JP2018030683A - 媒体搬送機構及び媒体処理装置 - Google Patents

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広和 小松
孝祐 盛林
Kosuke Moribayashi
孝祐 盛林
亮輔 小嶋
Ryosuke Kojima
亮輔 小嶋
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Abstract

【課題】従来と比べて簡易な構成でありながら搬送路の合流部分において媒体を搬送経路の異なる複数の搬送方向に搬送できるようにする。
【解決手段】出金側主搬送路40Aをタイミングベルト47と主搬送ガイド42Aとで形成し、反出金側主搬送路40Bをタイミングベルト47と合流搬送ガイド43とで形成し、繰出搬送路41を主搬送ガイド42Aと合流搬送ガイド43とで形成し、さらにこれら3つの搬送路を180度以内の範囲に配置するとともに、繰出搬送路41と出金側主搬送路40Aのなす角度Θ10を鈍角とした。これにより、ブレードを省略した構成でありながら、紙幣を繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへと案内することができ、また出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと案内することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は媒体搬送機構及び媒体処理装置に関するものであり、例えば、紙幣を搬送する紙幣搬送機構を有する現金自動支払機に適用して好適なものである。
従来、現金自動支払機内に設けられる紙幣出金機は、紙幣を収納する複数の出金カセットと、各出金カセットから繰り出される紙幣を搬送する紙幣搬送機構とを有している。複数の出金カセットは、例えば上下方向に並べて配置されている。紙幣搬送機構は、各出金カセットの近傍に位置していて上下方向に延びる第1搬送路と、各出金カセットと第1搬送路とを繋ぐ第2搬送路と、これら2つの搬送路の合流部分に設けられた回転可能なブレードとを有している。
紙幣搬送機構は、ブレードにより紙幣を案内するようになっていて、このブレードを回転させることで合流部分における紙幣の案内方向を切り替えるようになっている。すなわち、紙幣搬送機構は、ブレードにより、出金カセットから第2搬送路へと繰り出された紙幣を、合流部分において第1搬送路の出金方向(例えば上方)へ案内したり、第1搬送路上を反出金方向(例えば下方)に搬送されてきた紙幣を、合流部分において第1搬送路の反出金方向(例えば下方)へ案内したりするようになっている。
このように、従来の紙幣搬送機構は、搬送路の合流部分に設けたブレードにより、合流部分において紙幣を搬送経路の異なる複数の搬送方向に搬送できるようになっていた(例えば特許文献1参照)。
特開2012−160067号公報
上述したように、従来の紙幣搬送機構では、ブレードにより、搬送路の合流部分において紙幣を搬送経路の異なる複数の搬送方向に搬送できるようになっているが、この場合、搬送路の合流部分ごとにブレードが必要となり、紙幣搬送機構の構成が複雑になるという問題を有していた。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来と比べて簡易な構成でありながら搬送路の合流部分において媒体を搬送経路の異なる複数の搬送方向に搬送できるようにした媒体搬送機構及び媒体処理装置を提案するものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、第1の搬送ガイドと搬送ベルトとで形成される、媒体を搬送する第1の搬送路と、前記第1の搬送路と接続され、第2の搬送ガイドと前記搬送ベルトとで形成される、媒体を搬送する第2の搬送路と、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との接続箇所に接続され、前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとで形成される、媒体を搬送する第3の搬送路とを有し、前記搬送ベルトは、前記第2の搬送路から前記第1の搬送路への方向、及びその逆方向へ走行可能であり、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路と前記第3の搬送路とが合流する合流部分において、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路と前記第3の搬送路とが180度以内の範囲に配置され、且つ前記第1の搬送路と前記第3の搬送路のなす角度を鈍角とした。
これにより本発明は、ブレードを省略した構成でありながら、合流部分において、第3の搬送路に沿って搬送されてくる媒体を、第2の搬送路から第1の搬送路への方向に走行している搬送ベルトにより第1の搬送路へ案内することができる。また、合流部分において、第1の搬送路に沿って搬送されてくる媒体を、第1の搬送路から第2の搬送路への方向に走行している搬送ベルトにより第2の搬送路へと案内することができる。
本発明によれば、従来と比べて簡易な構成でありながら搬送路の合流部分において媒体を搬送経路の異なる複数の搬送方向に搬送できるようにした媒体搬送機構及び媒体処理装置を実現できる。
現金自動支払機の構成を示す斜視図である。 紙幣出金機の構成を示す側面図である。 紙幣搬送機構の構成を示す側面図及び後面図である。 紙幣搬送機構の合流部分の構成を示す側面図及び後面図である。 紙幣搬送機構の合流部分の構成を示す側面図である。 合流搬送ガイドの先端部の構成を示す斜視図である。 紙幣を繰出搬送路から出金側主搬送路へ搬送するときの紙幣案内動作を示す側面図である。 紙幣を反出金側主搬送路から出金側主搬送路へ搬送するときの紙幣案内動作を示す側面図である。 紙幣を出金側主搬送路から反出金側主搬送路へ搬送するときの紙幣案内動作を示す側面図である。 合流搬送ガイドの先端部と搬送ローラとの隙間が広すぎて紙幣の先端が反出金側主搬送路側に曲がってしまう様子を示す側面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.現金自動支払機の構成]
図1に外観を示すように、現金自動支払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で出金取引等の現金に関する取引を行うようになっている。
筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に接客部3が設けられている。接客部3は、カード入出口4、出金口5、操作表示部6、テンキー7、及びレシート発行口8が設けられており、顧客との間で現金等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになっている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口4の筐体内側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。出金口5は、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。また出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになっている。
操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
以下では、現金自動支払機1における顧客が対峙する側を前側とし、その反対側を後側、さらに前側に対峙した顧客から見て左、右、上、下をそれぞれ左側、右側、上側、下側と定義して説明する。
因みに、筐体2は、前面を覆う前扉(図示せず)及び後面を覆う後扉(図示せず)がそれぞれ開閉可能に構成されている。すなわち、筐体2は、顧客との間で現金に関する取引を行う取引動作時には、前扉等を閉塞することで、内部に保有している紙幣や硬貨等を保護する一方、金融機関の職員や作業者等が保守作業や紙幣の補充、回収作業等を行う作業時には、必要に応じて前扉等を開放することで、内部の各部に対する作業を容易に行わせることができるようになっている。
また、筐体2内には、現金自動支払機1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣出金機10等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、出金取引等に関する種々の処理を行う。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
[2.紙幣出金機の構成]
図2に、紙幣出金機10の模式的な側面図を示す。この紙幣出金機10は、紙幣出金機筐体20の内部に、紙幣の出金に関する機構と全体を制御する図示しない制御部とが組み込まれた構成となっている。出金に関する機構は、収納フレーム21、出金カセット22、リジェクトカセット23、一時集積部24、紙幣搬送路25、束搬送部26などで構成される。
収納フレーム21は、紙幣出金機筐体20の下部に設けられ、上下方向に分割された複数(例えば4個)の箱型のカセット装着部30を有している。各カセット装着部30は、前側から出金カセット22を挿入して装着でき、また装着された出金カセット22を前方に引き出して取り外すことができるようになっている。また、収納フレーム21の内部には、カセット装着部30の後方に紙幣搬送路25が上下方向に延びている。
出金カセット22は、紙幣を収納するユニットであり、カセット装着部30に対し、着脱可能に装着されている。また、出金カセット22は、カセット装着部30に設けられた図示しないアクチュエータにより、収納している紙幣を後方から1枚ずつ紙幣搬送路25へと繰り出すようになっている。紙幣出金機10は、複数のカセット装着部30のそれぞれに出金カセット22が装着され、複数の出金カセット22が上下方向に並んだ状態で配置される。
リジェクトカセット23は、出金に適さない紙幣及び顧客が取り忘れた紙幣を収納するユニットであり、収納フレーム21の上方、すなわち1番上の出金カセット22の上方に設けられている。このリジェクトカセット23も、紙幣出金機筐体20に対し、着脱可能に装着されている。
一時集積部24は、出金カセット22から繰り出された紙幣を一時的に集積するユニットであり、リジェクトカセット23の後方に設けられている。この一時集積部24には、図示しないアクチュエータにより上下動可能なステージ31が設けられていて、このステージ31上に、紙幣を集積するようになっている。さらに、一時集積部24は、ステージ31上に集積させた紙幣を、一時集積部24の上方に位置する束搬送部26へ繰り出すことができるようになっている。
図中太線で示す紙幣搬送路25は、上部搬送路32と下部搬送路33とに分けることができ、それぞれ、ローラ、ベルト、ガイド、駆動部などを有する紙幣搬送機構により構成される。制御部は、紙幣搬送機構のローラやベルトを駆動させることで、紙幣をこの紙幣搬送路25に沿って搬送する。尚、紙幣搬送路25では、例えば、長方形の紙幣を短手方向に搬送するようになっている。下部搬送路33は、紙幣搬送路25全体のうち収納フレーム21の内部に位置する部分であり、カセット装着部30の後方において上下方向に延びていて、各カセット装着部30に装着された各出金カセット22の繰出口22Pと接続される。つまり、各出金カセット22は、この下部搬送路33に紙幣を繰り出すようになっている。また、下部搬送路33には、一番上の出金カセット22と下部搬送路33との接続箇所より上方に、紙幣が出金に適した紙幣であるかどうかを鑑別する鑑別部34が設けられている。
一方、上部搬送路32は、紙幣搬送路25全体のうち収納フレーム21の外側に位置する部分であり、下部搬送路33からリジェクトカセット23及び一時集積部24へと延びている。この上部搬送路32は、途中で分岐して、一方がリジェクトカセット23へと延び、他方が一時集積部24へと延びていて、さらにこの分岐部に紙幣の搬送先を切り替える為のブレード35が設けられている。制御部は、出金カセット22から繰り出された紙幣のうち鑑別部34により出金に適していると鑑別された紙幣については、搬送先が一時集積部24となるように、一方で、出金に適さないと鑑別された紙幣については、搬送先がリジェクトカセット23となるようにブレード35を動作させるようになっている。
束搬送部26は、リジェクトカセット23及び一時集積部24の上方、すなわち紙幣出金機筐体20の最上部に設けられていて、一時集積部24から繰り出さる紙幣を、集積された状態(つまり束状態)のまま、出金口5へと搬送するユニットである。また、この束搬送部26は、顧客が取り忘れた紙幣については、出金口5からリジェクトカセット23の上方まで戻してリジェクトカセット23内に落下させ、リジェクトカセット23に収納するようにもなっている。
紙幣出金機10は、このような構成でなり、接客部3を介して顧客から出金の指示及び出金額を受け付けると、制御部の制御に基づき、出金カセット22に収納されている紙幣を出金口5へと搬送する出金処理を行うようになっている。
