JP2018028265A - マイクロダイヤフラムポンプ - Google Patents

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治夫 小野
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Abstract

【課題】ダイヤフラムポンプにおいて、圧力チャンバのデッドボリュームを可及的に小さくすることにより、ポンプ効率の向上を図る等の技術を提供すること。
【解決手段】ポンプ10は、吸入弁31および吐出弁32を有する弁プレート30と、弁プレートに対向配置されるダイヤフラム40と、ダイヤフラムの他面に熱硬化性の接着材70を介して貼着される圧電素子60とを備える。ダイヤフラムの周縁部40aが弁プレートに接合される。ダイヤフラムは、圧電素子よりも大きい熱膨張率を有している。そのため、接着材を硬化させる加熱工程を経た後、ダイヤフラムの中央部にドーム状に膨らむ変形が生じる。このようなダイヤフラムの膨張収縮変形により、ダイヤフラムと対向する弁プレートとの間に、デッドボリュームが極めて小さいチャンバ80を形成することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ダイヤフラムとなる薄膜などを積層することにより形成するマイクロダイヤフラムポンプに関する。
近年家庭用(戸建て住宅用)の分散型エネルギープラントとして燃料電池システムの普及と商業化が期待されている。この種の燃料電池では、燃料ガスや液体燃料、改質器に供給する水、改質器でできた水素などを燃料電池自体に供給するためのポンプが必要になる。また燃料から必要な水素(H)を取り出す改質時に一酸化炭素(CO)が生成されるが、この一酸化炭素は電池触媒の性能に悪影響を及ぼすため、一酸化炭素濃度低減のため選択酸化用空気の流量制御も同時に求められる。さらに分析装置や医療関連(投薬、臨床試験など)では、気体や液体の微少量の供給が必要になる。さらに、電子機器の性能向上に伴って発生する熱を放出し冷却するための小型のポンプも必要になる。
このような用途に用いるマイクロポンプがこれまで種々提案されている。一般的なポンプとしては、遠心式、容積回転式、容積往復式などが周知である。容積往復式は微少流量の吐出が可能で軽量精度が良いなどの特徴が有り、特にダイヤフラム式のものは小型化に適するから、体内にインプラント可能な医療機器、小型の分析機器や事務用機器などへの適用が行われている。
特許文献1〜3には、圧電素子で駆動するマイクロダイヤフラムポンプが開示されている。これら開示されたポンプでは、吸入弁および吐出弁が形成された弁座シートに、一枚の枠板ないしは複数枚の枠板からなる枠体を介してダイヤフラムが接合されている。ダイヤフラムの一面には収入弁と吐出弁とを有する弁座シートが対向し、他の面にはダイヤフラムを振動させる圧電素子(ピエゾ素子)が貼着されている。ダイヤフラム、弁座シートおよび枠板(または枠体)で囲まれる空間に、ダイヤフラムの振動によって容積(内圧)が変化する圧力チャンバを形成している。
特許第4945661号公報 特開2011−117211号公報 特開2011−117212号公報
このようなダイヤフラムポンプにおいては、圧電素子とダイヤフラムの熱膨張率の差により、加熱工程を経たダイヤフラムに変形が生じることが分かっている。例えば、圧電素子としてジルコン・チタン酸鉛(PZT)の焼結体を用い、それをステンレスの薄板であるダイヤフラムに熱硬化性樹脂を介して接着した場合、PZTに対してステンレスの熱膨張率のほうが大きいため、冷却によりダイヤフラム表面がPZT側に膨らむような変形が残ることが確認されている。
このような製造過程におけるダイヤフラムの変形は、チャンバ空間のデッドボリューム(チャンバの容積のうち流体の吐出に寄与しない不要容積)を拡大させることとなる。そのため、製品の圧縮比が設計値よりも低下してしまい、ポンプ効率を悪化させる要因となっていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ダイヤフラムを有するマイクロポンプにおいて、製造過程で生じる圧力チャンバのデッドボリュームを可及的に小さくすることにより、ポンプ効率の向上を図る等の技術を提供することを目的としている。
