以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけではない。
[1.第1実施形態]
最初に、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の実施形態について説明する。
パチンコ遊技機において、一般入賞領域への遊技媒体の進入は、遊技媒体が進入することにより特別図柄の可変表示が実行される始動入賞領域への遊技媒体の進入と比較して、遊技への影響が低いものとなっている。また、特別図柄の可変表示の表示結果が特定表示結果となったときには遊技者にとって有利な有利状態に制御されるが、この有利状態において遊技媒体が進入可能となる特定入賞領域への遊技媒体の進入と比較して、遊技者の関心は低く、興趣を高めることが困難なものとなっている。このような事情により、一般入賞領域への遊技媒体の進入が実質的に困難となるように遊技場側で遊技釘がメンテナンスされてしまう場合がある。
しかしながら遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。そのため、本来であれば、遊技場側でも予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するような(試験を通過するような)遊技釘のメンテナンス状態とされていることが望ましく、そのためには、一般入賞領域への遊技媒体の進入について遊技者の関心を高め、遊技者に一般入賞領域への遊技媒体の進入頻度を意識させる必要がある。
そこで、このような一般入賞領域を有する遊技機において、一般入賞領域に遊技媒体が進入した場合の興趣をさらに高める余地が存在する。本実施形態に係る遊技機では、一般入賞領域を有する遊技機における遊技の興趣を高めることが可能となっている。以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
[1−1.パチンコ遊技機の構成]
図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、「遊技機1」という。)の正面図の一例であり、主要部材の配置レイアウトを示す。また、図2は、遊技機1の機能構成の一例を示すブロック図である。
遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(メーター盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。また、遊技機1は、遊技機用枠3に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠3aを有する。
遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技領域10は、左遊技領域10Aと右遊技領域10Bからなる。遊技領域10は、遊技盤2において遊技球が通過可能な領域であり、遊技領域10の中央を基準として、左側が左遊技領域10A、右側が右遊技領域10Bとなっている。
遊技盤2の所定位置(同図に示す例では、遊技領域10の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう。)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。なお、特別図柄表示装置は1つであってもよい。
遊技盤2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、表示結果を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、図2に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120は、第1特別図柄表示装置4Aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどがある。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、「突確大当り」(「2R確変大当り」ともいう。)となることに対応した飾り図柄(「突確」の文字から構成される図柄)や、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示画面における右下部には、飾り図柄と特別図柄および後述する普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリア5A,5Bが設けられている。本実施形態では、第1特図の可変表示に同期して第1特図用の第4図柄の可変表示が行われると共に、その可変表示の表示結果の導出表示が行われる第1特図用の第4図柄表示エリア5Aと、第2特図の可変表示に同期して第2特図用の第4図柄の可変表示が行われると共に、その可変表示の表示結果の導出表示が行われる第2特図用の第4図柄表示エリア5Bとが設けられている。
本実施形態では、特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、飾り図柄の可変表示は、演出制御用CPU120側で変動パターン指定コマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、画像表示装置5を用いた演出を行う場合、例えば、飾り図柄の可変表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、画像表示装置5上の表示画面を見ていても、現在可変表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、本実施形態では、画像表示装置5の表示画面の一部でさらに第4図柄の可変表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在可変表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で可変表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特図用の第4図柄と第2特図用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aと第2特図用の第4図柄表示エリア5Bとを、第4図柄表示エリアと総称することがある。
第4図柄の変動表示(可変表示)は、第4図柄表示エリア5A,5Bを所定の表示色(例えば、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aは白色、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bは黒色)で所定の時間間隔で点灯(表示)と消灯(非表示)とを繰り返す点滅状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の可変表示と、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aにおける第1特図用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の可変表示と、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bにおける第2特図用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当り種別に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。このように、第1特図用の第4図柄の可変表示の表示結果は第4図柄表示エリア5Aに停止表示(導出表示)されることになる。
また、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当り種別に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第2特別図柄表示装置4Bにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。このように、第2特図用の第4図柄の可変表示の表示結果は第4図柄表示エリア5Bに停止表示(導出表示)されることになる。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、非表示態様(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示態様となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、非表示態様となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示態様に戻る。
即ち、始動入賞が発生すると、始動入賞記憶表示エリア5Hには、当該始動入賞に基づいて実行される特図ゲームに対応した保留情報が新たに表示される表示制御が行われる。例えば、保留情報は、その保留情報に対応した特図ゲームの始動条件が成立した順序(上の例では開始条件が成立する順序でもある)に従って、左から順番に表示される。n個の保留情報が表示されているとき(n回分の特図ゲームが保留されているとき)に新たな始動入賞が発生すると、当該新たな始動入賞に対応して左からn+1番目の保留情報が新たに表示されることになる。そして、保留されている特図ゲームの開始条件が成立すると、当該特図ゲームに対応する左端の保留情報が消去されると共に、左からn番目(n≧2)の保留情報が1つずつ左にシフトされて、n−1番目に表示されることになる。
なお、特図ゲームの開始条件が成立する順序は、始動条件が発生した順序に限らず、第2特図に関する特図ゲームの開始条件が、第1特図に関する特図ゲームの開始条件よりも優先して成立する(所謂特図4優先変動とする)ようにしても良い。また、これとは逆に、第1特図に関する特図ゲームの開始条件が、第2特図に関する特図ゲームの開始条件よりも優先して成立する(所謂特図1優先変動とする)ようにしても良い。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。また、画像表示装置5の右側には、可動役物150が設けられている。
可動役物150は、星型の部材を動作させるためのモータやランプが内蔵されている。可動役物150は、大当りを予告する演出、例えば、後述する変動結果予告演出や先読み予告演出が実行されるときに動作(回転動作及び点灯)するようになっている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイド27によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物、所謂電チュー)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しないまたは進入しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド28によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
こうして、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値は、合計保留記憶数ということもあれば、特図保留記憶数ということもある。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41A,41Bを通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口50A〜50Dの4つの一般入賞領域が設けられている。
一般入賞口50A〜50Dは、遊技盤面より前方(遊技者側)に突設された球受部材により構成されている。球受部材は上方から流下してきた遊技球を開口部から受け入れるものであり、球受部材の開口部の水平方向の長さ(横幅)は、遊技球1個分の直径より大きいが遊技球2個分の直径よりは小さい。従って、2個以上の遊技球が水平方向に連なって球受部材の開口部を通過することがないようになっている。また、各一般入賞口50A〜50Dが設けられた各球受部材の間隔は、少なくとも遊技球1個以上が通過可能な間隔となっている。また、一般入賞口50A〜50Dの開口部の開閉を切り替えるための入賞球装置(例えば第2始動入賞口の開閉を切り替えるための普通可変入賞球装置6Bに相当する役物)は設けられておらず、常に開放状態となっている。また、一般入賞口50A〜50Dに遊技球が入賞しても、入賞に基づいて特図ゲームの可変表示の始動条件及び普図ゲームの可変表示の始動条件はいずれも成立しない。
なお、本実施形態では、一般入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて予め定められた数の賞球が遊技者に特定価値として付与されるものであるが、これに限らず、一般入賞口に遊技球が入賞したことに伴い、可変入賞球装置、例えば、第2始動入賞口の開閉制御を行うための普通可変入賞球装置6Bや大入賞口の開閉制御を行うための特別可変入賞球装置7を作動させて、第2始動入賞口や大入賞口に遊技球が入賞し易くすることを、一般入賞口に遊技球が入賞したことにより付与される特定価値としても良い。
また、一般入賞口に応じて遊技者に付与される特定価値を異ならせるようにしても良く、例えば、第2一般入賞口50Bや第3一般入賞口50Cに遊技球が入賞した場合には5個の賞球が付与されるが、第1一般入賞口50Aや第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞した場合には10個の賞球が付与される(即ち異なる大きさの特定価値が付与される)ようにしても良い。また、第2一般入賞口50Bや第3一般入賞口50Cに遊技球が入賞した場合に付与される特定価値は所定数の賞球であるが、第1一般入賞口50Aや第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞した場合には、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7を作動させる(即ち異なる種別の特定価値が付与される)ようにしても良い。
また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて付与される特定価値に応じて異なる演出が実行されるようにしても良く、例えば、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて可変入賞球装置が動作する場合とで(即ち特定価値の種別が異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて10個の賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて5個の賞球が付与される場合とで(即ち特定価値の大きさが異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。
第1一般入賞口50A,第2一般入賞口50B,第3一般入賞口50C,第4一般入賞口50Dへの遊技球の入賞は、図2に示すように、それぞれに対応した第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dにより検出される。第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dにより遊技球が検出されると、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
このように、本実施形態では、4つの一般入賞口50A〜50Dのそれぞれに対応した入賞口スイッチが設けられていることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、一般入賞口に遊技球が入賞したことのみならず、いずれの一般入賞口に遊技球が入賞したのかも検出可能となっている。
なお、一般入賞口毎に異なる一般入賞口スイッチが設けられる構成に限らず、複数の一般入賞口に対して共通の一般入賞口スイッチが設けられるようにしても良い。例えば、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bに対して共通の一般入賞口スイッチ(左遊技領域10Aに設けられた一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられ、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dに対して共通の一般入賞口スイッチ(右遊技領域10Bに設けられた一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられるようにしても良い。また、第1一般入賞口50A〜第4一般入賞口50Dの全ての一般入賞口に対して共通の一般入賞口スイッチ(いずれかの一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられるようにしても良い。
遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。アウト口に取り込まれた遊技球は、アウト口に連絡する球回収通路(図示せず)を経由して遊技島に回収される。各入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、第1〜第4一般入賞口)に入賞した遊技球は、入賞球集合樋(図示せず)を通じて集められ、球回収通路を経由して遊技島に回収されるようになっている。球回収通路にはアウト球検出器(図示せず)が設けられている。結果として、アウト球検出器では、遊技領域10に打ち込まれた(いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口に導かれた遊技球、及び、いずれかの入賞口に入賞して入賞球集合樋に集められた遊技球)すべての遊技球を検出する。アウト球検出器により遊技球が検出される毎に、検出信号が演出制御基板12に入力されることにより、演出制御用CPU120では、遊技領域10に打ち込まれた遊技球数、即ちアウト数を集計可能となっている。なお、アウト球検出器が、遊技球を検出する毎に値が1ずつ増加するカウンタを備える構成となっている場合には、カウンタの値が一定数(例えば10)増加する毎に、演出制御基板12にアウト数増加信号を出力するようにして、演出制御用CPU120側でアウト数を一定数単位(例えば10単位)で集計可能としても良い。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
ガラス扉枠3aの下部表面には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿60が設けられている。例えば上皿60の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
上皿60の右方には鍵穴61が設けられている。遊技場の店員は、この鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を開放状態とすることで、ヒンジ機構を利用して、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを開閉させることが可能となる。遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを前方に開いた状態とすることで、遊技盤(遊技釘及び入賞口を含むメーター盤)2のメンテナンス(例えば、玉詰まりの解消措置)や、後述するモード切替スイッチ31や表示切替スイッチ32の操作を行うことができる。
上皿60の直下方には、上皿60に収容しきれない遊技球を貯留する下皿62が設けられ、上皿60の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)63が設けられている。例えば、打球操作ハンドル63は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
操作ボタン30は、押下可能であるとともに、回動可能なジョグダイアルになっている。なお、操作ボタン30は、押下操作や回動操作が可能なものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよいし、ジョイスティックのような押下操作及び傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン30に対してなされた遊技者の操作行為は、操作ボタン30の押下を検出する押下検出スイッチ(図示せず)及び操作ボタン(ジョグダイアル)30の回転方向及び回転量を検出するロータリーエンコーダ(図示せず)によって検出される。
次に、遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
遊技機1では、左遊技領域10Aに設けられた第1通過ゲート41A,右遊技領域10Bに設けられた第2通過ゲート41Bを通過した遊技球が、第1通過ゲート41Aに対応した第1ゲートスイッチ21A,第2通過ゲート41Bに対応した第2ゲートスイッチ21Bによって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄(はずれ図柄)が停止表示されれば「ハズレ」となる。確定特別図柄としての特定の特別図柄(大当り図柄)は、大当りの種別に応じて異なるものであり、例えば、確変大当りと非確変大当りとで確定特別図柄は異なる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する特定状態としての大当り遊技状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示された後に制御される大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行される。こうしてラウンド遊技の実行中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンド遊技を終了させる。大当り遊技状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、例えば15回となる。なお、ラウンド遊技の実行回数の異なる複数種類の大当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、遊技者にとって有利な有利状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御が実行される時短状態や、時間短縮制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態に制御される。
ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定状態や時短状態、確変状態とは異なる遊技状態としての通常状態であり、遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。これに対して、時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。また、確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは所定回数(例えば8回)の特図ゲームが実行されるまで継続する。
大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り(種別)は、確変大当りとも称される。大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御されずに時短状態に制御される大当り(種別)は、非確変大当りとも称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態に制御されている期間と同一であればよい。高開放制御が実行されている状態を高ベース状態、高開放制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示画面に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。本実施形態では、「擬似連」や「滑り」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示することなどのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
また、大当り組合せとなる飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中に、特図表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていることを予告・報知する先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。
前述したように、遊技領域10は、左遊技領域10Aと右遊技領域10Bからなり、遊技者は、打球操作ハンドル(操作ノブ)の操作量(回転量)を調整することにより、左遊技領域10Aに向けて遊技球を発射する左打ちと、右遊技領域10Bに向けて遊技球を発射する右打ちと、を切り替えることができる。
遊技機1では、左遊技領域10Aに遊技球を発射した場合(左遊技領域10Aに遊技球が進入した場合)には、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、右遊技領域10Bに遊技球を発射した場合よりも高い割合で遊技球が第1始動入賞口に入賞するようになっている。また、遊技状態が通常状態のときには、遊技状態が確変状態及び時短状態のときよりも、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が長く且つ普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率が低いため、通常状態において左遊技領域10Aに発射された遊技球が第2始動入賞口に入賞する割合は、第1始動入賞口に入賞する割合と比較して極めて低いものとなっている。
一方、遊技機1では、右遊技領域10Bに遊技球を発射した場合(右遊技領域10Bに遊技球が進入した場合)には、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに遊技球を発射した場合と比較して、第1始動入賞口に遊技球が入賞する割合が極めて低いか、又は、第1始動入賞口には遊技球が入賞しないようになっている。そのため、通常状態において仮に右打ちを行ったとしても、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合は、通常状態において左打ちを行ったときに遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合と比較して極めて低い。従って、遊技者は通常状態において左打ちを行うこととなる。
また、右遊技領域10Bに発射された遊技球が第2通過ゲート41Bを通過する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が第1通過ゲート41Aを通過する割合よりも高くなっている。そして、右遊技領域10Bに発射された遊技球が開放状態の第2始動入賞口に入賞する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が開放状態の第2始動入賞口に入賞する割合よりも高くなっている。
そして、確変状態及び時短状態では、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が通常状態よりも短縮され且つ普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率が通常状態よりも高い。従って、確変状態及び時短状態で右打ちを行った場合に遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合は、確変状態及び時短状態で左打ちを行った場合に遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合よりも高い。従って、遊技者は確変状態及び時短状態において右打ちを行うこととなる。
また、右遊技領域10Bに発射された遊技球が開放状態の大入賞口に入賞する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が開放状態の大入賞口に入賞する割合よりも高くなっている。従って、遊技者は大当り遊技状態において右打ちを行うこととなる。このように、遊技者は、通常状態では左打ちを行い、大当り遊技状態の発生に伴い右打ちに切り替え、大当り遊技状態終了後の確変状態又は時短状態において右打ちを継続し、通常状態への移行(例えば大当り遊技状態を伴わない確変状態又は時短状態の終了)に伴い左打ちに戻すことになる。
また、左遊技領域10Aに発射された遊技球が左遊技領域10Aに設けられている第1一般入賞口50A又は第2一般入賞口50Bに入賞する割合は、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bが設けられている位置、並びに、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、右遊技領域10Bに発射された遊技球が第1一般入賞口50A又は第2一般入賞口50Bに入賞する割合よりも高くなっている。一方、右遊技領域10Bに発射された遊技球が右遊技領域10Bに設けられている第3一般入賞口50C又は第4一般入賞口50Dに入賞する割合は、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dが設けられている位置、並びに、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が第3一般入賞口50C又は第4一般入賞口50Dに入賞する割合よりも高くなっている。
なお、左遊技領域10Aに設けられている複数の一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)の一部又は全部について、左遊技領域10Aに発射された遊技球のみが入賞可能であり、右遊技領域10Bに発射された遊技球は入賞しない構成としても良く、右遊技領域10Bに設けられている複数の一般入賞口(第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50D)の一部又は全部について、右遊技領域10Bに発射された遊技球のみが入賞可能であり、左遊技領域10Cに発射された遊技球は入賞しない構成としても良い。
このように、通常状態では左打ちが行われるため、4つの一般入賞口のうち、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bに遊技球が入賞する確率が高く、大当り遊技状態、並びに、確変状態及び時短状態では、右打ちが行われるため、4つの一般入賞口のうち、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞する確率が高い。遊技状態等に応じて、遊技球が発射される遊技領域が変化することに伴い、遊技球が入賞し易い一般入賞口も変化する。なお、通常状態において遊技球が進入する左遊技領域10Aには、遊技球が入賞し易い位置に一般入賞口を設け、大当り遊技状態、並びに、確変状態及び時短状態において遊技球が進入する右遊技領域10Bには、遊技球が入賞し難い位置に一般入賞口を設ける(あるいはその逆とする)というように、遊技状態に応じて一般入賞口への入賞頻度が変化するようにしても良い。
遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。払出制御基板は、賞球の払出を制御する基板であり、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御基板は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信(主基板11から制御信号として伝送される。)に応じて、球払出装置(図示せず)などから構成される払出機構(賞球を払い出す機構)を駆動して、賞球の払い出しを実行する。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド27、28に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
また、スイッチ回路110は、異常検出用センサ群26(詳しくは後述する)からの信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。詳しくは後述するが、異常検出用センサ群26は、遊技機1で発生した異常を検出するためのものである。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、第1ゲートスイッチ21A、第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号を伝送する配線が接続されている。
なお、第1ゲートスイッチ21A、第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、異常検出用センサ群26からの信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。本実施形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
そのような演出制御コマンドには、例えば、遊技状態(通常状態、確変状態、又は時短状態)を指定する遊技状態指定コマンド、特図ゲームにおける変動開始を指定する変動開始コマンド、特図ゲームにおける特別図柄の変動時間や画像表示装置5における飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンド、大当り遊技状態の開始や終了を指定する大当り開始指定コマンド、大当り終了指定コマンド、第1始動入賞口または第2始動入賞口に遊技球が入賞したときに出力される始動入賞コマンド、一般入賞口に遊技球が入賞したときに出力される一般入賞口指定コマンド、大入賞口に遊技球が入賞したときに出力される大入賞口入賞コマンド等が含まれる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRA(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU10がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU103がROM101に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU103)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、可動役物150に対して制御信号を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、押下検出スイッチ(図示せず)及びロータリーエンコーダ(図示せず)から伝送するための配線も接続されている。さらに、演出制御基板12には、後述するモード切替スイッチ31における操作部の位置(第1位置又は第2位置)に対応した信号を伝送するための配線、及び、後述する表示切替スイッチ32における操作部の位置(第1位置又は第2位置)に対応した信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体、操作ボタン30、可動役物150、さらには、演出用役物が備える可動部材などが含まれる演出装置(演出用の電気部品)を用いた演出動作の制御を行うために、演出制御パターンを構成するパターンデータが予め複数種類記憶されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド、押下検出スイッチ及びロータリーエンコーダから伝送された操作検出信号、並びに、モード切替スイッチ31の状態を確認可能とする信号及び表示切替スイッチ32の状態を確認可能とする信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される、可動役物150へと伝送される指令(駆動信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
