JP2018017582A - オゾン水濃度測定装置 - Google Patents

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英子 松川
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Yoshiyuki Nishimura
喜之 西村
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Katsuhiko Ishigaki
勝彦 石垣
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Kazuo Nakamura
一男 中村
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Masako Sano
昌子 佐野
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Abstract

【課題】センサー出力の低下をより十分に防止できるとともに、装置構成が比較的簡易で、かつ測定結果に個人差が生じないオゾン水濃度測定装置を提供すること。
【解決手段】オゾン水を保有するオゾン水保有容器31、オゾン水のオゾン濃度を検出するオゾン水濃度センサー321が組み込まれた測定セル32、および前記オゾン水保有容器と前記測定セルとを連通し、前記測定セルにオゾン水を供給する接続パイプ33を具備する、オゾン水濃度測定装置30。
【選択図】図1

Description

本発明は、オゾンが溶存した水中のオゾン濃度を測定するためのオゾン水濃度測定装置に関する。
オゾン水は、その殺菌性および脱臭性、さらに細胞に与える活性などの、多くの分野に寄与する特性が認められている。さらに水に溶解したオゾンは呼吸器への影響がないことから、オゾン水は、産業用を初め、医療および介護などの分野で広く利用されている。しかしながら、オゾン水の濃度は短時間で減衰することから、使用する現場においての濃度の指示と確認が強く要求されている。
従来、オゾン水の濃度検量法としては、ヨウ化カリウム等の検定薬の色変化を見る滴定法が正規の測定法であった。このような検量法は薬品および精密なピペットを必要とし、実験室等では利用することはできるが、一般のオゾン水利用現場では煩雑で実用的ではなかった。上記検量法を機械化した電量測定法が実用化されており、濃度測定値をデジタル表示する測定法が提案されている。このような測定法も、ヨウ化カリウム液等の試薬を必要とし、また予め分配された量のオゾン水の測定を行う回分測定方式である。その他インジゴ等の色素を使用した変色試薬法も提案されているが、同様に試薬を必要とした回分測定方式であること、オゾン濃度の測定に時間を要し、オゾン水の使用現場での利用には不向きであることに変わりはない。また、オゾン水中にエアーをバブリングして脱気したオゾンを検知管で測定する方法も提案されているが、消耗品として検知測定管が必要である。いずれの方法も回分測定方式であり、連続的に供給されるオゾン水の測定を行う連続測定方式には対応できない。
別法として、イオン化傾向の異なる一対の電極を用いる電極方式が知られている。このような電極方式の中でも、装置構造が比較的簡易であることから、電極をオゾン水中に直接的に浸漬して測定する裸電極方式が注目されている。しかしながら、単に浸漬するだけのこの方式では電極表面でオゾンが還元され濃度が低下しても、新たなオゾン水の供給がないため、電極表面のオゾン濃度が低下し、いわゆる分極が起こり、センサー出力の低下が問題となっていた。センサー出力が低下すると、再現性が悪くなったり、測定値にバラツキが生じたりして、オゾン濃度を精度よく測定できない。
そこで、裸電極方式のオゾン水濃度測定装置において、電極を運動させながら測定を行う技術(特許文献1)、および装置のセンサー部をオゾン水に漬けた状態で手振りして測定を行う技術(特許文献2)が開示されている。
特開平8−304334号公報 特開2005−134135号公報
本発明の発明者等は以下の課題を見出した:
(1)特許文献1の技術では、電極を運動させる駆動部が必要であるため、装置構成が複雑であった;当該技術はまた、回分測定方式に属する技術であり、連続測定方式には対応できなかった。
(2)特許文献2の技術では、測定操作において人による手振りが必要であり、その振る速度により測定結果が影響されるため、測定結果に個人差が生じるという欠点があった。
本発明は、センサー出力の低下をより十分に防止できるとともに、装置構成が比較的簡易で、かつ測定結果に個人差が生じないオゾン水濃度測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、
オゾン水を保有するオゾン水保有容器、
オゾン水のオゾン濃度を検出するオゾン水濃度センサーが組み込まれた測定セル、および
前記オゾン水保有容器と前記測定セルとを連通し、前記測定セルにオゾン水を供給する接続パイプを具備する、オゾン水濃度測定装置に関する。
本発明のオゾン水濃度測定装置は、センサー出力の低下をより十分に防止できるとともに、装置構成が比較的簡易で、かつ測定結果に個人差を生じさせない。
本発明のオゾン水濃度測定装置によれば、回分測定方式でも連続測定方式でもオゾン濃度を再現性よく測定することができる。
本発明の第1実施態様に係るオゾン水濃度測定装置の概略断面図である。 本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度測定装置の概略断面図である。 本発明の第3実施態様に係るオゾン水濃度測定装置の概略断面図である。 本発明の第3実施態様に係るオゾン水濃度測定装置の概略断面図である。 本発明の第4実施態様に係るオゾン水濃度測定装置の概略断面図である。 本発明の第1実施態様に係るオゾン水濃度センサー(検出電極露出型構造)の概略斜視図である。 本発明の第1実施態様に係るオゾン水濃度センサー(検出電極露出型構造)の概略側面図および一部拡大図である。 本発明の第1実施態様に係るオゾン水濃度センサー(検出電極露出型構造)の使用状態を示す概略断面図である。 本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度センサー(検出電極露出型構造)の概略斜視図である。 本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度センサー(検出電極露出型構造)の概略側面図である。 本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度センサー(検出電極露出型構造)の概略正面図である。 本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度センサー(検出電極露出型構造)の使用状態を示す概略断面図である。 本発明の第3実施態様に係るオゾン水濃度センサー(比較電極露出型構造)の概略斜視図である。 実施例で測定されたセンサー出力と水温との関係を示すグラフである。 実施例で測定されたセンサー出力とオゾン水濃度との関係を示すグラフである。 実施例で測定されたセンサー出力とオゾン水濃度とオゾン水量との関係を示すグラフである。
[オゾン水濃度測定装置]
