JP2018017463A - 気化装置 - Google Patents

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孝祐 東
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和久 福谷
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祐二 澄田
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Abstract

【課題】トラフ内に供給される熱交換用流体の偏流をその流量に依存せずに抑制することができると共に、装置のメンテナンス頻度をより少なくすることが可能な気化装置を提供する。
【解決手段】気化装置は、熱交換用流体を内部に流入させるための部分であり、熱交換用流体の流れ方向に並ぶ複数の流入口61,62が設けられた容器からなるトラフ5と、複数の流入口61,62の各々に接続され、流入口61,62を介してトラフ5の内部に熱交換用流体を供給するための複数の流入管71,72と、複数の流入管71,72のうち、少なくとも熱交換用流体の流量が最も多い流入管72の内部に配置された羽根状の流動抵抗体82と、を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、気化装置に関し、特に、オープンラック式の気化装置に関する。
従来、液化天然ガス(以下、「LNG」とも称する)を海水などの熱交換用流体との熱交換により気化させるオープンラック式の気化装置(ORV)が知られている。この気化装置は、下記特許文献1に開示されるように、LNGが流れる内部流路が形成された伝熱管をパネル状に並べて構成される伝熱管パネルと、この伝熱管パネルの外面に海水を供給するトラフと、を備えている。そして、LNGを伝熱管の内部流路において下側から上側に向かって流すと共に、海水を伝熱管パネルの外面に沿って上側から下側に向かって流下させることにより、伝熱管を介してLNGを海水と熱交換させる。
トラフは、伝熱管が並ぶ方向に長い長尺な容器からなるものであり、容器の底面から内部に海水を供給する構造となっている。そして、容器の上部開口から海水を溢出させることにより、海水を伝熱管パネルに導くことができる。下記特許文献1に開示される気化装置は、トラフ底面に海水の流入口が2つ設けられると共に、各流入口に流入管が接続された構造となっている。
特開2012−52730号公報
上述のように、ORVにおいてトラフから海水を溢出させて伝熱管パネルに供給する際、トラフの長手方向において海水の流量が不均一になる場合がある。これにより、伝熱管へのLNG流入量のばらつき、伝熱管の表面における着氷高さのばらつき、及び伝熱管間の温度差による熱応力の発生に伴う伝熱管の曲がりなどの問題が生じる。
これに対して、上記特許文献1では、トラフ底面に設けられた2つの海水流入口のうち、海水の流れ方向奥側に位置する一方の流入口にオリフィス板を配置することにより、2つの海水流入口の間において海水の流量を均一化することが試みられている。しかしながら、このオリフィス板は流入口の外周部を塞ぐように孔壁面から内側に張り出した状態で設けられていることから、当該オリフィス板の基端部側において海水の淀みが発生し易くなる。このため、海水中に含まれる異物や汚れが流入口の近傍に付着し易くなり、装置のメンテナンス頻度が高くなるという問題がある。また海水の流量が高い場合には、オリフィス板による流量均一化の効果が十分ではないという問題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、トラフ内に供給される熱交換用流体の偏流をその流量に依存せずに抑制することができると共に、装置のメンテナンス頻度をより少なくすることが可能な気化装置を提供することである。
本発明の一局面に係る気化装置は、オープンラック式の気化装置である。上記気化装置は、熱交換用流体を内部に流入させるための部分であり、熱交換用流体の流れ方向に並ぶ複数の流入口が設けられた容器からなるトラフと、前記複数の流入口の各々に接続され、前記流入口を介して前記トラフの内部に熱交換用流体を供給するための複数の流入管と、前記複数の流入管のうち、少なくとも熱交換用流体の流量が最も多い前記流入管の内部に配置された羽根状の流動抵抗体と、を備えている。
上記気化装置においては、複数の流入管のうち熱交換用流体の流量が最も多い流入管の内部に流動抵抗体が配置されている。この流動抵抗体によって、最大流量の熱交換用流体に対して圧力損失を与えることが可能となり、熱交換用流体の流量を減少させることができる。これにより、複数の流入口の間において熱交換用流体の流量を均一化することができる。
またこの流動抵抗体は、羽根状に形成されている。このため、従来のように流入口にオリフィス板を設ける場合と異なり、流入口の近傍における熱交換用流体の淀みの発生を抑制しつつ熱交換用流体の流量を減少させることができる。これにより、熱交換用流体に含まれる異物などが流入口の近傍に付着することを防止し、装置のメンテナンス頻度をより少なくすることが可能になる。またオリフィス板を設けた場合と異なり、羽根状の流動抵抗体を用いることで、熱交換用流体の流量が高い場合でも流量均一化の効果を得ることができる。即ち、熱交換用流体の流量に依存せずに流量均一化の効果を得ることができる。
上記気化装置において、前記流動抵抗体が回転可能に構成されていてもよい。
この構成によれば、熱交換用流体に含まれる異物や汚れが流動抵抗体に付着するのをより効果的に抑制することができる。
上記気化装置は、前記流動抵抗体の回転を前記流入管の外部に伝達するための回転伝達手段をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、流入管の外部に伝達した回転力を他の装置等を駆動させるための動力として利用することができる。
上記気化装置において、前記複数の流入口は、第1流入口と、熱交換用流体の流れ方向において前記第1流入口と離れて設けられた前記第2流入口と、を含んでいてもよい。前記複数の流入管は、前記第1流入口に接続された第1流入管と、前記第2流入口に接続された第2流入管と、含んでいてもよい。前記流動抵抗体は、前記第1流入管の内部に配置された第1流動抵抗体と、前記第2流入管の内部に配置された第2流動抵抗体と、を含んでいてもよい。前記第1流動抵抗体と前記第2流動抵抗体とは、前記回転伝達手段により互いに連結されていてもよい。
