JP2018025274A - 感圧制御弁 - Google Patents

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大河原 一郎
Ichiro Ogawara
一郎 大河原
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Abstract

【課題】容量可変型圧縮機の容量制御を行い、電磁駆動部により設定吸入圧力を調整できる感圧制御弁において、感圧力伝達部の縦孔(Pc−Ps内部連通孔)の位置が高圧ポートと干渉することがなく、縦孔(Pc−Ps内部連通孔)の径を十分な大きさとする。また、加工を容易にする。【解決手段】弁室1A内に配置されて弁ポート15を開閉する弁部33と、弁部33に電磁力を加える電磁駆動部2とを備える。ガイド孔14に挿通されて感圧部4の力を弁部33に伝達する感圧力伝達部5を備える。弁室1A側から順に、高圧ポート13、クランク室ポート12、低圧ポート11を配置する。クランク室ポート12と感圧室1Bとを連通する横孔5aと縦孔5bを感圧力伝達部5に形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用空調装置などの容量可変型圧縮機の容量を制御する感圧制御弁に関する。
従来、自動車用空調装置の冷凍サイクルに用いられる圧縮機はエンジンにベルトで直結されるので、エンジンの回転数に制約されることなく適切な冷房能力を得るために、圧縮機の容量(吐出量)を変えることのできる容量可変型圧縮機が用いられている。
このような容量可変型圧縮機は、気密に形成されたクランク室内で揺動板を回転させてピストンを往復動させ、流体(冷媒)を圧縮するものであるが、クランク室内の圧力(クランク室圧)を変化させることでピストンの背圧を変化させ、揺動板の傾斜角度を変化させて流体の吐出量を変化させるようになっている。
また、圧縮機を例えば長期間停止しておくと、冷媒が液状化してクランク室に留まる事がある。この状態で圧縮機を起動させると、クランク室圧力は液冷媒の気化によって過大な圧力となる。このため、圧縮機はアンロード運転となってしまう。その結果、吐出容量が大きくなるまでに時間が掛かり、車内が冷えるまでに時間が掛かるという問題があった。
そこで、過大圧力となったクランク室圧力を吸入圧力側に抜くようにした感圧制御弁が、例えば特開2013−87863号公報(特許文献1)に開示されている。また、電磁駆動部が弁部材を付勢する付勢力が電流に応じて調整でき、この電流量により、容量制御の設定吸入圧力を調整することができる外部制御方式の感圧制御弁(容量制御弁)が、例えば特許第4436295号公報(特許文献2)に開示されている。
特開2013−87863号公報 特許第4436295号公報
上述した特許文献1及び特許文献2のものでは、圧縮機の起動直後の高圧のクランク室圧力を抜いて、圧縮機を速やかにロード運転することができるが、特許文献1のものでは、設定吸入圧力は調整ねじにより予め調整された固定のものである。これに対して、特許文献2のものでは電磁駆動部により設定吸入圧力を可変に調整することができるというさらなる利点がある。
しかしながら、特許文献2のものでは、本体のクランク室ポートと低圧ポートの間に高圧ポートが配置されており、クランク室ポートと感圧室の間の長さが長くなるので、クランク室ポートと感圧室とを連通するPc−Ps内部連通孔の弁体内での細孔加工等が難しくなるという問題がある。また、このPc−Ps内部連通孔が形成された弁形成体が高圧ポートを貫通する位置にあり、このPc−Ps内部連通孔を弁体の縮径部(高圧ポートの部分)を通す必要があるので、Pc−Ps内部連通孔の径の大きさに制限があった。
本発明は、電磁駆動部により設定吸入圧力を可変に調整できる可変容量型圧縮機用の感圧制御弁において、クランク室圧力を排出する構造を改良し、Pc−Ps内部連通孔の位置が高圧ポートと干渉することがなく、Pc−Ps内部連通孔の径を十分な大きさとできるとともに加工が容易になる感圧制御弁を提供することを課題とする。
