JP2018019259A - キャリブレーションシステム、濃度値判定用装置および濃度値判定用プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】 画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整の精度を向上することができるキャリブレーションシステム、濃度値判定用装置および濃度値判定用プログラムを提供する。
【解決手段】 キャリブレーションシステムのコンピューターは、基準色、および、カメラによって検出されたパッチの色をガンマ補正テーブルの調整者による濃度の比較のために表示部に表示し、測色計によって測定されたパッチの測定濃度値、および、パッチに濃度が最も近いと比較において調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値の対応関係情報を生成し（Ｓ２６５）、ＭＦＰは、ガンマ補正テーブルによって入出力特性を補正して印刷を実行し、印刷したパッチに濃度が最も近いと比較において調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値に対応関係情報において対応付けられている測定濃度値に基づいてガンマ補正テーブルを調整することを特徴とする。
【選択図】 図９

Description

本発明は、画像形成装置のガンマ補正テーブルを調整するキャリブレーションシステム、濃度値判定用装置および濃度値判定用プログラムに関する。

画像形成装置は、温度や湿度などの環境が変化することによって、電子写真方式では記録媒体に付着するトナーの量が変化するので、実際の入出力特性が、設計された入出力特性（以下「設計入出力特性」と言う。）ではなくなることがある。また、画像形成装置は、比較的長時間、連続的に印刷を実行する場合に、装置各部の温度が変化することによって、実際の入出力特性が設計入出力特性ではなくなることもある。

また、画像形成装置は、単位期間当たりの使用頻度にも依存するが、比較的長い期間、使用された場合、例えば感光ドラムの帯電特性など、装置各部の特性が変化することによって、実際の入出力特性が設計入出力特性ではなくなることがある。

したがって、画像形成装置は、入出力特性を補正するガンマ補正テーブルを、実際の入出力特性が設計入出力特性になるように調整するキャリブレーションが実行される。

従来、キャリブレーションを実行するキャリブレーションシステムとして、ガンマ補正テーブルによって入出力特性を補正して印刷を実行する画像形成装置と、パッチの色を検出する色検出デバイス、および、表示デバイスを備える携帯機器とを備えるものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。

特許文献１に記載されたキャリブレーションシステムは、次のように、画像形成装置のガンマ補正テーブルを調整する。まず、画像形成装置は、特定の色で描かれたパッチを印刷する。次いで、携帯機器は、基準色と、色検出デバイスによって検出されたパッチの色とをガンマ補正テーブルの調整者による濃度の比較のために表示デバイスに表示する。そして、画像形成装置は、調整者による濃度の比較においてパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている濃度値に基づいてガンマ補正テーブルを調整する。

特開２０１４−０６８２９４号公報

しかしながら、特許文献１に記載されたキャリブレーションシステムにおいては、ガンマ補正テーブルの調整が調整者の目視による色の濃度の認識に頼っているので、測色計によって測定されたパッチの濃度値と、調整者による濃度の比較においてパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている濃度値との間にそもそも差が大きく存在する場合に、ガンマ補正テーブルが適切に調整されないという問題がある。

そこで、本発明は、画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整の精度を向上することができるキャリブレーションシステム、濃度値判定用装置および濃度値判定用プログラムを提供することを目的とする。

本発明のキャリブレーションシステムは、ガンマ補正テーブルによって入出力特性を補正して印刷を実行する印刷実行手段と、前記ガンマ補正テーブルを調整するテーブル調整手段とを備える画像形成装置と、表示デバイスと、対象の色を検出する色検出デバイスと、基準色、および、前記色検出デバイスによって検出された前記対象の色を前記ガンマ補正テーブルの調整者による濃度の比較のために前記表示デバイスに表示する比較用色表示手段と、測色計によって測定された前記対象の濃度値である測定濃度値、および、前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている濃度値である設定濃度値の対応関係を生成する対応関係生成手段とを備え、前記テーブル調整手段は、前記印刷実行手段によって印刷された前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている前記設定濃度値に前記対応関係において対応付けられている前記測定濃度値に基づいて前記ガンマ補正テーブルを調整することを特徴とする。

この構成により、本発明のキャリブレーションシステムは、測色計によって測定された対象の測定濃度値と、調整者による目視での濃度の比較において対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との対応関係を生成し、調整者による目視での濃度の比較において、画像形成装置によって印刷された対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値に対応関係において対応付けられている測定濃度値に基づいてガンマ補正テーブルを調整するので、画像形成装置のガンマ補正テーブルが調整者によって調整される場合に、測色計によって測定された対象の測定濃度値と、調整者による濃度の比較において対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との間の差の影響を抑えることができる。したがって、本発明のキャリブレーションシステムは、画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整の精度を向上することができる。

本発明のキャリブレーションシステムは、操作デバイスと、前記表示デバイスに表示された前記基準色の濃度値として表示される表示用濃度値を前記表示デバイスに表示する濃度値表示手段とを備え、前記画像形成装置は、前記印刷実行手段によって印刷された前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色の前記表示用濃度値を前記操作デバイスから受け付ける濃度値受付手段を備え、前記濃度値表示手段は、前記表示デバイスに表示される前記基準色に設定されている前記設定濃度値に前記対応関係において対応付けられている前記測定濃度値を前記表示用濃度値として前記表示デバイスに表示しても良い。

この構成により、本発明のキャリブレーションシステムは、ガンマ補正テーブルの調整に利用する濃度値を調整する機能を画像形成装置に備える必要がないので、画像形成装置の構成を簡略化することができる。

本発明のキャリブレーションシステムにおいて、前記対応関係生成手段は、同一の濃度の前記対象に対する複数回の前記比較のそれぞれにおいて前記対象に濃度が最も近いと前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている前記設定濃度値に基づいて前記対応関係を生成しても良い。

この構成により、本発明のキャリブレーションシステムは、対応関係の生成の精度を向上することができるので、画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整の精度を向上することができる。

本発明のキャリブレーションシステムにおいて、前記印刷実行手段は、前記対応関係生成手段による前記対応関係の生成に使用される前記対象を印刷しても良い。

この構成により、本発明のキャリブレーションシステムは、対応関係の生成に使用される対象を表示する対象表示デバイスを備える必要がないので、画像形成装置のガンマ補正テーブルを調整するための構成を簡略化することができる。

