JP2018028503A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示パネルの大型化によってもひずみなどによる表示品質の低下を招くことのない表示装置を提供する。【解決手段】表示装置100は、画像を表示する液晶表示パネル10と、液晶表示パネル10の前面を保護し画像を透視するカバーパネル20と、液晶表示パネル10を背面から照明するバックライトユニット30と、液晶表示パネル10、バックライトユニット30を収容するインナーケース40と、インナーケース40を収容し固定保持するケース体50と、を備える表示装置100であって、カバーパネル20は、背面に液晶表示パネル10が透光性接着層24で接着されてカバーパネル20の周囲がインナーケース40を介してケース体50に固定保持され、バックライトユニット30は、液晶表示パネル10と隙間37を持って対面するように、ケース体50に固定保持される。【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関する。
画像を表示する表示装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1に開示された車両用表示装置では、画像を表示する液晶表示パネルは、カバーガラスの背面に透光性接着層で接着され、カバーガラスの外周部をケースに保持することで、ケース内に収容されている。発光素子などを備えるバックライトユニットや液晶表示パネルを制御する電子部品が実装された回路基板は、液晶表示パネルに吊り下げられる吊り下げ構造としてケース内に収容されている。
特開2015−55810号公報
ところが、特許文献1に記載の車両用表示装置では、液晶表示パネルの大型化に伴ってバックライトユニットなどの部品重量が増加すると、吊り下げ構造のため大きな荷重がカバーガラスに集中し、カバーガラスの変形や損傷を招いてしまう。カバーガラスに変形が生じると、液晶表示パネルにひずみが生じ、光抜けなどの表示品質の低下を招くとともに、耐衝撃性や耐振性などの問題がある。
また、ケースを枠状のインナーケースとケース体で構成し、カバーガラスの全周を連続したインナーケースの前面に固定し、インナーケースの背面側をケース体に固定する場合に、樹脂製のインナーケースと放熱性のある合金製のケース体とで構成すると、材質の違いによる線膨張差によってインナーケースが変形し、カバーガラスを介して液晶表示パネルにひずみを生じさせることになる。逆に、インナーケースとケース体の材質を同一にした場合でも、インナーケースとカバーガラスとは材質が違っているためカバーガラスに、より大きな変形が生じ、液晶表示パネルをひずませてしまい、表示品質の低下を招くという問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、液晶表示パネルの大型化によってもひずみなどによる表示品質の低下を招くことのない表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、
画像を表示する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの前面を保護し前記画像を透視するカバーパネルと、
前記液晶表示パネルを背面から照明するバックライトユニットと、
前記液晶表示パネル、前記バックライトユニットを収容するインナーケースと、
前記インナーケースを収容し固定保持するケース体と、を備える表示装置であって、
前記カバーパネルは、背面に前記液晶表示パネルが透光性接着層で接着されて前記カバーパネルの周囲が前記インナーケースを介して前記ケース体に固定保持され、
前記バックライトユニットは、前記液晶表示パネルと隙間を持って対面するように、前記ケース体に固定保持される、
ことを特徴とする。
本発明によれば、液晶表示パネルの大型化によってもひずみなどによる表示品質の低下を招くことがない。
本発明の表示装置の一実施形態に係る概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るバックライトユニットの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るインナーケースの前面の概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係るインナーケースの背面の概略斜視図である。
本発明の一実施形態に係る表示装置を、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の表示装置100は、例えば車両に搭載され、車両速度やワーニング表示などの車両情報を表示するもの等として構成される。
