JP2018026554A - チップ剥離装置及びチップ剥離方法 - Google Patents
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Abstract
Description
コレット進退機構、ニードル進退機構及びホルダー進退機構は、ニードルをホルダーに収納したまま、吸着コレットとホルダーとで半導体チップを挟み、その後、ニードルの位置を維持したまま、ホルダーを半導体チップから遠ざける。
本発明は、半導体チップに与える衝撃力を抑制し、半導体チップが損傷する可能性を低減できるチップ剥離装置及びチップ剥離方法を提供することを目的とする。
前記吸着コレットを進退させる吸着コレット進退機構と、
前記シートを吸着する先端面に窪みが形成されたホルダと、
前記ホルダを進退させるホルダ進退機構と、
前記ホルダに収納され、前記シートに貼付された前記半導体チップを押し出す押出部材と、
前記押出部材を進退させる押出部材進退機構と、を備える。
前記押出部材進退機構が、前記押出部材が前記半導体チップに与える衝撃を抑制する押出部材緩衝部を有することが好ましい。
前記ホルダ進退機構が、前記ホルダが前記半導体チップに与える衝撃を抑制するホルダ緩衝部を有することが好ましい。
前記吸着コレット進退機構が、前記吸着コレットが前記半導体チップに与える衝撃を抑制する吸着コレット緩衝部を有することが好ましい。
前記吸着コレット進退機構、前記ホルダ進退機構、及び前記押出部材進退機構を制御する制御部を更に備え、
前記制御部が、前記ホルダを進出させ、前記シートを前記窪みの内側に向かって撓ませて撓んだ該シートに前記押出部材が接触するステップと、前記ホルダを後退させ、前記押出部材にて前記半導体チップを前記シートから押し出すステップと、を実行することが好ましい。
前記シートを前記窪みの内側に向かって撓ませて撓んだ該シートに前記押出部材を接触させ、該押出部材にて前記半導体チップを前記シートから押し出し、前記半導体チップを剥離させる。
前記吸着コレットに対して、前記ホルダ及び前記押出部材を進出させ、前記シートを前記窪みの内側に向かって撓ませて撓んだ該シートに前記押出部材を接触させるステップと、
前記押出部材が静止した状態で前記シートを吸着している前記ホルダが後退し、前記押出部材が前記半導体チップを前記シートから押し出し、前記半導体チップを剥離させるステップと、を含む。
前記吸着コレットを進退させる吸着コレット進退機構と、
前記シートを吸着するホルダと、
前記ホルダを進退させるホルダ進退機構と、
前記ホルダに収納され、前記シートに貼付された前記半導体チップを押し出す押出部材と、
前記押出部材を進退させる押出部材進退機構と、を備え、
前記押出部材進退機構が、前記押出部材が前記半導体チップに与える衝撃を抑制する押出部材緩衝部を有する。
前記ホルダ進退機構が、前記ホルダが前記半導体チップに与える衝撃を抑制するホルダ緩衝部を有することが好ましい。
前記吸着コレット進退機構が、前記吸着コレットが前記半導体チップに与える衝撃を抑制する吸着コレット緩衝部を有することが好ましい。
本発明の第1の実施の形態に係るチップ剥離装置10(図1参照)は、ダイシングされた複数の半導体チップCが貼付されたシートSTから所定の半導体チップCを剥離できる。シートSTの厚みは、例えば0.1mmである。半導体チップCは直方体状であり、その長さ及び幅は、それぞれ例えば0.6mm及び0.3mmである。
チップ剥離装置10は、シート支持具(不図示)、吸着コレット20、吸着コレット進退機構22、ホルダ30、ホルダ進退機構32、ニードル40、ニードル進退機構42、及び制御部50を備えている。
吸着コレット緩衝部222は、例えば、バネである。吸着コレット緩衝部222は、空気圧を用いた緩衝器やゴム(弾性体)であってもよい。なお、吸着コレット緩衝部222は、少なくとも弾性要素を有していればよく、更に粘性要素を有していてもよい。
従って、吸着コレット緩衝部222は、吸着コレット20が半導体チップCに与える衝撃を抑制できる。
ホルダ30には、先端面の中央部に窪み302が形成されている。
