JP2018035315A - 工業用ポリアミドフィルムの保存方法 - Google Patents

工業用ポリアミドフィルムの保存方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018035315A
JP2018035315A JP2016171686A JP2016171686A JP2018035315A JP 2018035315 A JP2018035315 A JP 2018035315A JP 2016171686 A JP2016171686 A JP 2016171686A JP 2016171686 A JP2016171686 A JP 2016171686A JP 2018035315 A JP2018035315 A JP 2018035315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide
film
packaging container
industrial
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016171686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7211692B2 (ja
Inventor
信彦 松本
Nobuhiko Matsumoto
信彦 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2016171686A priority Critical patent/JP7211692B2/ja
Publication of JP2018035315A publication Critical patent/JP2018035315A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7211692B2 publication Critical patent/JP7211692B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Packaging Of Machine Parts And Wound Products (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

【課題】工業用ポリアミドフィルムの吸湿をより効果的に抑制し、形状変化やフィルム同士の密着が生じないように工業用ポリアミドフィルムを保存するための方法の提供。【解決手段】工業用ポリアミドフィルムの保存方法であって、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取り、内部圧力(kPa)が外部圧力(kPa)−5kPa以上であり、内部湿度が50%RH未満である包装容器内に密封して保存することを特徴とする方法。【選択図】図1

