JP2018027559A - 竪型連続鋳造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳塊に対するピーリングによる皮剥き深さを最小限に抑えて歩留まりを向上させ、かつ鋳型交換頻度を少なくしてコストを低減し得る縦型連続鋳造法を提供する。
【解決手段】垂直筒状の鋳造空間を有する竪型連続鋳造用鋳型と、鋳造空間内に金属溶湯を上方から注湯するための注湯口として鋳造空間の径よりも小さい内径の注湯口を備えた注湯部材とを有する竪型連続鋳造装置を用い、鋳型の上部内周面から鋳造空間内に潤滑油を供給しながら連続鋳造する竪型連続鋳造方法において、連続鋳造を開始する以前の段階で、鋳型内面から鋳造空間内に潤滑油を供給して、鋳造空間内における周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定し、そのばらつきに応じて、注湯口の中心軸線位置を、鋳造空間の中心軸線位置に対し潤滑油供給量の多い側に寄るように相対的にオフセットし、その後、連続鋳造を行う。
【選択図】図6

Description

本発明は、アルミニウム合金などの各種金属について、気体加圧式ホットトップ連続鋳造法などの竪型連続鋳造法に関するものであり、とりわけ潤滑油を供給しながら表面品質が良好な連続鋳造材を得るための技術に関するものである。
従来からアルミニウムやアルミニウム合金などの各種金属の鋳造法としては連続鋳造法が多用されている。連続鋳造法では、鋳型と鋳塊表面との間の焼き付きを防止するため、潤滑油を鋳型内の上部(油面上方)に供給するのが一般的である。そして各種連続鋳造法のうちでも、主として非鉄金属の竪型連続鋳造法としては、例えば特許文献1に示されているように、潤滑油に加えて気体を湯面上に吹き込み、油面上を気体により加圧しながら連続鋳造する気体加圧式ホットトップ連続鋳造法が開発され、実用化に至っている。
図1に、気体加圧式ホットトップ連続鋳造法を適用して、断面円形の棒材を連続鋳造するための竪型連続鋳造装置1の一般的な例の概要を示す。
図1において、竪型連続鋳造装置1は、概略的には、垂直円柱状の中空な鋳造空間3Aを有する鋳型3と、その鋳型3内にアルミニウム合金溶湯等の金属溶湯5を注湯するための注湯部材7とからなる構成とされている。
注湯部材7は、図示しない溶解炉あるいは溶湯保持炉などから導かれた金属溶湯5を、鋳型3に注湯するための耐火物製のものであって、溶解炉あるいは溶湯保持炉などから金属溶湯5を鋳型3に導く溶湯通路7Bを有していて、その先端(下端)が、鋳型3の上端開口部に向けて鉛直下方に開口する注湯口7Aとされている。鋳型3は、垂直円筒状の中空な鋳造空間3Aを取り囲むように、上方から順に、加圧用気体通路9、潤滑油通路11、及び冷却水通路13が形成されている。そして鋳型3の内壁3B(鋳造空間3Aを区画形成する垂直円筒状の内壁)の上端に、加圧用気体通路9の気体吹出口9Aが開口しており、その気体吹出口9Aの下側に潤滑油通路11の潤滑油吐出口11Aが開口している。さらに、鋳型3の内壁3Bの下部には、冷却水通路13から導かれた冷却水を鋳造空間3A内で鋳塊15に向けて噴き出す冷却水吹出し口13Aが形成されている。
ここで、注湯部材7の注湯口7Aは、水平断面が円形であって、垂直な中心軸線Oが、鋳型3の鋳造空間3Aの垂直な中心軸線Oと一致するように配設されるのが通常である。そして注湯口7Aの内径Dは、鋳型3の内径D(鋳造空間3Aの径)Dよりも小さく設定されている。したがって注湯部材7における注湯口7Aの周縁部の下面(注湯部材7の下端面)は、鋳造空間3Aの上端においてその空間の内周縁位置よりも内側(中心軸線寄り)に張り出していることになる。言い換えれば、鋳造空間3Aの側から見て、注湯口7Aの周縁部の下面は、鋳造空間3Aの上端の水平方向内側に庇状にオーバーハングしている。そこで注湯口7Aの周縁部における、鋳造空間内側に張り出している部分を、以下庇部7Bと称する。この庇部7Bの張り出し距離(鋳型3の内縁から注湯口7Aの内縁からまでの距離:オーバーハング量)Lは、縦型ホットトップ連続鋳造の一般的な操業では、鋳造空間3Aの全周においてほぼ均一とされているのが通常である。
このような縦型連続鋳造装置1によってアルミニウム合金などを連続鋳造するにあたっては、注湯部材7の湯口7Aから鋳型3の鋳造空間3Aに金属溶湯5を上方から注入する。鋳型3は冷却水通路13を流れる冷却水によって全体的に冷却されて、金属溶湯5は鋳型内面に接する箇所から凝固を開始し、さらに冷却水吹出し口13Aから吹きかけられる冷却水によって冷却されて凝固が進行し、例えば丸棒状の鋳塊15として鋳型3の下方に連続的に引き出され、連続鋳造がなされる。