上述の課題を解決するため、本発明は、吸入弁および吐出弁を有する弁プレートと、一面を前記弁プレートに対向配置することでチャンバを形成するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの他面に貼着される圧電素子とを備えるマイクロダイヤフラムポンプであって、前記圧電素子および前記ダイヤフラムが互いに異なる熱膨張率を有し、前記ダイヤフラムの周縁部が前記弁プレートに接合されていることを特徴とする。
上記構成のマイクロダイヤフラムポンプにおいて、前記ダイヤフラムの熱膨張率が前記圧電素子のそれよりも大きいことが好ましい。
また、前記ダイヤフラムの前記弁プレートに対向する側の面に凹部が形成され、該凹部の周縁部が前記吸入弁および吐出弁を囲んで前記弁プレートに接合されていることが好ましい。そして、前記ダイヤフラムの凹部の形状が前記圧電素子の貼着面の形状に対応していることが好ましい。
また、前記圧電素子の貼着面の形状が円形であり、前記ダイヤフラムが前記圧電素子側にドーム状に膨張していることが好ましい。
また、前記圧電素子が熱硬化性の接着材を介して前記ダイヤフラムの他面に接着されていることが好ましい。
また、前記弁プレートが、前記吸入弁および吐出弁を形成する1枚の弁シートを含むことが好ましい。
本発明のマイクロダイヤフラムポンプによれば、圧電素子とダイヤフラムとが互いに異なる熱膨張率を有しているため、製造時の加熱工程後にダイヤフラムが膨張変形する。これにより、ダイヤフラムと対向する弁プレートとの間に、デッドボリュームが極めて小さい圧力チャンバを形成することができ、ポンプ効率の向上を図ることができる。
本発明の第一実施例によるマイクロダイヤフラムポンプの外観斜視図である。 図1のポンプの積層構造を説明するための分解斜視図である。 図1のポンプの模式断面図である。 弁シートの開口パターンを示す図である。 図4に示すV−V線で切断した弁シートの断面図である。 弁座シートの開口パターンを示す図である。 図6に示すVII−VII線で切断した弁座シートの断面図である。 ダイヤフラムシートの下側面を示す図である。 チャンバ空間を形成する方法を説明するための図である。 ポンプの効果を説明するための模式断面図である。 本発明の第二実施例によるマイクロダイヤフラムポンプの分解斜視図である。 図11のポンプの模式断面図である。
本発明に係るマイクロダイヤフラムポンプの好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」という語は、単に相対的な位置関係を意味し、絶対的な方向の意味では解釈されない。本発明の実施形態によるマイクロダイヤフラムポンプ10は、吸入弁31および吐出弁32を有する弁プレート30と、一面が弁プレート30に対向配置されるダイヤフラム40と、ダイヤフラム40の他面に貼着される圧電素子60とを備える。ダイヤフラム40の周縁部40aが弁プレート30に接合されることで、容積が変化する圧力チャンバ80が形成されている。マイクロダイヤフラムポンプ10は、圧電素子60に交番電圧を印加してダイヤフラム40を振動させることにより、チャンバ80内の流体を吸入弁31から吐出弁32に導くよう構成されている。
ダイヤフラムを振動させる圧電素子(ピエゾ素子)60としては、例えばジルコン・チタン酸鉛を含むPZTと総称される焼結体を採用することができる。ダイヤフラム40の素材としては、使用する流体による腐食に強い、例えばステンレス鋼薄板(SUSシート)を採用することができる。なお、ここでいう薄板は、箔状のものを含む。
圧電素子60およびダイヤフラム40は、互いに異なる熱膨張率の素材により形成される。ここで、ダイヤフラム40がステンレス鋼薄板であり、圧電素子60がPZT焼結体の場合には、ダイヤフラム40の熱膨張率は、圧電素子60のそれよりもかなり大きい。
このように、ステンレス鋼のダイヤフラム40は、PZT60よりも大きい熱膨張率を有し、これらを熱硬化性の接着材を介して加熱接着した場合には、冷却後にダイヤフラム40がPZT60側に膨らむような変形が生じる。このようなダイヤフラムの膨張変形により、対向する弁プレート30との間に、デッドボリュームが極めて小さいドーム状のチャンバ空間80を形成することができる。
また、ダイヤフラム40の弁プレート30に対向する側の面に、例えばハーフエッチング(所定の深さまでエッチングにより除去すること)により凹部41を形成することが好ましい。このような凹部41をダイヤフラム40に形成する場合、該凹部41の周縁部40aで、吸入弁31および吐出弁32を囲むように、弁プレート30にダイヤフラム40が接合されることが好ましい。このような凹部41を形成することにより、ダイヤフラム40の中央部が弁プレート30に当接するような不具合を防ぐことができる。
