JP2018016547A - 両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる多相エマルション及びその製造方法 - Google Patents

両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる多相エマルション及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩を組成物中に安定な状態で分散させることができ、油性感を抑えながら、トラネキサム酸エステル塩がもつ美白効果を高めることができるエマルションの提供。【解決手段】両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる多相エマルションであって、外相が、A)トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩;B)炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとからなるアルキルグリセリルエーテルの組み合わせから選ばれる両親媒性物質;C)油剤;及びD)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物を含み、分散相である油中水型エマルションがE)親油型ノニオン性界面活性剤;F)油剤及びG)水、水溶性有機溶媒又はこれらの混合物を含む、多相エマルション。【選択図】なし

Description

本発明は、両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる多相エマルション及びその製造方法に関する。本発明はまた、多相エマルションの化粧料としての使用及び皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白するための化粧方法に関する。
トラネキサム酸エステル又はその塩は美白効果を奏することが知られており、外用組成物における美白成分として用いられている。例えば、特開平4−46144号公報(特許文献1)では、トラネキサム酸エステルを有効成分とする抗色素沈着外用剤が記載されている。また、特開2003−306419号公報(特許文献2)では、コエンザイムQ10と併用できる美白成分としてトラネキサム酸及びその誘導体が例示されている。さらに、特開2004−107262号公報(特許文献3)では、L−アスコルビン酸テトラ分枝脂肪酸エステル誘導体と併用できる油溶性美白剤として、トラネキサム酸セチルエステルが例示されている。
しかし、トラネキサム酸エステル又はその塩は、水及び油に対する溶解度が低いために製剤中で凝集物を形成しやすく、製剤中に安定な状態で分散させることが難しいといった課題がある。
上記の課題に対し、出願人は、トラネキサム酸エステル塩、所定の両親媒性物質、油剤及び水等を混合することによって、水相及び油相がそれぞれ、三次元的に連続した両連続構造を有する組成物が得られ、該組成物中にトラネキサム酸エステル塩を安定な状態で分散させることができることを見出した。さらに、この組成物中に油剤を添加することによって、両連続構造を有する外相中に油相が分散された、極めて安定な乳液またはクリーム状のエマルションが得られることを見出した(特開2016−056151号公報(特許文献4))。この発明によれば、トラネキサム酸エステル塩を安定な状態で分散させることができ、皮膚に塗布した時にトラネキサム酸エステル塩が皮膚へ浸透しやすくなり、トラネキサム酸エステル塩の美白効果を高めることが期待される。出願人はさらに、エマルションに添加する油剤の量を増加させるに従って、エマルションの安定性が向上し、トラネキサム酸エステル塩の相転移温度を下げることができることを見出した。トラネキサム酸エステル塩の相転移温度が、皮膚の表面温度(約32℃)を下回ると、エマルションを皮膚に塗布した時にトラネキサム酸エステル塩が、エマルション中に液体状態で存在することができることから、皮膚への浸透性が向上することが示唆され、トラネキサム酸エステル塩の美白効果をさらに高めることが期待される。
しかし、トラネキサム酸エステル塩の相転移温度を十分に下げようとすると、油剤の添加量が増えていき、油性感が増していくというトレードオフの関係にあった。
特開平4−46144号公報 特開2003−306419号公報 特開2004−107262号公報 特開2016−056151号公報
このような状況の下、トラネキサム酸エステル又はその塩を製剤中に安定な状態で分散させることができ、しかも、油性感を抑えながら、トラネキサム酸エステル塩がもつ美白効果を高めることができる組成物の提供が求められている。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩(以下「トラネキサム酸エステル塩」ともいう。)、所定の両親媒性物質、油剤及び水等を混合することによって得られた両連続構造を有する組成物中に、油剤に代えて油中水型エマルションを分散させることによって、油性感を抑えながら、トラネキサム酸エステル塩の相転移温度を下げることに成功した。油剤を油中水型エマルションに代替させても、組成物中のトラネキサム酸エステル塩の相転移温度を下げることができることは驚くべき発見であり、油性感を抑えながら、トラネキサム酸エステル塩の美白効果を高めることができる点で有用性が高い。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下に示す多相エマルション及びその製造方法にかかるものである。また、本発明は、多相エマルションの化粧料としての使用ならびに皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白するための化粧方法等にかかるものである。
[1]両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる多相エマルションであって、
外相が、
A)トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩;
B)炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルの組み合わせから選ばれる両親媒性物質;
C)油剤;及び
D)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
を含み、
分散相である油中水型エマルションが、
E)親油型ノニオン性界面活性剤
F)油剤;及び
G)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
を含み、多相エマルションの全質量に対して、外相を構成する成分の含有量の合計が55〜95質量%であり、分散相を構成する成分の含有量の合計が5〜45質量%であり、分散相である油中水型エマルションにおける内相の比率が60質量%以上である、多相エマルション。
[2]トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩におけるトラネキサム酸エステルが、下記式(1):
[式中、Rは、水酸基及びアミノ基から選ばれる置換基で置換されていてもよい炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。]
で示される、[1]記載の多相エマルション。
[3]成分Aのトラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩がトラネキサム酸セチルエステル塩酸塩を含む、[1]または[2]記載の多相エマルション。
[4]成分Bの両親媒性物質が、セチルアルコールと、キミルアルコール及びバチルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種との組み合わせである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の多相エマルション。
[5]多相エマルションの全質量に対して、成分Aの含有量が0.5〜10質量%であり、成分Bの含有量が0.5〜10質量%であり、成分Cの含有量が1〜25質量%であり、且つ、成分A、B及びCの合計含有量が5〜50質量%である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の多相エマルション。
[6]成分Eの親油型ノニオン性界面活性剤が、炭素鎖長6〜22を有するモノアルキルグリセリルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリエーテル変性シリコーン;及びポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多相エマルション。
[7]外相が、任意成分として、pH調整剤をさらに含むものである、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の多相エマルション。
[8]pH調整剤が、ルイス塩基から選ばれるものである、[7]記載の多相エマルション。
[9][1]〜[8]のいずれか一項に記載の多相エマルションの製造方法であって、
A)トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩;
B)炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルの組み合わせから選ばれる両親媒性物質;及び
C)油剤
を含む油相を調製する工程と、
前記油相を
D)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
を含む水相に添加して両連続構造を有する外相を形成する工程と、
前記外相中に
E)親油型ノニオン性界面活性剤
F)油剤;及び
G)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
を含む油中水型エマルションを添加して分散相を形成する工程を含む、方法。
[10][1]〜[8]のいずれか一項に記載の多相エマルションを含む外用組成物。
[11]しみ又は色素沈着を薄くするために皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白するための[1]〜[8]のいずれか1項に記載の多相エマルションの化粧料としての使用。
