JP2018022602A - 燃料電池システム - Google Patents

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耕平 露口
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直久 田邉
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雅樹 三井
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Abstract

【課題】燃料電池システムのエネルギー効率を向上させつつ、水の凍結をより確実に防止するための技術を提供する。【解決手段】本開示にかかる燃料電池システム(100)は、燃料電池(4)、改質器(5)、水回路(13,14)、筐体(1)及び通気ダクト(25)を備えている。通気ダクト(25)の下部に吸気口(34)が設けられている。通気ダクト(25)の上部に排気口(31)が設けられている。吸気口(34)から排気口(31)への経路上において通気ダクト(25)にインバータ(33b)が配置されている。吸気口(34)よりも鉛直方向の下側の位置において筐体(1)に換気口(41)が設けられている。【選択図】図1

Description

本開示は、燃料電池システムに関する。
改質器及び燃料電池を備えた燃料電池システムはよく知られている。改質器において、改質反応によって都市ガスなどの原料から水素ガスが生成される。生成された水素ガスは、酸化剤ガスとしての酸素(空気)とともに燃料電池に供給される。燃料電池において、水素と酸素との電気化学反応によって電力が生成される。
例えば、改質器には、水蒸気改質のための水が供給される。燃料電池には、冷却水が供給される。したがって、燃料電池システムには、給水回路、冷却水回路、排水路などの各種の水の流路が設けられている。水が凍結すると、燃料電池システムの運転が不可能になる。水の凍結による部品の破損も懸念される。そのため、特許文献1に記載されているように、従来の燃料電池システムには、水の凍結を防止するための電気ヒータが設けられている。ただし、特許文献1の技術によれば、電気ヒータの消費電力が多くなりがちである。
特許文献2には、インバータの熱を利用して水の凍結を防止するための技術が記載されている。図4に示すように、特許文献2に記載された発電装置において、燃料電池、改質器及び冷却水機器(それぞれ図示省略)がパッケージ201に収納されている。導風管213を通じて、インバータ209で温められた空気がパッケージ201に導入される。
国際公開第2009/034997号 特開2006−252964号公報
特許文献2に記載された技術によれば、燃料電池システムのエネルギー効率を向上させつつ、水の凍結を防止することができる。しかし、特許文献2に開示された構成は、必ずしも十分な凍結防止効果を得られるものではない。
本開示の目的は、燃料電池システムのエネルギー効率を向上させつつ、水の凍結をより確実に防止するための技術を提供することにある。
すなわち、本開示は、
燃料電池と、
改質器と、
前記燃料電池及び前記改質器から選ばれる少なくとも1つに接続された水回路と、
側壁を有し、前記燃料電池、前記改質器及び前記水回路を収納している筐体と、
前記筐体の前記側壁と前記側壁に向かい合う隔壁とによって形成された通気ダクトと、
前記通気ダクトの下部に設けられ、前記筐体の外部と前記通気ダクトの内部とを連通させる吸気口と、
前記通気ダクトの上部に設けられ、前記通気ダクトの内部と前記筐体の内部とを連通させる排気口と、
前記吸気口から前記排気口への経路上において前記通気ダクトに配置され、前記燃料電池の直流出力を交流出力に変換するインバータと、
前記吸気口よりも鉛直方向の下側の位置において前記筐体に設けられ、前記筐体の内部と前記筐体の外部とを連通させる換気口と、
を備えた、燃料電池システムを提供する。
本開示の技術によれば、燃料電池システムのエネルギー効率を向上させつつ、水の凍結をより確実に防止することができる。
図1は、本開示の一実施形態にかかる燃料電池システムの構成図である。 図2は、図1に示す燃料電池システムの側面図である。 図3は、変形例にかかる燃料電池システムの構成図である。 図4は、特許文献2に記載された発電装置の構成図である。
(本開示の基礎となった知見)
