JP2018035228A - ポリエステル樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】高屈折率、低複屈折及び高耐熱性を具備するポリエステル樹脂及びその製造方法の提供。【解決手段】式(1)で表される繰り返し単位を全単位中70mol%以上含むポリエステル樹脂。(R1〜12は夫々独立に、H、ハロゲン、又は、芳香族基を含んでも良いC1〜12の炭化水素基;XはC1〜20のアルキレン基、C1〜20のアルコキシ基、C1〜20のアルコキシレン基;C4〜20のシクロアルキレン基又はC4〜20シクロアルコキシレン基)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、高屈折率、低複屈折および高耐熱性を具備するポリエステル樹脂及びその製造方法に関する。
カメラ、フィルム一体型カメラ、ビデオカメラ等の各種カメラの光学系に使用される光学レンズの材料として、光学ガラスあるいは光学用透明樹脂が使用されている。光学ガラスは、耐熱性、透明性、寸法安定性、耐薬品性等に優れるが、材料コストが高く、成形加工性が悪く、生産性が低いという問題点を有している。
一方、光学用樹脂からなる光学レンズは、射出成形により大量生産が可能であるという利点を有しており、カメラレンズ用高屈折率材料としてポリカーボネート樹脂等が使用されている。しかしながら、近年、製品の軽薄短小化により、高い屈折率の樹脂の開発が求められている。一般に光学材料の屈折率が高いと、同一の屈折率を有するレンズエレメントを、より曲率の小さい面で実現できるため、この面で発生する収差量を小さくでき、レンズの枚数を減らしたり、レンズの偏光感度を低減したり、レンズ厚みを薄くして軽量化することが可能になる。
光学用樹脂を光学レンズとして用いる場合、屈折率やアッベ数以外にも、耐熱性、透明性、低吸水性、耐薬品性、低複屈折率、耐湿熱性が求められる。そのため、樹脂の特性バランスによって使用箇所が限定されるという弱点がある。特に近年、画素数の向上による解像度のアップに伴い結像性能の高い、より複屈折の低い光学用樹脂が求められている。
複屈折を小さくする方法として、特許文献1には、内部回転異性性を付与しうる結合軸で結合し、該結合軸に対し少なくとも一方のアリール基のπ電子数が4n+6(nは自然数)であるビアリール化合物をモノマー成分として含む樹脂組成物が開示されている。しかしながら、共重合するジカルボン酸成分として、複屈折の大きいテレフタル酸ジメチルエステルを使用しているため、光学レンズ用樹脂として使用するには複屈折が大きいという課題があった。また、2,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1、1’−ビナフチルおよびエチレングリコールを使用しているため、耐熱性に劣るという課題があった。さらに、高温の溶融重合法のため、樹脂色相に劣るという課題もあった。
特開2001−72872号公報
そこで本発明の目的は、高屈折率、低複屈折および高耐熱性を具備するポリエステル樹脂およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らはこの目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、下記ポリエステル樹脂およびその製造方法によって、上記課題を解決することができることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
1.下記式(1)で表される単位を全単位中70mol%以上含むポリエステル樹脂。
Figure 2018035228
(式中、R〜R12は夫々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜12の芳香族基を含んでいても良い炭化水素基を示す。Xは炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数1〜20のアルコキシレン基、炭素原子数4〜20のシクロアルキレン基、炭素原子数4〜20のシクロアルコキシレン基を示す。)
2.式(1)中のXが炭素原子数2〜4のアルキレン基である前記1に記載のポリエステル樹脂。
3.屈折率が1.653〜1.670である前記1または2に記載のポリエステル樹脂。
4.ガラス転移温度が130〜160℃である前記1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
5.芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ水溶液と脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の有機溶剤溶液とを界面重合により反応させる前記1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
6.前記1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂からなる光学部材。
7.前記1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂からなる光学レンズ。
本発明の熱可塑性樹脂は、高屈折率、低複屈折率および高耐熱性を具備するためその奏する産業上の効果は、格別である。
図1は、実施例3で得られたポリエステル樹脂のプロトンNMRである。
本発明をさらに詳しく説明する。
本発明のポリエステル樹脂は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を70mol%以上含むことが必要である。
