JP2018017889A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギア列の伝達効率を向上させるとともに、画像欠陥が生じるのを抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】この画像形成装置100は、駆動モーター31と、第1ギア41を有するとともに、モーターギア31bからの回転駆動力を感光体ドラム14に伝達する第1ギア列40と、第2アイドルギア51および共用アイドルギア71を有するとともに、第1ギア列40とは独立して設けられ、モーターギア31bからの回転駆動力を定着装置10に伝達する第2ギア列50と、を備える。第1ギア41の内周面と第1回転軸42の外周面との隙間に比べて、第2アイドルギア51および共用アイドルギア71の内周面と第2回転軸52および共用回転軸72の外周面との隙間Hは大きい。第2回転軸52および共用回転軸72の外周面と第2アイドルギア51および共用アイドルギア71の歯面との両方に潤滑剤が塗布されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に関し、特に、像担持体と像担持体とは別の被駆動部との両方に回転駆動力を伝達する駆動モーターを備えた画像形成装置に関するものである。
従来、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置においては、ドラムユニット、現像ユニット、定着ユニット、搬送ユニット等の各ユニットに種々の回転部材が使用されている。かかる回転部材を回転させるためには、駆動モーター等の駆動源から各ユニットへ駆動力を伝達する必要があり、駆動伝達機構として複数の歯車が用いられている。このような歯車として、コスト、静音、軽量等の観点から、樹脂製の歯車が用いられることが多い。
また従来、画像形成装置の小型化を実現するために、複数のユニットに回転駆動力を伝達するための駆動伝達列を途中まで共用する構造が知られている。このような画像形成装置として、例えば、駆動モーターと感光体ドラム(像担持体)との間にドラム駆動伝達列を設けるとともに、ドラム駆動伝達列の途中から分岐するようにギア列を設け、定着装置や現像装置に回転駆動力を伝達する画像形成装置が知られている。
しかしながら、この画像形成装置では、定着装置や現像装置の回転ムラがドラム駆動伝達列を介して感光体ドラムに伝わるので、画像欠陥が生じる。
この不都合を改善するために、駆動モーターと感光体ドラムとの間にドラム駆動伝達列を設けるとともに、駆動モーターと定着装置との間にドラム駆動伝達列とは独立したギア列を設けた画像形成装置が知られている。
なお、複数のユニットに回転駆動力を伝達するための駆動伝達列を途中まで共用する画像形成装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2013−134391号公報
ところで、例えば定着装置では、トナーを用紙に定着させるために熱と圧力とがかかるので、定着ローラーを駆動する負荷が大きい。さらに、定着装置は一般的に駆動モーターから遠い位置に配置されるので、駆動モーターと定着装置との間に配置されるギア列を構成するギアの数が多くなる。ギア列の駆動力の伝達効率はギア1個当たりの伝達効率をギアの数だけ乗じた値になるので、ギアの数が多ければギア列全体としての伝達効率は低下する。例えば、伝達効率が1個当たり95%のギアを7個用いた場合、ギア列全体の伝達効率は95%の7乗で約70%になってしまう。
従って、定着装置の負荷が大きい上、ギア列のギアの数が多く伝達効率が低下するので、駆動モーターの駆動トルクは大変大きくなる。そのため、大きな駆動モーターが必要になる。
また、定着装置の回転ムラが感光体ドラムに伝わるのを抑制するために、上記従来の画像形成装置のように駆動モーターと定着装置との間にドラム駆動伝達列とは独立したギア列を設けたとしても、定着装置およびギア列から駆動モーターにかかる負荷は大きいので、定着装置の回転ムラによって駆動モーターに回転ムラが生じ、画像欠陥が生じる場合がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ギア列の伝達効率を向上させるとともに、画像欠陥が生じるのを抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の構成の画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体と、第1被駆動部と、像担持体および第1被駆動部を駆動するとともに、モーターギアを有する駆動モーターと、1個以上の第1ギアを有するとともに、モーターギアに噛合してモーターギアからの回転駆動力を像担持体に伝達する第1ギア列と、複数の第2ギアを有するとともに、第1ギア列とは独立して設けられ、モーターギアに噛合してモーターギアからの回転駆動力を第1被駆動部に伝達する第2ギア列と、を備える。