窪み302は、吸着コレット20の先端面側からみて半導体チップCと類似した形状をしている。窪み302の長さ及び幅は、それぞれ半導体チップCのサイズより大きく設定されている。ただし、窪み302の形状は、半導体チップCの形状に類似した形状でなくてもよく、例えば円形状や菱型状であってもよい。窪み302の深さは、使用するシートSTの厚み及び弾力性等のシートの機械的特性に基づいて設定される。
窪み302の周囲には、半導体チップCをエア吸着するための吸着孔304が複数設けられている。
なお、ホルダは基部と基部に対して着脱可能な先端部とを有する分割構造であってもよい。ホルダを分割構造とし、それぞれ寸法が異なる各種の窪みが形成された複数の先端部を予め準備することで、複数の寸法の半導体チップに対応することが容易となる。
ホルダ緩衝部322は、例えば、バネである。ホルダ緩衝部322は、空気圧を用いた緩衝器やゴム(弾性体)であってもよい。なお、ホルダ緩衝部322は、少なくとも弾性要素を有していればよく、更に粘性要素を有していてもよい。
従って、ホルダ緩衝部322は、ホルダ30が半導体チップCに与える衝撃を抑制できる。
ニードル緩衝部422は、例えば、バネである。ニードル緩衝部422は、空気圧を用いた緩衝器やゴム(弾性体)であってもよい。なお、ニードル緩衝部422は、少なくとも弾性要素を有していればよく、更に粘性要素を有していてもよい。
従って、ニードル緩衝部422は、ニードル40が半導体チップCに与える衝撃を抑制できる。
また、制御部50は、吸着コレット20及びホルダ30によるエア吸着動作を制御できる。
更に、制御部50は、シートSTに貼付された半導体チップCの撮像画像を処理する画像処理部(不図示)に接続され、この画像処理部によって得られた半導体チップCの位置情報に基づいて、シート支持具(不図示)の動作を制御できる。
なお、前述の通り、制御部50が、吸着コレット進退機構22、ホルダ進退機構32、及びニードル進退機構42等を制御する。
シートST(図1参照)を支持したシート支持具(不図示)が、剥離すべき半導体チップCが吸着コレット20及びホルダ30の間に位置するように、シートSTを位置決めする。
次に、位置決めされたシートSTに向かってホルダ30及びニードル40が進出する。詳細には、図3(A)に示すように、ホルダ30及びニードル40が、シートSTに接触すると考えられる目標位置まで進出する。
その後、時刻t1より前の期間p0(図2参照)において、吸着コレット20、ホルダー30、及びニードルは静止した状態を維持する。
時刻t1において、ホルダ30がシートSTをエア吸着する。また、吸着コレット20が対向する半導体チップCの方向に向かって進出を開始し、期間p1の所定の時刻にて減速する。
時刻t3において、吸着コレット20が進出を停止する。一方、吸着コレット20が進出を停止した時刻t3以降の期間p3においても、ホルダ30及びニードル40は、吸着コレット20の方向に向かって更に進出する。すなわち、半導体チップCが貼付されたシートSTは、ホルダ30によって吸着コレット20の方向へ移動する。
時刻t4において、吸着コレット20が半導体チップCに接触する(図3(B)参照)。吸着コレット20が半導体チップCに接触した際、シートSTは窪み302の内側に向かって(シートSTの厚み方向に)撓むことになる。その結果、シートSTが緩衝材として作用し、半導体チップCに加わる衝撃力が抑制される。加えて、ホルダ緩衝部322及び吸着コレット衝撃部222が設けられているので、半導体チップCに加わる衝撃力が更に抑制される。
接触後、半導体チップCは、吸着コレット20にエア吸着される。
なお、図4(A)及び図4(B)に示すグラフは、吸着コレット20の部分にロードセルを設け、半導体チップCを剥離する際にこのロードセルから得られた測定データを衝撃力とみなしたものである。
半導体チップCが吸着コレット20に接触した時刻t4から時刻t5までの期間p4において、吸着コレット20の位置が保持された状態で、吸着コレット20に対してホルダ30及びニードル40が更に進出する。すなわち、シートSTはシートSTの厚み方向に更に撓むことになる。なお、ホルダ30及びニードル40が更に進出するのは、半導体チップCの厚みの寸法公差を考慮し、この寸法公差を吸収するためである。
