JP2018022744A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射電界強度の周波数特性を柔軟に変更可能にすることで特定周波数帯における放射エミッションノイズを低減できるようにした電子機器を提供する。【解決手段】基板2がある周波数で動作する集積回路3を基板面に搭載している。筐体5が基板2の面方向の所定位置で導電接続する主スペーサ6〜9を備えている。磁性体11、12が、基板2と筐体5との間の少なくとも一部で且つ集積回路3と主スペーサ6〜9との間に配置されている。補助スペーサ10が、集積回路3と磁性体12との間に配置され、基板2と筐体5とを導電するように接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品を搭載した電子機器に関する。
この種の電子機器は、例えばクロック信号により動作する集積回路などの電子部品を搭載して構成されている。この種の電子部品は動作すると発熱するため、この熱による暴走等を防ぐため当該熱を放熱する放熱構造を設けている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1記載の技術によれば、カバー部材にチップ押さえ部を設けており、チップ押さえ部を介して放熱シートをICチップに押圧している。このチップ押さえ部は、カバー部材に一端が固着されてカバー部材から接離する方向に弾性変形する弾性片部を備えている。また、チップ押さえ部は、弾性片部の他端側に連接され放熱シートに当接する当接片部を備えている。
他方、電子部品が、例えばクロック信号により動作すると、この動作周波数の基本波及びその高調波を電磁波として放射する。このため、一般的には導電性部材となる電磁シールドを用いて不要輻射を低減している。前述の特許文献1記載の技術によれば、チップ押さえ部は、当接片部の先端部を延設し、この延設部にグランドパターンに当接させており、これによりチップ押さえ部からの不要輻射を低減している。
特許5530517号公報
発明者は、電子部品のシールドと当該電子部品を搭載する基板との接触位置に応じて、電子機器により放射される放射電界強度の周波数特性が変化することを突き止めている。例えば、このような状況を考慮することなく、電子部品の動作周波数の基本波又は高調波の周波数が放射電界強度の共振特性に合致してしまうと、シールド効果が薄れてしまい好ましくない。特許文献1記載の技術では、このような課題を想定しておらず、当該特許文献1記載の技術を考慮しても不要輻射の低減効果が不十分となる。
本発明の開示の目的は、特定周波数帯における放射エミッションノイズを低減できるようにした電子機器を提供することにある。
請求項1記載の発明によれば、基板がある周波数で動作する電子部品を基板面に搭載しているが、導電性の筐体が基板の面方向の所定位置で導電して接続する第1接続部を備えている。このとき、磁性体が基板と筐体との間の少なくとも一部で且つ電子部品と第1接続部との間に配置されており、第2接続部が電子部品と磁性体との間に配置され基板と筐体とを導電するように接続されている。例えば磁性体が設けられることでノイズ伝播量を低減でき第2接続部が設けられることで共振特性を高周波数化できる。したがって、電子部品の動作周波数の基本信号又は高調波の周波数が放射電界強度の共振周波数に極力合致しないように放射電界強度の周波数特性を柔軟に変更できる。したがって、電子部品が動作する基本周波数及び高調波における放射電界強度レベルを低減できるようになり、放射エミッションノイズを低減できる。また、この逆に、外来電磁ノイズの入射を極力低減できる。
第1実施形態にかかる電子装置の内部構造を模式的に示す(a)縦断面図、(b)平面図 (a)〜(f)はシミュレーション条件を示す説明図 図2の構成に対応して示すシミュレーション結果 第2実施形態にかかる電子装置の内部構造を示す(a)縦断面図、(b)平面図 (a)〜(c)はシミュレーション条件を示す説明図 図5の構成に対応して示すシミュレーション結果 第3実施形態にかかる電子装置の内部構造を分解して模式的に示す分解斜視図 (a)は電子装置の内部構造を示す平面図、(b)はガスケットの外観を示す斜視図 電子装置の内部構造を示す縦断面図 ガスケットの内部構造を拡大して示す縦断面図 第4実施形態にかかる導電性材料及び磁性体の様々な設置形態を示す縦断面図 第5実施形態にかかる電子装置の内部構造を模式的に示す(a)平面図、(b)部品の内部構造の縦断面図 (a)〜(c)はシミュレーション条件を示す説明図 図13の構成に対応して示すシミュレーション結果 第6実施形態にかかる電子装置の内部構造を分解して示す分解斜視図(その1) 電子装置の内部構造を分解して示す分解斜視図(その2) 第7実施形態にかかる電子装置の内部構造を模式的に示す(a)縦断面図、(b)平面図 (a)〜(d)はシミュレーション条件を示す説明図 図18の構成に対応して示すシミュレーション結果
以下、電子装置の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する各実施形態において、同一又は類似の動作を行う構成については、同一又は類似の符号を付して必要に応じて説明を省略する。なお、下記の実施形態において同一又は類似する構成には、符号の十の位と一の位とに同一符号を付して説明を行っている。
(第1実施形態)
図1から図3は第1実施形態の説明図を示している。図1(a)は電子装置1の内部構造の縦断面を概略的に示し、図1(b)は図1(a)に示すIb−Ib線から下方を見た平面図を概略的に示している。以下では、基板2の部品搭載面となる基板面方向をXY方向、これに交差(例えば直交)する方向をZ方向として説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、電子装置1は、基板2、集積回路(IC)3、放熱用のゲル4、筐体5、補助スペーサ10、磁性体11及び12、を主として構成される。基板2は、例えばプリント配線基板により構成され、当該基板2の部品搭載面(基板面相当)には集積回路3が搭載されている。この集積回路3は、例えばマイクロコンピュータ又はメモリなど、ある周波数帯で動作する電子部品として構成される。
