JP2018017315A - 真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

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Yushi Arai
祐志 新井
越後屋 恒
Hisashi Echigoya
恒 越後屋
一輝 柏原
Kazuteru Kashiwabara
一輝 柏原
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Abstract

【課題】全体の強度が高く断熱性能も高い真空断熱材、及びこの真空断熱材を備えた冷蔵庫を提供する。【解決手段】繊維集合体から成る芯材51と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材51を収納する外被材52と、を備えた真空断熱材50において、前記芯材51が湿式抄造方式で得られた複数の湿式層を有し、湿式層を複数の湿式シート71,72,73で構成する。また、この真空断熱材50を冷蔵庫に用いる。【選択図】図3

Description

本発明は真空断熱材及び真空断熱材を適用した冷蔵庫に関するものである。
地球温暖化防止に対する社会の取り組みとして、COの排出抑制を図るため、様々な分野で省エネ化が推進されている。近年の電気製品、特に冷熱関連の家電製品においては消費電力量低減の観点から、真空断熱材を採用して断熱性能を強化したものが主流になっている。また、各種原材料から製品の製造工程に至るまでのあらゆるエネルギー消費量を抑制するため、原材料についてはリサイクル化の推進、製造工程においては燃料代や電気代の抑制等、省エネ化が推進されている。そのため、より断熱性能の高い断熱材が求められる他、製品に組込んだ真空断熱材が長期にわたって性能を維持する長期寿命が求められる。
真空断熱材のコアとしては無機繊維を湿式抄造方式によって得られるシート状にした湿式シートを用いたものがある。無機繊維の繊維集合体は嵩が大きいことから外被材に挿入しづらいが、湿式シートは嵩が小さいことから、外被材に挿入しやすく真空断熱材を作製することができる。
特開2007−239931号公報 特許第4438466号公報
特許文献1においては、湿式抄造した湿式シートの厚みを0.2mm以下にすることで、湿式シートの厚みが薄いことから厚み方向への繊維向きが少なくなり、湿式シートの水平方向へ繊維の配列をそろえやすくしている。しかし、湿式シートの厚みが薄くなることから、湿式シートの強度が弱くなり、製造中に破断しやすくなってしまうという課題があった。また、湿式シートは水に繊維を分散させ、分散液から抄造をすることで湿式シートを得ているが、シートは脱水を行っても水分が多く含まれることから、乾燥させる必要があるが、湿式シートの厚みが薄く重量が軽い場合には乾燥炉の風圧で湿式シートのめくれや破断が発生してしまうという課題があった。
特許文献2においては、基本的な湿式抄造方法であるが、この方法で得られる湿式シートにおいては、湿式シートの厚みを2mmとしている。そのため、抄造後の搬送においては破断しにくく取扱いやすくなっているが、真空断熱材としたときには、湿式シート内の繊維方向が厚み方向へ向いてしまい、断熱方向に熱が流れやすくなってしまうことから、断熱性能が低下してしまうという課題があった。
本発明の目的は、全体の強度が高く断熱性能も高い真空断熱材を提供することにある。
上記目的を達成するために、繊維集合体から成る芯材と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材を収納する外被材と、を備えた真空断熱材において、前記芯材が湿式抄造方式で得られた複数の湿式層を有し、前記湿式層を複数の湿式シートで構成する。
本発明によれば、全体の強度が高く断熱性能も高い真空断熱材を提供できる。
本発明の実施形態及び比較例における冷蔵庫の正面図である。 本発明の実施形態を示す冷蔵庫の縦断面図(図1のA−A断面図)である。 本発明の実施例1における真空断熱材の拡大図である。 本発明の実施例1における湿式層の製造方法を示す図である。 本発明の実施例2における真空断熱材の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は本実施形態を示す冷蔵庫の正面図であり、図2は図1のA−A断面図を示している。
