JP2018015884A - ナット回し工具 - Google Patents

Abstract

【課題】 長尺のボルトの所要の位置に、ナットを迅速に取り付けることが可能で、しかも挿入がボルトの先端だけでなく、長さ方向に対して垂直な方向からも可能な工具を提供することを目的とする。
【解決手段】 筐体４と、筐体４内に取り付けられ、回転軸に外部の駆動手段との接続部３を有する第一の歯車１ａと、筐体４内に取り付けられ、第一の歯車１ａと噛合する第二の歯車２ａ及び第三の歯車２ｂと、筐体４に設けられてなる外部に開放された切り欠き部に取り付けられ、第二の歯車２ａ及び第三の歯車２ｂと噛合し、かつ内部にナット６が嵌合する、外部に解放された切り欠き部を備えたナット回転用歯車５とによって、ナット回し工具を構成する。これによってナット６の螺着と締め付けを迅速に行うことができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、建築物の天井裏などに配される吊りボルトに螺着したナットを、電動回転工具により回転することで、所要の位置に配置する作業に用いる工具に関するものである。

多くの建築物の天井板の裏側には、各種のケーブルなどが配設されている。そして、これを支持するためのブラケット・ラック類が、天井を構成する梁などから、一定の間隔で配される長尺の吊りボルトとナットを用いて、所要の位置に固定されている。

また、各種の装置類のおいても、そのコンパクト化を目的に、筺体内部に、前述のような固定方法で部品を取り付けることが行われている。通常のボルト・ナットの使用方法においては、締め付けの距離、つまり、ボルトの先端に螺着されたナットを、回転して移動させる距離は、ナットの高さ少し超える程度で、ナット１箇あたりの作業時間は、作業効率の観点からは、あまり問題となることはない。しかし、前述のような作業の場合は、ナットを移動させる距離が大きく、多数箇のナットを取り付ける必要がある。しかも、締め付けるナットの位置などの制約から、既存の電動回転工具を用いることが困難である。

このような問題に対処する技術として、例えば特許文献１には、ネジの回転を速めることが可能なトルクレンチが開示されている。しかしながら、ここに記載されている図面などからは、前述のような用途に使用するには、なお改善の余地があると考えられる。

また、特許文献２には、グリップを有するケース内にボルト・ナットをまわす駆動ピースと、駆動ピースを電動回転工具を回転させるためのギヤを備えた締め付け工具が開示されている。しかし。この工具は、接続して用いる電動回転工具と駆動ピースの回転軸が平行であるため、作業の場所や作業環境によっては、十分に活用できない可能性がある。

一方、前記のような長尺のボルトの適当な位置に、ナットを配置する作業を行う際には、既に螺着したナットの位置をさらに調整する必要が生じる場合もある。そのような場合には、ナットを回転させる工具を、ボルトの端部から挿入せずに、通常のスパナを用いるのと同様に、ボルトの長さ方向と直交する方向から電動回転工具を挿入できると作業の効率向上が期待できる。

特許文献３には、このような課題に対処するためのオープンエンドレンチが開示されている。しかし、ここに開示されているオープンレンチは、部品点数が多いためコスト低減が困難であること、手作業によるナット位置の微調整が困難であるという点で改善の余地がある。

特開２００５−０１４１９３号公報 実用新案登録第３１５２４４９号公報 実開平０１−１０６１６８号公報

本発明は、前述のような課題に対処することを考慮したのもので、長尺のボルトの所要の位置に、ナットを迅速に取り付けることが可能で、しかも挿入がボルトの先端だけでなく、ボルトの長さ方向に対して垂直な方向からも可能な工具を提供することを目的とするものである。

本発明は、従来の同様の工具の、回転の伝達手段の構成と、ナットを嵌合させる部分の構造を再検討した結果なされたものである。

即ち、本発明は、筐体と、前記筐体内に取り付けられ、回転軸に外部の駆動手段との接続部を有する第一の歯車と、前記筐体内に取り付けられ、前記第一の歯車と噛合する第二の歯車及び第三の歯車と、前記筐体に設けられてなる外部に開放された切り欠き部に取り付けられ、前記第二の歯車及び第三の歯車と噛合し、かつ内部にナットが嵌合する、外部に解放された切り欠き部を備えたナット回転用歯車とを有することを特徴とするナット回し工具である。

また、本発明は、前記筐体内に取り付けられ、前記第一の歯車と噛合し、前記筐体の外部に一部が露出してなる、第五の歯車を有することを特徴とする、前記のナット回し工具である。

