JP2018024855A - 衣料用洗浄剤組成物 - Google Patents

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佑介 荒木
Yusuke Araki
佑介 荒木
橋本 直也
Naoya Hashimoto
直也 橋本
剛 西本
Takeshi Nishimoto
剛 西本
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Abstract

【課題】 洗濯時の界面活性剤濃度が低濃度の場合においても優れた洗浄効果を発揮することができ、なおかつノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤の併用で皮脂汚れの洗浄性が低下しない衣料用洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 特定の一般式で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)と、特定の一般式で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)と、アニオン界面活性剤(C)とを含有する衣料用洗浄剤組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は衣料用洗浄剤組成物に関する。
近年、深刻化する環境問題に対して地球環境にやさしい製品の開発の重要性が増しており、環境や生態系へ排出される製品については環境や生態系への配慮がよりいっそう必要である。一般家庭から排出される製品としては衣料用洗浄剤が挙げられ、含有される界面活性剤の環境や生態系への悪影響が懸念されている。
従って、洗浄力に優れるだけでなく、洗濯1回あたりの使用量低減効果に優れる界面活性剤が要求されている。
例えば特許文献1と特許文献2は、界面活性剤を高濃度での使用性を向上させる技術であり、製品をコンパクト化することで輸送面において環境に配慮した製品であると言えるが、界面活性剤自体の使用量低減効果については言及されていない。
また特許文献3は、皮脂汚れに対する洗浄性を向上させる技術としてエチレンオキサイドの平均付加モル数が異なるノニオン界面活性剤を併用することを提案している。
ところで、タンパク汚れに対する洗浄性を向上させるためには、一般にアニオン界面活性剤が用いられる。
しかし、皮脂汚れとタンパク汚れではその汚れの性質が異なるため、ノニオン界面活性剤を単独で使用した場合と比較した場合に、これらのノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤を併用すると、タンパク汚れに対する洗浄性は向上するものの皮脂汚れに対する洗浄性が低下するといった課題がある。
従って、アニオン界面活性剤を併用した際も、皮脂汚れの洗浄性が低下しないノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤の組みあわせが求められる。
特開2011−208130号公報 特開2011−042766号公報 特開2014−012785号公報
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、洗濯時の界面活性剤濃度が低濃度の場合においても優れた洗浄効果を発揮することができ、なおかつノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤の併用で皮脂汚れの洗浄性が低下しない衣料用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)と、アニオン界面活性剤(C)とを含有する衣料用洗浄剤組成物である。
−O−(AO)−H (1)
−O−(AO)−H (2)
[一般式(1)及び一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数10〜18のアルキル基であり;AO及びAOは、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり;mはAOの平均付加モル数を表し、9以上25未満の数であり;nはAOの平均付加モル数を表し、25以上50以下の数であり;n−mが10以上の数であり;複数あるAO及びAOは、同一でも異なっていてもよい。]
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、洗濯時の界面活性剤濃度が低濃度の場合においても、優れた洗浄効果を発揮することができ、なおかつノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤の併用で皮脂汚れの洗浄性が低下しないという効果を奏する。
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)と、一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)と、アニオン界面活性剤(C)とを含有する。
−O−(AO)−H (1)
−O−(AO)−H (2)
一般式(1)中のR及び一般式(2)中のRは、それぞれ独立に炭素数10〜18のアルキル基を表し、炭素数12〜14のアルキル基であることが好ましい。
一般式(1)及び(2)において、RとRが炭素数9以下もしくは19以上のアルキル基である場合、皮脂汚れに対する洗浄性が悪化する。