この構成によれば、回転伝達手段を介して第1流動抵抗体及び第2流動抵抗体の回転を相互に伝達することができる。具体的には、第1流動抵抗体及び第2流動抵抗体の非連結時に熱交換用流体の流量に差が存在している場合、第1流動抵抗体及び第2流動抵抗体を連結することで回転速度が同じになる。これにより、第1流入管及び第2流入管における圧力損失を均一にすることができる。従って、両流入管を通過する熱交換用流体の流量が均一化され、その結果、熱交換用流体の偏流をより効果的に改善することとなる。
上記気化装置において、前記回転伝達手段は、前記第1流動抵抗体と共に回転可能に構成され、回転軸方向の一方の端部に第1かさ歯車が設けられた第1回転軸と、前記第2流動抵抗体と共に回転可能に構成され、回転軸方向の一方の端部に第2かさ歯車が設けられた第2回転軸と、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを連結する連結軸と、を有していてもよい。前記連結軸は、前記第1かさ歯車と噛み合う第1連結かさ歯車が設けられた第1連結軸と、前記第2かさ歯車と噛み合う第2連結かさ歯車が設けられた第2連結軸と、前記第1連結軸と前記第2連結軸とを、互いに回転を伝達可能であると共に位置又は角度を可変に接続する接続部材と、を含んでいてもよい。
この構成によれば、第1流動抵抗体と第2流動抵抗体とを、かさ歯車を用いた簡単な機構によって互いの回転を伝達可能に連結することができる。しかも、第1連結軸と第2連結軸とが接続部材によって位置又は角度を可変に接続されているため、連結軸の芯出しを容易に行うことができる。
上記気化装置において、前記トラフの容器内に配置され、前記回転伝達手段により前記流入管の外部に伝達された前記流動抵抗体の回転により発熱するように構成された発熱機をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、流動抵抗体の回転を利用して発熱機を動作させることにより、トラフ内に供給された熱交換用流体を加温することができる。これにより、装置の気化性能をより向上させることができる。
上記気化装置において、前記回転伝達手段により前記流入管の外部に伝達された前記流動抵抗体の回転により発電するように構成された発電機をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、流動抵抗体の回転を利用して発電機を動作させることにより、発生した電気を種々の用途に利用することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、トラフ内に供給される熱交換用流体の偏流をその流量に依存せずに抑制することができると共に、装置のメンテナンス頻度をより少なくすることが可能な気化装置を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る気化装置の構成を模式的に示す斜視図である。 上記気化装置の構成を模式的に示す断面図である。 トラフ底面から海水が供給される様子を示す模式図である。 図3中の領域R1,R2における流入管の内部構造を詳細に示す図である。 仕切部材の平面図である。 本発明の実施形態2に係る気化装置における流入管の内部構造を詳細に示す図である。 羽根車の回転軸方向から見た構成を示す平面図である。 羽根車の回転軸方向に垂直な方向から見た構成を示す側面図である。 トラフの奥側と手前側との海水流量の差を調査した結果を示すグラフである。 本発明の実施形態3に係る気化装置における回転伝達手段の構成を説明するための模式図である。 本発明の実施形態4に係る気化装置における回転伝達手段の構成を説明するための模式図である。 本発明の実施形態5に係る気化装置におけるトラフ近傍の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態5に係る気化装置における発熱機を説明するための模式図である。 本発明の実施形態6に係る気化装置におけるトラフ近傍の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態6に係る気化装置における発電機を説明するための模式図である。 本発明のその他実施形態に係る気化装置におけるトラフ近傍の構成を示す模式図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る気化装置1の構成について説明する。気化装置1は、オープンラック式の気化装置(ORV)であって、低温液化ガスであるLNGを熱交換用流体である海水との熱交換によって気化させることにより、天然ガス(以下、「NG」とも称する)を生成するものである。
図1に示すように、気化装置1は、複数枚の伝熱管パネル2と、伝熱管パネル2にLNGを供給するLNG供給部3と、伝熱管パネル2からNGを流出させるNG流出配管4と、伝熱管パネル2の外面に熱交換用流体である海水を供給するトラフ5と、海水供給管6を介してトラフ5に海水を供給する海水供給部7と、を備えている。気化装置1では、各伝熱管パネル2においてLNG供給部3から供給されたLNGとトラフ5から供給された海水との間で熱交換が行われることによりLNGが気化し、NGが生成する。そして、当該NGがNG流出配管4から流出する。
複数枚の伝熱管パネル2は、外面同士が互いに対向するように並んでいる。図1では、3枚の伝熱管パネル2のみが示されているが、伝熱管パネル2の枚数は気化装置1の使用態様に応じて適宜変更することが可能である。
各伝熱管パネル2は、複数の伝熱管21と、下部ヘッダー22と、上部ヘッダー23と、を備えている。伝熱管21は、LNGが流れる内部流路が形成された管部材である。各伝熱管21は、鉛直方向に延びる姿勢で配置されると共に水平方向に並んでいる。
下部ヘッダー22は、伝熱管21が並ぶ方向に延びる姿勢で配置され、各伝熱管21の下端に接続されている。下部ヘッダー22は、各伝熱管パネル2において1本ずつ設けられており、共通のLNG供給部3に接続されている。これにより、LNG供給部3から各下部ヘッダー22に対してLNGを分配することができる。そして、各伝熱管パネル2において下部ヘッダー22から各伝熱管21にLNGが分配される。
上部ヘッダー23は、下部ヘッダー22と同様に、伝熱管21が並ぶ方向に延びる姿勢で配置されており、各伝熱管21の上端に接続されている。上部ヘッダー23は、各伝熱管パネル2において1本ずつ設けられており、共通のNG流出配管4に接続されている。これにより、各伝熱管21において発生したNGは上部ヘッダー23に集まり、その後、各上部ヘッダー23からNG流出配管4に集合する。