図4に示すように、特許文献2に開示された発電装置において、パッケージ201の下部に吸気口202が設けられ、パッケージ201の上部に排気口204が設けられている。吸気口202を通じてパッケージ201に導入された空気及び導風管213を通じてパッケージ201に導入された空気は、排気口204を通じて、パッケージ201の外部に速やかに排出される。つまり、特許文献2に開示された構成では、インバータ209の熱を必ずしも有効利用できない。発電の停止後、パッケージ201の上部の排気口204を通じて、温かい空気が外部に排出されるため、パッケージ201の内部の温度も速やかに低下する。
また、燃料電池システムには、通常、給水回路、冷却水回路などの回路の水を外部に排出するための水抜き栓が設けられている。重力によって水を排出できるようにするために、水抜き栓は、多くの場合、筐体の下部に設けられている。水抜き栓の近傍での水の凍結を防止するためには、筐体の下部の空間の温度も重要である。しかし、特許文献2に開示された構成では、筐体の下部の空間を効率的に温めることが難しい。
本開示の第1態様にかかる燃料電池システムは、
燃料電池と、
改質器と、
前記燃料電池及び前記改質器から選ばれる少なくとも1つに接続された水回路と、
側壁を有し、前記燃料電池、前記改質器及び前記水回路を収納している筐体と、
前記筐体の前記側壁と前記側壁に向かい合う隔壁とによって形成された通気ダクトと、
前記通気ダクトの下部に設けられ、前記筐体の外部と前記通気ダクトの内部とを連通させる吸気口と、
前記通気ダクトの上部に設けられ、前記通気ダクトの内部と前記筐体の内部とを連通させる排気口と、
前記吸気口から前記排気口への経路上において前記通気ダクトに配置され、前記燃料電池の直流出力を交流出力に変換するインバータと、
前記吸気口よりも鉛直方向の下側の位置において前記筐体に設けられ、前記筐体の内部と前記筐体の外部とを連通させる換気口と、
を備えたものである。
第1態様の燃料電池システムによれば、筐体の内部に通気ダクトが形成され、その通気ダクトに発熱源としてのインバータが配置されている。吸気口から通気ダクトに取り込まれた空気によってインバータを効率的に冷却することができる。そして、空気を媒体として、インバータの熱で燃料電池、改質器、水回路などを効率的に温めることができるので、燃料電池システムの排熱回収効率が向上する。また、鉛直方向において、排気口、吸気口及び換気口がこの順に配置されている。このような構成によれば、筐体の上部から下部に向かう方向の空気の流れが形成されるので、筐体の下部の空間も適切に温めることができる。水抜き栓のように筐体の下部に設けられたコンポーネントも温めることができるので、より高い凍結防止効果が得られる。水抜き栓などのコンポーネントを温めるための電気ヒータを省略することも可能である。また、排気口及び吸気口の下側に換気口があるので、燃料電池システムの運転停止期間においても、筐体の内部空間に温められた空気が滞留しやすい。そのため、低外気温時にも高い凍結防止効果が得られる。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様にかかる燃料電池システムは、前記吸気口を通じて前記筐体の外部の空気を前記筐体の内部に供給するための吸気ファン、及び、前記換気口を通じて前記筐体の内部の空気を前記筐体の外部に排出するための換気ファンから選ばれる少なくとも1つをさらに備えている。第2態様によれば、インバータで温められた空気を筐体の内部に効率的に供給することができる。
本開示の第3態様において、例えば、第1又は第2態様にかかる燃料電池システムの前記燃料電池の全体が前記吸気口よりも鉛直方向の上側に位置している。このような構成によれば、燃料電池システムの運転停止期間において、最も重要なコンポーネントである燃料電池を保温しやすい。
本開示の第4態様において、例えば、第1〜第3態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムの前記改質器が前記燃料電池よりも鉛直方向の下側に配置されている。このような構成によれば、改質器からの排熱で筐体の上部の空間を効率的に温めることができる。
本開示の第5態様において、例えば、第1〜第4態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムの前記通気ダクトが鉛直方向に延び、前記排気口は、前記筐体の天井壁に向かって開口している部分を含む。このような構成によれば、吸気口から通気ダクトに導入された空気が鉛直方向の上側に向かってスムーズに流れ、温められた空気が排気口を通じて筐体の内部に排出される。排気口が天井壁に向かい合っているので、空気も天井壁に向かって吹き付けられて拡散する。したがって、筐体の内部空間の全体をより均一に温めることができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
