図1を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理システムとしてのコンテンツ提供システムについて説明する。図1には、本実施形態に係るコンテンツ提供システムの一例が示されている。
例えば店舗10等の建物内に、1又は複数のプリンタ12が設置されている。プリンタ12は、例えば、コンテンツに関する情報が形成された印刷物14を印刷する。コンテンツは、例えば、1又は複数のコンテンツ要素によって構成されている。コンテンツ要素は、例えば、画像(静止画像や動画像)、テキスト(文字列)、音声、等である。図1に示す例では、コンテンツは、画像やテキストによって構成される広告情報である。印刷物14は、例えば、宣伝用の広告媒体(例えばチラシ)、カタログ、ポスター、はがき、等である。店舗10の入口16から入店してきた客が、プリンタ12によって生成された印刷物14を客自身によって取得したり、店員から印刷物14の配布を受けたりすることが想定される。また、プリンタ12は、無線通信機能又は有線通信機能を備えており、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。
店舗10の外側には、1又は複数のサイネージ装置18が設置されている。サイネージ装置18は、例えば、店舗10の入口16の付近等に設置される。もちろん、サイネージ装置18は、別の場所(例えば店舗10の内部)に設置されてもよい。サイネージ装置18は、コンテンツを表示する表示装置と、表示装置によるコンテンツの表示を制御する制御装置と、コンテンツのデータを外部装置から受信する通信機能(例えば無線通信機能又は有線通信機能)と、を含み、コンテンツのデータを受けてコンテンツ(画像や文字列)を表示する機能を備えている。表示装置は、例えば液晶ディスプレイやプロジェクター等である。また、表示装置は、タッチパネルディスプレイ等のように、ユーザの操作を受け付けるユーザインターフェースであってもよい。サイネージ装置18はスピーカを備えて、コンテンツを構成する音声を発してもよい。
例えば、無線通信又は有線通信によって実現される通信経路を介して、コンテンツのデータがサイネージ装置18に送信され、サイネージ装置18は、そのコンテンツのデータを受信して表示する。サイネージ装置18は、リアルタイムで送られるコンテンツのデータを受信してコンテンツを表示してもよいし、予め受信したコンテンツのデータを一時的に保存しておき、その保存されたコンテンツを表示してもよい。サイネージ装置18は、予め設定された時間間隔で、表示対象のコンテンツを変えてコンテンツを表示する。例えば、予め設定された時間間隔毎に異なるコンテンツのデータがサイネージ装置18に送られ、サイネージ装置18は、その時間間隔で表示対象のコンテンツを変えてコンテンツを表示する。別の例として、サイネージ装置18は、互いに異なる複数のコンテンツのデータを一時的に保存しておき、予め設定された時間間隔毎に表示対象のコンテンツを変えてコンテンツを表示してもよい。なお、コンテンツの表示頻度を変更することにより、店による商品のアピール度合いが変更されると想定される。
カメラ20は、例えばサイネージ装置18の付近に設置され、サイネージ装置18の前にいる人(例えば、サイネージ装置18の前に立ち止まっている人)を撮影するため撮影装置である。例えば、サイネージ装置18が備えている表示装置の前方の領域が、カメラ20の撮影領域22に含まれるようにカメラ20が設置される。なお、1又は複数のカメラ20が設置される。図1に示す例では、3人(人24,26,28)がサイネージ装置18の前(カメラ20の撮影領域22内)に立ち止まっており、人24,26,28の顔や全身等がカメラ20によって撮影される。なお、人24,26,28のそれぞれに接続されている矢印は、各人の目線を表わしている。人24,26の目線は、サイネージ装置18に向けられているため、人24,26は、サイネージ装置18に表示されているコンテンツに対して興味を有していると推測される。一方、人28の目線は、サイネージ装置18には向けられていないため、人28は、サイネージ装置18に表示されているコンテンツに対して興味を有していないと推測される。
カメラ20は、無線通信機能又は無線通信機能を備えている。カメラ20による撮影によって生成された画像データは、例えば無線通信又は有線通信によって実現される通信経路を介して、コンテンツ管理装置30に送られる。撮影によって生成される画像データは、動画像データであってもよいし、静止画像データであってもよい。画像データには、撮影日時を示す情報が対応付けられている。
情報処理装置としてのコンテンツ管理装置30は、コンテンツ群からコンテンツを選択し、コンテンツが合成されるテンプレートをテンプレート群から選択し、選択されたコンテンツとテンプレートとを合成する装置である。この合成によって合成データが生成される。また、コンテンツ管理装置30は、無線通信機能又は無線通信機能を備えており、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。
コンテンツ管理装置30は、印刷用のデータ(例えば印刷用の画像データや制御データ)をプリンタ12に送信する。例えば、コンテンツ管理装置30は、コンテンツとテンプレートとが合成された合成データをプリンタ12に送信する。これにより、プリンタ12によって合成データが印刷される。また、コンテンツ管理装置30は、コンテンツのデータをサイネージ装置18に供給し、画像データをカメラ20から受信して画像データを解析する。なお、合成データを生成する装置、コンテンツのデータをサイネージ装置18に供給する装置、及び、画像データをカメラ20から受信して画像データを解析する装置は、それぞれ別々の装置であってもよい。
以下、図2を参照して、コンテンツ管理装置30の構成について詳しく説明する。
通信部32は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部32は、例えば、Wi−Fi(登録商標)通信等の無線通信機能や有線通信機能を備えており、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介してデータを送受信する機能を備えている。もちろん、通信部32は、NFC(Near Field Communication)やブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)等の近距離無線通信機能を備えていてもよい。例えば、通信部32は、印刷用のデータをプリンタ12に送信し、カメラ20から送信された画像データを受信し、コンテンツのデータをサイネージ装置18に送信する。