本発明のキャリブレーションシステムは、前記対応関係生成手段による前記対応関係の生成に使用される前記対象を表示する対象表示デバイスを備えても良い。

この構成により、本発明のキャリブレーションシステムは、対応関係の生成に使用される対象を画像形成装置によって印刷する必要がないので、画像形成装置において印刷に使用される消耗品の消費を抑えることができる。

本発明の濃度値判定用装置は、表示デバイスと、対象の色を検出する色検出デバイスと、基準色、および、前記色検出デバイスによって検出された前記対象の色を画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整者による濃度の比較のために前記表示デバイスに表示する比較用色表示手段と、測色計によって測定された前記対象の濃度値である測定濃度値、および、前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている濃度値である設定濃度値の対応関係を生成する対応関係生成手段と、前記表示デバイスに表示された前記基準色の濃度値として表示される表示用濃度値を前記表示デバイスに表示する濃度値表示手段とを備え、前記濃度値表示手段は、前記表示デバイスに表示される前記基準色に設定されている前記設定濃度値に前記対応関係において対応付けられている前記測定濃度値を前記表示用濃度値として前記表示デバイスに表示することを特徴とする。

この構成により、本発明の濃度値判定用装置は、測色計によって測定された対象の測定濃度値と、調整者による目視での濃度の比較において対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との対応関係を生成し、調整者による目視での濃度の比較において、画像形成装置によって印刷された対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値に対応関係において対応付けられている測定濃度値に基づいてガンマ補正テーブルを調整するので、画像形成装置のガンマ補正テーブルが調整者によって調整される場合に、測色計によって測定された対象の測定濃度値と、調整者による濃度の比較において対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との間の差の影響を抑えることができる。したがって、本発明の濃度値判定用装置は、画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整の精度を向上することができる。

本発明の濃度値判定用プログラムは、表示デバイスと、対象の色を検出する色検出デバイスとを備えるコンピューターに、基準色、および、前記色検出デバイスによって検出された前記対象の色を画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整者による濃度の比較のために前記表示デバイスに表示する比較用色表示手段と、測色計によって測定された前記対象の濃度値である測定濃度値、および、前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている濃度値である設定濃度値の対応関係を生成する対応関係生成手段と、前記表示デバイスに表示された前記基準色の濃度値として表示される表示用濃度値を前記表示デバイスに表示する濃度値表示手段とを実現させ、前記濃度値表示手段は、前記表示デバイスに表示される前記基準色に設定されている前記設定濃度値に前記対応関係において対応付けられている前記測定濃度値を前記表示用濃度値として前記表示デバイスに表示することを特徴とする。

この構成により、本発明の濃度値判定用プログラムを実行するコンピューターは、測色計によって測定された対象の測定濃度値と、調整者による目視での濃度の比較において対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との対応関係を生成し、調整者による目視での濃度の比較において、画像形成装置によって印刷された対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値に対応関係において対応付けられている測定濃度値に基づいてガンマ補正テーブルを調整するので、画像形成装置のガンマ補正テーブルが調整者によって調整される場合に、測色計によって測定された対象の測定濃度値と、調整者による濃度の比較において対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との間の差の影響を抑えることができる。したがって、本発明の濃度値判定用プログラムを実行するコンピューターは、画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整の精度を向上することができる。

本発明のキャリブレーションシステム、濃度値判定用装置および濃度値判定用プログラムは、画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整の精度を向上することができる。

本発明の一実施の形態に係るキャリブレーションシステムのブロック図である。 図１に示すＭＦＰのブロック図である。 図２に示すガンマ補正テーブルの原理を示す図である。 スクリーンを用いて調整用チャート画像データに基づいて図２に示すプリンターによって印刷した調整用チャートの一例を示す図である。 図１に示すコンピューターのブロック図である。 図５に示す対応関係情報の一例を示す図である。 印刷データに基づいて印刷を実行する場合の図２に示すＭＦＰの動作のフローチャートである。 調整用チャートを印刷する場合の図２に示すＭＦＰの動作のフローチャートである。 対応関係情報を生成する場合の図５に示すコンピューターの動作のフローチャートである。 図５に示す表示部に表示される設定濃度値情報取得用画面の一例を示す図である。 設定濃度値表示領域に設定濃度値を表示する場合の図５に示すコンピューターの動作のフローチャートである。 基準色表示領域に表示される基準色が変更された場合の図１０に示す設定濃度値情報取得用画面の一例を示す図である。 図１に示す測色計によって測定されたパッチの測定濃度値と、調整者による目視での濃度の比較においてパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との誤差の一例を示す図である。 キャリブレーションが実行される場合の図２に示すＭＦＰの動作のフローチャートである。 図５に示す表示部に表示される濃度判定用画面の一例を示す図である。 濃度値表示領域に表示用濃度値を表示する場合の図５に示すコンピューターの動作のフローチャートである。 図２に示す操作部および表示部の正面図である。 対象表示デバイスが追加された場合の図１に示すキャリブレーションシステムのブロック図である。

以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。

まず、本実施の形態に係るキャリブレーションシステムの構成について説明する。

図１は、本実施の形態に係るキャリブレーションシステム１０のブロック図である。

図１に示すように、キャリブレーションシステム１０は、画像形成装置としてのＭＦＰ（Ｍｕｌｔｉｆｕｎｃｔｉｏｎ Ｐｅｒｉｐｈｅｒａｌ）２０と、対象の色の濃度値を判定するための濃度値判定用装置としてのスマートフォン、タブレットなどのコンピューター３０と、対象の色の濃度値を測定する測色計４０とを備えている。

キャリブレーションシステム１０は、互いに濃度値が異なる無彩色に対するＭＦＰの入出力特性のキャリブレーションや、同一の色相であって互いに濃度が異なる有彩色に対するＭＦＰの入出力特性のキャリブレーションを実行することができる。

コンピューター３０は、後述するガンマ補正テーブルの調整者によって使用されるデバイスである。調整者は、例えば、ＭＦＰの利用者やサービスマンである。

測色計４０は、例えば、分光反射濃度計である。

キャリブレーションシステム１０は、ＭＦＰ２０以外にも、ＭＦＰ２０と同様のＭＦＰを少なくとも１つ備えることが可能である。キャリブレーションシステム１０は、コンピューター３０以外にも、コンピューター３０と同様のコンピューターを少なくとも１つ備えることが可能である。