第1ギアが1個の場合、第1ギアの第1回転軸を回転可能に支持する軸受部材の内周面と第1回転軸の外周面との隙間を第1隙間とし、第1ギアが2個以上の場合、駆動力伝達方向最下流の第1ギアを除く第1ギアの内周面と第1ギアの第1回転軸の外周面との隙間を第1隙間とすると、第1隙間に比べて、第2ギア列の少なくとも一部における第2ギアの内周面と第2ギアの第2回転軸の外周面との第2隙間は大きい。第2ギア列の少なくとも一部において、第2回転軸の外周面と第2ギアの歯面との両方に潤滑剤が塗布されている。
本発明の第1の構成によれば、第1隙間に比べて、第2ギア列の少なくとも一部における第2ギアの内周面と第2ギアの第2回転軸の外周面との第2隙間は大きく、第2ギア列の少なくとも一部において、第2回転軸の外周面と第2ギアの歯面との両方に潤滑剤が塗布されている。これにより、第2ギア列の伝達効率を向上させることができる。このため、駆動モーターの駆動トルクを低減することができるので、駆動モーターの大型化を抑制することができる。
また、第1ギア列とは独立して第2ギア列を設けることによって、第1被駆動部の回転ムラを駆動モーターの回転制御により抑えて回転ムラが像担持体に伝わるのを抑制することができるので、第1被駆動部の回転ムラによって像担持体に回転ムラが生じるのを抑制することができる。さらに、第2ギア列の伝達効率を向上させることができるので、第2ギア列から駆動モーターにかかる負荷を小さくすることができる。すなわち、第1被駆動部による駆動モーターへの影響を抑制することができる。このため、第1被駆動部の回転ムラによって像担持体に回転ムラが生じるのをより抑制することができる。
本発明の一実施形態の画像形成装置の構造を概略的に示した断面図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の第1ギア列、第2ギア列および第3ギア列周辺の構造を示した側面図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の第1ギア列周辺の構造を示した側面図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の第1ギア列周辺の構造を示した斜視図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の感光体ドラム周辺の構造を示した断面図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の第2ギア列周辺の構造を示した側面図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の第2ギア列周辺の構造を示した斜視図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の第3ギア列周辺の構造を示した側面図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の第3ギア列周辺の構造を示した斜視図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の第2ギア列および第3ギア列における、回転軸に対して回転可能に取り付けられるギアと回転軸との構造を示した断面図である。 本発明の一実施形態の効果を確認するために行った確認実験に用いたギア列の構造を説明するための図である。 本発明の一実施形態の効果を確認するために行った確認実験の実施例1、2および比較例1の実験結果を示す図である。 本発明の一実施形態の効果を確認するために行った確認実験の比較例2〜4の実験結果を示す図である。 本発明の変形例の第1ギア列周辺の構造を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態の画像形成装置100について説明する。