JP2018017763A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質な画像を安定して得ることが可能である画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、像担持体と所定の方向に回転すると共に像担持体の表面に形成された潜像にトナーを付着させる現像剤担持体とを含み、その像担持体の表面にトナー像を形成する画像形成ユニットと、その画像形成ユニットにより形成されたトナー像を媒体に転写させる転写部と、その転写部により転写されたトナー像を媒体に定着させる定着部と、装置内温度を検出する温度検出部と、その温度検出部により検出された装置内温度がガラス転移開始温度以上であるとき、所定の方向とは反対の方向に現像剤担持体を回転させる制御部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、感光体ドラムを用いて画像を形成する画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置が広く普及している。インクジェット方式などの他の方式の画像形成装置と比較して、鮮明な画像が短時間で得られるからである。
電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラムを備えており、その感光体ドラムを用いて媒体の表面に画像を形成する。画像の形成工程では、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成されたのち、その静電潜像にトナーが付着されるため、トナー像が形成される。このトナー像は、媒体に転写されたのち、その媒体に定着される。
画像形成装置の構成に関しては、既に様々な提案がなされている。具体的には、トナーが凝集することを抑制するために、現像動作の終了時において感光体ドラムを逆回転させている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−190770号公報
トナーの凝集に起因する問題を解決するために具体的な検討がなされているが、その対策は未だ十分であるとは言えないため、改善の余地がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高品質な画像を安定して得ることが可能である画像形成装置を提供することにある。
本発明の一実施形態の画像形成装置は、像担持体と所定の方向に回転すると共に像担持体の表面に形成された潜像にトナーを付着させる現像剤担持体とを含み、その像担持体の表面にトナー像を形成する画像形成ユニットと、その画像形成ユニットにより形成されたトナー像を媒体に転写させる転写部と、その転写部により転写されたトナー像を媒体に定着させる定着部と、装置内温度を検出する温度検出部と、その温度検出部により検出された装置内温度が下記で説明されるガラス転移開始温度以上であるとき、所定の方向とは反対の方向に現像剤担持体を回転させる制御部とを備えたものである。
<ガラス転移開始温度>
ガラス転移開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)法を用いて測定されたトナーのDSC曲線の微分曲線(横軸:温度(℃),縦軸:熱流微分値(μW/℃))を得ると共に、その微分曲線に基づいてベースライン、ガラス転移開始判定ラインおよびガラス転移開始判定接線を特定した際に、そのベースラインとガラス転移開始判定接線との交点に対応する温度である。ただし、ベースラインは、熱量微分値がほぼ一定である初期の微分曲線に沿ったラインである。ガラス転移開始判定ラインは、ベースラインの熱流微分値の1.5倍に相当する熱流微分値のラインである。ガラス転移開始判定接線は、微分曲線とガラス転移開始判定ラインとの交点において微分曲線に接する接線である。
ここで説明した「ガラス転移開始温度」とは、上記した定義から明らかなように、トナーのDSC曲線の微分曲線から求められる温度(本発明に固有のパラメータ)であり、実際のトナーのガラス転移温度よりも低い温度である。ガラス転移開始温度の具体的な特定手順に関しては、後述する。また、「装置内温度」とは、画像形成装置の内部の温度である。
本発明の一実施形態の画像形成装置によれば、装置内温度がガラス転移開始温度以上であるとき、所定の方向とは反対の方向に現像剤担持体を回転させているので、高品質な画像を安定して得ることができる。
本発明の一実施形態の画像形成装置の構成を表す平面図である。 図1に示した現像部の構成を拡大して表す平面図である。 画像形成装置の構成を表すブロック図である。 トナーAに関するガラス転移開始温度TGSの特定手順を説明するために、そのトナーAを用いて測定されたDSC曲線の微分曲線を表している。 図4に示した微分曲線の一部を拡大している。 トナーBに関するガラス転移開始温度TGSの特定手順を説明するために、そのトナーBを用いて測定されたDSC曲線の微分曲線を表している。 図6に示した微分曲線の一部を拡大している。 画像形成装置の動作を説明するための流れ図である。 変形例1における画像形成装置の構成を表す平面図である。 変形例1における画像形成装置の他の構成を表す平面図である。 変形例1における画像形成装置のさらに他の構成を表す平面図である。 変形例1における画像形成装置のさらに他の構成を表す平面図である。 変形例2における画像形成装置の構成を表すブロック図である。 図13に示した画像形成装置の動作を説明するための流れ図である。
以下、本発明の一実施形態に関して、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.画像形成装置
1−1.全体構成
1−2.現像部の構成
1−3.ブロック構成
1−4.ガラス転移開始温度の特定手順
1−5.トナーの構成
1−6.動作
1−7.作用および効果
2.変形例
<1.画像形成装置>
本発明の一実施形態の画像形成装置に関して説明する。
<1−1.全体構成>
まず、画像形成装置の全体構成に関して説明する。
ここで説明する画像形成装置は、例えば、電子写真方式のフルカラープリンタであり、トナーを用いて媒体M(後述する図1参照)の表面に画像を形成する。媒体Mの材質は、特に限定されないが、例えば、紙およびフィルムなどのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
図1は、画像形成装置の平面構成を表している。この画像形成装置では、媒体Mは、搬送経路R1〜R5に沿って搬送可能である。図1では、搬送経路R1〜R5のそれぞれを破線で示している。
画像形成装置は、例えば、図1に示したように、筐体1の内部に、トレイ10と、送り出しローラ20と、本発明の一実施形態の「画像形成ユニット」である1または2以上の現像部30と、転写部40と、定着部50と、搬送ローラ61〜68と、搬送路切り替えガイド69,70と、本発明の一実施形態の「温度検出部」である温度センサ78とを備えている。
[筐体]
筐体1は、例えば、金属材料および高分子材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。筐体1には、画像が形成された媒体Mを排出するためのスタッカ部2が設けられており、その画像が形成された媒体Mは、筐体1に設けられた排出口1Hから排出される。
[トレイおよび送り出しローラ]
トレイ10は、例えば、筐体1に対して着脱可能に装着されており、媒体Mを収納している。送り出しローラ20は、例えば、Y軸方向に延在しており、そのY軸を中心として回転可能である。以降において説明する一連の構成要素のうち、名称中に「ローラ」という文言を含む構成要素は、送り出しローラ20と同様に、Y軸方向に延在していると共にY軸を中心として回転可能である。
トレイ10には、例えば、複数の媒体Mが積層された状態で収納されている。このトレイ10に収納されている複数の媒体Mは、例えば、送り出しローラ20によりトレイ10から1つずつ取り出される。
トレイ10の数および送り出しローラ20の数のそれぞれは、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。図1では、例えば、トレイ10の数が1個であると共に送り出しローラ20の数が1個である場合を示している。
[現像部]
現像部30は、トナーを用いて、トナー像の形成処理(現像処理)を行う。具体的には、現像部30は、主に、潜像(静電潜像)を形成すると共に、クーロン力を利用して静電潜像にトナーを付着させることにより、トナー像を形成する。
ここでは、画像形成装置は、例えば、4個の現像部30(30K,30C,30M,30Y)を備えている。
現像部30K,30C,30M,30Yのそれぞれは、例えば、筐体1に対して着脱可能に装着されていると共に、後述する中間転写ベルト41の移動経路に沿って配列されている。ここでは、現像部30K,30C,30M,30Yは、例えば、中間転写ベルト41の移動方向(矢印F5)において、上流側から下流側に向かってこの順に配置されている。
現像部30K,30C,30M,30Yのそれぞれは、例えば、後述するカートリッジ39(図2参照)に収納されているトナーの種類(色)が異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。現像部30K,30C,30M,30Yのそれぞれの構成に関しては、後述する。
[転写部]
転写部40は、現像部30により形成されたトナー像の転写処理を行う。具体的には、転写部40は、主に、現像部30により形成されたトナー像を媒体Mに転写させる。
この転写部40は、例えば、中間転写ベルト41と、駆動ローラ42と、従動ローラ(アイドルローラ)43と、バックアップローラ44と、1または2以上の1次転写ローラ45と、2次転写ローラ46と、クリーニングブレード47とを含んでいる。
