JP2018037485A - 熱電変換モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な高さの熱変換モジュールを製造することができる熱変換モジュールの製造方法の提供。【解決手段】少なくとも一対のp型及びn型熱電半導体1,2と、p型熱半導体1とn型熱半導体2とを直列に接続する電極板3,4と、を備えた熱電変換モジュールを製造する方法であって、p型及びn型熱電半導体1,2と電極板3,4との間に、塑性変形可能な緩衝シート5を配置する配置工程と、p型及びn型熱電半導体1,2と電極板3,4とによって緩衝シート5が押し潰される方向に、緩衝シート5を押圧して、緩衝シート5を塑性変形させる押圧工程とを有する。【選択図】図2
Description
本発明は、ゼーベック効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換システムを構成する熱電変換モジュールの製造方法に関し、より詳細には、均一な高さの熱電変換モジュールを製造する方法に関する。
従来の熱電変換システムの一例が、下記の特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の熱電変換システムは、互いに対向配置された高温側基板と低温側基板とで熱電変換モジュールの上下を挟んだ構造を有する。
また、熱電変換モジュールは、一般に、複数のp型熱電半導体及び複数のn型熱電半導体の各々が高温側電極と低温側電極とで挟まれた構造を有する。互いに離間して交互に配列されたp型熱電半導体とn型熱電半導体とは、高温側電極と低温側電極によって互いに違いに接続され、これにより、複数のp型熱電半導体と複数のn型熱電半導体とが電極を介して交互に直列接続されている。そして、高温側基板と低温側基板によって各熱電半導体の高温電極側と低温電極側との間に温度差を生じさせ、この温度差によって各熱電半導体にゼーベック効果による熱起電力を発生させ、電極から直流電流を取り出している。
ところで、熱電変換モジュールを構成する各熱電半導体の高さ(電極と接続される互いに平行な両端面間の距離)や電極の厚みには、熱電半導体や電極の加工精度上ばらつきが生じてしまう。このため、熱電半導体と電極とを積層した高さに、例えば10μmを超える大きなばらつきが生じることがあり、熱電変換モジュールの高さ(低温側電極の外面から高温側電極の外面までの距離)が不均一となることがあった。
また、熱電半導体と電極とをろう材で接合すれば、ある程度ばらつきを吸収することはできるが、ろう材だけでは大きなばらつきを十分に吸収することは困難であった。
また、熱電半導体と電極とをろう材で接合すれば、ある程度ばらつきを吸収することはできるが、ろう材だけでは大きなばらつきを十分に吸収することは困難であった。
そして、熱電変換モジュールの高さが不均一となると、熱電変換モジュールと熱源としての高温側及び低温側基板との密着性が低下し、密着面での熱抵抗が高くなり、熱電変換システムの発電性能が低下してしまうという問題が生ずる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、均一な高さの熱変換モジュールを製造することができる熱変換モジュールの製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも一対の熱電半導体と、前記一対の熱電半導体を直列に接続する電極板とを備えた熱電変換モジュールを製造する方法であって、前記一対の熱電半導体と前記電極板との間に、塑性変形可能な緩衝部材を配置する配置工程と、前記一対の熱電半導体と前記電極とによって前記緩衝部材が押し潰される方向に、前記緩衝部材を押圧して、前記緩衝部材を塑性変形させる押圧工程とを有することを特徴としている。
このように、本発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、熱電半導体と電極板との間に緩衝シートを配置して押圧することにより、緩衝シートが塑性変形し、熱電半導体ごとの高さのばらつきが吸収される。これにより、本発明によれば、均一な高さの熱変換モジュールを製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の製造方法により製造された熱電変換モジュールの要部断面図である。