記憶部34はハードディスクやメモリ等の記憶装置であり、例えば、各種のプログラムや各種のデータ等を記憶する。もちろん、それらは別々の記憶装置に記憶されてもよいし、同一の記憶装置に記憶されてもよい。また、記憶部34は、コンテンツ記憶部36とテンプレート記憶部38を含む。
コンテンツ記憶部36には、互いに内容が異なる複数のコンテンツのデータが記憶されている。各コンテンツのデータは予め作成されてコンテンツ記憶部36に記憶される。コンテンツのデータには、当該コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報(例えば、コンテンツの名称やコンテンツID等)が対応付けられている。上述したように、コンテンツは、1又は複数のコンテンツ要素(例えば、画像、テキスト、音声等)によって構成されている。コンテンツを構成する画像データには、当該画像データを識別するための識別情報(例えば画像の名称やID等)が対応付けられており、コンテンツを構成するテキストデータには、当該テキストデータを識別するため識別情報(例えばテキストの名称やID等)が対応付けられており、コンテンツを構成する音声データには、当該音声データを識別するための識別情報(例えば音声の名称やID等)が対応付けられている。
テンプレート記憶部38には、互いに異なるデザインを有する複数のテンプレートのデータが記憶されている。各テンプレートのデータは予め作成されてテンプレート記憶部38に記憶される。テンプレートは、1又は複数のコンテンツが合成される雛型である。テンプレートのデザインは、例えば、後述する可変フィールドや固定フィールドのレイアウト、当該テンプレートの全体が有する色味、当該テンプレートが喚起するテイスト(印象)、等によって決まる。テンプレート記憶部38には、互いにレイアウトや色味やテイスト等が異なる複数のテンプレートのデータが記憶されている。
テンプレートのデータは、1又は複数の可変フィールドを有する。可変フィールドは、コンテンツが入力される領域である。また、テンプレートのデータは、1又は複数の固定フィールドを有していてもよい。固定フィールドは、コンテンツが入力されない領域である。テンプレートにおいては、予め設定されたレイアウト条件に従って、1又は複数のフィールド(可変フィールド、固定フィールド)が配置されている。フィールド(可変フィールド、固定フィールド)には、当該フィールドを識別するための識別情報(例えばID)が対応付けられている。
また、コンテンツを構成するコンテンツ要素毎の可変フィールドが設けられていてもよい。例えば、可変フィールドとして、テキストフィールド、画像フィールド、図形フィールド等が、テンプレートに予め設定されていてもよい。テキストフィールドは、コンテンツを構成するテキストデータ(文字列)が入力される領域である。画像フィールドは、コンテンツを構成する画像データ(例えば、JPEGやTIFFやビットマップ等のフォーマットを有する画像データ)が入力される領域である。図形フィールドは、コンテンツを構成する図形データ(例えばベクタ等のフォーマットを有する図形データ)が入力される領域である。例えば、宣伝用の広告媒体(例えばチラシ)のテンプレートにおいては、表題(タイトル)用のテキストフィールド、本文文字用のテキストフィールド、画像フィールド、図形フィールド、等が予め設定されている。
テンプレートのデータには、当該テンプレートを識別するためのテンプレート識別情報(例えば、テンプレートの名称やテンプレートID等)が対応付けられている。また、テンプレートのデータには、当該テンプレートが有する可変フィールドの数(コンテンツが入力される領域の数)を示す情報、可変フィールドが対応するコンテンツ要素(画像、テキスト、図形等)の種類を示す情報、当該テンプレートの推奨対象となる人の属性(例えば性別や年齢層等)を示す情報(推奨属性情報)、等が対応付けられていてもよい。さらに、テンプレートのデータには、テンプレートの用途を示す情報、テンプレートの特徴を示す文字列(例えばキーワード)、テンプレートの全体が有する色味を示す情報、テンプレートの全体が喚起するテイスト(印象)を示す情報、等が対応付けられていてもよい。
コンテンツ配信部40は、コンテンツのデータをサイネージ装置18に配信する。例えば、コンテンツ配信部40は、予め設定されたタイミングで予め設定されたコンテンツのデータをサイネージ装置18に配信する。例えば、各コンテンツの表示日時、各コンテンツの表示順番、各コンテンツの表示時間の長さ、各コンテンツ間の表示間隔、等の表示ルールが予め設定されており、その表示ルールを示す情報が記憶部34に記憶されている。コンテンツ配信部40は、その表示ルールに従って、配信対象となる各コンテンツのデータをサイネージ装置18に配信する。これにより、サイネージ装置18においては、その表示ルールに従って各コンテンツが表示される。例えば、コンテンツ配信部40は、予め設定された時間間隔毎に異なるコンテンツのデータをサイネージ装置18に配信する。これにより、サイネージ装置18においては、その時間間隔毎に異なるコンテンツが表示される。なお、コンテンツ配信部40は、配信対象となる各コンテンツのデータをランダムで選択してサイネージ装置18に配信してもよい。
なお、コンテンツ記憶部36はコンテンツ管理装置30に備えられておらず、外部装置に備えられていてもよい。例えば、コンテンツサーバやデータベース等にコンテンツ記憶部36が備えられていてもよい。この場合、コンテンツ配信部40は、コンテンツサーバやコンテンツデータベース等の外部装置から通信経路を介してコンテンツのデータを受信し、そのコンテンツのデータをサイネージ装置18に配信する。また、コンテンツ配信部40は、コンテンツ管理装置30に備えられていなくてもよい。この場合、外部装置に備えられたコンテンツ配信部40からサイネージ装置18にコンテンツのデータが配信される。
