JP2018028069A - 摩擦調整剤及び潤滑油組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
高分子タイプの摩擦調整剤としては、α‐オレフィンとフマル酸エステルからなる共重合体(特許文献1)、ヒドロキシル基を有するアクリル酸エステル共重合体(特許文献2)、親水性ポリマーユニットとポリオレフィンユニットを有するポリエステル(特許文献3)、極性セグメントユニットと疎水性セグメントユニットからなるブロック構造を有するメタクリル酸エステル共重合体(特許文献4)、リン官能基化されたメタクリル酸エステル共重合体(特許文献5)等が知られている。
一般式(2)におけるA2は2価のラジカル重合性基であり、具体的にはフマル酸、マレイン酸の2個のカルボキシル基から水酸基を除いた2価の残基などである。
これらの単量体(a)のうち、摩擦低減の観点から好ましくは、一般式(1)におけるA1がビニル基、(メタ)アクリロイル基の(a1)であり、更に好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
これらの−X1−、−X2−及び−X3−は、摩擦低減の観点から好ましくは−O−である。
炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−及び1,3−プロピレン基、並びに1,2−、1,3−及び1,4−ブチレン基が挙げられる。これらのうち、摩擦低減の観点から好ましくはエチレン基、並びに1,2−及び1,3−プロピレン基であり、更に好ましくはエチレン基である。
具体的には、炭素数1〜20のアルキレン基としては、エチレン基、イソプロピレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、イソブチレン基、1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基、イソペンチレン基、1,2−、1,3−、1,4−又は1,5−ペンチレン基、イソヘキシレン基、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−又は1,6−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−又は1,7−ヘプチレン基、イソオクチレン、1,8−オクチレン基、イソノニレン基、1,9−ノニレン基、イソデシレン基、1,10−デシレン基、イソウンデシレン基、1,11−ウンデシレン基、イソドデシレン基、1,12−ドデシレン基、イソトリデシレン基、1,13−トリデシレン基、イソテトラデシレン基、1,14−テトラデシレン基、イソペンタデシレン基、1,15−ペンタデシレン基、イソヘキサデシレン基、1,16−ヘキサデシレン基、イソヘプタデシレン基、1,17−ヘプタデシレン基、イソオクタデシレン基、1,18−イソオクタデシレン基、イソノナデシレン基、1,19−イソノナデシレン基、イソエイコシレン基、1,20−エイコシレン基等が挙げられる。
R2のうち摩擦低減の観点から好ましくは炭素数2〜17のアルキレン基、更に好ましくは炭素数1〜15のアルキレン基、特に好ましくは炭素数1〜13のアルキレン基、最も好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基である。
SP値の範囲は、好ましくは9.0〜12.5(cal/cm3)1/2であり、更に好ましくは9.3〜12.3(cal/cm3)1/2であり、特に好ましくは9.5〜12.0(cal/cm3)1/2である。
なお、本発明におけるSP値は、Fedors法(Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14、No.2 P.147〜154)に記載の方法で算出される値である。
<(a)のMn、(A)のMwの測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
これらの単量体(a)は、公知の製造方法によって得ることができる。
ヒドロキシエチルアクリル酸エステル(HEA)やヒドロキシエチルメタクリル酸エステル(HEMA)にラクトンを開環付加して得る方法が挙げられる。ヒドロキシエチルアクリル酸エステル(HEA)やヒドロキシエチルメタクリル酸エステル(HEMA)にラクトンを開環付加反応させる際の反応温度は、反応時間の観点から好ましくは80〜150℃であり、更に好ましくは100℃〜140℃である。反応時間は、好ましくは2〜24時間であり、更に好ましくは3〜10時間である。反応は主に触媒存在下で行われる。
上記反応の触媒としては、公知の触媒でよく、p−トルエンスルホン酸、テトラプロピルチタネート、オクタン酸第一スズ等が挙げられる。触媒の使用量は、反応生成物量に対して好ましくは0.01〜5質量%であり、更に好ましくは0.03〜0.5質量%である。開環付加反応終了後は、触媒は、吸着剤を用いて吸着・ろ過し、除去する方法、中和して触媒を不活性化する方法等によって処理することが望ましい。
化合物(a−1)とカルボン酸をエステル化反応させる際の反応温度は、反応時間及び(メタ)アクリル酸の重合防止の観点から好ましくは80〜150℃であり、更に好ましくは90℃〜130℃である。またエステル化反応は、生成する水を除去する目的で反応圧力を減圧にしてもよい。好ましい反応圧力は、反応時間及び重合防止の観点から好ましくは0.007〜0.095MPaであり、更に好ましくは0.01〜0.092MPaである。反応時間は、好ましくは2〜24時間であり、更に好ましくは3〜10時間である。エステル化反応は、触媒存在下で行われるのが望ましい。
上記エステル化反応の触媒としては、公知の触媒でよく、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。またエステル化反応には溶剤を使用してもよく、溶剤としては非水溶で沸点が150℃以下のもの、例えばシクロヘキサン及びトルエン等が挙げられる。
ヒドロキシエチルアクリル酸エステル(HEA)やヒドロキシエチルメタクリル酸エステル(HEMA)にラクタムを開環付加して得る方法が挙げられる。ヒドロキシエチルアクリル酸エステル(HEA)やヒドロキシエチルメタクリル酸エステル(HEMA)にラクタムを開環付加反応させる際の反応温度は、反応時間の観点から好ましくは80〜150℃であり、更に好ましくは100℃〜140℃である。反応時間は、好ましくは2〜24時間であり、更に好ましくは3〜10時間である。反応は主に触媒存在下で行われる。