Description

本発明は、工業用ポリアミドフィルムの保存方法に関する。より詳しくは、本発明は、工業用ポリアミドフィルムを、形状変化やフィルム同士の密着が生じないように保存するための方法に関する。
自動車・航空機、機械、家電・OA機器、土木・建築・プラントなどの分野で用いられる工業用ポリアミドフィルムは、製膜後、一般的にコアにロール状に巻き取られてフィルムロールの形態で保存され、使用時に所望のサイズに切断して用いられる。
しかし、ポリアミドフィルムは吸湿性が高いため、保存中に吸湿して形状変化が生じたり、ロール状に巻き取られて積層したフィルム同士が自重により密着してしまい、使用時にフィルムが切れやすくなることがある。
このため、工業用ポリアミドフィルムは、製膜後、防湿性の包装容器内に保存してフィルムの吸湿を防ぐことが一般的に行われている。例えば、特開平9−71669号公報(特許文献1)では、芳香族ポリアミドからなるフィルムを製膜後、加工直前まで防湿性雰囲気中に保存することが望ましいことが記載されている。また、特開2004−263060号公報(特許文献2)では、蒸着用フィルムの保存方法が記載されており、ここでは、フィルムを製膜後、所定の湿度条件下で保存することにより、使用時に短時間で所望の真空度を達成させて生産性の向上を図ることができることが記載されている。
しかし、従来の方法では、工業用ポリアミドフィルムの吸湿を十分に防ぎながら使用時まで保存することが難しかった。
特開平9−71669号公報 特開2004−263060号公報
工業用ポリアミドフィルムの吸湿をより効果的に防ぐためには製膜後直ちに包装容器内に密封して保存することが望ましい。しかし、ポリアミドフィルムが十分に冷却する前に包装容器内に密封してしまうと、ポリアミドフィルムが冷却した後に包装容器内が減圧下に置かれてしまい、フィルムにシワが寄ったり、フィルム同士が密着する原因となる。
他方、ポリアミドフィルムを製膜後、包装容器内に密封する前に長時間を要したのでは、ポリアミドフィルムが吸湿してしまう場合がある。
このような状況の下、工業用ポリアミドフィルムの吸湿をより効果的に抑制し、形状変化やフィルム同士の密着が生じないように保存するための方法が求められている。
本発明者らは、上記課題にかんがみて鋭意検討した結果、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取り、所定の圧力及び湿度条件下で包装容器内に密封して保存することにより、長期間保存した後もフィルムの形状変化やフィルム同士の密着を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下に示した工業用ポリアミドフィルムの保存方法を提供するものである。
[1]工業用ポリアミドフィルムの保存方法であって、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取り、内部圧力(kPa)が外部圧力(kPa)−5kPa以上であり、内部湿度が50%RH未満である包装容器内に密封して保存することを特徴とする、方法。
[2]コアがプラスチックコアである、請求項1に記載の方法。
[3]包装容器内の照度が0.1lx以下である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取ってから60分以内に包装容器内に密封して保存する、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5]工業用ポリアミドフィルムを包装容器内に密封して保存するときの工業用ポリアミドフィルムの温度が室温−5℃以上、室温+10℃以下である、[4]に記載の方法。
[6]工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取り、次式:
V1≧(T1/T2)V2
[式中、V1は、包装容器の容積であり、T1は、保存中の包装容器内の気体の最低温度であり、T2は、包装容器内に工業用ポリアミドフィルムを密封するときの包装容器内の気体の温度であり、V2は包装容器内の工業用ポリアミドフィルムとコア(内部を含む)とを合わせた容積である。]を満たすように余剰ガスと共に包装容器内に密封して保存する、[1]から[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7]余剰ガスが、乾燥空気又は不活性ガスである、[6]に記載の方法。
[8]工業用ポリアミドフィルムが、半芳香族ポリアミド(A)及び脂肪族ポリアミド(B)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミドを含み、
半芳香族ポリアミド(A)が、キシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含むジアミン単位と、炭素数4〜20のα、ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含むポリアミドであり、
脂肪族ポリアミド(B)が、炭素数6〜12のラクタム由来の構成単位及び炭素数6〜12のアミノカルボン酸由来の構成単位の少なくとも一方を含むポリアミド(b1)及び炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来の構成単位及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を含むポリアミド(b2)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミドである、[1]から[7]のいずれか一項に記載の方法。
本発明によれば、工業用ポリアミドフィルムを長期間保存した後もフィルムの形状変化やフィルム同士の密着を抑制することができる。
実施例及び比較例における包装容器内の圧力の測定方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の工業用ポリアミドフィルムの保存方法について具体的に説明する。
本発明の工業用ポリアミドフィルムの保存方法においては、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取り、内部圧力(kPa)が外部圧力(kPa)−5kPa以上であり、内部湿度が50%RH未満である包装容器内に密封して保存することを特徴としている。
本発明の保存方法においては、上述したとおり、ポリアミドフィルムの保存環境として、湿度のみならず、圧力を所定の条件下に制御する。工業用ポリアミドフィルムは、製膜後、コアにロール状に巻き取られてフィルムロールの形態で包装容器内に保存することが一般的であるが、用途によっては建築資材のような大型のサイズのものもあり、保管スペースや運搬作業なども考慮すると、包装容器はできるだけコンパクトにすることが従来の当業者の考え方である。
しかし、ポリアミドフィルムの吸湿をできるだけ防ぐためには、製膜後、コアにロール状に巻き取ってからできるだけ早く包装容器内に密封することが望ましい。この場合、ポリアミドフィルムが十分に冷却していないと、包装容器内にポリアミドフィルムを密封した後、包装容器内の温度が低下すると包装容器内が減圧下に置かれてしまう。また、ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取ってから十分に冷却した後に包装容器内に密封する場合であっても、気温の変化等により包装容器内が減圧下に置かれることも考えられる。本発明者らは、今般、包装容器内が減圧状態になると、ポリアミドフィルムにシワが寄ったり、フィルム同士が密着しやすくなる要因となることを見出した。したがって、フィルムの形状変化やフィルム同士の密着を抑制するためには、包装容器内の湿度条件だけでなく、圧力条件をも考慮する必要がある。
すなわち、本発明の保存方法においては、包装容器内の内部圧力(kPa)を外部圧力(kPa)−5kPa以上(すなわち、内部圧力(kPa)≧外部圧力(kPa)−5kPa)とする。包装容器内の内部圧力を上記の範囲で制御することにより、ポリアミドフィルムにシワが寄ったり、フィルム同士が密着することを抑制することができる。好ましくは、内部圧力(kPa)≧外部圧力(kPa)−3kPa、より好ましくは、内部圧力(kPa)≧外部圧力(kPa)−2kPa、さらに好ましくは内部圧力(kPa)≧外部圧力(kPa)−1kPa、なお好ましくは内部圧力(kPa)≧外部圧力(kPa)−0.95kPa、特に好ましくは内部圧力(kPa)≧外部圧力(kPa)である。また、保存容器の破損を防ぐ観点から、内部圧力(kPa)の上限は、外部圧力(kPa)の2倍が妥当である。
また、本発明の保存方法においては、包装容器内の内部湿度は50%RH未満であり、好ましくは40%RH未満、さらに好ましくは30%RH未満、特に好ましくは20%RH未満である。包装容器内の内部湿度を上記の範囲で制御することで、保存中にポリアミドフィルムが吸湿することを抑制することができる。
本発明の保存方法においては、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取る。コアとしては、プラスチックコアおよび紙芯を使用することができる。中でも、包装容器内の湿度条件を制御しやすいことから、プラスチックコアを使用することが好ましい。本発明の保存方法において好適に用いられるプラスチックコアの水分率は、通常5質量%以下であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。この範囲であると、ポリアミドフィルムがコアの水分を吸収しにくい。このようなプラスチックコアを用いることでコアが吸湿してポリアミドフィルムに悪影響を与えることを防ぐことができる。
プラスチックコアの素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フォノール樹脂、ポリアセタールなどが好ましく用いられる。
なお、本発明の保存方法においては、必要に応じてコアと共に乾燥剤を併用してもよい。コアと共に乾燥剤を併用することにより、コアが吸湿してポリアミドフィルムに悪影響を与えることを防ぐことができる。