なお、説明の簡単化のため、図1には集積回路3だけを図示して説明するが、集積回路3に代えてメモリを用いても良く、基板2にはその他に電子部品が搭載されていても良い。基板2には、少なくともXY方向平面隅部(角部相当)に等電位面となるグランド面2aが設けられている。また、筐体5が基板2を覆うように設けられる。この筐体5は、導電性の主スペーサ6〜9と、この主スペーサ6〜9に電気的に導通接続され平板状で且つ金属製のシールド板13と、このシールド板13に一体に構成された導電性(例えば金属製)、伝熱性の突起部14と、を備える。
突起部14は、XY平面上では集積回路3の搭載領域と同一領域に設けられ、主に集積回路3が発熱する熱の放熱用に設けられ伝熱部として構成される。突起部14のZ方向高さは例えば数mmに構成されている。突起部14と集積回路3のパッケージ面との間には放熱用のゲル4が塗布されている。ゲル4は粘着状、ペースト状に構成される。突起部14と集積回路3のパッケージとはゲル4を介在して熱的に接続され、これにより突起部14と集積回路3との間の伝熱性を高めている。ゲル4のZ方向塗布高さは数mmとなっており、集積回路3の高さと同等の高さになっている。
集積回路3のパッケージは樹脂により構成され、その内部にはICチップが埋設されている。基板2とシールド板13とはZ方向に対向して配置され、さらにICチップや金属配線がこれらの間に配置されているため、これらの基板2と、集積回路3のICチップ及び金属配線と、シールド板13との間には寄生容量を生じる。また、ゲル4は放熱性を高めるため比誘電率の比較的高い材料を用いており、この結果、高い寄生容量成分を備える。これらの合成寄生容量は、前述したサイズで構成した場合、シミュレーション上で数十pF程度と得られている。
複数の主スペーサ6〜9は、その少なくとも一部の主スペーサ(例えば6、7…)が第1接続部を構成する。この主スペーサ6〜9はそれぞれ例えば円柱状に構成されている。基板2のXY平面寸法とシールド板13のXY平面寸法とは同じ寸法であり、これらは例えば数百mm×数百mmに構成され、XY平面上に重ねられるように配置されている。
複数の主スペーサ6〜9は、それぞれ、その一端がシールド板13の角部13aに電気的に導通するように固着されている。複数の主スペーサ6〜9の他端は、例えば基板2の所定位置のグランド面2aに接触するように配置されている。これにより基板2のグランド面2aとシールド板13とはDCを含む低周波領域にて等電位となる。なお、主スペーサ6〜9は、シールド板13に一体構成されていても良く、また、基板2と一体に構成されていても良い。
またZ方向断面では、磁性体11、12が、基板2の部品搭載面とシールド板13との間に別部材で配置されている。この磁性体11、12は、例えばフェライト、アルファモス、パーマロイなどの材料により構成され、基板2とシールド板13とに覆われるように配置される。この磁性体11は基板2の部品搭載面に例えば接着剤を用いて固着され、磁性体12は筐体5のシールド板13に例えば接着剤を用いて固着されている。
また図1(b)のXY平面に示すように、磁性体11、12は例えば集積回路3の搭載領域を囲うように矩形枠状に構成されており、この結果、集積回路3と主スペーサ6〜9との間に配置されていることになる。磁性体11及び12は、XY平面上では同一領域に配置され、筐体5の寄生インダクタンス成分を増加させるために配置される。この磁性体11、12を配置することで伝播ノイズ量を低減できることが把握されている。
さらに、図1(a)のZ方向断面に示すように、導電性の補助スペーサ10が基板2とシールド板13との間に配置されている。この補助スペーサ10は、XY方向において集積回路3と磁性体11、12との間に配置されている。この補助スペーサ10は、主スペーサ6〜9とは別体に構成され、基板2のグランド面2aとシールド板13との間を導電するように配置される。補助スペーサ10は例えば円柱状に構成され、主スペーサ6〜9と同一高さに構成されている。
図1(b)に示すXY平面の平面図を参照すれば明らかなように、集積回路3と補助スペーサ10との間には、磁性体11や12と同様な磁性体は配置されていない。この補助スペーサ10を配置することで伝播ノイズを低減できると共に、伝導信号の伝播経路を短縮することで共振周波数を高周波数化できることが把握されている。
前述構成の技術的意義についてさらに詳細に説明する。集積回路3が、ある周波数で動作すると前述の周波数の基本波又はこの基本波の高次高調波が基板2に伝播する。集積回路3が動作する基本周波数が比較的高い場合や、その高次高調波の周波数領域(例えば数百MHz)では、基板2に存在する線路長による誘導性や基板2とシールド板13との対向領域に存在する寄生容量の存在が無視できない。このような周波数帯では、この影響が顕著に表れることになり、これにより、基板2、シールド板13、その他の要素をアンテナとし、放射エミッションノイズとして不要な電波を輻射する。
発明者は、この影響を観察するため様々なシミュレーションを行うことで、前述の構成が従来技術に比較して放射電界強度の特性を柔軟に変更可能になることを突き止め、集積回路3の動作周波数に合わせて適宜特性を変更することで、放射エミッションノイズを低減できることを突き止めた。
図2は筐体5における磁性体12と補助スペーサ10との配置関係の違いに基づくシミュレーション条件を斜視図により示しており、図3はこれらのシミュレーション条件に基づいて算出された放射電界強度を示している。なお、磁性体12にはフェライトを用いており、シールド板13側の磁性体12を配置すると共に基板2側の磁性体11を考慮せずにシミュレーションを行っている。なお図示していないが、図2(a)〜図2(f)においては、図1(a)に示す基板2に相当する構成を、主スペーサ6〜9のZ方向上に接続するように配置した条件を用いている。
ここで図2(a)の構造条件は、磁性体12及び補助スペーサ10を配置していないノーマル条件を示す。また、図2(b)の構造条件は、集積回路3のXY平面配置領域の周囲から主スペーサ6〜9にかけて内方から外方に矩形枠状に全面に磁性体112を設けた条件、図2(c)の構造条件は集積回路3のXY平面配置領域の周囲から主スペーサ6〜9にかけての外方の一部に矩形枠状に磁性体12を設けた条件、を示している。