トラフ5は、隣り合う伝熱管パネル2の間に配置されると共に、伝熱管パネル2の上部(上部ヘッダー23よりも下側)に位置している。図1に示すように、トラフ5は、長尺な容器からなるトラフ本体51と、トラフ本体51の長辺側の上端51aから伝熱管パネル2の外面に向かって延びる板状のトラフエッジ52と、を有している。トラフ5は、海水供給部7から海水供給管6を介してトラフ本体51の内部に供給された海水を容器の上部開口から溢出させ、トラフエッジ52により伝熱管パネル2の外面に導く構造となっている。以下、トラフ本体51が延びる方向を「トラフ長手方向」と称し、これに直交する方向を「トラフ直交方向」と称する。
次に、トラフ5近傍の構成について詳細に説明する。図2は、トラフ直交方向に沿った気化装置1の断面構造を模式的に示している。図3は、トラフ長手方向に沿ったトラフ5の断面構造を模式的に示している。図2及び図3に示すように、トラフ本体51は、鉛直方向上向きに開口する容器からなり、底壁部51bと、一対の側壁部51cと、前壁部51dと、後壁部51eと、を有している。
底壁部51bは、トラフ長手方向に長い平面視長方形状の板からなる。一対の側壁部51cは、図2に示すように底壁部51bにおけるトラフ直交方向の両端部から垂直に立設された板からなる。側壁部51cは、伝熱管パネル2の上部外面に対向しており、トラフエッジ52の内縁部が繋がる上端51aを有している。
前壁部51d及び後壁部51eは、図3に示すように底壁部51bにおけるトラフ長手方向の両端部から垂直に立設された板からなる。前壁部51dは海水の流れ方向上流側(手前側)に設けられると共に、後壁部51eは海水の流れ方向下流側(奥側)に設けられている。トラフ本体51は、前壁部51d、後壁部51e及び一対の側壁部51cの各内面により取り囲まれた空間を有しており、この空間において海水Sを一時的に貯留する。
図3に示すように、底壁部51bには、海水をトラフ本体51内の空間に流入させるための複数(2つ)の流入口60(第1流入口61及び第2流入口62)が設けられている。第1及び第2流入口61,62は、底壁部51bを厚み方向に貫通する孔であり、各々同じ孔径を有し、トラフ長手方向において互いに間隔を空けて設けられている。即ち、第1及び第2流入口61,62は、海水の流れ方向に並ぶと共に、海水の流れ方向において互いに離間するように設けられている。
第1流入口61は海水の流れ方向上流側に設けられると共に、第2流入口62は海水の流れ方向下流側に設けられている。つまり、第1流入口61は、第2流入口62よりも前壁部51d及び海水供給部7(図1)に対して近い位置に設けられている。また第1及び第2流入口61,62は、底壁部51bにおいてトラフ直交方向の中央に設けられているが、特に限定されない。
上記気化装置1は、トラフ本体51の底壁部51bの下方においてトラフ長手方向に沿って延びる海水供給管6と、海水供給管6から分岐して底壁部51bに向かって上向きに延びる複数の流入管70(第1流入管71及び第2流入管72)と、を備えている。海水供給管6及び各流入管71,72は、海水が流れる内部流路を有しており、互いに連通している。また第1及び第2流入管71,72は、略同じ内径を有するように構成されている。
図3に示すように、第1流入管71は、上端部が第1流入口61に接続されると共に、下端部が海水供給管6に接続されている。また第2流入管72は、上端部が第2流入口62に接続されると共に、下端部が海水供給管6における第1流入管71の接続部位よりも下流側の部位に接続されている。
図3中矢印に示すように、海水供給部7(図1)から送られた海水は、海水供給管6の内部において左から右に向かって流れ、一部の海水が第1流入管71内に流入する。そして、残りの海水は海水供給管6のさらに下流側まで流れた後、第2流入管72内に流入する。このようにして各流入管71,72に海水が分流した後、第1流入管71から第1流入口61を介してトラフ本体51内に海水が供給されると共に、第2流入管72から第2流入口62を介してトラフ本体51内に海水が供給される。
このように、海水の流れ方向に並ぶ2つの流入管71,72によってトラフ本体51内に海水を供給する場合、各流入管71,72の間で海水の偏流が起こり、海水の流量が不均一になるという問題がある。具体的には、図3に示すように、トラフ長手方向に沿って海水供給管6内を流れる海水を各流入管71,72に分流させる場合、手前側(上流側)に位置する第1流入管71よりも奥側(下流側)に位置する第2流入管72の方へ多量の海水が流入する。このため、トラフ本体51内に供給される海水の流量は、第1流入口61よりも第2流入口62の方がより多くなる。
これにより、トラフエッジ52から伝熱管パネル2に供給される海水の流量についても、第1流入口61に対応する場所よりも第2流入口62に対応する場所の方がより多くなり、その結果、トラフ長手方向において海水流量のばらつきが生じる。このため、海水流量が多い第2流入口62に対応する場所では海水流量が少ない第1流入口61に対応する場所よりも伝熱管21へのLNGの流入量が増加すると共に、伝熱管21の表面の着氷高さが高くなる。また伝熱管21間の温度差による熱応力の発生に伴う伝熱管21の曲がりも問題となる。これに対して、本実施形態に係る気化装置1では、以下に説明するように、第1及び第2流入管71,72の内部に海水の流れ抵抗となる羽根状の流動抵抗体80を配置することにより、上述のような流入管71,72間の海水の偏流が抑制されている。
図4は、図3中の領域R1,R2における第1及び第2流入管71,72の内部構造を詳細に示している。図4に示すように、流動抵抗体80は、第1流入管71の内部に配置された第1流動抵抗体81と、第2流入管72の内部に配置された第2流動抵抗体82と、を有している。
第1流入管71は、第1流動抵抗体81が配置される第1抵抗空間71Aと、第1抵抗空間71Aよりも海水の流れ方向下流側に位置する第1下流空間71Bと、第1抵抗空間71Aよりも海水の流れ方向上流側に位置する第1上流空間71Cと、を有している。第1下流空間71Bは、第1流入口61を介してトラフ本体51の内部と連通している。第1上流空間71Cは、海水供給管6の内部と連通している。
図4に示すように、第1抵抗空間71Aと第1下流空間71Bとは、第1流入管71の内周面に接触するように配置された円板状の第1仕切部材41により仕切られている。また第1抵抗空間71Aと第1上流空間71Cとは、第1仕切部材41と同様に構成された第2仕切部材42により仕切られている。第1流動抵抗体81は、図4に示すように第1仕切部材41と第2仕切部材42とにより上下に挟まれた状態で配置されている。
