JP2018021165A - 発泡粒子製造用樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】見かけ密度の低いポリカーボネート系樹脂製の発泡成形体を製造可能な樹脂粒子を提供することを課題とする。【解決手段】ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂とし、前記基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲で前記ポリカーボネート系樹脂を含むことを特徴とする発泡粒子製造用樹脂粒子により上記課題を解決する。【選択図】図1
Description
本発明は、発泡粒子製造用樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂する発泡粒子製造用樹脂粒子、この樹脂粒子から得られた発泡粒子、及びこの発泡粒子から得られた発泡成形体に関する。
発泡成形体は、軽いことに加え、加工性及び形状保持性が良く、比較的強度も強いため、食品トレーや自動車用部材を始め、建材、土木資材、照明器具等のさまざまな分野で使用されている。特に耐熱性が要求されない場合にはポリスチレン系樹脂製の発泡成形体が用いられ、緩衝特性、回復性、柔軟性等が必要な場合にはポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂製の発泡成形体が用いられる傾向にある。
これらポリスチレン系樹脂及びオレフィン系樹脂よりも一般的に耐熱性が高い樹脂として、ポリカーボネート系樹脂がある。これは、日本以外の国でも、また乾燥地帯や熱帯地帯等の過酷な気候の場所でも利用可能な樹脂素材である。このポリカーボネート系樹脂は、耐熱性に優れているだけでなく、耐水性、電気特性、機械的強度、耐老化性及び耐薬品性にも優れている。そのため、ポリカーボネート系樹脂は、これまで建造物の内装材として用いられてきたが、近年その優れた特性を活用した自動車部材、包装材、各種容器等への用途展開も期待されている。
これらポリスチレン系樹脂及びオレフィン系樹脂よりも一般的に耐熱性が高い樹脂として、ポリカーボネート系樹脂がある。これは、日本以外の国でも、また乾燥地帯や熱帯地帯等の過酷な気候の場所でも利用可能な樹脂素材である。このポリカーボネート系樹脂は、耐熱性に優れているだけでなく、耐水性、電気特性、機械的強度、耐老化性及び耐薬品性にも優れている。そのため、ポリカーボネート系樹脂は、これまで建造物の内装材として用いられてきたが、近年その優れた特性を活用した自動車部材、包装材、各種容器等への用途展開も期待されている。
ところで、ポリカーボネート系樹脂の発泡体の製法としては、例えば特許文献1(特開2003−96226号公報)及び特許文献2(特開平10−330524号公報)のような押出発泡法がよく知られている。しかしながら、この方法で得られる発泡体は、ボード状であるため、単純な建築材を得ることしかできなかった。従って、押出発泡法では、自動車部材のような複雑な形状をした発泡体を得ることは困難であった。
複雑な成形を可能にする方法としては、発泡粒子を金型内で発泡及び融着させる型内発泡成型法が知られている(例えば、特許文献3(特開平11−287277号公報)及び特許文献4(特開2016−125041号公報))。この方法は、所望の形状に対応する空間を有する金型を用意し、その空間内に発泡粒子を充填し、加熱により発泡粒子を発泡及び融着させることで、複雑な形状を有する発泡成形体を得ることができる。
複雑な成形を可能にする方法としては、発泡粒子を金型内で発泡及び融着させる型内発泡成型法が知られている(例えば、特許文献3(特開平11−287277号公報)及び特許文献4(特開2016−125041号公報))。この方法は、所望の形状に対応する空間を有する金型を用意し、その空間内に発泡粒子を充填し、加熱により発泡粒子を発泡及び融着させることで、複雑な形状を有する発泡成形体を得ることができる。
しかしながら、特許文献3及び4では、見かけ密度の低い発泡成形体を得難いという課題があった。
本発明の発明者等は、上記課題を鑑み、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを特定の割合で含む基材樹脂から構成される樹脂粒子が、見かけ密度の低い発泡成形体を提供可能であることを意外にも見い出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂とし、前記基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲で前記ポリカーボネート系樹脂を含むことを特徴とする発泡粒子製造用樹脂粒子が提供される。
更に、本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂とし、前記基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲で前記ポリカーボネート系樹脂を含み、0.6g/cm3以下の嵩密度を示すことを特徴とする発泡粒子が提供される。
また、本発明によれば、複数の発泡粒子の融着体から構成され、前記融着体を構成する発泡粒子が上記発泡粒子に由来することを特徴とする発泡成形体が提供される。
更に、本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂とし、前記基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲で前記ポリカーボネート系樹脂を含み、0.6g/cm3以下の嵩密度を示すことを特徴とする発泡粒子が提供される。
また、本発明によれば、複数の発泡粒子の融着体から構成され、前記融着体を構成する発泡粒子が上記発泡粒子に由来することを特徴とする発泡成形体が提供される。
本発明の発泡粒子製造用樹脂粒子及び発泡粒子は、見かけ密度の低い発泡成形体を提供できる。
以下の場合、見かけ密度のより低い発泡成形体を提供できる。
(1)基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、70〜90質量部の範囲でポリカーボネート系樹脂を含む。
(2)アクリル系樹脂が、2000倍で撮影した断面のTEM画像において、ポリカーボネート系樹脂中に粒子状で分散している。
以下の場合、見かけ密度のより低い発泡成形体を提供できる。
(1)基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、70〜90質量部の範囲でポリカーボネート系樹脂を含む。
(2)アクリル系樹脂が、2000倍で撮影した断面のTEM画像において、ポリカーボネート系樹脂中に粒子状で分散している。
(1)発泡粒子製造用樹脂粒子
発泡粒子製造用樹脂粒子(以下、樹脂粒子ともいう)は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂として含む。基材樹脂が、アクリル系樹脂を含むことで、樹脂粒子の発泡性を向上できる。
基材樹脂は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲でポリカーボネート系樹脂を含んでいる。この範囲でポリカーボネート系樹脂を含むことで、樹脂粒子中のアクリル系樹脂は、2000倍で撮影した断面のTEM画像(例えば、樹脂粒子を押出法により製造する場合、押出方向に直交する断面画像)において、ポリカーボネート系樹脂中に粒子状で分散していると発明者等は推察している。この分散形態を海島構造と称する(海がポリカーボネート系樹脂、島がアクリル系樹脂に相当する)。なお、押出方向に平行する断面画像においては、アクリル系樹脂は、ポリカーボネート系樹脂中に層状で分散していると発明者等は推察している。
