JP2022178342A - ロータブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータブレードの枚数を多数枚として回転トルクを大とするとともに、回転時に流体の干渉が生じず、自然の風速又は水流速よりも高速回転する横軸ロータに最適なロータブレードを提供する。【解決手段】横軸ロータの正面視において、ハブ3中央のロータ軸心線Uを通る垂直のブレード中央線Sに沿って、基部1Aから垂直に立上がった揚力型ブレード1の回転前面1Dが、翼長の中間から急激に回転後方向へ大きく屈曲して、前部が厚く後端へかけて細い翼先端面1Fが横長に形成され、翼先端面1Fの前縁端1bの回転軌跡Rよりも翼先端面1Fの後縁端1cが外側に見えるように形成されている。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 放送日:令和3年5月3日、放送番組:TBS Nスタ 微風でもパワフル 最新型風力発電とは?、公開者:株式会社TBS
本発明は、流体用横軸ロータにおける、回転効率の高いロータブレードに関する。
風力発電装置における横軸ロータとして、例えば特許文献1に記載されているような、横軸ロータがある。
この横軸ロータのブレードは、ブレードの長さの中間に流体を集合させて、纏めて流体を背面方向へ通過させるものである。
特開2018-40304号公報
横軸ロータのロータブレードは、例えば船舶のスクリユや風車のブレードが一般的である。このブレードは枚数が少ないと回転トルクが小さく、またブレードの枚数が多いと回転に伴って流体の干渉が生じて乱流が発生する。
本発明は、1個のハブに8枚以上のブレードを配設しても流体の干渉が生じず、回転速度も上昇するロータブレードを提供することを目的としている。
本発明は前記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
(1) 横軸ロータのハブ周面に多数枚配設される揚力型ブレードの翼端を上向きとした正面視において、前記ハブ中央のロータ軸心線Uを通る垂直のブレード中央線Sに沿って、基部から垂直に立上がった前記揚力型ブレードの回転前面が、翼長の中間から急激に回転後方向へ大きく屈曲して、前部が厚く後端へかけて細い翼先端面が横長に形成され、該翼先端面の前縁端の回転軌跡Rよりも該翼先端面の後縁端が外側に見え、平面視で、前記揚力型ブレードの前記基部の平面は、前記ロータ軸心線Uに沿って前後に長く形成され、その中央に位置するブレード中央線Sの回転軌跡T上に、前記翼先端面の前記後縁端が位置し、前記翼先端面の前記前縁端は、前記ハブの正面よりも正面前方に位置しており、前記揚力型ブレードの回転前面視で、後縁は前記基部から翼端方向へ垂直に立上がり、翼長の中間から前記翼端へかけて大きく前記前縁方向へ屈曲し、前記前縁は、前記基部から翼端へかけて次第に正面方向へ傾斜し、翼端近傍で急に正面方向へ突出し、前記揚力型ブレードの横断面は前記基部から前記翼端へかけて、前記後縁が次第に回転後方向へ大きく傾斜し、回転後面の全体が正面から見えるように形成されているロータブレード。
(2)前記揚力型ブレードの前記翼先端面は、平面視でブレード中央線Sの回転軌跡T上に位置する後縁端から前記ハブの正面前方に突出する前縁端へかけて、ロータ軸心線Uに対して60°±5°に傾斜している前記(1)に記載のロータブレード。
(3)前記揚力型ブレードの最大弦長部は、前記翼先端面部分である前記(1)または(2)に記載のロータブレード。
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
前記(1)に記載の発明は、ブレードの基部から垂直に立上ったブレードの回転前面が、翼長の中間から急激に回転後方向へ大きく屈曲して、基部よりも翼端へかけて弦長が大きくなって受風面積が大きくなっている。前部が厚く後端へかけて細く横長に形成された翼先端面が正面を向いている。平面視で、翼先端面の前縁端は、ハブの正面よりも正面前方に向いて傾斜しており、回転時に翼先端面が回転後面に当る気流又は水流を抱え込むようにして背面方向へ、自然流の流速よりも高速で通過させるので、ブレードの回転効率が非常に高くなっている。