第2流入管72は、第1流入管71と同様に、第2流動抵抗体82が配置される第2抵抗空間72Aと、第2抵抗空間72Aよりも海水の流れ方向下流側に位置する第2下流空間72Bと、第2抵抗空間72Aよりも海水の流れ方向上流側に位置する第2上流空間72Cと、を有している。第2下流空間72Bは、第2流入口62を介してトラフ本体51の内部と連通している。第2上流空間72Cは、海水供給管6の内部と連通している。
第2抵抗空間72Aと第2下流空間72Bとは第3仕切部材43により仕切られており、第2抵抗空間72Aと第2上流空間72Cとは第4仕切部材44により仕切られている。第3及び第4仕切部材43,44は、第1仕切部材41と同様に構成されており、第2流入管72の内周面に接触するように各々配置されている。図4に示すように、第2流動抵抗体82は、第3仕切部材43と第4仕切部材44とにより上下に挟まれた状態で配置されている。
図5は、第1〜第4仕切部材41〜44(仕切部材40)を平面視した時の構成を示している。図5に示すように、仕切部材40は、当該仕切部材40の中心に位置する内側リング部45と、内側リング部45の外周面から径方向外側に向かって放射状に延びる複数(本実施形態では4つ)の輻部46と、複数の輻部46の各先端部(内側リング部45に繋がる基端部と反対側の部位)に接続され、内側リング部45よりも外径が大きい外側リング部47と、を有している。
内側リング部45には厚み方向に貫通する孔40Bが形成されており、この孔40Bに回転軸31,33(図4)の上端31A,33Aが挿入される。複数の輻部46は、周方向において互いに間隔を空けて配置されており、本実施形態では90°の間隔で配置されている。また隣り合う輻部46同士の間には、隙間40Aが設けられている。このため、図4に示すように、海水は隙間40Aを通過することにより上流空間71C,72Cから抵抗空間71A,72Aへ流れると共に、抵抗空間71A,72Aから下流空間71B,72Bへ流れる。外側リング部47には、各流入管71,72の内周面に接触する外周面47Aが形成されている。
図4に示すように、第1流動抵抗体81は、円柱状の第1回転軸31の外周面に対してらせん状に巻き付けられた羽根状に形成されている。換言すると、第1流動抵抗体81は、第1回転軸31の軸方向に沿って延びるスクリュー羽根状に形成されている。
第1流動抵抗体81は、第1回転軸31の外周面よりも外側に延びるらせん羽根81Aを有し、このらせん羽根81Aの羽根面に沿って海水をらせん状に流すように構成されている。このように海水がらせん状に流れる過程において、海水の動圧が圧力損失と第1流動抵抗体81の回転力に変換される。これにより、海水の流量が減少すると共に第1流動抵抗体81をらせん軸周りに回転させることができる。即ち、第1流動抵抗体81は、海水の動圧を受けて回転するように構成されている。また図4に示すように、第1流動抵抗体81は、らせん羽根81Aの外縁部81AAと第1流入管71の内周面との間において通水可能な隙間が形成されるように配置されている。
第2流動抵抗体82は、第1流動抵抗体81と同じ形状及び大きさを有し、海水の流量を第1流動抵抗体82と同じように調整する機能を有する。第2流動抵抗体82は、円柱状の第2回転軸33に対してらせん状に巻き付けられた羽根状に形成されている。第2流動抵抗体81は、らせん羽根82Aを有し、らせん羽根82Aの羽根面に沿って海水をらせん状に流すように構成されている。これにより、海水の動圧を圧力損失と第2流動抵抗体82の回転力に変換することができる。つまり、第2流動抵抗体82も海水の動圧によって回転可能に構成されている。
このように本実施形態では、第1及び第2流入管71,72のうち少なくとも海水の流量が最も多い第2流入管72の内部に第2流動抵抗体82が配置されており、より具体的には第1及び第2流入管71,72の両方の内部に第1及び第2流動抵抗体81,82がそれぞれ配置されている。これにより、海水流量が多い第2流入管72において特に海水流量を減少させることができ、流動抵抗体80を通過した後の各流入口61,62における海水の流量を流動抵抗体80の通過前に比べてより均一化することができる。つまり、第2流入管72の方が第1流入管71よりも海水が受ける圧力損失が大きくなるため、流動抵抗体80の通過前後における流量の減少が大きくなる。これにより、流動抵抗体80の通過前における流量差よりも通過後における流量差をより小さくすることができる。また図4に示すように、各流動抵抗体81,82が羽根状に形成されているため、海水に含まれる異物や汚れが各流入口61,62の近傍に付着することも防止できる。
上記気化装置1は、第1及び第2流動抵抗体81,82の回転を第1及び第2流入管71,72の外部に伝達するための回転伝達手段30を備えている。回転伝達手段30は、第1流入管71の内部に配置された第1回転軸31と、第2流入管72の内部に配置された第2回転軸33と、第1回転軸31と第2回転軸33とを連結する連結軸32と、を有している。
図4に示すように、第1回転軸31は、円柱形状を有し、第1流動抵抗体81のらせん中心を軸方向に沿って延びる姿勢で配置されている。第1回転軸31は第1流動抵抗体81に固定されており、第1流動抵抗体81と連動して軸周りに回転可能に構成されている。
第1回転軸31は、上端31A及び下端31Bを有し、上端31Aが第1仕切部材41の孔40Bに挿入されると共に、下端31Bが第2仕切部材42の孔40Bを通って第1上流空間71Cまで延びている。第1及び第2仕切部材41,42の孔40Bの内面には軸受などが配置されており、当該軸受により第1回転軸31は第1及び第2仕切部材41,42に対して回転自在に保持されている。
図4に示すように、第1回転軸31の下端31Bは円錐台形状に形成されており、その斜面31BBに歯車が形成されている。つまり、第1回転軸31は、下端31Bにおいてかさ歯車(第1かさ歯車31BC)が設けられている。
第2回転軸33は、第1回転軸31と同様に構成されている。即ち、第2回転軸33は、円柱形状を有し、第2流動抵抗体82のらせん中心を軸方向に沿って延びる姿勢で配置されている。また第2回転軸33は第2流動抵抗体82に固定されており、第2流動抵抗体82と連動して軸周りに回転可能に構成されている。
第2回転軸33は、上端33A及び下端33Bを有し、上端33Aが第3仕切部材43の孔40Bに挿入されると共に、下端33Bが第4仕切部材44の孔40Bを通って第2上流空間72Cまで延びている。第3及び第4仕切部材43,44の孔40Bの内面には、第2回転軸33を第3及び第4仕切部材43,44に対して回転自在に保持する軸受などが配置されていてもよい。
