JP2018037189A - 電池用負極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】充放電特性が向上した電池用負極を提供すること。【解決手段】電池用負極の製造方法は、(A)負極活物質粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第1合材を調製すること、(B)導電材粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第2合材を調製すること、(C)第1合材、第2合材および溶媒を混合することにより、第3合材を調製すること、(D)第3合材およびバインダを混合することにより、第4合材を調製すること、および(E)第4合材を集電箔の表面に配置することにより、電池用負極を製造すること、を含む。【選択図】図2
Description
本開示は、電池用負極の製造方法に関する。
特開2012−059722号公報(特許文献1)は、活物質粒子の表面に、導電材を担持させた後、活物質粒子およびバインダを含む活物質層を形成することを開示している。
従来、電池用負極(以下「負極」と略記される場合がある)は、負極活物質粒子およびバインダ等を含有する合材が、集電箔の表面に配置されることにより製造されている。合材は、負極活物質粒子およびバインダ等が混合されることにより、調製されている。
負極の充放電特性を改善するために、カーボンブラック等の導電材粒子が検討されている。しかしカーボンブラック等の導電材粒子は表面積が大きいため、凝集を起こし易い。導電材粒子が凝集すると、導電パスが途切れやすくなり、広範な導電ネットワークが形成され難い。
特許文献1は、活物質粒子に導電材となるべき化合物を担持させている。この態様によれば、導電材が凝集し難いため、導電材が均一に分布した負極が形成されることが期待される。しかし、合材が調製される際、あるいは合材が集電箔の表面に配置される際には、活物質粒子に大きなシアストレス(shear stress)が加わる。そのため、活物質粒子から導電材が剥がれ落ちる可能性がある。導電材が活物質粒子から剥がれると、導電ネットワークが途切れ、所望の充放電特性が得られない。
そこで本開示は、充放電特性が向上した電池用負極を提供することを目的とする。
以下、本開示の技術構成および作用効果が説明される。本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。したがって作用メカニズムの正否により、本開示の発明の範囲が制限されるべきではない。
本開示の電池用負極の製造方法は、以下の(A)〜(E)を含む。
(A)負極活物質粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第1合材を調製する。
(B)導電材粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第2合材を調製する。
(C)第1合材、第2合材および溶媒を混合することにより、第3合材を調製する。
(D)第3合材およびバインダを混合することにより、第4合材を調製する。
(E)第4合材を集電箔の表面に配置することにより、電池用負極を製造する。
(A)負極活物質粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第1合材を調製する。
(B)導電材粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第2合材を調製する。
(C)第1合材、第2合材および溶媒を混合することにより、第3合材を調製する。
(D)第3合材およびバインダを混合することにより、第4合材を調製する。
(E)第4合材を集電箔の表面に配置することにより、電池用負極を製造する。
本開示の製造方法では、ポリカルボン酸アンモニウム(polycarboxylate ammonium salt,PCA)が使用される。PCAは、圧力に応答する特異な性質を有する。いうなれば、PCAは圧力応答性ポリマーである。
本開示の製造方法では、まず上記(A)および(B)に示されるように、第1合材および第2合材が別々に調製される。第1合材において、PCAは、負極活物質粒子の表面に付着することになる。第2合材において、PCAは、導電材粒子の表面に付着することになる。その後、上記(C)に示されるように、第1合材、第2合材および溶媒が混合されることにより、第3合材が調製される。
図1は、PCAの作用を説明する概念図である。負極活物質粒子1の表面および導電材粒子2の表面には、それぞれPCA3が付着している。常圧時、PCA3は解離度が高い。そのため、PCA3は、ポリマー鎖が伸長しており、負に帯電している。そのため、負極活物質粒子1および導電材粒子2は、均一に分散する。つまり、導電材粒子2の凝集が抑制される。