中間転写ベルト41は、媒体Mにトナー像が転写される前に、そのトナー像が一時的に転写される媒体(中間転写媒体)であり、例えば、無端の弾性ベルトなどである。この中間転写ベルト41は、例えば、ポリイミドなどの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。なお、中間転写ベルト41は、駆動ローラ42、従動ローラ43およびバックアップローラ44のそれぞれにより張架された状態において、その駆動ローラ42の回転に応じて移動可能である。
駆動ローラ42は、例えば、後述するローラモータ85(図3参照)の駆動力を利用して回転可能である。従動ローラ43およびバックアップローラ44のそれぞれは、例えば、駆動ローラ42の回転に応じて回転可能である。
1次転写ローラ45は、トナー像を中間転写ベルト41に転写(1次転写)させる。この1次転写ローラ45は、中間転写ベルト41を介して現像部30(後述する感光体ドラム31:図2参照)に対して圧接されている。なお、1次転写ローラ45は、中間転写ベルト41の移動に応じて回転可能である。
ここでは、転写部40は、例えば、上記した4個の現像部30(30K,30C,30M,30Y)に対応して、4個の1次転写ローラ45(45K,45C,45M,45Y)を含んでいる。また、転写部40は、1個のバックアップローラ44に対応して、1個の2次転写ローラ46を含んでいる。
2次転写ローラ46は、中間転写ベルト41に転写されたトナー像を媒体Mに転写(2次転写)させる。この2次転写ローラ46は、バックアップローラ44に対して圧接されており、例えば、金属製の芯材と、その芯材の外周面を被覆する発泡ゴム層などの弾性層とを含んでいる。なお、2次転写ローラ46は、中間転写ベルト41の移動に応じて回転可能である。
クリーニングブレード47は、中間転写ベルト41に対して圧接されており、その中間転写ベルト41の表面に残留した不要なトナーなどを掻き取る。
[定着部]
定着部50は、転写部40により媒体Mに転写されたトナー像の定着処理を行う。具体的には、定着部50は、例えば、転写部40により媒体Mに転写されたトナー像を加熱しながら加圧することにより、そのトナー像を媒体Mに定着させる。
この定着部50は、例えば、加熱ローラ51と、加圧ローラ52とを含んでいる。
加熱ローラ51は、トナー像を加熱する。この加熱ローラ51は、例えば、中空円筒状の金属芯と、その金属芯の表面を被覆する樹脂コートとを含んでいる。金属芯は、例えば、アルミニウムなどの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。樹脂コートは、例えば、例えば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
加熱ローラ51(金属芯)の内部には、例えば、後述するヒータ93(図3参照)が設置されており、そのヒータ93は、例えば、ハロゲンランプなどである。加熱ローラ51の近傍には、例えば、その加熱ローラ51から離間されるように、後述するサーミスタ94(図3参照)が配置されている。このサーミスタ94は、例えば、加熱ローラ51の表面温度を測定する。
加圧ローラ52は、加熱ローラ51に対して圧接されており、トナー像を加圧する。この加圧ローラ52は、例えば、金属棒などである。金属棒は、例えば、アルミニウムなどの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
[搬送ローラ]
搬送ローラ61〜68のそれぞれは、媒体Mの搬送経路R1〜R5を介して互いに対向するように配置された一対のローラを含んでおり、送り出しローラ20により取り出された媒体Mを搬送させる。
媒体Mの片面だけに画像が形成される場合には、その媒体Mは、例えば、搬送ローラ61〜64により搬送経路R1,R2に沿って搬送される。また、媒体Mの両面に画像が形成される場合には、その媒体Mは、例えば、搬送ローラ61〜68により搬送経路R1〜R5に沿って搬送される。
[搬送路切り替えガイド]
搬送路切り替えガイド69,70は、媒体Mに形成される画像の様式(媒体Mの片面だけに画像が形成されるか、または媒体Mの両面に画像が形成されるか)などの条件に応じて、その媒体Mの搬送方向を切り替える。
[温度センサ]
温度センサ78は、後述する現像ローラ33の逆回転動作の要否を判断するために、画像形成装置の内部の温度(装置内温度T)を検出する。この温度センサ78は、例えば、温度計および熱電対などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
装置内温度Tは、後述するように、画像形成装置の内部において用いられているトナーの凝集状態を判定するために測定される。この「トナーの凝集状態」とは、例えば、トナーが熱的ダメージを受けると共にトナーが劣化することなどに起因して、そのトナーの一部が凝集しているか否かである。トナーが凝集する傾向は、例えば、トナーの粒径が小さくなると共にトナーの融点が低くなるほど顕著になる。
これに伴い、温度センサ78の位置は、装置内温度Tを測定可能である位置であれば、特に限定されない。具体的には、温度センサ78は、例えば、装置内温度Tとして、トナーが収納されている現像部30の温度を直接的に測定するために、その現像部30自体に設けられていてもよい。または、温度センサ78は、例えば、装置内温度Tとして、トナーが収納されている現像部30の温度を間接的に測定するために、その現像部30の周辺に配置されていてもよい。
ここでは、温度センサ78は、例えば、装置内温度Tとして、トナーが収納されている現像部30の温度を間接的に測定するために、中間転写ベルト41の近傍に配置されている。この場合には、温度センサ78は、例えば、装置内温度Tとして、転写部40(中間転写ベルト41)の温度を測定する。
<1−2.現像部の構成>
次に、現像部30の構成に関して説明する。
図2は、図1に示した現像部30(30K,30C,30M,30Y)の平面構成を拡大している。
現像部30K,30C,30M,30Yのそれぞれは、例えば、図2に示したように、筐体30Zの内部に、本発明の一実施形態の「像担持体」である感光体ドラム31と、帯電ローラ32と、本発明の一実施形態の「現像体担持体」である現像ローラ33と、供給ローラ34と、現像ブレード35と、クリーニングブレード36と、光源37と、現像シール38とを備えている。この筐体30Zには、例えば、カートリッジ39が着脱可能に装着されている。
[感光体ドラム]
感光体ドラム31は、例えば、円筒状の導電性支持体と、その導電性支持体の外周面を被覆する光導電層とを含む有機系感光体であり、後述するドラムモータ87(図3参照)の駆動源を介して回転可能である。導電性支持体は、例えば、アルミニウムなどの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含む金属パイプである。光導電層は、例えば、電荷発生層および電荷輸送層などを含む積層体である。感光体ドラム31の一部は、筐体30Zに設けられた開口部30ZK1から露出している。
この感光体ドラム31は、画像の形成時において回転可能である。感光体ドラム31の回転方向は、例えば、図1および図2から明らかなように、中間転写ベルト41の移動に応じて感光体ドラム31が回転する方向であり、より具体的には、反時計回りの回転方向である。
なお、感光体ドラム31を含む現像部30は、必要に応じて、上下に移動可能である。具体的には、現像部30は、例えば、画像の形成時において、感光体ドラム31が中間転写ベルト41に接触するまで下方に移動する。一方、現像部30は、例えば、画像の非形成時において、感光体ドラム31が中間転写ベルト41から離間されるように上方に移動する。
[帯電ローラ]
帯電ローラ32は、例えば、金属シャフトと、その金属シャフトの外周面を被覆する半導電性エピクロロヒドリンゴム層とを含んでいる。この帯電ローラ32は、感光体ドラム31を帯電させるために、その感光体ドラム31に対して圧接されている。
[現像ローラ]
現像ローラ33は、例えば、金属シャフトと、その金属シャフトの外周面を被覆する半導電性ウレタンゴム層とを含んでいる。この現像ローラ33は、供給ローラ34から供給されるトナーを担持すると共に、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。
この現像ローラ33は、画像の形成時において、所定の方向に回転可能である。この「所定の方向」とは、例えば、図1および図2から明らかなように、感光体ドラム31の回転に応じて現像ローラ33が回転する方向であり、より具体的には、時計回りの回転方向である。
特に、現像ローラ33は、必要に応じて、上記した所定の方向とは反対の方向に回転可能であり、いわゆる逆回転可能である。この「所定の方向とは反対の方向」とは、例えば、図1および図2から明らかなように、感光体ドラム31の回転に応じて現像ローラ33が回転する方向とは反対の方向であり、より具体的には、反時計回りの回転方向である。
[供給ローラ]
供給ローラ34は、例えば、金属シャフトと、その金属シャフトの外周面を被覆する半導電性発泡シリコンスポンジ層とを含んでおり、いわゆるスポンジローラである。この供給ローラ34は、現像ローラ33に摺接しながら、その現像ローラ33の表面にトナーを供給する。
[現像ブレード]
現像ブレード35は、現像ローラ33の表面に供給されたトナーの厚さを規制する。この現像ブレード35は、例えば、現像ローラ33から所定の距離を隔てた位置に配置されており、その現像ローラ33と現像ブレード35との間の距離(間隔)に基づいてトナーの厚さが制御される。また、現像ブレード35は、例えば、ステンレスなどの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
[クリーニングブレード]