図4に示すように、第2回転軸33の下端33Bは円錐台形状に形成されており、その斜面33BBに歯車が形成されている。つまり、第2回転軸33は、第1回転軸31と同様に、下端33Bにおいてかさ歯車(第2かさ歯車33BC)が設けられている。
連結軸32は、以下の構成を有することにより、第1回転軸31及び第2回転軸33の回転を相互に伝達する。図4に示すように、連結軸32は、第1連結軸36と、第2連結軸34と、第1連結軸36と第2連結軸34とを繋ぐ接続部材35と、を有している。
第1連結軸36は、円柱形状を有し、第1回転軸31に対して垂直な姿勢で配置されている。第1連結軸36は、一方の端部36A及び他方の端部36Bを有し、一方の端部36Aが第1流入管71の内部(第1上流空間71C)に挿入されると共に、他方の端部36Bが第1流入管71の外部に位置している。第1流入管71の管壁には第1連結軸36を挿入するための孔が形成されており、この孔にはシール加工などが施されていてもよい。
図4に示すように、第1連結軸36の一方の端部36Aは円錐台形状に形成されており、斜面36AAに歯車が形成されている。つまり、第1連結軸36は、一方の端部36Aにおいてかさ歯車(第1連結かさ歯車36AB)が設けられており、当該第1連結かさ歯車36ABは第1かさ歯車31BCの内側と噛み合っている。これにより、第1回転軸31の回転を第1連結軸36の回転に変換することが可能となる。つまり、第1流動抵抗体81の回転を第1回転軸31及び第1連結軸36を介して第1流入管71の外部に伝達することができる。
第2連結軸34は、第1連結軸36と同様に構成されている。即ち、第2連結軸34は、円柱形状を有し、第2回転軸33に対して垂直な姿勢で配置されている。第2連結軸34は、一方の端部34A及び他方の端部34Bを有し、一方の端部34Aが第2流入管72の内部(第2上流空間72C)に挿入されると共に、他方の端部34Bが第2流入管72の外部に位置している。第2流入管72の管壁には第2連結軸34を挿入するための孔が形成されており、この孔には海水の漏れを防ぐシール加工が施されていてもよい。
図4に示すように、第2連結軸34の一方の端部34Aは円錐台形状に形成されており、斜面34AAに歯車が形成されている。つまり、第2連結軸34は、一方の端部34Aにおいてかさ歯車(第2連結かさ歯車34AB)が設けられており、当該第2連結かさ歯車34ABは第2かさ歯車33BCの内側と噛み合っている。これにより、第2回転軸33の回転を第2連結軸34の回転に変換することが可能になる。つまり、第2流動抵抗体82の回転を第2回転軸33及び第2連結軸34を介して第2流入管72の外部に伝達することができる。
接続部材35は、第1連結軸36の他方の端部36Bと、第2連結軸34の他方の端部34Bと、を互いに接続している。より具体的には、接続部材35は、例えば自在継手により構成されており、第1連結軸36と第2連結軸34とを、互いに回転を伝達可能であると共に位置及び角度を可変に接続している。つまり、第1連結軸36と第2連結軸34の接続位置及び接続角度を自在に変えることができる。これにより、連結軸32を1本の軸部材で構成する場合に比べて、連結軸32の芯出しを容易に行うことができる。
このように本実施形態では、第1流動抵抗体81と第2流動抵抗体82とは、回転伝達手段30(第1及び第2回転軸31,33、連結軸32)により互いに連結されている。また上述のように、連結軸32の両端のかさ歯車36AB,34ABを、第1及び第2回転軸31,33のかさ歯車31BC,33BCの内側に対して噛み合わせているため、第1回転軸31と第2回転軸33とは互いに逆周りに回転する。
次に、上記実施形態1に係る気化装置1の特徴的な構成及び作用効果について説明する。
気化装置1は、オープンラック式の気化装置であって、海水を内部に流入させるための部分であり、海水の流れ方向に並ぶ第1及び第2流入口61,62が設けられた容器からなるトラフ5と、第1及び第2流入口61,62の各々に接続され、各流入口61,62を介してトラフ5の内部に海水を供給する第1及び第2流入管71,72と、海水の流量が相対的に少ない第1流入管71の内部に配置された羽根状の第1流動抵抗体81と、海水の流量が相対的に多い第2流入管72の内部に配置された羽根状の第2流動抵抗体82と、を備えている。
上記気化装置1では、各流入管71,72の内部に流動抵抗体80(81,82)をそれぞれ配置することにより、特に海水の流量が多い第2流入管72において海水に対して圧力損失を与え、海水の流量を減少させることができる。これにより、流動抵抗体80の通過前に比べて流動抵抗体80の通過後において各流入管71,72の間で海水の流量を均一化することができる。その結果、各流入口61,62から均一化された流量の海水をトラフ5内に供給することができ、伝熱管パネル2に供給される海水のトラフ長手方向の分布を均一化することができる。従って、伝熱管パネル2への海水流量のばらつきに起因する伝熱管21へのLNG流入量のばらつき、伝熱管21の表面における着氷高さのばらつき、及び伝熱管21の曲がりなどの問題を解消することができる。
また第1及び第2流動抵抗体81,82は、らせん羽根状に形成されている。このため、各流入口61,62の近傍における海水の滞留を抑制しつつ、海水の流量を減少させることができる。これにより、海水に含まれる貝などの異物や汚れが各流入口61,62の近傍に付着することが抑制され、装置のメンテナンス頻度をより少なくすることができる。
上記気化装置1において、第1及び第2流動抵抗体81,82は、海水の流れによって軸周りに回転可能に構成されている。これにより、海水に含まれる異物や汚れが第1及び第2流動抵抗体81,82に付着するのをより効果的に抑制することができる。
上記気化装置1は、第1及び第2流動抵抗体81,82の回転を第1及び第2流入管71,72の外部に伝達するための回転伝達手段30を備えている。この回転伝達手段30により、第1流動抵抗体81と第2流動抵抗体82とは、互いに連結されている。
これにより、回転伝達手段30を介して第1流動抵抗体81と第2流動抵抗体82との間で互いに回転を伝達し合うことができる。具体的には、第1流動抵抗体81及び第2流動抵抗体82の非連結時に第1流入管71を通過する海水の流量と第2流入管72を通過する海水の流量に差がある場合、第1流動抵抗体81及び第2流動抵抗体82を連結することで回転速度が同じになる。これにより、第1流入管71及び第2流入管72における圧力損失を均一にすることができる。従って、両流入管71,72を通過する海水の流量が均一化され、その結果、海水の偏流をより効果的に改善することとなる。