ブレードの回転後面の全体が正面から見えるように形成されているので、流体はこの回転後面で受けることになり、回転後面は横軸ロータの回転方向に対して後縁が回転後方向へ傾斜しているので、回転後面に当る流体は背面方向へ通過しやすい。
またブレードの回転前面は、揚力型特有の大きく膨出した面となっているため、この回転前面に当る流体は、コアンダ効果により高速となって通過することで負圧になる。これに対する回転後面は、流体が当ってブレードを押すことにより流体圧が高まる。多数のブレードが横軸ロータに配設されていると、前後のブレードの間では、回転前面を風速又は水流速よりも高速でかつ負圧となって通過する流体が、隣りのブレードにおける回転後面を押して高圧となった流体を吸引して、自然の風速又は水流速よりも高速で通過するので、ブレードの枚数が8枚以上の多数になっても、ブレード間を通過する流速が自然流体の流速よりも上がる効果があり、回転後面に当る流体が風速又は水流速よりも高速で通過することは、ロータの回転効率が高くなるものである。
すなわち従来のプロペラの受流面は、回転方向に対して平行に近いので、ブレードの枚数を多くすると、ブレードが回転抵抗となるが、本発明では回転後面がロータ軸に近ずくことによって、いわゆる風通しをよくしてあるものである。
そして回転後面は平坦面として翼端で翼先端面を正面から見えるように大きく屈曲させたことによって、正面からブレードに当る流体を抱え込むようにしてある。これによってブレードの回転後面に当る流体は、拡散せずに回転後面を回転方向へ力強く押すことができるし、その回転後面部分での流体圧が高まり、流体圧の低い背面方向へ通過しやすくなる。
前記(2)に記載の発明においては、前記ブレードの前記翼先端面は、正面から全体が見えるが、平面視でブレード中央線Sの回転軌跡T上に位置する後縁端から前記ハブの正面前方に突出する前縁端へかけて、ロータ軸心線Uに対して60°±5°に傾斜しているので、前記翼先端面の前縁端が正面に突出していることから、この部分で抱え込まれた流体は後縁端の方、すなわち背面方向へ通過する。その結果、ロータの正面に当る流体は拡散せずに、ロータ軸の方へ集合して背面方向へ、自然の流体の流速よりも高速で通過するので、回転効率が高まるものである。
前記(3)に記載の発明において、ブレードの最大弦長部は、前記翼先端面部分であることとしたので、翼先端面の直ぐ近くが最大弦長部となっている。
これによって回転するブレードの遠心部である翼端部でより多くの流体を捕らえることができ、ここはブレードにおける遠心部なので受流面積が広くなり、ここで受けた流体を囲い込むようにして回転することにより回転効率が高くなる。
本発明のロータブレードの実施例1の正面図である。 図1のロータブレードの平面図である。 図1のロータブレードの左側面(回転前面)図である。 図1におけるIVーIV線断面図である。 図1におけるVーV線断面図である。 図1におけるVIーVI線断面図である。 本発明を使用したロータの正面図である。 図7のロータの側面図である。
本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は風水車その他に使用される本発明の揚力型のロータブレード1の、翼端を上向きとした状態の正面図である。ロータブレード1(以下単にブレードという)は、ロータ2のハブ3の周面に定間隔で複数枚が固定される。枚数は特定されないが、例えば8枚~14枚など、従来は考えられない多数枚を使用することができる。
前記ブレード1は、図1に正面を示すように、ロータ軸心線Uを通るブレード中心線Sに沿うように、前縁1Bが基部1Aから垂直に立上がり、翼長のほぼ中間から急激に回転後方(図の右側)へ大きく屈曲して、翼先端面1Fは横長に正面から見えるように垂直に形成されている。
前記翼先端面1Fの弦長は、前記基部1Aの前後幅の2.8倍~3倍となっており、ブレード1の最大弦長部分は、この翼先端面1Fとなっている。また前記ブレード中心線Sから翼先端面1Fの後縁端1cまでの長さは、基部1Aの厚さの約5.8倍の位置にあり、回転後面1Eの前縁1B部分で受ける気流(又は水流)を回転後方向へ遠く案内するようになっている。
前記翼先端面1Fは、その前縁端1bの回転軌跡Rよりも後縁端1cが外側に位置して、前縁1Bよりも後縁1Cが上向きに形成されており、前縁1B部分は厚く、後縁1Cは薄く正面視で鳥の嘴のように内向き(ロータ軸方向)に湾曲している。