炭素数10〜18のアルキル基としては、直鎖もしくは分岐のアルキル基等が挙げられ、具体的には、n−又はイソデシル基、n−又はイソラウリル基、n−又はイソトリデシル基、n−又はイソミリスチル基、n−又はイソセチル基及びn−又はイソステアリル基等が挙げられる。
一般式(1)中のAO及び一般式(2)中のAOは、それぞれ独立に炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
なお、2〜4のアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基及びブチレンオキシ基等が挙げられる。
また、複数あるAO及びAOは、同一でも異なっていてもよい。
前記のAO及びAOは、エチレンオキシ基の単独使用、又はエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の併用であることが好ましく、エチレンオキシ基の単独使用であることが更に好ましい。
また、AO又はAOを2種以上併用する場合は、ブロック状に結合していてもランダム状に結合していてもよい。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)のmは、AOの平均付加モル数を表し、9以上25未満の数であり、皮脂汚れに対する洗浄率の観点から好ましくは12以上25未満の数である。
一方、一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)のnは、AOの平均付加モル数を表し、25以上50以下の数であって、皮脂汚れに対する洗浄性の観点から好ましくは25以上40以下の数である。
更に、皮脂汚れに対する洗浄性の観点から、n−mは10以上の数であり、好ましくは10〜30の数である。
前記のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び前記のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用しても良い。
前記のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)と前記のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)との重量比率[(A)/(B)]は、皮脂汚れに対する洗浄性の観点から、10/90〜90/10であることが好ましく、更に好ましくは30/70〜70/30である。
本発明の衣料用洗浄剤組成物が含有する前記のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)と前記のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)との合計重量の割合は、皮脂汚れに対する洗浄性の観点から、衣料用洗浄剤組成物の重量を基準として、0.1〜0.01重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.02重量%である。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)は共に、公知の方法により製造することができる。
例えば、炭素数10〜18の高級アルコールに、アルカリ又は酸触媒を加え、窒素雰囲気下にて炭素数2〜4アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキサイド等)を付加して製造することができる。高級アルコールとしては、ヤシアルコール、パームアルコール等の天然由来のアルコール等が挙げられる。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値は、界面張力の調整による皮脂汚れに対する洗浄性向上の観点から12以上15未満であることが好ましく、更に好ましくは13.5以上15未満である。
一方、一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)のHLB値は、界面粘弾性の調整による皮脂汚れに対する洗浄性向上の観点から15以上18未満であることが好ましく、更に好ましくは15.5以上16.5以下である。
ここでHLB値とは、無機性/有機性のバランスを示す尺度であり、HLB値が高いほど無機性が高いことを意味する。本発明におけるHLB値としては、小田法により下記の計算式で算出した値を用いる。
HLB≒10×無機性/有機性
(参考:「界面活性剤入門」2007年 三洋化成工業株式会社発行 P212)
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、タンパク汚れに対する洗浄性の観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)と、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の他に、更にアニオン界面活性剤(C)を含有する。
本発明の衣料用洗浄剤組成物に適したアニオン界面活性剤(C)としては、スルホン酸塩、硫酸塩及びアルキル脂肪酸塩等が挙げられ、タンパク汚れに対する洗浄性の観点から好ましいのは、炭素数10〜100のアニオン界面活性剤であり、更に好ましいのは炭素数10〜25のアニオン界面活性剤である。
スルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びテトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
アルキル脂肪酸塩としてはラウリン酸モノエタノールアミン塩及びラウリン酸ジエタノールアミン塩等が挙げられる。