[12][1]〜[8]のいずれか一項に記載の多相エマルションを皮膚に局所適用することを含む、皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白するための化粧方法。
本発明によれば、トラネキサム酸エステル塩を含む乳液状またはクリーム状のエマルションが得られる。本発明の多相エマルションは、しみ又は色素沈着を薄くするために皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白するための化粧料等として使用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、トラネキサム酸エステル塩をエマルション中に安定な状態で分散させることができ、さらには油性感を抑えながら、トラネキサム酸エステル塩の相転移温度を下げることができるので、皮膚に塗布した時にトラネキサム酸エステル塩が皮膚へ浸透しやすくなり、それによってトラネキサム酸エステル塩の美白効果が高まるものと期待される。
実施例1で得られたエマルションのcryo−FIB−SEM観察結果を示す図である。図1(a)がFIB処理前(倍率1000倍)、図1(b)がFIB処理後(倍率5000倍)のcryo−FIB−SEM観察結果を示し、図1(c)がFIB処理後の分散相の拡大図(倍率35000倍)、図1(d)がFIB処理後の連続相の拡大図(倍率35000倍)を示す。 実施例1で得られたエマルションのEDXケミカルマッピング像を示す図である。図2(a)が電子顕微鏡画像(反射電子像)であり、図2(b)が酸素元素のマッピング像であり、図2(c)が炭素元素のマッピング像であり、図2(d)がケイ素元素のマッピング像である。 実施例1で得られたエマルションのX線回折(XRD)曲線及び示差走査熱量(DSC)曲線を示す図である。図3(a)がX線回折(XRD)曲線であり、図3(b)が示差走査熱量(DSC)曲線である。 実施例1で得られたエマルション、比較例1で得られたエマルション、水及び油剤(スクワラン)の摩擦感テスターにより測定した静・動摩擦係数の評価結果を示す図である。 実施例1及び比較例1で得られた各エマルションについて、摩擦感テスターにより同じ測定条件で5回繰り返し静・動摩擦係数の測定を行った結果を示す図である。図5(a)が実施例1で得られたエマルションの評価結果、図5(b)が比較例1で得られたエマルションの評価結果を示す。
以下、本発明の多相エマルション及びその製造方法、該多相エマルションの使用方法等について詳細に説明する。
本発明の多相エマルションは、両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる多相エマルションであって、
外相が、
A)トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩;
B)炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルの組み合わせから選ばれる両親媒性物質;
C)油剤;及び
D)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
を含み、
分散相である油中水型エマルションが
E)親油型ノニオン性界面活性剤
F)油剤;及び
G)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
を含み、多相エマルションの全質量に対して、外相を構成する成分の含有量の合計が55〜95質量%であり、分散相を構成する成分の含有量の合計が5〜45質量%であり、分散相である油中水型エマルションにおける内相の比率が60質量%以上であることを特徴としている。
上述したとおり、本発明の多相エマルションは、両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる。本発明の多相エマルションにおいて、外相は、A)トラネキサム酸エステル塩、B)両親媒性物質、C)油剤、及びD)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物を含み、A)トラネキサム酸エステル塩、B)両親媒性物質、及びC)油剤を含む油相に、D)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物を含む水相を添加することによって両連続構造が形成される。ここで、外相が有する「両連続構造」とは、水相及び油相がそれぞれ三次元的に連続し、水相及び油相のいずれもが相分離せず、共存している状態をいう。具体的には、液晶(LC)相、両連続マイクロエマルション(BME)、両連続α-ゲル(BAG)、スポンジ(L3)相等の無限会合体を形成していることを意味する。
外相が両連続構造を有していることは、例えば、cryo−集束イオンビーム走査型電子顕微鏡(cryo−FIB−SEM)を用いて外相の組成物の凍結断面観察を行うことにより確認することができる。また、エネルギー分散型X線分析(EDX)を用いて任意元素の分布状態をマッピングすることにより確認することもできる。
本発明の多相エマルションは、上記のようにして得られた両連続構造を有する外相中にE)親油型ノニオン性界面活性剤、F)油剤及びG)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物を含む油中水型エマルションを分散させることにより得られるものである。以下、各成分について説明する。
A)トラネキサム酸エステル塩
本発明に用いるトラネキサム酸エステル塩におけるトラネキサム酸エステルは、下記式(1)で示されるものが好ましい。
[式中、Rは、水酸基及びアミノ基から選ばれる置換基で置換されていてもよい炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。]
上記式(1)中、Rは、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる水素原子は水酸基及びアミノ基から選ばれる置換基で置換されていてもよい。
炭化水素基は、非環式であってもよいし、環式であってもよい。炭化水素基が非環式の場合には、直鎖でもよいし、分岐鎖でもよい。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルジエニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基などが含まれる。これらの中でも、アルキル基が好ましい。炭素数は8〜20が好ましく、特に12〜18が好ましい。
該炭化水素基の置換基の数は特に制限されない。該炭化水素基が置換基を2以上有する場合は、該置換基は、水酸基又はアミノ基のいずれかであってもよいし、水酸基及びアミノ基の両方が含まれていてもよい。
上記式(1)で示されるトラネキサム酸エステルとしては、具体的には、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ミリスチルエステル、トラネキサム酸セチルエステル及びトラネキサム酸ステアリルエステル等が挙げられる。これらの中でも、トラネキサム酸セチルエステルが特に好ましい。
本発明に用いるトラネキサム酸エステル塩における生理学的に許容される塩は、本発明の目的を阻害しないものであれば特に制限されない。本発明に用いられるトラネキサム酸エステル塩は、トラネキサム酸エステルの塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、臭素酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩;シュウ酸塩、乳酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩;炭酸塩などが好ましく挙げられる。中でも、塩酸塩が好ましい。
中でも、本発明に用いるトラネキサム酸エステル塩としては、トラネキサム酸セチルエステル塩酸塩、トラネキサム酸セチルエステルリン酸塩、トラネキサム酸セチルエステル硫酸塩、トラネキサム酸セチルエステル臭素酸塩、トラネキサム酸セチルエステル硝酸塩、トラネキサム酸セチルエステルシュウ酸塩、トラネキサム酸セチルエステル乳酸塩、トラネキサム酸セチルエステルクエン酸塩及びトラネキサム酸セチルエステル炭酸塩からなる群から選択されるものが好ましい。特に、トラネキサム酸セチルエステル塩酸塩が好ましい。
トラネキサム酸エステル塩は1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。
本発明の多相エマルションにおけるトラネキサム酸エステル塩(成分A)の含有量は、多相エマルションの全質量に対して、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、また、10質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、4質量%以下がさらに好ましい。中でも、0.5〜10質量%が好ましく、1〜6質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。
B)両親媒性物質
本発明に用いる両親媒性物質は、炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルの組み合わせから選ばれる。本発明においては、炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルを組み合わせて用いることにより、外相が両連続構造を形成することができる。
アルコールとしては、炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルキル基を有するものであれば特に制限されない。アルキル基の炭素数は14〜20が好ましく、16〜18がより好ましい。
具体的には、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等が好ましく用いられる。これらの中でも、直鎖の飽和アルコールが好ましく、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール及びオレイルアルコールがより好ましく、セチルアルコール、セトステアリルアルコール及びステアリルアルコールがさらに好ましく、セチルアルコールが特に好ましい。
炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルとしては、前記アルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであれば特に制限されなく、直鎖の飽和アルコールとグリセリンとのモノエーテルが特に好ましい。アルキル基の炭素数は14〜20が好ましく、16〜18がより好ましい。
アルキルグリセリルエーテルとしては、グリセリルモノステアリルエーテル(バチルアルコール)、グリセリルモノセチルエーテル(キミルアルコール)、モノオレイルグリセリルエ一テル(セラキルアルコール)、モノベヘニルグリセリルエーテル、モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノカプリルグリセリルエーテル、モノイソデシルグリセリルエーテル、モノイソステアリルジグリセリルエ−テル、グリセリンモノ2−エチルヘキシルエ−テル等が挙げられる。
これらの中でも、モノステアリルグリセリルエーテル(バチルアルコール)、グリセリルモノセチルエーテル(キミルアルコール)、モノオレイルグリセリルエ一テル(セラキルアルコール)が好ましい。
炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルは、それぞれ、1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。成分Bの両親媒性物質としては、セチルアルコールと、キミルアルコール及びバチルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種との組み合わせであることが好ましい。中でも、セチルアルコールとキミルアルコールの組み合わせ、または、セチルアルコールとバチルアルコールの組み合わせを用いることが好ましい。該アルコールと該アルキルグリセリルエーテルとの配合比は、質量基準で、1:9〜9:1が好ましく、1:6〜6:1がより好ましく、1:3〜3:1がさらに好ましい。
本発明の多相エマルションにおける両親媒性物質(成分B)の含有量は、多相エマルションの全質量に対して、合計で、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、また、10質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、4質量%以下がさらに好ましい。中でも、0.5〜10質量%が好ましく、1〜6質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。
C)油剤
本発明に用いる油剤は、水に不溶性又は難溶性で、且つ、油に溶解しやすい性質を有する物質であれば特に制限されない。本発明において成分Cとして用いる油剤としては、外用組成物に汎用されている低粘性の液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、合成エステル油、シリコーン油、シリコーンエラストマーなどが好ましく挙げられる。
液体油脂(室温(25℃)において液体状態の油脂)としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂(室温(25℃)において固体状態の油脂)としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、水添ポリデセン、イソドデカン等が挙げられる。
合成エステル油としては、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ラウロイルグルタミン酸(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル/イソステアリル)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン))、メチルトリメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
シリコーンエラストマーとしては、例えば、非乳化オルガノポリシロキサンエラストマー又は乳化オルガノシロキサンエラストマーが挙げられる。非乳化オルガノポリシロキサンエラストマーとしては、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーなどが挙げられる。
ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーとしては、DOW CORNING社(Midland,Michigan)より「DC9040」及び「DC9045」などの名称で市販されているもの、MOMENTIVE社より「SFE839」及び「Velvasil」シリーズ製品、信越化学工業株式会社より「KSG−15」、「KSG―16」、「KSG−18」などの名称で市販されているもの([ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー])、GRANT INDUSTRIES社より「グランシル」(商標)シリーズ製品などが挙げられる。
ラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーとしては、信越化学工業株式会社より「KSG−31」、「KSG−32」、「KSG−41」、「KSG−42」、「KSG−43」及び「KSG−44」などの名称で市販されているものなどが挙げられる。
乳化オルガノシロキサンエラストマーとしては、ポリアルコキシル化シリコーンエラストマー又はポリグリセロール化シリコーンエラストマーなどが挙げられる。
ポリアルコキシル化シリコーンエラストマーとしては、DOW CORNING社より「DC9010」及び「DC9011」などの名称で市販されているもの、信越化学工業株式会社より「KSG−20」、「KSG−21」、「KSG−30」、「KSG−31」、「KSG−32」、「KSG−33」、「KSG−210」、「KSG−310」、「KSG−320」、「KSG−330」、「KSG−340」及び「X−226146」などの名称で市販されているものなどが挙げられる。
ポリグリセロール化シリコーンエラストマーとしては、信越化学工業株式会社より「KSG−710」、「KSG−810」、「KSG−820」、「KSG−830」、「KSG−840」、「KSG−31」、「KSG−32」、「KSG−41」、「KSG−42」、「KSG−43」及び「KSG−44」などの名称で市販されているものなどが挙げられる。また、他にシリコーン鎖とアルキル鎖の2種類のブランチが導入されたシリコーンエラストマーとしては、信越化学工業株式会社より、「KSG−042Z」、「KSG−045Z」、「KSG−320Z」、「KSG−350Z」、「KSG−820Z」、「KSG−850Z」などの名称で市販されているものなどが挙げられる。
また、ポリアルキルエーテル基をペンダント又は架橋として含むシリコーンエラストマーを用いてもよい。特に適しているポリアルキルエーテル基を含むシリコーンエラストマーとしては、化粧品原料国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients (INCI))による名称で、ビス−ビニルジメチコン/ビス−イソブチルPPG−20クロスポリマー、ビス−ビニルジメチコン/PPG−20クロスポリマー、ジメチコン/ビス−イソブチルPPG−20クロスポリマー、ジメチコン/PPG−20クロスポリマー及びジメチコン/ビス−secブチルPPG−20クロスポリマーなどが挙げられる。このような架橋エラストマーは、DOW CORNING社より、「SOEB−1」、「SOEB−2」、「SOEB−3」、「SOEB−4」などの試験化合物名で、並びに、「DC EL−8052 IH Si Organic Elastomer Blend」などの商品名(案)で入手することができる。これらのエラストマー粒子は、各溶媒(SOEB−1及びSOEB−2にはイソドデカン、SOEB−3にはイソヘキサデカン、SOEB−4にはイソデシルネオペンタノエートが用いられる)に予め膨潤させて提供される。
これらの油剤は、1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。
本発明の多相エマルションにおける油剤(成分C)の含有量は、多相エマルションの全質量に対して、1質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましく、また、25質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。中でも、6〜30質量%が好ましく、9〜17質量%がより好ましく、11〜15質量%がさらに好ましい。
D)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
本発明の多相エマルションにおいては、成分Dとして、水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物を用いる。
水溶性有機溶媒は、特に制限されなく、外用組成物において汎用されているものを好ましく使用することができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール(好ましくは炭素数1〜5のアルコール);エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコール等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。
水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物(成分D)の含有量は、本発明の多相エマルションの残部である。水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物の含有量は、例えば、多相エマルションの全質量に対して、合計で、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、また、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。中でも、30〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%がさらに好ましい。このうち、水溶性有機溶媒の含有量は、3.5〜13質量%が好ましく、4〜9質量%がより好ましく、5〜7質量%がさらに好ましい。水溶性有機溶媒を上記の範囲で含んでいることにより、外相が両連続構造を形成しやすくなる傾向がある。