本発明のオゾン水濃度測定装置は、オゾン水中のオゾン濃度を測定するための装置である。本発明のオゾン水濃度測定装置は少なくとも、オゾン水を保有するオゾン水保有容器、オゾン水のオゾン濃度を検出するオゾン水濃度センサーが組み込まれた測定セル、およびオゾン水保有容器と測定セルとを連通し、測定セルにオゾン水を供給する接続パイプを具備する。本発明のオゾン水濃度測定装置は、オゾン水濃度センサーとともに、オゾン水保有容器および接続パイプを有し、オゾン水はオゾン水保有容器内に一旦、保有された後、接続パイプを経て測定セルに誘導および供給される。このため、オゾン水は一定流量の水流の形態で測定セル内のオゾン水濃度センサーと接触する。これにより、測定結果に影響を与えるような手振り等の人為的な操作なしに、オゾン水の水流により、電極表面でのいわゆる分極の発生が防止される。その結果、測定結果に個人差が生じることなく、比較的簡易な構成で、センサー出力の低下を十分に防止することができ、オゾン水濃度を精度よく測定することができる。オゾン水濃度測定装置がオゾン水保有容器または接続パイプの少なくとも一方を有さない場合、センサーを動かして、オゾン水の流動状況を人的、機械的につくる必要が生じる。また濃度測定装置が高額であったり、かつ/または測定結果に個人差が生じたりする。
以下、本発明のオゾン濃度測定装置について、幾つかの実施態様により図面を用いて詳しく説明するが、図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観および寸法比などは実物と異なり得る。特記しない限り、同じ符号または記号は、同じ部材または同じ意味内容を示すものとする。
(第1実施態様)
本実施態様のオゾン水濃度測定装置30は、例えば図1に示すように、少なくともオゾン水保有容器31、測定セル32および接続パイプ33を具備し、通常はさらに、オゾン濃度検出基板34、流量調整デバイス35および筐体36を含む。図1は本発明の第1実施態様に係るオゾン水濃度測定装置の概略断面図である。
オゾン水保有容器31は、オゾン水を収容し、保有するための容器である。オゾン水保有容器31は、図1中、オゾン水濃度測定装置の上面垂直上方に突き出して設置されており、すなわち後述する筐体36の上面に取り付けられている。オゾン水保有容器31は、例えば、図1に示されるように、その深さ方向が筐体36の上面の概略垂直方向に略平行になるように取り付けられてもよい。オゾン水保有容器31は、後述の接続パイプ33を経て測定セル32にオゾン水を供給できる限り、これに限定されるものではなく、例えば、筐体36の内部に収納されていてもよい。また、オゾン水濃度測定装置の上面垂直に対して傾斜して設置されても良い。オゾン水保有容器31の容量は50mLであっても、オゾン水の濃度を精度よく測定することができる。測定精度の観点から好ましい当該容量は100〜300mLである。勿論、当該容量が300mL以上でも良い。オゾン水保有容器31は装置30から取り外し可能であってもよいし、または装置30から取り外し不可能であってもよい。
オゾン水保有容器31の構成材料としては、耐オゾン水性を有し、オゾン水を保有できる限り特に限定されず、通常、透明または半透明なプラスチック材料等の有機材料、または金属材料およびガラス材料等の無機材料が使用される。そのようなプラスチック材料として、例えば、ポリ塩化ビニル、フッ素系樹脂(PTEF、PFA等)、シリコン系樹脂等が挙げられる。金属材料として、例えば、ステンレスが挙げられる。オゾン水保有容器はガラス容器であってもよい。
測定セル32は、後述するオゾン水濃度センサー321が組み込まれた電気化学セルである。測定セル32により、オゾン水の流路内にオゾン水濃度センサーが所定の方向で設置される。詳しくは、測定セル32は内部にオゾン水が水流を形成する通水路を有し、当該通水路内にオゾン水濃度センサーが配置されるようになっている。これにより、オゾン水は水流の形態でオゾン水濃度センサー、特にオゾン水濃度センサーの検出電極および比較電極、と接触する。図1において、オゾン水濃度センサー321は測定セル32の底面から上方に向けて挿入されているが、オゾン水濃度センサーの検出電極および比較電極とオゾン水との接触が達成される限り特に限定されず、例えばオゾン水濃度センサー321は測定セル32の側面または上面から挿入されてもよい。測定精度のさらなる向上の観点から、オゾン水濃度センサーは測定セル32の底面から上方に向けて挿入されることが好ましい。電極表面での気泡の滞留によるオゾン還元反応の阻害を防止できるためである。
測定セル32はオゾン水濃度センサーとオゾン水との接触が確保できればあらゆる材料から構成されてよく、通常、ポリ塩化ビニル、フッ素系樹脂(PTEF、PFA等)、シリコン系樹脂等のプラスチックあるいはステンレス等の金属材料から構成される。
接続パイプ33は、オゾン水保有容器31と測定セル32とを連通し、測定セル32にオゾン水を供給するための配管である。接続パイプ33の内径はオゾン水の水流が形成される限り特に限定されず、通常は3〜10mmφであり、オゾン水を自重落下させる観点からは好ましくは3〜6mmφである。接続パイプ33の長さは、オゾン水保有容器31内のオゾン水を測定セル32に供給できる限り特に限定されず、通常は20〜300mmであり、好ましくは30〜150mm、より好ましくは50〜100mmである。
接続パイプ33の構成材料としては、当該パイプ内でオゾン水を移送できる限り特に限定されず、通常、透明または半透明なプラスチック材料が使用される。そのようなプラスチック材料として、例えば、ポリ塩化ビニル、フッ素系樹脂(PTEF、PFA等)、シリコン系樹脂等が挙げられる。
オゾン濃度検出基板34は、測定セル32における検出電極と比較電極との間に流れた出力電流をオゾン濃度に変換する装置である。オゾン濃度検出基板34により決定されたオゾン濃度は通常、表示デバイスにより、表示されるようになっている。表示デバイスはデジタル表示デバイス、またはアナログ表示デバイス、さらには複数個の発光ダイオードによる濃度表示が利用できる。表示デバイスによる表示は通常、外部の電源に基づいている。
流量調整デバイス35は通常、測定セル32の下流側に連結された接続パイプ37に連結されている。流量調整デバイス35は、流路を開閉することにより、オゾン水の流量を調整できるあらゆる装置が使用されてもよい。例えば、手動バルブ、電磁バルブ等が挙げられる。また、流量調整デバイス35は、測定セル32の上流側に設置されてもよく、すなわち前記オゾン水保有容器31と測定セル32の間に設置されてもよい。なお、測定セル32と流量調整デバイス35との間にオリフィスを挿入して、流量を調整してもよい。接続パイプ37は接続パイプ33の構成材料と同様のパイプであってもよい。
筐体36は、上記した部品を収容して持ち運びできる程度の剛性を有するあらゆるプラスチック材料から構成されていてもよい。筐体36の構成材料として、例えば、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂等のプラスチック材料が挙げられる。筐体36は、図1に示すように、蓋部361および収容部(本体部)362から構成されていてもよい。
オゾン水濃度測定装置30においては、流量調整デバイス35を閉めた状態で、オゾン水保有容器31にオゾン水を供給する。供給終了後に流量調整デバイス35を開くことで、オゾン水は、オゾン水保有容器31から、オゾン水の自重落下(自由落下)により接続パイプ33を通って、測定セル32に水流の形態で供給される。測定セル32のオゾン水濃度センサー321においては、検出電極にオゾン水が接触することでオゾンが還元され、比較電極との間に電流が流れる。その電流を、オゾン濃度検出基板34によりオゾン水濃度に変換し、複数個の発光ダイオード等でオゾン水濃度が表示される。