第1合材、第2合材および溶媒が混合されることにより、PCA3にはシアストレスが加わる。すなわちPCA3が加圧される。加圧により、PCA3は解離度が低下し、ポリマー鎖が収縮する。PCA3が収縮することにより、負極活物質粒子1の表面および導電材粒子2の表面において、PCA3が付着していない部分が露出する。これにより、負極活物質粒子1および導電材粒子2が凝集する。さらにポリマー鎖同士の絡み合いにより、負極活物質粒子1および導電材粒子2が強固に結合する。これにより、負極活物質粒子1と導電材粒子2との間に、強固な導電パスが形成される。したがって、その後のバインダとの混合((D)第4合材の調製)、集電箔の表面への配置((E)電池用電極の製造)において、導電材粒子2が負極活物質粒子1から剥がれ落ちることが抑制される。
その結果、電池用負極においては、導電パスが連続することにより、広範でかつ強固な導電ネットワークが形成されることになる。これにより、電池用負極の充放電特性が向上すると考えられる。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、本開示の発明の範囲を限定するものではない。
<電池用負極の製造方法>
本実施形態の製造方法では、典型的にはリチウムイオン二次電池用負極が製造される。ただし、本実施形態の製造方法により製造される負極は、必ずしもリチウムイオン二次電池用負極に限定されない。
本実施形態の製造方法では、典型的にはリチウムイオン二次電池用負極が製造される。ただし、本実施形態の製造方法により製造される負極は、必ずしもリチウムイオン二次電池用負極に限定されない。
本実施形態により製造される負極は、充放電特性が向上している。そのため、本実施形態により製造される負極は、極めて高い充放電特性が要求される用途に好適である。そうした用途としては、たとえば、車載用の動力電源等が挙げられる。ただし、本実施形態により製造される負極の用途は、車載用に限定されない。本実施形態により製造される負極は、あらゆる用途に適用可能である。
図2は、本実施形態の電池用負極の製造方法の概略を示すフローチャートである。本実施形態の製造方法は、(A)第1合材の調製、(B)第2合材の調製、(C)第3合材の調製、(D)第4合材の調製、および(E)電池用負極の製造を含む。以下、本実施形態の製造方法が順を追って説明される。
《(A)第1合材の調製》
本実施形態の製造方法は、(A)負極活物質粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第1合材を調製することを含む。
本実施形態の製造方法は、(A)負極活物質粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第1合材を調製することを含む。
(負極活物質粒子)
負極活物質粒子は、電池の負極活物質として機能する粒子である限り、特に限定されるべきではない。負極活物質粒子は、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素等の炭素粒子であってもよいし、珪素、錫等の金属粒子であってもよい。
負極活物質粒子は、電池の負極活物質として機能する粒子である限り、特に限定されるべきではない。負極活物質粒子は、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素等の炭素粒子であってもよいし、珪素、錫等の金属粒子であってもよい。
負極活物質粒子は、たとえば、1〜20μm程度の平均粒径を有する。本明細書の平均粒径は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において、微粒側から累積50%の粒径を示すものとする。
(ポリカルボン酸アンモニウム)
本実施形態のポリカルボン酸アンモニウム(PCA)は、たとえば、下記構造式(I)によって表されるポリマーである。下記構造式(I)中、nは10以上の整数を示す。
本実施形態のポリカルボン酸アンモニウム(PCA)は、たとえば、下記構造式(I)によって表されるポリマーである。下記構造式(I)中、nは10以上の整数を示す。
PCAは圧力応答性を有する。常圧においてPCAは高い解離度を有する。すなわちポリマー鎖中、大部分の「−COONH4」が解離して、「−COO-(カルボキシラートアニオン)」となっている。そのため、常圧においてPCAはポリマー鎖が伸長しており、負に帯電している。常圧において、負極活物質粒子の表面、および後述の導電材粒子の表面に付着したPCAは、これらを分散させる作用を示す。
PCAは加圧されると、解離度が低下し、収縮する。また解離度の低下により、PCAは疎水性となる。したがって加圧時、負極活物質粒子の表面、および導電材粒子の表面に付着したPCAは、これらを凝集させる作用を示す。本実施形態の製造方法では、このPCAの特異な作用により、強固な導電ネットワークが形成されることになる。
