JP2018039042A - アルミニウム樹脂複合積層板からなり、コーナーrを有する三次元成形品の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は三次元成形品の製造方法と製造装置の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、アルミニウム樹脂複合積層板からなり、三次元成形品の目的のコーナーRより大きなコーナーRを有する一次成形品を加工して三次元成形品を製造する装置であり、先端丸頭状のパンチを有するダイセットと、基台と、該基台上にパンチに対向して設置された拘束治具と、押圧板を備え、拘束治具が、一次成形品の天壁あるいは底壁を外側に出して一次成形品の側壁を緊密に挿入可能な凹部を有する枠型の拘束治具本体と、凹部に挿入された一次成形品の内側に緊密に挿入され、一次成形品の天壁あるいは底壁と一定の距離をあけて配置される板状のスペーサーとを具備し、押圧板が凹部の開口部に挿入自在な大きさであり、スペーサーのパンチ側の面が一次成形品の天壁あるいは底壁と側壁の変形を受ける成形面とされたことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、アルミニウム樹脂複合積層板からなり、コーナーRを有する三次元成形品の製造装置と製造方法に関する。
従来から、金属板の絞り加工装置として、図16に示すように加工対象の金属板100が水平に設置されるダイプレート101と、ダイプレート101の中央孔102に上下移動自在に収容されたパッド103と、ダイプレート101の上方に設けられたしわ押さえプレート105および絞りパンチ106を備えた絞り加工装置が知られている。
この絞り加工装置は、図17に示すように絞りパンチ106を中央孔102の内側まで下降させ、金属板100に絞り加工を施し、箱型の成形品107を製造する。図16、図17に示す絞り加工装置において絞りパンチ106は平面視略矩形状に形成され、成形品107は矩形箱型の三次元成形品として作製される。
この絞り加工装置は、図17に示すように絞りパンチ106を中央孔102の内側まで下降させ、金属板100に絞り加工を施し、箱型の成形品107を製造する。図16、図17に示す絞り加工装置において絞りパンチ106は平面視略矩形状に形成され、成形品107は矩形箱型の三次元成形品として作製される。
図16、図17に示す絞り加工装置によって金属板100に絞り加工を施す場合、欠陥を生じ易いのは、絞りパンチ106の周縁部が金属板100を大きく絞り出し変形させた部分である。
例えば、成形品107において単純な折り曲げ加工により形成した側面や底面に欠陥を生じるおそれはない。しかし、2つの側面と底面との交わるコーナー部分や2つの側面が交わる稜線部分は金属板100から成形に必要な材料を絞り出した部分であるので、割れやしわ、あるいは肌荒れなどの欠陥が生じ易い部分となる。
現状の絞り加工技術において、潤滑油の開発や絞り加工技術の改良などによって一般的な加工性の金属板であれば、特に支障なく絞り加工ができる技術開発がなされている。
例えば、成形品107において単純な折り曲げ加工により形成した側面や底面に欠陥を生じるおそれはない。しかし、2つの側面と底面との交わるコーナー部分や2つの側面が交わる稜線部分は金属板100から成形に必要な材料を絞り出した部分であるので、割れやしわ、あるいは肌荒れなどの欠陥が生じ易い部分となる。
現状の絞り加工技術において、潤滑油の開発や絞り加工技術の改良などによって一般的な加工性の金属板であれば、特に支障なく絞り加工ができる技術開発がなされている。
例えば、以下の特許文献1に記載の如く伸びの低い金属材料からなる合金板を角絞り加工する場合、部分的にテーパーのあるダイプレート、絞りパンチ、パッドを用いて角部や稜線部分を第一の絞り加工時に局部的に肉増し加工し、次いで角部や稜線部分の肉増しされた部分を加工して絞り加工を行う技術が提供されている。
また、以下の特許文献2に記載の如く絞り加工で形成する立壁部に生成するしわを防止するために、湾曲コーナー部の中央に対する初期フランジ長と直辺部に対応する初期フランジ長との比を規定し、湾曲コーナー部中央のショックライン長と直辺部におけるショックライン長の比を規定する技術が提供されている。
また、以下の特許文献3に記載の如く金属板を箱状体に絞り成形する場合、絞り可能な大きさのRである金属板の厚さの3倍以上のRで箱状体に絞り成形後、V状ポンチで叩いてRを小さくする技術が提供されている。
前述の如く一般的な金属板は勿論のこと、加工が難しいと想定される金属板であっても欠陥の生じ難い絞り加工技術の提供がなされている。
また、以下の特許文献2に記載の如く絞り加工で形成する立壁部に生成するしわを防止するために、湾曲コーナー部の中央に対する初期フランジ長と直辺部に対応する初期フランジ長との比を規定し、湾曲コーナー部中央のショックライン長と直辺部におけるショックライン長の比を規定する技術が提供されている。
また、以下の特許文献3に記載の如く金属板を箱状体に絞り成形する場合、絞り可能な大きさのRである金属板の厚さの3倍以上のRで箱状体に絞り成形後、V状ポンチで叩いてRを小さくする技術が提供されている。
前述の如く一般的な金属板は勿論のこと、加工が難しいと想定される金属板であっても欠陥の生じ難い絞り加工技術の提供がなされている。
ところで近年、次世代自動車の開発や、自動車以外の分野、例えば鉄道車両、航空機、船舶及びその他輸送機材、家電製品、IT関連部材、住宅からビル等の外内壁材などにおいて、より軽量な板材の開発が検討され、その中に発泡樹脂板の表裏面をアルミニウム板で挟んだサンドイッチ構造のアルミニウム樹脂複合積層板が研究されている。
このアルミニウム樹脂複合積層板は、軽量である上に表面光沢があり、意匠性にも優れているので、アルミニウム樹脂複合積層板からなる三次元成形品の製造技術開発が期待されている。
ところが、発泡樹脂とアルミニウム板は樹脂材料と金属材料であり、両者は熱膨張率、伸び、縮みが大きく異なるので、従来から知られている種々の絞り加工技術を適用したとしても、コーナー部分にしわや割れ、肌荒れなどを引き起こすことなく三次元成形品を絞り加工することは困難であった。
特に、角絞り加工により箱型の成形品を得た場合、天壁または底壁と2つの側壁が交わるコーナー部分に割れ、しわ、肌荒れなどの欠陥が生じやすく、コーナーRを小さく加工しようとすると欠陥の発生が顕著になる問題がある。
このアルミニウム樹脂複合積層板は、軽量である上に表面光沢があり、意匠性にも優れているので、アルミニウム樹脂複合積層板からなる三次元成形品の製造技術開発が期待されている。
ところが、発泡樹脂とアルミニウム板は樹脂材料と金属材料であり、両者は熱膨張率、伸び、縮みが大きく異なるので、従来から知られている種々の絞り加工技術を適用したとしても、コーナー部分にしわや割れ、肌荒れなどを引き起こすことなく三次元成形品を絞り加工することは困難であった。
特に、角絞り加工により箱型の成形品を得た場合、天壁または底壁と2つの側壁が交わるコーナー部分に割れ、しわ、肌荒れなどの欠陥が生じやすく、コーナーRを小さく加工しようとすると欠陥の発生が顕著になる問題がある。
本願発明は、これらの背景に鑑み、アルミニウム樹脂複合積層板から三次元成形品を製造する場合であっても、しわや割れ、肌荒れなどの欠陥を生じることなくコーナー部分のコーナーRを小さく加工できる三次元成形品の製造装置と製造方法の提供を目的とする。
本発明の製造装置は前述の背景に基づき、発泡樹脂からなる芯材の両面にアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる面材を積層したアルミニウム樹脂複合積層板からなり、天壁あるいは底壁と側壁を有し、前記天壁あるいは底壁と側壁との接続部分および前記側壁どうしの接続部分にコーナーRを有する三次元成形品の製造装置であって、前記アルミニウム樹脂積層板からなり、天壁あるいは底壁と側壁を有し、前記三次元成形品の目的のコーナーRより大きなコーナーRを有する一次成形品を加工して前記コーナーRを小さく加工して前記三次元成形品を製造する装置であり、先端丸頭状のパンチを有するダイセットと、該ダイセットに対向して設けられた基台と、該基台上に前記パンチに対向して設置された拘束治具と、前記拘束治具と前記ダイセットの間に設けられた押圧板を備え、前記拘束治具が、前記一次成形品の天壁あるいは底壁を外側に出して前記一次成形品の側壁を緊密に挿入可能な凹部を有する枠型の拘束治具本体と、前記凹部の内底部側に設けられ、前記凹部に挿入された前記一次成形品の内側に緊密に挿入され、前記一次成形品の天壁あるいは底壁と一定の距離をあけて配置される板状のスペーサーとを具備し、前記押圧板が前記凹部の開口部に挿入自在な大きさであり、前記スペーサーの前記パンチ側の面が前記一次成形品の天壁あるいは底壁と側壁の変形を受ける成形面とされたことを特徴とする。
本発明の製造装置において、前記押圧板の厚さ方向のたわみ量が、目標とするコーナーR寸法の1/2以上であって前記一定の距離よりも小さなたわみ量であり、前記一次成形品の天壁あるいは底壁の短辺側の寸法に対し、70〜90%の直径の先端丸頭状のパンチが設けられた構成を採用できる。
本発明の製造装置において、前記拘束治具本体の凹部の周囲壁の高さが前記一次成形品の側壁の内面高さを超え、前記内面高さに前記天壁あるいは底壁の厚さの1/2以下の寸法を加えた高さに設定され、前記一定距離が前記一次成形品の天壁あるいは底壁の板厚の1/3以上、板厚未満に設定されたことを特徴とする。
本発明の製造装置において、前記拘束治具本体が外枠と該外枠の内側に移動自在に設けられて前記凹部の大きさを調整可能とする内枠を有した構成を採用できる。
本発明の製造装置において、前記拘束治具本体の凹部の周囲壁の高さが前記一次成形品の側壁の内面高さを超え、前記内面高さに前記天壁あるいは底壁の厚さの1/2以下の寸法を加えた高さに設定され、前記一定距離が前記一次成形品の天壁あるいは底壁の板厚の1/3以上、板厚未満に設定されたことを特徴とする。
