JP3648374B2 - 電磁式制御弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容量コンプレッサの電磁式制御弁、特に、車両の冷房装置に使用される可変容量コンプレッサの電磁式制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、車両起動時のエンジンへの負荷を軽減し、弁全体を小型化することができ、しかも、弁特性を容易に変化させることができる、車両の冷房装置に用いられる可変容量コンプレッサの電磁式制御弁(以下、「従来技術A」という)を先に開発した(特願平8−109797号)。
【0003】
図5は、かかる電磁式制御弁が使用される容量可変コンプレッサにおける容量制御機構を示す概略図である。
【0004】
コンプレッサ20には、その取付凹部40に図6に示される容量制御用の電磁式制御弁1−3が固着されている。コンプレッサ20のクランクケース21に連続するヘッド部41内には、複数個のシリンダ25が設けられ、各シリンダ25内には、ピストン26が摺動自在に設けられている。クランクケース21からヘッド部41にかけた部分には、駆動軸27が回動自在に設けられている。この駆動軸27は、外端に設けたプーリ34を介してベルト35によりエンジン(図示せず)によって駆動される。
【0005】
駆動軸27には、公知の如くに角度可変ウオブル斜板29が設けられており、ウオブル斜板29は、ピストン桿24によりピストン26に連結されている。駆動軸27によりウオブル斜板29が傾斜状態において回動することにより、ピストン桿24あるいはピストン26が往復動作し、クランクケース21内の制御室圧力Pcとシリンダ25内の吸入側圧力Psとの差圧に応じてウオブル斜板29の取付角度が自動的に調整され、そして、ウオブル斜板29の角度変化によりピストン26のストローク量が変化する。
【0006】
各シリンダ25には、吸入口Sと吐出口Dとが設けられ、シリンダ25には、通路d、sを介して冷凍サイクルを構成する凝縮器31と、蒸発器32と、膨張弁33とが接続される。電磁式制御弁1−3は、クランクケース21内のクランク室、即ち、圧力制御室Cと冷媒通路36を介して連通すると共に吸入口Sと冷媒通路37を介して連通し、さらに冷媒通路38を介して吐出口Dと連通している。
【0007】
図6は、上記従来技術Aの電磁式制御弁の無通電時の状態を示す断面図である。
【0008】
この電磁式制御弁1−3は、(イ)上本体7と、弁本体17とで構成される弁室18内に配置され、コンプレッサ20のクランク室Cに通じるPc圧力導入口17hとの間の通路における弁口17kに形成された弁座17dに接離する弁体8aと、(ロ)弁本体17の前記Pc圧力導入口17hを挟んで弁室18の反対側に形成され、コンプレッサ20の吐出側配管38に連通する、Pd圧力導入口17iと、(ハ)Pd圧力導入口17iとPc圧力導入口17hとの間を連通する弁ガイド17eと、(ニ)弁体8aと一体に形成され、弁ガイド17eの中を上下方向に移動可能な弁軸8bと、(ホ)弁体8aを開弁方向に付勢する付勢手段9と、(ヘ)上本体7の上方に位置し、電磁コイル15の吸引力により上下方向に移動可能であって、上本体7の貫通口7bの中を上下方向に移動可能な連結棒6を介して前記弁体8aを閉弁方向に付勢するプランジャ5と、(ト)弁本体17に穿設され、弁室18と、Pd圧力導入口17iとの間を連通する均圧穴17qと、(チ)弁本体17の前記Pd圧力導入口17iの下方に形成され、コンプレッサ20の吸入側Sに連通する空間17gに配置された圧力応動体(ベローズ)11と、(リ)前記Pd圧力導入口17i内において前記弁軸8bの下面と上端部において点接触し、圧力応動体11と下端部において接触すると共に、前記Pd圧力導入口17iと前記空間17gとの間を連通するガイド穴17f中を移動可能な補正ピン10と、を有している。
【0009】
圧力応動体11は、図5に示される、シリンダ25の吸入圧力Psにより、コンプレッサ20の吐出側から、冷媒通路(吐出圧力供給通路)38に続けて設けたクランクケース21内に連通する冷媒通路の弁体8aの開度を制御するものである。
【0010】
