JP2018016001A - 液体吐出ヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
液体吐出ヘッド1は、液体を吐出する記録素子基板14と、記録素子基板14が取り付けられた筐体11とを有する。また、液体吐出ヘッド1は、筐体11における液体吐出装置のキャリッジに取り付けられる取付面の裏側に開口を有し、キャリッジに取り付けられた取付状態における上下方向とは交差する方向に並設された複数の穴を有する。さらに、液体吐出ヘッド1は、取付面における、並設された複数の係合穴31の両端側にある2つの穴の上部、または、当該穴よりも内側の上部に設けられ、キャリッジに当接してキャリッジ上の当該液体吐出ヘッドの位置を決める2つの位置決めボス21を有する。
【選択図】図1
Description
なお、キャリッジの剛性を高くすることで、キャリッジの変形を抑制することは可能である。しかしながら、この場合には、キャリッジに剛性の高い材料を用いたり、キャリッジを厚くしたりする必要があり、キャリッジのコストアップや大型化を招くという問題がある。
(1.ヘッド構成)
図1は、本発明の一実施形態の液体吐出ヘッドを模式的に示す斜視図であり、図2は、図1のR方向から見た液体吐出ヘッドを模式的に示す斜視図である。図1および図2に示す液体吐出ヘッド1は、液体吐出装置(図示せず)に備わったキャリッジ(図示せず)に取り付けられる。液体吐出装置は、本実施形態では、インクジェットプリンタのような液体を吐出して画像を記録する記録装置である。キャリッジは、主走査方向に沿って設けられたレール(図示せず)上を摺動して、主走査方向に往復移動可能である。記録動作では、液体吐出装置は、キャリッジを往復移動させながら、液体吐出ヘッド1から液体を吐出させる。そして、液体吐出装置は、液体の吐出に合わせて、キャリッジの往復移動する主走査方向とは直交する方向に記録媒体(図示せず)を間欠的に移動させることで、記録媒体に画像を記録する。図の例では、液体吐出ヘッド1がキャリッジに取り付けられた際の主走査方向をX方向、上下方向をZ方向としている。X方向は、Z方向と交差(望ましくは、直交)している。以下、上下は取付状態における上下を示す。
液体吐出ヘッド1は、筐体11と、電気接続基板12と、電気配線基板13と、記録素子基板14とを備える。
筐体11は樹脂で形成される。筐体11の上部には、液体吐出ヘッド1をキャリッジに取り付ける際に、キャリッジに当接してキャリッジ上の液体吐出ヘッド1の位置を決める第1の突き当て部である位置決めボス21がX方向に並んで2つ設けられている。また、筐体11は、液体吐出ヘッド1をキャリッジに取り付ける際に、液体吐出ヘッド1をキャリッジに押圧する押圧部材であるレバーが当接する押圧部としてリブ22が形成されている。リブ22は、筐体11のX方向における両側の側壁11aの上辺にそれぞれ1つずつ形成されており、側壁11aと接続されている。また、側壁11aには、複数の凹部23が並設されている。位置決めボス21は、リブ22よりもX方向における筐体11の外側に設けられる。
電気接続基板12は、筐体11に取り付けられている。筐体11における電気接続基板12が取り付けられた面がキャリッジに取り付けられる取付面となる。電気接続基板12は、液体吐出装置から電気信号が入力される複数のコンタクトパッド12aを備えている。電気信号は、液体を吐出するための電力や、液体の吐出を制御するための論理信号などを含む。液体吐出装置のキャリッジは、コンタクトパッド12aと接続する複数のコンタクトピン(図示せず)を備えたキャリッジ基板を(図示せず)を有する。コンタクトピンは弾性力を有し、液体吐出ヘッド1をキャリッジに装着する際に、コンタクトパッド12aと圧嵌する。これにより、キャリッジと電気接続基板12とが電気的に接続される。
電気配線基板13は、可撓性を有し、筐体11に対して折り曲げられて、取付面と下面とに跨って取り付けられ、ビス13aで筐体11に固定されている。また、筐体11には、電気配線基板13のX方向の両端部の近傍に、電気配線基板13を挟んで設けられた位置決め面24が形成されている。位置決め面24は、液体吐出ヘッド1をキャリッジに取り付ける際に、キャリッジに当接してキャリッジ上の液体吐出ヘッド1の位置を決める第2の突き当て部である。位置決め面24は、位置決めボス21よりもX方向における筐体11の内側に配置され、取付状態における位置決めボス21よりも下側、すなわち、位置決めボス21よりも記録素子基板14に近い位置に配置される。
また、電気配線基板13には、記録素子基板14が取り付けられる。電気配線基板13は、電気接続基板12と記録素子基板14とを電気的に接続し、電気接続基板12に入力された電気信号を記録素子基板14に供給する。
記録素子基板14は、液体を吐出する複数の吐出口(図示せず)からなる吐出口列を備え、各吐出口から液体を吐出する。吐出口列は、液体吐出ヘッド1がキャリッジに取り付けられた際に、X方向とは直交する方向に延びるように形成される。