属性識別部42は、カメラ20によって生成された画像データを受け、その画像データを解析することにより、サイネージ装置18に表示されているコンテンツを見ていると推測される人(つまり、コンテンツに対して興味を有していると推測される人)の属性を判定する。以下、コンテンツを見ていると推測される人(コンテンツに対して興味を有していると推測される人)を「参照者」と称することとする。人の属性は、例えば、参照者の数、各参照者の性別、各参照者の年齢、国籍、等である。属性識別部42は、カメラ20の撮影領域22内に立ち止まっている人の数を参照者の数としてカウントする。撮影領域22内に立ち止まっている人は、サイネージ装置18に表示されているコンテンツに対して興味を有していると推測される。それ故、立ち止まっている人の数をカウントすることにより、コンテンツに対して興味を有していると推測される人(参照者)の数が得られる。具体的には、属性識別部42は、予め設定された期間毎(撮影日時の期間毎)の参照者の人数を性別毎及び年齢毎(年齢層毎)にカウントする。これにより、各期間における各性別及び各年齢(各年齢層)の参照者の数(コンテンツに対して興味を有していると推測される人の数)が特定される。当該期間は、例えばコンテンツの表示日時に対応している期間である。つまり、属性識別部42は、表示ルールに規定されている各コンテンツの表示日時毎の人数を性別毎及び年齢毎にカウントする。
属性識別部42は、画像データに表されている人の目線を解析することにより、当該人がサイネージ装置18に表示されたコンテンツを見ているか否かを判定し、コンテンツを見ていると推測される人の数を参照者として性別毎及び年齢毎にカウントしてもよい。コンテンツを見ていると判定された人は、当該コンテンツに対して興味を有していると推測される。それ故、コンテンツを見ている人の数をカウントすることにより、コンテンツに対して興味を有していると推測される人(参照者)の数が得られる。
属性識別部42は、画像データを解析することにより、画像データに表されている人とサイネージ装置18との間の距離を演算し、その距離に基づいて、当該人が、コンテンツを見ているか否かを判定してもよい。例えば、その距離が予め設定された閾値以下となる人は、コンテンツを見ている人(参照者)であると判定される。
属性識別部42は、画像データを解析することにより、画像データに表されている人とサイネージ装置18との間の接近度合いを判定してもよい。接近度合いは、人がサイネージ装置18に近寄ってきているか否かを示す指標である。サイネージ装置18に近寄ってきていると判定された人は、コンテンツを見ている人(参照者)であると判定される。
属性識別部42は、画像データを解析することにより、撮影領域22内での人の滞在時間を演算し、その滞在時間に基づいて、当該人が、コンテンツを見ているか否かを判定してもよい。例えば、その滞在時間が予め設定された閾値以上となる人は、コンテンツを見ている人(参照者)であると判定される。
参照者の属性を示す情報(例えば、参照者の数、性別毎の参照者の数、年齢毎(年齢層毎)の参照者の数)は、優先度決定部44に出力される。
優先度決定部44は、コンテンツの表示ルールを示す情報と各期間における参照者の属性を示す情報とに基づいて、コンテンツの優先度(コンテンツに対する参照者の注目度)を決定する。例えば、優先度決定部44は、表示ルールに含まれる各コンテンツの表示日時と、その表示日時に対応する期間(撮影日時の期間)における参照者の人数と、に基づいて、表示日時毎の参照者の人数を特定し、各表示日時における参照者の人数に基づいて各表示日時の優先度を決定する。各表示日時と各コンテンツは互いに対応付けられているため、各表示日時の優先度は各コンテンツの優先度に対応する。つまり、優先度決定部44は、各コンテンツの表示日時とカメラ20による撮影日時とを突き合わせることにより各表示日時に対応する各撮影日時を特定する。各表示日時における参照者の人数は、対応する各撮影日時における参照者の人数である。優先度決定部44は、各表示日時における参照者の人数に基づいて各コンテンツの優先度を決定する。参照者の人数が多いほど優先度が高くなるように設定されている。
また、優先度決定部44は、各期間における参照者の属性を示す情報に基づいて、参照者群の中のターゲット層(メイン参照者層)を決定する。優先度決定部44は、例えば、集計対象期間における性別毎及び年齢層毎の参照者の人数を集計し、その集計結果に基づいて、ターゲット層の性別及び年齢(年齢層)を決定する。例えば、集計対象期間における参照者の人数が最大となる性別及び年齢(年齢層)が、ターゲット層として決定される。
各コンテンツの優先度を示す情報とターゲット層を示す情報は、制御部46に出力される。
制御部46はコンテンツ管理装置30の各部を制御する。また、制御部46は、出力制御部48を含む。
出力制御部48は、コンテンツとテンプレートとが合成された合成データの出力指示を出力データ生成部54に与える。出力制御部48は、例えば、定期的に出力指示を与えてもよいし、印刷物14がなくなったことがセンサー等によって検知された場合に出力指示を与えてもよいし、店舗10に来店した客の指示や店員の指示に従って出力指示を与えてもよい。また、出力制御部48は、コンテンツ選択部50とテンプレート選択部52を含む。
コンテンツ選択部50は、優先度決定部44によって決定された各コンテンツの優先度に基づいて、コンテンツ記憶部36に記憶されているコンテンツ群の中から出力対象(合成対象)となる1又は複数のコンテンツを選択する。コンテンツ選択部50は、例えば、優先度が上位から予め設定された順位内に含まれるコンテンツを出力対象のコンテンツとして選択する。これにより、優先度の順位が上位から予め設定された順位内に含まれないコンテンツを選択する場合と比較して、参照者がより注目していると推測されるコンテンツが出力対象のコンテンツとして選択される。その順位は、ユーザや管理者等によって変更されてもよい。コンテンツ選択部50によって選択された出力対象のコンテンツのデータは、出力データ生成部54に出力される。なお、コンテンツ選択部50によって選択されるコンテンツの最大数や最小数が予め設定されていてもよい。