上記気化装置1において、回転伝達手段30は、第1流動抵抗体81と共に回転可能に構成され、下端31Bに第1かさ歯車31BCが設けられた第1回転軸31と、第2流動抵抗体82と共に回転可能に構成され、下端33Bに第2かさ歯車33BCが設けられた第2回転軸33と、第1回転軸31と第2回転軸33とを連結する連結軸32と、を有している。連結軸32は、第1かさ歯車31BCと噛み合う第1連結かさ歯車36ABが設けられた第1連結軸36と、第2かさ歯車33BCと噛み合う第2連結かさ歯車34ABが設けられた第2連結軸34と、第1連結軸36と第2連結軸34とを、互いに回転を伝達可能であると共に位置又は角度を可変に接続する接続部材35と、を含む。
これにより、第1流動抵抗体81と第2流動抵抗体82とを、かさ歯車を用いた簡単な機構によって互いの回転を伝達可能に連結することができる。しかも、第1連結軸36と第2連結軸34とが接続部材35により位置又は角度を可変に接続されているため、連結軸32の芯出しを容易に行うことができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る気化装置について、図6〜図8を参照して説明する。実施形態2に係る気化装置は、基本的に上記実施形態1に係る気化装置1と同様の構成を備えているが、第1及び第2流動抵抗体81,82の構成において上記実施形態1と異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点について詳細に説明する。
図6に示すように、第1及び第2流動抵抗体81,82は、複数(本実施形態では3つ)の羽根車110により構成されている。複数の羽根車110は、互いに回転軸が一致するように、第1及び第2流入管71,72の内部(第1及び第2抵抗空間71A,72A)において重ねて配置されている。これにより、多段式(3段式)の羽根車110が構成されている。
羽根車110の詳細な構造は後述するが、羽根車110はその羽根面において海水の動圧を受けることにより軸周りに回転するように構成されている。なお、本実施形態では3段式の羽根車110の構成について説明するが、4段以上の羽根車110が用いられてもよいし、2段以下の羽根車110が用いられてもよい。
第1及び第2回転軸31,33は、各羽根車110の中心を貫通するように配置され、且つ各羽根車110の中心に固定されている。これにより、海水の流れを受けて羽根車110が回転するのに連動して、第1及び第2回転軸31,33が回転可能となっている。そして、上記実施形態1と同様に、連結軸32により第1及び第2流動抵抗体81,82の回転を第1及び第2流入管71,72の外部に取り出して相互に伝達させることができる。
図7は、羽根車110を回転軸A0方向から見た時の構成を示している。図8は、羽根車110を回転軸A0に垂直な方向から見た時の構成を示している。図7及び図8に示すように、羽根車110は、第1及び第2流入管71,81の内径よりも僅かに小さい外径D1を有している。羽根車110は、円柱形状に形成されたハブ112と、ハブ112の外周面112Aに接続された複数(本実施形態では4枚)の羽根111と、を有している。ハブ112には、第1及び第2回転軸31,33(図6)が挿入される孔が形成されている。ハブ112と羽根111とは一体に形成されていてもよいし、別々の部材として互いに接合されていてもよい。
図7に示すように、複数の羽根111は、ハブ112の外周面112Aにおいて周方向に沿って等間隔に設けられており、本実施形態では90°間隔で設けられている。また図8に示すように、各羽根111は、回転軸A0に垂直な方向から見て、羽根面111Aが回転軸A0に対して鋭角である角度θを成すように設けられている。本実施形態では、羽根面111Aと回転軸A0とが成す角度θは、45°となっている。
このように、羽根面111Aを回転軸A0に対して傾斜させることで、羽根面111Aが回転軸A0に対して平行な場合と異なり、海水の流れを羽根面111Aにおいて受けることができる。また羽根面111Aが回転軸A0に対して垂直な場合と異なり、海水の流れを羽根面111Aにおいて受けた時に、羽根111を周方向に回転させる力を作用させることができる。
上記実施形態2に係る気化装置では、第1及び第2流入管71,72における海水の動圧を圧力損失及び羽根車110の回転力に変換することができる。これにより、上記実施形態1と同様に、第1及び第2流入口61,62の近傍における異物や汚れの付着を抑制しつつ、第1流入管71と第2流入管72との間で海水の偏流を抑制することができる。
図9は、図6に示した羽根車110を流動抵抗体80として用いた場合において、トラフ手前側の第1流入口61((A),(A)’)と、トラフ奥側の第2流入口62((B),(B)’)と、の海水流量の割合を示している。図9において「調整後」の棒グラフは、羽根車110を配置した後の各流量割合を示しており、「調整前」の棒グラフは、羽根車110の配置前における各流量割合を示している。またグラフの縦軸は、各流入口61,62から流出する海水の合計流量に対する各流入口61,62における流量の割合を示している。
図9のグラフから明らかなように、羽根車110の配置前(調整前)においては、トラフ奥側の第2流入口62((B)’)においてトラフ手前側の第1流入口61((A)’)よりも海水流量が遥かに大きいのに対して、羽根車110の配置後(調整後)においては当該流量差を大幅に低減することができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る気化装置について、図10を参照して説明する。実施形態3に係る気化装置は、基本的に上記実施形態1に係る気化装置1と同様の構成を備えているが、回転伝達手段30の構成において上記実施形態1と異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点について説明する。
図10に示すように、実施形態3における回転伝達手段30は、第1回転軸31と、第2回転軸33と、第1主歯車37と、第2主歯車38と、中間歯車39と、を有している。
第1主歯車37は、第1流入管71の外部に配置されており、第1回転軸31と連動して回転するように構成されている。より具体的には、上記実施形態1(図4)のように、第1回転軸31の下端に設けられたかさ歯車に対して噛み合う軸部材が第1流入管71の外部まで延びるように設けられ、その延出端37Aが第1主歯車37の中心に接続されている。従って、第1回転軸31の回転を、当該軸部材を介して第1主歯車37に伝達することができる。また第2主歯車38は、第2流入管72の外部に配置されており、第1主歯車37と同様の機構によって第2回転軸33と連動して回転するように構成されている。