ポリアミドフィルムは、光照射によって変質する場合があることから、包装容器内の照度は一定の範囲内であることが好ましい。例えば、包装容器内部の照度が0.1lx以下であると、ポリアミドフィルムの変質を防止することができるので好ましい。包装容器内部の照度はより好ましくは0.05lx以下、さらに好ましくは0.03lx以下、特に好ましくは0.01lx以下である。例えば、包装容器として、プラスチックフィルム上に金属アルミニウムを蒸着したものを用いたり、暗い部屋に保管するなど保管場所の照度を制御することによって、包装容器内部の照度を制御することができる。
本発明の保存方法に用いられる包装容器としては、好ましくはガスバリア性及び光遮断性の包装用フィルムから作製される包装袋が用いられる。例えば、アルミニウムなどの金属薄膜が蒸着された高分子フィルム、金属箔がラミネートされた高分子フィルム、及び黒色のガスバリア性高分子フィルムなどが挙げられる。包装用フィルムの基材には熱可塑性のシーラント層がラミネートされていてもよい。
高分子フィルムの素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリアリレートなどが挙げられる。これらのポリマーを他のポリマーと共重合したり、ブレンドして用いてもよい。これらの中でも、本発明の保存方法においては、低吸水及び低水透過性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルが好ましく用いられる。
または、保存容器の別形態として、アルミニウムなどの金属薄膜が蒸着された高分子フィルム、金属箔がラミネートされた高分子フィルム、及び黒色のガスバリア性高分子フィルムなどの包装用フィルムを工業用ポリアミドフィルムのロールの長軸部分に巻きつけて、ロールのサイド部分を別の包装用フィルムで覆い、継ぎ目部分をヒートシールまたはアルミテープで止めて包装容器としてもよい。
本発明の好ましい実施態様においては、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取ってから60分以内、より好ましくは5分から60分以内、さらに好ましくは10分から50分以内、特に好ましくは10分から40分以内、最も好ましくは15分から30分以内に包装容器内に密封して保存する。工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取ってから上記の時間内に包装容器内に密封することで、工業用ポリアミドフィルムを十分に冷却し、かつ、工業用ポリアミドフィルムの吸湿を最小限に抑えることができる。
あるいは、本発明の別の好ましい実施態様においては、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取り、過剰な吸湿を避けて室温−5℃以上、室温+10℃以下に冷却してから包装容器内に密封して保存する。なお、ここでいう工業用ポリアミドフィルムの温度は、工業用ポリアミドフィルムのロールの最表面の温度を接触式の温度計で測定したときの値を意味するものとする。包装容器内に密封して保存するときの工業用ポリアミドフィルムの温度を上記の範囲内にすることで、ポリアミドフィルムの保存前の吸湿を防ぎながら、製膜後の温度低下による体積の減少により包装容器内が過度に減圧状態になることを防ぐことができる。また、工業用ポリアミドフィルムの温度の下限を室温−5℃とすることで、過剰な冷却による空気中の水分の工業用ポリアミドフィルム表面での結露を防ぎ、工業用ポリアミドフィルムの吸湿を抑えることができる。
また、本発明の別の好ましい実施態様においては、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取ってから十分に冷却する前に余剰ガスと共に包装容器内に密封して保存する。余剰ガスとしては、乾燥空気または不活性ガスが好ましく用いられる。不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノンなどを使用できる。不活性ガスは乾燥気体として使用することが好ましい。工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取ってから余剰ガスと共に包装容器内に密封することで、密封後に包装容器内の温度が低下しても包装容器内が減圧状態になることを防ぐことができる。なお、余剰ガスは、包装容器内に加圧状態で導入してもよいし、包装容器の容積を大きくすることにより包装容器内を加圧状態とすることなく導入してもよい。
ここで余剰ガスの使用量は、次式:
V1≧(T1/T2)V2
[式中、V1は、包装容器の容積であり、T1は、保存中の包装容器内の気体の最低温度であり、T2は、包装容器内に工業用ポリアミドフィルムを密封するときの包装容器内の気体の温度であり、V2は包装容器内の工業用ポリアミドフィルムとコア(内部を含む)とを合わせた容積である。]を満たすことが好ましい。
上記の式を満たすように余剰ガスと共に工業用ポリアミドフィルムを包装容器内に密封することで、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取ってから吸湿を防ぐために直ちに包装容器内に密封した場合であって、かつ密封時の温度が高く、密封後しばらくして温度が下がって体積が減少する場合であっても、包装容器内部が減圧状態になることを防ぐことができる。
本発明の保存方法によって保存される工業用ポリアミドフィルムは、例えば、自動車・航空機、機械、家電・OA機器、土木・建築・プラント、食品などの分野で用いられるポリアミドフィルムであり、特に制限されない。工業用ポリアミドフィルムは、通常、大型のフィルムロールの形態で製造される場合が多く、使用時に所望のサイズに切断して用いられる。本発明の保存方法は、そのような大型のフィルムロールであっても、フィルムの形状変化及びフィルム同士の密着を効果的に抑制しながら保存することが可能である。
本発明の保存方法による保存に適した工業用ポリアミドフィルムとしては、ポリアミドを50質量%以上含むものであれば、特に制限されない。
ポリアミドの種類としては、ポリマー主鎖の繰り返し構造単位中にアミド結合{−N H−C(=O )−}を有するものであれば、特に制限されることなく使用することができる。
本発明の好ましい実施態様では、工業用ポリアミドフィルムに用いられるポリアミド材料としては、半芳香族ポリアミド(A)及び脂肪族ポリアミド(B)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミドを含み、
半芳香族ポリアミド(A)が、キシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含むジアミン単位と、炭素数4〜20のα、ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含むポリアミドであり、
脂肪族ポリアミド(B)が、炭素数6〜12のラクタム由来の構成単位及び炭素数6〜12のアミノカルボン酸由来の構成単位の少なくとも一方を含むポリアミド(b1)及び炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来の構成単位及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を含むポリアミド(b2)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミドであることが好ましい。以下、半芳香族ポリアミド(A)及び脂肪族ポリアミド(B)についてそれぞれ説明する。
〔半芳香族ポリアミド(A)〕
半芳香族ポリアミド(A)は、キシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含むジアミン単位と、炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含む。
半芳香族ポリアミド(A)を構成するジアミン単位としては、優れたガスバリア性を付与することに加え、成形性の観点から、キシリレンジアミン由来の構成単位をジアミン単位中に70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上含む。
キシリレンジアミンとしては、オルトキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンが挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物を用いることが好ましい。
メタキシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンの混合物を用いる場合は、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの質量比(メタキシリレンジアミン:パラキシリレンジアミン)は、10:90〜99:1の範囲が好ましく、より好ましくは50:50〜99:1、更に好ましくは65:35〜99:1である。
半芳香族ポリアミド(A)は、キシリレンジアミン由来の構成単位以外のジアミン単位を含んでいてもよい。例えば、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−又は1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等の化合物に由来するジアミン単位が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
半芳香族ポリアミド(A)を構成するジカルボン酸単位としては、適度な結晶性を付与することに加え、柔軟性を付与する観点から、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位をジカルボン酸単位中に70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上含む。
炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、優れたガスバリア性に加え、入手容易性の観点から、アジピン酸、セバシン酸又はこれらの混合物を用いることが好ましい。アジピン酸及びセバシン酸の混合物を用いる場合、アジピン酸とセバシン酸との質量比(アジピン酸:セバシン酸)は、55:45〜85:15の範囲が好ましく、より好ましくは60〜40:80〜20、更に好ましくは65〜35:80〜20である。
