JP2018030294A - 接着性積層体および積層体 - Google Patents

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Katsuya Imanishi
勝哉 今西
小笠原 健
Takeshi Ogasawara
健 小笠原
峯尾 裕
Yutaka Mineo
裕 峯尾
弘子 綿貫
Hiroko Watanuki
弘子 綿貫
茂武 冨永
Shigetake Tominaga
茂武 冨永
小林 一徳
Kazunori Kobayashi
一徳 小林
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Abstract

【課題】ポリイミドフィルムを被着体に接着させることができ、接着後の積層体を300℃を超えるような高温にさらしても接着強度の低下を抑制することができる接着性積層体を提供する。【解決手段】ポリイミド層と、該ポリイミド層の少なくとも一方の面に接着層とを有する接着性積層体であって、該接着層は芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位および芳香族ジアミンに由来する構成単位を有する少なくとも1種の芳香族ポリアミック酸と、少なくとも1種の芳香族ポリイミドとを、8:2〜2:8の質量比で含有する、接着性積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド層と、該ポリイミド層の少なくとも一方の面に接着層とを有する接着性積層体、ならびに該接着性積層体の硬化物および被着体を有する積層体に関する。
ポリイミドフィルムは、耐熱性、機械強度、電気特性等に優れるため、フレキシブルプリント回路(FPC)の基板、車両モーター等における電気絶縁材、断熱遮蔽材等として、さまざまな分野において広く使用されている。
これらの分野において、ポリイミドフィルムは、金属箔等の各種基材と貼り合せて使用されることが多く、貼り合せには、アクリルまたはエポキシ系の接着剤、シリコーン系粘着剤、熱可塑性ポリイミド、熱融着性ポリイミド等が使用されている。
例えば、特許文献1には、ポリイミドフィルムにポリアミック酸および溶媒を含有する溶液を塗付した後、該溶媒の沸点以上の温度で処理して得た、熱可塑性ポリイミドである接着剤の層を有する接着剤付きポリイミドフィルムが記載されている。特許文献2には、耐熱性ポリイミド層に熱融着性ポリイミド層が積層された、熱融着性を有するポリイミドフィルムが記載されている。
しかし、熱可塑性ポリイミドを含む接着層では十分な接着性が得られない場合があり、例えば特許文献3には、耐熱性の向上等を目的とする、特定のポリアミック酸を加熱イミド化した熱硬化性ポリイミド接着層を含む片面銅張積層板が記載されている。
また、特許文献4には、塩基性物質を含む処理液に溶解させたポリイミドを析出させて得たポリイミド粉体を溶媒に分散させたポリイミド溶液が、接着剤として使用され得ることが記載されている。
特開2013−244604号公報 特開2004−230670号公報 特開2007−98791号公報 特許第5695675号公報
本発明は、ポリイミドフィルムを被着体に接着させることができ、接着後の積層体を300℃を超えるような高温にさらしても接着強度の低下を抑制することができる接着性積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、ポリイミドフィルムを被着体に接着可能な積層体について詳細に検討を重ね、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1]ポリイミド層と、該ポリイミド層の少なくとも一方の面に接着層とを有する接着性積層体であって、該接着層は芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位および芳香族ジアミンに由来する構成単位を有する少なくとも1種の芳香族ポリアミック酸と、少なくとも1種の芳香族ポリイミドとを、8:2〜2:8の質量比で含有する、接着性積層体。
[2]芳香族ポリアミック酸は、ピロメリット酸二無水物に由来する構成単位および4,4’−ジアミノジフェニルエーテルに由来する構成単位を有する芳香族ポリアミック酸を少なくとも含む、前記[1]に記載の接着性積層体。
[3]接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸および芳香族ポリイミドの合計量は、接着層を構成する組成物の総量に基づいて50質量%以上である、前記[1]または[2]に記載の接着性積層体。
[4]接着層は0.1〜50μmの厚さを有する、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の接着性積層体。
[5]透過法を用いて測定した際のCIELAB表色系におけるL値が60〜90、a値が5〜20、b値が80〜120である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の接着性積層体。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の接着性積層体と、ステンレス箔(厚さ0.03mmのSUS304)とを、接着性積層体の接着層を介して、350℃、10.6MPa/cmで40分間加熱圧着後、25℃、10.6MPa/cmで10分間さらに圧着して得た積層体を用いて、室温で50mm/分の剥離速度で180°剥離する際の接着強度が0.5N/cm以上である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の接着性積層体。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の接着性積層体の硬化物および被着体を有する積層体。