連続鋳造時においては、鋳造空間3Aの上端部に、潤滑油吐出口11Aから潤滑油が供給されるとともに、気体吹出口9Aから空気などの加圧気体が供給される。そして潤滑油と加圧気体によって、鋳型内の未凝固の金属溶湯5の湯面5Aと、鋳型3の上部内壁面3Bと、注湯部材7の注湯口周辺の庇部7Bとによって囲まれる略三角形状の隅部空間17が形成される。この隅部空間17は、気体加圧されているところから、気体溜まりと称されることもある。上記のように潤滑油を供給することによって、鋳型内面に対する鋳塊表面の焼き付きが防止される。さらに潤滑油供給と併せて気体加圧を行うことによって、鋳型内の金属溶湯の初期凝固開始部位と鋳型内面との接触面積、接触摩擦が小さくなり、これによってスムーズな連続鋳造(棒状鋳塊15の円滑な下降)が可能となり、表面性状(鋳肌)の良好な鋳塊が得られる。
ところで、連続鋳造によって得られた鋳塊の表面(鋳肌)には、リップルと称される凹凸が生じることが多い。図2に、リップル19が生じた丸棒状の鋳塊15の外観を概略的に示し、そのリップル19が生じた鋳塊表面付近の縦断面を、図3に拡大して模式的に示す。リップル19は、鋳造方向に対してほぼ直交する方向、したがって丸棒状鋳塊15の周方向に沿って凹凸形状が延び、その凹凸形状が鋳造方向に波状に周期的に繰り返される態様で発生するのが一般的である。
このようなリップルの内側には逆偏析層が存在するから、リップルが残ったまま鋳塊を押出や鍛造等の後工程に付せば、表面性状が悪くなるばかりでなく、表面欠陥が生じやすくなる。前述のような気体加圧方式のホットトップ鋳造では、気体加圧を行わずに潤滑油の供給のみを行う通常の連続鋳造と比較すれば、リップルの程度は小さいものの、完全にはリップルの発生を抑えることは困難であり、ある程度のリップルが生じることは避け得ない。そこで連続鋳造後の鋳塊については、ピーリング(皮剥き)によってリップルのある鋳塊表面層を除去してから、後工程に付すのが一般的である。
特許第2707283号公報
前述のように、気体加圧式の竪型ホットトップ連続鋳造、そのほか潤滑油を用いた竪型連続鋳造では、鋳造した鋳塊の表面のリップルを除去するため、ピーリングを行うのが一般的である。ピーリングでは、表面からの皮剥き深さを予め定めておき、その皮剥き深さで棒状鋳塊の全周にわたって表面層を除去する。
ところで、実際の連続鋳造操業では、棒状鋳塊の周方向や長さ方向にリップルの凹部深さが大きくばらつくのが通常である。そこで、ピーロングでの皮剥き深さは、棒状鋳塊の全周、全長にわたってリップルが完全に除去されるように、リップルの凹部の最も深い箇所を基準として設定する。例えば図3の例では、リップル19による各凹部19Aの深さは、図3の右側で大きく、その180°反対側(図3の左側)で小さくなっており、この場合、図3の右側の最も凹部深さが大きい箇所(凹部深さがPmax1の箇所)を基準とし、その箇所でもリップル及びそれによる逆偏析層が完全に除去されるように、皮剥き深さPを、Pmax1よりも若干大きい値に設定し、その皮剥き深さPで、鋳塊15の全周、全長にわたってピーリングを行う。
この場合、逆に、鋳塊15における凹部深さが小さい側(図3の左側)では、その側での最大凹部深さPmax2よりも格段に大きい深さPで鋳塊表面層が無駄に除去されてしまうことになる。そしてこのような傾向は、周方向のリップル深さのばらつきが大きいほど顕著になる。
これは、トータル的にみて、ピーリングによって除去される材料の量が無駄に大きくなってしまうことを意味し、製品歩留まりに悪影響を及ぼしていたのが実情である。
また、ある鋳型を用いての連続鋳造を多数回繰り返し、リップルの凹部深さのばらつきが著しく大きくなって、凹部深さの最大値も著しく大きくなった段階では、その鋳型については耐用寿命が尽きたとして、その後は使用せずに、連続鋳造装置の鋳型を新しいものと交換する(更新する)のが一般的である。したがってリップルの凹部深さのばらつきの程度は、連続鋳造における鋳型更新時期の一つの目安となっており、早期にリップル深さのばらつきが大きくなる場合は、鋳型の交換頻度が高くならざるを得ず、そのため連続鋳造のコスト上昇を招かざるを得ないのが実情である。
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、鋳塊に対するピーリングによる皮剥き深さを必要最小限に抑え、これによって歩留まりを向上させることが可能であり、しかも鋳型交換頻度を従来よりも少なくして、連続鋳造のコストを低減し得る縦型連続鋳造方法を提供することを課題としている。