本実施態様のオゾン水濃度測定装置30は、オゾン水を自重落下により測定セル32に供給するタイプのものであり、このため、当該装置の内部にも外部にも(例えば、接続パイプ33にも接続パイプ37にも)ポンプ等の動力機構は設けられていない。具体的には、測定セル32の上流側(オゾン水保有容器31と測定セル32との間)にも、測定セル32の下流側にも、動力機構は設けられていない。このため、オゾン水濃度測定装置30においては、オゾン水保有容器31内のオゾン水の水面は通常、測定セル32の流入口320よりも高い位置にある。好ましくは、オゾン水保有容器31のオゾン水の流出口310は通常、測定セル32の流入口320よりも高い位置にある。オゾン水保有容器31における流出口310の位置は当該オゾン水保有容器31の深さ方向における流出口310の下端の位置である。測定セル32の流入口320の位置は、オゾン水保有容器31の深さ方向における流入口320の上端の位置である。本明細書中、「自重落下」とは、位置エネルギーのみによりオゾン水を測定セル32に搬送および供給する方式のことであり、ポンプ等の機械的エネルギーを使用することなくオゾン水を供給する方式である。
本実施態様においては、オゾン水を自重落下により測定セル32に供給しても、オゾン水は水流の形態で測定セル内のオゾン水濃度センサー321と接触することができる。このため、測定結果に影響を与えるような手振り等の人為的な操作なしに、オゾン水の水流により、オゾン水の滞留による電極表面での濃度減少によるいわゆる分極が防止される。その結果、測定結果に個人差が生じることなく、比較的簡易な構成で、オゾン水濃度を精度よく測定することができる。
オゾン水の自重落下による測定セルへの供給流量は、例えば接続パイプの内径に応じて決まり、通常は、500mL/分以下、特に50〜500mL/分、好ましくは50〜350mL/分である。本実施態様においては、このような少量のオゾン水供給流量であっても、オゾン水濃度を精度よく測定することができる。
本実施態様のオゾン水濃度測定装置30は、オゾン水の自重落下による測定セルへの供給が可能なため、濃度表示のための電力しか必要とせず、オゾン水濃度測定装置の軽量化およびポータブル化が容易に達成できる。
本実施態様のオゾン水濃度測定装置30は、オゾン水の量が少ないときでも、オゾン水の温度が低いときでも、またはオゾン水濃度が低いときでも、オゾン水濃度を精度よく測定することができる。
オゾン水濃度センサー321は通常、水温の影響を受けるため、オゾン水濃度測定装置30は、水温切替スイッチにより、水温に対応したオゾン濃度の表示を行うことが好ましい。例えば、水温が15℃以下のときと、15℃以上のときとの切替が可能である。
オゾン濃度の測定が終了したのち、オゾン水保有容器31に、水道水あるいは精製水などの、オゾン水濃度がゼロの所謂ゼロ水を測定セル32に通水し電極表面に残留する不純物を洗浄することで、応答の早い測定が可能となる。
本実施態様のオゾン水濃度測定装置30は、裸電極方式に限らず、検出電極と比較電極との間に一定の電圧を加え、検出電極でのオゾン水の還元により生じる限界電流を測定することでオゾン水濃度を測定するポーラログラフ方式のオゾン水濃度測定にも適用できる。
(第2実施態様)
本実施態様のオゾン水濃度測定装置30aは、図2に示すように、オゾン水保有容器31aが装置30aから取り外し可能であり、かつ必要に応じて容量を変えることができること以外、第1実施態様のオゾン水濃度測定装置と同様である。図2は本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度測定装置の概略断面図である。
オゾン水保有容器31aは、測定に供するオゾン水の量に応じて容量を変えてもよい。なお、容量を大きくする場合、容器の高さを極端に高くすると、保有水の水頭が大きく変化し、測定セルへのオゾン水の供給流量が多くなり、センサー出力を高くすることになるため、容器の高さを変えず断面積を大きくすることが望ましい。
本実施態様において、オゾン水を自重落下により測定セル32に供給しても、オゾン水は水流の形態で測定セル内のオゾン水濃度センサー321と接触することができる。このため、本実施態様においても、測定結果に影響を与えるような手振り等の人為的な操作なしに、オゾン水が定流量で連続的に電極表面に供給できるため、電極表面でのオゾン水濃度の減少によるいわゆる分極の発生が防止され、安定した濃度測定ができる。
(第3実施態様)
本実施態様のオゾン水濃度測定装置30bは、図3および図4に示すように、オゾン水保有容器31bが装置30bから取り外し可能であり、かつオゾン水保有容器31bが下端部に止水バルブ311を有すること、および筐体36が止水バルブ311と嵌合するための止水バルブ受け部(ノズル)312を有すること以外、第1実施態様のオゾン水濃度測定装置と同様である。図3および図4はいずれも本発明の第3実施態様に係るオゾン水濃度測定装置の概略断面図である。
オゾン水保有容器31bは、図3に示すように、当該容器からオゾン水が漏れ出さないように容器下端部に止水バルブ311が取り付けられている。筐体36には、図3に示すように、止水バルブ311と嵌合するための止水バルブ受け部(ノズル)312が取り付けられている。オゾン水保有容器31bの下端部を、筐体36の止水バルブ受け部312に嵌め込んだ時には、図4に示すように、止水バルブ受け部(ノズル)312によって、止水バルブ311が押し上げられて開く。これにより、止水バルブ311に設けられたオゾン水流出孔313から、オゾン水が接続パイプ33を通じて測定セル32に供給されるようになっている。
本実施態様において、オゾン水を自重落下により測定セル32に供給しても、オゾン水は水流の形態で測定セル内のオゾン水濃度センサー321と接触することができる。このため、本実施態様においても、測定結果に影響を与えるような手振り等の人為的な操作なしに、オゾン水が定流量で連続的に電極表面に供給できるため、電極表面でのオゾン水濃度の減少によるいわゆる分極の発生が防止され、安定した濃度測定ができる。
(第4実施態様)
本実施態様のオゾン水濃度測定装置30cは、図5に示すように、吸引ポンプ38を使用してオゾン水を測定セル32へ供給すること以外、第1実施態様のオゾン水濃度測定装置と同様である。図5は本発明の第4実施態様に係るオゾン水濃度測定装置の概略断面図である。
吸引ポンプ38は、図5中、オゾン水の流れ方向において、オゾン水保有容器31の下流側であって測定セル32の上流側に配置されているが、測定セル32の下流側に配置されてもよい。図5においては、吸引ポンプ38はオゾン水濃度測定装置30cに内蔵されているが、外置きしても構わない。吸引ポンプ38により連続的にオゾン水のオゾン濃度を測定することも可能である。オゾン水濃度測定装置30cは吸引ポンプ38を有するため、オゾン水保有容器31の流出口310は必ずしも測定セル32の流入口320よりも高い位置にある必要はない。
本実施態様においては、オゾン水を吸引ポンプ38により測定セル32に供給するため、オゾン水は水流の形態で測定セル内のオゾン水濃度センサー321と接触することができる。このため、本実施態様においても、測定結果に影響を与えるような手振り等の人為的な操作なしに、オゾン水が定流量で連続的に電極表面に供給できるため、電極表面でのオゾン水濃度の減少によるいわゆる分極の発生が防止され、安定した濃度測定ができる。