熱電変換モジュール100は、p型半導体からなる熱電変換素子(以下、「p型熱電半導体」ともいう)1と、n型半導体からなる熱電変換素子(以下、「n型熱電半導体」ともいう)2とを互いに離間して、それぞれ交互に複数配列し、これらの上下両端面側に、シート状の緩衝部材(以下、「緩衝シート」ともいう)5を介して、高温側電極板3と低温側電極板4によって互いに違いに積層して構成されている。これにより、交互に配列されたp型熱電半導体1とn型熱電半導体2とが、高温電極板3と低温電極板4とによって直列に接続されている。
図1は、第1実施形態の製造方法により製造された熱電変換モジュールの要部断面図である。
熱電変換モジュール100は、p型半導体からなる熱電変換素子(以下、「p型熱電半導体」ともいう)1と、n型半導体からなる熱電変換素子(以下、「n型熱電半導体」ともいう)2とを互いに離間して、それぞれ交互に複数配列し、これらの上下両端面側に、シート状の緩衝部材(以下、「緩衝シート」ともいう)5を介して、高温側電極板3と低温側電極板4によって互いに違いに積層して構成されている。これにより、交互に配列されたp型熱電半導体1とn型熱電半導体2とが、高温電極板3と低温電極板4とによって直列に接続されている。
なお、同図では、熱電変換モジュールを構成する複数のp型熱電半導体1及び複数のn型熱電半導体2のうち、一対のp型熱電半導体1及びn型熱電半導体2を代表して示す。また、図1では、緩衝シート5を熱電変換素子1,2の上下両端面側に介在させているが、少なくともいずれか一方の端面側に介在させればよい。
p型熱電半導体1及びn型熱電半導体2は、それぞれ上側端面1a,1bと下側端面2a,2bとを有する一定の高さ(例えば、1〜5mm)の角柱状のチップである。これらの材料としては、例えば、シリコン−ゲルマニウム系、マグネシウム−シリコン系、マンガン−シリコン系、ビスマス−テルル系、鉛−テルル系、鉄−バナジウム−アルミニウム系等の材料が挙げられる。
高温側電極3と低温側電極4は、一定の厚さ(例えば、0.3〜2mm)の平板状の電極材である。これらの材料としては、例えば、銅、モリブデン、ニッケル、鉄、アルミニウム、タングステン、銀、チタン、ステンレス鋼等が挙げられる。
緩衝シート5は、例えば、塑性変形可能な金属シート、多孔質金属シート、又は金属メッシュシートの形態をとることができる。これらの材料としては、例えば、高い熱伝導性及び電気伝導性を有し、かつ、塑性変形が容易な銅、アルミニウム、ニッケル、モリブデンを挙げることができる。
多孔質金属シートは、例えば、金属粉末、バインダ、スペーサ及び水を混合、混練したシートを成形し、スペーサ及びバインダを除去したものを焼結することにより作成される。多孔質金属シートの気孔率は、例えば、50〜95%であることが好ましい。また、金属メッシュシートは、例えば、直径1〜100μmの金属繊維を網目状に組み合わせた構成を有する。
(配置工程)
熱電変換モジュールの製造にあたっては、まず、p型及びn型熱電半導体1,2と高温側及び低温側電極板3,4との間に、塑性変形可能な緩衝シート5を配置する。例えば、低温側電極板4上に、緩衝シート5、p型又はn型熱電半導体1又は2、緩衝シート5、及び高温側電極板5を順次に積層する。
熱電変換モジュールの製造にあたっては、まず、p型及びn型熱電半導体1,2と高温側及び低温側電極板3,4との間に、塑性変形可能な緩衝シート5を配置する。例えば、低温側電極板4上に、緩衝シート5、p型又はn型熱電半導体1又は2、緩衝シート5、及び高温側電極板5を順次に積層する。
塑性変形前の緩衝シート5の厚さは、10〜1000μmであることが望ましい。かかる厚さの範囲内であれば、塑性変形により高さのばらつきを吸収しつつ、高熱抵抗化を回避することができる。
(押圧工程)
次に、p型及びn型熱電半導体1,2と電極板3,4とによって緩衝シート5が押し潰される方向(即ち、図1における上下方向)に、緩衝シー5トを押圧して、緩衝シート5を塑性変形させる。
押圧工程では、例えば、熱電変換モジュールをプレス装置(図示せず)の平行平板で挟み、例えば1〜100MPaの圧力を印加してプレスする。
次に、p型及びn型熱電半導体1,2と電極板3,4とによって緩衝シート5が押し潰される方向(即ち、図1における上下方向)に、緩衝シー5トを押圧して、緩衝シート5を塑性変形させる。
押圧工程では、例えば、熱電変換モジュールをプレス装置(図示せず)の平行平板で挟み、例えば1〜100MPaの圧力を印加してプレスする。