鋳塊に対するピーリングによる皮剥き深さを最小限に抑えて歩留まりを向上させためには、リップルの凹部深さの周方向のばらつきを小さくすることが有効であると考えられる。
そこで、上記のように周方向にリップルの凹部深さがばらつく原因について検討したところ、鋳型の鋳造空間上部に供給される潤滑油について、その供給量の周方向のばらつきが、リップル凹部深さの周方向ばらつきに相関していることが判明した。
すなわち、周方向の潤滑油供給量のばらつきの傾向としては、水平面内の潤滑油量が最大の方向と最小の方向とが、鋳造空間の中心軸線位置を基準として、ほぼ反対方向(180°方向)となることが知見された。一方、連続鋳造による棒状鋳塊のリップルの出現の傾向としても、その棒状鋳塊の中心軸線位置を基準として、ある方向で凹部深さが最大となり、その最大方向に対してほぼ反対側で最小となる傾向を示すことが経験的に知られている。そしてまた、一般に潤滑油供給量が多いほど、焼き付き防止効果は大きくなる反面、リップルが生じやすくなる(リップルの凹凸が大きくなる)ことが知られている。
そこで本発明者等が、潤滑油供給量の鋳型周方向のばらつきと、鋳塊のリップルの凹部深さの周方向ばらつきとの関係について調べたところ、両者は相関しており、潤滑油供給量が多い側ではリップルの凹部深さが大きく、潤滑油供給量が少ない側ではリップルの凹部深さが小さいか又はリップルがほとんど生じないことが知見された。
このような結果から、リップルの凹部の深さの周方向ばらつきが、主として連続鋳造時において鋳型上部に供給される潤滑油の周方向のばらつきに起因することが明らかとなった。
ここで、潤滑油供給量の周方向のばらつきは、製造された鋳型の各部の寸法の誤差や、鋳型の経時的な熱変形等に起因して生じるが、これらのばらつきの発生原因そのものを一挙に解消することは、実際上は極めて困難である。
そこで、潤滑油供給量が周方向にばらついてしまうこと自体は許容しながらも、潤滑油供給量の周方向のばらつきがリップルの凹部の深さのばらつきを招いてしまうことを回避する方策を考えた。言い換えれば、潤滑油供給量の周方向のばらつき自体を無くすのではなく、ばらつきの存在は許容しながらも、潤滑油量の周方向のばらつきがリップルの凹部の深さのばらつきに影響を与えないようにすることを考えた。
そしてさらに本発明者等が実験検討を重ねた結果、鋳造空間内への潤滑油供給量の周方向ばらつきに応じて、鋳型の鋳造空間に対する注湯口の位置を調整することにより、潤滑油供給量に周方向のばらつきがあっても、リップル凹部深さの周方向ばらつきを低減し得ることを見い出した。
すなわち、鋳造空間に金属溶湯を注湯して鋳造を開始する以前の段階で、潤滑油供給量の周方向のばらつきを測定して、そのばらつきに応じて注湯口と鋳型との水平方向の相対位置を調整しておくこと、具体的には、潤滑油供給量の多い側に注湯口を寄せるように上記の水平方向相対位置の調整を行っておくことにより、潤滑油供給量のばらつきがあっても、リップルの凹部深さのばらつきを低減し得ることを見い出し、本発明の完成に至った。
具体的には、本発明の基本的な態様(第1の態様)による竪型連続鋳造法は、
垂直筒状をなす鋳造空間を有する竪型連続鋳造用鋳型と、金属溶湯を前記鋳造空間内に上方から注湯するための注湯口であって前記鋳造空間の径よりも小さい径の注湯口を備えた注湯部材とを有する竪型連続鋳造装置を用い、
前記鋳型の上部内周面から鋳造空間内に潤滑油を供給しながら連続鋳造する竪型連続鋳造方法において、
前記鋳造空間内に金属溶湯を注湯して連続鋳造を開始する以前の段階で、鋳型内面から鋳造空間内に潤滑油を供給して、鋳造空間内における周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定し、
前記潤滑油供給量の周方向ばらつきに応じて、注湯口の中心軸線位置を、鋳造空間の中心軸線位置に対し、潤滑油供給量の多い側に寄るように相対的にオフセットし、
その後、鋳造空間内に金属溶湯を注湯して連続鋳造を行うことを特徴とするものである。
また本発明の第2の態様による竪型連続鋳造法は、前記第1の態様の竪型連続鋳造法において、
鋳造空間の中心軸線位置に対する注湯口の中心軸線位置のオフセット量を、鋳造開始前に測定した潤滑油供給量の周方向ばらつきの大きさに応じて決定することを特徴とすることを特徴とするものである。
さらに本発明の第3の態様による竪型連続鋳造法は、前記第1、第2のいずれかの態様の竪型連続鋳造法において、
