JP2018020976A - 有機化合物及びこれを用いた光電変換素子、光エリアセンサ、光電変換装置、撮像素子、撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】赤色光領域におけるモル吸光係数の高い有機光電変換材料を提供し、該材料を光電変換膜に用いることで、可視光全領域における光電変換が可能で、光電変換効率が高い光電変換素子の提供。【解決手段】電子捕集電極5と、正孔捕集電極4と、電子捕集電極5と正孔捕集電極4との間に配置される少なくとも一層の有機化合物層1を有する光電変換素子において、該有機化合物層1において、アミノ基に直接ビニル基が結合し、該アミノ基が置換基として炭化水素芳香環基又は複素芳香環基を備え、さらに、電子吸引性の置換基を備えた構造の有機化合物(例えば、有機化合物1及び2)を光電変換材料として用いる光電変換素子。【選択図】図1
Description
本発明は、新規な有機化合物と、該有機化合物を用いてなる光電変換素子、該光電変換素子を用いてなる光エリアセンサ、光電変換装置、撮像素子、撮像装置に関する。
近年、有機材料からなる有機光電変換膜を信号読み出し用基板上に形成した構造を有する固体撮像素子や光電変換素子の開発が進んでいる。特許文献1、特許文献2、特許文献3には、特定の構造を有する有機化合物とフラーレンとからなる光電変換層を備えたことにより、高速応答性を示す光電変換素子が開示されている。
しかしながら、特許文献1乃至3に開示された光電変換素子では、特に、可視光領域内で、長波長領域である赤色光領域の感度が低い。具体的には、特許文献1に光電変換材料として開示された有機化合物は、光の感度を示すモル吸光係数が高いものの、その最大吸収波長は短波長域にある。そのため、フラーレン或いはその誘導体と共に光電変換素子の光電変換層に用いた場合、可視光全領域に感度を示すパンクロミック性を実現するためには、赤色光領域の吸収は不十分であった。また、特許文献2に光電変換材料として開示された有機化合物については、吸収は赤色光領域にもあるものの、モル吸光係数が低く、光電変換効率が不十分であった。さらに、特許文献3に光電変換材料として開示された有機化合物は、中心構造である連結基の共役系が短いため、吸収は赤色光領域にあるものの、その吸収は不十分であった。
本発明は、上記課題に鑑み、赤色光領域におけるモル吸光係数の高い有機光電変換材料を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題に鑑み、赤色光領域におけるモル吸光係数の高い有機光電変換材料を提供することを目的とする。
本発明の第1は、下記一般式[1]又は[2]で示される有機化合物である。
本発明の第2は、電子捕集電極と、正孔捕集電極と、前記電子捕集電極と前記正孔捕集電極との間に配置される少なくとも一層の有機化合物層を有する光電変換素子において、前記有機化合物層が、前記本発明の第1の有機化合物を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明の第3は、互いに異なる色の光を受光する光電変換素子を複数備えた光電変換装置であって、前記光電変換素子が、前記本発明の第2の光電変換素子であることを特徴とする。
本発明の第4は、複数の光電変換素子が面内方向に二次元に配置された光エリアセンサであって、前記光電変換素子が、前記本発明の第2の光電変換素子であることを特徴とする。
本発明の第5は、複数の光電変換装置が面内方向に二次元に配置された光エリアセンサであって、前記光電変換装置が、前記本発明の第3の光電変換装置であることを特徴とする。
本発明の第6は、受光画素としての複数の光電変換素子と、前記複数の光電変換素子のそれぞれに接続されたトランジスタと、を備えた撮像素子であって、前記光電変換素子が、前記本発明の第2の光電変換素子であることを特徴とする。
本発明の第7は、撮像光学系と、前記撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子と、を備えた撮像装置であって、前記撮像素子は、前記本発明の第6の撮像素子であることを特徴とする。
本発明の第8は、撮像光学系と接合可能な接合部と、撮像素子と、を備えた撮像装置であって、前記撮像素子は、前記本発明の第6の撮像素子であることを特徴とする。
本発明によれば、赤色光領域におけるモル吸光係数が高い有機化合物を提供できる。
以下に、本発明について、実施形態を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明においては、その趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下に説明する実施形態に対して適宜、変更、改良等が加えられたものについても本発明の範囲に含むものとする。
〔有機化合物の構造〕
光電変換素子において、光電変換過程は、(1)光を吸収し励起子を生成、(2)励起子の拡散、(3)電荷分離、(4)電荷輸送、(5)電荷収集の5段階に分けられる。光電変換効率を向上させるためには、光の吸収効率の向上、励起子発生確率の向上、電荷分離性の向上、電荷輸送性の向上、電荷再結合の軽減等、その要因は多義に渡り、総合的に向上させる必要があった。しかしながら、初期段階の光の吸収率が低くては、他の要素が如何に向上しても、光電変換の最大値を向上させることは不可能である。そこで本発明者等は、光電変換過程の初期段階の光吸収材料に着目し、鋭意検討することにより、本発明の有機化合物を見出した。
光電変換素子において、光電変換過程は、(1)光を吸収し励起子を生成、(2)励起子の拡散、(3)電荷分離、(4)電荷輸送、(5)電荷収集の5段階に分けられる。光電変換効率を向上させるためには、光の吸収効率の向上、励起子発生確率の向上、電荷分離性の向上、電荷輸送性の向上、電荷再結合の軽減等、その要因は多義に渡り、総合的に向上させる必要があった。しかしながら、初期段階の光の吸収率が低くては、他の要素が如何に向上しても、光電変換の最大値を向上させることは不可能である。そこで本発明者等は、光電変換過程の初期段階の光吸収材料に着目し、鋭意検討することにより、本発明の有機化合物を見出した。
本発明の有機化合物は、下記一般式[1]又は[2]で表わされる。
上記一般式[1]、[2]において、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、置換又は無置換炭化水素芳香環基、置換又は無置換の複素芳香環基のいずれかを表わし、互いに結合して環を形成していても良い。R1乃至R12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、置換又は無置換の炭化水素芳香環基、置換又は無置換の複素環基のいずれかを表わす。nは0乃至2を表わす整数であり、nが2の場合は、2つのR3は、同じであっても異なっていても良く、2つのR5は、同じであっても異なっていても良い。Lは電子吸引性の1価の置換基である。
上記一般式[1]及び[2]におけるAr1、Ar2、R1乃至R12において、
炭化水素芳香環基は、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基が好ましく、特に好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
炭化水素芳香環基は、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基が好ましく、特に好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、複素芳香環基は、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、トリアジン基、ピロール基、フラニル基、チエニル基、イミダゾール基、ピラゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、イミダゾリン基、チアジン基、キノリニル基、イソキノリニル基、アザフェナントレニル基、フェナントロリン基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、チエニル基等が好ましく、特に好ましくは、ピリジル基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチエニル基であるが、これらに限定されるものではない。
Ar1、Ar2、R1乃至R12において、上記炭化水素芳香環基又は複素芳香環基が有して良い置換基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、炭化水素芳香環基、複素芳香環基である。このうち、アルキル基は、好ましくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、特に好ましくは、フッ素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルコキシ基は、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基が好ましく、特に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。炭化水素芳香環基は、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、複素芳香環基は、チエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、ピリジル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式[1]及び[2]におけるR1乃至R12において、アルキル基は、好ましくは、炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、アルコキシ基は、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基が好ましく、特に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式[1]及び[2]におけるLとして、具体的には、下記一般式[L−1]乃至[L−11]のいずれかで示される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記一般式[L−1]乃至[L−11]において、R13乃至R46は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、置換又は無置換の炭化水素芳香環基、置換又は無置換の複素芳香環基からそれぞれ選ばれ、置換基を有していても良い。