上記反応の触媒としては、公知の触媒でよく、テトラプロピルチタネート、オクタン酸第一スズ等が挙げられる。触媒の使用量は、反応生成物量に対して好ましくは0.01〜5質量%であり、更に好ましくは0.03〜0.5質量%である。 開環付加反応終了後は、触媒は、吸着剤を用いて吸着・ろ過し、除去する方法、中和して触媒を不活性化する方法等によって処理することが望ましい。
(a)化学シフト160−180ppmの積分強度の合計(炭化水素の全炭素に起因する積分強度の合計)、及び
(b)化学シフト170−180ppmの積分強度の合計(特定のカルボニル構造に起因する積分強度の合計)
(c)化学シフト160−170ppmの積分強度の合計(特定のカルボニル構造に起因する積分強度の合計)
をそれぞれ測定し、(a)100%とした時の(b)の割合(%)を算出しM1とした。同様にして、(a)100%とした時の(c)の割合(%)を算出し、それぞれM2とした。
(c)のうち好ましいのは、炭素数1〜3の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、更に好ましいのは(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸メチルである。
単量体(a)と併用される窒素原子含有単量体(d)[単量体(a)と単量体(b)を除く]としては、以下の単量体(d1)〜(d4)が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド、モノアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したもの;例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチル(メタ)アクリルアミド等]、モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したもの;例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド等]、N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はイソプロピオニルアミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等]等のアミド基のみに窒素原子を有するものが挙げられる。
4−ニトロスチレン等が挙げられる。
1級アミノ基含有ビニル単量体{炭素数3〜6のアルケニルアミン[(メタ)アリルアミン及びクロチルアミン等]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート等]};2級アミノ基含有ビニル単量体{モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、炭素数6〜12のジアルケニルアミン[ジ(メタ)アリルアミン等]};3級アミノ基含有ビニル単量体{ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、窒素原子を有する脂環式(メタ)アクリレート[モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]、芳香族ビニル系単量体[N,N−ジフェニルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルチオピロリドン等]}、及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸(酢酸及びプロピオン酸等)塩等が挙げられる。
(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
水酸基含有芳香族単量体(p−ヒドロキシスチレン等)、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]、モノ−又はジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等]、ビニルアルコール、炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール及び1−ウンデセノール等]、炭素数4〜12のアルケンモノオール又はアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1,4−ジオール等]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル(2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル等)、多価(3〜8価)アルコール(グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、糖類及び蔗糖等)のアルケニル(炭素数3〜10)エーテル又は(メタ)アクリレート[蔗糖(メタ)アリルエーテル等]等;が挙げられる。
(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステル[(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート及び(メタ)アクリロイロキシイソプロピルホスフェート]及びリン酸アルケニルエステル[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル及びリン酸ドデセニル等]等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜4)ホスホン酸[(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸等]及びアルケニル(炭素数2〜12)ホスホン酸[ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸及びオクテニルホスホン酸等]等が挙げられる。
メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシヘプチル(メタ)アクリレート、メトキシヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシペンチル(メタ)アクリレート、メトキシオクチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、エチキシヘプチル(メタ)アクリレート、エトキシヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシペンチル(メタ)アクリレート、エトキシオクチル(メタ)アクリレート、プロポキシメチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシプロピル(メタ)アクリレート、プロポキシブチル(メタ)アクリレート、プロポキシヘプチル(メタ)アクリレート、プロポキシヘキシル(メタ)アクリレート、プロポキシペンチル(メタ)アクリレート、プロポキシオクチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、ブトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシヘプチル(メタ)アクリレート、ブトキシヘキシル(メタ)アクリレート、ブトキシペンチル(メタ)アクリレート、ブトキシオクチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
単量体(g)のうち、好ましいのは、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートである。
炭素数2〜20のアルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等)及び炭素数4〜12のアルカジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘプタジエン及び1,7−オクタジエン等)等が挙げられる。
シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等が挙げられる。
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、インデン、4−クロチルベンゼン及び2−ビニルナフタレン等が挙げられる。
炭素数2〜12の飽和脂肪酸のビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等)、炭素数1〜12のアルキル、アリール又はアルコキシアルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル及びビニル−2−ブトキシエチルエーテル等)及び炭素数1〜8のアルキル又はアリールビニルケトン(メチルビニルケトン、エチルビニルケトン及びフェニルビニルケトン等)等が挙げられる。
グリシジル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル及びハロゲン化スチレン(ジクロロスチレン等)等が挙げられる。
不飽和ポリカルボン酸のアルキル、シクロアルキル又はアラルキルエステル[不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等)の炭素数1〜8のアルキルジエステル(ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート及びジオクチルマレエート)]等が挙げられる。
(A)を構成する(b)の割合は、摩擦低減と基油溶解性の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは10〜98重量%であり、より好ましくは20〜90重量%であり、更に好ましくは30〜85重量%、特に好ましくは40〜80重量%である。
(A)を構成する(c)の割合は、摩擦低減の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは0〜45重量%、特に好ましくは2〜40重量%である。
(A)を構成する(d)〜(f)の合計の含有量は、摩擦低減の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜20重量%であり、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
(A)を構成する(g)〜(n)の合計の含有量は、摩擦低減の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜10重量%であり、更に好ましくは1〜7重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。
差の絶対値が0.5(cal/cm3)1/2未満では摩擦低減効果が低く、3.2(cal/cm3)1/2を超えると基油への溶解性が低下する。
溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチ
ルケトン、酢酸エチル、2−プロパノール及び鉱物油等が挙げられる。
重合触媒としては、アゾ系触媒(アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスバレロニトリル等)、過酸化物系触媒(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)及びレドックス系触媒(ベンゾイルパーオキサイドと3級アミンの混合物等)が挙げられる。更に必要により、公知の連鎖移動剤(炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
重合温度は、好ましくは25〜140℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により(A)を得ることができる。
(A)が共重合体である場合の重合形態としては、ランダム付加重合体又は交互共重合体のいずれでもよく、また、グラフト共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。
基油の粘度指数(JIS−K2283で測定したもの)は、粘度指数向上効果の観点から好ましくは90以上であり、更に好ましくは100以上である。
(1)粘度指数向上剤:
(C1〜7)アルキル(メタ)アクリレート/(C8〜40)直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート共重合体、分散モノマー(アミンモノマー等)/(C1〜7)アルキル(メタ)アクリレート/(C8〜40)直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシ基含有モノマー/(C1〜7)アルキル(メタ)アクリレート/(C8〜40)直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート共重合体、櫛形ポリマー[(C1〜7)アルキル(メタ)アクリレート/(C8〜40)直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート/ポリオレフィンマクロモノマー]、エチレン/(C1〜18)アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体等;
(2)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(3)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(4)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(5)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイルアミド等)等;
(6)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(7)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(8)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(9)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(10)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等;
(11)流動点効果剤:
ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート等。
温度調節器、バキューム撹拌翼、減圧装置、ジムロート冷却管、分留管、留出液受け用フラスコ、窒素流入口及び流出口を備えた反応容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)260.3重量部(2.0モル部)、ε−カプロラクトン1141.4重量部(10.0モル部)、ハイドロキノンモノメチルエーテル3.7重量部(0.03モル部)、ブチルトリス(2−エチルヘキサノイルオキシ)スズ0.27重量部を投入し、空気を通じながら撹拌下115℃まで昇温した。次いで、115℃で8時間反応を行い、留出水を分離した。更に25℃まで冷却し、1H−NMRでエステル化反応物を確認(収率98モル%)した。
(a−1)は、一般式(1)におけるAはメタクリロイル基、R1はエチレン基、p=5、R2=ペンチレン基、R3は水素原子で表される単量体で、SP値は10.8である。
温度調節器、バキューム撹拌翼、減圧装置、ジムロート冷却管、分留管、留出液受け用フラスコ、窒素流入口及び流出口を備えた反応容器に、ラウリン酸520.8重量部、(a−1)711.0重量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル3.7重量部(0.03モル部)、トルエン300重量部及びパラトルエンスルホン酸20.7重量部を投入し、撹拌下115℃まで昇温した。次いで、115℃で8時間エステル化反応を行い、留出水を分離した。更に25℃まで冷却し、1H−NMRでエステル化反応物を確認(収率98モル%)した。10重量%水酸化ナトリウム水溶液200重量部を投入して撹拌し、パラトルエンスルホン酸を十分に中和した。分液ロートで上澄み液を回収し、120℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)トルエンを2時間かけて除去し(a−2)を得た。
(a−2)は、一般式(1)におけるAはメタクリロイル基、R1はエチレン基、p=5、R2=ペンチレン基、R3は炭素数12のラウリロイル基で表される単量体で、SP値は9.7である。
温度調節器、バキューム撹拌翼、減圧装置、ジムロート冷却管、分留管、留出液受け用フラスコ、窒素流入口及び流出口を備えた反応容器に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)232.2重量部(2.0モル部)、ε−カプロラクトン2282.8重量部(20.0モル部)、ハイドロキノンモノメチルエーテル3.7重量部(0.03モル部)、ブチルトリス(2−エチルヘキサノイルオキシ)スズ0.27重量部を投入し、空気を通じながら撹拌下115℃まで昇温した。次いで、115℃で8時間反応を行い、留出水を分離した。更に25℃まで冷却し、1H−NMRでエステル化反応物を確認(収率98モル%)した。
(a−3)は、一般式(1)におけるAはアクリロイル基、R1はエチレン基、p=10、R2=ペンチレン基、R3は水素原子で表される単量体で、SP値は10.5である。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、酢酸エチル185重量部、表1と表2に記載した各種単量体の配合物100重量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2重量部を投入し、窒素置換(気相酸素濃度100ppm)を行った後、密閉下、撹拌しながら76℃に昇温し、同温度で6時間重合反応を行った。
鉱物油[SP値:8.3(cal/cm3)1/2、100℃の動粘度:4.2mm2/s、粘度指数:122]43重量部を加え、120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)で未反応の単量体及び酢酸エチルを2時間かけて除去し、本発明の共重合体(A−1)〜(A−12)、比較のための(H−1)〜(H−7)を含有してなる実施例1〜12の摩擦調整剤(R−1)〜(R−12)、および比較例1〜7の比較サンプル(S−1)〜(S−7)を得た。
(a−4):HEMAのε−カプロラクトン1モル付加体(SP値11.9)
(a−5):HEMAのε−カプロラクトン20モル付加体(SP値10.3)
(a−6):HEMAのε−カプロラクトン4モル付加体の末端ブチルエステル(SP値9.9)
(a−7):HEAのε−カプロラクトン2モル付加体(SP値11.5)
(a−8):HEAのε−カプロラクトン14モル付加体(SP値10.4)
(a−9):HEAのε−カプロラクトン7モル付加体の末端ブチルエステル(SP値10.4)
(b−1):メタクリル酸ドデシル