クリーニングブレード36は、感光体ドラム31の表面に残留した不要なトナーなどを掻き取る。このクリーニングブレード36は、例えば、感光体ドラム31の延在方向と略平行な方向に延在しており、その感光体ドラム31に対して圧接されている。また、クリーニングブレード36は、例えば、ウレタンゴムなどの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
[光源]
光源37は、筐体30Zに設けられた開口部30ZK2を通じて感光体ドラム31の表面を露光することにより、その感光体ドラム31の表面に静電潜像を形成する露光装置である。この光源37は、例えば、発光ダイオード(LED)ヘッドなどであり、LED素子およびレンズアレイなどを含んでいる。LED素子およびレンズアレイは、そのLED素子から出力された光(照射光)が感光体ドラム31の表面において結像するように配置されている。
[現像シール]
現像シール38は、筐体30Zの内部に残存しているトナーが意図せずに開口部30ZK1などから外部に放出されることを防止するために、その筐体30Zの内部におけるトナーの移動経路を封止している。
具体的には、現像シール38は、例えば、一端部が現像ローラ33に当接されると共に他端部が筐体30Zに当接されるように配置されることにより、その現像ローラ33と筐体30Zとの間の隙間を封止している。
この現像シール38は、例えば、シート状であると共に、ウレタンゴムなどの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
[カートリッジ]
カートリッジ39は、トナーを収納している。カートリッジ39に収納されているトナーの種類(色)は、例えば、以下の通りである。
ここでは、例えば、4種類(4色)のトナーが用いられている。具体的には、現像部30Kのカートリッジ38は、例えば、ブラックトナーを収納している。現像部30Cのカートリッジ38は、例えば、シアントナーを収納している。現像部30Mのカートリッジ38は、例えば、マゼンタトナーを収納している。現像部30Yのカートリッジ38は、例えば、イエロートナーを収納している。
<1−3.ブロック構成>
次に、画像形成装置のブロック構成に関して説明する。
図3は、画像形成装置のブロック構成を表している。図3では、既に説明した画像形成装置の構成要素の一部を示している。
画像形成装置は、例えば、図3に示したように、画像形成制御部71と、インターフェース(I/F)制御部72と、受信メモリ73と、編集メモリ74と、パネル部75と、操作部76と、各種センサ77と、帯電電圧制御部79と、光源制御部80と、現像電圧制御部81と、供給電圧制御部82と、転写電圧制御部83と、ローラ駆動制御部84と、ドラム駆動制御部86と、移動制御部88と、ベルト駆動制御部90と、定着制御部92と、温度判定部96とを備えている。ローラ駆動制御部84は、本発明の一実施形態の「回転制御部」であると共に、画像形成制御部71、ローラ駆動制御部84および温度判定部96は、本発明の一実施形態の「制御部」である。
画像形成制御部71は、主に、画像形成装置の全体の動作を制御する。この画像形成制御部71は、例えば、中央演算処理装置(CPU)などの制御回路のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
インターフェース(I/F)制御部72は、主に、外部装置から画像形成装置に送信されたデータなどの情報を受信する。この外部装置は、例えば、画像形成装置のユーザが使用可能であるパーソナルコンピュータなどであり、その外部装置から画像形成装置に送信される情報は、例えば、画像形成するための画像データなどである。
受信メモリ73は、主に、画像形成装置において受信されたデータなどの情報を格納する。
編集メモリ74は、主に、画像データが編集処理されたデータ(編集画像データ)などを格納する。この編集画像データは、例えば、画像形成装置において画像を形成するために用いられる。この他、編集メモリ74は、画像形成装置の動作に必要なパラメータなどの情報を格納していてもよい。編集メモリ74に格納されている情報は、例えば、必要に応じて書き換え可能である。編集メモリ74に格納されている情報は、例えば、後述するガラス転移開始温度TGSなどである。このガラス転移開始温度TGSの詳細に関しては、後述する(図4〜図7参照)。
パネル部75は、主に、ユーザが画像形成装置を操作するために必要な情報を表示する表示パネルなどを含んでいる。この表示パネルの種類は、特に限定されないが、例えば、液晶パネルなどである。操作部76は、主に、画像形成装置の操作時においてユーザにより操作されるボタンなどを含んでいる。
各種センサ77は、主に、上記した温度センサ78などを含んでいる。ただし、各種センサ77の種類は、特に限定されないため、温度センサ78の他、湿度センサなどの他のセンサのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
帯電電圧制御部79は、主に、帯電ローラ32に印加される電圧などを制御する。光源制御部80は、主に、光源37の露光動作などを制御する。現像電圧制御部81は、主に、現像ローラ33に印加される電圧などを制御する。供給電圧制御部82は、主に、供給ローラ34に印加される電圧などを制御する。転写電圧制御部83は、主に、1次転写ローラ45などに印加される電圧などを制御する。
なお、図3では図示内容を簡略化しているが、画像形成装置は、例えば、現像部30K,30C,30M,30Yに対応する4個の帯電電圧制御部79を含んでいる。具体的には、例えば、現像部30Kに搭載されている帯電ローラ32の印加電圧を制御する帯電電圧制御部79と、現像部30Cに搭載されている帯電ローラ32の印加電圧を制御する帯電電圧制御部79と、現像部30Mに搭載されている帯電ローラ32の印加電圧を制御する帯電電圧制御部79と、現像部30Yに搭載されている帯電ローラ32の印加電圧を制御する帯電電圧制御部79とである。
ここで帯電電圧制御部79に関して説明したことは、例えば、光源制御部80、現像電圧制御部81、供給電圧制御部82および転写電圧制御部83のそれぞれに関しても同様である。すなわち、画像形成装置は、例えば、現像部30K,30C,30M,30Yに対応して、4個の光源制御部80と、4個の現像電圧制御部81と、4個の供給電圧制御部82と、4個の転写電圧制御部83とを含んでいる。
ローラ駆動制御部84は、主に、ローラモータ85を介して帯電ローラ32、現像ローラ33および供給ローラ34などの一連のローラの回転動作などを制御する。ドラム駆動制御部86は、主に、ドラムモータ87を介して感光体ドラム31の回転動作などを制御する。移動制御部88は、主に、移動モータ89を介して現像部30の移動動作などを制御する。ベルト駆動制御部90は、ベルトモータ91を介して中間転写ベルト41の移動動作などを制御する。定着制御部92は、主に、サーミスタ94により測定された温度に基づいてヒータ93の温度を制御すると共に、定着モータ95を介して加熱ローラ51および加圧ローラ52のそれぞれの回転動作などを制御する。
このローラ駆動制御部84は、特に、必要に応じて現像ローラ33を逆回転させる。具体的には、ローラ駆動制御部84は、温度判定部96により装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上であると判断された際に、その温度判定部96から逆回転信号が出力されると、その逆回転信号に応じてローラモータ85を介して現像ローラ33を逆回転させる。
帯電電圧制御部79に関して上記したことは、例えば、ローラ駆動制御部84、ドラム駆動制御部86および移動制御部88のそれぞれに関しても同様である。すなわち、画像形成装置は、例えば、4個のローラ駆動制御部84と、4個のドラム駆動制御部86と、4個の移動制御部88とを含んでいる。
温度判定部96は、温度センサ78により装置内温度Tが検出されると、その装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上であるか否かを判定する。装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上であると判定した場合、温度判定部96は、現像ローラ33を逆回転させるために、ローラ駆動制御部84に対して逆回転信号を出力する。
<1−4.ガラス転移開始温度の特定手順>
次に、ガラス転移開始温度TGSに関して説明する。
図4および図5のそれぞれは、トナーAに関するガラス転移開始温度TGSの特定手順を説明するために、そのトナーAを用いて測定されたDSC曲線の微分曲線(DDSC曲線D)を表している。また、図6および図7のそれぞれは、トナーBに関するガラス転移開始温度TGSの特定手順を説明するために、そのトナーBを用いて測定されたDSC曲線の微分曲線(DDSC曲線D)を表している。
ただし、図5では、図4に示したDDSC曲線Dの一部を拡大していると共に、図7では、図6に示したDDSC曲線Dの一部を拡大している。
ここで説明するトナーA,Bは、結着剤の種類が異なることに起因してガラス転移温度Tgが異なっていることを除いて、互いに同様の構成を有している。トナーA,Bのそれぞれの構成に関しては、後述する(実施例参照)。
ガラス転移開始温度TGSとは、上記したように、トナーのDDSC曲線D(横軸:温度(℃),縦軸:熱流微分値(μW/℃))に基づいてベースラインL1、ガラス転移開始判定ラインL2およびガラス転移開始判定接線Sを特定した際に、そのベースラインL1とガラス転移開始判定接線Sとの交点Bに対応する温度である。ただし、ベースラインL1は、熱量微分値がほぼ一定である初期のDDSC曲線Dに沿ったラインである。ガラス転移開始判定ラインL2は、ベースラインL1の熱流微分値の1.5倍に相当する熱流微分値のラインである。ガラス転移開始判定接線Sは、DDSC曲線Dとガラス転移開始判定ラインL2との交点AにおいてDDSC曲線Dに接する接線である。
トナーAに関するガラス転移開始温度TGSの特定手順は、以下の通りである。