具体的には、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、特に好ましくはフッ素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、アルキル基は、好ましくは、炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルコキシ基は、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基が好ましく、特に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R13乃至R46において、炭化水素芳香環基及び複素芳香環基としては、一般式[1]及び[2]におけるAr1、Ar2、R1乃至R12として例示された炭化水素芳香環基及び複素芳香環基が好ましく挙げられる。即ち、炭化水素芳香環基は、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基が好ましく、特に好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
複素芳香環基は、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、トリアジン基、ピロール基、フラニル基、チエニル基、イミダゾール基、ピラゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、イミダゾリン基、チアジン基、キノリニル基、イソキノリニル基、アザフェナントレニル基、フェナントロリン基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基が好ましく、特に好ましくは、ピリジル基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチエニル基であるが、これらに限定されるものではない。
また、R13乃至R46における炭化水素芳香環基及び複素芳香環基は、Ar1、Ar2、R1乃至R12として例示された炭化水素芳香環基及び複素芳香環基と同様の置換基を有していても良い。
Lの特に好ましい構造は以下の通りである。
〔有機化合物の性質〕
本発明の光電変換素子の光電変換層は、可視光領域全体に吸収を有するパンクロミック性を示す。パンクロミック性とは、可視光全域の波長の光に感光性を示す性能のことである。
本発明の光電変換素子の光電変換層は、可視光領域全体に吸収を有するパンクロミック性を示す。パンクロミック性とは、可視光全域の波長の光に感光性を示す性能のことである。
可視光全域とは、380nm乃至750nmの波長域のことであり、光電変換膜としてこの波長域の光を吸収できることが好ましい。特に赤色光領域とは600nm乃至750nmの波長のことであり、この波長領域の吸収感度が高いことが好ましい。具体的には、薄膜状態における吸収端(吸収スペクトルの立ち上がりの位置)が赤色領域(600nm以上)にあり、クロロホルム希薄溶液(濃度は5×10-5mol/Lより薄い溶液)中の吸収端では580nm以上にあることが好ましく、600nm以上にあることがより好ましい。その場合、クロロホルム希薄溶液の最大吸収波長においては、525nm乃至615nmにあることが好ましく、535nm乃至605nmにあることがより好ましい。また、後述する分子軌道計算による、吸収波長の計算値は、500nm乃至590nmであることが好ましく、505nm乃至560nmであることがより好ましい。さらに、吸収感度を示す振動子強度の計算値は、1.00以上であることが好ましい。
以下、具体的に本発明の有機化合物が、光電変換素子のパンクロミック性実現のために、好ましい理由を、他の有機化合物と比較して説明する。比較対象のD1乃至D3は、特許文献1乃至3にそれぞれ記載された有機化合物であり、以下の構造で示される。
また、本発明の有機化合物として、以下の構造の有機化合物1,2を用いて説明する。
本発明の有機化合物を推定するにあたり、分子構造計算により求めた振動子強度と溶液のモル吸光係数の相関関係があると仮定し、検証した。分子軌道法計算の計算手法は、現在広く用いられている密度汎関数法(Density Functional Theory,DFT)を用いた。汎関数はB3LYP、基底関数は6−31G*を用いた。尚、分子軌道法計算は、現在広く用いられているGaussian09(Gaussian09,RevisionC.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,G.Scalmani,V.Barone,B.Mennucci,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Caricato,X.Li,H.P.Hratchian,A.F.Izmaylov,J.Bloino,G.Zheng,J.L.Sonnenberg,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,T.Vreven,J.A.Montgomery,Jr.,J.E.Peralta,F.Ogliaro,M.Bearpark,J.J.Heyd,E.Brothers,K.N.Kudin,V.N.Staroverov,T.Keith,R.Kobayashi,J.Normand,K.Raghavachari,A.Rendell,J.C.Burant,S.S.Iyengar,J.Tomasi,M.Cossi,N.Rega,J.M.Millam,M.Klene,J.E.Knox,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,R.L.Martin,K.Morokuma,V.G.Zakrzewski,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,S.Dapprich,A.D.Daniels,O.Farkas,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,J.Cioslowski,and D.J.Fox,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2010.)により実施した。
表1に、本発明の有機化合物1と比較対象のD1,D2のそれぞれの分子軌道より算出した振動子強度と吸収波長の計算値と、クロロホルム希薄溶液中で測定したモル吸光係数、吸収端波長、最大吸収波長の実測値を示した。また、本発明の有機化合物2の分子軌道より算出した振動子強度と吸収波長の計算値を示した。比較対象D1は、吸収端波長が575nm、最大吸収波長が520nmであり、特に赤色光領域の感度が弱い。それに対し、本発明の有機化合物1は、吸収端波長が625nm、最大吸収波長が562nmであり、赤色光領域に良好な感度を有するため、可視光全域に吸収感度を有することができる。一方で、比較対象D2は、吸収端波長が638nm、最大吸収波長が540nmを示し、可視光全域に吸収感度を有するが、モル吸光係数が、48890M-1cm-1であるため、吸収感度が低いと言える。そのため、赤色光領域の感度が弱い。これらは、分子軌道計算と相関がある。吸収波長の計算値は、比較対象D1が477nmに対し、比較対象D2が530nm、本発明の有機化合物1が510nmであり、赤色光領域の感度を示すことが分子軌道計算によって示唆できた。また振動子強度は、比較対象D1が1.01、本発明の有機化合物1が1.22であり、モル吸光係数が同等以上であることが示唆でき、比較対象D2は0.82であるため、赤色光領域の吸収感度は示すが、感度が弱いという実測値と一致した。
本発明の有機化合物を光電変換素子に用いる場合に、その有機化合物のみで可視光全域の光吸収を担うことができる。例えば、比較対象D1,D2の様な赤色領域の吸収感度が弱い化合物の場合は、数種類の化合物を混合させることや、光を吸収させるために膜厚化する必要がある。これにより、トラップ準位による変換効率の低下や厚膜化による高電圧化が生じる。一方、光吸収を担う有機化合物が単一の場合は、分子の配向や凝集状態を制御しやすく、薄膜化できることにより、変換効率を向上させることができる。
また、本発明の有機化合物を光電変換素子に用いる場合、フラーレン類縁体等のn型有機半導体を電子アクセプタとして用いることが好ましい。この場合、本発明の有機化合物が有する吸収領域に加えて特に380nm乃至500nmの短波長側の吸収感度をさらに高めることができる。これにより、パンクロミック性能が良好になる。