本発明の画像を表示する表示装置100は、画像を表示する液晶表示パネル10と、液晶表示パネル10の前面を保護し画像を透視するカバーパネル20と、液晶表示パネル10を背面から照明するバックライトユニット30と、液晶表示パネル10、バックライトユニット30を収容するインナーケース40と、インナーケース40を収容し固定保持するケース体50と、を備えており、カバーパネル20は、背面に液晶表示パネル10が透光性接着層24で接着されてカバーパネル20の周囲がインナーケース40を介してケース体50に固定保持され、バックライトユニット30は、液晶表示パネル10と隙間37を持って対面するように、ケース体50に固定保持されて構成されている。
これにより、これまでの液晶表示パネル10を介してバックライトユニット30などを吊り下げる構造とすることなく、バックライトユニット30などをケース体50に固定保持することで、液晶表示パネル10のひずみや変形などを防止して液晶表示パネル10の大型化にともなう液晶表示パネル10のひずみや変形を抑えて表示画像の低下を招くことなく、表示品質の確保と耐衝撃性、耐震性を確保するようにしている。
本実施形態の表示装置100は、液晶表示パネル10と、カバーパネル20と、バックライトユニット30と、インナーケース40と、ケース体50と、に加え、液晶表示パネル10用のドライバ、制御部などのICや各種の電子部品が実装された回路基板60を備えて構成されている。
なお、以下、表示装置100を正面視したときの(つまり、ユーザーが表示装置100を正面から見て画像情報を確認する場合の視認側を「前面」といい、裏側を「背面」として説明する。
本実施形態の液晶表示パネル10は、例えばカラー液晶モジュールとされ、ドットマトリクス型のTFT(Thin Film Transistor)モジュールで構成される。
液晶表示パネル10は、バックライトユニット30からの光を受けて、画像を表示する。液晶表示パネル10は、一対の透明基板と両基板間に封入された液晶層とからなる液晶セルと、液晶セルを挟んで対向する偏光フィルタと、を有する。透明基板には、ITO(Indium Tin Oxide)等により透明電極が形成されている。液晶表示パネル10は、FPC(Flexible Printed Circuits)等の可撓性基板11を有し、バックライトユニット30の背面に固定された中継基板12を介してフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)13で後述する回路基板60に接続されている。液晶表示パネル10は、回路基板60に実装された液晶表示パネル10用の図示しないドライバ、制御部と接続される。液晶表示パネル10は、制御部の制御の下で、透明電極を介して液晶層に駆動電圧が印加されると、液晶層の液晶分子の配向が制御され、液晶表示パネル10が有する複数の画素の各々が透過/不透過状態に切り替わる。このような画素の組合せにより、液晶表示パネル10は、所定の画像を表示する。制御部では、例えば車両のECU(Electronic Control Unit)から車両速度などの車両情報を取得し、取得した情報を画像として液晶表示パネル10に表示させる。なお、本実施の形態における液晶表示パネル10は、大型化されており、例えば車両用のスピードメータおよびタコメータなどやワーニング表示などの複数の表示を1つで行うコンビネーションメータに相当する大きさとされる。
カバーパネル20は、衝撃や塵埃などから液晶表示パネル10を保護するための平板状のパネルである。カバーパネル20は、有機ガラスや無機ガラスからなり、液晶表示パネル10より大きく形成されて液晶表示パネル10の前面を覆っている。カバーパネル20の背面には、図2に示すように、黒色印刷層からなる遮光部21が形成されており、この遮光部21は、液晶表示パネル10の画像を透視する矩形の窓部22と、左右両側の警告を表示する第2の画像表示部となるワーニング表示部23とを有している。
カバーパネル20の前面には、必要に応じて反射防止、防汚、帯電防止、赤外線カット等の機能を有するコーティング、例えばAG(Anti-Glare)層や、AR(Anti-Reflection)層やフィルムを設け、外光反射を低減し、表示画像の視認性を向上させるようにする。
カバーパネル20には、背面に液晶表示パネル10が透光性接着層24によってオプティカルボンディングされており、密着して固定保持されている。