第1〜第4実施態様のオゾン水濃度測定装置30、30a、30b、30cは、回分測定方式または連続測定方式のいずれの測定方式で測定する場合においても、測定セル32にオゾン水を供給することにより流動するオゾン水のオゾン濃度を検出および測定することができる。回分測定方式とは、予め分配された量のオゾン水のオゾン濃度を測定する測定方式のことである。このため、回分測定方式は、オゾン水保有容器の容量以下の比較的少量のオゾン水をビーカー等に採取してオゾン水保有容器に移し替えてオゾン濃度を測定するのに適している。連続測定方式とは、連続的に供給されるオゾン水のオゾン濃度を測定する測定方式のことである。このため、連続測定方式は、オゾン水保有容器の容量を超える量のオゾン水についてオゾン水濃度の経時的な変化を測定するのに適している。
[オゾン水濃度センサー]
オゾン水濃度センサーは、通水路や水槽内を流動するオゾン水のオゾン濃度を検出できるセンサーであれば特に限定されず、通常はイオン化傾向が互いに異なる金属から構成される一対の電極、すなわち検出電極および比較電極を備えている。
本発明において、検出電極と比較電極との電極間距離は、通常3mm以下であり、センサー出力のさらなる増大の観点から、好ましくは0.01〜3mm、より好ましくは0.01〜2mm、さらに好ましくは0.05〜1mm以下である。
本発明においてオゾン水濃度センサーは、例えば、以下の検出電極露出型構造または比較電極露出型構造を有していてもよい。
検出電極露出型構造:比較電極が検出電極の内側に配置され、かつ検出電極が比較電極を包囲するように配置された構造;
比較電極露出型構造:検出電極が比較電極の内側に配置され、かつ比較電極が検出電極を包囲するように配置された構造。
本発明においてオゾン水濃度センサーは、センサー出力のさらなる増大の観点から、検出電極露出型構造を有することが好ましい。
<検出電極露出型オゾン水濃度センサー>
検出電極露出型オゾン水濃度センサー(以下、「検出電極露出型センサー」ということがある)においては、図6Aおよび図7Aに示すように、検出電極1、11は比較電極2、12を包囲するように配置されている。検出電極は比較電極を包囲するように配置されているとは、検出電極が相対的に外側に、比較電極が相対的に内側に配置されているという意味であり、本発明においては、検出電極と比較電極との非接触の状態が保持されつつ、検出電極が比較電極を取り囲むまたは覆うように配置されていればよい。例えば、比較電極が図6Aに示すような平板形状を有する場合は、検出電極1は、比較電極2の比較的大きな2つ面のうち、少なくとも一方の面、好ましくは両方の面を覆うように配置されていればよい。また例えば、比較電極が図7Aに示すような線形状を有する場合は、検出電極11は、当該線形状の少なくとも一部を取り囲むように配置されていればよい。詳しくは、比較電極2、12は検出電極1、11の内側に配置され、検出電極1、11はその内側で比較電極2、12の外側を取り囲むまたは覆うように配置されている。オゾン水濃度センサーがこのような検出電極露出型構造を有することにより、検出電極表面へ測定対象濃度のオゾン水が連続供給でき、検出電極表面でのオゾン水の還元反応が連続して効率よく実施できる。それらの結果、センサー出力の増大を達成できるため、オゾン濃度をより十分に精度よく測定することができる。図6Aおよび図7Aはそれぞれ第1実施態様および第2実施態様に係る検出電極露出型センサーの概略斜視図である。
検出電極露出型センサーの電極構造は、検出電極が比較電極を包囲するように配置される限り、特に限定されず、例えば、以下の構造を有していてもよい:
第1実施態様;
図6Aに示すように、検出電極1が比較電極2との間に絶縁体3を挟んで比較電極2の外側を覆った構造;および
第2実施態様;
図7Aに示すように、検出電極11の内側に比較電極12が当該検出電極11から離間して配置される構造。
センサー出力のさらなる増大の観点から好ましい検出電極露出型電極構造は、第1実施態様に係る構造である。
以下、オゾン水濃度センサーについて、幾つかの実施態様により図面を用いて詳しく説明するが、図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観および寸法比などは実物と異なり得る。本明細書で直接的または間接的に用いる“上下方向”、“左右方向”および“表裏方向”はそれぞれ、図中における上下方向、左右方向および表裏方向に対応した方向に相当する。特記しない限り、同じ符号または記号は、同じ部材または同じ意味内容を示すものとする。
(第1実施態様)
第1実施態様に係るオゾン水濃度センサー3210は検出電極露出型構造を有し、図6Aに示すように、検出電極1は比較電極2を包囲するように配置されている。詳しくは、比較電極2は検出電極1の内側に配置され、検出電極1はその内側で比較電極2の外側を覆うように配置されている。図6Aは本発明の第1実施態様に係るオゾン水濃度センサーの概略斜視図である。
オゾン水濃度センサー3210においては、図6Aに示すように、検出電極1は、比較電極2の両面を覆うように、折り畳んで設けられている。折り畳まれた検出電極1の内部に比較電極2が配置され、すなわち検出電極1が比較電極2の端部で折り返されてU字形状を有している。本実施態様はこのような検出電極の折り畳み構造に限定されるものではなく、比較電極2の両面において検出電極1が非連続で別々に配置されることを妨げるものではない。
オゾン水濃度センサー3210は、検出電極1と比較電極2との接触を防止するための通水性を有する絶縁体3をさらに備えている。絶縁体3は、検出電極1と比較電極2との間を狭い均一な間隔に保持して、検出電極1と比較電極2との非接触の状態を確保している。オゾン水濃度センサー3210は、検出電極1が比較電極2との間に絶縁体3を挟んで比較電極2の外側を覆った構造を有している。
検出電極1は、平板形状を有し、図6Bに示すように、電極の表面積を大きくとれることから、複数の金属製マイクロメッシュが積層されてなる多層構造をなしているが、本発明は、検出電極が1枚の金属製マイクロメッシュから構成されること、および金属製マイクロメッシュの代わりにメッシュのない金属製シートを用いることを妨げるものではない。図6B中では、検出電極1はマイクロメッシュを3重積層しているが、十分な出力を得るためにも金属製マイクロメッシュを2〜5重程度、積層することが好ましい。図6Bは本発明の第1実施態様に係るオゾン水濃度センサーの概略側面図および一部拡大図である。本明細書中、金属製マイクロメッシュとは、網目の最大寸法が約1mm以下、例えば100μm〜1mmの網目構造を有する金網のことである。
検出電極1を構成する金属は、比較電極2を構成する金属よりもイオン化傾向が小さい金属であり、例えば、検出電極1は、少なくとも表面が金もしくは金めっき層または白金もしくは白金めっき層から構成される。検出電極1はいわゆる導電性ダイヤモンド電極であってもよい。
検出電極1を構成する金属製マイクロメッシュの1枚の厚さは、0.05mm〜0.2mmが好ましく、複数の金属製マイクロメッシュを重ねて用いる場合には検出電極1の厚さは、0.3mm〜1mmが好ましい。
比較電極2は、平板形状を有し、電極の表面積を大きくとれることから、金属製マイクロメッシュが複数枚積層されてなる多層構造をなしているが、本発明は、比較電極が1枚の金属製マイクロメッシュから構成されること、および金属製マイクロメッシュの代わりにメッシュのない金属製シートを用いることを妨げるものではない。図6B中では、比較電極2は金属製マイクロメッシュを4重積層しているが、十分な出力を得るためにも金属製マイクロメッシュを3〜5重程度、積層することが好ましい。
比較電極2を構成する金属は検出電極を構成する金属よりもイオン化傾向が大きい金属であり、例えば、銀である。比較電極2は、少なくとも表面が銀、塩化銀または酸化銀から構成されてもよい。すなわち比較電極2は、銀であってもよいし、あるいは銀の表面を導電性被膜で被膜保護したものであってもよい。導電性被膜として、例えば、塩化銀、酸化銀、およびナフイオン膜(陽イオン交換膜)が挙げられる。