前記一般式(1)において、Xは炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数1〜20のアルコキシレン基、炭素原子数4〜20のシクロアルキレン基、炭素原子数4〜20のシクロアルコキシレン基を示し、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキレン基を示し、さらに好ましくは、炭素原子数2〜4のアルキレン基を示す。
前記一般式(1)で表される繰り返し単位は、全繰り返し単位中の70mol%以上、好ましくは80mol%以上、より好ましくは90mol%以上である。この範囲にあると高屈折率且つ低複屈折であり好ましい。
前記一般式(1)において1,1’−ビナフチル骨格は、ポリエステル樹脂の耐熱性と屈折率を向上させるとともに、二つのナフタレン環を結ぶ結合軸で直交するような立体配座になっているため、複屈折を低減させる効果がある。
1,1’−ビナフチル骨格は、置換基で置換されていても良く、また置換基同士で縮環
していてもよい。置換基としては、種々のものが挙げられ特に制限はないが、代表的には
、アルキル、アリール等が挙げられる。上記アルキル基としては、炭素数1〜12のもの
が好ましく、直鎖でも分岐でも良い。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビ
フェニル基等が挙げられる。
また、ビナフチル骨格は、R体、S体、ラセミ体のいずれでも良く、好ましくは、ラセ
ミ体が良い。光学分割する必要のないラセミ体はコストメリットがある。
本発明のポリエステル樹脂は、ビナフチル骨格の中でも1,1’−ビ−2−ナフトール(以下、BINOLと省略することがある)を使用することが好ましい。BINOLを使用することで、前記に記載の光学特性に加え、低コストで、色相に優れる樹脂が得られる。例えば、特許文献1には2,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフチル(以下、BINOL−EOと省略することがある)が光学特性、成形性の面から好ましいとの記載があるが、BINOL−EOはBINOLにエチレンオキサイドやエチレンカーボネートを付加して得られるため、合成ステップが増えコストが高いという欠点がある。さらに、BINOL−EOは、アルカリ水溶液に溶解しないため、界面重合法は使用できず、熱履歴のより大きい溶融重合法しか製造できない。
本発明のポリエステル樹脂の25℃で測定した波長589nmの屈折率(以下nDと略すことがある)は、1.653〜1.670であることが好ましく、1.655〜1.670であるとより好ましく、1.657〜1.670であるとよりいっそう好ましい。屈折率が下限以上の場合、レンズの球面収差を低減でき、さらにレンズの焦点距離を短くする事ができる。
本発明のポリエステル樹脂は、ガラス転移点(以下Tgと略すことがある)が130〜160℃であることが好ましく、135〜160℃であるとより好ましく、140〜160℃であるとよりいっそう好ましい。ガラス転移点が上記範囲内であると、耐熱性と成形性のバランスに優れるため好ましい。
nDとTgが上記範囲内であると、高屈折率、低複屈折に加えて、さらに耐熱性と成形
性のバランスに優れるため好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の比粘度は、0.12〜0.40であることが好ましく、0.15〜0.35であるとさらに好ましく、0.18〜0.30であるとよりいっそう好ましい。比粘度が上記範囲内であると成形性と機械強度のバランスに優れるため好ましい。
本発明のポリエステル樹脂のアッベ数(ν)は、25℃で測定した波長486nm、589nm、656nmの屈折率から下記式を用いて算出する。
ν=(nD−1)/(nF−nC)
なお、本発明においては、
nD:波長589nmでの屈折率、
nC:波長656nmでの屈折率、
nF:波長486nmでの屈折率を意味する。
本発明のポリエステル樹脂は、成形した試験片を二枚の偏光板の間に挟み、直交ニコル法で光漏れを観察し、光漏れがないことが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、1mm厚の全光線透過率が、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは88%以上である。全光線透過率が上記範囲内であると、光学部材として適している。
本発明のポリエステル樹脂は、23℃、24時間浸漬後の吸水率が0.25%以下であると好ましく、0.20%以下であるとより好ましい。吸水率が上記範囲内であると、吸水による光学特性の変化が小さいため好ましい。
具体的な原料について以下で説明する。
<一般式(1)のジカルボン酸成分>
ジカルボン酸成分は主として、下記式(a)で表されるジカルボン酸、またはそのエステル形成性誘導体が好ましく用いられる。
Figure 2018035228
本発明の一般式(1)の原料となるジカルボン酸の上記一般式(a)において、Xは炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数1〜20のアルコキシレン基、炭素原子数4〜20のシクロアルキレン基、炭素原子数4〜20のシクロアルコキシレン基を示す。
以下、一般式(a)で表されるジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の代表的
