JP4400194B2 - ディーゼルエンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明はディーゼルエンジンの排気ガス中のパティキュレート及びNOxを除去するための排気浄化装置に関する。
最近の内燃機関の排気ガスに対する規制は年々強化されており、特にディーゼルエンジンでは、 排気ガス中のNOxの低減に加え、カーボンを主成分とするパティキュレート(以下「PM」という。)の低減が急務となっている。このPMを排気から除去する装置として、フィルタによってPMを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(以下「DPF」という。)が知られており、ディーゼルエンジンを搭載した車両にDPFを装備させることを義務づける動きも本格化してきている。
ところで、ディーゼルエンジンを搭載した車両に装備されるDPFには、エンジンが繰り返し運転されることによって捕集したPMが堆積するため、捕集したPMを燃焼してDPFを再生させる必要がある。この再生の手段としては、電気ヒータやバーナ等で加熱してPMを燃焼させる方式が知られている。このPMを燃焼させる方式を採用した場合、DPFの再燃焼中はPMの捕集が不可能なため、排気通路に複数のDPFを並列に配設して捕集と燃焼を交互に行うシステムとなり、装置が大掛かりになってしまうという問題が発生する。また、PMを燃焼させる方式は、PM燃焼時の温度が高温になるためフィルタの耐久性確保が問題となってしまう。このような理由からこの捕集したPMを燃焼させる方式は、広く採用されるまでには至っていない。
上記のような問題を踏まえ、近年ではディーゼルエンジンの排気浄化装置として、一例として特許第3012249号に記載されているように、DPFの排気ガス上流に酸化触媒を設置し排気ガス中のNOを酸化してNO2を生成させ、NO2によってDPFに捕集したPMをエンジン作動中に連続して酸化・除去させてDPFを再生させる方式が注目されている。なお、特許第2600492号に記載されているように、NOx吸蔵還元型触媒をDPFに担持させて、NOxを吸蔵、還元する際に発生する活性酸素を利用して捕集したPMを連続的に酸化・除去させる方式も知られている。
こうした連続再生式のディーゼルパティキュレートフィルタ(以下「連続再生式DPF」という)では、加熱ヒータなどを装着することなくエンジン作動中に連続してDPFを再生できるが、例えば、酸化触媒におけるNOをNO2に酸化する反応の効率、いわゆる転化率は、触媒温度によって大きく変化し、ほぼ250℃から400℃の間における領域では良好な酸化反応を見ることが出来るものの、それ以外の領域では十分にNOからNO2への転化が行われない。つまり、ディーゼルエンジンの排気ガスが250℃から400℃以外の温度領域では、再生が行われないままDPFにPMが捕集され続けることになる。そのPMが多量に溜め込まれた状態でPMの酸化が発生するとDPF内で一気に反応が進行しフィルタの耐久性を著しく損ねるなどの問題も発生する。
連続再生式DPFにおけるこのような問題に対処するため、本出願人は、特願2001−155894号(特開2002−349241号公報参照)において、連続再生式DPFが配置されたディーゼルエンジンの排気通路に、このDPFをバイパスするバイパス通路と小容量の第2の連続再生式DPFとを設け、ディーゼルエンジンの排気温度が低い領域では、排気ガス温度上昇手段を作動させるとともに排気ガスを第2の連続再生式DPFを通過させるようにしたディーゼルエンジンの排気浄化装置を提案している。以下、図7、図2、図3に基づいて、このディーゼルエンジン排気浄化装置を具体的に説明する。
図7は、上記提案のディーゼルエンジンの全体的な概略図である。ディーゼルエンジンは、吸気通路5における排気ガス再循環(以下「EGR」という)通路9の連結部よりも上流側に配設され吸入空気量を制限する吸気シャッタ22を備えている。この吸気シャッタ22は、通常状態では全開に保持されている。また、排気通路7におけるEGR通路9の連結部よりも下流側には、排気ガスの流出を制限する排気シャッタ23が配設されている。この排気シャッタ23も上記吸気シャッタ22と同様に、通常状態では全開に保持されている。なお、吸気シャッタ22および排気シャッタ23は、例えば図示しない負圧タンクに接続された負圧アクチュエータを備えており、制御手段10により運転状態に応じて供給される負圧量が増減されることにより、その開度が制御される。
排気通路7における排気シャッタ23の後流には、酸化触媒121及びDPF122から成る連続再生式DPF12並びにNOx触媒14が装着されており、さらに、排気マニホールド4の直後の排気通路7には、排気通路をバイパスするバイパス通路101が配設されている。このバイパス通路101には、図2に示す本発明における第2の連続再生式DPFと同様に、酸化触媒及びDPFを有する第2連続再生式DPF13が配設されている。この第2連続再生式DPFの容量は、第1の連続再生式DPFの容量より小さく構成されているとともに、上記バイパス通路の入口と出口間の排気通路には、排気ガスの流路を切り換える切替弁102が配設されている。この切替弁は制御手段10により制御され、これを閉じると排気マニホールド4から排出される排気ガスをバイパス通路101、即ち第2連続再生式DPF13に流入せしめる。