さらに、本発明の有機化合物はアミノ基を有することに特徴を有し、電子供与性が高く、フラーレン類縁体等のn型有機半導体と共に光電変換層に用いることで電子ドナーとして機能し、良好な光電変換を行う。つまり、パンクロミック性能と良好な光電変換特性により、全波長領域で優れた光電変換特性を有することができる。
さらに、一般式[1]及び[2]において、n=0の場合を例にとり、本発明の有機化合物が赤色光領域の吸収感度の向上に対して優位であることについて説明する。
有機化合物の赤色光領域における吸収感度を向上させるには、先ず、赤色光領域に吸収波長があること、さらにはその吸収波長のモル吸光係数が高いことが必要である。本発明者等は、アミノ基に直接ビニル基が結合する構造を有することで、両者を両立させることを見出した。
有機化合物の赤色光領域における吸収感度を向上させるには、先ず、赤色光領域に吸収波長があること、さらにはその吸収波長のモル吸光係数が高いことが必要である。本発明者等は、アミノ基に直接ビニル基が結合する構造を有することで、両者を両立させることを見出した。
本発明の有機化合物は、一般式[1]及び[2]において、R1乃至R12が水素原子の場合の構造(下記一般式[3]及び[4])を基本骨格に有する。
一方で、赤色光領域に吸収感度を有するには、ビニル基の位置に他の置換基を有する有機化合物でも、実現可能である。本発明の有機化合物のビニル基を他の置換基に置き換えた場合の構造を、一般式[5]に示す。また、下記一般式[5]のWにビニル基以外の置換基を導入した場合の分子軌道計算結果を表2に示す。
一般式[5]において、Wは、赤色光領域に吸収感度を有する目的で導入した、2価の置換又は無置換の炭化水素芳香環基、置換又は無置換の複素芳香環基のいずれかである。比較対象E1乃至E7において、E1、E2、E4、E6、E7は赤色光領域内に吸収波長を有するが、E3、E5は、吸収波長がさらに長波長領域にまで達しているため、好ましくない。また、振動子強度は、E1乃至E7において、1.00を下回ったため、高い吸収感度が望めないことから、好ましくない。
また、高性能で信頼性の高い光電変換素子を実現するためには、光電変換材料は高純度であるほど好ましく、高純度化のためには、昇華精製プロセスを行うことが好ましい。昇華精製により、昇華温度の異なる不純物を除去できるだけでなく無機物等の昇華しない不純物も除去することができるためである。そのためには、有機化合物の基本骨格の分子量は、小さい方が昇華性の向上が望めるため好ましい。基本骨格とは、置換基を有することが可能な部位を全て水素原子に置換した時の化合物の骨格のことを言う。例えば、一般式[1]及び[2]であれば、R1乃至R12が全て水素原子であり、Ar1及びAr2が無置換の炭化水素芳香環基、無置換の複素芳香環基より選ばれ、Lは無置換の電子吸引性の置換基である場合である。比較対象D1及びD2は、昇華可能な化合物である。表2には、D1との分子量の差を示した。昇華可能な化合物か否かは、基本骨格やその分子量に依存するため一概には言えないが、導入できる置換基の分子量は小さい方が昇華性が高く好ましい。本発明の有機化合物1及び2は、赤色光領域に吸収を有する他の構造と比較して、分子量の小さい置換基の導入により昇華精製を可能とし、高い振動子強度と赤色光領域に吸収波長を有することを両立させている。
表2中、比較対象D3及び本発明の有機化合物2のWにおける*は、ベンゼン環と結合し、環を形成している位置を示す。
以下に、本発明の一般式[1]で示される有機化合物の構造を例示する。但し、本発明はこれらの例示化合物に限られるものではない。
例示化合物A1乃至A48は、アミノ基に直接結合するビニル基の導入により、ビニル基を含まずにアミノ基に芳香環が結合する有機化合物に対し、長波長化が見込めるため好ましい。例示化合物A1乃至A42は、モル吸光係数を維持したまま、長波長化が見込めるため、より好ましい。例示化合物A1乃至A30は、ビニル基との連結基がフェニル基であるため、分子量が小さく昇華し易い構造であるため、低温で蒸着可能であるため、より好ましい。例示化合物A31乃至A42は、部分構造であるナフタレン部位の平面性が高いため、電荷の移動度が速くなることが望めるため好ましい。例示化合物A43乃至A48は、部分構造であるアントラセン部位の平面性が高いことにより、電荷の移動度が速くなることが望め、且つ、熱安定性の向上が望めるため好ましい。例示化合物A19乃至A30、A37は、電子吸引性の置換基がベンゾインダンであり、ナフタレン部位の平面性が高いため、電荷の移動度が速くなることが望めるため好ましい。
以下に、本発明の一般式[2]で示される有機化合物の構造を例示する。但し、本発明はこれらの例示化合物に限られるものではない。
例示化合物B1乃至B48は、アミノ基と直接結合するビニル基の導入により、ビニル基を含まずにアミノ基に芳香環が結合する有機化合物に対し、長波長化が見込めるため好ましい。さらにアミノ基と直接結合するビニル基と炭素−炭素の単結合であるアルキル鎖で環を形成した構造であるため、分子内の回転軸が2つと少なく、平面性が向上するため、融点及びガラス転移温度(Tg)の向上し、熱的安定性が望めるためより好ましい。例示化合物B1乃至B42は、モル吸光係数を維持したまま、長波長化が望めるため、より好ましい。例示化合物B1乃至B30は、6員環内にビニル基を含む連結基の分子量が小さく昇華し易い構造であるため、低温で蒸着可能であるため、より好ましい。例示化合物B31乃至B42は、3つの結合した6員環を有する連結基の平面性が高いため、電荷の移動度が速くなることが望めるため好ましい。例示化合物B43乃至B48は、4つの6員環内にビニル基を含む連結基の平面性が高いため、電荷の移動度が速くなることが望め、且つ、熱安定性の向上が望めるため好ましい。例示化合物B19乃至B30は、電子吸引性の置換基がベンゾインダンであり、ナフタレン部位の平面性が高いため、電荷の移動度が速くなることが望めるため好ましい。
〔光電変換素子〕
図1は、本発明の光電変換素子の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。本発明の光電変換素子は、基本的に、電子捕集電極5と、正孔捕集電極4と、電子捕集電極5と正孔捕集電極4との間に配置される少なくとも一層の有機化合物層1を有し、該有機化合物層1が、光電変換材料として少なくとも本発明の有機化合物を含んでいる。以下、本発明の光電変換素子が必須構成部材として有する有機化合物層1を第1の有機化合物層と記す。また、本実施形態の光電変換素子10は、第1の有機化合物層1を挟んで、第2の有機化合物層2と第3の有機化合物層3とを備えた例である。
図1は、本発明の光電変換素子の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。本発明の光電変換素子は、基本的に、電子捕集電極5と、正孔捕集電極4と、電子捕集電極5と正孔捕集電極4との間に配置される少なくとも一層の有機化合物層1を有し、該有機化合物層1が、光電変換材料として少なくとも本発明の有機化合物を含んでいる。以下、本発明の光電変換素子が必須構成部材として有する有機化合物層1を第1の有機化合物層と記す。また、本実施形態の光電変換素子10は、第1の有機化合物層1を挟んで、第2の有機化合物層2と第3の有機化合物層3とを備えた例である。
本実施形態の光電変換素子10を構成する正孔捕集電極4は、電子捕集電極5と正孔捕集電極4との間に配置されている第1の有機化合物層1で発生した正孔を捕集する電極である。また、電子捕集電極5は、電子捕集電極5と正孔捕集電極4との間に配置されている第1の有機化合物層1で発生した電子を捕集する電極である。
図1の光電変換素子10において、第1の有機化合物層1は、層内に、光を受けることで励起する化合物を有している。また第1の有機化合物層1は、当該化合物の分子を光で励起させた後で生じる電荷、即ち、電子及び正孔を電子捕集電極5、正孔補集電極4へそれぞれ運搬する役割も果たしている。第1の有機化合物層1には、後述するように光を電荷に変換する有機化合物が含まれるため、第1の有機化合物層1は光電変換層である。但し、本発明において、光電変換素子を構成する光電変換層は、第1の有機化合物層1のみに限定されるものではない。
第1の有機化合物層1は、単一材料でも複数材料を含んでいても良いが、p型有機半導体及びn型有機半導体の少なくとも一方を含む層であることが好ましい。さらには、少なくともその一部がp型有機半導体とn型有機半導体とを含むバルクへテロ層(混合層)であることがより好ましい。第1の有機化合物層1の少なくとも一部がバルクへテロ層であることにより、光電変換素子の光電変換効率(感度)をより向上させることができる。また第1の有機化合物層1を形成する際に、p型有機半導体とn型有機半導体とを適当な配合比で含ませることにより、第1の有機化合物層1内における電子移動度及び正孔移動度を高くすることができ、光電変換素子の光応答速度をより高速にすることができる。
本実施形態において、第2の有機化合物層2は、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよく、複数種の材料を有する混合層であってもよい。図1の光電変換素子10において、第2の有機化合物層2は、第1の有機化合物層1から移動した正孔を正孔捕集電極4へ輸送する役割を有する。また第2の有機化合物層2は、正孔捕集電極4から光電変換部へ電子が移動するのを抑制する。つまり、第2の有機化合物層2は、正孔輸送層又は電子ブロッキング層として機能し、暗電流の発生を阻止する上で好ましい構成部材である。
