JP2018035206A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性及び滑り性に優れるゴム組成物が得られるゴム組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】クロロプレンゴムを含むジエン系ゴム100質量部と超高分子量ポリエチレン12〜50質量部とを上記超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合することでゴム組成物前駆体を得る第1混合工程と、上記ゴム組成物前駆体と加硫剤とを混合することでゴム組成物を得る、第2混合工程とを備える、ゴム組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物の製造方法に関する。
従来、建設機械等に用いられるホース(例えば、油圧ホース)の製造には、燃焼時に不活性ガスを発生するクロロプレンゴムなどのハロゲン系ゴムを含有するゴム組成物が使用されている。ここで、建設機械等に用いられるホースは地面の上を引きずることがあるため、滑り性に優れることが求められる。
このようななか、上記ホースの製造に使用されるゴム組成物として、例えば、特許文献1に、クロロプレンゴムと超高分子量ポリエチレン粉末とを含有するゴム組成物が開示されている(請求項等)。
特開2014−009333号公報
昨今、量産等の観点から、ゴム組成物に対して、一層の加工性の向上が求められている。本発明者は、特許文献1の実施例を参考に、クロロプレンゴムを含むジエン系ゴムと超高分子量ポリエチレンであるミペロンXM−200(融点:136℃)とを混合し、150℃で放出してから(混合放出温度:150℃)、加硫剤を混合することでゴム組成物を製造したところ、得られたゴム組成物は、滑り性には優れるものの、加工性については昨今要求されているレベルを必ずしも満たすものではないことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、加工性及び滑り性に優れるゴム組成物が得られるゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、クロロプレンゴムを含むジエン系ゴムと超高分子量ポリエチレンゴムとを、超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合することで上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) クロロプレンゴムを含むジエン系ゴム100質量部と、超高分子量ポリエチレン12〜50質量部とを、上記超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合することで、ゴム組成物前駆体を得る、第1混合工程と、
上記ゴム組成物前駆体と加硫剤とを混合することで、ゴム組成物を得る、第2混合工程とを備える、ゴム組成物の製造方法。
(2) 上記ジエン系ゴムが、さらに、スチレンブタジエンゴムを含む、上記(1)に記載のゴム組成物の製造方法。
(3) 上記超高分子量ポリエチレンが、平均粒子径が5〜180μm、且つ、平均分子量が1,000,000以上の超高分子量ポリエチレンである、上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物の製造方法。
(4) 上記第1混合工程における混合、及び/又は、上記第2混合工程における混合が、2本のローターを備える密閉式混合機を用いた混合である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
(5) 上記ゴム組成物が、ホース用ゴム組成物である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
以下に示すように、本発明によれば、加工性及び滑り性に優れるゴム組成物が得られるゴム組成物の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明のホースの好適な実施形態の一例についてホースの各層を切り欠いて示した斜視図である。 図2は、本発明のホースの好適な実施形態の別の例についてホースの各層を切り欠いて示した斜視図である。
以下に、本発明のゴム組成物の製造方法、及び、本発明のホースについて説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[ゴム組成物の製造方法]
本発明のゴム組成物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」とも言う)は、下記第1混合工程及び第2混合工程を備える。
(1)第1混合工程
クロロプレンゴムを含むジエン系ゴム100質量部と、超高分子量ポリエチレン12〜50質量部とを、上記超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合することで、ゴム組成物前駆体を得る工程
(2)第2混合工程
第1混合工程で得られたゴム組成物前駆体と加硫剤とを混合することで、ゴム組成物を得る工程
本発明の製造方法はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えらえる。その理由は明らかではないが、ジエン系ゴムと超高分子量ポリエチレンとを、超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合することで、両者の絡み合いが抑えられ、結果、組成物の粘性の上昇が抑えられるためと考えられる。
