JP2018038323A - 風味の良好なバター様スプレッド及びその製造方法 - Google Patents
風味の良好なバター様スプレッド及びその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 本発明は、バターと植物油脂を含む第一の組成物を送液しながら、第一の組成物と第二の組成物の混合比が所定の範囲となるように、乳加工品を含む油中水型もしくは水中油型の第二の組成物を、送液して供給し、第一の組成物と第二の組成物を連続的に混合して、油中水型の乳化物を得ることを特徴とする、バター様スプレッドの製造方法より、上記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、この方法で調製すると、油相の中の水相が小さくなり、バターの風味が感じ難くなる傾向があった。
本発明においてによるバター様スプレッドの製造方法は、前記したように、バターと植物油脂を含む第一の組成物を送液しながら、第一の組成物と第二の組成物の混合比が5.5:4.5〜9.5:0.5(重量比)となるように、乳加工品を含む油中水型もしくは水中油型の第二の組成物を、送液して供給し、第一の組成物と第二の組成物を連続的に混合して、油中水型の乳化物を得ることを特徴とする。
本発明において第一の組成物は、バターと植物油脂を含むものであり、必要に応じてさらに水を含む。本発明に好ましい態様において、第一の組成物は、油中水型乳化物である。
すなわち、バターと植物油とを、必要に応じて加温(例えば、30〜90℃(好ましくは50〜70℃、さらに好ましくは55〜65℃、典型例としては60℃))しながら混合して油相を調製する一方、水に必要に応じて食塩等を加えてそれを加温(前記油相と同様の温度(例えば、40℃〜90℃、好ましくは50〜70℃、さらに好ましくは55〜65℃、典型例としては60℃))して水相とし、油相に水相を添加して、例えば50〜70℃で1〜30分間程度の間(例えば、1〜30分、好ましくは3〜20分、さらに好ましくは5〜15分、典型例としては60℃で10分間)、撹拌して予備乳化し、さらに殺菌処理(例えば、85〜100℃で1〜60秒間(典型例としては90℃で20秒))し、急冷し(1〜10℃(典型例としては5〜6℃))、必要により練り合わせて、第一の組成物を調製することができる。
本発明において第二の組成物は、乳加工品を含むものであって、油中水型もしくは水中油型の組成物である。
なおここで、「油中水型」および「水中油型」の組成物とはそれぞれ、組成物が、油中水型の乳化状態、水中油型の乳化状態を形成していることを意味する。
なお、第二の組成物においては、第一の組成物とは異なり、バターや、植物油脂を使用する必要は無い。このため、典型的には、第二の組成物は、バター及び/又は植物油脂を含まないものである。
すなわち、乳加工品に水を加えるか、または水に乳加工品を加えて、さらに必要により食塩を加えた後、これらが溶融する温度まで加熱して(例えば90℃以上)、加熱溶融させ、必要により加圧条件下にて(例えば、10Mpa)これらを均質化して、冷却し(1〜20℃(例えば10℃))、第二の組成物を調製することができる。
なお、第二の組成物の流動性を保つため加熱溶融後は緩やかな撹拌を加えながら、速やかに冷却する方が望ましい。
またこの混合比は、第一の組成物のバターとしてどのような性状のものを用いるかによって異なってくるが、例えば、バターの含有量が低い場合には(50重量%以下)、第二の組成物の比率を上げて、乳風味を補うことができる。
なおここで、混合物等の硬度は、例えば、後述する実施例の記載のようにして測定することができる。
・粘度
調製した組成物、混合物の粘度は、粘度計(リオン株式会社製、ビスコテスター VT−04F)を用いて測定した。この粘度に基づき、組成物、混合物の流動性を評価した。
調製した組成物または混合物の硬度は、市販の試験機(株式会社島津製作所製、卓上試験機EZ−Test)を用いて、測定した。このとき、直径5mmの円柱型プランジャーを使用し、1mm/秒の速度でプランジャーを移動させた。プランジャーが製品に侵入してから10秒後に受けている荷重(gf)をプランジャー円柱の面積で割って硬度を算出した。
調製された組成物または混合物を、30℃恒温室に3〜4時間静置し、オイルオフの状態(軟弱化の評価)を確認し、下記のような5段階で評価した。この検査を、1時間毎に行った。
なお、「ヒートショック耐性(2H)」という場合には、検査を行って2時間目における「ヒートショック耐性」を意味する。
評価 オイルオフ
5 なし
4 表面に照りがある
3 縁と溝の部分にオイルオフがある
2 表面全体にオイルオフがある
1 表面と底にオイルオフがある
調製した組成物または混合物(すなわち得られたスプレッド)について、「バター様の風味」を下記の基準に従い、パネリスト5名による官能試験で評価した。
評価
◎ : バターと同等の香気および呈味を有していた
○ : バターよりは、弱いものの同様の香気および呈味を有していた
△ : 上記○より弱いもののバターの香気があり、自然な風味を有していた
× : バターの味が弱く、ほとんど感じられない
調製した混合物(すなわち得られたスプレッド)の「組織」について、目視観察を行い、下記の基準に従って評価した。
評価
○ : 水滴等がなく、なめらかな組織となっている
△ : 表面にはないが、内部にごく微小な水滴が認められる
× : 表面や内部に微小な水滴が認められる
調製した混合物、すなわち得られたスプレッドの「展延性」を、黒い板にスプレッド(10g)を薬さじで塗り広げた時の状態を下記の基準で評価した。
評価
5 : 塗り広げやすく、全体的になめらかとなる
4 : 塗り広げやすいが、端になだらかな段差が生じる
3 : やや塗り広げやすいが、細かな凹凸が生じる
2 : 粗く塗り広がり、随所に凹凸が見られる
1 : 塗り広げることが困難であり、連続的とはならない
下記表1に従う配合比で、第一の組成物A1〜A8を調製した。