図3(C)に示すように、シートSTが窪み302の内側に向かって(シートSTの厚み方向に)更に撓み、ニードル40が撓んだシートSTに接触して突き刺さる。ただし、ニードル40は、先端部が半導体チップの裏面Cb(図1参照)に接触しない位置で待機する。
時刻t5から時刻t6までの期間p5において、ニードル40がニードル40の原点位置に対して静止し、ニードル40の位置が保持された状態で、シートSTを吸着しているホルダ30が後退する。
ホルダ30が後退した直後は、ホルダ30の動きにつられて、半導体チップCの表面Cfを吸着する吸着コレット20が進出することになる。また、ホルダ30が後退すると、図3(D)に示すようにシートSTに突き刺さったニードル40がシートSTを突き破り、半導体チップCの裏面Cbに接触した状態で半導体チップCがシートSTから押し出されて剥離する。
この点、本実施の形態に係るチップ剥離装置10は、吸着コレット緩衝部222、ホルダ緩衝部322、及びニードル緩衝部422を有しているので、半導体チップCに与える衝撃力が抑制されることとなる。
時刻t6から時刻t7までの期間p6において、吸着コレット20、ホルダ30及びニードル40は静止し、それぞれの位置が保持される。期間p6において吸着コレット20、ホルダ30及びニードル40の位置が保持されることによって、シートSTから半導体チップCが安定して剥離し、剥離に失敗する可能性が低減される。
時刻t7から時刻t8までの期間p7において、図3(E)に示すように、ニードル40及びホルダ30を後退させるとともに、半導体チップCを吸着した吸着コレット20を後退させる。
なお、期間p7においては、まずホルダ30及びニードル40が後退を開始し、その後吸着コレット20が後退を開始しているが、吸着コレット20、ホルダ30、及びニードル40がそれぞれ時刻t7にて同時に後退を開始してもよい。また、まず吸着コレット20が後退を開始し、その後ホルダ30及びニードル40が後退してもよい。
時刻t8において、ホルダ30によるシートSTのエア吸着は解除される。
その後の時刻t9までの期間p8において、剥離された半導体チップCは、吸着コレット20によって所定の位置に搬送される。
以降、剥離対象となる半導体チップCに対して前述の工程S1〜S9が繰り返されることにより、一枚のシートSTに貼り付けられた全ての半導体チップCが剥離される。
続いて、本発明の第2の実施の形態に係るチップ剥離装置10について説明する。
第2の実施の形態に係るチップ剥離装置10は、第1の実施の形態に係るチップ剥離装置10とは、その動作(チップ剥離方法)のみが相違する。
従って、以下、本実施の形態に係るチップ剥離装置10の動作について説明する。
次に、図5(B)に示すように、吸着コレット20が半導体チップCに接触する。
次に、図5(C)に示すように、ホルダ30及びニードル40が更に進出すると、シートSTが窪み302の内側に向かって(シートSTの厚み方向に)撓み、ニードル40が撓んだシートSTに突き破ることなく接触する。
次に、図5(D)に示すように、シートSTに接触したニードル40がニードル40の原点位置に対して静止し、ニードル40の位置が保持された状態で、シートSTを吸着しているホルダ30が後退する。ホルダ30が後退するとシートSTが引き伸ばされ、半導体チップCが押し出される。
最後に、図5(E)に示すように、ニードル40及びホルダ30を後退させるとともに、半導体チップCを吸着した吸着コレット20を後退させ、半導体チップCが剥離される。
なお、本実施の形態におけるホルダ30、ニードル40、及びコレット20動作タイミングは、それぞれ、第1の実施の形態における動作タイミング(図2参照)と実質的に同一である。
このように、本実施の形態に係るチップ剥離装置10の動作によれば、ニードル40が半導体チップCの裏面に直接接触しないので、シートSTが緩衝材となり、半導体チップCに加わる衝撃力が第1の実施の形態に係る動作よりも緩和される。
その結果、半導体チップCが損傷する可能性が低減され、チップ剥離装置10の全体の処理速度を向上することが可能となる。
前述の実施の形態において、吸着コレット20、ホルダ30、及びニードル40が進退する方向は、任意の方向でよい。すなわち、吸着コレット20、ホルダ30、及びニードル40が進退する方向は、上下方向であってもよいし、水平方向であってもよい。
