JP2018016580A - 免疫賦活組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】酢酸菌培養物と、乳酸菌加熱殺菌菌体とを含有する免疫賦活組成物を提供する。【解決手段】酢酸菌培養物と、乳酸菌加熱殺菌菌体とを含有する、即ち、これらを併用することにより、各々を単独で用いたときと比べて、より優れた性能の免疫賦活組成物とすることができる。乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種は特に限定されないが、菌種がEnterococcus faecalisであり、酢酸菌培養物の質量(m1)と、Enterococcus faecalisの質量(m2)との比(m1/m2)が0.0001〜100である場合、特に優れた性能の免疫賦活組成物とすることができる。また、乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種がLactobacillus paracaseiであり、酢酸菌培養物の質量(m1)と、Lactobacillus paracaseiの質量(m3)との比(m1/m3)が0.01〜20000である場合、特に優れた性能の免疫賦活組成物とすることができる。【選択図】なし

Description

本発明は免疫賦活組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、酢酸菌培養物と乳酸菌加熱殺菌菌体とを併用することにより、マクロファージ活性化の相乗効果が奏され、花粉症等のアレルギー性疾患の発症の防止、及び症状の抑制に有効な免疫賦活組成物に関する。
生体が異物を排除する免疫機構には、全ての生物に備わっている自然免疫と、脊椎動物にのみ備わっている獲得免疫とがある。自然免疫は全ての生体に生まれながらにして備わっている異物、即ち、健康な自己には存在しない死細胞、侵入微生物等を認識し、排除する機構である。従って、自然免疫が健常に機能しておれば健康であり、自然免疫が何らかの理由で健常に機能していない場合は不健康であると言える。自然免疫が正常に機能していないことにより発症すると推測される疾患としては、感染症、代謝病、認知症、アレルギー性疾患等が挙げられる。
一方、獲得免疫は、異物に対する特異的な受容体が遺伝子組替を伴って造られることを基板とする異物排除機構であり、細胞障害性T細胞を主要なエフェクターとする細胞性免疫と、抗体を主要なエフェクターとする液性免疫とに分類される。また、細胞性免疫機構の活性化は液性免疫を抑制し、液性免疫機構の活性化は細胞性免疫を抑制するため、相互に相反する機構となっている。
また、アレルギー性疾患はI型、II型、III型、IV型に分類され、これらのうちでもI型のアレルギーは日本では4〜5人に1人が罹患していると推測され、殆どのアレルギー性疾患がI型である。このI型アレルギーは5種類ある抗体(IgD、IgM、IgG、IgA、IgE)のうち、IgE抗体が生活環境に多く存在する花粉、ハウスダスト等に対して造られるために発症する。そして、本来、免疫バランスが正常であれば、環境に多く存在する物質に対してはIgEが産生され難い。
主要な不足物質はエンドトキシン[グラム陰性菌の糖脂質であるリポ多糖(LPS;lipopolysaccharide)]であり、LPSは多くのグラム陰性菌の細胞外膜に存在する。このLPSは多細胞動物の免疫細胞を活性化させる物質であり、リピドAと呼ばれる構造と多糖部とからなる。また、リムラス反応(カブトガニの血球に含有されるリピドAと結合することで酵素活性が誘導されるタンパク質ファクターCに基づいて開始されるゲル化反応)陽性物質である。
更に、グラム陰性菌の1種である酢酸菌は酢を産生するグラム陰性菌であり、世界各国で造酢に用いられている。また、酢酸菌にマクロファージ活性化作用及びリムラス活性等の生物活性を有するLPSが存在することが明らかになっている。更に、LPSを含有する酢酸菌発酵エキスの腹腔内投与はI型アレルギー性の皮膚炎(アトピー性皮膚炎モデル)に対する急性のI型アレルギー作用を抑制することも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、食用植物に由来する素材を、免疫賦活機能を有する食用グラム陰性菌である酢酸菌、グルコン酸菌、キサントモナス菌、ザイモモナス又はエンテロバクター菌によって発酵させて、同時に菌を培養することが知られている(例えば、特許文献2参照。)。そして、酢酸菌群は、食品として世界中で利用されているとともに、免疫賦活機能を有し、この免疫賦活機能は、酢酸菌群が有するLPSに由来すると考えられると説明されている。更に、LPSは、経口及び経皮投与で安全に免疫を活性化することができるので、医薬品、並びに栄養補助、特定機能を有する食品、スキンケア製品、飼料及びペットフード等の動植物の健康維持を目的とした広範な用途に配合して用いることができると記載されている。