[8]室温で50mm/分の剥離速度で180°剥離する際の接着強度が0.5N/cm以上である、前記[7]に記載の積層体。
[9]ポリイミド層側の表面について反射法を用いて測定した際の、CIELAB表色系におけるL値が10〜70、a値が0.1〜50、b値が15〜70である、前記[7]または[8]に記載の積層体。
[10]被着体は、金属、セラミック、ガラスおよび高耐熱樹脂からなる群から選択される、前記[7]〜[9]のいずれかに記載の積層体。
本発明の接着性積層体は、被着体に接着後、300℃を超えるような高温にさらされても、接着強度の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。
本発明の接着性積層体は、ポリイミド層と、該ポリイミド層の少なくとも一方の面に接着層とを有し、該接着層は、芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位および芳香族ジアミンに由来する構成単位を有する少なくとも1種の芳香族ポリアミック酸と、少なくとも1種の芳香族ポリイミドとを、8:2〜2:8の質量比で含有する。本発明の接着性積層体は、特定の芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとを8:2〜2:8の質量比で含有する接着層とポリイミド層とを有することにより、被着体に接着後、300℃を超えるような高温にさらされても接着強度の低下を抑制することができる。
本発明の接着性積層体における接着層は、芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとを8:2〜2:8、好ましくは6:4〜2:8、より好ましくは4.5:5.5〜2:8、さらにより好ましくは4.5:5.5〜3:7、特に好ましくは4.5:5.5〜3.5:6.5の質量比で含有する。芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとの質量比が上記の範囲内であることが、接着性積層体の被着体に対する接着強度を高め、接着性積層体を被着体に接着後に300℃を超えるような高温にさらされても接着強度の低下を抑制しやすい観点から好ましい。接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとの質量比は、IR分析により測定することができる。
接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸は、芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位および芳香族ジアミンに由来する構成単位を有する。芳香族ポリアミック酸は、芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する1種類の構成単位を有してもよいし、2種以上の構成単位の組合せを有してもよい。また、芳香族ポリアミック酸は、芳香族ジアミンに由来する1種類の構成単位を有してもよいし、2種以上の構成単位の組合せを有してもよい。このような芳香族ポリアミック酸は、非熱可塑性ポリイミドを与え得るポリアミック酸であり、ポリアッミク酸を重合後に得られる硬化物が非熱可塑性のポリイミドである。そのため、接着性積層体の被着体に対する接着強度を高め、300℃を超えるような高温にさらされても接着強度の低下を抑制することができる。接着層は1種類の芳香族ポリアミック酸を含んでいてもよいし、2種以上の芳香族ポリアミック酸を組み合わせて含んでいてもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾチオフェンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、3,3’’,4,4’’−トリフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’’,4,4’’’−テトラフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’’’,4,4’’’’−ペンタフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’’’’,4,4’’’’’−ヘキサフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。芳香族テトラカルボン酸二無水物は、これらの1種であってもよいし、これらの2種以上の組み合わせであってもよい。芳香族テトラカルボン酸二無水物は、接着性積層体を被着体に接着後に300℃を超えるような高温にさらされても接着強度の低下を抑制しやすい観点から、好ましくはピロメリット酸二無水物である。