押出部材は、当業者において一般的にいわれるニードルに限定されるものではない。押出部材は、半導体チップを押し出すことができれば任意の部材でよい。
また、チップ剥離装置10は、ホルダ30に窪み302が形成されておらず、吸着コレット緩衝部222、ホルダ緩衝部322、及びニードル緩衝部422のうち、少なくとも一つの緩衝部を備えていても前述の効果を奏する。
20 吸着コレット
22 吸着コレット進退機構
30 ホルダ
32 ホルダ進退機構
40 ニードル
42 ニードル進退機構
50 制御部
202 吸着孔
222 吸着コレット緩衝部
302 窪み
304 吸着孔
306 孔
322 ホルダ緩衝部
422 ニードル緩衝部
C 半導体チップ
Cf 半導体チップの表面
Cb 半導体チップの裏面
ST シート
コレット進退機構、ニードル進退機構及びホルダー進退機構は、ニードルをホルダーに収納したまま、吸着コレットとホルダーとで半導体チップを挟み、その後、ニードルの位置を維持したまま、ホルダーを半導体チップから遠ざける。
本発明は、半導体チップに与える衝撃力を抑制し、半導体チップが損傷する可能性を低減できるチップ剥離装置及びチップ剥離方法を提供することを目的とする。
前記吸着コレットを進退させる吸着コレット進退機構と、
前記シートを吸着するホルダと、
前記ホルダを進退させるホルダ進退機構と、
前記ホルダに収納され、前記シートに貼付された前記半導体チップを押し出す押出部材
と、
前記押出部材を進退させる押出部材進退機構と、を備え、
前記押出部材進退機構が、前記押出部材が前記半導体チップに与える衝撃を抑制する押
出部材緩衝部を有する。
前記ホルダ進退機構が、前記ホルダが前記半導体チップに与える衝撃を抑制するホルダ緩衝部を有することが好ましい。
前記吸着コレット進退機構が、前記吸着コレットが前記半導体チップに与える衝撃を抑制する吸着コレット緩衝部を有することが好ましい。
第1の発明に係るチップ剥離装置において、
前記ホルダの前記シートを吸着する先端面に、該先端面の側からみて前記半導体チップよりも大きい窪みが形成されていることが好ましい。
前記吸着コレット進退機構、前記ホルダ進退機構、及び前記押出部材進退機構を制御する制御部を更に備え、
前記制御部が、前記ホルダを進出させ、前記シートを前記窪みの内側に向かって撓ませて撓んだ該シートに前記押出部材が接触するステップと、前記ホルダを後退させ、前記押出部材にて前記半導体チップを前記シートから押し出すステップと、を実行することが好ましい。
前記シートを前記窪みの内側に向かって撓ませて撓んだ該シートに前記押出部材を接触させ、該押出部材にて前記半導体チップを前記シートから押し出し、前記半導体チップを剥離させる。
前記吸着コレットに対して、前記ホルダ及び前記押出部材を進出させ、前記シートを前記窪みの内側に向かって撓ませて撓んだ該シートに前記押出部材を接触させるステップと、
前記押出部材が静止した状態で前記シートを吸着している前記ホルダが後退し、前記押出部材が前記半導体チップを前記シートから押し出し、前記半導体チップを剥離させるステップと、を含む。
前記吸着コレットを進退させる吸着コレット進退機構と、
前記シートを吸着する先端面に、該先端面側からみて前記半導体チップよりも大きい窪みが形成されたホルダと、
前記ホルダを進退させるホルダ進退機構と、
前記ホルダに収納され、前記シートに貼付された前記半導体チップを押し出す押出部材と、
前記押出部材を進退させる押出部材進退機構と、を備える。
本発明の第1の実施の形態に係るチップ剥離装置10(図1参照)は、ダイシングされた複数の半導体チップCが貼付されたシートSTから所定の半導体チップCを剥離できる。シートSTの厚みは、例えば0.1mmである。半導体チップCは直方体状であり、その長さ及び幅は、それぞれ例えば0.6mm及び0.3mmである。
チップ剥離装置10は、シート支持具(不図示)、吸着コレット20、吸着コレット進退機構22、ホルダ30、ホルダ進退機構32、ニードル40、ニードル進退機構42、及び制御部50を備えている。
吸着コレット緩衝部222は、例えば、バネである。吸着コレット緩衝部222は、空気圧を用いた緩衝器やゴム(弾性体)であってもよい。なお、吸着コレット緩衝部222は、少なくとも弾性要素を有していればよく、更に粘性要素を有していてもよい。