図2に、金属板の緩衝シート5の押圧前後の断面を示す。図2(a)は、押圧前の緩衝シート5の断面を示し、図2(b)は、押圧後の緩衝シート5の断面を示す。図2(b)に示すように、金属板の緩衝シート5は、体積一定で塑性変形するため、厚さ方向に潰れるとともに、面方向に広がる。p型及びn型熱電半導体1,2と高温側及び低温側電極3,4の高さの合計が小さいほど緩衝シート5の塑性変形量が大きくなり、一方、この合計が大きいほど緩衝シート5の塑性変形量が小さくなることにより、高さのばらつきが吸収される。
なお、図2では、p型熱電半導体1と低温側電極板4との間に介在する緩衝シート5が塑性変形する様子を示したが、他の部分に配置された緩衝シート5も同様に塑性変形する。
なお、図2では、p型熱電半導体1と低温側電極板4との間に介在する緩衝シート5が塑性変形する様子を示したが、他の部分に配置された緩衝シート5も同様に塑性変形する。
緩衝シート5の面積は、p型及びn型熱電半導体1及び2の端面1a,1b,2a,2bの面積の例えば90%〜110%であることが望ましい。かかる面積比の範囲内であれば、緩衝シート5の面積が狭すぎることによる高熱抵抗化を回避しつつ、緩衝シート5の面積が広がりすぎることによるショート発生の危険性を回避することができる。
また、緩衝シート5が、多孔質金属シート又は金属メッシュシートである場合においても、緩衝シート5は、押圧により、高さのばらつきを吸収しながら緩衝シート5内部の空隙が潰されて塑性変形する。
(加熱工程)
次に、上記の押圧工程中、又は押圧工程後に、緩衝シート5を例えば、400〜700℃で加熱して、緩衝シート5をp型及びn型熱電半導体1,2及び高温側及び低温側電極3,4と接合させる。
接合の方法としては、例えば、拡散接合、固相拡散接合、液相拡散接合が挙げられる。これらの接合により、異種金属間でも容易に冶金的に面接合ができるため、接合界面に起因する熱抵抗の上昇を抑制することができる。
次に、上記の押圧工程中、又は押圧工程後に、緩衝シート5を例えば、400〜700℃で加熱して、緩衝シート5をp型及びn型熱電半導体1,2及び高温側及び低温側電極3,4と接合させる。
接合の方法としては、例えば、拡散接合、固相拡散接合、液相拡散接合が挙げられる。これらの接合により、異種金属間でも容易に冶金的に面接合ができるため、接合界面に起因する熱抵抗の上昇を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、加熱工程において、緩衝シート5にろう材を含浸させる。ろう材は、はんだ等の軟ろう材でもよいし、銀ろう等の硬ろう材でもよい。緩衝シート5にろう材を含浸させることにより、特に、緩衝シート5が多孔質金属シートや金属メッシュシートである場合に、緩衝シート5内部の空隙が埋められる。これにより、緩衝シート5の密度が向上し、緩衝シート5の熱抵抗を低減することができる。
このように、本実施形態の熱電変換モジュールを製造によれば、緩衝シート5が塑性変形し、高さのばらつきが吸収されるため、均一な高さの熱変換モジュールを製造することができる。
さらに、このようにして製造した熱電変換モジュールの上下を、互いに対向配置された高温側基板(図示せず)と低温側基板(図示せず)とで挟むことにより、熱電変換システムが製造される。本実施形態で製造した熱変換モジュールは均一な高さを有するため、高温側電極3の上面側に高温側基板を良好に密着させるとともに、低温側電極4の下面側に低温側基板を良好に密着させることができる。これにより、熱電変換モジュールと熱源との間の熱伝導性を高めることでき、熱電変換システムの発電性能の向上を図ることができる。
また、熱電変換モジュール製造の加熱工程において、及び、熱電変換モジュールを組み込んだ熱電変換システムの発電時において、緩衝シート5により熱電半導体に対する熱応力の影響を低減することができる。
[第2実施形態]
図3に、第2実施形態の製造方法により製造された熱電変換モジュールの断面図を示す。なお、同図においても、熱電変換モジュールを構成する複数のp型熱電半導体1及び複数のn型熱電半導体2のうち、一対のp型熱電半導体1及びn型熱電半導体2を代表して示す。
図3に、第2実施形態の製造方法により製造された熱電変換モジュールの断面図を示す。なお、同図においても、熱電変換モジュールを構成する複数のp型熱電半導体1及び複数のn型熱電半導体2のうち、一対のp型熱電半導体1及びn型熱電半導体2を代表して示す。