尚、紙幣出金機10は、出金処理時、出金カセット22から繰り出された紙幣を、紙幣搬送路25において一時集積部24へと向かう方向(これを出金方向と呼ぶ)へ搬送するようになっているが、例えば、出金カセット22から繰り出された紙幣が紙幣搬送路25の途中で詰まってしまったときには、この紙幣を除去する為に、紙幣搬送路25において出金方向とは逆方向(これを反出金方向と呼ぶ)に紙幣を搬送することができるようにもなっている。
この場合、紙幣出金機10の制御部は、金融機関の職員や作業者により操作表示部6を介して紙幣を反出金方向に搬送するよう指示されると、紙幣搬送路25を構成するローラやベルトを出金処理時とは逆方向に駆動することで、紙幣を反出金方向に搬送する。また、例えば、紙幣出金機筐体20に、紙幣搬送路25を構成するローラやベルトを手動で駆動させる為の回転レバーを設け、金融機関の職員や作業者が、この回転レバーを操作することで、紙幣を反出金方向に手動で搬送できるようにしてもよい。
[3.下部搬送路の構成]
次に、下部搬送路33を構成する紙幣搬送機構について詳しく説明する。図3(A)に、下部搬送路33を構成する紙幣搬送機構33Mを右方向から見た側面図を示し、図3(B)に、紙幣搬送機構33Mを後方から見た後面図を示す。尚、図3(A)、(B)は、鑑別部34を省略した図となっている。
図3(A)に示すように、下部搬送路33は、収納フレーム21の上部から下部にかけて上下方向に延びる部分(これを主搬送路と呼ぶ)40と、各出金カセットの繰出口22P(図2参照)から主搬送路40へと延び、主搬送路40と合流する部分(これを繰出搬送路と呼ぶ)41とを有している。換言すると、下部搬送路33は、上下方向に延びる主搬送路40から各出金カセット22の繰出口22Pへと延びる繰出搬送路41が分岐したものとなっている。
この下部搬送路33は、搬送フレーム部42と、合流搬送ガイド43と、搬送ローラ部44と、駆動シャフト部45と、ベルトプーリ部46と、タイミングベルト47と、テンションローラ48と、図示しない駆動部とを有する紙幣搬送機構33Mにより構成される。
搬送フレーム部42は、上下方向に分割された複数の主搬送ガイド42Aと、各ガイド(主搬送ガイド42A、合流搬送ガイド43)及び後述する各シャフトを支持する構造体としての搬送フレーム42Bとで構成され、主搬送ガイド42Aと搬送フレーム42Bとが樹脂により一体成形されている。
主搬送ガイド42Aは、カセット装着部30(図2参照)と同数個(すなわち4個)有り、それぞれカセット装着部30の後方に配置されている。一番下の主搬送ガイド42Aを除く各主搬送ガイド42Aは、主搬送ガイド42A間に合流搬送ガイド43を配置する為の隙間を空けて配置される。また一番下の主搬送ガイド42Aは、収納フレーム21の下端との間に合流搬送ガイド43を配置する為の隙間を空けて配置される。各主搬送ガイド42Aは、同一構成であり、図3(A)に点線で示す部分を拡大した図4(A)に示すように、主搬送路40に沿って延びる後面と、この後面の下端と繋がり繰出搬送路41に沿って延びる下面とを有し、それぞれ主搬送路40及び繰出搬送路41に沿って紙幣をガイドするガイド面となっている。尚、各主搬送ガイド42Aの後面を主搬送ガイド面50、下面を繰出搬送ガイド面51と呼ぶ。また、主搬送ガイド42Aの主搬送ガイド面50の下端と繰出搬送ガイド面51の後端との角部は、丸みを帯びていて、主搬送ガイド面50の下端と繰出搬送ガイド面51の後端とを滑らかに繋いでいる。
図3に戻り、搬送フレーム42Bは、主搬送ガイド42Aの左右両端をリブで囲う箱型であり、構造体として十分な強度を有している。また、この搬送フレーム42Bの左右両端部には、合流搬送ガイド43や後述する各シャフトを取り付ける孔(図示せず)が形成されている。
合流搬送ガイド43は、繰出搬送路41と同数個(例えば4個)有り、それぞれ左右両端部が搬送フレーム42Bの孔に嵌入されることで、搬送フレーム42Bに取り付けられている。尚、各合流搬送ガイド43は、例えば、左右両端部に弾性変形可能な爪部(図示せず)が設けられ、この爪部を撓ませて孔に嵌入すると、爪部が元の形状に戻って搬送フレーム42Bに引っ掛かることで、搬送フレーム42Bに固定されるようになっている。
一番下の合流搬送ガイド43を除く各合流搬送ガイド43は、主搬送ガイド42A間に配置される。このとき、各合流搬送ガイド43は、上側の主搬送ガイド42Aとの間には繰出搬送路41となる隙間を空け、下側の主搬送ガイド42Aとは隙間なく滑らかに連結されるように配置される。また一番下の合流搬送ガイド43は、上側の主搬送ガイド42Aとの間に繰出搬送路41となる隙間を空けるように配置される。
一番下の合流搬送ガイド43を除く各合流搬送ガイド43は、図4(A)に示すように、主搬送路40に沿って延びる後面と、この後面の上端と繋がり繰出搬送路41に沿って延びる上面とを有し、それぞれ主搬送路40及び繰出搬送路41に沿って紙幣をガイドするガイド面となっている。尚、一番下の合流搬送ガイド43を除く各合流搬送ガイド43の後面を主搬送ガイド面60、上面を繰出搬送ガイド面61と呼ぶ。また、一番下の合流搬送ガイド43は、図3(A)に示すように、繰出搬送路41に沿って延びる上面を有し、この上面が繰出搬送ガイド面61となっている。そして各主搬送ガイド42Aの繰出搬送ガイド面51と各合流搬送ガイド43の繰出搬送ガイド面61とにより、各繰出搬送路41が形成される。
また、一番下の合流搬送ガイド43を除く各合流搬送ガイド43は、図4(A)に示すように、主搬送ガイド面60の上端と繰出搬送ガイド面61の後端との角部となる先端部62が鋭く尖った形状となっている。さらに、一番下の合流搬送ガイド43を除く各合流搬送ガイド43の主搬送ガイド面60は、各合流搬送ガイド43の下側の各主搬送ガイド42Aの主搬送ガイド面50と滑らかに繋がっている。さらに、図3(A)に示すように、一番下の合流搬送ガイド43の繰出搬送ガイド面61(上面)は、他の合流搬送ガイド43の繰出搬送ガイド面61より後方に長く、その後端部が後述するタイミングベルト47側にオーバーラップしている。
搬送ローラ部44は、ローラシャフト44Aと搬送ローラ44Bとで構成される。ローラシャフト44Aは、各主搬送ガイド42Aの幅方向(左右方向)より十分短く、各主搬送ガイド42Aの上部、中央部及び下部の内側に、それぞれ左右方向に間隔を空けて2本ずつ左右方向と平行に固定されている。つまり、各主搬送ガイド42Aには、上部、中央部、下部にそれぞれ左右2本ずつの計6本のローラシャフト44Aが固定されている。