従って、吸着コレット緩衝部222は、吸着コレット20が半導体チップCに与える衝撃を抑制できる。
ホルダ30には、先端面の中央部に窪み302が形成されている。
窪み302は、吸着コレット20の先端面側からみて半導体チップCと類似した形状をしている。窪み302の長さ及び幅は、それぞれ半導体チップCのサイズより大きく設定されている。ただし、窪み302の形状は、半導体チップCの形状に類似した形状でなくてもよく、例えば円形状や菱型状であってもよい。窪み302の深さは、使用するシートSTの厚み及び弾力性等のシートの機械的特性に基づいて設定される。
窪み302の周囲には、半導体チップCをエア吸着するための吸着孔304が複数設けられている。
なお、ホルダは基部と基部に対して着脱可能な先端部とを有する分割構造であってもよい。ホルダを分割構造とし、それぞれ寸法が異なる各種の窪みが形成された複数の先端部を予め準備することで、複数の寸法の半導体チップに対応することが容易となる。
ホルダ緩衝部322は、例えば、バネである。ホルダ緩衝部322は、空気圧を用いた緩衝器やゴム(弾性体)であってもよい。なお、ホルダ緩衝部322は、少なくとも弾性要素を有していればよく、更に粘性要素を有していてもよい。
従って、ホルダ緩衝部322は、ホルダ30が半導体チップCに与える衝撃を抑制できる。
ニードル緩衝部422は、例えば、バネである。ニードル緩衝部422は、空気圧を用いた緩衝器やゴム(弾性体)であってもよい。なお、ニードル緩衝部422は、少なくとも弾性要素を有していればよく、更に粘性要素を有していてもよい。
従って、ニードル緩衝部422は、ニードル40が半導体チップCに与える衝撃を抑制できる。
また、制御部50は、吸着コレット20及びホルダ30によるエア吸着動作を制御できる。
更に、制御部50は、シートSTに貼付された半導体チップCの撮像画像を処理する画像処理部(不図示)に接続され、この画像処理部によって得られた半導体チップCの位置情報に基づいて、シート支持具(不図示)の動作を制御できる。
なお、前述の通り、制御部50が、吸着コレット進退機構22、ホルダ進退機構32、及びニードル進退機構42等を制御する。
シートST(図1参照)を支持したシート支持具(不図示)が、剥離すべき半導体チップCが吸着コレット20及びホルダ30の間に位置するように、シートSTを位置決めする。
次に、位置決めされたシートSTに向かってホルダ30及びニードル40が進出する。詳細には、図3(A)に示すように、ホルダ30及びニードル40が、シートSTに接触すると考えられる目標位置まで進出する。
その後、時刻t1より前の期間p0(図2参照)において、吸着コレット20、ホルダー30、及びニードルは静止した状態を維持する。
時刻t1において、ホルダ30がシートSTをエア吸着する。また、吸着コレット20が対向する半導体チップCの方向に向かって進出を開始し、期間p1の所定の時刻にて減速する。
時刻t3において、吸着コレット20が進出を停止する。一方、吸着コレット20が進出を停止した時刻t3以降の期間p3においても、ホルダ30及びニードル40は、吸着コレット20の方向に向かって更に進出する。すなわち、半導体チップCが貼付されたシートSTは、ホルダ30によって吸着コレット20の方向へ移動する。
時刻t4において、吸着コレット20が半導体チップCに接触する(図3(B)参照)。吸着コレット20が半導体チップCに接触した際、シートSTは窪み302の内側に向かって(シートSTの厚み方向に)撓むことになる。その結果、シートSTが緩衝材として作用し、半導体チップCに加わる衝撃力が抑制される。加えて、ホルダ緩衝部322及び吸着コレット衝撃部222が設けられているので、半導体チップCに加わる衝撃力が更に抑制される。
接触後、半導体チップCは、吸着コレット20にエア吸着される。
なお、図4(A)及び図4(B)に示すグラフは、吸着コレット20の部分にロードセルを設け、半導体チップCを剥離する際にこのロードセルから得られた測定データを衝撃力とみなしたものである。