本発明によるナット回し工具は、ボルトに螺着したナットを、電動回転工具により回すことが可能なので、ナットの移動や締め付けを迅速に行うことができる。また、ナットに嵌合するナット回転歯車をボルトの縦方向の先端だけでなく、横方向からでも挿入可能なので、長尺ボルトの先端から離れた位置に螺着されているナットにも、容易に適用できる。

しかも、本工具の筐体をネジなどの操作で、容易に分解可能な構造にしておくことで、ナット回転歯車の交換の操作を簡略化できるので、サイズの異なるナットへ対応できる。

本発明に係るナット回し工具の一例を示す図、図１（ａ）は正面図、図１（ｂ）は側面の一部破砕断面図。 本発明に係るナット回し工具の一例における、ナット回転歯車の切り欠き部が内側に配された状態を示す図。

次に具体的な図に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。

図１は、本発明に係るナット回し工具の一例を示す図で、図１（ａ）は正面図、図１（ｂ）は側面の一部破砕断面図である。図１において、１ａは第一の歯車、１ｂは第五の歯車、２ａは第二の歯車、２ｂは第三の歯車、３は外部の駆動手段との接続部、４は筐体、４ａは上部筐体、４ｂは下部筐体、５はナット回転用歯車、６はナット、７はボルト、８ａ、８ｂ、８ｃ、８ｄは筐体組立固定用ビスである。

図１に示したように、本発明に係るナット回し工具は、筐体４の内部に形成された歯車収納用空間内に歯車が回転可能な状態で配されている。そして筐体４の図１における左側には、外部に解放された切り欠き部が形成され、ナット回転用歯車５が、一部が露出された状態で配されている。さらにナット回転用歯車には、ナット６を回転軸とは直交する方向から挿入可能なように、外部に開放された切り欠き部が形成されている。なお、ここには特に図示していないが、ナット６をナット回転用歯車５に嵌合した状態では、図１（ｂ）における上下方向で、ナット６が、ナット回転用歯車５の位置からずれないように、着脱可能なストッパーを設けることで作業性を向上することもできる。

このような構成のため、第一の歯車を、接続部３を介して取り付けられた駆動手段によって、回転すると、これに噛合している第二の歯車２ａと、第三の歯車２ｂが互いに逆方向に回転する。そして、ナット回転用歯車５は、第二の歯車２ａと第三の歯車の両方と噛合することが可能な位置に配されているので、回転によって、切り欠き部分が、第二の歯車２ａと第三の歯車２ｂの、いずれか一方の部分に配されていても、他方の歯車と噛合するので、回転が停止することはない。

図２は、本発明に係るナット回し工具の一例における、ナット回転歯車の切り欠き部が内側に配された状態を示す図である。ここに示した例においては、ナット回転用歯車５の切り欠き部が、第二の歯車２ａと第三の歯車２ｂとの中間部を占位しているので、ナット回転用歯車５は、第二、第三の歯車に噛合している。

また、本発明に係るナット回し工具においては、筐体４の外部に一部が露出し、第一の歯車に噛合する、第五の歯車１ｂを付加することにより、第五の歯車１ｂを手で回し、ナット６の位置の微調整を行うことができる。なお、ここに示した例では、歯車として、すべて平歯車を用いているが、適宜かさ歯車などを用いることができるのは勿論である。

以上に示したように、本発明によれば、長尺のボルトにナットを螺着する作業を、迅速、確実の行える工具を提供できる。また、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。

１ａ ・・・ 第一の歯車 １ｂ ・・・ 第五の歯車
２ａ ・・・ 第二の歯車 ２ｂ ・・・ 第三の歯車
３ ・・・ 外部の駆動手段との接続部 ４ ・・・ 筐体
４ａ ・・・ 上部筐体 ４ｂ ・・・ 下部筐体
５ ・・・ ナット回転用歯車 ６ ・・・ ナット ７ ・・・ はボルト
８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ ・・・ 筐体組立固定用ビス

Claims (2)

1. 筐体と、
   前記筐体内に取り付けられ、回転軸に外部の駆動手段との接続部を有する第一の歯車と、
   前記筐体内に取り付けられ、前記第一の歯車と噛合する第二の歯車及び第三の歯車と、
   前記筐体に設けられてなる外部に開放された切り欠き部に取り付けられ、前記第二の歯車及び第三の歯車と噛合し、かつ内部にナットが嵌合する、外部に解放された切り欠き部を備えたナット回転用歯車とを有することを特徴とするナット回し工具。
2. 前記筐体内に取り付けられ、前記第一の歯車と噛合し、前記筐体の外部に一部が露出してなる、第五の歯車を有することを特徴とする、請求項１に記載のナット回し工具。

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