JP2018017377A - 流体圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体圧制御装置の作動の安定性を向上させる。
【解決手段】流体圧制御装置100は、ポンプ20とタンク21とを接続する中立通路22と、単動型のリフトシリンダ1に給排される作動油の流れを制御する第1制御弁30と、チルトシリンダ5に給排される作動油の流れを制御する第2制御弁50と、中立通路22の作動油圧を第1制御弁30の一対のパイロット圧室34,35に導くパイロット通路23と、を備え、パイロット通路23と中立通路22との接続部分よりも下流側には、第1制御弁30が中立通路22を開放すると共にリフトシリンダ1から排出される作動油をタンク21へ導く排出ポジション30Cである場合において、中立通路22を通過する作動油の流れに抵抗を付与する絞り部が設けられる。
【選択図】図1
【解決手段】流体圧制御装置100は、ポンプ20とタンク21とを接続する中立通路22と、単動型のリフトシリンダ1に給排される作動油の流れを制御する第1制御弁30と、チルトシリンダ5に給排される作動油の流れを制御する第2制御弁50と、中立通路22の作動油圧を第1制御弁30の一対のパイロット圧室34,35に導くパイロット通路23と、を備え、パイロット通路23と中立通路22との接続部分よりも下流側には、第1制御弁30が中立通路22を開放すると共にリフトシリンダ1から排出される作動油をタンク21へ導く排出ポジション30Cである場合において、中立通路22を通過する作動油の流れに抵抗を付与する絞り部が設けられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、流体圧制御装置に関するものである。
特許文献1には、フォークリフトの荷役制御システムであって、リフトシリンダとチルトシリンダとの移動量を制御するための油圧回路を備えるものが開示されている。
特許文献1に開示される油圧回路において、ポンプから吐出された作動油をタンクへと導く中立通路には、上流側(ポンプ側)から、チェックバルブと、リフトシリンダの作動を制御するリフト流量制御弁と、チルトシリンダの作動を制御するチルト流量制御弁と、が設けられる。
リフト流量制御弁とチルト流量制御弁とは、それぞれ一対のパイロット圧室を有し、パイロット圧室にはチェックバルブの上流側の中立通路から分岐するパイロット通路を通じて中立通路の圧力が導かれる。リフト流量制御弁とチルト流量制御弁とは、パイロット通路を通じて導かれる中立通路の圧力からパイロット圧を生成し、パイロット圧に応じたポジションに作動する。
この油圧回路では、リフト流量制御弁の上流側にチェックバルブが設けられることにより、中立通路がタンクに連通してタンク圧となっても、チェックバルブの開弁圧に起因する流路抵抗によってチェックバルブの上流にはタンク圧より大きな所定の圧力が生じる。よって、中立通路がタンク圧になった状態であっても、リフト流量制御弁とチルト流量制御弁とを作動させるためのパイロット圧を確保することができる。
また、この油圧回路においては、単動型のリフトシリンダを収縮させる際には、リフト流量制御弁は中立通路を開放する。チルトシリンダを伸縮作動させる際には、チルト流量制御弁は、中立通路を遮断する。よって、リフトシリンダを収縮させチルトシリンダを伸縮作動させる状態では、チルト流量制御弁の上流における中立通路の圧力が上昇するため、中立通路の圧力に応じた圧力がパイロット通路に導かれる。
しかしながら、この状態でリフトシリンダのみを駆動するように切り換えると、つまり中立通路を開放するようにチルト流量制御弁のポジションを切り換えると、中立通路がタンクに連通して圧力が急激に低下する。このような急激な圧力低下が生じると、チェックバルブの作動が遅れ、チェックバルブの上流のパイロット通路の圧力も急激に低下するおそれがある。このようにしてパイロット通路の圧力が低下すると、リフト流量制御弁のポジションが意図せずに切り換わり、リフトシリンダの作動が不安定になるおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、流体圧制御装置の作動の安定性を向上させることを目的とする。