鋳造空間内における周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定するにあたり、鋳造空間を、周方向に等間隔で複数の領域に区分し、所定時間内に各領域内に流入する潤滑油量を計量して、各領域への潤滑油流入量の比較によって鋳造空間内における周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定することを特徴とするものである。
さらに本発明の第4の態様による竪型連続鋳造法は、前記第3の態様の竪型連続鋳造法において、
鋳造空間内における鋳造空間内における周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定するにあたり、上面が開放されたた有底垂直筒状をなしかつ隔壁によって周方向に複数の領域に区分された潤滑油量ばらつき計量容器を鋳型内に嵌め込み、所定時間内に潤滑油量ばらつき計量容器の各領域内に流入した潤滑油量を計量することを特徴とするものである。
さらに本発明の第5の態様の竪型連続鋳造法は、前記第1〜第4のいずれかの態様の竪型連続鋳造法において、
前記鋳型内に金属溶湯を注湯して連続鋳造するにあたり、鋳型の上部内周面から鋳造空間内に潤滑油とともに加圧気体を供給して、気体加圧式のホットトップ連続鋳造を行うことを特徴とするものである。
また本発明の第6の態様の竪型連続鋳造法は、前記第1〜第5のいずれかの態様の竪型連続鋳造法において、
前記金属溶湯がアルミニウムもしくはアルミニウム合金の溶湯であることを特徴とするものである。
また本発明の第7の態様の竪型連続鋳造法は、前記第1〜第6のいずれかの態様の竪型連続鋳造法において、
前記鋳型として垂直円筒状のものを用い、軸線方向に直交する断面が円形の丸棒状鋳塊を連続鋳造することを特徴とするものである。
本発明の竪型連続鋳造方法よれば、鋳塊におけるリップルの凹部深さの鋳型周方向でのばらつきを小さくすることができ、そのため鋳塊に対するピーリングでの皮剥き深さを小さくして、歩留まり向上を図ることができ、また鋳型交換頻度を従来よりも少なくして、連続鋳造のコストを低減することができる。
本発明の連続鋳造法が適用される鋳造装置の一例として気体加圧式竪型ホットトップ連続鋳造装置の概要を示す縦断面図である。図である。 連続鋳造鋳塊におけるリップルの発生状況の一例を説明するための図で、連続鋳造鋳塊断面の模式的な拡大図である。 図2の鋳塊における部分IIIを拡大して示す縦断面図である。 本発明の実施形態で使用する潤滑油量ばらつき計量容器の一例を示す略解的な平面図である。 図4に示される潤滑油量ばらつき計量容器を図1に示す連続鋳造装置に組み入れた状態を模式的に示す縦断面図である。 本発明の連続鋳造法を適用して注湯口の位置調整を行った状態の一例を示す、図1に準じた連続鋳造装置の縦断面図である。 実施例における鋳型周方向の各領域の潤滑油量の比とそれによるオフセットの状況を示す模式図である。 実施例における鋳型周方向の各領域の潤滑油量と各領域に対応する鋳塊各部位でのリップルの凹部深さ比との関係を示すグラフである。
以下、本発明の竪型連続鋳造方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なおここでは、鋳型内の油面上に潤滑油とともに加圧気体を供給する気体加圧式ホットトップ連続鋳造法に適用して、断面が円形をなす丸棒状の鋳塊を鋳造する例を説明する。そして連続鋳造装置としても、既に説明した図1の鋳造装置を使用したものとし、図1に関して説明した要素は図1と同一の符号を用いて説明し、その詳細は省略する。
本発明の連続鋳造方法を実施するにあたっては、鋳型に鋳造開始以前の段階、すなわち鋳型に金属溶湯を注入する以前の段階で、鋳型周方向での潤滑油供給量のばらつき(水平面内でのばらつき)を測定しておく。すなわち、鋳型の中心軸線に対する周方向のいずれの部位(領域)に潤滑油が多く供給されるか、またその潤滑油供給量のばらつきがどの程度であるかを測定しておく。
潤滑油供給量の周方向のばらつきを測定するための具体的手法としては、例えば図4に示すような潤滑油量ばらつき計量容器21を、図5に示すように鋳型3の鋳造空間3Aに嵌め込んで測定すればよい。
潤滑油量ばらつき計量容器21は、全体として、鋳型3の鋳造空間3Aに嵌め込まれるような、上面を開放した有底の垂直筒状をなすもの(本実施形態では鋳造空間3Aの形状に合わせて垂直円筒状のもの)であり、その計量容器21内には、垂直方向に沿いかつ半径方向に沿う複数(例えば8枚)の隔壁23が、周方向に等間隔(図4、図5の例では45°間隔)で形成されている。隣り合う各隔壁23相互間の空間は、それぞれ上方が開放されていて、潤滑油吹出孔11Aから鋳造空間3A内に流出する潤滑油を受け入れるための区分された領域Z1〜Z8とされている。
