JP2018040304A - 横軸ロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、低流速でも回転効率が高く、水力発電に適した横軸ロータを提供することを目的としている。
【解決手段】 ロータ1のハブ2に固定された揚力型ブレード3における正面視で、翼長のほぼ中間を最大弦長部3Fとし、最大弦長部3Fから翼根の方を基部3Aとし、最大弦長部3Fから翼端へかけて、後縁方向へ大きく屈曲させた横向傾斜部3Bを形成してある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、横軸ロータに係り、特に水力発電機用の回転効率の高い横軸ロータに関する。
水力発電機用のロータにおける揚力型ブレードとしては、ブレードの翼端部の幅を大としたものが、例えば特許文献1に開示されている。
特開2000−9012号公報
前記、特許文献1に記載のブレードでは、受流面積は広いが、その反面、抵抗が大きいため、回転効率が悪い。
本発明は、ブレードの翼端部分の幅は小とするとともに、後縁方向へ傾斜させて横向傾斜部とすることによって、横向傾斜部に当たる流体を、放射外方向ではなく、回転半径内へ通過させることによって、基部に沿う流体と合流させて回転効率を高めたブレードを有する、横軸ロータを提供することを目的としている。
本発明の具体的な内容は、次の通りである。
(1)ロータのハブに固定された揚力型ブレードにおける正面視で、翼長のほぼ中間を最大弦長部とし、最大弦長部から翼根の方を基部とし、最大弦長部から翼端へかけて、後縁方向へ大きく屈曲させた横向傾斜部を形成してあることを特徴とする横軸ロータ。
(2)前記揚力型ブレードにおける横向傾斜部は、基部との境界部から翼端を正面の前方向きに前向傾斜させてある前記(1)に記載の横軸ロータ。
(3)前記、揚力型ブレードの基部の幅の中央線と、横向傾斜部の幅の中央線とが、120度〜145度の範囲で交差し、正面視で翼端を先細とする前記(1)または(2)に記載の横軸ロータ。
(4)前記、ブレードの前縁の横向き屈曲角度は、後縁の横向き屈曲角度よりも小としてある前記(1)〜(3)に記載の横軸ロータ。
(5)前記、揚力型ブレードの横向傾斜部は、基部と接する部分から翌端へかけて、弦長を次第に小としてある前記(1)〜(4)のいずれかに記載の横軸ロータ。
(6)前記揚力型ブレードは、正面よりも後面の方が、前縁から後縁へかけて大きく膨出した凸面としてなる前記(1)〜(5)のいずれかに記載の横軸ロータ。
(7)前記、ブレードの枚数が偶数の時に、前後の面において、膨出の強い凸面を前後交互に形成して配設することを特徴とする請求項(1)〜(6)のいずれかに記載の横軸ロータ。
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
前記(1)に記載の横軸ロータは、揚力型ブレードが正面視で、翼長のほぼ中間点から翼端へかけて、後縁方向へ、大きく横向き屈曲しているので、正面に受ける流体によって回転すると、基部の正面に当たる流体は、横向傾斜部の方向に移動し、横向傾斜部によって移動が抑止され、前縁部分から後縁へかけて傾斜する横向傾斜部の正面に沿って回転半径内へ入り、基部正面の前縁から後縁へかけての、傾斜面に沿って通過する流体と合流して高速で通過し、回転効率を高める。
前記(2)に記載の横軸ロータは、揚力型ブレードにおける横向傾斜部は、基部との境界部から翼端を、正面の前方向きに前傾斜させてあるので、回転時に、翼根方向から翼端方向へ移動する流体は、横向傾斜部に当たって正面方向に移動するため、ブレードに対する流体圧が高まり、回転効率を高める。
前記(3)に記載の発明の横軸ロータにおいて、揚力型ブレードの基部の中央線と、横向傾斜部の中央線とが、110度〜130度の範囲で交差し、翼端を正面視で先細とするので、回転時の抵抗を減少させて、回転効率を高める効果がある。
前記(4)に記載の発明の横軸ロータにおいて、前記揚力型ブレードの前縁の屈曲角度は、後縁の屈曲角度よりも小としてあるので、回転時の抵抗が小で、回転効率を高める効果がある。
前記(5)に記載の発明の横軸ロータにおいて、揚力型ブレードの横向傾斜部は、基部と接する部分から翼端へかけて、弦長を次第に小としてあるので、回転時に抵抗が小となり、かつ横向傾斜部の後縁から通過する流体は、最大弦長部を通過する流体よりも外側で、回転半径の内側方向へ通過して、回転効率を高める。