負極活物質粒子およびPCAの混合には、一般的な攪拌装置が使用され得る。たとえば、ディスクタービンを有する攪拌装置が使用され得る。混合時PCAは、典型的には水溶液の状態で供給される。PCA水溶液は、たとえば、30〜60質量%の濃度を有する。負極活物質粒子およびPCA水溶液が混合されることにより、PCAが負極活物質粒子の表面に付着することになる。
本実施形態において、PCA付着量は、負極活物質粒子の質量に対するPCAの質量比率として表される。負極活物質粒子へのPCA付着量は、好ましくは0.2質量%以上0.6質量%以下である。負極活物質粒子へのPCA付着量が0.2質量%以上であることにより、ポリマー鎖の絡み合いによる結合作用が得られやすい。負極活物質粒子へのPCA付着量が0.6質量%以下であることにより、PCAが収縮した際に負極活物質粒子の表面が露出しやすい。これにより、充電特性の向上が期待される。
《(B)第2合材の調製》
本実施形態の製造方法は、(B)導電材粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第2合材を調製することを含む。
本実施形態の製造方法は、(B)導電材粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第2合材を調製することを含む。
(導電材粒子)
導電材粒子は、電子伝導性を有する粒子である限り、特に限定されるべきではない。導電材粒子は、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックであってもよい。導電材粒子は、たとえば、負極活物質粒子の質量に対して1〜20質量%程度である。
導電材粒子は、電子伝導性を有する粒子である限り、特に限定されるべきではない。導電材粒子は、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックであってもよい。導電材粒子は、たとえば、負極活物質粒子の質量に対して1〜20質量%程度である。
導電材粒子およびPCAの混合にも、一般的な攪拌装置が使用され得る。導電材粒子およびPCA水溶液が混合されることにより、PCAが導電材粒子の表面に付着することになる。
一般に導電材粒子は、負極活物質粒子よりも表面積が大きい。そのため、導電材粒子は、負極活物質粒子よりも凝集しやすい傾向がある。そこで、導電材粒子へのPCA付着量を、負極活物質粒子へのPCA付着量よりも多くすることが好ましい。これにより、導電材粒子の分散性が向上し、充放電特性の向上が期待される。もちろん、導電材粒子が負極活物質粒子の表面積以下の表面積を有する場合は、この限りではない。
導電材粒子へのPCA付着量は、好ましくは0.6質量%以上1.0質量%以下である。導電材粒子へのPCA付着量が1.0質量%以下であることにより、PCAが収縮した際に導電材粒子の表面が露出しやすい。これにより負極活物質粒子と導電材粒子との間に良好な導電パスが形成されることが期待される。また負極活物質粒子へのPCA付着量と、導電材粒子へのPCA付着量との合計は、好ましくは0.8質量%以上1.6質量%以下である。
《(C)第3合材の調製》
本実施形態の製造方法は、(C)第1合材、第2合材および溶媒を混合することにより、第3合材を調製することを含む。
本実施形態の製造方法は、(C)第1合材、第2合材および溶媒を混合することにより、第3合材を調製することを含む。
溶媒は、たとえば、水等でよい。第1合材、第2合材および溶媒の混合には、たとえば、攪拌造粒装置が使用され得る。混合は、PCAにシアストレスが加わるように実施される。PCAにシアストレスが加わることにより、PCAが収縮し、負極活物質粒子と導電材粒子とが結合することになる。
シアストレスは、たとえば、攪拌羽根の形状、攪拌羽根の回転速度、合材の固形分率等により調整することができる。固形分率は、溶媒以外の成分の質量比率を示す。合材の最終的な固形分率(後述の第4合材の固形分率)は、たとえば、混合に必要なトルクが最大となる固形分率を基準として決定することもできる。固形分率(質量%)は、たとえば、(X−12)以上X以下である。ここで「X(質量%)」は、混合に必要なトルクが最大となる固形分率を示す。
第4合材が塗料として調製される場合、固形分率は、たとえば、50〜60質量%程度である。第4合材は、湿潤粉体として調製されてもよい。第4合材が湿潤粉体として調製される場合、固形分率は、たとえば、70〜80質量%程度である。
《(D)第4合材の調製》
本実施形態の製造方法は、(D)第3合材およびバインダを混合することにより、第4合材を調製することを含む。
本実施形態の製造方法は、(D)第3合材およびバインダを混合することにより、第4合材を調製することを含む。
(バインダ)
バインダは、特に限定されるべきではない。バインダは、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等でよい。バインダは、負極活物質粒子の質量に対して、たとえば、0.1〜2質量%程度である。第3合材およびバインダの混合にも、攪拌造粒装置が使用され得る。