さらに、ダイヤフラム40の凹部41の形状は、圧電素子60の貼着面61の形状に対応した形状であることが好ましい。圧電素子60は、その貼着面61の形状が円形であることが好ましい。圧電素子60の貼着面61が円形の場合、ダイヤフラム40の凹部41は、その貼着面61の径よりも大きな径の円形に形成されることが好ましい。ダイヤフラム40また凹部41の形状を円形にすることで、加熱工程後のダイヤフラム40を、緩やかな曲面を描くドーム状に膨らませることができる。このようにダイヤフラム40をドーム状に膨張変形することで、ダイヤフラム面における方向性を排除し、結果的に振動モードを単純化することができる。また、矩形のダイヤフラムよりも大きな可動域を確保することができる。また、ダイヤフラム40の局所的な応力集中が少なくなり、ポンプの信頼性の向上や長寿命化にも貢献することができる。
さらに、本発明に係るマイクロダイヤフラムポンプ10によれば、従来のようなチャンバを囲む枠板ないしは複数枚の枠板からなる枠体を有していないので、積層工程が簡素化され、製造コストを安く抑えることができる。これとともに、ポンプデバイス本体の小型化や低背化にも貢献する。
図1は、本発明の一実施例によるマイクロダイヤフラムポンプ10の外観斜視図である。図2は、ポンプ10の積層構造を説明するための分解斜視図である。図3は、ポンプ10の模式断面図である。マイクロダイヤフラムポンプ10は、複数のステンレスの金属薄板と枠体とを多層化接合、すなわち金属薄板などを位置合わせして積層し、それらを接合して形成される。本実施例のポンプ10の本体は、一辺が約7mmの四角形であり、その厚さは1mm以下である。この実施例では、7枚のステンレス薄板(SUSシート)が一括して拡散接合(真空中で加熱・加圧して接合)されて1つの金属積層体を形成している。この積層体は、下からベース板20、弁座シート34L、弁シート35L、弁シート35U、弁座シート34U、ダイヤフラムシート40および外枠体50から構成される。
ベース板20は、一辺が約7mmのステンレス板であって、吸入弁31の弁座341(開口341a)に対向する吸込ポート流路21と、吐出弁32の弁ストッパ342(開口部342c)に対向する吐出ポート流路22とが貫通して形成されている。
ベース板20上に、弁座シート34L、弁シート35L、弁シート35Uおよび弁座シート34Uをこの順で積層することで、弁プレート30が形成される。また、弁プレート30の積層体(予備積層体)を予め形成しておき、その弁プレート積層体をベース板20に後から接合してもよい。
図4に弁シート35の開口パターンを示す。また、図5に図4に示すV−V線で切断した場合の弁シート35の断面図を示す。図2及び図3に示した2枚の弁シート35U、35Lは、同一の弁シート35を、単に左右を反転した関係にある。弁シート35は、ベース板20と外形が同じステンレス薄板からなる。弁シート35には、弁板351と流路開口352とが、エッチングやプレス打ち抜きにより形成されている。ここに弁板351は、流路開口352とほぼ同径の弁板開口351aから内径側に向けて折曲しながら伸びる支持腕351bに支持されている。
図6に弁座シート34の開口パターンを示す。また、図7に、図6に示すVII−VII線で切断した場合の弁座シート34の断面図を示す。2枚の弁座シート34U、34Lも、同一の弁座シート34からなり、これらは弁座シート34を左右に反転させ、かつ、上下に裏返した関係にある。弁座シート34は、ベース板20や弁シート35と外形が同じステンレス薄板に、弁座341と弁ストッパ342とがエッチングやプレス打ち抜きにより形成されている。
弁座341は、流路となる円形の開口341aと、この開口周縁に沿う環状の突条341bとを有する。この突条341bは、図7に示すように、突条341bを残してその回りをハーフエッチングする(所定の深さまでエッチングによって除去する)ことにより僅かにへこませることで形成できる。ハーフエッチング領域341cの半径方向における幅は、突条341bから、対向する弁シート35の流路開口352の端までの長さに相当する。
