JP2018028668A - 偏光板、画像表示装置、及び偏光板の製造方法 - Google Patents

偏光板、画像表示装置、及び偏光板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子の端部が十分に保護された偏光板、及びその偏光板の製造方法を提供する。
【解決手段】偏光板1Aは、偏光子2と、その両面に積層された保護フィルム3,3と、を備えている。保護フィルム3,3は、いずれも所定の形状に成形されたものであり、保護フィルム3,3は、それぞれ偏光子2の片面の全面に積層されており、偏光子2の少なくとも一部の端部2aが、少なくとも一方の保護フィルム3の端部3aよりも内側に位置している。
【選択図】図2

Description

本発明は、偏光板、画像表示装置、及び偏光板の製造方法に関する。
従来、液晶表示装置等を構成する光学部品の一つとして、偏光板が知られている。偏光板は一般に、偏光子の片面又は両面に保護フィルムが積層されており、偏光子の機械的強度、熱安定性、耐水性等が補われている。例えば特許文献1においては、偏光子の片面又は両面に、ポリマーによる塗布層として、又はフィルムのラミネート層として透明保護層(保護フィルム)が設けられている。
特開2002−303730号公報
しかしながら、保護フィルムが積層された偏光子の主面については所期の保護効果が得られるものの、偏光子の端部(側面側)については保護が十分ではない。実際、偏光板を液晶セルに貼着する際やその後のハンドリングにおいて、偏光子の端部に傷やクラックが生じる場合がある。
そこで本発明は、偏光子の端部が十分に保護された偏光板、及びその偏光板の製造方法を提供することを目的とする。また、当該偏光板を備える画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、偏光子と、その両面に積層された保護フィルムと、を備え、保護フィルムは、いずれも所定の形状に成形されたものであり、保護フィルムは、それぞれ偏光子の片面の全面に積層されており、偏光子の少なくとも一部の端部が、少なくとも一方の保護フィルムの端部よりも内側に位置している偏光板を提供する。
この偏光板では、偏光子の端部が少なくとも一方の保護フィルムの端部よりも内側に位置しているため、偏光子の端部が物理的に保護される。従って、偏光板のハンドリングにおいて偏光板の側面が衝撃を受けた場合に、偏光子の端部に傷やクラックが生じることが防止される。
本発明では、偏光子の少なくとも一部の端部が、両方の保護フィルムの端部よりも内側に位置していてもよい。この場合、偏光子の両面から偏光子の端部が保護されることになるので、偏光子の端部に傷やクラックが生じることが一層防止される。
また、偏光子の全ての端部が、少なくとも一方の保護フィルムの端部よりも内側に位置していてもよい。この場合、偏光子の全ての端部が保護される。
本発明の偏光板は、平面視形状が、当該偏光板を貼着する領域の形状に一致する形状であってもよく、例えば平面視四角形であってもよい。こうした形状であると、液晶表示装置等、種々の物品に適用しやすい。
本発明の偏光板は、いずれかの保護フィルムの偏光子が積層されていない側に、粘着剤層を介してセパレータが積層されており、他方の保護フィルムの偏光子が積層されていない側に、仮保護フィルムが積層されていてもよい。この場合、保護フィルムが損傷、摩損することが防止されるとともに、偏光板の使用時にはセパレータを剥がして粘着剤層を露出させ、その粘着力によって当該偏光板を他の物品に貼着することができる。
本発明は、上記偏光板を備える画像表示装置を提供する。例えば上記偏光板を液晶セル等に貼着させた液晶表示装置を構成した場合でも、偏光子の端部が物理的に保護される。
また、本発明は、所定の形状に成形された第1の保護フィルムに、片面の全面が第1の保護フィルムに覆われるように偏光子を積層し、この偏光子に、偏光子の他方の片面の全面を覆うように第2の保護フィルムを積層する、偏光板の製造方法であって、偏光子が第1の保護フィルム及び第2の保護フィルムの少なくとも一方の保護フィルムの少なくとも一部の端部よりも内側に位置するように、第1の保護フィルム、偏光子、及び第2の保護フィルムを積層する、偏光板の製造方法を提供する。
この製造方法によって、上記偏光板を製造することができる。
本発明によれば、偏光子の端部が十分に保護された偏光板、及びその偏光板の製造方法を提供することができる。また、当該偏光板を備える画像表示装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の偏光板の斜視図である。 (a)は図1のIIa-IIa断面図である。(b)は図1のIIb-IIb断面図である。 本発明の第2の実施形態の偏光板の断面図である。 液晶表示装置の断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図面の寸法比率は必ずしも実際のものとは一致せず、特に、厚さに関しては誇張して描いてある。
