4の反対側)に向かって開口し、該流出口25にEGRバルブ6が接続(直結)されて、EGRバルブ6が粒子状物質処理装置4のエンジン本体側の端部よりもエンジン本体1の側面から離れた位置に設けられている。
以上により、粒子状物質処理装置4、EGRクーラ5およびEGRバルブ6は、エンジン本体1の側面(背面)に沿って該エンジン本体1の長手方向に配列されている。
上記エンジンの排気装置によれば、排気ガスは触媒コンバータ3のケース11の流入口部13からモノリス触媒12に向かって略水平に流入する。この流入口部13の中心Ciはモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットし、且つ流出口部14の中心Coもモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットしているから、排気ガスの流
れが速い主流部分はモノリス触媒12の軸心Cc付近から下部にわたる部分を通る。
一方、モノリス触媒12の上部を流れる排気ガス量は下部に比べると少ないが、エンジンの中負荷・高負荷運転においてはエンジンから排出される排気ガス量自体が多い。しかも、排気ターボ過給機2のタービンハウジング15がケース11の流入口部13に直結されているから、排気ターボ過給機2が作動すると、排気ガスがタービンの回転により旋回流となってケース11内に流入する。よって、ケース11の流入口部13を上述の如くオフセット配置していても、排気ガスがモノリス触媒12の全体に分散し易くなる。つまり、モノリス触媒12の上部にも少なくない量の排気ガスが流れるから、このモノリス触媒12の上部も排気ガスの浄化に有効に利用される。
そうして、上述の如く排気ガスの主流はモノリス触媒の軸心付近から下部寄りを通るから、モノリス触媒12の下部側は排気ガスの主流によって加熱される。一方、熱気は上昇するという性質があるため、排気ガスが流入口部13からケース11に流入すると、熱気が上方へ流れてモノリス触媒12に流入し、また、モノリス触媒12の下部からも熱気が上昇する。その結果、モノリス触媒12の上部側も上記熱気の上昇によって加熱されることになる。そのため、モノリス触媒全体が効率良く加熱されて触媒の活性化が図れるとともに、その活性が維持される。
要するに、排気ガスの主流がモノリス触媒12の軸心付近から下部にわたる部分を通るようにし、熱気の上昇によってモノリス触媒12の上部を加熱するようにしたから、排気ガスが保有する限られた熱量がモノリス触媒12全体の昇温および温度維持に効率的に利用されることになる。
エンジンの運転状態が低負荷運転や燃料カット運転に移行すると、排気ガスの温度が低くなるが、エンジンから排出される排気ガス流量も少なくなる。また、排気ターボ過給機2が作動しないエンジンの低負荷運転時や燃料カット時には、触媒コンバータ3に流入する排気ガスは旋回流とならない。そのため、温度が低い排気ガスの多くは、モノリス触媒12の軸心付近から下部にわたる部分を通り、モノリス触媒12の上部側を通る排気ガス量は少ない。
従って、モノリス触媒12の下部側は低温の排気ガスで冷やされるものの、上部側が低温の排気ガスによって冷やされることが避けられる。よって、先に熱気の上昇によって温度が高くなっているモノリス触媒12の上部では熱が保有され、温度の低下が少ない。
そのため、その後にエンジン運転状態が中負荷運転や高負荷運転に移行して高温の排気ガスがモノリス触媒12に流入したときには、モノリス触媒12の上部によって奪われる熱量が少ないから、モノリス触媒12の下部側の温度が速やかに上昇してモノリス触媒12の全体が活性を呈する状態になり易い。よって、エミッション性能の悪化が避けられる。
また、上述の如くケース11の流入口部13の中心Ciをモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットさせたことにより、ケース11の上流側カバー11bは、その下半周側に比べて上半周側のコーン壁の、流入口部13からケース本体11aに至る距離が長くなっている。従って、この上半周側のコーン壁に対する温度センサ17のレイアウトが容易になる。
図5は別の実施形態を示す。図2に示す実施形態では触媒コンバータ3の流入口部13と流出口部14がモノリス触媒12を挟んで相対しているが、図5では流入口部13と流出口部14が相対しない構造になっている。