芳香族ジアミンとしては、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ベンゾフェノンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等が挙げられる。芳香族ジアミンは、これらの1種であってもよいし、これらの2種以上の組み合わせであってもよい。接着性積層体を被着体に接着後に300℃を超えるような高温にさらされても接着強度の低下を抑制しやすい観点から、芳香族ジアミンは好ましくはジアミノジフェニルエーテルである。
上記の観点から、接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸は、ピロメリット酸二無水物に由来する構成単位およびジアミノジフェニルエーテルに由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。
接着層に含まれるポリアミック酸は、接着層を形成する際の成膜性を高めやすい観点から、好ましくは1000〜200000、より好ましくは5000〜100000、さらにより好ましくは6000〜70000の重量平均分子量を有する。ポリアミック酸の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定され、例えばポンプとして昭和電工株式会社製の「Shodex(登録商標)DS−4」、カラムとして「Shodex(登録商標)GPC K−805L」および「KF−802」、検出器として「Shodex(登録商標)RI−101」、展開溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを用いて測定される。
芳香族ポリアミック酸は、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを、公知の重合方法により重合させて得ることができる。芳香族ポリアミック酸における芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の量は、芳香族ポリアミック酸に含まれる全構成単位に基づいて好ましくは20〜80モル%であり、より好ましくは35〜65モル%であり、さらにより好ましくは45〜55モル%である。また、芳香族ジアミンに由来する構成単位の量は、芳香族ポリアミック酸に含まれる全構成単位に基づいて好ましくは20〜80モル%であり、より好ましくは35〜65モル%であり、さらにより好ましくは45〜55モル%である。
接着層に含まれる芳香族ポリイミドは、好ましくは芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位および芳香族ジアミンに由来する構成単位を有するポリアミック酸の重合体であり、より好ましくはピロメリット酸二無水物に由来する構成単位およびジアミノジフェニルエーテルに由来する構成単位を有するポリアミック酸の重合体である。本発明の接着性積層体における接着層は、該接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸に対し、所定量の芳香族ポリイミドを含有することにより、理由は明らかではないが、接着性積層体の被着体に対する接着強度を高め、被着体に接着後、300℃を超えるような高温にさらされても接着強度の低下を抑制することができる。ここで、芳香族ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸と、接着層に含まれるポリアミック酸とは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。最終的に得られる接着層の接着性を高めやすい観点からは、芳香族ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸と、接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸とが、いずれも、ピロメリット酸二無水物に由来する構成単位およびジアミノジフェニルエーテルに由来する構成単位を少なくとも有する芳香族ポリアミック酸であることが好ましい。
接着層に含まれる芳香族ポリイミドは、接着層を形成する際の成膜性を高めやすい観点から、好ましくは1000〜200000、より好ましくは5000〜100000、さらにより好ましくは6000〜70000の重量平均分子量を有する。ポリイミドの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定され、例えば上記に述べたカラム等を用いて測定される。
本発明の接着性積層体における接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸および芳香族ポリイミドの合計量は、被着体への接着性を高めやすい観点から、接着層を構成する組成物の総量に基づいて好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上である。接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸および芳香族ポリイミドの量の上限は、接着層を構成する組成物の総量に基づいて、100質量%以下である。接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸および芳香族ポリイミドの量の測定方法は、上記に述べた芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとの質量比の測定方法と同様である。