図２は、ＭＦＰ２０のブロック図である。

図２に示すように、ＭＦＰ２０は、種々の操作が入力されるボタンなどの操作デバイスである操作部２１と、種々の情報を表示するＬＣＤ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）などの表示デバイスである表示部２２と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー２３と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター２４と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部２５と、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、インターネットなどのネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、または、ネットワーク経由で、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部２６と、各種のデータを記憶している半導体メモリー、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部２７と、ＭＦＰ２０全体を制御する制御部２８とを備えている。

プリンター２４は、モノクロプリンターであっても良いし、カラープリンターであっても良い。

記憶部２７は、中間調を再現するためのスクリーン２７ａを記憶している。記憶部２７は、スクリーン２７ａ以外にも、スクリーンを記憶することが可能である。

記憶部２７は、ＭＦＰ２０の入出力特性を補正するためのガンマ補正テーブル（ＬＵＴ：Ｌｏｏｋ Ｕｐ Ｔａｂｌｅ）２７ｂを記憶している。ガンマ補正テーブル２７ｂは、スクリーン２７ａに対応するガンマ補正テーブルである。記憶部２７は、ガンマ補正テーブル２７ｂ以外にも、記憶部２７に記憶されているスクリーン毎に、スクリーンに対応するガンマ補正テーブルを記憶している。

図３は、ガンマ補正テーブル２７ｂの原理を示す図である。

図３において、ガンマ補正テーブル２７ｂ（図２参照。）に示されている各点を通る曲線がガンマ補正曲線５１である。プリンター２４（図２参照。）の実際の入出力特性５２が、設計された入出力特性、すなわち、設計入出力特性５３からずれていても、プリンター２４の実際の入出力特性５２にガンマ補正テーブル２７ｂ、すなわち、ガンマ補正曲線５１を適用することによって、設計入出力特性５３を実現することができる。

図２に示すように、記憶部２７は、ガンマ補正テーブル２７ｂの初期値である初期値ガンマ補正テーブル２７ｃを記憶している。記憶部２７は、初期値ガンマ補正テーブル２７ｃ以外にも、記憶部２７に記憶されているガンマ補正テーブル毎に、ガンマ補正テーブルに対応する初期値ガンマ補正テーブルを記憶している。

記憶部２７は、プリンター２４の入出力特性を補正するためのキャリブレーションプログラム２７ｄを記憶している。キャリブレーションプログラム２７ｄは、ＭＦＰ２０の製造段階でＭＦＰ２０にインストールされていても良いし、ＳＤカード、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリーなどの記憶媒体からＭＦＰ２０に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からＭＦＰ２０に追加でインストールされても良い。

記憶部２７は、ガンマ補正テーブルを調整するための調整用チャート用の画像データとしての調整用チャート画像データ２７ｅを記憶している。

図４は、スクリーン２７ａを用いて調整用チャート画像データ２７ｅに基づいてプリンター２４によって印刷した調整用チャート６０の一例を示す図である。

図４に示す調整用チャート６０は、複数のパッチ６１が記録媒体６９に印刷されたものである。調整用チャート６０においては、プリンター２４による記録媒体６９の搬送方向である矢印６０ａで示す方向に、濃度が異なる複数の色のパッチ６１が並んでいる。また、調整用チャート６０においては、矢印６０ａで示す方向と直交する矢印６０ｂで示す方向に、３つのパッチが並んでいる。図中最も上のパッチ６１の行をａ行と称し、ａ行から図中下側に向けて順にｂ行〜ｉ行までが存在する。ａ行からｉ行まで徐々にパッチ６１の濃度が濃くなっている。また、図中最も左のパッチ６１の列を第０列と称し、第０列から図中右側に向けて順に第１列、第２列が存在する。これらの行および列によってパッチ６１のそれぞれは、識別される。例えば、図中最も左で最も上に存在するパッチ６１、すなわち、ａ行の第０列に存在するパッチ６１は、パッチ［ａ０］である。また、図中最も右で最も下に存在するパッチ６１、すなわち、ｉ行の第２列に存在するパッチ６１は、パッチ［ｉ２］である。図４において、パッチ６１のそれぞれに対して図中左側に存在する［ａ０］などの文字は、パッチ６１のそれぞれの識別情報である。

なお、同一の行のパッチ６１は、全て同一の入力値（濃度値）に基づいて描かれている。例えば、プリンター２４の感光ドラムが矢印６０ｂに示す方向に延在している場合、矢印６０ｂに示す方向における印刷位置によって印刷濃度に斑が生じる場合があるので、矢印６０ｂに示す方向において異なる３つの印刷位置にパッチ６１が描かれる。

図２に示す制御部２８は、例えば、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）と、制御部２８のＣＰＵの作業領域として用いられるＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）とを備えている。制御部２８のＣＰＵは、制御部２８のＲＯＭまたは記憶部２７に記憶されているプログラムを実行する。

制御部２８は、記憶部２７に記憶されているキャリブレーションプログラム２７ｄを実行することによって、ガンマ補正テーブルによって入出力特性を補正して印刷を実行する印刷実行手段２８ａと、ガンマ補正テーブルの調整者による目視での濃度の比較においてパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色の濃度値を操作部２１から受け付ける濃度値受付手段２８ｂと、ガンマ補正テーブルを調整するテーブル調整手段２８ｃとを実現する。

図５は、コンピューター３０のブロック図である。

図５に示すように、コンピューター３０は、種々の操作が入力されるボタンなどの操作デバイスである操作部３１と、種々の情報を表示するＬＣＤなどの表示デバイスである表示部３２と、対象の色を検出する色検出デバイスであるカメラ３３と、ＬＡＮ、インターネットなどのネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、または、ネットワーク経由で、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部３４と、各種のデータを記憶している半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部３５と、コンピューター３０全体を制御する制御部３６とを備えている。