最初に、DSC法を用いてトナーAを分析することにより、そのトナーAに関するDSC曲線を得る。このDSC曲線は、横軸に温度(℃)がプロットされると共に縦軸に熱流値(μW)がプロットされた曲線である。DSC曲線を得るために用いる分析装置の種類は、特に限定されないが、例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の示差走査熱量計 EXSTAR DSC6000などである。
DSC法を用いてトナーAを分析する場合には、例えば、10℃/分の昇温速度でトナーAの温度を20℃から200℃まで昇温させたのち、90℃/分の降温速度でトナーAの温度を200℃から0℃まで降温させる。続いて、例えば、60℃/分の昇温速度でトナーAの温度を0℃から20℃まで昇温させたのち、10℃/分の昇温速度でトナーAの温度を20℃から200℃まで昇温させる。上記したDSC曲線は、1回目の昇温過程において測定される。
続いて、縦軸の熱流値を微分することにより、図4に示したように、DDSC曲線Dを得る。このDDSC曲線Dは、横軸に温度(℃)がプロットされると共に縦軸に熱流微分値(μW/℃)がプロットされた曲線である。
図4に示したDDSC曲線Dでは、熱流微分値は、序盤では温度の上昇に応じて変化しないが、中盤以降では温度の上昇にしたがって緩やかに増加したのちに緩やかに減少している。
続いて、図5に示したように、図4に示したDDSC曲線Dの一部、具体的には熱流微分値が増加し始める箇所およびその近傍におけるDDSC曲線Dを拡大する。DDSC曲線Dのうちの拡大される範囲は、特に限定されない。ここでは、例えば、温度=40.00℃〜50.00℃であると共に熱流微分値=100.00μW/℃〜200.00μW/℃である範囲を拡大している。
続いて、DDSC曲線Dに基づいて、ベースラインL1を特定する。このベースラインL1は、上記したように、熱流微分値がほぼ一定である初期のDDSC曲線Dに沿ったラインであり、より具体的には、その初期のDDSC曲線Dを延長したラインである。具体的には、ベースラインL1の特定方法は、例えば、JIS K7121に準拠する。図5では、ベースラインL1を破線で示している。
続いて、ベースラインL1に基づいて、ガラス転移開始判定ラインL2を特定する。このガラス転移開始判定ラインL2は、上記したように、ベースラインL1の熱流微分値の1.5倍に相当する熱流微分値のラインである。ベースラインL1の熱流微分値の1.5倍となるようにガラス転移開始判定ラインL2の熱流微分値を設定しているのは、経験上、トナーAに関するDDSC曲線Dを複数回取得した際、複数のベースラインL1の熱流微分値の平均値とその平均値の標準偏差の3倍との和よりも、各ベースラインL1の熱流微分値を1.5倍した値の方が大きくなるからである。このため、平均値からのばらつき具合を表す指標であるシックスシグマの考え方から、ベースラインL1の熱流微分値の1.5倍となるようにガラス転移開始判定ラインL2の熱流微分値を設定することは、ガラス転移開始温度TGSを特定する上で有効であると考えられる。ここでは、例えば、ベースラインL1の熱流微分値=約130.00μW/℃であるため、ガラス転移開始判定ラインL2の熱流微分値=約195μW/℃である。図5では、ガラス転移開始判定ラインL2を破線で示している。
続いて、DDSC曲線Dおよびガラス転移開始判定ラインL2に基づいて、ガラス転移開始判定接線Sを引く。このガラス転移開始判定接線Sは、上記したように、DDSC曲線Dとガラス転移開始判定ラインL2との交点Aにおいて、そのDDSC曲線Dに接する接線である。図5では、ガラス転移開始判定接線Sを一点鎖線で示している。
最後に、ガラス転移開始判定接線SとベースラインL1との交点Bを特定したのち、その交点Bに対応する温度をガラス転移開始温度TGSとする。これにより、DDSC曲線Dに基づいてベースラインL1、ガラス転移開始判定ラインL2、交点A,Bおよびガラス転移開始判定接線Sが特定されるため、その交点Bに基づいてガラス転移開始温度TGSが特定される。
トナーAを用いた場合(図4および図5)のガラス転移開始温度TGSは、例えば、約46℃である。
このガラス転移開始温度TGSは、上記したように、トナーAに関するDDSC曲線Dから求められる温度(本発明に固有のパラメータ)であり、現像部30において用いられているトナーの凝集状態を判定するために装置内温度Tと比較される基準値(閾値)である。このガラス転移開始温度TGSは、上記したように、実際のトナーAのガラス転移温度Tgよりも低い温度である。
詳細には、ガラス転移開始温度TGSは、図4に示したDDSC曲線D中において熱流微分値が増加し始める温度の近傍の温度であることから明らかなように、装置内温度Tの上昇に応じてトナーAが凝集し始めると考えられる温度である。すなわち、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上になると、トナーAの状態が流動状態となるように変化し始めるため、そのトナーAが微視的に凝集(軟凝集)し始めたのち、巨視的にも凝集し始めることになる。このため、ガラス転移開始温度TGSは、トナーAが微視的に凝集し始める温度であると考えられる。よって、ガラス転移開始温度TGSは、トナーAの凝集に起因して画像の品質に影響が出ない温度の限界値(臨界値)であるため、そのトナーAの凝集に起因して画像の品質に影響が出ないようにするために装置内温度Tと比較される基準値(閾値)である。
上記したガラス転移開始温度TGSの特定手順は、トナーの種類が変更されても同様に適用可能である。
具体的には、トナーAに代えてトナーBを用いた場合においても、図6および図7に示したように、ガラス転移開始温度TGSを特定可能である。
トナーBに関するDDSC曲線Dでは、上記したトナーAのDDSC曲線Dとは異なり、図6に示したように、熱流微分値は、序盤では温度の上昇に応じて変化しないが、中盤以降では温度の上昇にしたがって急激に増加したのちに急激に減少している。
この場合においても、図7に示したように、DDSC曲線Dに基づいてベースラインL1、ガラス転移開始判定ラインL2、交点A,Bおよびガラス転移開始判定接線Sを特定することにより、その交点Bに基づいてガラス転移開始温度TGSを特定することができる。
トナーBを用いた場合(図6および図7)のガラス転移開始温度TGSは、例えば、約51℃である。
<1−5.トナーの構成>
次に、トナーの構成に関して説明する。
イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーのそれぞれは、例えば、一成分現像方式のトナーであり、より具体的には、負帯電のトナーである、
一成分現像方式とは、トナーに電荷を付与するためのキャリア(磁性粒子)を用いずに、そのトナー自身に適切な帯電量を付与する方式である。これに対して、二成分現像方式とは、上記したキャリアとトナーとを混合することにより、そのキャリアとトナーとの摩擦を利用してトナーに適切な帯電量を付与する方式である。
イエロートナーは、例えば、イエロー着色剤を含んでいる。ただし、イエロートナーは、イエロー着色剤と共に、他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
イエロー着色剤は、例えば、イエロー顔料およびイエロー染料(色素)などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。イエロー顔料は、例えば、ピグメントイエロー74などである。イエロー染料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー74およびカドミウムイエローなどである。
他の材料の種類は、特に限定されないが、例えば、結着剤、外添剤、離型剤および帯電制御剤などである。
結着剤は、主に、着色剤などを結着させる。この結着剤は、例えば、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂およびスチレン−ブタジエン系樹脂などの高分子化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
中でも、結着剤は、ポリエステル系樹脂を含んでいることが好ましい。ポリエステル系樹脂は、紙などの媒体Mに対して高い親和性を有するため、結着剤としてポリエステル系樹脂を含むトナーは、媒体Mに定着しやすくなるからである。また、ポリエステル系樹脂は、比較的分子量が小さい場合においても高い物理的強度を有するため、結着剤としてポリエステル系樹脂を含む現像剤は、優れた耐久性を有するからである。
ポリエステル系樹脂の結晶状態は、特に限定されない。このため、ポリエステル系樹脂は、結晶性ポリエステルでもよいし、非晶質ポリエステルでもよいし、双方でもよい。中でも、ポリエステル系樹脂の種類は、結晶性ポリエステルであることが好ましい。イエロートナーが媒体Mにより定着しやすくなると共に、そのイエロートナーの耐久性がより向上するからである。
このポリエステル系樹脂は、例えば、1または2以上のアルコールと1または2以上のカルボン酸との反応物(縮重合体)である。
アルコールの種類は、特に限定されないが、中でも、2価以上のアルコールおよびその誘導体などであることが好ましい。この2価以上のアルコールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド、ビスフェノールAプロピレンオキサイド、ソルビトールおよびグリセリンなどである。
カルボン酸の種類は、特に限定されないが、中でも、2価以上のカルボン酸およびその誘導体などであることが好ましい。この2価以上のカルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンジカルボン酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水マレイン酸およびドデセニル無水コハク酸などである。