アニオン界面活性剤(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
本発明の衣料用洗浄剤組成物に含まれるアニオン界面活性剤(C)の、前記の(A)〜(C)の合計重量に基づく重量の比率〔(C)/[(A)+(B)+(C)]〕は、タンパク汚れに対する洗浄性の観点から、0.1〜0.9であることが好ましく、更に好ましくは0.3〜0.6である。
本発明の衣料用洗浄剤組成物が含有する前記のアニオン界面活性剤(C)の重量割合は、タンパク汚れに対する洗浄性の観点から、衣料用洗浄剤組成物の重量を基準として、0.01〜0.001重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.008〜0.002重量%である。
本発明の衣料用洗浄剤組成物の界面粘弾性は、皮脂汚れに対する洗浄性の観点から3.0mN/m以下であることが好ましい。
なお、本出願において、界面粘弾性は、以下の方法で測定することができる。
<界面粘弾性の測定>
界面粘弾性の測定は界面粘弾性測定装置[TECLIS 社製]を使用して、後述の液体皮脂汚れモデルと衣料用洗浄剤組成物との界面粘弾性(mN/m)を測定する。
なお、界面粘弾性を算出する際の液体皮脂汚れモデルと衣料用洗浄剤組成物との比重差は0.108g/cmとし、液滴容量を規則的に変化させる周波数は1.0Hzとする。
<液体皮脂汚れモデルの組成>
オレイン酸:58重量部
トリオレイン:32重量部
流動パラフィン[和光純薬工業(株)製]:5重量部
スクアレン:5重量部
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、性状の違いにより、以下の方法を選択して製造することができる。
具体的に、衣料用洗浄剤組成物の性状が液体状又はペースト状の場合は、撹拌機及び加熱冷却装置を備えた混合槽に、前記のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)と、前記のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)と、前記のアニオン界面活性剤(C)と、更には必要に応じて公知の界面活性剤と、水と、その他の成分とを投入順序に特に制限なく投入し、10〜50℃で均一になるまで撹拌して製造する方法等が挙げられる。
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、優れた皮脂汚れ洗浄性及びタンパク汚れ洗浄性を示すため、特に衣料用洗浄剤として、セルロース繊維、合成繊維、羊毛、絹及びアセテート繊維等を含む編物並びに織物等の洗浄に有用である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1
撹拌気、温度計、圧力計、耐圧滴下ボンベ、減圧及び窒素導入ラインの付いた2Lオートクレーブ中にミリスチルアルコール214部(1モル部)、水酸化カリウム0.4部を加え撹拌を開始し窒素封入し130℃に昇温した後、ゲージ圧−0.1MPaGで1時間脱水した。次いで180℃に昇温し、ゲージ圧0.3MPaG以下でエチレンオキサイド616部(14モル部)を3時間かけて逐次滴下し、同温度で圧平衡になるまで1時間撹拌した。その後60℃に冷却し、酢酸0.4部で中和し、本発明の実施例に用いるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A−1)を得た。
製造例2
製造例1において、ミリスチルアルコールをラウリルアルコール186部(1モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A−2)を得た。
製造例3
製造例1において、滴下するエチレンオキサイドの重量を880部(20モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A−3)を得た。
製造例4
製造例1において、ミリスチルアルコールをラウリルアルコール186部(1モル部)に、滴下するエチレンオキサイドの重量を1320部(30モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B−1)を得た。
製造例5
製造例1において、滴下するエチレンオキサイドの重量を1320部(30モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B−2)を得た。
製造例6
製造例1において、ミリスチルアルコールをラウリルアルコール186部(1モル部)に、滴下するエチレンオキサイドの重量を1188部(27モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B−3)を得た。
比較製造例1
製造例1において、滴下するエチレンオキサイドの重量を220部(5モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A’−1)を得た。
比較製造例2
製造例1において、ミリスチルアルコールをノニルアルコール144部(1モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A’−2)を得た。
比較製造例3
製造例1において、ミリスチルアルコールをエイコシルアルコール299部(1モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A’−3)を得た。
比較製造例4