外函2、コイルガイド3、プランジャ5、連結棒6、固定吸引子(上本体)7、電磁コイル15及びプランジャチューブ16が、全体として、電磁アクチュエータを構成しており、この電磁アクチュエータが電磁コイルに供給する電流値により弁体の開度を制御するものとなっている。
【0011】
また、特開平5−99136号公報には、可変容量コンプレッサの電磁式制御弁(以下、「従来技術B」という)が記載されている。この電磁式制御弁は、高圧のコンプレッサ吐出側(Pd)よりクランクケース側(Pc)に通じる冷媒通路に第1の弁を設けると共に、クランクケース側(Pc)よりコンプレッサ吸入側(Ps)に通じる冷媒通路に第2の弁を設けて、PsがPdの影響を直接受けないようにし、吐出ガス(Pd)をクランク室に導入しても吐出容量減少時にPcが過大にならないようしたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術Aの電磁式制御弁においては、吸入圧力(Ps)の設定点を変えることにより、コンプレッサの容量可変点を変える方式がとられている。この方式は、Psの絶対値をとらえるので、圧力応動体(ベローズ)等の密封構造に高い信頼が要求される。そこで、これらの密封構造を形成するためにビーム溶接等が行われているが、かかる密封構造を形成するための手段は、生産コストを高くするという問題があった。
【0013】
また、従来技術A、Bの電磁式制御弁においては、コンプレッサ吸入圧力(Ps)は、負荷条件により、1.5〜4Kgf/m2と大きく変わり、始動時には、10Kgf/m2 近くになることもある。このように負荷が高くなった時に好みの制御をするには、これらの圧力に対向するために大きな電磁力を必要とし、そのためにコイルを大きくしなければならない、という問題があった。
【0014】
さらに、従来の電磁式制御弁においては、大きな圧力変化幅を得るために大きな電磁力を必要とすることや密封構造を形成するための構造がヒステリシスを大きくし、それらのために、精緻な制御ができないという問題があった。
【0015】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、弱い電磁力で精緻な制御が可能な電磁式制御弁を低コストで提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本第1発明は、
上本体と弁本体とで構成される弁室内に配置され、該弁室と該弁室の下方において前記弁本体に形成されたコンプレッサの吐出側配管に通じる吐出圧力(Pd)導入口との間の通路における弁口に形成された弁座に接離する弁体、
前記弁本体の前記Pd導入口を挟んで前記弁室の反対側に形成され、前記コンプレッサのクランク室に連通するクランクケース内圧力(Pc)導入口、
前記Pc導入口と前記Pd導入口との間を連通する弁ガイド、
前記ガイドの中を上下方向に移動可能な弁棒、
前記上本体の上方に位置し、電磁コイルの吸引力により上下方向に移動可能であって、前記上本体の貫通口の中を上下方向に移動可能な連結棒を介して前記弁体を閉弁方向に付勢するプランジャ、
前記弁本体に穿設され、前記弁室と前記Pc導入口との間を連通する内部均圧孔、
コンプレッサ吸入側に連通する吸入圧力(Ps)導入口、
前記弁本体の前記Pc導入口に面するように前記コンプレッサの吸入側に連通する空間に配置された感圧調整機構、及び、
ピストン圧力に対向するピストンばね、を備えた電磁式制御弁において、
前記感圧調整機構を、弁棒の下面に当接するように配置した、ピストンで構成することにより、前記ピストンで前記Pcと前記Psとの差圧を検出し、この差圧により高圧のコンプレッサ吐出側(Pd)よりクランクケース側(Pc)への冷媒の流れを制御する弁体を作動させることを特徴とする。
【0017】
本第2発明は、
第1発明の電磁式制御弁において、ピストンの上面角部を面取りしてその側面をスライド部とする逃し弁とすると共に弁本体下部の上端又は上端近傍にスライド部を設けて、PcとPsとの差圧が一定値を越えたときに、逃し弁が弁棒の下端から離れ、且つ、逃し弁のスライド部が弁本体下部のスライド部から離れて、クランクケース側(Pc)からコンプレッサ吸入側(Ps)に冷媒圧力を開放させる機能を持たせたことを特徴とする。