本発明の製造装置において、前記拘束治具本体が外枠と該外枠の内側に移動自在に設けられて前記凹部の大きさを調整可能とする内枠を有した構成を採用できる。
本発明の製造装置において、前記拘束治具に、前記スペーサーの替わりにコーナー加工ユニットが設けられ、前記コーナー加工ユニットが、前記凹部内に挿入される矩形板状の案内ブロックと、この案内ブロックのコーナー部分に設けられた案内溝に沿って案内ブロックの角部から外側向きにスライド移動自在に設けられ、上面側に受圧面を有した加工駒と、前記加工駒の上方に設けられ、前記受圧面を押圧して前記加工駒を前記案内溝に沿ってスライド移動させる押圧片を備えた構成を採用することができる。
本発明の製造装置において、前記案内溝の底面に前記案内ブロックの外側に向かうにつれて浅くなる傾斜面が形成され、前記加工駒の底面に前記案内溝の底面に摺接する傾斜面が形成された構成を採用できる。
本発明の製造装置において、前記案内溝の底面に前記案内ブロックの外側に向かうにつれて浅くなる傾斜面が形成され、前記加工駒の底面に前記案内溝の底面に摺接する傾斜面が形成された構成を採用できる。
本発明の製造方法は、発泡樹脂からなる芯材の両面にアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる面材を積層したアルミニウム樹脂複合積層板からなり、天壁あるいは底壁とこれらのいずれかに連続された側壁を有し、前記天壁あるいは底壁と側壁との接続部分および前記側壁どうしの接続部分にコーナーRを有する三次元成形品の製造方法であって、前記アルミニウム樹脂積層板からなり、天壁あるいは底壁とこれらのいずれかに連続された側壁を有し、絞り加工により形成されて前記三次元成形品が有する目的の値より大きなコーナーRを有する一次成形品を用い、前記天壁あるいは底壁を若干外側に出して前記一次成形品を隙間無く挿入可能な凹部を有する枠型の拘束治具本体と、前記凹部の内底部側に形成され、前記凹部に挿入された前記一次成形品の内側に隙間無く挿入される板状のスペーサーとを具備した拘束治具を用い、前記拘束治具の凹部に前記一次成形品を挿入して前記天壁あるいは底壁を前記スペーサーの表面から一定距離離した状態に拘束し、前記天壁あるいは底壁の外側から平板状の押圧板によって前記天壁または底壁と前記側壁の基端側を前記スペーサーの表面側に押圧することにより前記一次成形品のコーナー部を変形させてコーナーRを小さく成形することを特徴とする。
本発明の製造方法において、目標とするコーナーR寸法の1/2以上であって前記一定距離よりも小さな厚さ方向たわみ量の押圧板を用い、前記一次成形品の短辺側の寸法に対し、70〜90%の直径の先端丸頭状のパンチにより前記押圧板の中央を押圧して前記一次成形品の天壁あるいは底壁と前記側壁の基端側を前記スペーサー側に押圧することができる。
本発明の製造方法において、前記拘束治具本体の凹部の周囲壁の高さが前記一次成形品の側壁の内面高さを超え、前記内面高さに前記天壁あるいは底壁の厚さの1/2以下の寸法を加えた高さに設定され、前記一定距離が前記一次成形品の天壁あるいは底壁の板厚の1/3以上、板厚未満に設定することができる。
本発明の製造方法において、前記拘束治具本体の凹部の周囲壁の高さが前記一次成形品の側壁の内面高さを超え、前記内面高さに前記天壁あるいは底壁の厚さの1/2以下の寸法を加えた高さに設定され、前記一定距離が前記一次成形品の天壁あるいは底壁の板厚の1/3以上、板厚未満に設定することができる。
本発明の製造方法において、前記拘束治具の凹部に対し前記スペーサーを着脱自在に構成しておき、前記一次成形品の四方を変形させてコーナーRを小さく成形した後、前記スペーサーを前記拘束治具から取り外し、前記拘束治具の凹部の底部側に前記成形品の天壁あるいは底壁を収容し、前記凹部の内面に沿って前記成形品の側壁を配置した後、前記成形品のコーナー部分を内側から外側向きに押圧部を有する加工駒で成形しコーナーRを小さく成形することができる。
本発明の製造方法と製造装置によれば、アルミニウム樹脂複合積層板から三次元成形品を製造する場合であっても、しわや割れ、肌荒れなどの欠陥を生じることなくコーナーRを板厚より小さく加工した三次元成形品を得ることができる。
以下、添付図面に示す実施形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、図2以降に示す製造装置1によって製造対象とする三次元成形品の一例を示す斜視図である。
この例の三次元成形品Aは、ポリプロピレン発泡樹脂などの発泡樹脂板からなる芯材2aと、この芯材2aの表裏両面側に積層されたアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる面材2b、2bとからなる3層構造のアルミニウム樹脂複合積層板2を絞り加工し、後述する製造装置1で成形して得られる。
なお芯材にはポリプロピレン(PP)の他、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA6、PA12等)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)を用いることができる。
図1に示す三次元成形品Aは、浅底の上面開口型の箱状に形成され、平面視矩形状の底壁2Aとこの底壁2Aの周縁から底壁2Aに対し直角に立設された4つの側壁2Bからなる。底壁2Aの周縁において側壁2Bが接続された部分に第1のコーナー部2Dが形成され、隣接する側壁2B、2Bが接続された稜線部分に第2のコーナー部2Eが形成されている。
アルミニウム樹脂複合積層板2として望ましくは厚さが2mm以上、10mm以下、望ましくは面材2bの厚さが0.1mm以上、4mm以下、望ましくは芯材2aの厚さが1.9mm以上、9.8mm以下の積層板を用いることができる。
図1は、図2以降に示す製造装置1によって製造対象とする三次元成形品の一例を示す斜視図である。
この例の三次元成形品Aは、ポリプロピレン発泡樹脂などの発泡樹脂板からなる芯材2aと、この芯材2aの表裏両面側に積層されたアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる面材2b、2bとからなる3層構造のアルミニウム樹脂複合積層板2を絞り加工し、後述する製造装置1で成形して得られる。
なお芯材にはポリプロピレン(PP)の他、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA6、PA12等)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)を用いることができる。
図1に示す三次元成形品Aは、浅底の上面開口型の箱状に形成され、平面視矩形状の底壁2Aとこの底壁2Aの周縁から底壁2Aに対し直角に立設された4つの側壁2Bからなる。底壁2Aの周縁において側壁2Bが接続された部分に第1のコーナー部2Dが形成され、隣接する側壁2B、2Bが接続された稜線部分に第2のコーナー部2Eが形成されている。
アルミニウム樹脂複合積層板2として望ましくは厚さが2mm以上、10mm以下、望ましくは面材2bの厚さが0.1mm以上、4mm以下、望ましくは芯材2aの厚さが1.9mm以上、9.8mm以下の積層板を用いることができる。
なお、一例として芯材2aの厚さ2.5mm、外側の面材2bの厚さ0.3mm、内側の面材2bの厚さ0.2mm、総厚3.0mm程度、芯材2aの表裏両面に面材2bが接着された構造のアルミニウム樹脂複合積層板2を適用することができる。前記芯材2aの厚さ、面材2bの厚さは一例であって、前記の厚さに限らないが、アルミニウム樹脂複合積層板全体をできるだけ軽量化するために、芯材2aより面材2bの方を薄くすることが好ましい。また、芯材2aをポリプロピレン樹脂の発泡体から形成すると芯材2aの比重を1.6程度に形成することができ、アルミニウムの比重が約2.7程度であるので、芯材2aを面材2bより厚く形成することでアルミニウム樹脂複合積層板全体として軽量化に有利となる。
面材2b、2bを形成するアルミニウムあるいはアルミニウム合金板は、両方同じ種類のアルミニウムあるいはアルミニウム合金から形成されていても良く、異なるアルミニウム合金から形成されていてもよい。一例として、外側の面材2bをAA5151などの5000系アルミニウム合金から形成し、内側の面材2bをAA1050などの1000系アルミニウム合金から構成することができる。
この実施形態において内外の面材2b、2bで材質、厚さを前記のように異ならせたのは、内側の面材2bに変形による歪を逃がし、成形を容易とするためであるが、上述の記載は一例であって、上述の記載に制限されるものではない。
この実施形態において内外の面材2b、2bで材質、厚さを前記のように異ならせたのは、内側の面材2bに変形による歪を逃がし、成形を容易とするためであるが、上述の記載は一例であって、上述の記載に制限されるものではない。
図1に示す三次元成形品Aにおいては、平板状のアルミニウム樹脂複合積層板2を例えば図16、図17に示す構造の一般的な絞り加工装置を用い、ダイプレート101の中央孔102に絞りパンチ106を下降させて箱型に絞り加工することで図1に示す三次元成形品Aに近い形状の一次成形品を得た後、図2以降に示す製造装置1により更に2段階加工し三次元成形品Aを得ることができる。
図3に一次成形品の一例を示す。この例の一次成形品4は、目的とする三次元成形品Aを構成するアルミニウム樹脂複合積層板2と同等構成のアルミニウム樹脂複合積層板2からなり、目的とする三次元成形品Aと同等サイズの底壁4Aおよび4つの側壁4Bからなる。なお、図3に示す一次成形品4は底壁4Aを上側に配置して側壁4Bを下向きとした上下逆向き状態を示している。