半芳香族ポリアミド(A)は、炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位以外のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。
炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位以外のジカルボン酸単位としては、シュウ酸、マロン酸等の炭素数3以下の脂肪族ジカルボン酸;1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸等の炭素数13以上の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に特に好適に用いられる半芳香族ポリアミド(A)としては、ポリキシリレンアジパミド、イソフタル酸共重合ポリキシリレンアジパミド、ポリキシリレンセバカミド、ポリキシリレンドデカナミド等が挙げられる。これらの中でも、半芳香族ポリアミド(A)としては、ポリキシリレンアジパミド(ポリメタキシリレンアジパミド、ポリパラキシリレンアジパミド)、ポリキシリレンセバカミド(ポリメタキシリレンセバカミド、ポリパラキシリレンセバカミド)又はこれらの混合物であることが好ましい。
半芳香族ポリアミド(A)が、ポリキシリレンアジパミド及びポリキシリレンセバカミドの混合物である場合、ポリキシリレンアジパミドとポリキシリレンセバカミドとの質量比(ポリキシリレンアジパミド:ポリキシリレンセバカミド)は、55:45〜85:15の範囲が好ましく、より好ましくは60:40〜80:20、更に好ましくは65:35〜80:20である。
半芳香族ポリアミド(A)は、前記ジアミン単位を構成しうるジアミン成分と、前記ジカルボン酸単位を構成しうるジカルボン酸成分とを重縮合させることで製造することができる。例えば、ジアミン成分とジカルボン酸成分とからなる塩を水の存在下に加圧状態で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法によりポリアミドを製造することができる。また、ジアミン成分を溶融状態のジカルボン酸成分に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によってもポリアミドを製造することができる。この場合、反応系を均一な液状態で保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
重縮合条件等を調整することで重合度を制御することができる。重縮合時に分子量調整剤として少量のモノアミンやモノカルボン酸を加えてもよい。また、重縮合反応を抑制して所望の重合度とするために、半芳香族ポリアミド(A)を構成するジアミン成分とカルボン酸成分との比率(モル比)を1からずらして調整してもよい。さらに、半芳香族ポリアミド(A)の重縮合時には、アミド化反応を促進する効果や、重縮合時の着色を防止する効果を得るために、リン原子含有化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等の公知の添加剤を添加してもよい。
半芳香族ポリアミド(A)の融点Tmは、耐熱性及び溶融成形性の観点から、好ましくは170〜290℃、より好ましくは175〜280℃、更に好ましくは180〜270℃である。
〔脂肪族ポリアミド(B)〕
脂肪族ポリアミド(B)は、炭素数6〜12のラクタム由来の構成単位及び炭素数6〜12のアミノカルボン酸由来の構成単位の少なくとも一方を含むポリアミド(b1)及び炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来の構成単位及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を含むポリアミド(b2)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミドである。以下、ポリアミド(b1)及び(b2)について説明する。
〔ポリアミド(b1)〕
ポリアミド(b1)は、炭素数6〜12のラクタム由来の構成単位及び炭素数6〜12のアミノカルボン酸由来の構成単位の少なくとも一方を含む。
ラクタム由来の構成単位及びアミノカルボン酸由来の構成単位の炭素数は、柔軟性、入手容易性等の観点から、好ましくは6〜12であり、より好ましくは6〜11であり、特に好ましくは6または11である。
炭素数6〜12のラクタム由来の構成単位及び炭素数6〜12のアミノカルボン酸由来の構成単位は、通常、下記一般式(I)で示されるω−アミノカルボン酸単位からなる。
ここで、一般式(I)において、pは5〜11の整数を表し、好ましくは6〜11である。
炭素数6〜12のラクタム由来の構成単位を構成する化合物としては、具体的には、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン、デカンラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタムが挙げられる。また、炭素数6〜12のアミノカルボン酸由来の構成単位を構成する化合物としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸が挙げられる。
ポリアミド(b1)は、炭素数6〜12のラクタム及び炭素数6〜12のアミノカルボン酸由来の構成単位のみからなるものに限られず、これら構成単位を主成分とするものであればよい。なお、ここで、「主成分とする」とは、本発明の効果を妨げない範囲で、他の構成単位を含むことを許容する趣旨であり、特に限定されるわけではないが、ポリアミド(b1)の構成単位のうち、炭素数6〜12のラクタムの構成単位及び炭素数6〜12のアミノカルボン酸由来の構成単位の少なくとも一方が、モノマーとして、例えば60モル%以上、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%の範囲を占める。
ポリアミド(b1)における他の構成単位としては、例えば、炭素数6〜12のラクタム以外のラクタム、炭素数6〜12のアミノカルボン酸以外のアミノカルボン酸、又はジアミンとジカルボン酸からなるナイロン塩由来の構成単位などが挙げられる。
炭素数6〜12のラクタム以外のラクタムとしては、ラウロラクタム(2−アザシクロトリデカノン)、2−アザシクロテトラデカノン、2−アザシクロペンタデカノン、2−アザシクロヘキサデカノン、2−アザシクロヘプタデカノン、2−アザシクロオクタデカノン、2−アザシクロノナデカノン、2−アザシクロエイコサノン、2−アザシクロヘンエイコサノン、2−アザシクロドコサノン、2−アザシクロトリコサノン、2−アザシクロテトラコサノン、2−アザシクロペンタコサノン、2−アザシクロヘキサコサノン、2−アザシクロヘプタコサノン、2−アザシクロオクタコサノン、2−アザシクロノナコサノン、2−アザシクロトリアコンタノン、これらラクタムのN−アルキル置換体、N−アルケニル置換体、N−アリール置換体、N−アラルキル置換体、これらラクタムの炭素原子上にアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基を有する置換ラクタム、あるいはこれらラクタムの2種以上の混合物などが例示される。
また、炭素数6〜12のアミノカルボン酸以外のアミノカルボン酸としては、アミノトリデカン酸、アミノテトラデカン酸、アミノペンタデン酸、アミノヘキサデカノン酸、アミノヘプタデカン酸、アミノオクタデカン酸、アミノノナデカン酸、アミノエイコサン酸、アミノヘンエイコサン酸、アミノドコサンン酸、アミノトリコサン酸、アミノテトラコサン酸、アミノペンタコン酸、アミノヘキサコサン酸、アミノヘプタコサン酸、アミノオクタコサン酸、アミノノナコサン酸、アミノトリアコンタン酸、これらラクタムのN−アルキル置換体、N−アルケニル置換体、N−アリール置換体、N−アラルキル置換体、これらラクタムの炭素原子上にアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基を有する置換ラクタム、あるいはこれらラクタムの2種以上の混合物などが例示される。
ナイロン塩を構成するジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,19−ノナデカンジアミン、1,20−エイコサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサンジアミンなどの脂肪族ジアミン;1,3−又は1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、5−アミノ−2,2,4−トリメチルシクロペンタンメタナミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメタナミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミンなどの脂環式ジアミン;パラキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどの芳香環を有するジアミン等を挙げることができる。
ナイロン塩を構成するジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン−4,4’−ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−、2,6−又は2,7−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸等を挙げることができる。
ポリアミド(b1)としては、ε−カプロラクタム由来の構成単位及び6−アミノカプロン酸由来の構成単位の少なくとも一方を主成分とするポリアミド6、ウンデカンラクタム由来の構成単位及び11−アミノウンデカン酸由来の構成単位の少なくとも一方を主成分とするポリアミド11、又は、ドデカンラクタム由来の構成単位及び12−アミノドデカン酸由来の構成単位の少なくとも一方を主成分とするポリアミド12、或いは、これらポリアミド6、ポリアミド11及びポリアミド12の2種以上の混合物が好ましい。中でも、ポリアミド6、ポリアミド11またはポリアミド6及びポリアミド11の混合物がより好ましく、ポリアミド6またはポリアミド11が特に好ましい。