請求項1の感圧制御弁は、弁ハウジングに、圧縮機の吐出圧力が導入される高圧ポートと、圧縮機のクランク室圧力が導入されるクランク室ポートと、圧縮機の吸入圧力が導入される低圧ポートと、前記クランク室ポートに連通された弁室と、前記弁室と前記高圧ポートとを連通する弁ポートと、前記低圧ポートに連通された感圧室と、前記弁ポートから前記クランク室ポートを貫通して前記感圧室にかけて前記弁ポートと同軸に配置されたガイド孔と、がそれぞれ形成され、前記弁室内に配置されて前記弁ポートを開閉する弁部と、前記弁部に電磁力を加える電磁駆動部と、前記ガイド孔に挿通されて前記感圧室の吸入圧力に応じた力を前記弁部に伝達する感圧力伝達部と、を備え、前記弁室側から順に、前記高圧ポート、前記クランク室ポート、前記低圧ポートがそれぞれ配置されるとともに、前記感圧室と前記クランク室ポートとを連通するPc−Ps内部連通孔が、前記感圧力伝達部に形成されていることを特徴とする。
請求項2の感圧制御弁は、請求項1に記載の感圧制御弁であって、前記感圧力伝達部の前記Pc−Ps内部連通孔の、前記クランク室ポート側の端部が該クランク室ポート内に常時開口されるとともに、前記感圧室側の端部が前記感圧部により開閉されることを特徴とする。
請求項3の感圧制御弁は、請求項1に記載の感圧制御弁であって、前記感圧力伝達部の前記Pc−Ps内部連通孔の、前記感圧室側の端部が前記感圧室内に常時開口されるとともに、前記クランク室ポート側の端部が前記感圧部により開閉されることを特徴とする。
請求項1乃至3の感圧制御弁によれば、感圧力伝達部に形成されたPc−Ps内部連通孔により感圧室とクランク室ポートとが連通され、圧縮機のクランク室圧力が過大圧力となっても、クランク室圧力を速やかに吸入圧力側に排出することができるので、圧縮機の吐出容量を速やかに大きくすることができる。また、弁室側から順に、高圧ポート、クランク室ポート、低圧ポートがそれぞれ配置されているので、Pc−Ps内部連通孔の位置が高圧ポートと干渉することがなく、このPc−Ps内部連通孔の径を十分な大きさとできるとともに、Pc−Ps内部連通孔の加工が容易になる。なお、クランク室圧力を排出することを「Pc排出」ともいう。
請求項2または請求項3の感圧制御弁によれば、感圧部の力を感圧力伝達部により弁部に伝達するときに、Pc−Ps内部連通孔が閉じられるので、クランク室ポートと感圧室とを隔離できて、安定した容量制御制御を行うことができる。
本発明の第1実施形態の感圧制御弁の弁開状態の縦断面図である。 本発明の第1実施形態の感圧制御弁の圧縮機へ取り付けられた状態でのPc排出時の縦断面図である。 本発明の第1実施形態の感圧制御弁の圧縮機へ取り付けられた状態での容量制御運転状態の縦断面図である。 本発明の第2実施形態の感圧制御弁の圧縮機へ取り付けられた状態での弁開状態の縦断面図である。 本発明の第2実施形態の感圧制御弁の圧縮機へ取り付けられた状態でのPc排出時の縦断面図である。 本発明の第3実施形態の感圧制御弁の圧縮機へ取り付けられた状態での弁開状態の縦断面図である。 本発明の第3実施形態の感圧制御弁の圧縮機へ取り付けられた状態でのPc排出時の縦断面図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。図1は第1実施形態の感圧制御弁の弁開状態の縦断面図、図2は第1実施形態の感圧制御弁の圧縮機へ取り付けられた状態でのPc排出時の縦断面図、図3は第1実施形態の感圧制御弁の圧縮機へ取り付けられた状態での容量制御運転状態の縦断面図である。なお、以下の説明における「上下」の概念は図面における上下に対応する。この実施形態の感圧制御弁10は自動車用空調装置の容量可変型圧縮機に取り付けられる。そして、圧縮機の吸入圧力、吐出圧力及びクランク室圧力が導入され、吸入圧力に応じて吐出圧力によりクランク室圧力を制御することで、圧縮機の容量を制御する。