外添剤は、主に、イエロートナー同士の凝集などを抑制することにより、そのイエロートナーの流動性を向上させる。この外添剤は、例えば、無機材料および有機材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。無機材料は、例えば、疎水性シリカなどである。有機材料は、例えば、メラミン樹脂などである。
離型剤は、主に、イエロートナーの定着性および耐オフセット性などを向上させる。この離型剤は、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、脂肪酸エステル系ワックス、脂肪酸エステル系ワックスの脱酸化物などのワックスのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この他、離型剤は、例えば、上記した一連のワックスのブロック共重合物などでもよい。
脂肪族炭化水素系ワックスは、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィンの共重合物、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスおよびフィッシャートロプシュワックスなどである。脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物は、例えば、酸化ポリエチレンワックスなどである。脂肪酸エステル系ワックスは、例えば、カルナバワックスおよびモンタン酸エステルワックスなどである。脂肪酸エステル系ワックスの脱酸化物は、その脂肪酸エステル系ワックスのうちの一部または全部が脱酸化されたワックスであり、例えば、脱酸カルナバワックスなどである。
帯電制御剤は、主に、イエロートナーの摩擦帯電性などを制御する。負帯電のトナーに用いられる帯電制御剤は、例えば、アゾ系錯体、サリチル酸系錯体およびカリックスアレン系錯体などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーのそれぞれは、例えば、着色剤の種類が異なることを除いて、上記したイエロートナーと同様の構成を有している。マゼンタ顔料は、例えば、キナクリドンなどである。シアン顔料は、例えば、フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 15:3)などである。ブラック顔料は、例えば、カーボンなどである。マゼンタ染料は、例えば、C.I.ピグメントレッド238などである。シアン染料は、例えば、ピグメントブルー15:3などである。ブラック染料は、例えば、カーボンブラックなどであり、そのカーボンブラックは、例えば、ファーネスブラックおよびチャンネルブラックなどである。
なお、トナーの製造方法は、特に限定されない。この製造方法は、例えば、粉砕法でもよいし、重合法でもよいし、それら以外の方法でもよい。もちろん、上記した製造方法のうちの2種類以上を併用してもよい。重合法は、例えば、溶解懸濁法などである。
<1−6.動作>
次に、画像形成装置の動作に関して説明する。
以下では、画像の形成動作に関して説明したのち、現像ローラ33の逆回転動作に関して説明する。
[画像の形成動作]
媒体Mの表面に画像を形成する場合には、画像形成装置は、例えば、以下で説明するように、現像処理、1次転写処理、2次転写処理および定着処理をこの順に行うと共に、必要に応じてクリーニング処理を行う。
(現像処理)
最初に、トレイ10に収納された媒体Mは、送り出しローラ20により取り出される。この送り出しローラ20により取り出された媒体Mは、搬送ローラ61,62により搬送経路R1に沿って矢印F1の方向に搬送される。
現像処理では、現像部30Kにおいて、感光体ドラム31が回転すると、帯電ローラ32が回転しながら感光体ドラム31の表面に直流電圧を印加する。これにより、感光体ドラム31の表面が均一に帯電する。
続いて、編集画像データに基づいて、光源37が感光体ドラム31の表面に光を照射する。これにより、感光体ドラム31の表面では、光の照射部分において表面電位が減衰(光減衰)するため、その感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。
一方、現像部30Kでは、カートリッジ39に収納されているブラックトナーが供給ローラ34に向けて放出される。
供給ローラ34に電圧が印加されたのち、その供給ローラ34が回転する。これにより、カートリッジ39から供給ローラ34の表面にブラックトナーが供給される。
現像ローラ33に電圧が印加されたのち、その現像ローラ33が供給ローラ34に対して圧接されながら回転する。これにより、供給ローラ34の表面に供給されたブラックトナーが現像ローラ33の表面に吸着するため、そのブラックトナーが現像ローラ33の回転を利用して搬送される。この場合には、現像ローラ33の表面に吸着されているブラックトナーの一部が現像ブレード35により除去されるため、その現像ローラ33の表面に吸着されたブラックトナーの厚さが均一化される。
現像ローラ33に対して圧接されながら感光体ドラム31が回転したのち、その現像ローラ33の表面に吸着されていたブラックトナーが感光体ドラム31の表面に移行する。これにより、感光体ドラム31の表面(静電潜像)にブラックトナーが付着するため、そのブラックトナーのトナー像が形成される。
(1次転写処理)
転写部40において、駆動ローラ42が回転すると、その駆動ローラ42の回転に応じて従動ローラ43およびバックアップローラ44が回転する。これにより、中間転写ベルト41が矢印F5の方向に移動する。
1次転写処理では、1次転写ローラ45Kに電圧が印加されている。この1次転写ローラ45Kは、中間転写ベルト41を介して感光体ドラム31に対して圧接されているため、上記した現像処理において形成されたブラックトナーのトナー像は、中間転写ベルト41の表面に転写される。
こののち、トナー像が転写された中間転写ベルト41は、引き続き矢印F5の方向に移動する。これにより、現像部30C,30M,30Yおよび1次転写ローラ45C,45M,45Yにおいて、上記した現像部30Kおよび1次転写ローラ45Kと同様の手順により現像処理および1次転写処理が行われる。よって、中間転写ベルト41の表面にシアントナー、マゼンタトナーおよびイエロートナーが転写されるため、シアントナーのトナー像、マゼンタトナーのトナー像およびイエロートナーのトナー像が形成される。
具体的には、現像部30Cおよび1次転写ローラ45Cにより、中間転写ベルト41の表面にシアントナーが転写されるため、そのシアントナーのトナー像が形成される。続いて、現像部30Mおよび1次転写ローラ45Mにより、中間転写ベルト41の表面にマゼンタトナーが転写されるため、そのマゼンタトナーのトナー像が形成される。続いて、現像部30Yおよび1次転写ローラ45Yにより、中間転写ベルト41の表面にイエロートナーが転写されるため、そのイエロートナーのトナー像が形成される。
もちろん、実際に現像部30C,30M,30Yおよび1次転写ローラ45C,45M,45Yのそれぞれにおいて現像処理および1次転写処理が行われるかどうかは、画像を形成するために必要な色(色の組み合わせ)に応じて決定される。
(2次転写処理)
搬送経路R1に沿って搬送される媒体Mは、バックアップローラ44と2次転写ローラ46との間を通過する。
2次転写処理では、2次転写ローラ46に電圧が印加されている。この2次転写ローラ46は、媒体Mを介してバックアップローラ44に対して圧接されるため、上記した1次転写処理において中間転写ベルト41に転写されたトナー像は、媒体Mに転写される。
(定着処理)
2次転写処理において媒体Mにトナー像が転写されたのち、その媒体Mは、引き続き搬送経路R1に沿って矢印F1の方向に搬送されるため、定着部50に投入される。
定着処理では、加熱ローラ51の表面温度が所定の温度となるように制御されている。加熱ローラ51に対して圧接されながら加圧ローラ52が回転すると、その加熱ローラ51と加圧ローラ52との間を通過するように媒体Mが搬送される。
これにより、媒体Mの表面に転写されたトナー像が加熱されるため、そのトナー像が溶融する。しかも、溶融状態であるトナー像が媒体Mに対して圧接されるため、そのトナー像が媒体Mに対して強固に付着する。
よって、編集画像データに応じて、媒体Mの表面のうちの特定の領域に特定のパターンとなるようにトナー像が定着するため、画像が形成される。
画像が形成された媒体Mは、搬送経路R2に沿って搬送ローラ63,64により矢印F2の方向に搬送される。これにより、媒体Mは、排出口1Hからスタッカ部2に排出される。
なお、媒体Mの搬送手順は、その媒体Mの表面に形成される画像の様式に応じて変更される。
例えば、媒体Mの両面に画像が形成される場合には、定着部50を通過した媒体Mは、搬送経路R3〜R5に沿って搬送ローラ65〜68により矢印F3,F4の方向に搬送されたのち、搬送経路R1に沿って搬送ローラ61,62により再び矢印F1の方向に搬送される。この場合において、媒体Mが搬送される方向は、搬送路切り替えガイド69,70により制御される。これにより、媒体Mの裏面(未だ画像が形成されていない面)において、現像処理、1次転写処理、2次転写処理および定着処理が行われる。
(クリーニング処理)
現像部30K,30C,30M,30Yのそれぞれでは、感光体ドラム31の表面に不要なトナーが残留する場合がある。この不要なトナーは、例えば、1次転写処理において用いられたトナーの一部であり、中間転写ベルト41に転写されずに感光体ドラム31の表面に残留したトナーなどである。
そこで、現像部30K,30C,30M,30Yのそれぞれでは、クリーニングブレード36に対して圧接されている状態において感光体ドラム31が回転するため、その感光体ドラム31の表面に残留しているトナーがクリーニングブレード36により掻き取られる。よって、感光体ドラム31の表面から不要なトナーが除去される。