本実施形態では、遊技機1において異常が発生した場合に、当該発生した異常を、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声により報知したり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を制御して光によって報知したり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に異常の報知画像(エラーメッセージ)を表示させたりして報知する。異常としては、磁気異常、振動異常、及び電波異常等があり、異常検出用センサ群26などを用いて検出される。
異常検出用センサ群26は、遊技機1において発生する異常を検出するための1以上のセンサなどから構成される。異常検出用センサ群26は、センサに限らず、異常を検出するための回路、センサには該当しない各種の検出スイッチなどを含んでもよい。異常検出用センサ群26は、異常を検出すためのものから構成されていればよい。異常検出用センサ群26それぞれに含まれるセンサなどは、異常の種類それぞれに応じて、1以上用意される。異常検出用センサ群26が具体的にどのようなものを含むかは、遊技機1の仕様などによって決定されればよい。遊技機1において発生する異常とは、遊技機1において行う通常の遊技では起こらない又は極めて起こりにくい現象(例えば、遊技機1に対する不正行為があったときに生じる磁気異常、振動異常、及び電波異常などの現象)や遊技の進行の妨げになりうる現象などのことをいい、特に、遊技者や遊技ホール(パチンコ店など)の従業員に報知が必要な現象のことをいう。
異常検出用センサ群26に含まれるものとしては、例えば、磁気を検出する磁気センサ、振動を検出する振動センサ、所定の電波(所定波長帯域の電波など)を検出する電波検出センサなどがある。例えば、これらセンサなどが、異常検出用センサ群26に含まれるようにすればよい。なお、異常の検出は、公知の方法を適宜利用することができる。遊技制御用マイクロコンピュータ100が、磁気異常、振動異常、及び電波異常等を異常検出用センサ群26からの出力信号に基づいて検出すると、異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5におけるエラーメッセージの表示、スピーカ8L、8Rからの警告音の出力、遊技効果ランプ9における異常発生時の発光態様等により異常が発生したことの報知が行われる。
ここで、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、及び遊技効果ランプ9等の報知手段によって、異常が発生したことのみならず、磁気異常、振動異常、電波異常及び前面ドアの開放のいずれの種別の異常が検出されたのかを特定可能に報知するようにしても良い。
磁気異常の報知とは、磁気異常(磁石が遊技機1の近傍にあるという異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。磁石によって遊技媒体を移動させ、入賞口に入賞させたり、遊技媒体を入賞口に誘導するため所定領域を遊技媒体で詰まらせたりする不正行為がある。磁気異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、磁気を検出するための磁気センサを設ける。CPU103は、当該磁気センサからの信号が所定の閾値以上の磁力を示すものであるかを判定することで、磁気異常の有無を判定する(磁力を示す→磁気異常有り)。磁気異常が検出された場合、当該磁気異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において磁気異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「磁気エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
振動異常の報知とは、例えば、特別可変入賞球装置7が設けられたパチンコ遊技機などにおいて実行され得る異常の報知である。故意にパチンコ遊技機を揺らすことにより遊技媒体の流下方向を大入賞口等の入賞口寄りに変化させる不正行為がある。振動異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、振動を検出するための振動センサを設ける。CPU103は、当該振動センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示すものであるかを判定することで、振動による異常(振動異常)の有無を判定する(所定の閾値以上の強さの振動を示す→振動異常有り)。振動異常が検出された場合、当該振動異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において振動異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「振動エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
電波異常の報知とは、電波異常(所定の電波が遊技機1に到達する異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23などに電波をあてることで、これらスイッチのオン/オフを切り替えるなどし、入賞を不正に発生させ賞球を得る不正行為がある。電波異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、所定の電波(所定波長帯域の電波など)を検出するための電波検出センサを設ける。CPU103は、当該電波検出センサからの信号が前記所定の電波の受信を示しているかを判定することで、電波異常の有無を判定する(所定の電波の受信を示す→電波異常有り)。電波異常が検出された場合、当該電波異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において電波異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「電波エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、いずれもDIPスイッチ(DualIn-line Package switch)により構成されており、遊技盤2の遊技領域外に設けられている。DIPスイッチにより構成されるモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、操作部を第1位置と第2位置とに切り替えることにより(例えばスライド式の場合には、つまみの位置を一端側と他端側とに切り替えることにより)、演出制御用CPU120により実行される処理(制御プログラム)を切り替え可能とするものである。遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態では、ガラス扉枠3aが遊技盤2の前面を覆っているため、遊技者はモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32を操作不能となっている。なお、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態(図1に示される状態)では、ガラス扉枠3aを介して遊技者から視認不能な位置に設置されているため、図1では図示していない。
前述したように、遊技場の店員は、鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を開放状態として、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを前方に開くことで、遊技盤2に設けられているモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32の操作(DIPスイッチの切り替え)が可能となる。そして、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32の操作が完了すると、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態に戻し、鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を閉鎖状態とする。
モード切替スイッチ31の操作部が第1位置の場合には、演出制御用CPU120のモード切替端子の電圧がLowの状態となり、モード切替スイッチ31の操作部が第2位置の場合には、演出制御用CPU120のモード切替端子の電圧がHighの状態となる。演出制御用CPU120は、モード切替端子の電圧がLowの場合には、モード切替スイッチ31の操作部が第1位置となっていること、即ち、画像表示装置5に遊技者向けの情報(例えばデモ画面等)を表示する遊技モードであることを特定して、後述する入賞数管理テーブルの情報を画像表示装置5に表示しない。一方、演出制御用CPU120は、モード切替端子の電圧がHighの場合には、モード切替スイッチ31の操作部が第2位置となっていること、即ち、画像表示装置5に店員向けの情報(例えば各入賞口への入賞数等)を表示するメンテナンスモードであることを特定して、後述する入賞数管理テーブルの情報を画像表示装置5に表示する。
表示切替スイッチ32の操作部が第1位置の場合には、演出制御用CPU120の表示切替端子の電圧がLowの状態となり、表示切替スイッチ32の操作部が第2位置の場合には、演出制御用CPU120の表示切替端子の電圧がHighの状態となる。演出制御用CPU120は、表示切替端子の電圧がLowの場合には、表示切替スイッチ32の操作部が第1位置となっていること、即ち、画像表示装置5に一般入賞口への入賞数を表示する許可が行われていないことを特定して、後述する表示制御用テーブルに基づく情報(一般入賞口への入賞数を特定可能な情報)を画像表示装置5に表示することを禁止する。一方、演出制御用CPU120は、表示切替端子の電圧がHighの場合には、表示切替スイッチ32の操作部が第2位置となっていること、即ち、画像表示装置5に一般入賞口への入賞数を表示する許可が行われていることを特定して、後述する表示制御用テーブルに基づく情報(一般入賞口への入賞数を特定可能な情報)を画像表示装置5に表示することを許可する。
本実施形態では、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32が、遊技盤2の前面側(遊技者と相対する面)に設けられているが、モード切替スイッチ31及び/又は表示切替スイッチ32を、遊技盤2の裏面側(遊技島側)に設けるようにしても良い。このような構成とする場合には、遊技機用枠3のヒンジ機構を利用して、遊技機用枠3に対して遊技盤2を前方に回動させることで、遊技盤2の裏面側に設けられたモード切替スイッチ31及び/又は表示切替スイッチ32を操作可能となる。
主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドとして、前述したように始動入賞コマンドがある。始動入賞コマンドとしては、第1始動入賞口又は第2始動入賞口のいずれに対して始動入賞が発生したかを示す始動入賞口指定コマンドや、第1始動入賞口又は第2始動入賞口への遊技球の入賞時における大当り判定結果及び大当り種別判定結果を示す始動入賞時判定結果指定コマンド等が存在する。
CPU103は、第1始動入賞口への遊技球の有効始動入賞、即ち、第1始動入賞口に対応した第1保留記憶数が上限値未満の状態での第1始動入賞口への遊技球の入賞、を検出すると、乱数回路104から大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を抽出し、抽出した大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を、第1特図用の乱数格納領域における第1保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第1保留記憶数)に対応した格納領域に格納すると共に、始動入賞口指定コマンドとして「第1始動入賞口」を指定するコマンドをセットする。また、CPU103は、抽出した(格納した)大当り判定用乱数が、現在の遊技状態(通常状態若しくは時短状態、又は確変状態)に応じた大当り判定用テーブルに記憶している大当り判定値に合致するか否かを判定する始動入賞時判定を実行する。
この始動入賞時判定において、大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致しない場合には、「はずれ」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致する場合には、さらに、抽出した(格納した)大当り種別判定用乱数が、第1特図用の大当り種別判定用テーブルに大当り種別毎に記憶されている判定値のいずれに合致するかを判定する。そして、合致した判定値に対応する大当り種別の「大当り」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。例えば、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、「非確変大当り」を指定するコマンド、又は「確変大当り」を指定するコマンドをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第1始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に出力する。
なお、CPU103は、第1始動入賞口に対応した第1保留記憶数が上限値に達している状態での第1始動入賞口への遊技球の始動入賞(すなわち第1始動入賞口に応じた賞球は払い出されるものの特図ゲームの対象とはならない無効始動入賞)を検出すると、始動入賞口指定コマンドとして「第1始動入賞口」を指定するコマンドをセットすると共に、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、有効始動入賞ではないことを指定するブランクデータをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第1始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンド(ブランクデータ)を演出制御基板12に出力する。
CPU103は、第2始動入賞口への遊技球の有効始動入賞、即ち、第2始動入賞口に対応した第2保留記憶数が上限値未満の状態での第2始動入賞口への遊技球の入賞、を検出すると、乱数回路104から大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を抽出し、抽出した大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を、第2特図用の乱数格納領域における第2保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第2保留記憶数)に対応した格納領域に格納すると共に、始動入賞口指定コマンドとして「第2始動入賞口」を指定するコマンドをセットする。また、CPU103は、抽出した(格納した)大当り判定用乱数が、現在の遊技状態(通常状態若しくは時短状態、又は確変状態)に応じた大当り判定用テーブルに記憶している大当り判定値に合致するか否かを判定する始動入賞時判定を実行する。
この始動入賞時判定において、大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致しない場合には、「はずれ」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致する場合には、さらに、抽出した(格納した)大当り種別判定用乱数が、第2特図用の大当り種別判定用テーブルに大当り種別毎に記憶されている判定値のいずれに合致するかを判定する。そして、合致した判定値に対応する大当り種別の「大当り」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。例えば、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、「非確変大当り」を指定するコマンド、又は「確変大当り」を指定するコマンドをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第2始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に出力する。
なお、CPU103は、第2始動入賞口に対応した第2保留記憶数が上限値に達している状態での第2始動入賞口への遊技球の始動入賞(すなわち第2始動入賞口に応じた賞球は払い出されるものの特図ゲームの対象とはならない無効始動入賞)を検出すると、始動入賞口指定コマンドとして「第2始動入賞口」を指定するコマンドをセットすると共に、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、有効始動入賞ではないことを指定するブランクデータをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第2始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンド(ブランクデータ)を演出制御基板12に出力する。
なお、本実施形態では、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数に基づいて、当該始動入賞に対応した特図の可変表示結果を判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしているが、このような形態に限らず、始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数に基づいて、当該始動入賞に対応した可変表示の変動パターンを判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしても良い。例えば、始動入賞時の判定結果がスーパーリーチの変動パターンである場合には、始動入賞時の判定結果が非リーチの変動パターンである場合と比較して高い割合で先読み予告演出を実行するようにすると良い。
具体的には、CPU103は、第1始動入賞口への遊技球の有効始動入賞を検出すると、乱数回路104から変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した変動パターン判定用乱数を、大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数と共に、第1特図用の乱数格納領域における第1保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第1保留記憶数)に対応した格納領域に格納する。また、CPU103は、第2始動入賞口への遊技球の有効始動入賞を検出すると、乱数回路104から変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した変動パターン判定用乱数を、大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数と共に、第2特図用の乱数格納領域における第2保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第2保留記憶数)に対応した格納領域に格納する。
[1−2.連比、役比の表示]
遊技機1では、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100において、各入賞口(大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行っている。さらに、遊技機1では、主基板11に設けられた表示モニタ29に連比、役比などの情報が表示可能とされている。
なお、本実施形態では、表示モニタ29を主基板11に設けることとして説明するが、これに限らず、演出制御基板12や中継基板15、払出制御基板等の他の基板に表示モニタ29を設けるようにしてもよい。
遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。さらに、遊技機を設置した後においても、どのような整備が行われているか、その整備の結果、設計どおりの頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。そこで、本実施形態における遊技機1では、一般入賞領域を有する遊技機において、どのような整備を加えられたかを認識できるようになっている。以下、役物比率等の表示について説明する。以下、主基板11における遊技球の集計及び役物比率等の表示について説明する。
図2に示す主基板11は、遊技に関する制御を行う基板である。主基板11は、図4に示すように基板ケース201に封入されており、図4(A)に示すように、主基板11の中央には表示モニタ29(例えば、7セグメント)が配置されている。表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、ガラス扉枠3aを開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、ガラス扉枠3aを開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面と遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
主基板11には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計され、表示モニタ29は、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連続役物比率(「連比」という。)(%)、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役物比率(「役比」という。)(%)を表示するようになっている。
連比とは、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲得球数)は、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、6000個の賞球数における第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数(電チュー賞球数)、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集計する第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、リングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。さらに、6000個の11セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(%)、役比(%)を算出することができる。
表示モニタ29は、6000個分の連比(%)、役比(%)、及び累計の連比(%)、役比(%)を所定時間(例えば、30秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表示手段で4つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行うのに2分要するが、遊技が進行することで集計される第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される6000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と6000個分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、切替表示における所定のタイミング(例えば、60000個分の連比(%)の表示タイミングなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が6000個であり、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数との合計である役物獲得球数が4200個である場合の役物比率(役比(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは、アタッカー及び電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。
連比=[連続役物獲得球数/総獲得球数]×100 ・・・(1)
役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得球数]×100 ・・・(2)
賞球合計数が6000個であり、役物獲得球数が4200個である場合の役物比率は、4200を6000で除算することにより0.70(小数点以下3桁切り捨て)として求められる。
しかしながら、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を100倍して420000とする。そしてこの420000を6000で除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000倍すればよい。
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を100で除算して60とする。そしてこの60で4200を除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算すればよい。
本例で賞球合計数は6000個であるが、長い期間の役物比率を算出するために、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまり本例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
ここで、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法では遊技機に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
第3の演算方法では遊技機で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数および役物獲得球数がともに10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くなることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
また、基板ケース201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板11、及び表示モニタ29が視認可能になっている。基板ケース201には主基板11に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板11の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板11に設けられた表示モニタ29は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため放熱孔によって表示モニタ29の視認性が遮られないようにされている。なお、ここでの「真正面」とは、主基板11を視点としての真正面を意味し、主基板11を視認しようとする従業員等と主基板11との間を意味する。
また、基板ケース201には主基板11の種類、機種、スペックなどを表示するためのシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。具体的には、図3に示すように、主基板11の第1部(例えば、主基板11の中央部)に表示モニタ29を配置した場合に、主基板11における第1部と異なる第2部(例えば、主基板11の周囲部)に他の電気部品などを配置し、主基板11の第2部に対応する基板ケースの部位に孔部、放熱孔、シールを配置するようにしてもよい。特に、放熱孔は、表示モニタ29が発する熱を放出するためには、表示モニタ29の近傍に設けることが好適である。この場合でも、放熱孔は、表示モニタ29の真正面にはない位置に配置されるのが好適である。これによれば、表示モニタ29に視認性を妨げることがないので、入賞に関する情報の確認がし易い。
また、主基板11の第2部に対応する基板ケース201の部位に配線が重ならないようにすることが好ましい。具体的には、配線の一のコネクタが接続される孔部と、その配線の他のコネクタが接続される接続先に主基板11の第2部に対応する基板ケース201の部位が重ならないようにする。これによれば、配線により表示モニタ29の視認性が妨げられることを防止することができる。
また、主基板11には、遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器が設けられているが、表示モニタ29の7セグメントとの誤認を避けるため、所定距離離すか、他の電子部品を挟んで配置するようにすることが好ましい。ここでいう他の電子部品は、例えば、CPUなどの大型の制御部品であると望ましい。
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作された場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後にさらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)であることが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100において演算を行う場合には小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。19876/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ29に表示されることとなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないものとなる。
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大となる値は総獲得球数および役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコンピュータ100での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上においても非常に小さい誤差で役比(%)(又は連比(%))が表示できる。
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さらに大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってしまう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のランプの発光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
また、表示モニタ29は役比(%)と、連比(%)とを7セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば30秒毎)に切り替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を30秒間表示している間に、電チューやアタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を30秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連役(%)との値が乖離してしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出された値を順次表示していくことが好ましい。
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には100の代わりに99を表示するようにしてもよい。図4に示す表示モニタ29では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の一部に数値を表示してもよい。
また、上記の計算方法においては総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数をカウンタに集計していく例を示したが、集計方法としては、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計したうえで、役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。また、アタッカーに個別に設けられたセンサと、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数のカ
ウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。以下、連比役比の表示について、具体的に説明する。以下の具体例では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計する例を説明する。
遊技機1における主基板11には、図2に示すように、表示モニタ29が接続されている。主基板11は、遊技機1において、図3に示すように、遊技機用枠3に設けられた遊技盤2の裏面側に設けられている。遊技盤2の裏面側には、主基板11以外の他、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、電源基板、払出制御基板、発射制御基板などの各周辺基板も設けられている。主基板11は、主基板11以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。なお、主基板11は、これらの各周辺基板と重なっていてもよい。特に、主基板11は、各周辺基板の上側となるように重なっていてもよい。
主基板11におけるRAM102には、第1ゲート通過数カウンタ、第2ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウンタ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。
第1ゲート通過数カウンタは、第1ゲートスイッチ21Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2ゲート通過数カウンタは、第2ゲートスイッチ21Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