別の例として、コンテンツ選択部50は、優先度が予め設定された閾値以上となるコンテンツを出力対象(合成対象)のコンテンツとして選択してもよい。閾値は、ユーザや管理者等によって変更されてもよい。また、コンテンツ選択部50は、優先度が予め設定された閾値以上となるコンテンツであって、優先度が上位から予め設定された順位内に含まれるコンテンツを、出力対象のコンテンツとして選択してもよい。
テンプレート選択部52は、テンプレート記憶部38に記憶されているテンプレート群の中から、優先度決定部44によって決定されたターゲット層の属性(例えば性別や年齢層等)や、コンテンツ選択部50によって選択された1又は複数のコンテンツの属性(例えばコンテンツの数や種類、コンテンツを構成するコンテンツ要素の数や種類等)に基づいて、出力対象(合成対象)の1又は複数のテンプレートを選択する。テンプレート選択部52によって選択された出力対象のテンプレートのデータは、出力データ生成部54に出力される。
例えば、テンプレート選択部52は、ターゲット層の属性に適合するテンプレートを出力対象(合成対象)のテンプレートとして選択してもよい。各テンプレートのデータには、推奨対象となる人の属性(例えば性別や年齢層)を示す推奨属性情報が対応付けられており、テンプレート選択部52は、ターゲット層の属性に対応する属性(例えばターゲット層の属性と同一の属性)を示す推奨属性情報が対応付けられているテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択する。これにより、ターゲット層の属性を考慮せずにテンプレートを選択する場合と比較して、ターゲット層により適したテンプレート(例えば、ターゲット層にとって見易いと推測されるレイアウトを有するテンプレートや、ターゲット層がより好むと推測されるデザインや色味やテイスト(印象)やレイアウトを有するテンプレート等)が出力対象のテンプレートとして選択される。
テンプレート選択部52は、各テンプレートの利用履歴に基づき、ターゲット層におけるテンプレートの人気度(利用回数が多いテンプレートほど人気度が高くなるように設定されている)を決定し、各テンプレートの人気度に基づいて、ターゲット層の属性に適合するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択してもよい。例えば、テンプレート選択部52は、ターゲット層に最も人気のある(人気度が最も高い)テンプレートを出力対象のテンプレートとして選択する。もちろん、テンプレート選択部52は、人気度が上位から予め設定された順位内に含まれる複数のテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択してもよい。なお、テンプレートの利用履歴は、サーバ等の外部装置によって管理されており、テンプレート選択部52は、その外部装置から利用履歴を示す情報を取得すればよい。
テンプレート選択部52は、テンプレート記憶部38に記憶されているテンプレート群の中から、コンテンツ選択部50によって選択された出力対象のコンテンツの属性に適合するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択してもよい。例えば、テンプレート選択部52は、出力対象のコンテンツの数と同一の数の可変フィールドを有するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択する。テンプレート選択部52は、出力対象のコンテンツを構成するコンテンツ要素の属性(コンテンツ要素の数や種類)と同一の属性(可変フィールドの数や種類)を有するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択してもよい。
別の例として、テンプレート選択部52は、出力対象のコンテンツを構成するコンテンツ要素としての画像データのタグ情報を取得し、そのタグ情報に関連するキーワードが対応付けられているテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択してもよい。なお、タグ情報は例えば画像データに対応付けられている。
テンプレート選択部52は、ターゲット層の属性に適合するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択してもよいし、出力対象のコンテンツの属性に適合するテンプレートを選択してもよいし、ターゲット層の属性に適合するとともに出力対象のコンテンツの属性に適合するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択してもよい。
出力データ生成部54は、合成手段の一例に相当し、コンテンツ選択部50によって選択された出力対象の1又は複数のコンテンツと、テンプレート選択部52によって選択された出力対象の1又は複数のテンプレートと、を合成することにより、出力データとしての合成データを生成する。例えば、出力データ生成部54は、出力対象のテンプレートが有する可変フィールドにコンテンツを合成する(埋め込む)。これにより、テンプレート中にコンテンツが埋め込まれた合成データが生成される。
出力データ生成部54は、出力対象のコンテンツの注目度に応じて、出力対象のテンプレート中の当該コンテンツの表示態様を変更してもよい。例えば、出力データ生成部54は、注目度が大きいコンテンツほどテンプレート中の表示サイズを大きくしてテンプレートに合成してもよいし、コンテンツに含まれるテキストを大きくしてもよい。
出力データ生成部54は、ターゲット層の属性(例えば年齢層)に応じて、出力対象のテンプレート中の出力対象のコンテンツの表示態様を変更してもよい。例えば、出力データ生成部54は、ターゲット層の年齢が高くなるほど、コンテンツに含まれるテキスト(文字列)を大きく表示してもよいし、ターゲット層の年齢が予め設定された上限閾値以上となる場合に、コンテンツに含まれるテキストを通常サイズよりも大きく表示してもよいし、ターゲット層の年齢が予め設定された下限閾値未満となる場合、コンテンツに含まれるテキストを平仮名表記で表示してもよい。これにより、ターゲット層にとって、より見易い又はより読み易い態様でコンテンツが表示される。また、出力データ生成部54は、ターゲット層の国籍に応じて、コンテンツに含まれるテキストの言語を変えてもよい。例えば、出力データ生成部54は、ターゲット層が日本語圏に住む人であると推測される場合、テキストを日本語で表記し、ターゲット層が英語圏に住む人であると推測される場合、テキストを英語で表記する。これにより、ターゲット層が使用する言語に対応したテキストを有する合成データが生成される。