図1に示すように、画像形成装置100(ここではモノクロプリンター)は、装置本体1の下部に用紙(記録媒体)を収容する給紙カセット2が備えられている。なお、図1では左側を画像形成装置100の前方側として図示している。給紙カセット2の上方には、装置本体1の前方から後方へ略水平に延び、更に上方へ延びて装置本体1の上面に形成された排紙部3に至る用紙搬送路4が形成されており、この用紙搬送路4に沿って上流側から順に、ピックアップローラー、フィードローラー、中間搬送ローラー、レジストローラー対8、画像形成部9、定着装置10及び排出ローラー対11が配置されている。
画像形成部9は、電子写真プロセスによって用紙に所定のトナー像を形成するものであり、図1において反時計回り方向に回転可能に軸支された像担持体である感光体ドラム14と、この感光体ドラム14の周囲に配置される帯電装置15、現像装置16、クリーニング装置17、用紙搬送路4を挟んで感光体ドラム14に対向するように配置される転写ローラー18、感光体ドラム14の上方に配置される露光ユニット(LSU)19、及び除電装置(図示せず)から構成されている。
帯電装置15には、図示しない電源が接続された帯電ローラー15aが備えられており、この帯電ローラー15aが感光体ドラム14に当接するよう配置されている。そして、感光体ドラム14が回転すると、帯電ローラー15aが感光体ドラム14の表面に接触して従動回転し、この時、帯電ローラー15aに所定の電圧を印加することにより、感光体ドラム14の表面が一様に帯電される。
次いで、露光ユニット(LSU)19からのレーザービームにより感光体ドラム14上に入力された画像データに基づく静電潜像が形成され、現像装置16により静電潜像にトナーが付着されて感光体ドラム14の表面にトナー像が形成される。感光体ドラム14の表面に形成されたトナー像は、転写ローラー18により感光体ドラム14と転写ローラー18とのニップ部に形成された転写位置に供給された用紙へと転写される。
トナー像が転写された用紙は、感光体ドラム14から分離されて定着装置10に向けて搬送される。この定着装置10は、用紙搬送方向に対し画像形成部9の下流側に配置されており、画像形成部9においてトナー像が転写された用紙は、定着装置10に備えられた加熱ローラー(定着ローラー)22、及びこの加熱ローラー22に圧接される加圧ローラー23によって加熱、加圧され、用紙に転写されたトナー像が定着される。なお、定着装置10および現像装置16は、感光体ドラム14に比べて、負荷トルクが大きい。また、感光体ドラム14は、定着装置10および現像装置16に比べて、回転変動の少ない高精度な回転が必要である。
そして、画像形成部9及び定着装置10において画像形成処理及び定着処理がなされた用紙は、排出ローラー対11によって排紙部3に排出される。一方、転写後に感光体ドラム14の表面に残留しているトナーはクリーニング装置17により除去される。そして、感光体ドラム14は帯電装置15によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われる。
装置本体1内の一方側(図1の紙面に対して手前側)には図2に示すように、多数のギアが回転可能に取り付けられるフレーム(図示せず)と、このフレームに固定されるとともに駆動モーター31が取り付けられたモーター基板32と、が配置されている。なお、図2〜図4、図6〜図9は、図1の紙面に対して奥側(装置本体1の内側)から見た状態を示しており、各部材の配置は図1と左右が逆になっている。
駆動モーター31は、モーター軸31aと、モーター軸31aに設けられるモーターギア31bと、を有する。なお、本実施形態では、モーター軸31aの先端部をギア形状に形成することによって、モーター軸31aとモーターギア31bとを一体形成しているが、モーター軸31aの先端部にポリアセタール等の樹脂からなるモーターギア31bを固定してもよい。
モーターギア31bには、モーターギア31bの回転駆動力を感光体ドラム(像担持体)14に伝達する第1ギア列40(図3および図4も参照)と、第1ギア列40とは独立して設けられ、モーターギア31bの回転駆動力を定着装置(第1被駆動部)10に伝達する第2ギア列50(図6および図7も参照)と、第1ギア列40とは独立して設けられ、モーターギア31bの回転駆動力を現像装置(第2被駆動部)16に伝達する第3ギア列60(図8および図9も参照)と、が連結されている。