また、カゼインの加水分解物を添加したコーンスティープリカー培地で乳酸菌を培養することにより、免疫賦活効果の高い乳酸菌が得られることが知られている(例えば、特許文献3参照。)。そして、乳酸菌が乳酸球菌であることが好ましく、培養物から乳酸菌の菌体を採取し、加熱殺菌することが好ましいと説明されている。更に、これによれば、免疫賦活効果のより高い乳酸菌を得ることができるとともに、食品、医薬品の原料として用いる場合の安全性をより高めることができると記載されている。
特表2012−504034号公報 特開2012−161334号公報 特開2004−41099号公報
前述のように、免疫バランスが正常であれば、環境に多く存在する物質に対してはIgEが産生され難い。しかし、20世紀末頃より、先進諸国では、花粉及びハウスダストに対するアレルギー性疾患患者が急増している。その原因として、環境からの自然免疫活性化物質の摂取不足が問題であることが示唆されている。そこで、マクロファージ活性化作用及びリムラス活性化作用等の生物活性を有するLPSが存在することが明らかになった酢酸菌に着目した。
また、酢酸菌培養物の有効成分であるLPSは、酢酸菌等のグラム陰性菌の細胞壁構成成分であり、体内の免疫バランスを清浄化し、自然治癒力等を促進させる効果が期待することができる。更に、酢酸菌培養物を摂取することにより、食細胞であるマクロファージが活性化される。このような生物活性を有するLPSが存在する酢酸菌と、免疫賦活効果の高い乳酸菌とを併用することによる相乗効果によって、マクロファージ活性化作用がより向上することが考えられる。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
本発明は上述の従来の状況に鑑みてなされたものであり、酢酸菌培養物と乳酸菌加熱殺菌菌体とを併用することにより、マクロファージ活性化の相乗効果が奏され、花粉症等のアレルギー性疾患の発症の防止、及び症状の抑制に有効な免疫賦活組成物を提供することを課題とする。
本発明は以下のとおりである。
1.酢酸菌培養物と、乳酸菌加熱殺菌菌体とを含有することを特徴とする免疫賦活組成物。
2.前記乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種がEnterococcus faecalisであり、前記酢酸菌培養物の質量(m)と、前記Enterococcus faecalisの質量(m)との比(m/m)が0.0001〜100である前記1.に記載の免疫賦活組成物。
3.前記比(m/m)が0.2〜40又は0.0001〜0.007である前記2.に記載の免疫賦活組成物。
4.前記乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種がLactobacillus paracaseiであり、前記酢酸菌培養物の質量(m)と、前記Lactobacillus paracaseiの質量(m)との比(m/m)が0.01〜20000である前記1.に記載の免疫賦活組成物。
5.前記比(m/m)が0.01〜2000である前記4.に記載の免疫賦活組成物。
6.前記比(m/m)が1〜100である前記5.に記載の免疫賦活組成物。
本発明の免疫賦活組成物によれば、マクロファージ活性化作用等の生物活性を有するLPSが存在する酢酸菌と、免疫賦活効果の高い乳酸菌とを併用することによって、優れたマクロファージ活性化作用を有する免疫賦活組成物とすることができ、花粉症等のアレルギー性疾患などの発症を抑えることができる。
また、乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種がEnterococcus faecalisであり、酢酸菌培養物の質量(m)と、Enterococcus faecalisの質量(m)との比(m/m)が0.0001〜100である場合は、それぞれを単独で用いたときと比べて、より優れたマクロファージ活性化作用を有する免疫賦活組成物とすることができる。
更に、比(m/m)が0.2〜40又は0.0001〜0.007である場合は、特に優れたマクロファージ活性化作用を有する免疫賦活組成物とすることができる。
また、乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種がLactobacillus paracaseiであり、前記酢酸菌培養物の質量(m)と、前記Lactobacillus paracaseiの質量(m)との比(m/m)が0.01〜20000である場合も、それぞれを単独で用いたときと比べて、より優れたマクロファージ活性化作用を有する免疫賦活組成物とすることができる。