中間歯車39は、複数(図10では3つ)の歯車要素39A,39B,39Cを有しており、第1主歯車37と第2主歯車38との間に配置されている。複数の歯車要素39A〜39Cは、隣り合う歯車要素に対して互いに噛み合うように並んで配置されており、一方の端(図10中左側)にある歯車要素39Aが第1主歯車37と噛み合うと共に、他方の端(図10中右側)にある歯車要素39Cが第2主歯車38と噛み合っている。第1及び第2主歯車37,38及び複数の歯車要素39A〜39Cは、不図示のギアボックスなどに収容されている。
この構成により、上記実施形態1のように連結軸32(図4)を用いた場合と同様に、第1流動抵抗体81と第2流動抵抗体82とを回転伝達手段30により互いに連結することができる。そして、第1及び第2流動抵抗体81,82の回転を第1及び第2流入管71,72の外部にそれぞれ取り出すと共に、第1及び第2流動抵抗体81,82の回転を相互に伝達することができる。
また図10に示すように、複数の歯車要素39A〜39Cにより中間歯車39が構成される場合に限定されず、単一の歯車要素により中間歯車39が構成されていてもよい。また第1及び第2流動抵抗体81,82は、図10に示すようならせん羽根の形状に限定されず、図6を参照して説明した羽根車110により構成されていてもよい。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る気化装置について、図11を参照して説明する。実施形態4に係る気化装置は、基本的に上記実施形態1に係る気化装置1と同様の構成を備えているが、回転伝達手段30の構成において上記実施形態1と異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点について説明する。
図11に示すように、回転伝達手段30は、第1回転軸31と、第2回転軸33と、第1プーリー120と、第2プーリー121と、プーリーベルト122と、を有している。
第1プーリー120は、第1流入管71の外部に配置されており、第1回転軸31と連動して回転するように構成されている。より具体的には、上記実施形態1(図4)のように、第1回転軸31の下端に設けられたかさ歯車に対して噛み合う軸部材が第1流入管71の外部まで延びるように設けられ、その延出端120Aに第1プーリー120が配置されている。これにより、第1回転軸31の回転を、当該軸部材を介して第1プーリー120に伝達することができる。また第2プーリー121は、第2流入管72の外部に配置されており、第1プーリー120と同様の機構によって第2回転軸33と連動して回転するように構成されている。
プーリーベルト122は、無端ベルトであって、第1プーリー120と第2プーリー121との間に架け渡されている。またプーリーベルト122は、第1及び第2プーリー120,121の各滑車面120B,121Aにおける外側部分に接触するように配置されており、各プーリー120,121が回転することにより走行する。
この構成により、上記実施形態1〜3と同様に、第1流動抵抗体81と第2流動抵抗体82とを回転伝達手段30により互いに連結することができる。そして、第1及び第2流動抵抗体81,82の回転を第1及び第2流入管71,72の外部にそれぞれ取り出すことができると共に、第1及び第2流動抵抗体81,82の回転を相互に伝達することができる。また第1及び第2流動抵抗体81,82は、図11に示すようならせん羽根の形状に限定されず、図6を参照して説明した羽根車110により構成されていてもよい。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5に係る気化装置について、図12及び図13を参照して説明する。実施形態5に係る気化装置は、基本的に上記実施形態1に係る気化装置1と同様の構成を備えているが、発熱機130を備えている点で上記実施形態1と異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点について説明する。
図12に示すように、発熱機130は、トラフ本体51内の前壁部51d側に配置された第1発熱機131と、トラフ本体51内の後壁部51e側に配置された第2発熱機132と、を有している。発熱機130の数及び配置形態はこれに限定されず、3つ以上の発熱機130が配置されてもよいし、トラフ長手方向の中央付近に発熱機130が配置されてもよい。
第1発熱機131は、回転伝達手段30により第1流入管71の外部に伝達された第1流動抵抗体81の回転により発熱するように構成されている。また第2発熱機132は、回転伝達手段30により第2流入管72の外部に伝達された第2流動抵抗体82の回転により発熱するように構成されている。
より具体的には、図13に示すように、各発熱機130(131,132)は、回転伝達手段30と連動して回転する回転軸体133と、当該回転軸体133の外周部において当該回転軸体133と接触するように配置された固定体134と、を有している。そして、回転伝達手段30により流動抵抗体80の回転を流入管70の外部に取り出し、固定体134を固定しつつ回転軸体133を回転させることにより、回転軸体133の外面133Aと固定体134の内面134Aとの間で摩擦熱Hを発生させることができる。なお、図13では、図面の便宜上回転軸体133と固定体134との間に隙間があるが、実際には摩擦熱Hを発生させるために互いに接触した状態で配置される。
これらの発熱機130(131,132)によってトラフ本体51内に貯留された海水Sを加温することが可能となり、より高温の海水Sを伝熱管パネル2(図1)に供給することができる。これにより、伝熱管21内におけるLNGの気化効率をより向上させることができる。また発熱機130は、摩擦熱により発熱する機構のものに限定されず、例えば回転伝達手段30の回転により起電力を生じさせ、その電力によって発熱する機構のものでもよい。
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6に係る気化装置について、図14及び図15を参照して説明する。実施形態6に係る気化装置は、基本的に上記実施形態1に係る気化装置1と同様の構成を備えているが、発電機140を備えている点で上記実施形態1と異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点について説明する。