また、本実施形態において、第3の有機化合物層3は、第1の有機化合物層1から移動した電子を電子捕集電極5へ輸送する役割を有する。また第3の有機化合物層3は、電子捕集電極5から第1の有機化合物層1へ正孔が流れ込むのを抑制する層(正孔ブロッキング層)であるため、イオン化ポテンシャルが高い層であることが好ましい。第3の有機化合物層3は、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよく、複数種の材料を有する混合層であってもよい。
本発明において、電子捕集電極5と正孔捕集電極4との間に配置される層は、上述した三種類の層(第1の有機化合物層1、第2の有機化合物層2、第3の有機化合物層3)に限定されるものではない。第2の有機化合物層2と正孔捕集電極4との間、及び第3の有機化合物層3と電子捕集電極5の間の少なくとも一方に介在層をさらに設けることができる。この介在層は、発生した電荷を電極にて注入する際の電荷の注入効率の向上させる、もしくは電荷を印加した際に電荷が有機化合物層に注入するのを阻止する目的で設けられる。この介在層を設ける場合、この介在層は有機化合物層であっても、無機化合物層であっても、また、有機化合物と無機化合物とが混在する混合層であってもよい。
図1の光電変換素子10の電子捕集電極5は、読み出し回路6と接続されているが、読み出し回路6は、正孔捕集電極4と接続されていてもよい。読み出し回路6は、第1の有機化合物層1において発生した電荷に基づく情報を読み出し、例えば、後段に配された信号処理回路(不図示)に当該情報を伝える役割を果たす。読み出し回路6は、例えば、光電変換素子10において生じた電荷に基づく信号を出力するトランジスタが含まれている。
図1の光電変換素子10において、正孔捕集電極4の上には無機保護層7が配置されている。無機保護層7は、電子捕集電極5と、第3の有機化合物層3と、第1の有機化合物層1と、第2の有機化合物層2と、正孔捕集電極4と、がこの順で積層されてなる部材を保護するための層である。無機保護層7の構成材料としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム等が挙げられ、公知の成膜方法により形成することができる。
図1の光電変換素子10において、無機保護層7の上には、カラーフィルタ8が配置されている。カラーフィルタ8は、例えば、可視光のうち赤色の光を透過するカラーフィルタ等が挙げられる。また本発明において、カラーフィルタ8の設け方としては、光電変換素子一個あたり一つであってもよいし、光電変換素子複数個あたり一つであってもよい。さらにカラーフィルタ8を配列する際には、例えば、隣接する光電変換素子とで、ベイヤー配列を形成してよい。
本発明においては、図1の光電変換素子10において、カラーフィルタ8の上に光学部材を配置しても良く、図1においては、光学部材としてマイクロレンズ9が配置されている。マイクロレンズ9は、入射した光を光電変換部である第1の有機化合物層1に集光する役割を果たす。また本発明において、マイクロレンズ9の設け方としては、光電変換素子一個あたり一つであってもよいし、光電変換素子複数個あたり一つであってもよい。本発明においては、光電変換素子一個あたり一つのマイクロレンズ9を設けるのが好ましい。
本発明の光電変換素子は、光電変換を行う場合に、正孔捕集電極4と電子捕集電極5との間に電圧を印加することが好ましい。ここで電極間に印加する電圧は、有機化合物層(1、2、3)の総膜厚にもよるが、好ましくは、1V以上15V以下である。より好ましくは、2V以上10V以下である。
図2は図1の光電変換素子10を用いた一画素20の等価回路図である。光電変換素子10の電子捕集電極5の下層は、半導体基板内に形成された電荷蓄積部15に電気的に接続され、更に増幅トランジスタ23に接続される。このような構成により、増幅トランジスタ23が光電変換素子10で生じた信号を出力することができる。光電変換素子10と増幅トランジスタ23とは短絡されてもよい。或いは、図2に示すように光電変換素子10と増幅トランジスタ23との間の電気経路に、スイッチとして転送トランジスタ25が配されてもよい。図2の画素構成では、光電変換素子10と増幅トランジスタ23との電気的な接続を表すノードBが示されている。ノードBは、電気的にフローティングとすることが可能となるように構成される。ノードBが電気的にフローティングになることにより、ノードBの電圧が光電変換素子10で生じた電荷に応じて変化しうる。従って、増幅トランジスタ23に光電変換素子10で生じた電荷に応じた信号を入力することができる。
図2の画素構成では、半導体基板内のノードBの電圧をリセットするリセットトランジスタ22を有する。リセットトランジスタ22は、リセット電圧(不図示)をノードBに供給する。リセットトランジスタ22は、リセット制御パルスpRESによりオンとオフとが切り替えられるように制御される。リセットトランジスタ22がオンすることで、ノードBにリセット電圧が供給される。電荷蓄積部15は、光電変換素子10で発生した電荷を蓄積する領域であり、半導体基板内にP型領域及びN型領域を形成して構成される。
尚、図2中、24は選択トランジスタ、15は電荷蓄積部、26は電流源、27は増幅器、28は垂直走査線、29は配線である。
尚、図2中、24は選択トランジスタ、15は電荷蓄積部、26は電流源、27は増幅器、28は垂直走査線、29は配線である。
〔光電変換素子の構成部材〕
(基板)
図1においては図示されていないが、本発明の光電変換素子は、基板を有していてもよい。基板として、例えば、シリコン基板、ガラス基板、フレキシブル基板等が挙げられる。
(基板)
図1においては図示されていないが、本発明の光電変換素子は、基板を有していてもよい。基板として、例えば、シリコン基板、ガラス基板、フレキシブル基板等が挙げられる。
(正孔捕集電極)
正孔捕集電極4の構成材料としては、導電性が高く、透明性を有する材料であれば特に制限されない。具体的には、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物、有機導電性化合物、これらを複数種組み合わせた混合物等が挙げられる。さらに具体的には、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル、チタン、タングステン、アルミ等の金属材料及びこれら金属材料の酸化物や窒化物等の導電性化合物(例えば、窒化チタン(TiN)等)、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、及びこれらとITO又は窒化チタンとの積層物等が挙げられる。正孔捕集電極4の構成材料として、特に好ましくは、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タンタル及び窒化タングステンから選択される材料である。
正孔捕集電極4の構成材料としては、導電性が高く、透明性を有する材料であれば特に制限されない。具体的には、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物、有機導電性化合物、これらを複数種組み合わせた混合物等が挙げられる。さらに具体的には、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル、チタン、タングステン、アルミ等の金属材料及びこれら金属材料の酸化物や窒化物等の導電性化合物(例えば、窒化チタン(TiN)等)、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、及びこれらとITO又は窒化チタンとの積層物等が挙げられる。正孔捕集電極4の構成材料として、特に好ましくは、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タンタル及び窒化タングステンから選択される材料である。
(電子捕集電極)
電子捕集電極5の構成材料として、具体的には、ITO、インジウム亜鉛酸化物、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)等が挙げられる。
電子捕集電極5の構成材料として、具体的には、ITO、インジウム亜鉛酸化物、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)等が挙げられる。
正孔捕集電極4及び電子捕集電極5の形成方法は、それぞれ使用される電極材料との適正を考慮して適宜選択することができる。具体的には、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式等により形成することができる。
ITOを用いてこれら電極4,5を形成する場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲル法等)、酸化インジウムスズの分散物の塗布等の方法で電極を形成することができる。また係る場合、形成された電極(ITO電極)の表面について、UV−オゾン処理、プラズマ処理等を施してもよい。TiNを用いて電極4,5を形成する場合、反応性スパッタリング法をはじめとする各種の成膜方法を用いることができる。また係る場合、形成された電極(TiN電極)にアニール処理、UV−オゾン処理、プラズマ処理等を施してもよい。
(第1の有機化合物層)