以下、各工程について詳述する。
〔第1混合工程〕
第1混合工程は、クロロプレンゴムを含むジエン系ゴム100質量部と、超高分子量ポリエチレン12〜50質量部とを、上記超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合することで、ゴム組成物前駆体を得る工程である。
まず、第1混合工程で使用される各成分について詳述する。
<ジエン系ゴム>
第1混合工程で使用されるジエン系ゴムはクロロプレンゴム(CR)を含む。ジエン系ゴムは、さらに、クロロプレンゴム以外のゴムを含んでいてもよい。
(クロロプレンゴム)
クロロプレンゴムは特に制限されず、従来公知のものを使用できる。
クロロプレンゴムの重量平均分子量は特に制限されないが、100,000〜3,000,000であることが好ましく、100,000〜1,000,000であることがより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
ジエン系ゴム中のクロロプレンゴムの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、ジエン系ゴム全体に対して、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。上限は特に制限されないが、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。
(その他のゴム成分)
ジエン系ゴムは、さらに、その他のゴム成分を含んでいてもよい。
そのようなゴム成分としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などが挙げられる。このうち1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
ジエン系ゴムは、本発明の効果がより優れる理由から、さらに、スチレンブタジエンゴム(SBR)を含むのが好ましい。
スチレンブタジエンゴム中のスチレン単位の含有量(スチレン含有量)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10〜50質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましい。
スチレンブタジエンゴムの重量平均分子量は特に制限されないが、好適な範囲は上述したクロロプレンゴムと同じである。
ジエン系ゴム中のその他のゴム成分(特にスチレンブタジエンゴム)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、ジエン系ゴム全体に対して、10〜60質量%であることが好ましい。
<超高分子量ポリエチレン>
上述のとおり、第1混合工程では、クロロプレンゴムを含むジエン系ゴム100質量部と、超高分子量ポリエチレン12〜50質量部とを、上記超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合する。
超高分子量ポリエチレンの平均分子量は、本発明の効果がより優れる理由から、1,000,000以上であることが好ましく、1,500,000以上であることがより好ましい。上限は特に制限されないが、4,000,000以下であることが好ましい。なお、超高分子量ポリエチレンの平均分子量は、粘度平均分子量を意味し、固有粘度法(ASTM D4020)により測定した値である。
超高分子量ポリエチレンの平均粒子径は、本発明の効果がより優れる理由から、1〜200μmであることが好ましく、5〜170μmであることがより好ましく、10〜50μmであることがさらに好ましい。なお、超高分子量ポリエチレンの平均粒子径は、コールターカウンター法により測定した値である。
超高分子量ポリエチレンの融点は、本発明の効果がより優れる理由から、100〜150℃であることが好ましく、120〜140℃であることがより好ましい。なお、超高分子量ポリエチレンの融点は示差走査熱量測定(DSC)(ASTM D3418)により測定した値である。
超高分子量ポリエチレンは、三井化学社製のハイゼックスミリオンC30S、145M、240S、240M、320M、340M、530M(いずれも商品名)、更に平均粒子径を小粒子化したミペロン(商品名)XM−220、XM−221U(いずれも商品名)等があり、市販品として入手できる。
超高分子量ポリエチレンは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
第1混合工程において、超高分子量ポリエチレンを混合する量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、12〜50質量部である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、17〜25質量部であることが好ましい。
<その他の成分>
第1混合工程において、さらに、その他の成分を混合してもよい。
その他の成分としては、例えば、カーボンブラック、樹脂、フィラー(例えば、タルク、マイカ)、ナフテンオイル、アロマオイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤が挙げられる。
(カーボンブラック)
上記カーボンブラックは特に制限されず、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、FEF、GPF、SRF等の各種グレードのものを使用することができる。
