JP2018021505A - エンジンの冷却構造 - Google Patents

エンジンの冷却構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2018021505A
JP2018021505A JP2016152596A JP2016152596A JP2018021505A JP 2018021505 A JP2018021505 A JP 2018021505A JP 2016152596 A JP2016152596 A JP 2016152596A JP 2016152596 A JP2016152596 A JP 2016152596A JP 2018021505 A JP2018021505 A JP 2018021505A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling water
water jacket
engine
heat
step portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016152596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6465364B2 (ja
Inventor
祐輔 小池
Yusuke Koike
祐輔 小池
仁寿 中本
Yoshihisa Nakamoto
仁寿 中本
真玄 丸本
Masaharu Marumoto
真玄 丸本
徹 外薗
Toru Hokazono
徹 外薗
耕太 前川
Kota Maekawa
耕太 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2016152596A priority Critical patent/JP6465364B2/ja
Publication of JP2018021505A publication Critical patent/JP2018021505A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6465364B2 publication Critical patent/JP6465364B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】エンジンを冷却した際に吸収した熱を効率よく熱交換器に供給することができるエンジンの冷却構造を提供する。
【解決手段】エンジン100のシリンダブロック102に設けられた円筒状の燃焼室106と、燃焼室106の外側に燃焼室106を囲むように設けられ、内部に冷却水が通ることで燃焼室106を冷却するウォータージャケット116と、ウォータージャケット116を通った冷却水を受け入れる冷却水通路を有し、冷却水を用いて熱交換可能に構成されたヒーターコアと、を有するエンジン100の冷却構造1であって、ウォータージャケット116は、高さ方向に、上段部、中段部、及び下段部の3つの区画に分割され、中段部のみがヒータコアの冷却水通路に連通している。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの冷却構造に関し、エンジンの燃焼室の外周を囲むウォータージャケットを用いたエンジンの冷却構造に関する。
従来、エンジンの燃焼室を冷却するエンジンの冷却構造としては、例えば特許文献1に記載されるように、エンジンのシリンダ内面にシリンダライナを設け、シリンダライナとシリンダブロックとの間に冷却水を流通させるウォータージャケットを形成した構造のものがある。この特許文献1に記載の冷却構造では、ウォータージャケット内部に突出するフィンをシリンダライナに形成し、ウォータージャケットを流通する冷却水に乱流を発生させ、これによりシリンダライナの冷却効率を向上させている。
特開2005−337035号公報
ところで、エンジンの冷却構造では、ウォータージャケットを通過してエンジンの燃焼室を冷却する一方で、エンジンの熱によって温められた冷却水を熱交換器に供給して熱交換しエンジンの熱を利用するものがあり、例えばエンジンの熱によって温められた冷却水をヒータコアに供給し、車室へ温風を供給する暖房装置に使用するものがある。このような冷却構造では、暖房装置に使用する冷却水の観点から見れば、エンジンの熱によって温められた冷却水の温度は高い方が暖房装置の暖房効率が向上する。
しかしながら、近年では、エンジンの熱効率向上に伴って車両の燃費性能が向上する一方、燃焼室からエンジン構造体への冷却損失が低減されることにより、冷却水がエンジンで吸収する熱、すなわちエンジンから冷却水に供給される熱量も減ってきている。このため、エンジンの冷却水を例えば暖房装置に利用する場合、ヒーターコアへの十分な熱供給が課題となってきている。特に冬季などエンジン始動後、早期に暖房装置が効くようにする際には、ヒータコアへの迅速かつ十分な熱供給が重要となる。
本発明の目的は、エンジンを冷却した際に吸収した熱を効率よく熱交換器に供給することができるエンジンの冷却構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のエンジンの冷却構造は、エンジンのシリンダブロックに設けられた略円筒状の燃焼室と、燃焼室の外側に燃焼室を囲むように設けられ、内部に冷却水が通ること燃焼室を冷却するウォータージャケットと、ウォータージャケットを通った冷却水を受け入れる冷却水通路を有し、ウォータージャケットを通った冷却水を用いて熱交換可能に構成された熱交換器と、を有するエンジンの冷却構造であって、ウォータージャケットは、高さ方向に、上段部、中段部、及び下段部の3つの区画に分割され、中段部のみが熱交換器の冷却水通路に連通している、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、エンジンの燃焼室の外側に設けられたウォータージャケットが上段部、中段部、及び下段部の3つの区画に分割され、中段部のみが、熱交換器の冷却水通路に連通しているので、ウォータージャケットを通る冷却水のうち、中段部を通る冷却水のみが熱交換器に供給される。