比較電極2を構成する金属製マイクロメッシュの1枚の厚さは、0.05mm〜0.5mmが好ましく、複数の金属製マイクロメッシュを重ねて用いる場合には比較電極2の厚さは、0.3mm〜2mmが好ましい。
オゾン水濃度センサー3210の寸法は、オゾン水濃度を測定できる限り特に限定されず、例えば、幅w1(図6A参照)は通常、5〜20mmであり、好ましくは5〜10mmである。また例えば、高さh1(図6A参照)は通常、5〜20であり、センサー出力のさらなる増大の観点から好ましくは5〜10mmである。
絶縁体3はマイクロメッシュ形態または布形態を有し、検出電極1の内面に接するとともに比較電極2の外面に接して検出電極1と比較電極2との間に挟み込まれている。マイクロメッシュ形態とは、網目の最大寸法が約1mm以下、例えば100μm〜1mmの網目構造を有する形態のことである。
絶縁体3を構成する材料としては、例えば、テフロン(登録商標)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等を使用することができる。特に、耐オゾン性の点でテフロン、PFAが好ましい。
絶縁体3の厚さは、絶縁体3の入手性およびセンサー出力のさらなる増大の観点から、通常は1mm以下、特に0.05〜1mmであり、好ましくは0.05〜0.5mm、より好ましくは0.05〜0.3mmである。この絶縁体3を使用することにより、オゾン水濃度センサーにおける検出電極1と比較電極2との間隔を制御できる。オゾン水濃度センサー3210における検出電極1と比較電極2との間隔(電極間距離)は通常、3mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは0.5mm以下である。当該間隔の下限値は検出電極1と比較電極2と非接触が確保されれば特に限定されず、当該間隔は通常0.01mm以上、好ましくは0.05mm以上である。
検出電極1は、その下端部の一部が下方に延出しており、この延出部1aにリード線4が接続され、リード線4は電流計(図示しない)の正極に結線されている。なお、電流計としては、マイクロ・アンペア電流計を使用することができる。
比較電極2は、その下端部の一部が下方に延出しており、この延出部2aにリード線5が接続され、リード線5は電流計の負極に結線されている。
検出電極1の延出部1aおよび比較電極2の延出部2aは、基台6内に埋設されるとともに基台6の下面を貫通している。つまり、基台6の上面から検出電極1、比較電極2および絶縁体3が突出するような構成となっている。
基台6の外周面の一部には、当該外周面に沿ってシール部材7が設けられている。シール部材7としては、例えば、Oリング、ゴムパッキン、リップシール、シーラント等が挙げられる。シール部材7は、例えば、図6Cに示すように、オゾン水の通路となる通水路を形成する壁面100に貫通穴101を形成し、貫通穴101に基台6を嵌めこむことによってオゾン水濃度センサー3210を取り付けた場合に、貫通穴101と基台6との間の水密性を確保するためのものである。図6Cは本発明の第1実施態様に係るオゾン水濃度センサーの使用状態を示す概略断面図である。
以上の構成からなるオゾン水濃度センサー3210を、例えば通水路内を流れるオゾン水に接触させる。これによって起電力が発生し、オゾン水濃度に比例した強さの安定した電気信号を得て、オゾン水の濃度を測定する。
オゾン水濃度センサー3210の設置方向とオゾン水の流れ方向との関係は特に限定されず、オゾン水濃度センサー3210が図6Aに示す方向で配置されているとき、オゾン水の流れ方向はD1〜D4のいずれの方向であってもよい。図6Aにおいて、例えば、オゾン水の流れ方向がD1またはD3のとき、検出電極1はオゾン水の流れ方向と略垂直の関係にある。また例えば、オゾン水の流れ方向がD2またはD4のとき、検出電極1はオゾン水の流れ方向と略平行の関係にある。
オゾン水濃度センサー3210は、センサー出力のさらなる増大の観点から、検出電極が比較電極によりオゾン水との接触を阻害されないように、設置されることが好ましい。検出電極が比較電極によりオゾン水の流れとの接触を阻害されないとは、オゾン水の流れ方向において、検出電極の最上流部分が比較電極の最上流部分と同等の位置に配置されているか(例えば、図6AにおいてD2またはD4)、または検出電極の最上流部分が比較電極の最上流部分よりも上流側の位置に配置されている(例えば、図6AにおいてD1またはD3)、という意味である。オゾン水濃度センサー3210が図6Aに示す方向で設置されるとき、オゾン水の流れ方向は、好ましくはD2またはD4である。なお、図6Aにおいてオゾン水の流れ方向がD2のときの、オゾン水濃度センサーの使用状態を示す概略断面図が図6Cである。
以上、本実施態様においては、絶縁体3の厚さを薄くすることによって、両電極間の間隔を簡単に狭くすることができる。それらの結果として、センサー出力を有意に増大できる。このため、センサー性能の非常に高い、裸電極式のオゾン水濃度センサー3210を得ることができる。したがって、少流量のオゾン水に対してもより効率よくオゾン水濃度を測定できる。
(第2実施態様)
第2実施態様に係るオゾン水濃度センサー3211は検出電極露出型構造を有し、検出電極が比較電極を包囲するように配置されている点で第1実施態様に係るオゾン水濃度センサーと同様であるが、検出電極および比較電極の形状が異なるものである。第2実施態様に係るオゾン水濃度センサーは、以下に特記すること以外、第1実施態様に係るオゾン水濃度センサーと同様である。
第2実施態様に係るオゾン水濃度センサー3211においては、図7Aに示すように、検出電極11は比較電極12を包囲するように配置されている。詳しくは比較電極12は検出電極11の内側に配置され、検出電極11はその内側で比較電極12を取り囲むまたは覆うように配置されている。図7Aは本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度センサーの概略斜視図である。
オゾン水濃度センサー3211においては、図7Aに示すように、検出電極11の内側に比較電極12が該検出電極11から離間して配置され、検出電極11と比較電極12との非接触の状態が確保されている。図7A〜図7Cにおいて、検出電極11は円筒形状を有しているが、筒形状を有する限り特に限定されるものではなく、例えば四角筒形状等の多角筒形状であってもよい。比較電極12はコイル形状(螺旋形状)を有しているが、線形状を有する限り特に限定されるものではなく、例えば、直線形状であってもよい。センサー出力のさらなる増大の観点から、検出電極11は円筒形状を有し、かつ比較電極12はコイル形状を有することが好ましい。図7Bは本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度センサーの概略側面図である。図7Cは本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度センサーの概略正面図である
検出電極11は、図7A〜図7Cに示すように、1枚の金属製マイクロメッシュを筒形状に加工してなる構造をなしているが、本発明は、検出電極が複数の金属製マイクロメッシュの積層体から構成されること、および金属製マイクロメッシュの代わりにメッシュのない金属製シートを用いることを妨げるものではない。検出電極11は、例えば金属製マイクロメッシュを2〜5重程度、積層したものを加工してなっていてもよい。