一次成形品4において底壁4Aと側壁4Bが接続する部分に第1のコーナー部4Dが形成され、隣接する側壁4Bどうしが接続する稜線部分に第2のコーナー部4Eが形成されている点も三次元成形品Aと同等構造である。
一次成形品4が三次元成形品Aと異なる点は、一次成形品4の第1のコーナー部4DのコーナーR(曲率半径)が三次元成形品Aの第1のコーナー部4DのコーナーR(曲率半径)よりも大きく形成されている点、一次成形品4の第2のコーナー部4EのコーナーR(曲率半径)が三次元成形品Aの第2のコーナー部2EのコーナーR(曲率半径)よりも大きく形成されている点である。
図3に一次成形品の一例を示す。この例の一次成形品4は、目的とする三次元成形品Aを構成するアルミニウム樹脂複合積層板2と同等構成のアルミニウム樹脂複合積層板2からなり、目的とする三次元成形品Aと同等サイズの底壁4Aおよび4つの側壁4Bからなる。なお、図3に示す一次成形品4は底壁4Aを上側に配置して側壁4Bを下向きとした上下逆向き状態を示している。
一次成形品4において底壁4Aと側壁4Bが接続する部分に第1のコーナー部4Dが形成され、隣接する側壁4Bどうしが接続する稜線部分に第2のコーナー部4Eが形成されている点も三次元成形品Aと同等構造である。
一次成形品4が三次元成形品Aと異なる点は、一次成形品4の第1のコーナー部4DのコーナーR(曲率半径)が三次元成形品Aの第1のコーナー部4DのコーナーR(曲率半径)よりも大きく形成されている点、一次成形品4の第2のコーナー部4EのコーナーR(曲率半径)が三次元成形品Aの第2のコーナー部2EのコーナーR(曲率半径)よりも大きく形成されている点である。
アルミニウム樹脂複合積層板2を図16、図17に示す構造の一般的な絞り加工装置を用いて浅底の箱型に絞り成形した場合、三次元成形品Aの第1のコーナー部2Dと第2のコーナー部2EのコーナーRを板厚より小さく加工することはできない。一例としてアルミニウム樹脂複合積層板2の厚さが3mm程度である場合にコーナーRは5mm程度となることがある。
例えば、一般的な絞り加工装置の絞りパンチ106の下端周縁部のRは9mm程度に形成されている。この絞りパンチ106を用いて例えば、芯材2aの厚さ1.9〜9.8mm、面材2bの厚さ0.1〜4mm、芯材2aの表裏両面に面材2bが接着された構造のアルミニウム樹脂複合積層板2を角絞り加工すると、第1のコーナー部2Dや第2のコーナー部2Eには最少6mm程度、最大12mm程度のコーナーRが形成されてしまう。
例えば、一般的な絞り加工装置の絞りパンチ106の下端周縁部のRは9mm程度に形成されている。この絞りパンチ106を用いて例えば、芯材2aの厚さ1.9〜9.8mm、面材2bの厚さ0.1〜4mm、芯材2aの表裏両面に面材2bが接着された構造のアルミニウム樹脂複合積層板2を角絞り加工すると、第1のコーナー部2Dや第2のコーナー部2Eには最少6mm程度、最大12mm程度のコーナーRが形成されてしまう。
芯材2aは面材2bより比重が小さく樹脂の発泡体であるので、ダイプレート101と絞りパンチ106を用いて単純に絞り加工を施した場合、芯材2aがクッション材のように変形し、変形しようとする面材2bの緩衝層となる。例えば、絞り成形のままではコーナー部2D、2Eの寸法はアルミニウム樹脂複合積層板2の板厚以上となってしまう。また、絞りパンチ106の先端部のコーナーRを仮に0としても絞り加工のままのコーナーR(コーナー部の曲率半径)はアルミニウム樹脂複合積層板2の板厚未満には加工できず、むしろパンチ先端が角張るので絞り加工時にコーナー部分のアルミニウム樹脂複合積層板2に割れ、しわ等の欠陥部分が生じ易くなる。
また、アルミニウム樹脂複合積層板2において成形後のコーナー部2D、2Eに相当する部分に加工前にVノッチを形成しておくならば角を曲げやすくなるが、Vノッチを形成するとコーナー部の強度が低下する。また、一般にストライキングと称されるパンチ先端部に形成した突起を用いて材料に食い込むようにコーナーRを形成すると、R部の寸法が安定せず、三次元成形品の外面側に食い込み部が浮き出てしまう可能性がある。
また、アルミニウム樹脂複合積層板2において成形後のコーナー部2D、2Eに相当する部分に加工前にVノッチを形成しておくならば角を曲げやすくなるが、Vノッチを形成するとコーナー部の強度が低下する。また、一般にストライキングと称されるパンチ先端部に形成した突起を用いて材料に食い込むようにコーナーRを形成すると、R部の寸法が安定せず、三次元成形品の外面側に食い込み部が浮き出てしまう可能性がある。
これらの理由から、絞りパンチ106とダイプレート101を用いた通常の絞り成形のみではアルミニウム樹脂複合積層板2からなる三次元成形品Aのコーナー部2D、2EのコーナーRを小さくすることはできない。
このため、本実施形態では通常の絞り成形により目的の形状に類似した一次成形品4を得た後、図2以降に示す構成の製造装置1を用いて2段階の加工を施し、コーナー部2D、2EのコーナーRが板厚以下である目的の形状の三次元成形品Aを得る。
このため、本実施形態では通常の絞り成形により目的の形状に類似した一次成形品4を得た後、図2以降に示す構成の製造装置1を用いて2段階の加工を施し、コーナー部2D、2EのコーナーRが板厚以下である目的の形状の三次元成形品Aを得る。
以下、本実施形態の製造装置1について説明する。
本実施形態の製造装置1は、図2に示すように水平に設置されている基台10とこの基台10の上方に上下に移動自在に設けられたダイセット11を主体としてなる。
基台10は平面視矩形状の下部定盤12の中央上部に設置されていて、その上面に水平な支持面10Aが形成され、支持面10Aの中央に拘束治具Jが設置されている。
ダイセット11は上部定盤15とその下面中央に取り付けられた上部基台16と該上部基台16の下面中央に下向きに形成された先端丸頭状、例えば、半球頭状のパンチ17を備えている。このパンチ17の下方に4本の支柱18により吊り下げ支持された上部押圧板19が水平に設けられ、上部押圧板19の下面中央に下部押圧板20が水平に一体化されている。
本実施形態の製造装置1は、図2に示すように水平に設置されている基台10とこの基台10の上方に上下に移動自在に設けられたダイセット11を主体としてなる。
基台10は平面視矩形状の下部定盤12の中央上部に設置されていて、その上面に水平な支持面10Aが形成され、支持面10Aの中央に拘束治具Jが設置されている。
ダイセット11は上部定盤15とその下面中央に取り付けられた上部基台16と該上部基台16の下面中央に下向きに形成された先端丸頭状、例えば、半球頭状のパンチ17を備えている。このパンチ17の下方に4本の支柱18により吊り下げ支持された上部押圧板19が水平に設けられ、上部押圧板19の下面中央に下部押圧板20が水平に一体化されている。
基台10の周辺部であって下部定盤12の4つのコーナー部分に個々に支柱21が上向きに垂直に立設され、上部基台16の周辺部であって上部定盤15の4つのコーナー部分に個々に支柱22が下向きに垂直に立設されている。上部定盤15と下部定盤12はいずれも平面視矩形状に形成され、上下に所定間隔離間してそれらの水平位置を合わせるように設置されている。支柱21の上端部には挿入部21Aが形成され、支柱22の下端部には筒型の受部22Aが形成されていて、挿入部21Aを受部22Aに嵌合して位置合わせをすることでダイセット11は傾斜することなく水平状態を維持したまま上下に移動自在に支持される。よって、上部押圧板19と下部押圧板20も傾斜することなく水平状態を維持したまま上下に移動自在に支持されている。
図2、図4、図5に描かれている支柱21、22は図面を見やすくするために互いに離間した状態に短く描かれている。本実施形態の製造装置1を作動させる場合、支柱21の挿入部21Aに支柱22の受部22Aを挿入した状態でこれらに案内させてダイセット11を正確に上下移動する必要があるため、実際に支柱21、22は図示よりも長く形成されているが、図2、図4、図5の記載では短く簡略記載されている。なお、ダイセット11は、図示略の油圧昇降装置に接続されて上下移動自在に支持されているので、ダイセット11の上下移動に追従するようにパンチ17と上部押圧板19と下部押圧板20も上下移動される。
上部押圧板19の四隅部分に形成された透孔19aを貫通するように支柱18が上部基台16の底部側に鉛直下向きに設置され、支柱18の下端に形成されたフランジ部18aによって上部押圧板19が抜け止め支持されている。なお、4本の支柱18はダイセット11が下死点近くまで下降した場合であっても拘束治具本体13と干渉しない位置に設けられている。また、4本の支柱18の長さはダイセット11が下死点近くまで下降した場合であっても基台10に接しない程度の長さに形成されている。
以上の構造によりダイセット11の下降に応じ上部押圧板19と下部押圧板20を下降させることができ、下部押圧板20の下方の拘束治具上に後述する板状の補助押圧板23を配置しておくならば、ダイセット11の下降によりパンチ17によって上部押圧板19と下部押圧板20を介し補助押圧板23を拘束治具本体13の上面側に向けて押し付けできるように構成されている。
以上の構造によりダイセット11の下降に応じ上部押圧板19と下部押圧板20を下降させることができ、下部押圧板20の下方の拘束治具上に後述する板状の補助押圧板23を配置しておくならば、ダイセット11の下降によりパンチ17によって上部押圧板19と下部押圧板20を介し補助押圧板23を拘束治具本体13の上面側に向けて押し付けできるように構成されている。
パンチ17は、4本の支柱18が取り付けられている上部基台16の下面側中央部に下向きに突出形成されたもので、金属製の半球頭状の中実の剛体からなる。図2に示すようにフランジ部18aに接触する位置まで支柱18に沿って上部押圧板19を下降させた状態においてパンチ17の下端位置は、上部押圧板19の上面と若干の隙間を生じる位置に設定されている。パンチ17の先端形状は半球頭状が望ましいが、その曲率は球に近い形状であれば特に問わない。また、パンチ17の半球頭部分の直径は加工対象の三次元成形品Aの底壁2Aの短辺に対し、70%〜90%の直径であることが望ましい。