第1の有機化合物層1は、前記一般式[1]又は[2]で示される本発明の有機化合物を少なくとも有している。第1の有機化合物層1は、本発明の有機化合物以外の材料を含んでいても良い。ここでいう本発明の有機化合物以外の材料としては、可視光を吸収して励起子を生成する機能を有する光吸収材料、及び光吸収材料の励起子から電荷、即ち、正孔及び電子を生成・運搬する機能を有する光電変換誘起材料が挙げられる。ここで、第1の有機化合物層1に含まれる、本発明の有機化合物以外の光吸収材料及び光電変換誘起材料の種類は、それぞれ一種類でもよいし、二種類以上であってもよい。また、第1の有機物化合物層1は、本発明の有機化合物からなる層と、他の材料からなる層と積層体であってもよい。
第1の有機化合物層1は、前記一般式[1]又は[2]で示される本発明の有機化合物を少なくとも有している。第1の有機化合物層1は、本発明の有機化合物以外の材料を含んでいても良い。ここでいう本発明の有機化合物以外の材料としては、可視光を吸収して励起子を生成する機能を有する光吸収材料、及び光吸収材料の励起子から電荷、即ち、正孔及び電子を生成・運搬する機能を有する光電変換誘起材料が挙げられる。ここで、第1の有機化合物層1に含まれる、本発明の有機化合物以外の光吸収材料及び光電変換誘起材料の種類は、それぞれ一種類でもよいし、二種類以上であってもよい。また、第1の有機物化合物層1は、本発明の有機化合物からなる層と、他の材料からなる層と積層体であってもよい。
本発明の有機化合物以外の光電変換誘起材料としては、n型有機半導体が挙げられ、中でもフラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体は、n型有機半導体の中でも、励起子から電荷(正孔及び電子)を生成・運搬する機能が特に優れており、また可視光を吸収して励起子を生成する機能をも備える材料である。係る光電変換誘起材料は、一種類を用いてもよいし、二種類以上を用いてもよい。
フラーレン誘導体が共通して有する骨格であるフラーレンは、多数の炭素原子のみで構成される閉殻空洞状のクラスターの総称である。またフラーレンは、具体的には、C60や高次のフラーレンであるC70、C74、C76、C78等が挙げられる。
フラーレン誘導体は、フラーレンにアルキル基、アリール基、複素環基等の置換基が導入された化合物である。以下の説明において、フラーレン及びフラーレン誘導体をまとめて「フラーレン類」と呼ぶことがある。これらフラーレン類は、そのうちの一種類を選択して用いてもよいし、複数種類を選択して用いてもよい。
第1の有機化合物層1に含まれるフラーレン類の分子は、フルオランテン骨格同士でスタッキングを起こすため、各分子を第1の有機化合物層1内において一定の方向に連ねる(配向させる)ことができる。これにより、電子の経路が形成されるため、電子輸送性が向上し、光電変換素子の高速応答性が向上する。第1の有機化合物層1に含まれるフラーレン類の含有量は、好ましくは、第1の有機化合物層1全体に対して、30体積%以上70体積%以下である。
第1の有機化合物層1に含まれ得るフラーレン類(フラーレン、フラーレン誘導体)としては、例えば、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC80、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC96、フラーレンC240、フラーレン540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、下記に示されるフラーレン誘導体等が挙げられる。
(第2の有機化合物層)
図1の光電変換素子10に用いられる第2の有機化合物層2の構成材料としては、正孔輸送材料又は正孔注入材料として用いられる有機化合物が挙げられる。
図1の光電変換素子10に用いられる第2の有機化合物層2の構成材料としては、正孔輸送材料又は正孔注入材料として用いられる有機化合物が挙げられる。
(第3の有機化合物層)
図1の光電変換素子10において、第3の有機化合物層3の構成材料としては、イオン化ポテンシャルが高い材料、具体的には、電子輸送材料又は電子注入材料として用いられる有機化合物が挙げられる。尚、第1の有機化合物層1において用いることができるフラーレン骨格を有するフラーレン類は、上述したように、電子輸送性が優れている材料であるので、第3の有機化合物層3の構成材料としても使用することができる。
図1の光電変換素子10において、第3の有機化合物層3の構成材料としては、イオン化ポテンシャルが高い材料、具体的には、電子輸送材料又は電子注入材料として用いられる有機化合物が挙げられる。尚、第1の有機化合物層1において用いることができるフラーレン骨格を有するフラーレン類は、上述したように、電子輸送性が優れている材料であるので、第3の有機化合物層3の構成材料としても使用することができる。
(光電変換素子の用途)
本発明の光電変換素子は、第1の有機化合物層1の構成材料を適宜設定することで、異なる波長の光に対応する光電変換素子とすることができる。尚、ここでいう「波長」とは、所定の光電変換素子が受光する光の波長である。このように異なる波長に対応する光電変換素子を複数種類有する場合において、これら複数種類の光電変換素子を正孔捕集電極4から電子捕集電極5の方向に積層させると、カラーフィルタを必要としない有機光電変換装置が得られる。この有機光電変換装置に含まれる複数種類の光電変換素子のうち、少なくとも一種類の光電変換素子は、本発明の光電変換素子である。
本発明の光電変換素子は、第1の有機化合物層1の構成材料を適宜設定することで、異なる波長の光に対応する光電変換素子とすることができる。尚、ここでいう「波長」とは、所定の光電変換素子が受光する光の波長である。このように異なる波長に対応する光電変換素子を複数種類有する場合において、これら複数種類の光電変換素子を正孔捕集電極4から電子捕集電極5の方向に積層させると、カラーフィルタを必要としない有機光電変換装置が得られる。この有機光電変換装置に含まれる複数種類の光電変換素子のうち、少なくとも一種類の光電変換素子は、本発明の光電変換素子である。
図3は、本発明の光電変換装置の一実施形態の構成を模式的に示す平面図である。本実施形態の光電変換装置は、撮像領域31と、垂直走査回路32と、2つの読み出し回路33と、2つの水平走査回路34と、2つの出力アンプ35を備えている。撮像領域31以外の領域が回路領域36である。
撮像領域31は、複数の画素が2次元状に配列されて構成される。画素の構造は図1に示された画素20の構造を適宜用いることができる。また、上記した、複数種類の光電変換素子10を積層して画素20を構成しても良い。読み出し回路33は、例えば、列アンプ、CDS回路、加算回路等を含み、垂直走査回路32によって選択された行の画素から垂直信号線(図2の28)を介して読み出された信号に対して増幅、加算等を行う。列アンプ、CDS回路、加算回路等は、例えば、画素列又は複数の画素列毎に配置される。水平走査回路34は、読み出し回路33の信号を順番に読み出すための信号を生成する。出力アンプ35は、水平走査回路34によって選択された列の信号を増幅して出力する。
以上の構成は、光電変換装置の一つの構成例に過ぎず、本実施形態は、これに限定されるものではない。読み出し回路33と水平走査回路34と出力アンプ35とは、2系統の出力経路を構成するため、撮像領域31を挟んで上下に1つずつ配置されている。しかし、出力経路は3つ以上設けられていてもよい。各出力アンプから出力された信号は信号処理部で画像信号として合成される。
また、本発明の光電変換素子を、面内方向に二次元に配置させることで光エリアセンサの構成部材として用いることができる。光エリアセンサは、光電変換素子を複数有し、複数の光電変換素子が、表方向及び列方向にそれぞれ複数配置されている。尚、この光エリアセンサに含まれる光電変換素子を、上述した光電変換装置に換えてもよい。
さらに、本発明の光電変換素子は、撮像素子の構成部材として用いることができる。撮像素子は、各々が受光画素となる複数の光電変換素子と、それぞれの光電変換素子に接続されているトランジスタとを有する。尚、ここでいうトランジスタは、光電変換素子から生じた電荷を読み出すトランジスタである。このトランジスタによって読み出された電荷に基づく情報は、撮像素子に接続されているセンサ部に伝達される。このセンサ部としては、例えば、CMOSセンサ、CCDセンサ等が挙げられる。それぞれの受光画素で取得した情報がセンサ部に集められることで画像を得ることができる。
撮像素子は、例えば、カラーフィルタ等の光学フィルタを、各受光画素にそれぞれ対応するように有してもよい。光電変換素子が、特定の波長の光に対応している場合、この光電変換素子が対応可能な波長領域を透過するカラーフィルタを有することが好ましい。カラーフィルタは、受光画素1つにつき1つ設けてもよいし、複数の受光画素につき1つのカラーフィルタを設けてもよい。
尚、撮像素子が有する光フィルタは、カラーフィルタに限定されず、他にも、赤外線以上の波長を透過するローパスフィルタ、紫外線以下の波長を透過するUVカットフィルタ、ロングパスフィルタ等が使用できる。
撮像素子は、マイクロレンズ等の光学部材を、例えば、各受光画素にそれぞれ対応するように有してもよい。撮像素子が有するマイクロレンズは、外部からの光を撮像素子が有する光電変換素子を構成する光電変換部に集光するレンズである。マイクロレンズは、受光画素1つにつき1つ設けてもよいし、複数の受光画素につき1つ設けてもよい。受光画素が複数設けられている場合は、複数(2以上の所定数)の受光画素につき1つのマイクロレンズが設けられるのが好ましい。
本発明に係る光電変換素子は、撮像装置に用いることができる。撮像装置は、複数のレンズを有する撮像光学系と、撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子と、を有する。また、撮像装置は、撮像光学系と接合可能な接合部と、撮像素子とを有する撮像装置であってもよい。ここでいう撮像装置とは、より具体的には、デジタルカメラやデジタルスチルカメラをいう。