また、上記提案の実施例のディーゼルエンジンは、その排気バルブ作動機構に吸気行程中において排気出口をシリンダに開放する排気ガス導入機構を具備している。すなわち、図3に示す本発明の排気ガス導入機構と同様に、排気バルブ作動機構を構成する排気カムは、通常のカムプロフィール(カム突起部)と、排気導入カムプロフィールを備えている(排気二段カム)。このように構成された排気カムを用いると、排気カムに形成された排気導入カムプロフィールにより排気バルブが少量リフトされ、吸気行程中にシリンダ内に排気ガスを逆流させる排気導入、いわゆる内部EGR、が行われることになる。
上記のような構成を有するディーゼルエンジンでは、エンジンの排気温度の低い運転時において、切替弁102を閉じて排気ガスをバイパス通路101及び第2連続再生式DPF13に流入させる。これと同時に、例えば、排気シャッタ23と吸気シャッタ22の開度を低下させることにより、空気過剰率の減少等によって排気ガスの温度を上昇させる。第2の連続再生式DPF13は、排気マニホルド4の近傍で第1の連続再生式DPF12よりも上流に配置されているのでそこを通過する排気ガスは冷却されず、また、触媒等は小容量であって熱容量も小さいので容易に温度が上昇する。このため、排気ガス温度の低い運転領域であっても、酸化触媒の活性温度範囲に保つことが可能となり、第2連続再生式DPF13によるPMの捕集及びDPFの再生を効率よく行うことができる。
特許第3012249号 特許第2600492号 特開2002−349241号
本出願人の提案にかかる上記ディーゼルエンジンでは、前述したように、排気ガス温度の低い運転領域でも第2連続再生式DPFによってPMを良好に捕集し再生することができ、主要なPM除去装置である第1の連続再生式DPFに過剰なPMが蓄積されるような事態を防止できる。しかし、排気ガス中の有害成分であるNOxをPMとともに低減させることは、なかなか困難な面があり、例えば、第1の連続再生式DPFの後流にNOx触媒14を装着せざるを得ないなど、NOx減少等については、本出願人の提案のディーゼルエンジンにも未だ改善の余地が残されている。
課題を解決する手段
本発明は、上記の課題に鑑み、第2の連続再生式DPFを有しかつ排気ガス導入機構により内部EGRを行うディーゼルエンジンにおいて、EGR通路の途中に介在させた冷却器等により排気ガスを冷却して吸気管に再循環する、いわゆるクールEGRを採用し、エンジンの低排気温度領域であっても高温域の場合には、クールEGRを実施することにより、エンジン運転領域の広い範囲にわたってPMとNOxとを同時に低減させるものであり、さらには、エンジン通常運転時のPM除去の主要処理装置となる第1の連続再生式DPFを、早期に再生可能な状態とするものである。すなわち、本発明は、
「エンジンの排気通路に配置され、酸化触媒を備えた第1の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタと、前記第1の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタよりも上流の上流側排気通路をバイパスするバイパス通路と、排気ガスの流路を前記上流側排気通路又は前記バイパス通路へ切り換える切替弁と、前記バイパス通路に配設され、酸化触媒を備えた第2の連続再生式パティキュレートフィルタとを有し、かつ、
排気ガス再循環量を制御するEGR弁と排気ガスを冷却する冷却器とを介して、前記エンジンの吸気通路に排気ガスを再循環するEGR装置と、前記エンジンの排気通路をエンジン吸気行程において短時間エンジンのシリンダに蓮通させる排気ガス導入機構と、前記エンジンの吸気通路に配設された吸気シャッタとを有するディーゼルエンジンにおいて、
前記エンジンの排気温度が、前記第1の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタにおける酸化触媒の活性温度以下の低排気温度領域であるか否かを判定する温度領域判定手段を備えており、
前記エンジンの排気温度が前記低排気温度領域内にあるときは、前記切替弁により排気ガスの流路を前記バイパス通路へ切り換え、次いで、NOxの発生状況を基に低排気温度領域における高温域にあるか低温域にあるかを判定し、高温域にあるときは、前記吸気シャッタを絞るとともに前記EGR弁を開いて排気ガスを吸気通路に再循環する一方、低温域にあるときは、前記吸気シャッタを絞るとともに前記EGR弁を閉じて排気ガスの再循環を停止し、
前記エンジンの排気温度が前記低排気温度領域を越えたときは、前記切替弁により排気ガスの流路を前記上流側排気通路へ切り換えた後に、前記吸気シャッタを全開とし、前記EGR弁を開いて排気ガスを吸気通路に再循環する」
ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装置となっている。ここで「連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタ」とは、前述したように、触媒とDPFとを組み合わせ、触媒の作用によってDPFに蓄積されたPMをエンジン作動中に連続して酸化・除去するものをいう。
前記の第2の連続再生式パティキュレートフィルタは、第1の連続再生式パティキュレートフィルタよりも小容量であることが望ましい。