そして各ローラシャフト44Aに、搬送ローラ44Bが回動可能に取り付けられている。つまり、各主搬送ガイド42Aには、上部、中央部、下部にそれぞれ左右2個ずつの計6個の搬送ローラ44Bが取り付けられている。尚、左右2個の搬送ローラ44Bは、図3(B)に示すように、主搬送ガイド42Aの幅方向の中心から左側と右側とに等距離離れた位置に配置される。
各搬送ローラ44Bは、滑らかな外周を有する円柱状であり、外周の一部が、各主搬送ガイド42Aのガイド面(主搬送ガイド面50、繰出搬送ガイド面51)に形成された孔(図示せず)から各主搬送ガイド42Aの外側(つまり下部搬送路33側)に露出するようになっている。
具体的には、主搬送ガイド42Aの上部及び中央部にそれぞれ設けられた左右2個の搬送ローラ44Bは、外周の一部が、主搬送ガイド42Aの主搬送ガイド面50の上部及び中央部にそれぞれ形成された孔(図示せず)から露出するようになっている。また、主搬送ガイド42Aの下部に設けられた左右2個の搬送ローラ44Bは、図4(A)に示すように、外周の一部が、主搬送ガイド42Aの主搬送ガイド面50の下端と繰出搬送ガイド面51の後端との角部に形成された孔(図示せず)から露出するようになっている。そして、各搬送ローラ44Bは、主搬送ガイド42Aの外側に露出した外周の一部が、後述するタイミングベルト47と接触するようになっている。
駆動シャフト部45は、タイミングベルト47を駆動する機構であり、駆動シャフト45Aと駆動プーリ45Bとで構成される。駆動シャフト45Aは、左右両端部が搬送フレーム42Bの孔に嵌入されることで、搬送フレーム42Bに回動可能に取り付けられている。駆動シャフト45Aは、搬送フレーム42Bの上端部(一番上の主搬送ガイド42Aより上方で且つ主搬送ガイド42Aより後方)に配置される。駆動シャフト45Aは、図示しない駆動部から駆動力が伝達されることで回動する。
そしてこの駆動シャフト45Aに、例えば2個の駆動プーリ45Bが間隔を空けて固定されている。尚、2個の駆動プーリ45Bは、駆動シャフト45Aの軸方向の中心から左側と右側とに等距離離れた位置に固定され、駆動シャフト45Aとともに回動する。これら2個の駆動プーリ45Bの左右方向の位置は、搬送ローラ部44の左右2個の搬送ローラ44Bの左右方向の位置と対応している。また、左右2個の駆動プーリ45Bは、外周に、タイミングベルト47のベルト歯と噛み合うプーリ歯(図示せず)が形成されている。
ベルトプーリ部46は、プーリシャフト46Aとベルトプーリ46Bとで構成される。プーリシャフト46Aは、繰出搬送路41と同数本(すなわち4本)有り、それぞれ左右両端部が搬送フレーム42Bの孔に嵌入されることで、搬送フレーム42Bに取り付けられている。各プーリシャフト46Aは、回動可能ではなく搬送フレーム42Bに固定されていて、図4(A)に示すように、それぞれ合流搬送ガイド43の主搬送ガイド面60(後面)の後方に配置される。
そして各プーリシャフト46Aに、駆動プーリ45Bと同数個(すなわち2個)のベルトプーリ46Bが間隔を空けて取り付けられている。尚、各プーリシャフト46Aに取り付けられた左右2個のベルトプーリ46Bの左右方向の位置は、左右2個の駆動プーリ45Bの左右方向の位置と対応している。また、各プーリシャフト46Aに取り付けられた左右2個のベルトプーリ46Bは、図4(A)に示すように、各合流搬送ガイド43の主搬送ガイド面60(後面)に対し、隙間を空けて対向配置される。
各ベルトプーリ46Bは、プーリシャフト46Aに対し、回動可能に取り付けられている。また、各ベルトプーリ46Bは、外周に、タイミングベルト47のベルト歯と噛み合うプーリ歯(図示せず)が形成されている。
さらに、駆動プーリ45B及びベルトプーリ46Bは、それぞれの外周の前端部が、上述した搬送ローラ44Bの外周の後端部より前方に位置するように配置される。
タイミングベルト47は、内周にベルト歯(図示せず)が形成された環状のベルトである。このタイミングベルト47は、駆動プーリ45Bと同数本(すなわち2本)有り、一方が左側の駆動プーリ45B及び3個のベルトプーリ46Bに対し、これらのプーリ歯にベルト歯が噛み合うようにして掛け渡され、他方が右側の駆動プーリ45B及び3個のベルトプーリ46Bに対し、これらのプーリ歯にベルト歯が噛み合うようにして掛け渡されている。左右2本のタイミングベルト47は、左右2個の駆動プーリ45Bが回動することにともなって、それぞれ上下方向に走行する。
左右2本のタイミングベルト47は、それぞれ上下方向に延び上下反対方向に走行する前部47Aと後部47Bを有している。左右2本のタイミングベルト47は、それぞれの前部47Aが、図4(A)に示すように、各主搬送ガイド42A及び各合流搬送ガイド43の主搬送ガイド面50及び主搬送ガイド面60と対向するようになっていて、前部47Aと主搬送ガイド面50及び主搬送ガイド面60とにより、主搬送路40が形成される。また、左右2本のタイミングベルト47は、それぞれの前部47Aが、主搬送ガイド42Aから露出する各搬送ローラ44Bの外周の一部と接触するようになっていて、各搬送ローラ44Bとの間に紙幣を挟んで搬送するようになっている。
さらに、左右2本のタイミングベルト47には、それぞれ後部47Bがテンションローラ48により前方に押し付けられることで、一定の張力が与えられている。また、左右2本のタイミングベルト47は、テンションローラ48により一定の張力が与えられていることにくわえて、駆動プーリ45B及びベルトプーリ46Bの外周の前端部が搬送ローラ44Bの外周の後端部より前方に位置するように配置されていることにより、それぞれの前部47Aが搬送ローラ44Bの外周の一部に巻き付くようになっている。これにより、各搬送ローラ44Bは、タイミングベルト47と接触している箇所から中心軸へと向かう方向に押さえ付けられる。このように、タイミングベルト47は、各搬送ローラ44Bを押さえ付けるようになっていて、この押さえ付ける力が、タイミングベルト47と搬送ローラ44Bとの間に挟んだ紙幣を搬送するフィード力となる。
ここで、紙幣搬送機構33Mにおける、主搬送路40と一番下の繰出搬送路41を除く繰出搬送路41との合流部分の構成について、さらに詳しく説明する。尚、主搬送路40と一番下の繰出搬送路41を除く繰出搬送路41との合流部分は、3箇所存在するが、同一構成の為、ここでは、一例として、主搬送路40と一番上の繰出搬送路41との合流部分の構成についてのみ説明する。