具体例を示すが、本発明の一般式(1)に用いられる原料としては、それらによって限定
されるものではない。
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、3−メチルグルタル酸、3,3ジメチルグルタル酸シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等が挙げられ、これらの中でも、一般式(a)における炭素原子数2〜4である、コハク酸、グルタル酸およびアジピン酸が特に好ましい。これらジカルボン酸はエステル、酸無水物、酸ハロゲン化物等の誘導体として用いても良い。また、これらは単独または二種類以上組み合わせて用いても良い。上記ジカルボン酸を使用する場合、芳香環を含むジカルボン酸を使用する場合に比べ、成形性が良好であるため好ましい。
<一般式(1)のジオール成分>
一般式(1)に用いられるジオール成分は、下記式(2)で表されるジオール成分である。式(2)中、R〜R12は夫々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜12の芳香族基を含んでいても良い炭化水素基であり、水素原子、メチル基、フェニル基、ナフチル基であるとより好ましく、R〜R12がすべて水素原子である1,1’−ビ−2−ナフトールであるとよりいっそう好ましい。
Figure 2018035228
<一般式(1)以外の共重合成分>
本発明のポリエステル樹脂は、本発明の特性を損なわい程度に他のジオール成分を共重合してもよい。他のジオール成分は、全繰り返し単位中30mol%未満が好ましい。
その他のジオール成分として、ヒドロキノン、レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビフェノール、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、1,1−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アントロン等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂は、1,1’−ビ−2−ナフトール等のジオール成分と前述の(a)で示されるジカルボン酸、またはそのエステル形成性誘導体をエステル化反応もしくはエステル交換反応させ、得られた反応生成物を重縮合反応させ、所望の分子量の高分子量体とすればよい。
重合方法としては、直接重合法、エステル交換法等の溶融重合法、溶液重合法、界面重合法等の公知の方法から適宜の方法を選択して製造できるが、熱履歴の少ない界面重合法が特に好ましい。
具体的には、例えば、界面重合法を用いた場合、ジカルボン酸クロリドを水と相溶しない有機溶媒に溶解させた溶液(有機相)を、芳香族ジオールおよび重合触媒を含むアルカリ水溶液(水相)に混合し、50℃以下、好ましくは25℃以下の温度で0.5〜8時間撹拌しながら重合反応を行う方法が挙げられる。
有機相に用いる溶媒としては、水と相溶せず本発明のポリエステル樹脂を溶解する溶媒が好ましい。そのような溶媒としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素系溶媒が挙げられ、製造上使用しやすいことから、塩化メチレンが好ましい。
水相に用いるアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の水溶液が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂を製造する際に、分子量調整や熱安定性向上のため、末端封止剤を使用しても良い。末端封止剤としては、一価フェノール、一価酸クロライド、一価アルコール、一価カルボン酸が挙げられる。一価フェノールとしては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール〔PTBP〕、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2−フェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。一価酸クロライドとしては、例えば、ベンゾイルクロライド、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメート等が挙げられる。一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等が挙げられる。一価カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸等が挙げられる。中でも、反応性や熱安定性が高いことから、PTBPが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂を製造する際に、樹脂の色相を良くするため、酸化防止剤を使用しても良い。酸化防止剤としては、例えば、ハイドロサルファイトナトリウム、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン、トコフェノール、ブチルヒドロキシアニソールが挙げられ、速やかに水溶することから、ハイドロサルファイトナトリウムが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂を製造する際に使用する重合触媒としては、例えば、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライド等の第四級アンモニウム塩や、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムハライド、トリメチルベンジルホスホニウムハライド、トリエチルベンジルホスホニウムハライド等の第四級ホスホニウム塩が挙げられる。中でも、高分子量で低末端酸価のポリマーを得ることができることから、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムハライドが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができ、樹脂組成物として用いることもできる。