また撮像装置は、外部からの信号を受信する受信部をさらに有してもよい。受信部が受信する信号は、撮像装置の撮像範囲、撮像の開始及び撮像の終了の少なくともいずれかを制御する信号である。また撮像装置は、撮像により取得した画像を外部に送信する送信部をさらに有してもよい。このように、受信部や送信部を有することで、撮像装置をネットーワークカメラとして用いることができる。
〔有機化合物の合成方法〕
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。尚、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。尚、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
以下に示す合成スキームにより例示化合物A19を合成した。
以下に示す合成スキームにより例示化合物A19を合成した。
(1)中間体M1−1の合成
200ml三口フラスコに、以下の材料を入れ、100℃で5時間加熱撹拌した。尚、PPhはフェニルホスフィンを、TMSはトリメチルビニルシランである。
M1−0:10g(54.6mmol)
TMS:5.48g(54.6mmol)
RuHCl(CO)(PPh3)3:0.52g(0.55mmol)
トルエン:109ml
次に、室温まで放冷後、純水/トルエンにて有機層を抽出し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、無色透明液体8.64g(収率62.0%)を得た。
200ml三口フラスコに、以下の材料を入れ、100℃で5時間加熱撹拌した。尚、PPhはフェニルホスフィンを、TMSはトリメチルビニルシランである。
M1−0:10g(54.6mmol)
TMS:5.48g(54.6mmol)
RuHCl(CO)(PPh3)3:0.52g(0.55mmol)
トルエン:109ml
次に、室温まで放冷後、純水/トルエンにて有機層を抽出し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、無色透明液体8.64g(収率62.0%)を得た。
(2)中間体M1−2の合成
200ml三口フラスコに、M1−1(5g,19.6mmol)、テトラヒドロフラン(100ml)を入れ、窒素雰囲気下で−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)(13.6ml、21.5mmol)を滴下し、−78℃にて1時間撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミド(1.68ml)を滴下後、室温まで昇温した。塩化アンモニウム水溶液/クロロホルムを用いて有機層を抽出した後、溶媒を濃縮した。得られた褐色オイルをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し薄黄色オイル2.50g(収率62.5%)を得た。
200ml三口フラスコに、M1−1(5g,19.6mmol)、テトラヒドロフラン(100ml)を入れ、窒素雰囲気下で−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)(13.6ml、21.5mmol)を滴下し、−78℃にて1時間撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミド(1.68ml)を滴下後、室温まで昇温した。塩化アンモニウム水溶液/クロロホルムを用いて有機層を抽出した後、溶媒を濃縮した。得られた褐色オイルをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し薄黄色オイル2.50g(収率62.5%)を得た。
(3)中間体M1−3の合成
100ml三口フラスコに、以下の材料を入れ、窒素気流下にて、2時間室温で撹拌した。次いで、純水/クロロホルムを用いて有機層を抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色固体1.92g(収率68.2%)を得た。
M1−2:2.73g(13.4mmol)
アセトニトリル:40ml
N−ブロモスクシンイミド:2.85g(16.0mmol)
100ml三口フラスコに、以下の材料を入れ、窒素気流下にて、2時間室温で撹拌した。次いで、純水/クロロホルムを用いて有機層を抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色固体1.92g(収率68.2%)を得た。
M1−2:2.73g(13.4mmol)
アセトニトリル:40ml
N−ブロモスクシンイミド:2.85g(16.0mmol)
(4)中間体M1−4の合成
100ml三口フラスコに、以下の材料を入れ、90℃窒素雰囲気下にて、2時間加熱撹拌した。
M1−3:1g(4.74mmol)
ジフェニルアミン:0.80g(4.74mmol)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム:0.22g(0.24mmol)
キサントホス:0.27g(0.47mmol)
tert−ブトキシナトリウム:0.64g(6.63mmol)
トルエン:16ml
放冷後、溶媒を濃縮し得られた黒色個体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色粉末1.00g(収率71.1%)を得た。
100ml三口フラスコに、以下の材料を入れ、90℃窒素雰囲気下にて、2時間加熱撹拌した。
M1−3:1g(4.74mmol)
ジフェニルアミン:0.80g(4.74mmol)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム:0.22g(0.24mmol)
キサントホス:0.27g(0.47mmol)
tert−ブトキシナトリウム:0.64g(6.63mmol)
トルエン:16ml
放冷後、溶媒を濃縮し得られた黒色個体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、白色粉末1.00g(収率71.1%)を得た。
(5)例示化合物A19の合成
10mlナス型フラスコに、以下の材料を入れ、窒素雰囲気下にて、5時間還流撹拌した。
M1−4:0.50g(1.67mmol)
1H−シクロペンタ[b]ナフタレン−1,3(2H)−ジオン:0.35g(1.84mmol)
エタノール:20ml
放冷後、ろ過により得られた紫色固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃紫色固体を0.19g(収率23.8%)得た。得られた化合物の質量分析法により、例示化合物A19のM+である477を確認した。また、1H−NMR測定により、例示化合物A19の構造を確認した。
10mlナス型フラスコに、以下の材料を入れ、窒素雰囲気下にて、5時間還流撹拌した。
M1−4:0.50g(1.67mmol)
1H−シクロペンタ[b]ナフタレン−1,3(2H)−ジオン:0.35g(1.84mmol)
エタノール:20ml
放冷後、ろ過により得られた紫色固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃紫色固体を0.19g(収率23.8%)得た。得られた化合物の質量分析法により、例示化合物A19のM+である477を確認した。また、1H−NMR測定により、例示化合物A19の構造を確認した。
1H−NMR(d1−CHCl3,400MHz)
σ(ppm):8.70(d,2H),8.47(d,2H),8.11−8.08(m,2H),7.91(d,1H),7.73(d,1H),7.69−7.67(m,2H),7.40(t,4H),7.33(d,2H),7.22(t,2H),7.17(d,4H),5.64(d,1H)
(実施例2乃至11)
出発原料及び各中間体を表3に示す化合物に置き換えた以外は実施例1と同様の方法で実施例2乃至11の有機化合物を合成した。
σ(ppm):8.70(d,2H),8.47(d,2H),8.11−8.08(m,2H),7.91(d,1H),7.73(d,1H),7.69−7.67(m,2H),7.40(t,4H),7.33(d,2H),7.22(t,2H),7.17(d,4H),5.64(d,1H)
(実施例2乃至11)
出発原料及び各中間体を表3に示す化合物に置き換えた以外は実施例1と同様の方法で実施例2乃至11の有機化合物を合成した。
(実施例12)
以下に示す合成スキームにより例示化合物B1を合成した。
以下に示す合成スキームにより例示化合物B1を合成した。
(1)中間体M2−1の合成
500ml三口フラスコに、ジイソプロピルアミン(7.00g,70.2mmol)、テトラヒドロフラン(100ml)を入れ、窒素下−78℃にて、n−ブチルリチウム(2.5Mトルエン溶液,28ml,70.2mmol)を滴下し、30分間撹拌した。テトラヒドロフラン(80ml)に溶かしたM2−0(10g,58.4mmol)を滴下した。2時間撹拌後、テトラヒドロフラン(100ml)に溶かしたフェニルトリフリミド(25g,70.2mmol)を加え、2時間撹拌した。その後、室温まで昇温し、7時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、ジクロロメタン/2M水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。有機層の溶媒を減圧除去し、褐色オイル7.62(収率73.0%)を得た。