製造例1において、滴下するエチレンオキサイドの重量を2640部(60モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B’−1)を得た。
比較製造例5
製造例1において、ミリスチルアルコールをノニルアルコール144部(1モル部)に、滴下するエチレンオキサイドの重量を1320部(30モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B’−2)を得た。
比較製造例6
製造例1において、ミリスチルアルコールをエイコシルアルコール299部(1モル部)、滴下するエチレンオキサイドの重量を1320部(30モル部)に変更した以外は製造例1と同様に製造し、比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B’−3)を得た。
上記のようにして得たポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A−1)〜(A−3)、比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A’−1)〜(A’−3)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B−1)〜(B−3)及び比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B’−1)〜(B’−3)の化学組成を表1に示す。
Figure 2018024855
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A−1)〜(A−3)、比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A’−1)〜(A’−3)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B−1)〜(B−3)、比較例用のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B’−1)〜(B’−3)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(C−1)[商品名:テイカパワーLN2450、テイカ(株)製]、アルキル硫酸ナトリウム塩(C−2)[商品名:NIKKOL SLS、日光ケミカルズ(株)製]及び水を表2に記載した配合比(重量部)で配合して衣料用洗浄剤組成物を作成した。
配合した各衣料用洗浄剤組成物について、界面張力と界面粘弾性を測定し、皮脂汚れとタンパク汚れの洗浄試験を行い、性能評価を実施した。
Figure 2018024855
<界面張力の測定>
界面張力の測定は界面張力計[協和界面(株)製]を使用して、下記の配合比率で作成した 液体皮脂汚れモデル用いて、界面張力(mN/m)を測定した。
オレイン酸:58重量部
トリオレイン:32重量部
流動パラフィン[和光純薬工業(株)製]:5重量部
スクアレン:5重量部
なお、界面張力を算出する際の液体皮脂汚れモデルと表2記載の衣料用洗浄剤組成物との比重差は0.108g/cmとする。
下記の判定基準で界面張力を判定した。
○:2.0mN/m未満
△:2.0mN/m以上、5.0mN/m未満
×:5.0mN/m以上
<界面粘弾性の測定>
界面粘弾性の測定は界面粘弾性測定装置[TECLIS 社製]を使用して、上記の液体皮脂汚れモデルと衣料用洗浄剤組成物との界面粘弾性(mN/m)を測定した。
なお、界面粘弾性を算出する際の液体皮脂汚れモデルと表2記載の衣料用洗浄剤組成物との比重差は0.108g/cmとし、液滴容量を規則的に変化させる周波数は1.0Hzとした。
下記の判定基準で界面粘弾性を判定した。
○:3.0mN/m未満
△:5.0mN/m以上、8.0mN/m未満
×:8.0mN/m以上
<洗浄試験>
皮脂汚れに対する洗浄性評価としては湿式人工汚染布[(財)洗濯科学協会製]を、タンパク汚れに対する洗浄性評価としてはEMPA117汚染布[EMPA Testmaterialien社製]を用いた。
(1)衣料用洗浄剤組成物1.0kgに、上記の湿式人工汚染布又はEMPA117汚染布5枚ずつを投入し、ターゴトメーター[(株)大栄科学精器製作所製]を用いて温度25度、回転速度120rpmで10分間撹拌して洗浄する。
(2)洗浄後の汚染布を水1.0kgに投入し、温度25度、回転速度120rpmで1分間撹拌してすすぎ洗いをする。
(3)洗浄済みの布を取り出し、ギヤーオーブン:GPS−222[エスペック(株)製]を用いて50℃で60分間乾燥し、試験布を得る。
(4)分光式色差計:SpectroPhotometer SD5000[日本電色工業(株)製]を使用して、試験布の540nmの反射率を、試験布1枚ごとに表裏1個所ずつ計2個所(試験布5枚で合計10個所)測定する。
(5)合計10個所の反射率の平均値を求め、下記の数式(1)で洗浄率(%)を算出する。洗浄率が高いほど、洗浄性に優れることを示す。
洗浄率(%)=[(R−R)/(R−R)]×100 (1)
なお、式(1)中、Rは清浄布[(財)洗濯科学協会製の清浄布]の反射率、Rは洗浄布[(3)で得た試験布]の反射率、Rは汚染布[(1)の洗浄前の汚染布]の反射率を示す。
皮脂汚れに対する洗浄性と、タンパク汚れに対する洗浄性を、下記の判定基準で、それぞれ判定した。
<皮脂汚れの洗浄性>
○:洗浄率55%以上
△:洗浄率50%以上、55%未満
×:洗浄率50%未満、
<タンパク汚れの洗浄性>
○:洗浄率30%以上
△:洗浄率25%以上、30%未満
×:洗浄率25%未満