本発明の多相エマルションの一実施態様においては、成分Aの含有量は0.5〜10質量%であり、成分Bの含有量は0.5〜10質量%であり、成分Cの含有量は1〜25質量%であり、且つ、成分A、B及びCの合計含有量は、多相エマルションの全質量に対して5〜45質量%であることが好ましい。成分A、B及びCの合計含有量は、8〜30質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。成分A、B及びCの含有量が上記の範囲であると、外相が、より安定な両連続構造を形成しやすくなる。
本発明の多相エマルションにおいて、外相が有する両連続構造は、油中水型エマルションを所定の量比で添加しても維持される。本発明の多相エマルションにおいて、油中水型エマルションは、外相中に分散されて分散相となり、相分離することなく、安定に存在することができる。
次に、本発明の多相エマルションにおいて分散相を構成する油中水型エマルションについて説明する。本発明に用いられる油中水型エマルションは、E)親油型ノニオン性界面活性剤、F)油剤及びG)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物を含む。
E)親油型ノニオン性界面活性剤
本発明に用いる親油型ノニオン性界面活性剤(成分E)としては、外用組成物に一般的に用いられているものを使用することができる。具体的には、炭素鎖長6〜22、好ましくは炭素鎖長12〜22を有する、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたはモノアルキルグリセリルエーテル;ポリエーテル変性シリコーン;及びポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられる。これらの中でも、炭素鎖長6〜22、好ましくは炭素鎖長12〜22を有するモノアルキルグリセリルエーテル;ポリエーテル変性シリコーン;及びポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
脂肪酸エステルとしては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル等が挙げられる。
脂肪酸エーテルとしては、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、ポリオキシプロピレン脂肪酸エーテル等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノオリーブ油脂肪酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ジラウリン酸スクロース、ポリラウリン酸スクロース、ポリパルミチン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、トリステアリン酸スクロース、ポリステアリン酸スクロース、ポリオレイン酸スクロース、ペンタエルカ酸スクロース、ヘキサエルカ酸スクロース、トリベヘン酸スクロース等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリル、ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、ポリリシノレイン酸デカグリセリル等が挙げられる。
モノアルキルグリセリルエーテルとしては、例えば、キミルアルコール(グリセリンモノセチルエーテル)、セラキルアルコール(グリセリンモノオレイルエーテル)、バチルアルコール(グリセリンモノステアリルエーテル)、オレイルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー、(PEG−10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。
ポリグリセリン変性シリコーンとしては、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ポリグリセリル−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。
その他、(加水分解シルク/PGプロピルメチルシランジオール)クロスポリマー、オクチルドデカノール、オクチルドデシルキシロシド及びジポリヒドロキシステアリン酸PEG30の混合物(フランス国・SEPPIC社製「EASYNOV」)等が挙げられる。
これらの中でも、高内水相油中水型エマルションを形成することができることから、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー、(PEG−10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等のポリエーテル変性シリコーン;(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ポリグリセリル−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等のポリグリセリン変性シリコーン;オレイルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルエーテル等のモノアルキルグリセリルエーテル;ペンタエルカ酸スクロース、ヘキサエルカ酸スクロース等のショ糖脂肪酸エステル;(加水分解シルク/PGプロピルメチルシランジオール)クロスポリマーを含む混合物(成和化成社製「プロテシルWO」)、オクチルドデカノール、オクチルドデシルキシロシド及びジポリヒドロキシステアリン酸PEG30の混合物(フランス国・SEPPIC社製「EASYNOV」)等が好ましく用いられる。
親油型ノニオン性界面活性剤は、1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。
親油型ノニオン性界面活性剤(成分E)の含有量は、多相エマルションの全質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましく、また、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下がさらに好ましい。中でも、0.01〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.2〜7質量%がさらに好ましい。
F)油剤
油剤(成分F)としては、水に不溶性又は難溶性で、且つ、油に溶解しやすい性質を有する物質であれば特に制限されない。本発明において成分Fとして用いる油剤としては、外用組成物に汎用されている低粘性の液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、合成エステル油、シリコーン油、シリコーンエラストマーなどが好ましく挙げられる。具体例としては、油剤(成分C)として例示したものと同じものが挙げられる。
また、例えば、メトキシケイ皮酸誘導体、ジフェニルアクリル酸誘導体、サリチル酸誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、4,4−ジアリールブタジエン誘導体、フェニルベンズイミダゾール誘導体及びパーフルオロポリエーテル誘導体などの油剤を用いることができる。
具体的には、メトキシケイヒ酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ホモサレート、オクチルサリシレート、オキシベンゾン、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸−2’−エチルヘキシルエステル、ポリシリコーン−15、ドロメトリゾールポリシロキサン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びパーフルオロポリメチルイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
本発明に使用できる油剤(成分F)としては、非極性油(スクワランなど)から高極性油(メトキシケイヒ酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルなど)まで任意に選択することができる。
これらの油剤は、1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。
油剤(成分F)の含有量は、多相エマルションの全質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、また、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。中でも、0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
G)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物(成分G)としては、成分Dとして例示したものと同じものが挙げられる。
水、水溶性有機溶媒又はこれらの混合物(成分G)の含有量は、多相エマルションの全質量に対して、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、また、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。中でも、1〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。