第1ギア列40は図3および図4に示すように、1個以上(ここでは1個)の第1ギア41を有する。第1ギア41は、モーターギア31bに噛合しているとともに、第1回転軸42に固定されている。第1回転軸42は感光体ドラム14の回転軸であり、第1回転軸42が回転することにより感光体ドラム14が回転する。また、図5に示すように、第1回転軸42の両端部は、一対の軸受部材43によって回転可能に支持されている。
第2ギア列50は図6および図7に示すように、第3ギア列60と共用して用いられる少なくとも1個(ここでは1個)の共用アイドルギア(第2ギア、第3ギア)71と、共用アイドルギア71に連結される複数(ここでは5個)の第2アイドルギア(第2ギア)51と、第2アイドルギア51に連結される1個の第2入力ギア(第2ギア)53と、を有する。図6に示すように、共用アイドルギア71および第2アイドルギア51は、共用回転軸(第2回転軸、第3回転軸)72および第2回転軸52にそれぞれ回転可能に取り付けられており、第2入力ギア53は、第2回転軸54に固定されている。共用アイドルギア71はモーターギア31bに噛合している。第2回転軸54は加熱ローラー22に固定されており、第2回転軸54が回転することにより、加熱ローラー22が回転する。
なお、加熱ローラー22の内部には、図示しないヒーターが配置されている。また、加圧ローラー23は、加圧ローラー23の両端部に設けられる加圧片81と、加圧片81を付勢する圧縮バネなどからなる付勢部材82と、によって加熱ローラー22に向かって付勢されている。
第3ギア列60は図8および図9に示すように、共用アイドルギア71と、共用アイドルギア71に連結される複数(ここでは4個)の第3アイドルギア(第3ギア)61と、第3アイドルギア61に連結される1個の第3入力ギア(第3ギア)63と、を有する。図8に示すように、第3アイドルギア61は、第3回転軸62に回転可能に取り付けられており、第3入力ギア63は、第3回転軸64に固定されている。第3回転軸64は現像装置16の現像ローラー16a(図9参照)に固定されており、第3回転軸64が回転することにより、現像ローラー16aおよび現像剤撹拌部材(図示せず)が回転する。
第1ギア41、第2アイドルギア51、第2入力ギア53、第3アイドルギア61、第3入力ギア63および共用アイドルギア71は、樹脂製であり、ここではポリアセタール樹脂により形成されている。一方、第1回転軸42、第2回転軸52、54、第3回転軸62、64および共用回転軸72は、ステンレス鋼などの金属により形成されている。
ここで、一般的な画像形成装置では、ギアはモジュールが0.5、0.8又は1.0のものが主に用いられる。なお、モジュールとは、ギアのピッチ円の直径を歯数で割った値である。また、ギアが取り付けられる回転軸は、直径約6mm又は約8mmのものが主に用いられる。
また、回転軸に対して回転可能に取り付けられるアイドルギアにおいては、回転軸に対してアイドルギアを滑らかに回転させるため、及びアイドルギアの焼き付きを防止するために、アイドルギアの内周面(回転軸が挿入される挿入穴の内周面)と回転軸の外周面との隙間は、0.01mm以上0.10mm以下に設定されることが多い。具体的には、アイドルギアの穴径は6.02±0.02mmに設定され、回転軸の直径は5.97±0.02mmに設定される。又は、アイドルギアの穴径は8.02±0.02mmに設定され、回転軸の直径は7.97±0.02mmに設定される。本実施形態においても、第1回転軸42、第2回転軸52、54、第3回転軸62、64および共用回転軸72の直径は、5.97±0.02mm又は7.97±0.02mmに設定されている。
なお、JIS B 0401−2に記載されているはめあい記号の組み合わせでは、一例として穴:H7と軸:f6またはe7との組み合わせが挙げられる。穴:H7と軸:f6との組み合わせで基準寸法が6mmの場合、穴:H7の寸法許容差は0mm〜0.012mmであり、軸:f6の寸法許容差は−0.01mm〜−0.018mmであるので、アイドルギアの内周面と回転軸の外周面との隙間は、0.010mm以上0.030mm以下になる。同様に、穴:H7と軸:e7との組み合わせで基準寸法が6mmの場合、隙間は0.020mm以上0.044mm以下になる。穴:H7と軸:f6との組み合わせで基準寸法が8mmの場合、隙間は0.013mm以上0.037mm以下になる。穴:H7と軸:e7との組み合わせで基準寸法が8mmの場合、隙間は0.025mm以上0.055mm以下になる。すなわち、穴:H7と軸:f6またはe7との組み合わせで基準寸法が6mmまたは8mmの場合、ギアの内周面と回転軸の外周面との隙間は、0.010mm以上0.055mm以下になる。