半導体チップCが吸着コレット20に接触した時刻t4から時刻t5までの期間p4において、吸着コレット20の位置が保持された状態で、吸着コレット20に対してホルダ30及びニードル40が更に進出する。すなわち、シートSTはシートSTの厚み方向に更に撓むことになる。なお、ホルダ30及びニードル40が更に進出するのは、半導体チップCの厚みの寸法公差を考慮し、この寸法公差を吸収するためである。
図3(C)に示すように、シートSTが窪み302の内側に向かって(シートSTの厚み方向に)更に撓み、ニードル40が撓んだシートSTに接触して突き刺さる。ただし、ニードル40は、先端部が半導体チップの裏面Cb(図1参照)に接触しない位置で待機する。
時刻t5から時刻t6までの期間p5において、ニードル40がニードル40の原点位置に対して静止し、ニードル40の位置が保持された状態で、シートSTを吸着しているホルダ30が後退する。
ホルダ30が後退した直後は、ホルダ30の動きにつられて、半導体チップCの表面Cfを吸着する吸着コレット20が進出することになる。また、ホルダ30が後退すると、図3(D)に示すようにシートSTに突き刺さったニードル40がシートSTを突き破り、半導体チップCの裏面Cbに接触した状態で半導体チップCがシートSTから押し出されて剥離する。
この点、本実施の形態に係るチップ剥離装置10は、吸着コレット緩衝部222、ホルダ緩衝部322、及びニードル緩衝部422を有しているので、半導体チップCに与える衝撃力が抑制されることとなる。
時刻t6から時刻t7までの期間p6において、吸着コレット20、ホルダ30及びニードル40は静止し、それぞれの位置が保持される。期間p6において吸着コレット20、ホルダ30及びニードル40の位置が保持されることによって、シートSTから半導体チップCが安定して剥離し、剥離に失敗する可能性が低減される。
時刻t7から時刻t8までの期間p7において、図3(E)に示すように、ニードル40及びホルダ30を後退させるとともに、半導体チップCを吸着した吸着コレット20を後退させる。
なお、期間p7においては、まずホルダ30及びニードル40が後退を開始し、その後吸着コレット20が後退を開始しているが、吸着コレット20、ホルダ30、及びニードル40がそれぞれ時刻t7にて同時に後退を開始してもよい。また、まず吸着コレット20が後退を開始し、その後ホルダ30及びニードル40が後退してもよい。
時刻t8において、ホルダ30によるシートSTのエア吸着は解除される。
その後の時刻t9までの期間p8において、剥離された半導体チップCは、吸着コレット20によって所定の位置に搬送される。
以降、剥離対象となる半導体チップCに対して前述の工程S1〜S9が繰り返されることにより、一枚のシートSTに貼り付けられた全ての半導体チップCが剥離される。
続いて、本発明の第2の実施の形態に係るチップ剥離装置10について説明する。
第2の実施の形態に係るチップ剥離装置10は、第1の実施の形態に係るチップ剥離装置10とは、その動作(チップ剥離方法)のみが相違する。
従って、以下、本実施の形態に係るチップ剥離装置10の動作について説明する。
次に、図5(B)に示すように、吸着コレット20が半導体チップCに接触する。
次に、図5(C)に示すように、ホルダ30及びニードル40が更に進出すると、シートSTが窪み302の内側に向かって(シートSTの厚み方向に)撓み、ニードル40が撓んだシートSTに突き破ることなく接触する。
次に、図5(D)に示すように、シートSTに接触したニードル40がニードル40の原点位置に対して静止し、ニードル40の位置が保持された状態で、シートSTを吸着しているホルダ30が後退する。ホルダ30が後退するとシートSTが引き伸ばされ、半導体チップCが押し出される。
最後に、図5(E)に示すように、ニードル40及びホルダ30を後退させるとともに、半導体チップCを吸着した吸着コレット20を後退させ、半導体チップCが剥離される。
なお、本実施の形態におけるホルダ30、ニードル40、及びコレット20動作タイミングは、それぞれ、第1の実施の形態における動作タイミング(図2参照)と実質的に同一である。
このように、本実施の形態に係るチップ剥離装置10の動作によれば、ニードル40が半導体チップCの裏面に直接接触しないので、シートSTが緩衝材となり、半導体チップCに加わる衝撃力が第1の実施の形態に係る動作よりも緩和される。