本発明の接着性積層体における接着層の厚さは、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.1〜20μm、さらにより好ましくは1〜10μmである。接着層の厚さが上記の下限以上であると、ポリイミドフィルムを被着体に接着する際の接着強度を高めやすいため好ましい。また、上記の上限以下であると、反りの影響を抑制しやすいため好ましい。接着層の厚さは、接着性積層体の断面をマイクロスコープを用いて観察した画像から測定される。
本発明の接着性積層体における接着層は、上記の芳香族ポリアミック酸および芳香族ポリイミドの他に、溶媒、界面活性剤、ジカルボン酸、その他の任意の添加剤を含み得る。例えば接着層を形成する際のコーティング組成物に由来して、溶媒および界面活性剤等の成分が接着層中に残存し得る。接着層に含まれ得る溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、N−エチル−2−ピロリドン等の有機溶媒が挙げられる。接着層に含まれ得る界面活性剤としては、例えばアクリルエーテル系、フェニルエーテル系、スルホン酸塩系、硫酸エステル酸塩系、アルキルフェノール系、シリコン系、ふっ素系等が挙げられる。また、ポリイミドを加水分解して得たポリアミック酸およびポリイミドを原料として用いる場合、加水分解による生成物であるジカルボン酸が接着層に含まれ得る。その他の添加剤としては、イミド化触媒、脱水剤、増粘剤、硬化剤、脱泡剤、カーボン等の導電性フィラー・顔料・セラミックビーズ・ガラスビーズ・ふっ素樹脂等の有機系もしくは無機系フィラー等が挙げられる。これら添加剤の1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の接着性積層体におけるポリイミド層は、ポリイミドフィルムの形態であってよい。ポリイミドフィルムは公知の方法により製造することができ、例えば、有機溶媒中で酸無水物と芳香族ジアミンとを重合させることにより得たポリアミック酸溶液を、例えばフィルム状にキャストし、加熱してイミド化させることにより製造することができる。
酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物および3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物成分が挙げられる。これらの1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。芳香族ジアミン成分としては、例えばパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。これらの1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリイミド層として、市販のポリイミドフィルムを使用してもよい。ポリイミド層として好適な市販のポリイミドフィルムは、例えば、カネカ株式会社製の「アピカル(登録商標)」、東レ・デュポン株式会社製の「カプトン(登録商標)EN、H、V」等、宇部興産株式会社製の「ユーピレックス(登録商標)S」である。
ポリイミド層の厚さは、好ましくは5〜500μm、より好ましくは7.5〜125μm、さらにより好ましくは12.5〜75μmである。ポリイミド層の厚さが上記の範囲内であることが、接着性積層体を製造しやすく、接着性積層体のハンドリング性を高めやすいため好ましい。ポリイミド層の厚さは、接着層の厚さと同様にして測定される。
ポリイミド層の少なくとも一方の表面は、マット、エンボスおよびブラストからなる群から選択される少なくとも1種の表面加工が施された表面であってよい。ポリイミド層の片面に上記表面加工が施されていてもよいし、ポリイミド層の両面に上記表面加工が施されていてもよい。
ポリイミド層の少なくとも一方の表面は、コロナ処理、プラズマ処理、エッチング処理、シランカップリング剤処理およびイトロ処理からなる群から選択される少なくとも1種の表面処理が施された表面であってよい。ポリイミド層の片面に上記表面処理が施されていてもよいし、ポリイミド層の両面に上記表面処理が施されていてもよい。また、上記表面加工と表面処理を組み合わせて施してもよい。
本発明の接着性積層体は、透過法を用いて測定した際のCIELAB表色系におけるL値が好ましくは60〜90、より好ましくは60〜80であり、a値が好ましくは5〜20、より好ましくは9〜15であり、b値が好ましくは80〜120、より好ましくは90〜110である。CIELAB表色系における色相は、色差計(例えばコニカミノルタ株式会社製の色彩色差計「CR−5」)を用いて、測定径26φ、透過法にて測定することができる。測定は、ポリイミド層側の表面または接着層側の表面のいずれの表面で行ってもよい。
本発明の接着性積層体は、本発明の接着性積層体と、ステンレス箔(厚さ0.03mmのSUS304)とを、接着性積層体の接着層を介して、350℃、10.6MPa/cmで40分間加熱圧着後、25℃、10.6MPa/cmで10分間さらに圧着して得た積層体を用いて、室温(例えば25℃)で50mm/分の剥離速度で180°剥離して測定して、好ましくは0.5N/cm以上、より好ましくは1N/cm以上、さらにより好ましくは3N/cm以上、特に好ましくは5N/cm以上、極めて好ましくは7N/cm以上の接着強度を有する。接着強度の上限は特に限定されないが、例えば40N/cm以下である。