また、図2(d)の構造条件は、集積回路3のXY平面配置領域の周囲から離間して一部の主スペーサ7との間に補助スペーサ10を設けると共に磁性体12を設けない場合、図2(e)の構造条件は、図2(d)の構造条件に比較して、補助スペーサ10のXY方向周囲に磁性体212を設けた場合、図2(f)の構造条件は図2(d)の構造条件に比較して、補助スペーサ10と主スペーサ6〜9との間に磁性体12を矩形枠状に設けた場合、の配置例を示している。また、図2(b)(c)(e)(f)の構造条件においては、磁性体12、112、212をシールド板13に固着すると共に、磁性体12のZ方向高さを主スペーサ6〜9のZ方向高さの4分の1としている。
図2(a)〜図2(f)のシミュレーションに係る寸法は、シールド板13及び基板2のXY寸法=100mm×100mm、集積回路3のXYZ寸法=20mm×20mm×5mm、ゲル4のXYZ寸法20mm×20mm×5mm、突起部14のXYZ寸法=20mm×20mm×10mm、主スペーサ6〜9のZ方向高さ=20mm、としている。
また、図2(d)〜図2(f)の構造条件においては、補助スペーサ10がシールド板13のXY方向中心位置と主スペーサ7との間に設置されており、当該中心位置と補助スペーサ10の中心との間の距離=17mmとしている。
また、図2(c)、図2(f)の構造条件においては、磁性体12が矩形枠状に構成されているが、このXY外形寸法を50mm×50mmとし、XY内形寸法を40mm×40mmとし、X方向幅及びY方向幅を5mmとし、Z方向高さを5mmとしている。これらの図2(a)〜図2(f)に対応して、それぞれ図3(a)〜図3(f)のように特性が得られている。
まず図3(a)〜図3(f)の全特性は、全観察対象周波数(〜1GHz)においてある1又は複数の周波数にて共振周波数を備えており、放射電界強度特性はこの共振周波数(以下ピーク周波数と称する)においてピークの放射電界強度(以下ピークレベルと称す)を奏する特性となっている。これは、シールド板13や主スペーサ6〜9、補助スペーサ10の寄生インダクタンス、及び、集積回路3とシールド板13との間に生じる容量性の影響によるものである。
放射電界強度特性が他の特性より良好な特性である、と考慮するためには、全観察対象周波数のうち特定周波数を含む周波数領域で他の特性より低いレベルとなること、ピーク周波数における放射電界強度が他の特性より低いレベルとなること、が重要となる。そこで、これらの両観点で特性を考察する。
まず、これらの図3(b)〜図3(f)の特性を、全観察対象周波数(数十MHz〜1GHz)の放射電界強度の観点で図3(a)のノーマル条件の特性と比較して考察する。図3(e)の特性は、そのピーク周波数が図3(a)のノーマル条件の特性から概ね変化していないが、全観察周波数領域において放射電界強度レベルが図3(a)のノーマル特性よりも概ね上昇している。逆に、図3(b)の特性は、図3(a)のノーマル特性に比較して例えば350MHz〜800MHzの幅広い周波数領域において放射電界強度レベルが低下しており、図3(b)のピーク周波数を含むその周辺領域以外では概ね放射電界強度レベルが低下している。
また、図3(c)の特性は、図3(a)のノーマル特性に比較して、例えば375MHz以上の高周波数領域において放射電界強度レベルが低下している。また、図3(d)の特性は、図3(a)のノーマル特性に比較して、例えば575MHz以下の低周波数領域において放射電界強度レベルが低下している。図3(f)の特性は、図3(a)のノーマル特性に比較して、放射電界強度レベルが概ね全観察周波数領域において低下している。
このため、図3(a)のノーマル特性に比較し、ある特定周波数帯において放射電界強度レベルを低減する効果があるのは、図3(b)、図3(c)、図3(d)、図3(f)の特性と見做すことができる。
また、これらの特性をピークレベルの観点で考察すると、図3(e)の特性ではピークレベルの低減効果は低い。すなわち図2(e)に示したように、補助スペーサ10を設けたとしても補助スペーサ10の周囲に磁性体212を設けたときには放射電界強度のピークレベルの低減効果が低くなる。
しかし、図3(b)〜図3(d)、図3(f)の特性は、図3(a)のノーマル特性に比較して、ピークレベルを低下できることがわかる。すなわち、図2(b)に示したように、矩形枠状の磁性体112を集積回路3の周囲全面に設けることで、ピークレベルを抑制でき、図2(c)に示したように、矩形状の磁性体12を集積回路3の周囲の一部に設けたときにも放射電界強度のピークレベルを低減できる。さらに、図2(d)に示すように補助スペーサ10を設けたときにもピークレベルを低減でき、さらに図2(f)に示すように、補助スペーサ10と主スペーサ6〜9の間に矩形枠状の磁性体12を設けると、さらにピークレベルの低減効果を上げることができる。
さらに付随してピーク周波数の観点で考察する。図2(c)に示すように、磁性体12が集積回路3の周囲の一部に設けられているときには、図2(a)のノーマル特性よりもピーク周波数を低周波数化でき、さらに図2(b)に示すように、集積回路3の周囲の全面に設けたときにはピーク周波数をさらに低周波数化できる傾向を示している。すなわち、磁性体12、112の面積を拡大すれば低周波数化できる傾向を示している。
また、図2(d)〜図2(e)に示すように、補助スペーサ10を設けたときには、ピーク周波数を高周波数化できる傾向を示すことが確認されている。これは補助スペーサ10を設けると、主スペーサ6〜9及びシールド板13の誘導性成分が補助スペーサ10の誘導性成分と並列接続されることで低インダクタンス化するためであり、この結果、共振周波数を高周波数化できることが推定される。したがって、これらの補助スペーサ10と磁性体12、112とを組み合わせると共に、これらの補助スペーサ10や磁性体12、112の設置領域やその大きさを調整することで、ピーク周波数を高低に柔軟に調整可能となる。
図3(a)〜図3(f)の特性の中では、図3(f)の特性がピークレベルを最も抑制でき、全観察対象周波数領域中で最も広く放射電界強度レベルを低減できる特性となっており、補助スペーサ10と磁性体12を組み合わせた構成の中においても、最良の特性となっている。すなわち、補助スペーサ10と磁性体12とを図2(f)に示すように配置することで、放射電界強度の抑制効果を相乗的に上げることができ、この結果、特定周波数帯における放射エミッションノイズを大幅に低減できる。またこの逆に、外来電磁ノイズの入射を極力低減できる。