検出電極11の寸法は、オゾン水濃度を測定できる限り特に限定されず、例えば、幅w2(円筒形状の軸方向長さ)(図7Aおよび図7C参照)は通常、5〜15mmであり、センサー出力のさらなる増大の観点から好ましくは5〜10mmである。また例えば、内寸t2(円筒形状の内径)(図7Aおよび図7B参照)は通常、3〜10mmであり、センサー出力のさらなる増大の観点から好ましくは3〜8mmである。また例えば、検出電極11の筒形状部における検出電極11と比較電極12との間隔(電極間距離)t3(図7B参照)は通常、3mm以下であり、好ましくは2mm以下、特に0.5〜2mmである。
検出電極11を構成する金属は、第1実施態様における検出電極1と同様に、比較電極12を構成する金属よりもイオン化傾向が小さい金属であり、例えば、検出電極11は、少なくとも表面が金もしくは金めっき層または白金もしくは白金めっき層から構成される。検出電極11はいわゆる導電性ダイヤモンド電極であってもよい。
検出電極11を構成する金属製マイクロメッシュの1枚の厚さは、0.05mm〜0.2mmが好ましく、複数の金属製マイクロメッシュを重ねて用いる場合には検出電極1の厚さは、0.3mm〜1mmが好ましい。
比較電極12は、線形状を有し、その線径は特に限定されず、例えば、0.1〜2mmであり、センサー出力のさらなる増大の観点から好ましくは0.5〜1mmである。比較電極12がコイル形状を有する場合、その外径t4(図7B参照)は、検出電極11の内寸t2(mm)より小さい限り特に限定されないが、好ましくは0.5×t2〜0.8×t2である。比較電極12がコイル形状を有する場合、その軸方向長さw3(図7C参照)は、通常、検出電極11の幅w2(mm)より小さく、好ましくは0.4×w2〜0.8×w2である。比較電極12のコイルピッチは特に限定されず、通常0.5〜2mmであり、好ましくは0.8〜1.2mmである。
比較電極12を構成する金属は、第1実施態様における比較電極2と同様に、検出電極を構成する金属よりもイオン化傾向が大きい金属であり、例えば、銀である。比較電極12は、銀の表面を導電性被膜で被膜保護したものであってもよい。導電性被膜としては、例えば、第1実施態様において比較電極2の導電性被膜として例示した同様のものが挙げられる。
検出電極11は、その下端部の一部が下方に延出しており、この延出部11aにリード線4が接続され、リード線4は電流計(図示しない)の正極に結線されている。なお、電流計としては、マイクロ・アンペア電流計を使用することができる。
比較電極12は、その下端部の一部が下方に延出しており、この延出部12aにリード線5が接続され、リード線5は電流計の負極に結線されている。
検出電極11の延出部11aおよび比較電極12の延出部12aは、基台6内に埋設されるとともに基台6の下面を貫通している。つまり、基台6の上面から検出電極11および比較電極12が突出するような構成となっている。
シール部材7は、例えば、図7Dに示すように、オゾン水の通路となる通水路を形成する壁面100に貫通穴101を形成し、貫通穴101に基台6を嵌めこむことによってオゾン水濃度センサー3211を取り付けた場合に、貫通穴101と基台6との間の水密性を確保するためのものである。図7Dは本発明の第2実施態様に係るオゾン水濃度センサーの使用状態を示す概略断面図である。
以上の構成からなるオゾン水濃度センサー3211を、例えば通水路内を流れるオゾン水に接触させる。これによって起電力が発生し、オゾン水のオゾン濃度に比例した強さの安定した電気信号を得て、オゾン水の濃度を測定する。
オゾン水濃度センサー3211の設置方向とオゾン水の流れ方向との関係は特に限定されず、オゾン水濃度センサー3211が図7Aに示す方向で設置されているとき、オゾン水の流れ方向はD1〜D4のいずれの方向であってもよい。図7Aにおいて、例えば、オゾン水の流れ方向がD1またはD3のとき、検出電極11が有する筒形状の軸方向はオゾン水の流れ方向と略垂直の関係にある。また例えば、オゾン水の流れ方向がD2またはD4のとき、検出電極11が有する筒形状の軸方向はオゾン水の流れ方向と略平行の関係にある。
オゾン水濃度センサー3211は、センサー出力のさらなる増大の観点から、検出電極が比較電極によりオゾン水との接触を阻害されないように、設置されることが好ましい。検出電極が比較電極によりオゾン水の流れとの接触を阻害されないとは、オゾン水の流れ方向において、検出電極の最上流部分が比較電極の最上流部分と同等の位置に配置されているか、または検出電極の最上流部分が比較電極の最上流部分よりも上流側の位置に配置されている(例えば、図7AにおいてD1、D3またはD4)、という意味である。オゾン水濃度センサー3211が図7Aに示す方向で設置されるとき、オゾン水の流れ方向は、好ましくはD1、D3またはD4であり、より好ましくはD4である。なお、図7Aにおいてオゾン水の流れ方向がD4のときの、オゾン水濃度センサーの使用状態を示す概略断面図が図7Dである。
以上、本実施態様によれば、検出電極11は比較電極12を包囲するように設けられる。検出電極11を円筒形にすることにより、サイズをコンパクトにしても、オゾン水が比較電極に遮られることなく検出電極に連続的かつ有効に接触できるので、センサー出力を有意に増大できる。特にセンサー出力が低下する15℃以下の水温においても、十分なセンサー出力を得ることができる。それらの結果、センサー性能の高い、裸電極式のオゾン水濃度センサー3211を得ることができる。したがって、水道水レベルの導電率のオゾン水は勿論のこと、純水のような導電率の極小さいオゾン水であっても、オゾン濃度を正確に測定することができる。
本実施態様(図7A〜図7D)において、検出電極11は筒形状を有し、かつ比較電極12は線形状を有しているが、検出電極11も比較電極12も筒形状(例えば、円筒形状)を有していてもよい。例えば、検出電極11および比較電極12が共に円筒形状を有する場合、そのようなオゾン水濃度センサーは、比較電極12がコイル部(螺旋部)の代わりに円筒部を有すること以外、図7A〜図7Dのオゾン水濃度センサー3211と同様である。図7A〜図7Dにおける比較電極12のコイル部は比較電極12の曲線部のことである。比較電極12の円筒部は金属製マイクロメッシュから構成されていてもよい。当該円筒部の金属製マイクロメッシュは1枚で使用されてもよいし、または2枚以上で重ねて使用されてもよい。このように比較電極12が円筒部を有する場合における、比較電極12の円筒部の寸法、すなわち当該円筒部の外径および軸方向長さならびに検出電極11と比較電極12との間隔(距離)はそれぞれ、比較電極12がコイル形状を有する場合における外径t4(図7B参照)、軸方向長さw3(図7C参照)および検出電極11と比較電極12との間隔(距離)t3(図7B参照)と同様である。
<比較電極露出型オゾン水濃度センサー>
比較電極露出型オゾン水濃度センサー(以下、「比較電極露出型センサー」ということがある)においては、図8に示すように、比較電極2’は検出電極1’を包囲するように配置されている。比較電極は検出電極を包囲するように配置されているとは、比較電極が相対的に外側に、検出電極が相対的に内側に配置されているという意味であり、本実施態様においては、検出電極と比較電極との非接触の状態が保持されつつ、比較電極が検出電極を取り囲むまたは覆うように配置されていればよい。例えば、検出電極が図8に示すような平板形状を有する場合は、比較電極2’は、検出電極1’の比較的大きな2つ面のうち、少なくとも一方の面、好ましくは両方の面を覆うように配置されていればよい。詳しくは、検出電極1’は比較電極2’の内側に配置され、比較電極2’はその内側で検出電極1’の外側を取り囲むまたは覆うように配置されている。図8は第3実施態様に係る比較電極露出型センサーの概略斜視図である。