エンジンの出力が増大してエンジンの排気温度が低排気温度領域よりも高まる運転領域では、排気ガスの温度は十分高温であって、第1の連続再生式DPFにおける酸化触媒の温度も上昇しNOの酸化反応が促進され、DPFの再生が連続的に行われつつ排気ガス中のPMが捕集される。このような領域では、請求項3に記載されているように、基本的には2つの領域に分けて制御するのが望ましい。つまり、低排気温度領域に隣接する中間排気温度領域では、殊に排気ガス中のNOxが問題となるので、冷却した排気ガスを吸気通路に再循環し、エンジンの排気温度が中間排気温度領域よりもさらに高い高排気温度領域では、前記冷却した排気ガスの再循環を停止するように制御される。
また、前記ディーゼルエンジンでは、エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、エンジン負荷とエンジン回転速度をパラメータとしてエンジンの排気温度領域を設定した排気温度領域マップとを用いて、制御を実行することができる。
前記ディーゼルエンジンの低排気温度領域では、第2の連続再生式DPFの酸化触媒を急速に活性化させるため、排気温度を上昇させることが望ましい。このため、請求項5に記載されているように、エンジンの吸気通路に設けた吸気シャッタを、低排気温度領域内の低温域においては高温域にあるときよりも強く絞り、吸入空気量を減少させてシリンダ内の燃焼時の空気過剰率を下げ、排気温度を上昇させることができる。また、請求項6に記載されているように、これと同時に排気通路に排気シャッタを設けて排気を絞ることにより、排気温度上昇の効果を一層高めることもできる。
上述のとおり、本発明のディーゼルエンジンの実施態様として、吸気通路に配設された吸気シャッタに加えて、排気通路にも排気シャッタを配設し、低排気温度領域の低温域では前記吸気シャッタにより吸気通路を絞るとともに、排気シャッタにより排気通路を絞るように制御され、さらに、エンジンの排気温度が低排気温度領域よりも高い中間排気温度領域では、前記排気シャッタにより排気通路を絞りながら冷却した排気ガスを吸気通路に再循環し、エンジンの排気温度が中間排気温度領域よりもさらに高い高排気温度領域では、冷却した排気ガスの再循環を停止するようにすることができる。この実施態様においては、排気シャッタを若干閉じて排気通路を絞ることにより、中間排気温度領域における排気ガスの再循環量を増大させることが可能となる。
本発明では、排気ガス温度の低い運転領域(低排気温度領域)、つまり、排気ガス温度が第1の連続再生式DPFの触媒活性温度に達しない領域であっても、バイパス通路に配設した第2の連続再生式DPFによってPMを良好に捕集し再生することができ、主要なPM除去装置である第1の連続再生式DPFに過剰なPMが蓄積されるような事態を防止できる。さらに、低排気温度領域の内でも比較的温度の高い高温域では、冷却した排気ガスを吸気通路に再循環するクールEGRを実施したことに伴い、この温度範囲で発生量の多いNOxを低減させることができる。
また、本発明のディーゼルエンジンは、エンジンの排気温度が低排気温度領域内の高温域にあるときは「切替弁により排気ガスの流路をバイパス通路へ切り換え、次いで、吸気シャッタを絞り」、そして、エンジンの排気温度が低排気温度領域を越えたときは、「切替弁により排気ガスの流路を上流側排気通路へ切り換えた後に、吸気シャッタを全開」とするよう制御される。つまり、本発明の制御態様では、エンジンの排気温度が、低排気温度領域を越えて第1の連続再生式DPFの触媒活性温度に達した直後において、排気ガスが直接切替弁が第1の連続再生式DPFに流れるよう切替えられながら、吸気シャッタが未だ全開に至らない状態が存在する。その結果、空気過剰率が小さくなって、第1の連続再生式DPFの酸化触媒による未燃焼成分の酸化が促進され、早期に安定した触媒の活性温度の保持が可能となる。
さらに、本発明のディーゼルエンジンは、排気通路をエンジン吸気行程において短時間エンジンのシリンダに連通させる排気ガス導入機構を備えている。これによって内部EGRが行われ、エンジンの全運転領域においてNOxの発生量が抑制される。もちろん、特定の領域では抑制効果の大きいクールEGRを同時に行うことにより、より一層NOxの低減を図ることが可能である。このようにして、本発明のディーゼルエンジンでは、全運転範囲に亘って、PMとともにNOxを大幅に低減することができるため、従来排気通路に装着していたNOx触媒を省略することが可能となるが、場合によっては小型のNOx触媒を配設してもよい。
ここで、排気通路に排気シャッタを設け排気を絞ったときは、さらに大きな温度上昇を得ることができる。低排気温度領域においてこれらの手段を適用した場合には、バイパス通路に配設した第2の連続再生式DPFを急速に活性化することが可能となる。
このように、本発明では、NOx低減効果の優れたクールEGRを適宜実施し、PMとともにNOxを大幅に低減させている。そして、ディーゼルエンジンの排気温度領域、つまり運転状態に対応して、クールEGR、吸気シャッタ、排気シャッタ等のきめ細かな制御を行うことにより、エンジンの運転性あるいは燃料経済性に悪影響を与えることなく、NOxの低減を実現することができる。
以下、図面に基づいて、本発明を実施したディーゼルエンジンの排気浄化装置について説明する。なお、図1においては、背景技術の項において説明したディーゼルエンジンにおける構成部材等と同一のものについては、同一番号の符号を付してある。