図1に示す本実施形態を備えた冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2、貯氷室3(切替え室)、冷凍室4、野菜室5を有している。図1の符号は、上記各室の前面開口部を閉塞する扉であり、上からヒンジ10等を中心に回動する冷蔵室扉6a、6b、冷蔵室扉6a、6b以外は全て引き出し式の扉であり、貯氷室扉7aと上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9を配置する。これらの引き出し式扉6〜9は扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉6〜9には冷蔵庫本体1と密閉するためのパッキン11を備え、各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための仕切断熱壁14を設けており、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、これまたスチロフォーム、或いは発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等で作られている。基本的に冷蔵、冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁を設置している。
尚、箱体20内には上から冷蔵室2、製氷室3a及び上段冷凍室3b、下段冷凍室4、野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a、6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9に関しても回転による開閉、引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21と内箱22の間の空間に真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。真空断熱材50については図3で説明するが、後述する固定部材70、支持部材80等で固定支持されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室2、冷凍室3a、4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a、4の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機30a、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b、冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切り12、14を配置し、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cで構成されている。この断熱仕切り12、14については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cに限定するものではない。
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまう。このため、凹部40の断熱材23中に真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保、強化している。本実施例では、真空断熱材50aを前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50aとしている。尚、前記カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材50dを配置している。
ここで、真空断熱材50について、図3を用いてその構成を説明する。真空断熱材50は、芯材51と、芯材51を被覆するガスバリヤ層を有する外被材52から構成してある。この外被材52は真空断熱材50の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムの稜線から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状で構成されている。
なお、本実施例において、外被材52のラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面保護層、ガスバリヤ層1、ガスバリヤ層2、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとし、表面層は保護材の役割を持つ樹脂フィルムとし、ガスバリヤ層1は樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリヤ層2は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリヤ層1とガスバリヤ層2は金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。