比較電極露出型センサーの電極構造は、比較電極が検出電極を包囲するように配置される限り、特に限定されず、例えば、以下の構造を有していてもよい:
第3実施態様;
図8に示すように、比較電極2’が検出電極1’との間に絶縁体3を挟んで検出電極1’の外側を覆った構造。
(第3実施態様)
第3実施態様に係るオゾン水濃度センサー3212は比較電極露出型構造を有する。
第3実施態様に係るオゾン水濃度センサー3212は、図8に示すように、比較電極と検出電極の配置が第1実施態様に係るオゾン水濃度センサー3210(図6A)とは逆であること以外、第1実施態様に係るオゾン水濃度センサー3210と同様であるため、詳しい説明を省略する。
オゾン水濃度センサー3212は、比較電極2’が検出電極1’との間に絶縁体3を挟んで検出電極1’の外側を覆った構造を有している。オゾン水濃度センサー3212は以下に特記しない限り、第1実施態様のオゾン水濃度センサー3210と同様である。
図8に示すように、比較電極2’は、その下端部の一部が下方に延出しており、この延出部2a’にリード線5が接続され、リード線5は電流計(図示しない)の陰極に結線されている。なお、電流計としては、マイクロ・アンペア電流計を使用することができる。
検出電極1’は、その下端部の一部が下方に延出しており、この延出部1a’にリード線4が接続され、リード線4は電流計の陽極に結線されている。
検出電極1’の延出部1a’および比較電極2’の延出部2a’は、基台6内に埋設されるとともに基台6の下面を貫通している。つまり、基台6の上面から検出電極1’、比較電極2’および絶縁体3が突出するような構成となっている。
検出電極1’は、第1実施態様のオゾン水濃度センサー3210の検出電極1と同様に、少なくとも表面が金もしくは金めっき層または白金もしくは白金めっき層から構成されていることが好ましい。
比較電極2’は、第1実施態様のオゾン水濃度センサー3210の比較電極2と同様に、少なくとも表面が銀、塩化銀または酸化銀から構成されていることが好ましい。
オゾン水濃度センサー3212は検出電極1’および比較電極2’が平板形状を有し、検出電極1’と比較電極2’との接触を防止するための通水性を有する絶縁体3をさらに備えている。
検出電極1’および比較電極2’は金属製マイクロメッシュから構成されることが好ましい。
検出電極1’および比較電極2’は、金属製マイクロメッシュを多層に積層した多層構造を有することがさらに好ましい。
<測定メカニズム>
オゾン水濃度センサーは、「ガルバニセル方式センサー」に分類されるものである。オゾン水濃度センサーにおいては、溶存オゾンが検出電極上で還元され、オゾン水濃度に比例して流れる両電極間の還元電流(出力電流)を測定することでオゾン水濃度を測定する。発生する出力電流は、下記の式に示す通り検出電極の面積とオゾン水濃度に比例する。
Figure 2018017582
I:出力電流の指示電流(μA)
n:電極反応に含まれる電子の数
F:ファラデー定数(96,500C/mol)
S:検出電極の面積(cm
C:試料水のオゾン水濃度(mg/L)
[オゾン水濃度センサーの製造]
(センサーA)(検出電極露出型構造)
図6Aに示すオゾン水濃度センサー3210を製造した。
検出電極1として白金メッキマイクログレーチング積層体を使用した。詳しくは、白金メッキマイクログレーチングは、厚さ0.1mmのチタンの薄板を、菱形格子状(1mm×0.46mm)にグレイチング加工したもので、さらに表面に2μm厚の白金メッキを施したものである。このような白金メッキマイクログレーチングを3枚重ねて検出電極とした。なお、グレイチング加工の前後で厚さは変わらない。
比較電極2として銀マイクログレーチング積層体を使用した。詳しくは、銀マイクログレーチングは、厚さ0.1mmの銀の薄板を、菱形格子状(1mm×0.46mm)にグレイチング加工したものである。このような銀マイクログレーチングを4枚重ねて比較電極とした。
絶縁体3としては、厚さ0.1mmのポリエステルクロスを使用した。
比較電極2の両面を覆うように絶縁体3を折り重ね、さらに絶縁体3の両面を覆うように検出電極1を折り重ね、オゾン水濃度センサー3210を得た。なお、絶縁体3および検出電極1は、比較電極2の先端部でU字に折り曲がっている。
オゾン水濃度センサー3210の寸法は、幅w1(図6A参照)が概略12mm、高さh1(図6A参照)が概略12mmであった。検出電極1と比較電極2との電極間距離は0.1mmであった。
オゾン水濃度センサー3210は、図6Cに示すように検出電極1および比較電極2がオゾン水の流れ方向と略平行になるように設置して用いた。
(センサーB)(検出電極露出型構造)
図7Aに示すオゾン水濃度センサー3211を製造した。
検出電極11として白金メッキマイクログレーチングを重ねることなく1枚で使用した。詳しくは、白金メッキマイクログレーチングは、厚さ0.1mmのチタンの薄板を、菱形格子状(1mm×0.46mm)にグレイチング加工したもので、さらに表面に2μm厚の白金メッキを施したものである。このような白金メッキマイクログレーチングを図7A〜図7Cに示すような円筒形状に加工し、検出電極とした。
比較電極12として銀線を使用した。詳しくは、直径0.8mmの銀線を、図7A〜図7Cに示すような外径4mmおよびピッチ1mmのコイル状(螺旋状)に加工し、比較電極とした。
円筒形状の検出電極11の内側にコイル状比較電極12を、検出電極11から離間して配置させて、オゾン水濃度センサー3211を得た。
検出電極11の幅w2(円筒形状の軸方向長さ)は概略8mmであり、内寸t2(円筒形状の内径)は概略6mmであった。コイル形状の外径t4は概略4mmであり、軸方向長さw3(図7C参照)は概略4mmであり、コイルピッチは概略1mmであった。
検出電極11の筒形状部における検出電極11と比較電極12との間隔(電極間距離)t3は概略1mmであった。
オゾン水濃度センサー3211は、図7Dに示すように、オゾン水の流れ方向において、検出電極11の最上流部分が比較電極12の最上流部分よりも上流側の位置に配置されるように、設置して用いた。コイル状比較電極は、オゾン水の流れ方向において、円筒状の検出電極における下流側1/2の位置に配置した
(センサーC)(比較電極露出型構造)
図8に示すオゾン水濃度センサー3212を製造した。
検出電極1’として白金メッキマイクログレーチング積層体を使用した。詳しくは、白金メッキマイクログレーチングは、厚さ0.1mmのチタンの薄板を、菱形格子状(1mm×0.46mm)にグレイチング加工したもので、さらに表面に2μm厚の白金メッキを施したものである。このような白金メッキマイクログレーチングを3枚重ねて検出電極とした。
比較電極2’として銀マイクログレーチング積層体を使用した。詳しくは、銀マイクログレーチングは、厚さ0.1mmの銀の薄板を、菱形格子状(1mm×0.46mm)にグレイチング加工したものである。このような銀マイクログレーチングを4枚重ねて比較電極とした。
絶縁体3としては、厚さ0.1mmのポリエステルクロスを使用した。
検出電極1’の両面を覆うように絶縁体3を折り重ね、さらに絶縁体3の両面を覆うように比較電極2’を折り重ね、オゾン水センサー3212を得た。なお、絶縁体3および比較電極2’は、検出電極1’の先端部でU字に折り曲がっている。