ウォータージャケットが3つの区画に分割されているので、分割された3つの区画のうちの一部、つまり中段部のみに冷却水を流通させれば、冷却構造を流れる冷却水の流量が少なくなるので、冷却水の熱容量が小さくなり、冷却水を早期昇温させて熱交換器に供給される。これにより、エンジンを冷却した際に吸収した熱を効率よく熱交換器に供給することが可能になる。
また、中段部のみに冷却水を流通させて冷却水の熱容量が小さくすることにより、より温度の高い冷却水が熱交換器に供給されるので、上段部に比べて温度の低い中段部から熱を吸収しても、熱交換器に必要な冷却水の温度が確保される。
更に、エンジンの燃焼工程においては、燃焼室上部における燃焼室温度が安定的な燃焼に特に関係するが、本発明では、上段部ではなく中段部に冷却水を流通させることで中段部のみから熱を吸収することが可能になるので、燃焼安定性への悪影響を抑制しながら、必要な温度の冷却水を熱交換器に供給することが可能になる。
本発明において、好ましくは、熱交換器は、車両用空調装置の構成部材であって、車室に供給される空気と熱交換可能に構成されたヒータコアである。
このように構成された本発明においては、ウォータージャケットを通った冷却水が車両用空調装置のヒータコアに供給され、車室に供給される空気と熱交換可能に構成されているので、エンジンを冷却した際に吸収した熱を利用して車室の空調が可能になる。特に、冬季にはエンジン始動と同時に暖房要求がなされ、早期に熱交換器への温かい冷却水の供給が必要になるが、本発明はそのエンジンの始動と暖房が両立するので特に有効である。
本発明において、好ましくは、中段部を流れる冷却水の流れ方向は、ウォータージャケットの内周面の接線方向に対して所定の傾斜角度を有する。
このように構成された本発明においては、冷却水の流れ方向がウォータージャケットの内周面の接線方向に対して所定の傾斜角度を有しているので、冷却水が内周面に所定の傾斜角度を有して流れる。このため、冷却水がウォータージャケットの内周面の接線方向に沿って流れる場合に比べて、内周面における冷却水の流速が高くなり、内周面における熱伝達率が高くなるので、より効率よく熱が吸収される。
本発明において、好ましくは、傾斜角度は、30〜60度である。
このように構成された本発明においては、傾斜角度を30〜60度と適切に設定したので、ウォータージャケットの内周面から効率よく熱が吸収される。
本発明において、好ましくは、上段部、中段部、及び下段部は、ウォータージャケット内に挿入可能なスペーサによって区画されている。
このように構成された本発明においては、ウォータージャケット内に挿入可能なスペーサが設けられているので、このスペーサをウォータージャケットに挿入することで、上段部、中段部、及び下段部が区画される。したがって、簡単な構造でウォータージャケットが3つの区画に分割される。また、スペーサによってウォータージャケットを3つの区画に分割することが可能になるので、ウォータージャケット自体に区画を形成するための構造を設ける必要がないから、ウォータージャケットの構造が簡単になる。
本発明において、好ましくは、スペーサは、上段部と中段部との境界を形成する上壁と、中段部と下段部との境界を形成する下壁と、上壁の外側端から下壁の外側端まで延びる外壁とを有し、ウォータージャケットの内周面に向かう面が開口した略C字形の断面形状を有する。
このように構成された本発明においては、スペーサが、上壁、下壁、及び外壁を有する略C字形の断面形状を有するので、ウォータージャケット内に挿入すると、上壁によって上段部と中段部との境界が形成され、下壁によって中段部と下段部との境界が形成され、上壁、下壁、及び外壁とウォータージャケットの内周面とで囲まれた部分によって中段部が形成される。
スペーサをウォータージャケットに挿入するだけで、上段部、中段部、及び下段部を区画することができるので、スペーサのウォータージャケットへの組み付けが簡単になる。
本発明において、好ましくは、スペーサは、外壁よりも内側に、上壁と下壁との間に延びて中段部を外側空間と内側空間とに区切る隔壁を更に有し、隔壁には、外側空間と内側空間とを連通する複数の貫通孔が形成され、スペーサへの冷却水の冷却水入口は、外側空間に接続され、熱交換器の前記冷却水通路への冷却水の冷却水出口は、内側空間に接続される。
このように構成された本発明においては、スペーサが、複数の貫通孔が形成された隔壁を有し、冷却水入口が隔壁の外側の外側空間に接続され、冷却水出口が隔壁の内側の内側空間に接続されるので、冷却水入口から入った冷却水は、外側空間を流れ、複数の貫通孔から内側空間に入り、冷却水出口で出て行く。したがって、冷却水が外側から内側に向かって流れてウォータージャケットの内周面に当たるから、内周面に当たる冷却水の流速が高くなり、内周面における熱伝達率が高くなるので、より効率よく熱が吸収される。
本発明において、好ましくは、燃焼室の外周面は、前記中段部に対応する位置に設けられた中段領域を有し、中段領域の上方及び下方には、軸線方向に沿った熱伝達率が半径方向に沿った熱伝達率よりも大きい熱伝達率異方性材料で構成された熱伝達領域が形成されている。
このように構成された本発明においては、燃焼室の外周面の中段領域の上方及び下方に、熱伝達領域が形成されており、この熱伝達領域では、軸線方向に沿った熱伝達率が半径方向に沿った熱伝達率よりも大きい熱伝達率異方性材料で構成されている。したがって、熱伝達領域では軸方向に沿って熱が伝達しやすく、中段領域の上方及び下方から中段領域へ熱が伝達しやすい。よって、中段部に冷却水を流通させると、燃焼室の外周面の中段領域の上方及び下方から中段領域に熱が伝達され、その熱は中段部において冷却水に吸収される。これにより、中段部のみに冷却水の流通させた場合であっても、効率よく燃焼室が冷却されるとともに、中段部に熱を集めて、冷却水によって効率よく熱が吸収される。
本発明の一実施形態に係るエンジンの冷却構造を示す、燃焼室の軸線方向に沿った断面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの冷却構造を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの冷却構造の冷却水回路を示す図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの冷却構造のスペーサを示す斜視図である。 図4のV−V線に沿った面で切った状態で示すスペーサの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るスペーサの貫通孔から出る冷却水の流れを示す図である。 図2のVII−VII線に沿って切った状態で示すエンジンの冷却構造の斜視図である。 図1のVIII−VIII線に沿ったエンジンの冷却構造の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の冷却構造2を示す、燃焼室の軸線方向に沿った断面図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の冷却構造2を示す平面図である。