この実施形態の感圧制御弁10は、弁ハウジング1と、電磁駆動部2と、弁部材3と、感圧部4とを備えている。弁ハウジング1は、軸線Xを中心とし、その上部には開口部1aが形成され、この開口部1aに後述の電磁駆動部2の吸引子21がOリングを介して嵌め込まれ、カシメ固定されている。そして、吸引子21の凹部21aにより、弁ハウジング1の内部に弁室1Aが形成されている。また、弁ハウジング1の下端には開口部1bが形成されるとともに、この開口部1bから上方に感圧室1Bが形成されている。弁室1Aと感圧室1Bは軸線Xを中心とした断面円形の形状である。さらに、弁ハウジング1には、圧縮機の吸入側通路に連通される低圧ポート11と、圧縮機のクランク室に連通されるクランク室ポート12と、圧縮機の吐出側通路に連通される高圧ポート13とが形成されている。そして、クランク室ポート12は、低圧ポート11と高圧ポート13との間に配置されている。なお、二点鎖線で示す高圧ポート13は、軸線Xの回りに90度回転した仮想の位置として図示してある。また、弁ハウジング1には、軸線Xを中心として弁室1Aと感圧室1Bとを連通するガイド孔14が形成され、このガイド孔14の弁室1A側の端部は弁ポート15となっている。低圧ポート11は感圧室1Bに連通し、高圧ポート13はガイド孔14及び弁ポート15に連通している。また、弁ハウジング1には、ガイド孔14と平行にして弁室1Aに連通するPc内部連通孔16が形成されており、クランク室ポート12はこのPc内部連通孔16を介して弁室1Aに連通している。
電磁駆動部2は、前記吸引子21と、プランジャケース22と、プランジャ23と、連結ロッド24と、プランジャばね25と、コイル26と、コイルケース27と、下板28と、を有している。吸引子21は、プランジャ23を吸引するように適宜な磁性体によって構成され、吸引子21には、軸線X方向に延びる連結ロッド24が挿通される円筒状のロッドガイド孔21bが形成されている。
プランジャケース22は、下方側が開口した有底筒状に形成され、その側面の一部によって吸引子21を覆うように吸引子21に固定されている。プランジャ23は、吸引子21に吸引されるように適宜な磁性体によって構成され、プランジャ室2A内に収容されている。プランジャ23は、その外周面がプランジャケース22の内周面に摺接するように、軸線X方向に移動可能に設けられ、その上面からばね収容凹部23aが形成されるとともに、軸線X方向に沿って延びて連結ロッド24が挿通される挿通孔23bが中央部に形成されている。さらに、プランジャ23には上下方向に延びる貫通孔23cが形成され、この挿通孔23cによりプランジャ室2Aにおけるプランジャ23の上下の空間が連通されている。
ばね収容凹部23a内には、円筒状のコイルばねで構成されたプランジャばね25が収容されている。プランジャばね25は、プランジャ23を下方に押圧するように設けられ、プランジャ23が吸引子21に最も接近した際に、若干圧縮された状態となるように設けられ、その荷重によりプランジャ23及び連結ロッド24が振れないように設定されている。プランジャ23の挿通孔23bの周囲には、上方に突出した溶接用突起23dが形成されており、この溶接用突起23dの箇所で連結ロッド24とプランジャ23とが溶接により固着されている。コイル26は、下板28とともにコイルケース27に収容されている。コイルケース27の下端が弁ハウジング1の上端にカシメ固定され、これにより、コイル26が吸引子21の外周に設けられている。
弁部材3は、その上端に形成されたフランジ状のストッパ部31と、ストッパ部31の内側に形成された凹部32と、弁ポート15に接離する弁部33と、弁部33から高圧ポート13に対向する縮径部34と、弁ハウジング1のガイド孔14に挿通されるロッド部35とを有する。ストッパ部31、凹部32及び弁部33は弁室1A内に配置され、ストッパ部31と弁室1Aの底部との間に弁ばね3aが配設されている。弁部材3の前記ストッパ部31にはスリットが設けてあり、前記ストッパ31が吸引子21の下面に当接しても、弁室1Aとプランジャ室2Aとは連通している。