以下、コンテンツ提供システムについて詳しく説明する。
図3を参照して、テンプレートについて詳しく説明する。図3には、宣伝用の広告媒体(例えばチラシ)に関するテンプレートの一例が示されている。テンプレート56は、例えば、可変フィールド(オブジェクト)としての、テキストフィールド58,60,62、画像フィールド64、及び、図形フィールド66,68を含む。また、テンプレート56は、固定フィールド70を含む。もちろん、テンプレートは、固定フィールド(画像やテキスト)を含んでいなくてもよい。テキストフィールド58,60,62、画像フィールド64、及び、図形フィールド66,68は、コンテンツが入力されるフィールドである。テキストフィールド58,60,62には、テキスト情報が入力される。画像フィールド64には、例えばJPEGやTIFFやビットマップ等のフォーマットを有する画像データが入力される。図形フィールド66,68には、例えばベクタ等のフォーマットを有する図形データが入力される。固定フィールド70には文字列や画像等が予め埋め込まれており、コンテンツは入力されない。印刷時には、固定フィールド70に予め埋め込まれた文字列や画像等が印刷される。
各フィールドについてのデザイン(レイアウトや色味やテイスト等)を異ならせながら、複数のテンプレートが予め作成されている。これにより、互いにデザインの異なる複数のテンプレートが作成される。例えば、フィールドの数、フィールドの位置、フィールドの大きさ、色味、テイスト等が互いに異なる複数のテンプレートが作成されている。
図4には、テンプレートの別の例が示されている。テンプレート72は、一例として、固定フィールド74と可変フィールド76,78,80を有している。固定フィールドには、文字列(例えば「夏休みセール」)が予め入力されている。可変フィールド76,78,80は、コンテンツが入力されるフィールドである。一例として、可変フィールド76は、可変フィールド76,78よりも大きいフィールド(表示面積が大きいフィールド)であり、テンプレート72において可変フィールド76,78よりも目立つと予測される位置(上方の位置)に配置されている。可変フィールド76,78は互いに同じ大きさを有している。
図5から図7を参照して、コンテンツについて詳しく説明する。図5から図7には、コンテンツの一例が示されている。図5に示されているコンテンツ82は、例えば、コンテンツ要素としてのテキスト84と画像86を有している。図6に示されているコンテンツ88は、例えば、コンテンツ要素としてのテキスト90と画像92を有している。図7に示されているコンテンツ94は、例えば、コンテンツ要素としてのテキスト96と画像98を有している。コンテンツ82,88,94は、上述した表示ルールに従って、互いに異なる表示時刻に、予め設定された表示時間の長さの間、サイネージ装置18に繰り返し表示される。
以下、図8を参照して、表示ルールについて詳しく説明する。図8には、表示ルールの一例としてのコンテンツ管理テーブルが示されている。コンテンツ管理テーブルは予め作成され、そのデータはコンテンツ記憶部36に記憶されている。コンテンツ管理テーブルにおいては、コンテンツ識別情報としてのコンテンツIDと、コンテンツの表示日時と、コンテンツのデータの格納先(格納先のアドレス)を示す情報と、が対応付けられている。コンテンツ管理テーブルを参照することにより、何時、どのようなコンテンツが表示されるのかが分かるようになっている。コンテンツ配信部40は、このコンテンツ管理テーブルを参照することにより、各コンテンツの表示日時を特定し、各コンテンツのデータを、対応する表示日時に、サイネージ装置18に配信する。これにより、コンテンツ管理テーブルが示す表示ルールに従って、各コンテンツがサイネージ装置18に表示される。
以下、図9を参照して、テンプレートを管理するための情報について詳しく説明する。図9には、テンプレートを管理するための情報の一例としてのテンプレート管理テーブルが示されている。テンプレート管理テーブルは予め作成され、そのデータはテンプレート記憶部38に記憶されている。テンプレート管理テーブルにおいては、テンプレート識別情報としてのテンプレートIDと、テンプレートが対応しているコンテンツの数(テンプレートが有する可変フィールドの数に相当する数)と、テンプレートが対応しているコンテンツの種類(コンテンツ要素の種類に相当する種類、可変フィールドの種類に相当する種類)と、推奨属性情報と、が対応付けられている。例えば、テンプレートT1は、3つの可変フィールドを有しており、テキスト要素(説明、商品名、金額)と画像(商品)に対応しており、40歳以上の男性及び女性に適している。
以下、図10を参照して、本実施形態に係るコンテンツ管理装置30の動作について詳しく説明する。図10には、その動作を示すフローチャートが示されている。
コンテンツ配信部40は、例えば図8に示されているコンテンツ管理テーブルが示す表示ルールに従って、コンテンツのデータをサイネージ装置18に配信し、カメラ20は、撮影領域22を撮影する。その撮影で生成された画像データは、コンテンツ管理装置30に送信される。
属性識別部42は、カメラ20にから送信された画像データを解析することにより、予め設定された期間毎の参照者の人数を性別毎及び年齢毎(年齢層毎)にカウントする(S01)。
図11には、属性識別部42によってカウントされた参照者の人数を示す参照者管理テーブルの一例が示されている。属性識別部42は、例えば、直近の10分間に識別された参照者群を対象として、撮影日時の期間(例えば30秒間)毎の人数をカウントし、各期間における人数を、年齢層毎(例えば10歳毎の年齢層)の男性と女性とに分類する。撮影日時の期間は、各コンテンツが表示されている期間(表示時間の長さ)に同期している。例えば、2016年3月3日の15時10分00秒から15時10分30秒の間の期間(撮影日時の期間)では、20歳〜29歳と推測される2人の男、40歳〜49歳と推測される10人の女、及び、50歳〜59歳と推測される3人の女が、参照者として、カメラ20による撮影によって生成された画像データから識別されている。
