JP2018024625A - シルクペプチド含有組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】パーキンソン病、憂鬱症、または虚血性脳卒中の脳疾患を改善などの作用が知られているシルクペプチドを含有しながらも、特有の着色性を軽減し、臭いや味の嗜好性を改良する呈味に優れた組成物を提供。【解決手段】シルクペプチドを含有し、さらにでシルクペプチドと大豆由来イソフラボンとの質量比が1:0.05〜1の範囲であるイソフラボン及びリン脂質を含有する組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、シルクペプチド、イソフラボン及びリン脂質を含有する組成物に関する。
蚕の繭から得られるシルク(絹)のタンパク質を加水分解したシルクペプチドは、例えば、特許文献1によりパーキンソン病、憂鬱症、または虚血性脳卒中の脳疾患を改善などの作用が知られており、様々な食品に添加して使用されている。しかしながら、シルクペプチドの臭いや味は好ましいものではなく、これまでにも、その呈味改善が試みられている。
例えば、特許文献2には、シルク繊維由来のシルクペプチドの製造工程において、シルクペプチド取得物にトレハロースを添加して噴霧乾燥して乾燥粉末することにより、シルクペプチドの吸湿性を改質し、ペプチド類特有の着色性を軽減し、臭いや味の嗜好性を改良する方法が記載されている。
上記のように、シルクペプチドの製造工程において、シルクペプチドの吸湿性を改質することによる呈味改善の検討が行われているが、シルクペプチドを配合した組成物における呈味改善については検討が十分になされたとは言えない。
特開2012−040010号公報 特開2002−187900号公報
本発明はかかる事情に鑑みて開発されたものであり、シルクペプチドを含有しながらも、呈味に優れた組成物を提供することを目的とする。更に本発明は、美味しく摂取できることによって積極的に長期間摂取することができる組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、シルクペプチドを含有する組成物の、呈味を改善する方法について鋭意研究したところ、シルクペプチド、イソフラボン及びリン脂質を含有する組成物が、格別に呈味に優れることを見出した。本発明は、かかる成功例に基づき、完成された発明である。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
[1]シルクペプチド、イソフラボン及びリン脂質とを含有することを特徴とする組成物。
[2]イソフラボンが大豆由来であることを特徴とする[1]に記載の組成物。
[3]シルクペプチドとイソフラボンとの質量比が1:0.05〜1であることを特徴とする[1]又は[2]のいずれかに記載の組成物。
[4]水溶液の25℃においてオストワルド法で測定した粘度が、純水の粘度を0.6mm/sとしたとき0.001mm/s〜0.55mm/sであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]さらに、キャベツ抽出物を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載の組成物。
[6]イソフラボンとリン脂質とを含有するシルクペプチドの呈味改善剤。
[7]イソフラボンが大豆由来であることを特徴とする[6]に記載の呈味改善剤。
[8]さらに、キャベツ抽出物を含有することを特徴とする[6]または[7]に記載の呈味改善剤。
[9]イソフラボンとリン脂質とを添加するシルクペプチドの呈味改善方法。
[10]イソフラボンが大豆由来であることを特徴とする[9]に記載の呈味改善方法。
[11]さらに、キャベツ抽出物を添加することを特徴とする[9]または[10]に記載の呈味改善方法。
本発明の組成物は、シルクペプチドを含有しながらも、呈味に優れていることから、シルクペプチドを手軽に摂取するために適したものである。さらに、本発明の組成物には、イソフラボンとリン脂質が含まれるため、抗酸化、抗肥満、骨粗しょう症の予防などの複数の効果を期待できる。
図1は、配合によるシルクペプチド含有組成物の呈味改善についての比較例及び実施例における官能試験の結果を示すグラフである。 図2は、粘度によるシルクペプチド含有組成物の呈味改善についての比較例及び実施例における官能試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の組成物は、(A)シルクペプチド、(B)イソフラボン及び(C)リン脂質を含有する。以下、これらの成分についてそれぞれ説明する。
(A)シルクペプチド
シルクペプチドは、上述の通り蚕の繭から得られるシルクのタンパク質を加水分解したものである。シルクのタンパク質としては、フィブロインとセリシンが知られているが、本発明のシルクペプチドは、フィブロインとセリシンの両方を含むシルクを加水分解したものでもよく、どちらか一方のタンパク質を精製した後に加水分解したものでもよい。