弁部材3の凹部32は、連結ロッド24の下端部を安定して保持することができるような適宜な深さを有するとともに、連結ロッド24の外周との隙間が、プランジャ23とプランジャケース22との隙間よりも大きくなるような内径を有している。これにより、連結ロッド24に固着されたプランジャ23がプランジャケース22との隙間だけ位置ずれしても、連結ロッド24の下端部の外周面が凹部32の内周面に接触しないことから、弁部材3に対して軸ずれさせるような外力が加わらない。
ロッド部35は、感圧部4の力を弁部33に伝達する感圧力伝達部5を構成している。この感圧力伝達部5は、高圧ポート13側からクランク室ポート12を貫通して感圧室1B内まで延設され、この感圧室1B側の端部を感圧部4の後述の当金43に当接されている。そして、弁部材3が軸線X方向に移動するとき、感圧力伝達部5(ロッド部35)はガイド孔14にガイドされる。このとき、感圧力伝達部5の外周面がガイド孔14の内周面に摺接することにより、ハウジング1の弁ポート15と、弁部材3の弁部33との軸ずれや、弁部材3の傾きが抑制される。また、感圧力伝達部5は、後述の感圧部4の当金43の動きを縮径部34を介して弁部33に伝達する役割をする。そして、感圧力伝達部5には、クランク室ポート12に開口する横孔5aと、この横孔5aに連通して当金43側端部に開口する縦孔5bとが形成されている。この横孔5aと縦孔5bは「Pc−Ps内部連通孔」を構成している。
感圧部4は、弁ハウジング1の下部の開口部1b内に設けられ、ばね箱41と、ダイヤフラム42と、当金43と、調整ばね44と、受金具45と、調整ねじ46とを有する。ばね箱41は、軸線X方向に延びる円筒状に形成され、弁ハウジング1の感圧室1Bの下方の開口をダイヤフラム42によって塞ぐようにして、弁ハウジング1にカシメ固定されている。ばね箱41の内側は外部空間と連通し、大気圧となっている。
ダイヤフラム42は、ゴム部材等によって円板状に形成され、感圧室1Bの下面を構成する。また、ダイヤフラム42の中央部には、当金43が挿通されている。当金43は、断面T字状に形成され、軸線Xと交差する円板状の部分によって感圧力伝達部5(弁部材3のロッド部35)を上方に押圧するように設けられるとともに、軸線X方向に沿った軸状の部分がダイヤフラム42の中央と受金具45の挿通孔に挿通されている。そして、当金43と受金具45とが、ダイヤフラム42を挟持するようにかしめ固定される。これにより、感圧室1Bとばね箱41の内側との気密性が保たれる。
調整ばね44は、円筒状のコイルばねであって、受金具45と調整ねじ46との間に配置され、受金具45を介してダイヤフラム42を上方に押圧するようになっている。調整ねじ46は、ばね箱41の内周面に螺合し、軸線X方向の位置が調節可能となっている。すなわち、調節ねじ46を上方にねじ込むほど調整ばね44が圧縮され、ダイヤフラム42に対する押圧力が大きくなる。
ここで、感圧力伝達部5が感圧部4の当金43に当接した状態では、吸引子21とプランジャ23との間の吸引力である電磁力、プランジャばね25、調整ばね44を含めた感圧部4からの付勢力、及び、弁ばね3aの付勢力のバランスによって、弁ポート15に対する弁部33の位置、すなわち弁開度が決定される。
以上の構成により実施形態の感圧制御弁10は以下のように動作する。まず、電磁駆動部2が非通電時には、例えば図1に示すように、弁ばね3aのばね力により、弁部材3及びプランジャ23が上方に移動して、プランジャ23が吸引子21から離間する。そして、弁部材3の弁部33が弁ポート15から離間し、図1の最大弁開位置に位置する。