次に、優先度決定部44は、集計対象期間(例えば直近の10分間)における性別毎及び年齢層毎の参照者の人数の集計し、参照者の人数が最大となる性別及び年齢をターゲット層として決定する(S02)。図11に示す例では、40歳〜49歳の女性の参照者の人数(直近の10分間における総数)が最大となっているため、40歳〜49歳(40代)の女性がターゲット層に相当する。図12には、ターゲット層の情報(例えば40代の女性を示す情報)が示されている。なお、チラシIDは、印刷物14を管理するための識別情報であり、ターゲット層情報に対応付けられている。
次に、優先度決定部44は、各撮影日時の期間内にサイネージ装置18に表示されていたコンテンツを特定する(S03)。例えば、優先度決定部44は、図11に示されている参照者管理テーブルに規定されている各撮影日時の期間に対応する各表示日時の期間を、図8に示されているコンテンツ管理テーブルから特定するとともに、各表示日時の期間内にサイネージ装置18に表示されていた各コンテンツをコンテンツ管理テーブルから特定する。これにより、各撮影日時の期間内にサイネージ装置18に表示されていた各コンテンツが特定される。
次に、優先度決定部44は、参照者の人数に基づいて各コンテンツの優先度を決定する(S04)。優先度決定部44は、集計対象期間(例えば直近の10分間)に識別された参照者群を対象として、撮影日時の期間毎に参照者の人数(全性別及び全年齢層の参照者の人数)を集計し、各撮影日時の期間における参照者の人数(集計)に基づいて、各撮影日時の期間に対応する各表示日時の期間内に表示されていた各コンテンツの優先度を決定する。優先度決定部44は、参照者の人数が多い撮影日時の期間に対応するコンテンツほど優先度を高く設定する。図11に示す例では、直近の10分間においては、2016年3月3日の15時10分00秒から15時10分30秒までの間の期間における参照者の人数(集計)が最も多いため、その撮影日時の期間に対応する表示日時の期間内にサイネージ装置18に表示されたコンテンツの優先度は、1位(最優先)である。図8に示す例では、コンテンツIDが「10」のコンテンツの優先度が1位である。また、2016年3月3日の15時11分00秒から15時11分30秒までの間の期間における参照者の人数(集計)が2番目に多いため、その撮影日時の期間に対応する表示日時の期間内にサイネージ装置18に表示されていたコンテンツの優先度は、2位である。このようにして、優先度決定部44は、各コンテンツの優先度を決定する。
図13には、上記のようにして決定された優先度の一例が優先度管理テーブルとしてしめされている。表示日時の期間毎に優先度が決定されている。表示日時にはコンテンツが対応付けられているため、その優先度はコンテンツの優先度を示していることになる。
なお、同じコンテンツが複数回表示されていた場合、優先度決定部44は、各回で識別された参照者の人数を合算し、その合算値に基づいて、当該コンテンツの優先度を決定する。合算値に基づく優先度が上位であれば、そのコンテンツは参照者が興味を有しているコンテンツであると想定されるので、そのようなコンテンツが出力対象のコンテンツとして選択されることになる。
次に、コンテンツ選択部50は、コンテンツ記憶部36に記憶されているコンテンツ群の中から、優先度が上位から予め設定された順位内に含まれるコンテンツを出力対象(合成対象)のコンテンツとして選択する(S05)。例えば、コンテンツ選択部50は、図8に示されているコンテンツ管理テーブルを参照することにより、優先度が上位から予め設定された順位内に含まれるコンテンツを特定し、そのコンテンツの格納先からコンテンツのデータを出力対象のコンテンツのデータとして取得する。コンテンツ選択部50によって選択されたコンテンツのデータ(つまり出力対象のコンテンツのデータ)は、出力データ生成部54に出力される。一例として、コンテンツ選択部50は、優先度が3位以内に含まれるコンテンツを出力対象のコンテンツとして選択する。
図14には、コンテンツ選択部50によって選択されて出力データ生成部54に出力されるコンテンツのデータの一例が示されている。このコンテンツは、一例として、優先順位が1位のコンテンツである。出力対象のコンテンツのデータにおいては、当該コンテンツのIDと、当該コンテンツを構成するコンテンツ要素の種類を示す情報(例えば、テキストや画像)と、当該コンテンツ要素のデータ(例えば、「美味しいピザ」を表わす画像データ)と、当該コンテンツが印刷される印刷物を識別するためのチラシIDと、が互いに対応付けられている。
次に、テンプレート選択部52は、テンプレート記憶部38に記憶されているテンプレート群の中から1又は複数のテンプレートを出力対象(合成対象)のテンプレートを選択する(S06)。テンプレート選択部52は、上述したように、ターゲット層の属性(例えば性別や年齢層等)に適合するテンプレートを選択してもよいし、出力対象のコンテンツの属性に適合するテンプレートを選択してもよいし、出力対象のコンテンツのタグ情報に関連するキーワードが対応付けられているテンプレートを選択してもよい。
ターゲット層の属性を基準にしてテンプレートを選択する場合、テンプレート選択部52は、図9に示されているテンプレート管理テーブルを参照することにより、ターゲット層の属性に対応する属性を示す推奨属性情報が対応付けられているテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択する。例えば、ターゲット層が40代の女性である場合、40歳以上の参照者に対して推奨されているテンプレートT1が、出力対象のテンプレートとして選択される。
出力対象のコンテンツの属性を基準にしてテンプレートを選択する場合、テンプレート選択部52は、図9に示されているテンプレート管理テーブルを参照することにより、出力対象のコンテンツの数と同一の数の可変フィールドを有するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択する。例えば、優先度が3位以内に含まれるコンテンツ、つまり、3つのコンテンツが出力対象のコンテンツとして選択された場合、3つの可変フィールドを有するテンプレートT1(3つのコンテンツに対応可能なテンプレートT1)が、出力対象のテンプレートとして選択される。