第1の発明は、流体圧制御装置であって、ポンプと、タンクと、ポンプから吐出される作動流体が導かれタンクに接続される中立通路と、中立通路に設けられると共に作動流体圧が導かれる一対のパイロット圧室を有し、一対のパイロット圧室に導かれる作動流体圧によって作動して単動型の第1アクチュエータに給排される作動流体の流れを制御する第1制御弁と、中立通路に設けられ第2アクチュエータに給排される作動流体の流れを制御する第2制御弁と、中立通路に接続され中立通路の作動流体圧を第1制御弁の前記一対のパイロット圧室に導くパイロット通路と、を備え、第1制御弁は、第1アクチュエータへの作動流体の給排を遮断すると共に中立通路を開放する第1中立ポジションと、一方のパイロット圧室のパイロット圧によって第1中立ポジションから切り換えられ中立通路を遮断するとともにポンプから吐出される作動流体を第1アクチュエータに導く供給ポジションと、他方のパイロット圧室のパイロット圧によって第1中立ポジションから切り換えられ中立通路を開放すると共に第1アクチュエータから排出される作動流体をタンクへ導く排出ポジションと、を有し、第2制御弁は、第2アクチュエータへの作動流体の給排を遮断して中立通路を開放する第2中立ポジションと、中立通路の作動流体を第2アクチュエータに導いて第2アクチュエータを伸縮作動させる作動ポジションと、を有し、パイロット通路と中立通路との接続部分よりも下流側には、第1制御弁が排出ポジションである場合において、中立通路を通過する作動流体の流れに抵抗を付与する絞り部が設けられることを特徴とする。
第1の発明では、第1制御弁を排出ポジションにして第1アクチュエータを収縮させる状態において、ポンプから吐出される作動流体は、絞り部を通過する。絞り部によって付与される流路抵抗により、絞り部の上流において中立通路に接続されるパイロット通路には、タンク圧よりも大きい所定の圧力が生じる。よって、第2制御弁が第2中立ポジションに切り換わり中立通路がタンク圧となったとしても、パイロット圧の低下が防止される。
第2の発明は、第1制御弁が、当該第1制御弁のポジションを切り換えるスプールを有し、絞り部は、スプールに設けられることを特徴とする。
第3の発明は、絞り部が、第1制御弁の作動に連動して切り換わる絞り弁であることを特徴とする。
第2及び第3の発明では、絞り部が設けられることにより、パイロット圧の低下を防止するためのアキュムレータなどを設けなくてもよいため、流体圧制御装置の大型化を防止することができる。
第4の発明は、パイロット通路と中立通路との接続部分よりも下流側に設けられ所定の開弁圧で開弁する背圧弁をさらに備えることを特徴とする。
第4の発明では、ポンプの始動時において、より確実にパイロット圧を発生させて、第1制御弁の作動の応答性を向上させることができる。
第5の発明は、第1制御弁が、中立通路において第2制御弁よりも上流側に設けられることを特徴とする。
第5の発明では、第1制御弁が上流側に設けられることで、中立通路へのパイロット通路の接続部分と絞り部との間の距離を短くでき、両者の間の圧力損失を小さくすることができる。このため、より確実にパイロット圧を発生させて、第1制御弁の作動の応答性を向上させることができる。
本発明によれば、流体圧制御装置の作動の安定性が向上する。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。以下では、フォークリフトに搭載される流体圧制御装置100を例に説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る流体圧制御装置100及びこれを備える流体圧制御システム10の構成について説明する。
流体圧制御システム10は、フォークを昇降させる第1アクチュエータとしてのリフトシリンダ1と、マストの傾斜角を変化させる第2アクチュエータとしてのチルトシリンダ5と、リフトシリンダ1及びチルトシリンダ5の作動を制御する流体圧制御装置100と、作業者の操作入力に応じて流体圧制御装置100を制御するコントローラ9と、を備える。なお、図示を省略するが、流体圧制御システム10は、リフトシリンダ1及びチルトシリンダ5以外にも、例えばフォークの間隔を調整するフォークポジショナーなど他の付属装置を動かす付属装置用アクチュエータを備える。このような付属装置用アクチュエータが第2アクチュエータに相当するものでもよい。
リフトシリンダ1は、シリンダチューブ2の内部をロッド側室2Aと反ロッド側室2Bとに区画するピストン3を有する単動形シリンダである。ピストン3にはピストンロッド4が連結される。リフトシリンダ1のロッド側室2Aは、例えば大気開放され、反ロッド側室2Bには作動流体としての作動油が給排通路25を通じて給排される。反ロッド側室2Bに作動油が供給されることにより、リフトシリンダ1は伸長作動してフォークを上昇させる。反対に、フォークの自重によって反ロッド側室2Bの作動油が排出されることにより、リフトシリンダ1は収縮作動してフォークが下降する。なお、ロッド側室2Aは、大気開放に限らず、例えばタンク21に連通するドレン通路に接続されてもよい。