カーボンブラックは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
第1混合工程において、カーボンブラックを混合する量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、30〜100質量部であることが好ましい。
<混合方法>
第1混合工程における混合方法は特に制限されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて混合する方法などが挙げられる。なかでも、2本のローターを備える密閉式混合機を用いた方法が好ましい。
第1混合工程では、上述した各成分を、上述した超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合する。超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合する方法としては、例えば、密閉式混合機から放出する時の温度を、上述した超高分子量ポリエチレンの融点以下にする方法などが挙げられる。
第1混合工程における混合温度は、上述した超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度であれば特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、120〜130℃であることが好ましい。
〔第2混合工程〕
第2混合工程は、上述した第1混合工程で得られたゴム組成物前駆体と加硫剤とを混合することで、ゴム組成物を得る工程である。
<加硫剤>
加硫剤は特に制限されず、例えば、硫黄、樹脂加硫剤等が挙げられる。なかでも、硫黄が好ましい。
加硫剤の混合量は特に制限されないが、上述した第1混合工程におけるジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜4.0質量部であることが好ましい。
第2混合工程において、さらに、加硫促進剤を混合するのが好ましい。
<混合方法>
第2混合工程における混合方法は特に制限されず、その具体例及び好適な態様は、上述した第1混合工程と同じである。
第2混合工程における混合温度は、本発明の効果がより優れる理由から、70〜130℃であることが好ましい。
〔用途〕
本発明の製造方法により得られたゴム組成物は、ホース(特に、ゴム外層(カバーゴム))、タイヤ、コンベアベルト、防振材、ゴムロール、鉄道車両の外幌等に好適に用いられる。なかでも、ホース(特に、ゴム外層(カバーゴム))に好適に用いられる。
[ホース]
本発明のホースは、上述した本発明の製造方法により得られたゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)を用いて製造されたホースである。
以下、図1を用いて、本発明のホースの好適な実施形態の一例について説明する。
図1は、本発明のホースの好適な実施形態の一例についてホースの各層を切り欠いて示した斜視図である。図1に示すように、本実施形態のホース10は、ゴム内層11と、補強層12と、ゴム外層13とをこの順に積層して有するものである。
〔ゴム層(ゴム内層11、ゴム外層13)〕
ゴム層は、上記補強層に隣接する層であり、本実施形態のホース10は、ゴム内層11およびゴム外層13を有するものである。本実施形態においては、上記ゴム層のうちゴム内層11とゴム外層13との何れか一方又は両方の層が、本発明の組成物を用いて形成されたものであり、ホース10の耐油性と耐候性とをバランス良く兼ね備えると共に真鍮に対する接着性にも優れ、外部環境に対して優れた耐久性を有する観点から、少なくともゴム外層13が本発明の組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
本発明の組成物以外でゴム内層11に用いられるゴム組成物としては、耐油性、耐薬品性、加工性等の観点から適宜好適なゴム組成物を選択し、構成する。原料ゴムとしては、NBR、SBR、アクリルゴム、ヒドリンゴム、エチレン−アクリル酸エステル系共重合ゴム(特にエチレンアクリレートゴム(AEM))、水素化アクリロニトリル−ブタジエン系共重合ゴムなどの合成ゴムの群から選ばれる少なくとも1種のゴムを主成分とするゴム組成物が挙げられる。さらには、必要に応じて、熱可塑性樹脂との混合物や熱可塑性エラストマーであってもよい。ゴム内層11に用いられるゴム組成物は、ホースの耐久性に優れる点から、加硫後の100%モジュラス(M100)が4MPa以上であることが好ましく、5MPa以上20MPa以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、100%モジュラスは、JIS K6251−2004に準じて測定された値を示す。
ゴム外層13に用いられるゴム組成物としては、本発明の組成物を用いるのが好ましいが、耐油性、耐候性、ゴム層と補強層との接着性など外部環境に対して優れた耐久性を有する等の観点から適宜好適なゴム組成物を選択し、構成することもできる。
本発明の組成物以外のゴム組成物に用いられる原料ゴムとしては、ブチル系共重合ゴム、エチレン−プロピレン系共重合ゴム、EPDM、NBR、SBR、アクリルゴム、NR、BR、エチレン−アクリル酸エステル系共重合ゴム(特にAEM)、水素化NBR、ヒドリンゴム等の合成ゴムの群から選ばれる少なくとも1種のゴムを主成分とするゴム組成物が挙げられる。さらには、必要に応じて、熱可塑性樹脂との混合物や熱可塑性エラストマーであってもよい。
ゴム外層13は、補強層12の外周側に隣接して設けられる層である。