図1及び図2に示すように、本実施形態にかかる燃料電池システム100は、筐体1、燃料電池4及び改質器5を備えている。燃料電池4及び改質器5は、筐体1に収められている。筐体1は、底壁2a、天井壁2b、複数の側壁2c及び複数の脚部3を有している。筐体1は、縦長の直方体の形状を有する。複数の脚部3が底壁2aの下面に取り付けられている。複数の脚部3によって底壁2aと接地面との間に空間が確保されている。
改質器5は、水蒸気改質反応(CH4+H2O→CO+3H2)などの改質反応によって水素ガスを生成するためのデバイスである。改質器5には、改質反応を進行させるための改質触媒が収められている。改質器5は、水及び原料を用いて、水素ガスを生成する。原料は、例えば、都市ガス、LPガス(液化石油ガス)などの炭化水素ガスである。改質器5で生成された水素ガスが燃料電池4に供給される。燃料電池4は、酸化剤ガス(空気)と水素ガスとを用いて電力を生成する。燃料電池4は、例えば、固体高分子形燃料電池である。燃料電池4の排熱によって湯が生成される。生成された湯は貯湯タンク(図示省略)に貯められる。
燃料電池システム100は、さらに、第1水回路13、第2水回路14、熱交換器12及び熱回収水路15を備えている。第1水回路13は、燃料電池4に接続されている。第2水回路14は、改質器5に接続されている。第1水回路13は、燃料電池4を冷却するための冷却水が循環する冷却水回路である。第1水回路13には、タンク16及びT字継ぎ手21が設けられている。第2水回路14は、改質器5に水を供給するための給水回路である。第2水回路14には、タンク17及びT字継ぎ手23が設けられている。タンク17の水が改質器5に供給される。熱交換器12は、第1水回路13に配置されている。
熱回収水路15は、燃料電池4の排熱を回収するための流路である。熱回収水路15は、熱回収配管15a及び15bを含む。熱回収配管15a及び15bは、それぞれ、熱交換器12に接続されている。熱回収配管15aは、熱回収水路15の下流側部分を構成している。熱回収配管15bは、熱回収水路15の上流側部分を構成している。熱回収配管15aは、熱交換器12において加熱された水を貯湯タンクに導くための配管である。熱回収配管15bは、熱交換器12において加熱されるべき水を熱交換器12に導くための配管である。熱回収配管15a及び15bは、ステンレス管などの金属製配管である。熱交換器12は、熱回収水路15を流れる水と第1水回路13を流れる水とを熱交換させるように構成されている。つまり、熱交換器12は、第1水回路13の冷却水の熱によって貯湯タンク(図示省略)に貯められるべき水を加熱する役割を担っている。第1水回路13、第2水回路14、熱交換器12及び熱回収水路15も筐体1の内部に配置されている。
熱回収配管15aは、底壁2aに形成された貫通孔を通って、底壁2aの上面側(筐体1の内部)から底壁2aの下面側(筐体1の外部)に達している。詳細には、底壁2aに形成された貫通孔に高温側コネクタ10が取り付けられている。熱回収配管15aは、高温側コネクタ10を介して筐体1の内部から外部に延び、貯湯タンクの高温水入口に接続されうる。同様に、熱回収配管15bは、底壁2aに形成された貫通孔を通って、底壁2aの上面側から底壁2aの下面側に達している。詳細には、底壁2aに形成された貫通孔に低温側コネクタ11が取り付けられている。熱回収配管15bは、低温側コネクタ11を介して筐体1の内部から外部に延び、貯湯タンクの低温水出口又は市水管に接続されうる。コネクタ10及び11は、樹脂製又は金属製である。
第1水回路13のT字継ぎ手21には第1排水路22が接続されている。第1排水路22は、第1水回路13の水を抜くための流路である。第1排水路22は、典型的には、樹脂製の配管で構成されている。第2水回路14のT字継ぎ手23には第2排水路27が接続されている。第2排水路27は、第2水回路14の水を抜くための流路である。第2排水路27は、典型的には、樹脂製の配管で構成されている。本実施形態では、第1水回路13及び第2水回路14のそれぞれに専用の排水路が接続されている。ただし、第1排水路22と第2排水路27とを1つにまとめることも可能である。第1水回路13及び第2水回路14から選ばれる少なくとも1つに排水路が接続されうる。