発泡粒子製造用樹脂粒子(以下、樹脂粒子ともいう)は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂として含む。基材樹脂が、アクリル系樹脂を含むことで、樹脂粒子の発泡性を向上できる。
基材樹脂は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲でポリカーボネート系樹脂を含んでいる。この範囲でポリカーボネート系樹脂を含むことで、樹脂粒子中のアクリル系樹脂は、2000倍で撮影した断面のTEM画像(例えば、樹脂粒子を押出法により製造する場合、押出方向に直交する断面画像)において、ポリカーボネート系樹脂中に粒子状で分散していると発明者等は推察している。この分散形態を海島構造と称する(海がポリカーボネート系樹脂、島がアクリル系樹脂に相当する)。なお、押出方向に平行する断面画像においては、アクリル系樹脂は、ポリカーボネート系樹脂中に層状で分散していると発明者等は推察している。
ポリカーボネート系樹脂の含有量が50質量部以下の場合、樹脂粒子から形成される発泡成形体の基材樹脂にポリカーボネート系樹脂を使用する利点(例えば、耐熱性)が低くなる。95質量部より多い場合、アクリル系樹脂の使用による発泡性向上効果が期待できず、見かけ密度の低い発泡成形体を製造し得る樹脂粒子を提供しづらくなる。ポリカーボネート系樹脂の含有量は、65〜95質量部の範囲が好ましく、70〜90質量部の範囲がより好ましく、70〜80質量部の範囲が好ましい。
[ポリカーボネート系樹脂]
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又は2価のフェノールとのポリエステル構造を有することが好ましい。耐熱性をより一層高める観点からは、ポリカーボネート系樹脂は、芳香族骨格を有することが好ましい。ポリカーボネート系樹脂の具体例としては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又は2価のフェノールとのポリエステル構造を有することが好ましい。耐熱性をより一層高める観点からは、ポリカーボネート系樹脂は、芳香族骨格を有することが好ましい。ポリカーボネート系樹脂の具体例としては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、直鎖状ポリカーボネート樹脂及び分岐状ポリカーボネート樹脂等が挙げられ、これら両者がブレンドされていてもよい。ポリカーボネート系樹脂は、アクリル酸エステルとの共重合体でもよいが、アクリル酸エステル由来の成分の割合が50質量%以下であることが好ましい。
また、ポリカーボネート系樹脂は1〜20g/10分のMFRを有していることが好ましい。この範囲の樹脂は発泡に適しており、より高倍化させやすい。より好ましいMFRの範囲は、2〜15g/10分である。
また、ポリカーボネート系樹脂は1〜20g/10分のMFRを有していることが好ましい。この範囲の樹脂は発泡に適しており、より高倍化させやすい。より好ましいMFRの範囲は、2〜15g/10分である。
[アクリル系樹脂]
アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸低級アルキルエステルをアクリル系原料単量体とする単独重合体、これら単量体の共重合体、及びこれら単量体と他の種類の単量体との共重合体等が挙げられる。他の種類の単量体としては、例えば、オレフィン、スチレン等が挙げられる。アクリル系樹脂に占める(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸低級アルキルエステルに由来する成分の占める割合は、60質量%以上であることが好ましい。
アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸低級アルキルエステルをアクリル系原料単量体とする単独重合体、これら単量体の共重合体、及びこれら単量体と他の種類の単量体との共重合体等が挙げられる。他の種類の単量体としては、例えば、オレフィン、スチレン等が挙げられる。アクリル系樹脂に占める(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸低級アルキルエステルに由来する成分の占める割合は、60質量%以上であることが好ましい。
[他の添加剤]
基材樹脂には、他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、他の樹脂、相溶化剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、滑剤、防曇剤、香料等が挙げられる。
他の樹脂としては、飽和ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びポリフェニレンオキサイド系樹脂等が挙げられる。基材樹脂中の他の樹脂の含有量は、50質量%未満であることが好ましい。
基材樹脂には、他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、他の樹脂、相溶化剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、滑剤、防曇剤、香料等が挙げられる。
他の樹脂としては、飽和ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びポリフェニレンオキサイド系樹脂等が挙げられる。基材樹脂中の他の樹脂の含有量は、50質量%未満であることが好ましい。
[形状]
樹脂粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、できるだけ球状に近いことが好ましい。即ち、樹脂粒子の短径Dと長径Lとの比L/Dができるだけ1に近いことが好ましい。LとDは0.5〜10mmの範囲内であることが好ましい。また、平均粒子径は、0.5〜10mmの範囲内であることが好ましい。
[製造方法]
樹脂粒子の製造方法としては、特に限定されず、例えば、ポリカーボネート系樹脂及びアクリル系樹脂を押出機に供給して溶融混練し、得られたストランドを、空気中でカット、水中でカット、加熱しつつカットすることで、造粒する方法が挙げられる。
樹脂粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、できるだけ球状に近いことが好ましい。即ち、樹脂粒子の短径Dと長径Lとの比L/Dができるだけ1に近いことが好ましい。LとDは0.5〜10mmの範囲内であることが好ましい。また、平均粒子径は、0.5〜10mmの範囲内であることが好ましい。
[製造方法]
樹脂粒子の製造方法としては、特に限定されず、例えば、ポリカーボネート系樹脂及びアクリル系樹脂を押出機に供給して溶融混練し、得られたストランドを、空気中でカット、水中でカット、加熱しつつカットすることで、造粒する方法が挙げられる。
(2)発泡粒子
発泡粒子は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂として含む。基材樹脂は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲でポリカーボネート系樹脂を含んでいる。