本発明の接着性積層体は、本発明の接着性積層体と、ステンレス箔(厚さ0.03mmのSUS304)とを、接着性積層体の接着層を介して、350℃、10.6MPa/cmで40分間加熱圧着後、25℃、10.6MPa/cmで10分間さらに圧着して得た積層体を用いて、300℃で50mm/分の剥離速度で180°剥離して測定して、好ましくは0.5N/cm以上、より好ましくは1N/cm以上、さらにより好ましくは3N/cm以上、特に好ましくは5N/cm以上、極めて好ましくは7N/cm以上の接着強度を有する。接着強度の上限は特に限定されないが、例えば40N/cm以下である。
本発明の接着性積層体の製造方法としては、(1)ポリイミド層を構成するポリイミドフィルムの片面または両面に、芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとを8:2〜2:8の質量比で含有するコーティング組成物(「ポリイミド前駆体溶液」とも称する)を塗付し、乾燥させることにより接着層を形成させて製造してもよいし、(2)ポリイミド層を構成するポリイミドフィルムの片面または両面に芳香族ポリアミック酸を含有するコーティング組成物を塗付後、例えば加熱することにより、塗膜を乾燥させると共に芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとの質量比が8:2〜2:8となるまで、芳香族ポリアミック酸をイミド化させて製造してもよいし、(3)ポリイミド層を構成するポリイミドフィルムの片面または両面に、接着層に含まれる特定の芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとを含有するコーティング組成物を塗付後、例えば加熱することにより、塗膜を乾燥させると共に上記所定の質量比となるまでポリアミック酸のイミド化を進行させて製造してもよい。接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとの質量比を上記範囲に調整しやすい観点からは、上記(1)の製造方法により接着性積層体を製造することが好ましい。
上記(1)の製造方法により接着性積層体を製造する方法について、さらに詳細に説明する。上記特定の芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとを上記所定の質量比で含有するコーティング組成物は、上記特定の芳香族ポリアミック酸および芳香族ポリイミドを、それぞれ別々に製造し、芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとが8:2〜2:8の質量比となるように混合して製造してもよいし、上記質量比で芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとを含む、芳香族ポリイミドをケミカルリサイクルした混合物を使用してもよい。
芳香族ポリイミドをケミカルリサイクルした混合物を使用する場合、例えば原料となる芳香族ポリイミドをアルカリ金属水酸化物(例えばKOHまたはNaOH)等の塩基性物質を含む水溶液に溶解させ、芳香族ポリイミドを加水分解させる。このようにして芳香族ポリイミドを加水分解することにより、芳香族ポリイミドの前駆体である芳香族ポリアミック酸が生じる。芳香族ポリイミドを溶解および加水分解させやすい観点から、水溶液中の塩基性物質の量は、溶媒100質量部に対して好ましくは10〜50質量部であり、より好ましくは10〜40質量部である。また同様の観点から、水溶液のpHは好ましくは10〜14である。芳香族ポリイミドと水溶液との混合割合は、水溶液中の溶媒100質量部に対して、好ましくは40〜120質量部、より好ましくは40〜80質量部の芳香族ポリイミドを混合させる。次いで、芳香族ポリイミドを溶解させた塩基性物質を含む水溶液に、塩酸またはリン酸等の酸性物質を加えて中和して、粒子を析出させることにより、上記質量比で芳香族ポリアミック酸と芳香族ポリイミドとを含む混合物を得ることができる。
コーティング組成物は、芳香族ポリアミック酸および芳香族ポリイミドの他に、溶媒および界面活性剤を含み得る。
溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、N−エチル−2−ピロリドン等の有機溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤としては、例えばアクリルエーテル系界面活性剤、フェニルエーテル系界面活性剤、スルホン酸塩系界面活性剤、硫酸エステル酸塩系界面活性剤、アルキルフェノール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ふっ素系界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
このようにして得たコーティング組成物を、グラビアコーターなどを用いてポリイミド層に塗布して液膜を形成し、イミド化が進行しないが、コーティング組成物に含まれる溶媒を揮発させることができる程度の温度および時間、例えば80〜200℃で通常10分以内の時間で加熱して、接着層を形成させることができる。
