JP2018038440A - 消臭剤組成物 - Google Patents
消臭剤組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018038440A JP2018038440A JP2016172357A JP2016172357A JP2018038440A JP 2018038440 A JP2018038440 A JP 2018038440A JP 2016172357 A JP2016172357 A JP 2016172357A JP 2016172357 A JP2016172357 A JP 2016172357A JP 2018038440 A JP2018038440 A JP 2018038440A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molecular weight
- million
- acid
- polymer
- deodorant composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
【課題】より高い消臭効果を有する消臭剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る消臭剤組成物は、GPC−MALS(ゲル浸透クロマトグラフィー多角度光散乱検出器)法で得られる重量平均分子量が300万〜500万の範囲であり、かつ分子量300万における分子量成分の回転半径が60nm〜120nmのイオン性ポリアクリルアミド系高分子を用いることを特徴とする。この場合において、イオン性ポリアクリルアミド系高分子が、分子中にアニオン性基とカチオン性基を有する両性高分子であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係る消臭剤組成物は、GPC−MALS(ゲル浸透クロマトグラフィー多角度光散乱検出器)法で得られる重量平均分子量が300万〜500万の範囲であり、かつ分子量300万における分子量成分の回転半径が60nm〜120nmのイオン性ポリアクリルアミド系高分子を用いることを特徴とする。この場合において、イオン性ポリアクリルアミド系高分子が、分子中にアニオン性基とカチオン性基を有する両性高分子であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、優れた消臭効果を有する消臭剤組成物に関するものであり、特に生活および作業空間において人畜に対して健康被害や不快感を与える環境汚染物質を効率的に系外に分離し除去するための消臭剤に関するものである。
生活および作業空間における汚染物質は、人畜に対して不快感や深刻な健康被害を及ぼすため、その環境汚染物質を系外に除去するため様々な消臭剤が使用されているが、いまだ満足のいく消臭効果を有する消臭剤がないのが現状である。
例えば下記特許文献1には、1000万以上の両性ポリアクリルアミドと塩化リチウムを併用した空気清浄剤の開示がある。
また下記特許文献2、3には、イオン性ポリアクリルアミドを用いた消臭剤について開示がある。
しかしながら、上記特許文献1乃至3に記載の技術では消臭効果が不十分であるといった課題がある。
そこで本発明は、上述の課題を解決するものであり、より高い消臭効果を有する消臭剤組成物を提供することを目的とする。
上記課題、具体的には、より高い消臭効果を有する消臭剤組成物について、本発明者らが鋭意検討を行ったところ、イオン性ポリアクリルアミド系高分子の消臭効果において、数平均分子量ではなく上記重量平均分子量を指標とし、これと回転半径の組み合わせが消臭効果に大きく寄与していることを発見し、本発明を完成させるに至った。特に上記特許文献2、3に記載の技術では、数平均分子量の開示があるのみであって、回転半径はもちろん、重量平均分子量についても記載はなく、この差異が消臭効果に大きく寄与することが確認された。
そこで、上記課題を解決する本発明の一観点に係る消臭剤組成物は、重量平均分子量が300万〜500万の範囲であり、かつ分子量300万における分子量成分の回転半径が60nm〜120nmのイオン性ポリアクリルアミド系高分子を用いることを特徴とする。
以上、本発明によって、より高い消臭効果を有する消臭剤組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるイオン性ポリアクリルアミド系高分子は、重量平均分子量が300万〜500万の範囲であり、かつ分子量300万における回転半径が60nm〜120nmのものが適用できる。
本発明で用いるイオン性ポリアクリルアミド系高分子は、重量平均分子量が300万〜500万の範囲であり、かつ分子量300万における回転半径が60nm〜120nmのものが適用できる。
また分子中にアニオン性基を有するアニオン性ポリアクリルアミド、分子中にカチオン性基を有するカチオン性ポリアクリルアミド、さらに分子中にアニオン性基とカチオン性基を有する両性ポリアクリルアミドが適用できる。
アニオン性ポリアクリルアミドの製造方法としては、例えば、アニオン性単量体と(メタ)アクリルアミドを共重合する方法、あるいは(メタ)アクリルアミドを重合物であるポリアクリルアミドの一部のアルカリによる加水分解する方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。
カチオン性ポリアクリルアミドの製造方法としては、例えば、カチオン性単量体と(メタ)アクリルアミドを共重合する方法、あるいは(メタ)アクリルアミドを重合物であるポリアクリルアミドの一部をマンニッヒ反応によりカチオン化する方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。