また、転写部40では、1次転写処理において中間転写ベルト41の表面に移行したトナーの一部が2次転写処理において媒体Mの表面に移行されずに、その中間転写ベルト41の表面に残留する場合がある。
そこで、転写部40では、中間転写ベルト41が矢印F5の方向に移動する際に、その中間転写ベルト41の表面に残留したトナーがクリーニングブレード47により掻き取られる。よって、中間転写ベルト41の表面から不要なトナーが除去される。
これにより、画像の形成動作が完了する。
[現像ローラの逆回転動作]
画像形成装置は、上記した画像の形成動作を行いながら、以下で説明するように、必要に応じて現像ローラ33の逆回転動作を行う。
図8は、画像形成装置の動作を説明するための流れを表している。図8では、画像形成装置が現像ローラ33の逆回転動作を1回だけ行う場合の流れを示している。以下の説明では、随時、図1〜図7を参照する。
なお、以下で説明する括弧書きのステップ番号は、図8に示したステップ番号に対応している。
画像形成装置の使用前において、例えば、画像形成装置がガラス転移開始温度TGSに基づいて現像ローラ33の逆回転動作を行うことができるようにするために、トナーの種類(ガラス転移温度Tg)に応じて特定されたガラス転移開始温度TGSが編集メモリ74に格納されている。
すなわち、画像を形成するためにトナーAを用いる場合には、上記したガラス転移開始温度TGS=46℃が編集メモリ74に登録されている。また、画像を形成するためにトナーBを用いる場合には、上記したガラス転移開始温度TGS=51℃が編集メモリ74に登録されている。
現像処理、1次転写処理、2次転写処理および定着処理がこの順に行われることにより、媒体Mの表面に画像が形成されたのち(ステップS101)、温度センサ78は、装置内温度Tとして、中間転写ベルト41の近傍の温度を検出する(ステップS102)。
続いて、温度判定部96は、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上であるか否かを判定する(ステップS103)。画像形成装置が使用されておらず、または画像形成装置が間欠的に使用されているため、その画像形成装置が十分に冷却されている場合には、装置内温度Tは、ガラス転移開始温度TGSよりも低くなる傾向にある。これに対して、画像形成装置が継続的に使用され続けており、または画像形成装置が間欠的に使用されていても使用頻度が高くなると、現像処理を継続的に行っている現像部30が摩擦熱などに起因して発熱するため、装置内温度Tが上昇する傾向にある。
装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS未満である場合(ステップS103N)には、温度判定部96は、トナーが凝集し始める程度まで装置内温度Tが上昇していないため、そのトナーの凝集に起因して画像の品質が低下する可能性は低いと判断する。よって、温度判定部96は、ローラ駆動制御部84に対して逆回転信号を出力しない。この場合には、あらためて装置内温度Tの判定動作(ステップS103)を行うために、画像の形成処理(ステップS101)に回帰する。
一方、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上である場合(ステップS103Y)には、温度判定部96は、トナーが凝集する程度まで装置内温度Tが上昇しているため、そのトナーの凝集に起因して画像の品質が低下する可能性は高いと判断する。よって、温度判定部96は、ローラ駆動制御部84に対して逆回転信号を出力する。
最後に、ローラ駆動制御部84は、画像の形成動作が完了したのち、次の画像の形成動作が行われる前に、逆回転信号に応じて現像ローラ33を逆回転させる(ステップS104)。すなわち、図1および図2を参照すると、ローラ駆動制御部84は、画像の形成時には、感光体ドラム31の回転に応じて現像ローラ33を時計回りに回転させるのに対して、現像ローラ33の逆回転時には、その現像ローラ33を反時計回りに回転させる。
現像ローラ33の逆回転時における回転速度(線速度)、回転角度および回転時間などの条件は、任意に設定可能である。
現像ローラ33の逆回転動作により、その現像ローラ33は、感光体ドラム31に対して圧接されながら、画像の形成時における回転方向とは反対の方向に回転する。これにより、トナーが熱的ダメージを受けると共にトナーが劣化することなどに起因して感光体ドラム31と現像ローラ33との間およびその近傍にトナーの凝集物が存在していても、その凝集物が感光体ドラム31から除去される。
このように現像ローラ33の逆回転動作に応じて凝集物が脱落しやすくなることは、感光体ドラム31とクリーニングブレード36との間およびその近傍に存在する凝集物に関しても同様である。
しかも、装置内温度Tが十分に上昇していないため、巨視的な凝集物が発生する程度まで凝集物の成長過程が進行していなくても、現像ローラ33の逆回転動作に応じて微視的な凝集物が除去されるため、その凝集物の成長自体が予防される。
よって、現像ローラ33の逆回転後における画像の形成時には、感光体ドラム31の表面に凝集物が存在しにくくなるため、その凝集物の存在に起因して画像中に縦白筋(色抜け)が発生することは抑制される。
これにより、現像ローラ33の逆回転動作が完了する。
<1−7.作用および効果>
この画像形成装置では、トナーに関するDDSC曲線Dに基づいてガラス転移開始温度TGSを特定しておき、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上であるときに現像ローラ33を逆回転させているので、以下の理由により、高品質な画像を安定して得ることができる。
トナーの凝集物の存在に起因して画像中に縦白筋が発生することを抑制するために、上記した背景技術において説明したように、画像の形成動作の完了時(現像動作の終了時)ごとに感光体ドラム31を逆回転させることが提案されている。この場合には、縦白筋の発生要因となる凝集物が意図せずに発生しても、その凝集物が感光体ドラム31の逆回転動作を利用して除去されるため、高品質な画像が得られる。
しかしながら、画像の形成動作の完了時ごとに感光体ドラム31を逆回転させると、その感光体ドラム31を逆回転させる回数が著しく多くなる。この場合には、感光体ドラム31の本来の回転動作とは異なる異例の動作(逆回転動作)を行う回数が多くなるため、その感光体ドラム31に対して圧接されている現像ローラ33およびクリーニングブレード36のそれぞれの圧接状態が変動しやすくなる。この圧接状態が変動すると、現像ローラ33の表面から感光体ドラム31の表面にトナーが移行しにくくなると共に、クリーニングブレード36が感光体ドラム31の表面を掻き取りにくくなるため、画像中において濃度むらが発生しやすくなると共に、異物などの他の要因に起因した縦白筋が画像中に発生しやすくなる。それどころか、感光体ドラム31を逆回転させる回数が過剰に多くなると、その感光体ドラム31が破損しやすくなると共に、現像ローラ33およびクリーニングブレード36も破損しやすくなる。感光体ドラム31などが破損すると、当然ながら、正常に画像を形成することが困難になる。
しかも、感光体ドラム31が逆回転する場合には、その感光体ドラム31に対して圧接されている現像ローラ33も連動して逆回転するため、その現像ローラ33に当接されている現像シール38が逆回転時ごとに撓んでは元の状態に戻るように変形を繰り返す。この場合には、感光体ドラム31を逆回転させる回数が多くなると、度重なる変形に起因して現像シール38が疲労するため、その現像シール38が伸びやすくなると共に、場合によっては破断しやすくなる。これにより、現像シール38が現像ローラ33と筐体30Zとの間の隙間を封止しにくくなると、いわゆるトナー漏れが発生するため、そのトナーが意図せずに開口部30ZK1を通じて外部に放出されやすくなる。トナーが外部に放出されると、中間転写ベルト41の表面に多量の不要なトナーが直接供給されるため、正常に画像を形成することが困難になる。
これらのことから、画像の形成動作の完了時ごとに感光体ドラム31を逆回転させる場合には、トナーの凝集物の存在に起因する縦白筋が発生することを抑制できる。しかしながら、異物などの他の原因に起因して縦白筋が発生する可能性があると共に、感光体ドラム31などの破損および不要なトナーの供給などに起因してそもそも正常に画像を形成することが困難になる可能性がある。よって、高品質な画像を安定して得ることが困難である。
これに対して、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上であるときに現像ローラ33を逆回転させる場合には、その装置内温度Tが所定の条件(ガラス転移開始温度TGS以上)を満たした場合だけにおいて現像ローラ33が逆回転する。このため、現像ローラ33を逆回転させる回数は、画像の形成動作の完了時ごとに感光体ドラム31を逆回転させる場合と比較して、著しく少なくなる。これにより、現像ローラ33に対する感光体ドラム31および現像ブレード35のそれぞれの圧接状態が変動しにくくなるため、画像中において濃度むらが発生しにくくなると共に、異物などの他の要因に起因した縦白筋が画像中に発生しにくくなる。この場合には、もちろん、現像ローラ33が破損しにくくなると共に、感光体ドラム31および現像ブレード35も破損しにくくなるため、正常に画像を形成しやすくなる。
また、現像ローラ33を逆回転させる回数が少なくなると、現像シール38が疲労しにくくなる。これにより、現像シール38が現像ローラ33と筐体30Zとの間の隙間を封止している状態は維持されやすくなるため、トナー漏れが発生しにくくなる。よって、中間転写ベルト41の表面に多量の不要なトナーが直接供給されにくくなるため、正常に画像を形成しやすくなる。
