JP2018032589A - ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 Download PDF

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正剛 若林
Masataka Wakabayashi
正剛 若林
福田 稔
Minoru Fukuda
稔 福田
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Abstract

【課題】簡易に半田の付着性能を高め、半田の接合性や作業性を向上し得る接合態様としたワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】電線11の端部における接続端子12との接合部X1の半田付けにおいて、カーボンナノチューブ13aを添加して濡れ性を高めた半田13が用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半田による接合部を有するワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法に関する。
車両等に用いられるワイヤハーネスにおいて、電線端部に装着される接続端子や電線中間部に装着されるスプライス端子等の接合部が半田により接合されているものが知られている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2012−59680号公報 特開2009−129589号公報
ところで、半田による接合としては、接続端子又はスプライス端子のバレル部に電線の素線を圧着し、圧着部分を含む接合部に溶融半田を付着させることで行われる。
しかしながら、接合部に対する半田の濡れ性が良好でないと、半田の付着位置が好適位置からずれ、場合によっては溶融半田が自重で垂れたり、接合強度が十分でなかったり、各素線間への半田の浸透が良好でなかったり等、接合性や作業性に影響を与える。逆に、溶融半田の垂れを防止しつつ半田を好適位置に付着させたり、十分な接合強度を得ようとしたりすると、半田付け作業をより慎重に行う必要が生じてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡易に半田の付着性能を高め、半田の接合性や作業性を向上し得る接合態様としたワイヤハーネス、及びワイヤハーネスの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するワイヤハーネスは、電線の接続部分に対して半田による接合がなされた接合部を有するワイヤハーネスであって、前記半田は、カーボンナノチューブが添加されたものを用いている。
上記態様によれば、半田にカーボンナノチューブを添加するだけの簡易な手法で半田の濡れ性が向上するため、半田の付着性能が高くなり、半田の接合性や作業性の向上が図れる。
上記のワイヤハーネスにおいて、前記接合部は、前記電線の端部における接続端子との接続部分である。
上記態様によれば、電線の端部における接続端子の接合部の接合性や半田付けの作業性の向上が図れる。
上記のワイヤハーネスにおいて、前記接合部は、前記電線の中間部におけるスプライス端子との接続部分である。
上記態様によれば、電線の中間部におけるスプライス端子の接合部の接合性や半田付けの作業性の向上が図れる。
上記課題を解決するワイヤハーネスの製造方法は、電線の接続部分に対して半田による接合がなされるワイヤハーネスの製造方法であって、カーボンナノチューブが添加された前記半田を用いて、前記電線の接続部分に対する接合が行われる。
上記態様によれば、半田にカーボンナノチューブを添加するだけの簡易な手法で半田の濡れ性が向上するため、半田の付着性能が高くなり、半田の接合性や作業性の向上が図れる。
本発明のワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法によれば、簡易に半田の付着性能の向上を図ることができる。
第1実施形態のワイヤハーネスの接合部(接続端子)を示す構成図であり、(a)は半田付け前、(b)は半田付け後の状態を示す図である。 第2実施形態のワイヤハーネスの接合部(スプライス端子)を示す構成図であり、(a)は半田付け前、(b)は半田付け後の状態を示す図である。
(第1実施形態)
以下、ワイヤハーネス及びその製造方法の第1実施形態について説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すワイヤハーネス10は、例えば車載機器の電気的接続を図るための車載用ワイヤハーネスである。ワイヤハーネス10は、電線11と接続端子12とを備え、電線11の端部に接続端子12が固着されてなる。
電線11は、例えばアルミ製の複数の素線11aが被覆部材11bにて被覆されて構成されている。電線11の端部は、被覆部材11bから素線11aが露出する処理がなされている。
接続端子12は、例えば銅や黄銅製であり、端子本体部12aに対して第1バレル部(ワイヤーバレル部)12bと第2バレル部(インシュレーションバレル部)12cとが連設されて構成されている。接続端子12は、それぞれ第1バレル部12bが電線11の素線11aに外嵌するように、第2バレル部12cが被覆部材11bに外嵌するように装着される。そして、各バレル部12b,12cによる圧着(加締め)にて、それぞれ第1バレル部12bが素線11aに、第2バレル部12cが被覆部材11bに固着され、また第1バレル部12bと素線11aとが電気的に接続される。
また、各バレル部12b,12cの加締め後においては、第1バレル部12bによる圧着部分に対し、半田13による接合がなされる。つまり、第1バレル部12bによる圧着部分を接合部X1とし、本実施形態では例えば第1バレル部12bとその周囲にて露出する素線11aとが共に覆われる態様で溶融の半田13が付着され、半田13による接合が図られる。
ここで、本実施形態で用いる半田13は、ベースが鉛フリー半田であり、カーボンナノチューブ13aが添加されている。カーボンナノチューブ13aは、0.1〜数十[重量%]添加されている。カーボンナノチューブ13aを添加した本実施形態の半田13は、それを添加していない従前の半田と比べて濡れ性が向上、即ち付着性能が向上する。
これにより、接合部X1における半田13の接合強度は高く、また素線11a間の浸透も良好となる等、接合性は向上する。また、素線11a間の半田13の浸透が良好になると、素線11a間の止水効果、即ち防蝕効果も高くなる。また、濡れ性の良好な半田13は、接合部X1の好適位置に付着させ易く、溶融状態において自重で垂れ難くなるため、接合作業性も向上する。これらは、半田13にカーボンナノチューブ13aを適量添加するだけで簡易に実現可能である。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