その結果、半導体チップCが損傷する可能性が低減され、チップ剥離装置10の全体の処理速度を向上することが可能となる。
前述の実施の形態において、吸着コレット20、ホルダ30、及びニードル40が進退する方向は、任意の方向でよい。すなわち、吸着コレット20、ホルダ30、及びニードル40が進退する方向は、上下方向であってもよいし、水平方向であってもよい。
押出部材は、当業者において一般的にいわれるニードルに限定されるものではない。押出部材は、半導体チップを押し出すことができれば任意の部材でよい。
また、チップ剥離装置10は、ホルダ30に窪み302が形成されておらず、吸着コレット緩衝部222、ホルダ緩衝部322、及びニードル緩衝部422のうち、少なくとも一つの緩衝部を備えていても前述の効果を奏する。
20 吸着コレット
22 吸着コレット進退機構
30 ホルダ
32 ホルダ進退機構
40 ニードル
42 ニードル進退機構
50 制御部
202 吸着孔
222 吸着コレット緩衝部
302 窪み
304 吸着孔
306 孔
322 ホルダ緩衝部
422 ニードル緩衝部
C 半導体チップ
Cf 半導体チップの表面
Cb 半導体チップの裏面
ST シート
Claims (9)
- シートに貼付された半導体チップを吸着する吸着コレットと、
前記吸着コレットを進退させる吸着コレット進退機構と、
前記シートを吸着するホルダと、
前記ホルダを進退させるホルダ進退機構と、
前記ホルダに収納され、前記シートに貼付された前記半導体チップを押し出す押出部材と、
前記押出部材を進退させる押出部材進退機構と、を備えたチップ剥離装置。 - 請求項1記載のチップ剥離装置において、
前記押出部材進退機構が、前記押出部材が前記半導体チップに与える衝撃を抑制する押出部材緩衝部を有するチップ剥離装置。 - 請求項2記載のチップ剥離装置において、
前記ホルダ進退機構が、前記ホルダが前記半導体チップに与える衝撃を抑制するホルダ緩衝部を有するチップ剥離装置。 - 請求項3記載のチップ剥離装置において、
前記吸着コレット進退機構が、前記吸着コレットが前記半導体チップに与える衝撃を抑制する吸着コレット緩衝部を有するチップ剥離装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のチップ剥離装置において、
前記ホルダの前記シートを吸着する面に窪みが形成されているチップ剥離装置。 - 請求項5記載のチップ剥離装置において、
前記吸着コレット進退機構、前記ホルダ進退機構、及び前記押出部材進退機構を制御する制御部を更に備え、
前記制御部が、前記ホルダを進出させ、前記シートを前記窪みの内側に向かって撓ませて撓んだ該シートに前記押出部材が接触するステップと、前記ホルダを後退させ、前記押出部材にて前記半導体チップを前記シートから押し出すステップと、を実行するチップ剥離装置。 - 請求項5記載のチップ剥離装置を用いたチップ剥離方法であって、
前記シートを前記窪みの内側に向かって撓ませて撓んだ該シートに前記押出部材を接触させ、該押出部材にて前記半導体チップを前記シートから押し出し、前記半導体チップを剥離させるチップ剥離方法。 - 請求項5記載のチップ剥離装置を用いたチップ剥離方法であって、
前記吸着コレットに対して、前記ホルダ及び前記押出部材を進出させ、前記シートを前記窪みの内側に向かって撓ませて撓んだ該シートに前記押出部材を接触させるステップと、
前記押出部材が静止した状態で前記シートを吸着している前記ホルダが後退し、前記押出部材が前記半導体チップを前記シートから押し出し、前記半導体チップを剥離させるステップと、を含むチップ剥離方法。 - シートに貼付された半導体チップを吸着する吸着コレットと、
前記吸着コレットを進退させる吸着コレット進退機構と、
前記シートを吸着する先端面に窪みが形成されたホルダと、
前記ホルダを進退させるホルダ進退機構と、
前記ホルダに収納され、前記シートに貼付された前記半導体チップを押し出す押出部材と、
前記押出部材を進退させる押出部材進退機構と、を備えたチップ剥離装置。
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