記録素子基板14は、液体を貯留するタンク(図示せず)と接続され、電気接続基板12からの電気信号に基づいて、タンクからの液体を吐出口から吐出する。本実施形態では、タンクは、筐体11に取り付けられ、筐体11の内部には、タンク内の液体を記録素子基板14に供給するための流路(図示せず)が備わっている。この流路を流れる液体に空気が析出することを抑制するために、筐体11を形成する樹脂には、30%以上のフィラー(例えば、ガラスフィラー)を添加し、ガスバリア性を向上させることが望ましい。この場合、液体吐出ヘッド1から液体を吸引させる吸引回復動作を行う頻度を低減することができる。また、フィラーを添加することにより、筐体11の剛性を向上させることも可能になる。
また、液体吐出ヘッド1には、係合穴31に係合されたタンクの開口部と接続する凸部32が形成されている。凸部32内には、液体を図1および図2に示した記録素子基板14に供給するための流路(図示せず)が形成され、さらに凸部32には液体内の異物を除去するためのフィルタ33が設けられている。凸部32の大きさは、係合穴31に係合されたタンクの開口部の大きさに応じて設定されている。本実施形態では、図3の左から順に、細い凸部32が4つ、太い凸部32が1つ、細い凸部32が1つ設けられており、太い凸部32には、開口部の大きいタンクが接続され、細い凸部32には開口部の小さいタンクが接続される。また、開口部の小さいタンクは1つの係合穴31を用いて液体吐出ヘッド1と係合され、開口部の大きいタンクは2つの係合穴31を用いて液体吐出ヘッド1に係合される。したがって、本実施形態では、液体吐出ヘッド1には、最大で6個のタンクが搭載可能である。しかしながら、搭載可能なタンクの数は、6個に限らず、適宜変更可能である。
位置決めボス21は、図の例では、複数の係合穴31のうちX方向における両端側にある2つの係合穴31の上部に設けられているが、その2つの係合穴31よりもX方向における内側の上部に設けられてもよい。
図4は、液体吐出ヘッド1のキャリッジへの装着方法を説明するための図であり、液体吐出ヘッド1の側面が示されている。
液体吐出ヘッド1を装着する際には、キャリッジに備わったレバー50を持ち上げ、液体吐出ヘッド1をキャリッジ本体とレバー50の間に挿入する。その際、筐体11の位置決めボス21をキャリッジに設けられた位置決め部51と対向させ、筐体11の位置決め面24をキャリッジに設けられた位置決め部52と対向させる。位置決め部52は、液体吐出ヘッド1のキャリッジに対するかかり代である当接量を規定する機能を有している。
液体吐出ヘッド1を挿入した状態でレバー50を下すと、レバー50と筐体11の側壁11aの上辺に設けられたリブ22とが当接し、レバー50は、図4の矢印Aで示すようにリブ22を斜め上から押圧する。これにより、位置決め面24を支点として、液体吐出ヘッド1がキャリッジ基板に押し付けられる。このとき、キャリッジに設けられた位置決め部52には、矢印Bで示す方向に力が加わる。
レバー50は、押圧しながらリブ22上を摺動し、レバー50に設けられた凸部が凹部23に固定される。レバーにはリブ22と当接した際に収縮するバネが接続されており、レバーが固定された状態では、図4の矢印Cに示すように液体吐出ヘッド1をキャリッジ基板側に押し付ける方向に力が働く。
このとき、図1に示したコンタクトパッド12aはキャリッジに備わったコンタクトピンに嵌合する。このとき、コンタクトピンの弾性力の合計値は、レバーを液体吐出ヘッド1に固定する固定力以下に設定される。これにより、液体吐出ヘッド1がキャリッジに固定され、固定状態において液体吐出ヘッドの向きと位置が確定し、キャリッジと電気接続基板12とが電気的に接続される。
液体吐出ヘッド1の位置決め面24がキャリッジの位置決め部52と正しく当接していない場合、液体吐出ヘッド1は液体吐出装置のレールに対してノズル列の方向が傾いてしまい、液体の記録媒体上の着弾位置が正しい位置からずれる恐れがある。この場合、記録される画像の印字品位が低下するなどの問題が生じる。
(従来の液体吐出ヘッドにおける正しい位置決めが行われなかった場合)
従来の液体吐出装置では、通常、キャリッジおよび筐体は樹脂で構成され、電気配線基板はキャリッジおよび筐体よりの高剛性の材料が使用される。電気配線基板は、アルミナ(酸化アルミニウム)や剛性の高い樹脂などで形成される。
一例として、左右の位置決めボスにばらつきがあり、右の位置決めボスが左の位置決めボスよりも大きい場合を考える。この場合、固定動作中に、右の位置決めボスが左の位置決めボスよりも先にキャリッジの位置決め部に当接する。このとき、筐体は、キャリッジの位置決め部に先に当接した右の位置決めボスを支点として回転し、左の位置決め面が右の位置決め面よりも先にキャリッジの位置決め部に当接する。このとき、キャリッジを形成する樹脂の反力が筐体の向きを元に戻そうとするが、筐体の剛性が高いことや、筐体と電気配線基板とがビスで固定されていることなどから、筐体の向きが維持され、右の位置決め部は筐体11の位置決め面と当接できない。この場合、液体吐出ヘッド1は液体吐出装置のレールに対してノズル列の方向が傾いてしまい、液体の記録媒体上の着弾位置が正しい位置からずれる恐れがある。