透光性接着層24は、例えば無色透明な接着剤で形成され、厚さは20〜1000μm程度である。透光性接着層24は、カバーパネル20に印刷などで形成された窓部22を覆うように設置される。透光性接着層24は、カバーパネル20と同等の屈折率を有しており、例えば1.4〜1.55の屈折率を有している。透光性接着層24は、液晶表示パネル10の接着面やカバーパネル20の線膨張係数の違いによる伸縮を吸収し、且つ、接着面に剥がれが発生しない程度の弾性、接着力を持つゲル状のものが用いられる。
透光性接着層24を形成する透光性接着剤は、接着前は液状で、接着工程の中で硬化されるものや、あらかじめシート状に形成された粘着シート状のものが用いられ、例えば、UV光によって粘度を増して接着力を発揮するUV硬化型や熱によって接着力を発揮する熱硬化型など様々なタイプものを用いることができる。また、透光性接着層24を形成する透光性接着剤は、シリコーン接着剤やウレタン系、アクリル系の接着剤であっても良い。
このように液晶表示パネル10とカバーパネル20の間に、両者と密着する透光性接着層24を介在させることで、カバーパネル20の背面に塵埃などが侵入して表示を妨げたり、外光反射や結露や曇りが生じて判読性が低下することを防止する。
カバーパネル20は、背面側からカバーパネル20の外周端側面を取り囲んで加飾フレーム25が後述するひずみ吸収部材を構成する両面テープ70によって貼り付けられている。
加飾フレーム25は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の合成樹脂とされ、横断面形状がL字状の枠状に形成されて垂直部と水平部とを備えている。加飾フレーム25は、垂直部がカバーパネル20の外周端面との間に所望の隙間が設けられ、加飾フレーム25とカバーパネル20との形状誤差や線膨張の違いによるひずみを吸収できるようにしてある。加飾フレーム25は、水平部がカバーパネル20の外周端背面に両面テープ70によって固定保持されている。
カバーパネル20は、背面側の液晶表示パネル10が接着されている部分の外側(加飾フレーム25の水平部の内側)で、全周がひずみ吸収部材である両面テープ70によって、インナーケース40に固定保持されている。これにより、カバーパネル20とインナーケース40との間のひずみや変形の伝達を抑えるようにしている。
なお、インナーケース40は、後述するように、ケース体50にねじ止めなどで固定保持される。
ひずみ吸収部材としての両面テープ70は、カバーパネル20と加飾フレーム25との接着やカバーパネル20とインナーケース40との接着のために固定保持する構造用の接着部材で、例えば図2に示すように、液晶表示パネル10の外形に合わせてシート状に成形したものが用いられる。両面テープ70は、ひずみ吸収部材としての機能を備えるもので、各部材の材質の違いや表面状態の違い、各種温度、湿度環境などの違いにおいても十分な接着力を有し、しかも各部材の材料同士の線膨張率の違いにより発生するひずみなどや面精度の誤差を吸収する柔軟性を併せ持つものである。ひずみ吸収部材を構成する両面テープ70は、例えば3M社製のアクリルフォーム構造用接合テープY−4180シリーズなどが使用でき、上記の必要条件を満たすように厚みが1mm前後のものが使用される。
バックライトユニット30は、図3に示すように、例えば光源31と導光体32と光学シート類33、反射フィルム34、バックケース35、ベゼル36を備えて構成される。
光源31は、例えばLED(Light Emitting Diode)で構成される。光源31は、液晶表示パネル10のパネル基板の上縁部に複数のLEDが直線上に並べて実装され、光源31が実装された基板は、FPC等の可撓性基板(図示せず)を介して、回路基板60のバックライトユニット30用の図示しないドライバ、制御部と接続されている。制御部の制御の下で、可撓性基板を介して光源31に駆動電流が供給されると、光源31は、液晶表示パネル10に沿って下方に向けて光を出射する。本実施形態では、バックライトユニット30は、液晶表示パネル10の大型化にともなって大きく、しかも重量も重くなって構成されている。
導光体32は、光源31が出射した光を液晶表示パネル10に向けて導くものである。導光体32は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)などの透明樹脂から、略矩形の平板状に形成され、反射フィルム34を介してバックケース35内に収容されている。
導光体32は、上端面が複数の光源31の各々と対向し、各光源31からの光が入射する入射面となっている。この入射面には、入射する光源31からの光を拡散させて導光体32の内部に導く光拡散処理が施されている。光拡散処理としては、微細な凹凸やドット状の突起、印刷などで粗面化する処理などが施されている。