これらの図1及び図2に示すように、エンジン1は、例えばHCCI(Homogeneous Charge Compression Ignition)式のエンジンやディーゼルエンジンのような圧縮着火式のエンジンであり、シリンダブロック4に形成された複数(本実施形態では4つ)のシリンダ6を有し、各シリンダ6の内周面には、シリンダライナ7が設けられているとともに、各シリンダ6の内部には略円筒形の燃焼室8が形成されている。シリンダ6内にはピストン10が挿通されており、ピストン10はトップリング12、セカンドリング14、及びオイルリング16を有する。これらのリング12,14,16により、ピストン10とシリンダ6の内面との間のシールが形成されている。
シリンダブロック4には、燃焼室8の外側に燃焼室8を囲むように設けられ、内部に冷却水が通ることで燃焼室8を冷却するウォータージャケット18が形成されている。ウォータージャケット18は、図2に示すように、整列した4つのシリンダ6全体を囲むように形成された凹部であり、上方からみて燃焼室8の外周面から等距離に、等幅の複数の円弧状の溝を連続させたような形状となっている。ウォータージャケット18は、図1に示すように、燃焼室8の外側で、シリンダ6の軸線方向に沿って所定深さに形成されている。ウォータージャケット18の所定深さは、シリンダブロック4の上方にシリンダヘッド5(図3)を取り付ける際に、ヘッドボルト(図示せず)に必要な締め付けトルクを掛けたときにシリンダブロック4が変形しない程度に設定されている。また、図には表れていないが、ウォータージャケット18は、金型を抜いて成形されるため、高さ(深さ)方向(シリンダ6の軸線方向)に沿って若干の抜き勾配を有しており、全体として先細りの形状となっている。
ウォータージャケット18には、ウォータージャケット18の内部空間を高さ方向に3つに分割するためのスペーサ20が挿入されている。このスペーサ20により、ウォータージャケット18の内部空間は、スペーサ20の上方に位置する上段部22と、スペーサ20の内部の空間によって形成される中段部24と、スペーサ20の下方に位置する下段部26との3つの区画に分割されている。上段部22、中段部24、及び下段部26には、エンジンのシリンダ6を冷却するための冷却水がそれぞれ流通可能となっている。
図3は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の冷却構造2の冷却水回路を示す図である。この図3に示すように、冷却構造2は、シリンダブロック4に形成されたウォータージャケット18と、シリンダブロック4の上方に設けられたシリンダヘッド5に形成されシリンダヘッド5を冷却するためのヘッド冷却水通路28と、ヘッド冷却水通路28の出口付近に設けられたサーモスタット30と、サーモスタット30を介してヘッド冷却水通路28に接続された第1配管32と、第1配管32に接続されたラジエータ34と、ラジエータ34に接続された第2配管36と、第2配管36に接続されたウォーターポンプ38と、ウォーターポンプ38とウォータージャケット18とを連通する第3配管40と、ウォータージャケット18からの冷却水の一部を取り出す第4配管42と、第4配管42に接続された熱交換器としてのヒータコア44と、ヒータコア44内部を冷却水が流れるヒータコア冷却水通路46と、ヒータコア冷却水通路46に接続され、第2配管36に連通する第5配管48と、を有する。
ウォータージャケット18は、前述のように上段部22、中段部24、及び下段部26に分割されており、ウォータージャケット18の上流側において、上段部22、中段部24、及び下段部26の全てが第3配管40と連通している。一方、ウォータージャケット18の下流側では、上段部22及び下段部26のみがヘッド冷却水通路28に連通している。中段部24は、第4配管42に連通している。したがって、ウォータージャケット18の3つに分割された区画のうち中段部24のみが、第4配管42を介してヒータコア44のヒータコア冷却水通路46に連通している。
ウォータージャケット18の上段部22及び下段部26は、下流側端において合流し、シリンダブロック4の上端においてヘッド冷却水通路28に連通している。
ヒータコア44は、車両用空調装置の一部であって車室に供給される空気と熱交換可能に構成されており、ファン50を有し、ファン50からの空気がヒータコア冷却水通路46に当たるように構成されている。また、ファン50の下流側には車室(図示せず)が配置されており、ファン50からの空気が車室に供給されるようになっている。
次に、ウォータージャケット18を上段部22、中段部24、及び下段部26の3つの区画に分割するスペーサ20の構造について説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の冷却構造2のスペーサ20を示す斜視図であり、図5は、図4のV−V線に沿った面で切った状態で示すスペーサ20の斜視図である。これらの図4及び図5に示すように、スペーサ20は、環状に形成されており、上壁52及び下壁54と、上壁52の外側端から下壁54の外側端まで延びる外壁56と、を有する。
上壁52及び下壁54は、シリンダ6の軸線方向に直交する面で切ったウォータージャケット18の断面形状に対応する形状を有し、つまり、整列した複数(4つ)のシリンダ6全体を囲むように、複数の円弧を連続させたような形状となっている。外壁52及び下壁54の内側端には、スペーサ20をウォータージャケット18の内周面にシールするためのOリング58が取り付けられている。上壁52には、複数箇所(本実施形態では3箇所)に、上方に延びてシリンダヘッド5に当接可能に構成されることで、スペーサ20のウォータージャケット18内での上方への浮き上がりを防止するための支柱60が設けられている。