第1排水路22の端部には、第1水抜き栓8が取り付けられている。詳細には、底壁2aに形成された貫通孔に第1水抜き栓8を含むコネクタが取り付けられている。第2排水路27の端部には、第2水抜き栓9が取り付けられている。詳細には、底壁2aに形成された貫通孔に第2水抜き栓9を含むコネクタが取り付けられている。これにより、第1排水路22及び第2排水路27は、それぞれ、筐体1の外部まで延びる形になっている。言い換えれば、第1排水路22及び第2排水路27は、それぞれ、底壁2aを貫通して底壁2aの上面側(内面側)から底壁2aの下面側(外面側)に達している。第1水抜き栓8及び第2水抜き栓9は、例えば、ねじ式の栓である。第1水抜き栓8及び第2水抜き栓9は、底壁2aの下面側にある。つまり、第1水抜き栓8及び第2水抜き栓9は、筐体1の外部にある。筐体1の外側から第1水抜き栓8及び第2水抜き栓9を取り外すことが可能である。このような構造によれば、極めて簡単に水抜き作業を行うことができる。
燃料電池システム100は、さらに、回路筐体30及び電子回路基板33を備えている。回路筐体30は、筐体1の内部に配置されている。回路筐体30は、樹脂などの絶縁材料で作られている。電子回路基板33は、回路筐体30の中に配置されている。電子回路基板33には、コントローラ33a、インバータ33bなどの様々な電子部品が搭載されている。コントローラ33aは、燃料電池4、改質器5、各種の補助機器(図示省略)などの制御対象を制御するためのデバイスである。コントローラ33aは、例えば、A/D変換回路、入出力回路、演算回路、記憶装置などを含むDSP(Digital Signal Processor)で構成されている。インバータ33bは、燃料電池4の直流出力を交流出力に変換するためのデバイスである。インバータ33bは、例えば、複数の半導体スイッチング素子によって構成されている。
本実施形態において、回路筐体30は、水平方向に向かって(筐体1の側壁2cに向かって)開口している直方体の形状を有する。筐体1の側壁2cによって回路筐体30の開口が閉じられるように、筐体1の内側から側壁2cに回路筐体30が取り付けられている。これにより、筐体1の側壁2cと回路筐体30とによって通気ダクト25が形成されている。つまり、回路筐体30は、筐体1の内部空間を複数の部分に仕切る隔壁の役割も担っている。通気ダクト25の下部(一端部)には吸気口34が設けられている。通気ダクト25の上部(他端部)には排気口31及び32が設けられている。本実施形態では、回路筐体30の下部に吸気口34が設けられている。回路筐体30の上部に排気口31及び32が設けられている。吸気口34の役割は、筐体1の外部と通気ダクト25の内部とを連通させることにある。排気口31及び32の役割は、通気ダクト25の内部と通気ダクト25を除いた筐体1の内部とを連通させることにある。インバータ33bは、吸気口34から排気口31及び32への経路上において通気ダクト25に配置されている。
筐体1の側壁2cには、複数のルーバーを含む吸気口36が設けられている。吸気口36は、回路筐体30の吸気口34よりも鉛直方向の下側に位置している。吸気口36の役割は、通気ダクト25を介して、筐体1の外部と筐体1の内部とを連通させることにある。筐体1は、さらに、フード38を含む。フード38は、筐体1の内側から側壁2cに取り付けられており、回路筐体30の下部及び側壁2cの吸気口36を一体的に覆っている。フード38によって、側壁2cの吸気口36から回路筐体30の吸気口34への空気の流路が形成されている。このような構造によれば、埃、雨水などが通気ダクト25に吸い込まれて電子回路基板33に悪影響を及ぼすことを防止できる。
筐体1の側壁2cには、通気ダクト25に面する位置に開閉扉47が設けられている。開閉扉47を開いて回路筐体30に搭載されたコントロールパネルを操作することができる。
筐体1には、さらに、換気口41が設けられている。換気口41は、吸気口34よりも鉛直方向の下側の位置において筐体1に設けられている。換気口41の役割は、筐体1の内部と筐体1の外部とを連通させることにある。
燃料電池システム100は、さらに、吸気ファン35及び換気ファン43を備えている。吸気ファン35は、吸気口34又はその近傍に配置されている。換気ファン43は、換気口41又はその近傍に配置されている。吸気ファン35は、吸気口34を通じて筐体1の外部の空気を筐体1の内部に供給するためのファンである。換気ファン43は、換気口41を通じて筐体1の内部の空気を筐体1の外部に排出するためのファンである。吸気ファン35及び換気ファン43から選ばれる少なくとも1つが設けられていると、インバータ33bなどで温められた空気を筐体1の内部に効率的に供給することができる。