パンチ17の直径が70%未満では一次成形品4の四方を均等に変形させることができず、パンチ19の直径が90%を超えるようでは大きすぎて一次成形品4の四方に力を伝達する前にパンチ17に接した面が歪んでしまい、均等に変形させる機能を果たすことができない。
パンチ17の先端を上部押圧板19の上面中心に押し付けて下部押圧板20と補助押圧板23を介し一次成形品4を成形する場合、上部押圧板19と下部押圧板20は撓み変形しつつ押圧力を一次成形品4に付加するが、パンチ17の直径を上述の範囲とすることでこの撓み変形による加圧力の不均一性をできるだけ少なくすることができる。また、パンチ17により補助押圧板23が撓み変形する場合のたわみ量は、アルミニウム樹脂複合積層板2の板厚の1/2以下であることが望ましい。
パンチ17を用いた一次成形品4に対する成形動作については後に詳述する。
パンチ17の先端を上部押圧板19の上面中心に押し付けて下部押圧板20と補助押圧板23を介し一次成形品4を成形する場合、上部押圧板19と下部押圧板20は撓み変形しつつ押圧力を一次成形品4に付加するが、パンチ17の直径を上述の範囲とすることでこの撓み変形による加圧力の不均一性をできるだけ少なくすることができる。また、パンチ17により補助押圧板23が撓み変形する場合のたわみ量は、アルミニウム樹脂複合積層板2の板厚の1/2以下であることが望ましい。
パンチ17を用いた一次成形品4に対する成形動作については後に詳述する。
拘束治具Jは、図3に示すように平面視矩形枠状の外枠13Aと、その内側に設けられた位置調整用の平面視L型の内枠13Bと、これらの下方の底板13Cを備えた上面開口型の浅底の箱状の拘束治具本体13を備えている。拘束治具本体13は後述する如く一次成形品4を拘束するものであるから、一次成形品4の構成材料であるアルミニウムあるいはアルミニウム合金より硬度と強度の高いステンレス鋼などの高強度かつ硬質の金属材料からなる。
外枠13Aは2枚の長辺側の側板13aと2枚の短辺側の側板13bをボルト止めなどの接合方法により組み合わせて矩形枠状に形成され、外枠13の内底部側を占めるように底板13Cが外枠13Aの底部側に一体化されている。外枠13Aは適用する一次成形品4を内部側に余裕を持って収容可能な大きさに形成されている。
外枠13Aは2枚の長辺側の側板13aと2枚の短辺側の側板13bをボルト止めなどの接合方法により組み合わせて矩形枠状に形成され、外枠13の内底部側を占めるように底板13Cが外枠13Aの底部側に一体化されている。外枠13Aは適用する一次成形品4を内部側に余裕を持って収容可能な大きさに形成されている。
外枠13Aの長辺側を構成する一方の側板13aにその長さ方向に離間して2つのねじ孔が形成され、これらのねじ孔を挿通して側板13aを貫通するように2つの調整ボルト25が螺合されている。また、外枠13Aの短辺側を構成する一方の側板13bであって、前記側板13aに隣接した側板13bにも長さ方向に離間して2つのねじ孔が形成され、これらのねじ孔を挿通して側板13bを貫通するように2つの調整ボルト25が螺合されている。
側板13aを貫通した2本の調整ボルト25の先端側に側板13aより長さが短く、側板13aより若干背の低い調整板26が設置され、側板13bを貫通した2本の調整ボルト25の先端側にも側板13bより長さが短く、側板13bより背の低い調整板27が設置されている。
側板13aを貫通した2本の調整ボルト25の先端側に側板13aより長さが短く、側板13aより若干背の低い調整板26が設置され、側板13bを貫通した2本の調整ボルト25の先端側にも側板13bより長さが短く、側板13bより背の低い調整板27が設置されている。
調整板26、27により平面視L字型に配された内枠13Bが構成されるが、調整板26、27とそれらに隣接する側板13a、13bに囲まれるように拘束治具本体内に凹部28が形成され、この凹部28が図3に示す状態では一次成形品4を隙間の無い状態で緊密に挿入できる大きさに形成されている。
まず、調整板26、27は底板13Cの上面に沿ってスライド移動できるように底壁13Cの上面に設置されている。
また、調整板26は調整ボルト25、25のねじ孔に対する螺合位置を調整することで対向する側板13aに対し接近するか離間する方向に案内される。調整板27も調整ボルト25、25のねじ孔に対する螺合位置を調整することで対向する側板13bに対し接近するか離間する方向に移動自在に案内される。よって、調整板26、27の位置を変更することができ、図3に示す位置に調整板26、27を設置することにより形成した凹部28に、裏返した状態の一次成形品4を隙間無く挿入することができる。
まず、調整板26、27は底板13Cの上面に沿ってスライド移動できるように底壁13Cの上面に設置されている。
また、調整板26は調整ボルト25、25のねじ孔に対する螺合位置を調整することで対向する側板13aに対し接近するか離間する方向に案内される。調整板27も調整ボルト25、25のねじ孔に対する螺合位置を調整することで対向する側板13bに対し接近するか離間する方向に移動自在に案内される。よって、調整板26、27の位置を変更することができ、図3に示す位置に調整板26、27を設置することにより形成した凹部28に、裏返した状態の一次成形品4を隙間無く挿入することができる。
例えば、一次成形品4の短手方向の横幅よりも調整板26と側板13aの距離を大きく設定しておき、一次成形品4の長手方向の縦幅よりも調整板27と側板13bの距離を大きく設定しておくならば、図3に示すように底壁4Aを上にして裏返した状態の一次成形品4を凹部28に容易に挿入できる。凹部28に一次成形品4を挿入後、調整板26の位置を調節して一次成形品4の長辺側の側壁4Bに調整板26を密着させることができ、調整板27の位置を調節して一次成形品4の短辺側の側壁4Bに調整板27を密着できる。この状態で凹部28内に一次成形品4を隙間無く密着状態で収容できたことになる。
前記調整板26、27はそれぞれ調整ボルト25の螺合位置を調節することでそれらの位置を外枠13Aの内側で微調整できるので、調整板26、27の位置を調節することで外枠13Aの内側に形成する凹部28の大きさを微調整できる。換言すると、調整板26、27からなる内枠13Bの位置を調節することで凹部28の大きさを微調整できる。
前記調整板26、27はそれぞれ調整ボルト25の螺合位置を調節することでそれらの位置を外枠13Aの内側で微調整できるので、調整板26、27の位置を調節することで外枠13Aの内側に形成する凹部28の大きさを微調整できる。換言すると、調整板26、27からなる内枠13Bの位置を調節することで凹部28の大きさを微調整できる。
次に、凹部28に一次成形品4を収容する前に収容しておくスペーサー30について説明する。このスペーサー30は、一次成形品4の底壁4Aと4つの側壁4Bが形成する凹部に隙間無く収容可能な縦幅、横幅を有する金属板からなる。スペーサー30は拘束治具本体13とともに一次成形品4を押さえて成形時に保持するものであるから一次成形品4の構成材料であるアルミニウムあるいはアルミニウム合金より硬度と強度の十分に高いステンレス鋼などの高強度かつ硬質の金属材料からなる。本実施形態では拘束治具本体13とスペーサー30から拘束治具Jが構成されている。
拘束治具本体13とスペーサー30はともに一次成形品4の成形に使用する部材であることから、以下に説明するように拘束治具本体13の凹部28の深さとスペーサー30の厚さは特別な関係とする必要がある。
例えば、一例として、拘束治具本体13の凹部28の中央にスペーサー30を設置し、図3に示すように裏返した状態の一次成形品4でスペーサー30を覆うようにスペーサー30に一次成形品4を被せた状態で拘束治具本体13の凹部28に隙間無く一次成形品4を収容することができる大きさとする必要がある。この状態の拘束治具本体13と凹部28とスペーサー30と一次成形品4の配置構造の一例を図7(A)に示す。
例えば、一例として、拘束治具本体13の凹部28の中央にスペーサー30を設置し、図3に示すように裏返した状態の一次成形品4でスペーサー30を覆うようにスペーサー30に一次成形品4を被せた状態で拘束治具本体13の凹部28に隙間無く一次成形品4を収容することができる大きさとする必要がある。この状態の拘束治具本体13と凹部28とスペーサー30と一次成形品4の配置構造の一例を図7(A)に示す。
図7(A)は拘束治具本体13の凹部28にスペーサー30と一次成形品4の側壁4Bが隙間無く緊密に収容されている状態の一例を示す。この状態において、拘束治具本体13の凹部28の深さ(換言すると、凹部28の周囲壁の高さ)Hは、一次成形品4の側壁4Bの内部高さより高く、その高さに一次成形品4の厚さの1/2を加えた高さより低く形成されている。スペーサー30の厚さdは一次成形品4の側壁4Bの内面高さより若干低くされている。このため、一次成形品4の底壁4Aとスペーサー30の上面との間に一定の隙間(平行間隔)のギャップGがあけられている。
このギャップGの隙間は一次成形品4の板厚の1/3以上必要であり、一次成形品4の板厚以下であることが好ましい。一例としてギャップGの隙間は一次成形品4のコーナーRの1/2程度に設定することができる。このギャップGの隙間は、一次成形品4の曲率半径に対し、1/4を超え3/4未満の範囲が好ましい。例えば、R10mmに対し2.5mmを超え7.5mm未満の隙間が好ましい。よって一次成形品4の曲率半径の1/2が最も好ましい隙間量となる。
ギャップGの隙間を前述の範囲とすることで、後述するように一次成形品4を成形する場合にしわや亀裂の発生を抑制しつつ目的の大きさのコーナーRを有する三次元成形品Aを得ることができる。前記スペーサー30においてギャップG側の面は後述するように一次成形品を成形する場合に変形を受ける成形面30Aとされている。