すなわち、表に記載の配合比(重量比)でバター(無塩バター)と植物油(コーン油)とを、60℃に加温しながら両者を混合し油相を調製した。一方、表1に記載の配合比の量の水を60℃に加温し、必要により所定配合比の食塩を加えて、水相を調製した。次に、油相に水相を添加し、約60℃で10分間攪拌し予備乳化した後、90℃で20秒間殺菌処理を行い、続けて6℃まで急冷し、練り合わせを行い、第一の組成物A1〜A8を調製した。
結果は、下記表2に示されるとおりであった。
具体的には、水2.0kgにミドルファットクリームチーズ(MFCC(TATUA社製))12.8kg、食塩0.2kgを加え90℃以上で加熱溶融し、10MPaの均質化圧で均質化し、かきとり式熱交換器(サーモシリンダー)を用いて10℃まで冷却し、脂肪分45.0%で、かつ、無脂乳固形分含量6.8%の第二の組成物を得た。
なお、例えば、第一の組成物A3を用いて得られたバター様スプレッドを、バター様スプレッドA3とし、他の第一の組成物A1〜A8についても同様とする。
まず、下記の表5の配合比に従い、上記(2)の試験の場合と同様にして、第一の組成物を調製した。
具体的には、表に記載の配合比(重量比)で、水に、乳加工品であるMFCC(ミドルファットクリームチーズ)等を加えて、90℃以上で加熱溶融し、10MPaの均質化圧で均質化し、かきとり式熱交換器(サーモシリンダー)を用いて10℃まで冷却し、第二の組成物B1〜B8を調製した。
結果は、下記表7に示されるとおりであった。
下記表8に従う配合比で、第1の組成物と、第二の組成物をそれぞれ、上記(2)および(3)の試験の場合と同様にして調製し、それらを、下記表9の混合比(重量比)にて、混合して、バター様のスプレッドS1〜S7を調製した。
液体油としてのコーン油12.0kg、固体脂としてバターを8.0kgについて、60℃に加温しながら両者を混合し油相を調製した。また、水4.7kgを60℃に加温し、0.4kgの食塩を加えて水相を調製した。油相に水相を添加し、約60℃で10分間攪拌し予備乳化した後、90℃で20秒間殺菌処理を行い、続けて6℃まで急冷し、練り合わせを行い、脂肪分72%の第一の組成物A9とした。
またこの試験で調製した第一の組成物、第二の組成物、およびスプレッドのサンプルS4(混合比7:3)の粘度を、粘度計(リオン株式会社製、ビスコテスター VT−04F)を用いて測定した。
結果は下記の通りであった。
第二の組成物(B9): 3〜 30 poise (10〜20℃)
スプレッド(S4) : 130〜180 poise (10〜15℃)
上記で得られたスプレッドのサンプルS4(混合比7:3)を5℃で保存し、経時的に硬度を測定することによって、保存性を確認した。
なお、「硬度」については、いずれもの場合も評価2000g/cm2以下で合格と判断した。
結果は下記表に示される通りであった。
前記(4)のスプレッドS4と同じ配合成分、配合比であるものの、第一の組成物および第二の組成物を調製して混合するのではなく、原料全てを、95℃20秒殺菌してしたのち、5℃に急冷して、一度に捏和することにより、混合物を調製した(比較例1(オールイン製法))。
結果は下記表に示したとおりであった。
前記(4)にて得られたスプレッドS4について、保存安定性試験を実施した。
具体的には、スプレッドS4を用意し、これを、5℃にて長期保存し、スプレッドの製品としての「硬度」、「風味」、「色調」、「組織」の各項目について、保存後1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月において、評価した。保存条件の温度は、10℃、15℃、および20℃の場合についても実施した。
前記(4)にて得られたスプレッドS4の「保持力」および「保形性」について、30℃の条件下に1時間おきに、4時間後まで下記の基準に従い、評価した。
評価
5 オイルオフなし
4 表面に照りがある
3 縁と溝の部分にオイルオフがある
2 表面全体にオイルオフがある
1 表面と底にオイルオフがある
160g容プラスチック容器に160g充填したものについて、下記の基準で評価した。
評価
5 傾けても動かない。
4 傾けると極ゆっくり動く
3 傾けるとゆっくり動く
2 傾けると速く動く
1 ゆるゆるで傾けられない
結果から、保持力および保形性についても、本発明によるスプレッドは、良好な特性を保持していることが確認された。
Claims (9)
- バターと植物油脂を含む第一の組成物を送液しながら、第一の組成物と第二の組成物の混合比が5.5:4.5〜9.5:0.5(重量比)となるように、乳加工品を含む油中水型もしくは水中油型の第二の組成物を、送液して供給し、第一の組成物と第二の組成物を連続的に混合して、油中水型の乳化物を得ることを特徴とする、バター様スプレッドの製造方法。
- 第一の組成物が、油中水型乳化物である、請求項1に記載の方法。
- 第一の組成物が、第一の組成物の総重量に対して、バターと、植物油脂と、水とをそれぞれ、40〜70重量%、25〜50重量%、および0〜20重量%の割合で含むものである、請求項1または2に記載の方法。
- 第二の組成物が、水中油型の組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 第二の組成物が、20℃以下で流動性を有するものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 送液をサニタリー配管内で行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 第一の組成物と第二の組成物の混合が、インライン混合である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 第一の組成物と第二の組成物の混合を、第一の組成物が固形もしくは半固形の状態の温度で行う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により得られる、バター様スプレッド。
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- 2016-09-07 JP JP2016175064A patent/JP6771342B2/ja active Active
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