テンプレート選択部52は、テンプレートが対応しているデータの種類(コンテンツ要素の種類)を基準にしてテンプレートを選択してもよい。例えば、テンプレート選択部52は、出力対象のコンテンツを構成する各コンテンツ要素の種類に対応しているテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択する。一例として、出力対象のコンテンツが、コンテンツ要素としてのテキスト(説明、商品名、金額)と画像(商品の画像)とによって構成されている場合、そのコンテンツ要素の種類に対応しているテンプレートT1が出力対象のテンプレートとして選択される。
テンプレート選択部52は、ターゲット層の属性と出力対象のコンテンツの属性の両方を基準にして、出力対象のテンプレートを選択してもよい。例えば、ターゲット層が40代の女性であり、出力対象のコンテンツの数が3個である場合、それらに対応するテンプレートT1が出力対象のテンプレートとして選択される。また、テンプレート選択部52は、出力対象のコンテンツを構成する各コンテンツ要素の種類を更に基準にして、各コンテンツ要素の種類に適合する可変フィールドを有するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択してもよい。
次に、出力データ生成部54は、出力対象のコンテンツと出力対象のテンプレートとを合成することにより、出力データとしての合成データを生成し(S07)、その合成データをプリンタ12に出力する(S08)。プリンタ12は、その合成データを印刷する(S09)。これにより、出力対象のコンテンツと出力対象のテンプレートとが合成された状態の印刷物14が生成される。
合成処理について具体例を挙げて詳しく説明する。例えば、図5から図7に示されているコンテンツ82,88,94が出力対象(合成対象)のコンテンツとして選択されたものとする。コンテンツ82の優先順位は「1位」であり、コンテンツ88の優先順位は「2位」であり、コンテンツ94の優先順位は「3位」であるとする。
また、ターゲット層が40代の女性である場合、40歳以上の参照者に対して推奨されるテンプレートが出力対象のテンプレートとして選択される。この場合において、例えば、コンテンツの数に適合する数の可変フィールドを有するテンプレートが出力対象(合成対象)のテンプレートとして選択されてもよい。3個のコンテンツ(コンテンツ82,88,94)が選択されているため、3つの可変フィールドを有するテンプレートが選択される。例えば、図4に示されているテンプレート72は、40歳以上の女性に対して推奨されるテンプレートであるとする。テンプレート72は、3個の可変フィールド(可変フィールド76,78,80)を有しているため、テンプレート72は出力対象のテンプレートとして選択される。
図15には、テンプレート72の構成の一例が示されている。図4に示すように、テンプレート72は、1個の固定フィールド74と3個の可変フィールド(可変フィールド76,78,80)を有している。
固定フィールド74のフィールドIDは「タイトル」であり、固定フィールド74に予め入力されているデータ(文字列)は「夏休みセール」である。固定フィールド74のサイズは、「200×50」である。
可変フィールド76のフィールドIDは「商品1」である。可変フィールド76の優先度は「1位」である。つまり、可変フィールド76には、優先度が「1位」のコンテンツ(例えば出力対象のコンテンツT1−1)が入力される。可変フィールド76のサイズは「100×120」であり、他の可変フィールド78,80のサイズよりも大きい。
可変フィールド78のフィールドIDは「商品2」である。可変フィールド78の優先度は「2位」である。つまり、可変フィールド78には、優先度が「2位」のコンテンツ(例えば出力対象のコンテンツT1−2)が入力される。可変フィールド78のサイズは「100×60」である。
可変フィールド80のフィールドIDは「商品3」である。可変フィールド80の優先度は「3位」である。つまり、可変フィールド80には、優先度が「3」のコンテンツ(例えば出力対象のコンテンツT1−3)が入力される。可変フィールド80のサイズは「100×60」である。
図16には、優先順位が「1位」のコンテンツ82(コンテンツT1−1)の構成の一例が示されている。図16に示す例では、コンテンツ82を構成する各コンテンツ要素(データ)の内容と、各コンテンツ要素のIDと、各コンテンツ要素の種類と、コンテンツ82を構成する上で必須のコンテンツ要素であるか否かを示す情報と、が互いに対応付けられている。コンテンツ82は、4つのコンテンツ要素(3個のテキストと1個の画像)によって構成されている。IDが「1」のコンテンツ要素は必須のコンテンツ要素ではなく、IDが「2」,「3」,「4」のコンテンツ要素は必須のコンテンツ要素である。他のコンテンツ88,94も、コンテンツ82と同様に、1又は複数のコンテンツ要素によって構成されている。
なお、テンプレート選択部52は、必須のコンテンツ要素に対応する可変フィールドを有しているテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択し、必須のコンテンツ要素に対応する可変フィールドを有していないテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択しなくてもよい。これにより、コンテンツ要素に適用するテンプレートが選択される。
図17には、合成データの一例が示されている。合成データ100は、出力対象のテンプレート72に出力対象のコンテンツ82,88,94を合成することにより生成されたデータである。コンテンツ82の優先順位は「1位」であるため、優先順位「1位」に対応する可変フィールド76にコンテンツ82が埋め込まれている。これにより、コンテンツ82が他のコンテンツよりも大きく表示される。コンテンツ88の優先順位は「2位」であるため、優先順位「2位」に対応する可変フィールド78にコンテンツ88が埋め込まれている。コンテンツ94の優先順位は「3位」であるため、優先順位「3位」に対応する可変フィールド80にコンテンツ94が埋め込まれている。なお、出力データ生成部54は、ターゲット層の属性に応じて、コンテンツ82,88,94に含まれるテキストの大きさを変更してもよい。例えば、出力データ生成部54は、ターゲット層の年齢層が高くなるほど、コンテンツ82,88,94に含まれるテキストを大きくしてもよいし、ターゲット層の年齢層が閾値以上となる場合に、コンテンツ82,88,94に含まれるテキストを通常サイズよりも大きくしてもよい。