バインダは、特に限定されるべきではない。バインダは、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等でよい。バインダは、負極活物質粒子の質量に対して、たとえば、0.1〜2質量%程度である。第3合材およびバインダの混合にも、攪拌造粒装置が使用され得る。
《(E)電池用負極の製造》
本実施形態の製造方法は、(E)第4合材を集電箔の表面に配置することにより、電池用負極を製造することを含む。
本実施形態の製造方法は、(E)第4合材を集電箔の表面に配置することにより、電池用負極を製造することを含む。
集電箔は、たとえば、銅(Cu)箔でよい。第4合材が塗料化している場合は、たとえばダイコータ等により、第4合材が集電箔の表面に塗工され得る。第4合材が湿潤粉体である場合には、たとえば、ロールコータ等により、第4合材が集電箔の表面に配置され得る。これにより、負極が製造される。負極は、電池仕様に合わせて、所定の厚さに圧延され、所定の寸法に裁断され得る。
以下、実施例が説明される。ただし、以下の例は本開示の発明の範囲を限定するものではない。
<電池用負極の製造>
以下のようにして、実施例および比較例に係る負極が製造された。
以下のようにして、実施例および比較例に係る負極が製造された。
《実施例1》
以下の材料が準備された。
負極活物質粒子:黒鉛
導電材粒子:アセチレンブラック
ポリカルボン酸アンモニウム水溶液(濃度:約40質量%)
溶媒:水
集電箔:Cu箔(厚さ:10μm)
以下の材料が準備された。
負極活物質粒子:黒鉛
導電材粒子:アセチレンブラック
ポリカルボン酸アンモニウム水溶液(濃度:約40質量%)
溶媒:水
集電箔:Cu箔(厚さ:10μm)
(A)第1合材の調製
ディスパーにより、負極活物質粒子およびPCA水溶液が混合された。これにより第1合材が調製された。ディスパーの回転数は3000rpmとされた。PCA水溶液の量は、負極活物質粒子に対してPCAが0.4質量%になるように調整された。第1合材において、PCAは、負極活物質粒子の表面に付着していると考えられる。
ディスパーにより、負極活物質粒子およびPCA水溶液が混合された。これにより第1合材が調製された。ディスパーの回転数は3000rpmとされた。PCA水溶液の量は、負極活物質粒子に対してPCAが0.4質量%になるように調整された。第1合材において、PCAは、負極活物質粒子の表面に付着していると考えられる。
(B)第2合材の調製
ディスパーにより、導電材粒子およびPCA水溶液が混合された。これにより第2合材が調製された。ディスパーの回転数は3000rpmとされた。PCA水溶液の量は、負極活物質粒子に対してPCAが1.0質量%になるように調整された。第2合材において、PCAは、導電材粒子の表面に付着していると考えられる。
ディスパーにより、導電材粒子およびPCA水溶液が混合された。これにより第2合材が調製された。ディスパーの回転数は3000rpmとされた。PCA水溶液の量は、負極活物質粒子に対してPCAが1.0質量%になるように調整された。第2合材において、PCAは、導電材粒子の表面に付着していると考えられる。
(C)第3合材の調製
攪拌造粒装置により、第1合材、第2合材および溶媒が混合された。これにより第3合材が調製された。溶媒の量は、第4合材の固形分率が56質量%になるように調整された。
攪拌造粒装置により、第1合材、第2合材および溶媒が混合された。これにより第3合材が調製された。溶媒の量は、第4合材の固形分率が56質量%になるように調整された。
(D)第4合材の調製
攪拌造粒装置により、第3合材およびバインダが混合された。これにより第4合材(負極塗料)が調製された。バインダの量は、負極活物質粒子に対して、0.7質量%とされた。
攪拌造粒装置により、第3合材およびバインダが混合された。これにより第4合材(負極塗料)が調製された。バインダの量は、負極活物質粒子に対して、0.7質量%とされた。
(E)電池用負極の製造
ダイコータにより、第4合材(負極合材塗料)が集電箔の表面に塗工され、乾燥された。これにより第4合材が集電箔の表面に配置された。負極合材および集電箔が、所定の寸法を有するように、圧延され、裁断された。以上より、実施例1に係る負極(帯状のシート)が製造された。負極の寸法は以下のとおりである。
ダイコータにより、第4合材(負極合材塗料)が集電箔の表面に塗工され、乾燥された。これにより第4合材が集電箔の表面に配置された。負極合材および集電箔が、所定の寸法を有するように、圧延され、裁断された。以上より、実施例1に係る負極(帯状のシート)が製造された。負極の寸法は以下のとおりである。
厚さ:80μm
全長:3300mm
全幅:120mm
負極合材の幅:100mm
全長:3300mm
全幅:120mm
負極合材の幅:100mm
<電池の製造>