【0018】
本第3発明は、
第1発明又は第2発明の電磁式制御弁において、該電磁式制御弁に設置した温度センサ及び圧力センサからの検知信号並びに例えば自動車の運転モードの制御装置より送信される外部信号を受けて高圧のコンプレッサ吐出側(Pd)よりクランクケース側(Pc)への冷媒の流れを制御する弁体を電磁力により作動させる、外部制御装置を設けたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本第1発明の一実施形態を示す電磁式制御弁の断面説明図であり、図2は、本第2発明の一実施形態を示す電磁式制御弁の断面説明図であり、図3は、図2における逃し弁が開いた状態を示す断面説明図であり、図4は、本第3発明の一実施形態を示す外部制御装置の概略説明図である。
【0020】
(実施の形態1)
電磁式制御弁が使用される容量可変コンプレッサにおける容量制御機構は、前述のとおり、図5に示されている。図1は、かかる容量制御機構に取り付けられる電磁式制御弁1−1を示している。
【0021】
電磁式制御弁1−1は、制御弁部1a及び電磁比例制御部1bよりなる。弁本体17は、弁本体上部17a、弁本体中間部17b及び弁本体下部17cに分けられている。
【0022】
弁本体上部17aには凹状部が形成され、その上面17jと上本体7の下端部7bとによって弁室18が形成され、また、この弁本体上部17aには、弁座17dが形成されている。
【0023】
さらに、弁本体下部17cにも凹状部が形成されている。そこに、上部に細孔12−1bを有する断面コの字状のピストン12−1aの上部が前記弁本体のPc導入口17hに面するように前記コンプレッサの吸入側に連通するピストン下部空間17gに設けられている。細孔12−1bは、Pcの流体をPsに逃すことで制御の安定性を計るもので、従来の容量制御機構(図5)に設置されている大がかりなオリフイスOよりも簡単な構造でその代用ができるものである。
【0024】
弁本体下部17cの下端部内面には、ばね調整部材14が螺合うれて、前記ピストン下部空間17gが形成されている。そして、前記ピストン12−1aは、付勢手段、即ち、ピストンばね13により前記弁体8の開弁方向に付勢されて、弁棒8bの下面に当接されるように設けられており、また、ばね調整部材14の略中央には、Ps圧力導入口17sが設けられている。
【0025】
弁本体上部17aと弁本体中間部17bとの間には、コンプレッサー20の吐出口Dに通じるPd圧力導入口17iが形成され、弁口17kを介して弁室18に連通している。さらに、弁本体中間部17bと弁本体下部17cとの間には、Pc圧力導入口17hが設けられている。このPc圧力導入口17hは上記弁室18と内部均圧孔17qによって連通している。
【0026】
弁本体下部17cのピストン下部空間(シリンダ室)17gは、Ps導入口17sを介してコンプレッサ20の吸入側Sに通じている。また、弁本体上部17a、中間部17b、下部17cの外周部のそれぞれには密封用Oリング42、43、44の収容環状溝がそれぞれ設けられている。
【0027】
弁室18内には、弁棒8bと一体的に接合された弁体8が連結棒6の下端と接離自在に設けられ、その弁部8aが弁座17dに対向されている。また、弁体8には、その上方に位置する連結棒6を介してガイドピン3bによってガイドされたプランジャ5に作用するコイルの吸引力とプランジャバネ4による付勢力が加えられる。
【0028】
プランジャチューブ16内には、上本体7及びコイルガイド3が溶接にて固定され、外函2内に電磁コイル15がプランジャチューブ16を囲んで設置される。上本体7とコイルガイド3間のプランジャ室19内にはプランジャ5が軸方向に移動可能に設けられ、該プランジャ5には、プランジャ室19におけるプランジャ5の上下空間を連通するための貫通口5bが形成される。
【0029】
さらに、プランジャ5の下方には、上本体7の中心に穿設されたガイド孔7aに上下方向に摺動可能に連結棒6が挿入され、この連結棒6の上端は、ガイドピン3bにガイドされたプランジャ5の下面に当接するとともに、その下端は、弁体8に当接している。
【0030】