図4(A)は、図3(A)に点線で囲った合流部分の拡大図である。また、図4(B)に、この合流部分を後方から見た後面図を示す。尚、ここでは、主搬送路40を、主搬送路40と繰出搬送路41との合流点Pより上側の部分(すなわち出金方向側の部分)と、合流点Pより下側の部分(すなわち反出金方向側の部分)とに分け、出金方向側の部分を出金側主搬送路40Aと呼び、反出金方向側の部分を反出金側主搬送路40Bと呼ぶ。よって、合流点Pは、出金側主搬送路40Aと、反出金側主搬送路40Bと、繰出搬送路41との3つの搬送路が合流する箇所となっている。
この合流部分では、出金方向への紙幣搬送時(出金処理時)、紙幣が繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへと案内され、そのまま出金方向(上方)に搬送される。もしくは、紙幣が反出金側主搬送路40Bから出金側主搬送路40Aへと案内され、そのまま出金方向(上方)に搬送される。一方で、反出金方向への紙幣搬送時(例えばジャム除去時)、この合流部分では、紙幣が出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと案内され、そのまま反出金方向(下方)に搬送される。
出金側主搬送路40Aは、主搬送ガイド42Aとタイミングベルト47とにより形成される搬送路であり、反出金側主搬送路40Bは、合流搬送ガイド43とタイミングベルト47とにより形成される搬送路であり、繰出搬送路41は、主搬送ガイド42Aと合流搬送ガイド43とにより形成される搬送路である。
ここで、出金方向への紙幣搬送時に紙幣を繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへと案内する為には、図5に示すように、出金側主搬送路40Aと繰出搬送路41の角度Θ1を極力小さくすることが望ましく、少なくとも90度より小さくする(つまり鋭角にする)。尚、角度Θ1は、出金側主搬送路40Aを合流点Pから反出金方向に延ばした延長線L1と繰出搬送路41のなす角度である。これに対して、一般的に、出金側主搬送路40Aと繰出搬送路41のなす角度と言えば、180度−角度Θ1である角度Θ10のことである。よって、角度Θ1が鋭角であれば、角度Θ10は鈍角となる。つまり、角度Θ1を鋭角にすることと、出金側主搬送路40Aと繰出搬送路41のなす角度Θ10を鈍角にすることは同じ意味である。
一方で、反出金方向への紙幣搬送時に紙幣を出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと案内する為には、紙幣の先端が合流搬送ガイド43の先端部62に接触しないようにすることが望ましい。この為、合流搬送ガイド43は、先端部62が、タイミングベルト47から距離δだけ離れた位置に退避させられている。この距離δは、紙幣の厚さより大きな値に設定されている。別の言い方をすると、合流搬送ガイド43の先端部62とタイミングベルト47は、紙幣の厚さより大きな距離δだけ離れている。
さらに別の言い方をすると、合流搬送ガイド43の先端部62は、図4(A)に示すように、タイミングベルト47と搬送ローラ44Bとの間から反出金方向へと繰り出される紙幣の通り道L2から離れた位置に退避させられている。さらに別の言い方をすると、合流搬送ガイド43の先端部62は、タイミングベルト47と対向する主搬送ガイド面60が、先端へ行くほど(合流点Pに近づくほど)タイミングベルト47から離れていくようになっている。
こうすることで、タイミングベルト47と搬送ローラ44Bとの間から反出金方向へと繰り出された紙幣は、その先端が合流搬送ガイド43の先端部62に接触することなく、タイミングベルト47に沿って反出金側主搬送路40Bへと案内される。
また、タイミングベルト47を搬送ローラ44Bに巻き付ける力(つまりフィード力)を大きくする為には、図5に示すように、出金側主搬送路40Aと反出金側主搬送路40Bの角度Θ2を極力大きくすることが望ましい。尚、角度Θ2は、延長線L1と反出金側主搬送路40Bの角度であり、出金側主搬送路40Aと反出金側主搬送路40Bのなす角度をΘ20とすると、Θ2=180度−Θ20となる。
一方で、角度Θ2は、角度Θ1の内側に存在しなければならず、且つ角度Θ1の内側には、角度Θ2とは別に、繰出搬送路41と反出金側主搬送路40Bのなす角度Θ3も存在しなければならない。尚、この角度Θ3は、合流搬送ガイド43の繰出搬送ガイド面61と主搬送ガイド面60のなす角度でもある。
この為、角度Θ2を角度Θ1の内側で極力大きくする為には、角度Θ3を極力小さくしなくてはならない。ゆえに、合流搬送ガイド43の先端部62は、鋭く尖った形状となっている。このように、合流部分では、角度Θ1が鋭角(すなわち角度Θ10が鈍角)、角度Θ2が鋭角で極力大きな角度(すなわち角度Θ20が鈍角で極力小さい角度)、角度Θ3が鋭角で極力小さい角度となっている。より具体的には、角度Θ1が30度〜60度(角度Θ10が120度〜150度)、角度Θ2が15度〜20度(角度Θ20が160度〜165度)、角度Θ3が10度〜45度となるように設定することが望ましい。
さらに、合流部分では、タイミングベルト47を搬送ローラ44Bに巻き付ける為、出金側主搬送路40Aと反出金側主搬送路40Bの角度Θ2を少なくとも0度以上(角度Θ20を少なくとも180度以下)にする必要があり、且つこの角度Θ2が角度Θ1の内側に存在しなければならない為、必然的に、出金側主搬送路40A、反出金側主搬送路40B及び繰出搬送路41の3つの搬送路は、180度以内の範囲に配置される。
さらに、合流部分では、合流点Pと外周が接するように搬送ローラ44Bが配置され、出金側主搬送路40A、反出金側主搬送路40B、繰出搬送路41が、それぞれ搬送ローラ44Bの外周の接線方向に延びている。つまり、出金側主搬送路40A、反出金側主搬送路40B、繰出搬送路41は、それぞれこの搬送ローラ44Bの外周の接線方向に延びていれば、合流部分の設計時には、この条件を満たす範囲で角度Θ1、Θ2、Θ3を自由に変更することができる。
さらに、合流搬送ガイド43は、図4(B)にくわえて図6に斜視図を示すように、合流点Pの近傍に位置する先端部62における搬送ローラ44Bと対向する部分に、搬送ローラ44Bの幅より若干幅広に切り欠かれた切欠部63が形成されている。これにより、合流搬送ガイド43は、先端部62の切欠部63と搬送ローラ44Bとの間に一定の間隔を確保しながら、先端部62の切欠部63以外の部分をより搬送ローラ44Bに近づけることができるようになっている。尚、紙幣を繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへと搬送するときには、合流搬送ガイド43の先端部62と搬送ローラ44Bとの間を紙幣が通過することになる為、これらの間には、少なくとも紙幣がスムーズに通過できる程度の隙間が確保されている。