両性ポリアクリルアミドの製造方法としては、例えばアニオン性単量体とカチオン性単量体及び(メタ)アクリルアミドを共重合する方法、あるいはアニオン性単量体と(メタ)アクリルアミドの二元共重合体のマンニッヒ反応によるカチオン化、(メタ)アクリルアミドの重合体の一部をアルカリにより加水分解しさらにマンニッヒ反応によりカチオン化が挙げられるが、特に限定されるものではない。
アニオン性基を形成するためのアニオン性単量体としては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸、不飽和テトラカルボン酸、不飽和スルホン酸、不飽和ホスホン酸及びこれらの塩類等が挙げられ、これらの一種を単独で又は二種以上を併用して使用することができる。
これらのうち不飽和モノカルボン酸及びそれらの塩類としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−N−グリコール酸、N−アクリロイルグリシン、3−アクリルアミドプロパン酸、4−アクリルアミドブタン酸及びそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属類又はアンモニウム塩等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸及びそれらの塩類の例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属塩類又はアンモニウム塩等が挙げられる。
不飽和トリカルボン酸及びそれらの塩類の例としてはアコニット酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、4−ペンテン−1,2,4−トリカルボン酸及びそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属塩類又はアンモニウム塩等が挙げられる。
不飽和テトラカルボン酸及びそれらの塩類の例としては、1−ペンテン−1,1,4,4−テトラカルボン酸、4−ペンテン−1スルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び、2,3,4−テトラカルボン酸、3−ヘキセン−1,1,6,6−テトラカルボン酸及びそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属塩類又はアンモニウム塩等が挙げられる。
不飽和ホスホン酸の例としては、ビニルホスホン酸、α−フェニルビニルホスホン酸及びそれらのナトリウム、カリウム塩等のアルカリ金属塩類又はアンモニウム塩等が挙げられる。
上記のアニオン性ビニルモノマーの中でも消臭効果および経済性の点で不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、具体的にはアクリル酸、2−アクリルアミド−N−グリコール酸、イタコン酸及びその塩類が特に好ましい。
カチオン性基を形成するためのカチオン性単量体としては、3級アミノ基、又は4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマーを挙げることができる。
3級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、前記3級アミノ基を有するビニルモノマーの塩酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩類、並びに前記3級アミノ基を有するビニルモノマーのギ酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。
また、4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマーとしては、前記3級アミノ基を有するビニルモノマーと4級化剤との反応によって得られるビニルモノマーが挙げられる。前記4級化剤としては、メチルクロライド、及びメチルブロマイド等のアルキルハライド、ベンジルクロライド、及びベンジルブロマイド等のアラルキルハライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エピクロロヒドリン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、並びにグリシジルトリアルキルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらの3級アミノ基、又は4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマーは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記マンニッヒ反応は、アニオン性アクリルアミド共重合体に、ホルムアルデヒドと二級アミンあるいはアルカノールアミンを反応させることによって達成でき、例えば、二級アミンとしてはジメチルアミン等を、アルカノールアミンとしては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミン等を使用することができる。