本発明のディーゼルエンジンの全体的な概略図を、図1に示す。シリンダブロックおよびシリンダヘッド等からなるエンジン本体2には、吸気通路5の一部を構成する吸気マニホールド3および排気通路7の一部を構成する排気マニホールド4が配設されている。吸気通路5の最上流部に吸入空気を清浄化するエアクリーナ6が配設されており、エアクリーナ6で清浄化された吸入空気は吸気通路5を通り吸気マニホールド3を介して図示しないシリンダ内に供給される。排気マニホールド4には排気管通路7が接続されており、シリンダ内で生成された排気ガスは排気マニホールド4および排気通路7を通して排出される。
図示のディーゼルエンジンは、吸入空気を過給するためのターボチャージャー8を備えている。ターボチャージャー8は、排気通路7に配設された排気タービン81と、吸気通路5に配設された吸気コンプレッサ82とを有している。この実施形態のディーゼルエンジンは、ターボチャージャーを備えているが、本発明の排気浄化装置は、ターボチャージャー等により過給を行うエンジンに限らず、大気圧のまま吸気を行う自然吸気エンジンにも、もちろん、適用可能である。
排気タービン81より下流側の排気通路7には、上流側より順に酸化触媒121、DPF122とを有する第1の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタ12が配設されている。酸化触媒121は、例えばハニカム状のコーディエライト、あるいは耐熱鋼からなる担体の表面に、活性アルミナ等をコートしてウォッシュコート層を形成し、このコート層に白金、パラジウム、あるいはロジウム等の貴金属からなる触媒活性成分を担持させたものが使用される。この酸化触媒121は、排気ガス中のNOを酸化してNO2を生成させるとともに、排気ガス中のHCとCOを酸化してH2OとCO2を生成させる。DPF122は、例えば多孔質のコーディエライト、あるいは炭化珪素によって多数のセルが平行に形成され、セルの入口と出口が交互に閉鎖された、いわゆるウォールフロー型と呼ばれるハニカムフィルタや、セラミック繊維をステンレス多孔管に何層にも巻き付けた繊維型フィルタが使用され、排気ガス中のPMを捕集する。このように、酸化触媒121及びDPF122により連続再生式DPF12が構成され、酸化触媒121によって排気ガス中のNOをNO2に酸化させ、酸化触媒121の下流側に配設したDPF122に流入するNO2によって捕集されたPMを酸化・除去させる。このとき、400℃以下の低い温度でPMが酸化・除去するため、電気ヒータやバーナ等の特別な加熱手段を設ける必要がなく、また、低温にてPMの酸化・除去を連続的に起こしながら、同時にPMの捕集も行うため、連続再生式DPFは装置全体を簡易に且つコンパクトにできるという利点を有している。
さらに、排気マニホールド4の直後の排気通路7、つまり第1の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタ12よりも上流の上流側排気通路には、排気通路をバイパスするバイパス通路101が配設されている。このバイパス通路101には、図2に示すように、酸化触媒及びパティキュレートフィルタを有する第2の連続再生式DPF13が配設されている。この第2の連続再生式DPF13の容量は、第1の連続再生式DPF12の容量より小さく構成されている。バイパス通路101の出入口間の排気通路7である上流側排気通路には、排気ガスの流路を上流側排気通路又はバイパス通路に切り換える切替弁102が配設されている。この切替弁102は制御手段10により制御され、排気通路7を閉じると排気マニホールド4から排出される排気ガスをバイパス通路101及び第2の連続再生式DPF13に流入せしめる。
また、図示のディーゼルエンジンは、排気タービン81より上流側の排気通路7と吸気コンプレッサ82より下流側の吸気通路5とを連絡するEGR通路9を具備している。EGR通路9の途中にはEGRバルブ11とともに排気ガスの冷却器200が介在されている。EGRバルブ11は、例えば図示しない負圧タンクに接続された負圧アクチュエータを備えており、後述する制御手段10により運転状態に応じて供給される負圧量が制御されることにより、その開度即ちEGR率が制御される。
排気ガスの冷却器200は、エンジンの冷却水などとの熱交換により、吸気通路に再循環する高温の排気ガスを冷却するためのものである。EGRはよく知られているように、燃焼後の排気ガスを環流させた吸入空気をシリンダ内に投入してNOxの抑制を図る排気浄化手段であるが、冷却した排気ガスを吸気通路に再循環する、つまりクールEGRを採用すると、シリンダ内に投入する排気ガスの充填効率が向上し、また、排気ガスの温度も低いため、シリンダ内の燃焼温度を低下させる効果が大きく、それに伴ってNOxの抑制効果も増大したものとなる。
エンジンの排気バルブ作動機構には、吸気行程中においてシリンダの排気通路をシリンダに開放する排気ガス導入機構41を具備している。すなわち、図3に示すように、排気バルブ作動機構の排気カム42は、排気行程で排気バルブ40を作動する通常のカムプロフィール(カム突起部)421と、該カムプロフィールと回転方向後側に略90°の位相角をもって形成された排気導入カムプロフィール422とを備えた排気二段カムとなっている。排気カム42に形成された排気導入カムプロフィール422によって、吸気行程中に排気バルブ40が開いて排気出口の排気ガスがシリンダ内に逆流し、いわゆる内部EGRが行われる。排気導入カムプロフィール422による排気バルブのリフト量は、1〜3