外壁56は、上壁52の外側端と下壁54の外側端を連結するように、ウォータージャケット18の軸線方向に沿って延びている。
このような形状の上壁52、下壁54、及び外壁56により、スペーサ20は、シリンダ6の軸線方向に沿って切った断面形状が、略C字形に形成される。
外壁56の内側には、上壁52と下壁54との間に延びて外壁56と同様の外形形状を有する隔壁62が形成されている。隔壁62は、スペーサ20の内部の空間を、隔壁62と外壁56との間の外側空間64と、隔壁62とウォータージャケット18の内周面との間の内側空間66とに区切る。隔壁62には、全面にわたって等間隔に複数の貫通孔68が形成されている。
ここで、スペーサ20の隔壁62の貫通孔68の構造について説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係るスペーサ20の貫通孔68から出る冷却水の流れを示す図であり、この図6においては、4つのシリンダ6のうちの中央側に配置されたシリンダ6に対応するスペーサ20の部分が示されている。
図6に示すように、貫通孔68の軸線方向は、シリンダ6の半径方向に対して角度Aを有して傾斜している。したがって、貫通孔68を通る冷却水の流れ方向は、シリンダ6の半径方向、つまりウォータージャケット18の内周面の半径方向に対して角度Aの傾斜角度を有する。また、冷却水がウォータージャケット18の内周面に当たった位置での冷却水の流れ方向は、ウォータージャケット18の内周面に対して角度Bを有して傾斜している。
本実施形態において、角度Aは、好ましくは30〜60度、より好ましくは45度である。また、角度Bは、好ましくは60〜30度(30〜60度)、より好ましくは45度である。角度Aが60度より大きい、あるいは角度Bが30度よりも小さいと、冷却水の流れ方向が、ウォータージャケット18の内周面の接線方向に近い方向に流れるため、冷却水の流れはスムーズになるが、熱伝達率が低下して冷却水が吸熱できる熱量が小さくなるため、冷却水の温度上昇量は小さくなる。また、角度Aが30度より小さい、あるいは角度Bが60度よりも大きいと、冷却水の流れ方向がウォータージャケット18の内周面の半径方向に近い方向に流れるため、熱伝達率は比較的高くなるが、隣接する貫通孔68から出た冷却水の流れ同士がぶつかり、その場で淀みやすい状態となる。
図4及び図5に戻って、スペーサ20には、内部に冷却水を導入するための冷却水入口70と、内部から冷却水を排出するための冷却水出口72とが設けられている。
冷却水入口70は、4つ並んだシリンダ6の一端側のシリンダ6に対応する円弧上に設けられており、スペーサ20の外側と、スペーサ20の外側空間64とを連通している。また、冷却水入口70は、ウォーターポンプ38に接続する第3配管40に接続している。
図7は、図2のVII−VII線に沿って切った状態で示すエンジンの冷却構造の斜視図である。この図7に示すように、シリンダブロック4には、ウォータージャケット18の外周面から外側に突出するように形成された冷却水流入領域76が形成されており、冷却水入口70は、この冷却水流入領域76に開口している。冷却水流入領域76は、冷却水入口70の上方及び下方にわたって延びており、したがって、冷却水流入領域76は、冷却水入口70を介して中段部24に連通しているだけでなく、ウォータージャケット18の上段部22及び下段部26にも連通している。冷却水流入領域76は、シリンダブロック4に形成された冷却水流入口78と連通しており、冷却水流入口78は、図示はしないが、シリンダブロック4の側面に開口して、ウォーターポンプ38と連結している。したがって、冷却水流入口78は、冷却水回路における第3配管40を構成する。このような構造により、第3配管40は、ウォータージャケット18の上段部22、中段部24、及び下段部26の全てに連通している。
冷却水出口72は、4つ並んだシリンダ6の他端側のシリンダ6に対応する円弧上に配置されており、スペーサ20の長手方向軸線に対して冷却水入口70の反対側で且つ横方向軸線に関しても冷却水入口70の反対側に位置している。冷却水出口72は、スペーサ20の内側空間66と、スペーサ20の外側とを連通しており、シリンダブロック4の側面において、ヒータコア44のヒータコア冷却水通路46に連通する第4配管42に接続している。したがって、ウォータージャケット18の中段部24のみが、第4配管42に連通している。
ここで、冷却水入口70及び冷却水出口72の配置と隔壁62の貫通孔68の軸線の傾斜方向との関係について説明する。
図8は、図1のVIII−VIII線に沿ったエンジンの冷却構造の断面図である。この図8に示すように、隔壁62の貫通孔68は、貫通孔68から出た冷却水の流れ方向が冷却水出口72に向かう冷却水の流れの下流側に向かって傾斜するように形成されている。具体的には、図8においては、冷却水入口70が図面右下に、冷却水出口72が図面左上に配置されているが、内側空間66における冷却水入口70の位置から冷却水出口72までの冷却水の流れは、冷却水入口70の位置からシリンダ6の図面上方の内側空間66を通り冷却水出口72に向かう第1の流れ80と、冷却水入口70の位置からシリンダ6の図面下方の内側空間66を通って冷却水出口72に向かう第2の流れ82とに分割される。したがって、貫通孔68の軸線の傾斜方向は、第1の流れ80の領域内及び第2の流れ82の領域内のそれぞれにおける位置において、流れの下流側に向かって傾斜している。
図1及び図7を再び参照すると、スペーサ20がウォータージャケット18内に挿入された状態で示されている。ウォータージャケット18は、前述のように、成形時の金型の抜き勾配により下方側の幅が若干小さくなった先細りの形状となっている。このため、スペーサ20がウォータージャケット18の上端から挿入された状態では、スペーサ20は、下壁54がウォータージャケット18の周面に当接した位置で安定する。
この状態では、Oリング58がウォータージャケット18の内周面に当接し、上壁52とウォータージャケット18の内周面との間、及び下壁54とウォータージャケット18の内周面との間をシールしている。
このような構造により、スペーサ20の上壁52は、上段部22と中段部24との境界を形成し、下壁54は、中段部24と下段部26との境界を形成する。また、中段部24は、上壁52、下壁54、外壁56、及びウォータージャケット18の内周面によって上段部22及び下段部26とは隔離された領域を形成している。