操作部３１の少なくとも一部は、表示部３２とともにタッチパネルを構成している。

記憶部３５は、対象の色の濃度値を判定するための濃度値判定用プログラム３５ａを記憶している。濃度値判定用プログラム３５ａは、コンピューター３０の製造段階でコンピューター３０にインストールされていても良いし、ＳＤカード、ＵＳＢメモリーなどの記憶媒体からコンピューター３０に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からコンピューター３０に追加でインストールされても良い。

記憶部３５は、対象の色の濃度値の判定の基準となる基準色のＲＧＢ値と、基準色に設定されている設定濃度値とを基準色毎に対応付けた基準色情報３５ｂを記憶している。なお、基準色情報３５ｂは、例えば、測色計４０（図１参照。）を用いた計測によって事前に求められた情報である。

記憶部３５は、測色計４０によって測定された対象の濃度値である測定濃度値と、調整者による目視での濃度の比較において対象に濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている濃度値である設定濃度値との対応関係を示す対応関係情報３５ｃを記憶可能である。

図６は、対応関係情報３５ｃの一例を示す図である。

図６に示すように、対応関係情報３５ｃは、測定濃度値と、設定濃度値との対応関係を示している。パッチから測色計４０によって測定濃度値が測定されるとともに、このパッチからカメラ３３によって色が検出されて表示部３２に表示された場合、測色計４０によって測定された測定濃度値と、表示部３２を介して調整者によって目測された設定濃度値とは、線７１に示すように互いに等しいことが理想である。しかしながら、実際には、対応関係情報３５ｃは、線７１とは異なる。例えば、特定のパッチから測色計４０によって測定濃度値が測定されるとともに、このパッチからカメラ３３によって色が検出されて表示部３２に表示された場合、図６に示す例では、調整者によって目測された設定濃度値が２５であるとき、測色計４０によって測定された測定濃度値は、３０である。

図５に示すように、記憶部３５は、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対する測定濃度値を示す測定濃度値情報３５ｄを記憶可能である。

制御部３６は、例えば、ＣＰＵと、各種のデータを記憶しているＲＯＭと、制御部３６のＣＰＵの作業領域として用いられるＲＡＭとを備えている。制御部３６のＣＰＵは、制御部３６のＲＯＭまたは記憶部３５に記憶されているプログラムを実行する。

制御部３６は、記憶部３５に記憶されている濃度値判定用プログラム３５ａを実行することによって、基準色、および、カメラ３３によって検出された対象の色を調整者による濃度の比較のために表示部３２に表示する比較用色表示手段３６ａと、表示部３２に表示された基準色の濃度値として表示される表示用濃度値を表示部３２に表示する濃度値表示手段３６ｂと、対応関係情報３５ｃによって示される対応関係を生成する対応関係生成手段３６ｃとを実現する。

次に、印刷データに基づいて印刷を実行する場合のＭＦＰ２０の動作について説明する。

図７は、印刷データに基づいて印刷を実行する場合のＭＦＰ２０の動作のフローチャートである。

印刷実行手段２８ａは、印刷データが入力されると、図７に示す動作を実行する。

図７に示すように、印刷実行手段２８ａは、印刷データに基づいた画像データのカラーモードをプリンター２４による印刷用のカラーモードに色変換する（Ｓ２０１）。ここで、印刷データに基づいた画像データのカラーモードは、例えば、ＲＧＢやＣＭＹＫである。また、プリンター２４による印刷用のカラーモードは、例えば、プリンター２４がカラープリンターである場合にＣＭＹＫであり、プリンター２４がモノクロプリンターである場合にＫである。

印刷実行手段２８ａは、Ｓ２０１の処理の後、Ｓ２０１において色変換された画像データを、印刷データに応じたスクリーンに対応するガンマ補正テーブルでガンマ補正する（Ｓ２０２）。

次いで、印刷実行手段２８ａは、Ｓ２０２においてガンマ補正された画像データを、印刷データに応じたスクリーンでスクリーン処理する（Ｓ２０３）。

最後に、印刷実行手段２８ａは、Ｓ２０３においてスクリーン処理された画像データに基づいてプリンター２４で印刷を実行して（Ｓ２０４）、図７に示す動作を終了する。

以上においては、印刷データに基づいて印刷を実行する場合のＭＦＰ２０の動作について説明しているが、ＭＦＰ２０以外のＭＦＰの動作についても同様である。

次に、対応関係情報３５ｃの生成方法について説明する。

まず、調整用チャート６０を印刷する場合のＭＦＰ２０の動作について説明する。

図８は、調整用チャート６０を印刷する場合のＭＦＰ２０の動作のフローチャートである。

特定のスクリーンで調整用チャート６０を印刷する指示（以下「チャート印刷指示」と言う。）が操作部２１に入力されると、印刷実行手段２８ａは、図８に示す動作を実行する。

図８に示すように、印刷実行手段２８ａは、調整用チャート画像データ２７ｅのカラーモードをプリンター２４による印刷用のカラーモードに色変換する（Ｓ２３１）。ここで、調整用チャート画像データ２７ｅのカラーモードは、例えば、ＲＧＢやＣＭＹＫである。

印刷実行手段２８ａは、Ｓ２３１の処理の後、Ｓ２３１において色変換された調整用チャート画像データ２７ｅを、チャート印刷指示において指定されているスクリーンに対応するガンマ補正テーブルでガンマ補正する（Ｓ２３２）。

次いで、印刷実行手段２８ａは、Ｓ２０２においてガンマ補正された調整用チャート画像データ２７ｅを、チャート印刷指示において指定されているスクリーンでスクリーン処理する（Ｓ２３３）。

最後に、印刷実行手段２８ａは、Ｓ２３３においてスクリーン処理された調整用チャート画像データ２７ｅに基づいてプリンター２４で印刷を実行して（Ｓ２３４）、図８に示す動作を終了する。

次に、対応関係情報３５ｃを生成する場合のコンピューター３０の動作について説明する。

図９は、対応関係情報３５ｃを生成する場合のコンピューター３０の動作のフローチャートである。

対応関係情報３５ｃを生成する指示が操作部３１に入力されると、制御部３６は、図９に示す動作を実行する。

図９に示すように、比較用色表示手段３６ａは、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対する設定濃度値を示す設定濃度値情報を取得するための設定濃度値情報取得用画面８０（図１０参照。）を表示部３２に表示する（Ｓ２６１）。