このような潤滑油量ばらつき計量容器21を、その上端が潤滑油吹出孔11Aの下側に位置するように鋳型3内に嵌め込み、その状態で潤滑油通路11に、定常操業状態で供給する潤滑油流量で潤滑油を供給し、潤滑油吐出孔11Aから鋳型3内に潤滑油を吐出させる。そして一定時間(例えば1分間)だけ潤滑油の吐出を継続させた後、計量容器21を鋳型3から取り外して、各領域Z1〜Z8に流入した潤滑油量を計量すれば、鋳型3の周方向における潤滑油供給量のばらつきを測定することができる。すなわち、潤滑油供給量のばらつきの方向(潤滑油供給量の最大/最小の方向)およびその程度(各区分領域の潤滑油量のうちの最大の潤滑油量と最小の潤滑油量との差)を知得することができる。
なおここで、鋳型の周方向における潤滑油量のばらつきの傾向としては、既に述べたように、潤滑油量が最大の部位と最小の部位とで、鋳造空間の中心位置を基準として反対側となるのが通常であり、したがって上記のように潤滑油量を測定した各領域Z1〜Z8のうち潤滑油量が最大の領域(例えば領域Z6)と最小の領域(例えば領域Z2)とでは、鋳造空間7Aの中心軸線Oに対して軸対称となるのが通常である。
上述のようにして潤滑油供給量の周方向ばらつきを測定した後、そのばらつきの方向及び程度に応じて、鋳型3に対する注湯部材7の水平面内での相対的な位置調整を行う。すなわち、通常の連続鋳造操業では、図1を参照して説明したように、注湯部材7の注湯口7Aの垂直な中心軸線Oが、鋳型3の鋳造空間3Aの垂直な中心軸線Oと一致するように注湯部材7をセットしているが、本実施形態では、例えば図6、図7に示すように、注湯口7Aの中心軸線Oが、鋳造空間3Aの垂直な中心軸線Oに対して水平方向に所定距離LOFFだけずれる(オフセットされる)ように注湯部材7を鋳型3に対して位置調整する。ここで、上記の距離LOFFを、オフセット量と称することとする。ここで、上記のオフセットさせる方向は、潤滑油供給量のばらつきの方向に応じて、潤滑油量が多い側とする。すなわち、図6の例では、図の左側の潤滑油量が多い場合を想定し、注湯口7Aの中心軸線Oが鋳造空間3Aの垂直な中心軸線Oに対して左側に位置するように、オフセットさせている。
また、オフセット量LOFFは、潤滑油供給量のばらつきの程度に応じて設定すればよい。具体的なオフセット量LOFFは、潤滑油供給量のばらつきが最も小さくなるように、実測した潤滑油供給量のばらつきの大きさに応じて、実験的に定めればよいが、本発明者等の実験によれば、領域の区分数が8である場合(すなわち領域の間隔が45°である場合)には、潤滑油供給量が最大の方向と最小の方向とにおける、注湯部材7の庇部7Bの張り出し距離(オーバーハング量)Lの比が、ほぼ上記方向における潤滑油供給量の比に比例するように、オフセット量LOFFを設定することによって、潤滑油供給量のばらつきをほぼゼロに抑えることが可能となることを見い出している。
例えば8領域に区分された各領域Z1〜Z8のうち、最も潤滑油供給量が多い領域をZmax、その領域Zmaxへの潤滑油供給量をQmaxとし、最も潤滑油供給量が少ない領域をZmin、その領域Zminへの潤滑油供給量をQminとする。そして庇部7Bの張り出し距離(オーバーハング量)Lについて、注湯口7Aを領域Zmaxの側へオフセットさせた場合の、領域Zmaxの側のオーバーハング量をLp、領域Zminの側のオーバーハング量をLqとすれば、オフセット量LOFFは、次の(1)式、
OFF=(Lq−Lp)/2・・・・・・(1)
で表わされる。そこで、オーバーハング量Lp、Lqを、次の(2)式、
Lq:Lp=Qmax:Qmin・・・・・・(2)
が満たされるように、オフセット量LOFFを設定することによって、潤滑油供給量のばらつきを、ほぼゼロに抑えることができることが判明している。
注湯部材7の位置を鋳型3に対して相対的に調整するための具体的方法は特に限定されるものではなく、例えば固定位置に保持される鋳型3に対して、注湯部材7を、水平面内のX方向、Y方向に移動調整可能な支持部材によって支持しておきとしておき、移動調整すべき方向に応じて、上記の支持部材をX方向及び/又はY方向に移動させる構成とすればよい。あるいは、注湯部材7と鋳型3とを連結するためのボルトなどの連結部材やその受け部を、非固定状態では水平面内のX方向、Y方向に移動可能となるように遊びを持たせた構造としておき、その状態で注湯部材7を移動調整した後、連結・固定するようにしてもよい。