第1一般入賞数カウンタは、第1一般入賞口スイッチ24Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2一般入賞数カウンタは、第2一般入賞口スイッチ24Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第3一般入賞数カウンタは、第3一般入賞口スイッチ24Cが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第4一般入賞数カウンタは、第4一般入賞口スイッチ24Dが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。大入賞数カウンタが、カウントスイッチ23が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
また、主基板11には、クリアスイッチが接続されている。クリアスイッチは、遊技盤2の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。クリアスイッチを操作することにより、後に説明するRAM102に記憶された連比や役比に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチを操作すると、データのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板11に送信される。
また、主基板11には、RTC106が設けられている。主基板11は、RTC106によって現在時刻を検出できる。RTC106は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過時間などを測定できるが、本実施形態では、RTC106は、遊技場の営業可能時間を計測可能とされている。
主基板11は、図4(A)に示すように、基板ケース201に収容されている。基板ケース201には、かしめピン11Bが取り付けられている。このかしめピン11Bが設けられていることにより、主基板11が基板ケース201に完全に封入された状態となり、主基板11に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、表示モニタ29は、主基板11上に設けられている。また、基板ケース201には、主基板11が封入されたことを証明するための封印シール11Sが貼られている。封印シール11Sは例えば基板ケース201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール11Sは、主基板11からは離れた位置に配置されており、表示モニタ29の真正面など、表示モニタ29の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ29は、封印シール11Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ29は、第1表示部29A、第2表示部29B、第3表示部29C、及び第4表示部29Dを備えている。第1表示部29A〜第4表示部29Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部29A〜第4表示部29Dは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
表示モニタ29には、図4(B)に示す表示No1〜4の各項目が表示される。上位2桁の第1表示部29A及び第2表示部29Bには集計期間が表示され、下位2桁の第3表示部29C及び第4表示部29Dには、数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No2では、総累計の役比が表示される。
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が6000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、又は連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
なお、上記の例では、連比や役比は、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。
表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bには、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
表示No3の総累計連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
主基板11は、連比及び役比を算出するにあたり、アタッカー、第1始動入賞口、第2始動入賞口、及び第1一般入賞口から第4一般入賞口に進入した遊技球の進入数の集計を行っている。CPU103は、メイン処理において、第1ゲートスイッチ21A及び第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dの各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認する状態確認処理を行っている。
この各スイッチの状態確認処理において、各スイッチから出力される検出信号に基づいて、いずれの進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、第1ゲートスイッチ21A,第2ゲートスイッチ21Bから検出信号が出力された場合には、第1ゲート通過数カウンタ,第2ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウンタ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、カウントスイッチ23から検出信号が出力された場合には、大入賞数カウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM102に記憶されている。
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状態確認処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
主基板11のCPU103は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数に基づいて、各入賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM102に記憶させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口毎にあらかじめ定められている。
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図5に示すように、一般入賞口賞球(第1一般入賞口〜第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞による賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RAM102は、総賞球数も記憶している。なお、CPU103では、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数を個別に集計しているが、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数をまとめて集計してもよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とを個別に算出しているが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよい。
RAM102は、これらの賞球数を記憶するためのリングバッファとアクティブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域〜第10記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算される。第0記憶領域〜第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、入賞口毎に、第1記憶領域〜第10記憶領域に記憶された賞球数(10セット分)の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セット分の総和及び総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、このため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、60000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域を備えている。主基板11のCPU103では、10セット分及び総累計の各入賞口への遊技球の入賞数に基づく賞球数によって、10セット分及び総累計の役比及び連比を算出し、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分及び総累計の役比及び連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
ここで、主基板11のCPU103のメモリ空間について説明する。
図6は主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU103は、上述の内蔵レジスタ、ROM101、RAM102などにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図6のメモリマップに示すように、ROM101のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H〜2FBFH。2FC0H〜2FFFHはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU103は、このROM領域を指定してROM101からのデータの読み出しを行う。また、本実施形態では、ROM領域を第一領域〜第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから始まる領域としている。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本実施形態では、FE00H〜FEBFH)に割り当てられ、CPU103は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM102のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本実施形態では、F000H〜F3FFH)に割り当てられ、CPU103は、このRWM領域を指定してRAM102からのデータの読み出しやRAM102へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、RAM102の記憶領域に対応するRAM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFHの16Kバイト領域)は、図7に示すように、RAM制御領域、非使用領域、RAMデータ領域及びその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応するRAM102の記憶領域には、CPU103が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU103がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御プログラムデータと称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応するRAM102の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
また、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域及びその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶する記憶領域及び総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第1記憶領域〜第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分)の総和の記憶領域、及び10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域と、その他領域に対応するRAM102の記憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されている。
なお、本実施形態では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM102の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRAM102の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、主基板11は、表示モニタ29に対して、連比及び役比を表示する制御を行う。ここで、主基板11は、複数の項目を順次表示する制御を行う。
図8(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャートである。図8(A)に示すように、表示モニタ29に対する表示を開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図8(B−1)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「1.」の文字が表示される。
表示No1の表示が30秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No2の短期連比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図8(B−2)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期役比が表示される。例えば、短期役比が63%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「3.」の文字が表示される。
表示No2の表示が30秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示No3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図8(B−3)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が表示される。例えば、総累計連比が58%の場合、第3表示部29Cに「5.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No3の表示が30秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示No4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図8(B−4)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が表示される。例えば、総累計役比が68%の場合、第3表示部29Cに「6.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No4の表示が30秒間継続すると、図8(B−5)に示すように、表示No1の短期連比が表示される。以後、表示No1の短期連比〜表示No4の総累計役比の表示が30秒毎に順次表示される。また、その表示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比〜表示No4の総累計役比は赤色とされる。このように、表示モニタ29は、短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比を30秒ごとに切り替えて表示する。
また、主基板11では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域〜第10記憶領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和及び総累計の記憶領域、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
アクティブバッファ及びリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。例えば、図9に示すように、第0記憶領域〜第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このときに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、第1憶領域〜第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新する。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
第0記憶領域〜第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
また、図2に示す異常検出用センサ群26には、ガラス扉枠3aの開放を検出するドア開放センサが含まれている。ガラス扉枠3aの開放は、従業員が行う際には異常には相当しないが、従業員以外の者が行うときには、異常に相当することが多い。このため、本実施形態では、ガラス扉枠3aの開放を検出するドア開放センサを異常検出用センサ群26に含めている。ドア開放センサは、ガラス扉枠3aの開放を検出したときに、開放信号を主基板11に送信する。
ドア開放は、従業員による場合の正常なガラス扉枠3aの開放と、従業員以外の者等による異常なガラス扉枠3aの開放とがある。ここでは、異常なガラス扉枠3aの開放を想定してドア開放の検出が行われる。また、従業員がガラス扉枠3aを開放した正常なガラス扉枠3aの開放であっても、ドア開放は検出されるが、ガラス扉枠3aの開放を従業員等が認識していることが多いので、特段の問題は生じないようにすることができる。
[1−3.処理]
続いて、主基板11で実行される連比役比の表示に関する制御について説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM102におけるRAM制御領域及びRAMデータ領域がクリアされる。このため、電源基板からの電力供給が開始されたときには、RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアされることなく維持される。RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアスイッチが操作されることでクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。初期設定を行った後、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。連比・役比関連処理は、このタイマ割込み処理で実行される。
図10は、連比・役比関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。主基板11では、図10に示すように、連比・役比関連処理において、異常操作が検出されたか否か判断する(ステップS101)。異常操作が検出されたか否かは、クリアスイッチからクリアスイッチ操作信号が送信されたか否かで判断する。
その結果、クリアスイッチ操作信号が送信されており、異常操作が検出された場合(ステップS101;YES)には、警告表示準備を行い(ステップS102)、ステップS103に進む。また、クリアスイッチ操作信号が送信されておらず、異常操作が検出されない場合(ステップS101;NO)には、入賞情報を取得する(ステップS103)。入賞情報は、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dのいずれかによって遊技球が検出されることによって取得される。
続いて、現在の時刻が営業時間内であるか否かを判断する(ステップS104)。現在の時刻が営業時間内であるか否かは、RTC106によって計測されて判断される。その結果、現在の時刻が営業時間内である場合には(ステップS104;YES)、ガラス扉枠3aが閉鎖されているか否かを判断する(ステップS105)。ガラス扉枠3aが閉鎖されているか否かは、ドア開放センサから開放信号が送信されたか否かによって判断される。
その結果、ドア開放センサから開放信号が出力されておらず、ガラス扉枠3aが閉鎖されている場合には(ステップS105;YES)、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞しているか否かを判断する(ステップS106)。ここでの単位時間及び所定球数は、通常の遊技では入賞し得ない状態を想定した数値が設定される。具体的には、遊技球の発射は、最大1分間100発であるため、例えば、1分間に100個を上限として適宜決定できる。より具体的には、単位時間が1秒間である場合に所定球数が5個、又は、単位時間が10秒である場合に所定個数が30個などである。単位時間は、RTC106によって計測される。また、アタッカーへの遊技球の入賞個数は、カウントスイッチ23による遊技球の検出個数によって計測される。
その結果、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していない場合(ステップS106;NO)には、ステップS103で取得した入賞情報に応じた賞球数を加算する賞球数加算処理を行う(ステップS107)。なお、賞球数加算処理は、警告表示準備が行われていない場合に行う。ここで、警告表示準備が行われている場合には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。賞球数加算処理では、図52に示す第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数を加算する。
また、賞球数加算処理では、アクティブバッファにおける第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数の賞球合計を算出する。ここで、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000となった場合には、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。また、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。
続いて、算出タイマがタイムアップした(算出タイマ=0)か否かを判断する(ステップS108)。その結果、算出タイマがタイムアップしていない場合(ステップS108;NO)には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、算出タイマがタイムアップしている場合(ステップS108;YES)には、算出タイマをセット(算出タイマ=2000ms)する(ステップS109)。
それから、ステップS107で加算して得られた賞球数(賞球合計)が算出実行数となっているか否かを判断する(ステップS110)。算出実行数は、適宜の数とすることができるが、例えばリングバッファにおける第0記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第1記憶領域〜第10記憶領域に移動させる基準となる賞球合計の6000個よりもわずかに少ない数、例えば5900個とすることができる。また、算出実行数は、6000個から最大払出し球数を減じた数よりもわずかに小さい数とすることが好適である。
その結果、賞球数(賞球合計)が算出実行数となっていない場合には(ステップS110;NO)、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、賞球数が算出実行数となっている場合には(ステップS110;YES)、連比及び役比を算出する(ステップS111)。ここでは、短期連比、短期役比、累計連比(総累計連比)、累計役比(総累計役比)をそれぞれ算出する。このため、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比は、いずれも同一割込み内で算出される。その後、連比・役比表示処理を行って(ステップS112)、連比・役比関連処理を終了する。
また、ステップS104で営業時間内でないと判断した場合(ステップS104;NO)、ステップS105で扉枠が閉鎖していないと判断した場合(ステップS105;NO)、ステップS106で単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していると判断した場合(ステップS106;YES)には、エラー表示準備を行う(ステップS113)。その後、連比・役比関連処理を終了する。
次に、連比・役比表示制御処理について説明する。
図11は、連比・役比表示制御処理の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示すように、連比・役比表示制御処理では、連比・役比表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS201)。連比・役比表示準備処理が済んでいないと判断した場合(ステップS201;NO)には、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS202)。
その結果、エラー表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS202;YES)には、エラー表示を行う(ステップS203)。エラー表示は、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「1」を表示することができる。また、エラー表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置5、第1特別図柄表示装置4Aに、第2特別図柄表示装置4B等に所定のエラー表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警報音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
エラー表示を行ったら、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。また、ステップS202において、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断いないと判断した場合(ステップS202;NO)にも、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。
その結果、警告表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS204;YES)には、警告表示を行う(ステップS205)。警告表示は、警告表示以外の表示とは異なるように、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「6」を表示することができる。このとき、警告がなされる状態であることを示すために、表示モニタ29を点滅させてもよいし、表示モニタ29の表示の色を変化させながら表示させてもよい。あるいは、表示モニタ29の表示の明度を高くして表示を行ってもよい。このように、警告表示は、他の表示よりも目立つようにして行うのが好適である。
また、警告表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置5、第1特別図柄表示装置4Aに、第2特別図柄表示装置4B等に所定の警告表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警告音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
警告表示を行ったら、連比・役比制御処理を終了する。また、ステップS204で警告表示準備が済んでいないと判断した場合(ステップS204;NO)にも、連比・役比制御処理を終了する。
また、連比・役比表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS201;YES)には、短期連比表示を行う(ステップS206)。続いて、短期連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS207)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS207;NO)には、ステップS206に戻り、短期連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS207;YES)には、ステップS208に進む。こうして、短期連比表示は、30秒(30000ms)間継続して行われる。
続いて、短期役比表示を行い(ステップS208)、短期役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS209)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS209;NO)には、ステップS208に戻り、短期役比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS209;YES)には、ステップS210に進む。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積連比表示を行い(ステップS210)、累積連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS211)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS211;NO)には、ステップS210に戻り、累積連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS211;YES)には、ステップS212に進む。こうして、累積連比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積役比表示を行い(ステップS212)、累積役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS213)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS213;NO)には、ステップS212に戻り、累積役比表示を継続する。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS213;YES)には、連比・役比制御処理を終了する。
このように、上記の遊技機1では、主基板11に設けられた表示モニタ29によって短期連比、短期役比、累積連比、累積役比を表示している。また、表示モニタ29は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する主基板11上に設けられている。このため、遊技盤に設けられた遊技釘(障害釘)や風車などについてどのような整備が加えられたかを認識できる。
また、表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。このため、表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。また、主基板11は、基板ケース201に設けられた放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が放熱孔によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、主基板11は、主基板11以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が演出制御基板12などの周辺基板によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、表示モニタ29には、電チューやアタッカーの通過によって払い出された賞球と、一般入賞口の通過によって払い出された賞球との関係に関する連比や役比を表示することができる。また、表示モニタ29は、短期連比と累計連比など、所定情報を所定期間ごとに切り替えて表示可能である。このため、複数の期間についての情報を表示するための表示器を設ける必要がないので、部品点数の削減に寄与することができる。
また、表示モニタ29には、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)が表示されるので、総賞球数が6000個となるなど、一定の単位に対応した期間の数値を容易に認識することができる。所定単位に対応した期間は、賞球数が6000個となる以外の期間であってもよい。例えば、賞球数が1000個、10000個となる期間でもよい。あるいは、賞球数ではなく時間を単位としてもよい。例えば、所定単位に対応した期間を1時間、3時間、10時間などの適宜の時間としてもよい。
また、表示モニタ29は、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)のほか、累計連比及び累計役比を切り替えて表示している。このため、所定単位ごとの短期連比や短期役比と累計連比や累計役比などを容易に比較することができる。また、表示モニタ29は、かしめられた基板ケース内に収容された主基板11に設けられている。このため、表示モニタ29における表示を改ざんするなどの不正の防止に寄与することができる。
また、遊技機1は、適正な所定情報が表示できなくなる不正を検知検出する検出手段を備えている。ここでの不正とは、例えば遊技上の営業時間外における賞球数の計数、扉枠の開放中における賞球数の計数、許容入賞数を超えた遊技球の入賞などがある。遊技機1は、遊技場の営業時間内で稼働するものであり、営業時間以外の時間における賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。また、遊技機1は、扉枠を閉じて遊技を行うものであり、扉枠の開放中の賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。
また、遊技機1の遊技中、遊技球は、一定の速度を超えて発射させることができない。例えば、遊技球の発射は、最大1分間100発である。このため、1分間での遊技球の入賞の上限数はほぼ100個となる。したがって、例えば1分間に100個、あるいは12秒間に20個を超える遊技球の入賞が検出された場合には、不正行為があった蓋然性が極めて高くなる。