突条341bにはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)の皮膜を形成しておくのが好ましい。このDLCは例えば真空蒸着、スパッタリングなどの物理的方法(PVD)、プラズマCVDなどの化学的方法(気相成長法)により形成することができる。この時、突条341b以外の領域には被膜形成を防ぐためのマスキングをしておく。また、ハーフエッチング領域341cを形成する際には、少なくともこの突条341bがエッチングされないようマスキングをしておくことが望ましい。
弁ストッパ342は、開口部342cと、開口部342cの縁に形成した環状部342aと、この環状部342aの周囲に周方向に分割された3つの流路342部bとを有する。環状部342aは、弁板351に当接する部位である。つまり、開口部342cの内径は、弁板351の外径よりも小さく形成される。
このように加工された弁シート35と弁座シート34とは2枚ずつ準備される。弁シート35U、35Lを例えば図2に示すように重ね、その上下に弁座シート34U、34Lを重ねて、これらシートを加圧しながら拡散接合することで、弁プレート30が積層される。
なお、図示はしないが、吸入弁31および吐出弁32を、1枚の弁シート35に形成してもよい。つまり、弁板開口351a内に支持腕351bを介して支持される弁板351からなる弁を、2つ並列に形成した1枚の弁シート35の上下に、弁座シート34U、34Lを重ねて積層してもよい。
これらのシートが正しく位置合わせされた弁プレート30は、吸入ポート側において、弁シート35Lの弁板351が、弁座シート34Lの弁座341(突条341b)と同心に設置されるとともに、弁座シート34Uの弁ストッパ342(環状部342a)に対向する。これらにより、吸入弁31が形成される。そして、吸入弁31周囲の縦の流路が、それぞれ同一の曲率内径を有する弁板開口351a、流路開口352および流路部342bにより形成される。
また、吐出ポート側においては、弁シート35Uの弁板351が、弁座シート34Uの弁座341(突条341b)に同心に設置されるとともに、弁座シート34Lの弁ストッパ342(環状部342a)に対向する。これらにより、吐出弁32が形成される。吐出弁32周囲の縦の流路が、ベース板20の吐出ポート流路22とそれぞれ同一の曲率内径を有する弁板開口351a、流路開口352および流路部342bにより形成される。
図8には、弁プレート30(弁座シート34U)に接合する前のダイヤフラムシート40の下側面(弁プレートに対向する側の面)の構造が示される。接合前のダイヤフラムシート40は、弁プレート30と外形が同じ平坦なステンレス薄板からなる。ダイヤフラムシート40の弁プレート30に対向する下側面には、円形の凹部41が形成されている。凹部41は、例えば5μmの一定の深さにハーフエッチングされている。この凹部41の形状は、圧電素子であるPZT60の円形の貼着面61の形状に対応して、その径よりも若干大きな径の円形に形成されている。
そして、ダイヤフラムシート40は、凹部41の周縁部40aが吸入弁31および吐出弁32を囲むようにして、弁プレート30に拡散接合される(図9(a))。
外枠体50は、ダイヤフラムシート40と同じ外形のステンレス板からなる。外枠体50の中央には、ダイヤフラムシート40の可動域に対応して円形に打ち抜かれた開口部50aが形成されている。
金属積層体を拡散接合で形成した後、熱硬化性樹脂である接着材70を塗布して、圧電素子であるPZT60をダイヤフラムシート40の上面中央部に貼着する(図9(b))。
熱硬化性の接着材70を硬化させる加熱工程を経ると、ステンレスのダイヤフラムシート40はPZT60よりも大きい熱膨張率を有しているために、加熱硬化後の冷却によりダイヤフラムシート40のPZT60側の面が上に凸のドーム状に膨らむような変形40’を生じさせることができる(図9(c))。本実施例では、このようなダイヤフラムの膨張収縮変形40’により、対向する弁プレート30との間に、デッドボリュームが極めて小さい圧力チャンバ80の空間が形成される。
図10に示すように、PZT60に図示しない駆動回路から交番電圧を印加すると、PZT60が伸縮し、それに伴いダイヤフラム40の表面に引張及び圧縮応力を生じて上下に振動する。本実施例では、ダイヤフラム40の振幅は、約20μm(±10μm)である。このダイヤフラム40の上下振動によってチャンバ80の容積が変化する。ここで、ダイヤフラム40の振動によって変化するチャンバ容積を排除容積Veとし、変化しない容積を不要容積(デッドボリューム)Vdと記載する。