本発明のポリエステル樹脂は、射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、溶融押出成形、溶融押出製膜、キャスティング製膜等の任意の方法により成形、加工することができ、
光ディスク、透明導電性基板、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、レンズ、プリズム、光学膜、基盤、光学フィルター、ハードコート膜等の光学部材として好適である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
(1)樹脂組成:重合終了後に得られた樹脂を日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRを用いて測定した。
(2)屈折率(nD)、アッベ数(ν):重合後に得られた樹脂を(株)神藤金属工業所製真空圧縮成形機SFV−10にて、真空熱プレスし、1mm厚の試験片を作成した。金型温度は樹脂のガラス転移温度+30℃とした。作成した試験片をATAGO製DR−M2のアッベ屈折計を用いて、25℃における屈折率(波長:589nm)及びアッベ数を測定した。
(3)光学歪み:(2)で作成した試験片を二枚の偏光板の間に挟み直交ニコル法で後ろからの光漏れを目視することにより光学歪み評価した。評価は以下の基準で行った。
○:光漏れがない。
×:光漏れがある。
(4)ガラス転移温度(Tg):重合終了後に得られた樹脂を島津製作所製DSC−60Aにより、昇温速度20℃/minで測定した。
(5)熱分解温度測定(Td):重合終了後に得られた樹脂を島津製作所製DTG−60Aにより、昇温速度20℃/minで測定した。試験サンプルの重量が5%減少した温度を熱分解温度(Td)とした。
(6)比粘度:重合終了後に得られた樹脂を十分に乾燥し、該樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、その溶液の20℃における比粘度(ηsp)を測定した。
実施例1
温度計、撹拌機の付いた反応器に、窒素フロー下、48%水酸化ナトリウム水溶液951部およびイオン交換水10,373部を仕込み、これに1,1−ビ−2−ナフトール(以下、BINOLと省略することがある)1,000部、およびハイドロサルファイト2部、テトラブチルアンモニウムブロミド12部を溶解した後、撹拌下、10〜20℃で、コハク酸クロリド785部を塩化メチレン6,234部に溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリエステル樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を温水に滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリエステル樹脂をフレーク化した。その後、ポリエステル樹脂を105℃で12時間乾燥した。該ポリエステル樹脂を用いて、樹脂組成、屈折率、複屈折、ガラス転移温度、熱分解温度を評価し、結果を表1に示した。
実施例2
温度計、撹拌機の付いた反応器に、窒素フロー下、48%水酸化ナトリウム水溶液605部およびイオン交換水10,373部を仕込み、これにBINOL1,000部、およびハイドロサルファイト2部、テトラブチルアンモニウムブロミド12部を溶解した後、撹拌下、10〜20℃で、コハク酸クロリド276部、アジピン酸クロリド326部を塩化メチレン6,234部に溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリエステル樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を温水に滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリエステル樹脂をフレーク化した。その後、105℃で12時間乾燥した。該ポリエステル樹脂を用いて、樹脂組成、屈折率、複屈折、ガラス転移温度、熱分解温度を評価し、結果を表1に示した。
実施例3
温度計、撹拌機の付いた反応器に、窒素をフロー下、48%水酸化ナトリウム水溶液605部およびイオン交換水10,373部を仕込み、これにBINOL1,000部、およびハイドロサルファイト2部、テトラブチルアンモニウムブロミド12部を溶解した後、撹拌下、10〜20℃で、アジピン酸クロリド652部を塩化メチレン6,234部に溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリエステル樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を温水に滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリエステル樹脂をフレーク化した。その後、ポリエステル樹脂を105℃で12時間乾燥した。該ポリエステル樹脂を用いて、樹脂組成、屈折率、複屈折、ガラス転移温度、熱分解温度を評価し、結果を表1に示した。