本発明のイオン性ポリアクリルアミド系高分子を得るためにアニオン性単量体とカチオン性単量体及び(メタ)アクリルアミドの三元共重合体、アニオン性単量体と(メタ)アクリルアミドの二元共重合体、あるいは(メタ)アクリルアミドの重合体は、例えばラジカル重合反応が適用でき、その際用いる重合開始剤は、特に限定されるものではなく、公知のものが使用できる。例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の過酸化物、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム等の臭素酸塩、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過ホウ酸アンモニウム等の過ホウ酸塩、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸アンモニウム等の過炭酸塩、過リン酸ナトリウム、過リン酸カリウム、過リン酸アンモニウム等の過リン酸塩等が例示できる。この場合、単独でも使用できるが、還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始剤としても使用できる。
還元剤としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩あるいはN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩等のアゾ化合物、アルドース等の還元糖等が例示できる。また、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩等のアゾ化合物も使用可能である。これらの開始剤は2種類以上併用してもよい。
そのラジカル重合反応の具体的な製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種の方法を採用することができる。例えば、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、撹拌機及び温度計を備えた反応容器に、前述のモノマーと溶媒である水(必要に応じて有機溶媒を併用することも可能である)、必要に応じて連鎖移動剤を仕込む、更に必要に応じて硫酸、塩酸等の酸もしくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリといったpH調整剤によりpHを調整する。その後重合開始剤を加え、反応温度20〜90℃で反応させ、目的とするイオン性ポリアクリルアミドあるいはポリアクリルアミドを得ることができる。また、必要に応じて、モノマー、水、連鎖移動剤、pH調整剤、重合開始剤の一部または全量を反応容器に滴下しながら重合することもできる。
本発明のイオン性ポリアクリルアミド系高分子の重量平均分子量が300万〜500万の範囲であり、かつ分子量300万の分子量成分における回転半径が60nm〜120nmのものが消臭効果の面で必要となる。なお重量平均分子量はより好ましくは300万〜450万であり、回転半径としては、69nm〜110nmのものがより好ましく、更に好ましくは100nm以下、特に好ましくは90nm以下である。
本発明において、イオン性ポリアクリルアミドの重量平均分子量が300万を下回るもの及び500万を超えるものは十分な消臭効果を得ることができず、生産性の面でも好ましくない。
イオン性ポリアクリルアミド系高分子の回転半径が120を超えるものは十分な消臭効果が得られず、また生産性及び操業性の面でも好ましくない。一方、回転半径が60を下回るものも十分な消臭効果を得ることができない。
本発明のイオン性ポリアクリルアミド系高分子の分子量及び回転半径の評価にはGPC−MALS法を用いる。GPC−MALS法は、下記の測定条件で、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)でポリマーを分離し、多角度光散乱法(MALS)で分子量と回転半径を測定する。
(GPC−MALSの測定条件)
カラム:Shodex SB−807HQ
溶離度:リン酸緩衝液
流速:1.0ml/min
検出器:RI、MALS
注入量:50μl
濃度750ppm
カラム:Shodex SB−807HQ
溶離度:リン酸緩衝液
流速:1.0ml/min
検出器:RI、MALS
注入量:50μl
濃度750ppm
また、本発明で用いるイオン性ポリアクリルアミド系高分子は分子中にアニオン基とカチオン基を有する両性ポリアクリルアミドが好ましく、そのアニオン単量体が5〜30重量%、カチオン単量体が5〜30重量%の範囲のものが消臭効果の面で好ましく、更にアニオン単量体が10〜25重量%、カチオン単体量が10〜25重量%の範囲のものが消臭効果の面でより好ましい。
本発明の消臭剤組成として、イオン性ポリアクリルアミド系高分子の濃度範囲は0.0001〜0.05重量%が好ましく、より好ましくは0.0002〜0.01重量%である。イオン性ポリアクリルアミド系高分子は0.05重量%を超えて使用してもよいがその効果はレベルオフする傾向にある。
本発明による消臭剤組成物は、通常化粧品、医薬部外品、医薬品等の外用剤に一般的に用いられる植物系及び動物系油脂類、植物系及び動物系脂肪酸、天然系及び合成系アルコールあるいは多価アルコール、粘性の水溶性高分子化合物、酸化剤、抗酸化剤、キレート剤、界面活性剤、乳化剤、pH調節剤等を溶解剤、安定剤、機能付加剤等として適宜配合することができる。
以上、本実施形態によれば、消臭効果の極めて優れた消臭剤組成物を提供することができる。この結果、人体や環境に与える影響を抑え、コストを低減することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。ここで、上記実施形態に係る消臭組成物について実際に作製、検討を行った。以下具体的に説明する。なお、本明細書中「部」とは「質量部」を表す。