上記(2)または(3)の製造方法により接着性積層体を製造する場合、所望するイミド化の程度に応じて通常、数十分〜数時間、例えば100〜200℃で加熱することによりイミド化を進行させ、コーティング組成物に含まれるポリアミック酸およびポリイミドの質量比を調整することができる。
本発明はさらに、本発明の接着性積層体を被着体に貼り合せることにより得られる、本発明の接着性積層体の硬化物および被着体を有する積層体も提供する。
被着体は特に限定されないが、例えば金属、セラミック、ガラス、高耐熱樹脂等が挙げられる。金属としては、例えばステンレス、銅、アルミニウム、鉄、およびこれらのメッキ加工品等が挙げられる。ガラスとしては、例えばガラス板、ガラスクロス等が挙げられる。高耐熱樹脂としては、例えばポリイミド、エポキシ、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド等が挙げられる。
本発明の積層体は、室温(例えば23℃)で50mm/分の剥離速度で180°剥離して測定して、好ましくは0.5N/cm以上、より好ましくは1N/cm以上、さらにより好ましくは3N/cm以上、特に好ましくは5N/cm以上、極めて好ましくは7N/cm以上の接着強度を有する。接着強度の上限は特に限定されないが、例えば40N/cm以下である。
本発明の積層体は、300℃で50mm/分の剥離速度で180°剥離して測定して、好ましくは0.5N/cm以上、より好ましくは1N/cm以上、さらにより好ましくは3N/cm以上、特に好ましくは5N/cm以上、極めて好ましくは7N/cm以上の接着強度を有する。接着強度の上限は特に限定されないが、例えば40N/cm以下である。
本発明の積層体について、CIELAB表色系における色相を、ポリイミド層側の表面について反射法を用いて測定して、L値が好ましくは10〜70、より好ましくは20〜50であり、a値が好ましくは0.1〜50、より好ましくは0.1〜30であり、b値が好ましくは15〜70、より好ましくは15〜60である。CIELAB表色系における色相は、色差計(例えばコニカミノルタ株式会社製の色彩色差計「CR−5」)を用いて、測定径3φ、反射法にて測定することができる。
本発明の積層体は、好ましくは3kV以上、より好ましくは5kV以上、さらにより好ましくは7kV以上の絶縁破壊電圧を有する。絶縁破壊電圧は、直流高圧電源(例えばエレメント有限会社製の−30kVDC高圧電源)を用いて、0.02kV/sの昇電圧速度で測定される。
本発明の積層体は、本発明の接着性積層体を被着体に貼り合せることにより得られる。貼り合せる方法としては、例えば本発明の接着性積層体を、接着層を介して被着体に重ね合わせ、熱盤プレス等の装置を用いて圧着する方法が挙げられる。本発明の接着性積層体と被着体との接着強度を高めやすい観点から、圧着温度は好ましくは250℃以上であり、より好ましくは300℃以上であり、さらにより好ましくは320℃以上である。同様の観点から、圧着時の表面圧力は、好ましくは1MPa/cm以上であり、より好ましくは4MPa/cm以上である。また、同様の観点から、圧着時間は好ましくは10分以上であり、より好ましくは30分以上である。圧着温度の上限は特に限定されないが、ポリイミド層や被着体の劣化を防止しやすい観点からは、好ましくは400℃以下、より好ましくは350℃以下である。圧着時の表面圧力の上限も特に限定されないが、装置負荷を低減しやすい観点からは、好ましくは20MPa/cm以下、より好ましくは15MPa/cm以下である。圧着時間の上限も特に限定されないが、ポリイミド層や被着体の劣化を防止しやすく、効率的に積層体を製造しやすい観点からは、好ましくは90分以下、より好ましくは60分以下である。本発明の接着性積層体によれば、上記のように比較的短時間の圧着操作によって、被着体にポリイミド層を貼り合せることができ、積層体を効率的に製造することができる。また、得られる本発明の積層体において、接着性積層体に含まれていた芳香族ポリアミック酸がイミド化し、その硬化物である非熱可塑性の芳香族ポリイミドの層を介して貼り合わされることとなる。そのため、300℃を超えるような高温にさらされても浮き等が生じにくく、接着強度の低下を抑制することができる。
上記圧着工程の後、接着をより強固にする目的で、必要に応じて冷却プレスを行ってもよい。冷却プレスの条件としては、例えば0〜30℃の温度で、上記圧着時の表面圧力と同様の圧力下、例えば数分〜30分程度の時間、圧着することが挙げられる。
本発明の積層体は、例えば断熱遮蔽材、フィルムヒーター、フレキシブルプリント回路(FPC)の基板などの電子回路材料の絶縁部材、車両モーター等における電気絶縁材、ベアリング・軸・トレー・ロール・ベルト等の高硬度・耐磨耗用途部材、自動車部品、不燃部材等の用途において好適に使用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
〔製造例1:ポリイミド前駆体溶液の製造〕