ギャップGの隙間を前述の範囲とすることで、後述するように一次成形品4を成形する場合にしわや亀裂の発生を抑制しつつ目的の大きさのコーナーRを有する三次元成形品Aを得ることができる。前記スペーサー30においてギャップG側の面は後述するように一次成形品を成形する場合に変形を受ける成形面30Aとされている。
図7(A)に例示するように一次成形品4はその側壁4Bを凹部28の内周壁とスペーサー30の側面との間に挟まれた状態で底壁4Aをスペーサー30の上方に位置させて凹部28内に収容される。ここで一次成形品4の底壁4Aは凹部28の開口部から若干外側に突出した状態となる。
この状態の一次成形品4の上方に補助押圧板23が設置されて後述するようにパンチ17により補助押圧板23を介し一次成形品4が加圧される。このため、平面視した場合の補助押圧板23の縦幅は凹部28の開口部の縦幅とほぼ同等かわずかに小さく形成され、補助押圧板23の横幅は凹部28の開口部の横幅とほぼ同等かわずかに小さく形成されている。補助押圧板23の縦幅および横幅を凹部28の開口部の縦幅および横幅よりも若干小さくする場合、例えば図7(A)に示すようにアルミニウム樹脂複合積層板2の側壁4Bの肉厚の1/2程度以下に設定することが望ましい。
この状態の一次成形品4の上方に補助押圧板23が設置されて後述するようにパンチ17により補助押圧板23を介し一次成形品4が加圧される。このため、平面視した場合の補助押圧板23の縦幅は凹部28の開口部の縦幅とほぼ同等かわずかに小さく形成され、補助押圧板23の横幅は凹部28の開口部の横幅とほぼ同等かわずかに小さく形成されている。補助押圧板23の縦幅および横幅を凹部28の開口部の縦幅および横幅よりも若干小さくする場合、例えば図7(A)に示すようにアルミニウム樹脂複合積層板2の側壁4Bの肉厚の1/2程度以下に設定することが望ましい。
以上説明の拘束治具本体13と補助押圧板23を備えた製造装置1を用いて一次成形品4に対する第1段階の成形を行う。
一次成形品4の短手方向の横幅よりも拘束治具本体13の調整板26と側板13aの距離を大きく設定し、一次成形品4の長手方向の縦幅よりも拘束治具本体13の調整板27と側板13bの距離を大きく設定しておき、拘束治具本体13に形成された凹部28の中央にスペーサー30を設置しておく。
この状態から、図3に示すように底壁4Aを上にして裏返した状態の一次成形品4でスペーサー30を覆うように一次成形品4を凹部28に挿入する。なお、裏返した状態の一次成形品4でスペーサー30を覆ってからスペーサー30と一次成形品4を拘束治具本体13の凹部28に挿入しても良い。
凹部28に一次成形品4を挿入後、調整板26の位置を調節して一次成形品4の長辺側の側壁4Bに調整板26を密着させ、調整板27の位置を調節して一次成形品4の短辺側の側壁4Bに調整板27を密着させる。この状態で凹部28内に一次成形品4を隙間無く緊密状態で収容できたことになる。
一次成形品4の短手方向の横幅よりも拘束治具本体13の調整板26と側板13aの距離を大きく設定し、一次成形品4の長手方向の縦幅よりも拘束治具本体13の調整板27と側板13bの距離を大きく設定しておき、拘束治具本体13に形成された凹部28の中央にスペーサー30を設置しておく。
この状態から、図3に示すように底壁4Aを上にして裏返した状態の一次成形品4でスペーサー30を覆うように一次成形品4を凹部28に挿入する。なお、裏返した状態の一次成形品4でスペーサー30を覆ってからスペーサー30と一次成形品4を拘束治具本体13の凹部28に挿入しても良い。
凹部28に一次成形品4を挿入後、調整板26の位置を調節して一次成形品4の長辺側の側壁4Bに調整板26を密着させ、調整板27の位置を調節して一次成形品4の短辺側の側壁4Bに調整板27を密着させる。この状態で凹部28内に一次成形品4を隙間無く緊密状態で収容できたことになる。
この後、拘束治具本体13の凹部28と位置合わせしつつ補助押圧板23を一次成形品4の底壁4A上に設置し、ダイセット11を下降させる。
ダイセット11が下降すると図4に示す状態から図5に示す状態となり、パンチ17によって上部押圧板19と下部押圧板20と補助押圧板23を下方に押圧できる。この状態の略図を図6(A)、(B)、(C)にも示しておく。
図7(A)〜図7(D)に補助押圧板23が一次成形体4を押圧変形させる状態の詳細を段階的に示す。パンチ17により下降される補助押圧板23はスペーサー30との間に挟んだ一次成形品4を順次変形させ、図7(B)、(C)、(D)に示すように徐々にギャップGを消失させて補助押圧板23とスペーサー30と拘束治具本体13の側壁13aとの間に隙間の無い状態となるように一次成形品4を成形する。一次成形品4を成形した状態を図6(D)にも示しておく。
ダイセット11が下降すると図4に示す状態から図5に示す状態となり、パンチ17によって上部押圧板19と下部押圧板20と補助押圧板23を下方に押圧できる。この状態の略図を図6(A)、(B)、(C)にも示しておく。
図7(A)〜図7(D)に補助押圧板23が一次成形体4を押圧変形させる状態の詳細を段階的に示す。パンチ17により下降される補助押圧板23はスペーサー30との間に挟んだ一次成形品4を順次変形させ、図7(B)、(C)、(D)に示すように徐々にギャップGを消失させて補助押圧板23とスペーサー30と拘束治具本体13の側壁13aとの間に隙間の無い状態となるように一次成形品4を成形する。一次成形品4を成形した状態を図6(D)にも示しておく。
この成形時において一次成形体4のコーナー部分は補助押圧板23によってスペーサー30の上面の成形面30Aに沿うように変形され、一次成形体4のコーナーRは小さく成形される。この成形の際、一次成形品4のコーナー部分を拘束治具本体13とスペーサー30と補助押圧板23とでほぼ完全に覆っているので、一次成形品4のコーナー部分に座屈やしわ、亀裂などの欠陥を生じさせることなく成形加工できる。
なお、図7に示す構成では側板13a、13bから構成される凹部28に補助押圧板23を挿入する構成としたが、側板13a、13bの高さを図7に示すより若干低く、例えば、一次成形品4の背よりも若干低くしておくこともできる。この場合、一次成形品4は側板13a、13bの上方に若干突出した状態となる。この状態から補助押圧板23で一次成形品4を押圧してギャップGの間隙を無くするまで一次成形品4を押圧成形し、補助押圧板23が凹部28に入る前に加工終了とする構成を採用しても良い。
なお、一次成形品4が凹部28から上方にはみ出し可能な高さは一次成形品4の肉厚以内までとなる。はみ出し高さをそれ以上にすると、押込み方向に対し、90度はみ出た成形品の形状となってしまう。一次成形品4の周囲を全て拘束することで、コーナーR部に材料を集中して流し込み、小さいRを形成することができる。
なお、図7に示す構成では側板13a、13bから構成される凹部28に補助押圧板23を挿入する構成としたが、側板13a、13bの高さを図7に示すより若干低く、例えば、一次成形品4の背よりも若干低くしておくこともできる。この場合、一次成形品4は側板13a、13bの上方に若干突出した状態となる。この状態から補助押圧板23で一次成形品4を押圧してギャップGの間隙を無くするまで一次成形品4を押圧成形し、補助押圧板23が凹部28に入る前に加工終了とする構成を採用しても良い。
なお、一次成形品4が凹部28から上方にはみ出し可能な高さは一次成形品4の肉厚以内までとなる。はみ出し高さをそれ以上にすると、押込み方向に対し、90度はみ出た成形品の形状となってしまう。一次成形品4の周囲を全て拘束することで、コーナーR部に材料を集中して流し込み、小さいRを形成することができる。
以上説明した第1段階の成形加工により一次成形品4においてコーナー部4D、4EのコーナーRをある程度揃え、均一に小さくすることができる。
アルミニウム樹脂複合積層板2を図16、図17に示す構造の一般的な絞り加工装置を用いて浅底の箱型に絞り成形した一次成形品4にあっては、コーナー部4D、4EのコーナーRがコーナー部の全長に沿って均一ではなく、板厚より大きく、かつ、不揃いとなっている。このコーナーRが大きく、かつ、不揃いの一次成形品4に対し第1段階の成形加工を施すことでコーナー部4D、4EのコーナーRをコーナー部全長に渡ってある程度揃え、しかも均一に小さくすることができる。例えば、コーナーRを板厚以下に小さくすることができる。
アルミニウム樹脂複合積層板2を図16、図17に示す構造の一般的な絞り加工装置を用いて浅底の箱型に絞り成形した一次成形品4にあっては、コーナー部4D、4EのコーナーRがコーナー部の全長に沿って均一ではなく、板厚より大きく、かつ、不揃いとなっている。このコーナーRが大きく、かつ、不揃いの一次成形品4に対し第1段階の成形加工を施すことでコーナー部4D、4EのコーナーRをコーナー部全長に渡ってある程度揃え、しかも均一に小さくすることができる。例えば、コーナーRを板厚以下に小さくすることができる。
特に、半球頭状のパンチ17を用いて上部押圧板19を下方に付勢した場合、パンチ17の先端が上部押圧板19の上面中央を下方に押し付け、上部押圧板19と下部押圧板20の中央部で補助押圧板23を介し一次成形体4の底壁4Aの上面中央部を押圧変形させた後、パンチ17の下降に伴い、徐々に上部押圧板19と下部押圧板20の周辺部側で補助押圧板23を介し底壁4Aの周辺部側にかけて圧力を徐々に作用させて成形することができる。このため、一次成形品4の中央から四方にかけて一次成形品4の構成材料を順次移動させつつ一次成形品4の均一成形ができる。従って、一次成形品4のコーナー部4D、4Eの形状を均一に揃えつつ板厚より小さいコーナーRになるように第1段階の成形加工ができる。