上述のように周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定して、そのばらつきの方向と大きさに応じて注湯口7Aと鋳造空間3Aとの位置関係を調整(注湯口の中心軸線Oを鋳造空間の中心軸線Oに対してオフセット)した後、その状態で実際に注湯口7Aから鋳造空間3A内に金属溶湯を注湯して、連続鋳造を開始する。これによって得られる棒状鋳塊15は、その周方向におけるリップルの凹部深さのばらつきが少ないものとなる。すなわち、潤滑油供給量が多い側では、オフセットさせない場合よりもリップルの凹部深さが小さくなる。一方、潤滑油供給量が少ない側では、オフセットさせない場合よりもリップルの凹部深さが大きくなる傾向を示すが、潤滑油供給量が多い側の凹部深さを超えることはないのが通常である。
したがって、オフセットさせることによりリップルの凹部深さの周方向ばらつきを小さくし、最大の凹部深さを小さく抑えることができるのである。そのため、鋳塊に対するピーリングにおいても、その皮剥き深さを小さくして、無駄に除去されてしまう金属量を最小限に抑え、製品歩留まりを向上させることが可能となるのである。
また、オフセットさせない状態で連続鋳造に使用して、鋳塊のリップルの最大凹部深さが著しく大きなってしまって、従来は耐用寿命が尽きたと判断されるような鋳型であっても、上記のようにオフセットさせて連続鋳造に使用すれば、リップルの最大凹部深さを小さくすることができるため、その後も使用可能となる。すなわち、鋳型更新時期を延長させることが可能となる。
ここで、注湯部材7の注湯口7Aの位置を、潤滑油供給量の多い側に寄せる(オフセットする)ことによって、その側でのリップルの凹部深さを小さくし得る理由は必ずしも明確ではないが、注湯口7Aの中心軸線Oの位置、言い換えれば注湯口7Aからの金属溶湯の注入流の中心が、鋳造空間3Aの中心軸線Oの位置に対してオフセットされれば、鋳型内に供給される金属溶湯の供給量分布が水平面内で均一ではなくなり、上記のオフセットされた側に金属溶湯が相対的に多量に供給されることになる。その結果、鋳型内壁に金属溶湯が接触して初期凝固が開始される際の接触面での金属の流速(下降速度)が、上記のオフセットされた側で大きくなる。そのため、オフセットされた側の潤滑油量が多くても、リップルが生じにくくなる(リップルの凹部深さが抑えられる)ことになると考えられる。
なお前述の実施形態では、鋳造空間3Aを周方向に45°間隔で8領域に区分しているが、領域の区分数は8に限られるものではなく、要は2以上の複数の領域に区分すればよい。但し、一般には軸対象となるように、好ましくは4以上の偶数領域に区分することが望ましい。
さらに鋳造空間内の区分された複数の領域への潤滑油量を測定するための手段としては、前述のような潤滑油量ばらつき計量容器21に限らず、種々の手段を使用することができる。
また前述の実施形態では、鋳型3として円筒状の鋳造空間3Aを有するものを用いて、顔面が円形をなす丸棒状の鋳塊を連続鋳造することとしたが、本発明の竪型連続鋳造法は、角筒状の鋳造空間を有する鋳型を用いて、断面が角形の棒状鋳塊を連続鋳造する場合にも適用することができる。
また本発明の竪型連続鋳造法を適用し得る金属は特に限定されるものではなく、連続鋳造可能な金属にはすべて適用することができ、例えば純アルミニウムや、各種のアルミニウム合金、とりわけAl−Si系(4000系)の共晶系合金もしくは過共晶系合金、そのほか1000系〜7000系のアルミニウム合金、あるいは銅、銅合金等に適用することができる。
さらに、前述の実施形態では、気体加圧式の竪型ホットトップ連続鋳造法として説明したが、それに限らず、潤滑油を供給しながら鋳造する竪型連続鋳造法にはすべて適用可能である。
〔実験例1〕
過共晶Al−Si系合金(質量%で、Si:14%Si、Cu:4.5%、Mg:0.55%、P:0.01%、残部実質的にAl)について、図1に示したような気体加圧式竪型ホットトップ連続鋳造装置により、直径64mmの丸棒状鋳塊に連続鋳造するにあたって、鋳造開始前に、隔壁によって45°ごとに8領域Z1〜Z8に区分された潤滑油ばらつき計量容器21を、図5に示すように鋳型3内にセットした。注湯口7Aの内径は42mm、鋳型3の内径(鋳造空間3Aの径)は64mm、したがって注湯口7Aの中心軸線Oを鋳造空間の中心軸線Oに一致させた状態(すなわちオフセットさせていない状態)での注湯部材の庇部7Bの長さ(オーバーハング量)Lは11mmである。また潤滑油ばらつき計量容器21は、アクリル樹脂からなる外径64mm、高さ100mmの有底垂直円筒状のもので、隔壁及び外周壁の厚みは0.5mmである。この状態で潤滑油を全体の供給量が3.0cc/minとなるように1分間供給して、計量容器21の各領域Z1〜Z8に溜まった潤滑油をスポイトによって吸出し、各領域Z1〜Z8に流入した潤滑油量を調べた。