本発明の実施例1〜5の衣料用洗浄剤組成物は界面張力と界面粘弾性が優れるため、皮脂汚れにもタンパク汚れにも両方に優れた洗浄性を示す。
一方、ノニオン界面活性剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)のみである比較例1及び比較例6の比較用の衣料用洗浄剤組成物は、界面張力に劣り、皮脂汚れの洗浄性に劣る。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)とポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の併用系であるが、n−mが範囲外である比較例2の比較用の衣料用洗浄剤組成物は、界面粘弾性に劣り、皮脂汚れの洗浄性に劣る。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)とポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の併用系であるが、mが範囲外である比較例3の比較用の衣料用洗浄剤組成物は、界面粘弾性に劣り、皮脂汚れの洗浄性に劣る。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)とポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の併用系であるが、Rの炭素数が10〜18の範囲外である比較例4及び比較例5の比較用の衣料用洗浄剤組成物は、界面張力及び界面粘弾性に劣り、皮脂汚れの洗浄性に劣る。
ノニオン界面活性剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)のみである比較例7及び11の比較用の衣料用洗浄剤組成物は、界面張力に劣り、皮脂汚れの洗浄性に劣る。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)とポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の併用系であるが、nが範囲外である比較例8の比較用の衣料用洗浄剤組成物は、界面張力及び界面粘弾性に劣り、皮脂汚れの洗浄性に劣る。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)とポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の併用系であるが、Rの炭素数が10〜18の範囲外である比較例9及び比較例10の比較用の衣料用洗浄剤組成物は、界面張力及び界面粘弾性に劣り、皮脂汚れの洗浄性に劣る。
一方、アニオン界面活性剤を併用していない比較例12〜14の比較用の衣料用洗浄剤組成物は、皮脂汚れに対しては優れた洗浄性を示すが、タンパク汚れに対する洗浄性に劣る。
本発明の衣料用洗浄剤組成物は、アニオン界面活性剤併用時にも優れた皮脂汚れ洗浄性及びタンパク汚れ洗浄性を示すため、衣料用洗浄剤好適に使用できる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)と、アニオン界面活性剤(C)とを含有する衣料用洗浄剤組成物。
    −O−(AO)−H (1)
    −O−(AO)−H (2)
    [一般式(1)及び一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数10〜18のアルキル基であり;AO及びAOは、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり;mはAOの平均付加モル数を表し、9以上25未満の数であり;nはAOの平均付加モル数を表し、25以上50以下の数であり;n−mが10以上の数であり;複数あるAO及びAOは、同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記(A)と前記(B)との重量比率[(A)/(B)]が、10/90〜90/10である請求項1に記載の衣料用洗浄剤組成物。
  3. 前記mが12以上25未満の数である請求項1又は2に記載の衣料用洗浄剤組成物。
  4. 前記nが25以上40以下の数である請求項1〜3のいずれか1項に記載の衣料用洗浄剤組成物。
  5. 前記n−mが10以上30以下の数である請求項1〜4のいずれか1項に記載の衣料用洗浄剤組成物。
  6. 複数ある前記AOの内、少なくとも1個がエチレンオキシ基であり、かつ複数ある前記AOの内、少なくとも1個がエチレンオキシ基である請求項1〜5のいずれか1項に記載の衣料用洗浄剤組成物。
  7. 前記(A)のHLB値が12以上15未満であり、かつ前記(B)のHLB値が15以上18以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の衣料用洗浄剤組成物。
  8. 前記(C)が、スルホン酸塩、硫酸塩及びアルキル脂肪酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のアニオン界面活性剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の衣料用洗浄剤組成物。
  9. 前記(A)〜(C)の合計重量に対する前記(C)の重量の比率〔(C)/[(A)+(B)+(C)]〕が、0.1〜0.9である請求項1〜8のいずれか1項に記載の衣料用洗浄剤組成物。
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