具体的には、表面層を二軸延伸タイプのポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の各フィルム、ガスバリヤ層1をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ガスバリヤ層2をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリビニルアルコール樹脂フィルム、或いはアルミ箔とし、熱溶着層を未延伸タイプのポリエチレン、ポリプロピレン等の各フィルムとした。この4層構成のラミネートフィルムの層構成や材料については特にこれらに限定するものではない。
例えばガスバリヤ層1や2として、金属箔、或いは樹脂系のフィルムに無機層状化合物、ポリアクリル酸等の樹脂系ガスバリヤコート材、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等によるガスバリヤ膜を設けたものや、熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルム等を用いても良い。表面層についてはガスバリヤ層1の保護材であるが、真空断熱材の製造工程における真空排気効率を良くするためにも、好ましくは吸湿性の低い樹脂を配置するのが良い。また、通常ガスバリヤ層2に使用する金属箔以外の樹脂系フィルムは、吸湿することによってガスバリヤ性が著しく悪化してしまうため、熱溶着層についても吸湿性の低い樹脂を配置することで、ガスバリヤ性の悪化を抑制すると共に、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、先に述べた真空断熱材50の真空排気工程においても、外被材52が持ち込む水分量を小さくできるため、真空排気効率が大幅に向上し、断熱性能の高性能化につながっている。尚、各フィルムのラミネート(貼り合せ)は、二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせるのが一般的であるが、接着剤の種類や貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではなく、ウェットラミネート法、サーマルラミネート法等の他の方法によるものでも何ら構わない。
(実施例1)
本発明の実施例1について図3から図4を参照しながら説明する。
図3は本実施例の冷蔵庫1設けた真空断熱材50の断面図である。真空断熱材50の構成は、芯材51を形成する繊維集合体のグラスウール繊維層と、芯材51の中間に配置された、吸着剤(芯材の中間層に配置しているが図示なし)を包む外被材52に収納された構成から成っている。上記構成からなるものを真空包装機によって芯材51を真空引きした状態のままで、外被材52をヒートシールすることで真空断熱材50とすることができる。
芯材51はグラスウール繊維を湿式抄造方式でグラスウールシートとしたものを用いている。芯材51に用いた湿式グラスウール繊維は火炎法あるいは遠心法で得られるグラスウール繊維を用いている。本実施例においては芯材51に繊維径3〜5μmの繊維を用いているが、繊維径0.1〜10μmの繊維を用いても良い。繊維が細くなるほど、繊維間の空間が多くなり空隙率が増加することで、真空断熱材50としたときに、熱伝導率を低減することができる。また、繊維径が細いほど繊維の目付ばらつきを低減することができることから、真空断熱材50としたときの表面性を良くすることができる。しかし、繊維径が細くなるほど繊維同士のからみが弱くなり、グラスウールシートとしての強度が弱くなることから、グラスウールの繊維径は好ましくは2〜6μm、更に好ましくは3〜5μmである。
また、本実施例のグラスウールシートに用いられる繊維長は約3mm〜50mmの繊維を用いているが、繊維長1〜300mmのグラスウールシートを用いても良い。繊維長においては、繊維長が短いほど真空断熱材50としたときに、目付ばらつきを低減することができる。一方繊維長が短いほど、熱伝導率の低下、グラスウールシートの強度低下となる。これは、繊維長が短いと、真空断熱材50としたときに、断熱方向に芯材が向いてしまい、熱が断熱方向に向いた繊維から伝わり断熱性能が低下するためである。また、繊維長が短いと、繊維同士のからみが無くなり、グラスウールシートの強度が低下してしまう。このことから、5〜100mmの繊維長とすることが好ましく、さらに好ましくは10〜100mmとする方が良い。
芯材51に用いた湿式グラスウールの湿式抄造方式について説明する。湿式抄造は、繊維を分散させる分散液80に繊維を入れて攪拌したものを、網目状の板等で漉くことで、網目から落ちずに残った繊維からシート状の繊維層を得るものである。漉いたシート状繊維層をローラプレスと吸引器を通過させることで水分を除去し、芯材51となるグラスウールシート層を得ることができる。
分散液80を用いる理由としては、繊維集合体のグラスウールを分散液80に入れて攪拌することで、分散液80に含まれる分散剤が繊維間に付着し、繊維同士が反発し合うことで溶液内に繊維を分散させることができる。分散液80は水に分散剤を混ぜたものを用いているが、分散液の水に分散剤を用いないと、繊維同士がばらけずに網目状の板で漉くと玉状になってしまう。そのため、分散液80に分散剤を入れることが必要である。