ポリカーボネート系樹脂の含有量が50質量部以下の場合、発泡粒子から形成される発泡成形体の基材樹脂にポリカーボネート系樹脂を使用する利点(例えば、耐熱性)が低くなる。95質量部より多い場合、アクリル系樹脂の使用による発泡性向上効果が期待できず、見かけ密度の低い発泡成形体を製造し得る樹脂粒子を提供しづらくなる。ポリカーボネート系樹脂の含有量は、65〜95質量部の範囲が好ましく、70〜90質量部の範囲がより好ましく、70〜80質量部の範囲が好ましい。
発泡粒子は、上記樹脂粒子を発泡させることにより得ることができる。
使用可能なポリカーボネート系樹脂及びアクリル系樹脂は、上記樹脂粒子で例示した樹脂をいずれも使用できる。
発泡粒子は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂として含む。基材樹脂は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲でポリカーボネート系樹脂を含んでいる。
ポリカーボネート系樹脂の含有量が50質量部以下の場合、発泡粒子から形成される発泡成形体の基材樹脂にポリカーボネート系樹脂を使用する利点(例えば、耐熱性)が低くなる。95質量部より多い場合、アクリル系樹脂の使用による発泡性向上効果が期待できず、見かけ密度の低い発泡成形体を製造し得る樹脂粒子を提供しづらくなる。ポリカーボネート系樹脂の含有量は、65〜95質量部の範囲が好ましく、70〜90質量部の範囲がより好ましく、70〜80質量部の範囲が好ましい。
発泡粒子は、上記樹脂粒子を発泡させることにより得ることができる。
使用可能なポリカーボネート系樹脂及びアクリル系樹脂は、上記樹脂粒子で例示した樹脂をいずれも使用できる。
[粒子の形状]
発泡粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、できるだけ球状に近いことが好ましい。即ち、発泡粒子の短径と長径との比ができるだけ1に近いことが好ましい。
発泡粒子は、1〜20mmの平均粒子径を有していることが好ましい。
発泡粒子は、種々の嵩密度をとり得る。嵩密度は、0.6g/cm3以下とすることが可能である。また、0.12g/cm3以下とすることが好ましく、0.08g/cm3以下とすることがより好ましく、0.06g/cm3であることが最も好ましい。また、嵩密度の下限は、0.012g/cm3であることが好ましい。
発泡粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、できるだけ球状に近いことが好ましい。即ち、発泡粒子の短径と長径との比ができるだけ1に近いことが好ましい。
発泡粒子は、1〜20mmの平均粒子径を有していることが好ましい。
発泡粒子は、種々の嵩密度をとり得る。嵩密度は、0.6g/cm3以下とすることが可能である。また、0.12g/cm3以下とすることが好ましく、0.08g/cm3以下とすることがより好ましく、0.06g/cm3であることが最も好ましい。また、嵩密度の下限は、0.012g/cm3であることが好ましい。
[製造方法]
発泡粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得、発泡性粒子を発泡させることにより得ることができる。
発泡性粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより得ることができる。
樹脂粒子に含浸される発泡剤としては、既知の揮発性発泡剤や無機発泡剤を使用できる。揮発性発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素や、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族アルコール等が挙げられる。無機発泡剤としては、炭酸ガス、窒素ガス、エアー(空気)、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)等が挙げられる。これら発泡剤は2種以上併用してもよい。これら発泡剤の内、無機発泡剤が好ましく、炭酸ガスがより好ましい。
発泡粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得、発泡性粒子を発泡させることにより得ることができる。
発泡性粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより得ることができる。
樹脂粒子に含浸される発泡剤としては、既知の揮発性発泡剤や無機発泡剤を使用できる。揮発性発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素や、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族アルコール等が挙げられる。無機発泡剤としては、炭酸ガス、窒素ガス、エアー(空気)、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)等が挙げられる。これら発泡剤は2種以上併用してもよい。これら発泡剤の内、無機発泡剤が好ましく、炭酸ガスがより好ましい。
発泡剤の含有量(含浸量)は、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂合計100質量部に対して、3〜15質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が3質量部未満であると、発泡力が低くなり、良好に発泡させ難いことがある。含有量が15質量部を超えると、可塑化効果が大きくなり、発泡時に収縮が起こりやすく、生産性が悪くなると共に、安定して所望の嵩密度を得難くなることがある。より好ましい発泡剤の含有量は、4〜12質量部である。
含浸方法としては、樹脂粒子を水系に分散させ撹拌させながら発泡剤を圧入することで含浸させる湿式含浸法や、密閉可能な容器に樹脂粒子を投入し、発泡剤を圧入して含浸させる実質的に水を使用しない乾式含浸法(気相含浸法)等が挙げられる。特に水を使用せずに含浸できる乾式含浸法が好ましい。乾式含浸法による樹脂粒子に発泡剤を含浸させる際の含浸圧、含浸時間及び含浸温度は特に限定されないが、含浸を効率的に行い、より一層良好な発泡粒子及び発泡成形体を得る観点からは、含浸圧は0.5〜10MPa(ゲージ圧)であることが好ましい。1〜4.5MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。
含浸方法としては、樹脂粒子を水系に分散させ撹拌させながら発泡剤を圧入することで含浸させる湿式含浸法や、密閉可能な容器に樹脂粒子を投入し、発泡剤を圧入して含浸させる実質的に水を使用しない乾式含浸法(気相含浸法)等が挙げられる。特に水を使用せずに含浸できる乾式含浸法が好ましい。乾式含浸法による樹脂粒子に発泡剤を含浸させる際の含浸圧、含浸時間及び含浸温度は特に限定されないが、含浸を効率的に行い、より一層良好な発泡粒子及び発泡成形体を得る観点からは、含浸圧は0.5〜10MPa(ゲージ圧)であることが好ましい。1〜4.5MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。
含浸時間は、0.5〜200時間であることが好ましい。0.5時間未満の場合、発泡剤の樹脂粒子への含浸量が低下するため、十分な発泡力が得られ難いことがある。200時間より長い場合、生産性が低下することがある。より好ましい含浸時間は、1〜100時間である。