なお、これらの特性を総合的に考察すれば、ピークレベルの低減効果を生じる理由は、基板2及びシールド板13の寄生インダクタンス成分による放射を低減できるためであることが推察できる。また、この図2(f)のように構成することで、図2(a)と比較しても、放射電界強度のピーク周波数を概ね変化させることなく構成できる。このようなシミュレーション結果を考慮すれば、前述説明した図1(a)及び図1(b)に示すように構成することで不要輻射を大幅に抑制できる。
前述した図2(f)に示すシミュレーション上では、XY平面上の集積回路3と主スペーサ7との間の直線上に補助スペーサ10を設けている。分布定数回路又は電磁気的に集積回路3の発生信号に基づく電界を考慮するならば、集積回路3の発生信号に基づいて基板2とシールド板13との間に生じる電界は、より低インピーダンスとなる補助スペーサ10に直接向かうことになり、電界は図1(b)中の矢印Aに示すように直接補助スペーサ10に到達することになる。このことを考慮すれば、図1(b)に示すように、補助スペーサ10は集積回路3と主スペーサ7との間の直線上に設けなくても良い。
これらのシミュレーション結果は、磁性体12を設け磁性体11を設けていない場合の結果を示しているが、後述の第2実施形態で説明するように、磁性体12のZ方向高さを高くすれば、さらに放射電界強度の抑制効果を向上できることが確認されている。したがって、本実施形態の図1(a)及び図1(b)に示すように、シールド板13側に磁性体12を設けると共に基板2側に磁性体11を設けることで、シールド板13側の磁性体12、又は、基板2側の磁性体11、の何れか一方に設けた場合に比較して、磁性体11、12による放射エミッションノイズの低減効果を向上できる。なお、磁性体11、12は何れか一方だけ設けても良い。
本実施形態によれば、集積回路3の周辺に位置して前述したような条件で磁性体11、12及び補助スペーサ10を設けた。磁性体11、12が設けられているためノイズ伝播量を低減でき、補助スペーサ10が設けられているため共振特性を高周波数化できる。したがって、集積回路3の動作周波数の基本信号又は高調波周波数が放射電界強度の共振周波数に極力合致しないように放射電界強度の周波数特性を柔軟に変更できる。
したがって、例えば設計者が、筐体5の主スペーサ6〜9、磁性体11、12、及び、補助スペーサ10、の各種パラメータを前述の配置関係を満たしながら設計的に調整することで、集積回路3が動作する基本周波数及び高調波における放射電界強度を低減できるようになる。この結果、放射エミッションノイズを低減できる。また、この逆に、外来電磁ノイズの入射を極力低減できる。
例えば、パラメータの具体例としては、集積回路3と補助スペーサ10との距離、補助スペーサ10の径、Z方向高さ、磁性体11、12のXY方向の幅、設置個数、及び/又は、Z方向高さ、が挙げられる。これらのパラメータを調整することで、放射電界強度のピーク周波数、ピークレベルを高低に柔軟に調整でき、集積回路3の動作周波数に合わせて、これらの放射電界強度の特性を変化させることで、放射エミッションノイズを低減できる。
補助スペーサ10が、集積回路3と磁性体11、12との間に構成されているため、集積回路3のノイズ伝播経路の短縮化、及び、不要輻射ノイズの高周波数化を1部品で行うことができる。
また、磁性体11、12が、集積回路3の搭載領域の基板2の面方向となるXY方向の外方で、且つ、集積回路3の周囲に沿って囲うように配置されている。このため、前述したように、放射電界強度の周波数特性を柔軟に変更できる。
また、筐体5は、基板2の基板面の垂直方向に向けて立設された金属製の突起部14を備えており、この突起部14からゲル4を通じて集積回路3に接続されている。このため、集積回路3の発熱を効率よく放熱できる。
また、本実施形態の構造では、基板2及びシールド板13には開口部が存在しないため、シールド性能を極力大きく保持できる。
(第2実施形態)
図4〜図6は第2実施形態の追加説明図を示している。図4(a)、図4(b)は、それぞれ図1(a)、図1(b)に代わる縦断面図と平面図を示している。第2実施形態が第1実施形態と異なるところは、磁性体312が基板2とシールド板13との間に埋設されているところにある。
図4(a)に示すように、磁性体312が基板2とシールド板13との間に埋設されており、これらの基板2とシールド板13との間に挟持されている。この磁性体312は、例えば基板2及びシールド板13との間でテープ又は粘着塗料などによる接着剤を用いて固着されている。その他の構成は前述実施形態と同様の構成となっているため、説明を省略する。
図5は磁性体12、412、512の高さの違いに基づくシミュレーション条件を斜視図により示したものであり、図6はこれらのシミュレーション条件に基づいて算出した放射電界強度を示している。第1実施形態と同様に磁性体12、412、512の材質としてはフェライトを用いており、磁性体412、512は、磁性体312と同様に、Z方向高さについて基板2とシールド板13との間に埋設されていることを想定している。
ここで、図5(a)の構造条件は、図2(e)の構造に対応した構成であり、磁性体412のZ方向高さが、基板2とシールド板13との間を埋設するように磁性体12のZ方向高さよりも高く調整されている場合、図5(b)の構造は図2(f)と同一構造、図5(c)の構造条件は、この図5(b)の構造条件に比較して磁性体512のZ方向高さを基板2とシールド板13との間を埋設するように高く構成した場合、の配置例を示している。
ここで、第1実施形態でも説明したように、図5(b)においては、磁性体12がシールド板13側に固着されていると共に、磁性体12のZ方向高さ寸法が主スペーサ6〜9のZ方向高さ寸法の4分の1に設定されている。これらの図5(a)〜図5(c)に対応して、図6(a)〜図6(c)に示すように放射電界強度特性が得られている。