図１０は、設定濃度値情報取得用画面８０の一例を示す図である。

図１０に示すように、設定濃度値情報取得用画面８０は、設定濃度値を取得する対象のパッチの識別情報を表示する識別情報表示領域８１と、設定濃度値を表示する設定濃度値表示領域８２と、基準色を表示するための基準色表示領域８３と、カメラ３３によって検出された対象の色が表示される検出色表示領域８４と、識別情報表示領域８１に表示される識別情報を変更するための識別情報変更ボタン８５ａおよび８５ｂと、設定濃度値表示領域８２に表示される設定濃度値を変更するための設定濃度値変更ボタン８６ａおよび８６ｂと、検出色表示領域８４に表示される色を取得するスキャンボタン８７と、対象のパッチに対して判定した設定濃度値を決定するための濃度値決定ボタン８８と、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対する設定濃度値の決定を終了するための濃度値決定終了ボタン８９とを含んでいる。

識別情報表示領域８１に表示される識別情報は、識別情報変更ボタン８５ａおよび８５ｂによって変更される。すなわち、識別情報表示領域８１に表示される識別情報は、識別情報変更ボタン８５ａが押される度に、［ｉ２］→［ｉ１］→［ｉ０］→［ｈ２］→［ｈ１］→［ｈ０］→・・・→［ｂ２］→［ｂ１］→［ｂ０］→［ａ２］→［ａ１］→［ａ０］の方向に変更される。一方、識別情報表示領域８１に表示される識別情報は、識別情報変更ボタン８５ｂが押される度に、［ａ０］→［ａ１］→［ａ２］→［ｂ０］→［ｂ１］→［ｂ２］→・・・→［ｈ０］→［ｈ１］→［ｈ２］→［ｉ０］→［ｉ１］→［ｉ２］の方向に変更される。

図１１は、設定濃度値表示領域８２に設定濃度値を表示する場合のコンピューター３０の動作のフローチャートである。

図１１に示すように、濃度値表示手段３６ｂは、基準色に基準色情報３５ｂにおいて対応付けられている設定濃度値を取得した後（Ｓ３０１）、この設定濃度値を設定濃度値表示領域８２に表示して（Ｓ３０２）、図１１に示す動作を終了する。

図１０に示す設定濃度値表示領域８２に表示される設定濃度値は、設定濃度値変更ボタン８６ａおよび８６ｂによって変更される。すなわち、濃度値表示手段３６ｂは、設定濃度値変更ボタン８６ａが押される度に、設定濃度値表示領域８２に表示される設定濃度値を、基準色情報３５ｂに含まれる複数の設定濃度値の中で降順に変更する。一方、濃度値表示手段３６ｂは、設定濃度値変更ボタン８６ｂが押される度に、設定濃度値表示領域８２に表示される設定濃度値を、基準色情報３５ｂに含まれる複数の設定濃度値の中で昇順に変更する。なお、比較用色表示手段３６ａは、設定濃度値表示領域８２に表示される設定濃度値に基準色情報３５ｂにおいて対応付けられている基準色を基準色表示領域８３に表示する。

調整者は、基準色表示領域８３に表示される基準色を設定濃度値変更ボタン８６ａおよび８６ｂの操作によって変更することによって、図１２に示すように、基準色表示領域８３に表示される基準色を、検出色表示領域８４に表示される色に最も近付ける。

なお、比較用色表示手段３６ａは、基準色表示領域８３に表示される基準色を、検出色表示領域８４に表示される色に比較用色表示手段３６ａ自身の判断によって近付けることによって、調整者による設定濃度値変更ボタン８６ａおよび８６ｂの操作回数を抑えることができる。例えば、比較用色表示手段３６ａは、スキャンボタン８７が押された場合に、スキャンボタン８７が押された時点でカメラ３３によって検出された色に最も近い基準色を基準色表示領域８３に表示する。また、比較用色表示手段３６ａは、例えば２〜３秒などの特定の一定期間内にカメラ３３によって検出された色のＲＧＢ値の変化量が特定の変化量以内である場合、この期間内にカメラ３３によって検出された色のＲＧＢ値の平均値に最も近い基準色を基準色表示領域８３に表示しても良い。なお、濃度値表示手段３６ｂは、基準色表示領域８３に表示される基準色に基準色情報３５ｂにおいて対応付けられている設定濃度値を設定濃度値表示領域８２に表示する。

調整者は、識別情報変更ボタン８５ａおよび８５ｂの操作によって対象のパッチの識別情報を切り替えて、設定濃度値変更ボタン８６ａおよび８６ｂの操作によって対象のパッチに対する設定濃度値を判定することができる。そして、調整者は、濃度値決定ボタン８８を押すことによって、対象のパッチに対する設定濃度値を決定することができる。

なお、図１０に示す設定濃度値情報取得用画面８０において、基準色表示領域８３は、検出色表示領域８４を囲む配置である。しかしながら、基準色表示領域８３に示される色と、検出色表示領域８４に示される色とが調整者によって目視で容易に比較されることが可能な配置であれば、基準色表示領域８３と、検出色表示領域８４との配置は任意のものが採用されることができる。

図９に示すように、比較用色表示手段３６ａは、Ｓ２６１の処理の後、濃度値決定終了ボタン８９が押されたと判断するまで、濃度値決定終了ボタン８９が押されたか否かを判断する（Ｓ２６２）。

比較用色表示手段３６ａは、濃度値決定終了ボタン８９が押されたとＳ２６２において判断すると、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対して決定した設定濃度値を示す設定濃度値情報を生成する（Ｓ２６３）。

次いで、対応関係生成手段３６ｃは、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対する測定濃度値を示す測定濃度値情報３５ｄを記憶部３５から取得する（Ｓ２６４）。なお、測定濃度値情報３５ｄの生成においては、Ｓ２６１〜Ｓ２６３の処理において使用された調整用チャート６０が使用される。

次いで、対応関係生成手段３６ｃは、Ｓ２６４において取得した測定濃度値情報３５ｄと、Ｓ２６３において生成した設定濃度値情報とに基づいて、対応関係情報３５ｃを生成する（Ｓ２６５）。すなわち、対応関係生成手段３６ｃは、同一のパッチに対する測定濃度値および設定濃度値の対応関係を求め、複数のパッチのそれぞれに対する測定濃度値および設定濃度値の対応関係から近似曲線としての対応関係情報３５ｃを求める。