図2及び図3は感圧制御弁10が圧縮機へ取り付けられた状態を示す図である。ここで、圧縮機の停止時間が長くてクランク室に液冷媒が溜まった状態では、圧縮機の内部は均圧され、クランク室圧力(Pc)と吸入圧力(Ps)は近い値になっている。この状態でコイル26への通電により圧縮機の吐出運転を開始すると、液冷媒が泡立ち、クランク室圧力(Pc)及び吸入圧力(Ps)は過大圧力となる。吸入圧力(Ps)が過大圧力となると、感圧室1Bの圧力が高くなって感圧部4のダイヤフラム42は調整ばね44の荷重に対抗して下方に移動し、図2に示された感圧部4の受け金具45がばね箱41のストッパ部に当接した最大変位位置に位置する。また、前記コイル26への通電により、弁部材3が下方に移動して弁部33が弁ポート15を閉じ、感圧力伝達部5も最下点に位置されるが、前記の如くダイヤフラム42及び当金43は最大変位位置にあるので、当金43と感圧力伝達部5は当接せず離間したままの状態にある。これにより、感圧力伝達部5のPc−Ps内部連通孔(5a,5b)を介してクランク室ポート12が感圧室1Bに導通し、圧縮機のクランク室圧力(Pc)が感圧室1Bを介して低圧ポート11(吸入圧力Ps側)に排出され、クランク室圧力(Pc)は低下する。
圧縮機内部においてはクランク室内部と圧縮機の吸入側とはピストン外周とシリンダ内周とのクリアランスやオリフィスにより連通されているためクランク室圧力(Pc)が低下すると吸入圧力(Ps)も低下する。これにより、ダイヤフラム42は上方に移動し、感圧部4の当金43が感圧力伝達部5に当接し、図3に示す容量制御運転の状態となる。
なお、図1に示す最大弁開位置での、弁ポート15に対する弁部33のリフト量(弁体リフト量)をL1とし、ダイヤフラム42(及び受け金具45)のリフト量(感圧部材リフト量)をL2とすると、図3に示す当金43と感圧力伝達部5との距離(排出リフト量)L3は、
L3=L2−L1
の関係にある。
このように、圧縮機においてクランク室に液冷媒が溜まった状態でも、クランク室内の液冷媒が排出され、クランク室圧力(Pc)が下がるので、冷媒の圧縮(吐出)を開始し、吸入圧力(Ps)が低下してダイヤフラム42は上方に移動して当金43が感圧力伝達部5に当接してPc−Ps内部連通孔(5a,5b)が閉じられる(図3)。この状態では弁部33が弁ポート15を弁閉として、圧縮機はフルロード運転の状態となるが、車内が冷えて吸入圧力(Ps)がさらに低下すると、感圧部4においてダイヤフラム42が上昇し、当金43が感圧力伝達部5(弁部材3)を押し上げ、弁部33が弁ポート15から離間する。これにより、吐出圧力(Pd)が弁ポート15、弁室1A、Pc内部連通孔16を介してクランク室ポート12に流入し、圧縮機は容量制御運転の状態となる。なお、図1のように弁部33が全開となると、圧縮機はフルアンロード運転の状態となる。
容量制御運転の状態では、感圧室1Bの内圧(吸入圧力Ps)が設定吸入圧力よりも低くなると、感圧部4は電磁駆動部3の電磁力に抗し、弁部材3を弁開方向に付勢し、圧縮機の吐出容量を下げて結果的に吸入圧力(Ps)を高めるように作用する。逆に吸入圧力Psが設定吸入圧力よりも高くなるとダイヤフラム42は弁部材3が弁閉となる方向に変位して、電磁駆動部3の電磁力により弁部材3を弁閉方向に付勢し、圧縮機の吐出容量を上げて結果的に吸入圧力(Ps)を低くするように作用する。すなわち、容量制御運転の状態では、吸入圧力(Ps)は目標値である設定吸入圧力となるように自動制御される。
前記のように、弁開度は、電磁駆動部3の電磁力と、プランジャばね25、感圧部4からの付勢力、及び、弁ばね3aの付勢力という機械的な力とのバランスによって決まる。したがって、電磁駆動部3への通電量(電流値)に応じて、前記の設定吸入圧力を可変に制御することができる。なお、特許文献1の従来のものでは、設定吸入圧力は機械的な力のみによって固定された設定値となる。
このように、実施形態の感圧制御弁10によれば、電磁駆動部3の電磁力により設定吸入圧力を可変に制御できるとともに、圧縮機の起動時に、クランク室圧力(Pc)を吸入圧力(Ps)側に排出できるので、クランク室に液冷媒が溜まった状態でも、圧縮機の吐出容量を速やかに大きくすることができる。
図4は第2実施形態の感圧制御弁20の圧縮機へ取り付けられた状態での弁開状態の縦断面図、図5は第2実施形態の感圧制御弁20の圧縮機へ取り付けられた状態でのPc排出時の縦断面図である。以下、第2乃至第3実施形態において、第1実施形態と同様な要素には図1乃至図3と同符号を付記して重複する説明は適宜省略する。