チルトシリンダ5は、シリンダチューブ6の内部をロッド側室6Aと反ロッド側室6Bとに区画するピストン7を有する複動形シリンダである。ピストン7にはピストンロッド8が連結される。チルトシリンダ5のロッド側室6Aには、ロッド側通路27を通じて作動油が給排される。チルトシリンダ5の反ロッド側室6Bには、反ロッド側通路28を通じて作動油が給排される。反ロッド側室6Bに作動油が供給されロッド側室6Aから作動油が排出されることにより、チルトシリンダ5は伸長作動してマストを前傾させる。反対に、ロッド側室6Aに作動油が供給され反ロッド側室6Bから作動油が排出されることにより、チルトシリンダ5は収縮作動してマストを後傾させる。
流体圧制御装置100は、エンジン(図示省略)又はモータ(図示省略)によって駆動され作動油を吐出するポンプ20と、作動油が貯留されるタンク21と、ポンプ20とタンク21とを接続する中立通路22と、中立通路22に設けられリフトシリンダ1に給排される作動油の流れを制御する第1制御弁30と、第1制御弁30の下流側における中立通路22に設けられチルトシリンダ5に給排される作動油の流れを制御する第2制御弁50と、第1制御弁30の上流側に設けられ所定の開弁圧で開弁する背圧弁60と、背圧弁60の上流側における中立通路22から分岐するパイロット通路23と、第1制御弁30の上流側における中立通路22から分岐して第1及び第2制御弁30,50に接続されるバイパス通路24と、を備える。バイパス通路24には、中立通路22から第1及び第2制御弁30,50への作動油の流れのみを許容するチェック弁(図示省略)が設けられる。
第1制御弁30は、5ポート3ポジションの切換弁である。第1制御弁30は、リフトシリンダ1への作動油の給排を遮断すると共に中立通路22を開放する第1中立ポジション30Aと、中立通路22を遮断すると共にポンプ20から吐出される作動油をリフトシリンダ1の反ロッド側室2Bに導く供給ポジション30Bと、中立通路22を開放すると共にリフトシリンダ1の反ロッド側室2Bから排出される作動油をタンク21へ導く排出ポジション30Cと、を有する。供給ポジション30Bでは、バイパス通路24及び給排通路25を通じてポンプ20から吐出された作動油が反ロッド側室2Bに導かれる。排出ポジション30Cでは、給排通路25及びタンク21に連通するリターン通路26を通じて反ロッド側室2Bの作動油がタンク21へと導かれる。
また、第1制御弁30は、図1及び図2に示すように、ポジションを切り換えるスプール40(図2参照)と、スプール40の両端に臨む一対のパイロット圧室34,35と、パイロット通路23を通じて導かれる作動油圧を減圧して一対のパイロット圧室34,35にそれぞれ導く比例ソレノイド式の減圧弁32,33と、スプール40の両端に設けられる一対のセンタリングスプリング36,37と、を有する。
第1制御弁30は、操作レバー(図示省略)を通じた作業者の操作入力に応じてコントローラ9から出力される通電指令によっていずれか一方の減圧弁32,33のソレノイド32A,33Aを駆動し、パイロット通路23から導かれる作動油圧を減圧してパイロット圧室34,35に導く。これにより、第1制御弁30のスプール40は、パイロット圧によって操作入力に応じた位置に移動してポジションが切り換えられる。また、両方の減圧弁32,33のソレノイド32A,33Aに通電しない通常時には、減圧弁32,33によって一対のパイロット圧室34,35へのパイロット圧の供給が遮断される。これにより、第1制御弁30のスプール40は、センタリングスプリング36,37の付勢力によって第1中立ポジション30Aとなるように保持される。
また、流体圧制御装置100は、第1制御弁30に設けられ通過する作動油に抵抗を付与する絞り部をさらに備える。具体的には、絞り部は、図2に示すように、第1制御弁30のスプール40に形成されるノッチ40Aである。第1制御弁30が排出ポジション30Cに切り換えられると、ポンプ20から吐出され中立通路22に導かれた作動油は、ノッチ40Aを通過して第2制御弁50に導かれる。ノッチ40Aについては、後に詳細に説明する。
第2制御弁50は、6ポート3ポジションの切換弁である。第2制御弁50は、チルトシリンダ5への作動油の給排を遮断すると共に中立通路22を開放する第2中立ポジション50Aと、中立通路22から分岐するバイパス通路24を通じて導かれる作動油をチルトシリンダ5に導いてチルトシリンダ5を伸縮作動させる作動ポジションと、を有する。作動ポジションには、チルトシリンダ5を伸長させる伸長ポジション50Bと、チルトシリンダ5を収縮させる収縮ポジション50Cと、が含まれる。伸長ポジション50Bでは、バイパス通路24と反ロッド側通路28とが連通すると共に、ロッド側通路27とタンク21に連通するリターン通路29とが連通する。収縮ポジション50Cでは、バイパス通路24とロッド側通路27とが連通すると共に、反ロッド側通路28とリターン通路29とが連通する。