コイルガイド3の中央凹陥部3a内において、このコイルガイド3とプランジャ5との間にプランジャバネ4が設けられており、プランジャ5は、プランジャバネ4により弁室18方向に付勢されている。
【0031】
電磁式制御弁1−1は、従来のもの(図6)と同様に、コンプレッサーの取付凹部40内に外函2がヘッド部41の外面に当接するまで挿入される。この状態においてPc圧力導入口17hはPc冷媒通路(図示せず)に連通し、ピストン下部空間(シリンダ室)17gはPs圧力導入口17sを介してPs冷媒通路(図示せず)に連通し、そして、Pd圧力導入口17iはPd冷媒通路(図示せず)に連通する。
【0032】
図5に示すように、可変容量コンプレッサ20は、制御室圧力Pcが吸入側圧力Psに比べて高くなるとウオブル斜板29が立って圧縮行程が短くなるアンロード運転になり、Pc=Ps圧力になるとフルロード運転になる。即ち、圧力制御室Cと吐出側D間を連通させれば、PdがPcに流入してPc>Psの圧力関係となり、圧力制御室Cと吐出側D間を遮断すれば、Pc=Psの圧力関係となるので、圧力制御室Cと吐出側D間に吸入側圧力Psにより冷媒の流量を調整する電磁式制御弁1−1を設けることによりフルロードからフルアンロードまでコンプレッサ20の容量を可変できる。
【0033】
この電磁式制御弁1−1においては、ピストン12−1aによりPcとPsの差圧を検出し、この差圧により高圧側(Pd)より圧力制御室(Pc)への流れを制御する弁が作動することとなる。即ち、電磁力(電流値)を変えることにより、PcとPsとの差が決定され、この差でコンプレッサの斜板角度が変えられ、容量が可変されることとなる。
【0034】
(実施の形態2)
図3に示されているように、Pc圧力逃し機能付き逃し弁(以下、「逃し弁」という)12−2aは、その上面角部が面取りされている。そして、逃し弁12−2aは、上面中央に凹部12−2bを有し、側部にスライド部12−2cを有し、下面にばね受け部12−2dを有している。また、逃し弁12−2aは、弁本体上部17aと弁本体下部17cとの間に形成されたPc圧力導入口17hに面するように前記コンプレッサの吸入側に連通する空間に設けられている。さらに、逃し弁12−2aは、そのスライド部12−2cが弁本体下部17cの上端に形成されたスライド部17c−1と離接するように設けられている。
【0035】
そして、PcとPsとの差圧が一定値を越えたときに、逃し弁12−2aが弁棒8bの下端から離れ、且つ、逃し弁12−2aのスライド部12−2cが弁本体下部17cのスライド部17c−1から離れて、クランクケース側(Pc)からコンプレッサ吸入側(Ps)に冷媒圧力を開放させる。
【0036】
(実施の形態3)
図4は、上記実施形態1、2の電磁式制御弁1−1、1−2の端子部50に外部制御装置60を接続した実施の形態が示されている。この外部制御装置60は、電磁式制御弁1−1、1−2に設置した温度センサ及び圧力センサからの検知信号64、65並びに例えば自動車の運転モードの制御装置より送信される外部信号66をそれぞれコントローラ61のコントローラ設定器67にあらがじめ入力しておいた設定値と比較して得た偏差により、コントローラ61が外部可変弁、即ち、電磁式制御弁1−1、1−2に偏差に比例した電流を送るものとなっている。
【0037】
電磁式制御弁1−1、1−2の電磁部は、電流の大きさにより電磁力を発生し、その力が弁体8の球面部に作用して、冷媒が吐出側(Pd)よりクランクケース内(Pc)へ流出するのを制御する。その結果、電磁式制御弁1−1、1−2の容量可変点を変更することができる。なお、63電源であり、68は、コントローラ表示部である。
【0038】
【発明の効果】
従来技術のように、Psをコントロールする場合には、0〜約4Kgf/cm2 まで可変する必要があるが、本発明のように、PcとPsとの差をコントロールする場合には、PcとPsとの差は、約1Kgf/cm2 で無負荷(フルアンロード)とすることができるので、弱い電磁力で制御可能な電磁式制御弁を提供することができる。また、PcとPsとの差の検出にピストンのように簡単な構造のものを用いることができ、弱い電磁力を用いるので、電磁コイルの小型化が可能となり、コストの低減化、取付省スペース化及び軽量化がはかれる。さらに、Pc−Ps制御方式のものと比較すると、PdとPcとの差圧が2Kgf/cm2 以上あるので、それよりも弁口径を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本第1発明一実施形態を示す電磁式制御弁の断面説明図である。