遊技機1では、不正を検知するために、営業時間内でない場合、ガラス扉枠3aが閉鎖されていない場合、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数の加算を排除している。したがって、これらの不正による連比、役比の情報などの改ざんを抑制することができる。なお、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数に代えて、単位時間あたりの払出球数に基づいて不正を検出してもよい。
また、上記の遊技機1では、RAM102が備えるアクティブバッファの第0記憶領域が所定の容量である6000個となった場合に、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。このため、リングバッファが容量不足となることを防ぐことができる。
また、リングバッファでは、第1記憶領域〜第10記憶領域が設けられており、アクティブバッファの第0記憶領域のデータがリングバッファの第1記憶領域に移動する場合、第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータが所定単位ごととされるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。また、消去されずに残るデータを多くしておくことができる。
なお、アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファにおける第9記憶領域のデータを第10記憶領域に移動させる。このとき、第10記憶領域のデータを消去して、第9記憶領域のデータを移動させてもよいし、第10記憶領域のデータに第9記憶領域のデータを上書きしてもよい。この場合でも、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。
アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファでは、その一部の記憶領域である第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータを少なくすることができるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができるとともに、多くのデータで連比や役比を算出できる。
なお、リングバッファのデータを消去する際には、その一部第10記憶領域のデータを消去するのみではなく、第1記憶領域〜第10記憶領域のデータの全てを消去するようにしてもよい。この場合、リングバッファの容量不足をより好適に防ぐことができる。また、所定の条件に応じてリングバッファの一部又は全部のデータを消去するようにしてもよい。例えば、営業時間開始時最初には、リングバッファの全部のデータを消去し、以後はリングバッファの一部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の例では、リングバッファにおけるデータの移動について説明しているが、リングバッファ以外のデータ、例えば総累計を記憶する記憶領域についても、同様に一部や全部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の遊技機1では、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示している。このため、各データを容易に比較することができる。なお、各データを表示する周期は30秒ではなく、適宜の周期としてもよい。例えば、10秒毎としてもよいし、1分毎としてもよい。または、1時間ごととしてもよい。また、表示されるデータは、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比のデータ以外のデータとしてもよいし、これらのデータの一部のみとしてもよい。
また、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示するにあたり、短期連比については、他のデータと異なる表示を行っている。具体的には、短期連比については赤字で表示し、他のデータは緑字で表示している。このため、短期連比から新たなデータを表示することを認識させることができる。
また、上記の遊技機1では、異常操作が行われたときに、警告表示を行うようにしている。具体的に、クリアスイッチが操作された場合に異常操作として警告を表示する。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合に操作されるいわば非常用のスイッチである。このスイッチが操作されると、連比や役比のデータの改ざんを行うことができるので、クリアスイッチの操作を異常操作として検出する。遊技機1では、この異常操作を警告表示によって警告できるので、データの改ざんなどの不正を抑制することができる。
また、上記の遊技機1では、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号に基づいて得られる賞球数に基づいて、連比や役比を算出している。例えば、アタッカーに個別に設けられたセンサ(カウントスイッチ23)と、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計して連比や役比を算出した場合、どの入賞口からの払い出しなのかを特定しづらく、役比、連比の算出が複雑になってしまう虞がある。この点、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dによって遊技媒体が入賞したことを検出して、その検出結果から得られる賞球数に基づいて、連比や役比を算出ことにより、各入賞口への入賞に基づいて賞球数判断できる。したがって、連比や役比を簡単に算出することができるとともに、精度よく算出することができる。
[1−4.変形例]
この発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。なお、
上記の各演出形態に示された遊技機の制御及び構成を任意に組み合わせるようにしても良く、上記の各演出形態に示された遊技機の制御及び構成と、以下の変形例に示された遊技機の制御及び構成を任意に組み合わせるようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域を最大2バイトのカウンタが10個設けられたリングバッファを用いたが、最大3バイトのカウンタや最大4バイトのカウンタを設けることもできる。このとき、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総獲得球数から前述の役比(%)および連比(%)の2種類を上述した表示モニタ29に表示するにあたっての計算方法は前述した方法に限られず以下のようにしてもよい。図12に示すように最大4バイトで構成されたカウンタによって、総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数のそれぞれを集計する場合、その上位16ビットを使用して計算を行ってもよい。ちなみに4バイトのカウンタによって、獲得球数が1日30000個であると仮定した場合に、4294836225(4バイト)/30000(1日あたりの獲得球数)=143161.2075、143161.2075/365日=約392、となり、392年分の集計を賄える計算となる。
また、上記の実施形態では、図4(A)に示すように、基板ケース201に収容された主基板11上の中央部に表示モニタ29が設けられた例を説明したが、表示モニタ29は、他の位置に設けられていてもよい。
例えば、図13(A)に示すように、表示モニタが設けられていない主基板11Cと、主基板11Cとは別に表示基板11Dを設け、主基板11Cと表示基板11Dとをハーネス11Eで接続して、表示基板11Dに表示モニタ29を設けてもよい。この場合、表示モニタ29に表示する連比や役比の算出やこれらの算出に用いるためのデータの受信は、主基板11Cで行われる。主基板11Cは、算出した連比や役比、さらにはこれらを表示するための制御に関する情報を表示基板11Dに対してハーネス11Eを介して送信する。表示基板11Dでは、主基板11Cから送信されたデータに基づいて、表示モニタ29に連比や役比を表示すればよい。
また、主基板11C及び表示基板11Dは、かしめ基板ケースである基板ケース201Aに収納されている。基板ケース201Aには、図4(A)に示す基板ケース201と同様、かしめピン11Bが取り付けられている。このかしめピン11Bが設けられていることにより、主基板11C及び表示基板11Dが基板ケース201Aに完全に封入された状態となり、主基板11Cに対する不正行為を防止するようになっている。また、基板ケース201Aにおいても、図4(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。
また、図13(B)に示すように、表示基板11Dについては、かしめ基板ケースである基板ケース201Bの外側に設け、主基板11Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板11Dには、ハーネス11Eで主基板11Cに接続されている。
また、図13(C)に示すように、表示基板11Dを基板ケース201Cに封入し、主基板11Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板11Dには、ハーネス11Eで主基板11Cに接続されている。また、基板ケース201Cにおいても、図4(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。なお、表示基板11Dを封入する基板ケース201Cは、かしめ基板ケースでなくてもよいし、かしめ基板ケースであってもよい。
また、図13(D)に示すように、図4(A)に示す基板ケース201の表面にラベルが貼り付けられており、ラベル11Rには、かしめ使用記録が記載されるようになっていてもよい。ここで、ラベル11Rは、表示モニタ29の一部を隠す位置に配置されていてもよい。このように、ラベル11Rによって表示モニタ29の一部が隠されていることにより、例えばガラス扉枠3aを開放した際に、遊技者が簡単に連比や役比を視認できないようにできる。また、ラベル11Rを貼り付ける場合でも、表示モニタ29を隠さない位置に貼り付けてもよい。
また、上記の実施形態では、可動役物として、ソレノイドによって開閉する大入賞口(アタッカー)や第2始動入賞口(電チュー)といった電動役物が用いられているが、これらの電動役物に代えて、遊技球の自重によって開閉を行ういわゆる機械式役物を可動役物としてもよい。また、表示モニタ29としては、7セグメントのLEDを用いているが、7セグメントに代えてドット表示、表示画面などとしてもよい。また、LEDに代えて、液晶表示装置や、有機EL、蛍光表示管などとしてもよい。
また、上記の実施形態では、表示モニタ29に表示する内容、例えば連比や役比の表示等とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除などの対応をすることがある。例えば、遊技球の払出しを行うために、遊技盤3の裏側には、遊技球(補給球)を補給する補給機構が設けられていることがある。この補給機構において、球詰まりが生じた場合などには、ガラス扉枠3aを開放させて球詰まりを解消させてエラー解除を行うことがある。このような表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除を行う場合などには、表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにしてもよい。
また、このときに表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにするために、連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件としてもよい。ここでの連比や役比等の表示に対するエラーとは、例えば、図10に示すステップS101で判断される異常操作の検出やステップ104で判断される営業時間内の入賞情報の取得、ステップS106で判断される単位時間当たりにおけるアタッカーに対する所定数以上の入賞の検出としてもよい。このような連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件とすることにより、遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。
また、表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除を行い、エラー解除が完了した後は、表示モニタ29に対する連比や役比等を表示するまで所定期間例えば1分間待機し、所定時間が経過した後に表示するようにしてもよい。エラーの発生の解除後は、エラー発生の原因を完全に取り除くことができずに、同様のエラーが続いて発生することが少なくない。表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を所定時間が経過した後に行うことにより、このようなエラー発生時にも遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。ここでの所定期間は任意に設定することができ、5分や10分等の1分より長い時間としてもよいし、30秒等の1分よりも短い時間としてもよい。また、エラーの原因に応じて所定時間を設定するようにしてもよい。例えば、補給機構における球詰まりの場合と、画像表示装置5の故障の場合では、補給機構の球詰まりの方の所定期間を長く設定してもよい。
また、主基板11には、表示モニタ29以外の表示装置、例えばエラーを表示するための7セグメント表示器(以下「エラー表示器」という)が設けられている。このエラー表示器は、表示モニタ29から離れた位置に配置されていることが好適である。具体的には、表示モニタ29が主基板11の右側1/3の位置に配置され、エラー表示器が主基板11の左側1/3の位置に配置されていてもよい。また、表示モニタ29を分かりやすくするために、表示モニタ29が主基板11のどこにあるかを基板ケース201上に文字で印刷しておいてもよいし、基板ケース201にシールを貼り付けたりしておいてもよい。
また、パチンコ遊技機を例として役比(%)や連比(%)を算出し、表示モニタにおいて表示することを説明したが、スロットマシンにおいてパチンコ遊技機における役比(%)や連比(%)に相当する値を算出し表示するようにしてもよい。
以下にスロットマシンにおける連比(%)の算出方法について説明する。スロットマシンは、賭数を設定することにより図柄の変動が開始可能となり、図柄の変動の結果に応じて入賞が発生する。スロットマシンにおける入賞には、遊技用価値の付与を伴う付与入賞、賭数を設定することなく図柄の変動が開始可能となる再遊技入賞、付与入賞の発生確率が向上する特別遊技状態に移行させるボーナス入賞がある。ここで、スロットマシンにおける連比(%)は、図柄の変動が所定回数行なわれる期間のうち、図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における総獲得球数に相当)に対して、特別遊技状態に移行している期間において図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における連続役物獲得球数に相当)の比率で表される。例えば、6000回の図柄の変動が行なわれる期間において、該期間に得られた遊技用価値の一例であるメダルの数が16000枚である場合に、特別遊技状態に移行している期間において付与入賞により得られたメダルの数が9000枚である場合、9000を16000で除算して得られる0.56が連比(%)となる。
なお、算出した役比(%)や連比(%)を主基板の中央に設けられた表示モニタ(例えば、7セグメント)において表示する例を示したが、これに限らず、払出制御基板などの他の基板や、遊技盤面、遊技機用枠(台枠)等に表示モニタを設けるようにしてもよい。また、役比(%)や連比(%)を表示するための専用の表示モニタを設けるものに限らず、既存の表示装置(例えば、画像表示装置5、エラーを表示するための7セグメント表示器、スロットマシンにおけるクレジット表示器や払出数表示器など)を用いて役比(%)や連比(%)を表示するようにしてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えば遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
[2.第2実施形態]
次に、第1実施形態で説明した遊技機1を含む遊技用システムの実施形態について説明する。前述したように、遊技釘などの整備により、遊技球の払出率の設計などを行うことがある。しかし、遊技釘などに対してどのような整備を行ったかを外部から確認することができないため、設計値通りの払出率となるか否かの判断が難しいという問題がある。そこで、遊技機において設計値通りの払出率となっているか否かを判断することが可能な遊技店用の端末装置を含む遊技用システムの実施形態について説明する。
[2−1.システム構成]
図14は、本実施形態における第1遊技用システム1000Aのシステム構成の一例を表す図である。
第1遊技用システム1000Aは、遊技島に設置される複数の遊技機1と、各遊技機1に対応して設けられる情報表示装置及び遊技用装置の一種であるデータ表示装置1200と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置、計数装置及び記録媒体処理装置の一種である台間計数ユニット500と、管理装置の一種であるホールコンピュータ600と、遊技客の貯玉数や持玉数を管理するための管理装置の一種である玉管理コンピュータ800と、遊技店用の端末装置の一種である携帯端末2000と、を備えて構成される。なお、本実施形態では、遊技機を第1実施形態で説明した遊技機1とし、遊技機1についての再度の説明を省略する。
各遊技機1の上方所定位置には、カラーの液晶画面によって遊技機1での遊技に係る遊技情報や店舗の営業に係る店舗情報等の各種の情報を表示するデータ表示装置1200が設置されている。データ表示装置1200は、遊技者や遊技客に対して情報を公開する端末であるため、情報公開端末と言い換えることもできる。
本実施形態において、データ表示装置1200は、ホールコンピュータ600により提供されるデータ表示装置1200用の設定用情報である表示装置設定用データ691に基づいて、自装置が備える表示部1230の表示設定や、自装置が備える発光部1250(左枠LED1251及び右枠LED1252)の発光設定等を行う。
ここで、設定とは、特定の動作を行うように、自装置の動作を定めることを言う。また、本実施形態では、データ表示装置1200に対応して設けられる遊技機1のことを「対応遊技機1」と称し、データ表示装置1200に対応して設けられる台間計数ユニット500のことを「対応ユニット500」と称する。
なお、本実施形態では、データ表示装置1200の設定用データを管理装置の一種であるホールコンピュータ600が提供することとして説明するが、ホールコンピュータ600ではなく、他の管理装置の一種である玉管理コンピュータ800が設定用データを提供するようにしてもよい。また、会員登録している遊技者の会員情報を管理する会員管理コンピュータや、遊技者が所持する遊技用カードのカード情報を管理するカード管理コンピュータ等の管理装置を店舗に設置するようにし、これらの管理装置が設定用データを提供するようにしてもよい。
データ表示装置1200は、対応遊技機1に関する情報を表示可能な表示手段である表示部1230と、当該表示部1230を表示制御する表示制御手段である処理部1210と、を備える。また、データ表示装置1200は、操作手段である呼出ボタン1221やタッチパネル1222を有する操作部1220を備える。
表示部1230は、遊技機1において、非有利状態中である非大当り遊技状態中に遊技者が使用した遊技球数であるアウト数に対する遊技者が非大当り遊技状態中に獲得した遊技球数である払出数の割合である払出率の基準に関する情報である払出率基準情報と、対応する遊技機1での払出率の実測値である払出率実測値と、に基づく特定情報と、対応する遊技機1での遊技履歴に関する情報(遊技履歴情報)とを表示可能である。
ここで、特定情報には、払出率基準情報と払出率実測値とに基づく演算結果に関する情報や、払出率基準範囲と払出率実測値とに基づき判定される払出率実測値の適否に関する情報(以下、「払出率適否情報」という。)が含まれる。払出率基準情報と払出率実測値とに基づく演算結果に関する情報には、例えば、払出率基準情報と払出率実測値とに基づき演算される払出率基準値に対する払出率実測値の誤差(以下、「払出率誤差」という。)が含まれる。また、払出率適否情報には、例えば、払出率実測値の適否を後述する各種の表示モードで示す情報(色変化モードにおける色変化アイコン、メーターモードにおけるメーター、誤差モードにおける払出率誤差)が含まれる。
また、データ表示装置1200は、遊技情報の表示とは別に、特別表示を表示部1230に表示可能に構成されている。特別表示とは、各種の遊技情報を表示している際に、予め定められた特別表示の実行条件の成立に応じて特別に実行する表示である。本実施形態では、対応遊技機1で発生したエラーを報知するための遊技機エラー表示、自装置で発生したエラーを報知するための表示装置エラー表示、遊技機1で大当りが発生したことを報知するための大当り演出表示、複数のデータ表示装置1200でランニング演出等の一斉演出を行うための一斉演出表示、遊技機1で遊技する遊技者に遊技へののめり込みを注意喚起するためののめり込み防止表示、台間計数ユニット500からの遊技用カードの取り忘れを注意喚起するためのカード取り忘れ表示、遊技機1での遊技球の貸与レートを報知するための貸与レート表示等の表示が特別表示に含まれる。
台間計数ユニット500は、各遊技機1の左方(或いは右方)に併設して設けられ、遊技者が所有する遊技用の記録媒体であって遊技用カードの一種である持玉カードを受け付けて、遊技者が対応する遊技機1での遊技を可能とするための処理(遊技可能化処理)を実行する。台間計数ユニット500は、台間機(サンド)とも呼ばれるものである。
ホールコンピュータ600は、店舗に設置された各遊技機1を統括的に管理する。また、ホールコンピュータ600は、各遊技機1に対応して設けられたデータ表示装置1200や台間計数ユニット500を統括的に管理する。
玉管理コンピュータ800は、遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する持玉カードに記録された持玉数の管理等を行う。
携帯端末2000は、第1遊技用システム1000Aが適用される遊技店において、主として遊技店の店員が業務で使用するために用いられる携帯型の端末装置である。端末装置としては種々の装置を適用することが可能であり、遊技店用の端末装置としては、以下に説明する機能を実現するためのプログラム(アプリケーションソフト等)が組み込まれた専用の端末装置でも、上記プログラムが組み込まれた汎用の端末装置でもよい。ここで、本実施形態では、汎用の端末装置としての携帯電話機の一種であるスマートフォンとして構成される携帯端末2000を端末装置の一例として説明する。
携帯端末2000は、遊技店用のアプリケーションソフト(アプリ)に基づく動作を行うことが可能に構成されており、遊技店の業務に係る各種の機能を有する。この機能には、店舗の売上を確認するための売上確認機能や、遊技者の持玉を確認するための持玉確認機能や、店内放送を行うための店内放送機能、遊技者の会員登録を行うための会員登録機能等の各種の機能が含まれる。これらの機能については、本発明に直接的に関わる機能ではないため、詳細な説明を省略する。
また、携帯端末2000は、ホールコンピュータ600と通信を行って遊技機1の払出率に関連する情報を表示する払出情報表示機能や、店舗の店員が他の遊技店に出向いて頭取り(調査)を行うための頭取り機能、遊技客に対して特定のサービスを提供するためのサービス提供機能等の機能を有する。これらの機能については、本発明に直接的に関わる機能であるため、詳細に後述する。
携帯端末2000は、遊技機1において、非有利状態中である非大当り遊技状態中に遊技者が使用した遊技球数であるアウト数に対する遊技者が非大当り遊技状態中に獲得した遊技球数である払出数の割合である払出率の基準に関する情報である払出率基準情報と、対応する遊技機1での払出率の実測値である払出率実測値と、に基づく情報であって、ホールコンピュータ600から送信される特定情報を遊技機1の識別情報と対応付けて表示可能に構成されている。
ここで、ホールコンピュータ600から携帯端末2000に送信される特定情報は、上記の情報表示装置において表示可能な情報と同様の情報であり、例えば、払出率誤差や払出率の適否(適正/不適正)に関する情報がこれに含まれる。また、遊技機1の識別情報は、遊技機1を固有に識別可能とするための情報であり、遊技機のIDである遊技機IDや遊技機が設置される遊技台の番号である台番号の情報がこれに含まれる。
各遊技機1は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、遊技機1、データ表示装置1200及び台間計数ユニット500は、台端末900を介してホールコンピュータ600や玉管理コンピュータ800に接続されている。なお、この図では、簡明化のために、遊技島に設置される遊技機1を4台として図示している。
[2−2.信号及び情報の流れ]
図15は、第1遊技用システム1000Aの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末900については図示を省略している。
遊技機1からは、遊技機信号がデータ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。また、遊技機1の背面に設けられたアウト球検出器200からは、アウト信号がデータ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。これらの信号については後述する。
台間計数ユニット500からは、カード挿入信号、カード排出信号、入金信号、消費信号、玉払出信号、ユニットエラー信号を含むユニット信号が、データ表示装置1200及びホールコンピュータ600及びに出力される。
カード挿入信号は、遊技用カードを受け付けた場合に出力状態とされる信号であり、受け付けた持玉カードのカードID等を含む信号が出力される。
カード排出信号は、受け付けた持玉カードが排出された場合に出力状態とされる信号である。
入金信号は、遊技者により入金がなされた場合に出力状態とされる信号である。入金信号は、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
消費信号は、残額が消費された場合に出力状態とされる信号である。消費信号も、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
玉払出信号は、遊技機1に遊技球を払い出した場合に出力状態とされる信号であり、遊技球を払い出した旨及び払い出した遊技球の玉数を含む信号が出力される。
ユニットエラー信号は、台間計数ユニット500に何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
ホールコンピュータ600からは、データ表示装置1200が各種の設定を行うための表示装置設定用データ691がデータ表示装置1200に出力される。また、ホールコンピュータ600からは、データ表示装置1200に一斉演出を行わせるための一斉演出信号、定期告知を行わせるための定期告知信号等を含む管理装置信号が、データ表示装置1200に出力される。
台間計数ユニット500からは、自装置に挿入された持玉カードの認証を要求するための認証要求信号が玉管理コンピュータ800に出力される。認証要求信号には、自装置のIDであるユニットIDと、持玉カードに記録されたカードIDとが含まれる。
玉管理コンピュータ800は、台間計数ユニット500から出力される認証要求信号に従って認証処理を実行し、認証信号を台間計数ユニット500に送信する。認証信号には、認証結果(OK/NG)が含まれる。
ホールコンピュータ600からは、主として、自店舗に設置される各遊技機1の払出率に関する情報である払出情報を集計したデータである払出情報集計データが、無線通信によって携帯端末2000に送信される。
[2−3.遊技機の外端出力]
図16は、本実施形態において遊技機1が備える外部出力基板から外部装置に出力される遊技機信号の一例を示す図である。ここで言う外部装置とは、遊技機1と通信可能に接続された外部装置のことを意味し、本実施形態ではデータ表示装置1200とホールコンピュータ600とがこれに含まれる。
外部出力基板からは、遊技機信号として、大当り信号と、確変中信号と、時短中信号と、始動信号と、賞球信号と、セキュリティ信号とが外部出力される。
大当り信号は、遊技機1が大当り遊技状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
確変中信号は、遊技機1が高確率状態である確変状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
時短中信号は、遊技機1が高ベース状態である時短状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
始動信号は、遊技機1において特図可変表示部の表示結果が導出表示されたときに出力状態とされる所定幅のパルス信号である。
賞球信号は、遊技機1において第1規定球数が払い出される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。第1規定球数は、例えば「10球」とすることができる。
セキュリティ信号は、遊技機1に何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
また、前述したように、遊技機1の背面に設けられるアウト球検出器200からは、アウト信号がデータ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。
アウト信号は、第2規定球数(例えば10球)がアウト球検出器200により計数される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。第2規定球数は、例えば「10球」とすることができる。
[2−4.台間計数ユニットの構成]
図17は、台間計数ユニット500の機能構成の一例を示すブロック図である。
台間計数ユニット500の前面板は、長手方向を上下方向とする矩形状に構成されており、台間計数ユニット500の前面中央部に、発券ボタン551、払出ボタン552及び離席ボタン553を含む操作ボタン550と、遊技者が持玉カードを挿入/取り出すためのカード挿入口560とが設けられている。
遊技者が発券ボタン551を押下すると、その時点における遊技者の所持球数(持玉数)を記録した持玉カードがカード挿入口560から発券される。また、遊技者が払出ボタン552を押下すると、所持球数のうちの所定の単位球数(例えば25玉の倍数:125玉等)が遊技機1に払い戻され、この払い戻されたパチンコ玉を用いて遊技者は遊技を行うことが可能となる。また、遊技者が離席ボタン553を押下すると、台間計数ユニット500からの持玉カードの発券/返却が規制され、受付中の持玉カードによる玉貸しや玉払出しが規制される。
なお、遊技機1では、遊技球が払い出される玉払出皿の近傍位置に遊技球を貸与するための玉貸ボタンと、台間操作ユニット500から持玉カードを返却するための返却ボタンとが設けられるのが通常である。このため、遊技機1に設けられた返却ボタンの押下操作に応じて、台間計数ユニット500がカード挿入口560から持玉カードを発券するようにしてもよい。
カード挿入口560は、該カード挿入口560に対応する位置に内蔵される持玉カードリーダライタ(R/W)570に連接しており、持玉カードR/W570により、カード挿入口560から挿入される持玉カードに記録されているカードIDや持玉数等の記録情報の読み出し及び書き込みが行われる。
また、台間計数ユニット500の略中央部位置には、該台間計数ユニット500を構成する各部と接続しやすいように該台間計数ユニット500の動作を制御する制御ユニット505が設けられており、該制御ユニット505によって該台間計数ユニット500の各種の動作が制御される。
台間計数ユニット500と遊技機1とは、貸出単位として予め定められた玉数のパチンコ玉の貸し出しに伴う貸出関連信号や、払出単位として予め定められた玉数のパチンコ玉の払い出しに伴う払出関連信号を送受可能に構成されている。貸出関連信号には、台間計数ユニット500から遊技機1に遊技球の貸し出しを行わせるための貸出要求信号や、遊技機1から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、台間計数ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。また、遊技機1からは、大当中信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号や、該遊技機1に対応して設けられるアウト球検出器200から出力されるアウト信号を受信可能に構成されている。
台間計数ユニット500は、制御ユニット505と、操作ボタン550と、音出力部560と、持玉カード挿入/排出部565と、持玉カードR/W570と、第1通信部571と、第2通信部572とを備えて構成される。
制御ユニット505は、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の回路素子を有して構成される処理部510と、ROMやRAM等の記憶装置を有して構成される記憶部520と、時刻情報やカレンダ情報等を出力可能な時計部530とを備えて構成される。
記憶部520には、処理部510により読み出され、台間計数ユニット処理として実行される台間計数ユニット処理プログラム521が記憶されている。また、記憶部520には、受付中の持玉カードのカードIDや個人カスタマイズデータ等の情報が記録された受付カードデータ523が記憶される。
第1通信部571は、データ表示装置1200との間でデータの授受や信号の送受を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
第2通信部572は、玉管理コンピュータ800との間でデータの授受や信号の送受を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部572は、処理部510の制御に従って、受付カードデータ523を玉管理コンピュータ800に送信する。
なお、上記では、便宜的に、第1通信部571と第2通信部572との2つの通信部として分離して図示・説明しているが、第1通信部571と第2通信部572とを1つの通信部として構成してもよい。他の各種の装置における通信部についても同様である。
[2−5.ホールコンピュータの機能構成]
図18は、ホールコンピュータ600の機能構成の一例を示す図である。
ホールコンピュータ600は、処理部610と、入力部620と、表示部625と、音出力部630と、時計部635と、第1通信部640と、第2通信部650と、無線通信部660と、ROM670と、ハードディスク680と、RAM690とを備えて構成され、各部がバスを介して接続されるコンピューターシステムである。
処理部610は、ROM670に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ600の各部を統括的に制御するCPUやDSP等プロセッサやASIC等の電気電子素子を有して構成される制御装置及び演算装置である。本実施形態において、処理部610は、主要な機能部として、設定用データ生成部611と、払出情報管理処理部613と、頭取り情報管理処理部615と、サービス管理処理部617とを有する。