また、第2制御弁50は、第1制御弁30と同様に、ポジションを切り換えるスプール(図示省略)と、スプールの両端に臨む一対のパイロット圧室54,55と、パイロット通路23を通じて導かれる作動油圧を減圧してパイロット圧室54,55に導く比例ソレノイド式の減圧弁52,53と、スプールの両端に設けられる一対のセンタリングスプリング56,57と、をさらに有する。
第2制御弁50は、操作レバー(図示省略)を通じた作業者の操作入力に応じてコントローラ9から出力される通電指令によって作動する。第2制御弁50の作動は、第1制御弁30の作動と同様のものであるため、詳細な説明は省略する。
背圧弁60は、ポンプ20からタンク21へと向かう作動油の流れのみを許容するチェック弁である。背圧弁60は、中立通路22が所定の開弁圧よりも大きくなると開弁して、ポンプ20から吐出される作動油を導くように中立通路22を開放する。
また、中立通路22においてパイロット通路23との接続部分の上流側には、リリーフ弁62が設けられるリリーフ通路61が接続される。これにより、中立通路22内の圧力がリリーフ弁62のリリーフ圧以下に保たれる。
次に、図2から図4を参照して、第1制御弁30に設けられるノッチ40Aについて説明する。
第1制御弁30は、図2から図4に示すように、ハウジング31と、ハウジング31に形成されるスプール収容孔31Aと、スプール収容孔31Aに移動自在に挿入されるスプール40と、を有する。
ハウジング31には、中立通路22と、バイパス通路24と、給排通路25と、リターン通路26と、が形成される。なお、以下では、第1制御弁30の上流側の中立通路22を「上流中立通路22A」、下流側を「下流中立通路22B」と称する。
一対のパイロット圧室34,35は、スプール40の両端に臨むようにハウジング31に形成される。また、センタリングスプリング36,37は、スプール40の両端に臨むようにハウジング31に収容され、第1制御弁30が第1中立ポジション30Aをとるようにスプール40を軸方向に付勢する。
スプール40は、スプール収容孔31Aに摺動する第1〜第5ランド部41,42,43,44,45と、第1ランド部41と第2ランド部42と間にスプール40の外周面に開口して形成される第1環状溝46と、第2ランド部42と第3ランド部43との間にスプール40の外周面に開口して形成される第2環状溝47と、第3ランド部43と第4ランド部44との間にスプール40の外周面に開口して形成される第3環状溝48と、第4ランド部44と第5ランド部45との間にスプール40の外周面に開口して形成される第4環状溝49と、を有する。
ノッチ40Aは、第4ランド部44の外周面に開口し軸方向に沿って形成される。なお、絞り部は、第1制御弁30が排出ポジション30Cに切り換わった状態において、通過する作動油の流れに所望の抵抗を付与して上流中立通路22Aから下流中立通路22Bに作動油を導くようなものであれば、任意の形状に形成することができる。例えば、絞り部は、軸方向に沿って外周面に形成されるノッチ40Aに限らず、スプール40の内部を通過する貫通路であってもよい。
図2に示す第1中立ポジション30Aでは、第2、第3環状溝47,48を通じて上流中立通路22Aと下流中立通路22Bとが連通し、中立通路22が開放される。第1中立ポジション30Aでは、バイパス通路24及びリターン通路26と給排通路25との連通が、第1、第2ランド部41,42によって遮断される。
図3に示す供給ポジション30Bでは、第1環状溝46を通じてバイパス通路24と給排通路25とが連通し、リターン通路26と給排通路25との連通が第1ランド部41によって遮断される。供給ポジション30Bでは、上流中立通路22Aと下流中立通路22Bとの連通が第2、第3ランド部42,43によって遮断される。
図4に示す排出ポジション30Cでは、第1環状溝46を通じてリターン通路26と給排通路25とが連通し、第2ランド部42によってバイパス通路24と給排通路25との連通が遮断される。また、排出ポジション30Cでは、第4ランド部44に形成されるノッチ40Aを通じて上流中立通路22Aと下流中立通路22Bとが連通する。これにより、上流中立通路22Aを通じて第1制御弁30に導かれる作動油は、ノッチ40Aによって抵抗が付与され、下流中立通路22Bを通じて第2制御弁50へ導かれる。
次に、主に図1及び図2を参照して、流体圧制御装置100及び流体圧制御システム10の作動について説明する。
ポンプ20が駆動しない停止状態においては、図1に示すように、第1制御弁30は、一対のセンタリングスプリング36,37によって第1中立ポジション30Aとなる(図2に示す状態)。同様に、第2制御弁50は、一対のセンタリングスプリング56,57によって第2中立ポジション50Aとなる。よって、この状態では、中立通路22の圧力は、タンク圧となる。