しかも、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上になった際、すなわちトナーの状態が微視的な凝集物が発生し始める状態に至った際に初めて現像ローラ33が逆回転するため、実際に凝集物が発生する可能性がある適切な状態において、その凝集物を除去するために現像ローラ33の逆回転動作が行われる。この場合には、単に現像ローラ33を逆回転させる回数が少なくなるだけではなく、凝集物を除去できると共に凝集物の発生を予防できる適切なタイミングにおいて現像ローラ33を逆回転させながら、その現像ローラ33を逆回転させる回数が少なくなる。これにより、正常に画像を形成できることを担保しながら、現像ローラ33を逆回転させる回数が十分に抑えられる。
これらのことから、装置内温度Tとガラス転移開始温度TGSとの比較結果に応じて現像ローラ33を逆回転させる場合には、その現像ローラ33などの破損および不要なトナーの供給などに起因して正常に画像を形成することが困難になることを抑制することにより、正常に画像を形成できることを担保しながら、凝集物および異物などの存在に起因して縦白筋が発生することを抑制できる。よって、高品質な画像を安定して得ることができる。
<2.変形例>
画像形成装置の構成および動作は、以下で説明するように、適宜変更可能である。
[変形例1]
例えば、装置内温度Tとして、転写部41(中間転写ベルト41)の温度)を検出しているが、温度センサ78の設置場所は、任意に変更可能である。
具体的には、例えば、図2に対応する図9〜図12に示したように、温度センサ78の設置場所を変更してもよい。この場合には、例えば、図9に示したように、感光体ドラム31の近傍に温度センサ78を設置することにより、装置内温度Tとして、その感光体ドラム31の温度を検出してもよい。例えば、図10に示したように、現像ローラ33の近傍に温度センサ78を設置することにより、装置内温度Tとして、その現像ローラ33の温度を検出してもよい。例えば、図11に示したように、現像ブレード35の近傍に温度センサ78を設置することにより、装置内温度Tとして、その現像ブレード35の温度を検出してもよい。例えば、図12に示したように、筐体30Zの内部に設けられた空間に温度センサ78を設置することにより、装置内温度Tとして、その空間の温度を検出してもよい。中でも、画像の品質(縦白筋の発生状況)がトナーの凝集状態に依存するところ、現像ローラ33の近傍の温度はトナーの凝集状態に大きな影響を与えるため、温度センサ78の設置場所は、できるだけ現像ローラ33に近い場所であることが好ましい。
これらの場合においても、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上であるときに感光体ドラム31を逆回転させることが可能であるため、同様の効果を得ることができる。
[変形例2]
また、例えば、現像ローラ33を逆回転させる際に、装置内温度Tとガラス転移開始温度TGSとの比較動作に加えて、画像(トナー像)が形成された回数Fの判定動作を行ってもよい。
図13は、画像形成装置の構成に関する変形例を表しており、図3に対応するブロック構成を示している。図14は、図13に示した画像形成装置の動作を説明するために、図8に対応する動作の流れを示している。
ここで説明する画像形成装置の構成は、例えば、図13に示したように、以下で説明することを除いて、上記実施形態の画像形成装置の構成(図3参照)と同様である。具体的には、画像形成装置は、例えば、さらに、回数計測部97と、回数判定部98とを備えている。この場合において、画像形成制御部71、ローラ駆動制御部84、温度判定部96、回数計測部97および回数判定部98は、本発明の一実施形態の「制御部」である。
回数計測部97は、主に、トナー像が形成された回数Fを計測する。この回数計測部97が回数Fを計測し始めるタイミングは、特に限定されないが、例えば、画像形成装置の電源投入直後および感光体ドラム31の逆回転動作の完了後などである。これらのタイミングでは、例えば、後述するように、回数Fがリセットされるため、回数計測部97があらためて回数Fの計測を開始する。
回数判定部98は、主に、回数計測部97によりカウントされた回数Fに基づいて、その回数Fが目標回数FSに到達したか否かを判定する。この目標回数FSは、特に限定されないが、例えば、40回である。この回数判定部98は、例えば、回数Fが目標回数FSに到達したと判定した際に、ローラ駆動制御部84による現像ローラ33の逆回転動作を許可するために、そのローラ駆動制御部84に許可信号を出力する。
この画像形成装置の動作は、例えば、図14に示したように、以下で説明することを除いて、上記実施形態の画像形成装置の動作(図8参照)と同様である。
具体的には、画像形成装置の使用前において、例えば、その画像形成装置が回数Fに応じて現像ローラ33の逆回転動作を行うことができるようにするために、ガラス転移開始温度TGSと共に目標回数FSが編集メモリ74に格納されている。
現像ローラ33の逆回転動作を行う場合には、画像の形成動作(現像処理、1次転写処理、2次転写処理および定着処理)が行われることにより、媒体Mの表面に画像が形成されたのち(ステップS201)、回数計測部97は、トナー像が形成された回数Fを計測する(ステップS202)。
続いて、回数判定部98は、回数Fが目標回数FSに到達したか否かを判定する(ステップS203)。回数Fが目標回数FSに到達していない場合(ステップS203N)には、画像の形成処理(ステップS201)に回帰する。一方、回数Fが目標回数FSに到達している場合(ステップS203Y)には、上記した現像ローラ33の逆回転動作に関する処理(図8参照)を行う。
具体的には、温度センサ78が装置内温度Tを検出したのち(ステップS204)、温度判定部96は、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上であるか否かを判定する(ステップS205)。装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS未満である場合(ステップS205N)には、画像の形成処理(ステップS201)に回帰する。一方、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上である場合(ステップS205Y)には、ローラ駆動制御部84が逆回転信号に応じて現像ローラ33を逆回転させる(ステップS206)。これにより、回数Fを加味した現像ローラ33の逆回転動作が完了する。
この場合には、回数Fが目標回数FSに到達してから現像ローラ33の逆回転動作が行われるため、その現像ローラ33を逆回転させる回数がより少なくなる。よって、現像ローラ33などがより破損しにくくなると共に、現像シール38がより疲労しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
[変形例3]
また、例えば、図4〜図7を参照しながら説明したように、交点Bに対応する温度(以下、「交点温度」という。)をガラス転移開始温度TGSとしたが、その交点温度に対してガラス転移開始温度TGSを意図的にずらしてもよい。
この場合には、交点温度よりもガラス転移開始温度TGSを高くしてもよいし、その交点温度よりもガラス転移開始温度TGSを低くしてもよいが、中でも、交点温度よりもガラス転移開始温度TGSを低くすることが好ましい。交点温度よりも高い温度領域では、上記したように、トナーが微視的に凝集しやすくなるため、トナーの凝集に起因して画像中に縦白筋が発生することを抑制するためには、交点温度よりも低くなるようにガラス転移開始温度TGSを設定することが好ましいからである。すなわち、交点温度よりも低くなるようにガラス転移開始温度TGSを設定することにより、トナーが微視的に凝集しにくい温度領域において現像ローラ33の逆回転動作が行われるため、トナーの凝集に起因して画像中に縦白筋が発生することをより防止することができる。
ただし、交点温度よりも低くなるようにガラス転移開始温度TGSを設定する場合には、そのガラス転移開始温度TGSを低くしすぎると、現像ローラ33を逆回転させる回数が多くなる可能性がある。よって、交点温度よりも低くなるようにガラス転移開始温度TGSを設定する場合には、例えば、交点温度−1℃となるようにガラス転移開始温度TGSを設定することが好ましく、交点温度−0.5℃となるようにガラス転移開始温度TGSを設定することがより好ましく、交点温度−0.1℃となるようにガラス転移開始温度TGSを設定することがさらに好ましい。現像ローラ33が逆回転される回数を少なく抑えながら、トナーの凝集に起因する縦白筋の発生が抑制されるからである。
[変形例4]
図3および図13のそれぞれに示した場合には、現像ローラ33の逆回転動作を行うために、画像形成制御部71と共にローラ駆動制御部84および温度判定部96を用いた。
しかしながら、ローラ駆動制御部84を用いずに、画像形成制御部71がローラ駆動制御部84の機能を兼ねるようにしてもよい。また、温度判定部96を用いずに、画像形成制御部71が温度判定部96の機能を兼ねるようにしてもよい。また、ローラ駆動制御部84および温度判定部96のそれぞれを用いずに、画像形成制御部71がローラ駆動制御部84および温度判定部96のそれぞれの機能を兼ねるようにしてもよい。これらの場合においても、同様の効果を得ることができる。
図13に示した場合には、現像ローラ33の逆回転動作を行うために、画像形成制御部71と共に回数計測部97および回数判定部98を用いた。
しかしながら、回数計測部97を用いずに、画像形成制御部71が回数計測部97の機能を兼ねるようにしてもよい。また、回数判定部98を用いずに、画像形成制御部71が回数判定部98の機能を兼ねるようにしてもよい。また、回数計測部97および回数判定部98のそれぞれを用いずに、画像形成制御部71が回数計測部97および回数判定部98のそれぞれの機能を兼ねるようにしてもよい。これらの場合においても、同様の効果を得ることができる。
本発明の実施例に関して、詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