[4.合流部分での紙幣案内動作]
次に、紙幣搬送機構33Mの合流部分での紙幣案内動作について図7乃至図9を用いて説明する。尚、この紙幣案内動作についても、主搬送路40(出金側主搬送路40A及び反出金側主搬送路40B)と一番上の繰出搬送路41との合流部分での紙幣案内動作についてのみ説明する。
まず、出金処理時に、出金カセット22から繰り出された紙幣を繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへと搬送するときの紙幣案内動作について説明する。この場合、図7(A)に示すように、紙幣BLは、主搬送ガイド42Aと合流搬送ガイド43により繰出搬送路41に沿って合流点Pへと案内され、ここで、紙幣の先端が、出金方向に走行しているタイミングベルト47に接触する。その後、図7(B)に示すように、紙幣BLは、図中反時計回り方向に回転している搬送ローラ44Bとタイミングベルト47の間に挟まれて出金側主搬送路40Aへと案内され、出金側主搬送路40Aに沿って出金方向に搬送される。
次に、出金処理時に、合流部分より下方の出金カセット22から繰り出された紙幣を反出金側主搬送路40Bから出金側主搬送路40Aへと搬送するときの紙幣案内動作について説明する。この場合、図8に示すように、紙幣BLは、出金方向に走行しているタイミングベルト47と合流搬送ガイド43により反出金側主搬送路40Bに沿って合流点Pへと案内され、紙幣の先端が、図中反時計回り方向に回転している搬送ローラ44Bに接触する。その後、紙幣BLは、搬送ローラ44Bとタイミングベルト47の間に挟まれて出金側主搬送路40Aへと案内され、出金側主搬送路40Aに沿って出金方向に搬送される。
次に、ジャム除去時などに、紙幣を出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと搬送するときの紙幣案内動作について説明する。この場合、図9(A)に示すように、紙幣BLは、出金側主搬送路40Aに沿って反出金方向に搬送され、反出金方向に走行しているタイミングベルト47と図中時計回り方向に回転している搬送ローラ44Bとの間に挟まれて合流点Pへと案内される。その後、図9(B)に示すように、紙幣BLは、合流搬送ガイド43の先端部62に接触することなく、タイミングベルト47に沿って反出金側主搬送路40Bへと案内され、反出金側主搬送路40Bに沿って反出金方向に搬送される。
紙幣出金機10は、このように紙幣BLを反出金方向に搬送した後、その紙幣BLを主搬送路40内に残留させた状態で休止する。ここで、作業者は、例えば紙幣出金機10の後側から紙幣搬送機構33Mにアクセスし、タイミングベルト47と、主搬送ガイド42A及び合流搬送ガイド43との隙間から、主搬送路40内に残留している紙幣BL(つまりジャム紙幣)を抜き取る。このようにしてジャム紙幣が除去される。
[5.まとめと効果]
ここまで説明したように、紙幣出金機10の紙幣搬送機構33Mでは、出金側主搬送路40Aと、反出金側主搬送路40Bと、繰出搬送路41の3つの搬送路が合流する合流部分において、出金側主搬送路40Aをタイミングベルト47と主搬送ガイド42Aとで形成し、反出金側主搬送路40Bをタイミングベルト47と合流搬送ガイド43とで形成し、合流搬送ガイド43を主搬送ガイド42Aと合流搬送ガイド43とで形成した。
そのうえで、合流部分において、出金側主搬送路40A、反出金側主搬送路40B、及び繰出搬送路41を180度以内の範囲に配置するとともに、繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへのカーブが緩やかとなるように、繰出搬送路41と出金側主搬送路40Aの角度Θ1を鋭角とした(つまり繰出搬送路41と出金側主搬送路40Aのなす角度Θ10を鈍角とした)。
こうすることで、紙幣搬送機構33Mでは、合流部分において、繰出搬送路41に沿って合流点Pへと搬送されてきた紙幣を、このとき反出金側主搬送路40Bから出金側主搬送路40Aへの出金方向に走行しているタイミングベルト47により出金側主搬送路40Aへと案内することができる。また、この場合、繰出搬送路41と出金側主搬送路40Aのなす角度Θ10が鈍角であり、繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへのカーブが緩やかな為、紙幣の先端が折れたりすることなくスムーズに、出金側主搬送路40Aへと搬送することができる。
また、紙幣搬送機構33Mでは、合流部分において、出金側主搬送路40Aに沿って合流点Pへと搬送されてきた紙幣を、このとき出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへの反出金方向に走行しているタイミングベルト47により反出金側主搬送路40Bへと案内することができる。さらに、紙幣搬送機構33Mでは、合流部分において、反出金側主搬送路40Bに沿って合流点Pへと搬送されてきた紙幣を、このとき反出金側主搬送路40Bから出金側主搬送路40Aへの出金方向に走行しているタイミングベルト47により出金側主搬送路40Aへと案内することができる。
このように、紙幣搬送機構33Mでは、合流部分において、ブレードを省略した構成でありながら、紙幣を、繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへの方向、出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへの方向、及び反出金側主搬送路40Bから出金側主搬送路40Aへの方向の3つの搬送方向に搬送することができる。かくして、紙幣出金機10は、従来と比べて簡易な構成でありながら、合流部分において紙幣を搬送経路の異なる複数の搬送方向に搬送できる。
さらに、紙幣搬送機構33Mでは、合流部分において、合流搬送ガイド43の先端部62をタイミングベルト47から紙幣の厚さより大きい距離δだけ離れた位置に退避させるようにした。これにより、紙幣出金機10では、合流部分において、紙幣を出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと搬送するときに、この紙幣の先端が、合流搬送ガイド43の先端部62に接触して折れたり破れたりすることを防ぐことができるので、より確実且つスムーズに、紙幣を出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと搬送することができる。