ポンプ20が駆動されると、ポンプ20から吐出される作動油は、中立通路22に設けられる背圧弁60を開弁して第1制御弁30に導かれる。この際、背圧弁60の上流の圧力は、背圧弁60の開弁圧に起因して、下流側の圧力、言い換えればタンク圧よりも高くなる。よって、背圧弁60の上流において中立通路22から分岐するパイロット通路23は、タンク圧よりも高い圧力となる。
ここで、背圧弁60が設けられていない場合には、第1及び第2制御弁30,50がそれぞれ第1及び第2中立ポジション30A,50Aとなると、中立通路22の全体がタンク圧とるため、パイロット通路23もタンク圧となる。この場合には、第1制御弁30の減圧弁32,33及び第2制御弁50の減圧弁52,53を開弁してもパイロット圧室34,35及びパイロット圧室54,55がそれぞれタンク圧となるため、第1制御弁30及び第2制御弁50を作動させることができない。
これに対し、流体圧制御装置100では、中立通路22に背圧弁60が設けられると共にパイロット通路23が背圧弁60の上流において中立通路22から分岐する。このため、減圧弁32,33及び減圧弁52,53を開弁するとパイロット圧室34,35及びパイロット圧室54,55には所定のパイロット圧が導かれ、第1、第2制御弁30,50を作動させることができる。このように、背圧弁60が設けられることにより、ポンプ20の始動時において、より確実にパイロット圧を発生させて、第1、第2制御弁30,50の作動の応答性を向上させることができる。
フォークを上昇させる場合には、コントローラ9から第1制御弁30の一方のソレノイド32Aへ電流を供給して、第1制御弁30を供給ポジション30Bに切り換える。これにより、中立通路22から分岐するバイパス通路24と給排通路25とが連通し、ポンプ20から吐出される作動油がリフトシリンダ1の反ロッド側室2Bに導かれる。したがって、リフトシリンダ1が伸長して、フォークが上昇する。
リフトシリンダ1を下降させる場合には、コントローラ9から第1制御弁30の他方のソレノイド33Aへ電流を供給して、第1制御弁30を排出ポジション30Cに切り換える。これにより、給排通路25とリターン通路26とが連通し、リフトシリンダ1の反ロッド側室2Bの作動油がタンク21へ排出される。よって、リフトシリンダ1が収縮して、フォークが下降する。
排出ポジション30Cでは、中立通路22を通過する作動油は、スプール40に形成されるノッチ40Aを通じて第2制御弁50へ導かれる。これにより、中立通路22を通過する作動油の流れには、ノッチ40Aにより抵抗が付与される。
マストを前傾させる場合には、コントローラ9から第2制御弁50の一方のソレノイド52Aへ電流を供給して、第2制御弁50を伸長ポジション50Bに切り換える。これにより、バイパス通路24がチルトシリンダ5の反ロッド側室6Bと連通すると共に、ロッド側室6Aがリターン通路29と連通する。よって、チルトシリンダ5が伸長し、マストが前傾する。
マストを後傾させる場合には、コントローラ9から第2制御弁50の他方のソレノイド53Aへ電流を供給して、第2制御弁50を収縮ポジション50Cに切り換える。これにより、バイパス通路24とロッド側室6Aとが連通すると共に、リターン通路29と反ロッド側室6Bとが連通する。よって、チルトシリンダ5が収縮し、マストが後傾する。
なお、第1制御弁30が供給ポジション30Bである場合には中立通路22が遮断され、排出ポジション30Cである場合には中立通路22を通過する作動油の流れに抵抗が付与される。しかしながら、中立通路22から分岐するバイパス通路24が第2制御弁50に接続されるため、第1制御弁30の作動によりチルトシリンダ5への作動油の給排が妨げられることはない。
ここで、本発明の理解を容易にするために、図6を参照して、本発明の比較例に係る流体圧制御装置200について説明する。流体圧制御装置100と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
流体圧制御装置200は、スプール40に形成される絞り部としてのノッチ40Aを有していない点において、本実施形態に係る流体圧制御装置100とは相違する。
流体圧制御装置200では、第1制御弁130を排出ポジション30Cに切り換えるとともに、第2制御弁50を作動ポジション(伸長ポジション50B、収縮ポジション50C)に切り換えている状態では、中立通路22は第2制御弁50によって遮断され、バイパス通路24はチルトシリンダ5のロッド側室6A又は反ロッド側室6Bに連通する。このため、中立通路22の圧力はチルトシリンダ5の作動負荷に応じた圧力となる。