ポリアミド(b1)は、上記構成モノマーを重合することにより得ることができ、ラクタムを開環重合し、又はアミノカルボン酸を重縮合することにより得られる。
その重合方法は、特に限定されず、溶融重合、溶液重合、固相重合など公知の方法を採用できる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組み合わせて用いることができる。
製造装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機などの混練反応押出機等、公知のポリアミド製造装置を用いることができる。
ポリアミド(b1)の重縮合時には、分子量調整剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸等を加えてもよい。
さらに、ポリアミド(b1)の重縮合時には、アミド化反応を促進する効果や、重縮合時の着色を防止する効果を得るために、リン原子含有化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等の公知の添加剤を添加してもよい。
ポリアミド(b1)の融点Tmは、耐熱性及び溶融成形性の観点から、好ましくは160〜240℃、より好ましくは165〜230℃、更に好ましくは170〜220℃である。
なお、本明細書において、融点は、示差走査熱量計〔島津製作所社製、商品名:DSC−60〕を用い、昇温速度10℃/分で、窒素気流下にDSC測定(示差走査熱量測定)を行うことにより測定される。
〔ポリアミド(b2)〕
ポリアミド(b2)は、炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来の構成単位及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を含む。
ポリアミド(b2)のジアミン単位を構成し得る化合物は炭素数6〜12の脂肪族ジアミンである。炭素数6〜12の脂肪族ジアミンの脂肪族基は、直鎖状又は分岐状の2価の脂肪族炭化水素基であり、飽和脂肪族基であっても、不飽和脂肪族基であってもよいが、通常は、直鎖状の飽和脂肪族基である。脂肪族基の炭素数は、好ましくは6〜10であり、より好ましくは6または10である。
ポリアミド(b2)のジアミン単位を構成しうる化合物は、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンが挙げられるが、これらに限定されない。これらは、1種で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド(b2)中のジアミン単位は、柔軟性等の観点から、炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来の構成単位を70モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%含有する。
このように、ポリアミド(b2)におけるジアミン単位は、炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来の構成単位のみからなってもよいが、炭素数6〜12の脂肪族ジアミン以外のジアミン由来の構成単位を含有してもよい。
ポリアミド(b2)において、炭素数6〜12の脂肪族ジアミン以外のジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−又は1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミド(b2)中のジカルボン酸単位を構成し得る化合物は、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸であり、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸等が挙げられる。これらは、1種で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド(b2)中のジカルボン酸単位は、柔軟性をより良好にできる観点から、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%含有する。
このように、ポリアミド(b2)におけるジカルボン酸単位は、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位のみからなってもよいが、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸由来の構成単位を含有してもよい。
ポリアミド(b2)において、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸等の炭素数9以下又は13以上の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
中でも、ポリアミド(b2)としては、炭素数6の脂肪族ジアミン由来の構成単位及び炭素数6の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位をそれぞれ主成分とするポリアミド6,6、炭素数6の脂肪族ジアミン由来の構成単位及び炭素数10の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位をそれぞれ主成分とするポリアミド6,10、炭素数10の脂肪族ジアミン由来の構成単位及び炭素数10の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位をそれぞれ主成分とするポリアミド10,10、炭素数10の脂肪族ジアミン由来の構成単位及び炭素数12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位をそれぞれ主成分とするポリアミド10,12又はこれらの混合物が好ましい。
ポリアミド(b2)は、ジアミン成分と、ジカルボン酸成分とを重縮合して得られる。例えば、ジアミン成分とジカルボン酸成分とからなる塩を水の存在下に加圧状態で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法によりポリアミドを製造することができる。また、ジアミン成分を溶融状態のジカルボン酸成分に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によってもポリアミドを製造することができる。この場合、反応系を均一な液状態で保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
ポリアミド(b2)の重縮合時には、分子量調整剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸等を加えてもよい。
さらに、ポリアミド(b2)の重縮合時には、アミド化反応を促進する効果や、重縮合時の着色を防止する効果を得るために、リン原子含有化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等の公知の添加剤を添加してもよい。
ポリアミド(b2)の融点Tmは、耐熱性及び溶融成形性の観点から、好ましくは160〜300℃、より好ましくは165〜290℃、更に好ましくは170〜280℃である。
脂肪族ポリアミド(B)は、これらポリアミド(b1)及びポリアミド(b2)からなる群から選ばれる一種以上である。脂肪族ポリアミド(B)は、ポリアミド(b1)又はポリアミド(b2)のいずれかのみであってもよいし、ポリアミド(b1)及びポリアミド(b2)の組み合わせであってもよい。
例えば、脂肪族ポリアミド(B)としては、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10、ポリアミド10,10及びポリアミド10,12からなる群より選択されるいずれか一種以上が好ましい。
本発明の好ましい実施態様では、工業用ポリアミドフィルムのポリアミド材料としては、半芳香族ポリアミド(A)及び脂肪族ポリアミド(B)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミドを、工業用ポリアミドフィルムの構成材料の合計質量に対して50質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
本発明の好ましい実施態様では、工業用ポリアミドフィルムのポリアミド材料として、半芳香族ポリアミド(A)と脂肪族ポリアミド(B)からそれぞれ1種以上を選択し、任意の割合でブレンドして用いることができる。
例えば、ポリキシリレンアジパミドとポリアミド6のブレンド、ポリキシリレンセバカミドとポリアミド6のブレンド、ポリキシリレンセバカミドとポリアミド11のブレンド、ポリキシリレンアジパミドとポリキシリレンセバカミドとポリアミド11のブレンドなどは特に好適に用いることができる。
工業用ポリアミドフィルムを構成するポリアミド以外の成分としては、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリマー材料の他、着色剤、可塑剤、熱安定剤などの添加剤が挙げられる。
本発明の保存方法によって保存される工業用ポリアミドフィルムは、ポリアミド材料及び必要に応じて添加剤を混合し製膜した後、コアにロール状に巻き取り、フィルムロールの形態で保存される。工業用ポリアミドフィルムは、単層のみならず、ポリアミド材料や添加剤の種類及び配合比が異なる2層以上が積層していてもよい。
本発明の保存方法によって保存可能な工業用ポリアミドフィルムのフィルムロールのサイズは特に制限されない。本発明の保存方法によれば、幅200mm〜2000mmの範囲の大型のフィルムロールであっても、形状変化やフィルム同士の密着を抑制しながら良好な状態で保存することができる。
本発明の保存方法は、特にポリアミド層のみからなる工業用ポリアミドフィルムの保存に好適に用いられる。ポリアミド層のみからなる工業用ポリアミドフィルムは、特に形状変化やフィルム同士の密着が生じ易いが、本発明の好ましい態様によれば、本発明の保存方法を用いることにより、形状変化やフィルム同士の密着を抑制して使用時まで良好な状態で保存することができる。