以下のようにして、4Ahの定格容量を有するリチウムイオン二次電池が製造された。
以下のようにして、4Ahの定格容量を有するリチウムイオン二次電池が製造された。
1.正極の作製
以下の材料が準備された。
正極活物質粒子:リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物
導電材粒子:アセチレンブラック
バインダ:ポリフッ化ビニリデン
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン
集電箔:アルミニウム箔(厚さ20μm)
以下の材料が準備された。
正極活物質粒子:リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物
導電材粒子:アセチレンブラック
バインダ:ポリフッ化ビニリデン
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン
集電箔:アルミニウム箔(厚さ20μm)
正極活物質粒子、導電材粒子、バインダおよび溶媒が混合されることにより、正極合材塗料が調製された。導電材粒子は、正極活物質粒子の質量に対して8質量%とされた。バインダは、正極活物質粒子の質量に対して2質量%とされた。ダイコータにより、正極合材塗料が集電箔の表面に塗工され、乾燥された。これにより、集電箔の表面に正極合材が配置された。さらに正極合材および集電箔が、所定の寸法に加工された。以上より、正極(帯状のシート)が製造された。正極の寸法は以下のとおりである。
厚さ:70μm
全長:3000mm
全幅:114mm
正極合材の幅:94mm
全長:3000mm
全幅:114mm
正極合材の幅:94mm
2.セパレータの作製
20μmの厚さを有するセパレータ基材が準備された。このセパレータ基材は、ポリプロピレン多孔質層、ポリエチレン多孔質層、およびポリプロピレン多孔質がこの順で積層されることにより構成されたものである。
20μmの厚さを有するセパレータ基材が準備された。このセパレータ基材は、ポリプロピレン多孔質層、ポリエチレン多孔質層、およびポリプロピレン多孔質がこの順で積層されることにより構成されたものである。
アルミナ粒子、アクリルバインダおよび溶媒が混合されることにより、塗料が調製された。混合には、エム・テクニック社製の分散機「クレアミックス」が使用された。塗料がセパレータ基材の表面(片面)に塗工された。塗工には、グラビアコータが使用された。これにより、5μmの厚さを有する耐熱層が形成された。以上より、セパレータが作製された。
3.電極群の構成
正極、セパレータおよび負極が巻回されることにより、電極群が構成された。セパレータは、耐熱層が負極と対向するように、正極と負極との間に配置された。さらに、電極群に所定の集電端子が取り付けられた。
正極、セパレータおよび負極が巻回されることにより、電極群が構成された。セパレータは、耐熱層が負極と対向するように、正極と負極との間に配置された。さらに、電極群に所定の集電端子が取り付けられた。
4.電池の作製
以下の組成を有する電解液が準備された。
1mоl/l LiPF6,EC:DMC:EMC=3:4:3(v:v:v)
ここでECはエチレンカーボネートを示し、DMCはジメチルカーボネートを示し、EMCはエチルメチルカーボネートを示す。
以下の組成を有する電解液が準備された。
1mоl/l LiPF6,EC:DMC:EMC=3:4:3(v:v:v)
ここでECはエチレンカーボネートを示し、DMCはジメチルカーボネートを示し、EMCはエチルメチルカーボネートを示す。
角形の電池ケースが準備された。電池ケース内に電極群が収納された。電池ケース内に所定量の電解液が注入された。電池ケースが密閉された。以上より電池が製造された。
5.初期充放電
25℃環境において。4Aの電流で電池が4.1Vに達するまで充電された。その後、4Aの電流で電池が3.0Vに達するまで放電された。このときの放電容量が初期容量とされた。
25℃環境において。4Aの電流で電池が4.1Vに達するまで充電された。その後、4Aの電流で電池が3.0Vに達するまで放電された。このときの放電容量が初期容量とされた。
《実施例2〜8および11〜13》
下記表1に示されるように、第1合材および第2合材におけるPCAの量が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、実施例2〜8および11〜13に係る負極、ならびに電池が製造された。
下記表1に示されるように、第1合材および第2合材におけるPCAの量が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、実施例2〜8および11〜13に係る負極、ならびに電池が製造された。
《実施例9、10および14》
下記表1に示されるように、固形分率が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、実施例9、10および14に係る負極ならびに電池が製造された。