この状態から、図6に示すように、第2制御弁50を第2中立ポジション50Aに切り換えると、中立通路22が開放されると共に、バイパス通路24及びリターン通路29とチルトシリンダ5のロッド側室6A及び反ロッド側室6Bとの間の連通が遮断される。この際、中立通路22がタンク21と連通することで中立通路22の圧力がタンク圧まで急激に低下する。このような中立通路22の急激な圧力低下が生じると、背圧弁60の作動が追い付かず、背圧弁60の上流の中立通路22もタンク圧にまで低下するおそれがある。背圧弁60の上流の中立通路22の圧力がタンク圧となると、パイロット通路23を通じて第1制御弁30のパイロット圧室34,35の圧力もタンク圧となるため、第1制御弁30が排出ポジション30Cから第1中立ポジション30Aに切り換わってしまう。このように、流体圧制御装置200では、第1制御弁30が排出ポジション30Cである際に第2制御弁50を作動ポジション(伸長ポジション50B、収縮ポジション50C)から第2中立ポジション50Aに切り換わると、第1制御弁30が意図せずに切り換わり、リフトシリンダ1の作動が不安定になるおそれがある。
これに対し、流体圧制御装置100では、第1制御弁30が排出ポジション30Cにある状態では、中立通路22を通過する作動油の流れにはノッチ40Aによって抵抗が付与される。このため、第2制御弁50が作動ポジション(伸長ポジション50B、収縮ポジション50C)から第2中立ポジション50Aに切り換わっても、第1制御弁30の上流の中立通路22には、ノッチ40Aの流路抵抗に起因してタンク圧よりも大きな圧力が生じる。よって、パイロット通路23にもタンク圧よりも大きな圧力が生じ、パイロット圧の低下が防止される。したがって、第1制御弁30が意図せず切り換わることが防止され、リフトシリンダ1の作動の安定性が向上する。
また、パイロット圧がタンク圧となることによる第1制御弁30の意図しない作動を防止するためには、作動油を蓄圧して貯留するアキュムレータを中立通路22における第1制御弁30の上流またはパイロット通路23に設けることも考えられる。しかしながら、アキュムレータを設けると流体圧制御装置100及び流体圧制御システム10が大型化してしまう。これに対し、絞り部としてのノッチ40Aを備える流体圧制御装置100では、アキュムレータを設けることなく第1制御弁30の意図しない作動を防止できるため、流体圧制御装置100の大型化を防止することができる。
また、ノッチ40Aを有する第1制御弁30は、中立通路22において第2制御弁50よりも上流側に設けられる。このため、中立通路22とパイロット通路23との接続部分と、ノッチ40Aと、の間の距離(流路長)を短くして、圧力損失を低減することができる。よって、より確実にパイロット圧の低下を防止して、リフトシリンダ1の作動の安定性を向上させることができる。
次に、図5を参照して、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、絞り部は、第1制御弁30のスプール40に形成されるノッチ40Aである。これに対し、図5に示すように、絞り部は、中立通路22とパイロット通路23との接続部分よりも下流の中立通路22に設けられ第2制御弁50の作動に連動して切り換わる絞り弁140であってもよい。具体的に説明すると、絞り弁140は、例えば、図5に示すように、中立通路22を開放する開放ポジション140Aと、通過する作動油の流れに抵抗を付与する絞りポジション140Bと、で切り換えられるソレノイド式のON−OFF弁である。絞り弁140は、第1制御弁30が排出ポジション30Cである状態において、第2制御弁50が作動ポジション(伸長ポジション50B、収縮ポジション50C)から第2中立ポジション50Aに切り換えられるのに連動して、開放ポジション140Aから絞りポジション140Bに切り換えられる。この変形例の場合には、第1制御弁30に絞り部(ノッチ40A)を設けなくてよい。このような変形例であっても、上記実施形態と同様に、リフトシリンダ1の収縮時に第2制御弁50を第2中立ポジション50Aに切り換えても、絞りポジション140Bに切り換えられた絞り弁140によって作動油の流れに抵抗が付与されるため、パイロット通路23がタンク圧となることを防止することができる。したがって、第1制御弁30の意図しない作動を防止することができる。
なお、図5の変形例において、背圧弁60を設けずポンプ20の始動時に絞り弁140を絞りポジション140Bに切り換えることで、絞り弁140を背圧弁60として機能させてもよいし、絞り弁140とは別に背圧弁60を設けてもよい。また、上記実施形態における第1制御弁30と変形例における絞り弁140とを使用して、絞り弁140を背圧弁60としてのみ機能させてもよい。