回転前面1Dは、基部1から翼長のほぼ中間までは垂直に立上がり、翼端へかけて回転後方へ大きく屈曲し、翼先端面1Fにおける弦長方向で前縁端1bから中間にかけて大きく膨出しており、翼先端面1Fにおける回転後面1Eは、前記前縁端1bの回転軌跡Rに対して前縁1B部分は内側にあり、後縁1C部分は外側になるように湾曲している。
これによって回転後面1Eの近傍で回転後面1Eに沿って通過する気流(又は水流)は、外向きに背面方向へ通過する。しかし図2に平面図を示すように、前記翼先端面1Fにおける後縁端1cは、ブレード1の基部1Aの中心を通るブレード中心線Sの回転軌跡T上に有るが、翼先端面1Fの前縁端1bは、ハブ3の正面3Aよりも正面前方に斜めに突出しているので、流体はその背面方向へ通過する。
図3はブレード1の左側面(回転時の前面)図である。図の右端に見える前縁1B部分は、基部1Aから翼端方向へかけての部分が次第に正面寄りに傾斜して、翼先端面1Fの直近部分で急激に正面方向へ突出しており、翼先端面1Fは厚さの中央が半球面状に見えるのは、基部1Aの前縁1B端の形状がそのまま翼端まで続いているためである。翼先端面1Fはほぼ平坦面とされ、ロータ軸心線Uに対して約60°±5°の傾斜なので、正面からの流体の抵抗になりにくい。
また図3の左端に見える後縁1Cは、基部1Aから垂直に立上っているが、翼長の中間から翼端へかけて急に大きく傾斜しているため、翼端が細くなっており、回転時において翼端部の流体の抵抗が小さくなっている。
図4は図1におけるIVーIV線断面図である。ブレード1の回転後面1Eは、ロータ軸心線Uに対して18°~20°の傾斜をしており、正面から背面へ通過する気流は、従来のプロペラよりは通過しやすいが、後縁1C部分を回転方向へ押す。
図5は図1におけるVーV線断面図である。ブレード1の回転後面1Eは、ロータ軸心線Uに対して33°~35°の傾斜をしており、正面から通過する流体は、従来型のプロペラよりは通過しやすいが、後縁1C部分を回転方向へ強く押すことになり、回転効率を高める。
図6は図1におけるVIーVI線断面図である。ブレード1の回転後面1Eは、ロータ軸心線Uに対して48°~50°の傾斜をしており、正面から通過する流体は、従来型のプロペラよりは通過しやすいが、後縁1C部分を回転方向へ強く押すことになり、回転効率を高める。
図4~図6でわかるように、ブレード1の回転後面1Eは平面視でほぼ直線状であり、図1でわかるように、回転後面1Eは正面から全体が見えるように設定されている。正面から見えることは上流から流体を多く受けることが出来る。
正面で気流又は水流を受けることは一般的なプロペラと同じであるが、プロペラに対して本発明のブレード1は回転後面1Eがロータ軸心線Uに対して強い傾斜をしていることにより、ブレード1の枚数を極端に多くしても、ブレード間を流体が正面方向から背面方向へ通過しやすくなっている。
図3において、回転前面1D(回転時の前面)は、基部1Aの前後の長さよりも長くなっている。そのことは回転抵抗が大きいことを示しているが、翼端へかけて細くなっているので回転時の遠心部においては、回転時の流体抵抗が次第に小さくなっている。
しかし図4~図6に横断面を示すように、基部1Aから翼端へかけて後縁1Cが次第に後縁1C方向へ傾斜を強くしている。このことは図3において幅広く見えても、後縁1Cが大きく傾斜しているので、回転前面1Dに当る流体は、回転後方向へ抵抗が小さく通過することになる。
更に、回転前面1Dは図4~図6に示されているように、前縁1Bから後縁1Cにかけて大きく膨出しているため、回転時にこの回転前面1Dに沿って通過する流体は、コアンダ効果によって、自然の気流又は水流の速度よりも高速でかつ負圧となって通過することになる。
従ってブレード1は負圧になる回転前面1D方向へ流体圧の差で引かれることになり回転効率が高まる。同時に図1及び図3に示すように、翼先端面1F部分よりも翼長の中間部は背面方向へ傾斜しているため、流体はハブ3の背面3B方向へ通過する。
一方、ブレード1の回転後面1E(回転時の後面)は、図4~図6に示されているように、前縁1Bから後縁1Cへかけてほぼ直線状であるため、この回転後面1Eに当る流体は、ブレード1を回転方向へ押すことになり、その押すことにより流体圧が高まる。ここでハブ3に多数配設されているブレード1、1同士の間において、図7と図8でわかるように、翼端に近い部分では間隙が大きくなっている。