入力部620は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部610に出力する。この入力部620からの操作入力により、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
表示部625は、処理部610から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部625には、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
音出力部630は、処理部610から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行うスピーカなどの音出力装置である。音出力部630からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
時計部635は、ホールコンピュータ600が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部635の計時時刻(日付を含む。)は処理部610に出力される。
第1通信部640は、遊技機1との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部640は、遊技機1から前述した遊技機信号を受信するとともに、アウト球検出器200から前述したアウト信号を受信する。
第2通信部650は、データ表示装置1200との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部650は、処理部610の制御に従って、表示装置設定用データ691をデータ表示装置1200に送信(配信)する。
無線通信部660は、携帯端末2000との間で無線通信を行うための通信装置であり、無線通信モジュール等を有して構成される。無線通信部660は、処理部610の制御に従って、払出情報集計データ等のデータを携帯端末2000に送信する。また、無線通信部660は、頭取り情報データ2970等のデータを携帯端末2000から受信する。
ROM670は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ600のシステムプログラム等の各種のプログラムを記憶している。本実施形態において、ROM670には、処理部610によって読み出され、管理処理として実行される管理プログラム671が記憶されている。管理プログラム671は、設定用データ生成処理として実行される設定用データ生成プログラム6711と、払出情報管理処理として実行される払出情報管理プログラム6713と、頭取り情報管理処理として実行される頭取り情報管理プログラム6715と、サービス管理処理として実行されるサービス管理プログラム6717とをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて後述する。
なお、ホールコンピュータ600が記憶装置としてROM670を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、例えばハードディスク680に記憶させるようにすればよい。
ハードディスク680は、読み書き可能な不揮発性の記憶装置であり、データ表示装置1200の表示設定に係る各種のデータや、遊技機1での遊技に係る各種のデータベースを記憶する。具体的には、表示内容設定用テーブル681と、表示態様設定用テーブル682と、特別表示設定用テーブル683と、払出率適否情報表示設定用テーブル684と、機種情報設定用テーブル685と、装置対応関係テーブル686と、払出情報管理データベース687と、頭取り情報管理データベース688と、遊技情報管理データベース689と、が記憶される。
また、図示は省略するが、ハードディスク680には、店舗各遊技機1について遊技情報を集計して管理するためのデータベースである遊技集計データベースや、店舗に設置される遊技機1の売上情報を集計して管理するためのデータベースである売上管理データベース等のデータベースが記憶される。売上情報には、例えば、割数(機械割数や景品割数)や出玉率、客滞率、売上玉、景品玉、景品金額、玉粗利といった情報が含まれる。
表示内容設定用テーブル681は、データ表示装置1200の表示内容の設定用のテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図19に示す。
表示内容設定用テーブル681には、遊技機IDと、機種名と、表示画面と、特別表示とが対応付けて記憶されている。
遊技機IDは、各遊技機1をユニークに識別するための識別情報(ID)であり、各遊技機1に個別に割り当てられるものである。
機種名は、該遊技機IDの遊技機1の機種名である。
表示画面は、データ表示装置1200の表示部1230に表示させる画面の種類である。
特別表示は、データ表示装置1200の表示部1230に表示させる特別表示の内容である。
具体的に説明する。
遊技機IDがP1〜P20の遊技機1は、その機種名が「パチンコXXX」である。そして、表示画面として、(1)総合遊技履歴画面、(2)個人遊技履歴画面、(3)メニュー画面、が定められている。
(1)総合遊技履歴画面は、当該遊技機1における総合的な遊技履歴情報を表示するための画面である。この総合遊技履歴画面には、総合遊技履歴情報として、総合大当り回数、総合確変大当り回数、総合通常大当り回数、総合スタート回数、総合出玉グラフ及び総合大当り履歴グラフ、払出率適否情報、を表示することが定められている。
総合大当り回数は、当該遊技機1で発生した大当り(確変大当り、通常大当り)の全ての合計回数である。
総合確変大当り回数は、当該遊技機1で発生した確変大当りの合計回数である。
総合通常大当り回数は、当該遊技機1で発生した通常大当りの合計回数である。
総合スタート回数は、当該遊技機1での通算のスタート回数である。
総合出玉グラフは、当該遊技機1の総合的な出玉の推移を示すグラフである。
総合大当り履歴グラフは、当該遊技機1で発生した過去所定期間(例えば過去1週間分)における大当り回数をグラフ化したものである。
払出率適否情報は、遊技機1において実測された払出率の適否を遊技者や店舗の従業員が確認できるようにするための情報である。
(2)個人遊技履歴画面は、当該遊技機1における個人の遊技履歴情報を表示するための表示画面である。この個人遊技履歴画面には、個人遊技履歴情報として、個人大当り回数、個人確変大当り回数、個人通常大当り回数、個人スタート回数、個人出玉グラフ及び個人持玉画像、払出率適否情報、を表示することが定められている。
個人大当り回数は、当該遊技機1で発生した遊技者個人の大当り(確変大当り、通常大当り)の全ての合計回数である。
個人確変大当り回数は、当該遊技機1で発生した遊技者個人の確変大当りの合計回数である。
個人通常大当り回数は、当該遊技機1で発生した遊技者個人の通常大当りの合計回数である。
個人スタート回数は、当該遊技機1での遊技者個人の通算のスタート回数である。
個人出玉グラフは、当該遊技機1の遊技者個人の出玉の推移を示すグラフである。
個人持玉画像は、当該遊技機1における遊技者個人の持玉を画像で示したものである。個人持玉画像は、例えば、持玉数の1000発をドル箱1つ、10000発を特箱1つに対応させ、持玉数の増減に応じて、ドル箱及び特箱を増減させて表示させるようにすることができる。
(3)メニュー画面は、当該遊技機1で遊技する遊技者がメニュー選択を行うための表示画面である。メニュー画面には、メニュー情報として、データ表示装置1200の音量や光量を遊技者が調整することを可能にするための音量・光量調整と、データ表示装置1200の使用方法を遊技者に説明するための使用方法説明と、データ表示装置1200に各種の情報を表示させる位置や大きさ、色等を遊技者が自由にカスタマイズすることを可能にするための表示カスタマイズと、が定められている。
また、特別表示には、(1)大当り演出表示、(2)一斉演出表示、(3)定期告知表示、(4)のめり込み防止表示、(5)カード取り忘れ表示、(6)遊技機エラー表示、(7)表示装置エラー表示、(8)貸与レート表示、が定められている。
(1)大当り演出表示は、当該遊技機1で大当りが発生した場合に、大当りの発生を祝福する演出に係る表示である。この大当り演出表示には、大当り演出映像や大当り演出画像等の表示が含まれる。一の遊技機1での大当りの発生を祝福することを目的として、大当り演出表示を特別表示として実行する。
(2)一斉演出表示は、複数のデータ表示装置1200間で一斉に行う一斉演出に係る表示である。この一斉演出表示には、一斉演出映像や一斉演出画像等の表示が含まれる。複数のデータ表示装置1200で連動して一斉演出を行って遊技者の遊技意欲を高めることを目的として、一斉演出表示を特別表示として実行する。
一斉演出を実現するための手法としては、主として、以下の2つの手法が考えられる。
(1)管理装置から各データ表示装置1200に対して一斉演出の実行を指示する。
(2)各データ表示装置1200が自立的に一斉演出を行う。
(1)の手法では、例えば、管理装置であるホールコンピュータ600が、各データ表示装置1200に対して一斉演出の実行を指示する一斉演出信号を出力する。各データ表示装置1200は、ホールコンピュータ600から一斉演出信号を入力したタイミングで一斉演出を実行する。この場合、一斉演出のタイミングにずれが生じないように、ホールコンピュータ600から各データ表示装置1200に対して同時に一斉演出信号を出力することが望ましい。
(2)の手法では、各データ表示装置1200が、内部で経時している時刻や電源投入時からの経過時間に基づいて一斉演出を実行する。具体的には、時刻が予め定められた時刻となったタイミングや、電源投入時からの経過時間が予め定められた時間に達したタイミングで、一斉演出を実行する。この場合、一斉演出のタイミングにずれが生じないように、データ表示装置1200の電源投入を全台一斉に行うことが望ましい。
この場合、上記の(1)、(2)のいずれの手法も適用することができるように、一斉演出に係る処理を、データ表示装置1200に予めプログラムしておけばよい。
また、上記の(1)、(2)のいずれの手法を適用して一斉演出を実行するかを、ホールコンピュータ600側で設定するようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ600からデータ表示装置1200に対して、いずれの処理を適用して一斉演出を実現するかを定めた設定用データを、後述する表示装置設定用データ691に含めて各データ表示装置1200に配信するようにすればよい。
また、本実施形態において、上記の一斉演出表示には、大当りランニング演出表示が含まれる。大当りランニング演出は、同機種や同遊技島の遊技機1の中に大当りした遊技機1が存在する場合に、これらの遊技機1に対応して設けられたデータ表示装置1200に大当りを祝福する特別映像を表示させる演出である。同機種や同遊技島の遊技機1の中に大当りした遊技機1が存在するか否かは、同機種や同遊技島の遊技機1から大当り信号を入力したか否かによって判定することができる。
なお、同機種や同遊技島の複数の遊技機1で大当りが発生し、複数の遊技機1から時間差で大当中信号を入力した場合において、一の遊技機1について大当りランニング演出の実行中であれば、実行中の大当りランニング演出中に、新たに大当りランニング演出を実行してもよいし、実行中の大当りランニング演出が終了した後に、新たに大当りランニング演出を実行することとしてもよい。また、大当りランニング演出中に他の遊技機1で大当りが発生した場合には、新たな大当りランニング演出の実行を省略してもよい。
上記の大当りランニング演出は、遊技島の端から端までデータ表示装置1200に一定の時間差で大当り映像を表示させることにより実現することができる。大当りランニング演出は、一定の時間差で演出を行うものであるが、複数のデータ表示装置1200で一斉に行う演出であることに変わりはないため、本実施形態では、大当りランニング演出を一斉演出の1つとして説明する。大当りランニング演出や後述する各種の演出の内容は、遊技機1の機種毎や遊技島毎に定めておくことが可能である。
なお、大当りランニング演出とは異なり、個別のデータ表示装置1200において、該データ表示装置1200に対応して設けられる遊技機1において大当りが発生した場合に、大当りを祝福するファンファーレ音を、該データ表示装置1200から特定音として出力させてもよい。
また、大当りの発生に伴い、遊技者の所持球数が1000発、2000発、3000発、・・・、と増加していく場合に、1000発突破、2000発突破、3000発突破、といった、所持球数の突破表示を表示部1230に表示したり、所持球数の突破報知音を音出力部450から特定音として音出力する突破演出を実行するようにしてもよい。なお、突破演出を実行する場合の所持球数は、1000発単位や5000発単位、10000発単位としてもよい。
(3)定期告知表示は、データ表示装置1200に定期的に行わせる告知に係る表示である。この定期告知表示には、各種のCM映像やCM画像等の表示が含まれる。各種の製品やサービスの宣伝を目的として、定期告知表示を特別表示として実行する。
(4)のめり込み防止表示は、当該遊技機1で遊技する遊技者に遊技へののめり込みを注意喚起する表示である。こののめり込み防止表示には、のめり込みを注意喚起するメッセージや映像、画像等の表示が含まれる。遊技者が遊技にのめり込んで多大な投資を行ってしまうのを防止することを目的として、のめり込み防止表示を特別表示として実行する。
(5)カード取り忘れ表示は、当該遊技機1で遊技する遊技者に台間計数ユニット500からの持玉カードの取り忘れを注意喚起する表示である。このカード取り忘れ表示には、持玉カードの取り忘れを注意喚起するメッセージや映像、画像等の表示が含まれる。遊技者が持玉カードを取り忘れて盗難に合うのを防止することを目的として、カード取り忘れ表示を特別表示として実行する。
(6)遊技機エラー表示は、当該遊技機1において異常や不正を含むエラーが発生したことを示す表示である。遊技機の異常には、遊技機の故障やドアの開放、玉詰まり等が含まれ、遊技機の不正には、いわゆるゴト行為等が含まれる。遊技機に異常や不正が生じた場合に速やかに店員を呼んで対処ができるようにすることを目的として、遊技機エラー表示を特別表示として実行する。
(7)表示装置エラー表示は、当該データ表示装置1200において異常や不正を含むエラーが発生したことを示す表示である。表示装置の異常には、表示装置の故障や表示装置への不正な操作の検知等が含まれる。表示装置に異常や不正が生じた場合に速やかに店員を呼んで対処ができるようにすることを目的として、表示装置エラー表示を特別表示として実行する。
(8)貸与レート表示は、当該遊技機1の遊技球を貸与するレートであり、4円パチンコや2円パチンコ、1円パチンコの貸与レートの表示がこれに含まれる。遊技を行う遊技機の貸与レートを遊技者が知ることができるようにすることを目的として、貸与レート表示を特別表示として実行する。
同機種の遊技機1に対応して設けられるデータ表示装置1200については、例えば、デフォルトとして表示させる表示画面を、総合遊技履歴画面やメニュー画面として定めておくことができる。このようにすることで、同機種の遊技機1に対応して設けられるデータ表示装置1200については全台共通画面を表示させることができ、見栄えを良くすることができる。
また、上記の特別表示は、遊技機1の機種や遊技島に関わらず同じ表示内容を定めておくこととしてもよいし、機種毎や遊技島毎に異なる表示内容を定めておくこととしてもよい。また、特別表示として同じ表示内容を定めておく場合であっても、機種毎や遊技島毎に、それぞれ異なる態様で表示を行うように特別表示の表示態様を定めておいてもよい。
また、好適には機種毎や遊技島毎であるが、この他にも、例えば、遊技機1における遊技球の貸与レート(4円、2円、1円等)毎や遊技機1のタイプ(マックスタイプやミドルタイプ、甘デジ等)毎、遊技機の種類(パチンコ遊技機、スロットマシン等)毎に、異なる特別表示の表示内容や表示態様を定めておくこととしてもよい。
また、上記の特別表示は、メッセージによって遊技者に内容を報知するものとしてもよいし、画像や映像によって遊技者に内容を報知するものとしてもよいし、これらの組み合わせによって遊技者に内容を報知するものとしてもよい。
図20は、本実施形態における払出率の基準情報(設計情報)に関する各種の指標値の説明図であり、テーブル形式で指標値を示したものである。
このテーブルには、指標値と、当該指標値の名称と、当該指標値の詳細内容とが対応付けて定められている。
ここで、本実施形態において問題とする払出率は、「非大当り中かつ低ベース状態」と「非大当り中かつ高ベース状態」における払出率である。つまり、大当り遊技状態において大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球によって払い出された遊技球についての払出率は問題としておらず、始動入賞口や一般入賞口への入賞による賞球によって払い出された遊技球の払出率を問題としている。
指標値「R1」は、その名称が「低ベース払出数」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態における賞球による払出数」である。つまり、低ベース払出数R1は、非大当り中の低ベース状態において、遊技機1を構成する一般入賞口及び始動入賞口への入賞による賞球によって遊技者に払い出された球数である。但し、遊技機1において、低ベース状態では、基本的に第2始動入賞口(電チュー)に入賞することはないため、ここで言う始動入賞口は、第1始動入賞口(ヘソ)のことを指す。
指標値「S1」は、その名称が「低ベース払出率実測値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態におけるアウト数に対するR1の割合」である。つまり、低ベース払出率実測値S1は、非大当り中の低ベース状態においてアウト数に対して賞球によって遊技者に払い出された払出数の割合である。
指標値「R2」は、その名称が「高ベース払出数」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態における賞球による払出数」である。つまり、高ベース払出数R2は、非大当り中の高ベース状態において、遊技機1を構成する一般入賞口及び始動入賞口への入賞による賞球によって遊技者に払い出された球数である。但し、遊技機1では、高ベース状態において、第2始動入賞口(電チュー)ばかりでなく、第1始動入賞口(ヘソ)への入賞も可能であるため、ここで言う始動入賞口は、第1始動入賞口(ヘソ)及び第2始動入賞口(電チュー)のことを指す。
指標値「S2」は、その名称が「高ベース払出率実測値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態におけるアウト数に対するR2の割合」である。つまり、高ベース払出率実測値S2は、非大当り中の高ベース状態においてアウト数に対して賞球によって遊技者に払い出された払出数の割合である。
指標値「E1」は、その名称が「低ベース払出率誤差」であり、その詳細内容は「低ベース状態での払出率基準値と払出率実測値との差」である。つまり、低ベース払出率誤差Uは、低ベース状態における払出率実測値が、低ベース状態について定められた払出率基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
指標値「E2」は、その名称が「高ベース払出率誤差」であり、その詳細内容は「高ベース状態での払出率基準値と払出率実測値との差」である。つまり、高ベース払出率誤差Vは、高ベース状態における払出率実測値が、高ベース状態について定められた払出率基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
ここで、払出率基準値とは、遊技機メーカが想定している払出率の設計値であり、それぞれの機種の遊技機について、遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される値である。また、払出率実測値とは、遊技機1で遊技が行われることで実測される払出率の値である。
本明細書では、低ベース払出数R1と高ベース払出数R2とを包括的に「払出数R」と表記し、低ベース払出率実測値S1と高ベース払出率実測値S2とを包括的に「払出率実測値S」と表記する。また、低ベース払出率誤差E1と高ベース払出率誤差E2とを包括的に「払出率誤差E」と表記する。
図21は、本実施形態における基準相対情報の説明図であり、テーブル形式で基準相対状態を示したものである。
このテーブルには、基準指標値と、当該基準指標値の名称と、当該基準指標値の詳細内容とが対応付けて定められている。
基準指標値「α1」は、その名称が「低ベース払出率基準下限値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態における払出率基準範囲の下限値」である。
基準指標値「β1」は、その名称が「低ベース払出率基準上限値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態における払出率基準範囲の上限値」である。
基準指標値「γ1」は、その名称が「低ベース払出率基準値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態における払出率の基準値」である。
低ベース払出率基準下限値α1及び低ベース払出率基準上限値β1によって、非大当り中かつ低ベース状態における払出率の基準範囲である低ベース払出率基準範囲α1〜β1が規定される。
基準指標値「α2」は、その名称が「高ベース払出率基準下限値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態における払出率基準範囲の下限値」である。
基準指標値「β2」は、その名称が「高ベース払出率基準上限値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態における払出率基準範囲の上限値」である。
基準指標値「γ2」は、その名称が「高ベース払出率基準値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態における払出率の基準値」である。
高ベース払出率基準下限値α2及び高ベース払出率基準上限値β2によって、高ベース状態における払出率の基準範囲である高ベース払出率基準範囲α2〜β2が規定される。
ここで、払出率基準範囲は、前述した払出率基準値と同様に、遊技機メーカが想定している払出率の設計範囲であり、それぞれの機種の遊技機について、遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される数値範囲である。
払出率基準値及び払出率基準範囲は、本発明に係る基準相対情報の一例であり、払出率実測値は、本発明に係る実測相対値の一例である。
上記の払出率基準値や払出率基準範囲を含む払出率基準情報は、例えば店舗の管理者が、遊技機メーカから提供される各機種の遊技機1それぞれについての取扱説明書を参照してホールコンピュータ600に入力する作業を行うことで、ホールコンピュータ600に記憶させるようにすることができる。そして、各機種それぞれの遊技機1に対応して設けられるデータ表示装置1200に対して、ホールコンピュータ600から払出率基準情報を含む表示装置設定用データ691を送信することで、データ表示装置1200において払出率誤差の演算や払出率実測値の適否判定等を行うことを可能とすることができる。
なお、上記とは異なるが、例えば店舗の従業員が取扱説明書を参照して、遊技機1の機種に応じた払出率基準情報を、対応するデータ表示装置1200に直接的に入力する作業を行うことで、データ表示装置1200の記憶部1290に払出率基準情報を記憶させるようにしてもよい。
表示態様設定用テーブル682は、データ表示装置1200の表示部1230に表示内容をどのような態様で表示させるかの表示態様を設定するためのテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図22に示す。
表示態様設定用テーブル682には、遊技機ID及び機種名毎に、表示画面別データと、特別表示別データとが記憶されている。
表示画面別データは、表示内容設定用テーブル681に定められた表示画面毎に定められるデータであり、そのデータ構成の一例を図23に示す。
表示画面別データには、表示画面に対応して、表示内容と、表示態様とが対応付けて定められている。
表示画面には、表示内容設定用テーブル681に定められた表示画面の種類が定められている。これらの表示画面は、データ表示装置1200の表示部1230に表示される画面切替アイコンがタップされることで順次に切り替えて表示される表示画面である。
表示内容には、当該表示画面について当該モードで表示される表示内容が定められている。
表示態様には、当該表示内容の当該表示画面における表示の位置、大きさ(サイズ)、色等が定められている。
具体的に説明する。
図23に示す表示画面別データは、表示画面「総合遊技履歴画面」についてのデータであり、モード「通常モード」には、表示内容として「総合大当り回数」、「総合確変大当り回数」、「総合通常大当り回数」、「総合スタート回数」、「総合出玉グラフ」、「総合大当り履歴グラフ」、「サービスアイコン」、「画面切替アイコン」、が定められている。総合遊技履歴画面は、例えば、初期表示画面(デフォルト表示画面)としてデータ表示装置1200に表示されるように設定される。
「総合大当り回数」〜「総合大当り履歴グラフ」は、表示内容設定用テーブル681のモード「通常モード」に定められた総合遊技履歴情報であり、「サービスアイコン」及び「画面切替アイコン」は、タッチパネル1222に対するタップ操作を行うことで、遊技者がサービスの提供や画面切替を行うために用いられるアイコンであり、表示部1230に常時表示されるアイコンである。これらのアイコンは、遊技者が各種の操作を行うための操作情報の一種である。
表示態様には、各々の表示内容を総合遊技履歴画面に表示させる際の位置、大きさ、色等がそれぞれ個別に定められている、簡明化のため、図面では全て「****」として図示している。
特別表示別データは、表示内容設定用テーブル681に定められた特別表示毎に定められるデータであり、そのデータ構成の一例を図24に示す。
この図に示す特別表示別データは、特別表示のうちの一斉演出に係るデータであり、特別表示と、種別と、演出Noと、演出映像とが対応付けて定められている。
特別表示には、表示内容設定用テーブル681に定められた特別表示のうちの一斉演出が定められている。
種別には、一斉演出が定められている。
演出Noには、当該種別の一斉演出の番号が定められている。
演出映像には、当該種別の一斉演出で用いられる映像のデータが定められている。
具体的に説明する。
種別には、例えば、「大当りランニング演出」、「ライブ演出」、・・・といった複数の演出が定められている。
大当りランニング演出のうちの演出No「1」には、演出映像として「Movie_R1」が定められている。ライブ演出のうちの演出No「1」には、演出映像として「Movie_L1」が定められている。
特別表示設定用テーブル683は、データ表示装置1200の表示部1230に表示させる特別表示の設定用のテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図25に示す。
特別表示設定用テーブル683には、遊技機ID及び機種名毎に、特別表示設定用データが記憶される。
特別表示設定用データには、遊技機ID及び機種名について、優先度と、特別表示とが対応付けて記憶される。
優先度には、「1」〜「8」までの数値が記憶されている。数値が小さいほど、表示の優先度が高いことを示す。
また、特別表示には、優先度が高い順に、「遊技機エラー表示」、「表示装置エラー表示」、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ表示」、「大当り演出表示」、「一斉演出表示」、「定期告知表示」、「貸与レート表示」が記憶されている。
本実施形態において、データ表示装置1200は、各特別表示それぞれについて定められた実行条件である特別表示実行条件の成立に応じて特別表示を表示部1230に表示させる制御を行う。そして、特別表示の実行を開始してから一定時間が経過した場合に、特別表示を終了する。
また、データ表示装置1200は、特別表示実行条件が成立した場合に、当該特別表示実行条件に対応する特別表示よりも優先度の高い特別表示を実行中であるか否かを判定する。そして、実行中である場合には、当該特別表示実行条件に対応する特別表示の実行を制限する。逆に、当該特別表示実行条件に対応する特別表示よりも優先度の低い特別表示を実行中である場合には、実行中の特別表示を終了して、当該特別表示実行条件に対応する特別表示を表示させる。
なお、本実施形態とは異なるが、成立した特別表示実行条件に対応する特別表示よりも優先度の高い特別表示を実行中である場合には、実行中の特別表示が終了するまで待機し、実行中の特別表示が終了した後に、当該特別表示実行条件に対応する特別表示を表示させるようにしてもよい。また、成立した特別表示実行条件に対応する特別表示よりも優先度の低い特別表示を実行中である場合には、実行中の特別表示を中断し、当該特別表示実行条件に対応する特別表示を実行した後に、中断した特別表示の実行を再開するようにしてもよい。
払出率適否情報表示設定用テーブル684は、データ表示装置1200の払出率適否情報表示の設定用のテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図26に示す。
払出率設定用テーブル684には、表示条件設定用データと、表示モード設定用データと、詳細表示設定用データとが含まれる、
表示条件設定用データには、表示条件の設定の番号である表示設定Noと、当該表示設定Noにおける表示条件とが対応付けて定められている。
表示設定No「a1」には、表示条件として「常時」が定められている。これは、払出率適否情報を常時表示させるように設定することを意味する。
表示設定No「a2」には、表示条件として「−(常時非表示)」が定められている。これは、払出率適否情報表示を常時非表示とさせるように設定することを意味する。
表示設定No「a3」には、表示条件として「払出率実測値が払出率基準範囲外」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準範囲外である場合に、払出率適否情報を表示させるように設定することを意味する。払出率実測値Sが払出率基準範囲内である場合には、払出率適否情報表示を非表示とする。
表示設定No「a4」には、表示条件として「払出率実測値が払出率基準範囲内」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準範囲内である場合に、払出率適否情報を表示させるように設定することを意味する。払出率実測値Sが払出率基準範囲外である場合には、払出率適否情報表示を非表示とする。
表示設定No「a5」には、表示条件として「設定用リモコンによる表示操作」が定められている。これは、店舗の店員が所持する設定用リモコン700から払出率適否情報の表示を指示する信号を受信した場合に、払出率適否情報を表示させるように設定することを意味する。
表示モード設定用データには、表示モードの設定の番号である表示設定Noと、当該表示設定Noにおける表示モードとが対応付けて定められている。
表示設定No「b1」には、表示モードとして「色変化モード」が定められている。これは、払出率適否情報表示を色変化モードで表示させるように設定することを意味する。色変化モードとは、後述する色変化アイコンの色の変化によって払出率実測値の適否を表示するモードである。
表示設定No「b2」には、表示モードとして「メーターモード」が定められている。これは、払出率適否情報表示をメーターモードで表示させるように設定することを意味する。メーターモードとは、後述するメーターの増減によって払出率実測値の適否を表示するモードである。
表示設定No「b3」には、表示モードとして「誤差モード」が定められている。これは、払出率適否情報表示を誤差モードで表示させるように設定することを意味する。誤差モードは、払出率誤差の表示によって払出率実測値の適否を表示するモードである。
詳細表示設定用テーブルは、上記の表示モード設定用データに定められた表示モードにおける詳細な表示設定用のテーブルであり、表示モード別に表示条件や表示態様が定められている。
図26において最上位に図示した詳細表示設定用データは、色変化モードについてのデータであり、種別の番号である種別Noと、条件と、表示色とが対応付けて定められている。
種別No「1」には、条件として「α<S<β」、表示色として「緑色」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準下限値αよりも大きく、払出率基準上限値よりも小さい場合には、色変化モードにおいて色変化アイコンを緑色で表示するように設定することを意味する。つまり、払出率実測値Sが払出率基準範囲内である場合には、緑色の表示によって払出率実測値Sが安全域の値(適正な値)であることを報知する。
種別No「2」には、条件として「S=α又はβ=S」、表示色として「黄色」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準下限値αと払出率基準上下値βとのいずれかと同値である場合には、色変化モードにおいて色変化アイコンを黄色で表示するように設定することを意味する。つまり、払出率実測値Sが払出率基準範囲の境界値である場合には、黄色の表示によって払出率実測値Sが境界域の値(適正と不適正の境界の値)であることを報知する。
種別No「3」には、条件として「S<α又はβ<S」、表示色として「赤色」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準下限値αよりも小さいか、払出率基準上限値βよりも大きい場合には、色変化モードにおいて色変化アイコンを赤色で表示するように設定することを意味する。つまり、払出率実測値Sが払出率基準範囲外の値となっている場合には、赤色の表示によって払出実測値Sが危険域の値(不適正な値)であることを報知する。
また、図示は省略するが、色変化モード以外の表示モード(メーターモードや誤差モード)についても、どのような位置や色、大きさで払出率適否情報表示を行うかといった表示条件がそれぞれ定められている。
なお、上記の表示条件設定用データは、表示モードの種類に関係なく払出率適否情報の表示条件を共通に設定するためのテーブルであるが、表示モード設定用データに定められた表示モード別に表示条件を個別に設定するようにしてもよい。
機種情報設定用テーブル685は、データ表示装置1200における遊技機1の機種情報の設定用のテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図27に示す。
機種情報設定用テーブル685には、遊技機1のID及び機種毎に、機種情報設定用データが記憶される。
各機種情報設定用データには、当該遊技機1の識別情報である遊技機IDと、当該遊技機1の機種名と、当該遊技機1の外端出力データと、当該遊技機1の払出率基準情報データと、当該遊技機1のモニタガイドデータとが記憶される。
外端出力データには、当該遊技機1から外部装置への外部出力端子(コネクタCN)の用途及び出力される信号の種類が定められている。
払出率基準情報データには、当該遊技機1の低ベース及び高ベースのそれぞれの種別について、払出率基準下限値と、払出率基準上限値と、払出率基準値とを対応付けた払出率基準情報が定められている。