(実験例1−1〜1−20)
装置内温度T(中間転写ベルト41の温度)を変化させながら、その装置内温度Tおよびガラス転移開始温度TGSに基づく現像ローラ33の逆回転動作を行うことにより、トナーA(ブラックトナー)を用いて媒体の表面に画像を形成したのち、その画像の品質を調べた。
装置内温度Tに関する詳細は、表1に示した通りである。すなわち、40℃〜52℃の範囲内において装置内温度Tを変化させた。トナーAに関するガラス転移開始温度TGSは、上記したように、46℃である。
トナーAの組成は、以下の通りである。

ブラック着色剤:ブラック顔料(キャボット株式会社製のMOGUL−L) 4質量部
結着剤:非晶質ポリエステル(花王株式会社製のOCR−40) 70質量部、非晶質ポリエステル(花王株式会社製のOCR−4) 20質量部および結晶性ポリエステル(花王株式会社製のOCR−13) 10質量部
外添剤:疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製のR972) 2.5質量部および疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製のRY−50) 2質量部
離型剤:株式会社加藤洋行製のカルナウバワックス1号 3質量部
帯電制御剤:オリエント化学工業株式会社製のボントロンE−84 0.2質量部
画像を形成する場合には、画像形成装置として、株式会社沖データ製のカラープリンタMC863を用いると共に、媒体として、株式会社沖データ製のカラープリンタ用紙 エクセレントホワイトA4を用いた。この場合には、高温高湿条件(温度=28℃、湿度=80%)の環境中において画像形成装置を12時間放置したのち、その画像形成装置を用いて画像を連続形成した。画像の印画方向は、媒体の長手方向とすると共に、画像の種類は、ベタ画像(印字率=100%)とした。現像ローラ33の逆回転動作に関する条件は、線速度=150mm/s、回転時間=40msとした。
画像の品質を調べる場合には、画像を目視で確認することにより、その画像の品質(画質)を評価したところ、表1に示した結果が得られた。この場合には、画像中に縦白筋が発生していない場合を「A」と評価すると共に、画像中に縦白筋が発生している場合を「C」と評価した。
なお、比較のために、現像ローラ33の逆回転動作を行わなかったことを除いて同様の手順により、媒体の表面に画像を形成すると共に、その画像の品質を評価した。
Figure 2018017763
現像ローラ33の逆回転動作を行わなかった場合(実験例1−1〜1−10)には、装置内温度Tが45℃以下であると、画像中に縦白筋が発生しなかったが、装置内温度Tが46℃以上になると、画像中に縦白筋が発生した。
これに対して、現像ローラ33の逆回転動作を行った場合(実験例1−11〜1−20)には、装置内温度Tが46℃以上になっても画像中に縦白筋が発生しなかった。もちろん、装置内温度Tが45℃以下である場合には、画像中に縦白筋が発生しなかった。
この現像ローラ33の逆回転動作の有無に応じて縦白筋の発生の有無に差異が生じる温度の閾値(45℃〜46℃)は、トナーAに関するガラス転移開始温度TGS(=46℃)にほぼ対応している。よって、トナーAを用いた場合において、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上になった際に現像ローラ33を逆回転させることにより、その現像ローラ33が逆回転される回数を少なく抑えながら、画像中に縦白筋が発生することを効果的に抑制することができた。
(実験例2−1〜2−20)
トナーAに代えてトナーB(ブラックトナー)を用いたことを除いて実験例1−1〜1−10と同様の手順により、媒体の表面に画像を形成すると共に、その画像の品質を調べたところ、表2に示した結果が得られた。トナーBに関するガラス転移開始温度TGSは、上記したように、51℃である。
トナーBの組成は、結着剤が結晶性ポリエステル(花王株式会社製のOCR−13)を含んでいないことを除いて、上記したトナーAの組成と同様である。
Figure 2018017763
トナーBを用いた場合(表2)においても、トナーAを用いた場合(表1)と同様の傾向が得られた。
具体的には、現像ローラ33の逆回転動作を行わなかった場合(実験例2−1〜2−10)には、装置内温度Tが49℃以下であると、画像中に縦白筋が発生しなかったが、装置内温度Tが51℃以上になると、画像中に縦白筋が発生した。
これに対して、現像ローラ33の逆回転動作を行った場合(実験例2−11〜2−20)には、装置内温度Tが51℃以上になっても画像中に縦白筋が発生しなかった。もちろん、装置内温度Tが49℃以下である場合には、画像中に縦白筋が発生しなかった。
この場合においても、現像ローラ33の逆回転動作の有無に応じて縦白筋の発生の有無に差異が生じる温度の閾値(49℃〜51℃)は、トナーBに関するガラス転移開始温度TGS(=51℃)にほぼ対応している。よって、トナーBを用いた場合において、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上になった際に現像ローラ33を逆回転させることにより、その現像ローラ33が逆回転される回数を少なく抑えながら、画像中に縦白筋が発生することを効果的に抑制することができた。
表1および表2に示した結果から、装置内温度Tがガラス転移開始温度TGS以上になった際に現像ローラ33を逆回転させることにより、その現像ローラ33が逆回転される回数を少なく抑えながら、画像中に縦白筋が発生することを効果的に抑制できた。よって、高品質な画像を安定して得ることができた。
以上、一実施形態を挙げながら本発明を説明したが、本発明は上記した一実施形態において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。
具体的には、例えば、本発明の一実施形態の画像形成装置の画像形成方式は、中間転写ベルトを用いた中間転写方式に限られず、他の画像形成方式でもよい。他の画像形成方式は、例えば、中間転写ベルトを用いない画像形成方式などである。中間転写ベルトを用いない画像形成方式では、潜像に付着されたトナーが媒体に対して中間転写ベルトを介して間接的に転写されず、その潜像に付着されたトナーが媒体に対して直接的に転写される。
また、例えば、本発明の一実施形態の画像形成装置は、プリンタに限られず、複写機、ファクシミリおよび複合機などでもよい。
30…現像部、31…感光体ドラム、40…転写部、50…定着部、78…温度センサ、84…ローラ駆動制御部、96…温度判定部、97…回数計測部、98…回数判定部、A,B…交点、D…DDSC曲線、L1…ベースライン、L2…ガラス転移開始判定ライン、M…媒体、S…ガラス転移開始判定接線、T…温度、TGS…ガラス転移開始温度。

Claims (8)

  1. 像担持体と、所定の方向に回転すると共に前記像担持体の表面に形成された潜像にトナーを付着させる現像剤担持体とを含み、前記像担持体の表面にトナー像を形成する画像形成ユニットと、
    前記画像形成ユニットにより形成された前記トナー像を媒体に転写させる転写部と、
    前記転写部により転写された前記トナー像を前記媒体に定着させる定着部と、
    装置内温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出された前記装置内温度が下記で説明されるガラス転移開始温度以上であるとき、前記所定の方向とは反対の方向に前記現像剤担持体を回転させる制御部と
    を備えた、画像形成装置。
    <ガラス転移開始温度>
    ガラス転移開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)法を用いて測定されたトナーのDSC曲線の微分曲線(横軸:温度(℃),縦軸:熱流微分値(μW/℃))を得ると共に、その微分曲線に基づいてベースライン、ガラス転移開始判定ラインおよびガラス転移開始判定接線を特定した際に、そのベースラインとガラス転移開始判定接線との交点に対応する温度である。ただし、ベースラインは、熱量微分値がほぼ一定である初期の微分曲線に沿ったラインである。ガラス転移開始判定ラインは、ベースラインの熱流微分値の1.5倍に相当する熱流微分値のラインである。ガラス転移開始判定接線は、微分曲線とガラス転移開始判定ラインとの交点において微分曲線に接する接線である。
  2. 前記制御部は、前記装置内温度が前記ガラス転移開始温度以上であるか否かを判定する温度判定部を含む、
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記所定の方向とは反対の方向に前記現像剤担持体を回転させる回転制御部を含む、
    請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記装置内温度は、前記転写部の温度である、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記装置内温度は、前記現像剤担持体の温度である、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記装置内温度は、前記像担持体の温度である、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記装置内温度は、前記画像形成ユニットの内部の温度である、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記トナー像が形成された回数を計測し、その回数が目標回数に到達したとき、前記所定の方向とは反対の方向に前記現像剤担持体を回転させる、
    請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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