これらの特性を全観察対象周波数の放射電界強度の観点で考察する。図6(a)の特性は、図3(e)に示される磁性体のZ方向高さを低くした条件の特性と比較して、概ね変化しておらず、補助スペーサ10の周囲に磁性体212、412を配置した構造では、磁性体212、412のZ方向高さ変更の影響はほとんどない。しかし、図6(b)と図6(c)の特性を比較すると、全体の放射電界強度の周波数特性が、特にピーク周波数の高周波数領域側(470MHz以上)にて放射電界強度レベルを大きく低減できることがわかる。
また、これらの特性をピーク周波数におけるピークレベルの観点で考察する。図6(a)の特性は、図3(e)の磁性体のZ方向高さを低くした条件の特性と比較して概ね変化しておらず、補助スペーサ10の周囲に磁性体を配置した構造では磁性体のZ方向高さ変更の影響はほとんどない。
しかし、図6(b)と図6(c)の特性を比較すると、ピーク周波数に数十MHz程度のずれが存在しているものの、放射電界強度としては図6(c)の特性のピークレベルは図6(b)の特性に比較して5dB程度の低減効果を得られることがわかる。
またピーク周波数の観点で考察する。図6(a)と図3(e)の特性に示すように、補助スペーサ10の周囲にZ方向高さの異なる磁性体212、412を構成しても、ピーク周波数にはほとんど影響しない。図6(b)と図6(c)の特性に示すように、磁性体512のZ方向高さを磁性体12よりも高くすると、ピーク周波数を低周波数化できることがわかる。
このように図6(c)の特性が図6(b)の特性やその他の特性に比較して最良の結果を得ており、このように磁性体512の高さを極力高くすることが望ましいことがわかる。したがって、図4に示すように、磁性体312を基板2とシールド板13との間に埋設するように構成することが望ましい。これにより良好な特性が得られる。
本実施形態によれば、基板2と筐体5のシールド板13との間に磁性体312、512を埋設するように設置した。この結果、第1実施形態に比較してさらに良好な特性が得られる。
(第3実施形態)
図7〜図10は第3実施形態の追加説明図を示している。第3実施形態の電子装置101が第1実施形態の電子装置1と異なるところは、第1実施形態に示した補助スペーサ10及び磁性体11、12の機能を一体の部品として構成したところにある。
図7は分解斜視図を示し図8(a)は組立後の平面図を示し、さらに図8(b)はガスケット20の外観を斜視図により示し、さらに図9は組立後の縦断面図を示している。これらの図7〜図9に示すように、シールド板13には突起部14が設けられている。他方、基板2には集積回路3が搭載され、この集積回路3に放熱用ゲル4を介して前記の突起部14が当接するように配置される。ガスケット20が、これらの突起部14及び集積回路3のXY方向外周を覆うように矩形枠状に構成されている。以下、図9〜図11に、「外」、「内」と図示しているように、集積回路3のXY方向配置位置から外方向を「外方」(=「外」)と称し、「外方」から集積回路3の側に向かう方向を「内方」(=「内」)と称す。
このガスケット20は、例えばシールド板13との間でテープ又は粘着塗料などによる接着剤23を用いて固着されている。ガスケット20のXY方向外周には、基板2のグランド面2aの上、及び、シールド板13の角部13aに位置して主スペーサ6〜9が設けられている。
図10はガスケット20の縦断面図を示している。ガスケット20は、例えば不織布により構成される第2接続部としての導電性枠体21、この導電性枠体21の内部に埋設されたスポンジ22、を備える。ガスケット20は、スポンジ22により配置位置が固定された磁性体11、12を導電性枠体21の内部に備える。
磁性体11、12は、第1実施形態と同様、それぞれXY平面上では矩形枠状に構成されている。磁性体11が基板2側に設けられており、磁性体12がシールド板13側に設けられており、これらの磁性体11、12は別体に設けられている。これらの磁性体11、12は、導電性枠体21の内部に配設されると共に、導電性枠体21の内部においても外方に位置するよう配置されている。
そして、スポンジ22がこの磁性体11、12を覆うように埋設されている。このスポンジ22は弾性材料として構成され、磁性体11、12を外方に存在する導電性枠体21の内面へ押し付ける押力を備える。したがって、これらの磁性体11、12は導電性枠体21に押し付けられ、これにより磁性体11、12は導電性枠体21の内部に固定的に保持される。導電性枠体21は、XZ断面上において磁性体11の少なくとも内方の内側部分21aにおいて基板2とシールド板13との間を導電するよう固定されている。この結果、この導電性枠体21の内側部分21aと主スペーサ6〜9との間に磁性体11、12が位置するように構成される。
本実施形態に係る構造によれば、電磁気的な観点で考慮すれば、集積回路3の発生信号に基づく電界が基板2とシールド板13との間に発生するが、この発生された電界が導電性枠体21の内側部分21aを通じて図10の矢印Bのように通電されることになる。このため、導電性枠体21の内側部分21aは、第1実施形態の補助スペーサ10と同様の作用を奏することになる。このため、本実施形態に係る電子装置101の構造は、第1実施形態の電子装置1の構造と同様の電磁気的特性を備えるものと言える。
このため、第1実施形態に示したように、これらの導電性枠体21及び磁性体11、12に基づいて、放射電界強度の特性を柔軟に変更することができ、これにより特定周波数における放射電界強度レベルを低下できる。
また、磁性体11、12が、第2実施形態に示したように導電性枠体21の内側に位置して基板2とシールド板13との間を全て埋設されている形態に適用すれば、さらに良好な特性を得られる。
本実施形態によれば、ガスケット20の内部に磁性体11、12を一体部品化して構成した。これにより実用的な構造とすることができる。その他、前述実施形態と同様の作用効果が得られる。
本実施形態では、導電性枠体21は、XY平面上では矩形枠状に構成される形態を示したが、磁性体11、12の内方の少なくとも一部において、基板2とシールド板13とが電気的に導電するように接続されていれば、導電性枠体21は、必ずしも矩形枠状に構成されていなくても良い。なお、この類の変形例は後述の第4実施形態で述べる。
(第4実施形態)