(実施例用イオン性ポリアクリルアミド系高分子(PAM1)の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラスコに、水112g、50%アクリルアミド水溶液75g、ジメチルアミノエチルメタクリレート8g、アクリル酸5gを仕込み、硫酸でpHを3に調節した。次いで、窒素ガス雰囲気下、60℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.15gを加え、重合を開始させ反応温度を85℃まで昇温した。85℃で反応中、25℃における推定粘度が3000mPa/sになった時点で約90℃の熱水72gを加え、更に同様な操作を3回繰り返した。85℃で1時間後と2時間後に過硫酸アンモニウム0.05gを加えた。反応終了後に水545gを投入し、固形分5%のイオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM1を得た。分子量分布を有するPAM1について、GPC−MALS法にて分子量及び回転半径を測定した。イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM1の重量平均分子量は370万であり、分子量300万における回転半径は82nmであった。その測定結果を表1に示す。
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラスコに、水112g、50%アクリルアミド水溶液75g、ジメチルアミノエチルメタクリレート8g、アクリル酸5gを仕込み、硫酸でpHを3に調節した。次いで、窒素ガス雰囲気下、60℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.15gを加え、重合を開始させ反応温度を85℃まで昇温した。85℃で反応中、25℃における推定粘度が3000mPa/sになった時点で約90℃の熱水72gを加え、更に同様な操作を3回繰り返した。85℃で1時間後と2時間後に過硫酸アンモニウム0.05gを加えた。反応終了後に水545gを投入し、固形分5%のイオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM1を得た。分子量分布を有するPAM1について、GPC−MALS法にて分子量及び回転半径を測定した。イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM1の重量平均分子量は370万であり、分子量300万における回転半径は82nmであった。その測定結果を表1に示す。
(実施例用イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM2〜4の製造)
PAM1の製造と同様な方法で表1に示した単量体の配合で製造を行い、PAM2〜4を得た。また、上記イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM1と同様に重量平均分子量及び分子量300万における回転半径の値を表1に示す。
PAM1の製造と同様な方法で表1に示した単量体の配合で製造を行い、PAM2〜4を得た。また、上記イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM1と同様に重量平均分子量及び分子量300万における回転半径の値を表1に示す。
(実施例用イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM5の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を付した500mlの四つ口フラスコに、PAM3を200g、水297gを仕込み35℃で溶解した後、苛性ソーダでpH10に調節した。次いで37%ホルムアルデヒド1.5gと50%ジメチルアミン1.6gを仕込み37℃で4時間反応させ、PAM5を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を付した500mlの四つ口フラスコに、PAM3を200g、水297gを仕込み35℃で溶解した後、苛性ソーダでpH10に調節した。次いで37%ホルムアルデヒド1.5gと50%ジメチルアミン1.6gを仕込み37℃で4時間反応させ、PAM5を得た。
イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM5の重量平均分子量及び分子量300万における回転半径の値を表1に示す。
(比較例用ノニオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM6の製造)
組成をアクリルアミド単独にする以外は、PAM1と同様な方法で、ノニオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM6を得た。同様にGPC−MALSにてノニオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM6の重量平均分子量及び分子量300万における回転半径の値を表1に示す。
組成をアクリルアミド単独にする以外は、PAM1と同様な方法で、ノニオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM6を得た。同様にGPC−MALSにてノニオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM6の重量平均分子量及び分子量300万における回転半径の値を表1に示す。