ポリアミック酸およびポリイミドの混合物である有限会社山曹ミクロン製の「PIA」20gとN−メチル−2−ピロリドン(以下において「NMP」とも称する)80gを混合して得た分散液に、さらに界面活性剤(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)を0.2g添加し、室温で約7時間撹拌することにより、芳香族ポリアミック酸およびポリイミドを含有する溶液(以下において「ポリイミド前駆体溶液」とも称する)を得た。ここで、上記の有限会社山曹ミクロン製の「PIA」は、非熱可塑性ポリイミドの前駆体となるポリアミック酸とポリイミドとを4:6の質量比で含有する粒子であり、ポリイミドフィルムである「カプトン」を、塩基性物質を含む処理液で溶解した後、この処理液と酸性物質とを混合することによりポリイミドおよびポリアミック酸を含有する微粒子を析出させて粉体を得、この粉体から前記塩基性物質のアルカリ金属を除去することにより得たものである。ポリアミック酸は主に、ピロメリット酸二無水物に由来する構成単位およびジアミノジフェニルエーテルに由来する構成単位を有するポリアミック酸であり、ポリイミドは主に該ポリアミック酸の重合体であった。
〔実施例1〕
製造例1で得たポリイミド前駆体溶液を、グラビアコーターを用いて厚さ0.025mmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン100−H」)に塗布し、塗膜を150℃で2分間加熱して乾燥させ、ポリイミド層および接着層を有する接着性積層体1を得た。得られた接着性積層体における接着層の厚さは5μmであった。得られた接着性積層体1を、熱盤プレスを用いて、350℃の温度、10.6MPa/cmの表面圧力で、40分間、0.03mmのステンレス箔(SUS304、以下においてSUS箔とも称する)に対して圧着し、次いで、冷却プレスを用いて、20℃の温度、10.6MPa/cmの表面圧力で、10分間、さらに圧着することにより、接着性積層体1とSUS箔とが貼り合わされた積層体1を得た。接着層に含まれるポリアミック酸とポリイミドとの質量比は4:6であった。
〔実施例2〕
接着性積層体1とSUS箔とを熱盤プレスを用いて圧着する工程における温度を330℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層体2を得た。
〔実施例3〕
接着性積層体1とSUS箔とを熱盤プレスを用いて圧着する工程における表面圧力を7MPa/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層体3を得た。
〔実施例4〕
実施例1に記載のポリイミド層および接着層からなる積層体とSUS箔との積層体の作成において、熱盤プレスの加工温度を280℃に変更した以外は、実施例1と同様にして積層体4を作成した。
〔比較例1〕
非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸(3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物(BPDA)および4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を構成単位として有するポリアミック酸)のNMP溶液(ユニチカ株式会社製「Uイミド(登録商標)ワニス−CR」)を、グラビアコーターを用いて厚さ0.025mmのポリイミドフィルムに塗布し、塗膜を150℃で2分間加熱して乾燥させ、ポリイミド層および塗膜層を有するフィルムを得た。得られたフィルムにおける塗膜層の厚さは5μmであった。得られたフィルムの塗膜層を、熱盤プレスを用いて、350℃の温度、10.6MPa/cmの表面圧力で、40分間、0.03mmのSUS箔に対して圧着し、次いで、冷却プレスを用いて、20℃の温度、10.6MPa/cmの表面圧力で、10分間、さらに圧着することにより積層体5を得た。
〔比較例2〕
ポリイミドフィルムの両表面に熱融着性ポリイミド樹脂層が形成された接着性フィルム(宇部興産株式会社製「ユーピレックス(登録商標)VT」)を、熱盤プレスを用いて、280℃の温度、10.6MPa/cmの表面圧力で、10分間、0.030mmのSUS箔に対して圧着し、次いで、冷却プレスを持用いて、20℃の温度、10.6MPa/cmの表面圧力で、10分間、さらに圧着することにより、積層体6を得た。
〔比較例3〕
非熱可塑性ポリイミドフィルムの表面に溶融樹脂である四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(テフロン(登録商標)FEP)がコーティングされたヒートシール性を有する積層体(東レ・デュポン株式会社製「カプトン(登録商標)F」)を、熱盤プレスを用いて、280℃の温度、10.6MPa/cmの表面圧力で、10分間、0.03mmのSUS箔に対して圧着し、次いで、冷却プレスを用いて、20℃の温度、10.6MPa/cmの表面圧力で、10分間、さらに圧着することにより、積層体7を得た。
〔実施例5〕
得られた接着性積層体における接着層の厚さが3μmとなるように、ポリイミド前駆体溶液をポリイミドフィルムに塗布し、接着性積層体2を得たこと以外は実施例1と同様にして、積層体8を得た。
〔接着強度の測定〕
上記実施例および比較例の積層体について接着強度を次のように評価した。積層体を幅10mm×長さ10mmに切り出し、試験片とした。得られた試験片を用いて、室温で50mm/分の剥離速度で180°剥離する際のポリイミド層とSUS箔との間の接着強度(N/cm)をSHIMADZU製AGS−Hを用いて測定した。測定された接着強度を次の評価基準に従い評価して得られた結果を表1に示す。