前記(6)に記載の揚力型ブレードは、正面よりも後面の方が、前縁から後縁へかけて大きく膨出した凸面としてあるので、回転時に後面に沿って通過する流体は、正面に沿う流体よりも高速で通過するため、後面域の流体圧が低下して、流体圧の差によって、ブレードは前縁方向へ押し出されて回転効率が高まる。
前記(7)に記載の発明においては、揚力型ブレードの枚数が偶数の時に、正面と後面において、膨出の強い凸面を前後交互に形成して配設するので、回転方向の前後の揚力型ブレードによって生じる流体の向きが、交互に前後方向を向くため、流体の干渉が生じにくい効果がある。
本発明の横軸ロータの一実施形態の正面図である。 図1における直立ブレードの側面図である。 図1におけるF−F線縦断拡大側面図である。 図1におけるE−E線縦断拡大側面図である。 図1におけるD−D線縦断拡大側面図である。 図1におけるC−C線縦断拡大側面図である。 図1におけるB−B線縦断拡大側面図である。 図1におけるA−A線縦断拡大側面図である。 図1のブレードの流路説明図である。 図1の直立したブレードの拡大平面図である。 本発明の横軸ロータの他の実施形態の正面図である。
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。横軸ロータ1は、正面視でハブ2の周面に揚力型ブレード3(以下単にブレードという)が3枚、均等間隔で配設されている。ブレード3の枚数が少ないと、受流面積が小となり、枚数が多いと、回転時に、流動する流体の干渉による乱流を生じて、回転効率が低下する。
ブレード3の正面3Cにおいて、長さのほぼ中心部で弦長の中央部を点Oとし、点Oより翼根部を基部3Aとし、点Oから翼端部は、回転後方向へ向かって、大きく屈曲して、横向傾斜部3Bが形成されている。
前縁3Eに沿う長さは後縁3Eに沿う長さよりも長いが、回転半径は前縁3D及び後縁3Eの長さより小となっている。
ブレード3の長さ方向の、ほぼ中間の中央点Oから翼根方向の基部3Aの中央線Sと、中央点Oより翼端方向の横向傾斜部3Bの中央線Tとの交差角は、図1においては125度としてあるが、120度〜140度の範囲で任意に設定される。
交差角がこれより小さいと、半径内に流体を通過させにくくなり、大きいと、直線に近くなり、横向傾斜部3Bを作る意味が薄れる。
基部3Aは、翼根から中央点O方向へ、次第に弦長を大となるようにしてあり、前記中央線Sと中央線Tの交差する部分の弦長を、最大弦長部3Fとして形成されている。これは、翼根から横向傾斜部3Bへ流体が移動して集合するためであり、集合した流体は、後縁3E方向へ円弧を描いて通過し、その反作用として、ブレード3を前縁方向へ回転させ、回転効率を高める。
側面視で、図2に示すように、基部3Aの境界部分から横向傾斜部3Bを、正面3C前方に向けて傾斜させて、前向傾斜部3Hとしてある。図2における前傾の傾斜角度は、基部3Aに対して約125度としてあるが、120度〜145度の範囲で任意に設定される。
正面視で前縁3Dにおける、基部3Aと横向傾斜部3Bとの屈曲角度よりも、後縁3Dにおける基部3Aと、横向傾斜部3Bとの屈曲角度の方が、大角度となっている。これによって、横向傾斜部3Bの前縁3Dに当たる流体は、小さな抵抗で後縁3E方向へ通過し、かつ、基部3Aにおける後縁3Eと、横向傾斜部3Bにおける後縁3Eとが交差する中間の、U矢示線方向へ通過する。
また図9に示すように、横向傾斜部3Bにおいては、前縁3Dから後縁3Eへ抜ける流体は、V矢示方向に流れ、半径線Xより内側を流れることになる。
その流速は、回転半径の違いによって、基部3AにおけるU矢示線より内側の流速より高速となり、その反作用は、V矢示線の反対方向へ作用して、ブレード3の回転効率を高める。
これにより、前記U矢示線方向に、基部3Aの後縁3Eを通過する流体と、横向傾斜部3Bの後縁3Eを通過する流体は、U矢示線方向で集合して通過し、その反作用として、V矢示線の反対方向の回転力を得て、ブレード3を効率良く回転させる。
図3〜図8は、図1におけるブレード3の、各横断面の拡大横断面図である。
横向傾斜部3Bの先端における正面3Cの前縁3Dから、後縁3Eへかけて傾斜する先端勾配線Gは、図3〜図8ともに同じであるが、各断面の端面において、前縁3Dから後縁3Eへかけて傾斜する中間勾配線Eは、それぞれの部位によって異なっている。