導光体32の液晶表示パネル10に向く前面は、導光体32を通過した光源31からの光が出射する出射面となっている。導光体32の出射面の反対の背面は、反射面とされ、入射面から導光体32の内部に入った光を拡散反射させて出射面へ、光の方向を変える拡散反射処理が施されている。反射面の光拡散処理としては、入射面と同様に、微細な凹凸やドット状の突起、印刷などで粗面化する処理などが施されている。
導光体32の出射面側(前面側)には、光学シート類33が配置される。光学シート類33は、シート面の背面側(導光体側) からシート面に対して垂直に入射した光は反射して透過させず、特定の方向から入射した光は、シート面に対して垂直な方向に屈折させながらシート面の表面側へ透過させるプリズムシートやシート面の背面側(導光体側) から入射した光を拡散させながら表面側(液晶表示パネル10側)に透過させる拡散シートなどが組み合わされたものである。光学シート類33は、基本的には導光体32の出射面から出射された光の方向を、液晶表示パネル10の前面と垂直な方向に揃えて出射効率の向上を図りながら、輝度のムラを解消するためのものである。
導光体32の背面(反射面の背面)には、反射フィルム34が配置され、導光体32から漏れ出た光を反射させて、再び導光体32に入射させることで、光のロスを低減するためのものである。反射フィルム34は、樹脂等から白色に形成されたフィルムで構成される。
バックケース35は、光源31と導光体32と光学シート類33と反射フィルム34とを収容してバックライトユニット30を構成する略箱状のケースであり、その背面には、ケース体50へ取り付け保持するための取り付け部35aが設けられている。また、バックケース35は、光源31の発熱を熱伝導によって他の部品へ熱を伝えて放熱したり、光源31の発熱をバックケース35の自らの表面から空気に放熱する放熱体としての機能も有しており、熱伝導性の高いアルミニウムなどの合金で作られている。なお、バックケース35の取り付け部35aには、回路基板60が載置され、ケース体50で挟まれるようにして固定保持される。
ベゼル36は、バックライトユニット30の前面側の周囲を囲み導光体32から光学シート類33を通して出射される照明光の範囲を規定する枠体である。ベゼル36は、バックケース35に収容された導光体32、光学シート類33、反射フィルム34などをバックケース35の前面側から押えることで、これらを保持している。ベゼル36は、薄い板金製とされ、バックケース35にフックなどで取り付けられる。
このようなバックライトユニット30は、液晶表示パネル10の背面側に隙間37を持って液晶表示パネル10と対面するように配置されており、図1に示すように、隙間37の周囲は、パッキン38で塞がれている。パッキン38は、バックライトユニット30の前面の全周を囲むシート状の矩形枠に形成され、バックライトユニット30に取り付けられて液晶表示パネル10の背面側に圧縮状態で当接して、画像を表示する領域を背面から取り囲むようにしてある。パッキン38は、圧縮変形することで、温度変化などによって隙間37が変化しても液晶表示パネル10とバックライトユニット30との当接状態を維持し、塵埃などが液晶表示パネル10とバックライトユニット30の隙間37に入り込むことを防止する。
パッキン38は、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料、あるいはポリウレタンフォームなどの多孔質材料からなり、その片面に接着テープ等を有している。パッキン38は、その接着テープがバックライトユニット30のベゼル36の前面側(窓部側)に沿って粘着固定される。
なお、バックライトユニット30は、インナーケース40内に収容され、バックケース35の背面の取り付け部35aを、インナーケース40を貫通させ、ケース体50にねじ止めすることで直接固定支持される。これにより、バックライトユニット30の荷重は、ケース体50によって支持されることになる。なお、このようなバックライトユニット30、インナーケース40、ケース体50などの支持構造の詳細については、後述する。
インナーケース40は、液晶表示パネル10とバックライトユニット30などを収容するケースであり、前面側の開口部は、カバーパネル20によって塞がれ、カバーパネル20の背面側外周部の、ひずみ吸収部材としての両面テープ70で接着されている。
インナーケース40は、パネル部41と、パネル部41の周囲に沿い配置されるカバーパネル20を保持する複数のフランジ部42と、複数のフランジ部42同士を連結し複数のフランジ部42間の変位に伴い弾性変形することでひずみを吸収する弾性連結部43と、を備えて一体に形成されて構成される。