また、図5に示す変形例において、絞り弁140は、第1制御弁30が排出ポジション30Cである際に、絞りポジション140Bに切り換えられるものであればよい。つまり、絞り弁140は、第1制御弁30の作動に連動して切り換わるものであればよい。このように、絞り部は、パイロット通路23と中立通路22との接続部分よりも下流側に設けられ、第1制御弁30が排出ポジション30Cである場合において、中立通路22を通過する作動油の流れに抵抗を付与するものであればよい。第2制御弁50のポジションに関わらず、第1制御弁30が排出ポジション30Cである場合に、中立通路22を通過する作動油の流れに抵抗が付与する構成であれば、パイロット圧の低下を防止することができる。
また、上記実施形態では、背圧弁60はチェック弁である。これに限らず、背圧弁は、所定の流路抵抗を付与する切換弁等その他のものであってもよい。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
流体圧制御装置100では、第1制御弁30を排出ポジション30Cに切り換えた状態において、第2制御弁50を作動ポジション(伸長ポジション50B、収縮ポジション50C)から第2中立ポジション50Aに切り換えると、ポンプ20から吐出される作動油は、絞り部(ノッチ40A、絞り弁140)を通過する。絞り部(ノッチ40A、絞り弁140)によって付与される流路抵抗により、絞り部(ノッチ40A、絞り弁140)の上流において中立通路22に接続されるパイロット通路23には、タンク圧よりも大きい所定の圧力が生じる。よって、第2制御弁50が第2中立ポジション50Aに切り換わり、中立通路22がタンク圧となっても、パイロット圧の低下が防止される。したがって、第1制御弁30の意図しない作動が防止され、流体圧制御装置100の作動の安定性が向上する。
また、流体圧制御装置100では、アキュムレータを設けなくても、第1制御弁30の意図しない作動を防止できる。このため、流体圧制御装置100の大型化を防止することができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
流体圧制御装置100は、ポンプ20と、タンク21と、ポンプ20から吐出される作動油が導かれタンク21に接続される中立通路22と、中立通路22に設けられると共に作動油圧が導かれる一対のパイロット圧室34,35を有し、パイロット圧室34,35に導かれる作動油圧によって作動して単動型のリフトシリンダ1に給排される作動油の流れを制御する第1制御弁30と、中立通路22に設けられチルトシリンダ5に給排される作動油の流れを制御する第2制御弁50と、中立通路22に接続され中立通路22の作動油圧を第1制御弁30の一対のパイロット圧室34,35に導くパイロット通路23と、を備え、第1制御弁30は、リフトシリンダ1への作動油の給排を遮断すると共に中立通路22を開放する第1中立ポジション30Aと、一方のパイロット圧室34のパイロット圧によって第1中立ポジション30Aから切り換えられ中立通路22を遮断するとともにポンプ20から吐出される作動油をリフトシリンダ1に導く供給ポジション30Bと、他方のパイロット圧室35のパイロット圧によって第1中立ポジション30Aから切り換えられ中立通路22を開放すると共にリフトシリンダ1から排出される作動油をタンク21へ導く排出ポジション30Cと、を有し、第2制御弁50は、チルトシリンダ5への作動油の給排を遮断して中立通路22を開放する第2中立ポジション50Aと、中立通路22の作動油をチルトシリンダ5に導いてチルトシリンダ5を伸縮作動させる作動ポジション(伸長ポジション50B、収縮ポジション50C)と、を有し、パイロット通路23と中立通路22との接続部分よりも下流側には、第1制御弁30が排出ポジション30Cである場合において、中立通路22を通過する作動流体の流れに抵抗を付与する絞り部(ノッチ40A、絞り弁140)が設けられる。
この構成では、第1制御弁30を排出ポジション30Cにしてリフトシリンダ1を収縮させる状態において、ポンプ20から吐出される作動油は、絞り部(ノッチ40A、絞り弁140)を通過する。絞り部(ノッチ40A、絞り弁140)によって付与される流路抵抗により、絞り部(ノッチ40A、絞り弁140)の上流において中立通路22に接続されるパイロット通路23には、タンク圧よりも大きい所定の圧力が生じる。よって、第2制御弁50が第2中立ポジション50Aに切り換わり、中立通路22がタンク圧となったとしても、パイロット圧の低下が防止される。したがって、流体圧制御装置100の作動の安定性が向上する。
また、流体圧制御装置100では、第1制御弁30は、当該第1制御弁30のポジションを切り換えるスプール40を有し、絞り部(ノッチ40A)は、スプール40に設けられる。
また、流体圧制御装置100の変形例によれば、絞り部は、第1制御弁30の作動に連動して切り換わる絞り弁140である。