ダイヤフラム40が上に向けて変形し、チャンバ80の内圧が負圧になるときには、吸入弁31の弁板が弁座から離れて開き、吐出弁32の弁板は弁座に当たって閉じる。その結果、吸入弁31を介してチャンバ80内に流体が吸入される。ダイヤフラム40が下に向けて変形し、ダイヤフラム40がチャンバ80を加圧するときには、吸入弁31が閉じ、吐出弁32が開き、吐出弁32を介してチャンバ80から流体が吐出される。
図10を参照して、本実施例によるマイクロダイヤフラムポンプ10の効果を、さらに説明する。
本実施例によれば、ダイヤフラム40が弁プレート30に直接接合されることで、流体の吐出に寄与しないデッドボリュームを、ほぼ無くすことができる。一方、比較例によるポンプでは、ダイヤフラムが枠体Fを介して弁プレートに接合されているので、少なくとも枠体Fで囲まれる容積Vfだけ本実施例よりもデッドボリュームが大きい。
実施例と比較例との間で排除容積Veが同じとした場合で、ポンプ効率をチャンバの圧縮比γ(γ=Ve/Vd)で比較する。ここで、排除容積Veは、ダイヤフラムが上方変位したときの排除容積Veuと、ダイヤフラムが下方変位したときの排除容積Vedとを合算した容積である。また、本実施例によるチャンバのデッドボリュームをVd1とし、比較例によるデッドボリュームをVdoとする。
本実施例によるポンプ10の圧縮比γe(γe=Ve/Vd1)と、比較例によるポンプの圧縮比γo(γo=Ve/Vdo)とを比較すると、Vd1<Vdoであるから、本実施例のほうの圧縮比のほうが大きいγe>γoとなることが分かる。
このように、本実施例のマイクロダイヤフラムポンプ10は、従来のものよりもチャンバの圧縮比を大きくすることができ、したがってポンプ効率の向上を図ることができる。
図11は、本発明の他の実施例によるマイクロダイヤフラムポンプ11の分解斜視図である。図12は、ポンプ11の模式断面図である。なおこれらの図において、上述した実施例と同一または対応する要素には、その要素と同じ符号が付されている。
本実施例のポンプ11の本体は、一辺が約7mmの四角形であり、その厚さは1mm以下である。この実施例では、7枚のステンレス薄板が一括に拡散接合されて1つの金属積層体を形成している。この積層体は、下からベース板25、弁座シート36L、弁シート35L、弁シート35U、弁座シート36U、ダイヤフラムシート40、および外枠体50から構成される。
ベース板25は、一辺が約7mmのステンレス板であって、吸入弁31の弁座341(開口341a)に対向する吸込ポート流路21と、吐出弁32の弁板351に対向する吐出ポート流路23とが貫通して形成されている。本実施例では、吐出ポート流路23が、三又状のストッパ23aによって3分割されている。
ベース板25上には、弁座シート36L、弁シート35L、弁シート35Uおよび弁座シート36Uがこの順で積層され弁プレート30が形成される。また、弁プレート30の積層体(予備積層体)を予め形成しておき、その弁プレート積層体をベース板25に後から接合してもよい。
2枚の弁シート35U、35Lは、上述した実施例と同様に、同一の弁シート35を、単に左右を反転した関係にある。弁シート35は、ベース板20と外形が同じステンレス薄板からなる。弁シート35には、上述した実施例と同様に、弁板351と流路開口352とが形成されている。ここに弁板351は、流路開口352とほぼ同径の弁板開口351aから内径側に向けて折曲しながら伸びる支持腕351bに支持されている(図4参照)。
なお、図示はしないが、吸入弁31および吐出弁32を、1枚の弁板シート35に形成してもよい。つまり、弁板開口351a内に支持腕351bを介して支持される弁板351からなる弁を、2つ並列に形成した1枚の弁板シート35の上下に、弁座シート36U、36Lを重ねて積層してもよい。
2枚の弁座シート36U、36Lも、同一の弁座シートからなり、これらは弁座シートを左右に反転させ、かつ、上下に裏返した関係にある。弁座シートは、弁シート35と外形が同じステンレス薄板に、弁座341(開口341aおよび突条341bなど)と開口343とが、エッチングやプレス打ち抜きにより形成されている。
弁座341は、上述した実施例と同様に、円形の開口341aと、この開口周縁に沿う環状の突条341bと、ハーフエッチング領域341cとを有している(図6参照)。
開口343は、隣接する弁シート35の流路開口352と同じ内径を有している。
弁座シート36L、弁シート35L、弁シート35Uおよび弁座シート36Uが正しく位置合わせされた弁プレート30は、吸入ポート側において、弁シート35Lの弁板351が、弁座シート36Lの341(突条341b)と同心に設置され、吸入弁31が形成される。そして、吸入弁31周囲の縦の流路が、それぞれ同一の曲率内径を有する弁板開口351a、流路開口352および開口343により形成される。