まず、ケース11の上流側カバー11bは、図2に示す実施形態と同じく、モノリス触媒12の上流側の端面に相対して排気ガスをモノリス触媒12に向かって略水平に流入させる流入口部13を備えている。流入口部13の中心Ciはモノリス触媒12の軸心Ccに対して下方にオフセットしている。そのオフセット量D1はモノリス触媒12の半径の1/4以上1/2以下であることが好ましい。そして、この流入口部13から湾曲して立ち上がった上流側の管部に上流側排気管又は排気ターボ過給機のタービンハウジングが結合されている。
一方、ケース11の下流側カバー11cは、モノリス触媒12を収容するケース本体11aから斜め下方に延びており、その先端にモノリス触媒12の下流側から排気ガスを斜め下方に流出させる流出口部14が下向きに開口している。そして、この流出口部14に連結管7によって粒子状物質処理装置(図示省略)が接続されている。
図5に示す実施形態においても、ケース11の流出口部14はモノリス触媒12の下流側から排気ガスを斜め下方に流出させるから、流入口部13から流入する排気ガスの主流はモノリス触媒12の軸心付近から下部にわたる部分を通ることになる。
よって、エンジンの中負荷・高負荷運転時には、モノリス触媒12の下部側は排気ガスの主流によって加熱され、上部側は熱気の上昇によって加熱されるため、排気ガスが保有する限られた熱量がモノリス触媒12全体の昇温および温度維持に効率的に利用されることになる。
また、エンジンの運転状態が低負荷運転や燃料カット運転に移行したときは、モノリス触媒12の下部側は低温の排気ガスで冷やされるものの、先に熱気の上昇によって温度が高くなっているモノリス触媒12の上部側では熱が保有され、温度の低下が少なくなる。そのため、その後に高温の排気ガスがモノリス触媒12に流入したときには、モノリス触媒12の上部によって奪われる熱量が少ないから、モノリス触媒12全体が速やかに活性温度まで上昇することになる。
1 エンジン本体
2 排気ターボ過給機
3 触媒コンバータ
4 粒子状物質処理装置
5 EGRクーラ
6 EGRバルブ
7 連結管
11 ケース
12 モノリス触媒
13 流入口部
14 流出口部
15 タービンハウジング
16 排気ガス出口部
19 フィルタ

Claims (3)

  1. 排気ガス浄化用の触媒コンバータを備えたエンジンの排気装置において、
    上記触媒コンバータは、排気ガスの流入口部と流出口部を備えたケースにモノリス触媒がその軸心を略水平にした状態で収容されてなり、
    上記ケースの流入口部は、上記モノリス触媒の上流側の端面に相対し、且つ該流入口部の中心が該モノリス触媒の軸心に対して下方にオフセットしていて、排気ガスが上記モノリス触媒に向かって略水平に流入するように設けられ、
    上記ケースの流出口部は、上記モノリス触媒の下流側から排気ガスが斜め下方に流出するように設けられ、又は上記モノリス触媒の下流側の端面に相対し、且つ該流出口部の中心が該モノリス触媒の軸心に対して下方にオフセットしていて、排気ガスが上記モノリス触媒の下流側から略水平に流出するように設けられていることを特徴とするエンジンの排気装置。
  2. 請求項1において、
    さらに、上記触媒コンバータから流出する排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタを有する粒子状物質処理装置を備え、
    上記触媒コンバータがエンジン本体の側面に沿って配置され、
    上記粒子状物質処理装置が上記触媒コンバータの下側において該触媒コンバータの下面および上記エンジン本体の側面に沿うように軸心を略水平にして配置されていることを特徴とするエンジンの排気装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    さらに、排気ターボ過給機を備え、該排気ターボ過給機のタービンハウジングの排気ガス出口部が上記触媒コンバータのケースの流入口部に直結されていることを特徴とするエンジンの排気装置。
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