図11は第4実施形態の追加説明図を示している。図11(a)〜図11(d)は図10に対応した縦断面図を示す図であり、第3実施形態と類似した電磁界的特性を備える物理的構成例を示している。例えば、図11(a)に示すように、導電性枠体21に代えて、XY方向断面Σ(シグマ)型に構成された導電性のオンボードコンタクト621を第2接続部として用いても良い。このオンボードコンタクト621は、基板2の部品搭載面に半田などを用いて固着された板部30、シールド板13の面に例えば導電性の接着剤などを用いて固着された板部33、これらの板部30と33との間の少なくとも一部を電気的に接続する延伸部31、32と、係止部34、35と、を備える。
延伸部31は、板部30の角部から鋭角に屈曲しXY方向に斜めに延伸する。延伸部32は、この延伸部31の延伸端で屈曲する屈曲部31bを通じてXY逆方向に斜めに延伸する。延伸部31、32は、板部30の角部から屈曲部31bを通じて板部33の角部に連結して構成されている。したがって、このオンボードコンタクト621は、屈曲部31bを通じた延伸部31、32の弾性特性を利用し、基板2とシールド板13との間に固定的に挟持されることになる。また、磁性体11、12が、このオンボードコンタクト621の係止部34、35の外方においてそれぞれ基板2、シールド板13に固着されている。
このような場合においても、集積回路3による発生信号に基づく電界が基板2とシールド板13との間に発生し図中の内方から外方に伝達するときに、電流が延伸部31、32を通じて流れることになる。このような電磁界特性は、概ね、第3実施形態ひいては第1実施形態と同様の特性となる。この結果、少なくとも基板2とシールド板13との間の空間には内方から外方に向けての通電経路がなくなるため、オンボードコンタクト621の外端から外方に延びる寄生インダクタンス成分による影響を低減でき、放射電界強度レベルを低下させることができる。
図11(b)に示すように、導電性枠体21に代えて、XY方向断面逆L字型に構成されたオンボードコンタクト721を第2接続部として用いても良い。このオンボードコンタクト721は、基板2の面に半田などを用いて固着された板部30と、板部30の内角部から鋭角に屈曲しXY方向外方に斜めに延伸した延伸部31aを備え、この延伸部31aの端部には外面が円弧型に構成された湾曲部36を備える。この湾曲部36は、シールド板13との接触面が湾曲面に構成され、当該湾曲面がシールド板13の面に沿って摺動可能になっている。この摺動を係止するように磁性体712が設けられている。
磁性体712は楔型、断面三角型に構成されており、シールド板13の面に接着材などにより固着されている。オンボードコンタクト721の湾曲部36はシールド板13の面に沿って摺動可能になっているが、この固着された磁性体712によって湾曲部36の接触部36aにおいてX方向に係止され、これにより湾曲部36の湾曲面がシールド板13に直接接触するように構成されている。これにより、オンボードコンタクト721とシールド板13との間で電気的接続性を良好に保持できる。このような場合においても、電磁界特性は、前述同様に、概ね第3実施形態ひいては第1実施形態と同様の特性となり、放射電界強度レベルを低下させることができる。
図11(c)に示すように、図11(b)に示すオンボードコンタクト721を用いるときには、磁性体811が、オンボードコンタクト721の板部30に設置され、当該板部30に支持されることで基板2と接触していなくても良い。このとき板部30が磁性体711を支持する支持部として用いられる。また、磁性体712aが、湾曲部36に設置され、支持されることでシールド板13と接触していなくても良い。このとき湾曲部36が磁性体712aを支持する支持部として用いられる。
図11(d)に示すように、図11(a)に示すオンボードコンタクト621を用いるときにも、磁性体611が、オンボードコンタクト621の板部30に設置され、支持されることによって基板2と接触していなくても良い。このとき板部30が磁性体611を支持する支持部として用いられる。また、磁性体612が、オンボードコンタクト621の板部33に設置され、支持されることでシールド板13と接触していなくても良い。このとき板部33が磁性体612を支持する支持部として用いられる。これにより、前述の第3実施形態ひいては第1実施形態と同様の作用効果が得られるようになる。
(第5実施形態)
図12〜図14は第4実施形態の追加説明図を示している。例えば第3実施形態の図8の構成では、XY平面上の構造において矩形枠状にガスケット20を構成しているが、これらの一部を切断した形態で部品120a〜120dを構成しても良い。
すなわち、図8に代わる図12に示すように、集積回路3と主スペーサ6〜9との間に、導電性枠体21及び磁性体11a、12aをそれぞれ備えた部品120a、120b、120c、120dを設置し、この設置領域以外の領域にはガスケット20に相当する部品を設置しなくても良い。これらの部品120a〜120bは、前述したガスケット20の途中部分を分断して構成される部品であり、類似符号を付してその断面構造の説明を省略する。
図13は磁性体11a、12a及び補助スペーサ10の設置場所に基づくシミュレーション条件について斜視図を用いて示したものであり、図14はこれらのシミュレーション条件に基づいて算出された放射電界強度を示している。図13(a)は磁性体11、12及び補助スペーサ10を配置していない場合、図13(b)は、集積回路3と主スペーサ6〜9との間にそれぞれ磁性体12a〜12dを配置し、この一部の磁性体12bと集積回路3との間に補助スペーサ10を配置した場合を示している。ただし、集積回路3と主スペーサ6〜9との間に複数の磁性体12a〜12dを別体に設置しており、これらの磁性体12a〜12dの間は互いに分断されており空間が設けられている。
また、図13(c)は、図13(b)の構造に対し磁性体12a〜12dのZ方向高さを基板2とシールド板13との間を埋設するように高くした場合、の配置例を示している。ここで図13(b)においては、磁性体をシールド板13の側に固着すると共に、磁性体のZ方向高さを主スペーサのZ方向高さの5分の1としている。これらの図13(a)〜図13(c)に対応して図14(a)〜図14(c)に示すように特性が得られている。