また、吐出ポート側においては、弁シート35Uの弁板351が、弁座シート36Uの弁座341(突条341b)に同心に設置されることにより、吐出弁32が形成される。吐出弁32周囲の縦の流路が、ベース板25の吐出ポート流路23とそれぞれ同一の曲率内径を有する弁板開口351a、流路開口352および開口343により形成される。
ダイヤフラムシート40は、弁プレート30と外形が同じ平坦なステンレス薄板からなる。ダイヤフラムシート40の弁プレート30に対向する下側面には、例えば5μmの深さにハーフエッチングされた凹部41が形成されている。この凹部41の形状は、PZT60の円形の貼着面61よりも若干大きな直径を有する円形に形成されている。
そして、ダイヤフラムシート40は、凹部41の周縁部40aが、吸入弁31および吐出弁32を囲むようにして、弁プレート30に拡散接合される。
外枠体50は、ダイヤフラムシート40と同じ外形のステンレス板からなる。外枠体50の中央には、ダイヤフラムシート40の可動域に対応して円形に打ち抜かれた開口部50aが形成されている。
金属積層体を拡散接合で形成した後、熱硬化性樹脂である接着材70を塗布して、圧電素子であるPZT60をダイヤフラムシート40の上面中央部に貼着する。
ステンレスのダイヤフラムシート40は、PZT60よりも大きい熱膨張率を有しているために、熱硬化性の接着材70を硬化させる加熱工程を経た後には、ダイヤフラムシート40の中央部を上に凸に膨らませることができる。このようなダイヤフラムの膨張収縮変形により、対向する弁プレート30との間に、デッドボリュームが極めて小さいドーム状の圧力チャンバ80の空間を形成することができる。
10、11 マイクロダイヤフラムポンプ
20 ベース板 21 吸込ポート流路
22、23 突出ポート流路 23a ストッパ
25 ベース板 30 弁プレート
31 吸入弁 32 吐出弁
34、34U、34L 弁座シート 35、35U、35L 弁シート
36U、36L 弁座シート 40 ダイヤフラムシート
41 凹部 50 外枠体
60 PZT 61 貼着面
70 接着材 80 チャンバ
341 弁座 341a 開口
341b 突条 341c ハーフエッチング領域
342 弁ストッパ 342a 環状部
342b 流路部 343 開口
351 弁板 351a 弁板開口
351b 支持腕 352 流路開口

Claims (7)

  1. 吸入弁および吐出弁を有する弁プレートと、一面を前記弁プレートに対向配置することでチャンバを形成するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの他面に貼着される圧電素子とを備えるマイクロダイヤフラムポンプであって、
    前記圧電素子および前記ダイヤフラムが互いに異なる熱膨張率を有し、
    前記ダイヤフラムの周縁部が前記弁プレートに接合されていることを特徴とするマイクロダイヤフラムポンプ。
  2. 前記ダイヤフラムの熱膨張率が前記圧電素子のそれよりも大きい、請求項1に記載のマイクロダイヤフラムポンプ。
  3. 前記ダイヤフラムの前記弁プレートに対向する側の面に凹部が形成され、該凹部の周縁部が前記吸入弁および吐出弁を囲んで前記弁プレートに接合されている、請求項1または2に記載のマイクロダイヤフラムポンプ。
  4. 前記ダイヤフラムの凹部の形状が前記圧電素子の貼着面の形状に対応している、請求項3に記載のマイクロダイヤフラムポンプ。
  5. 前記圧電素子の貼着面の形状が円形であり、前記ダイヤフラムが前記圧電素子側にドーム状に膨張している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロダイヤフラムポンプ。
  6. 前記圧電素子が熱硬化性の接着材を介して前記ダイヤフラムの他面に接着されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロダイヤフラムポンプ。
  7. 前記弁プレートが、前記吸入弁および吐出弁を形成する1枚の弁シートを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロダイヤフラムポンプ。
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