シルクを加水分解する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、タンパク質分解酵素を用いて加水分解する方法や、酸、アルカリ、中性塩、界面活性剤などの化学薬品を用いて加水分解する方法が挙げられる。シルクペプチドの平均分子量は特に限定されないが、生理活性の強さという観点から、平均分子量は100〜10万であることが好ましく、500〜1万であることがより好ましい。本発明のシルクペプチドとしては、市販のものを用いてもよく、シルクを加水分解して調整したものを用いてもよい。
(B)イソフラボン
イソフラボンは、マメ科植物、特に大豆に多く含まれるポリフェノールである。本発明のイソフラボンは、イソフラボンの配糖体やイソフラボンのアグリコン、及びそれらの塩などのイソフラボン誘導体を含む。イソフラボンとしては、例えば、ダイゼイン、ダイジン、ゲニステイン、ゲニスチンなどが挙げられる。本発明のイソフラボンは、植物に含まれるもの、植物から単離されたもの、合成されたもののいずれであってもよいが、十分な食経験があり、安全性が高いことから、大豆に含まれるイソフラボンが特に好ましい。
なお、イソフラボンは臭いや味も、好ましいものではないことが知られている。例えば、特開2003−183166には、β−サイクロデキストリンまたはγ−サイクロデキストリンの少なくとも一方と併用することで、ダイゼインやゲニステインなどのイソフラボン誘導体の苦味、渋味、収斂味を抑制する方法が記載されている。
(C)リン脂質
リン脂質は、リン酸エステルの構造を持つ脂質の総称であり、卵、肉、魚、一部の植物などに多く含まれている。リン脂質としては、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン(セファリン)、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリンなどが挙げられる。リン脂質としては、動植物に含まれるものや、合成されたものを用いることができる。
本発明の組成物は、さらに(D)キャベツ抽出物を含有してもよい。
キャベツ抽出物は、特に限定されないが、例えばキャベツの粉砕物のスラリーから遠心分離や濾過などの通常知られている固液分離手段を用いて固形物(残渣)を除いた液体成分であってもよいし、キャベツを細切し食塩や砂糖などを添加して浸透圧により得られる液体から、遠心分離や濾過などの通常知られている固液分離手段を用いて固形物(残渣)を除いた液体成分であってもよいし、通常知られている植物体を用いた溶媒抽出手段により得ることができる液体成分であってもよいし、キャベツ粉砕物のスラリーを発酵させ、遠心分離や濾過などの通常知られている固液分離手段を用いて固形物(残渣)を除いた発酵物(キャベツ発酵物)であってもよいし、前記手段などで得られる各液体成分の発酵物(キャベツ発酵物)であってもよい。キャベツ抽出物を得る際に使用する溶媒としては、例えば、水、熱水、有機溶媒、含水有機溶媒などが挙げられる。キャベツ抽出物は、例えば、水分や溶媒を除去するなどのために、液体成分を減圧濃縮や凍結乾燥などの濃縮や乾燥などに供したものであってもよい。
キャベツ発酵物は、キャベツを有用菌により発酵させてキャベツ発酵物とすることができ、シルクペプチドに対する呈味改善作用を奏することと合わせて、発酵物の栄養成分を摂取できることから、本発明では発酵を行っていないキャベツの液体成分よりも好ましく使用される。有用菌としては、特に限定されないが、例えば乳酸菌、酵母菌、麹菌、納豆菌などの有用菌を用いることができる。また、これらの有用菌は、単独でキャベツの発酵に用いてもよいし、複数の有用菌を同時に添加して発酵に用いてもよいし、段階的に異なる有用菌を添加して発酵に用いてもよい。キャベツを発酵させる方法には、例えば、キャベツに有用菌を添加して発酵する方法、有用菌を添加せず、キャベツに付着している有用菌を利用する方法などがあるが、本発明においてはそれらに限定されない。
本発明の発酵キャベツは、キャベツとその他の原料を同時に発酵させたものであってもよい。キャベツは通常知られている通りのアブラナ科に属する一年生又は越年生草本であるキャベツ(Brassica Oleracea L.)であれば特に限定されない。
シルクペプチドの含有質量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、本発明の組成物(飲料の形態ならば、溶媒を留去した固体成分)のうち、下限値としては0.005%以上が好ましく、0.01%以上がより好ましく、0.05%以上がさらに好ましく、上限値としては、50%以下が好ましく、45%以下がより好ましく、40%以下がさらに好ましい。
なお、本明細書で「溶媒を留去する」とは、飲料中の気体成分及び液体成分を取り除いて乾燥させ、固体成分だけの状態にすることをいう。溶媒を留去する方法としては従来公知の方法を用いることができる。そのような方法としては、例えば、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去する方法が挙げられる。
イソフラボンの含有質量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、本発明の組成物(飲料の形態ならば、溶媒を留去した固体成分)のうち、下限値としては0.001%以上が好ましく、0.005%以上がより好ましく、0.01%以上がさらに好ましく、上限値としては、40%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