パンチ17の先端により上部押圧板19と下部押圧板20を介し補助押圧板23により一次成形品4を成形する場合、上部押圧板19と下部押圧板20は撓み変形しつつ押圧力を一次成形品4に付加するが、パンチ17の直径を上述の範囲とすることでこの撓み変形による加圧力の不均一性をできるだけ少なくすることができる。また、パンチ17により補助押圧板23が撓み変形する場合のたわみ量をアルミニウム樹脂複合積層板2の板厚の1/2以下としておくことで、上述の如くコーナーRを板厚の1/2以下に加工する場合の加工性を確保できる。
パンチ17の先端により上部押圧板19と下部押圧板20を介し補助押圧板23により一次成形品4を成形する場合、上部押圧板19と下部押圧板20は撓み変形しつつ押圧力を一次成形品4に付加するが、パンチ17の直径を上述の範囲とすることでこの撓み変形による加圧力の不均一性をできるだけ少なくすることができる。また、パンチ17により補助押圧板23が撓み変形する場合のたわみ量をアルミニウム樹脂複合積層板2の板厚の1/2以下としておくことで、上述の如くコーナーRを板厚の1/2以下に加工する場合の加工性を確保できる。
しかし、この第1段階の加工後の成形品であっても、隣接する側壁4B、4Bのコーナー部4EのコーナーRは目的の大きさまで完全には小さくならない。例えば、コーナーRを板厚の1/2以下までには小さくできない。この理由は、3層構造のアルミニウム樹脂複合積層板2において発泡樹脂板からなる芯材2aを用いているので、コーナー部4Eの部分は加工時の圧力が隅々まで完全には伝わらず、加工後に芯材2aが形状復帰することに伴う面材2b、2bの変形分も含めてコーナーRの大きさが目的の大きさまで小さくならない。
このため、本実施形態の製造装置1では図6(D)あるいは図7(D)に示す状態まで第1段階の成形加工を施した後、図8以降に示すコーナー加工ユニット40を用いて成形品の第2段階の成形加工を行い、コーナー部4EのコーナーRを更に小さく揃える成形を行い、図1に示す目的の三次元成形品Aを得ることができる。例えば、コーナーRを板厚の1/2程度まで小さくして目的の三次元成形品を得ることができる。
図8〜図11にコーナー加工ユニット40の一例構成を示す。
コーナー加工ユニット40において先に説明した拘束治具本体13に適用されていた外枠13A、内枠13B、底板13Cの部分はそのまま流用できる。従って先の第1段階で成形加工した成形品を凹部28に収容できる構成については先に説明した通りである。
このコーナー加工ユニット40においては、先の拘束治具本体13において凹部28の内側に設けていたスペーサー30を略し、スペーサー30の代わりに、図8に示す加圧片36とストッパープレート37と案内ブロック38と4つの加工駒39が設けられる。
図8〜図11にコーナー加工ユニット40の一例構成を示す。
コーナー加工ユニット40において先に説明した拘束治具本体13に適用されていた外枠13A、内枠13B、底板13Cの部分はそのまま流用できる。従って先の第1段階で成形加工した成形品を凹部28に収容できる構成については先に説明した通りである。
このコーナー加工ユニット40においては、先の拘束治具本体13において凹部28の内側に設けていたスペーサー30を略し、スペーサー30の代わりに、図8に示す加圧片36とストッパープレート37と案内ブロック38と4つの加工駒39が設けられる。
案内ブロック38は、拘束治具3の凹部28に収容されている成形品の内側に挿入される縦幅および横幅の金属製の基板部38Aからなり、この基板部38Aの4隅のコーナー部分のそれぞれに案内溝38Bが形成されている。案内溝38Bは基板部38Aのコーナー部分においてコーナー部分を挟む側面のそれぞれに平面視45゜程度の傾斜を有し、基板部38Aの内部側からコーナー部側に向かうにつれて徐々に深くなる底面を有する溝に形成されている。
案内溝38Bには案内溝38Bに沿って基板部38Aの外側に向いてスライド移動自在に加工駒39が収容されている。加工駒39は側面視三角形状かつ均一幅の本体部39Aを案内溝38Bに挿入してスライド移動自在に案内溝38Bに嵌め込まれている。本体部39Aにおいて案内溝38Bの外側向きの部分に所定の交差角で逆V字型に斜面を交差させた押圧部39Cが形成され、本体部39Aの上面には水平面からなる受圧面39Dが形成されている。案内溝38Bの底面には傾斜面38bが形成され、本体部39の底面も傾斜面39bとされているので、受圧面39Dを介し加工駒39を下向きに付勢することで加工駒39は押圧部39Cを先端側として基板部38Aのコーナー部において外側向き、かつ、若干斜め下向きに案内溝38Bに沿って基板部38Aの外側にスライド移動ができる。
案内溝38Bには案内溝38Bに沿って基板部38Aの外側に向いてスライド移動自在に加工駒39が収容されている。加工駒39は側面視三角形状かつ均一幅の本体部39Aを案内溝38Bに挿入してスライド移動自在に案内溝38Bに嵌め込まれている。本体部39Aにおいて案内溝38Bの外側向きの部分に所定の交差角で逆V字型に斜面を交差させた押圧部39Cが形成され、本体部39Aの上面には水平面からなる受圧面39Dが形成されている。案内溝38Bの底面には傾斜面38bが形成され、本体部39の底面も傾斜面39bとされているので、受圧面39Dを介し加工駒39を下向きに付勢することで加工駒39は押圧部39Cを先端側として基板部38Aのコーナー部において外側向き、かつ、若干斜め下向きに案内溝38Bに沿って基板部38Aの外側にスライド移動ができる。
案内ブロック38の上面側において加工駒39が設けられている部分の内側にストッパープレート37がボルト止めなどの接合手段により取り付けられ、ストッパープレート37の上方に側面視逆凹型の加圧片36が設置されている。加圧片36は板状の本体部36Aの左右両側に下向きの凸部型の押圧部36Bを有し、左右の押圧部36Bの間に凹部36Cが形成されている。加圧片36は凹部36Cの下方にストッパープレート37を位置させて案内ブロック38の上に設置されている。加圧片36の一方の押圧部36Bは案内ブロック38の一側にあって隣接する一側の加工駒39、39の上に設置され、他方の押圧部36Bは案内ブロック38の他側にあって隣接する他側の加工駒39、39の上に設置されている。
図12〜図14に示すように拘束治具本体13の凹部28に収容されている第1段階の加工後の成形品41の内側に、案内ブロック38と4つの加工駒39が配置され、案内ブロック38の上にストッパープレート37が設置され、加工駒39とストッパープレート37の上に加圧片36が設置されてコーナー加工ユニット40が構成されている。ストッパープレート37は加圧片36の下死点を規制するもので、加圧片36の凹部36がストッパープレート37の上面に接触することで加圧片36の下降は阻止される。
以上のように構成されたコーナー加圧ユニット40を用いて第1段階の加工後の成形品41に対し第2段階の加工を施す方法について説明する。
図12に示すように拘束治具本体13の凹部28に収容されている第1段階の加工後の成形品41の内側に、案内ブロック38と4つの加工駒39を配置し、図13に示すように4つの加工駒39の上に加圧片36を設置した後、図14に示すようにダイセット11を下降させて半球頭状のパンチ17によって上部押圧板19と下部押圧板20を介し加圧片36を下向きに押圧する。
加圧片36の押圧部36B、36Bはそれぞれ4つの加工駒39の受圧面39Dを下向きに押圧するので案内ブロック38の案内溝38Bに沿ってそれぞれ斜め下向きにスライド移動させた4つの加工駒39を成形品41のコーナー部分の内側に押し付けることができる。この際、各加工駒39の逆V字型の押圧部39Cが成形品41のコーナー部分をその内側から外側向きに押圧してコーナー部分のコーナーRが小さくなるように張出加工するため、成形品41の側壁どうしが接続しているコーナー部分のコーナーRを小さく加工することができる。例えば、コーナーRをアルミニウム樹脂複合積層板2の板厚未満、あるいは板厚の1/2以下などの小さな値に成形加工できる。
図12に示すように拘束治具本体13の凹部28に収容されている第1段階の加工後の成形品41の内側に、案内ブロック38と4つの加工駒39を配置し、図13に示すように4つの加工駒39の上に加圧片36を設置した後、図14に示すようにダイセット11を下降させて半球頭状のパンチ17によって上部押圧板19と下部押圧板20を介し加圧片36を下向きに押圧する。
加圧片36の押圧部36B、36Bはそれぞれ4つの加工駒39の受圧面39Dを下向きに押圧するので案内ブロック38の案内溝38Bに沿ってそれぞれ斜め下向きにスライド移動させた4つの加工駒39を成形品41のコーナー部分の内側に押し付けることができる。この際、各加工駒39の逆V字型の押圧部39Cが成形品41のコーナー部分をその内側から外側向きに押圧してコーナー部分のコーナーRが小さくなるように張出加工するため、成形品41の側壁どうしが接続しているコーナー部分のコーナーRを小さく加工することができる。例えば、コーナーRをアルミニウム樹脂複合積層板2の板厚未満、あるいは板厚の1/2以下などの小さな値に成形加工できる。
図15は加工駒39の移動位置と成形品41のコーナー部分の形状の関係を示す説明図である。図15(A)に示すように拘束治具本体13の凹部28内に収容されている成形品41において隣接する側壁41B、41Bの接続部分(稜線部分)であるコーナー部41EにおいてそのコーナーRの大きさは前述の第1段階の成形加工を経た段階では十分に小さく成形されていない。例えば、アルミニウム樹脂複合積層板の板厚未満程度には形成されているが、板厚の1/2程度までは小さく形成されていない。
図15(A)に示す状態から、図15(B)、図15(C)に示すように加工駒39をコーナー部41Eの内側から外側向きに順次移動させることで加工駒39の押圧部39Cによって凹部28の角部内面に沿わせてコーナー部41Eを押し広げ、コーナーRを小さく成形することができる。