さらに、紙幣搬送機構33Mでは、合流部分の合流点Pにおいて、出金側主搬送路40A、反出金側主搬送路40B、繰出搬送路41のそれぞれと外周が接するように搬送ローラ44Bを配置し、この搬送ローラ44Bにタイミングベルト47を接触させるようにした。さらに出金側主搬送路40Aと反出金側主搬送路40Bのなす角度Θ20を180以下とすることで、タイミングベルト47を、搬送ローラ44Bの外周の一部に巻き付けるようにした。これにより、紙幣搬送機構33Mでは、合流部分において、紙幣を出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと搬送するときに、紙幣をタイミングベルト47と搬送ローラ44Bとの間に挟んで反出金側主搬送路40Bへと繰り出すフィード力を得ることができるので、より確実に紙幣を出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと搬送することができる。
さらに、紙幣搬送機構33Mでは、合流搬送ガイド43の先端部62の搬送ローラ44Bと対向する部分に、搬送ローラ44Bの幅より若干幅広に切り欠かれた切欠部63を形成するようにした。これにより、合流搬送ガイド43は、先端部62の切欠部63と搬送ローラ44Bとの間に一定の間隔を確保しながら、先端部62と搬送ローラ44Bとの隙間を極力小さくできる。これにより、紙幣搬送機構33Mでは、合流部分において、紙幣を出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと搬送するときに、この紙幣の先端が、合流搬送ガイド43と搬送ローラ44Bの隙間に入り込んで、繰出搬送路41側へ誤って案内されてしまうことを防ぐことができ、より確実に紙幣を出金側主搬送路40Aから反出金側主搬送路40Bへと搬送することができる。
また、このように合流搬送ガイド43の先端部62と搬送ローラ44Bとの隙間を極力小さくすることで、紙幣を繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへと搬送するときに、紙幣の先端が反出金側主搬送路40B側へと曲がってしまう状況を回避することができる。実際、図10に示すように、合流搬送ガイド43の先端部62と搬送ローラ44Bとの隙間が広すぎると、紙幣の先端が反出金側主搬送路40B側へと曲がり、紙幣の先端が折れるなどして紙幣が痛んだりジャムとなったりする可能性が出てくる。紙幣搬送機構33Mでは、このような状況を回避することで、紙幣が痛んだりジャムとなったりすることなく、より確実に紙幣を繰出搬送路41から出金側主搬送路40Aへと搬送することができる。
[6.他の実施の形態]
[6−1.他の実施の形態1]
尚、上述した実施の形態では、主搬送路40(出金側主搬送路40A及び反出金側主搬送路40B)を形成する搬送ベルトとして、内周にベルト歯を有するタイミングベルト47を用いた。これに限らず、タイミングベルト47の代わりに、内周にベルト歯を有していない平ベルトなどを用いてもよい。この場合、駆動プーリ45B、ベルトプーリ46Bの代わりに、外周にプーリ歯を有していない駆動プーリ、ベルトプーリを用いるようにすればよい。また、上述した実施の形態では、タイミングベルト47を2本用いて、紙幣を搬送するようにしたが、これに限らず、3本以上の搬送ベルトを用いて搬送したり、幅広の1本の搬送ベルトを用いて搬送したりしてもよい。
[6−2.他の実施の形態2]
また、上述した実施の形態では、主搬送ガイド42Aを、搬送フレーム42Bと一体成形するようにした。これに限らず、これらを別体で成形して、主搬送ガイド42Aを搬送フレーム42Bに取り付けるようにしてもよい。また、これに限らず、例えば、主搬送ガイド42Aと合流搬送ガイド43と搬送フレーム42Bとを一体成形したり、主搬送ガイド42Aと合流搬送ガイド43を搬送フレーム42Bとは別体で一体成形し、一体成形された主搬送ガイド42A及び合流搬送ガイド43を搬送フレーム42Bに取り付けるようにしたりしてもよい。
[6−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した実施の形態では、紙幣搬送機構33Mの合流部分において、合流点Pと外周が接するように搬送ローラ44Bを配置し、この搬送ローラ44Bの外周の一部にタイミングベルト47を巻き付けるようにした。これに限らず、合流部分から、この搬送ローラ44Bを省略してもよい。この場合、タイミングベルト47を、例えば、主搬送ガイド42Aにおける、出金側主搬送路40Aから繰出搬送路41へのカーブに巻き付けるようにしたり、このカーブに、搬送ローラ44Bの外周の代わりとなる突起部を設けて、この突起部に巻き付けるようにしたりすればよい。
[6−4.他の実施の形態4]
さらに、上述した実施の形態では、ジャム発生時、紙幣出金機10が紙幣BLを反出金方向に搬送した後、その紙幣BLを主搬送路40内に残留させた状態で休止し、作業者が主搬送路40内に残留している紙幣BL(つまりジャム紙幣)を除去するようにした。ところで、ジャム発生時に、紙幣BLを一旦反出金方向に搬送することでジャム(紙幣詰まり)が解消される場合がある。この為、紙幣出金機10が紙幣BLを反出金方向に搬送してジャムを解消した後、再びタイミングベルト47を出金方向に駆動して、その紙幣BLを出金方向に搬送するようにしてもよい。尚、紙幣出金機10では、一旦反出金方向に搬送してから再度出金方向に搬送した紙幣BLについては、全てリジェクトカセット23へ搬送して収納する。これは、ジャムを引き起こした紙幣BLは折れ曲がっている場合が多く、出金に適していない為である。
また、紙幣BLを一旦反出金方向に搬送してから再度出金方向に搬送してもジャムが解消されない場合に、紙幣出金機10がその紙幣BLを主搬送路40内に残留させた状態で休止し、作業者に紙幣BL(ジャム紙幣)を除去させるようにしてもよい。尚、紙幣出金機10では、例えば、主搬送路40などに設置された図示しないセンサにより紙幣の通過有無を検出することでジャムを検知できるようになっている。
[6−5.他の実施の形態5]
さらに、上述した実施の形態では、紙幣搬送機構33Mの合流部分、すなわち出金側主搬送路40A、反出金側主搬送路40B、繰出搬送路41の合流部分に本発明を適用した。これに限らず、3つの搬送路が合流する合流部分であれば、出金側主搬送路40A、反出金側主搬送路40B、繰出搬送路41の合流部分とは別の合流部分に適用してもよい。
[6−6.他の実施の形態6]