本実施形態で用いる半田13は、カーボンナノチューブ13aが添加されている。これにより、半田13にカーボンナノチューブ13aを添加するだけの簡易な手法で半田13の濡れ性を向上することができるため、半田13の付着性能を高くでき、半田13の接合性や作業性の向上を図ることができる。つまり、本実施形態では、電線11の端部における接続端子12の接合部X1の接合性や半田付けの作業性の向上を図ることができる。このことは、ワイヤハーネス10の信頼性向上や、ワイヤハーネス10の製造容易化に繋がる。
(第2実施形態)
以下、ワイヤハーネス及びその製造方法の第2実施形態について説明する。
図2(a)及び図2(b)に示すワイヤハーネス20は、第1実施形態と同様に、車載用ワイヤハーネスである。ワイヤハーネス20は、第1電線(幹線)21と第2電線(枝線)22とスプライス端子23とを備え、第1電線21の中間部に対して第2電線22の端部がスプライス端子23を用いて固着されてなる。
第1及び第2電線21,22は、それぞれ例えばアルミ製の複数の素線21a,22aが被覆部材21b,22bにて被覆されて構成されている。幹線側の第1電線21は、中間部において被覆部材21bから素線21aが露出する処理がなされている。枝線側の第2電線22は、端部において被覆部材22bから素線22aが露出する処理がなされている。
スプライス端子23は、例えば銅や黄銅製であり、バレル部23aを有している。スプライス端子23は、第1電線21の中間部にて露出する素線21aと第2電線22の端部にて露出する素線22aとの両方に跨って外嵌するように装着される。そして、バレル部23aによる圧着(加締め)にて、第1電線21の素線21aに第2電線22の素線22aが固着されると共に、互いが電気的に接続される。
また、バレル部23aの加締め後においては、第1実施形態と同様に、スプライス端子23のバレル部23aによる圧着部分に対し、半田24による接合がなされる。つまり、バレル部23aによる圧着部分を接合部X2とし、本実施形態では例えばスプライス端子23とその周囲にて露出する素線21a,22aとが共に覆われる態様で溶融の半田24が付着され、半田24による接合が図られる。本実施形態においても、鉛フリー半田をベースにカーボンナノチューブ24aを0.1〜数十[重量%]添加した半田24を用い、濡れ性の向上、即ち付着性能の向上が図られている。
これにより、本実施形態においても、接合部X2における半田24の接合強度は高く、また素線21a間や素線22a間の浸透も良好となる等、接合性は向上する。また、素線21a間や素線22a間の半田24の浸透が良好になると、素線21a間や素線22a間の止水効果、即ち防蝕効果も高くなる。また、濡れ性の良好な半田24は、接合部X2の好適位置に付着させ易く、溶融状態において自重で垂れ難くなるため、接合作業性も向上する。これらは、半田24にカーボンナノチューブ24aを適量添加するだけで簡易に実現可能である。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
本実施形態で用いる半田24についても、カーボンナノチューブ24aが添加されている。これにより、半田24にカーボンナノチューブ24aを添加するだけの簡易な手法で半田24の濡れ性を向上することができるため、半田24の付着性能を高くでき、半田24の接合性や作業性の向上を図ることができる。つまり、本実施形態では、電線21の中間部におけるスプライス端子23の接合部X2の接合性や半田付けの作業性の向上を図ることができる。このことは、ワイヤハーネス20の信頼性向上や、ワイヤハーネス20の製造容易化に繋がる。
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1及び第2実施形態では、接合部X1,X2が電線11の端部の接続端子12部分や電線21の中間部のスプライス端子23部分であったが、ワイヤハーネスのその他の接合部に適用してもよい。
・上記第1及び第2実施形態では、半田13,24の接合態様がバレル部12bと素線11aとを覆う態様、スプライス端子23と素線21a,22aとを共に覆う態様であったが、一部露出する接合態様であってもよい。
10…ワイヤハーネス
11…電線
12…接続端子
13…半田
13a…カーボンナノチューブ
X1…接合部
20…ワイヤハーネス
21…第1電線(電線)
22…第2電線(電線)
23…スプライス端子
24…半田
24a…カーボンナノチューブ
X2…接合部

Claims (4)

  1. 電線の接続部分に対して半田による接合がなされた接合部を有するワイヤハーネスであって、
    前記半田は、カーボンナノチューブが添加されたものを用いていることを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記接合部は、前記電線の端部における接続端子との接続部分であることを特徴とするワイヤハーネス。
  3. 請求項1に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記接合部は、前記電線の中間部におけるスプライス端子との接続部分であることを特徴とするワイヤハーネス。
  4. 電線の接続部分に対して半田による接合がなされるワイヤハーネスの製造方法であって、
    カーボンナノチューブが添加された前記半田を用いて、前記電線の接続部分に対する接合が行われることを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11148619B2 (en) 2019-08-21 2021-10-19 Autonetworks Technologies, Ltd. Wire harness that provides a high waterproofing property
US11776711B2 (en) 2019-08-21 2023-10-03 Autonetworks Technologies, Ltd. Wire harness
US11869684B2 (en) 2019-08-21 2024-01-09 Autonetworks Technologies, Ltd. Wire harness and wire harness manufacturing method

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