また、本発明の保存方法は、ポリアミド層のみからなる工業用ポリアミドフィルムの保存のみならず、本発明のポリアミド層にさらに吸湿しやすい他の樹脂の層を積層した多層フィルムにも用いられる。吸湿しやすい他の樹脂として、アイオノマー、ポリビニルアルコール、ポリエステル、グリコール変性コポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン―ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン―メタクリル酸共重合体、これらの金属蒸着フィルムが挙げられる。これらの中でも特に、ポリアミド層とエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)層を含む積層体の保存に最適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例等における各種評価及び測定は下記の方法により行った。
[1]包装容器内の圧力(内部圧力)
図1は、実施例及び比較例における包装容器内の圧力の測定方法を説明するための模式図である。図1に示すとおり、包装容器1内に、ポリアミドフィルムをコア2に巻き付けて得られるフィルムロール3が密封されている。穴の拡大を防止するため包装容器1にゴムシート4(亜木津工業株式会社製のCR(クロロプレンゴム)シート、テープ付、厚さ2mm)を貼り付け、ゴムシート4の上から包装容器1を貫通してコア2の芯の中に圧力計5(旭計器工業株式会社製のデジタル圧力計、圧力レンジ−0〜200kPa abs)を挿入して、7日間保存後の包装容器内の圧力を測定した。なお、フィルムロールの保存開始から7日後には包装容器内の圧力はほぼ一定状態に安定化するため、ここでは7日間保存後の包装容器内の圧力を保存期間中の包装容器内の圧力として測定した。
[2]包装容器外の圧力(外部圧力)
包装容器外の圧力は包装容器内の圧力を測定したものと同じ圧力計にて、そのまま測定した。
[3]包装容器内の温度及び湿度(内部湿度)
温度・湿度計(株式会社藤田電機製作所社製、「WATCH LOGGER 295U」)を包装容器内に入れて密閉し、梱包時及び保存時の包装容器内の温度及び湿度を測定した。
[4]包装容器内の照度
データロガ付きデジタル照度計(株式会社FUSO社製、「YK−2005LX」、分解能0.1lx)を包装容器内に入れて密閉し、包装容器内の照度を測定した。
[5]コア水分率
25℃において、コア1.0gを切り出して試験片とし、測定機器の設定温度を120℃とし、検出開始までの待機時間を0秒とし、測定時間を30分間として、カール・フィッシャー法により試験片の水分量を測定した。ブランクとして試料量0gに対して同条件で水分量を測定した。次式により、コア水分率を計算した。
コア水分率=((試験片の水分量)―(ブランクの水分量))/(試験片の質量)
単位は、質量%である。
測定機器としては、カールフィッシャー法の水分計(三菱化学アナリテック社製微量水分測定装置「CA−200」)と、三菱化学アナリテック社製の水分気化装置(サンプルチェンジャー付き)「VA−236S」を用いた。
[6]フィルムの形状変化
目視にて一年間保存後のフィルムの形状変化を評価した。評価基準は以下のとおりとした。
A:梱包時と変化なし
B:一部シワ有り
C:広い範囲でシワ有り
[7]フィルムの操作性
一年間保存後のフィルムの操作性を評価した。評価基準は以下のとおりとした。なお、シワが生じたり、フィルム同士が密着したりする場合を使用不可とした。
A:フィルム全て使用可能
B:一部使用不可
C:全体的に使用不可
[8]フィルムの着色
目視にて一年間保存後のフィルムの着色を評価した。評価基準は以下のとおりとした。
A:なし
B:やや有り
C:顕著に有り
<ポリアミドMPXD10(MPXD10)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置及び窒素導入管、ストランドダイを備えた内容積50リットルの反応容器に、精秤したセバシン酸8950g(44.25mol)、次亜リン酸カルシウム12.54g(0.074mol)、酢酸ナトリウム6.45g(0.079mol)を秤量して仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.4MPaに加圧し、撹拌しながら20℃から190℃に昇温して55分間でセバシン酸を均一に溶融した。次いでメタキシリレンジアミン4172g(30.63mol)とパラキシリレンジアミン1788g(13.13mol)の混合ジアミンを撹拌下で滴下した。この間、反応容器内温は293℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.42MPaに制御し、生成水は分縮器及び冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。混合ジアミン滴下終了後、反応容器内圧力0.42MPaにて20分間重縮合反応を継続した。この間、反応容器内温は296℃まで上昇させた。その後、30分間で反応容器内圧力を0.42MPaから0.12MPaまで減圧した。この間に内温は298℃まで昇温した。その後0.002MPa/分の速度で減圧し、20分間で0.08MPaまで減圧し、分子量1,000以下の成分量を調整した。減圧完了時の反応容器内の温度は301℃であった。その後、系内を窒素で加圧し、反応容器内温度301℃、樹脂温度301℃で、ストランドダイからポリマーをストランド状に取出して20℃の冷却水にて冷却し、これをペレット化し、約13kgのポリアミドを得た。融点は213℃であった。
<その他のポリアミド>
ポリアミドMXD6(MXD6):三菱ガス化学株式会社製、ポリメタキシリレンアジパミド樹脂、グレード MXナイロン S6007、融点:237℃
ポリアミド6(PA6):宇部興産株式会社製、グレード1022B、融点:224℃
ポリアミド66(PA66):東レ株式会社製、CM3001N、融点265℃
ポリアミド11(PA11):アルケマ株式会社製、BMV O TLD、融点189℃)
実施例1
MXD6を用いて、以下の方法によりフィルムを製造した。
真空乾燥機により乾燥させたポリアミドMXD6を、直径30mmのスクリューを有する単軸押出機にて溶融押出しし、1200mm幅のTダイを介して押出成形し、表面に凹凸状シボを設けたステンレス製の対ロールにより、ロール温度70℃、ロール圧0.4MPaで加圧して、フィルム表面にシボを有するフィルムを成形した。
得られたポリアミドフィルムの平均厚さは50μmであった。
得られたポリアミドフィルムをポリプロピレン製プラスチックコアに巻き付けてフィルムロールとした後約15〜20分以内に湿度30%RHの環境下でアルミ蒸着袋(コスモ化成工業株式会社製、バリテック P−3(PETフィルム+アルミ箔とポリエチレンクロスから成るフィルム))に梱包し、ヒートシーラー(富士インパルス株式会社製)により、蒸着袋のポリエチレン層が重なりあうようにヒートシールして密封し、倉庫内(神奈川県平塚市)で、常温常圧で保存した。
実施例2
MXD6に代えてMPXD10を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
実施例3
MXD6に代えてPA6を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
実施例4
MXD6に代えてPA66を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
実施例5
MXD6に代えてMXD6/PA6=10/90(質量比)の混合樹脂を用いた以外は実施例1と同様に実施した。MXD6とPA6の混合はドライブレンドにて実施した。
実施例6
MXD6に代えてMPXD10/PA6=20/80(質量比)の混合樹脂を用いた以外は実施例1と同様に実施した。MXD6とPA6の混合はドライブレンドにて実施した。
実施例7
MXD6に代えてMXD6/MPXD10=80/20(質量比)の混合樹脂を用いた以外は実施例1と同様に実施した。MXD6とPA6の混合はドライブレンドにて実施した。
実施例8
MXD6に代えてPA11を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
実施例9
得られたフィルムをポリプロピレン製プラスチックコアに巻き付けてフィルムロールとし、ポリエチレン袋(三鬼化成株式会社製、ポリシート(0.05mm厚))に梱包し、ヒートシーラー(富士インパルス株式会社製)により、袋のポリエチレン層が重なりあうようにヒートシールして密封し、倉庫内(神奈川県平塚市)で、常温常圧で保存した以外は実施例1と同様に実施した。
実施例10
得られたフィルムを、巻取体の体積の約0.5倍の余剰な乾燥空気と共に密閉した以外は実施例1と同様に実施した。なお、余剰な乾燥空気は、包装容器を大きくすることにより導入したため、内部圧力は実施例1と同じであった。
実施例11
得られたフィルムを紙製コアに巻き付けてフィルムロールとした以外は実施例1と同様に実施した。
比較例1
得られたフィルムを湿度90%RH環境下で密封した以外は実施例1と同様に実施した。
比較例2
包装容器内の圧力が93kPaで保存した以外は実施例1と同様に実施した。
実施例1〜11の結果を表1に、比較例1及び2の結果を表2にそれぞれ示す。
表1に示されるとおり、本発明の保存方法により保存したポリアミドフィルムは、一年間保存後も形状変化やフィルム同士の密着が生じなかった(実施例1〜11)。また、アルミ蒸着袋を用いた実施例1〜8、10及び11ではフィルムの着色も防止することができた。
一方、梱包時の湿度が50%RHを超える比較例1では、形状変化及びフィルム同士の密着が生じた。また、梱包時の温度と一定期間保存後の温度に差があり、内部圧力が、外部圧力(kPa)−5kPaを下回る場合には、形状変化及びフィルム同士の密着が顕著であった(比較例2)。
本発明の保存方法によれば、工業用ポリアミドフィルムを形状変化やフィルム同士の密着が生じないように保存することができる。
1 包装容器
2 コア
3 フィルムロール
4 ゴムシート
5 圧力計