(本実施形態の液体吐出ヘッド1における正しい位置決めが行われなかった場合)
上記の説明と同様に、左右の位置決めボス21にばらつきがあり、右の位置決めボス21が左の位置決めボス21よりも大きい場合を考える。この場合、右の位置決めボス21が左の位置決めボス21よりも先にキャリッジの位置決め部51に当接する。このとき、筐体11は、キャリッジの位置決め部51に先に当接した右の位置決めボス21を支点として回転し、左の位置決め面24が右の位置決め面24よりも先にキャリッジの位置決め部52に当接する。このとき、キャリッジを形成する樹脂の反力が筐体の向きを元に戻そうとする。
液体吐出ヘッド1では、位置決めボス21がタンクの係合穴31の上部に設けられているため、位置決めボス21近傍の筐体11の剛性が低下し、変形しやすくなっている。このため、レバーで右のリブ22が押圧されると、筐体11は、右のリブ22を支点として位置決めボス21が凹むようにX方向およびZ方向に変形する。
図5(a)は、変形していない非変形状態の筐体11を示す上面図であり、図5(b)は、変形状態の筐体11を示す上面図である。図5(b)に示したように筐体11が右のリブ22を支点として位置決めボス21が凹むように変形すると、筐体11の形状がキャリッジの形状に倣い、その結果、キャリッジの右の位置決め部52が筐体11の位置決め面24と当接する。このとき、筐体11が十分に変形するためには、筐体11は、取付面の裏側から見た、係合穴31が並設されたX方向の長さが、X方向に対して垂直なZ方向の長さの2倍以上であることが望ましい。
なお、位置決めボス21は、係合穴31の上部かつ、係合穴31の中心よりも筐体11の中心側に配置されることが望ましい。この場合、位置決めボス21が剛性の高いリブ22の近傍に設けられた場合でも、位置決めボス21とリブ22との間の係合穴31で形成される剛性の弱い部分を大きくすることができる。このため、筐体11をより変形しやすくすることが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
11 筐体
14 記録素子基板
21 位置決めボス(第1の突き当て部)
22 リブ(押圧部)
24 位置決め面(第2の突き当て部)
31 係合穴(開口穴)
Claims (7)
- 液体を吐出する記録素子基板と、前記記録素子基板が取り付けられた筐体とを有し、液体吐出装置のキャリッジに取り付けられる液体吐出ヘッドにおいて、
前記筐体における前記キャリッジに取り付けられる取付面の裏側に開口を有し、前記キャリッジに取り付けられた取付状態における上下方向とは交差する方向に並設された複数の穴と、
前記取付面における、並設された前記複数の穴のうち両端側にある2つの前記穴の前記取付状態における上部、または、当該穴よりも前記交差する方向における内側の前記取付状態における上部に設けられ、前記キャリッジに当接して前記キャリッジ上の当該液体吐出ヘッドの位置を決める2つの第1の突き当て部と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記筐体は、当該液体吐出ヘッドを前記キャリッジに押圧する押圧部材が当接する押圧部をさらに備え、
前記押圧部は、前記第1の突き当て部よりも前記交差する方向の外側に設けられ、
前記第1の突き当て部は、前記2つの穴の前記取付状態における上部、かつ、当該穴の中心よりも前記交差する方向における内側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記筐体は、前記記録素子基板を挟んで設けられ、前記キャリッジに当接して前記キャリッジ上の当該液体吐出ヘッドの位置を決める2つの第2の突き当て部を有し、前記第2の突き当て部は、前記取付状態において前記第1の突き当て部よりも下側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第2の突き当て部は、前記第1の突き当て部よりも前記交差する方向における内側に配置されることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記穴は、前記記録素子基板から吐出される液体を貯留するタンクを取り付けるための係合穴であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記筐体は、前記交差する方向の長さが前記上下方向の長さの2倍以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記筐体は、30%以上のフィラーが添加された樹脂で形成されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
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