また、含浸温度は、0〜60℃であることが好ましい。0℃未満の場合、発泡剤の樹脂への溶解性は高まり、必要以上に発泡剤が含浸される。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は低下する。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。60℃より高い場合、発泡剤の樹脂への溶解性は低下し、発泡剤の含浸量が低下する。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は高まる。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。より好ましい含浸温度は、5〜50℃である。
また、含浸温度は、0〜60℃であることが好ましい。0℃未満の場合、発泡剤の樹脂への溶解性は高まり、必要以上に発泡剤が含浸される。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は低下する。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。60℃より高い場合、発泡剤の樹脂への溶解性は低下し、発泡剤の含浸量が低下する。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は高まる。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。より好ましい含浸温度は、5〜50℃である。
発泡粒子には、結合防止剤、帯電防止剤、展着剤等の表面処理剤が添加されていてもよい。
結合防止剤(合着防止剤)は、発泡工程において、発泡粒子同士の合着を防止する役割を果たす。ここで、合着とは、複数の発泡粒子が合一して一体化することをいう。結合防止剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。結合防止剤の添加量は、発泡粒子100質量部に対して、0.01〜1.0質量部が好ましい。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール及びシリコンオイル等が挙げられる。
結合防止剤(合着防止剤)は、発泡工程において、発泡粒子同士の合着を防止する役割を果たす。ここで、合着とは、複数の発泡粒子が合一して一体化することをいう。結合防止剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。結合防止剤の添加量は、発泡粒子100質量部に対して、0.01〜1.0質量部が好ましい。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール及びシリコンオイル等が挙げられる。
発泡性粒子を発泡させて発泡粒子(1次発泡粒子)を得る方法としては、発泡性粒子を熱風、オイルの様な熱媒、スチーム(水蒸気)等により加熱して発泡させる方法がある。安定的に製造する為には、スチームが好ましい。
発泡時の発泡機には密閉耐圧の発泡容器を使用することが好ましい。また、スチームの圧力は0.10〜0.80MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、0.20〜0.45MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。発泡時間は所望の嵩密度を得るのに必要な時間であればよい。好ましい発泡時間は、3〜180秒である。180秒を超えると発泡粒子の収縮が始まることがあり、そのような発泡粒子からは良好な物性の発泡成形体が得られないことがある。
合着防止剤は成形前に除去してもよい。除去方法としては、水、塩酸等の酸性水溶液を用いて洗浄することが好ましい。
発泡粒子の気泡数密度Xは、1.0×108〜1.0×1011個/cm3とすることができる。気泡数密度Xが1.0×108個/cm3未満の場合、気泡膜が厚くなり成形前の2次発泡性が低下することがある。気泡数密度Xが1.0×1011個/cm3より大きい場合、気泡膜が薄くなり発泡時に気泡膜が破れやすくなることで、連続気泡となり、嵩密度の低い発泡粒子が得られないことがある。好ましい気泡数密度Xは5.0×108〜5.0×1011個/cm3であり、より好ましい気泡数密度Xは1.0×109〜1.0×1010個/cm3である。
ここで、気泡数密度Xは、下記式:
気泡数密度X=(ρ/D−1)/{(4/3)・π・(C/2)3}
により算出できる。式中、Cは平均気泡径(cm)、ρはポリカーボネート系樹脂・アクリル系樹脂・発泡向上剤混合樹脂の密度(g/cm3)、Dは発泡粒子の見かけ密度(g/cm3)を意味している。
発泡時の発泡機には密閉耐圧の発泡容器を使用することが好ましい。また、スチームの圧力は0.10〜0.80MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、0.20〜0.45MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。発泡時間は所望の嵩密度を得るのに必要な時間であればよい。好ましい発泡時間は、3〜180秒である。180秒を超えると発泡粒子の収縮が始まることがあり、そのような発泡粒子からは良好な物性の発泡成形体が得られないことがある。
合着防止剤は成形前に除去してもよい。除去方法としては、水、塩酸等の酸性水溶液を用いて洗浄することが好ましい。
発泡粒子の気泡数密度Xは、1.0×108〜1.0×1011個/cm3とすることができる。気泡数密度Xが1.0×108個/cm3未満の場合、気泡膜が厚くなり成形前の2次発泡性が低下することがある。気泡数密度Xが1.0×1011個/cm3より大きい場合、気泡膜が薄くなり発泡時に気泡膜が破れやすくなることで、連続気泡となり、嵩密度の低い発泡粒子が得られないことがある。好ましい気泡数密度Xは5.0×108〜5.0×1011個/cm3であり、より好ましい気泡数密度Xは1.0×109〜1.0×1010個/cm3である。
ここで、気泡数密度Xは、下記式:
気泡数密度X=(ρ/D−1)/{(4/3)・π・(C/2)3}
により算出できる。式中、Cは平均気泡径(cm)、ρはポリカーボネート系樹脂・アクリル系樹脂・発泡向上剤混合樹脂の密度(g/cm3)、Dは発泡粒子の見かけ密度(g/cm3)を意味している。
(2)発泡成形体
発泡成形体は、複数の発泡粒子の融着体から構成される。融着体を構成する発泡粒子は、上記発泡粒子に由来する。
発泡成形体は、種々の見かけ密度をとり得る。見かけ密度は、0.6g/cm3以下とすることが可能である。また、0.12g/cm3以下とすることが好ましく、0.08g/cm3以下とすることがより好ましく、0.06g/cm3であることが最も好ましい。また、見かけ密度の下限は、0.012g/cm3であることが好ましい。
発泡成形体は、特に限定されず、用途に応じて種々の形状をとり得る。例えば、発泡成形体は、土木関係の建材、自動車構造部材、風車等の構造部材、複合部材としてのFRPの芯材等の用途に応じて種々の形状をとり得る。
発泡成形体は、複数の発泡粒子の融着体から構成される。融着体を構成する発泡粒子は、上記発泡粒子に由来する。
発泡成形体は、種々の見かけ密度をとり得る。見かけ密度は、0.6g/cm3以下とすることが可能である。また、0.12g/cm3以下とすることが好ましく、0.08g/cm3以下とすることがより好ましく、0.06g/cm3であることが最も好ましい。また、見かけ密度の下限は、0.012g/cm3であることが好ましい。