そこで、ブレード1の回転後面1Eに沿って通過する流体圧の高くなった流体は、回転前面1Dに沿って高速で負圧になって通過する流体によって、流体圧の差で吸引されて纏まって高速で横軸ロータ2の背面方向へ通過することになる。
図7において、ブレード1の回転後面1Eの全体が正面から見えるが、翼先端面1Fの後縁端1c近傍で後縁1Cは内側へ傾斜しているので、翼先端面1Fで抱き込まれたように背面方向へ通過する流体は、背面方向のロータ軸心線U方向へ集束状に通過するため、流体の拡散がなく強い流体となって高速で通過する。そのことはブレード1の回転速度も高まることを意味し、横軸ロータ2の回転効率が高まる。
このように本発明のブレード1は、回転前面1Dが大きく膨らみがあってこの面に添って通過する気流がコアンダ効果により高速となり、その結果負圧になって通過する。その後側に当る回転後面1Cは平坦面となっている。この回転後面1Cが正面から全部見えるようになっているので、流体はここで受けることになり、流体が当ってブレード1を回転方向へ押すと、流体圧が上がるという特徴のあるブレードが並列されていることになり、回転前後のブレード1、1の間で、流体圧が上がる面と流体圧が下がる面とが対面していることに特異性がある。
結果として、回転前面1Dにおいて生じる負圧な高速流によって、回転後面の気流又は水流も流体圧の差により高速で背面外へ通過する。これは自然風、スクリユやプロペラによって生じた流体の流速を受けて、その流速をブレードの形状により自然に高速化させるもので、これはビルの隙間の通り風が高速となるのと同様な自然現象で、このブレードを使用する横軸ロータは、その原理が利用されることになる。
なおこのロータブレードは、風力発電装置や水力発電装置のロータ使用される。
本発明は、1個のハブに8枚以上のブレードを配設しても流体の干渉が生じず、回転速度も上昇するロータブレードを提供することを目的としており、風速よりも高速回転するので風力発電装置や水力発電装置に広く利用される。
1.ロータブレード
1A.基部
1B.前縁
1b.前縁端
1C.後縁
1c.後縁端
1D.回転前面
1E.回転後面
1F.翼先端面
2.横軸ロータ
3.ハブ
3A.正面
3B.背面
4.ロータ軸
5.発電筐体
R.翼先端面前縁端の回転軌跡
S.ブレード中心線
T.ブレード中心線Sの回転軌跡
U.ロータ軸心線

Claims (3)

  1. 横軸ロータのハブ周面に多数枚配設される揚力型ブレードの、翼端を上向きとした正面視において、前記ハブ中央のロータ軸心線Uを通る垂直のブレード中央線Sに沿って、基部から垂直に立ち上がった前記揚力型ブレードの回転前面が、翼長の中間から急激に回転後方向へ大きく屈曲して、前部が厚く後端へかけて細い翼先端面が横長に形成され、該翼先端面の前縁端の回転軌跡Rよりも該翼先端面の後縁端が外側に見え、平面視で、前記揚力型ブレードの前記基部の平面は、前記ロータ軸心線Uに沿って前後に長く形成され、その中央に位置するブレード中央線Sの回転軌跡T上に、前記翼先端面の前記後縁端が位置し、前記翼先端面の前記前縁端は、前記ハブの正面よりも正面前方に向いて傾斜しており、前記揚力型ブレードの回転前面視で、後縁は前記基部から翼端方向へ垂直に立上がり、翼長の中間から前記翼端へかけて大きく前記前縁方向へ屈曲し、前記前縁は、前記基部から翼端へかけて次第に正面方向へ傾斜し、翼端近傍で急に正面方向へ細く突出し、前記揚力型ブレードの横断面は前記基部から前記翼端へかけて、前記後縁が次第に回転後方向へ大きく傾斜し、回転後面の全体が正面から見えるように形成されていることを特徴とするロータブレード。
  2. 前記揚力型ブレードの前記翼先端面は、平面視でブレード中央線Sの回転軌跡T上に位置する後縁端から前記ハブの正面前方に突出する前縁端へかけて、ロータ軸心線Uに対して60°±5°に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のロータブレード。
  3. 前記揚力型ブレードの最大弦長部は、前記翼先端面部分であることを特徴とする請求項1または2に記載のロータブレード。
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