インナーケース40は、前面側が開口した略箱状とされ、例えばABS等の樹脂で形成される。フランジ部42は、カバーパネル20に当接される部分であり、複数に分割され、例えば島状に構成され、それぞれのフランジ部42同士の間に空間を備えてカバーパネル20の外周部に配設されるようにしてある。複数に分割されたフランジ部42は、箱状の主として底部分となる背面側のパネル部41で連結することで、一体の略箱状とされている。
このインナーケース40では、フランジ部42とカバーパネル20の外周部とを両面テープ70を介して接着すると、合成樹脂とガラスの線膨張差によってひずみが生じるが、フランジ部42同士の間に空間を備えることで、ひずみをフランジ部42同士の間で吸収するようにしている。また、フランジ部42を複数に分割すると、一体構造の1つのケースとして構成できなくなることから、フランジ部42同士をパネル部41で連結し、パネル部41にひずみを吸収するための弾性連結部43を設けている。
弾性連結部43は、図4および図5に示すように、パネル部41の中央部の大きな貫通孔43aと、貫通孔43aに開口している略V字状の第1溝部43bと、略S字状の第2溝部43cと、がパネル部41の平面内に形成されて構成されており、フランジ部42同士は、フランジ部42の前面側から背面側に略U字状にくぼんで形成された複数の第3溝部43dで連結されて構成されている。これにより、フランジ部42は、複数の島状に分割された状態で、しかも連結された状態となっており、パネル部41の平面と平行な方向およびこれと垂直な方向のひずみを吸収する。
インナーケース40は、ケース体50への取り付けのためのボス部42aがフランジ部42の周囲の複数箇所に一体に形成してある。
また、インナーケース40は、左右のフランジ部42に、第2の画像表示部としてワーニング表示部44が区画して設けられ、各区画が矩形の箱状とされてそれぞれがカバーパネル20のワーニング表示部23で覆われてワーニング表示ができるようになっている。
また、インナーケース40は、回路基板60の補助固定用フックや、各種部品の位置決め穴やピンなどの要素、スピーカーのバックキャビティーなどが一体成形される。
回路基板60は、ガラスエポキシ樹脂からなる基材に銅箔からなる配線パターンを形成した基板であり、バックライトユニット30用のドライバや、液晶表示パネル10のグラフィック制御回路、それらの各種電源回路、車両側との接続コネクタ類や通信回路、制御回路等が実装されている。また、回路基板60は、カバーパネル20に形成されているワーニング表示部23を発光させるための発光素子が実装されているサブ基板61と接続され、ワーニング点灯の制御を行う。
回路基板60は、バックライトユニット30のバックケース35の背面に設けられた取り付け部35aに当てられて、メイン構造体であるケース体50に挟まれた状態でねじ止めされてケース体50内に収容されて固定保持される。
ケース体50は、表示装置100の主構造体(主たる荷重を支持し強度を確保する部材)を構成しており、例えばマグネシウム合金で形成している。ケース体50をマグネシウム合金とすることで、アルミニウムに比べて軽量であり、液晶表示パネル10の大型化に伴う大きな重量を有するバックライトユニット30などを保持する強度も有している。また、マグネシウム合金は、加工性に優れ、複雑な形状が必要とされる車両用の表示装置100のケース体50に適しており、金属材料としてシールド性や放熱性も確保することができる。
ケース体50は、前面側に開口部が形成され、背面側を含む周囲が閉じられた略箱状に形成されており、内部に回路基板60が収容される。ケース体50は、前面側の開口部がインナーケース40の背面側に当てられて蓋がされるように塞がれてねじで固定保持されている。
また、ケース体50には、バックライトユニット30の取り付け部35aがインナーケース40を貫通してケース体50内に配置され、バックライトユニット30がケース体50にねじ止めされている。
こうすることで、バックライトユニット30のバックケース35の背面がインナーケース40のパネル部41に設けた穴43eを通じて、ケース体50の前面に密着され、バックライトユニット30で発生する熱を、ケース体50に伝えることができる。さらに、バックライトユニット30のバックケース35とケース体50との間に熱伝導シート51を介装することで、一層熱伝導性を高めることができ、バックライトユニット30の熱をケース体50から放熱することができる。
また、ケース体50に回路基板60を収容する際に、回路基板60に実装されたグラフィック制御回路などの発熱部を、熱伝導シートを介してケース体50に熱結合するようにして、回路基板60の放熱効果を高めるようにしても良い。
ケース体50は、表示装置100を車両に取り付けるための取付ブラケット52が、例えば下方に突き出して一体形成されている。