発泡成形体は、特に限定されず、用途に応じて種々の形状をとり得る。例えば、発泡成形体は、土木関係の建材、自動車構造部材、風車等の構造部材、複合部材としてのFRPの芯材等の用途に応じて種々の形状をとり得る。
発泡成形体は、例えば、上記発泡粒子に内圧を付与し、次いで発泡粒子を成形工程に付すことで得ることができる。
発泡成形体を作製する前に、発泡粒子内に発泡剤を含浸させ発泡力(2次発泡力)を付与することが好ましい。ここで使用する発泡剤には、発泡粒子製造時の発泡剤を使用できる。その中でも、無機発泡剤を使用することが好ましい。特に、窒素ガス、エアー及び炭酸ガスから1つを使用すること又は2つ以上を併用することが好ましい。
内圧を付与するための圧力は、発泡粒子がつぶれてしまわない程度の圧力でかつ発泡力を付与できる範囲であることが望ましい。そのような圧力は、0.1〜4MPaであることが好ましく、0.3〜3MPaであることがより好ましい。
発泡成形体を作製する前に、発泡粒子内に発泡剤を含浸させ発泡力(2次発泡力)を付与することが好ましい。ここで使用する発泡剤には、発泡粒子製造時の発泡剤を使用できる。その中でも、無機発泡剤を使用することが好ましい。特に、窒素ガス、エアー及び炭酸ガスから1つを使用すること又は2つ以上を併用することが好ましい。
内圧を付与するための圧力は、発泡粒子がつぶれてしまわない程度の圧力でかつ発泡力を付与できる範囲であることが望ましい。そのような圧力は、0.1〜4MPaであることが好ましく、0.3〜3MPaであることがより好ましい。
内圧を付与した発泡粒子を、発泡成形機の成形金型内に形成された成形空間に供給した後、加熱媒体を導入することで、所望の発泡成形体に型内成形できる。発泡成形機としては、ポリスチレン系樹脂製の発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられるEPS成形機やポリプロピレン系樹脂製の発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられる高圧仕様の成形機等を用いることができる。加熱媒体は、加熱時間が長くなると発泡粒子に収縮が生じることがあるため、短時間に高エネルギーを与えうる加熱媒体が望まれ、そのような加熱媒体としてはスチームが好適である。
スチームの圧力は、0.2〜0.5MPaであることが好ましい。また、加熱時間は、10〜90秒であることが好ましい。
スチームの圧力は、0.2〜0.5MPaであることが好ましい。また、加熱時間は、10〜90秒であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず実施例における各種物性の測定法を下記する。
〔含浸量の測定〕
含浸前に樹脂ペレットの重さ(W(1)g)を測定し、さらに発泡剤含浸後に発泡剤含有樹脂ペレットの重さ(W(2)g)を測定する。そして、下記式により含浸量は求められる。
含浸量=(W(2)−W(1))×100/W(1)
[平均粒子径]
粒子約25gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き26.5mm、22.4mm、19.0mm、16.0mm、13.2mm、11.20mm、9.50mm、8.80mm、6.70mm、5.66mm、4.76mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.85mm、0.71mm、0.60mm、0.50mm、0.425mm、0.355mm、0.300mm、0.250mm、0.212mm、0.180mmのJIS標準篩(JIS Z8801)で10分間分級する。篩網上の試料質量を測定し、その結果から得られた累積質量分布曲線を元にして累積質量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
〔含浸量の測定〕
含浸前に樹脂ペレットの重さ(W(1)g)を測定し、さらに発泡剤含浸後に発泡剤含有樹脂ペレットの重さ(W(2)g)を測定する。そして、下記式により含浸量は求められる。
含浸量=(W(2)−W(1))×100/W(1)
[平均粒子径]
粒子約25gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き26.5mm、22.4mm、19.0mm、16.0mm、13.2mm、11.20mm、9.50mm、8.80mm、6.70mm、5.66mm、4.76mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.85mm、0.71mm、0.60mm、0.50mm、0.425mm、0.355mm、0.300mm、0.250mm、0.212mm、0.180mmのJIS標準篩(JIS Z8801)で10分間分級する。篩網上の試料質量を測定し、その結果から得られた累積質量分布曲線を元にして累積質量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
[樹脂密度の測定]
体積測定空気比較式比重計の試料カップを準備し、この試料カップの80%程度を満たす量の樹脂ペレットの全質量A(g)を測定する。次に樹脂ペレット全体の体積B(cm3)を、空気比較式比重計を用いて1−1/2−1気圧法により測定する。空気比較式比重計は、標準球(大28.9cc、小8.5cc)にて補正を行う。なお、体積測定空気比較式比重計は、例えば、東京サイエンス社から商品名「空気比較式比重計1000型」にて市販されている。そして、下記式により樹脂密度を算出される。
樹脂密度(g/cm3)=A/B
体積測定空気比較式比重計の試料カップを準備し、この試料カップの80%程度を満たす量の樹脂ペレットの全質量A(g)を測定する。次に樹脂ペレット全体の体積B(cm3)を、空気比較式比重計を用いて1−1/2−1気圧法により測定する。空気比較式比重計は、標準球(大28.9cc、小8.5cc)にて補正を行う。なお、体積測定空気比較式比重計は、例えば、東京サイエンス社から商品名「空気比較式比重計1000型」にて市販されている。そして、下記式により樹脂密度を算出される。
樹脂密度(g/cm3)=A/B
[発泡粒子の嵩密度]
発泡粒子約1000cm3を、メスシリンダー内に1000cm3の目盛りまで充填する。なお、メスシリンダーを水平方向から目視し、発泡粒子が1つでも1000cm3の目盛りに達していれば、その時点で発泡粒子のメスシリンダー内への充填を終了する。次に、メスシリンダー内に充填した発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をWgとする。そして、下記式により発泡粒子の嵩密度は求められる。
嵩密度(g/cm3)=W/1000
嵩倍数は嵩密度の逆数に基材樹脂の密度(g/cm3)を積算した値である。
発泡粒子約1000cm3を、メスシリンダー内に1000cm3の目盛りまで充填する。なお、メスシリンダーを水平方向から目視し、発泡粒子が1つでも1000cm3の目盛りに達していれば、その時点で発泡粒子のメスシリンダー内への充填を終了する。次に、メスシリンダー内に充填した発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をWgとする。そして、下記式により発泡粒子の嵩密度は求められる。
嵩密度(g/cm3)=W/1000
嵩倍数は嵩密度の逆数に基材樹脂の密度(g/cm3)を積算した値である。
[発泡粒子の平均気泡径]
発泡粒子の平均気泡径は、次の試験方法にて測定する。