ここで、スペーサ20のウォータージャケット18内での位置は、ピストン10のストロークの中央位置が、中段部24の高さ方向範囲内に位置するように設定されている。ここで、ピストン10のストロークは、上死点におけるピストン10のトップリング12の位置から下死点におけるトップリング12の位置までの距離を意味する。図1では、ピストン10は下死点に位置した状態で示されており、本実施形態では、ピストン10のストロークの中央位置とスペーサ20の中段部24の高さ方向中央位置はほぼ一致している。
また、中段部24の高さH、つまり上壁52の下端から下壁54の上端までの距離は、中段部24の幅や必要な冷却水流量等によって定まる。すなわち、中段部24を流れる冷却水がエンジン1の熱を吸収することで上昇する冷却水の温度を高めるためには、中段部24を流れる冷却水の流量は少ない方がよい。したがって、中段部24の幅や高さを小さくすることが考えられる。しかしながら、中段部24においては、隔壁62の貫通孔68からウォータージャケット18の内周面に向かって出た冷却水がウォータージャケット18の内周面ではね返って再び隔壁62に当たってしまうと、内側空間66における冷却水の流れを乱す。したがって、中段部24の内側空間66の幅は、内側空間66の冷却水の流れを乱さない程度の適切な幅が必要とされる。本実施形態では、中段部24の高さHは、内側空間66での冷却水の流れを乱さない程度の中段部24の内側空間66の幅と、ヒータコア44で要求される輸送熱量から計算される内側空間66の体積と、を勘案して決定されている。具体的には、本実施形態では、中段部24の高さHは、10〜20mmの範囲で設定されている。
シリンダ6の内面、つまり燃焼室8の外周面には、シリンダライナ7が設けられている。このシリンダライナ7は、ウォータージャケット18の上段部22に対応する位置に設けられた上段領域84と、中段部24に対応する位置に設けられた中段領域86と、下段部26に対応する位置に設けられた下段領域88とを有する。また、シリンダライナ7は、中段領域86の上方及び下方、つまり、上段領域84と中段領域86との間、及び中段領域86と下段領域88との間に熱伝達領域90を有する。
中段領域86は、シリンダ6の内面からウォータージャケット18の内周面まで半径方向に延び、したがって、中段領域86の外周面は、ウォータージャケット18の中段部24に露出している。一方、上段領域84、下段領域88及び熱伝達領域90は、中段領域86よりも半径方向の寸法が小さく形成されており、ウォータージャケット18の内周面に露出しない。
上段領域84、中段領域86、及び下段領域88は、半径方向に沿った熱伝達率が軸線方向に沿った熱伝達率より大きい熱伝達率異方性材料で構成されている。熱伝達率異方性材料としては、例えばグラファイトと金属との複合材料が挙げられ、上段領域84、中段領域86、及び下段領域88では、グラファイトの積層方向をシリンダライナ7の軸線方向に沿って配向し、グラファイトの配向方向をシリンダライナ7の半径方向に沿って配向することによって、半径方向に沿った熱伝達率が軸線方向に沿った熱伝達率より大きくなる熱伝達率の異方性が得られる。
熱伝達領域90は、軸線方向に沿った熱伝達率が半径方向に沿った熱伝達率よりも大きい熱伝達率異方性材料で構成されている。熱伝達率異方性材料としては、例えばグラファイトと金属との複合材料が挙げられ、熱伝達領域90では、グラファイトの積層方向をシリンダライナ7の半径方向に沿って配向し、グラファイトの配向方向をシリンダライナ7の軸線方向に沿って配向することによって、軸線方向に沿った熱伝達率が半径方向に沿った熱伝達率よりも大きくなる熱伝達率の異方性が得られる。
以上のような構造のエンジン1の冷却構造2では、次のように動作する。
エンジン1の始動時に車室に温風を送る場合には、エンジン1の始動とともに、冷却構造2のウォーターポンプ38が冷却水の供給を開始する。ウォーターポンプ38から供給された冷却水は、第3配管40を構成する冷却水流入口78に入り、冷却水流入領域76に入る。このとき、エンジン1の燃焼室8はエンジン1の暖機が完了したと思われる所定温度に達していないため、サーモスタット30は第1配管32への冷却水の流通を禁止している。第1配管32は、ウォータージャケット18の上段部22及び下段部26に連通しているので、上段部22及び下段部26には冷却水が流入することができない。よって、冷却水流入領域76に流入した冷却水は、冷却水入口70を通って中段部24に入る。
中段部24では、冷却水入口70からの冷却水は、第1の流れ80及び第2の流れ82に沿って流れて外側空間64を満たし、隔壁62の貫通孔68からウォータージャケット18の内周面に向かって噴出して内側空間66に入る。貫通孔68から噴出した冷却水は、ウォータージャケット18の内周面の接線方向に対して角度Bを有して当たり、ウォータージャケット18の内周面から熱を吸収する。このとき、ウォータージャケット18の内周面には、シリンダライナ7の中段領域86が露出しており、この中段領域86は、半径方向に沿った熱伝達率が軸線方向に沿った熱伝達率より大きい熱伝達率異方性材料で構成されているので、燃焼室8からの熱が中段領域86の外周面まで伝わって冷却水に吸収される。
また、熱伝達領域90が上段領域84及び下段領域88から中段領域85へ熱を軸方向に伝達し、その熱も中段領域86において冷却水に吸収される。
内側空間66を通る冷却水は、中段領域86から熱を吸収しながら下流側に流れ、冷却水出口72から出る。ウォータージャケット18で熱を吸収して温度が上昇した冷却水は、第4配管42を介してヒータコア44のヒータコア冷却水通路46に供給される。ヒータコア冷却水通路46においてファン50からの空気が冷却水の熱を奪うことで熱交換が行われ、冷やされた冷却水は第2配管36を通ってウォーターポンプ38に戻される。一方、冷却水から熱を奪った空気は温風となり、車室に供給されて車室を温める。