図14に示すように、発電機140は、第1発電機141と、第2発電機142と、を有している。第1発電機141は、回転伝達手段30により第1流入管71の外部に伝達された第1流動抵抗体81の回転により発電するように構成されている。第2発電機142は、回転伝達手段30により第2流入管72の外部に伝達された第2流動抵抗体82の回転により発電するように構成されている。
より具体的には、図15に示すように、発電機140は、回転軸145と、回転軸145に固定されたロータ144と、ロータ144の外側に配置されたステータ143と、を有している。この回転軸145は、回転伝達手段30により取り出された各流動抵抗体81,82の回転によって軸周りに回転可能に構成されている。これにより、ロータ144を回転させることができ、ステータ143のコイルに電流を発生させることができる。
このようにして発生させた電気を種々の用途に利用することができる。例えば、図14に示すように、第1及び第2発電機141,142を海水供給管6に設けられたポンプ150に接続し、ポンプ150の補助電力として利用することができる。これにより、ポンプ150の主電源の電力を低減することが可能となる。またこれ以外にも、気化装置1に設けられた電灯用の電気として利用されてもよい。また上記実施形態5で説明した発熱機130を発電機140と共に併設してもよい。
(その他実施形態)
最後に、本発明のその他実施形態について説明する。
上記実施形態1では、図3に示すように第1流入管71及び第2流入管72において第1流動抵抗体81及び第2流動抵抗体82がそれぞれ配置される場合について説明したが、これに限定されない。本発明では、少なくとも熱交換用流体の流量が最も多い流入管の内部に流動抵抗体が配置されていればよく、図16に示すように第2流入管72の内部に第2流動抵抗体82を配置すると共に、第1流入管71の内部には流動抵抗体を配置しなくてもよい。
上記実施形態1では、図3に示すようにトラフ本体51の底面に2つの流入口61,62が設けられる場合について説明したが、これに限定されない。トラフ本体51の底面において海水の流れ方向に並ぶ3つ以上の流入口60が設けられ、各流入口60に接続される3本以上の流入管が設けられてもよい。
上記実施形態1では、図3に示すように第1及び第2流入口61,62がいずれもトラフ本体51の底壁部51bに設けられる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、第1流入口61が前壁部51dに設けられ、第2流入口62が後壁部51eに設けられてもよい。
上記実施形態1では、熱交換用流体として海水を用いる場合について説明したがこれに限定されず、他の加熱媒体が用いられてもよい。
上記実施形態1では、流動抵抗体80が海水の動圧を受けて回転する場合について説明したが、流動抵抗体80が回転しないように構成されていてもよい。この場合、回転伝達手段30も省略することができる。
上記実施形態1では、気化装置1によりLNGを気化させる場合について説明したがこれに限定されず、例えば液化石油ガスや流体窒素などの他の液化ガスを気化させてもよい。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 気化装置
5 トラフ
30 回転伝達手段
31 第1回転軸
31BC 第1かさ歯車
32 連結軸
33 第2回転軸
33BC 第2かさ歯車
34 第2連結軸
34AB 第2連結かさ歯車
35 接続部材
36 第1連結軸
36AB 第2連結かさ歯車
39 中間歯車
60 流入口
61 第1流入口
62 第2流入口
70 流入管
71 第1流入管
72 第2流入管
80 流動抵抗体
81 第1流動抵抗体
82 第2流動抵抗体
130 発熱機
131 第1発熱機
132 第2発熱機
140 発電機
141 第1発電機
142 第2発電機
S 海水(熱交換用流体)

Claims (7)

  1. オープンラック式の気化装置であって、
    熱交換用流体を内部に流入させるための部分であり、熱交換用流体の流れ方向に並ぶ複数の流入口が設けられた容器からなるトラフと、
    前記複数の流入口の各々に接続され、前記流入口を介して前記トラフの内部に熱交換用流体を供給するための複数の流入管と、
    前記複数の流入管のうち、少なくとも熱交換用流体の流量が最も多い前記流入管の内部に配置された羽根状の流動抵抗体と、を備えることを特徴とする、気化装置。
  2. 前記流動抵抗体が回転可能に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の気化装置。
  3. 前記流動抵抗体の回転を前記流入管の外部に伝達するための回転伝達手段をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の気化装置。
  4. 前記複数の流入口は、第1流入口と、熱交換用流体の流れ方向において前記第1流入口と離れて設けられた前記第2流入口と、を含み、
    前記複数の流入管は、前記第1流入口に接続された第1流入管と、前記第2流入口に接続された第2流入管と、含み、
    前記流動抵抗体は、前記第1流入管の内部に配置された第1流動抵抗体と、前記第2流入管の内部に配置された第2流動抵抗体と、を含み、
    前記第1流動抵抗体と前記第2流動抵抗体とは、前記回転伝達手段により互いに連結されていることを特徴とする、請求項3に記載の気化装置。
  5. 前記回転伝達手段は、
    前記第1流動抵抗体と共に回転可能に構成され、回転軸方向の一方の端部に第1かさ歯車が設けられた第1回転軸と、
    前記第2流動抵抗体と共に回転可能に構成され、回転軸方向の一方の端部に第2かさ歯車が設けられた第2回転軸と、
    前記第1回転軸と前記第2回転軸とを連結する連結軸と、を有し、
    前記連結軸は、
    前記第1かさ歯車と噛み合う第1連結かさ歯車が設けられた第1連結軸と、
    前記第2かさ歯車と噛み合う第2連結かさ歯車が設けられた第2連結軸と、
    前記第1連結軸と前記第2連結軸とを、互いに回転を伝達可能であると共に位置又は角度を可変に接続する接続部材と、を含むことを特徴とする、請求項4に記載の気化装置。
  6. 前記トラフの容器内に配置され、前記回転伝達手段により前記流入管の外部に伝達された前記流動抵抗体の回転により発熱するように構成された発熱機をさらに備えることを特徴とする、請求項3〜5の何れか1項に記載の気化装置。
  7. 前記回転伝達手段により前記流入管の外部に伝達された前記流動抵抗体の回転により発電するように構成された発電機をさらに備えることを特徴とする、請求項3〜6の何れか1項に記載の気化装置。
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