発泡粒子製造工程で得られた任意の発泡粒子を抜き取る。この発泡粒子を任意の方向に切断し、切り出した断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製「S−3000N」又は日立製作所社製「S−3400N」)にて10〜300倍に拡大して撮影する。このとき、印刷した画像の上に描いた60mmの直線上に存在する気泡の数が10〜20個程度となる様に、前記の電子顕微鏡での拡大倍率を調整する。撮影したSEM画像をA4用紙上に4画像づつ印刷し、任意の一直線上(長さ60mm)にある気泡数から気泡の平均弦長(t)を次式により算出する。
平均弦長t(mm)=60/(気泡数×画像の倍率)
ただし、60mm長さ分の気泡数を数えられない場合は、30mm又は20mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算した。任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにした。接してしまう場合は気泡数に含めた。計測はSEM画像2枚を用いて、それぞれ3箇所、計6箇所の平均とする。
画像の倍率は画像上のスケールバーをミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」にて1/100mmまで計測し、次式により求める。
画像倍率=スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)
そして次式により気泡径を算出する。
D(cm)=10×t/0.616
発泡粒子の平均気泡径は、次の試験方法にて測定する。
発泡粒子製造工程で得られた任意の発泡粒子を抜き取る。この発泡粒子を任意の方向に切断し、切り出した断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製「S−3000N」又は日立製作所社製「S−3400N」)にて10〜300倍に拡大して撮影する。このとき、印刷した画像の上に描いた60mmの直線上に存在する気泡の数が10〜20個程度となる様に、前記の電子顕微鏡での拡大倍率を調整する。撮影したSEM画像をA4用紙上に4画像づつ印刷し、任意の一直線上(長さ60mm)にある気泡数から気泡の平均弦長(t)を次式により算出する。
平均弦長t(mm)=60/(気泡数×画像の倍率)
ただし、60mm長さ分の気泡数を数えられない場合は、30mm又は20mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算した。任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにした。接してしまう場合は気泡数に含めた。計測はSEM画像2枚を用いて、それぞれ3箇所、計6箇所の平均とする。
画像の倍率は画像上のスケールバーをミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」にて1/100mmまで計測し、次式により求める。
画像倍率=スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)
そして次式により気泡径を算出する。
D(cm)=10×t/0.616
[発泡成形体の見かけ密度]
発泡成形体(成形後、50℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×30mm)の質量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の見かけ密度(g/cm3)を求める。
倍数は見かけ密度の逆数に基材樹脂の密度(g/cm3)を積算した値である。
発泡成形体(成形後、50℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×30mm)の質量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の見かけ密度(g/cm3)を求める。
倍数は見かけ密度の逆数に基材樹脂の密度(g/cm3)を積算した値である。
<実施例1>
(樹脂粒子製造工程)
ポリカーボネート系樹脂(Sabic社製、レキサン153、樹脂密度1.20g/cm3)とアクリル系樹脂(住友化学社製、スミペックスEP、樹脂密度1.19g/cm3)とを用意した。ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを、ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=90/10(質量比)で、押出機口径30mmの2軸押出機(L/D=43)に入れた。押出機内の樹脂を溶融混練後、3mm直径の2穴のストランド金型から押し出し、水槽で冷却後、ストランドペレタイザーでペレット化することで、樹脂粒子を得た(樹脂密度1.20g/cm3、平均粒子径2.0mm)。この時、押出機のヘッド部での樹脂温度は295℃、吐出量は4.3kg/hであった。また、得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3であった。
(樹脂粒子製造工程)
ポリカーボネート系樹脂(Sabic社製、レキサン153、樹脂密度1.20g/cm3)とアクリル系樹脂(住友化学社製、スミペックスEP、樹脂密度1.19g/cm3)とを用意した。ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを、ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=90/10(質量比)で、押出機口径30mmの2軸押出機(L/D=43)に入れた。押出機内の樹脂を溶融混練後、3mm直径の2穴のストランド金型から押し出し、水槽で冷却後、ストランドペレタイザーでペレット化することで、樹脂粒子を得た(樹脂密度1.20g/cm3、平均粒子径2.0mm)。この時、押出機のヘッド部での樹脂温度は295℃、吐出量は4.3kg/hであった。また、得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3であった。
(発泡性粒子製造工程)
樹脂粒子を圧力容器内に入れ、炭酸ガスボンベからオートクレーブ内に炭酸ガスを導入し、4.0MPa(ゲージ圧)にて20℃下で24時間保持することで、発泡性粒子を得た。炭酸ガスの樹脂への含浸量は樹脂混合物100質量部に対し8.7質量部だった。
(発泡粒子製造工程)
含浸終了後、圧力容器内を除圧し内部の発泡性粒子を取り出した。取り出した発泡性粒子を高圧発泡槽に入れ、0.34MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気で発泡した(高圧発泡槽の構造は筒型で、発泡槽の下側から蒸気が導入され、筒の上下にドレンバルブが取り付けられている)。0.34MPaまで約5秒で昇圧後、3秒後、5秒後、10秒後、15秒後、20秒後、25秒後、30秒後に取り出し、発泡粒子を得た。得られた各秒数における発泡粒子の嵩密度を測定し、最も嵩密度が低かったところを、最低嵩密度とした。その結果、発泡時間5秒で最低嵩密度0.11g/cm3の発泡粒子が得られた。
樹脂粒子を圧力容器内に入れ、炭酸ガスボンベからオートクレーブ内に炭酸ガスを導入し、4.0MPa(ゲージ圧)にて20℃下で24時間保持することで、発泡性粒子を得た。炭酸ガスの樹脂への含浸量は樹脂混合物100質量部に対し8.7質量部だった。
(発泡粒子製造工程)