<第1の実施形態>
図1及び図2に示されているとおり、本実施形態の偏光板1Aは、薄膜状に形成された偏光子2の両面の全面に保護フィルム3,3が積層されて成っている。保護フィルム3,3はいずれも平面視長方形の同形に成形されており、この形状が偏光板1Aの外観形状ともなっている。すなわち、偏光板1Aは、平面視長方形をなしている。
偏光板1Aの主面の大きさ、すなわち保護フィルム3,3の大きさは、偏光板1Aの適用対象に応じて任意に設定することができる。例えば、対角線の長さとしては、5〜250cm、10〜150cm、12〜100cmが挙げられる。また、隣り合う辺の長さの比、すなわち偏光板1Aの縦横比は、1:9〜5:5であることが好ましく、2:8〜5:5であることがより好ましく、3:7〜5:5であることが更に好ましい。
偏光子2の端部2aは、その全周に亘って、保護フィルム3,3の端部3a,3aよりも内側に凹んで位置している。すなわち、図2に示された断面図において、偏光板1Aの側面は、偏光子2の側面が保護フィルム3,3の側面に対して凹んだ凹形状をなしている。ここで、偏光子2の端部2aは、保護フィルム3,3の端部3a,3aよりも1〜500μm内側に位置していることが好ましく、1〜300μm内側に位置していることがより好ましく、1〜50μm内側に位置していることが更に好ましい。偏光子2の端部2aがこれらの範囲に位置していると、偏光子2の端部2aを物理的に保護する効果が特に高く、画像表示装置を構成した場合にも表示面を広く確保することができる。
偏光子2は、その全周に亘って、保護フィルム3の端部3aに対して偏光子2の端部2aが同じ長さで内側に位置していることが好ましい。仮に、当該長さが全周で同じでない場合は、偏光板1Aは場所によって積層状態が異なることになり、偏光板1Aにカールが生じたときに複雑なカールとなることが予想される。従って、偏光板1Aの側面は、その全周に亘って、偏光子2の側面が保護フィルム3,3の側面に対して同じ長さで凹んでいることが好ましい。
また、偏光子2は延伸フィルムであってもよく、その場合、光軸(吸収軸)の方向と垂直となる側面における偏光子2の端部2aが、保護フィルム3,3の端部3a,3aよりも内側に位置していることが好ましい。一般に、光軸に平行な側面は耐衝撃性が高いが、光軸に垂直な側面は又は光軸に対して傾き(例えば40°以上140°以下)を有する側面は、耐衝撃性が低い。従って、光軸に垂直な側面において偏光子2の端部2aが、保護フィルム3,3の端部3a,3aよりも内側に位置していると、偏光子2の端部2aが保護される効果が特に奏される。
偏光板1Aの側面において、偏光子2の側面が保護フィルム3,3の側面に対して凹んだ部分は、他の部材で埋められていないことが好ましい。すなわち、偏光子2の側面は開放されており、外気に触れた状態であることが好ましい。仮に、当該部分に後述する接着剤等がはみ出していると、偏光板1Aの他の部分や、偏光板1Aを適用した周辺設備を汚染してしまう虞が生じる。また、加工処理(レーザー切断、加熱切断等)時の熱による保護フィルム3、偏光子2等の溶融物や、はみ出した保護フィルム3,3自体により偏光板1Aの端部における凹んだ部分(当該部分)を埋めてしまうと、偏光板1Aの端部における自由度が減少し、端部において波状カールのような欠陥の原因になり得ることが考えられる。また、衝撃に対する干渉部分である当該部分が消失するため、偏光子2の側面に直接衝撃が伝わる虞が生じる。さらに熱が原因となって当該部分に保護フィルム3や偏光子2等の溶融物がはみ出している場合は、偏光板1Aの端部の偏光性能が低下している虞がある。
偏光子2と保護フィルム3との積層は、フィルム状に成形された偏光子2と保護フィルム3とを接着剤を介して貼合して構成されていてもよい。なお、図1及び図2では接着剤層を図示していない。
偏光子2の材料としては、従来から偏光板の製造に使用されている公知の材料を用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。なかでもポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。保護フィルム3と貼合するためにフィルム状に成形する場合は、一軸延伸したフィルムにヨウ素又は二色性染料による染色を施し、ついでホウ酸処理することが好ましい。後述するとおり、フィルム状の偏光子は、偏光板の製造時に任意の大きさに切り出して用いることができる。これらの材料から製造されたフィルム状の偏光子2は、機械的強度、熱安定性、耐水性が低く、特にフィルムの端部において低い。このため、偏光板製造時の取扱いにより、偏光子2の端部に割れや傷付きが生じやすい。
偏光子2の厚さは、2〜75μmであることが好ましく、2〜50μmであることがより好ましく、2〜30μmであることが更に好ましい。