しかしながら、本実施形態では、第2ギア列50および第3ギア列60において、回転軸に対して回転可能に取り付けられるアイドルギアに関しては、アイドルギアの内周面と回転軸の外周面との隙間H(第2隙間、第3隙間)(図10参照)は、0.10mmよりも大きく、0.30mm以下に設定されており、好ましくは0.15mm以上、0.30mm以下に設定されている。
具体的には、第2アイドルギア51の内周面と第2回転軸52の外周面との隙間(第2隙間)H、第3アイドルギア61の内周面と第3回転軸62の外周面との隙間(第3隙間)H、及び共用アイドルギア71の内周面と共用回転軸72の外周面との隙間(第2隙間、第3隙間)Hは、0.10mmよりも大きく、0.30mm以下に設定されており、好ましくは0.15mm以上、0.30mm以下に設定されている。
なお、第1ギア41、第2入力ギア53および第3入力ギア63は、第1回転軸42、第2回転軸54および第3回転軸64にそれぞれ嵌合固定されるので、第1ギア41の内周面と第1回転軸42の外周面との隙間、第2入力ギア53の内周面と第2回転軸54の外周面との隙間、及び第3入力ギア63の内周面と第3回転軸64の外周面との隙間は、0mm以上、0.01mm以下となっている。また、第1回転軸42、第2回転軸54および第3回転軸64は、例えばDカット形状に形成されており、第1ギア41、第2入力ギア53および第3入力ギア63に対して回転しないように構成されている。
また、軸受部材43の内周面と第1回転軸42の外周面との隙間S(第1隙間)(図5参照)は、0.01mm以上、0.10mm以下に設定されている。
また、第2アイドルギア51、第3アイドルギア61および共用アイドルギア71の歯面と、第2回転軸52、第3回転軸62および共用回転軸72の外周面と、にグリスなどの潤滑剤が塗布されている。なお、本実施形態では、第1ギア41、第2入力ギア53および第3入力ギア63の歯面にも、グリスなどの潤滑剤が塗布されているが、第1ギア41、第2入力ギア53および第3入力ギア63の歯面に潤滑剤が塗布されていなくてもよい。
本実施形態では、上記のように、軸受部材43の内周面と第1回転軸42の外周面との隙間Sに比べて、第2アイドルギア51および共用アイドルギア71の内周面と第2回転軸52および共用回転軸72の外周面との隙間Hは大きく、第2回転軸52および共用回転軸72の外周面と第2アイドルギア51および共用アイドルギア71の歯面との両方に潤滑剤が塗布されている。これにより、第2ギア列50の伝達効率を向上させることができる。このため、駆動モーター31の駆動トルクを低減することができるので、駆動モーター31の大型化を抑制することができる。
また、第1ギア列40とは独立して第2ギア列50を設けることによって、定着装置10の回転ムラを駆動モーター31の回転制御により抑えて回転ムラが感光体ドラム14に伝わるのを抑制することができるので、定着装置10の回転ムラによって感光体ドラム14に回転ムラが生じるのを抑制することができる。さらに、第2ギア列50の伝達効率を向上させることができるので、第2ギア列50から駆動モーター31にかかる負荷を小さくすることができる。すなわち、定着装置10による駆動モーター31への影響を抑制することができる。このため、定着装置10の回転ムラによって感光体ドラム14に回転ムラが生じるのをより抑制することができる。
また、上記のように、第2アイドルギア51の内周面と第2回転軸52の外周面との隙間H、及び共用アイドルギア71の内周面と共用回転軸72の外周面との隙間Hは、0.10mmよりも大きく、0.30mm以下である。これにより、第2ギア列50の伝達効率を容易に向上させることができるとともに、第2ギア列50が歯飛びするのを抑制することができる。
また、上記のように、第2アイドルギア51の内周面と第2回転軸52の外周面との隙間H、及び共用アイドルギア71の内周面と共用回転軸72の外周面との隙間Hを、0.15mm以上、0.30mm以下に設定すれば、第2ギア列50が歯飛びするのを抑制しながら、第2ギア列50の伝達効率を十分に向上させることができる。