mm程度でよい。なお、図3において、30は吸気バルブを、31は吸気カムを示している。また、このような排気導入を行わせる機構としては、前記の特許文献3に記載されているように、排気出口を分岐してそこに電磁バルブで作動する小型のバルブを設け、吸気行程においてリフトさせるようにしてもよい。
このディーゼルエンジンは、吸気通路5におけるEGR通路9の連結部よりも上流側に配設され吸入空気量を制限する吸気シャッタ22を備えている。この吸気シャッタ22は、通常は全開に保持されている。また、排気通路7におけるEGR通路9の連結部よりも下流側には、排気ガスの流出を制限する排気シャッタ23が配設されている。この排気シャッタ23も上記吸気シャッタ22と同様に、通常状態では全開に保持されている。なお、吸気シャッタ22および排気シャッタ23は、図示しない負圧タンクに接続された負圧アクチュエータを備えており、制御手段10により運転状態に応じて供給される負圧量が制御されることにより、その開度が制御される。
制御手段10は、上記EGRバルブ11、切替弁102、吸気シャッタ22及び排気シャッタ23等を制御する外、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出センサ15、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度=ACL)を検出するアクセルセンサ16、吸気マニホールド3内に配設されシリンダ内に吸入される吸気の温度を検出する吸気温度センサ17等からの検出信号に基づいて、図示しない燃料噴射装置によってシリンダ内に噴射される燃料の噴射量を制御する。制御手段10はエンジン回転速度とアクセル開度をパラメータとする燃料噴射量を設定したメモリを具備しており、エンジン回転速度検出センサ15及びアクセルセンサ16からの検出信号に基づいて基本燃料噴射量を決定する。そして、制御手段10は、基本燃料噴射量を吸気温度センサ15の検出値に基づき補正し、最終的な燃料噴射量を決定する。なお、最終的な燃料噴射量は吸気温度のみならず、他の様々なパラメータ(大気圧やスモーク限界噴射量等)を参照して随時補正することが可能である。
ついで、上述した各種の装置を備えた、この実施態様のディーゼルエンジンの作動について、図4、図5も参照しながら説明を加える。
車両に搭載されるディーゼルエンジンは、運転状態によってエンジン回転速度やエンジン負荷が刻々と変化し、そこから排出される排気ガス温度も運転状態に応じて変化する。図4にはエンジン回転速度とエンジン負荷(燃料噴射量)をパラメータとする排気ガスの温度領域が示されているが、エンジンが低負荷であって、殊に回転速度が低い運転状態、つまり低排気温度領域Xにおいては、排気温度が活性温度領域(250℃から400℃)に達せず、酸化触媒でNOが十分にNO2に酸化しない。また、排気出口の排気温度が触媒の活性温度領域に入っていたとしても、排気マニホールドから酸化触媒に至る間に外気などに放熱してしまうため結果的に活性温度領域以下に下がることがあった。
この実施態様における連続再生式DPFは、酸化触媒とDPFとから成るものであるが、NOx吸蔵還元型触媒をDPFに担持させて、NOxを吸蔵、還元する際に発生する活性酸素を利用して捕集したPMを連続的に燃焼させる方式の連続再生式DPFにおいても、触媒が有効に機能する温度領域が限定されており、同様の問題が発生している。
こうした問題を解決するため、このディーゼルエンジンでは、前記の特許文献3記載のものと同様に、エンジンの排気温度の低い低排気温度領域Xにおいて、切替弁102を閉じて排気ガスをバイパス通路101及び第2の連続再生式DPF13に流入させる。第2の連続再生式DPF13は、排気マニホールド4の近傍で第1の連続再生式DPF12よりも上流に配置されているので、そこを通過する排気ガスは冷却されず、また、触媒等は小容量であって熱容量も小さいので容易に温度が上昇する。このため、酸化触媒を活性温度範囲に保つことが可能となり、第2の連続再生式DPF13によるPMの捕集及びDPFの再生を効率よく行うことができる。
本発明のディーゼルエンジンでは、第2の連続再生式DPF13に排気ガスを流入させる低排気温度領域Xのうち、相対的に温度の高い高温域(領域X2)ではEGRバルブ11を開き、排気ガスの冷却器(200)により冷却された排気ガスを、EGR通路9を介して吸気管5に再循環させる。そして、相対的に温度の低い低音域(領域X1)では、EGRバルブ11を閉じ排気ガスの再循環を停止させる。すなわち、本発明では、低排気温度領域を、クールEGRを行わせる高温域X2とこれを停止する低温域X1とに分割している。
第2の連続再生式DPF13に排気ガスを流入させる低排気温度領域Xであっても比較的温度の高い高温域X2では、やはり相当量のNOxが発生する。このときクールEGRを実施すると、排気ガス導入機構である排気バルブ40のリフトにより導入される排気ガス、つまり内部EGRと相俟って、シリンダ内の燃焼温度を低下させてNOxの発生を抑制することができる。