保護フィルム3は、偏光子2の主面や端部の割れや傷つきを防止するフィルムである。ここで「保護フィルム」とは、偏光子2に種々積層され得るフィルムのなかでも、偏光子2に最も近い位置に物理的に積層されたフィルムを指している。
保護フィルム3は、偏光板の分野で知られている各種の透明樹脂フィルムで構成することができる。例えば、トリアセチルセルロースを代表例とするセルロース系樹脂、ポリプロピレン系樹脂を代表例とするポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂を代表例とする環状オレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂を代表例とするアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を代表例とするポリエステル系樹脂等が挙げられる。なかでも、セルロース系樹脂が代表的である。
保護フィルム3としては、光学機能を有しないフィルムであってもよいし、位相差フィルムや輝度向上フィルムといった光学機能を併せもつフィルムであってもよい。
保護フィルム3の厚さは、5〜90μmであることが好ましく、5〜80μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが更に好ましい。
偏光子2と保護フィルム3との積層において接着剤を用いる場合、接着剤としては、従来から偏光板の製造に使用されている各種の接着剤を使用することができる。例えば、耐候性や屈折率、カチオン重合性等の観点から、分子内に芳香環を含まないエポキシ樹脂が好ましい。また、活性エネルギー線(紫外線又は熱線)の照射によって硬化するものが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば水素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が好ましい。エポキシ樹脂に対して、重合開始剤(例えば紫外線照射で重合させるための光カチオン重合開始剤、熱線照射によって重合させるための熱カチオン重合開始剤)や、更に他の添加剤(増感剤等)を添加して、塗布用のエポキシ樹脂組成物を調製して使用することができる。
また、接着剤としては、アクリルアミド、アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル系樹脂や、ポリビニルアルコール系の水系接着剤を使用することもできる。
偏光板1Aは、例えば液晶セル等の表示用セル(画像表示素子)の片面又は両面に貼合されるものである。偏光板1Aは、保護フィルム3上に積層される他の光学層を更に含むことができる。他の光学層としては、ある種の偏光を透過し、それと逆の性質を示す偏光を反射する反射型偏光フィルム;表面に凹凸形状を有する防眩機能付フィルム;表面反射防止機能付フィルム;表面に反射機能を有する反射フィルム;反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム;視野角補償フィルム等が挙げられる。
偏光子2と保護フィルム3,3との三層からなる偏光板1Aの厚さは、10〜500μmであることが好ましく、10〜300μmであることがより好ましく、10〜200μmであることが更に好ましい。
偏光板1Aは、例えば以下のようにして製造することができる。まず、保護フィルム3を構成する材料からなる長尺のフィルムロールから、二枚の保護フィルム3,3を長方形に切り出す。切り出す長方形の大きさや縦横比は、偏光板1Aの適用対象に応じて決めたものとする。一方の保護フィルム(第1の保護フィルム)3の片面に接着剤を塗布する。接着剤を塗布する領域は保護フィルム3の全面ではなく、フィルム状の偏光子2が積層される領域とする。
次に、偏光子2を構成する材料からなる長尺のフィルムロールから、偏光子2を長方形に切り出す。切り出す長方形の大きさは、保護フィルム3の大きさよりも小さくする。小さくする分量としては、偏光子2の端部2aを保護フィルム3の端部3aよりも内側に凹ませたい分とする。切り出したフィルム状の偏光子2を、接着剤を塗布した保護フィルム3の面に積層する。ここでの積層は、偏光子2の片面の全面が保護フィルム3の面の内側に入るように行う。ここで保護フィルム3側から見れば、偏光子2は保護フィルムに覆われている。接着剤として活性エネルギー線硬化性樹脂を用いた場合は、ここで活性エネルギー線を照射して接着剤を硬化させる。
次に、偏光子の他方の片面の全面に、接着剤を塗布し、残る一枚の保護フィルム(第2の保護フィルム)3を積層する。ここでの保護フィルム3の積層は、保護フィルム3の面によって偏光子2の片面の全面が覆われるように行う。接着剤として活性エネルギー線硬化性樹脂を用いた場合は、ここでも活性エネルギー線を照射して接着剤を硬化させる。