なお、ケース体50は、アルミニウムやマグネシウムなどの合金製とする場合に限らず、熱伝導性と磁気シールド性とを備えた強度、剛性のある熱伝導樹脂などの合成樹脂製とすることもできる。
カバー80は、ケース体50の側面と背面の一部(外周部分)を覆うABS等の樹脂製のカバーである。カバー80は、枠状の底部分と、底部分の外周端縁から前面側に突き出した側壁部分を備えており、枠状の底部分でケース体50の背面の一部を覆うとともに、側壁部分でケース体50の外周を取り囲んで覆っている。カバー80は、側壁部分がインナーケース40の複数のフランジ部42の外周を取り囲み、側壁部分の先端縁部が加飾フレーム25の水平部に当てられ、ビスやフックによってケース体50の背面に固定されている。こうすることで、カバー80によってインナーケース40の複数のフランジ部42の分割部分の隙間などから内部に異物などが侵入するのを防いでいる。
次に、このような表示装置100の構成部品であるバックライトユニット30、インナーケース40、ケース体50などの支持構造について詳述する。
インナーケース40に設けられている複数のフランジ部42は、それぞれケース体50に背面側から保持固定されつつ、前面側(カバーパネル20側)は、両面テープ70(ひずみ吸収部材)を介してカバーパネル20の周縁部を保持している。また、フランジ部42のカバーパネル20側は、複数に分割(カバーパネル20の外縁と略直交する方向の分割ラインで非連続になるよう分割)されて、複数の島状(半島状)に形成される一方、複数のフランジ部42の背面側(ケース体50側)は、弾性連結部43を備えるパネル部41で連接されて一体構造の部品となっている。
このような支持構造とすることによって、各部品の配列順序(層構成順序)としては従来の吊り下げ構造と変わらないが、支持構造としては、液晶表示パネル10の背面側とバックライトユニット30の前面側が隙間37を空けて対面し向かい合っているだけであり、それぞれが並列的にケース体50に保持・固定されるという従来のカバーパネル20および液晶表示パネル10にバックライトユニット30などを吊り下げて支持する吊り下げ構造とは異なる構造とすることができる。
すなわち、カバーパネル20は、液晶表示パネル10を、透光性接着層24を介して保持するのみで大型化(サイズ増大)に伴って重量が増したバックライトユニット30は、背面側からケース体50に保持されるため、従来のバックライトユニット30などを含めた吊り下げ方式の支持構造に比べ、カバーパネル20や液晶表示パネル10によって透光性接着層24に加わる荷重を大幅に減らすことができ、車両への搭載による振動環境下などでも液晶表示パネル10などに余計なひずみ(ストレス)などが加わらない。
また、液晶表示パネル10とバックライトユニット30は、隙間37を空けて設置されているため、バックライトユニット30が振動し、バックケース35などの末端部が振動の増幅によって振れが大きくなった場合でも、液晶表示パネル10に直接振動が伝わる虞が少なく、液晶表示パネル10の表示品質を低下させることがない。
したがって、表示装置100は、耐震性の強化が図られた状態になり、衝撃荷重下においても、バックライトユニット30の重量が、液晶表示パネル10を通してカバーパネル20に集中することを防止でき、カバーパネル20の破損や損傷を防ぐことができる。
また、液晶表示パネル10が透光性接着層24で接着されたカバーパネル20は、外周(液晶表示パネル10が重なっていないカバーパネル20の外周)近傍が、両面テープ70でケース体50に背面側からインナーケース40を挟んで粘着保持されて支持されているが、カバーパネル20を固定保持するフランジ部42は、複数に分割されていて、インナーケース40とケース体50との材質の違いにより線膨張ひずみが生じても分割部分で吸収することができ、これまでの連続するフランジでカバーパネル20を保持する場合に比べ、フランジ部42の大きな変形を抑えることができる。
これにより、車両への搭載による温度環境変化においても、安定的にカバーパネル20を平坦に保持することができ、その結果として液晶表示パネル10に余計なひずみが加わらず、液晶表示パネル10の表示品質を低下させることなく、良好に保持することができる。
また、インナーケース40のフランジ部42を挟んで間接的にカバーパネル20をケース体50に支持する支持構造では、直接ケース体50でカバーパネル20を支持する支持構造とする場合に比べ、インナーケース40によってカバーパネル20の保持剛性が低下することになるが、インナーケース40のフランジ部42のひずみや変形が分割部分や弾性連結部43で抑えられており、しかもカバーパネル20を介して加わる重量は従来の吊り下げ方式の支持構造に比べて小さく、耐震性の面などで必要十分なカバーガラスの保持剛性を確保することができる。