モニタガイドデータには、当該遊技機1における表示モニタ29の有無や、表示モニタ29の設置位置、表示モニタ29の構造、表示モニタ29の確認方法といった表示モニタ29の仕様や設計に関するモニタガイド情報が定められている。
具体的に説明する。
図27の最上位に図示したデータは、遊技機1のIDが「P1〜P20」、機種名が「パチンコXXX」に係るデータである。そして、外端出力データには、CN1からは大当り信号が、CN2からは確変中信号が、CN3からは時短中信号が、CN4からは始動信号が、CN5からは賞球信号が、CN6からはセキュリティ信号がそれぞれ出力されることが定められている。
また、払出率基準情報データには、種別「低ベース」について、払出率基準下限値として「α1」が、払出率基準上限値として「β1」が、払出率基準値として「γ1」がそれぞれ定められ、種別「高ベース」について、払出率基準下限値として「α2」が、払出率基準上限値として「β2」が、払出率基準値として「γ2」がそれぞれ定められている。
装置対応関係テーブル686は、遊技機1とデータ表示装置1200と台間計数ユニット500との対応関係を定めたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図28に示す。
装置対応関係テーブル686には、遊技機IDと、機種名と、当該遊技機IDの遊技機1に対応するデータ表示装置1200の識別情報である対応表示装置IDと、当該遊技機IDの遊技機1に対応する台間計数ユニット500の識別情報である対応ユニットIDとが対応付けて定められている。
払出情報管理データベース687は、自店舗に設置される各遊技機1の払出情報を集計して管理するためのデータベースであり、そのデータ構成の一例を図29に示す。
払出情報管理データベース687には、自店舗に設置される遊技機1毎に払出情報を集計して管理するためのデータである払出情報集計データが記憶される。
各払出情報集計データには、当該遊技機1のIDである遊技機IDと、払出率集計データとが記憶される。払出率集計データには、ベースと、入賞口と、規定賞球数と、払出数と、アウト数と、払出率実測値と、払出率誤差と、払出率適否が対応付けて記憶される。
ベースには、「低ベース」と「高ベース」とが含まれる。但し、前述したように、この低ベース及び高ベースは、厳密には、それぞれ「非大当り中かつ低ベース状態」及び「非大当り中かつ高ベース状態」のことを意味する。
規定賞球数には、各入賞口それぞれについて、当該入賞口への入賞による賞球数の規定値が定められている。
払出数には、各入賞口への入賞によって実際に遊技者に払い出された遊技球の球数の総数が記憶される。払出数は、第1実施形態における賞球数と同義である。
アウト数には、アウト球検出器200から送信されるアウト信号に基づいて算出されるアウト数の総数が記憶される。
払出率実測値には、払出数をアウト数で除算して“100”を乗算した値(%)が記憶される。
払出率誤差には、払出率実測値から払出率基準値を減算した値(%)が記憶される。
払出率適否には、払出率実測値が適正である場合に「OK」、払出率実測値が不適正である場合に「NG」がそれぞれ記憶される。
頭取り情報管理データベース688は、他店舗に設置される遊技機1の頭取り情報を集計して管理するためのデータベースであり、そのデータ構成の一例を図30に示す。
頭取り情報管理データベース688には、他の遊技店毎に頭取り情報を管理するためのデータである頭取り情報管理データが記憶される。
ここで、頭取り情報とは、遊技店の店員等が他の遊技店に出向いて調査を行うことで取得される情報であり、調査情報の一種である。
頭取り情報管理データには、店舗名と、店舗基本データと、頭取り情報集計データとが記憶される。
店舗名は、当該遊技店の名称である。
店舗基本データは、当該遊技店の住所や電話番号といった当該店舗に関する基本的なデータの他、当該店舗に導入されている遊技機の機種や各機種の遊技機の設置台数といった当該店舗に導入されている遊技機に関する基本的なデータである。
頭取り情報集計データは、自店舗の店員が当該店舗に出向いて頭取りを行い、自身が所持する携帯端末2000から自店舗のホールコンピュータ600に送信される頭取り情報データ2970に基づいて集計されるデータであり、稼働情報集計データと、機種別情報集計データとがこれに含まれる。
稼働情報集計データは、当該店舗に設置されている遊技機の稼働状況を集計したデータである。
機種別情報集計データは、当該店舗に設置されている各機種それぞれの遊技機で遊技を行うことで得られた遊技情報に基づいて集計される機種別情報の集計データである。機種別情報集計データには、機種名と対応付けて遊技情報集計データが記憶される。遊技情報集計データには、基本遊技情報集計データと、払出情報集計データとが含まれる。
基本遊技情報集計データは、当該店舗における各機種の遊技を行った際に発生した大当り回数(総大当り回数、確変大当り回数、通常大当り回数)や初当りまでに要した回転数、確変時に連荘(連チャン)した回数等の基本的な遊技情報の集計データである。
払出情報集計データは、当該店舗における各機種の遊技機についての払出情報を集計したデータであり、例えば、ベースと、払出率平均値と、払出率誤差平均値とが対応付けて記憶される。
遊技情報管理データベース689は、店舗内に設置される遊技機毎に遊技情報を記憶したデータベースである。
RAM690は、読み書き可能な揮発性のメモリであり、データ表示装置1200に各種の設定を行わせるためのデータである表示装置設定用データ691が記憶される。
図31は、表示装置設定用データ691のデータ構成の一例を示す図である。
表示装置設定用データ691には、当該データ表示装置1200のIDであるデータ表示装置ID6911と、当該データ表示装置1200に対応する遊技機1のIDである対応遊技機ID6912と、当該データ表示装置1200に対応する台間計数ユニット500のIDである対応ユニットID6913と、表示内容設定用データ6914と、表示態様設定用データ6915と、特別表示設定用データ6916と、払出率適否情報表示設定用データ6917と、機種情報設定用データ6918とが含まれる。
表示内容設定用データ6914は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の表示内容の設定用のデータである。具体的には、表示内容設定用テーブル681(図19参照)に定められたデータのレコードの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する遊技機IDについて定められたデータのレコードが抽出されて、表示内容設定用データ6914とされる。
表示態様設定用データ6915は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の表示態様の設定用のデータである。具体的には、表示態様設定用テーブル682(図22参照)に定められた表示態様設定用データの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する遊技機IDについて定められたデータが抽出されて、表示態様設定用データ6915とされる。
特別表示設定用データ6916は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の特別表示の設定用のデータである。具体的には、特別表示設定用テーブル683(図25参照)に定められた特別表示設定用データの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する表示装置IDについて定められたデータが抽出されて、特別表示設定用データ6916とされる。
払出率適否情報表示設定用データ6917は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の払出率適否情報の表示に係る設定用データである。具体的には、払出率適否情報表示設定用テーブル684(図26参照)に定められた払出率適否情報表示設定用データの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する表示装置IDについて定められたデータが抽出されて、払出率適否情報表示設定用データ6917とされる。
機種情報設定用データ6918は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の遊技機種の設定用のデータである。具体的には、機種情報設定用テーブル685(図27参照)に定められた機種情報設定用データの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する表示装置IDについて定められたデータが抽出されて、機種情報設定用データ6918とされる。
[2−6.玉管理コンピュータの機能構成]
図32は、玉管理コンピュータ800の機能構成の一例を示す図である。
玉管理コンピュータ800は、処理部810と、入力部820と、表示部830と、通信部840と、時計部850と、記憶部860とを備えて構成される。
処理部810は、記憶部860に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、玉管理コンピュータ800の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
入力部820は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部810に出力する。
表示部830は、処理部810から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部830には、記憶部860に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部840は、台間計数ユニット500との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。通信部840は、台間計数ユニット500から認証要求信号を受信する。
時計部850は、玉管理コンピュータ800が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部850の計時時刻(日付を含む。)は処理部810に随時出力される。
記憶部860には、処理部810により玉管理処理として実行される玉管理プログラム861と、持玉カード管理データ865と、ユニット管理データ867とが記憶される。
持玉カード管理データ865は、持玉カードの管理データであり、例えば、遊技者が所持する持玉カードに付与される持玉カードIDと、当該持玉カードが発行された日時である発行日時と、遊技者が所持する持玉数とが対応付けて記憶される。
ユニット管理データ867は、台間計数ユニット500の管理データであり、例えば、台間計数ユニット500のユニットIDが対応する遊技機1や対応するデータ表示装置1200のIDと対応付けて記憶される。
[2−7.データ表示装置の構成]
[2−7−1.外観構成]
図33は、データ表示装置1200の外観構成の一例を示す図である。
データ表示装置1200は、遊技島の側面上部位置に開閉可能に設けられているランプ板に取付けられるものであり、各遊技機1に対応して、各遊技機1の上方に設置される。
データ表示装置1200は、液晶ディスプレイを有して構成される表示手段である表示部1230を中央部に備えて構成される。また、データ表示装置1200は、遊技者から見て(遊技機と対向する側から見て)左側及び右側に発光手段である左枠LED1251及び右枠LED1252をそれぞれ備えている。具体的には、表示部1230に隣接する左部に左枠LED1251、表示部1230に隣接する右部に右枠LED1252が設けられている。つまり、左枠LED1251及び右枠LED1252は、表示部1230の周囲に設けられている。
左枠LED1251及び右枠LED1252は、いずれも多数のLEDが透明樹脂材にて形成されたランプカバー部によって覆われて構成されたLEDモジュールである。左枠LED1251及び右枠LED1252の発光体は、後述する処理部1210及びLEDドライバ1252の制御により指定された発光色で発光する。左枠ランプ122と右枠ランプ123に挟まれた中央部には、液晶表示装置(LCD)で構成された表示部1230を備え、下枠部に遊技者が操作可能な呼出ボタン1221を備える。
呼出ボタン1221は、対応遊技機1で遊技中の遊技者が店員を呼び出すために押下するボタンである。呼出ボタン1221は、データ表示装置1200が通常モードと省エネモードのいずれのモードに制御されている場合であっても、押下操作によって店員を呼び出すことが可能に構成されている。
左枠LED1251及び右枠LED1252は、通常表示において前述した共通発光パターンで発光し、特別表示が表示された場合に前述した個別発光パターンで発光する。また、表示部1230は、遊技機1での遊技情報を表示可能に構成されているとともに、特別表示実行条件の成立に応じて、特別表示を表示可能に構成されている。
データ表示装置1200には、自装置における各種信号の入力状況を確認して遊技情報の集計や大当りランニング演出を実行するための制御を行う制御部が搭載されている。ここで、大当りランニング演出は、ホールコンピュータ600から大当りランニング演出信号が入力されることで実行される。大当りランニング演出を実行する場合には、左枠LED1251及び右枠LED1252を発光させる発光演出を実行した後に表示部1230にキャラクタを表示する画像演出を実行する。
なお、ホールコンピュータ600から送信される大当りランニング演出信号に基づいて大当りランニング演出を行うのに限らず、例えば、対応遊技機1から送信される大当り信号に基づいて、大当りランニング演出を行うようにしてもよい。また、隣接するデータ表示装置1200間で大当りランニング演出信号を順次に伝搬させることで、大当りランニング演出を実現してもよい。
また、本実施形態のデータ表示装置1200は、発光手段であるLEDを表示部1230の左側及び右側に備える構成であるが、発光手段の設置位置はこれに限られるわけではない。例えば、表示部1230の上側や下側にLEDを設置してもよいし、表示部1230の左側、右側、上側及び下側の4か所にLEDを設置してもよい。
[2−7−2.機能構成]
図34は、データ表示装置1200の機能構成の一例を示すブロック図である。
データ表示装置1200は、処理部1210と、操作部1220と、表示部1230と、音出力部1240と、発光部1250と、第1通信部1261と、第2通信部1262と、第3通信部1263と、近距離無線通信部1265と、時計部1275と、電源部1280と、記憶部1290とを備えて構成される。
処理部1210は、データ表示装置1200が備える各機能部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサを有して構成される。
操作部1220は、遊技者が自装置に対する各種の操作を行うための操作装置であり、呼出ボタン1221と、タッチパネル1222とを有して構成される。
表示部1230は、LCD等のディスプレイを有して構成される表示装置であり、処理部1210の制御に従って、各種の情報を表示する。タッチパネル1222が表示部1230と一体的に構成されることでタッチスクリーンを形成している。
音出力部1240は、スピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部1210の制御に従って、各種の音を出力する。
発光部1250は、LED等を有して構成される発光装置であり、表示部1230の左側の筐体枠に設けられた左枠LED1251と、表示部1230の右側の筐体枠に設けられた右枠LED1252とを有して構成される。
第1通信部1261は、有線通信モジュール等を有して構成され、対応遊技機1との間で通信を行うための通信装置である。第1通信部1261は、対応遊技機1から遊技機信号を受信するとともに、アウト球検出器200からアウト信号を受信する。
第2通信部1262は、有線通信モジュール等を有して構成され、対応ユニット500との間で通信を行うための通信装置である。第2通信部1262は、対応ユニット500からユニット信号を受信する。
第3通信部1263は、有線通信モジュール等を有して構成され、ホールコンピュータ600との間で通信を行うための通信装置である。第3通信部1263は、ホールコンピュータ600から管理装置信号や表示装置設定用データ691を受信する。
近距離無線通信部1265は、無線通信モジュール等を有して構成され、店舗の店員が所持する設定用リモコン14との間で近距離無線通信を行うための通信装置である。近距離無線通信部1265は、設定用リモコン700から払出率適否情報表示を含む各種の表示設定を行ったり、表示有無の選択や表示モードの切り替え等を行うための表示関連信号を受信する。
時計部1275は、データ表示装置1200の内部時計であり、計時した時刻(計時時刻)を処理部1210に出力する。
電源部1280は、データ表示装置1200が備える各機能部に接続された電源装置であり、電源制御部1212の制御に従って、データ表示装置1200の各機能部に電力を供給する。
記憶部1290は、ROMやEEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。記憶部1290には、処理部1210により読み出され、表示装置処理として実行されるデータ表示装置処理プログラム1291が記憶されている。データ表示装置処理プログラム1291は、例えば、払出率指標値算出処理として実行される払出率指標値算出プログラム1291aと、表示処理として実行される表示処理プログラム1291bとをサブルーチンとして含む。
また、記憶部1290には、データ表示装置1200が各種の演出を行うための演出用データ1293と、払出率集計データ1295と、遊技履歴集計データ1297と、ホールコンピュータ600から受信した表示装置設定用データ691とが記憶される。
払出率集計データ1295は、対応遊技機1における払出率に係る集計値を記憶したデータであり、そのデータ構成の一例を図33に示す。
払出率集計データ1295には、ベースと、入賞口と、規定賞球数と、払出数と、アウト数と、払出率実測値と、払出率誤差とが対応付けて記憶される。
ベースには、「低ベース」と「高ベース」とが含まれる。但し、前述したように、この低ベース及び高ベースは、厳密には、それぞれ「非大当り中かつ低ベース状態」及び「非大当り中かつ高ベース状態」のことを意味する。
規定賞球数には、各入賞口それぞれについて、当該入賞口への入賞による賞球数の規定値が定められている。
払出数には、各入賞口への入賞によって実際に遊技者に払い出された遊技球の球数の総数が記憶される。払出数は、第1実施形態における賞球数と同義である。
アウト数には、アウト球検出器200から送信されるアウト信号に基づいて算出されるアウト数の総数が記憶される。
払出率実測値には、払出数をアウト数で除算して“100”を乗算した値(%)が記憶される。
払出率誤差には、払出率実測値から払出率基準値を減算した値(%)が記憶される。
遊技履歴集計データ1297は、対応遊技機1における遊技履歴情報の集計値を記憶したデータである。
[2−8.携帯端末の機能構成]
図36は、携帯端末2000の機能構成の一例を示すブロック図である。
携帯端末2000は、処理部2100と、操作部2200と、表示部2300と、音出力部2400と、撮像部2500と、無線通信部2600と、時計部2700と、記憶部2900とを備える。
処理部2100は、記憶部2900に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って携帯端末2000の各部を統括的に制御したり、各種の処理を行う処理装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成される。
処理部2100は、本発明に係る機能部として、アプリ処理部2110を有する。また、アプリ処理部2110は、払出情報端末処理部2113と、頭取り情報端末処理部2115と、サービス端末処理部2117とを有する。
操作部2200は、操作ボタンや操作スイッチ、マウスといった、ユーザーが携帯端末2000に対する各種の操作入力を行うための入力装置を有して構成される。また、操作部2200は、表示部2300と一体的に構成されたタッチパネル2250を有し、このタッチパネル2250はユーザーと携帯端末2000との間の入力インターフェースとして機能する。操作部2200からは、ユーザー操作に従った操作信号が処理部2100に出力される。
表示部2300は、LCD等を有して構成される表示装置であり、処理部2100から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。表示部2300は、タッチパネル2250と一体的に構成されてタッチスクリーンを形成している。
音出力部2400は、スピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部2100から出力される音出力信号に基づいた各種の音出力を行う。
撮像部2500は、任意のシーンの画像を撮影可能に構成された撮像装置であり、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子を有して構成される。撮像部2500は、光信号を電気信号に変換し、デジタル化した撮像画像のデータを処理部2100に出力する。
無線通信部2600は、無線通信によって装置内部で利用される情報を外部装置との間で送受するための通信装置である。
時計部2700は、携帯端末2000の内部時計であり、例えば水晶振動子及び発振回路である水晶発振器を有して構成される。時計部2700の計時時刻は、処理部2100に随時出力される。
記憶部2900は、ROMやフラッシュROM、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリ等を有して構成される記憶装置である。記憶部2900は、処理部2100が携帯端末2000を制御するためのシステムプログラムや、各種の処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶する。
記憶部2900には、処理部2100によって読み出され、アプリ処理として実行されるアプリプログラム2910が記憶されている。アプリプログラム2910は、払出情報端末処理として実行される払出情報端末処理プログラム2913と、頭取り情報端末処理として実行される頭取り情報端末処理プログラム2915と、サービス端末処理として実行されるサービス端末処理プログラム2917とをサブルーチンとして含む。
アプリプログラム2910は、処理部2100が本実施形態に係る遊技機1の払出情報係る処理や、頭取り情報に係る処理、サービスに係る処理等の特定の作業や処理を行うためのプログラムである。このアプリプログラム2910は、アプリ開発会社から提供されるアプリケーションソフトに含まれるプログラムであり、例えば、アプリ開発会社のサーバからアプリケーションソフトをダウンロードすることで使用可能とすることができる。
また、記憶部2900には、払出情報集計データ2930と、払出情報表示用データ2950と、頭取り情報データ2970とが記憶される。
払出情報集計データ2930は、店舗内の各遊技機1それぞれについての払出情報を集計したデータであり、ホールコンピュータ600から無線通信部2600を介して受信するデータである。
払出情報表示用データ2950は、表示部2930に表示させる店舗内の各遊技機1それぞれについての払出情報のデータであり、払出情報集計データ2930に基づいて処理部2910によって生成されるデータである。
頭取り情報データ2970は、タッチパネル2250を含む操作部2200を介して店舗の店員等によって入力された他店舗に設置される遊技機についての頭取り情報のデータであり、無線通信部2600を介してホールコンピュータ600に送信されるデータである。頭取り情報データ2970には、操作部2200を介して入力された台別や機種別の基本遊技情報のデータや払出情報の集計用の遊技情報のデータ等が含まれる。
[2−9.処理]
[2−9−1.ホールコンピュータの処理]
図37は、ホールコンピュータ600の処理部610が、ROM670に記憶された管理プログラム671に従って実行する管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部610は、各データ表示装置1200それぞれについて、ループAの処理を実行する(A1〜A7)。ループAの処理は、各データ表示装置1200について順番に実行される処理である。
ループAの処理では、処理部610は、ROM670に記憶されている設定用データ生成プログラム6711に従って、設定用データ生成処理を行う(A1)。
具体的には、設定用データ生成部611が、ハードディスク670に記憶されている表示内容設定用テーブル681、表示態様設定用テーブル682、特別表示設定用テーブル683、払出率適否情報表示設定用テーブル684、機種情報設定用テーブル685及び装置対応関係テーブル686に基づいて、前述した方法を用いて当該データ表示装置1200用の表示装置設定用データ691を生成する。そして、処理部610は、生成した表示装置設定用データ691をRAM690に記憶させる(A3)。
次いで、処理部610は、生成した表示装置設定用データ691を当該データ表示装置1200に送信する(A5)。そして、処理部610は、次のデータ表示装置1200へと処理を移す。そして、全てのデータ表示装置1200についてA3及びA5の処理を行ったならば、処理部610は、ループAの処理を終了する。
次いで、処理部610は、各遊技機1それぞれについてループBの処理を実行する(A9〜A15)。ループBの処理では、処理部610は、当該遊技機1について遊技情報集計処理を実行する(A11)。具体的には、処理部610は、当該遊技機1についての大当り回数やスタート回数等の遊技情報を算出し、遊技集計データとしてハードディスク680の遊技集計データベースに記憶させる。
次いで、払出情報管理処理部613は、当該遊技機1について払出情報算出処理を実行する(A13)。具体的には、払出情報管理処理部613は、当該遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて、当該遊技機1の遊技状態を判定する。具体的には、当該遊技機1から時短中信号を受信していない場合には低ベース状態と判定し、当該遊技機1から時短中信号を受信している場合には高ベース状態と判定する。また、当該遊技機1から大当り信号を受信していない場合には、当該遊技機1は非大当り中と判定する。
次いで、払出情報管理処理部613は、判定した遊技状態が非大当り中且つ低ベース状態である場合には、当該遊技機1から出力される賞球信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて、非大当り中且つ低ベース状態における払出数及びアウト数を算出し、当該遊技機1に対応する遊技機IDの払出情報集計データにおける払出率集計データの「低ベース状態」に記憶させる。
それに対して、判定した遊技状態が非大当り中且つ高ベース状態である場合には、当該遊技機1から出力される賞球信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて、非大当り中且つ低ベース状態における払出数及びアウト数を算出し、当該遊技機1に対応する遊技機IDの払出情報集計データにおける払出率集計データの「高ベース状態」に記憶させる。
払出情報算出処理を実行したならば、処理部610は、次の遊技機1へと処理を移す。そして、全ての遊技機1についてA11及びA13の処理を実行したならば、処理部610は、ループBの処理を終了する(A15)。
次いで、処理部610は、払出情報集計タイミングであるか否かを判定する(A17)。払出情報集計タイミングは、例えば、一定時間間隔毎(例えば1時間毎や3時間、6時間毎)のタイミングとして定めておいてもよいし、店舗の管理者によって払出情報の集計の実行を指示する操作がなされたタイミングとして定めておいてもよいし、払出情報集計データの要求を携帯端末2000から受信したタイミングとして定めておいてもよい。
払出情報集計タイミングであると判定したならば(A17;Yes)、処理部610は、払出情報集計処理を実行する(A19)。具体的には、各遊技機1それぞれについて、払出情報管理データベース687の当該遊技機1の遊技機IDに対応付けて記憶されている払出率集計データを参照し、払出数をアウト数で除算することで払出率実測値を算出する。また、機種情報設定用テーブル686に定められた当該遊技機1の払出率基準値を参照し、払出率実測値から払出率基準値を減算することで払出率誤差を算出する。また、算出した払出率実測値が払出率基準範囲内であるか否かを判定し、払出率基準範囲内である場合には払出率適否を適正(OK)とし、払出率基準範囲外である場合には払出率適否を不適正(NG)とする。そして、これらの算出結果及び判定結果で、当該遊技機1の払出率集計データを更新する。
次いで、処理部610は、大当りランニング演出の実行条件が成立したか否かを判定する(A25)。大当りランニング演出の実行条件は、何れかの機種の遊技機1から大当り信号を入力することである。そして、実行条件が成立したと判定したならば(A25;Yes)、大当りランニング演出信号を、当該遊技機1の機種に対応するデータ表示装置1200に送信する(A27)。
一方、大当りランニング演出の実行条件が成立しなかったと判定したならば(A25;No)、処理部610は、他の一斉演出の実行条件が成立したか否かを判定し(A29)、成立したと判定したならば(A29;Yes)、成立した実行条件に対応する一斉演出信号をデータ表示装置1200に送信する(A31)。
なお、本実施形態とは異なるが、データ表示装置1200が一斉演出を行う場合に、ホールコンピュータ600から送信される一斉演出信号に基づいて一斉演出を行うのではなく、データ表示装置1200が備える時計部1275の出力結果に基づいて、一斉演出を行うようにしてもよい。例えば、データ表示装置1200の電源投入時からの経過時間が一定時間に達する毎に、一斉演出を行うようにしてもよい。
A27又はA31の後、処理部610は、定期告知タイミングであるか否かを判定する(A33)。定期告知タイミングは、例えば、一定時間間隔毎(例えば3時間毎や6時間毎)のタイミングとして定めておくことができる。なお、定期告知する内容が複数種類存在する場合には、それぞれ異なる時間間隔毎のタイミングを定期告知タイミングとして定めておけばよい。
定期告知タイミングであると判定したならば(A33;Yes)、処理部610は、定期告知信号を対応するデータ表示装置1200に送信する(A35)。
次いで、処理部610は、処理を終了するか否かを判定する(A37)。例えば、店舗の営業終了時にホールコンピュータ600の電源を切断する場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(A37;No)、処理部610は、A9に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(A37;Yes)、処理部610は、管理処理を終了する。
[2−9−2.データ表示装置の処理]
図38は、データ表示装置1200の処理部1210が、記憶部1290に記憶されているデータ表示装置処理プログラム1291に従って実行するデータ表示装置処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部1210は、自装置の設定タイミングであるか否かを判定する(C1)。設定タイミングは、例えば、自装置の電源投入時のタイミングとすることができる。この場合における設定タイミングは、自装置の表示内容や操作内容が設定されたことを示す設定済みフラグが「ON」にセットされているか否かを確認することで判定すればよい。なお、設定済みフラグは、後述する設定処理が実行された後に「ON」にセットされ、店舗の営業終了時等に当該データ表示装置1200の電源を切断する時に「OFF」にクリアされればよい。
設定タイミングであると判定した(設定済みフラグが「OFF」であると判定した)場合(C1;Yes)、処理部1210は、ホールコンピュータ600に表示装置設定用データ691を要求し、ホールコンピュータ600から表示装置設定用データ691を取得する(C3)。
なお、この場合、データ表示装置1200がホールコンピュータ600との通信を確立して表示装置設定用データ691を要求するようにしてもよいし、データ表示装置1200とホールコンピュータ600とを常時通信可能な状態としておき、ホールコンピュータ600からデータ表示装置1200に表示装置設定用データ691を自動的に配信するようにしてもよい。
次いで、処理部1210は、設定処理を実行する(C5)。具体的には、表示装置設定用データ691を参照し、表示内容設定用データ6914に基づいて表示部1230に表示させる表示内容を判定し、表示態様設定用データ6915に基づいて表示部1230に表示させる表示態様を判定し、特別表示設定用データ6916に基づいて表示部1230に表示させる特別表示の優先順位を判定する。また、払出率適否情報表示設定用データ6917に基づいて表示部1230に払出率適否情報表示に係る表示有無や表示モードを判定する。そして、判定した内容に基づく表示を表示部1230に行わせることを可能な状態とする。また、処理部1210は、機種情報設定用データ6918に基づいて対応遊技機1の機種情報を判定し、払出率実測値や払出率誤差等の各種の指標値を算出可能な状態とする。
次いで、処理部1210は、遊技履歴集計データ更新処理の実行を開始する(C7)。具体的には、対応遊技機1から送信される遊技機信号に基づいて遊技履歴を集計し、記憶部1290の遊技履歴集計データ1297を更新する処理を開始する。より具体的には、始動信号を受信した場合には、スタート回数に“1”を加算して更新し、大当り信号を受信した場合には、大当り回数に“1”を加算して更新し、確変中信号及び時短中信号を受信した場合には、確変大当り回数に“1”を加算して更新し、確変中信号を受信せずに時短中信号を受信した場合には、通常大当り回数に“1”を加算して更新する。
また、処理部1210は、払出率集計データ更新処理の実行を開始する(C9)。具体的には、対応遊技機1から送信される遊技機信号に基づいて払出率実測値を算出するために必要な指標値を算出し、記憶部1290の払出率集計データ1295を更新する処理を開始する。
詳細には、処理部1210は、現在のベース状態を判定する。具体的には、対応遊技機1から時短中信号を受信していない場合には、低ベース状態と判定する。また、対応遊技機1から時短中信号を受信している場合には、高ベース状態と判定する。
対応遊技機1から大当り信号を受信しておらず、かつ、低ベース状態である場合には、対応遊技機1から賞球信号を受信する毎に、払出率集計データ1295の低ベース状態に対応する払出数に第1規定球数(10球)を加算して更新する。また、アウト球検出器200からアウト信号を受信した場合には、払出率集計データ1295の低ベース状態に対応するアウト数に第2規定球数(10球)を加算して更新する。
一方、対応遊技機1から大当り信号を受信しておらず、かつ、高ベース状態である場合には、対応遊技機1から賞球信号を受信する毎に、払出率集計データ1295の高ベース状態に対応する払出数に第1規定球数(10球)を加算して更新する。また、アウト球検出器200からアウト信号を受信した場合には、払出率集計データ1295の高ベース状態に対応するアウト数に第2規定球数(10球)を加算して更新する。
次いで、処理部1210は、記憶部1290に記憶されている払出率指標値算出プログラム1291aに従って、払出率指標値算出処理を実行する(C11)。