含浸終了後、圧力容器内を除圧し内部の発泡性粒子を取り出した。取り出した発泡性粒子を高圧発泡槽に入れ、0.34MPa(ゲージ圧)の高圧蒸気で発泡した(高圧発泡槽の構造は筒型で、発泡槽の下側から蒸気が導入され、筒の上下にドレンバルブが取り付けられている)。0.34MPaまで約5秒で昇圧後、3秒後、5秒後、10秒後、15秒後、20秒後、25秒後、30秒後に取り出し、発泡粒子を得た。得られた各秒数における発泡粒子の嵩密度を測定し、最も嵩密度が低かったところを、最低嵩密度とした。その結果、発泡時間5秒で最低嵩密度0.11g/cm3の発泡粒子が得られた。
(成形用発泡粒子製造工程)
上記樹脂粒子製造工程を経て作製した樹脂ペレットに、上記発泡性粒子製造工程と同様の手順で炭酸ガスを含浸させ、発泡性樹脂粒子を得た。この時の炭酸ガスの樹脂への含浸量は樹脂100質量部に対し8.2質量部であった。得られた発泡性粒子に結合防止剤として炭酸カルシウムを添加し、撹拌機付きの高圧発泡機に発泡性粒子を投入し、撹拌しながら水蒸気を用いて発泡させることで、見かけ発泡粒子を得た。
(内圧付与工程)
得られた発泡粒子の表面を0.01N−塩酸を用いて洗浄し乾燥させた後、10Lの圧力容器に投入し、密閉した。窒素ガスを用いて密閉した圧力容器内を室温でゲージ圧1MPaまで昇圧させ、24時間放置して内圧付与することで発泡粒子(2次発泡粒子)を得た。
(発泡成形体製造工程)
内圧付与を実施した圧力容器内の窒素ガスをゆっくり除圧し、発泡粒子を取出し、直ちに発泡成形機を用いて発泡成形を実施した。縦400mm×横300mm×厚さ30mmの内寸の成形用金型内に発泡粒子を充填し、0.30MPaの水蒸気を20秒導入して加熱し、5秒間の放冷後、30秒間水冷を行い、金型内で真空冷却することで発泡成形体を得た。
上記樹脂粒子製造工程を経て作製した樹脂ペレットに、上記発泡性粒子製造工程と同様の手順で炭酸ガスを含浸させ、発泡性樹脂粒子を得た。この時の炭酸ガスの樹脂への含浸量は樹脂100質量部に対し8.2質量部であった。得られた発泡性粒子に結合防止剤として炭酸カルシウムを添加し、撹拌機付きの高圧発泡機に発泡性粒子を投入し、撹拌しながら水蒸気を用いて発泡させることで、見かけ発泡粒子を得た。
(内圧付与工程)
得られた発泡粒子の表面を0.01N−塩酸を用いて洗浄し乾燥させた後、10Lの圧力容器に投入し、密閉した。窒素ガスを用いて密閉した圧力容器内を室温でゲージ圧1MPaまで昇圧させ、24時間放置して内圧付与することで発泡粒子(2次発泡粒子)を得た。
(発泡成形体製造工程)
内圧付与を実施した圧力容器内の窒素ガスをゆっくり除圧し、発泡粒子を取出し、直ちに発泡成形機を用いて発泡成形を実施した。縦400mm×横300mm×厚さ30mmの内寸の成形用金型内に発泡粒子を充填し、0.30MPaの水蒸気を20秒導入して加熱し、5秒間の放冷後、30秒間水冷を行い、金型内で真空冷却することで発泡成形体を得た。
<実施例2>
ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=80/20(質量比)とし、ヘッド部での樹脂温度を260℃とし、吐出量を4.5kg/hとし、発泡剤の含浸量を8.2質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が10秒の時に、最低嵩密度0.032g/cm3の発泡粒子が得られた。
<実施例3>
ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=70/30(質量比)とし、ヘッド部での樹脂温度を293℃とし、吐出量を4.5kg/hとし、発泡剤の含浸量を9.1質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が5秒の時に、最低嵩密度0.067g/cm3の発泡粒子が得られた。
ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=80/20(質量比)とし、ヘッド部での樹脂温度を260℃とし、吐出量を4.5kg/hとし、発泡剤の含浸量を8.2質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が10秒の時に、最低嵩密度0.032g/cm3の発泡粒子が得られた。
<実施例3>
ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=70/30(質量比)とし、ヘッド部での樹脂温度を293℃とし、吐出量を4.5kg/hとし、発泡剤の含浸量を9.1質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が5秒の時に、最低嵩密度0.067g/cm3の発泡粒子が得られた。
<実施例4>
ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=60/40(質量比)とし、ヘッド部での樹脂温度を263℃とし、吐出量を4.8kg/hとし、発泡剤の含浸量を9.7質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が3秒の時に、最低嵩密度0.094g/cm3の発泡粒子が得られた。
ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=60/40(質量比)とし、ヘッド部での樹脂温度を263℃とし、吐出量を4.8kg/hとし、発泡剤の含浸量を9.7質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が3秒の時に、最低嵩密度0.094g/cm3の発泡粒子が得られた。
<比較例1>
ポリカーボネート系樹脂のみを使用し、ヘッド部での樹脂温度を292℃とし、吐出量を4.5kg/hとし、発泡剤の含浸量を8.6質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が5秒の時に、最低嵩密度0.16g/cm3の発泡粒子が得られた。
<比較例2>
ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=50/50(質量比)とし、ヘッド部での樹脂温度を293℃とし、吐出量を4.5kg/hとし、発泡剤の含浸量を9.9質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が3秒の時に、最低嵩密度0.067g/cm3の発泡粒子が得られた。
表1に実施例及び比較例の結果をまとめて記載する。表1中、PCはポリカーボネート系樹脂、ACはアクリル系樹脂を意味する。
ポリカーボネート系樹脂のみを使用し、ヘッド部での樹脂温度を292℃とし、吐出量を4.5kg/hとし、発泡剤の含浸量を8.6質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が5秒の時に、最低嵩密度0.16g/cm3の発泡粒子が得られた。
<比較例2>
ポリカーボネート系樹脂/アクリル系樹脂=50/50(質量比)とし、ヘッド部での樹脂温度を293℃とし、吐出量を4.5kg/hとし、発泡剤の含浸量を9.9質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造した。得られた樹脂粒子の樹脂密度は1.20g/cm3で、発泡時間が3秒の時に、最低嵩密度0.067g/cm3の発泡粒子が得られた。
表1に実施例及び比較例の結果をまとめて記載する。表1中、PCはポリカーボネート系樹脂、ACはアクリル系樹脂を意味する。
ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲でポリカーボネート系樹脂を含む基材樹脂とした樹脂粒子を用いて得られた発泡粒子及び発泡成形体は、低い嵩密度及び見かけ密度を示すことが分かる。
また、実施例1〜4及び比較例2の樹脂粒子の押出方向に直交する断面のTEM画像を図1(a)〜図5(d)に示す。(a)図は1000倍、(b)図は2000倍、(c)図は3500倍及び(d)図は5000倍の拡大画像である。図1〜4から、実施例1〜4の樹脂粒子は、アクリル系樹脂がポリカーボネート系樹脂中に粒子状で分散していることが分かる。また、実施例4の樹脂粒子では実施例1〜3に比べて、粒子径が粗大になっており、嵩密度も比較例よりは小さいが、実施例1〜3に比べると大きい。図5から、比較例2の樹脂粒子は、ポリカーボネート系樹脂がアクリル系樹脂中に粒子状で分散していることが分かる。
実施例2、3及び比較例2の樹脂粒子の押出方向に平行する断面のTEM画像を図6(a)〜図8(d)に示す。(a)図は1000倍、(b)図は2000倍、(c)図は3500倍及び(d)図は5000倍の拡大画像である。図6及び7から、実施例2及び3の樹脂粒子は、アクリル系樹脂がポリカーボネート系樹脂中に層状で分散していることが分かる。図8から、比較例2の樹脂粒子は、ポリカーボネート系樹脂がアクリル系樹脂中に層状で分散していることが分かる。
また、実施例1〜4及び比較例2の樹脂粒子の押出方向に直交する断面のTEM画像を図1(a)〜図5(d)に示す。(a)図は1000倍、(b)図は2000倍、(c)図は3500倍及び(d)図は5000倍の拡大画像である。図1〜4から、実施例1〜4の樹脂粒子は、アクリル系樹脂がポリカーボネート系樹脂中に粒子状で分散していることが分かる。また、実施例4の樹脂粒子では実施例1〜3に比べて、粒子径が粗大になっており、嵩密度も比較例よりは小さいが、実施例1〜3に比べると大きい。図5から、比較例2の樹脂粒子は、ポリカーボネート系樹脂がアクリル系樹脂中に粒子状で分散していることが分かる。
実施例2、3及び比較例2の樹脂粒子の押出方向に平行する断面のTEM画像を図6(a)〜図8(d)に示す。(a)図は1000倍、(b)図は2000倍、(c)図は3500倍及び(d)図は5000倍の拡大画像である。図6及び7から、実施例2及び3の樹脂粒子は、アクリル系樹脂がポリカーボネート系樹脂中に層状で分散していることが分かる。図8から、比較例2の樹脂粒子は、ポリカーボネート系樹脂がアクリル系樹脂中に層状で分散していることが分かる。
更に、実施例1〜3及び比較例1の発泡粒子の断面のSEM画像を図9(a)〜図12(b)に示す。(a)図は100倍、(b)図及び図11は300倍の拡大画像である。比較例に比べて実施例の方が気泡が粗大になっていることが分かる。また、実施例と比較例の気泡数密度を比較すると、アクリル系樹脂を含む実施例の方が気泡数密度が少なくなっており、気泡が粗化していることが分かる。例えば、気泡数密度で表現すると、実施例2は2.5×109個/cm3であり、実施例3は6.2×109個/cm3であるが、比較例1.0×1010個である。
ここで、気泡数密度は、下記式:
気泡数密度=(ρ/D−1)/{(4/3)・π・(C/2)3}
により算出できる。式中、Cは平均気泡径(cm)、ρはポリカーボネート系樹脂・アクリル系樹脂・発泡向上剤混合樹脂の密度(g/cm3)、Dは発泡粒子の嵩密度(g/cm3)を意味している。発明者等はポリカーボネート樹脂にアクリル樹脂を添加することで気泡が粗化することで、発泡性が向上したのではないかと推察している。
また更に、実施例2の発泡粒子の断面のTEM画像を図13(a)〜図13(c)に示す。(a)図は1000倍、(b)図は2000倍及び(c)図は3500倍の拡大画像である。これら図から、気泡壁において、アクリル系樹脂がポリカーボネート系樹脂中に粒子状で分散していることが分かる。
ここで、気泡数密度は、下記式:
気泡数密度=(ρ/D−1)/{(4/3)・π・(C/2)3}
により算出できる。式中、Cは平均気泡径(cm)、ρはポリカーボネート系樹脂・アクリル系樹脂・発泡向上剤混合樹脂の密度(g/cm3)、Dは発泡粒子の嵩密度(g/cm3)を意味している。発明者等はポリカーボネート樹脂にアクリル樹脂を添加することで気泡が粗化することで、発泡性が向上したのではないかと推察している。
また更に、実施例2の発泡粒子の断面のTEM画像を図13(a)〜図13(c)に示す。(a)図は1000倍、(b)図は2000倍及び(c)図は3500倍の拡大画像である。これら図から、気泡壁において、アクリル系樹脂がポリカーボネート系樹脂中に粒子状で分散していることが分かる。
Claims (6)
- ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂とし、前記基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲で前記ポリカーボネート系樹脂を含むことを特徴とする発泡粒子製造用樹脂粒子。
- 前記基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、70〜90質量部の範囲で前記ポリカーボネート系樹脂を含む請求項1に記載の発泡粒子製造用樹脂粒子。
- 前記アクリル系樹脂が、2000倍で撮影した断面のTEM画像において、前記ポリカーボネート系樹脂中に粒子状で分散している請求項1又は2に記載の発泡粒子製造用樹脂粒子。
- ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂とを基材樹脂とし、前記基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、50質量部より多く、95質量部以下の範囲で前記ポリカーボネート系樹脂を含み、0.6g/cm3以下の嵩密度を示すことを特徴とする発泡粒子。
- 前記基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂の合計を100質量部とすると、70〜90質量部の範囲で前記ポリカーボネート系樹脂を含む請求項4に記載の発泡粒子。
- 複数の発泡粒子の融着体から構成され、前記融着体を構成する発泡粒子が請求項4又は5に記載の発泡粒子に由来することを特徴とする発泡成形体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016155079A JP2018021165A (ja) | 2016-08-05 | 2016-08-05 | 発泡粒子製造用樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 |
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ID=61165234
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JP (1) | JP2018021165A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112739755A (zh) * | 2018-09-28 | 2021-04-30 | 积水化成品工业株式会社 | 发泡颗粒和发泡成形体 |
-
2016
- 2016-08-05 JP JP2016155079A patent/JP2018021165A/ja active Pending
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