本実施形態では、高温側電極板30及び低温側電極板40の表面31及び41に、それぞれ位置合わせ用の凹部32及び42が形成されている点を除いて、上述した第1実施形態と同じ方法により熱電変換モジュールを製造する。このため、本実施形態では、電極板以外の説明は省略する。
図4(a)に、図3に示した低温側電極板40の斜視図を示す。図4(a)に示すように、低温側電極板40(以下、単に電極板40ともいう。)の表面41には、p型及びn型熱電半導体1,2及び緩衝シート5の位置を規定する位置合わせ構造としての凹部42が形成されている。凹部42は、例えば、50〜500μmの深さを有する。このような凹部42は、例えば、プレス加工、ローレット加工、フライス加工、ダイシング加工によって形成することができる。
なお、図3に示した高温側電極板30も、低温側電極板40と同一の構造を有する。また、位置合わせ構造は、高温側電極板及び低温側電極板の一方にのみ形成してもよい。
なお、図3に示した高温側電極板30も、低温側電極板40と同一の構造を有する。また、位置合わせ構造は、高温側電極板及び低温側電極板の一方にのみ形成してもよい。
凹部42は、p型及びn型熱電半導体1,2の端面1b,2b及び緩衝シート5が配置されるべき平坦な底面領域42aを有し、底面領域42aの周囲は、垂直な側壁42bで囲まれている。本実施形態では、p型及びn型熱電半導体1,2の端面1b,2bが正方形であるため、底面領域42aもこれに合わせて正方形に形成されている。また、底面領域42aは、p型及びn型熱電半導体1,2の端面1b,2bの面積の100〜120%の面積を有することが好ましい。
図4(b)に、p型及びn型熱電半導体1,2の端面1b,2bが円形であるときの電極板50を変形例として示す。同図に示すように、電極板50の表面51に形成された凹部42は、円形の外周を有する平坦な底面領域52aを有し、底面領域52aの周囲は、垂直な側壁52bで囲まれている。
図5(a)に、図4(a)に示した凹部42に嵌め込まれたp型熱電半導体1及び緩衝シート5の断面を示す。なお、凹部42にn型半導体2を嵌め込んだ場合も同様な構造となる。図5(a)に示すように、電極板40に、位置決め構造としての凹部42を形成したことにより、p型及びn型熱電半導体1,2の端面1b,2b及び緩衝シート5を適所に容易に位置決めすることができる。これにより、配置工程において、熱変換モジュールを組み上げる作業性(ハンドリング性)を向上させることができる。
図5(b)に、変形例として電極板40aを示す。同図に示すように、電極板40aに形成された凹部43は、平坦な底面領域43aを有し、本変形例では、底面領域43aの周囲は、電極板の表面上方に向いた傾斜面43bで囲まれている。配置工程において、傾斜面43bによってp型熱電半導体1及び緩衝シート5が所定位置へガイドされることにより、配置工程におけるハンドリング性を一層向上させることができる。
なお、傾斜面43bによってn型熱電半導体2及び緩衝シート5も同様に所定位置へガイドすることができる。
なお、傾斜面43bによってn型熱電半導体2及び緩衝シート5も同様に所定位置へガイドすることができる。
図5(c)に、更なる変形例として電極板40bを示す。同図に示すように、電極板40bに形成された凹部44は、平坦な底面領域44aの周囲に溝部44cを有する。
ところで、各緩衝シート5は、高さのばらつきを吸収するように塑性変形するため、塑性変形後の緩衝シート5に含浸されるろう材の最適量も、緩衝シート5ごとに異なっている。例えば、塑性変形量が大きい緩衝シート5におけるろう材の最適な含浸量は、塑性変形量が小さい緩衝シート5では少なすぎる。このため、緩衝シート5が多孔質金属シートや金属メッシュシートの場合、緩衝シート5内の空隙を十分に埋めることができない。一方、塑性変形量が小さい緩衝シート5におけるろう材の最適な含浸量は、塑性変形量が大きい緩衝シート5では多すぎる。このため、緩衝シート5からろう材が溢れ出してしまう。溢れたろう材は、p型及びn型熱電半導体1,2を這い上がって、ショート等の不具合を引き起こすおそれがある。
そこで、本変形例のように、溝部44cを形成した電極板40bを使用すれば、溢れたろう材を溝部44cに溜めることができるため、ろう材の這い上がりを防止することができる。これにより、緩衝シート5の塑性変形量が小さい場合に最適な多めの含浸量のろう材を各緩衝シート5に含浸させることができる。
[第3実施形態]