また、シルクペプチドとイソフラボンの含有質量の比は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、シルクペプチドの含有質量を1としたときのイソフラボンの含有質量の下限値としては0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上がさらに好ましく、上限値としては、50以下が好ましく、10以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。
リン脂質の含有質量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、本発明の組成物(飲料の形態ならば、溶媒を留去した固体成分)のうち、下限値としては0.001%以上が好ましく、0.005%以上がより好ましく、0.01%以上がさらに好ましく、上限値としては、40%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
また、シルクペプチドとリン脂質の含有質量の比は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、シルクペプチドの含有質量を1としたときのリン脂質の含有質量の下限値としては0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上がさらに好ましく、上限値としては、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。
キャベツ抽出物の含有質量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、本発明の組成物(飲料の形態ならば、溶媒を留去した固体成分)のうち、下限値としては0.0001%以上が好ましく、0.0005%以上がより好ましく、0.001%以上がさらに好ましく、上限値としては、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。
また、シルクペプチドとキャベツ抽出物の含有質量の比は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、シルクペプチドの含有質量を1としたときのキャベツ抽出物の含有質量の下限値としては0.001以上が好ましく、0.003以上がより好ましく、0.005以上がさらに好ましく、上限値としては、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。
本発明の組成物は、風味や色合いを向上させる目的や、種々の目的に応じて、シルクペプチド、イソフラボン、リン脂質及びキャベツ抽出物以外のその他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。その他の成分は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば特に限定されず、組成物の剤形や品質などに応じて適宜選択することができ、例えば、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、添加剤などを挙げることができる。
例えば、本発明の組成物に、ビタミン、ミネラル、ローヤルゼリーなどを含有させて、本発明の組成物に栄養補助としての機能を付与するようにしてもよい。また、本発明の組成物の味を整えることを目的として、糖液や調味料を含有させてもよい。その他の成分の使用量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されず、適宜調整される。
本発明の組成物の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。本発明の組成物の形態としては、例えば、飲食などの経口摂取に適した形態、具体的には粉末状、粒状、細粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。これらの形態の中でも、粉末状、粒状、細粒状、顆粒状、液状であることが好ましく、摂取しやすいことから、粉末状であることがより好ましく、粉末状組成物を水や乳などの液体中に分散又は溶解することにより液状とすることが特に好ましい。
本発明の組成物を粉末として用いる場合は、必要な時に調製でき、摂取しやすいことから、粉末飲料用組成物とすることが好ましい。なお、粉末飲料用組成物とは、組成物中の粉末状成分を水や乳などの液体中に分散又は溶解することにより液状物として摂取する形態のものをいう。
本発明の組成物を粉末飲料の形態として用いる場合は、例えば、水、湯、牛乳などの任意の液体に分散又は溶解させ、液状物を摂取する飲料や、粉末飲料をペットボトル、カン、ビン、紙パックなどにあらかじめ液状物として封入された容器詰飲料が挙げられる。これらの形態の中でも、場所を取らずに長期間保存でき、必要な時に調製できることから、粉末飲料であることが好ましい。