第1実施形態では感圧部4のダイヤフラム42(感圧部材)の力を弁部33に伝達する感圧力伝達部5を弁部33とともに弁部材3に一体に設けたものである。この第2実施形態では感圧力伝達部5を弁部材3と感圧部4の当金43′に設けたものである。この第2実施形態では、弁部材3のロッド部35′は、縮径部34の下部からクランク室ポート12の位置までの長さとされ、このロッド部35′は感圧力伝達部5の一部を構成している。また、感圧部4の当金43′は、感圧室1Bからガイド孔14を通してクランク室ポート12の位置まで延びるロッド部43aを有しており、このロッド部43aは感圧力伝達部5の一部を構成している。そして、この感圧力伝達部5のロッド部43aには、感圧室1Bに開口する横孔5aと、この横孔5aに連通してクランク室ポート12側端部に開口する縦孔5bとが形成されている。この横孔5aと縦孔5bは「Pc−Ps内部連通孔」を構成している。
この第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、クランク室に液冷媒が溜まった状態で電磁駆動部2のコイル26に通電され、圧縮機が起動されると、吸入圧力(Ps)が過大圧力となって、感圧部4のダイヤフラム42は調整ばね44の荷重に対抗して下方に移動し、図5に示された感圧部4の受け金具45がばね箱41のストッパ部に当接した最大変位位置に位置する。また、前記コイル26への通電により、弁部材3が下方に移動して弁部33が弁ポート15を閉じ、弁部材3のロッド部35′も最下点に位置されるが、前記の如くダイヤフラム42及び当金43′は最大変位位置にあるので、当金43′とロッド部35′は当接せず離間したままの状態にある。
これにより、感圧力伝達部5のPc−Ps内部連通孔(5b,5a)を介してクランク室ポート12が感圧室1Bに導通し、圧縮機のクランク室圧力(Pc)が感圧室1Bを介して低圧ポート11(吸入圧力Ps側)に排出される。このクランク室圧力の排出による効果は前述の第1実施形態と同様である。
なお、この第2実施形態において、図4に示す最大弁開位置での弁体リフト量をL1とし感圧部材のリフト量をL2とすると、図5に示す弁部材3のロッド部35′と当金43′のロッド部43aとの距離(排出リフト量)L3は、
L3=L2−L1
の関係にある。
図6は第3実施形態の感圧制御弁30の圧縮機へ取り付けられた状態での弁開状態の縦断面図、図7は第3実施形態の感圧制御弁30の圧縮機へ取り付けられた状態でのPc排出時の縦断面図である。この第3実施形態と第1実施形態との違いは、感圧部6の構成である。弁ハウジング1の下端には感圧室1Bが形成され、この感圧室1B内に感圧部6が構成されている。また、感圧室1Bの側部には圧縮機の吸入側通路に連通される低圧ポート11が形成されている。感圧部6は、ベローズ本体61と、ベローズカバー62と、調整ばね63と、ばね受金具64と、ストッパ当金65と、調整ネジ66とで構成されている。ベローズカバー62とベローズ本体61は一体に成形されており、ベローズ本体61はストッパ当金65と気密に溶接されて、その内部は真空気密室となっている。また、ストッパ当金65とばね受金具64との間に調整ばね63が圧縮状態で配設されている。また、ストッパ当金65は調整ネジ66にかしめ結合した状態で弁ハウジング1の下端に螺合されている。そして、ベローズカバー62に対して、感圧力伝達部5(ロッド部35)が当接可能となっている。
以上の構成により、感圧室1Bの吸入圧力(Ps)が低いときは、ベローズ本体61は調整ねじ66側を固定点として伸長し、感圧室1Bの吸入圧力(Ps)が高くなると、ベローズ本体61は調整ねじ66側を固定点として収縮する。これにより、この感圧部6は第1実施形態における感圧部4と同様な作用をする。
また、この第3実施形態においても、感圧力伝達部5のPc−Ps内部連通孔(5b,5a)により、圧縮機のクランク室圧力(Pc)が低圧ポート11(吸入圧力Ps側)に排出され、このクランク室圧力の排出による効果は前述の第1実施形態と同様である。