上記の測定後、実際に前記合金を鋳造速度280mm/minで連続鋳造した。連続鋳造時は、上述の測定時と同様に潤滑油を全体の供給量が3.0cc/minとなるように供給し、同時に加圧気体として空気を用い、圧力0.1MPaで空気を導入しながら適宜バルブを調整して、気体加圧を行った。
得られた棒状鋳塊の表面のリップルの凹部の深さを測定し、そのリップル凹部深さの周方向のばらつきを調べた。すなわち、前記各領域Z1〜Z8に対応する鋳塊周方向の各部位ごとにリップル凹部の深さを調べ、最も凹部深さが大きい部位の凹部深さに対する比(リップル凹部深さ比)Rdを求めた。
このような実験を、種々の異なる使用履歴(主として異なる使用回数)を有する多数の鋳型を用いて行ない、最もリップルの凹部の深さのばらつきが小さかった鋳型の例について、各領域Z1〜Z8の潤滑油量と、各領域に対応する鋳塊各部位のリップル凹部深さの、最も凹部深さが大きい部位の凹部深さに対する比(リップル凹部深さ比)Rdとを、表1に示す。
また、逆に最もリップルの凹部の深さのばらつきが少なかった鋳型の例について、潤滑油量と最も凹部深さが大きい箇所の凹部深さに対する比との関係について、各領域Z1〜Z8の潤滑油量と、各領域に対応する鋳塊各部位のリップル凹部深さの、最も凹部深さが大きい部位の凹部深さに対する比(リップル凹部深さ比)Rdとを、表2に示す。
Figure 2018027559
Figure 2018027559
表1に示しているように、各領域Z1〜Z8の潤滑油量のばらつきが少ない鋳型では、
リップル凹部深さ比Rdのばらつきも小さい。これに対して、表2に示しているように各領域Z1〜Z8の潤滑油量のばらつきが大きい鋳型では、リップル凹部深さ比Rdのばらつきも大きく、しかも潤滑油量とリップル凹部深さ比Rdの大きさとが相関していること、すなわち潤滑油量が最も多い領域Z6では凹部深さ比Rdが最も大きく、逆に潤滑油量が最も少ない領域Z2ではリップル凹部深さ比Rdが最も小さいことが確認された。このような結果から、リップルの凹部深さのばらつきには、潤滑油供給量の周方向のばらつきが影響していることが明らかである。
〔実験例2〕
さらに、実験例1の表2に示した例(リップル凹部深さ比Rdのばらつきが大きかった例)について、連続鋳造を再開する前に、表2の測定結果に基づいて注湯部材の注湯口の位置調整(オフセット)を、次のように行った。
表2に示す各領域Z1〜Z8の潤滑油量を、全体の潤滑油供給量(3.0cc/min)に対する比(潤滑油量比)Rqで表わせば、図7に示すようにあらわせる。本例では、領域Z6の潤滑油量が最も大きく、反対側の領域Z2の潤滑油量が最も少ないところから、注湯口7Aの中心位置Oを領域Z6に向けて移動させる(オフセットさせる)ように調整することとした。
オフセットさせていない状態(注湯口7Aの中心軸線Oが鋳造空間3Aの中心軸線Oに一致している状態)での各方向の庇部の長さ(オーバーハング量)Lは、本例では11mmであるから、オフセット量LOFFでオフセットさせたときの、潤滑油量最大側のオーバーバーハング量Lp(単位:mm)、潤滑油量最小側のオーバーバーハング量Lq(単位:mm)は、それぞれ
Lp=11−LOFF ・・・・・・(3)
Lq=11+LOFF ・・・・・・(4)
で表わされる。また図7に示したように、潤滑油最大の領域Z6の潤滑油量比Rqは0.16、潤滑油最小の領域Z2の潤滑油量比Rqは0.09であって、これらの潤滑量比の値を、全体の潤滑油供給量(3.0cc/min)によって各領域の潤滑油量に換算すれば、潤滑油最大の領域Z6の潤滑油量Qmaxは0.48cc/min、潤滑油最小の領域Z2の潤滑油量Qminは0.27cc/minとなる。そこでこれらの潤滑油量Qmax、Qminの数値を代入すれば、
(11+LOFF):(11−LOFF)=0.48:0.27 ・・・・・・(5)
となる。この(5)式から、
OFF=3.08mm ・・・・・・(6)
の値が得られる。
そこで、注湯口7Aの中心軸線Oが鋳造空間3Aの中心軸線Oに対して領域6の側にLOFF=3.08mmだけオフセットされるように、注湯部材7の位置を移動調整した。
このようにオフセットさせた後、再度、前記実験例1と同じ条件での連続鋳造を行った。
得られた棒状鋳塊の表面のリップルの凹部の深さを測定し、そのリップル凹部深さの周方向のばらつきを調べた。すなわち、各領域Z1〜Z8に対応する鋳塊周方向の各部位ごとにリップル凹部の深さを調べ、各部位の凹部深さの、最も凹部深さが大きい部位における凹部深さに対する比(リップル凹部深さ比Rd)を算出した。その値を、「オフセット後のリップル凹部深さ比Rd−1」として、図8の一点鎖線で示す。