500ml三口フラスコに、ジイソプロピルアミン(7.00g,70.2mmol)、テトラヒドロフラン(100ml)を入れ、窒素下−78℃にて、n−ブチルリチウム(2.5Mトルエン溶液,28ml,70.2mmol)を滴下し、30分間撹拌した。テトラヒドロフラン(80ml)に溶かしたM2−0(10g,58.4mmol)を滴下した。2時間撹拌後、テトラヒドロフラン(100ml)に溶かしたフェニルトリフリミド(25g,70.2mmol)を加え、2時間撹拌した。その後、室温まで昇温し、7時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、ジクロロメタン/2M水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。有機層の溶媒を減圧除去し、褐色オイル7.62(収率73.0%)を得た。
(2)中間体M2−2の合成
M1−3をM2−2に変更する以外は、M1−4の合成と同様の方法を用いて合成した。
M1−3をM2−2に変更する以外は、M1−4の合成と同様の方法を用いて合成した。
(3)中間体M2−3の合成
500ml三口フラスコに、M2−2(1.00g,3.10mmol)、ジクロロメタン(10ml)入れ、窒素下で−78℃に冷却した。その後、水素化ジイソブチルアルミニウム(1Mトルエン溶液,7.75ml,7.75mmol)を30分かけて滴下した。反応液に飽和クエン酸溶液(5ml)を加え、ジクロロメタン/純水を用いて抽出した。有機層の溶媒を減圧除去し、薄黄色の固体0.72(収率71.9%)を得た。
500ml三口フラスコに、M2−2(1.00g,3.10mmol)、ジクロロメタン(10ml)入れ、窒素下で−78℃に冷却した。その後、水素化ジイソブチルアルミニウム(1Mトルエン溶液,7.75ml,7.75mmol)を30分かけて滴下した。反応液に飽和クエン酸溶液(5ml)を加え、ジクロロメタン/純水を用いて抽出した。有機層の溶媒を減圧除去し、薄黄色の固体0.72(収率71.9%)を得た。
(4)例示化合物B1の合成
10mlナス型フラスコに、以下の材料を入れ、窒素雰囲気下にて、5時間還流撹拌した。
M2−3:0.50g(1.55mmol)
1H−インデン−1,3(2H)−ジオン:0.25g(1.75mmol)
ピペリジン:0.05ml
エタノール:20ml
放冷後、ろ過により得られた紫色固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃紫色固体を0.38g(収率53.6%)得た。得られた化合物の質量分析法により、例示化合物B1のM+である453を確認した。
10mlナス型フラスコに、以下の材料を入れ、窒素雰囲気下にて、5時間還流撹拌した。
M2−3:0.50g(1.55mmol)
1H−インデン−1,3(2H)−ジオン:0.25g(1.75mmol)
ピペリジン:0.05ml
エタノール:20ml
放冷後、ろ過により得られた紫色固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃紫色固体を0.38g(収率53.6%)得た。得られた化合物の質量分析法により、例示化合物B1のM+である453を確認した。
(実施例13乃至23)
出発原料及び各中間体を表4に示す化合物に置き換えた以外は実施例12と同様の方法で実施例13乃至23の有機化合物を合成した。
出発原料及び各中間体を表4に示す化合物に置き換えた以外は実施例12と同様の方法で実施例13乃至23の有機化合物を合成した。
〔有機化合物の物性の測定方法〕
(モル吸光係数)
クロロホルム溶液50ml中に0.2mg程度の試料粉末を溶解させた希薄溶液を作製して透明石英セル(1cm角)に3ccほど入れた。この石英セルを日本分光株式会社製「JASCO V−560」紫外可視分光光度計にて吸光度測定を行った。吸光度が1を超える場合はリニアリティの観点から、希薄溶液をさらに希釈して再測定した。得られた吸光度(A)と、溶液中の対象材料の濃度(C)と、光路長(l)ランベルトベール則(A=εCl)に従いモル吸光係数(ε)を求めた。光路長(l)は1cmとした。尚、モル吸光係数としては第1吸収帯の吸収ピークの値を採用した。下記の評価基準により、実施例1乃至23及び比較例として比較対象D1,D2について、最大吸収波長におけるモル吸光係数を、比較対象D1のモル吸光係数を1とする相対値で評価した。本発明の合格基準は下記A又はBである。結果を表5に示す。
A:モル吸光係数の相対値が0.9以上
B:モル吸光係数の相対値が0.8以上0.9未満
C:モル吸光係数の相対値が0.8未満
(モル吸光係数)
クロロホルム溶液50ml中に0.2mg程度の試料粉末を溶解させた希薄溶液を作製して透明石英セル(1cm角)に3ccほど入れた。この石英セルを日本分光株式会社製「JASCO V−560」紫外可視分光光度計にて吸光度測定を行った。吸光度が1を超える場合はリニアリティの観点から、希薄溶液をさらに希釈して再測定した。得られた吸光度(A)と、溶液中の対象材料の濃度(C)と、光路長(l)ランベルトベール則(A=εCl)に従いモル吸光係数(ε)を求めた。光路長(l)は1cmとした。尚、モル吸光係数としては第1吸収帯の吸収ピークの値を採用した。下記の評価基準により、実施例1乃至23及び比較例として比較対象D1,D2について、最大吸収波長におけるモル吸光係数を、比較対象D1のモル吸光係数を1とする相対値で評価した。本発明の合格基準は下記A又はBである。結果を表5に示す。
A:モル吸光係数の相対値が0.9以上
B:モル吸光係数の相対値が0.8以上0.9未満
C:モル吸光係数の相対値が0.8未満
さらに、クロロホルム溶液において、赤色光領域に吸収を有するか評価した。本発明の合格基準は下記A又はBである。結果を表5に示す。
A:最大吸収波長に対する625nmの吸収の相対値が0.1以上
B:最大吸収波長に対する625nmの吸収の相対値が0.05以上0.1未満
C:最大吸収波長に対する625nmの吸収の相対値が0.05未満
A:最大吸収波長に対する625nmの吸収の相対値が0.1以上
B:最大吸収波長に対する625nmの吸収の相対値が0.05以上0.1未満
C:最大吸収波長に対する625nmの吸収の相対値が0.05未満
〔光電変換素子の作製〕
(実施例24)
基板の上に、正孔捕集電極、第2の有機化合物層(電子ブロッキング層)、第1の有機化合物層(光電変換層)、第3の有機化合物層(正孔ブロッキング層)及び電子捕集電極を、この順で形成された光電変換素子を、以下に説明する方法により作製した。
(実施例24)
基板の上に、正孔捕集電極、第2の有機化合物層(電子ブロッキング層)、第1の有機化合物層(光電変換層)、第3の有機化合物層(正孔ブロッキング層)及び電子捕集電極を、この順で形成された光電変換素子を、以下に説明する方法により作製した。
先ずSi基板の上に、IZOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりIZO電極(正孔捕集電極)を形成した。この時、IZO電極の膜厚を100nmとした。このIZO電極の上に、下記表6に示される有機化合物層及び電極層を連続成膜した。尚、この時、対向する電極(電子捕集電極)の電極面積が3mm2となるようにした。電子ブロッキング層Z1には、以下の化合物Y1乃至Y3のいずれかを用い、光電変換層の光電変換有機材料Z3には、フラーレンC60(C60)、フラーレンC70(C70)を用いた。以上により光電変換素子を得た。
構成材料Z1乃至Z3を下記表7に示される通りに変更したこと以外は、実施例24と同様の方法により実施例25乃至38、比較例3,4の光電変換素子を得た。得られた各光電変換素子に5V印加時の電流を確認した所、いずれの素子でも(明所での電流/暗所での電流)=100倍以上の比であるため光電変換素子が機能していることを確認した。
〔光電変換素子の評価方法〕
実施例24乃至38,比較例3,4の光電変換素子の外部量子効率を測定した。外部量子効率は、正孔捕集電極と電子捕集電極に5Vの電圧を印加した状態で、赤色光領域、青色光領域、緑色光領域のそれぞれにおける、強度50μW/cm2の単色光を光電変換素子へ照射した時に流れる光電流密度を測定する事で算出した。尚、赤色光領域は波長625nm、緑色光領域は波長550nm、青色波長領域は450nmの単色光を用いた。光電流密度は光照射時の電流密度から、遮光時での暗電流密度を差し引いて求めた。測定に用いた単色光は、キセノンランプ(ウシオ電機株式会社製「B−50101AA−A」)から出射される白色光を、モノクロメータ(リツー応用光学株式会社製「MC−10N」)で単色化した。光電変換素子への電圧印加と電流計測は、ソースメータ(株式会社アドバンテスト製「R6243」)を用いて行った。また、外部量子効率の測定において、光の入射は素子に対して垂直に、上部電極側から行った。結果を表7に示す。表7において、パンクロミック性能を比較するために、外部量子効率の判定は以下のように行った。本発明の合格基準は下記A又はBである。
A:青色光(赤色光)における外部量子収率/緑色光における外部量子収率が0.7以上
B:青色光(赤色光)における外部量子収率/緑色光における外部量子収率が0.5以上
C:青色光(赤色光)における外部量子収率/緑色光における外部量子収率が0.5未満