図39は、払出率指標値算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部1210は、対応遊技機1が非大当り中であるか否かを判定する(E1)。具体的には、対応遊技機1から大当り信号を受信していない場合には、対応遊技機1が非大当り中であると判定する。非大当り中ではない(大当り中である)と判定した場合には(E1;No)、処理部1210は、払出率指標値算出処理を終了する。
対応遊技機1が非大当り中であると判定したならば(E1;Yes)、処理部1210は、対応遊技機1のベース状態を判定する(E2)。具体的には、対応遊技機1から時短中信号を受信している場合には、対応遊技機1は高ベース状態と判定し、対応遊技機1から時短中信号を受信していない場合には、対応遊技機1は低ベース状態と判定する。
低ベース状態と判定したならば(E2;低ベース状態)、処理部1210は、低ベース払出率実測値算出タイミングであるか否かを判定する(E3)。ここで、低ベース払出率実測値算出タイミングとしては、種々のタイミングを定めておくことができる。例えば、一定時間毎(例えば1時間毎)のタイミングとしてもよいし、払出率集計データ1295に記憶されたアウト数が一定数(例えば100球)に達する毎のタイミングとしてもよい。また、この他にも、店舗の管理者によって払出率実測値の算出がホールコンピュータ600等を介してデータ表示装置1200に指示されたタイミングとしてもよい。
低ベース払出率実測値算出タイミングであると判定したならば(E3;Yes)、処理部1210は、低ベース払出率実測値算出処理を実行する(E5)。具体的には、払出率集計データ1295を参照し、低ベース状態に対応付けて記憶されている払出数をアウト数で除算して100を乗算することで低ベース払出率実測値(%)を算出し、払出率集計データ1295の低ベース状態に対応する払出率実測値を更新する。
次いで、処理部1210は、低ベース払出率誤差算出処理を実行する(E7)。具体的には、E5で算出した低ベース払出率実測値から、表示装置設定用データ691の機種情報設定用データ6918に記憶されている対応遊技機1の低ベース払出率基準値を減算することで低ベース払出率誤差(%)を算出し、払出率集計データ1295の低ベース状態に対応する払出率誤差を更新する。
次いで、処理部1210は、低ベース払出率適否情報表示更新フラグを「ON」に設定する(E9)。低ベース払出率適否情報表示更新フラグは、表示部1230における低ベース払出率適否情報の表示を更新することを示すフラグであり、初期設定では「OFF」とされる。そして、処理部1210は、払出率指標値算出処理を終了する。
一方、高ベース状態と判定したならば(E2;高ベース状態)、処理部1210は、高ベース払出率実測値算出タイミングであるか否かを判定する(E11)。高ベース払出率実測値算出タイミングも、低ベース払出率実測値算出タイミングと同様に、種々のタイミングを定めておくことができる。
高ベース払出率実測値算出タイミングであると判定したならば(E11;Yes)、処理部1210は、高ベース払出率実測値算出処理を実行する(E13)。具体的には、払出率集計データ1295を参照し、高ベース状態に対応付けて記憶されている払出数をアウト数で除算して100を乗算することで高ベース払出率実測値(%)を算出し、払出率集計データ1295の高ベース状態に対応する払出率実測値を更新する。
次いで、処理部1210は、高ベース払出率誤差算出処理を実行する(E15)。具体的には、E13で算出した高ベース払出率実測値から、表示装置設定用データ691の機種情報設定用データ6918に記憶されている対応遊技機1の高ベース払出率基準値を減算することで高ベース払出率誤差(%)を算出し、払出率集計データ1295の高ベースに対応する払出率誤差を更新する。
次いで、処理部1210は、高ベース払出率適否情報表示更新フラグを「ON」に設定する(E17)。高ベース払出率適否情報表示更新フラグは、表示部1230における高ベース払出率適否情報の表示を更新することを示すフラグであり、初期設定では「OFF」とされる。そして、処理部1210は、払出率指標値算出処理を終了する。
図38のデータ表示装置処理に戻り、払出率指標値算出処理を実行したならば、処理部1210は、払出率適否判定処理を実行する(C13)。具体的には、払出率指標値算出処理で算出された払出率実測値が、表示装置設定用データ691の機種情報設定用データ6918に記憶されている対応遊技機1の払出率基準下限値α及び払出率基準上限値βに基づき規定される払出率基準範囲内、つまり「α≦S≦β」であれば「適正」、払出率基準範囲外、つまり「S<α又はβ<S」であれば「不適正」と判定する。
次いで、処理部1210は、払出率の適否判定結果が適正であったか否かを判定し(C15)、不適正であったと判定したならば(C15;No)、対応遊技機1の遊技機IDをホールコンピュータ600に出力する(C17)。このようにすることで、店舗の管理者は、払出率が不適正である可能性のある遊技機1を把握することができ、店舗の店員に当該遊技機1のガラス扉枠3aを開放して表示モニタ26を確認するように指示を与えることができる。
C17の後、又は、払出率の適否判定結果が適正であったならば(C15;Yes)、処理部1210は、記憶部1290に記憶されている表示処理プログラム1291bに従って表示処理を実行する(C19)。
図40は、表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部1210は、画面表示制御処理を実行する(G1)。具体的には、遊技者による表示中の表示画面を切り替える操作(以下、「画面切替操作」という。)に応じて表示画面を切り替える制御を実行する。
その後、処理部1210は、特別表示制御処理を実行する(G3)。具体的には、特別表示の実行条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定したならば、特別表示を表示部1230に表示させる。
ここで、特別表示実行条件は、例えば、以下のように定めておくことができる。
(1)大当り演出表示
「対応パチンコ遊技機からの大当り信号ON」
(2)一斉演出表示
「ホールコンピュータからの一斉演出信号ON」
(3)定期告知表示
「ホールコンピュータからの定期告知信号ON」
(4)のめり込み防止表示
(A)「対応パチンコ遊技機からの大当り信号OFF&変動回数が規定回数に達した」
(B)「対応パチンコ遊技機からの確変中信号ON→OFF」
(A)は、いわゆるハマリが生じた場合である。規定回数は、例えば「1000回」といった回数を定めておくことができる。ハマリが生ずると遊技者はむきになって遊技を継続して過度の投資を行うおそれがあるため、のめり込み防止表示を実行する。
(B)は、確変状態が終了した場合である。確変状態が終了すると通常状態に戻り、そのまま遊技を継続すると、せっかく獲得した出玉を消費して遊技者が損をしてしまうおそれがあるため、のめり込み防止表示を実行する。
(5)カード取り忘れ表示
(A)「対応パチンコ遊技機からの打込信号ON→OFF&規定時間経過」、
(B)「対応パチンコ遊技機からの確変中信号ON→OFF&所持球数が規定球数に達した」
(A)は、遊技者による遊技球の打ち込みが停止してから一定時間が経過した場合である。この場合、遊技者は、トイレ休憩等により遊技を一時的に休止している可能性がある。そこで、遊技者が遊技用カードを取り忘れて離席したことによって遊技用カードが盗難されることを防止するため、カード取り忘れ表示を実行する。規定時間には、例えば1分といった時間を設定しておくことができる。
(B)は、確変状態が終了した状態で所持球数が一定以上の球数となっている場合である。確変状態によって遊技者が多くの出玉を獲得し、確変状態が終了した場合に、遊技用カードが盗難されて遊技者が損失を被ることを防止するため、カード取り忘れ報知を実行する。規定球数には、「10000発」といった球数を設定しておくことができる。
(6)遊技機エラー表示
「対応パチンコ遊技機からのセキュリティ信号ON」
(7)表示装置エラー表示
「自装置の異常検知又は不正検知」
(8)貸与レート表示
「貸与レートの表示操作を検出」
次いで、処理部1210は、払出率適否情報表示制御処理を実行する(G5)。
図41は、払出率適否情報表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部1210は、表示装置設定用データ691の払出率適否情報表示設定用データ6917に記憶されている払出率適否情報表示の設定が「表示」であるか否かを判定し(H1)、「表示」であると判定したならば(H1;Yes)、払出率適否情報表示更新フラグが「ON」であるか否かを判定する(H3)。
払出率適否情報表示更新フラグが「ON」であると判定したならば(H3;Yes)、処理部1210は、その払出率適否情報表示更新フラグの種類を判定する(H5)。種類が「低ベース」であると判定したならば(H5;低ベース)、処理部1210は、低ベース払出率適否情報表示更新処理を実行する(H7)。具体的には、表示装置設定用データ691の払出率適否情報表示設定用データ6917に記憶されている表示モード及びその詳細表示設定用データに基づいて、当該表示モードで低ベース状態における払出率の適否情報の表示を更新する。そして、処理部1210は、低ベース払出率適否情報表示更新フラグを「OFF」に設定して(H9)、払出率適否情報表示制御処理を終了する。
払出率適否情報表示更新フラグの種類が「高ベース」であると判定したならば(H5;高ベース)、処理部1210は、高ベース払出率適否情報表示更新処理を実行する(H11)。具体的には、表示装置設定用データ691の払出率適否情報表示設定用データ6917に記憶されている表示モード及びその詳細表示設定用データに基づいて、当該表示モードで高ベース状態における払出率の適否情報の表示を更新する。そして、処理部1210は、高ベース払出率適否情報表示更新フラグを「OFF」に設定して(H13)、払出率適否情報表示制御処理を終了する。
図40の表示処理に戻り、払出率適否情報表示制御処理を実行したならば、処理部1210は、遊技履歴情報の表示を更新するか否かを判定し(G7)、更新すると判定したならば(G7;Yes)、現在表示中の遊技履歴の表示を更新する遊技履歴表示更新処理を実行する(G9)。そして、処理部1210は、表示処理を終了する。
図38のデータ表示装置処理に戻り、表示処理を実行したならば、処理部1210は、発光処理を実行する(C21)。具体的には、予め定められた発光パターンで発光部1250(左枠LED1251及び右枠LED1252)をそれぞれ発光させる制御を行う。
次いで、処理部1210は、処理を終了するか否かを判定し(C23)、処理を継続すると判定したならば(C23;No)、C1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(C23;Yes)、データ表示装置処理を終了する。
[2−9−3.携帯端末及びホールコンピュータの処理]
(1)払出情報処理
図42は、携帯端末2000の処理部2100が記憶部2900に記憶されている払出情報端末処理プログラム2913に従って実行する払出情報端末処理及びホールコンピュータ600の処理部610がROM670に記憶されている払出情報管理プログラム6713に従って実行する払出情報管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。この処理では、処理部2100は払出情報端末処理部2113として機能し、処理部610は払出情報管理処理部613として機能する。
払出情報端末処理部2113は、操作部2200を介して払出情報を要求する操作がなされたか否かを判定し(Q1)、なされたと判定したならば(Q1;Yes)、払出情報をホールコンピュータ600に要求する信号を送信する払出情報要求処理を実行する(Q3)。この場合、特定の遊技機の払出情報の要求や、遊技島毎や機種毎などのグループ単位の遊技機の払出情報の要求、全ての遊技機の払出情報の要求等、種々の単位での払出情報の要求を受付可能とし、受け付けた種類に応じた払出情報の要求を行うようにすればよい。
払出情報管理処理部613は、携帯端末2000から払出情報が要求されたか否かを判定し(R1)、要求されたと判定したならば(R1;Yes)、払出情報管理データベース687に記憶されている払出情報集計データを携帯端末2000に送信する(R3)。具体的には、特定の遊技機の払出情報が要求されたのであれば、当該遊技機の払出情報集計データを送信し、グループ単位の遊技機の払出情報が要求されたのであれば、当該グループに含まれる遊技機の払出情報集計データを送信し、全ての遊技機の払出情報が要求されたのであれば、全ての遊技機の払出情報集計データを送信する。
次いで、払出情報管理処理部613は、処理を終了するか否かを判定し(R5)、処理を継続すると判定したならば(R5;No)、R1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(R5;Yes)、払出情報管理処理部613は、払出情報管理処理を終了する。
払出情報端末処理部2113は、ホールコンピュータ600から払出情報集計データを受信したならば、払出情報表示用データ生成処理を実行する(Q5)。具体的には、受信した払出情報集計データに含まれる払出率集計データや、遊技機の機種情報に基づいて、遊技店に設置される遊技機1の払出情報(払出率基準情報、払出率実測値、払出率誤差、払出率適否等)を、遊技機1の識別情報(遊技機ID、台番号、機種名等)と対応付けて、店舗のレイアウト形式やテーブル形式、セル形式等の各種の形式で表示させるためのデータを生成する。どのような形式で払出情報を表示させるかは、アプリにおいて店舗の店員が任意に設定可能とすることができる。
なお、遊技機の機種情報(機種名や払出率基準情報等)は、予めホールコンピュータ600から取得しておいて携帯端末2000の記憶部2900に記憶させておくこととしてもよいし、機種情報を含む払出情報集計データをホールコンピュータ600から携帯端末2000に送信するようにしてもよい。
次いで、払出情報端末処理部2113は、操作部2200を介して払出情報を表示する操作がなされたか否かを判定し(Q7)、なされたと判定したならば(Q7;Yes)、Q5で生成した払出情報表示用データに基づいて、払出情報を表示部2300に表示させる払出情報表示処理を実行する(Q9)。
その後、払出情報端末処理部2113は、払出率が適正条件を満たさない遊技機1があるか否かを判定する(Q11)。具体的には、各遊技機IDそれぞれの払出情報集計データに含まれる払出率集計データの中に、払出率適否が「NG」である払出率集計データが存在するか否かを判定する。そして、あると判定したならば(Q11;Yes)、払出情報端末処理部2113はアラート処理を実行する(Q13)。具体的には、例えば、後述するアラート表示画面を表示部2300に表示させるように制御する。
次いで、払出情報端末処理部2113は、操作部2200を介してモニタガイド表示が指示されたか否かを判定し(Q15)、指示されたと判定したならば(Q15;Yes)、モニタガイド表示処理を実行する(Q17)。具体的には、機種情報設定用データ6918に記憶されているモニタガイドデータに基づいて、後述するモニタガイド表示画面を表示部2330に表示させるように制御する。
その後、払出情報端末処理部2113は、処理を終了するか否かを判定し(Q19)、処理を継続すると判定したならば(Q19;No)、Q1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(Q19;Yes)、払出情報端末処理部2113は、払出情報端末処理を終了する。
(2)頭取り情報処理
図43は、携帯端末2000の処理部2100が記憶部2900に記憶されている頭取り端末処理プログラム2915に従って実行する頭取り情報端末処理及びホールコンピュータ600の処理部610がROM670に記憶されている頭取り情報管理プログラム6715に従って実行する頭取り情報管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。この処理では、処理部2100は頭取り情報端末処理部2115として機能し、処理部610は頭取り情報管理処理部615として機能する。
頭取り情報端末処理部2115は、操作部2200を介して店舗基本データを取得する操作がなされたか否かを判定し(M1)、なされたと判定したならば(M1;Yes)、店舗基本データを要求する信号をホールコンピュータ600に送信する店舗基本データ要求処理を実行する(M3)。
頭取り情報管理処理部615は、携帯端末2000から店舗基本データの要求がなされたか否かを判定し(N1)、なされたと判定したならば(N1;Yes)、頭取り情報管理データベース688の中から、要求された店舗の頭取り情報データ2970に記憶されている店舗基本データを読みだして携帯端末2000に送信する(N3)。
頭取り情報端末処理部2115は、ホールコンピュータ600から店舗基本データを受信したならば、店舗基本表示用データ生成処理を実行する(M5)。具体的には、受信した店舗基本データに基づいて、当該店舗の基本情報を表示部2300に表示させるためのデータを生成する。
次いで、頭取り情報端末処理部2115は、操作部2200を介して店舗基本情報を表示する操作がなされたか否かを判定し(M7)、なされたと判定したならば(M7;Yes)、M5で生成した店舗基本表示用データに基づいて、店舗基本情報を表示部2300に表示させる店舗基本情報表示処理を実行する(M9)。
次いで、頭取り情報端末処理部2115は、操作部2200を介して頭取り情報を入力する操作がなされたか否かを判定し(M11)、なされたと判定したならば(M11;Yes)、入力された頭取り情報に基づいて、ホールコンピュータ600に送信する頭取り情報データ2970を生成する頭取り情報データ生成処理を実行する(M13)。
次いで、頭取り情報端末処理部2115は、操作部2200を介して頭取り情報データ2970を送信する操作がなされたか否かを判定し(M15)、なされたと判定したならば(M15;Yes)、記憶部2900に記憶されている頭取り情報データ2970をホールコンピュータ600に送信する頭取り情報データ生成処理を実行する(M17)。
その後、頭取り情報端末処理部2115は、処理を終了するか否かを判定し(M19)、処理を継続すると判定したならば(M19;No)、M1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(M19;Yes)、頭取り情報端末処理部2115は、頭取り情報端末処理を終了する。
頭取り情報管理処理部615は、携帯端末2000から頭取り情報データ2970を受信したか否かを判定し(N5)、受信したと判定したならば(N5;Yes)、受信した頭取り情報データ2970をハードディスク688に記憶させる(N7)。
次いで、頭取り情報管理処理部615は、頭取り情報を集計するか否かを判定し(N9)、集計すると判定したならば(N9;Yes)、頭取り情報集計処理を実行する(N11)。具体的には、ハードディスク688に記憶されている頭取り情報データ2970に基づいて、各店舗それぞれの頭取り情報を集計し、頭取り情報管理データベース688の頭取り情報集計データに記憶させる。
頭取り情報集計処理では、頭取り情報管理処理部615は、稼働情報集計処理と、機種別情報集計処理とを実行する。稼働情報集計処理では、複数の店員が他の遊技店に出向いて遊技機の稼働状況を確認した上で携帯端末2000に入力された稼働情報に基づいて、遊技店毎に稼働情報を集計し、これを稼働情報集計データとして、対応する遊技店の頭取り情報管理データに記憶させる。
機種別集計処理では、複数の店員が他の遊技店に出向いて遊技機で実際に遊技を行った上で携帯端末2000に入力された遊技情報に基づいて、遊技店毎の機種別情報を集計し、これを機種別情報集計データとして、対応する遊技店の頭取り情報管理データに記憶させる。
より具体的には、複数台の携帯端末2000から送信される大当り回数(総大当り回数、確変大当り回数、通常大当り回数)や初当りまでに要した回転数、確変状態における連荘(連チャン)した回数等の基本遊技情報を機種毎に分類し、分類した機種別に基本遊技情報の平均値を算出し、基本遊技情報集計データとして記憶させる。
また、携帯端末2000から送信される非大当り中且つ低ベース状態と非大当り且つ高ベース状態とのそれぞれについての使用球数及び獲得球数を含む払出情報を機種毎に分類し、例えば、分類した機種別に払出情報の平均値(払出率平均値、払出率誤差平均値)を算出し、払出情報集計データとして記憶させる。
その後、頭取り情報管理処理部615は、処理を終了するか否かを判定し(N13)、処理を継続すると判定したならば(N13;No)、N1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(N13;Yes)、頭取り情報管理処理を終了する。
(3)サービス処理
図44は、携帯端末2000の処理部2100が記憶部2900に記憶されているサービス端末処理プログラム2917に従って実行するサービス端末処理及びホールコンピュータ600の処理部610がROM670に記憶されているサービス管理プログラム6717に従って実行するサービス管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。この処理では、処理部2100はサービス端末処理部2117として機能し、処理部610はサービス管理処理部617として機能する。
サービス端末処理部2117は、操作部2200を介してサービス提供を要求する操作がなされたか否かを判定し(S1)、なされたと判定したならば(S1;Yes)、サービスの提供の許否を確認するサービス提供確認要求信号をホールコンピュータ600に送信する(S3)。ここで要求を行うサービスとしては、ドル箱の交換やおしぼりの提供、飲食物の提供、灰皿の交換、休憩といった従来の遊技店が行う基本的なサービスである。
サービス管理処理部617は、携帯端末2000からサービス提供確認の要求がなされたか否かを判定し(T1)、なされたと判定したならば(T1;Yes)、サービス提供確認処理を実行する(T3)。そして、サービス管理処理部617は、サービス提供確認処理の確認結果を携帯端末2000に送信させるように制御する(T5)。
サービス端末処理部2117は、ホールコンピュータ600からサービス提供確認処理の確認結果を受信したならば、サービス提供確認表示用データ生成処理を実行する(S5)。具体的には、受信したサービス提供確認処理の確認結果に基づいて、サービス提供の許否を表示部2300に表示させるためのデータを生成する。
次いで、サービス端末処理部2117は、操作部2200を介してサービス提供確認画面を表示させる操作がなされたか否かを判定し(S7)、なされたと判定したならば(S7;Yes)、S5で生成したサービス提供確認表示用データに基づいてサービス提供確認画面を表示部2300に表示させるサービス提供確認画面表示処理を実行する(S9)。
次いで、サービス端末処理部2117は、操作部2200を介して遊技機1の払出情報の確認を要求する操作がなされたか否かを判定し(S11)、なされたと判定したならば(S11;Yes)、払出情報の確認を要求する遊技機1の遊技機IDを含む払出情報確認要求信号をホールコンピュータ600に送信させるように制御する(S13)。
サービス管理処理部617は、携帯端末2000から払出情報確認要求信号を受信したか否かを判定し(T7)、受信したと判定したならば(T7;Yes)、払出情報確認処理を実行する(T9)。具体的には、払出情報管理データベース687に記憶されている払出情報集計データのうち、払出情報の確認の要求がなされた遊技機IDに対応する払出情報集計データを読み出す。そして、読みだした払出情報集計データの払出率集計データに記憶されている払出率実測値と当該遊技機1について記憶されている払出率基準範囲とに基づいて、当該遊技機1の払出率の適否(適正/不適正)を判定する。そして、サービス管理処理部617は、払出情報確認処理の確認結果である払出率の適否(適正/不適正)を携帯端末2000に送信させる制御を実行する(T11)。
サービス端末処理部2117は、ホールコンピュータ600から払出情報確認処理の確認結果を受信したならば、払出情報確認表示用データ生成処理を実行する(S15)。具体的には、受信した払出情報確認処理の確認結果に基づいて、確認が要求された遊技機1の払出率の適否を表示部2300に表示させるためのデータを生成する。そして、サービス端末処理部2117は、生成した払出情報確認表示用データに基づいて、払出率の適否を表示部2300に表示させる払出情報確認画面表示処理を実行する(S17)。
その後、サービス端末処理部2117は、処理を終了するか否かを判定し(S19)、処理を継続すると判定したならば(S19;No)、S1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(S19;Yes)、サービス端末処理を終了する。
また、サービス管理処理部617は、処理を終了するか否かを判定し(T13)、処理を継続すると判定したならば(T13;No)、T1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(T13;Yes)、サービス管理処理を終了する。
[2−10.表示画面]
[2−10−1.データ表示装置の表示画面]
図45〜図48は、データ表示装置1200の表示部1230に表示される表示画面の一例を示す図である。
図45(1)は、総合遊技履歴画面の一例を示す図である。
この総合遊技履歴画面は、機種「パチンコXXX」の遊技機1に対応するデータ表示装置1200の表示部1230に表示される表示画面である。この総合遊技履歴画面には、総合遊技履歴情報として、「総合大当り回数」と、「総合確変大当り回数」と、「総合通常大当り回数」と、「総合スタート回数」と、「総合出玉グラフ」と、「総合大当り履歴グラフ」とが表示されている。
また、この総合遊技履歴画面の左下部には、遊技者がサービス選択をするためのサービスアイコンと、画面切替を行うための画面切替アイコンとが表示されている。サービスアイコンをタップすると、不図示のサービス選択画面に表示画面が切り替わり、遊技者はこのサービス選択画面からサービスを選択することができる。また、画面切替アイコンをタップすると、表示中の画面を他の画面に順次に切り替えることができる。
また、この総合遊技履歴画面の右下部には、色変化モードによる払出率適否情報表示1230Aが表示されている。この払出率適否情報表示1230Aは、低ベース状態であることを示す低ベースアイコン及び高ベース状態であることを示す高ベースアイコンの2種類のベースアイコンが含まれ、それぞれのベースアイコンについて、色変化によって払出率の適否を表示する個別の色変化アイコンが表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが反転表示され(高ベースアイコンは非反転)、その下に表示された個別の色変化アイコンの色が変化することで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが反転表示され(低ベースアイコンは非反転)、その下に表示された個別の色変化アイコンの色が変化することで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
ここで、色変化アイコンは、例えば図25の詳細表示設定用テーブルに示したように、「α<S<β」の条件を満たす場合には「緑色」、「S=α又はβ=S」の条件を満たす場合には「黄色」、「S<α又はβ<S」の条件を満たす場合には「赤色」に変化するように設定されている。
図45(2)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、メーターモードによる払出率適否情報表示1230Bが表示されている。この払出率適否情報表示1230Bは、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンそれぞれに対応して、払出率の適否を表示するための個別のメーターが表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが反転表示され(高ベースアイコンは非反転)、その下に表示された個別のメーターが増減することで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが反転表示され(低ベースアイコンは非反転)、その下に表示された個別のメーターが増減することで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
メーターの表示は、例えば、払出率を示す横方向に形成された矩形の枠を、払出率基準下限値及び払出率基準上限値それぞれに対応する縦線で区切ることにより払出率基準範囲を明確化したメーターとして構成される。なお、図中ではメーター表示を横方向のメーター表示としているが、縦方向のメーター表示としてもよい。
図45(3)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、誤差モードによる払出率適否情報表示1230Cが表示されている。この払出率適否情報表示1230Cは、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンそれぞれに対応して、払出率誤差が個別に表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが反転表示され(高ベースアイコンは非反転)、その下に払出率誤差が表示されることで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが反転表示され(低ベースアイコンは非反転)、その下に払出率誤差が表示されることで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
図46(1)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、色変化モードによる払出率適否情報表示1230Dが表示されている。この払出率適否情報表示1230Dは、図45(1)の払出率適否情報表示1230Aと同様に色変化アイコンによって払出率の適否を表示するものであるが、払出率適否情報表示1230Aとは異なり、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンについて、共通の色変化アイコンが表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが点灯表示され(高ベースアイコンは非点灯)、共通の色変化アイコンの色が変化することで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが点灯表示され(低ベースアイコンは非点灯)、共通の色変化アイコンの色が変化することで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
図46(2)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、メーターモードによる払出率適否情報表示1230Eが表示されている。この払出率適否情報表示1230Eは、図45(2)の払出率適否情報表示1230Bと同様にメーターによって払出率の適否を表示するものであるが、払出率適否情報表示1230Bとは異なり、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンについて、共通のメーターが表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが点灯表示され(高ベースアイコンは非点灯)、共通のメーターが増減することで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが点灯表示され(低ベースアイコンは非点灯)、共通のメーターが増減することで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
図46(3)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、誤差モードによる払出率適否情報表示1230Fが表示されている。この払出率適否情報表示1230Eは、図45(3)の払出率適否情報表示1230Cと同様に払出率誤差を表示するものであるが、払出率適否情報表示1230Cとは異なり、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンについて、払出率誤差が共通に表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが点灯表示され(高ベースアイコンは非点灯)、低ベース払出率誤差が表示される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが点灯表示され(低ベースアイコンは非点灯)、高ベース払出率誤差が表示される。
図47(1)は、特別表示の一例を示す図である。
図47(1)は、総合遊技履歴画面の表示中に大当り演出表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「大当り♪」のメッセージ及びキャラクタの画像でなる大当り演出表示が表示されている。
図47(2)は、特別表示の別例を示す図である。
図47(2)は、総合遊技履歴画面の表示中に遊技機エラー表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「パチンコ遊技機に異常が発生しています。店員を呼んでください。」のメッセージでなる遊技機エラー表示が表示されている。
図47(3)は、特別表示の別例を示す図である。
図47(3)は、総合遊技履歴画面の表示中に表示装置エラーの実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「表示装置に異常が発生しています。店員を呼んでください。」のメッセージでなる表示装置エラー表示が表示されている。
図48(1)は、特別表示の別例を示す図である。
図48(1)は、総合遊技履歴画面の表示中にのめり込み防止表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「遊技に熱中しすぎないように注意してください。」のメッセージでなるのめり込み防止表示が表示されている。
図48(2)は、特別表示の別例を示す図である。
図48(2)は、総合遊技履歴画面の表示中にカード取り忘れ表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「カードの取り忘れに注意してください。」のメッセージでなるカード取り忘れ表示が表示されている。
図48(3)は、特別表示の別例を示す図である。
図48(3)は、総合遊技履歴画面の表示中に貸与レート表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「玉貸しは540円→125玉です。」のメッセージでなる貸与レート表示が表示されている。
[2−10−2.携帯端末の表示画面]
図49〜図52は、携帯端末2000の表示部2300に表示される表示画面の一例を示す図である。
図49(1)は、払出情報表示画面の一例を示す図である。
この払出情報表示画面は、店舗内の遊技機1を一覧表示したレイアウト画面であり、遊技機1の配置に応じた台番号で示される遊技機1がレイアウト表示されている。このレイアウト画面において、店舗の店員は、遊技機1の台番号をタッチパネル2250でタッチ操作することで、当該台番号の遊技機1の払出情報を確認することができる。また、画面右下部には、表示画面を1つ前の表示画面に戻すための戻るアイコンが表示されている。