本発明の多相エマルションにおいて分散相を構成する油中水型エマルションは、成分E、F及びGを混合することにより得ることができる。本発明において、油中水型エマルションにおける内相(水相)の比率は、60質量%以上であり、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。なお、油中水型エマルションにおける内相(水相)の比率は、好ましくは95質量%以下である。油中水型エマルションにおける内相の比率が上記の範囲であると、油性感を抑えながら、トラネキサム酸エステル塩の相転移温度を下げる効果が高い。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の多相エマルションは、上述したようにトラネキサム酸エステル塩(成分A)を、相分離することなく、安定な状態で製剤化したものであるので、トラネキサム酸エステル塩が皮膚に浸透しやすくなり、その美白効果を最大限に発揮することができると考えられる。さらに、本発明の多相エマルションは、油性感を抑えながら、トラネキサム酸エステル塩の相転移温度を下げることができるので、使用感に優れており、皮膚に塗布した時にトラネキサム酸エステル塩が皮膚により浸透しやすくなり、トラネキサム酸エステル塩の美白効果を一層高めることが期待される。
本発明の多相エマルションにおいて、外相を構成する成分の含有量は、多相エマルションの全質量に対して、合計で55〜95質量%であり、60質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、また、90質量%以下が好ましく、87質量%以下がより好ましく、85質量%以下がさらに好ましい。中でも、60〜90質量%が好ましく、65〜87質量%がより好ましく、75〜85質量%がさらに好ましい。
また、分散相である油中水型エマルションの配合量は、多相エマルションの全質量に対して、合計で5〜45質量%であり、7質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、また、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。中でも、7〜40質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の多相エマルションは、示差走査熱量測定(DSC)により観察される融解又は相転移に由来するピークが小さい(あるいは、ピークが殆ど観察されない)。このことは、本発明の多相エマルションにおいて、本来固体であるトラネキサム酸エステル塩(成分A)が液体状態に近い状態で存在していることを意味する。本発明の好ましい態様によれば、本発明の多相エマルションを皮膚に塗布した時に、トラネキサム酸エステル塩(成分A)が液体状態に近い状態で存在することにより、トラネキサム酸エステル塩の皮膚への浸透性はさらに高まるものと考えられるため、その美白効果もより一層高まるものと期待される。
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明の多相エマルションは、皮膚に塗布した時に摩擦によって分散相である油中水型エマルション中の水性成分(成分G)が表面付近に移動することによりみずみずしい使用感を与えることができる。
上記のとおり、本発明の多相エマルションは、両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる多相構造を有している。本発明の好ましい態様によれば、本発明の多相エマルションは、広い温度領域(例えば−20〜70℃、好ましくは−10〜50℃の範囲)で、相分離せず、上記の構造を熱力学的に安定な状態で維持することができる。
本発明の多相エマルションのpH値は特に制限されないが、より皮膚への親和性の高い弱酸性領域(pH5.0〜5.5)にすることが好ましい。本発明の多相エマルションに使用できるpH調整剤としては、一般に外用組成物に汎用されているものであれば特に制限されない。中でも、ニコチン酸アミドに代表されるルイス塩基は、水酸化物イオンの供与によりpH値の上昇を図るものでなく、電子対の供与によりpH値の上昇を図るものであるため、本発明の多相エマルション中にルイス塩基を添加しても、トラネキサム酸エステル塩(成分A)の水に対する溶解度に影響を与えることがない。このため、トラネキサム酸エステル塩が結晶として析出することなく、任意のpH値にまで上昇させることができることから、ルイス塩基が好ましく用いられる。
ルイス塩基としては、例えば、含窒素塩基性化合物またはその塩類、カルボン酸類、アルコール類等を挙げることができる。中でも、含窒素塩基性化合物を用いることが好ましい。
含窒素塩基性化合物としては、具体的には、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリフェニルアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピロリジン、ピペリジン等のアミン化合物;
イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、チアベンダゾール等のイミダゾール化合物;
ピリジン、2−メチルピリジン、4−エチルピリジン、2−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)、キノリン、アクリジン等のピリジン化合物;
プリン、1,3,5−トリアジン、トリフェニル−1,3,5−トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ウラゾール等の他の含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
ルイス塩基は、1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。
なお、ルイス塩基以外のpH調整剤、例えば、水酸化ナトリウムやアルギニンに代表されるイオン性塩基であっても、低濃度であれば水酸化物イオンの影響を受けにくく、トラネキサム酸エステル塩が結晶として析出することなく、任意のpH値にまで上昇させることができる。
pH調製剤の使用量は、本発明の多相エマルションのpHを所望の領域にする量であればよく、pH調製剤の種類によって適宜決定すればよい。
本発明の多相エマルションは、所望により、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、上記以外の成分を任意に含むことができる。例えば、医薬品、医薬部外品又は化粧品等の外用組成物に配合可能な成分を含むことができる。任意成分は、外相中または分散相中に配合することにより本発明の多相エマルションに配合することができる。当業者であれば、任意成分の種類に応じて外相または分散相のいずれに配合するかを適宜判断することができる。
本発明に用いることができる任意成分としては、例えば、粉末成分、界面活性剤、コサーファクタント、保湿剤、皮膜剤、増粘剤、ゲル化剤、無機鉱物類、金属イオン封鎖剤、多価アルコール、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、植物抽出物、有機アミン、高分子エマルジョン、酸化防止剤、酸化防止助剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、血流促進剤、殺菌剤、消炎(抗炎症)剤、細胞(皮膚)賦活化剤、角質溶解剤、清涼剤、収斂剤、美白剤、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防腐剤、緩衝剤、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。これらの任意成分は、目的とする剤形及び用途等に応じて適宜選択すればよい。
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料;天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。なお、粉末成分は、疎水化処理されていてもよい。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、親油型ノニオン性界面活性剤及び親水型ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
親油型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル;ステアレス−2等が挙げられる。
親水型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−モノオレエート、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);ステアレス−21等が挙げられる。
増粘剤としては水溶性高分子を用いることができる。水溶性高分子としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、タマリンドガム、グルコマンナン、キシラン、マンナン、キサンタンガム、寒天、ペクチン、フコイダン、ガラクトマンナン、カードラン、ジェランガム、フコゲル、カゼイン、コラーゲン、デンプン、ヒアルロン酸ナトリウム、アルカシーラン(アルカリゲネス産生多糖体)等の天然高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロイルエステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース等の半合成高分子、PVA(ポリビニルアルコール)、PVM(ポリビニルメチルエーテル)、PVP(ポリビニルピロリドン)、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アクリレート/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子等が挙げられる。
中でも、トラネキサム酸エステル塩と相溶性が良いノニオン性又はカチオン性の水溶性高分子からなる群から選ばれる水溶性高分子が好ましい。とりわけ、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、タマリンドガム及びヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロイルエステルからなる群から選ばれる水溶性高分子が好ましい。さらに好ましくは、非イオン性会合型増粘剤が挙げられる。非イオン性会合型増粘剤は、感触に影響を与えることのない少量の添加により、両連続構造を維持するだけの十分な増粘効果を与えることができる。具体例としては、ジステアリン酸PEG−150、ジステアリン酸PEG−250などのポリオキシエチレンジステアレートや(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーなどの疎水変性ポリエーテルウレタン等が挙げられる。