これらの構成では、絞り部(ノッチ40A、絞り弁140)が設けられることにより、パイロット圧の低下を防止するためのアキュムレータなどを設けなくてもよいため、流体圧制御装置100の大型化を防止することができる。
また、流体圧制御装置100は、パイロット通路23と中立通路22との接続部分よりも下流側に設けられ所定の開弁圧で開弁する背圧弁60をさらに備える。
この構成では、ポンプ20の始動時において、より確実にパイロット圧を発生させて、第1、第2制御弁30,50の作動の応答性を向上させることができる。
また、流体圧制御装置100は、第1制御弁30が、中立通路22において第2制御弁50よりも上流側に設けられる。
第5の発明では、第1制御弁が上流側に設けられることで、中立通路へのパイロット通路の接続部分と絞り部との間の距離を短くでき、両者の間の圧力損失を小さくすることができる。このため、より確実にパイロット圧を発生させて、第1制御弁の作動の応答性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100…流体圧制御装置、1…リフトシリンダ(第1アクチュエータ)、5…チルトシリンダ(第2アクチュエータ)20…ポンプ、21…タンク、22…中立通路、23…パイロット通路、30…第1制御弁 、30A…第1中立ポジション、30B…供給ポジション、30C…排出ポジション、34,35…パイロット圧室、40…スプール、40A…ノッチ(絞り部)、50…第2制御弁、50A…第2中立ポジション、50B…伸長ポジション(作動ポジション)、50C…収縮ポジション(作動ポジション)、60…背圧弁、100…流体圧制御装置、140…絞り弁(絞り部)
Claims (5)
- 流体圧制御装置であって、
ポンプと、
タンクと、
前記ポンプから吐出される作動流体が導かれ前記タンクに接続される中立通路と、
前記中立通路に設けられると共に作動流体圧が導かれる一対のパイロット圧室を有し、前記一対のパイロット圧室に導かれる作動流体圧によって作動して単動型の第1アクチュエータに給排される作動流体の流れを制御する第1制御弁と、
前記中立通路に設けられ第2アクチュエータに給排される作動流体の流れを制御する第2制御弁と、
前記中立通路に接続され前記中立通路の作動流体圧を前記第1制御弁の前記一対のパイロット圧室に導くパイロット通路と、を備え、
前記第1制御弁は、
前記第1アクチュエータへの作動流体の給排を遮断すると共に前記中立通路を開放する第1中立ポジションと、
一方の前記パイロット圧室のパイロット圧によって前記第1中立ポジションから切り換えられ前記中立通路を遮断するとともに前記ポンプから吐出される作動流体を前記第1アクチュエータに導く供給ポジションと、
他方の前記パイロット圧室のパイロット圧によって前記第1中立ポジションから切り換えられ前記中立通路を開放すると共に前記第1アクチュエータから排出される作動流体を前記タンクへ導く排出ポジションと、を有し、
前記第2制御弁は、
前記第2アクチュエータへの作動流体の給排を遮断して前記中立通路を開放する第2中立ポジションと、
前記中立通路の作動流体を前記第2アクチュエータに導いて前記第2アクチュエータを伸縮作動させる作動ポジションと、を有し、
前記パイロット通路と前記中立通路との接続部分よりも下流側には、前記第1制御弁が前記排出ポジションである場合において、前記中立通路を通過する作動流体の流れに抵抗を付与する絞り部が設けられることを特徴とする流体圧制御装置。 - 前記第1制御弁は、当該第1制御弁のポジションを切り換えるスプールを有し、
前記絞り部は、前記スプールに設けられることを特徴とする請求項1に記載の流体圧制御装置。 - 前記絞り部は、前記第1制御弁の作動に連動して切り換わる絞り弁であることを特徴とする請求項1に記載の流体圧制御装置。
- 前記パイロット通路と前記中立通路との前記接続部分よりも下流側に設けられ所定の開弁圧で開弁する背圧弁をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の流体圧制御装置。
- 前記第1制御弁は、前記中立通路において前記第2制御弁よりも上流側に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の流体圧制御装置。
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2016
- 2016-07-29 JP JP2016150261A patent/JP2018017377A/ja active Pending
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