オゾン水センサー3212の寸法は、幅w1’(図8参照)が概略12mm、高さh1’(図8参照)が概略12mmであった。検出電極1’と比較電極2’との電極間距離は0.1mmであった。
オゾン水センサー3212は、オゾン水濃度センサーAと同様に検出電極および比較電極がオゾン水の流れ方向と略平行になるように設置して用いた。
[実施例1]
オゾン水濃度センサーAまたはCを図5に示すオゾン水濃度測定装置30cの測定セル32に組み込んで、オゾン水濃度センサーの評価を行った。接続パイプ33,37の内径は4mmφであった。接続パイプ33の長さは50mmであった。水温の影響を調べるため、オゾン水に代わり水道水を通水して、センサーの出力特性を調べた。詳しくは、流量調整デバイス35を閉めた状態で、水道水をオゾン水保有容器31(容量500mL)に連続的に供給した。供給を継続しながら、流量調整デバイス35を開き、かつ吸引ポンプ38を作動させることで、水道水は、オゾン水保有容器31から接続パイプ33を通って測定セル32に400mL/分の流量で供給された。測定セル32内では、ポンプにより流れる水道水の通水路にオゾン水濃度センサーが配置されており、水道水は水流の形態でオゾン水濃度センサーと接触した。水道水の温度を昇温させて連続的に測定されたセンサー出力の結果を表1、表2および図9に示した。表1、表2および図9において、センサー出力は相対的な値であり、センサーCの11℃でのセンサー出力を10としたときの値である。
Figure 2018017582
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本実施例では、オゾン水濃度センサーAまたはCのいずれのセンサーを用いたときにおいても、水温とセンサー出力との間に相関関係が認められるため、オゾン濃度の測定が可能である。また前記測定は連続的に行われているため、センサー出力の低下が十分に防止されていることがわかる。
オゾン水濃度センサーAでは、オゾン水が直接検出電極と接触してオゾンが還元されるため、オゾン水濃度センサーCのような検出電極が比較電極で覆われているセンサーに比べ、高いセンサー出力が得られた。このため、オゾン水濃度センサーAでは、より少量のオゾン水、より低濃度のオゾン水、およびより低温のオゾン水に対してもオゾン濃度をより十分に精度よく測定可能となる。
[実施例2]
オゾン水濃度センサーA,BまたはCを図5に示すオゾン水濃度測定装置30cの測定セル32に組み込んで、オゾン水濃度センサーの評価を行った。接続パイプ33,37の内径は4mmφであった。接続パイプ33の長さは50mmであった。詳しくは、流量調整デバイス35を閉めた状態で、19℃で生成した各濃度のオゾン水をオゾン水保有容器31(容量500mL)に連続的に供給した。供給を継続しながら、流量調整デバイス35を開き、かつ吸引ポンプ38を作動させることで、オゾン水は、オゾン水保有容器31から接続パイプ33を通って測定セル32に400mL/分の流量で供給された。測定セル32内では、ポンプにより流れるオゾン水の通水路にオゾン水濃度センサーが配置されており、オゾン水は水流の形態でオゾン水濃度センサーと接触した。測定されたセンサー出力の結果を表3、表4、表5および図10に示した。
Figure 2018017582
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本実施例では、オゾン水濃度センサーA〜Cのいずれのセンサーを用いたときにおいても、オゾン濃度とセンサー出力との間に相関関係が認められるため、連続測定方式によっても、オゾン濃度の測定は可能である。
[実施例3]
オゾン水濃度センサーAを図1に示すオゾン水濃度測定装置30の測定セル32に組み込んで、オゾン水濃度センサーの評価を行った。接続パイプ33,37の内径は4mmφであった。接続パイプ33の長さは50mmであった。詳しくは、流量調整デバイス35を閉めた状態で、19℃で生成した各濃度および所定量のオゾン水をオゾン水保有容器31(容量500mL)に供給した。供給終了後に流量調整デバイス35を開くことで、オゾン水は、オゾン水保有容器31から、オゾン水の自重落下(自由落下)により接続パイプ33を通って、測定セル32に供給された。測定セル32内では、自重落下で流れるオゾン水の通水路にオゾン水濃度センサーが配置されており、オゾン水は水流の形態でオゾン水濃度センサーと接触した。測定されたセンサー出力の結果を表6および図11に示した。
Figure 2018017582
本実施例では、より少量のオゾン水を用いたときにおいても、オゾン濃度とセンサー出力との間に相関関係が認められるため、回分測定方式によるオゾン水の自重落下によっても、オゾン濃度の測定は可能である。また、いずれの量においても、センサー出力は略同様の変化を示すため、再現性に優れていることがわかる。
本発明のオゾン水濃度測定装置は、オゾン水濃度の測定に有用である。
1:11:検出電極
2:12:比較電極
3:絶縁体
10:20:オゾン水濃度センサー
30:30a:30b:30c:オゾン水濃度測定装置
31:31a:31b:オゾン水保有容器
32:測定セル
33:接続パイプ
34:オゾン濃度検出基板
35:流量調整デバイス
36:筐体

Claims (10)

  1. オゾン水を保有するオゾン水保有容器、
    オゾン水のオゾン濃度を検出するオゾン水濃度センサーが組み込まれた測定セル、および
    前記オゾン水保有容器と前記測定セルとを連通し、前記測定セルにオゾン水を供給する接続パイプを具備する、オゾン水濃度測定装置。
  2. 前記オゾン水保有容器内のオゾン水が前記接続パイプを経て前記測定セルに供給されることにより、オゾン水が水流の形態で測定セル内のオゾン水濃度センサーと接触する、請求項1に記載のオゾン水濃度測定装置。
  3. 前記オゾン水保有容器のオゾン水の流出口が測定セルの流入口よりも高い位置にある、請求項1または2に記載のオゾン水濃度測定装置。
  4. 前記オゾン水保有容器内のオゾン水が、自重落下により、前記測定セルに供給される、請求項3に記載のオゾン水濃度測定装置。
  5. 少なくとも前記測定セルおよび前記接続パイプを収容する筐体をさらに具備し、
    前記オゾン水保有容器は、その深さ方向が該筐体の上面の概略垂直方向に略平行になるように取り付けられている、請求項1〜4のいずれかに記載のオゾン水濃度測定装置。
  6. 前記オゾン水保有容器が下端部に止水バルブを有し、
    前記筐体が該止水バルブと嵌合するための止水バルブ受け部を有し、
    前記オゾン水保有容器の下端部を、前記筐体の止水バルブ受け部に嵌め込むことにより止水バルブが開き、前記オゾン水保有容器内のオゾン水が前記測定セルに供給される、請求項5に記載のオゾン水濃度測定装置。
  7. 前記測定セルからの出力電流をオゾン濃度に変換するオゾン濃度検出基板をさらに具備する、請求項1〜6のいずれかに記載のオゾン水濃度測定装置。
  8. 前記測定セルの下流側または上流側にオゾン水の流量を調整する流量調整デバイスをさらに具備する、請求項1〜7のいずれかに記載のオゾン水濃度測定装置。
  9. 前記流量調整デバイスが手動バルブまたは電磁バルブである、請求項8に記載のオゾン水濃度測定装置。
  10. 前記測定セルへのオゾン水の供給流量が500mL/分以下である、請求項1〜9のいずれかに記載のオゾン水濃度測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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