更に、比(m/m)が0.01〜2000である場合は、特に優れたマクロファージ活性化作用を有する免疫賦活組成物とすることができる。
また、比(m/m)が1〜100である場合は、それぞれを単独で用いたときと比べて、極めて優れたマクロファージ活性化作用を有する免疫賦活組成物とすることができる。
以下、本発明を実施例も用いて詳しく説明する。
本発明の免疫賦活組成物は、酢酸菌培養物と、乳酸菌加熱殺菌菌体とを含有することを特徴とする。
酢酸菌培養物の調製に用いられる酢酸菌は、エタノールを酸化発酵して酢酸を生産するグラム陰性の好気性細菌の総称である。酸を産生するため耐酸性を有する。pH5以下でも問題なく増殖するが、好適な範囲は5.4〜6.3である。その代表例として食酢を醸造する際に用いられるAcebacter acetiが挙げられる。
酢酸菌は、柿、りんご、すもも、ぶどう、カスピ海ヨーグルト等の各種の食品から分離することができる。分離の方法は特に限定されないが、例えば、上述の食品の所定量を酢酸菌選択培地に投入し、室温で数日間静置し、それぞれの食品に由来する酢酸菌を増殖させる。その後、培養液の培地の一部を培地プレートに塗布し、所定温度で数日間培養させることで酢酸菌のコロニーを形成させ、次いで、コロニーを採取し、分離することができる。また、水にグルコース、グリセロール、酵母エキス等を配合した後、オートクレーブ等を用いて殺菌した培地を作製し、これに上述の酢酸菌のコロニーを加え、所定温度で数日間培養し、酢酸菌培養液を調製することができる。
また、上述のようにして調製された酢酸菌培養液を用いて、酢酸菌培養物を含有する粉末を得ることができる。酢酸菌培養物に有効成分として含有されるLPSは、酢酸菌等のグラム陰性菌の細胞壁構成成分であり、体内の免疫バランスを清浄化し、自然治癒力等を促進させる効果を有する。更に、酢酸菌培養物を摂取することにより、食細胞であるマクロファージが活性化される。この酢酸菌培養物を含有する粉末を得る方法は特に限定されないが、例えば、以下のような方法が挙げられる。
調製された酢酸菌培養液、又はこの酢酸菌培養液を遠心分離機により遠心分離させて得られる上清をそのまま直接、或いはデキストリン等の賦形剤を加え、噴霧乾燥して酢酸菌培養物を含有する粉末を得ることができる。
酢酸菌の種類は特に限定されず、各種の酢酸菌を用いることができる。この酢酸菌としては、グルコノバクター属、アセトバクター属、アシディカルダス属、アシディフィラム属、アシディスファエラ属、アシドセラ属、アシドモナス属、アサイア属、ベルナピア属、クラウロコッカス属、グルコナセトバクター属、グラヌリバクター属、コザキア属、リーアヒバクター属、ムリコッカス属、ネオアサイア属、オレオモナス属、パラクラウロコッカス属、ロドピラ属、ロゼオコッカス属、ルブリテピダ属、サカリバクター属、ステラ属、スワミナサニア属、テイココッカス属及びザヴァルジニア属等の酢酸菌が挙げられる。これらの酢酸菌のうちでは、グルコノバクター属、アセトバクター属、アシドモナス属、アサイア属、グルコナセトバクター属、グラヌリバクター属、コザキア属及びネオアサイア属等の酢酸菌が好ましい。また、増殖性に優れ、菌収量も多いため、グルコノバクター属の酢酸菌がより好ましい。
乳酸菌加熱殺菌菌体の調製に用いられる乳酸菌は、代謝により乳酸を産生する細菌類の総称である。乳酸菌の培養には糖類、アミノ酸、ビタミンB群、ミネラル(Mn、Mg、Fe等の金属)が必要であり、乳酸菌の培養は常法に従って行うことができる。更に、本発明においては、乳酸菌の培養終了後、得られた培養物から乳酸菌の菌体を、ろ過、遠心分離等の方法によって採取し、この菌体を加熱殺菌し、乳酸菌加熱殺菌菌体とする。菌体の加熱殺菌方法は特に限定されないが、例えば、オートクレーブ等を用いた公知の方法により加熱殺菌することができる。
上述の加熱殺菌によって、食品や医薬品の原料として、より安全性の高い乳酸菌を提供することができ、しかも加熱殺菌により死菌体としても、免疫賦活効果が低下することはない。また、殺菌した菌体、即ち、乳酸菌加熱殺菌菌体は、乾燥、粉末化して食品や医薬品の原料として製品化することが好ましい。
乳酸菌の種類も特に限定されず、各種の乳酸菌を用いることができる。この乳酸菌としては、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus lactis、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium breve、Streptococcus thermophilus等が好ましく挙げられる。また、より強い免疫賦活効果を有するEnterococcus faecalis(ATCC 19433、ATCC 14508、ATCC 23655、IFO 16803等)が特に好ましい。