Claims (8)

  1. 工業用ポリアミドフィルムの保存方法であって、工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取り、内部圧力(kPa)が外部圧力(kPa)−5kPa以上であり、内部湿度が50%RH未満である包装容器内に密封して保存することを特徴とする、方法。
  2. コアがプラスチックコアである、請求項1に記載の方法。
  3. 包装容器内の照度が0.1lx以下である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取ってから60分以内に包装容器内に密封して保存する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工業用ポリアミドフィルムを包装容器内に密封して保存するときの工業用ポリアミドフィルムの温度が室温−5℃以上、室温+10℃以下である、請求項4に記載の方法。
  6. 工業用ポリアミドフィルムを製膜後、コアにロール状に巻き取り、次式:
    V1≧(T1/T2)V2
    [式中、V1は、包装容器の容積であり、T1は、保存中の包装容器内の気体の最低温度であり、T2は、包装容器内に工業用ポリアミドフィルムを密封するときの包装容器内の気体の温度であり、V2は包装容器内の工業用ポリアミドフィルムとコア(内部を含む)とを合わせた容積である。]を満たすように余剰ガスと共に包装容器内に密封して保存する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 余剰ガスが、乾燥空気又は不活性ガスである、請求項6に記載の方法。
  8. 工業用ポリアミドフィルムが、半芳香族ポリアミド(A)及び脂肪族ポリアミド(B)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミドを含み、
    半芳香族ポリアミド(A)が、キシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含むジアミン単位と、炭素数4〜20のα、ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含むポリアミドであり、
    脂肪族ポリアミド(B)が、炭素数6〜12のラクタム由来の構成単位及び炭素数6〜12のアミノカルボン酸由来の構成単位の少なくとも一方を含むポリアミド(b1)及び炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来の構成単位及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を含むポリアミド(b2)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミドである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
JP2016171686A 2016-09-02 2016-09-02 工業用ポリアミドフィルムの保存方法 Active JP7211692B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016171686A JP7211692B2 (ja) 2016-09-02 2016-09-02 工業用ポリアミドフィルムの保存方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016171686A JP7211692B2 (ja) 2016-09-02 2016-09-02 工業用ポリアミドフィルムの保存方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018035315A true JP2018035315A (ja) 2018-03-08
JP7211692B2 JP7211692B2 (ja) 2023-01-24