(比較例用イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM7の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラスコに、水529g、50%アクリルアミド水溶液280g、ジメチルアミノエチルメタクリレート40g、アクリル酸20gを仕込んだ。次いで、窒素ガス雰囲気下、60℃に上昇し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.3gを加え、重合を開始させ反応温度を80℃まで昇温させた。90℃で1時間後と2時間後に過硫酸アンモニウム0.1gを加えた。25℃における推定粘度が3000mPa・sになった時点で水130gを加え、固形分20%のイオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM7を得た。イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM7の重量平均分子量及び分子量300万における回転半径の値を表1に示す。
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラスコに、水529g、50%アクリルアミド水溶液280g、ジメチルアミノエチルメタクリレート40g、アクリル酸20gを仕込んだ。次いで、窒素ガス雰囲気下、60℃に上昇し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.3gを加え、重合を開始させ反応温度を80℃まで昇温させた。90℃で1時間後と2時間後に過硫酸アンモニウム0.1gを加えた。25℃における推定粘度が3000mPa・sになった時点で水130gを加え、固形分20%のイオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM7を得た。イオン性ポリアクリルアミド系高分子PAM7の重量平均分子量及び分子量300万における回転半径の値を表1に示す。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
ここで、上記実施形態に係る消臭剤組成物についてイオン性及びノニオン性ポリアクリルアミド系高分子を表2のように配合し実施例1〜5及び比較例1〜2の試験液を得た。比較例3はポリアクリルアミド系高分子を使用せず、水のみを用いた。
ここで、上記実施形態に係る消臭剤組成物についてイオン性及びノニオン性ポリアクリルアミド系高分子を表2のように配合し実施例1〜5及び比較例1〜2の試験液を得た。比較例3はポリアクリルアミド系高分子を使用せず、水のみを用いた。
(消臭性能の評価)
上記実施例1〜5、比較例1〜3について下記の試験方法で消臭性能を評価した。この結果を下記表2に示す。臭気物質としてとりメチルアミン32ppmを空気(以下「原臭1」という。)あるいはイソ吉草酸46ppmを含む空気(以下「原臭2」という。)を、表2の組成の試験液を用い下記の条件でそれぞれ超音波噴霧処理した。
上記実施例1〜5、比較例1〜3について下記の試験方法で消臭性能を評価した。この結果を下記表2に示す。臭気物質としてとりメチルアミン32ppmを空気(以下「原臭1」という。)あるいはイソ吉草酸46ppmを含む空気(以下「原臭2」という。)を、表2の組成の試験液を用い下記の条件でそれぞれ超音波噴霧処理した。
(超音波噴霧処理条件)
超音波噴霧器:オムロン製NE−U17
試験液:20g
噴霧時間:2分
原臭通過速度:1000ml/分
超音波噴霧器:オムロン製NE−U17
試験液:20g
噴霧時間:2分
原臭通過速度:1000ml/分
超音波噴霧処理後の空気を捕集し、その臭気物質濃度をガスクロマトグラフで測定した。下記の式で減臭率を百分率で求め、消臭効果を比較した。減臭率が高いほど、消臭効果が優れていることを示す。
上記実施例によると、まず、ポリアクリルアミド系高分子(PAM)を用いていない場合(比較例3)では、減臭率が原臭1、原臭2のそれぞれに対し15%、12%と極めて低い結果となっており、PAMの必要性を確認することができた。
一方で、PAMを用いた場合であっても、ノニオンである場合(比較例1)は、減臭率が60%程度と、十分には高くない値であった。
また、上記比較例2では、PAMを用い、そのPAMが両性のイオン性であったが、PAMの重量平均分子量が250万すなわち300万より小さく、更に、分子量300万における回転半径が43nmと小さく、原臭1、原臭2のそれぞれに対し減臭率が35%、38%と、ノニオンのPAMの場合よりも低くなってしまっていた。
なお、PAMの回転半径については、上記実施例よりも大きな場合徐々に減臭率が減少していき120nmを超えたものについては、原臭1、原臭2のそれぞれに対して減収率が実施例よりも低下し、比較例1、2と同様程度の値となってしまっていること、消臭効果が減衰してしまっていることを確認した。
上記の結果から、重量平均分子量は300万以上であって、回転半径が60nm以上であることが必要であること、更には、重量平均分子量は500万以下、より好ましくは450万以下であり、回転半径は120以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは90以下であることが確認でき、本発明の有用性について確認した。
なお表1の結果によると、重量平均分子量と回転半径の間に少なからず相関があると読み取ることはできるが、重量分子量が大きい場合であっても、回転半径が相対的に小さくなることが少なからずある。例えば、PAM5では、重量平均分子量が355万程度であるが87nmと相対的に大きな値を示している一方、PAM6の場合は重量平均分子量が415万程度であっても回転半径が65nmと比較的小さくなってしまっている。すなわち、重量平均分子量を所望の範囲に調整することが重要であるが、必ずしも回転半径が所望の範囲に入っているわけではない。これは、重量平均分子量に加え、さらに回転半径を独立のパラメータとして所望の範囲に調整しておかなければならないということを意味する。これは、回転半径は液中における高分子の広がりを評価するものであるが、その広がりは高分子の骨格構造や置換基等によっても大きく異なるため、重量平均分子量を調整したうえで、更に回転半径も別途調整する必要があることを意味する。