本発明の免疫賦活組成物には、酢酸菌培養物と乳酸菌加熱殺菌菌体とが含有されるが、特定の乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種と、酢酸菌培養物とを、特定の質量比で用いた場合に、優れたマクロファージ活性化作用が奏される。例えば、乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種がEnterococcus faecalisであり、酢酸菌培養物の質量(m)と、Enterococcus faecalisの質量(m)との比(m/m)が0.0001〜100であるときに、より優れたマクロファージ活性化作用が奏される。また、比(m/m)が0.2〜40又は0.0001〜0.007である場合、更に優れたマクロファージ活性化作用が奏される。
更に、乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種がLactobacillus paracaseiであり、酢酸菌培養物の質量(m)と、Lactobacillus paracaseiの質量(m)との比(m/m)が0.01〜20000であるときに、より優れたマクロファージ活性化作用が奏される。また、比(m/m)が0.01〜2000である場合、更に優れたマクロファージ活性化作用が奏される。更に、比(m/m)が1〜100である場合、特に優れたマクロファージ活性化作用が奏される。
本発明の免疫賦活組成物は、上述の酢酸菌培養物と乳酸菌加熱殺菌菌体とを有効成分として含有するものである。更に、この免疫賦活組成物は、酢酸菌培養物及び乳酸菌加熱殺菌菌体に、必要により、賦形剤、甘味料、酸味料、ビタミン類、ミネラル類等を添加し、これを、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、ペースト状又は液状の飲料等の形態に調製して用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
[1]酢酸菌培養物の調製
グリセロール30g及び大豆ペプトン30gに水を加え、全量を1kgとして調製した培地を用いて、柿より分離した酢酸菌(菌種;Gluconobacter oxydans)を培養した。25℃で48時間培養後、75℃で20分間滅菌し、酢酸菌培養液を得た。次いで、得られた酢酸菌培養液にデキストリンを加え、噴霧乾燥して酢酸菌培養物を含有する粉末とした。この粉末には、酢酸菌培養物が固形分として10質量%含有され、糖脂質含有量をエンドスペシーにより測定したところ65μg/gであった。
[2]乳酸菌加熱殺菌菌体
乳酸菌加熱殺菌菌体として、ヒト由来乳酸球菌(菌種;Enterococcus faecalis)を加熱殺菌した菌体(コンビ株式会社製、商品名「EC−12」)を用いた。尚、菌体には他の成分は加えず、菌体のみをそのまま用いた。
[3]マクロファージ活性化評価試験
上記[1]の酢酸菌培養物を含有する粉末と、上記[2]の乳酸菌加熱殺菌菌体との併用によるマクロファージ系細胞(RAW264.7細胞)に対するNO産生能をGriess法により測定した。被検物質溶液の調製方法と、NO産生能測定手順は以下のとおりである。
(1)被検物質溶液の調製
上記[1]で調製した酢酸菌培養物を含有する粉末に、10質量%濃度の牛胎児血清、100U/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを含有するRPMI培地を加え、培養液中の酢酸菌培養物が表1に記載の含有量となるような溶液を調製した。また、上記[2]の乳酸菌加熱殺菌菌体に培地を加え、培養液中の乳酸菌加熱殺菌菌体が表1に記載の含有量となるような溶液を調製した。
尚、表1における酢酸菌培養物の含有量は、デキストリンを除いた数値である。
(2)NO産生能測定手順
NO産生能は以下の手順により測定した。
(a)8×105cells/mLに調製したRAW264.7細胞を96ウェルプレートに100μL播種する。
(b)播種後、37℃、5体積%CO雰囲気のインキュベータ内で6時間前培養する。
(c)上記(b)の前培養液に、培地を100μL加えた(陰性対照群)。
また、上記(b)の前培養液に、上記(1)で調製した酢酸菌培養物を含有する溶液、及び乳酸菌加熱殺菌菌体を含有する溶液、をそれぞれ50μL加え、その後、培地を50μL加える(単独群)。
更に、上記(b)の前培養液に、上記(1)で調製した酢酸菌培養物を含有する溶液を50μL加え、次いで、乳酸菌加熱殺菌菌体を含有する溶液を50μL加える(併用群)。