本発明の組成物の摂取量は、1回摂取量及び1日摂取量ともに特に限定されない。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、使用態様に応じて当業者に知られる一般的な製造方法に準じて製造され得る。例えば、顆粒状の粉末飲料については、シルクペプチド、イソフラボン及びリン脂質から選ばれる1種以上と、上記のその他の成分とを同時又は数段階に分けて混和したものを、流動層造粒法、攪拌造粒法、押出造粒法などの造粒方法にしたがって造粒して顆粒状とすることができる。
本発明の組成物の包装形態は特に限定されず、使用態様に応じて適宜選択できるが、例えば、粉末飲料の包装形態としては、アルミパウチや紙袋などが挙げられる。これらの粉末飲料の包装形態は、1包に1回分が包装されていてもよく、1包に複数回分が包装されていてもよい。
本発明の組成物は、後述する実施例において例証されるとおり、シルクペプチドのみを含有するものと比べて、呈味が改善され、摂取しやすいものである。したがって、本発明の組成物は、シルクペプチドの持つアンチエイジングなどの美容作用、抗肥満などのダイエット作用や免疫賦活作用などを利用しようとする使用者に対して、格別顕著に有用なものである。
また、本発明の組成物は、シルクペプチドと組み合わせられるイソフラボン、リン脂質などを同時に摂取することができるものであることから、これらの成分に基づく副次的な効果を奏し、使用者の健康維持に資する。
本発明の組成物は、生体に対して一定の機能性を有する飲食品である機能性飲食品の形態又は機能性飲食品に配合されるものとすることができる。機能性飲食品は、例えば、特定保健用飲食品、機能性表示飲食品、栄養機能飲食品、保健機能飲食品、特別用途飲食品、栄養補助飲食品、健康補助飲食品、サプリメント、美容飲食品などのいわゆる健康飲食品;乳児用飲食品、妊産婦用飲食品、高齢者用飲食品などの特定者用飲食品を包含する。さらに機能性飲食品は、コーデックス(FAO/WHO合同食品規格委員会)の食品規格に基づく健康強調表示(Health claim)が適用される健康飲食品を包含する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
[製造例1]
表1に示す配合に従って、シルクペプチド(市販されているシルクプロテインの加水分解物(分子量300〜5,000、平均分子量 約1,000))、イソフラボン(市販されている大豆由来イソフラボン)、リン脂質(市販されている大豆由来レシチン)、キャベツ抽出物(市販されているキャベツ抽出物の乳酸菌発酵物の乾燥粉末(東洋新薬製))、賦形剤(市販されているデキストリン)をよく混合し、実施例1〜6および比較例1〜5の粉末飲料を作製した。
Figure 2018024625
[試験例1 シルクペプチド含有粉末飲料の官能試験:配合によるシルクペプチド含有組成物の呈味改善]
(被験試料)
官能試験には、上記表1に示す実施例1〜6、比較例1〜5及び参考例1の計12種のサンプルを用いた。
(試験方法)
上記12種のサンプル1.5gを、プラスチック製のコップに移し、それぞれに100mLの水を注いでよくかき混ぜた。それら12種の粉末飲料を男女計6名がそれぞれ摂取し、香りのよさ、苦味のなさ、歯のざらつきのなさ、飲みやすさ、舌触りのよさ、のどごしのよさ、後味のよさ及び総合評価の項目を評価した。評価方法は、全ての項目において参考例1の賦形剤単独の粉末飲料を基準の「0点」とし、各項目を−5点から5点の11段階で相対的に評価した。評価点数は、参考例1を基準として、「5点 非常に好ましい」「4点 かなり好ましい」「3点 好ましい」「2点 やや好ましい」「1点 どちらかと言えば好ましい」「0点 普通」「−1点 どちらかというと好ましくない」「−2点 やや好ましくない」「−3点 好ましくない」「−4点 かなり好ましくない」「−5点 非常に好ましくない」とした。
(試験結果)
各サンプルのそれぞれの項目の被験者の平均点数を図1に示す。
図1に示すように、シルクペプチド、イソフラボン及びリン脂質を含有する実施例1〜5は、えぐ味のなさ、苦みのなさ、飲みやすさ、舌触りの良さ、のどごしの良さ、後味の良さ、及び総合評価の全ての項目において、いずれかを含まない比較例1〜5の飲料と比較して、顕著に高い評価を得た。
実施例1〜5を比較すると、シルクペプチドの含有質量を1としたときに、イソフラボンの含有質量を0.01〜1.5とすると、えぐ味のなさ、苦みのなさ、飲みやすさ、舌触りの良さ、のどごしの良さ、後味の良さ、及び総合評価の全ての項目において、いずれかを含まない比較例1〜5の飲料と比較して、顕著に高い評価を得た。また、シルクペプチドの含有質量を1としたときに、イソフラボンの含有質量を0.05〜1.0とした実施例2〜4は、実施例1又は5よりも、全ての項目においてより高い評価を得た。さらに、シルクペプチドの含有質量を1としたときに、イソフラボンの含有質量を0.25とした実施例3は、実施例1、2、4及び5よりも、全ての項目において最も高い評価を得た。このことから、本発明の粉末飲料は、シルクペプチドの含有質量を1としたときに、イソフラボンの含有質量が0.01〜1.5が好ましく、0.05〜1.0であることがより好ましく、0.25であることが最も好ましいことが分かった。