図6(a)に、第3実施形態の熱電変換モジュールの製造方法に使用する電極板60の斜視図を示す。本実施形態では、電極板60の表面61に、位置合わせ用のリブ部62が形成されている点を除いて、上述した第1実施形態と同じ方法により熱電変換モジュールを製造する。このため、本実施形態では、電極板以外の説明は省略する。
図6(a)に、第3実施形態の熱電変換モジュールの製造方法に使用する電極板60の斜視図を示す。本実施形態では、電極板60の表面61に、位置合わせ用のリブ部62が形成されている点を除いて、上述した第1実施形態と同じ方法により熱電変換モジュールを製造する。このため、本実施形態では、電極板以外の説明は省略する。
図6(a)に示すように、電極板60の表面61には、p型及びn型熱電半導体1,2及び緩衝シート5の位置を規定する位置合わせ構造としてのリブ部62が形成されている。リブ部62は、例えば、50〜500μmの高さを有する。このようなリブ部62は、例えば、プレス加工、ローレット加工、フライス加工、ダイシング加工によって形成することができる。
リブ部62は、p型及びn型熱電半導体1,2の端面1b,2b及び緩衝シート5が配置されるべき配置領域61aを囲む位置に形成され、リブ部62は、配置領域61a側に、電極板60の表面上方に向かって傾斜した傾斜面62aを有する。
また、本実施形態では、p型及びn型熱電半導体1,2の端面1b,2bが正方形であるため、配置領域61aもこれに合わせて正方形に形成されている。配置領域61aは、p型及びn型熱電半導体1,2の端面1b,2bの面積の100〜120%の面積を有することが好ましい。
図6(b)に、p型及びn型熱電半導体1,2の端面1b,2bが円形であるときの電極板70を変形例として示す。同図に示すように、電極板70の表面71に形成されたリブ部72は、円形の外周を有する配置領域71aを囲むように形成され、リブ部72の配置領域71a側には、電極板70の表面上方に向いた傾斜面72aが形成されている。
また、図6(c)に、変形例として電極板80を示す。同図に示すように、電極板80に形成されたリム部82は、平坦な底面領域81aの周囲の一部のコーナー部だけに形成されている。
図7(a)に、図6(a)に示したリブ部62に囲まれた配置領域61aに配置したp型熱電半導体1及び緩衝シート5の断面を示す。なお、配置領域61aにn型半導体2を配置した場合も同様の構造となる。図7(a)に示すように、電極板60に、位置決め構造としてのリブ部62を形成したことにより、リブ部62の傾斜面62aによってp型熱電半導体1及び緩衝シート5が所定位置へガイドされる。これにより、配置工程におけるハンドリング性を向上させることができる。
図7(b)に、更なる変形例として電極板60aを示す。同図に示すように、電極板60aには、リブ部62と配置領域61aとの間に溝部63が形成されている。溝部63は、配置領域61aの周囲を囲むように形成されている。
第2実施形態において上述したように、各緩衝シート5は、高さのばらつきを吸収するように塑性変形するため、塑性変形後の緩衝シート5に含浸されるろう材の最適量も緩衝シート5ごとに異なっている。そこで、本変形例のように、溝部63を形成した電極板60aを使用すれば、溢れたろう材を溝部63に溜めることができ、ろう材の這い上がりを防止することができる。これにより、緩衝シート5の塑性変形量が小さい場合に最適な多めの含浸量のろう材を各緩衝シート5に含浸させることができる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、p型及びn型熱電半導体1,2の両端部に緩衝シート5を配置した例を説明したが、本発明では、両端部の一方にのみ緩衝シートを配置してもよい。また、上述した第2及び第3実施形態では、高温側電極板及び低温側電極板の両方に位置決め構造を形成した例を説明したが、本発明では、一方の電極板にのみ位置決め構造を形成してもよい。
なお、説明を省略したが、高温側電極又は低温側電極及び高温側基材又は低温側基材は適宜絶縁されていて、モジュールの短絡を防ぐ構造のものを含んでいる。
なお、説明を省略したが、高温側電極又は低温側電極及び高温側基材又は低温側基材は適宜絶縁されていて、モジュールの短絡を防ぐ構造のものを含んでいる。
本発明は、ごみ焼却炉やコージェネレーションシステム等の廃熱源を利用した小規模分散型の発電システムを構成する熱電変換モジュールの製造や、自動車等の輸送機器の排気ガスの熱を利用した車載用発電システムを構成する熱電変換モジュールの製造に好適に適用することができる。
1 p型熱電半導体