この加工により成形品41のコーナーRを小さく加工して図15(D)に示すように目的の形状であり、コーナー部分にしわや割れ、肌荒れの無い三次元成形品Aを得ることができる。
また、加圧片36の下降により加圧片36の凹部36がストッパープレート37の上面に接触することで加圧片36の下降は阻止される。加圧片36の下死点をストッパープレート37が規定しているので、加圧片36を過度に下降させることがなく、コーナー部41Eに加工駒39を過度に押し付けることがない。このため、コーナー部41Eに亀裂や割れを生じさせることもない。
図15(A)に示す状態から、図15(B)、図15(C)に示すように加工駒39をコーナー部41Eの内側から外側向きに順次移動させることで加工駒39の押圧部39Cによって凹部28の角部内面に沿わせてコーナー部41Eを押し広げ、コーナーRを小さく成形することができる。
この加工により成形品41のコーナーRを小さく加工して図15(D)に示すように目的の形状であり、コーナー部分にしわや割れ、肌荒れの無い三次元成形品Aを得ることができる。
また、加圧片36の下降により加圧片36の凹部36がストッパープレート37の上面に接触することで加圧片36の下降は阻止される。加圧片36の下死点をストッパープレート37が規定しているので、加圧片36を過度に下降させることがなく、コーナー部41Eに加工駒39を過度に押し付けることがない。このため、コーナー部41Eに亀裂や割れを生じさせることもない。
前記パンチ17により加圧片36を下方に押圧し、案内溝38Bの傾斜面38bに沿った加工駒39の傾斜面39bの摺動により加工駒39を横向きに移動させる構成は、これらの傾斜面38b、39bをくさび斜面として利用した加工駒39の移動機構となる。
くさび斜面を利用した移動機構は、下方への押圧力に比例して横方向に加工駒9を正確な距離、精密移動できるので、加工駒39の押圧部39Cを成形品41のコーナー部分に対し規定量正確に押し付けて目的の形状に成形することができる。
くさび斜面を利用した移動機構は、下方への押圧力に比例して横方向に加工駒9を正確な距離、精密移動できるので、加工駒39の押圧部39Cを成形品41のコーナー部分に対し規定量正確に押し付けて目的の形状に成形することができる。
以上説明のように製造した三次元成形品Aであるならば、底壁2Aと側壁2Bの接合部分のコーナー部2DにおいてコーナーRの大きさを従来よりも小さくできるとともに、隣接する側壁2B、2Bの接合部分(稜線部分)のコーナー部2EにおいてコーナーRの大きさを従来よりも小さくできる。例えば、コーナー部2D、2EのコーナーRを三次元成形品Aの板厚の1/2よりも小さくできる。特に、三次元成形品Aが発泡樹脂板からなる芯材2aと、芯材2aの表裏両面側にアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる面材2bを積層した3層構造のアルミニウム樹脂複合積層板2からなる構造であったとしても、コーナー部2D、2EのコーナーRの値を板厚の1/2以下に小さく形成したコーナー部形状の整った三次元成形品Aを得ることができる。
本実施形態の方法と製造装置1を採用することでアルミニウム樹脂複合積層板2を用いて角絞り加工を行い、箱型の絞り加工品を製造しても稜線部分やコーナー部分にしわや割れ、肌荒れなどの欠陥の無い品質の高い角絞り成形品を得ることができる。
即ち、本実施形態の製造装置と製造方法により、自動車用途や建築用途など、アルミニウム樹脂複合積層板2を用いて底壁あるいは天壁と側壁を有する角絞り成形品であって軽量かつ欠陥の無い三次元成形品Aを提供することができる。
即ち、本実施形態の製造装置と製造方法により、自動車用途や建築用途など、アルミニウム樹脂複合積層板2を用いて底壁あるいは天壁と側壁を有する角絞り成形品であって軽量かつ欠陥の無い三次元成形品Aを提供することができる。
ところで、先に形成した三次元成形品Aは底壁4Aと側壁4Bからなる上面開口型の三次元成形品であったが、三次元成形品は天壁と側壁からなる蓋型などの下面開口型の三次元成形品であっても良い。
厚さ2.5mm、3倍発泡のポリプロピレン製の発泡樹脂板の一面に厚さ0.2mmのAA1050からなるアルミニウム合金板を他面に厚さ0.3mmのAA5151からなるアルミニウム合金板を接着した3層構造の総厚3.0mmのアルミニウム樹脂複合積層板を用意した。
このアルミニウム樹脂複合積層板に対し図16、図17に示す絞り加工装置によって角絞り加工を施し、縦幅98mm、横幅170mm、深さ35mmの浅底箱型概形の一次成形品を得た。この一次成形品の側壁と底壁が交差するコーナー部のコーナーRの大きさは6mm〜10mmであり、位置に応じて値が異なるように不均一であって、2つの側壁が交差するコーナー部のコーナーRの大きさは8mm〜12mmであり、位置に応じてコーナーRの値が異なるように不均一な一次成形品であった。
このアルミニウム樹脂複合積層板に対し図16、図17に示す絞り加工装置によって角絞り加工を施し、縦幅98mm、横幅170mm、深さ35mmの浅底箱型概形の一次成形品を得た。この一次成形品の側壁と底壁が交差するコーナー部のコーナーRの大きさは6mm〜10mmであり、位置に応じて値が異なるように不均一であって、2つの側壁が交差するコーナー部のコーナーRの大きさは8mm〜12mmであり、位置に応じてコーナーRの値が異なるように不均一な一次成形品であった。
前記概形の一次成形品を図3に示す拘束治具の凹部にスペーサーとともに収容した。スペーサーは縦幅96mm、横幅168mm、厚さ1.0mmまたは0.5mmのステンレス鋼板からなる。
図7(A)に示すように拘束治具本体13の凹部28にスペーサー30を収容し、凹部28の内周面とスペーサー30の外周面との間に一次成形品の側壁を挟むようにして一次成形品の底壁をスペーサーの上方に設置したところ、スペーサー上面と一次成形品の底壁との間に隙間1.5mmのギャップを形成した。
図7(A)に示すように拘束治具本体13の凹部28にスペーサー30を収容し、凹部28の内周面とスペーサー30の外周面との間に一次成形品の側壁を挟むようにして一次成形品の底壁をスペーサーの上方に設置したところ、スペーサー上面と一次成形品の底壁との間に隙間1.5mmのギャップを形成した。
前記状態の一次成形品の底壁の上に、縦幅92mm、横幅164mm、厚さ1.0mmまたは0.5mmのステンレス鋼板製の補助押圧板を設置し、図2に示す構成の製造装置の半球頭状のパンチ直径78mmにより上部押圧板と下部押圧板と補助押圧板を介し30kNの圧力で加圧する第1段階の成形加工を行った。
第1段階の成形加工終了後、拘束治具の凹部から処理済みの成形品とスペーサーを取り出し、成形品を裏返して再度凹部に収容し、図14に示すように案内ブロック38と4つの加工駒39とストッパープレート37と加圧片36を重ねてコーナー加工ユニット40を構成し、図14に示す構成の製造装置の半球頭状のパンチ17により上部押圧板19と下部押圧板20と加圧片36を介して20kNの圧力で加圧する第2段階の成形加工を行った。
この第2段階の成形加工後に得られた三次元成形品の底壁と側壁との接続部分のコーナーRの大きさは1mm〜2mmであり、板厚より小さいコーナーRに形成でき、コーナーRの偏差も少なかった。また、隣接する側壁どうしの接続部分のコーナーRの大きさは2mm〜3mmであり、板厚より小さいコーナーRを形成でき、コーナーRの偏差も少なかった。
この第2段階の成形加工後に得られた三次元成形品の底壁と側壁との接続部分のコーナーRの大きさは1mm〜2mmであり、板厚より小さいコーナーRに形成でき、コーナーRの偏差も少なかった。また、隣接する側壁どうしの接続部分のコーナーRの大きさは2mm〜3mmであり、板厚より小さいコーナーRを形成でき、コーナーRの偏差も少なかった。
先の実施例においては、三次元成形品の長方形状の底壁の短辺98mmに対し、直径78mmの半球頭状のパンチを製造装置に用いて加工した。
次に、直径59mmの半球頭状のパンチに交換し、底壁短辺の長さに対し、60%の直径の半球頭状のパンチを用いて三次元成形品を製造したところ、各コーナーに加工力が万遍なく伝わる前にR形成を終了してしまい、所定のコーナーR寸法が得られない問題を生じた。
直径69mmの半球頭状のパンチに交換し、底壁短辺の長さに対し、70%の直径の半球頭状のパンチを用いて三次元成形品を製造したところ、先の実施例と同様、問題なく加工ができた。
直径88mmの半球頭状のパンチに交換し、底壁短辺の長さに対し、90%の直径の半球頭状のパンチを用いて三次元成形品を製造したところ、先の実施例と同様、問題なく加工ができた。
直径93mmの半球頭状のパンチに替えて、底壁短辺の長さに対し、95%の直径の半球頭状のパンチを用いて三次元成形品を製造したところ、球頭状のパンチが底壁全体を凹ますだけで、所定のコーナーRが得られないばかりか、成形品が変形してしまう問題を生じた。
これらの対比から、三次元成形品の天壁の短辺に対し、70〜90%の直径の半球頭状のパンチを用いて加工することが重要であることが判る。
次に、直径59mmの半球頭状のパンチに交換し、底壁短辺の長さに対し、60%の直径の半球頭状のパンチを用いて三次元成形品を製造したところ、各コーナーに加工力が万遍なく伝わる前にR形成を終了してしまい、所定のコーナーR寸法が得られない問題を生じた。
直径69mmの半球頭状のパンチに交換し、底壁短辺の長さに対し、70%の直径の半球頭状のパンチを用いて三次元成形品を製造したところ、先の実施例と同様、問題なく加工ができた。
直径88mmの半球頭状のパンチに交換し、底壁短辺の長さに対し、90%の直径の半球頭状のパンチを用いて三次元成形品を製造したところ、先の実施例と同様、問題なく加工ができた。
直径93mmの半球頭状のパンチに替えて、底壁短辺の長さに対し、95%の直径の半球頭状のパンチを用いて三次元成形品を製造したところ、球頭状のパンチが底壁全体を凹ますだけで、所定のコーナーRが得られないばかりか、成形品が変形してしまう問題を生じた。