次いで、対応関係生成手段３６ｃは、Ｓ２６５において生成した対応関係情報３５ｃを記憶部３５に記憶した後（Ｓ２６６）、図９に示す動作を終了する。

図１３は、測色計４０によって測定されたパッチの測定濃度値と、調整者による目視での濃度の比較においてパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との誤差の一例を示す図である。

図１３に示すグラフ１１１〜１１３は、調整用チャート画像データ２７ｅにおけるパッチのＲＧＢ値に基づいた濃度値、すなわち、入力値に対する誤差を示している。ここで、誤差とは、調整者による目視での濃度の比較においてパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値から、測色計４０によって測定されたパッチの測定濃度値を減じたものである。グラフ１１１〜１１３は、同一の調整者に対するグラフであるが、それぞれ異なる調整用チャート６０に対するグラフである。このように、測定濃度値と、設定濃度値との誤差の母集団数を増やすことによって、誤差の傾向の明確性を向上することができる。したがって、測定濃度値と、設定濃度値との対応関係の個数を増やして多項近似式などで対応関係情報３５ｃを求めることによって、対応関係情報３５ｃの生成の精度を向上することができる。

次に、調整者によるＭＦＰ２０のキャリブレーションについて説明する。

図１４は、キャリブレーションが実行される場合のＭＦＰ２０の動作のフローチャートである。

ＭＦＰ２０は、キャリブレーションの実行の指示が操作部２１を介して入力されると、図１４に示す動作を実行する。

図１４に示すように、印刷実行手段２８ａは、ガンマ補正テーブルの調整モードの指示を促す画面を表示部２２に表示する（Ｓ３３１）。ここで、調整モードは、記憶部２７に記憶されているスクリーンのうち、何れのスクリーンに対応するガンマ補正テーブルを調整するかということと、そのガンマ補正テーブルに対する再調整か否かということとによって区別されている。

印刷実行手段２８ａは、ガンマ補正テーブルの調整モードの指示が操作部２１を介して入力されたと判断するまで、調整モードの指示が操作部２１を介して入力されたか否かを判断する（Ｓ３３２）。

印刷実行手段２８ａは、ガンマ補正テーブルの調整モードの指示が操作部２１を介して入力されたとＳ３３２において判断すると、ガンマ補正テーブルに対する再調整か否かを、Ｓ３３２において入力されたと判断した調整モードに基づいて判断する（Ｓ３３３）。

印刷実行手段２８ａは、再調整ではないとＳ３３３において判断すると、Ｓ３３２において入力されたと判断した調整モードによって特定されるガンマ補正テーブルの初期値ガンマ補正テーブルを対象にする（Ｓ３３４）。

印刷実行手段２８ａは、再調整であるとＳ３３３において判断すると、Ｓ３３２において入力されたと判断した調整モードによって特定されるガンマ補正テーブルを対象にする（Ｓ３３５）。

印刷実行手段２８ａは、Ｓ３３４またはＳ３３５の処理の後、Ｓ３３４において対象にした初期値ガンマ補正テーブル、または、Ｓ３３５において対象にしたガンマ補正テーブルを使用して、図８に示す動作と同様の動作によって調整用チャートを印刷する（Ｓ３３６）。

ここで、調整者は、印刷された調整用チャートにおけるパッチに対する濃度値の取得を操作部３１から指示することができる。比較用色表示手段３６ａは、調整用チャートにおけるパッチに対する濃度値の取得が操作部３１から指示されると、基準色と、カメラ３３によって検出された対象の色とを調整者による濃度の比較のために示す濃度判定用画面９０（図１５参照。）を表示部３２に表示する。

図１５は、濃度判定用画面９０の一例を示す図である。

図１５に示すように、濃度判定用画面９０は、基準色の濃度値として表示される表示用濃度値を表示する濃度値表示領域９１と、基準色を表示するための基準色表示領域９２と、カメラ３３によって検出された対象の色が表示される検出色表示領域９３と、濃度値表示領域９１に表示される表示用濃度値を変更するための濃度値変更ボタン９４ａおよび９４ｂと、検出色表示領域９３に表示される色を取得するスキャンボタン９５とを含んでいる。

比較用色表示手段３６ａおよび濃度値表示手段３６ｂは、設定濃度値情報取得用画面８０（図１０参照。）に対する動作と同様の動作を、濃度判定用画面９０に対して実行する。ただし、調整者によるＭＦＰ２０のキャリブレーションにおいては、濃度値表示手段３６ｂは、基準色に基準色情報３５ｂにおいて対応付けられている設定濃度値を表示用濃度値として濃度値表示領域９１に表示するのではない。

図１６は、濃度値表示領域９１に表示用濃度値を表示する場合のコンピューター３０の動作のフローチャートである。

図１６に示すように、濃度値表示手段３６ｂは、基準色に基準色情報３５ｂにおいて対応付けられている設定濃度値を取得した後（Ｓ３６１）、この設定濃度値に対応関係情報３５ｃにおいて対応付けられている測定濃度値を取得する（Ｓ３６２）。

次いで、濃度値表示手段３６ｂは、Ｓ３６２において取得した測定濃度値を表示用濃度値として濃度値表示領域９１に表示して（Ｓ３６３）、図１６に示す動作を終了する。

したがって、調整者は、カメラ３３によって検出されたパッチに対する濃度値を濃度判定用画面９０によって判定することができる。

図１４に示すように、濃度値受付手段２８ｂは、Ｓ３３６の処理の後、調整用チャートにおける複数のパッチのそれぞれに対する濃度値を受け付ける（Ｓ３３７）。

図１７は、操作部２１および表示部２２の正面図である。

図１７に示すように、表示部２２に表示される画面は、濃度値を取得する対象のパッチの識別情報を表示する識別情報表示領域２２ａと、濃度値を表示する濃度値表示領域２２ｂとを含んでいる。

操作部２１は、識別情報表示領域２２ａに表示される識別情報を変更するための識別情報変更ボタン２１ａおよび２１ｂと、濃度値表示領域２２ｂに表示される濃度値を変更するための濃度値変更ボタン２１ｃおよび２１ｄと、図１４に示す動作を終了させるキャンセルボタン２１ｅと、濃度の受け付けを終了させるための決定ボタン２１ｆとを含んでいる。