エンジン1がある程度運転されて暖機が完了し、燃焼室8の温度が所定温度に達した場合、サーモスタット30が第1配管32への冷却水の流通を許可する。すると、ウォータージャケット18の上段部22及び下段部26にも冷却水が流通可能になるので、ウォーターポンプ38から供給された冷却水は、冷却水流入領域76から上段部22、中段部24、及び下段部26の全てに流入する。中段部24では、冷却水は、前述のように中段領域86から熱を吸収し、ヒータコア44を通って熱交換し、ウォーターポンプ38に戻る。上段部22及び下段部26では、流入した冷却水は、シリンダブロック4を介してシリンダライナ7の上段領域84及び下段領域88からそれぞれ熱を吸収する。熱を吸収した冷却水は、下流端で合流し、シリンダブロック4の上端からヘッド冷却水通路28に入る。この際、ヘッド冷却水通路28への連通がシリンダブロック4の上端でなされているため、上段部22の冷却水は、下段部26の冷却水よりもヘッド冷却水通路28に流れやすくなる。したがって、上段部22の冷却水の流量は、下段部26の冷却水の流量よりも多い。
ヘッド冷却水通路28を通ってシリンダヘッド5をも冷却した冷却水は、第1配管32を通ってラジエータ34に入り、熱交換して冷却される。その後、冷却水は、第2配管36を通ってウォーターポンプ38に戻る。
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
ウォータージャケット18が上段部22、中段部24、及び下段部26の3つの区画に分割され、中段部24のみがヒータコア44のヒータコア冷却水通路46に連通しているので、中段部24のみに冷却水を流通させることで、冷却水の熱容量を小さくすることができる。
例えば特許文献1に記載されるような従来の冷却構造では、ウォータージャケット全面から熱を吸収している。エンジン内部を通過する全ての冷却水を使って吸熱しているので、エンジンの燃焼室の冷却効率は高まるものの、熱容量の観点からは、冷却水の温度が上昇しにくい。このため、この冷却水をヒータコアに供給して暖房装置で使用しようとした場合、温度の高い温風を得ることができない。
これに対して本実施形態では、ウォータージャケット18の一部の中段部22のみで熱を吸収することで冷却水の熱容量を小さくすることができるので、冷却水の温度をより高くすることができ、エンジン1から吸収した熱を効率よくヒータコア44に供給することができる。
また、冷却水の熱容量を小さくして効率よく熱をヒータコア44に供給することができるから、上段部22に比べてウォータージャケット18の内周面の温度が低い中段部24のみをヒータコア冷却水通路46に連通させても、所望の冷却水温度を得ることができる。
更に、中段部24のみに冷却水を流通させることでヒータコアに十分な熱量を供給することができるので、燃焼に大きく関わる上段部22の温度を大幅に下げるのを防止することができる。したがって、例えば冬季のエンジン始動時に暖機と暖房装置の作動の両方を行わなければならない場合等に、両方の迅速な作動を両立することができる。
ウォータージャケット18の上段部22、中段部24、及び下段部26のうち、中段部24から熱を吸収することができるので、その際、上段部22及び下段部26から中段部24へ伝達された熱も吸収することができる。例えば上段部22だけから熱を吸収する場合、上段部22は下段部26から距離があるため、下段部26からの熱を吸収しにくい。本実施形態では、中段部24から熱を吸収することにより上段部22及び下段部26の両方からの距離を短くして両方からの熱を吸収しやすくすることができる。
スペーサ20に隔壁62を設け、隔壁62に貫通孔68を形成したことにより、貫通孔68を出た冷却水をウォータージャケット18の内周面の接線方向に対して角度Bの傾斜角度で内周面に当てることができる。これにより、冷却水がウォータージャケット18の内周面の接線方向に沿って流れる場合に比べて、冷却水への熱伝達率を向上させることができ、より効率よく熱を吸収することができる。
ウォータージャケット18の上段部22、中段部24、及び下段部26を、スペーサ20のウォータージャケット18への挿入によって区画しているので、従来の、ウォータージャケット18の内面に凹凸を形成する等の構造に比べて簡単な構造で区画を分割することができる。また、スペーサ20をウォータージャケット18に挿入するだけで、ウォータージャケット18を上段部22、中段部24、及び下段部26に分割することができるので、シリンダブロック4の組み付け工程を簡略化できる。
スペーサ20が上壁52、下壁54、及び外壁56を有して断面略C字形に形成されているので、スペーサ20をウォータージャケット18に挿入するだけで、上壁52によって上段部22と中段部24との境界を形成することができ、下壁54によって中段部24と下段部26との境界を形成することができる。また、上壁52、下壁54、及び外壁56とウォータージャケット18の内周面で囲まれた領域に中段部24を形成することができるので、簡単な構造で中段部24をその他の区画から隔離することができる。
スペーサ20が、貫通孔68が形成された隔壁62を有し、冷却水入口70が外側空間64に連通し、冷却水出口72が内側空間66に連通しているので、冷却水入口70から入った冷却水が隔壁62の貫通孔68を通って内側空間66に入り、ウォータージャケット18の内周面に向かって噴出される。したがって、冷却水がウォータージャケット18の内周面の接線方向に沿って流れる場合に比べて、冷却水への熱伝達率を向上させることができ、より効率よく熱を吸収することができる。
シリンダライナ7を、上段領域84と、中段領域86と、下段領域88とに分割し、これらの領域84,86,88を、半径方向に沿った熱伝達率が軸線方向に沿った熱伝達率より大きい熱伝達率異方性材料で構成しているので、これらの領域84,86,88においては燃焼室8の熱がウォータージャケット18の内周面側に伝わりやすくなるから、上段部22、中段部24、及び下段部26において冷却水が効率よく熱を吸収することができる。
また、シリンダライナ7の上段領域84と中段領域86との間、及び中段領域86と下段領域88との間に熱伝達領域90を設け、この熱伝達領域90を、軸線方向に沿った熱伝達率が半径方向に沿った熱伝達率よりも大きい熱伝達率異方性材料で構成したので、上段領域84と中段領域86との間、及び中段領域86と下段領域88との間で熱を伝達しやすくすることができる。したがって、例えば中段部24のみから燃焼室8の熱を吸収している場合に、上段部22及び下段部26からの熱も中段部24で吸収しやすくすることができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、以下のような態様であってもよい。