上記の結果を踏まえると、本発明の効果については、推測の域にはあるが、以下の通りと考えられる。まず、イオン性のポリアクリルアミド系高分子を採用し、その電荷的な効果により臭気物質を引き付ける。一方、高分子の回転半径は、その高分子の広がり状態を示すものであるため、この回転半径が所望の範囲にある場合、臭気物質を効率的に捕集することができる。もし、この範囲外である場合は、臭気物質を効率的に捕集することができず、消臭剤組成物全体として高い消臭効果を得ることはできないと考えられる。すなわち、本発明は、上記重量平均分子量の範囲で、上記回転半径の範囲とすることで、より高い消臭効果を有する消臭剤組成物となる。
本発明は、消臭剤組成物として産業上の利用可能性がある。
Claims (2)
- GPC−MALS(ゲル浸透クロマトグラフィー多角度光散乱検出器)法で得られる重量平均分子量が300万〜500万の範囲であり、かつ分子量300万における分子量成分の回転半径が60nm〜120nmのイオン性ポリアクリルアミド系高分子を用いることを特徴とする消臭剤組成物。
- 前記イオン性ポリアクリルアミド系高分子が、分子中にアニオン性基とカチオン性基を有する両性高分子であることを特徴とする請求項1記載の消臭剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016172357A JP2018038440A (ja) | 2016-09-05 | 2016-09-05 | 消臭剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016172357A JP2018038440A (ja) | 2016-09-05 | 2016-09-05 | 消臭剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018038440A true JP2018038440A (ja) | 2018-03-15 |
Family
ID=61624419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016172357A Pending JP2018038440A (ja) | 2016-09-05 | 2016-09-05 | 消臭剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018038440A (ja) |
-
2016
- 2016-09-05 JP JP2016172357A patent/JP2018038440A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7089516B2 (ja) | ある特定のレベルのバイオベース炭素を含むポリマー | |
JP7032401B2 (ja) | ある特定のレベルのバイオベース炭素を含むポリマー | |
JP2005528538A5 (ja) | ||
JP2006508274A5 (ja) | ||
JP7032402B2 (ja) | ある特定のレベルのバイオベース炭素を含むポリマー | |
KR20140010135A (ko) | 세정제 조성물 | |
WO2006113658A3 (en) | Dilute fabric care compositions comprising thickeners and fabric care compositions for use in the presence of anionic carry-over | |
EA201100494A1 (ru) | Криогели из сополимера винилового спирта, сополимеры винилового спирта и способы их получения и продукты из них | |
RU2011141847A (ru) | Композиции на основе извести, способ их приготовления и их применение для обработки вод и шламов | |
JP2019535880A (ja) | コポリマー及び洗浄剤組成物中でのそれの使用 | |
JP2007204597A (ja) | ジアリルアミン系共重合体、その製造方法および硬質表面用処理剤 | |
JP4673064B2 (ja) | ホモポリマー及び/又はコポリマーを含む水性組成物 | |
JP6164763B1 (ja) | 消臭剤組成物 | |
RU2009125684A (ru) | Средство для укладки кератиновых волокон | |
JP4192892B2 (ja) | 水溶性増粘剤及び液状酸性洗浄剤 | |
JP2018038440A (ja) | 消臭剤組成物 | |
JP2016144534A (ja) | 抗菌効果を具備した清浄化剤 | |
JP2007063543A (ja) | 共重合体及びこれを用いた洗浄剤組成物 | |
JP6014372B2 (ja) | ポリカルボン酸系重合体およびその製造方法 | |
JP7125203B2 (ja) | カルボキシル基含有共重合体の製造方法 | |
JP2001048938A (ja) | 新規重合体およびその用途 | |
JP2017078116A (ja) | アクリルアミド重合用組成物 | |
JP5239132B2 (ja) | 洗浄剤組成物 | |
JP6077902B2 (ja) | 両性重合体及びその製造方法 | |
JP2004359947A5 (ja) |