低排気温度領域Xの内でも温度の低い低温域X1では、もともとシリンダ内の燃焼温度が低く、NOxの発生量は少ない。このときクールEGRを行って冷却された排気ガスを再循環させると、シリンダ内での燃料の燃焼状態が悪化しHCなど未燃焼有害成分が増加する原因となる。したがって、この低温域X1ではクールEGRを停止するが、この低温域X1でも、内部EGRにより高温の排気ガスは導入されるので、NOx及び未燃焼有害成分の発生が増加することはない。
また、この実施態様のディーゼルエンジンは、吸気を絞るための吸気シャッタ22と排気を絞るための排気シャッタ23を備えている。排気ガスが低温の低排気温度領域Xの場合は、吸気シャッタ22を絞る制御を行うことにより吸入空気が制限される。また、排気シャッタ23を絞りピストンにより圧縮されるシリンダ内の吸気の初期圧力を高めることにより、圧縮後の最終圧力及び温度が上昇する。排気ガスの温度はシリンダ内の燃焼時に空気過剰率(λ)が1に近いほど、また燃焼後の温度が高いほど高くなる。したがって、本来であれば低回転、低負荷状態で排気温度が酸化触媒の活性領域に達しない運転領域であっても、上記のような制御を実施することで、排気温度を活性温度領域にまで高めることが可能となる。
具体的には、図5の表における「低排気温度領域」の欄に示されるような制御が実施される。前述したように、この低温度領域では切替弁102は閉鎖され、排気ガスはバイパス通路101及び第2の連続再生式DPF13を通過して流される。
低排気温度領域の「低温域」では、EGRバルブ11は閉鎖され、クールEGRはカットされる。吸気シャッタ22の開度は、例えば5%というように、非常に小さく吸入空気量は大幅に減少されている。また、排気シャッタ23の開度は、例えば50%に設定され、排気管7も強く絞られている。このため、シリンダ内の噴射燃料の燃焼は改善され、それに伴って排気温度は上昇し、第2の連続再生式DPFの温度を上昇させることができる。この低温域であっても、排気バルブのリフトによる内部EGRは行われ、NOx及び未燃焼成分の発生防止に寄与する。
低排気温度領域であっても排気温度がある程度上昇する「高温域」では、EGRバルブ11を開き、クールEGRを実施する。このときは、吸気シャッタ22の開度を、例えば20%に設定するとともに、排気シャッタ23を全開とする。空気過剰率の適正化によってシリンダ内の噴射燃料の燃焼は改善され、排気温度は上昇して第2の連続再生式DPFの温度も上昇することとなる。また、NOxの発生量が低減するのは前述したとおりである。
次に、排気温度が低排気温度領域Xを超えて上昇する運転領域における作動について述べる。この実施態様のディーゼルエンジンでは、排気温度が低排気温度領域以上の領域を、基本的には、中間排気温度領域Yと高排気温度領域Zとの2つに分けて制御を行う。
ディーゼルエンジンの排気温度が低排気温度領域以上となると、第1の連続再生式DPF12の酸化触媒121の温度は十分に活性温度域に達する。また、排気ガスの流量も増加するから、大容量の第1の連続再生式DPF12においてPMを捕集するよう切替弁102を開放し、第2の連続再生式DPF13には排気ガスが実質的に流入しないようにする。
中間排気温度領域Yでは、シリンダ内の燃焼温度も高まり、NOxの発生量も増加する。そのため、この領域では、EGRバルブ11の開度を大きくするとともに、排気シャッタ23の開度を全開よりも若干減少させ排気管7を絞って、EGR通路9の連結部における排気ガス圧力を高める。これによって、冷却器200で冷却され吸気通路5に再循環する排気ガスの量は大幅に増加し、また、排気ガス導入機構からの内部EGRによる再循環排気ガスも加わって、本来であれば大量に生じるNOxの発生量を抑制することが可能となる。
ディーゼルエンジンの燃料噴射量がさらに増加して全負荷近傍となる運転領域では、排気ガス温度もさらに上昇し、高排気温度領域Zに移行する。この領域でも切替弁102を開放し、PMは第1の連続再生式DPF12において捕集するようにしている。NOxの発生量は中間排気温度領域Yほど問題にはならないので、燃料経済性やエンジンの運転性を考慮し、EGRバルブ11を閉鎖しクールEGRを停止する。しかし、このときも排気ガス導入機構からの内部EGRにより一定量の排気ガスは再循環されており、過剰なNOxが発生することはない。
上述した実施態様における排気浄化装置の作動を、図6に示すフローチャートに基づき説明する。エンジンの運転がスタートすると図示しない燃料噴射装置によりエンジンに燃料が供給される。制御手段10はエンジン回転速度検出センサ15およびアクセルセンサ16からのエンジン回転速度信号(Ne)とアクセル開度信号(ACL)を読み込み(ステップS1)、制御手段10内に格納された燃料噴射マップに応じて燃料噴射量を決定する(ステップS2)。そして制御手段10は、この時の燃料噴射量をエンジンの負荷Qとして検出する。このようにしてエンジン負荷Qを検出した後、制御手段10は、エンジン負荷と検出されたエンジン回転速度に基づいて、やはり制御装置10内に格納された、図4に示す排気温度領域判定マップより現在の排気温度領域を検出する(ステップS3)。
図4に示すX、Y、Zの境界線は、主にマップを作成する際のエンジンの排気温度に関する試験結果と、第1の連続再生式DPFにおける酸化触媒121の活性温度領域を参照して設定される。Xの低排気温度領域は、酸化触媒121の活性温度領域よりも低くなる領域である。そして、X1は低排気温度領域のうちでも温度が低い低温域、X2は低温度領域のうち比較的温度の高い高温域となっている。X1とX2との境界線、つまり高温域と低温域との境界線は、低温度領域におけるNOxの発生状況あるいは第2の連続再生式DPFの作動特性などを勘案し、実験的に定められている。