すなわち先端勾配線Gと中間勾配線Eとの交差角度は、図3において約32度、図4においては約32度、図5においては約30度、図6においては約30度、図7においては約28度、図8においては約25度となっている。
これは、正面3Cにおける後縁3E部分が、基部3Aの翼根部分から横向傾斜部3Bの翼端へかけて、次第に正面の前方向へ移動していることを示している。 しかし、これは横傾斜部3Bが横方向へ傾斜しているのに、基部3Aと同じ横断をしているためで、図10に示すように、先端勾配線Gと中間勾配線Eの間を流体は通過することになる。
図3〜図8の横断面に示すように、正面3Cよりも後面Gの方が大きく膨らむ凸面を有しており、前縁3Dから後縁3Eまでの距離は、正面3Cのそれよりも大きくなっている。その結果、正面3Cに当たる流体は、ブレード3を前縁3D方向へ押して回転させる。
また、正面3Cに沿って通過する流体の速度よりも、大きな凸面の後面3Gに沿って通過する流体の速度の方が大となり、流速が大である方が、流体圧が低下するので、正面3Cと後面3Gの流体圧の差によって、ブレード3は、流体圧の低い前縁3D方向へ押されて、回転効率を高める。
図11は、別の実施形態の横軸ロータの正面図である。前例と同じ部材には、同じ符号を付して説明を省略する。この実施形態では、ハブ2の周面に、ブレード3を4枚配設してある。ブレード3の形は前例と基本的に同じものであるが、正面3Cを後面3Gとし、後面3Gを正面3Cとしたものと、図1に示すブレードとを交互に配設してある。
このように、ブレード3の数が4枚、6枚などと増加すると、前後のブレード3から、コアンダ効果によって高速で通過する流体が、前後面方向へ分かれ、高速回転時に、流体の干渉が生じにくいという効果が生じる。なお、本発明の横軸ロータは、風力発電機、水力発電機に活用することができる。
翼端に横向傾斜部が形成されているので、回転時に翼根から翼端方向へ移動する流体は、横向傾斜部で抑制されて、直径円内方向へ通過するため、回転効率が高まり、発電効率の高い水力発電に利用される。
1.横軸ロータ
2.ハブ
3.揚力型ブレード
3A.基部
3B.横向傾斜部
3C.正面
3D.前縁
3E.後縁
3F.最大弦長部
3G.後面
3H.前向傾斜面
4.ロータ軸
E.中間勾配線
G.先端勾配線
O.中央点
S.基部弦中央線
T.横傾斜部弦中央線
U.中間の流体通過方向
V.横向傾斜部の流体通過方向
X.回転半径線

Claims (7)

  1. ロータのハブに固定された揚力型ブレードにおける正面視で、翼長のほぼ中間を最大弦長部とし、最大弦長部から翼根の方を基部とし、最大弦長部から翼端へかけて、後縁方向へ大きく屈曲させた横向傾斜部を形成してあることを特徴とする横軸ロータ。
  2. 前記揚力型ブレードにおける横向傾斜部は、基部との境界部から翼端を正面の前方向きに前向傾斜させてあることを特徴とする請求項1に記載の横軸ロータ。
  3. 前記、揚力型ブレードの基部の幅の中央線と、横向傾斜部の幅の中央線とが、120度〜145度の範囲で交差し、正面視で翼端を先細とすることを特徴とする請求項1または2に記載の横軸ロータ。
  4. 前記、揚力型ブレードの前縁の横向き屈曲角度は、後縁の横向き屈曲角度よりも小としてあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の横軸ロータ。
  5. 前記、揚力型ブレードの横向傾斜部は、基部と接する部分から翌端へかけて、弦長を次第に小としてあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の横軸ロータ。
  6. 前記揚力型ブレードは、正面における弦の中央線部分から後縁にかけて、後面方向きに、ほぼ直線的に傾斜していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の横軸ロータ。
  7. 前記、揚力型ブレードの枚数が偶数の時に、ブレードの正面及び後面において、膨出の大の凸面を、前後面で交互に形成して配設することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の横軸ロータ。
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