前述の実施形態では、スペーサ20の冷却水出口72が、シリンダブロック4の側面においてヒータコア冷却水通路46に連通する第4配管42に連結していたが、これに限らず、冷却水出口は、例えばシリンダブロックの上面からシリンダヘッドを貫通してシリンダヘッドの上面に開口して、ヒータコアの冷却水通路に連通してもよい。
前述の実施形態では、スペーサ20の上壁52及び下壁54の内側端にはOリング58が設けられていたが、これらのOリングは、必ずしも設けられていなくてもよい。
前述の実施形態では、上段領域84、中段領域86及び下段領域88は、熱伝達率異方性材料で構成されていたが、必ずしも熱伝達率異方性材料で構成されていなくてもよい。また、熱伝達領域90についても、必ずしも設けられていなくてもよい。
前述の実施形態では、スペーサ20に隔壁62を設け、隔壁62の貫通孔68の軸線方向を傾斜させることによって、冷却水の流れ方向をウォータージャケット18の内周面の接線方向に対して傾斜させるようにしたが、冷却水の流れ方向を定めるための具体的な構造は、これに限らず任意に設計することができる。
ウォータージャケットを上段部、中段部、及び下段部の3つの区画に分割するための構造は、前述の実施形態のようにスペーサ20をウォータージャケット18に挿入するものに限らず、例えば従来と同様にウォータージャケットの内周面に凹凸や仕切りを形成したり、シリンダライナに仕切りを設けてウォータージャケットの内側にはめ込んだり等、任意の構造を採用することができる。
前述の実施形態では、上段部22及び下段部26にも冷却水が流通可能な構造となっていたが、本発明においてはこれは必須な構成ではない。
前述の実施形態では、熱交換器としてヒータコアを採用していたが、これに限らず、例えばATFウォーマやオイルウォーマを採用してもよい。
エンジンは圧縮着火式のエンジンに限らず、火花着火式のエンジンを採用してもよい。
1 エンジン
2 冷却構造
4 シリンダブロック
8 燃焼室
18 ウォータージャケット
20 スペーサ
22 上段部
24 中段部
26 下段部
44 ヒータコア(熱交換器)
46 冷却水通路
52 上壁
54 下壁
56 外壁
62 隔壁
64 外側空間
66 内側空間
68 貫通孔
70 冷却水入口
72 冷却水出口
90 熱伝達領域

Claims (8)

  1. エンジンのシリンダブロックに設けられた略円筒状の燃焼室と、
    前記燃焼室の外側に前記燃焼室を囲むように設けられ、内部に冷却水が通ることで前記燃焼室を冷却するウォータージャケットと、
    前記ウォータージャケットを通った冷却水を受け入れる冷却水通路を有し、前記ウォータージャケットを通った冷却水を用いて熱交換可能に構成された熱交換器と、を有するエンジンの冷却構造であって、
    前記ウォータージャケットは、高さ方向に、上段部、中段部、及び下段部の3つの区画に分割され、
    前記中段部のみが前記熱交換器の前記冷却水通路に連通している、
    ことを特徴とするエンジンの冷却構造。
  2. 前記熱交換器は、車両用空調装置の構成部材であって、車室に供給される空気と熱交換可能に構成されたヒータコアである、
    請求項1に記載のエンジンの冷却構造。
  3. 前記中段部を流れる冷却水の流れ方向は、前記ウォータージャケットの内周面の接線方向に対して所定の傾斜角度を有する、
    請求項1または請求項2に記載のエンジンの冷却構造。
  4. 前記傾斜角度は、30〜60度である、
    請求項3に記載のエンジンの冷却構造。
  5. 前記上段部、前記中段部、及び前記下段部は、前記ウォータージャケット内に挿入可能なスペーサによって区画されている、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエンジンの冷却構造。
  6. 前記スペーサは、前記上段部と前記中段部との境界を形成する上壁と、前記中段部と前記下段部との境界を形成する下壁と、前記上壁の外側端から前記下壁の外側端まで延びる外壁とを有し、前記ウォータージャケットの内周面に向かう面が開口した略C字形の断面形状を有する、
    請求項5に記載のエンジンの冷却構造。
  7. 前記スペーサは、前記外壁よりも内側に、前記上壁と前記下壁との間に延びて前記中段部を外側空間と内側空間とに区切る隔壁を更に有し、前記隔壁には、前記外側空間と前記内側空間とを連通する複数の貫通孔が形成され、前記スペーサへの冷却水の冷却水入口は、前記外側空間に接続され、前記熱交換器の前記冷却水通路への冷却水の冷却水出口は、前記内側空間に接続される、
    請求項6に記載のエンジンの冷却構造。
  8. 前記燃焼室の外周面は、前記中段部に対応する位置に設けられた中段領域を有し、前記中段領域の上方及び下方には、軸線方向に沿った熱伝達率が半径方向に沿った熱伝達率よりも大きい熱伝達率異方性材料で構成された熱伝達領域が形成されている、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のエンジンの冷却構造。
JP2016152596A 2016-08-03 2016-08-03 エンジンの冷却構造 Active JP6465364B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016152596A JP6465364B2 (ja) 2016-08-03 2016-08-03 エンジンの冷却構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016152596A JP6465364B2 (ja) 2016-08-03 2016-08-03 エンジンの冷却構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018021505A true JP2018021505A (ja) 2018-02-08
JP6465364B2 JP6465364B2 (ja) 2019-02-06

Family