また、上記のように、定着装置10は、トナーを用紙に定着させるために熱と圧力とがかかり加熱ローラー22を駆動する負荷が大きい上、駆動モーター31から遠い位置に配置されるため第2ギア列50のギア(第2アイドルギア51、第2入力ギア53、共用アイドルギア71)の数が多く伝達効率が低下しやすい。このため、駆動モーター31の駆動トルクが大変大きくなるので、駆動モーター31の回転駆動力を感光体ドラム14と定着装置10とに伝達する場合に本発明を適用することは、特に効果的である。
また、上記のように、第1回転軸42、第2回転軸52、54、第3回転軸62、64および共用回転軸72の直径は、5.97±0.02mm又は7.97±0.02mmである。これにより、一般的な画像形成装置の略全てに本発明を適用することができる。
また、上記のように、第1ギア41、第2アイドルギア51、第2入力ギア53、第3アイドルギア61、第3入力ギア63および共用アイドルギア71は、ポリアセタール樹脂からなる。これにより、第1ギア41、第2アイドルギア51、第2入力ギア53、第3アイドルギア61、第3入力ギア63および共用アイドルギア71を耐摩耗性に優れ、かつ高強度にすることができる。
また、上記のように、軸受部材43の内周面と第1回転軸42の外周面との隙間Sに比べて、第3アイドルギア61の内周面と第3回転軸62の外周面との隙間Hは大きく、第3回転軸62の外周面と第3アイドルギア61の歯面との両方に潤滑剤が塗布されている。これにより、第3ギア列60の伝達効率を向上させることができる。このため、駆動モーター31の駆動トルクをより低減することができるので、駆動モーター31の大型化をより抑制することができる。
また、第2ギア列50から分岐するように第3ギア列60を設けることによって、共用アイドルギア71の分だけギアの数を削減することができる。
また、第1ギア列40とは独立して第3ギア列60を設けることによって、現像装置16の回転ムラを駆動モーター31の回転制御により抑えて回転ムラが感光体ドラム14に伝わるのを抑制することができるので、現像装置16の回転ムラによって感光体ドラム14に回転ムラが生じるのを抑制することができる。さらに、第3ギア列60の伝達効率を向上させることができるので、第3ギア列60から駆動モーター31にかかる負荷を小さくすることができる。すなわち、現像装置16による駆動モーター31への影響を抑制することができる。このため、現像装置16の回転ムラによって感光体ドラム14に回転ムラが生じるのをより抑制することができる。
次に、上記した本実施形態の効果を確認するために行った確認実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1および2と、比較例1〜4と、について行った。
(実施例1)
実施例1では図11に示すように、モーター軸101に固定されるモーターギア102と、負荷軸103に固定される負荷ギア104と、回転軸105に回転可能に取り付けられモーターギア102の回転駆動力を負荷ギア104に伝達する11個のアイドルギア106からなるギア列と、を用いた。モーターギア102、負荷ギア104およびアイドルギア106は、ポリアセタール樹脂により形成し、モーター軸101、負荷軸103および回転軸105は、ステンレス鋼により形成した。モーターギア102、負荷ギア104およびアイドルギア106の歯数を29個にし、モジュールを0.8にした。
回転軸105の直径を7.97±0.02mmにするとともに、アイドルギア106の穴径を所定寸法にすることによって、アイドルギア106の内周面と回転軸105の外周面との隙間Hを平均値で0.2mmに設定した。なお、モーターギア102の内周面とモーター軸101の外周面との隙間、及び負荷ギア104の内周面と負荷軸103の外周面との隙間は、0mm以上、0.01mm以下である。
モーターギア102、負荷ギア104、アイドルギア106の歯面と、回転軸105の外周面と、にグリスを塗布した。
(実施例2)
実施例2では、アイドルギア106の穴径を所定寸法にすることによって、アイドルギア106の内周面と回転軸105の外周面との隙間Hを平均値で0.3mmに設定した。その他の構成は、実施例1と同様にした。
(比較例1)
比較例1では、アイドルギア106の穴径を所定寸法にすることによって、アイドルギア106の内周面と回転軸105の外周面との隙間を平均値で0.048mmに設定した。その他の構成は、実施例1と同様にした。