これらの特性を全観察対象周波数の放射電界強度の観点で考察する。図13(a)の条件の特性に比較すると、図14(b)、図14(c)の特性は、補助スペーサ10の存在によりピーク周波数を高周波数化でき、図14(a)の特性と比較して主に低周波数領域(例えば530MHz以下)において放射電界強度を低減できる。また、図14(c)の特性は、図14(b)の特性に比較してピーク周波数を低周波数化できる。これにより、図14(c)の特性は、図14(b)の特性に比較して高周波数領域(例えば610MHz以上)において放射電界強度を低減できる。
本実施形態の構成によれば、補助スペーサ10を設けることでピーク周波数を高周波数化できると共に、磁性体512a〜512dのZ方向高さを高くすることでピーク周波数を低周波数化でき、放射電界強度特性を柔軟に変更できる。したがって、集積回路3の動作周波数の基本信号又は高調波の周波数が、放射電界強度のピーク周波数に極力合致させないように容易に調整可能となる。
本実施形態によれば、図13(b)、図13(c)に示すように、集積回路3と磁性体12bとの間に補助スペーサ10を設けることで、例えば低周波数領域(例えば530MHz)以下において放射電界強度を低減できる。このため、例えば集積回路3の動作周波数を530MHz以下の低周波数とするときにこの特定周波数領域における放射エミッションノイズを低減できる。また、図13(c)に示すように、磁性体512a〜512dのZ方向高さを高く調整することで放射電界強度のピーク周波数を低周波数化でき、例えば610MHz以上の高周波数領域において放射エミッションノイズを低減できる。
(第6実施形態)
図15及び図16は第6実施形態の追加説明図を示している。図15に示すように、複数の磁性体812a〜812dを、それぞれ対応した複数の主スペーサ6〜9のXY方向周囲を囲うように配置しても良いし、図16に示すように、磁性体912a〜912dを、主スペーサ6〜9の直ぐ脇に位置すると共に集積回路3と主スペーサ6〜9との対向領域に位置するように配置し、シールド板13の辺部からXY方向に突出しないように配置しても良い。これにより、放射電界強度特性を柔軟に変更でき、前述実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第7実施形態)
図17から図19は第7実施形態の追加説明図を示している。この図17に示すように、図1の構造に加えて、集積回路3の周辺に位置して補助磁性体40を設けても良い。この補助磁性体40は、集積回路3のXY平面設置領域に重なるように設置されている。シールド板13には突起部14が設けられ、補助磁性体40が突起部14と集積回路3との間に介在して配置されている。
他方、基板2には集積回路3が搭載されており、この集積回路3の放熱面には放熱用のゲル4が塗布されている。そして放熱用のゲル4は補助磁性体40に係合、接触するように構成される。補助スペーサ10及び磁性体11、12の配置領域は、図1の構成と同様であるため説明を省略する。
補助磁性体40が、集積回路3のXY平面設置領域に重なるように設置されている構造についてのシミュレーション条件を図18に示している。図18(a)は、磁性体11、12、補助磁性体40及び補助スペーサ10を配置していないノーマル条件の場合、図18(b)は磁性体11、12及び補助スペーサ10を配置せず補助磁性体40を配置した場合、図18(c)は磁性体11、12を配置せず、補助磁性体40及び補助スペーサ10を配置した場合、図18(d)は磁性体11、12、補助磁性体40及び補助スペーサ10を配置した場合、の条件をそれぞれを示している。これらの図18(a)〜図18(d)にそれぞれ対応して図19(a)〜図19(d)に示すように放射電界強度の周波数特性が得られている。
これらの特性を全観察対象周波数の放射電界強度の観点で考察する。図19(b)の特性は図19(a)のノーマル条件の特性に比較して、共振周波数帯を高周波数化できるものの、ノーマル条件における共振周波数帯(例えば500MHz±50MHz)を逸脱する低周波数領域及び高周波数領域において、当該ノーマル条件の放射電界強度よりも大きくなっている。しかしながら、図19(a)と図19(c)の特性を比較すれば明らかなように、図19(c)の特性は図19(a)のノーマル条件の特性に比較して幅広い周波数領域(例えば100MHz〜600MHz)で放射電界強度を低下させることができる。
また、図19(a)と図19(d)の特性を比較すれば明らかなように、図19(d)の特性は図19(a)のノーマル条件の特性に比較して同様に幅広い周波数領域(例えば150MHz〜600MHz)で放射電界強度を低下させることができる。
本実施形態に示したように、補助磁性体40を集積回路3のXY方向配置領域に重なるように配置した場合であっても、補助スペーサ10を設けた場合に特定周波数領域(例えば100MHz〜600MHz)における放射電界強度を低減できる。これに加えて、磁性体11、12を設けた場合にも、特定周波数領域における放射エミッションノイズを低減できる。
したがって、本実施形態に係る図17に示すように、図1の構造に加えて、補助磁性体40を、突起部14のXY方向を囲うように配置し集積回路3の搭載領域のZ方向に配置することで、特定の周波数領域において放射電界強度を低下させることができる。
また、これらの特性をピークレベルの観点で考察すると、図19(d)の特性は、図19(b)、図19(c)の特性に比較して大幅にピークレベルを低減できることがわかる。すなわち、補助スペーサ10及び磁性体11、12を設けることで、単に補助磁性体40を設けた構成に比較して、ピークレベルを大幅に低減できることを確認できる。また、ピーク周波数の観点で考察すると、補助磁性体40を設けることで、図19(b)〜図19(d)に示すようにノーマル特性に比較してピーク周波数を高周波数化できる。
要するに、本実施形態においては、第1実施形態の構成に加え、突起部14を囲うように配置され集積回路3の搭載領域のZ方向に補助磁性体40を設けている。このような場合においても、集積回路3の動作周波数の基本信号又は高調波の周波数が放射電界強度の共振周波数に合致させないように放射電界強度の特性を変更できる。この結果、特定周波数領域の放射エミッションノイズを低減できる。
(他の実施形態)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。例えば以下に示す変形又は拡張が可能である。