さらに、実施例の中でも、シルクペプチド、イソフラボン及びリン脂質を含有し、さらにキャベツ抽出物を含有する実施例6は、えぐ味のなさ、苦みのなさ、飲みやすさ、舌触りの良さ、のどごしの良さ、後味の良さ、及び総合評価の全ての項目において、キャベツ抽出物を含まない実施例1〜5の飲料と比較しても、格別に高い評価を得た。よって、本発明の粉末飲料は、シルクペプチド、イソフラボン及びリン脂質を含有し、さらにキャベツ抽出物を含むことによってシルクペチドの呈味を改善することができ、また味が好ましい粉末飲料を得ることが出来ることが分かった。
[製造例2]
表2に示す配合に従って、サンプル1.5gを100mlの水に溶かした際の粘度を、増粘剤(市販されているデキストリン)を用いて調整したこと以外は、製造例1と同様に実施例7〜10の粉末飲料を作製した。
(粘度の測定方法)
本発明における粘度は、オストワルド法によって測定した。
粘度は、オストワルド粘度計の球の容量をV(mL)、毛細管の内径をR(mm)、球状部分を被験液が流れるのにかかる時間をS(s)として、以下の計算式で求められる。
なお、測定に用いる被験液は5mLであり、被験液の温度は25℃である。
粘度(mm/s)=V/RS
(粘度の値が小さいほど、粘り気のある液体である)
本発明の実施例における液体の粘度の測定には、柴田化学製のオストワルド粘度計(V=3mL、R=1.25mm)を用いた。
表2にはオストワルド法によって測定した粘度も同時に記載している。
Figure 2018024625
[試験例2 シルクペプチド含有粉末飲料の官能試験:粘度によるシルクペプチド含有組成物の呈味改善]
(被験試料)
官能試験には、上記表1に示す実施例3と上記表2に示す及び実施例7〜10の計5種のサンプルを用いた。
(試験方法)
上記5種のサンプル1.5gを、試験例1と同様にプラスチック製のコップに移し、それぞれに100mLの水を注いでよくかき混ぜた。それら5種の粉末飲料を男女計6名がそれぞれ摂取し、試験例1と同様に評価を行った。評価方法は、増粘剤を配合しない実施例3を基準の「0点」としたこと以外は、試験例1と同様に評価した。
(試験結果)
各サンプルのそれぞれの項目の被験者の平均点数を図2に示す。
図2に示すように、シルクペプチド、イソフラボン及びリン脂質を含有し、粘度が0.08〜0.024mm/sの実施例7〜9は、えぐ味のなさ、苦みのなさ、飲みやすさ、舌触りの良さ、のどごしの良さ、後味の良さ、及び総合評価の全ての項目において、粘度が0.46mm/sである実施例3の飲料と比較して、高い評価を得た。また、粘度が0.011mm/sである実施例10は、えぐ味のなさ、苦みのなさ、舌触りの良さ、後味の良さ、及び総合評価の項目において、粘度が0.46mm/sである実施例3の飲料と比較して、やや高い評価を得ており、のみやすさでも同程度の評価を得たが、のどごしが劣る評価を得た。さらに、実施例7〜10の中でも、粘度が0.08〜0.024mm/sである実施例7〜9は、粘度が0.011mm/sである実施例10や粘度が0.46mm/sである実施例3の飲料と比較しても、全ての項目において、顕著な高い評価を得た。また、粘度が0.04mm/sである実施例8はその他の実施例よりも全ての項目において、特に顕著な高い効果を得た。このことから、本発明の粉末飲料は水に溶かした場合の粘度が0.08〜0.011mm/sであることが好ましく、さらに0.08〜0.024mm/sであることがさらに好ましく、0.04mm/sであることが特に好ましいことが分かった。
本発明の組成物は、シルクペプチドを含有しながらも、呈味に優れているため、シルクペプチドを手軽に、かつ継続的に摂取することができるため、シルクペプチドが持つアンチエイジングなどの美容作用、抗肥満などのダイエット作用や免疫賦活作用などを効果的に利用することができる。したがって、本発明の組成物は、日常的な飲食に適した飲食品、例えば、一般飲食品、特定保健用飲食品、機能性表示飲食品、栄養機能飲食品、保健機能飲食品、特別用途飲食品、栄養補助飲食品、健康補助飲食品、サプリメント、美容飲食品、その他の健康飲食品として利用できる。

Claims (5)

  1. シルクペプチド、イソフラボン及びリン脂質とを含有することを特徴とする組成物。
  2. イソフラボンが大豆由来であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. シルクペプチドとイソフラボンとの質量比が1:0.05〜1であることを特徴とする請求項1〜又は2のいずれか一項に記載の組成物。
  4. 水溶液の25℃においてオストワルド法で測定した粘度が、純水の粘度を0.6mm/sとしたとき0.001mm/s〜0.55mm/sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. さらに、キャベツ抽出物を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組成物。
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