また、増粘剤として粘土鉱物を用いてもよい。例えば、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト等の水相の増粘効果をもたらす粘土鉱物のほか、有機変性粘土鉱物等の油相の増粘効果をもたらす粘土鉱物が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等)等が挙げられる。
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−プシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース、ゲンチオビオース、ウンビリシン、ラフィノース、ゲンチアノース、マルトトリオース、メレジトース、プランテオース、ウンベリフェロース、スタキオース、ベルバスコース等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、パルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、グルコシドアスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、ソルビン酸アスコルビルなどのアスコルビン酸及びその誘導体;
酢酸トコフェロール、ソルビン酸トコフェロール、その他のトコフェロールのエステルなどのトコフェロール及びその誘導体;ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びブチルヒドロキシアニソール(BHA);没食子酸エステル;リン酸;クエン酸;マレイン酸;マロン酸;スクシン酸;フマル酸;ケファリン;ヘキサメタリン酸塩;フィチン酸;エチレンジアミンテトラ酢酸:及びアイリッシュモス(Chondrus crispus)、ロディオラ属(Rhodiola)、高度好熱菌、マテ茶葉、オーク材、カユ・ラペ樹皮(kayu rapet bark)、サクラ葉、イランイラン葉(ylang ylang leaves)などの植物エキスが挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ジプロピレングリコール;グリセリン;1,3−ブチレングリコール;キシリトール;ソルビトール;マルチトール;コンドロイチン硫酸などのムコ多糖類;ヒアルロン酸;ヒアルロン酸ナトリウム;ヒアルロン酸アセチルナトリウム;ムコイチン硫酸;カロニン酸;アテロコラーゲン;コレステリル−12−ヒドロキシステアレート;胆汁酸塩;ピロリドンカルボン酸塩及び乳酸塩などのNMF(自然保湿因子)の主成分;尿素、システイン及びセリンなどのアミノ酸類;短鎖可溶性コラーゲン;ジグリセリン(EO)PO付加物;日油株式会社より「Lipidure HM」及び「Lipidure PBM」などの名称で市販されている2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのホモポリマー又はコポリマー;パンテノール;アラントイン;日油株式会社より「Wilbride S 753」の名称で市販されているPEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン;旭化成ケミカルズ株式会社より「AMINOCOAT」の名称で市販されているトリメチルグリシン;スウィートチェスナット(Castanea sativa)エキス、ヘーゼルナットタンパク質加水分解物、チューベローズ(Polianthes tuberosa)多糖類、アルガンツリー種子油(Argania spinosa kernel oil)、丸善製薬株式会社より「真珠エキス」(登録商標)の名称で市販されているコンキオリン含有真珠エキスなどの各種植物エキスが挙げられる。
皮膚軟化剤としては、ポリメタクリル酸グリセリル、メチルグルセス−20(methyl gluceth-20)などが挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、アシルアミノ酸(具体的には、SEDERMA社より「Maxilip」、「MatrixyL3000」、「Biopeptide CL」の名称で市販されているもの、SEPPIC社より「Sepilift」の名称で市販されているものなどが挙げられる。);エンドウ(Pisum sativum)エキス;ダイズタンパク質加水分解物;マンヌロン酸メチルシラノール;加水分解ペポカボチャ種子油粕;セネデスムスエキスなどが挙げられる。
抗汚染剤としては、例えば、ワサビノキ種子エキス(Moringa pterygosperma seed extracts)(具体的には、LSN社より「Purisoft」の名称で市販されているものが挙げられる。);シアバターエキス(具体的には、SILAB社より「Detoxyl」の名称で市販されているもの、セイヨウキズタエキス(ivy extract)、フィチン酸、ヒマワリ種子エキスのブレンド(例えば、SEDERMA社より「OSMOPUR」の名称で市販されているもの)などが例示される。)などが挙げられる。
角質溶解剤としては、例えば、α−ヒドロキシ酸(具体的には、グリコール酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、マンデル酸及び酒石酸などが例示される)、β−ヒドロキシ酸(具体的には、サリチル酸などが例示される)、それらのエステル(具体的には、乳酸C12−13アルキル)及びこれらのヒドロキシ酸を含む植物エキス(具体的には、ロゼリソウ(Hibiscus sabdriffa)エキスなどが例示される)などが挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば、ビサボロール、アラントイン、トラネキサム酸、酸化亜鉛、硫黄酸化物及びその誘導体、コンドロイチン硫酸塩、グリチルリチン酸及びその誘導体(グリチルリチン酸塩など)などが挙げられる。
また、本発明の多相エマルションは、メラニン形成メカニズム(ステージI)に含まれるメラニン細胞特異的タンパク質であるPmel17などの構造タンパク質の合成を阻害する目的で、ホワイトニング剤を少なくとも1種含んでいてもよい。ホワイトニング剤としては、BASF社より「Cytovector」(登録商標)の名称で市販されているフェルラ酸含有サイトベクター(水、グリコール、レシチン、フェルラ酸、ヒドロキシエチルセルロース)などが挙げられる。
さらに、本発明の多相エマルションは、国際公開第2009/010356号パンフレットに記載されているペプチドを少なくとも1種含んでいてもよい。
さらに、本発明の多相エマルションは、メラニン合成、小眼球症関連転写因子発現、抗チロシナーゼ活性、エンドテリン-1合成に対して阻害効果を有するホワイトニング剤を含んでいてもよい。例えば、丸善製薬株式会社より「Licorice extract」(登録商標)の名称で市販されている甘草エキス(Glycyrrhiza glabra extract)などが挙げられる。
さらに、本発明の多相エマルションは、ビタミンC化合物などの抗酸化作用をも有するホワイトニング剤を含んでいてもよい。例えば、アスコルビン酸塩、脂肪酸又はソルビン酸のアスコルビルエステル、その他のアスコルビン酸誘導体などが挙げられる。具体的には、リン酸アスコルビル塩(リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウムなど)、アスコルビン酸のサッカリドエステル(アスコルビル−2−グルコシド、2−O−α−D−グルコピラノシル L−アスコルビン酸、6−O−β−D−ガラクトピラノシル L−アスコルビン酸など)が例示される。このタイプの活性成分は、DKSH社より「Ascorbyl glucoside」(登録商標)の名称で市販されている。
さらに、本発明の多相エマルションは、他のホワイントニング剤を含んでいてもよい。例えば、植物エキス(房咲水仙などのエキス)、トラネキサム酸セチル(日光ケミカルズ株式会社製、製品名「NIKKOL TXC」)、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、システイン、4−チオレゾルシン、レゾルシノールもしくはルシノール又はそれらの誘導体、グリチルリチン酸及びヒドロキノン−β−グルコシドなどの色素沈着抑制剤を含んでいてもよい。
本発明の多相エマルションは、さらに有機日焼け防止剤及び/又は無機日焼け防止剤を含んでいてもよい。
有機日焼け防止剤としては、ブチルメトキシジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体(HOFFMANN LA ROCHEより「Parsol 1789」の名称で市販されているものなど);メトキシケイヒ酸オクチルなどのケイヒ酸誘導体(HOFFMANN LA ROCHEより「Parsol MCX」の名称で市販されているものなど);サリチル酸塩;パラアミノ安息香酸;β,β’−ジフェニルアクリレート誘導体;ベンゾフェノン誘導体;テレフタリリデンジカンファースルホン酸などのベンジリデンカンファー誘導体;フェニルベンジイミダゾール誘導体;トリアジン誘導体;フェニルベンゾトリアゾール誘導体;アントラニル酸誘導体などが挙げられる。これらは被覆又はカプセル化されていてもよい。
無機日焼け防止剤としては、顔料あるいは金属酸化物を任意に被覆してなるナノ顔料などが挙げられる。ナノ顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムなどが挙げられる。これらの化合物はいずれもUV光防御剤としてよく知られている。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル(メチルパラベン、プロピルパラベン等)、フェノキシエタノール等が挙げられる。
その他、本発明の多相エマルションに用いられる任意成分としては、パーソナルケア製品評議会(Personal Care Products Council)より発行されている「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」(第13版、2010年)に収載されているものを使用することができる。
これらの任意成分の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限されない。
本発明の多相エマルションは、