本実施形態によれば、吸気口34を通じて通気ダクト25に取り込まれた空気は、通気ダクト25においてインバータ33bなどによって温められ、排気口31及び32を通じて通気ダクト25の外部である筐体1の内部空間に導かれる。筐体1に導入された空気は、燃料電池4、改質器5、第1水回路13、第2水回路14などコンポーネントの周囲の空間を鉛直方向の下側に向かって流れ、換気口41を通じて、筐体1の外部へと排出される。
本実施形態によれば、筐体1の内部に通気ダクト25が形成され、その通気ダクト25に発熱源としてのインバータ33b(電子回路基板33)が配置されている。吸気口34及び36から通気ダクト25に取り込まれた空気によってインバータ33bを効率的に冷却することができる。そして、空気を媒体として、インバータ33bの熱で燃料電池4、改質器5、第1水回路13、第2水回路14などを効率的に温めることができるので、燃料電池システム100の排熱回収効率が向上する。また、鉛直方向において、通気ダクト25の排気口31、通気ダクト25の吸気口34及び換気口41がこの順に配置されている。このような構成によれば、筐体1の上部から下部に向かう方向の空気の流れが形成されるので、筐体1の下部の空間も適切に温めることができる。水抜き栓のように筐体1の下部(例えば、底壁2a)に設けられたコンポーネントも温めることができるので、より高い凍結防止効果が得られる。水抜き栓などのコンポーネントを温めるための電気ヒータを省略することも可能である。また、排気口31及び吸気口34の下側に換気口41があるので、燃料電池システム100の運転停止期間(発電が行われていない期間)においても、筐体1の内部空間に温められた空気が滞留しやすい。そのため、低外気温時にも高い凍結防止効果が得られる。
本実施形態において、通気ダクト25は鉛直方向に延びている。排気口31は、筐体1の天井壁2bに向かって開口している。排気口32は、横方向(水平方向)に向かって開口している。排気口31の開口面積は、例えば、排気口32の開口面積よりも広い。また、回路筐体30において、排気口31が設けられた面は、吸気口34が設けられた面に向かい合っている。排気口32が設けられた面は、吸気口34が設けられた面に隣り合っているが向かい合っていない。このような構成によれば、吸気口34から通気ダクト25に導入された空気が鉛直方向の上側に向かってスムーズに流れ、温められた空気の大部分が排気口31を通じて筐体1の内部に排出される。排気口31が天井壁2bに向かい合っているので、空気も天井壁2bに向かって吹き付けられて拡散する。したがって、本実施形態によれば、筐体1の内部空間の全体をより均一に温めることができる。排気口32は、例えば、冷却されることが特に望ましい電子部品(インバータを除く)に向かい合う位置に形成されうる。冷却されることが特に望ましい電子部品の例として、コイルが挙げられる。
燃料電池システム100は、さらに、水素ガスセンサ45を備えている。水素ガスセンサ45は、酸化物半導体などで構成されている。水素ガスセンサ45は、筐体1の内部に配置されており、水素ガスの濃度を検出する役割を担っている。本実施形態では、側壁2cの吸気口36よりも鉛直方向における下側に水素ガスセンサ45が配置されている。詳細には、水素センサ45は、換気口45の近傍に設けられている。本実施形態によれば、通気ダクト25の排気口31が天井壁2bに向かって開口しているので、筐体1の上部の空間における空気の流れが比較的強い。そのため、筐体1の上部の空間に水素ガスが溜りにくい。換気口41の近傍に配置された水素ガスセンサ45によって、筐体1の内部における水素ガスの濃度、ひいては、水素ガスの漏えいの有無を確実に検出することが可能である。
本実施形態において、電子回路基板33は、通気ダクト25における空気の流れ方向(鉛直方向)に平行に配置されている。そのため、通気ダクト25において、空気は電子回路基板33に沿ってスムーズに流れる。これにより、空気が効率よく温められる。
本実施形態において、筐体1には、側壁2cの吸気口36よりも鉛直方向における上側に換気口が設けられていない。積極的な換気を行うための換気口としては、換気口41のみが筐体1の側壁2cに設けられている。また、通気ダクト25が鉛直方向に延びているので、排気口31から吸気口36までの距離が十分に確保されている。このような構成によれば、燃料電池システム100の運転停止後も温められた空気が筐体1の内部に保持されやすいので、より高い凍結防止効果が得られる。