なお、この第3実施形態において、図6に示す最大弁開位置での弁体リフト量をL1とし、ストッパ当金65からのばね受金具64のリフト量(感圧部材リフト量)をL2とすると、図7に示すベローズカバー62と感圧力伝達部5との距離(排出リフト量)L3は、
L3=L2−L1
の関係にある。
以上の各実施形態では、高圧ポート13の弁室1Aとは反対側において、この高圧ポート13と、感圧室1Bに連通する低圧ポート11との間に、クランク室ポート12が配置されている。また、クランク室ポート12と弁室1Aを複数のPc内部連通孔16で連通させ、また、弁ポート15と弁部材3のロッド部35,35′の径は等しく設定されているので、弁部材3に作用する吐出圧力(Pd)の影響はほぼ無視できる構造としている。また、クランク室ポート12と低圧ポート11は隣あわせに配置されている。したがって、クランク室ポート12から、吸入圧力(Ps)が導入される感圧室1Bまでの長さが短くなるとともに、Pc−Ps内部連通孔(5b)を、高圧ポート13からの吐出圧力(Pd)を導入する弁部材3の縮径部34を通す必要がないので、このPc−Ps内部連通孔の径は十分な径とすることができる。また、その径は細すぎず、Pc−Ps内部連通孔の加工も簡単でコストも安価なものとなる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
1 弁ハウジング
1A 弁室
1B 感圧室
11 低圧ポート
12 クランク室ポート
13 高圧ポート
14 ガイド孔
15 弁ポート
16 Pc内部連通孔
2 電磁駆動部
21 吸引子
22 プランジャケース
23 プランジャ
24 連結ロッド
25 プランジャばね
26 コイル
27 コイルケース
28 下板
3 弁部材
31 ストッパ部
32 凹部
33 弁部
34 縮径部
35 ロッド部
3a 弁ばね
4 感圧部
41 ばね箱
42 ダイヤフラム
43 当金
43′ 当金
44 調整ばね
45 受金具
46 調整ねじ
5 感圧力伝達部
5a 横孔(Pc−Ps内部連通孔)
5b 縦孔(Pc−Ps内部連通孔)
6 感圧部
61 ベローズ本体
62 ベローズカバー
63 調整ばね
64 ばね受金具
65 ストッパ当金
66 調整ネジ
10 感圧制御弁
20 感圧制御弁
30 感圧制御弁
X 軸線

Claims (3)

  1. 弁ハウジングに、圧縮機の吐出圧力が導入される高圧ポートと、圧縮機のクランク室圧力が導入されるクランク室ポートと、圧縮機の吸入圧力が導入される低圧ポートと、前記クランク室ポートに連通された弁室と、前記弁室と前記高圧ポートとを連通する弁ポートと、前記低圧ポートに連通された感圧室と、前記弁ポートから前記クランク室ポートを貫通して前記感圧室にかけて前記弁ポートと同軸に配置されたガイド孔と、がそれぞれ形成され、
    前記弁室内に配置されて前記弁ポートを開閉する弁部と、前記弁部に電磁力を加える電磁駆動部と、前記ガイド孔に挿通されて前記感圧室の吸入圧力に応じた力を前記弁部に伝達する感圧力伝達部と、を備え、
    前記弁室側から順に、前記高圧ポート、前記クランク室ポート、前記低圧ポートがそれぞれ配置されるとともに、前記感圧室と前記クランク室ポートとを連通するPc−Ps内部連通孔が、前記感圧力伝達部に形成されていることを特徴とする感圧制御弁。
  2. 前記感圧力伝達部の前記Pc−Ps内部連通孔の、前記クランク室ポート側の端部が該クランク室ポート内に常時開口されるとともに、前記感圧室側の端部が前記感圧部により開閉されることを特徴とする請求項1に記載の感圧制御弁。
  3. 前記感圧力伝達部の前記Pc−Ps内部連通孔の、前記感圧室側の端部が前記感圧室内に常時開口されるとともに、前記クランク室ポート側の端部が前記感圧部により開閉されることを特徴とする請求項1に記載の感圧制御弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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