(比較例2)
比較例2では、モーターギア102、負荷ギア104、アイドルギア106の歯面にはグリスを塗布せず、回転軸105の外周面のみにグリスを塗布した。その他の構成は、比較例1と同様にした。
(比較例3)
比較例3では、モーターギア102、負荷ギア104、アイドルギア106の歯面にはグリスを塗布せず、回転軸105の外周面のみにグリスを塗布した。その他の構成は、実施例1と同様にした。
(比較例4)
比較例4では、モーターギア102、負荷ギア104、アイドルギア106の歯面にはグリスを塗布せず、回転軸105の外周面のみにグリスを塗布した。その他の構成は、実施例2と同様にした。
そして、実施例1および2、比較例1〜4について、伝達効率(=負荷軸103の負荷トルク/モーター軸101の駆動トルク)を求めた。なお、実施例1および2、比較例1〜4のそれぞれについて、アイドルギア106の回転数を100rpm、200rpm、300rpmの3段階に設定するとともに、負荷軸103の負荷トルクを0.15Nm、0.20Nm、0.25Nmの3段階に設定した。これらの結果を図12および図13に示す。
図12を参照して、ギアの歯面と回転軸105の外周面との両方にグリスを塗布した場合、アイドルギア106の内周面と回転軸105の外周面との隙間(以下、単に隙間という)を大きくすると、伝達効率が向上することが判明した。具体的には、隙間を0.2mm以上(実施例1および2)にすることによって、隙間を0.048mm(比較例1)にした場合に比べて伝達効率が約10%向上した。また、隙間がおおよそ0.15mm以上、0.25mm以下の範囲の場合に、伝達効率が最も向上した。
図13を参照して、ギアの歯面にはグリスを塗布せず、回転軸105の外周面のみにグリスを塗布した場合、隙間を0.2mm(比較例3)にしても、隙間を0.048mm(比較例2)にした場合に比べて伝達効率が向上しない傾向が見られた。また、隙間を0.3mm(比較例4)まで大きくすると、隙間を0.048mm(比較例1)、0.2mm(比較例3)にした場合に比べて伝達効率が約10%向上した。
なお、図12および図13を参照して、通常設計で用いられる隙間(比較例1および2)では、ギアの歯面と回転軸105の外周面との両方にグリスを塗布した場合(比較例1)と、ギアの歯面にはグリスを塗布せず、回転軸105の外周面のみにグリスを塗布した場合(比較例2)と、の間で伝達効率の差異は少しだけ(3%程度)しか見られなかった。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、モノクロプリンターに本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らない。言うまでもなく、カラープリンター、モノクロ複写機、カラー複写機、デジタル複合機、ファクシミリ等の、像担持体と像担持体とは別の被駆動部との両方に回転駆動力を伝達する駆動モーターを備えた種々の画像形成装置に本発明を適用できる。
また、上記実施形態では、第1被駆動部および第2被駆動部として定着装置10および現像装置16を用いた例について示したが、本発明はこれに限らない。第1被駆動部および第2被駆動部として定着装置10および現像装置16以外の被駆動部を用いてもよい。
また、上記実施形態では、定着装置10に回転駆動力を伝達する第2ギア列50、及び現像装置16に回転駆動力を伝達する第3ギア列60の両方において、アイドルギアの内周面と回転軸の外周面との隙間を、0.10mmよりも大きく、0.30mm以下に設定した例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、現像装置16による現像動作に悪影響が及ぶ場合、現像装置16に回転駆動力を伝達する第3ギア列60においては、アイドルギアの内周面と回転軸の外周面との隙間を、0.010mm以上、0.100mm以下に設定してもよい。
また、上記実施形態では、第1ギア列40を1個の第1ギア41のみによって構成した例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば図14に示した本発明の変形例のように、第1ギア列40を1個以上(ここでは2個)の第1アイドルギア(第1ギア)41aと第1入力ギア(第1ギア)41bとによって構成してもよい。この場合、駆動力伝達方向最下流の第1ギア(第1入力ギア41b)を除く第1ギア(第1入力ギア41a)に関しては、第1ギア(第1アイドルギア41a)の内周面と第1回転軸42の外周面との隙間(第1隙間)を、0.010mm以上、0.100mm以下に設定すればよい。