下記表1に示されるように、固形分率が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、実施例9、10および14に係る負極ならびに電池が製造された。
《比較例1》
PCAに代えて、カルボキシメチルセルロース(CMC)が使用されることを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例1に係る負極ならびに電池が製造された。
PCAに代えて、カルボキシメチルセルロース(CMC)が使用されることを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例1に係る負極ならびに電池が製造された。
《比較例2》
負極活物質粒子、導電材粒子、PCA水溶液、溶媒、およびバインダが一括して混合されることにより、負極合材塗料が調製された。これを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例2に係る負極ならびに電池が製造された。比較例2の負極において各成分の配合は、実施例1と同じである。
負極活物質粒子、導電材粒子、PCA水溶液、溶媒、およびバインダが一括して混合されることにより、負極合材塗料が調製された。これを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例2に係る負極ならびに電池が製造された。比較例2の負極において各成分の配合は、実施例1と同じである。
《比較例3》
負極活物質粒子およびPCAが混合されることにより、第1合材が調製された。第1合材、導電材粒子、溶媒およびバインダが混合されることにより、負極合材塗料が調製された。これを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例3に係る負極ならびに電池が製造された。比較例3の負極において各成分の配合は、実施例1と同じである。
負極活物質粒子およびPCAが混合されることにより、第1合材が調製された。第1合材、導電材粒子、溶媒およびバインダが混合されることにより、負極合材塗料が調製された。これを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例3に係る負極ならびに電池が製造された。比較例3の負極において各成分の配合は、実施例1と同じである。
《比較例4》
導電材粒子およびPCAが混合されることにより、第2合材が調製された。第2合材、負極活物質粒子、溶媒およびバインダが混合されることにより、負極合材塗料が調製された。これを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例4に係る負極ならびに電池が製造された。比較例4の負極において各成分の配合は、実施例1と同じである。
導電材粒子およびPCAが混合されることにより、第2合材が調製された。第2合材、負極活物質粒子、溶媒およびバインダが混合されることにより、負極合材塗料が調製された。これを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例4に係る負極ならびに電池が製造された。比較例4の負極において各成分の配合は、実施例1と同じである。
<評価>
1.放電特性の評価
常温での放電試験により、放電特性が評価された。
電池の電圧が3.7Vに調整された。25℃環境において、40Aの電流で電池が10秒間放電された。放電時の電圧降下量が測定された。電圧降下量が放電電流で除されることにより、初期抵抗が算出された。結果は下記表1に示されている。初期抵抗が低い程、放電特性が向上していることを示している。
1.放電特性の評価
常温での放電試験により、放電特性が評価された。
電池の電圧が3.7Vに調整された。25℃環境において、40Aの電流で電池が10秒間放電された。放電時の電圧降下量が測定された。電圧降下量が放電電流で除されることにより、初期抵抗が算出された。結果は下記表1に示されている。初期抵抗が低い程、放電特性が向上していることを示している。
2.充電特性の評価
低温でのサイクル試験により、充電特性が評価された。
電池の電圧が3.7Vに調整された。−10℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。以下の「充電→休止→放電→休止」の操作が1サイクルとされ、当該操作が1000サイクル実施された。
低温でのサイクル試験により、充電特性が評価された。
電池の電圧が3.7Vに調整された。−10℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。以下の「充電→休止→放電→休止」の操作が1サイクルとされ、当該操作が1000サイクル実施された。
充電:8A×20秒
休止:5分
放電:8A×20秒
休止:5分
休止:5分