以上の手順によって、偏光板1Aが製造される。
以上に説明した偏光板1Aは、偏光子2の端部2aが保護フィルム3の端部3aよりも内側に位置しているため、偏光子2の端部が物理的に保護される。従って、偏光板1Aを例えば液晶セルに貼り付ける場合のようなハンドリングにおいて、偏光板1Aの側面が衝撃を受けた場合に、保護フィルム3の端部3aのみが衝撃を受けることとなり、偏光子2の端部に傷やクラックが生じることが防止される。この効果は、偏光板1Aを液晶セル等に貼り付けた後の更なるハンドリングにおいても奏される。また、偏光板1Aのヒートショック試験の耐久性向上にも資する。
また、偏光板1Aは、偏光子2の両面に積層された保護フィルム3,3の端部3a,3aによって偏光子2の端部2aが保護されているため、特に近年の液晶セルの狭額縁化傾向において、その効果が良好に奏される。すなわち、偏光板1Aが貼着された液晶セルの額縁が通常幅である場合は、偏光子2に物理的衝撃が加わることを液晶セル自体が保護する働きがあるが、液晶セルが狭額縁であると、その保護の効果が小さくなる。この場合、液晶セル側の保護フィルム3の端部3aが偏光子2の端部2aの保護に寄与する割合が大きくなる。また、偏光子2の端部2aが保護フィルム3,3の端部3a,3aよりも内側に位置する長さが500μm以下である場合は、テレビ画面やモバイル端末(携帯電話、スマートフォン等)の画面に適用した際に表示面を広く確保しやすい。
偏光子2の端部2aは全周に亘って保護フィルム3の端部3aよりも内側にあるため、上記の効果は、偏光板1Aの全周に亘って奏される。
また、偏光板1Aは平面視長方形であるため、液晶表示装置等、種々の物品に適用しやすい。
<第2の実施形態>
本発明の偏光板は、図3に示されているとおり、偏光子2及び保護フィルム3の積層体に対して、セパレータ4や仮保護フィルム6が更に積層されていてもよい。
第2の実施形態の偏光板1Bは、第1の実施形態の偏光板1Aの片面に(すなわち一方の保護フィルム3のうち偏光子2が積層されていない面に)、粘着剤層5を介してセパレータ4が積層されている。また、偏光板1Aの他方の面に(すなわち他方の保護フィルム3のうち偏光子2が積層されていない面に)、仮保護フィルム6が積層されている。
粘着剤層5は、偏光板1Bを他の物品(例えば液晶セル)に貼着させるときに機能する層である。粘着剤層5は、アクリル系樹脂や、シリコーン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル等で構成することができる。
粘着剤層5の厚さは、2〜500μmであることが好ましく、2〜200μmであることがより好ましく、2〜50μmであることが更に好ましい。
粘着剤層5を保護フィルム3に積層する方法としては、例えば、保護フィルム3に上記樹脂や任意の添加成分を含む溶液を塗布する方法でもよく、セパレータ4上に当該溶液で粘着剤層5を形成した後に保護フィルム3に積層する方法でもよい。粘着剤層5の端部5aは、全周に亘って保護フィルム3の端部3aと位置が揃っていることが好ましい。
セパレータ4は、粘着剤層5の保護や異物の付着防止等を目的として貼着される剥離可能なフィルムであって、偏光板1Bの使用時に剥がされて粘着剤層5が露出される。セパレータ4は、例えばポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂等で構成することができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムが好ましい。
セパレータ4の端部4aは、全周に亘って粘着剤層5の端部5aと位置が揃っていることが好ましい。また、セパレータ4は、偏光板1Bの使用時に容易に剥がすことができるように、粘着剤層5に接する面にシリコーン樹脂等による離型処理を施してもよい。
セパレータ4の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、5〜150μmであることがより好ましく、5〜100μmであることが更に好ましい。
仮保護フィルム6は、剥離可能なフィルムであり、仮保護フィルム6を積層した保護フィルム3の表面を損傷、摩損等から保護するためのフィルムである。仮保護フィルム6の材料としては、保護フィルム3と同様のものを用いることができ、なかでもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が好ましい。
仮保護フィルム6は、基材となるフィルムの他に、このフィルムの表面に積層された弱い接着性を有する粘着剤層を有していてもよい。仮保護フィルム6は、保護フィルム3に積層された後、偏光板1Bの使用時まで保護フィルム3に貼合されており、使用時において保護フィルム3から剥離される。仮保護フィルム6の端部6aは、全周に亘って保護フィルム3の端部3aと位置が揃っていることが好ましい。