さらに、インナーケース40のフランジ部42は、カバーパネル20側が複数に分割されて島状に形成され、非連続に分断されているが、各フランジ部42は、背面側のパネル部41において面方向(カバーパネル20の面と平行な方向)のひずみに対し弾性連結部43でバネ性を持たせて連結して一体となるように構成し、しかも各フランジ部42には、ケース体50とのねじ止め用のボス部(固定要素等)42aを設けてケース体50に取り付けて固定するので、各フランジ部42は、ケース体50に拘束されケース体50の膨張収縮に従うことになる。これにより、カバーパネル20に無機ガラスを用い、ケース体50としてマグネシウム合金を用いた場合には、インナーケース40のフランジ部42がマグネシウム合金の線膨張収縮にしたがって動き、線膨張率が比較的近い無機ガラスのカバーパネル20との間の線膨張収縮差は小さく、ABS樹脂などの樹脂製のインナーケース40であってもカバーパネル20のひずみを抑えることができる。
したがって、樹脂製のインナーケース40を用いて剛性体として直接カバーパネル20を保持する場合に比べ、カバーパネル20のひずみや変形を大幅に抑えることができ、車両への搭載による温度環境変化においてもカバーパネル20を介して液晶表示パネル10に余計なひずみが加わらず、液晶表示パネル10の表示品質を低下させることなく、良好に保持することができる。
また、インナーケース40は、バネ性を持たせた弾性連結部43を介して各部を一体に連結して構成しているので、インナーケース40の膨張収縮が弾性連結部43で吸収され、インナーケース40自体の思わぬ変形を防止することができる。また、インナーケース40を一体に構成することで、インナーケース40の部品点数を削減することができ、組立性を維持することができるとともに、さまざまな機能を付加することができ、例えばパネル部41に、回路基板60の端部を保持するフックなどの固定要素やスピーカーのバックキャビティーなどを一体成形することができる。インナーケース40を樹脂製とすることで、形状や色などの自由度が高く、例えば左右のフランジ部42に、ワーニング表示を行うための第2の画像表示部としてワーニング表示部(ライトBOX)44を成形することもできる。
インナーケース40のフランジ部42の前面とカバーパネル20は、厚みを1.0mm程度としたひずみ吸収部材としての両面テープ70で粘着固定してあるので、この両面テープ70の厚みによって、樹脂製のインナーケース40のフランジ部42の表面のうねりなどの変形を吸収し、カバーパネル20との粘着力を安定的に保つことができる。さらに、カバーパネル20とインナーケース40の材質の違いによるせん断方向(カバーパネル20の面と平行な方向)の線膨張ひずみを吸収することができ、カバーパネル20のひずみを抑えて、液晶表示パネル10の表示品質を良好に保持することができる。
なお、上記本実施形態において、パッキン38は、片面に接着テープ等を有し、その接着テープをバックライトユニット30のベゼル36の窓部に沿って粘着固定するようにしたが、両面に接着テープ等を設け、その一方の面を、上記と同様に、バックライトユニット30のベゼル36の窓部に沿って粘着固定し、その他方の面を、液晶表示パネル10の背面側に予め粘着固定するようにしても良い。この場合、既に説明したパッキン38と同様に、液晶表示パネル10の面に垂直な方向の柔軟性と、液晶表示パネル10の面に平行な方向に対する柔軟性を備えたものを選定し、例えば、十分な厚みと柔軟性を有するポロン(イノアック製)などの緩衝フォームテープを用いることができる。このようなパッキン38では、組立工程中に、バックライトユニット30が液晶表示パネル10側に仮に保持されることになるが、組立完了後は、バックライトユニット30がケース体50側に完全に固定、保持された状態となる。
以上、実施の形態と共に、具体的に説明したように、本発明の表示装置100によれば、画像を表示する液晶表示パネル10と、液晶表示パネル10の前面を保護し画像を透視するカバーパネル20と、液晶表示パネル10を背面から照明するバックライトユニット30と、液晶表示パネル10、バックライトユニット30を収容するインナーケース40と、インナーケース40を収容し固定保持するケース体50と、を備える表示装置100であって、カバーパネル20は、背面に液晶表示パネル10が透光性接着層24で接着されてカバーパネル20の周囲がインナーケース40を介してケース体50に固定保持され、バックライトユニット30は、液晶表示パネル10と隙間37を持って対面するように、ケース体50に固定保持されるので、これまでの液晶表示パネル10を介してバックライトユニット30などを吊り下げる構造とすることなく、バックライトユニット30などをケース体50に固定保持することで、液晶表示パネル10のひずみや変形などを防止して液晶表示パネル10の大型化にともなう液晶表示パネル10のひずみや変形を抑えて表示画像の低下を招くことなく、表示品質の確保と耐衝撃性、耐震性を確保することができる。