中間排気温度領域であるY領域は、ほぼ酸化触媒121の活性温度領域に対応した領域であり、高排気温度領域であるZ領域は、酸化触媒121の活性温度領域よりも高くなる領域として設定されている。ただし、これらの領域及びその境界線は、採用するディーゼルエンジンの運転特性や排気ガス特性、あるいは採用する酸化触媒12の特性によって使用者が適宜変更できることはいうまでもない。上記低排気温度領域は必ずしも2つだけに分割するのではなく、必要に応じて3つ以上に細分化してもよいし、中間排気温度領域と高排気温度領域との分割についても同様である。
ステップS3によって排気温度領域が検出されると、その温度領域に応じて、切替弁102、吸気シャッタ22、排気シャッタ23及びEGRバルブ11などの制御を実行するステップに進む。
まず、温度領域判定手段で低排気温度領域Xにあるか否かを判定し(ステップS4)、この領域にあると判定されたときは、切替弁102を閉じ排気ガスを第2の連続再生式DPF13に導入させる(ステップS5)。さらに低排気温度領域の内低温域X1にあるか否かを判定する(ステップ6)。ここで低温域X1にあると判定されたときは、クールEGRを停止するためEGRバルブ11を閉鎖し(ステップ7)、排気温度を上昇させるため、吸気シャッタ22の開度を5%に、排気シャッタ23の開度を50%にそれぞれ設定する(ステップ8)。ステップ6で低温域X1ではないと判定されたときは、低排気温度領域X内の高温域X2にあることになるので、切替弁102を閉じた(ステップS5)後において、EGRバルブ11を開いてクールEGRを導入し(ステップ9)、吸気シャッタ22を開度20%まで開き、排気シャッタ23を全開とする(ステップ10)。
上記ステップ4において低排気温度領域Xにないと判定されたときは、第1の連続再生式DPF12を作動させるよう切替弁102を全開とする(ステップ11)。さらに中間排気温度領域Yにあるかどうかについて判定する(ステップ12)。ここで中間排気温度領域Yにあると判定されたときは、切替弁102を全開とした(ステップ12)後において、EGRバルブ11を大きく開くとともに(ステップ13)、吸気シャッタ22を全開とし排気シャッタ23の開度を90%として(ステップ14)、シリンダ内に大量のクールEGRを導入する。ステップ4で中間排気温度領域Yではないと判定されたときは、高排気温度領域Zにあることになるので、EGRバルブ11を閉じてクールEGRをカットし(ステップ15)、吸気シャッタ22及び排気シャッタ23を全開とする(ステップ16)。
このようにして、本発明のディーゼルエンジンにおいては、各温度領域に応じて排気浄化装置の各要素の制御が実施される。そして、エンジンの排気温度が低排気温度領域X内にあるときは、領域内の高温域X2であるか低温域X1であるかを判定し、低温域X1であればEGRバルブ(11)を閉じて内部EGRのみを行う一方、高温域X2であればEGRバルブ(11)を開いてNOx抑制効果の大きいクールEGRを同時に行う。また、低排気温度領域X内では吸気シャッタ22を絞り、NOxを低減しながら連続再生式DPFの早期の活性化を達成している。エンジンの排気温度が、低排気温度領域Xを越えて第1の連続再生式DPF12の触媒活性温度に達したとき、すなわち、エンジンの排気温度が低排気温度領域X内の高温域X2から中間排気温度領域Yに上昇したときは、高温域X2で絞られていた吸気シャッタ22が瞬時には全開しない。そのため、排気ガスの空気過剰率が小さくなって未燃焼成分が多くなり、この未燃焼成分が第1の連続再生式DPF12の酸化触媒により酸化されて温度が上昇する結果、安定した触媒の活性温度の保持が可能となる。
なお、吸気シャッタ22及び排気シャッタ23の開度を、各温度領域で一定開度に保持することは必ずしも必要ではなく、この開度の近傍において排気温度等のパラメータに応じて開度が連続的に変化するよう制御することもできる。EGRバルブ11の開度については、これが開かれている温度領域では、運転状態などに応じて連続的に変化するよう制御することが好ましい。
この実施態様のディーゼルエンジンにおいては、排気温度領域をエンジン回転速度と負荷により検出したが、本発明はこれに限るものではなく、エンジンの排気管7に設けられる排気温度センサ210により、直接的に排気温度領域を検出してもよい。また、酸化触媒とDPFを別体で記載しているが、DPFに酸化触媒となる材料を直接担持させて一体的に構成された連続再生式DPFや、NOx吸蔵還元型触媒をDPFに担持させた連続再生式DPF、さらには有効に機能する温度領域が限られた触媒を利用した他の連続再生式DPFについても同様に本発明が適用可能であることはもちろんである。
本発明に基づくディーゼルエンジンの排気浄化装置の概略図である。 本発明における第2の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタの拡大図である。 本発明における排気ガス導入機構の実施形態を示す図である。 本発明における排気温度領域マップである。 本発明における排気温度領域別の制御態様を示す表である。 本発明における制御手段の制御フローチャートである。 従来のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す図である。