放電:8A×20秒
休止:5分
1000サイクル後、初期容量と同じ条件で、サイクル後容量が測定された。サイクル後容量が初期容量で除されることにより、容量維持率が算出された。結果は、下記表1に示されている。容量維持率が高い程、充電特性(Li受け入れ性)が向上していることを示している。
<結果>
比較例1は、充電特性が低い。CMCは導電材粒子の分散性を高める作用を有しないためと考えられる。
比較例1は、充電特性が低い。CMCは導電材粒子の分散性を高める作用を有しないためと考えられる。
比較例2〜4は、放電特性が低い。この結果から、負極活物質粒子の表面、および導電材粒子の表面のそれぞれにPCAを付着させることが重要であることが分かる。
実施例1〜14は、比較例1〜4に比べて充放電特性が向上している。負極活物質粒子の表面、および導電材粒子の表面のそれぞれにPCAが付着しているため、PCAが導電材粒子の分散性を改善する作用、および負極活物質粒子と導電材粒子との間に強固な導電パスを形成する作用を発揮したものと考えられる。
実施例7および実施例12の結果から、導電材粒子へのPCA付着量が、負極活物質粒子へのPCA付着量よりも多いことにより、充放電特性がいっそう向上することが分かる。導電材粒子の分散性が向上するためと考えられる。
実施例11は、実施例1〜10に比べて、充放電特性が低い。PCAが過剰であるために、負極活物質粒子および導電材粒子において露出面が少なくなり、抵抗が増加していると考えられる。
実施例13は、実施例1〜10に比べて、充放電特性が低い。PCAが過少であるために、導電材粒子の分散性の向上効果が小さく、負極活物質粒子と導電材粒子との間の導電パスも若干弱いものとなっていると考えられる。
実施例1〜10の結果から、負極活物質粒子へのPCA付着量は、好ましくは0.2質量%以上0.6質量%以下であり、導電材粒子へのPCA付着量は、好ましくは0.6質量%以上1.0質量%以下であると考えられる。
実施例1、実施例9、実施例10および実施例14の結果から、固形分率により充放電特性の向上幅が異なることが分かる。固形分率により、混合時のシアストレス(すなわち圧力)が変化し、それによりPCAの圧力応答性にも変化が生じていると考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 負極活物質粒子、2 導電材粒子、3 PCA(ポリカルボン酸アンモニウム)。
Claims (1)
- 負極活物質粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第1合材を調製すること、
導電材粒子およびポリカルボン酸アンモニウムを混合することにより、第2合材を調製すること、
前記第1合材、前記第2合材および溶媒を混合することにより、第3合材を調製すること、
前記第3合材およびバインダを混合することにより、第4合材を調製すること、および
前記第4合材を集電箔の表面に配置することにより、電池用負極を製造すること、
を含む、電池用負極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016167733A JP2018037189A (ja) | 2016-08-30 | 2016-08-30 | 電池用負極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=61567519
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JP2016167733A Pending JP2018037189A (ja) | 2016-08-30 | 2016-08-30 | 電池用負極の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2018037189A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110518207A (zh) * | 2019-08-23 | 2019-11-29 | 中国工程物理研究院化工材料研究所 | 一种柔性铵离子全电池及其制备方法 |
-
2016
- 2016-08-30 JP JP2016167733A patent/JP2018037189A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110518207A (zh) * | 2019-08-23 | 2019-11-29 | 中国工程物理研究院化工材料研究所 | 一种柔性铵离子全电池及其制备方法 |
CN110518207B (zh) * | 2019-08-23 | 2020-08-18 | 中国工程物理研究院化工材料研究所 | 一种柔性铵离子全电池及其制备方法 |
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