前述の実施形態では、接着剤を用いて磁性体12をシールド板13に固着する形態を示したが、これに代えて、シールド板13に溝を構成しておき、磁性体12をこの溝に埋設して固着する構成であっても良い。
磁性体11、12や補助スペーサ10が、接着剤又は半田を用いて設置されている場合には、ネジやオンボードコンタクトを設けることなく構成でき、製品寿命を長期化することができる。
第2接続部としての補助スペーサ10に代えて、導電性の弾性部材(例えばバネ)、又は、導電性の締結部材(例えばネジ)により構成しても良い。
前述実施形態の特徴となる放射電界強度の特性を考慮した場合、浮遊容量が存在することで放射電界強度が共振特性を備えるものと推定されるが、この浮遊容量はゲル4を挟んだ構成要素間以外にも様々な要素間に存在することになる。このため、突起部14やゲル4が設けられていない構成にも適用できる。
また、補助スペーサ10は、前述の全観察対象周波数において原理的に寄生インダクタンス成分を備えるが、抵抗成分を備えるように構成しダンピング抵抗として機能させるように構成しても良い。また、補助スペーサ10を1つ設けた形態を示したが、複数設けても良く、この補助スペーサ10と浮遊容量とを考慮すれば、Π型のフィルタを構成することが可能である。主スペーサ6〜9、補助スペーサ10をそれぞれ円柱状に構成した形態を示したが、これらの構造は円柱状に限られるものではなく角柱状などで構成しても良い。
また、放射エミッションノイズの低減効果を観点として主に説明したが、放射エミッションノイズを低減できれば、逆に、外来電磁ノイズの入射をも低減できることは技術常識上詳細説明するまでもない。
前述した複数の実施形態に係る特徴を組み合わせて構成しても良い。例えば、磁性体812a〜812d、912a〜912dを、基板2と筐体5のシールド板13との間を埋設するように配置しても良い。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、本発明の一つの態様として前述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図面中、2は基板、3は集積回路(電子部品)、4はゲル、5は筐体、6〜9は主スペーサ(第1接続部)、10は補助スペーサ(第2接続部)、11、12、312、512、11a〜11d、12a〜12d、512a〜512d、611、612、711、712、712a、812a〜812d、912a〜912dは磁性体、14は突起部(伝熱部)、40は補助磁性体、21は導電性枠体(第2接続部)、621はオンボードコンタクト(第2接続部)、721はオンボードコンタクト(第2接続部)、30は板部(支持部)、36は湾曲部(支持部)を示す。

Claims (10)

  1. ある周波数で動作する電子部品(3)を基板面に搭載する基板(2)と、
    前記基板の基板面方向の所定位置で導電するように接続する第1接続部(6〜9)を備える導電性の筐体(5)と、
    前記基板と前記筐体との間の少なくとも一部で且つ前記電子部品と前記第1接続部との間に配置された磁性体(11、12;312;512;11a〜11d、12a〜12d;512a〜512d;611、612;711、712、712a;812a〜812d;912a〜912d)と、
    前記電子部品と前記磁性体との間に配置され前記基板と前記筐体とを導電するように接続する第2接続部(10;21;621;721)と、
    を備える電子装置。
  2. 請求項1記載の電子装置において、
    前記磁性体(11、12;312;512)は、前記電子部品の搭載領域の基板面方向の外方で且つ前記電子部品の周囲に沿って囲うように配置される電子装置。
  3. 請求項1記載の電子装置において、
    前記第1接続部(6〜9)は、前記電子部品の周囲に設けられる複数の所定位置に複数設けられると共に、前記磁性体(12a〜12d;512a〜512d;812a〜812d;912a〜912d)は複数設けられ、
    前記複数の磁性体は、前記電子部品の搭載領域の基板面方向の外方で且つ前記電子部品と前記複数の第1接続部との間に互いに離間して配置される電子装置。
  4. 請求項1または3記載の電子装置において、
    前記磁性体(812a〜812d)は、前記第1接続部(6〜9)の基板面方向の周囲を囲うように配置される電子装置。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の電子装置において、
    前記磁性体(312;512;512a〜512d;812a〜812d;912a〜912d)は、前記基板と前記筐体との間を埋設するように設置される電子装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の電子装置において、
    前記筐体(5)は、前記基板面の垂直方向に向けて立設されゲル(4)を介して前記電子部品に接続する伝熱部(14)をさらに備える電子装置。
  7. 請求項6記載の電子装置において、
    前記伝熱部(14)と前記電子部品(3)との間に介在して配置される補助磁性体(40)をさらに備える電子装置。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の電子装置において、
    前記磁性体(11、12)は、前記基板又は前記筐体に設置されている電子装置。
  9. 請求項1から7の何れか一項に記載の電子装置において、
    前記第2接続部(10;21;621;721)は、オンボードコンタクト(621;721)、ガスケット(20)、導電性の弾性部材、又は、導電性の締結部材の何れかにより一体部品化され、前記基板と前記筐体との間を導通するように接続する電子装置。
  10. 請求項9記載の電子装置において、
    前記第2接続部(721)が、前記磁性体(611、612、711、712a)を支持する支持部(30、36)を備え、
    前記磁性体は、前記支持部に支持されることにより前記基板又は前記筐体と接触しないように設置されている電子装置。
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