なお、本実施例における分散剤は硫酸を用いており、分散液80の硫酸濃度はPH2〜3に調整している。なお、分散剤に硫酸を用いているが、これに限定するものではない。酸性の分散剤としては硫酸の他に、硝酸や乳酸等があり、これらを分散剤として用いても繊維を分散させることができる。
本実施例における分散液80に用いる硫酸は、濃度がPH2〜3に調整されているため、硫酸の濃度は実質0.2〜0.3wt%程度と非常に薄い濃度であり、安全性が確保されている。硫酸のPHを酸性にして濃度を高くするほど、繊維を分散液80に入れたときの分散性は良くなるが、硫酸をいれた分散液のPH1とPH2を比較しても分散性に大きな差は見られないことから、分散液80のPHは取扱い性も考慮したPH2〜3とすることが好ましい。また、分散液61のPHをPH4以上としても分散性があることから、より安全性を考慮して硫酸の濃度を更に低くして使用することもできる。より安全性を考慮した酸性の分散剤としては、ビタミンCとして知られるアスコルビン酸がある。アスコルビン酸はビタミンCとして食品にも用いられることから、安全性においては問題なく使用することができ、アスコルビン酸を分散剤として用いても繊維を十分に分散できる。
また、アルカリ性の分散剤や中性の分散剤、また、樹脂系分散剤を用いることでも分散できる。たとえば、アルカリ性分散剤としては水酸化ナトリウム、中性分散剤ではエタノール等でも分散できる。樹脂系分散剤としてはポリビニルアルコール等があげられる。樹脂系分散剤にポリビニルアルコールを用いる理由としては、親水性であるため容易に水に溶けることが挙げられる。そのため、分散液61を製造しやすいという利点がある。ただし、樹脂系分散剤を用いた場合においては、分散液61を長期間保存した場合、微生物やカビが発生し腐敗する虞があることから防腐剤や防カビ剤を添加する必要がある。また、分散液80に繊維を投入後攪拌を行うことから、攪拌時に発泡する虞もある。そのため、発泡を発生させないために消泡剤を添加することが好ましい。
分散液に硫酸を用いている理由として、濃度管理がしやすいことも上げられる。これは、分散液に繊維を入れて生産を続けると、液の蒸発、漉き後にグラスシートに分散剤が付着し、分散液の分散剤濃度が変わってきてしまう。そこで、硫酸を用いた場合には、PHで濃度を管理できることから、PH測定で容易に測定可能となる。また、アルカリ性分散剤も同様にPHで測定が可能となる。一方、樹脂系分散剤においては、PHが変わらないものがありPHでの管理はできない。そこで、光度計を用いることで分散液80の分散剤濃度を測定することが可能である。
こうして得られた分散液に、火炎法または遠心法によって得られたグラスウール繊維を投入して攪拌を行う。本実施例においてはガラスのグラスウール繊維を用いているが、これに限定するものではなく、ロックウールや樹脂繊維を用いることも可能である。繊維を分散する条件は、幅600mm長さ600mm1層の目付量を50g/m2の湿式層を作るために、50Lの分散液の中にグラスウール繊維18gを投入し、プロペラ状の攪拌機で回転速度2000rpmで15分攪拌することで繊維を分散できる。プロペラ形状、攪拌速度、攪拌時間、分散液80と投入繊維量によって、攪拌後の繊維分散が異なってくる。また、攪拌時間を長くすることにより繊維分散をよくできるが、攪拌時間を長くするほど、繊維が分断され漉いた後の繊維強度が低下してしまう。これにより得られた、繊維を分散させた分散液を網状の板に通過させることで、板に繊維が残り湿式のグラスウールシートを得ることができる。
上述のように得られた湿式シートを3枚重ね、圧縮して脱水後乾燥することで1層の湿式層82を得ることができる。3枚を重ねた1層の湿式層82をさらに複数層重ねることで真空断熱材の芯材とすることができる。なお、本実施例においては、1枚のシートの目付量を50g/m2とし、3枚重ねたものを1層としているが、1枚のシートの目付量は少ないほど良い。これは、抄造時の分散液を網目状の板で抄くときに、分散液は網目状の板の上から下へと流れる。それにより繊維の方向が厚み方向に向いてしまうものがあり、真空断熱材としたときに厚み方向に向いた繊維は、断熱方向となることから、厚み方向に向いた繊維が熱パスをしてしまい、真空断熱材の熱伝導が高くなってしまうためである。また、1枚のシートの目付量は20g/m2以上が好ましく、このシートを重ねた1層の湿式層82は100g/m2以上、より好ましくは150g/m2以上とすることが好ましい。上記により得られた湿式層82を用いた真空断熱材において、従来の1層150g/m2を19層重ねた真空断熱材の熱伝導率は2.1mW/m・Kに対して、50g/m2を3枚重ねて1層とし、19層重ねた真空断熱材の熱伝導率は1.8mW/m・Kと良好な値を得ることができた。