識別情報表示領域２２ａに表示される識別情報は、識別情報変更ボタン２１ａおよび２１ｂによって変更される。すなわち、識別情報表示領域２２ａに表示される識別情報は、識別情報変更ボタン２１ａが押される度に、［ｉ２］→［ｉ１］→［ｉ０］→［ｈ２］→［ｈ１］→［ｈ０］→・・・→［ｂ２］→［ｂ１］→［ｂ０］→［ａ２］→［ａ１］→［ａ０］の方向に変更される。一方、識別情報表示領域２２ａに表示される識別情報は、識別情報変更ボタン２１ｂが押される度に、［ａ０］→［ａ１］→［ａ２］→［ｂ０］→［ｂ１］→［ｂ２］→・・・→［ｈ０］→［ｈ１］→［ｈ２］→［ｉ０］→［ｉ１］→［ｉ２］の方向に変更される。

濃度値表示領域２２ｂに表示される濃度値は、濃度値変更ボタン２１ｃおよび２１ｄによって変更される。すなわち、濃度値表示領域２２ｂに表示される濃度値は、濃度値変更ボタン２１ｃが押される度に、降順に変更される。一方、濃度値表示領域２２ｂに表示される濃度値は、濃度値変更ボタン２１ｄが押される度に、昇順に変更される。

調整者は、濃度値の設定の対象のパッチの識別情報を、カメラ３３によって検出されるパッチの識別情報に、識別情報変更ボタン２１ａおよび２１ｂの操作によって切り替えた後、対象のパッチに対する濃度値を、カメラ３３によって検出されたパッチに対して濃度判定用画面９０によって判定された濃度値に、濃度値変更ボタン２１ｃおよび２１ｄの操作によって設定することができる。そして、調整者は、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対する濃度値を設定した後、決定ボタン２１ｆを押すことによって、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対する濃度値を決定することができる。

図１４に示すように、テーブル調整手段２８ｃは、Ｓ３３７の処理の後、決定ボタン２１ｆが押されたと判断するまで、決定ボタン２１ｆが押されたか否かを判断する（Ｓ３３８）。

テーブル調整手段２８ｃは、決定ボタン２１ｆが押されたとＳ３３８において判断すると、決定ボタン２１ｆによって決定された、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対する濃度値に基づいて、Ｓ３３２において入力されたと判断した調整モードによって特定されるガンマ補正テーブルを調整する（Ｓ３３９）。すなわち、決定ボタン２１ｆによって決定された、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対する濃度値から求められる近似曲線が例えば図３における入出力特性５２であるとすると、この入出力特性５２が図３における設計入出力特性５３になるように、濃度値受付手段２８ｂは、Ｓ３３２において入力されたと判断した調整モードによって特定されるガンマ補正テーブルを、図３におけるガンマ補正曲線５１で示されるガンマ補正テーブルに調整する。なお、入力値をｘとし、調整前のガンマ補正テーブルの出力値をＦ（ｘ）とし、決定ボタン２１ｆによって決定された、調整用チャート６０における複数のパッチのそれぞれに対する濃度値から求められる近似曲線で示される入出力特性を設計入出力特性にキャリブレーションするための補正値をＧ（ｘ）とすると、調整後のガンマ補正テーブルの出力値Ｈ（ｘ）は、Ｆ（Ｇ（ｘ））となる。

テーブル調整手段２８ｃは、Ｓ３３９の処理の後、Ｓ３３２において入力されたと判断した調整モードによって特定されるガンマ補正テーブルとして、Ｓ３３９において調整したガンマ補正テーブルを記憶部２７に記憶させて（Ｓ３４０）、図１４に示す動作を終了する。

なお、図１４に示す動作によるガンマ補正テーブルの調整が調整者の目測による濃度値に基づいて実行されるので、図１４に示す動作によって調整されたガンマ補正テーブルを使用したプリンター２４の入出力特性は、設計入出力特性からずれる可能性がある。しかしながら、調整者は、このガンマ補正テーブルに対して図１４に示す動作による調整を繰り返すことによって、このガンマ補正テーブルを使用したプリンター２４の入出力特性を、設計入出力特性に徐々に近付けることができる。

以上においては、調整者によるＭＦＰ２０のキャリブレーションについて説明している。しかしながら、調整者によるＭＦＰ２０以外のＭＦＰのキャリブレーションについても同様である。

以上に説明したように、キャリブレーションシステム１０は、測色計４０によって測定されたパッチの測定濃度値と、調整者による目視での濃度の比較においてパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との対応関係情報３５ｃを生成し、調整者による目視での濃度の比較において、ＭＦＰによって印刷されたパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値に対応関係情報３５ｃにおいて対応付けられている測定濃度値に基づいてガンマ補正テーブルを調整するので、ＭＦＰのガンマ補正テーブルが調整者によって調整される場合に、測色計４０によって測定されたパッチの測定濃度値と、調整者による濃度の比較においてパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値との間の差の影響を抑えることができる。したがって、キャリブレーションシステム１０は、ＭＦＰのガンマ補正テーブルの調整の精度を向上することができる。

キャリブレーションシステム１０に含まれるＭＦＰは、本実施の形態において説明した機能や構成の一部が、このＭＦＰの外部に備えられても良い。同様に、キャリブレーションシステム１０に含まれるコンピューターは、本実施の形態において説明した機能や構成の一部が、このコンピューターの外部に備えられても良い。

キャリブレーションシステム１０は、表示部３２に表示される基準色に設定されている設定濃度値に対応関係情報３５ｃにおいて対応付けられている測定濃度値を表示用濃度値として表示部３２に表示するので、ガンマ補正テーブルの調整に利用する濃度値を調整する機能をＭＦＰに備える必要がない。したがって、キャリブレーションシステム１０は、ＭＦＰの構成を簡略化することができる。

なお、キャリブレーションシステム１０は、ガンマ補正テーブルの調整に利用する濃度値を調整する機能をＭＦＰに備えても良い。

キャリブレーションシステム１０は、同一の濃度のパッチに対する複数回の比較のそれぞれにおいてパッチに濃度が最も近いと調整者によって判定された基準色に設定されている設定濃度値に基づいて対応関係情報３５ｃを生成するので、対応関係情報３５ｃの生成の精度を向上することができる。したがって、キャリブレーションシステム１０は、ＭＦＰのガンマ補正テーブルの調整の精度を向上することができる。