A)トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩;
B)炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルの組み合わせから選ばれる両親媒性物質;及び
C)油剤
を含む油相を調製する工程と、
前記油相を
D)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
を含む水相に添加して両連続構造を有する外相を形成する工程と、
前記外相中に
E)親油型ノニオン性界面活性剤
F)油剤
G)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
を含む油中水型エマルションを添加して分散相を形成する工程を含む方法によって製造することができる。以下、各工程について説明する。
まず、成分A、B及びCを含む油相を調製する。各成分の好ましい配合量については、既に説明したとおりであり、成分Aの含有量は0.5〜10質量%であり、成分Bの含有量は0.5〜10質量%であり、成分Cの含有量は1〜25質量%であり、且つ、成分A、B及びCの合計含有量は、多相エマルションの全質量に対して5〜45質量%であることが好ましい。
油相は、加熱して完全に溶解しておくことが好ましい。加熱温度は65〜95℃の範囲が好ましく、75〜90℃の範囲がより好ましく、80〜85℃の範囲が特に好ましい。
次に、得られた油相を、成分Dを含む水相に添加する。このとき、油相中に水相を構成する成分Dをあらかじめ少量(多相エマルションの全質量に対して、約4〜8質量%)混合しておくことが好ましい。理論に束縛されるものではないが、油相にあらかじめ少量の水相成分を混合しておくことで、油溶性部分(油剤、トラネキサム酸エステル塩及び両親媒性物質の親油性部位)と、水溶性部分(水系媒体、トラネキサム酸エステル塩及び両親媒性物質の親水性部位)とを、ある程度配列させることができると考えられ、水相に油相を添加したときに両連続構造の形成を促すことができる。
油相を水相に添加する前に、油相及び水相をそれぞれ加熱して溶解した状態を維持しておくことが好ましい。加熱温度は65〜95℃の範囲が好ましく、75〜90℃の範囲がより好ましく、80〜85℃の範囲が特に好ましい。なお、「油相を水相に添加する」としているが、油相及び水相を均一に混合できるのであれば、水相を油相に添加するのでもよい。
油相及び水相を混合した後は、攪拌しながら30℃以下まで冷却して両連続構造を有する外相を形成することができる。冷却方法は特に制限されなく、例えば、自然冷却であっても、氷冷であってもよい。
上記のとおり、本発明の方法によれば、特殊な装置を用いることなく、通常の攪拌操作により両連続構造を有する外相を形成することができる。
なお、油相及び水相にはそれぞれ、組成物の安定性を阻害しないことを条件としてあらかじめ油溶性または水溶性の任意成分が添加されていてもよい。
次に、前記工程で得られた両連続構造を有する外相中に、成分E、F及びGを含む油中水型エマルションを添加して分散相を形成する。油中水型エマルションは、次のようにして調製することができる。
まず、成分E及びFを混合して油相を調製する。油相には、乳化粒子の安定性を阻害しないことを条件としてあらかじめ油溶性の任意成分が添加されていてもよい。
次に、得られた油相を、水、水溶性有機溶媒又はこれらの混合物(成分G)を含む水相中に添加する。水相には、あらかじめ水溶性の任意成分が添加されていてもよい。
得られた油中水型エマルションには、本発明の目的を損なわない範囲で、任意成分をさらに含有させても良い。
分散相を構成する各成分の好ましい配合量については、既に説明したとおりであり、分散相を構成する成分の含有量の合計は、多相エマルションの全質量に対して、5〜45質量%であり、10〜35質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。
外相中に油中水型エマルションを添加する前に、外相及び油中水型エマルションを、それぞれ20〜35℃の範囲に維持しておくことが好ましい。外相及び油中水型エマルションを混合した後は、十分に攪拌することにより、乳液状からクリーム状の多相エマルションを得ることができる。
上記のようにして、本発明の多相エマルションを製造することができる。本発明によれば、特殊な装置を用いることなく、通常の攪拌操作により両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる多相エマルションを得ることができる。
本発明の多相エマルションは、美白効果を有するトラネキサム酸エステル塩(成分A)を含むものであるので、皮膚に局所適用することにより、皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白する効果を奏することができる。すなわち、本発明においては、本発明の多相エマルションを皮膚に局所適用することにより、皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白する化粧方法を提供するものである。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の多相エマルションを化粧料(特に乳液及びクリームなど)などの外用組成物として用いることにより、皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白して、しみ又は色素沈着を薄くすることができるといった効果を得ることができる。
本発明の多相エマルションは、医薬品、医薬部外品及び化粧品等の外用組成物として好適に用いることができる。外用組成物の製品形態は任意に選択することができる。例えば、洗顔料、化粧水、美容液、乳液、クリーム、パック等のフェイシャル化粧料;ファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャップ化粧料;ボディー化粧料;芳香化粧料;ボディー洗浄料;軟膏等に用いることができる。特に美白美容液、美白クリーム、美白パックとして好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に記載しない限り、組成比は、質量比(質量%)に基づいている。
<実施例1〜4>
エマルションの調製と物性評価
表1に示す組成でエマルションを次のとおり調製した。なお、攪拌は、攪拌棒を用いて手で攪拌した。
1)成分A、B及びCを含む油相に、成分Dのうち、ジプロピレングリコール(3質量%)及び精製水(3質量%)を混合し、85±5℃に加温し、攪拌しながら、これらの成分を完全に溶解した。
2)次に、残りの成分Dを含む水相を85±5℃に加温し、十分に攪拌しながら、上記1)で得られた混合物を徐々に加え、均一化した。
3)その後、上記2)で得られた混合物を攪拌しながら25±5℃以下まで自然冷却し、透明から半透明な外観を有する液体状態の組成物を得た。
4)次に、成分E及びFを室温(25±5℃)で混合し、攪拌しながら、これらの成分を完全に溶解した。
5)続いて、成分Gを十分に攪拌しながら、上記4)で得られた混合物を徐々に加え、均一化し、乳白色な外観を有するゲル状態の組成物を得た。
6)次に、上記3)で得られた組成物に、室温(25±5℃)に保持した上記5)で得られた組成物を、十分な攪拌を加えながら添加してエマルションを得た。得られたエマルションについて、下記のとおり物性を評価した。結果を表1に示す。
[1]エマルションの剤形
得られた多相エマルションは、cryo−集束イオンビーム走査型電子顕微鏡(cryo−FIB−SEM)(FEI社製、型式[HeliosNanoLab 650])を用いて凍結断面観察を行うことにより確認することができる。具体的には、得られた多相エマルションを液体窒素により瞬間凍結させた後、FIB−SEM装置内に導入し、FIB処理により切断面を得てcryo−SEM観察を行う。また、同時にエネルギー分散型X線分析(EDX)を用い任意元素の分布状態をマッピングすることにより、より詳細なエマルション状態を確認することができる。
[2]静・動摩擦係数
静・動摩擦測定は、装置(Trinity Lab社製、Tribo master TL201Ts)を用いて、滑り幅30mm、滑り速度10mms−1、垂直荷重3.061Nの条件にて測定した。各サンプルは5回繰り返し測定を行った。
[3]相転移温度(℃)
X線回折(XRD)測定を実施し、2θ=22°近傍のピークをα-ゲルの指標とし、そのピークが消失した温度を、同時に測定している示差走査熱量(DSC)測定法(装置:リガク社製、型式[多目的X線回折装置 SmartLab-XRD-DSC]、昇温速度2℃/分)による熱分析により相転移温度(℃)として求めた。
[4]官能評価(みずみずしさ)
得られたエマルションについてエキスパート評価者15名により官能評価を行った。評価基準は以下のとおりとし、平均4以上を「A」、3以上4未満を「B」、3未満を「C」とした。
1:感じない
2:ほとんど感じない
3:どちらでもない
4:やや感じる
5:感じる
[5]安定性
200mLの透明ガラス製管瓶に得られたエマルションを満注し、室温(25±5℃)及び40℃の条件下でそれぞれ3ヶ月間静置し、外観を目視にて評価した。室温及び40℃の条件下でいずれも3ヶ月間初期の状態を維持している場合を「A」とし、室温または40℃の条件下のいずれかで3ヶ月以内に分離した場合を「B」とし、室温及び40℃の条件下でいずれも数日以内分離した場合を「C」として評価した。
実施例1で得られたエマルションのcryo−FIB−SEM観察結果を図1に示す。図1(a)がFIB処理前(倍率1000倍)、図1(b)がFIB処理後(倍率5000倍)のcryo−FIB−SEM観察結果であり、図1(c)がFIB処理後の分散相の拡大図(倍率35000倍)、図1(d)がFIB処理後の連続相の拡大図(倍率35000倍)を示す。図1(b)〜(d)に示されるとおり、実施例1で得られたエマルションは、両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなるエマルション(表中「W/O/BAG」と記す)であることが確認された。