また、本実施形態のホース10においては、ゴム内層11の厚みは、1.0mm以上4.0mm以下であるのが好ましく、1.5mm以上1.8mm以下であるのがより好ましい。同様に、上記ゴム外層13の厚みは、0.5mm以上2.5mm以下であるのが好ましく、0.8mm以上1.5mm以下であるのがより好ましい。
また、ゴム内層11は、本実施形態では、1層としているが、これに限定されるものではなく、例えば、最内層(内面樹脂層)とゴム層との2層構造としてもよい。
〔補強層〕
補強層12は、ゴム内層11の外周側に隣接して配置される表面が真鍮めっきされた層である。補強層12は、ゴム内層11の外側に、強度保持の観点から設けられる。本実施形態においては、補強層12は、ブレード状で形成されたものでもスパイラル状で形成されたものでもよい。補強層12を2層以上設けてもよい。補強層12を2層以上有する場合、補強層間のゴム中間層に用いられるゴム組成物としては、例えば、NBR、NR、SBR、BR、EPDM、エチレン−アクリル酸エステル系共重合ゴム(特にAEM)等の合成ゴムの群から選ばれる少なくとも1種のゴムを主成分とするゴム組成物が挙げられる。さらには、必要に応じて、熱可塑性樹脂との混合物や熱可塑性エラストマーであってもよい。
補強層12を形成する材料は、特に限定されないが、例えば、硬鋼線(例えば、真鍮めっき(Cu−Zn合金)ワイヤー、亜鉛めっきワイヤー等)等の金属材料が好適に挙げられる。補強層12としては、真鍮めっきされているものが本発明の組成物との接着性に優れる点から好ましい。
上記ゴム層および補強層12を有する本実施形態のホース10の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。本実施形態のホース10の製造方法の一例について説明する。まず、ホース内径と同程度の直径を有する芯体(マンドレル)の外側にゴム内層11用のゴム組成物を押出成形してマンドレルを被覆し、ゴム内層(内管ゴム)11を形成する(内管押出工程)。次に、内管押出工程で形成したゴム内層11の外側に、所定本数の真鍮めっきワイヤーを編み上げて補強層12を形成し(編上げ工程)、補強層12の外側に本発明の組成物を押出成形して、ゴム外層(外被ゴム)13を形成する(外被押出工程)。更に、外被押出工程で形成したゴム外層13の外側を樹脂で被覆し(樹脂モールド被覆工程)、これを所定の条件(例えば、温度が140℃以上190℃以下、加熱時間が30分以上180分以下)でプレス加硫、蒸気加硫、オーブン加硫(熱気加硫)または温水加硫することにより加硫接着する(加硫工程)。加硫後、被覆樹脂を剥離し(樹脂モールド剥離工程)、マンドレルを取り除く(マンドレル抜出工程)ことにより、ゴム内層11とゴム外層13との間に補強層12を有するホース10を製造することができる。
なお、本実施形態のホース10は、上記のように内側からゴム内層11、補強層12及びゴム外層13を順次積層した3層構造としているが、更に強度等が必要な場合は、本実施形態のホース10は、上記補強層12を複数層設けると共に、各補強層12同士の間にゴム中間層(中間ゴム)を設けるようにしてもよい。本実施形態のホース10は、例えば、図2に示すように、ゴム内層11と、第1の補強層12−1と、ゴム中間層15と、第2の補強層12−2と、ゴム外層13とを内側からこの順で有する5層構造とすることもできる。補強層12の数はホースの要求特性等に応じて適宜調整することができる。
このとき、ゴム中間層15に用いられるゴム組成物としては、本発明の組成物が好ましい。ゴム中間層15に用いられるゴム組成物は、例えば加硫後の100%モジュラス(M100)が2MPa以上であることが好ましい。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔ゴム組成物の製造〕
密閉式混合機(2本のローターを備えたもの)を用いて、下記表1に示される成分のうち硫黄及び加硫促進剤以外の成分を同表に示される割合(質量部)で混合した。放出時の温度は表1の混合放出温度に示されるとおりである。なお、放出時の温度が第1混合工程の最高の温度である。すなわち、第1混合工程の混合温度は表1の混合放出温度に示される温度以下である。このようにして、ゴム組成物前駆体を得た(第1混合工程)。
その後、得られたゴム組成物前駆体に対して、表1に示される硫黄及び加硫促進剤を同表に示される割合(質量部)で混合(100℃)することでゴム組成物を得た(第2混合工程)。
〔評価〕
<加工性>
得られたゴム組成物(未加硫)について押出加工を行い、未加硫ゴムシートを作製した。そして、得られた未加硫ゴムシートの表面を目視で観察し、以下の基準で加工性を評価した。結果を表1に示す。○又は△であることが好ましく、○であることがより好ましい。
・〇:未加硫ゴムシートの表面が均一である。
・△:未加硫ゴムシートの表面に凹凸が見られる。
・×:ゴム組成物(未加硫)がまとまらず、シート状にならない。
<滑り性>
上述した加工性の評価と同様に未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを、プレス加硫機を用いて、148℃で45分間加硫し、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。そして、得られた加硫ゴムシートについて、HEIDON摩擦試験機により滑り性を評価した。摩擦試験機は一般的な試験機を用いて測定しており、具体的には、HEIDON摩擦試験機として、新東科学株式会社製HEIDON TYPE−14を用いて測定した。結果を表1に示す。なお、評価基準は以下のとおりである。○又は△であることが好ましく、○であることがより好ましい。