キャリブレーションシステム１０は、対応関係情報３５ｃの生成に使用されるパッチを印刷実行手段２８ａが印刷するので、対応関係情報３５ｃの生成に使用されるパッチを表示するＬＣＤなどの対象表示デバイスを備える必要がない。したがって、キャリブレーションシステム１０は、ＭＦＰのガンマ補正テーブルを調整するための構成を簡略化することができる。

なお、キャリブレーションシステム１０は、対応関係情報３５ｃの生成に使用されるパッチがＭＦＰによる印刷以外の方法によって提供されても良い。例えば、キャリブレーションシステム１０は、図１８に示すように、対応関係情報３５ｃの生成に使用されるパッチを表示するＬＣＤなどの対象表示デバイス１００を備えても良い。キャリブレーションシステム１０は、対応関係情報３５ｃの生成に使用されるパッチを表示する対象表示デバイス１００を備える場合、対応関係情報３５ｃの生成に使用されるパッチをＭＦＰによって印刷する必要がないので、ＭＦＰにおいて印刷に使用される消耗品の消費を抑えることができる。

本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてＭＦＰであるが、プリンター専用機、コピー専用機、ファックス専用機など、ＭＦＰ以外の画像形成装置であっても良い。

１０ キャリブレーションシステム
２０ ＭＦＰ（画像形成装置）
２１ 操作部（操作デバイス）
２７ｂ ガンマ補正テーブル
２８ａ 印刷実行手段
２８ｂ 濃度値受付手段
２８ｃ テーブル調整手段
３０ コンピューター（濃度値判定用装置）
３２ 表示部（表示デバイス）
３３ カメラ（色検出デバイス）
３５ａ 濃度値判定用プログラム
３５ｃ 対応関係情報（対応関係を示す情報）
３６ａ 比較用色表示手段
３６ｂ 濃度値表示手段
３６ｃ 対応関係生成手段
４０ 測色計
６１ パッチ（対象）
１００ 対象表示デバイス

Claims (7)

1. ガンマ補正テーブルによって入出力特性を補正して印刷を実行する印刷実行手段と、
   前記ガンマ補正テーブルを調整するテーブル調整手段と
   を備える画像形成装置と、
   表示デバイスと、
   対象の色を検出する色検出デバイスと、
   基準色、および、前記色検出デバイスによって検出された前記対象の色を前記ガンマ補正テーブルの調整者による濃度の比較のために前記表示デバイスに表示する比較用色表示手段と、
   測色計によって測定された前記対象の濃度値である測定濃度値、および、前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている濃度値である設定濃度値の対応関係を生成する対応関係生成手段と
   を備え、
   前記テーブル調整手段は、前記印刷実行手段によって印刷された前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている前記設定濃度値に前記対応関係において対応付けられている前記測定濃度値に基づいて前記ガンマ補正テーブルを調整することを特徴とするキャリブレーションシステム。
2. 操作デバイスと、
   前記表示デバイスに表示された前記基準色の濃度値として表示される表示用濃度値を前記表示デバイスに表示する濃度値表示手段と
   を備え、
   前記画像形成装置は、前記印刷実行手段によって印刷された前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色の前記表示用濃度値を前記操作デバイスから受け付ける濃度値受付手段を備え、
   前記濃度値表示手段は、前記表示デバイスに表示される前記基準色に設定されている前記設定濃度値に前記対応関係において対応付けられている前記測定濃度値を前記表示用濃度値として前記表示デバイスに表示することを特徴とする請求項１に記載のキャリブレーションシステム。
3. 前記対応関係生成手段は、同一の濃度の前記対象に対する複数回の前記比較のそれぞれにおいて前記対象に濃度が最も近いと前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている前記設定濃度値に基づいて前記対応関係を生成することを特徴とする請求項１または請求項２に記載のキャリブレーションシステム。
4. 前記印刷実行手段は、前記対応関係生成手段による前記対応関係の生成に使用される前記対象を印刷することを特徴とする請求項１から請求項３までの何れかに記載のキャリブレーションシステム。
5. 前記対応関係生成手段による前記対応関係の生成に使用される前記対象を表示する対象表示デバイスを備えることを特徴とする請求項１から請求項４までの何れかに記載のキャリブレーションシステム。
6. 表示デバイスと、
   対象の色を検出する色検出デバイスと、
   基準色、および、前記色検出デバイスによって検出された前記対象の色を画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整者による濃度の比較のために前記表示デバイスに表示する比較用色表示手段と、
   測色計によって測定された前記対象の濃度値である測定濃度値、および、前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている濃度値である設定濃度値の対応関係を生成する対応関係生成手段と、
   前記表示デバイスに表示された前記基準色の濃度値として表示される表示用濃度値を前記表示デバイスに表示する濃度値表示手段と
   を備え、
   前記濃度値表示手段は、前記表示デバイスに表示される前記基準色に設定されている前記設定濃度値に前記対応関係において対応付けられている前記測定濃度値を前記表示用濃度値として前記表示デバイスに表示することを特徴とする濃度値判定用装置。
7. 表示デバイスと、
   対象の色を検出する色検出デバイスと
   を備えるコンピューターに、
   基準色、および、前記色検出デバイスによって検出された前記対象の色を画像形成装置のガンマ補正テーブルの調整者による濃度の比較のために前記表示デバイスに表示する比較用色表示手段と、
   測色計によって測定された前記対象の濃度値である測定濃度値、および、前記対象に濃度が最も近いと前記比較において前記調整者によって判定された前記基準色に設定されている濃度値である設定濃度値の対応関係を生成する対応関係生成手段と、
   前記表示デバイスに表示された前記基準色の濃度値として表示される表示用濃度値を前記表示デバイスに表示する濃度値表示手段と
   を実現させ、
   前記濃度値表示手段は、前記表示デバイスに表示される前記基準色に設定されている前記設定濃度値に前記対応関係において対応付けられている前記測定濃度値を前記表示用濃度値として前記表示デバイスに表示することを特徴とする濃度値判定用プログラム。