これらの対比から、三次元成形品の天壁の短辺に対し、70〜90%の直径の半球頭状のパンチを用いて加工することが重要であることが判る。
次に、図7に示す第1段階の成形加工時における拘束治具本体13の凹部周囲壁の高さ、一次成形品4の側壁の内面高さ、ギャップGの隙間について試験した。
図7に示す拘束治具本体13の凹部28の周囲壁の高さHを28.5mm、アルミニウム樹脂複合積層板の高さを30mm、厚さを3mm、スペーサー30の厚さを28.5mm、ギャップGの隙間を1.5mmとして図7(A)〜(D)に示す第1段階の成形加工を行った場合、底壁と側壁とのコーナー部分のコーナーRが5.0mmであった一次成形品についてコーナーRを2.0mmに成形できた。
図7に示す拘束治具本体13の凹部28の周囲壁の高さHを28.5mm、アルミニウム樹脂複合積層板の高さを30mm、厚さを3mm、スペーサー30の厚さを28.5mm、ギャップGの隙間を1.5mmとして図7(A)〜(D)に示す第1段階の成形加工を行った場合、底壁と側壁とのコーナー部分のコーナーRが5.0mmであった一次成形品についてコーナーRを2.0mmに成形できた。
これに対し、補助押圧板の厚さを大きくすることでギャップGの隙間を0.8mmとして成形したところ、底部が潰されてコーナーRが形成されない問題を生じ、補助押圧板の厚さを小さくすることでギャップGの隙間を3.5mmとして成形したところ、成形品に余肉が生じて形状不良となる問題を生じた。
また、拘束治具本体13の凹部28の周囲壁の高さHを一次成形品4の内面高さより低くしたところ、コーナー部分の材料のはみ出しによる余肉を生じた。
拘束治具本体13の凹部28の周囲壁の高さHについて、一次成形品4の内面高さに一次成形品の肉厚(3.0mm)を加えた高さを超える高さ5mmに設定して成形加工を行ったところ、底部が潰されてコーナーRが形成されない問題を生じた。
また、拘束治具本体13の凹部28の周囲壁の高さHを一次成形品4の内面高さより低くしたところ、コーナー部分の材料のはみ出しによる余肉を生じた。
拘束治具本体13の凹部28の周囲壁の高さHについて、一次成形品4の内面高さに一次成形品の肉厚(3.0mm)を加えた高さを超える高さ5mmに設定して成形加工を行ったところ、底部が潰されてコーナーRが形成されない問題を生じた。
本発明によれば、アルミニウム樹脂複合積層板の角絞り加工により箱型の三次元成形品を得る場合、コーナー部分に割れ、しわ、肌荒れなどの欠陥を生じることなく、コーナー部分のRを小さく加工でき、自動車材などの部材に対し角絞り部分に欠陥の無い軽量化した部材を提供できる。
A…アルミニウム樹脂複合積層板、1…製造装置、2…三次元成形品、2a…芯材、2b…面材、2A…底壁、2B…側壁、2D、2E…コーナー部、4…一次成形品、4A…底壁、4B…側壁、4D、4E…コーナー部、10…基台、11…ダイセット、J…拘束治具、13…拘束治具本体、13A…外枠、13a…側板、13B…内枠、13b…側板、16…上部基台、17…パンチ、18…支柱、19…上部押圧板、20…下部押圧板、23…補助押圧板、25…調整ボルト、26、27…調整板、28…凹部、30…スペーサー、30A…成形面、36…押圧片、37…ストッパープレート、38…案内ブロック、38b…傾斜面、39…加工駒、39b…傾斜面、39C…押圧部、39D…受圧面、40…コーナー加工ユニット。
Claims (10)
- 発泡樹脂からなる芯材の両面にアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる面材を積層したアルミニウム樹脂複合積層板からなり、天壁あるいは底壁と側壁を有し、前記天壁あるいは底壁と側壁との接続部分および前記側壁どうしの接続部分にコーナーRを有する三次元成形品の製造装置であって、
前記アルミニウム樹脂積層板からなり、天壁あるいは底壁と側壁を有し、前記三次元成形品の目的のコーナーRより大きなコーナーRを有する一次成形品を加工して前記コーナーRを小さく加工して前記三次元成形品を製造する装置であり、
先端丸頭状のパンチを有するダイセットと、該ダイセットに対向して設けられた基台と、該基台上に前記パンチに対向して設置された拘束治具と、前記拘束治具と前記ダイセットの間に設けられた押圧板を備え、
前記拘束治具が、前記一次成形品の天壁あるいは底壁を外側に出して前記一次成形品の側壁を緊密に挿入可能な凹部を有する枠型の拘束治具本体と、前記凹部の内底部側に設けられ、前記凹部に挿入された前記一次成形品の内側に緊密に挿入され、前記一次成形品の天壁あるいは底壁と一定の距離をあけて配置される板状のスペーサーとを具備し、
前記押圧板が前記凹部の開口部に挿入自在な大きさであり、
前記スペーサーの前記パンチ側の面が前記一次成形品の天壁あるいは底壁と側壁の変形を受ける成形面とされたことを特徴とするコーナーRを有する三次元成形品の製造装置。 - 前記押圧板の厚さ方向のたわみ量が、目標とするコーナーR寸法の1/2以上であって前記一定の距離よりも小さなたわみ量であり、前記一次成形品の天壁あるいは底壁の短辺側の寸法に対し、70〜90%の直径の先端丸頭状のパンチが設けられたことを特徴とする請求項1に記載のコーナーRを有する三次元成形品の製造装置。
- 前記拘束治具本体の凹部の周囲壁の高さが前記一次成形品の側壁の内面高さを超え、前記内面高さに前記天壁あるいは底壁の厚さの1/2以下の寸法を加えた高さに設定され、前記一定距離が前記一次成形品の天壁あるいは底壁の板厚の1/3以上、板厚未満に設定されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコーナーRを有する三次元成形品の製造装置。
- 前記拘束治具本体が外枠と該外枠の内側に移動自在に設けられて前記凹部の大きさを調整可能とする内枠を有したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のコーナーRを有する三次元成形品の製造装置。
- 前記拘束治具に、前記スペーサーの替わりにコーナー加工ユニットが設けられ、
前記コーナー加工ユニットが、前記凹部内に挿入される矩形板状の案内ブロックと、この案内ブロックのコーナー部分に設けられた案内溝に沿って案内ブロックの角部から外側向きにスライド移動自在に設けられ、上面側に受圧面を有した加工駒と、前記加工駒の上方に設けられ、前記受圧面を押圧して前記加工駒を前記案内溝に沿ってスライド移動させる押圧片を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のコーナーRを有する三次元成形品の製造装置。 - 前記案内溝の底面に前記案内ブロックの外側に向かうにつれて浅くなる傾斜面が形成され、前記加工駒の底面に前記案内溝の底面に摺接する傾斜面が形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のコーナーRを有する三次元成形品の製造装置。
- 発泡樹脂からなる芯材の両面にアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる面材を積層したアルミニウム樹脂複合積層板からなり、天壁あるいは底壁とこれらのいずれかに連続された側壁を有し、前記天壁あるいは底壁と側壁との接続部分および前記側壁どうしの接続部分にコーナーRを有する三次元成形品の製造方法であって、
前記アルミニウム樹脂積層板からなり、天壁あるいは底壁とこれらのいずれかに連続された側壁を有し、絞り加工により形成されて前記三次元成形品が有する目的の値より大きなコーナーRを有する一次成形品を用い、
前記天壁あるいは底壁を若干外側に出して前記一次成形品を隙間無く挿入可能な凹部を有する枠型の拘束治具本体と、前記凹部の内底部側に形成され、前記凹部に挿入された前記一次成形品の内側に隙間無く挿入される板状のスペーサーとを具備した拘束治具を用い、
前記拘束治具の凹部に前記一次成形品を挿入して前記天壁あるいは底壁を前記スペーサーの表面から一定距離離した状態に拘束し、前記天壁あるいは底壁の外側から平板状の押圧板によって前記天壁または底壁と前記側壁の基端側を前記スペーサーの表面側に押圧することにより前記一次成形品のコーナー部を変形させてコーナーRを小さく成形することを特徴とするコーナーRを有する三次元成形品の製造方法。 - 目標とするコーナーR寸法の1/2以上であって前記一定距離よりも小さな厚さ方向たわみ量の押圧板を用い、前記一次成形品の短辺側の寸法に対し、70〜90%の直径の先端丸頭状のパンチにより前記押圧板の中央を押圧して前記一次成形品の天壁あるいは底壁と前記側壁の基端側を前記スペーサー側に押圧することを特徴とする請求項7に記載のコーナーRを有する三次元成形品の製造方法。
- 前記拘束治具本体の凹部の周囲壁の高さが前記一次成形品の側壁の内面高さを超え、前記内面高さに前記天壁あるいは底壁の厚さの1/2以下の寸法を加えた高さに設定され、前記一定距離が前記一次成形品の天壁あるいは底壁の板厚の1/3以上、板厚未満に設定されたことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のコーナーRを有する三次元成形品の製造方法。
- 前記拘束治具の凹部に対し前記スペーサーを着脱自在に構成しておき、前記一次成形品の四方を変形させてコーナーRを小さく成形した後、前記スペーサーを前記拘束治具から取り外し、前記拘束治具の凹部の底部側に前記成形品の天壁あるいは底壁を収容し、前記凹部の内面に沿って前記成形品の側壁を配置した後、前記成形品のコーナー部分を内側から外側向きに押圧部を有する加工駒で成形しコーナーRを小さく成形することを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載のコーナーRを有する三次元成形品の製造方法。
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