実施例4
温度計、撹拌機の付いた反応器に、窒素をフロー下、48%水酸化ナトリウム水溶液595部およびイオン交換水10,209部を仕込み、これにBINOL950部、ビスクレゾールフルオレン(以下、BCFと省略することがある)50部およびハイドロサルファイト2部、テトラブチルアンモニウムブロミド12部を溶解した後、撹拌下、10〜20℃で、アジピン酸クロリド642部を塩化メチレン6,136部に溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリエステル樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を温水に滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリエステル樹脂をフレーク化した。その後、ポリエステル樹脂を105℃で12時間乾燥した。該ポリエステル樹脂を用いて、樹脂組成、屈折率、複屈折、ガラス転移温度、熱分解温度を評価し、結果を表1に示した。
比較例1
温度計、撹拌機の付いた反応器に、窒素をフロー下、48%水酸化ナトリウム水溶液463部およびイオン交換水7,943部を仕込み、これにBINOL50部、BCF950部およびハイドロサルファイト2部、テトラブチルアンモニウムブロミド9部を溶解した後、撹拌下、10〜20℃で、アジピン酸クロリド499部を塩化メチレン4,774部に溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリエステル樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を温水に滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリエステル樹脂をフレーク化した。その後、ポリエステル樹脂を105℃で12時間乾燥した。該ポリエステル樹脂を用いて、樹脂組成、屈折率、複屈折、ガラス転移温度、熱分解温度を評価し、結果を表1に示した。
比較例2
特開2001−72872号公報の実施例に記載の方法で、ポリエステル樹脂(1−B)を得た。該ポリエステル樹脂を用いて、樹脂組成、屈折率、複屈折、ガラス転移温度、熱分解温度を評価し、結果を表1に示した。
比較例3
特開2001−72872号公報の実施例に記載の方法で、ポリエステル樹脂(1−D)を得た。該ポリエステル樹脂を用いて、樹脂組成、屈折率、複屈折、ガラス転移温度、熱分解温度を評価し、結果を表1に示した。
Figure 2018035228
SCl:コハク酸クロリド
ACl:アジピン酸クロリド
DMT:テレフタル酸ジメチルエステル
CHDM:1,4−シクロヘキサンカルボン酸ジメチルエステル
BINOL:1,1’−ビ−2−ナフトール
BINOL−EO:2,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1、1’−ビナフチル
EG:エチレングリコール
実施例1〜4で得られたポリエステル樹脂は、高屈折率でありながら低複屈折である。これに対して、比較例1〜3のポリエステル樹脂は屈折率が低い。さらに、比較例2のポリエステル樹脂はテレフタル酸ジメチルを多量に含むため、光学歪みが大きい。比較例3のポリエステル樹脂はガラス転移点が低いため、耐熱性に劣る。
本発明のポリエステル樹脂は、光ディスク、透明導電性基板、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、レンズ、プリズム、光学膜、基盤、光学フィルター、屈折率調整層、ハードコート膜等の光学部材として好適で、特に光学レンズに好適である。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される単位を全単位中70mol%以上含むポリエステル樹脂。
    Figure 2018035228
    (式中、R〜R12は夫々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜12の芳香族基を含んでいても良い炭化水素基を示す。Xは炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数1〜20のアルコキシレン基、炭素原子数4〜20のシクロアルキレン基、炭素原子数4〜20のシクロアルコキシレン基を示す。)
  2. 式(1)中のXが炭素数2〜4のアルキレン基である請求項1に記載のポリエステル樹脂。
  3. 屈折率が1.653〜1.670である請求項1または2に記載のポリエステル樹脂。
  4. ガラス転移温度が130〜160℃である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  5. 芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ水溶液と脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の有機溶剤溶液とを界面重合により反応させる請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂からなる光学部材。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂からなる光学レンズ。
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