10 定着装置(第1被駆動部)
14 感光体ドラム(像担持体)
16 現像装置(第2被駆動部)
31 駆動モーター
31b モーターギア
40 第1ギア列
41 第1ギア
41a 第1アイドルギア(第1ギア)
41b 第1入力ギア(第1ギア)
42 第1回転軸
43 軸受部材
50 第2ギア列
51 第2アイドルギア(第2ギア)
52 第2回転軸
53 第2入力ギア(第2ギア)
54 第2回転軸
60 第3ギア列
61 第3アイドルギア(第3ギア)
62 第3回転軸
63 第3入力ギア(第3ギア)
64 第3回転軸
71 共用アイドルギア(第2ギア、第3ギア)
72 共用回転軸(第2回転軸、第3回転軸)
100 画像形成装置
H 隙間(第2隙間、第3隙間)
S 隙間(第1隙間)

Claims (8)

  1. 静電潜像が形成される像担持体と、
    第1被駆動部と、
    前記像担持体および前記第1被駆動部を駆動するとともに、モーターギアを有する駆動モーターと、
    1個以上の第1ギアを有するとともに、前記モーターギアに噛合して前記モーターギアからの回転駆動力を前記像担持体に伝達する第1ギア列と、
    複数の第2ギアを有するとともに、前記第1ギア列とは独立して設けられ、前記モーターギアに噛合して前記モーターギアからの回転駆動力を前記第1被駆動部に伝達する第2ギア列と、
    を備え、
    前記第1ギアが1個の場合、前記第1ギアの第1回転軸を回転可能に支持する軸受部材の内周面と前記第1回転軸の外周面との隙間を第1隙間とし、前記第1ギアが2個以上の場合、駆動力伝達方向最下流の第1ギアを除く前記第1ギアの内周面と前記第1ギアの第1回転軸の外周面との隙間を第1隙間とすると、前記第1隙間に比べて、前記第2ギア列の少なくとも一部における前記第2ギアの内周面と前記第2ギアの第2回転軸の外周面との第2隙間は大きく、
    前記第2ギア列の少なくとも一部において、前記第2回転軸の外周面と前記第2ギアの歯面との両方に潤滑剤が塗布されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1隙間は、0mm以上、0.10mm以下であり、
    前記第2隙間は、0.10mmよりも大きく、0.30mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2隙間は、0.15mm以上、0.30mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1被駆動部は、定着装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第1回転軸および前記第2回転軸の直径は、5.97±0.02mm又は7.97±0.02mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1ギアおよび前記第2ギアは、ポリアセタール樹脂からなり、
    前記第1回転軸および前記第2回転軸は、金属製であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記駆動モーターにより駆動される第2被駆動部と、
    少なくとも1個の前記第2ギアを含む複数の第3ギアを有するとともに、前記第2ギア列から分岐するように設けられ、前記モーターギアに噛合して前記モーターギアからの回転駆動力を前記第2被駆動部に伝達する第3ギア列と、
    をさらに備え、
    前記第1隙間に比べて、前記第3ギア列の少なくとも一部における前記第3ギアの内周面と前記第3ギアの第3回転軸の外周面との第3隙間は大きく、
    前記第3ギア列の少なくとも一部において、前記第3回転軸の外周面と前記第3ギアの歯面との両方に潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第2被駆動部は、現像装置であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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