実施例1で得られたエマルションのEDXケミカルマッピング像を図2に示す。図2(a)が電子顕微鏡画像(反射電子像)であり、この画像をEDXを用いて各元素の分布状態を図2(b)〜(d)に示す。図2(b)は酸素元素のマッピング像である。図2(b)は、酸素の分布状態を示し、水の存在を反映する。図2(c)は炭素元素のマッピング像である。図2(c)は、炭素の分布状態を示し、油剤の存在を反映する。図2(d)はケイ素元素のマッピング像である。図2(d)は、ケイ素の分布状態を示し、シリコーン誘導体の存在を反映する。図2(b)〜(d)に示されるとおり、実施例1で得られたエマルションは、両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなるエマルションであることが確認された。
実施例1で得られたエマルションのX線回折(XRD)曲線及び示差走査熱量(DSC)曲線を図3に示す。図3(a)がX線回折(XRD)曲線であり、図3(b)が示差走査熱量(DSC)曲線である。図3(a)のXRD曲線の2θ=22°近傍にピークが見られ、α-ゲルの形成を確認することができる。同時に測定している図3(b)のDSC曲線からこのピークが消失した温度28.2℃を相転移温度として求めることができる。
実施例1で得られたエマルションの摩擦感テスターにより測定した静・動摩擦係数の評価結果を比較例1で得られたエマルション、水及び油剤(スクワラン)の評価結果と共に図4に示す。移動初期の大きなピークを静摩擦とし、6〜20mmの比較的平坦な領域を動摩擦とし、その平均を動摩擦係数とした。図5に、実施例1及び比較例1で得られた各エマルションについて、同じ測定条件で5回繰り返し測定を行った結果を示す。図5(a)が実施例1で得られたエマルションの評価結果であり、図5(b)が比較例1で得られたエマルションの評価結果である。図4に示されるとおり、実施例1で得られたエマルションは、水や油剤単独の動摩擦係数よりも低いことが確認された。また、図5に示されるとおり、比較例1で得られたエマルションの動摩擦領域は、COF値が6付近から上下しないのに対し、実施例1で得られたエマルションの動摩擦領域は、回数を追うごとにCOF値が増加していき、5回目の測定で水や油剤と同等のCOF値まで上昇した。レオメーターFTIR/ATR(サーモ サイエンティフィック社製、型式[HAAKE MARS III と Nicolet iS 10 のハイブリッドシステム])で測定した結果(測定条件:plate-plate ・35mm、 せん断速度 0.0001 から 4000 s-1、測定温度 35 °C、フーリエ変換赤外分光光度(FT-IR)は測定時間400秒中37回実施した。)、この上昇の原因は、油中水型エマルション中の水がバルクの中から表面付近に移動したためであると考察される。この結果は、実施例1で得られたエマルションがみずみずしい使用感を有するという官能評価結果とも符合する。
<比較例1、5、8>
表2に示す組成でエマルションを次のとおり調製した。なお、攪拌は、攪拌棒を用いて手で攪拌した。
1)成分A及びDを混合し、85±5℃に加温し、攪拌しながら、これらの成分を完全に溶解した。
2)次に、成分B、C、E及びFを混合し、85±5℃に加温し、十分に攪拌しながら、上記1)で得られた混合物を徐々に加え、均一化した。
3)その後、上記2)で得られた混合物を攪拌しながら25±5℃以下まで自然冷却し、乳白色な外観を有するエマルション組成物を得た。得られたエマルションについて、実施例と同様の方法で物性を評価した。結果を表2に示す
<比較例2、6、9>
表2に示す組成でエマルションを次のとおり調製した。なお、攪拌は、攪拌棒を用いて手で攪拌した。
1)成分A、B及びCを含む油相に、成分Dのうち、ジプロピレングリコール(3質量%)、精製水(3質量%)を混合し、85±5℃に加温し、攪拌しながら、これらの成分を完全に溶解した。
2)次に、残りの成分Dを含む水相を85±5℃に加温し、十分に攪拌しながら、上記1)で得られた混合物を徐々に加え、均一化した。
3)その後、上記2)で得られた混合物を攪拌しながら25±5℃以下まで自然冷却し、透明から半透明な外観を有する液体状態の組成物を得た。
4)次に、上記3)で得られた組成物に、室温(25±5℃)に保持した成分E及びFを表2に記載した量比で混合し、十分な攪拌を加えながら添加してエマルションを得た。得られたエマルションについて、実施例と同様の方法で物性を評価した。結果を表2に示す。
<比較例3、4、7>
表2に示す組成を用いたことを除いて、実施例と同様の方法でエマルションを調製し、その物性を評価した。結果を表2に示す。
表1に示したとおり、本発明の多相エマルションは、トラネキサム酸エステル塩を製剤中に安定な状態で分散させることができ、安定性に優れており、しかも、みずみずしい使用感を与えることができる。これに対し、表2に示したとおり、比較例のエマルションは、安定性とみずみずしい使用感を両立させることはできなかった。
本発明の多相エマルションは、医薬品、医薬部外品及び化粧品等の外用組成物として好適に用いられる。本発明の好ましい態様によれば、本発明の組成物を皮膚に局所適用することにより皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白する効果を奏することができる。

Claims (12)

  1. 両連続構造を有する外相中に油中水型エマルションが分散されてなる多相エマルションであって、
    外相が、
    A)トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩;
    B)炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルの組み合わせから選ばれる両親媒性物質;
    C)油剤;及び
    D)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
    を含み、
    分散相である油中水型エマルションが、
    E)親油型ノニオン性界面活性剤;
    F)油剤;及び
    G)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
    を含み、多相エマルションの全質量に対して、外相を構成する成分の含有量の合計が55〜95質量%であり、分散相を構成する成分の含有量の合計が5〜45質量%であり、分散相である油中水型エマルションにおける内相の比率が60質量%以上である、多相エマルション。
  2. トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩におけるトラネキサム酸エステルが、下記式(1):
    [式中、Rは、水酸基及びアミノ基から選ばれる置換基で置換されていてもよい炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。]
    で示される、請求項1記載の多相エマルション。
  3. 成分Aのトラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩がトラネキサム酸セチルエステル塩酸塩を含む、請求項1または2記載の多相エマルション。
  4. 成分Bの両親媒性物質が、セチルアルコールと、キミルアルコール及びバチルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種との組み合わせである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多相エマルション。
  5. 多相エマルションの全質量に対して、成分Aの含有量が0.5〜10質量%であり、成分Bの含有量が0.5〜10質量%であり、成分Cの含有量が1〜25質量%であり、且つ、成分A、B及びCの合計含有量が5〜50質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多相エマルション。
  6. 成分Eの親油型ノニオン性界面活性剤が、炭素鎖長6〜22を有するモノアルキルグリセリルエーテル;ポリエーテル変性シリコーン;及びポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多相エマルション。
  7. 外相が、任意成分として、pH調整剤をさらに含むものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多相エマルション。
  8. pH調整剤が、ルイス塩基から選ばれるものである、請求項7記載の多相エマルション。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の多相エマルションの製造方法であって、
    A)トラネキサム酸エステルの生理学的に許容される塩;
    B)炭素数12〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコール、及び、炭素数8〜22を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとグリセリンとのモノ又はジエーテルであるアルキルグリセリルエーテルの組み合わせから選ばれる両親媒性物質;及び
    C)油剤
    を含む油相を調製する工程と、
    前記油相を
    D)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
    を含む水相に添加して両連続構造を有する外相を形成する工程と、
    前記外相中に
    E)親油型ノニオン性界面活性剤;
    F)油剤;及び
    G)水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合物
    を含む油中水型エマルションを添加して分散相を形成する工程を含む、方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の多相エマルションを含む外用組成物。
  11. しみ又は色素沈着を薄くするために皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白するための請求項1〜8のいずれか1項に記載の多相エマルションの化粧料としての使用。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の多相エマルションを皮膚に局所適用することを含む、皮膚を色素沈着抑制及び/又は美白するための化粧方法。
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