次に、本実施例に用いた湿式層の製造方法について図4を参照しながら説明する。まず、ガラス繊維を分散させた分散液80に網目状のコンベアを通過させることで、シート状の繊維シートを抄造することができる。この抄造したシートをローラで圧縮し、ローラの下側でサクションすることで脱水することができる。これを層上部湿式シート71と層中間湿式シート72と層下部湿式シート73を重ねることで1層の湿式層82とすることができる。各湿式シートは抄造直後に圧縮ローラ81で複数枚重ねて圧縮することで、各湿式シートの繊維同士が絡み合い1枚の層とすることで強度の高い湿式層82とすることができる。これにより、1枚あたりの目付量を小さくすることで、繊維が厚み方向に向いても繊維の厚みが薄いことから、短くすることができるため、真空断熱材50としたときの断熱方向への熱伝導を小さくすることができる。上記により得られた湿式層82を乾燥炉で乾燥させて真空断熱材用の芯材51に用いている。また、複数の湿式層82を重ねているため、湿式層82を真空断熱材用の寸法にカットするときに、寸法ずれの少なくカットし、その後の外被材52に挿入、真空包装においても層ずれの少ない真空断熱材50とすることができる。
本実施例によれば、真空断熱材の芯材に湿式抄造方式で得られたシート状の芯材を用いて、抄造時にシート状の芯材の層を薄くした状態で複数のシートを一緒に重ねて巻き取り1層とすることで、シートの強度を高くして真空断熱材の断熱性能も良くできる。また、真空断熱材としての取扱い性が高く断熱性能も優れ、この真空断熱材を用いることで、断熱性能の高い冷蔵庫を提供することが可能となる。特に、冷蔵庫のドアのような狭い場所にも配置容易な真空断熱材を実現できる。
(実施例2)
本発明の実施例2について図5を参照しながら説明する。
図5の真空断熱材50は、湿式層82の層間にアルミ箔シート74を挟んだものである。アルミ箔シート74を挟むことで輻射を良くし、真空断熱材50を配置したときに、設置面からの熱の影響を抑制することができる。また、湿式層82にアルミ箔シート74を挿入する方法としては、各湿式シートを複数枚重ねるときに、シートとシートの層間に挿入しているものである。挿入するアルミ箔シート74は他の湿式シートよりも小さい寸法としている。これは、湿式シートよりもアルミ箔シート74を小さくすることで、アルミ箔シート74よりも大きい部分の各湿式シート同士が絡み合い、シートとシートの間にアルミ箔シート82を固定することができる。
なお、アルミ箔シート74の配置する位置は真空断熱材50の芯材51となる湿式層82の外側に配置することが好ましい。これは真空断熱材50を配置した面からの熱影響が外側の方が大きいためである。本実施例においては、アルミ箔の形状を1枚のシート状としているが、このシートは四角形状の切欠きや円形状の穴を設けることもできる。これは、真空断熱材50の貼り付け面の温度により、熱影響が少ない場合は切り欠きを設けることでアルミ箔シート74自体の熱伝導を少なくするためである。
1 冷蔵庫 2 冷蔵室 3a 製氷室
3b 上段冷凍室4 下段冷凍室 5 野菜室
6a 冷蔵室扉 6b 冷蔵室扉 7a 製氷室扉
7b 上段冷凍室扉 8 下段冷凍室扉 9 野菜室扉
10 扉用ヒンジ11 パッキン
12,14 断熱仕切り 13 仕切り部材
20 箱体 21 外箱 21a 天板
21b 後板 21d 底板 21e 側面
21f 前面 22 内箱 23 断熱材
23a 注入方向23b 発泡方向 25 注入孔
27 送風機 28 冷却器 30 圧縮機
31 凝縮機 33 発泡ポリスチレン 40 凹部
41 電気部品 42カバー
50 真空断熱材 51 芯材 52 外被材
71 層上部湿式シート 72 層中間湿式シート 73 層下部湿式シート
74 アルミ箔シート
80 分散液 81 圧縮ローラ 82 湿式層

Claims (4)

  1. 繊維集合体から成る芯材と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材を収納する外被材と、を備えた真空断熱材において、前記芯材が湿式抄造方式で得られた複数の湿式層を有し、前記湿式層が複数の湿式シートから成ることを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1記載の真空断熱材において、前記湿式層は、目付量または硬度の異なる湿式シートから成ることを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1記載の真空断熱材において、前記湿式層は、複数の湿式シートの間にアルミ箔を有することを特徴とした真空断熱材。
  4. 繊維集合体から成る芯材と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材を収納する外被材と、を備えた真空断熱材を用いた冷蔵庫において、前記芯材が湿式抄造方式で得られた複数の湿式層を有し、前記湿式層が複数の湿式シートから成ることを特徴とする冷蔵庫。
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