・〇:極めて良好
・△:良好
・×:不十分
<切断時伸び>
上述した滑り性の評価と同様に加硫ゴムシートを作製した。得られた加硫ゴムシートについて、JIS K 6251に準じて、引張速度500mm/分、23℃の条件下において引張試験を行い、切断時伸び(EB)[%]を測定した。結果を表1に示す。なお、評価基準は以下のとおりである。◎、○又は△であることが好ましく、◎又は〇であることがより好ましく、◎であることがさらに好ましい。
・◎:190%以上
・〇:170%以上190%未満
・△:120%以上170%未満
・×:120%未満
表1中、各成分の詳細は以下のとおりである。
・SBR:Nipol 1502(乳化重合SBR、日本ゼオン社製、スチレン含有量:23.5質量%)
・CR:デンカクロロプレンS−41(非硫黄変性クロロプレンゴム、電気化学工業社製)
・FEF:ニテロン♯10N(FEF級カーボンブラック、新日化カーボン社製)
・GPF:ニテロン♯GN(GPF級カーボンブラック、親日化カーボン社製)
・超高分子量ポリエチレン1:ミペロン XM220(超高分子量ポリエチレン、融点:136℃、平均粒子径:30μm、平均分子量:2,000,000、三井化学社製)
・超高分子量ポリエチレン2:ハイゼックスミリオン 145M(超高分子量ポリエチレン、融点:136℃、平均粒子径:150μm、平均分子量:1,150,000)
・ナフテンオイル:コスモレックス 2号(日本石油社製)
・アロマオイル:A/O MIX 2010(三共油化工業社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・酸化マグネシウム:キョーワマグ 150(協和化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸(日油社製)
・老化防止剤:オゾノン6C(精工化学社製)
・硫黄:油処理硫黄(油処理5%)(細井化学工業社製)
・TS:サンセラー TS−G(チウラム系加硫促進剤、三新化学社製)
・DT:ソクシノール DT−O(グアニジン系加硫促進剤、住友化学社製)
表1から分かるように、クロロプレンゴムを含むジエン系ゴムと超高分子量ポリエチレンとを上記超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で予め混合した実施例1〜9の製造方法によって得られたゴム組成物は、優れた加工性及び滑り性を示した。なかでも、超高分子量ポリエチレンの平均粒子径が100μm以下である実施例1〜8は、より優れた加工性を示した。
実施例1及び4〜8の対比(超高分子量ポリエチレン1を使用し、且つ、混合放出温度が130℃である態様同士の対比)から、超高分子量ポリエチレンの配合量がジエン系ゴム100質量部に対して17質量部以上である実施例1及び6〜8は、より優れた滑り性を示した。
また、実施例1〜8の対比から、超高分子量ポリエチレンの配合量がジエン系ゴム100質量部に対して25質量部以下である実施例1〜5は、より優れた機械的物性(切断時伸び)を示した。
また、実施例1〜3の対比(超高分子量ポリエチレン1を20質量部配合した態様同士の対比)から、超高分子量ポリエチレンの融点と混合放出温度との差が10℃以下である実施例1及び3は、より優れた機械的物性(切断時伸び)を示した。
一方、クロロプレンゴムを含むジエン系ゴムと超高分子量ポリエチレンとを上記超高分子量ポリエチレンの融点より高い温度で予め混合した比較例1の製造方法によって得られたゴム組成物は、加工性が不十分であった。
また、超高分子量ポリエチレンの配合量がジエン系ゴム100質量部に対して12質量部に満たない比較例2及び3の製造方法によって得られたゴム組成物は、滑り性が不十分であった。
また、超高分子量ポリエチレンの配合量がジエン系ゴム100質量部に対して50質量部を超える比較例5の製造方法によって得られたゴム組成物は、加工性が不十分であった。
10 ホース
11 ゴム内層
12 補強層
12−1 第1の補強層
12−2 第2の補強層
13 ゴム外層
15 ゴム中間層

Claims (5)

  1. クロロプレンゴムを含むジエン系ゴム100質量部と、超高分子量ポリエチレン12〜50質量部とを、前記超高分子量ポリエチレンの融点以下の温度で混合することで、ゴム組成物前駆体を得る、第1混合工程と、
    前記ゴム組成物前駆体と加硫剤とを混合することで、ゴム組成物を得る、第2混合工程とを備える、ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記ジエン系ゴムが、さらに、スチレンブタジエンゴムを含む、請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
  3. 前記超高分子量ポリエチレンが、平均粒子径が5〜180μm、且つ、平均分子量が1,000,000以上の超高分子量ポリエチレンである、請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造方法。
  4. 前記第1混合工程における混合、及び/又は、前記第2混合工程における混合が、2本のローターを備える密閉式混合機を用いた混合である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  5. 前記ゴム組成物が、ホース用ゴム組成物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
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