ID=61166084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016152596A Active JP6465364B2 (ja) 2016-08-03 2016-08-03 エンジンの冷却構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6465364B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109441654A (zh) * 2018-09-05 2019-03-08 潍柴动力股份有限公司 发动机冷却水套及发动机
WO2020105938A1 (ko) * 2018-11-20 2020-05-28 김성규 내마모성과 내열성 실린더 라이너
CN114439604A (zh) * 2020-11-06 2022-05-06 上海汽车集团股份有限公司 一种燃烧室的热传导系统及发动机

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5490510U (ja) * 1977-12-08 1979-06-27
JPS61265343A (ja) * 1985-05-18 1986-11-25 Yamaha Motor Co Ltd 内燃機関の冷却装置
JPH0319424U (ja) * 1989-07-06 1991-02-26
JP2001152850A (ja) * 1999-11-26 2001-06-05 Honda Motor Co Ltd エンジンのシリンダ壁温制御装置
JP2006275029A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Nippon Soken Inc シリンダブロック
JP2015108347A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 マツダ株式会社 多気筒エンジンの冷却装置
JP2016121577A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 三菱自動車工業株式会社 エンジンの冷却液循環構造

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5490510U (ja) * 1977-12-08 1979-06-27
JPS61265343A (ja) * 1985-05-18 1986-11-25 Yamaha Motor Co Ltd 内燃機関の冷却装置
JPH0319424U (ja) * 1989-07-06 1991-02-26
JP2001152850A (ja) * 1999-11-26 2001-06-05 Honda Motor Co Ltd エンジンのシリンダ壁温制御装置
JP2006275029A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Nippon Soken Inc シリンダブロック
JP2015108347A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 マツダ株式会社 多気筒エンジンの冷却装置
JP2016121577A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 三菱自動車工業株式会社 エンジンの冷却液循環構造

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109441654A (zh) * 2018-09-05 2019-03-08 潍柴动力股份有限公司 发动机冷却水套及发动机
CN109441654B (zh) * 2018-09-05 2020-04-03 潍柴动力股份有限公司 发动机冷却水套及发动机
WO2020105938A1 (ko) * 2018-11-20 2020-05-28 김성규 내마모성과 내열성 실린더 라이너
CN114439604A (zh) * 2020-11-06 2022-05-06 上海汽车集团股份有限公司 一种燃烧室的热传导系统及发动机

Also Published As

Publication number Publication date
JP6465364B2 (ja) 2019-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100389698B1 (ko) 고/저온 수냉식 냉각시스템
JP5846135B2 (ja) 内燃機関
JP6465364B2 (ja) エンジンの冷却構造
KR20170031743A (ko) 열 교환기
JP6079594B2 (ja) 多気筒エンジンの冷却構造
CN108730062A (zh) 内燃发动机的汽缸体
JP2007178053A (ja) 熱交換器
US20160138521A1 (en) Cylinder block
US20180100463A1 (en) Water jacket for a cylinder head
JP2007071404A (ja) 車両用熱交換器
KR20200098939A (ko) 블록 인서트 및 이를 포함하는 차량 엔진의 실린더 구조
CN108757201A (zh) 一种摩托车发动机冷却液循环系统及发动机
KR101207839B1 (ko) 수랭식 인터쿨러 일체형 열교환기
KR101243676B1 (ko) 판형 열교환기
KR102420928B1 (ko) 냉각수 리저버 탱크
CN212614984U (zh) 一种发动机冷却结构
KR200383452Y1 (ko) 터보엔진용 원형 냉각기
CN206458521U (zh) 一种油散热器结构
KR20100082074A (ko) 오일쿨러
KR20100027324A (ko) 통합형 라디에이터
KR102119776B1 (ko) 인터쿨러 파이프의 냉각 장치
JP2007198148A (ja) V型内燃機関の熱交換器配置構造
JP6344356B2 (ja) 内燃機関の冷却構造
JP2014088808A (ja) 内燃機関のウォータジャケット用スペーサ
KR101354916B1 (ko) 오일쿨러

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6465364

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150