合成データ100はコンテンツ管理装置30からプリンタ12に出力され、プリンタ12によって合成データ100に基づく印刷物14が生成される。
また、合成データ100は、管理者やユーザ(テンプレートを用いてチラシ等を作成するユーザ(例えば店の経営者や従業員等))等の端末装置に表示されてもよい。図18には、その表示例が示されている。画面102は端末装置に表示され、その画面102には合成データ100が表示されている。この画面102を介して、管理者やユーザ等によって合成データ100が加工される。例えば、合成データ100に含まれるコンテンツがユーザによって別のコンテンツに変更されたり、コンテンツに含まれる画像やテキストがユーザによって変更されたりする。
以上のように、本実施形態によると、サイネージ装置18に表示されているコンテンツ群の中から参照者の注目度に対応する優先度に基づいて出力対象のコンテンツを選択することにより、他のコンテンツと比較して参照者がより注目していると推測されるコンテンツが出力対象のコンテンツとして選択される。また、テンプレート群の中から参照者の属性に適合するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択することにより、他のテンプレートと比較して参照者に適したテンプレートが出力対象のテンプレートとして選択される。このようにして選択されたコンテンツとテンプレートとを合成することにより、予め用意されたコンテンツを予め用意された態様で一律に印刷して提供する場合と比較して、参照者に適したコンテンツ(参照者が興味を有していると推測されるコンテンツ)が、その参照者に適した態様で(参照者の好みに適合したレイアウトや参照者が見易い態様で)印刷されて参照者に提供される。例えば、現在、来店している客(参照者)の属性に適合する内容を有する印刷物14が客に配布されるので、有効な販促活動が行われる。
また、優先度が高いほどテンプレート内においてコンテンツをより大きく表示することにより、より多くの参照者が興味を有していると推測されるコンテンツが参照者に提供される。また、より見やすいと推測されるフィールドにコンテンツが表される。
上述した例では、コンテンツには、コンテンツ要素として、例えば、テキスト(説明、商品名、値段等)と画像(商品画像等)とが含まれている。この場合において、サイネージ装置18には、テキストは表示されずに、コンテンツを構成する画像のみが表示され、合成データには、画像とテキスト(説明、商品名、値段等)の両方が含まれもよい。サイネージ装置18にて商品を宣伝する場合、詳細な情報(例えば説明や値段等)をサイネージ装置18で表示するよりも、商品の画像のみを表示した方が、宣伝効果が高い場合がある。つまり、シンプルに画像のみを表示した方が、詳細な情報も表示する場合と比較して、より強いインパクトを参照者に与える場合がある。一方、一般的に、チラシとしての印刷物14に商品の詳細な説明や値段等が記載されていない場合、詳細な説明や値段等が記載されている場合と比較して、チラシとしての効果が低くなる(つまり、商品に関する必要な情報が客に伝わらない)と想定される。それ故、画像とともにテキストも合成データに含める。これにより、チラシとしての効果が高くなると想定される。
本実施形態では、サイネージ装置18に表示されているコンテンツ、つまり、デジタルサイネージを対象として合成データを生成しているが、デジタルサイネージ以外の対象物についての合成データを生成してもよい。対象物は、例えば、紙で構成された広告媒体、生物(例えば動物園にいる動物や、水族館にいる魚等)、等であってもよい。
例えば、紙で構成された複数の広告媒体が店頭に配置されており、カメラ20によって広告媒体毎の撮影領域22内にいる人が撮影される。属性識別部42は、広告媒体毎に参照者の人数をカウントする。上述した実施形態と同様に、優先度決定部44は、参照者の人数によって各広告媒体の優先度を決定し、また、ターゲット層を決定する。コンテンツ選択部50は、その優先度に基づいて出力対象の広告媒体を選択し、テンプレート選択部52は、ターゲット層の属性に適合するテンプレートを出力対象のテンプレートとして選択する。広告媒体を表わす画像データが予め生成されており、出力データ生成部54は、出力対象の広告媒体を表わす画像データと出力対象のテンプレートとを合成することにより合成データを生成する。合成データはプリンタ12によって印刷され、これにより、参照者が興味を有していると推測される広告媒体が参照者に適した表示態様で印刷される。
なお、制御部46は、店舗10における商品の購入データ(例えば、現時点から遡って予め設定された時間範囲内における購入データ)を解析することにより、その時間範囲内において客に購入された商品の種類と各商品の販売数を特定してもよい。この場合、コンテンツ配信部40は、例えば販売数が上位から予め設定された順位内に含まれる商品に関するコンテンツ(例えば広告)を、サイネージ装置18に表示させる。これにより、販促効果が得られると想定される。
また、制御部46は、参照者個人を識別し、その参照者が参照していたコンテンツや、その参照者と同世代の人が注目していると想定される商品に関する情報を、印刷物14に印刷されるように、コンテンツ選択部50と出力データ生成部54を制御してもよい。
上記のコンテンツ管理装置30は、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、コンテンツ管理装置3は、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、コンテンツ管理装置30の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。別の例として、コンテンツ管理装置3の各部は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。別の例として、コンテンツ管理装置30の各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。