Family

ID=61567158

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016171686A Active JP7211692B2 (ja) 2016-09-02 2016-09-02 工業用ポリアミドフィルムの保存方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7211692B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62268630A (ja) * 1986-05-16 1987-11-21 Shin Etsu Polymer Co Ltd フイルム包装体
JPH1110812A (ja) * 1997-06-19 1999-01-19 Asahi Chem Ind Co Ltd パラ系アラミドフィルムロール
JP2001063877A (ja) * 1999-08-26 2001-03-13 Muraoka Tekkosho:Kk フィルムの巻取方法及び巻取装置
JP2001106438A (ja) * 1999-10-04 2001-04-17 Toyobo Co Ltd ポリエステルフィルムロール及びその梱包体
JP2002308343A (ja) * 2001-04-09 2002-10-23 Kuraray Co Ltd 包装用材料及びフィルム巻取体
JP2010163189A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Mitsubishi Plastics Inc 高分子フィルムロール梱包体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62268630A (ja) * 1986-05-16 1987-11-21 Shin Etsu Polymer Co Ltd フイルム包装体
JPH1110812A (ja) * 1997-06-19 1999-01-19 Asahi Chem Ind Co Ltd パラ系アラミドフィルムロール
JP2001063877A (ja) * 1999-08-26 2001-03-13 Muraoka Tekkosho:Kk フィルムの巻取方法及び巻取装置
JP2001106438A (ja) * 1999-10-04 2001-04-17 Toyobo Co Ltd ポリエステルフィルムロール及びその梱包体
JP2002308343A (ja) * 2001-04-09 2002-10-23 Kuraray Co Ltd 包装用材料及びフィルム巻取体
JP2010163189A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Mitsubishi Plastics Inc 高分子フィルムロール梱包体

Also Published As

Publication number Publication date
JP7211692B2 (ja) 2023-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6939811B2 (ja) 易裂性アルミ蒸着二軸延伸フィルム
US10899527B2 (en) Method and container for storage and transport of polyamide granulates and correspondingly stored or transported polyamide granulate and also moulded articles produced therefrom
JP6409775B2 (ja) 多層構造体
EP3238937B1 (en) Multilayer hollow molded body
JP6500778B2 (ja) 多層構造体
TW202120299A (zh) 雙軸延伸聚醯胺膜、積層體以及包裝袋
JP6493638B1 (ja) 易裂性フィルム、多層フィルム、包装材料および容器
JP6708125B2 (ja) 中空容器及び中空容器の製造方法
WO2014168059A1 (ja) 多層構造体
JP2015147318A (ja) ガス保持体
JP2018035315A (ja) 工業用ポリアミドフィルムの保存方法
JP2006131890A (ja) ポリアミド樹脂組成物及びポリアミドフィルム
JP2019059122A (ja) 多層フィルム及び包装体
WO2022219988A1 (ja) 燃料用中空構造体
JP6136490B2 (ja) 多層構造体
CN117440889A (zh) 燃料用中空结构体
JP6136489B2 (ja) 多層構造体
CN102325706B (zh) 保存方法
JP2004182238A (ja) 酸素吸収性樹脂組成物及び成形品の保存方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210421

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210421

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210513

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210518

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20210611

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20210615

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220712

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20221004

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20221213

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20230110

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7211692

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150