【図2】本第2発明の一実施形態を示す電磁式制御弁の断面説明図である。
【図3】図2における逃し弁が開いた状態を示す断面説明図である。
【図4】本第3発明の一実施形態を示す外部制御装置の概略説明図である。
【図5】従来の電磁式制御弁が使用される容量可変コンプレッサにおける容量制御機構を示す概略図である。
【図6】従来の電磁式制御弁の無通電時の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1−1、1−2、1−3 電磁式制御弁
5 プランジャ
6 連結棒
7 上本体
7a 固定吸引子の中央凹陥部
8 弁体
8b 弁棒
12−1a ピストン
12−1b 細孔
12−2a (Pc圧力逃し機能付き)逃し弁
12−2b 凹部
12−2c (ピストンの)スライド部
12−2d ばね受け部
13 ピストンばね
15 電磁コイル
16 プランジャチューブ
17 弁本体
17c−1 (弁本体下部の)スライド部
17d 弁座
17e 弁ガイド
17h Pc圧力導入口
17g ピストン下部空間
17i Pd圧力導入口
17k 弁口
17q 内部均圧孔
18 弁室
20 コンプレッサ
21 クランクケース
C クランク室
60 外部制御装置
64 温度センサからの検知信号
65 圧力センサからの検知信号
66 外部信号
Claims (3)
- 上本体と弁本体とで構成される弁室内に配置され、該弁室と該弁室の下方において前記弁本体に形成されたコンプレッサの吐出側配管に通じる吐出圧力(Pd)導入口との間の通路における弁口に形成された弁座に接離する弁体、
前記弁本体の前記Pd導入口を挟んで前記弁室の反対側に形成され、前記コンプレッサのクランク室に連通するクランクケース内圧力(Pc)導入口、
前記Pc導入口と前記Pd導入口との間を連通する弁ガイド、
前記ガイドの中を上下方向に移動可能な弁棒、
前記上本体の上方に位置し、電磁コイルの吸引力により上下方向に移動可能であって、前記上本体の貫通口の中を上下方向に移動可能な連結棒を介して前記弁体を閉弁方向に付勢するプランジャ、
前記弁本体に穿設され、前記弁室と前記Pc導入口との間を連通する内部均圧孔、
コンプレッサ吸入側に連通する吸入圧力(Ps)導入口、
前記弁本体の前記Pc導入口に面するように前記コンプレッサの吸入側に連通する空間に配置された感圧調整機構、及び、
ピストン圧力に対向するピストンばね、を備えた電磁式制御弁において、
前記感圧調整機構を、弁棒の下面に当接するように配置した、ピストンで構成することにより、前記ピストンで前記Pcと前記Psとの差圧を検出し、この差圧により高圧のコンプレッサ吐出側(Pd)よりクランクケース側(Pc)への冷媒の流れを制御する弁体を作動させることを特徴とする電磁式制御弁。 - ピストンの上面角部を面取りしてその側面をスライド部とする逃し弁とすると共に弁本体下部の上端又は上端近傍にスライド部を設けて、PcとPsとの差圧が一定値を越えたときに、逃し弁が弁棒の下端から離れ、且つ、逃し弁のスライド部が弁本体下部のスライド部から離れて、クランクケース側(Pc)からコンプレッサ吸入側(Ps)に冷媒圧力を開放させる機能を持たせたことを特徴とする請求項1記載の電磁式制御弁。
- 電磁式制御弁に、該電磁式制御弁に設置した温度センサ及び圧力センサからの検知信号並びに例えば自動車の運転モードの制御装置より送信される外部信号を受けて高圧のコンプレッサ吐出側(Pd)よりクランクケース側(Pc)への冷媒の流れを制御する弁体を電磁力により作動させる、外部制御装置を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の電磁式制御弁。
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