1a,1b,2a,2b 端面
2 n型熱電半導体
3,4,30,40,40a,40b,50,50,60,60a,80 電極板
5 緩衝シート
42,44,52 凹部
62,72,82 リブ部
44c,63 溝部
100,101 熱電変換モジュール
1a,1b,2a,2b 端面
2 n型熱電半導体
3,4,30,40,40a,40b,50,50,60,60a,80 電極板
5 緩衝シート
42,44,52 凹部
62,72,82 リブ部
44c,63 溝部
100,101 熱電変換モジュール
Claims (12)
- 少なくとも一対の熱電半導体と、前記一対の熱電半導体を直列に接続する電極板とを備えた熱電変換モジュールを製造する方法であって、
前記一対の熱電半導体と前記電極板との間に、塑性変形可能な緩衝シートを配置する配置工程と、
前記一対の熱電半導体と前記電極板とによって前記緩衝部材が押し潰される方向に、前記緩衝部材を押圧して、前記緩衝部材を塑性変形させる押圧工程と
を有することを特徴とする、熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記緩衝部材は、塑性変形可能な金属シート、多孔質金属シート又は金属メッシュシートである
ことを特徴とする、請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記配置工程において、前記緩衝部材は、前記熱電半導体が前記緩衝部材と接する端面の面積の90%〜110%の面積を有する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記押圧工程中、又は前記押圧工程後に、前記緩衝部材を加熱して、前記緩衝部材を前記熱電半導体及び前記電極の少なくとも一方と接合させる加熱工程を有する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記加熱工程において、前記緩衝部材にろう材を含浸させる
ことを特徴とする、請求項4記載の熱変換モジュールの製造方法。 - 前記電極板は、前記熱電半導体及び前記緩衝部材の一方又は双方の当該電極板上における位置を規定する位置合わせ構造を表面に有する
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記電極板は、前記位置合わせ構造として、前記熱電半導体又は前記緩衝部材が配置されるべき平坦な底面領域を有する凹部を有する
ことを特徴とする、請求項6記載の熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記凹部は、前記底面領域の周囲に、前記電極板の表面上方に向いた傾斜面を有する
ことを特徴とする、請求項7記載の熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記凹部は、前記底面領域の周囲の少なくとも一部に溝部を有する
ことを特徴とする、請求項7又は8記載の熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記電極板は、前記位置合わせ構造として、前記熱電半導体又は前記緩衝部材が配置されるべき配置領域の少なくとも一部を囲むリブ部を有する
ことを特徴とする、請求項6記載の熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記リブ部は、前記配置領域側に、前記電極板の表面上方に向いた傾斜面を有する
ことを特徴とする、請求項10記載の熱電変換モジュールの製造方法。 - 前記電極板は、前記リブ部と前記配置領域との間に溝部を有する
ことを特徴とする、請求項10又は11記載の熱電変換モジュールの製造方法。
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JP2020057730A (ja) * | 2018-10-04 | 2020-04-09 | 株式会社テックスイージー | 熱電変換装置 |
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-
2016
- 2016-08-30 JP JP2016168112A patent/JP2018037485A/ja active Pending
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