さらに、上述した実施の形態では、媒体搬送機構の具体例である紙幣搬送機構33Mに本発明を適用した。これに限らず、媒体を搬送する3つの搬送路が合流する合流部分を有する媒体搬送機構であれば、紙幣搬送機構33Mとは異なる媒体搬送機構に適用してもよい。さらに、上述した実施の形態では、媒体処理装置の具体例である現金自動支払機1に本発明を適用した。これに限らず、媒体を搬送する3つの搬送路が合流する合流部分を有する媒体搬送機構を備えた媒体処理装置であれば、現金自動支払機1とは異なる媒体処理装置に適用してもよい。例えば、紙幣の出金にくわえて入金も可能な現金自動預払機に適用してもよいし、紙幣以外の媒体(切符、チケットなど)を搬送する媒体搬送機構や、紙幣以外の媒体を扱う媒体処理装置(発券機など)に適用してもよい。
さらに、上述した実施の形態では、第1の搬送ガイドの具体例である主搬送ガイド42Aと、搬送ベルトの具体例であるタイミングベルト47とにより、第1の搬送路の具体例である出金側主搬送路40Aを形成し、第2の搬送ガイドの具体例である合流搬送ガイド43とタイミングベルト47により、第2の搬送路の具体例である反出金側主搬送路40Bを形成し、主搬送ガイド42Aと合流搬送ガイド43とにより、第3の搬送路の具体例である繰出搬送路41を形成するようにした。これに限らず、主搬送ガイド42Aとは異なる第1の搬送ガイドや、タイミングベルト47とは異なる搬送ベルトや、合流搬送ガイド43とは異なる第2の搬送ガイドを用いて、出金側主搬送路40Aや、反出金側主搬送路40Bや、繰出搬送路41を形成するようにしてもよい。
[6−7.他の実施の形態7]
さらに本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
本発明は、3つの搬送路が合流する合流部分を有する媒体搬送機構を備えた現金自動支払機や発券機などで広く利用できる。
1……現金自動支払機、10……紙幣出金機、25……紙幣搬送路、33……下部搬送路、33M……紙幣搬送機構、40……主搬送路、40A……出金側主搬送路、40B……反出金側主搬送路、41……繰出搬送路、42A……主搬送ガイド、43……合流搬送ガイド、44B……搬送ローラ、47……タイミングベルト、50、60……主搬送ガイド面、51、61……繰出搬送ガイド面、62……先端部、63……切欠部。

Claims (8)

  1. 第1の搬送ガイドと搬送ベルトとで形成される、媒体を搬送する第1の搬送路と、
    前記第1の搬送路と接続され、第2の搬送ガイドと前記搬送ベルトとで形成される、媒体を搬送する第2の搬送路と、
    前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との接続箇所に接続され、前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとで形成される、媒体を搬送する第3の搬送路と
    を有し、
    前記搬送ベルトは、前記第2の搬送路から前記第1の搬送路への方向、及びその逆方向へ走行可能であり、
    前記第1の搬送路と前記第2の搬送路と前記第3の搬送路とが合流する合流部分において、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路と前記第3の搬送路とが180度以内の範囲に配置され、且つ前記第1の搬送路と前記第3の搬送路のなす角度が鈍角である
    ことを特徴とする媒体搬送機構。
  2. 前記第2の搬送ガイドは、
    前記合流部分における前記第1の搬送路と前記第2の搬送路と前記第3の搬送路との合流点近傍に位置する先端部を有し、
    前記先端部は、
    前記第1の搬送路から前記第2の搬送路へと搬送される媒体と接触しないように、前記搬送ベルトから離れた位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送機構。
  3. 前記先端部は、
    前記合流点に近づくほど前記搬送ベルトと対向する搬送ガイド面が前記搬送ベルトから遠ざかるように、前記搬送ベルトから離れた位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の媒体搬送機構。
  4. さらに前記合流部分には、前記第1の搬送ガイド側に、外周が前記搬送ベルトと接触する搬送ローラが設けられ、
    前記搬送ローラは、外周が前記合流点と接する位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の媒体搬送機構。
  5. 前記第1の搬送路と前記第2の搬送路のなす角度が180度以下であり、前記搬送ローラの外周の一部に前記搬送ベルトが巻き付くようにして前記搬送ローラと前記搬送ベルトとが接触する
    ことを特徴とする請求項4に記載の媒体搬送機構。
  6. 前記第2の搬送ガイドの先端部には、
    前記搬送ローラと対向する部分に、前記搬送ローラより幅広の切欠部が形成されている
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の媒体搬送機構。
  7. 前記第1の搬送路と前記第3の搬送路のなす角度が120度〜150度、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路のなす角度が160度〜165度、前記第2の搬送路と前記第3の搬送路のなす角度が10度〜45度である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の媒体搬送機構。
  8. 第1の搬送ガイドと搬送ベルトとで形成される、媒体を搬送する第1の搬送路と、前記第1の搬送路と接続され、第2の搬送ガイドと前記搬送ベルトとで形成される、媒体を搬送する第2の搬送路と、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との接続箇所に接続され、前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとで形成される、媒体を搬送する第3の搬送路とを有する媒体搬送機構を備え、
    前記搬送ベルトは、前記第2の搬送路から前記第1の搬送路への方向、及びその逆方向へ走行可能であり、
    前記第1の搬送路と前記第2の搬送路と前記第3の搬送路とが合流する合流部分において、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路と前記第3の搬送路とが180度以内の範囲に配置され、且つ前記第1の搬送路と前記第3の搬送路のなす角度が鈍角である
    ことを特徴とする媒体処理装置。
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