図2に示すように、本実施形態において、吸気口36は、換気口41と同じ側壁2cに設けられている。回路筐体30は、換気口41が設けられた側壁2cに取り付けられている。このような構成によれば、筐体1の内部において、空気の流れの分配を促すことができる。このことは、筐体1の内部空間を均一に温めることに寄与する。ただし、吸気口36は、換気口41が設けられた側壁2cとは異なる側壁2cに設けられていてもよい。回路筐体30は、換気口41が設けられた側壁2cとは異なる側壁2cに取り付けられていてもよい。
本実施形態では、燃料電池4の全体が側壁2cの吸気口36よりも鉛直方向の上側に位置している。詳細には、燃料電池4の全体が通気ダクト25の吸気口34よりも鉛直方向の上側に位置している。このような構成によれば、燃料電池システム100の運転停止期間(発電が行われていない期間)において、最も重要なコンポーネントである燃料電池4を保温しやすい。通気ダクト25の吸気口34よりも鉛直方向の上側に位置しているコンポーネントの他の例としては、第1水回路13に設けられたポンプ(図示省略)が挙げられる。
本実施形態では、改質器5が燃料電池4よりも鉛直方向の下側に配置されている。このような構成によれば、改質器5からの排熱で筐体1の上部の空間を効率的に温めることができる。
本実施形態によれば、筐体1の内部空間を全体的に加熱するための電気ヒータが設けられていない。したがって、燃料電池4で生成された電力が電気ヒータで消費されることを防止できる。ただし、筐体1の内部に予備の電気ヒータが配置されていてもよい。電気ヒータには、燃料電池4で生成された電力が供給されてもよいし、商用電源から電力が供給されてもよい。
(変形例)
図3に示すように、変形例にかかる燃料電池システム102は、筐体1の側壁2cに設けられた吸気口44を覆うように、筐体1の内側から側壁2cに回路筐体30が取り付けられている。本変形例においても、通気ダクト25の下部に吸気口44が設けられている。埃、雨水などが通気ダクト25に吸い込まれる可能性が低い場合には、本変形例のように、吸気口44の周りの構造が簡素化されていてもよい。
本明細書に開示された技術は、燃料電池システムにおける水の凍結防止に役立つ。本明細書に開示された技術は、燃料電池システムのエネルギー効率の向上にも寄与する。
1 筐体
2a 底壁
2b 天井壁
2c 側壁
4 燃料電池
5 改質器
13 第1水回路
14 第2水回路
15 熱回収水路
25 通気ダクト
30 回路筐体(隔壁)
31,32 排気口
33 電子回路基板
33b インバータ
34,36,44 吸気口
35 吸気ファン
41 換気口
43 換気ファン

Claims (5)

  1. 燃料電池と、
    改質器と、
    前記燃料電池及び前記改質器から選ばれる少なくとも1つに接続された水回路と、
    側壁を有し、前記燃料電池、前記改質器及び前記水回路を収納している筐体と、
    前記筐体の前記側壁と前記側壁に向かい合う隔壁とによって形成された通気ダクトと、
    前記通気ダクトの下部に設けられ、前記筐体の外部と前記通気ダクトの内部とを連通させる吸気口と、
    前記通気ダクトの上部に設けられ、前記通気ダクトの内部と前記筐体の内部とを連通させる排気口と、
    前記吸気口から前記排気口への経路上において前記通気ダクトに配置され、前記燃料電池の直流出力を交流出力に変換するインバータと、
    前記吸気口よりも鉛直方向の下側の位置において前記筐体に設けられ、前記筐体の内部と前記筐体の外部とを連通させる換気口と、
    を備えた、燃料電池システム。
  2. 前記吸気口を通じて前記筐体の外部の空気を前記筐体の内部に供給するための吸気ファン、及び、前記換気口を通じて前記筐体の内部の空気を前記筐体の外部に排出するための換気ファンから選ばれる少なくとも1つをさらに備えた、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池の全体が前記吸気口よりも鉛直方向の上側に位置している、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記改質器が前記燃料電池よりも鉛直方向の下側に配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記通気ダクトが鉛直方向に延び、
    前記排気口は、前記筐体の天井壁に向かって開口している部分を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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