実施例24乃至38,比較例3,4の光電変換素子の外部量子効率を測定した。外部量子効率は、正孔捕集電極と電子捕集電極に5Vの電圧を印加した状態で、赤色光領域、青色光領域、緑色光領域のそれぞれにおける、強度50μW/cm2の単色光を光電変換素子へ照射した時に流れる光電流密度を測定する事で算出した。尚、赤色光領域は波長625nm、緑色光領域は波長550nm、青色波長領域は450nmの単色光を用いた。光電流密度は光照射時の電流密度から、遮光時での暗電流密度を差し引いて求めた。測定に用いた単色光は、キセノンランプ(ウシオ電機株式会社製「B−50101AA−A」)から出射される白色光を、モノクロメータ(リツー応用光学株式会社製「MC−10N」)で単色化した。光電変換素子への電圧印加と電流計測は、ソースメータ(株式会社アドバンテスト製「R6243」)を用いて行った。また、外部量子効率の測定において、光の入射は素子に対して垂直に、上部電極側から行った。結果を表7に示す。表7において、パンクロミック性能を比較するために、外部量子効率の判定は以下のように行った。本発明の合格基準は下記A又はBである。
A:青色光(赤色光)における外部量子収率/緑色光における外部量子収率が0.7以上
B:青色光(赤色光)における外部量子収率/緑色光における外部量子収率が0.5以上
C:青色光(赤色光)における外部量子収率/緑色光における外部量子収率が0.5未満
以上の結果より、本発明の有機化合物を用いた光電変換素子は、青色光領域(波長450nm付近)、緑色光領域(波長550nm付近)、赤色光領域(波長625nm付近)の全ての領域において良好な外部量子効率を示し、可視光全域において効率良く光電変換できる。一方、比較対象の有機化合物を用いた光電変換素子では、赤色光領域における変換効率が低い。
以上実施例を挙げて説明したように、本発明の有機化合物を含む光電変換層を用いることにより、可視光全域において効率よく光電変換することが可能な光電変換素子を提供することができる。
よって、該有機化合物を光電変換材料として用いた光電変換素子においては、可視光全領域に感度を示すパンクロミック性が実現し、高い光電変換効率が得られる。よって、該光電変換素子を用いて、高特性の光電変換装置、光エリアセンサ、撮像素子、撮像装置が提供される。
1,2,3:有機化合物層、4:正孔捕集電極、5:電子捕集電極、8:カラーフィルタ
Claims (23)
- 下記一般式[1]又は[2]で示される有機化合物。
- 前記Ar1、Ar2、R1乃至R12において、
前記炭化水素芳香環基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、炭化水素芳香環基、複素芳香環基のうちの少なくとも一つを置換基として有していても良い、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基のいずれかであり、
前記複素芳香環基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、炭化水素芳香環基、複素芳香環基のうちの少なくとも一つを置換基として有していても良い、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、トリアジン基、ピロール基、フラニル基、チエニル基、イミダゾール基、ピラゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、イミダゾリン基、チアジン基、キノリニル基、イソキノリニル基、アザフェナントレニル基、フェナントロリン基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基のいずれかである請求項1に記載の有機化合物。 - 前記アルキル基は、炭素原子数が1乃至4であり、
前記アルコキシ基は、炭素原子数が1乃至4であり、
前記ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれかであり、
前記炭化水素芳香環基又は複素芳香環基が置換基として有しても良い炭化水素芳香環基は、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基のいずれかであり、
前記炭化水素芳香環基又は複素芳香環基が置換基として有しても良い前記複素芳香環基は、チエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、ピリジル基のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の有機化合物。 - 前記アルキル基は、炭素原子数が1乃至4であり、
前記アルコキシ基は、炭素原子数が1乃至4であり、
前記ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれかであり、
前記炭化水素芳香環基は、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、炭化水素芳香環基、複素芳香環基のうちの少なくとも一つを置換基として有していても良い、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基のいずれかであり、
前記複素芳香環基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、炭化水素芳香環基、複素芳香環基のうちの少なくとも一つを置換基として有していても良い、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、トリアジン基、ピロール基、フラニル基、チエニル基、イミダゾール基、ピラゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、イミダゾリン基、チアジン基、キノリニル基、イソキノリニル基、アザフェナントレニル基、フェナントロリン基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基のいずれかである請求項4に記載の有機化合物。 - 前記nが0又は1で示されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記R1乃至R12が、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の化合物。
- 電子捕集電極と、正孔捕集電極と、前記電子捕集電極と前記正孔捕集電極との間に配置される少なくとも一層の有機化合物層を有する光電変換素子において、
前記有機化合物層が、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の有機化合物を少なくとも含むことを特徴とする光電変換素子。 - 前記有機化合物層が光電変換層であり、n型有機半導体を含むことを特徴とする請求項8に記載の光電変換素子。
- 前記n型有機半導体が、フラーレン又はフラーレン誘導体であることを特徴とする請求項8に記載の光電変換素子。
- 前記電子捕集電極と前記正孔捕集電極との間に、さらに電子ブロッキング層を備えることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 互いに異なる色の光を受光する光電変換素子を複数備えた光電変換装置であって、
前記光電変換素子が、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の光電変換素子であることを特徴とする光電変換装置。 - 複数の光電変換素子が面内方向に二次元に配置された光エリアセンサであって、
前記光電変換素子が、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の光電変換素子であることを特徴とする光エリアセンサ。 - 複数の光電変換装置が面内方向に二次元に配置された光エリアセンサであって、
前記光電変換装置が、請求項13に記載の光電変換装置であることを特徴とする光エリアセンサ。 - 受光画素としての複数の光電変換素子と、前記複数の光電変換素子のそれぞれに接続されたトランジスタと、を備えた撮像素子であって、
前記光電変換素子が、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の光電変換素子であることを特徴とする撮像素子。 - 前記受光画素に対応したカラーフィルタを有することを特徴とする請求項15に記載の撮像素子。
- 前記受光画素に対応した、赤外線以上の波長を透過するローパスフィルタ、紫外線以下の波長を透過するロングパスフィルタのいずれかであることを特徴とする請求項15に記載の撮像素子。
- 前記複数の受光画素のそれぞれに対応して配置された光学部材を有することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の撮像素子。
- 撮像光学系と、前記撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子と、を備えた撮像装置であって、
前記撮像素子は、請求項15乃至18のいずれか1項に記載の撮像素子であることを特徴とする撮像装置。 - 撮像光学系と接合可能な接合部と、撮像素子と、を備えた撮像装置であって、
前記撮像素子は、請求項15乃至18のいずれか1項に記載の撮像素子であることを特徴とする撮像装置。 - デジタルカメラまたはデジタルスチルカメラであることを特徴とする請求項19又は20に記載の撮像装置。
- 撮像範囲、撮像の開始、撮像の終了の少なくともいずれかを制御する信号を、外部から受信する受信部を有することを特徴とする請求項21に記載の撮像装置。
- 取得した画像を外部に送信する送信部を有することを特徴とする請求項22に記載の撮像装置。
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