(d)上述の陰性対照群、単独群及び併用群の各々を、37℃、5体積%CO雰囲気のインキュベータ内で24時間前培養する。
(e)培養終了後、各ウェルから培養上清50μLづつを96ウェルプレートに移す。
(f)亜硝酸塩濃度が0、10、20、40、80、160μMとなるように、200μMの亜硝酸ナトリウム水溶液を培地により希釈し、検量線用スタンダードを作製する。
(g)検量線用スタンダードとして作製した亜硝酸ナトリウム水溶液を各50μLづつ、対応するウェルに加える。
(h)3質量%濃度となるスルファニルアミド及び7.5質量%濃度となるリン酸を含有する水溶液と、0.15質量%濃度のナフチルエチレンジアミン液と、を1:2の質量比で混合し、Griess試薬を調製しる。
(i)Griess試薬を各ウェル当たり50μLづつ加え、室温で10分間インキュベートし、その後、プレートリーダーにより主波長550nm、副波長750nmの吸光度を測定する。
このようにして、培養液中の亜硝酸塩濃度を測定し、この濃度によってNO産生能を評価した。結果を表1に記載する。
Figure 2018016580
実施例2
乳酸菌加熱殺菌菌体として、ヒト由来乳酸稈菌(菌種;Lactobacillus paracasei)を加熱殺菌した菌体を20質量%含有する製品(森永乳業株式会社製、商品名「シールド乳酸菌M−1」、80質量%のデキストリンを含有する)を用いた他は、実施例1と同様にしてマクロファージ活性化評価試験を行った。結果を表2に記載する。
尚、表2における酢酸菌培養物及び乳酸菌加熱殺菌菌体の各々の含有量は、いずれもデキストリンを除いた数値である。
また、表1、2において、枠内に記載された3個の数値のうち、上段は測定値、中段は加算値、下段は測定値を加算値で除した値である。
Figure 2018016580
表1によれば、酢酸菌培養物の含有量が1.5μg/mLであり、乳酸菌加熱殺菌菌体の含有量が0.01〜50mg/mLの場合、及び酢酸菌培養物の含有量が15μg/mLであり、乳酸菌加熱殺菌菌体の含有量が0.01mg/mLの場合、に測定値を加算値で除した値が1を超えている。即ち、亜硝酸塩濃度の実測値が加算値より大きくなっている。これにより、酢酸菌培養物と乳酸菌加熱殺菌菌体とを併用することによるNO産生能亢進の相乗効果を確認することができた。また、酢酸菌培養物の含有量が1.5μg/mLであり、乳酸菌加熱殺菌菌体の含有量が0.01mg/mL及び50mg/mLであるときは、測定値を加算値で除した値がより大きく、特に優れた相乗効果が奏されていることが分かる。
更に、表2によれば、酢酸菌培養物の含有量が1.5μg/mL及び15μg/mLであり、乳酸菌加熱殺菌菌体の含有量が0.002mg/mL及び0.02mg/mLの場合、並びに酢酸菌培養物の含有量が1538μg/mLであり、乳酸菌加熱殺菌菌体の含有量が0.002mg/mLの場合、に測定値を加算値で除した値が1を超えている。即ち、亜硝酸塩濃度の実測値が加算値より大きくなっている。これにより、酢酸菌培養物と乳酸菌加熱殺菌菌体とを併用することによるNO産生能亢進の相乗効果を確認することができた。また、酢酸菌培養物の含有量が1.5μg/mLであり、乳酸菌加熱殺菌菌体の含有量が0.002mg/mLであるときは、測定値を加算値で除した値が極めて大きく、特に優れた相乗効果が奏されていることが分かる。
本発明は、酢酸菌培養物と乳酸菌加熱殺菌菌体との併用によるマクロファージ活性化の相乗効果が奏され、花粉症等のアレルギー性疾患の発症の防止、及び症状の抑制に係る技術分野において利用することができる。

Claims (6)

  1. 酢酸菌培養物と、乳酸菌加熱殺菌菌体とを含有することを特徴とする免疫賦活組成物。
  2. 前記乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種がEnterococcus faecalisであり、前記酢酸菌培養物の質量(m)と、前記Enterococcus faecalisの質量(m)との比(m/m)が0.0001〜100である請求項1に記載の免疫賦活組成物。
  3. 前記比(m/m)が0.2〜40又は0.0001〜0.007である請求項2に記載の免疫賦活組成物。
  4. 前記乳酸菌加熱殺菌菌体の菌種がLactobacillus paracaseiであり、前記酢酸菌培養物の質量(m)と、前記Lactobacillus paracaseiの質量(m)との比(m/m)が0.01〜20000である請求項1に記載の免疫賦活組成物。
  5. 前記比(m/m)が0.01〜2000である請求項4に記載の免疫賦活組成物。
  6. 前記比(m/m)が1〜100である請求項5に記載の免疫賦活組成物。
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