なおオフセットさせていない状態で連続鋳造した場合の各部位のリップル凹部深さ比Rdを、「オフセット前のリップル凹部深さ比Rd−2」として、図8の破線で示す。
さらに、各領域Z1〜Z8の潤滑油量を図8の実線で示す。
図8から明らかなように、オフセットさせていない状態の連続鋳造では、潤滑油量の大きなばらつきに相関して、リップル凹部深さのばらつきが大きかったが、注湯口を上記のLOFF=3.08mmだけ領域Z6の側にオフセットさせた状態で連続鋳造することによって、リップル凹部深さのばらつきを著しく小さくすることができた。
したがって、上記のように注湯口をオフセットさせることにより、鋳塊に対するピーリングにおいて、ピーリング深さを小さくすることが可能となり、その結果、ピーリングによって除去される材料の量を少なくし、製品歩留まりを高めることが可能になる。
またリップルの凹部深さの周方向ばらつきが小さくなるに伴って、リップルの凹部深さの最大値が、鋳型更新を要すると判断されるに至る時期も遅くなり、その結果、鋳型の交換頻度も小さくなり、そのため連続鋳造のコスト上昇を抑えることもできる。
3…鋳型、 3A…鋳造空間、 7…注湯部材、 7A…注湯口、11A…潤滑油吐出口、 15…鋳塊、 21…潤滑油量ばらつき計量容器、 O…注湯口の中心軸線、 O…鋳造空間の中心軸線、 LOFF…オフセット量。

Claims (7)

  1. 垂直筒状をなす鋳造空間を有する竪型連続鋳造用鋳型と、金属溶湯を前記鋳造空間内に上方から注湯するための注湯口であって前記鋳造空間の径よりも小さい径の注湯口を備えた注湯部材とを有する竪型連続鋳造装置を用い、
    前記鋳型の上部内周面から鋳造空間内に潤滑油を供給しながら連続鋳造する竪型連続鋳造方法において、
    前記鋳造空間内に金属溶湯を注湯して連続鋳造を開始する以前の段階で、鋳型内面から鋳造空間内に潤滑油を供給して、鋳造空間内における周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定し、
    前記潤滑油供給量の周方向ばらつきに応じて、注湯口の中心軸線位置を、鋳造空間の中心軸線位置に対し、潤滑油供給量の多い側に寄るように相対的にオフセットし、
    その後、鋳造空間内に金属溶湯を注湯して連続鋳造を行うことを特徴とする竪型連続鋳造法。
  2. 鋳造空間の中心軸線位置に対する注湯口の中心軸線位置のオフセット量を、鋳造開始前に測定した潤滑油供給量の周方向ばらつきの大きさに応じて決定することを特徴とする請求項1に記載の竪型連続鋳造法。
  3. 鋳造空間内における周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定するにあたり、鋳造空間を、周方向に等間隔で複数の領域に区分し、所定時間内に各領域内に流入する潤滑油量を計量して、各領域への潤滑油流入量の比較によって鋳造空間内における周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定することを特徴とする請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の竪型連続鋳造法。
  4. 鋳造空間内における鋳造空間内における周方向の潤滑油供給量のばらつきを測定するにあたり、上面が開放された有底垂直筒状をなしかつ隔壁によって周方向に複数の領域に区分された潤滑油量ばらつき計量容器を鋳型内に嵌め込み、所定時間内に潤滑油量ばらつき計量容器の各領域内に流入した潤滑油量を計量することを特徴とする請求項3に記載の竪型連続鋳造法。
  5. 前記鋳型内に金属溶湯を注湯して連続鋳造するにあたり、鋳型の上部内周面から鋳造空間内に潤滑油とともに加圧気体を供給して、気体加圧式のホットトップ連続鋳造を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の竪型連続鋳造法。
  6. 前記金属溶湯がアルミニウムもしくはアルミニウム合金の溶湯であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの請求項に記載の竪型連続鋳造法。
  7. 前記鋳型として垂直円筒状のものを用い、軸線方向に直交する断面が円形の丸棒状鋳塊を連続鋳造することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかの請求項に記載の竪型連続鋳造法。
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