本発明の表示装置100によれば、インナーケース40は、パネル部41と、パネル部41の周囲に沿い配置されるカバーパネル20を保持する複数のフランジ部42と、複数のフランジ部42同士を連結し複数のフランジ部42間の変位に伴い弾性変形することでひずみを吸収する弾性連結部43と、を備えているので、インナーケース40にひずみや変形が生じても複数のフランジ部42および弾性連結部43で吸収することができ、インナーケース40のフランジ部42を介して液晶表示パネル10にひずみや変形が伝達されず、画像の表示品質を保持することができる。また、車両に搭載するなどの温度環境下や振動環境下であっても表示品質の確保と耐衝撃性、耐震性を確保することができる。
本発明の表示装置100によれば、インナーケース40のフランジ部42とカバーパネル20との間には、せん断ひずみの伝達を抑えるひずみ吸収部材70が介装されているので、ひずみ吸収部材70によってインナーケース40のフランジ部42からカバーパネル20へのせん断ひずみの伝達が抑えられ、液晶表示パネル10のひずみや変形を抑えて画像の表示品質を保持することができる。また、車両に搭載するなどの温度環境下や振動環境下であっても表示品質の確保と耐衝撃性、耐震性を確保することができる。
本発明の表示装置100によれば、インナーケース40には、フランジ部42に、第2の画像表示部44が区画して設けてあるので、フランジ部42に設けた第2の画像表示部44を利用して画像表示を行うことができ、ワーニング表示などを追加して表示することが簡単にできる。
なお、上記の実施形態では、液晶表示パネル10としてTFTモジュールに適用した例で説明したが、他の液晶表示パネルであっても良い。
また、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
100 表示装置
10 液晶表示パネル
11 可撓性基板
12 中継基板
13 フレキシブルフラットケーブル
20 カバーパネル
21 遮光部
22 窓部
23 ワーニング表示部
24 透光性接着層
25 加飾フレーム
30 バックライトユニット
31 光源
32 導光体
33 光学シート類
34 反射フィルム
35 バックケース
35a 取り付け部
36 ベゼル
37 隙間
38 パッキン
40 インナーケース
41 パネル部
42 フランジ部
42a ボス部
43 弾性連結部
43a 貫通孔
43b 第1溝部
43c 第2溝部
43d 第3溝部
43e 穴
44 ワーニング表示部
50 ケース体
51 熱伝導シート
52 取付ブラケット
60 回路基板
61 サブ基板
70 両面テープ(ひずみ吸収部材)
80 カバー

Claims (4)

  1. 画像を表示する液晶表示パネルと、
    前記液晶表示パネルの前面を保護し前記画像を透視するカバーパネルと、
    前記液晶表示パネルを背面から照明するバックライトユニットと、
    前記液晶表示パネル、前記バックライトユニットを収容するインナーケースと、
    前記インナーケースを収容し固定保持するケース体と、を備える表示装置であって、
    前記カバーパネルは、背面に前記液晶表示パネルが透光性接着層で接着されて前記カバーパネルの周囲が前記インナーケースを介して前記ケース体に固定保持され、
    前記バックライトユニットは、前記液晶表示パネルと隙間を持って対面するように、前記ケース体に固定保持される、
    ことを特徴とする表示装置。
  2. 前記インナーケースは、
    パネル部と、
    前記パネル部の周囲に沿い配置される前記カバーパネルを保持する複数のフランジ部と、
    前記複数のフランジ部同士を連結し前記複数のフランジ部間の変位に伴い弾性変形することでひずみを吸収する弾性連結部と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記インナーケースの前記フランジ部と前記カバーパネルとの間には、せん断ひずみの伝達を抑えるひずみ吸収部材が介装される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記インナーケースには、前記フランジ部に、第2の画像表示部が区画して設けられる、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置。
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