符号の説明
2 エンジン本体
3 吸気マニホールド
4 排気マニホールド
5 吸気通路
6 エアクリーナ
7 排気通路
8 ターボチャージャー
81 排気タービン
82 吸気コンプレッサ
9 排気ガス環流(EGR)通路
10 制御手段
11 EGRバルブ
12 第1の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタ
121 酸化触媒
122 ディーゼルパティキュレートフィルタ
13 第2の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタ
14 NOx触媒
15 エンジン回転速度検出センサ
16 アクセルセンサ
17 吸気温度センサ
22 吸気シャッタ
23 排気シャッタ
30 吸気バルブ
31 吸気カム
40 排気バルブ
41 排気バルブ作動機構
42 排気カム
101 バイパス通路
102 切替弁
121 酸化触媒
122 ディーゼルパティキュレートフィルタ
131 酸化触媒
132 ディーゼルパティキュレートフィルタ
200 冷却器(EGRクーラ)
210 排気温度センサ
421 排気カムプロフィール
422 排気導入カムプロフィール

Claims (6)

  1. エンジンの排気通路に配置され、酸化触媒を備えた第1の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタと、前記第1の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタよりも上流の上流側排気通路をバイパスするバイパス通路と、排気ガスの流路を前記上流側排気通路又は前記バイパス通路へ切り換える切替弁と、前記バイパス通路に配設され、酸化触媒を備えた第2の連続再生式パティキュレートフィルタとを有し、かつ、
    排気ガス再循環量を制御するEGR弁と排気ガスを冷却する冷却器とを介して、前記エンジンの吸気通路に排気ガスを再循環するEGR装置と、前記エンジンの排気通路をエンジン吸気行程において短時間エンジンのシリンダに蓮通させる排気ガス導入機構と、前記エンジンの吸気通路に配設された吸気シャッタとを有するディーゼルエンジンにおいて、
    前記エンジンの排気温度が、前記第1の連続再生式ディーゼルパティキュレートフィルタにおける酸化触媒の活性温度以下の低排気温度領域であるか否かを判定する温度領域判定手段を備えており、
    前記エンジンの排気温度が前記低排気温度領域内にあるときは、前記切替弁により排気ガスの流路を前記バイパス通路へ切り換え、次いで、NOxの発生状況を基に低排気温度領域における高温域にあるか低温域にあるかを判定し、高温域にあるときは、前記吸気シャッタを絞るとともに前記EGR弁を開いて排気ガスを吸気通路に再循環する一方、低温域にあるときは、前記吸気シャッタを絞るとともに前記EGR弁を閉じて排気ガスの再循環を停止し、
    前記エンジンの排気温度が前記低排気温度領域を越えたときは、前記切替弁により排気ガスの流路を前記上流側排気通路へ切り換えた後に、前記吸気シャッタを全開とし、前記EGR弁を開いて排気ガスを吸気通路に再循環することを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  2. 前記第2の連続再生式パティキュレートフィルタは、前記第1の連続再生式パティキュレートフィルタよりも小容量である、請求項1記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  3. 前記温度領域判定手段は、前記エンジンの排気温度が、前記低排気温度領域よりも高い中間排気温度領域であるか、又は前記中間排気温度領域よりもさらに高い高排気温度領域であるかを判定する判定手段を備えており、
    前記高排気温度領域では、前記EGR弁を閉じて排気ガスの再循環を停止するように制御される、請求項1又は請求項2記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  4. 前記ディーゼルエンジンは、前記エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、エンジン負荷とエンジン回転速度に応じて前記エンジンの排気温度領域を設定した排気温度領域判定マップとを有する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  5. 前記ディーゼルエンジンは、前記低排気温度領域内の低温域にあるときは、前記吸気シャッタを前記高温域のときよりも強く絞る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  6. 前記ディーゼルエンジンは、排気通路に配設された排気シャッタを有し、前記エンジンの排気温度が前記低排気温度領域の低温域にあるときは、前記排気シャッタにより排気通路を絞るように制御される、請求項5記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
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