(b−2):メタクリル酸ドデシル−ペンタデシル
(b−3):メタクリル酸n−ヘキサデシル
(b−4):メタクリル酸n−オクタデシル
(b−5):メタクリル酸2−デシルテトラデシル
(b−6):メタクリル酸2−ドシルヘキサデシル
(b−7):メタクリル酸2−テトラデシルオクタデシル
(b−8):アクリル酸ドデシル
(b−9):アクリル酸n−オクタデシル
(c−1):メタクリル酸メチル
(c−2):メタクリル酸ブチル
(d−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
(e−1):アクリル酸2−ヒドロキシエチル
(e−2):メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
(e−3):メタクリル酸2−ヒドロキシイソブチル
実施例1〜12で得られた摩擦調整剤剤(R−1)〜(R−12)、及び比較例1〜7で得られた比較サンプル(S−1)〜(S−7)を下記の基油に、基油の重量に対して1重量%(添加量は固形物換算)になるよう添加し、さらに基油1〜4の配合比を調整して100℃動粘度が7.0mm2/sに調整し、潤滑油組成物(V―1)〜(V―12)、(W―1)〜(W―7)を得た。
(2)基油2:動粘度6.4mm2/s(100℃)、35.5mm2/s(40℃)、粘度指数=132の鉱物油、SP値8.30(cal/cm3)1/2。
(3)基油3:動粘度7.6mm2/s(100℃)、47.0mm2/s(40℃)、粘度指数=128の鉱物油、SP値8.30(cal/cm3)1/2。
(4)基油4:動粘度2.2mm2/s(100℃)、7.6mm2/s(40℃)、粘度指数=105の鉱物油、SP値8.30(cal/cm3)1/2。
<摩擦評価>
機器:PCS Instruments MTM−2
ディスク:MTM polished disc(standard)(0.01micron)
ボール:Drilled 3/4 AISI52100precision steel ball
速度 :10mm/s〜3,000mm/s
温度 :80℃、100℃、135℃
スライディング/ローリング比:50%
負荷 :30N
摩擦評価の結果としてストライベック曲線が得られ、各温度における速度:10、100、1,000mm/sの摩擦係数を測定結果とする。
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、以下の配合で得られる潤滑油組成物の150℃のHTHS粘度が2.60±0.05(mm2/s)になるように、表5記載の部数の市販の一般的な粘度指数向上剤1(ポリメタクリレート)、粘度指数向上剤2(オレフィンコポリマー)と、実施例5で得られた本発明の摩擦調整剤剤(R−5)を固形物換算で1重量%と、市販の性能添加剤10重量部と、鉱物油[SP値:8.3(cal/cm3)1/2、100℃の動粘度:4.2mm2/s、粘度指数:122]とを混合し、実施例25〜27の潤滑油組成物(Y1)〜(Y3)、及び比較例15、16(T1)、(T2)を得た。
潤滑油組成物(Y1)〜(Y3)、および(T1)、(T2)の摩擦評価を表5に示す。
なお、上記の市販の性能添加剤は、金属系清浄剤(TBN300mgKOH/gのカルシウムスルフォネート系)、無灰分散剤(コハク酸イミド)、摩耗防止剤(リン酸)、酸化防止剤(ジフェニルアミン)、金属不活性剤(チアジアゾール)、及び硫黄系添加剤(硫化エステル)を含む。
Claims (15)
- 下記一般式(1)で表される単量体(a1)および下記一般式(2)で表される単量体(a2)からなる群より選ばれる1種以上の単量体(a)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含む摩擦調整剤。
- 単量体(a)の溶解性パラメーターが9.0〜12.5(cal/cm3)1/2である請求項1に記載の摩擦調整剤。
- 一般式(1)においてR3が、水素原子、又は炭素数1〜12のアルキル基である請求項1又は2に記載の摩擦調整剤。
- 一般式(1)のA1が(メタ)アクリロイル基である請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦調整剤。
- 一般式(1)中の−X1−、−X2−又は−X3−が−O−で表される基である請求項1〜4のいずれかに記載の摩擦調整剤。
- 重合体(A)が、(A)の構成単量体として(A)の重量に基づいて(a)を2〜90重量%、(b)を10〜98重量%含有する共重合体である請求項6に記載の摩擦調整剤。
- 重合体(A)が、さらに、アルキル基が炭素数1〜4の直鎖アルキル基である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)を構成単量体とする共重合体である請求項1〜7のいずれかに記載の摩擦調整剤。
- 重合体(A)の重量平均分子量が5,000〜2,000,000である請求項1〜8のいずれかに記載の摩擦調整剤。
- 重合体(A)の溶解性パラメーターが8.5〜11.5(cal/cm3)1/2である請求項1〜9のいずれかに記載の摩擦調整剤。
- 重合体(A)が、さらに、窒素原子含有単量体(d)[単量体(a)及び単量体(b)を除く]、単量体(a)以外の水酸基含有単量体(e)、及びリン原子含有単量体(f)からなる群から選ばれる1種以上を構成単量体とする共重合体である請求項1〜10のいずれかに記載の摩擦調整剤。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の摩擦調整剤及び基油を含む潤滑油組成物。
- 重合体(A)の溶解性パラメーターと基油の溶解性パラメーターとの差の絶対値が0.5〜3.2である請求項12に記載の潤滑油組成物。
- 更に粘度指数向上剤、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、油性向上剤、摩擦摩耗調整剤、極圧剤、消泡剤、抗乳化剤、腐食防止剤及び流動点効果剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤を含有してなる請求項12又は13に記載の潤滑油組成物。
- 基油の100℃の動粘度が1〜15mm2/sであり、かつ基油の粘度指数が90以上である請求項12〜14のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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