(接着強度評価基準)
A:7N/cm以上
B:5N/cm以上7N/cm未満
C:1N/cm以上5N/cm未満
D:1N/cm未満
〔色相の測定〕
上記実施例および比較例で得た積層体について、ポリイミド層側の表面について測定した際のCIELAB表色系における色相(L値、a値およびb値)を、反射法にて、コニカミノルタ株式会社製の色彩色差計「CR−5」を用いて測定した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2018030294
〔積層体の耐熱性評価1〕
実施例1および比較例1〜3で得た積層体を、熱風循環式電気炉中、300℃または350℃で3時間静置した。静置後の積層体の接着強度を上記と同様にして測定および評価した。また、静置後の積層体の外観を次の評価基準に従い評価した。得られた結果を表2に示す。
(外観評価基準)
◎:ポリイミド層と被着体との間に浮きが全くない
〇:ポリイミド層と被着体との間の一部にわずかな浮きが生じるものの問題ないレベルである
△:ポリイミド層と被着体との間の一部に浮きが生じる
×:ポリイミド層と被着体との間に多量の浮きが生じる
Figure 2018030294
〔積層体の耐熱性評価2〕
実施例1および比較例1〜3で得た積層体を、熱風循環式電気炉中、330℃で1時間静置した。次いで、積層体を電気炉から取り出して、室温まで空冷した。この積層体を再び電気炉に入れて330℃で1時間静置し、電気炉から取り出して、室温まで空冷することを繰り返して、ヒートサイクル試験を行った。3サイクルおよび6サイクルの繰り返し後の積層体の接着強度を上記と同様にして測定および評価した。また、該積層体の外観を上記と同様にして評価した。得られた結果を表3に示す。
Figure 2018030294
〔積層体の耐熱性評価3〕
実施例1および比較例1〜3で得た積層体を、熱風循環式電気炉中、350℃で20分間静置した。次いで、積層体を電気炉から取り出して、室温まで空冷した。この積層体を再び電気炉に入れて350℃で20分間静置し、電気炉から取り出して、室温まで空冷することを繰り返して、ヒートサイクル試験を行った。3、6、9および12サイクルの繰り返し後の積層体の接着強度を上記と同様にして測定および評価した。また、該積層体の外観を上記と同様にして評価した。得られた結果を表4に示す。
Figure 2018030294
〔積層体の絶縁破壊電圧〕
実施例1および比較例1〜3で得た積層体について、エレメント有限会社製の−30kVDC高圧電源を用い、昇電圧速度0.02kV/sにて絶縁破壊電圧を測定した。測定はポリイミド層側から行った。得られた結果を表5に示す。
Figure 2018030294

Claims (10)

  1. ポリイミド層と、該ポリイミド層の少なくとも一方の面に接着層とを有する接着性積層体であって、該接着層は芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位および芳香族ジアミンに由来する構成単位を有する少なくとも1種の芳香族ポリアミック酸と、少なくとも1種の芳香族ポリイミドとを、8:2〜2:8の質量比で含有する、接着性積層体。
  2. 芳香族ポリアミック酸は、ピロメリット酸二無水物に由来する構成単位および4,4’−ジアミノジフェニルエーテルに由来する構成単位を有する芳香族ポリアミック酸を少なくとも含む、請求項1に記載の接着性積層体。
  3. 接着層に含まれる芳香族ポリアミック酸および芳香族ポリイミドの合計量は、接着層を構成する組成物の総量に基づいて50質量%以上である、請求項1または2に記載の接着性積層体。
  4. 接着層は0.1〜50μmの厚さを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の接着性積層体。
  5. 透過法を用いて測定した際のCIELAB表色系におけるL値が60〜90、a値が5〜20、b値が80〜120である、請求項1〜4のいずれかに記載の接着性積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の接着性積層体と、ステンレス箔(厚さ0.03mmのSUS304)とを、接着性積層体の接着層を介して、350℃、10.6MPa/cmで40分間加熱圧着後、25℃、10.6MPa/cmで10分間さらに圧着して得た積層体を用いて、室温で50mm/分の剥離速度で180°剥離する際の接着強度が0.5N/cm以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の接着性積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の接着性積層体の硬化物および被着体を有する積層体。
  8. 室温で50mm/分の剥離速度で180°剥離する際の接着強度が0.5N/cm以上である、請求項7に記載の積層体。
  9. ポリイミド層側の表面について反射法を用いて測定した際の、CIELAB表色系におけるL値が10〜70、a値が0.1〜50、b値が15〜70である、請求項7または8に記載の積層体。
  10. 被着体は、金属、セラミック、ガラスおよび高耐熱樹脂からなる群から選択される、請求項7〜9のいずれかに記載の積層体。
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