仮保護フィルム6の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、5〜150μmであることがより好ましく、5〜100μmであることが更に好ましい。
偏光板1Bによれば、保護フィルム3が損傷、摩損することが防止されるとともに、偏光板1Bの使用時にはセパレータ4を剥がして粘着剤層5を露出させ、その粘着力によって偏光板1Bを他の物品、例えば液晶セル、有機ELデバイスに貼着して、画像表示装置を構成することができる。
液晶セルを例にすると、図4に示されているとおり、例えばセパレータ4を剥がした偏光板1Bを液晶セル8の両面に貼着して液晶パネル9を構成し、これにバックライト(面光源装置;図示省略)その他の部材を組み合わせることで、液晶表示装置10を作製することができる。他方、仮保護フィルム6を剥がして露出した面にはタッチパネル等を設けることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では偏光子2の端部2aがその全周に亘って両方の保護フィルム3,3の端部3a,3aよりも内側に位置している態様を示したが、内側に位置する部分が偏光子2の全周に亘っていなくてもよい。この場合、偏光子2の端部2aは、保護フィルム3,3の端部3a,3aよりも内側に位置している部分のみが保護される。一例として、偏光子2の光軸の方向と垂直となる側面における偏光子2の端部2a(偏光子2の向かい合う二辺)のみが、保護フィルム3,3の端部3a,3aよりも内側に位置していてもよい。
また、上記実施形態では偏光子2の全周に亘って同じ長さで内側に位置している様子を示したが、場所によって偏光子2の凹みの程度を変えてもよい。例えば、偏光板のハンドリング時に衝撃を受けやすい部分があらかじめ分かっている場合は、上述した複雑なカールが生じる懸念があるものの、その部分の偏光子の端部の凹み幅を大きくしておくことが好ましい。
また、片方の保護フィルム3は、偏光子2と同形状であってもよい。すなわち、片方の保護フィルム3の端部3aは、偏光子2の端部2aと位置が揃っていてもよい。
また、上記実施形態では偏光板1A,1Bが平面視長方形である例を示したが、他の四角形、例えば台形、平行四辺形、正方形等であってもよいほか、円形や楕円形であってもよい。すなわち偏光板1A,1Bは、偏光板1A,1Bを貼着する物品の形状に合わせて任意の形状とすることができ、特に、平面視形状が、偏光板1A,1Bを貼着する領域の形状に一致する形状であってもよい。
1A,1B…偏光板、2…偏光子、2a…偏光子の端部、3…保護フィルム、3a…保護フィルムの端部、4…セパレータ、4a…セパレータの端部、5…粘着剤層、5a…粘着剤層の端部、6…仮保護フィルム、6a…仮保護フィルムの端部、8…液晶セル、9…液晶パネル、10…液晶表示装置(画像表示装置)。

Claims (8)

  1. 偏光子と、その両面に積層された保護フィルムと、を備え、
    前記保護フィルムは、いずれも所定の形状に成形されたものであり、
    前記保護フィルムは、それぞれ前記偏光子の片面の全面に積層されており、
    前記偏光子の少なくとも一部の端部が、少なくとも一方の前記保護フィルムの端部よりも内側に位置している、偏光板。
  2. 前記偏光子の少なくとも一部の端部が、両方の前記保護フィルムの端部よりも内側に位置している、請求項1記載の偏光板。
  3. 前記偏光子の全ての端部が、少なくとも一方の前記保護フィルムの端部よりも内側に位置している、請求項1又は2記載の偏光板。
  4. 平面視形状が、当該偏光板を貼着する領域の形状に一致する形状である、請求項1〜3のいずれか一項記載の偏光板。
  5. 平面視四角形である、請求項1〜4のいずれか一項記載の偏光板。
  6. いずれかの前記保護フィルムの前記偏光子が積層されていない側に、粘着剤層を介してセパレータが積層されており、
    他方の前記保護フィルムの前記偏光子が積層されていない側に、仮保護フィルムが積層されている、請求項1〜5のいずれか一項記載の偏光板。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項記載の偏光板を備える画像表示装置。
  8. 所定の形状に成形された第1の保護フィルムに、片面の全面が前記第1の保護フィルムに覆われるように偏光子を積層し、
    前記偏光子に、前記偏光子の他方の片面の全面を覆うように第2の保護フィルムを積層する、偏光板の製造方法であって、
    前記偏光子が前記第1の保護フィルム及び前記第2の保護フィルムの少なくとも一方の保護フィルムの少なくとも一部の端部よりも内側に位置するように、前記第1の保護フィルム、前記偏光子、及び前記第2の保護フィルムを積層する、偏光板の製造方法。
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