図49(2)は、払出情報表示画面の一例を示す図である。
この払出情報表示画面は、レイアウト画面において遊技機1の台番号がタッチ操作された場合に表示される画面であり、一例として、図49(1)のレイアウト画面において台番号「15」がタッチ操作された場合に表示される画面を示したものである。
この払出情報表示画面には、最上部に台番号として「15番台」が、遊技機1の機種名として「パチンコXXX」が表示されている。その下には、当該機種の払出率基準情報として、低ベース状態及び高ベース状態それぞれにおける払出率基準範囲(払出率基準下限値α〜払出率基準上限値β)が表示されている。
また、低ベース状態及び高ベース状態それぞれの払出率基準範囲内に括弧書きで払出率基準値γが表示されている。そして、払出率基準情報の下には、払出率実測情報として、低ベース状態及び高ベース状態それぞれにおける払出率実測値Sと、低ベース状態及び高ベース状態それぞれにおける払出率実測値Sの適否(OK/NG)とが表示されている。ここでは、低ベース状態及び高ベース状態の両方について払出率実測値Sが適正であったことで、いずれも「OK」と表示されている。
また、画面右下部には、画面右下部には、表示画面を1つ前の表示画面に戻すための戻るアイコンと、表示画面をガイド表示画面に切り替えるためのガイドアイコンとが表示されている。
図49(3)は、払出情報表示画面の一例を示す図である。
この払出情報表示画面は、図49(2)と同様の画面であり、一例として、図49(1)のレイアウト画面において台番号「25」がタッチ操作された場合に表示される画面を示したものである。
この払出情報表示画面には、最上部に台番号として「25番台」が、遊技機1の機種名として「パチンコYYY」が表示されている。その下には、当該機種の払出率基準情報として、低ベース状態及び高ベース状態それぞれにおける払出率基準範囲(払出率基準下限値α〜払出率基準上限値β)が表示されている。
また、低ベース状態及び高ベース状態それぞれの払出率基準範囲内に括弧書きで払出率基準値γが表示されている。そして、払出率基準情報の下には、払出率実測情報として、低ベース状態及び高ベース状態それぞれにおける払出率実測値Sと、低ベース状態及び高ベース状態それぞれにおける払出率実測値Sの適否(OK/NG)とが表示されている。ここでは、高ベース状態における払出率実測値は適正であったことで「OK」と表示されているが、低ベース状態における払出率実測値は不適正であったことで「NG」と表示されている。また、払出率実測値が不適正であることを店舗の店員が明確に識別できるようにするために「NG」は色を付した識別表示がなされている。
図50(1)は、払出情報表示画面の一例を示す図である。
この払出情報表示画面は、店舗内の遊技機1の払出情報をテーブル形式で示したテーブル画面であり、店舗内の遊技機1の台番号と、低ベース状態における払出率実測値Lと、高ベース状態における払出率実測値Hと、払出率実測値の適否(OK/NG)とを対応付けたテーブルが図示されている。この払出情報表示画面では、タッチパネル2250を介してスクロールアイコンに対するスクロール操作やフリック操作等を行うことで、店舗内の全ての遊技機1の払出情報をスクロール表示させることが可能に構成されている。また、画面右下部には、表示画面を1つ前の表示画面に戻すための戻るアイコンと、表示画面を切り替えるための切替アイコンとが表示されている。
なお、この図では、分かり易いようにスクロールアイコンを備える表示画面を例示したが、スクロールアイコンを備えない表示画面とし、表示画面上の任意の位置で上下方向にフリック操作等を行うことで、店舗内の各遊技機1の払出情報を表示させるようにしてもよい。以下の表示画面についても同様である。
図50(2)は、払出情報表示画面の一例を示す図である。
この払出情報表示画面は、図50(1)の払出表示画面において切替アイコンがタッチされることで表示される画面である。この払出情報表示画面には、店舗内の遊技機1の台番号と、低ベース状態における払出率誤差Lerrと、高ベース状態における払出率誤差Herrと、払出率実測値の適否(OK/NG)とを対応付けたテーブルが図示されている。図中では簡明化のため払出率誤差を全て整数として例示している。この払出情報表示画面においても、タッチパネル2250を介してスクロールアイコンに対するスクロール操作やフリック操作等を行うことで、店舗内の全ての遊技機1の払出情報をスクロール表示させることが可能に構成されている。また、画面右下部には、表示画面を1つ前の表示画面に戻すための戻るアイコンと、表示画面を切り替えるための切替アイコンとが表示されている。
図51(1)は、アラート表示画面の一例を示す図である。
このアラート表示画面は、店舗内のいずれかの遊技機1の払出率が不適正である場合に表示される画面であり、画面中央部に「アラート情報があります。」のメッセージが表示されている。また、画面右下部には、表示画面を1つ前の表示画面に戻すための戻るアイコンと、当該メッセージを確認したことを示すOKアイコンとが表示されている。
図51(2)は、アラート表示画面の一例を示す図である。
このアラート表示画面は、図51(1)のアラート表示画面においてOKアイコンがタッチされることで表示される画面である。このアラート表示画面には、図49(1)の払出情報表示画面と同様に、店舗内の遊技機1を一覧表示したレイアウト画面が表示されている。しかし、図49(1)の払出情報表示画面とは異なり、払出率が不適正と判定された遊技機1の台番号が適正と判定された遊技機1の台番号と色分けして表示されている。
図51(3)は、アラート表示画面の一例を示す図である。
このアラート表示画面は、図51(2)のアラート表示画面において台番号「54」の遊技機1がタッチされたことで表示される画面である。このアラート表示画面は、図49(2)に示した払出情報表示画面と同様の画面であり、最上部に台番号として「54番台」が、遊技機1の機種名として「パチンコZZZ」が表示されている。その下には、当該機種の払出率基準情報として、低ベース状態及び高ベース状態それぞれにおける払出率基準範囲(払出率基準下限値α〜払出率基準上限値β)が表示されている。
また、低ベース状態及び高ベース状態それぞれの払出率基準範囲内に括弧書きで払出率基準値γが表示されている。そして、払出率基準情報の下には、払出率実測情報として、低ベース状態及び高ベース状態それぞれにおける払出率実測値Sと、低ベース状態及び高ベース状態それぞれにおける払出率実測値Sの適否(OK/NG)とが表示されている。ここでは、高ベース状態について払出率実測値Sが不適正と判定されたことで「NG」と色分け表示されている。
図52(1)は、払出情報表示画面の一例を示す図である。
この払出情報表示画面は、図49(2)と同様に、レイアウト画面において台番号「15」がタッチ操作された場合に表示される画面を示したものである。この払出情報表示画面では、15番台の遊技機1において低ベース状態における払出率実測値Sが不適正であったことで「NG」と表示されている。また、画面右下部には、戻るアイコンのほかに、モニタガイド表示を行わせるためのガイドアイコンが表示されている。
図52(2)は、モニタガイド表示画面の一例を示す図である。
このモニタガイド表示画面は、図52(1)の払出情報表示画面においてガイドアイコンがタッチされることで表示される画面であり、最上部に遊技機1の機種名として「パチンコXXX」が、その下に表示モニタ29を搭載した遊技機1であることを示す「表示モニタ搭載機」が表示されている。そして、その下には、表示モニタ29の構造と表示モニタ29の確認方法とを含むモニタガイド情報が表示されている。
[2−11.用途]
[2−11−1.データ表示装置の用途]
図45及び図46に示したデータ表示装置1200の表示部1230に表示される払出比率適否判定用表示1230A〜1230Fによって、遊技者や店舗の従業員は、対応する遊技機1の払出率が適正であるか否かを確認することができる。
遊技機1で遊技を行っている遊技者は、表示を確認して払出率が不適正であると判断したならば、呼出ボタンを押下して店舗の店員を呼び出して、払出率が不適正である可能性があることを指摘することができる。この際、店舗の店員は、表示部1230に表示された払出率適否情報表示を確認し、遊技者の指摘が妥当であると判断したならば、遊技機1のガラス扉枠3aを開放し、主基板11の中央に設けられた表示モニタ29(図4参照)を確認する。
第1実施形態で説明したように、役比(%)は、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合として算出される。本実施形態では、前述したように、低ベース払出率実測値の算出においては、一般入賞口及び第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球を対象としているため、低ベース払出率実測値は「100(%)−役比(%)」として概算することができる。つまり、本実施形態における非大当り中かつ低ベース状態における払出率は、第1実施形態で説明した役比と同義であると言える。
また、第1実施形態で説明したように、連比(%)は、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合として算出される。本実施形態では、高ベース払出率実測値の算出においては、一般入賞口、第1始動入賞口(ヘソ)及び第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球を対象としているため、高ベース払出率実測値は「100(%)−連比(%)」として概算することができる。つまり、本実施形態における非大当り中かつ高ベース状態における払出率は、第1実施形態で説明した連比と同義であると言える。
この場合、店舗の店員は、表示モニタ29に表示されている役比や連比を参照することで、実際に払出率に影響する不具合が生じているか否かを判断することができる。そして、不具合が生じていると判断したならば、当該遊技機1を稼働停止させた上で、当該遊技機1の再整備(例えば遊技釘の再整備)を行うことができる。
[2−11−2.携帯端末の用途]
(1)払出情報の用途
図49及び図50に示した携帯端末2000の表示部2300に表示される払出情報表示画面から、携帯端末2000を所持する店舗の店員は、レイアウト表示された店舗内の遊技機1の中から任意の遊技機1を選択して、その払出率が適正であるか否かを確認することができる。そして、店舗の店員は、払出率が不適正(NG)と表示されている遊技機1に出向いてガラス扉枠3aを開放し、主基板11の中央に設けられた表示モニタ29(図4参照)を確認し、表示モニタ29に表示されている役比や連比を参照することで、実際に払出率に影響する不具合が生じているか否かを判断することができる。そして、不具合が生じていると判断したならば、当該遊技機1を稼働停止させた上で、当該遊技機1の再整備(例えば遊技釘の再整備)を行うことができる。
また、図51に示した携帯端末2000の表示部2300に表示されるアラート表示画面から、店舗の店員は、払出率が不適正と判定された遊技機1が生じたことを知ることができる。その上で、店舗の店員は、払出率が不適正と判定された遊技機1の台番号を確認し、当該遊技機1に出向いてガラス扉枠3aを開放し、主基板11の中央に設けられた表示モニタ29(図4参照)を確認し、表示モニタ29に表示されている役比や連比を参照することで、実際に払出率に影響する不具合が生じているか否かを判断することができる。そして、不具合が生じていると判断したならば、当該遊技機1を稼働停止させた上で、当該遊技機1の再整備(例えば遊技釘の再整備)を行うことができる。
また、図52に示した携帯端末2000の表示部2300に表示されるモニタガイド表示画面から、店舗の店員は、店舗内の任意の遊技機1について、表示モニタ29の搭載の有無と、表示モニタ29を搭載している遊技機1については、その表示モニタ29をどのように確認すればよいかを知ることができる。
(2)頭取り情報の用途
店舗の店員は、携帯端末2000を所持して他の遊技店に出向いて調査を行うことができる。この際、店舗の店員は、ホールコンピュータ600から携帯端末2000に送信される店舗基本データに基づいて、出向いた遊技店の基本情報を確認した上で調査を行う。
また、店舗の店員は、出向いた遊技店に設置された遊技機の稼働状況を確認し、稼働情報として携帯端末2000に入力する。また、店舗の店員は、当該遊技店に設置された遊技機で実際に遊技を行い、大当り回数(総大当り回数、確変大当り回数、通常大当り回数)や初当りまでに要した回転数、確変状態における連荘(連チャン)した回数等の情報を確認し、基本遊技情報として携帯端末2000に入力する。また、店舗の店員は、非大当り中且つ低ベース状態と非大当り且つ高ベース状態とのそれぞれについて、遊技に使用した使用球数と遊技によって獲得した獲得球数とを記録しておき、これを払出情報として携帯端末2000に入力する。
店舗の店員は、自店舗に戻ってきた際に、出向いた遊技店での調査で携帯端末2000に入力した稼働情報と遊技情報(基本遊技情報報、払出情報)とを含む頭取り情報を、携帯端末2000からホールコンピュータ600に送信する。そして、ホールコンピュータ600は、複数台の携帯端末2000から受信した頭取り情報に基づいて、他の遊技店における頭取り情報を集計する。
上記のうち、本発明において特徴的であるのは、他の遊技店での調査で取得した払出情報を自店舗のホールコンピュータ600で集計することで、自店舗での運営に活かすことができる点である。つまり、他の遊技店の払出情報を集計可能とすることで、自店舗の払出情報と他店舗の払出情報とを比較することができ、この情報を自店舗における遊技機の整備に活かすことができる。例えば、他の遊技店における払出率が自店舗よりも高い傾向がある場合には、払出率が他の遊技店よりも高くなるように自店舗の遊技機の整備を行うことができる。
(3)サービスの用途
遊技機1で遊技を行っている遊技者は、遊技中に回転率の低さなどに疑問を感じる場合がある。この場合には、店舗が提供するサービスの一環として、遊技者は、データ表示装置1200を操作するなどして店舗の店員を呼び出し、遊技機1の払出率が適正であるかを確認するように要求することができる。
呼び出された店員は、遊技者から事情を聞いた上で携帯端末2000を操作し、当該遊技機1の遊技機IDを含む払出情報確認要求信号を、携帯端末2000からホールコンピュータ600に送信させる。ホールコンピュータ600は、携帯端末2000から払出情報確認の要求があった遊技機1について払出率を確認する処理を行い、払出率が適正であるか否かを判定する。そして、その判定結果を携帯端末2000に送信する。
店舗の店員は、払出情報確認を要求した遊技機1の払出率の適否を携帯端末2000の表示画面で確認する。そして、払出率が適正である場合には、遊技者にその旨を伝え、遊技を継続するように促すことができる。一方、払出率が不適正である場合には、遊技者にその旨を伝え、遊技を停止するように促すことができる。そして、当該遊技機1のガラス扉枠3aを開放し、主基板11の中央に設けられた表示モニタ29(図4参照)を確認し、表示モニタ29に表示されている役比や連比を参照することで、実際に払出率に影響する不具合が生じているか否かを判断する。そして、不具合が生じていると判断したならば、当該遊技機1を稼働停止させた上で、当該遊技機1の再整備(例えば遊技釘の再整備)を行うことができる。
[2−12.作用効果]
第1遊技用システム1000Aでは、店舗内の遊技機1の遊技情報を管理するホールコンピュータ600(管理装置)と、当該ホールコンピュータ600と通信可能な携帯端末2000(端末装置)とを備えて構成される。
携帯端末2000は、遊技機1において非大当り中(非有利状態中)に遊技者が使用した遊技価値であるアウト数(使用遊技価値)に対する遊技者が非大当り中(非有利状態中)に獲得した遊技価値である払出数の割合である払出率(相対値)の基準に関する情報である払出率基準範囲又は払出率基準値(基準相対情報)と、遊技機1での払出率の実測値である払出率実測値(実測相対値)と、に基づく情報であって、ホールコンピュータ600から送信される遊技機1の払出情報(特定情報)を遊技機1の台番号と対応付けて表示可能な表示部2300を備える。
これによれば、遊技機の非大当り中における払出率の基準に関する基準相対情報と払出率実測値とに基づく特定情報を、店舗の店員が所持する携帯端末2000で確認することが可能となる。その結果、遊技機1において設計値通りの払出率となっているか否かを判断することが可能となる。
また、第1遊技用システム1000Aでは、遊技機1(遊技機)に対応して、データ表示装置1200が設けられる。
データ表示装置1200は、遊技機1において非大当り中(非有利状態中)に遊技者が使用した遊技価値であるアウト数(使用遊技価値)に対する遊技者が非大当り中(非有利状態中)に獲得した遊技価値である払出数の割合である払出率(相対値)の基準に関する情報である払出率基準範囲又は払出率基準値(基準相対情報)と、対応する遊技機1での払出率の実測値である払出率実測値(実測相対値)と、に基づく特定情報と、対応する遊技機1での遊技履歴に関する情報と、を表示可能である。
これによれば、対応する遊技機について、非大当り中における払出率の基準に関する基準相対情報と払出率実測値とに基づく特定情報を表示によって確認することが可能となる。その結果、遊技機1において設計値通りの払出率となっているか否かを判断することが可能となる。
[2−13.変形例]
[2−13−1.払出率基準情報の登録]
上記の実施形態では、遊技機1の払出率基準情報を、例えば店舗の管理者が、遊技機メーカから提供される各機種の遊技機1それぞれについての取扱説明書を参照してホールコンピュータ600に入力する作業を行うことで、ホールコンピュータ600に登録することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、携帯端末2000を利用して、払出率基準情報をホールコンピュータ600に登録するようにしてもよい。
図53は、この場合に携帯端末2000の処理部2100が図42の払出情報端末処理に代えて実行する第2払出情報端末処理及びホールコンピュータ600の処理部610が図42の払出情報管理処理に代えて実行する第2払出情報管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図42の処理と同一のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
最初に、払出情報端末処理部2113は、操作部2200を介して遊技機1の払出率基準情報が入力されたか否かを判定し(U1)、入力されたと判定したならば(U1;Yes)、払出率基準情報データ生成処理を実行する(U3)。具体的には、入力された遊技機の機種名と払出率基準情報とを対応付けたデータを生成し、払出率基準情報データとして記憶部2900に記憶させる。
次いで、払出情報端末処理部2113は、操作部2200を介して払出率基準情報データを送信する操作がなされたか否かを判定し(U5)、なされたと判定したならば(U5;Yes)、記憶部2900に記憶されている払出率基準情報データをホールコンピュータ600に送信させる制御を実行する(U7)。そして、払出情報端末処理部2113は、Q1へと処理を移す。
払出情報管理処理部613は、携帯端末2000から払出率基準情報データを受信したか否かを判定し(V1)、受信したと判定したならば(V1;Yes)、受信した払出率基準情報データから特定される機種名の遊技機について、払出率基準情報を機種情報設定用テーブル685の対応する遊技機ID及び機種名の機種情報設定用データに記憶させる(V3)。そして、払出情報管理処理部613は、R1へと処理を移す。
このようにすることで、新台入替時などに新たな機種の遊技機1が遊技店に導入された場合に、店舗の管理者や店員が携帯端末2000を操作して、その新たな機種についての払出率基準情報をホールコンピュータ600に簡易に登録させることが可能となる。この場合、新たに払出率基準情報が登録された機種の遊技機1に対応して設けられるデータ表示装置1200については、ホールコンピュータ600から表示装置設定用データ691を送信して新たに設定を行わせるようにすればよい。
なお、上記の実施形態のようにホールコンピュータ600から送信される設定用データに基づいてデータ表示装置1200に払出率基準情報を記憶させるようにするのではなく、携帯端末2000からデータ表示装置1200に対して上記の払出率基準情報データを送信することで、データ表示装置1200に払出率基準情報を記憶させるようにすることも可能である。
[2−13−2.携帯端末における表示]
上記の実施形態において、携帯端末2000の処理部2100が、遊技機1の外部出力に関する情報(以下、「外部出力情報」という。)を表示部2300に表示させるようにしてもよい。外部出力情報には、例えば、遊技機1が備える外部出力端子の番号(端子番号)や色(端子色)、それぞれの出力端子から出力される信号の種類や情報の内容、結線等の情報を含めることができる。
より具体的には、処理部2100が、遊技機1から対応して設けられる遊技用装置(データ表示装置1200や後述するカードユニット300等)への外部出力情報や、遊技機1から管理装置(ホールコンピュータ600等)への外部出力情報を、表示部2300に表示させるようにしてもよい。また、遊技機1から遊技用装置及び管理装置に同じ情報が出力されるのであれば、これらの情報を共通に表示させ、遊技機1から遊技用装置及び管理装置にそれぞれ異なる情報が出力されるのであれば、それぞれの情報を個別に表示させるようにすればよい。
この場合には、ホールコンピュータ600の機種情報設定用テーブル685(図27参照)において、遊技機1の機種毎に外部出力情報を機種情報設定用データに登録しておけばよい。そして、携帯端末2000からの外部出力情報の要求に応じて、機種情報設定用データに記憶された外部出力情報を携帯端末2000に送信すればよい。携帯端末2000から特定の機種についての外部出力情報の要求があれば、当該機種の外部出力情報を携帯端末2000に送信すればよく、携帯端末2000から店舗内の全ての機種の外部出力情報の要求があれば、全ての機種の外部出力情報を携帯端末2000に送信すればよい。
また、上記の実施形態のように、遊技機にアウト球検出器200を付設してアウト球検出器200からアウト信号を外部出力するようにすることも可能であるが、各入賞口やアウト口を通過した遊技球を検知するためのアウトスイッチを備え、当該アウトスイッチが検知した遊技球の個数が規定球数(例えば10球)に達する毎に、1パルスのアウト信号を直接的に外部出力するような遊技機を構成することも可能である。このような機種の遊技機については、外部出力情報にアウト信号の出力に関する情報を外部出力情報として登録しておくようにすればよい。
上記の機種の遊技機ではアウト球検出器200を遊技機に付設する必要がないため、新台入替時などに携帯端末2000の表示部2300で新台の機種の外部出力情報を確認可能とすることで、アウト球検出器200の設置の要否を店舗の従業員が容易に把握することが可能となり、至便である。
なお、上記のように、ホールコンピュータ600に遊技機の外部出力情報を登録しておいて携帯端末2000に外部出力情報を送信するようにしてもよいが、この他にも、例えば、遊技機メーカに設置されるサーバから遊技機の外部出力情報を携帯端末2000がダウンロードするなどして取得することを可能としてもよい。
また、上記の実施形態では、払出率が不適正と判定された遊技機が存在する場合に、アラート情報を携帯端末2000の表示部2300に表示させることとして説明したが、これに代えて、アラート情報を音出力部2400から音出力させるようにしてもよい。
また、払出率が不適正と判定された遊技機に関するアラート情報の履歴を携帯端末2000の記憶部2900に記憶しておき、このアラート情報の履歴を表示部2300に表示させることで、店舗の店員がいつでもアラート情報の履歴を閲覧することができるようにしてもよい。
[2−13−3.情報表示装置の別例]
図54及び図55は、情報表示装置の別例であるデータ表示装置400の外観構成の一例を示す図である。
データ表示装置400は、該遊技機1で遊技する遊技者向けに少なくとも該遊技機1から出力される情報に基づく遊技情報を表示する第1表示部430と、該遊技機1で遊技する遊技者以外の遊技客、つまり周囲の遊技客向けの情報を表示する第2表示部440との2つのディスプレイを有して構成される。
また、データ表示装置400は、音出力部450としてのスピーカが、筐体上面の中央部に、その音出力口が前面を向くように設置されている。なお、スピーカの設置位置は適宜設計変更可能であり、例えば、筐体上面の左右いずれかの位置や、データ表示装置400の筐体の側部の所定位置に設置することとしてもよい。
以下の説明では、遊技機1で遊技する遊技者を基準として、遊技者に対する手前方向及び奥方向を前後方向、遊技者を基準とする右方向及び左方向を左右方向、遊技者を基準とする上方向及び下方向を上下方向とそれぞれ定義する。
図54(1)及び図54(2)は、データ表示装置400の斜視図である。データ表示装置400の筐体は、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する基体部4Aと、基体部4Aの右端部及び左端部から、それぞれ手前方向に突出するように構成された扉部4Bとを有して構成される。左右の扉部4Bは、その幅が基体部4Aの幅の半分となるようにそれぞれ設計されている。
図54(3)は、データ表示装置400の正面図である。基体部4Aの前面には、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する第1表示部430が形成されている。第1表示部430は、遊技者に対向する向きに形成されており、遊技機1で遊技する遊技者は、遊技位置から第1表示部430を視認することができる。つまり、第1表示部430は、遊技者が遊技する遊技位置から該遊技者が視認可能な方向に向けて形成されている。
図54(4)は、データ表示装置400の右側面図である。扉部4Bの左右の面のうちの片面には、遊技機1で遊技する遊技者以外の遊技客向けの情報を表示する第2表示部440が形成されている。第2表示部440は、遊技者から見て右側の扉部4Bについては右面に、遊技者から見て左側の扉部4Bについては左面に形成されている。つまり、第2表示部440は、それぞれの扉部4Bのうちの外側の面に形成されており、遊技者は第2表示部440を遊技位置から視認することはできない。一方で、遊技機1を正面視しない遊技者以外の遊技客、例えば、遊技島の端からその遊技島の遊技機1を見渡して遊技を開始する遊技機1を選んでいるような遊技客は、第2表示部440を視認することができる。
図54(2)に示すように、左右の扉部4Bは、内側に向けて折り畳み収納可能に構成されている。具体的には、左右の扉部4Bは、それぞれヒンジ部4Cによって内側に向けて折り畳むことが可能である。左右の扉部4Bの幅はいずれもヒンジ部4Cを除いた基体部4Aの幅の半分となるように設計されているため、左右の扉部4Bを閉じると基体部4Aとちょうど重なり合った状態となり、このとき左右の扉部4Bは基体部4Aと平行になり、第1表示部430は左右の扉部4Bで覆われる。このように、左右の扉部4Bを内側に折り畳むことが可能となっているため、データ表示装置400を遊技島に設置する際や遊技島から取り外す際は、左右の扉部4Bを折り畳んだ状態で設置作業や取り外し作業を容易に行うことができる。
また、第2表示部440は、扉部4Bを開いた状態では遊技者が視認できない外側の面に形成されているが、扉部4Bを閉じた状態では、遊技者が第2表示部440を正面から視認可能な状態となる。このように、データ表示装置400は、第1表示部430を遊技者が視認可能であるが第2表示部440を遊技者が視認不能(一方で遊技者以外の遊技客は視認可能)な第1状態(第2表示部440が第1表示部430と垂直になった状態)とすることが可能であるとともに、第1表示部430を遊技者が視認不能であるが第2表示部440を遊技者が視認可能な第2状態(第2表示部440が第1表示部430と平行になった状態)にすることも可能である。
図55は、第2表示部440の詳細構成を示す図である。本実施形態において、第2表示部440は、該第2表示部440の全体を覆う透明なプラスチック蓋447を着脱可能に構成されている。第2表示部440の表示面は、扉部4Bを開いた状態でその筐体面よりも突出する(右側の扉部4Bであれば右側に突出し、左側の扉部4Bであれば左側に突出する)ように設けられており、第2表示部440の筐体面と第2表示部440の表示面との間の段差を形成する外向き嵌合段部441が設けられている。
図55に示すプラスチック蓋447は、底板442の外周端縁に周壁443を突設した蓋部材であり、透光性を有するプラスチック材料によって底板442と周壁443とが一体に成形されたトレイ形状を有している。この底板442の周壁443が突設された側の表面と周壁443の端面(トレイ形状の縁面)との間の段差を形成する内向き嵌合段部444が設けられており、内向き嵌合段部444が外向き嵌合段部441と嵌合されることによって、内向き嵌合段部444の内面が外向き嵌合段部441の外面に係合した状態となり、プラスチック蓋447と第2表示部440とが一体化される構成となっている。
また、プラスチック蓋447の底板442と周壁443によって形成される凹部には、各種の情報を遊技客に報知するためのPOP広告445を入れ込むことが可能に構成されている。POP広告445には、例えば、遊技機1が設置された店舗の営業に関する情報や、店舗で行われるイベントに関する情報を掲載することができる。
図55では、POP広告445の一例として、当日がイベントデーの1つであるレディースデーであることを示すPOP広告445を示している。プラスチック蓋447の凹部にこのPOP広告445を入れ込んだ状態で、その内向き嵌合段部444を扉部4Bの外向き嵌合段部441と嵌合させると、POP広告445は底板442と第2表示部440の表示面との間に挟まれることにより支持され、第2表示部440の表示画面を覆い隠すようになる。
また、プラスチック蓋447は透光性を有するため、入れ込まれたPOP広告445は、底板442を介して外部から遊技客が視認可能である。対応するデータ表示装置400にレディースデーのPOP広告445が掲げられた遊技機1は女性専用台となり、女性のみが遊技をすることができる。
なお、POP広告は上記のイベントデーを告知するものに限らず、例えば、データ表示装置400が対応して設置された遊技機1が新台であることを示す新台情報や、該遊技機1が4円パチンコや2円パチンコ、1円パチンコであることを示す情報、該遊技機1の機種名を示す情報といった各種の情報を掲載することが可能である。
このように第2表示部440にプラスチック蓋447を取り付け可能とすることで、遊技者以外の遊技客向けの情報を遊技者が視認してしまうことを防止できる。また、POP広告を介在させてプラスチック蓋447を取り付けることで、周囲の遊技客は、店舗や遊技機1に関する情報を確認することができる。また、このようにPOP広告等によって第2表示部440を覆うことにより、第2表示部440に潜伏確変状態であることが表示されるような場合など、その表示を遊技者にも遊技者以外の遊技客にも見せたくないような場合に、第2表示部440の表示自体を視認できないようにすることができる。
ここで、仮に第2表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないように設定するためには、ホールコンピュータ600あるいは各データ表示装置400側で、第2表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないようにするための設定処理を行うことが必要となる。これに対して、第2表示部440をPOP広告等の覆体により覆うことにより、このような設定処理を要せず、仮に第2表示部440に潜伏確変状態であることが表示される場合であっても、これを遊技者及び遊技者以外の遊技客に視認させないようにすることができる。
また、例えばレディースデー等のイベント日において、イベントの対象となる遊技者(例えば女性客)に対してのみ、POP広告等を外して第2表示部440を視認可能とする運用を行うようにしてもよい。さらに、このようなイベントの対象となる遊技者(例えば女性客)が遊技を行う場合には、POP広告等を外した上で扉部4Bを内側に折り畳んだ状態(前述した第2状態)として第2表示部440を遊技者から視認可能とした上で、その第2表示部には、潜伏確変状態の表示を行うようにしてもよい。これによれば、イベント対象者等の特定の遊技者のみが、第2表示部440の表示内容を視認することができるようになる。
なお、図55ではデータ表示装置400の第2表示部440を覆う覆体としてプラスチック蓋447を例示したが、覆体はこれに限られるわけではない。覆体を蓋とするのであれば、プラスチック蓋447に限らず、ガラスの蓋や木製の蓋としてもよい。また、蓋以外の覆体として、第2表示部440を囲う庇体を本発明に係る覆体としてもよい。庇体は、例えば、付色されたプラスチック製やビニール製、木製の庇体とすることができる。
図56は、この場合における庇体の一例を示す図である。
第2表示部440が形成された扉部4Bには、その全体を囲うように庇体448が着脱可能に構成されている。具体的には、扉部4Bのうちヒンジ部4Cの接着面以外の面を囲うように正面視コの字型に成形された庇体448が扉部4Bに取り付け可能に構成されている。このような庇体448を扉部4Bに取り付けることで、遊技機で遊技している遊技者から第2表示部440がより一層視認できない状態を作り出すことができる。
なお、庇体448は、扉部4Bの内側の面を囲う底部を備えた底有り構造としてもよいし、底部を備えない底無し構造としてもよい。底有り構造を採用した場合は、庇体448によって扉部4Bの内側の面も囲われた状態となるため、遊技者からは扉部4Bの内側の面さえも視認できない状態となり、あたかも遊技者が隔離されたかのような状態を作り出すことができる。
また、上記の覆体は、必ずしも第2表示部440の全体を覆う覆体である必要はなく、第2表示部440の一部を覆う覆体してもよい。例えば、第2表示部440のうちの中央部のみが覆われるような覆体としてもよいし、第2表示部440の右半分や左半分、上半分、下半分を覆う覆体としてもよい。また、第2表示部440の周囲を覆う覆体としてもよい。
この場合は、上記の実施形態のデータ表示装置1200の表示部1230に表示させた内容を、データ表示装置400の第1表示部430に表示させるようにすればよい。また、データ表示装置400の第2表示部440には、他の情報を表示させるようにすればよい。
図57は、データ表示装置400の第2表示部440に表示させる表示画面の一例を示す図である。
図57(1)は、空き台情報画面の一例を示す図である。
この空き台情報画面には、該遊技機1が空き台であることを示す空き台情報が表示されている。具体的には、画面中央部に「空き台」というメッセージとともに、「今なら遊技できます」というメッセージが表示されている。このメッセージにより、遊技客は、該遊技機1が現在空き台であり、遊技可能であることを知ることができる。
図57(2)は、大当り中画面の一例を示す図である。
この大当り中画面には、該遊技機1が大当り中であることを示す大当り情報が表示されている。具体的には、画面中央部に炎が表示されており、その中に該遊技機1が大当り中であることを示す「大当り中」のメッセージが表示されている。このメッセージにより、遊技客は、該遊技機1が現在大当り中であることを知ることができる。
図57(3)は、潜伏確変中画面の一例を示す図である。
この潜伏確変中画面には、画面中央部に該遊技機1が潜伏確変中であることを示す潜伏確変情報が表示されている。具体的には、画面中央部にギザギザ形状の吹き出しが表示されており、その中に「潜伏確変中」のメッセージが表示されている。また、画面下部には「今がチャンス!!」のメッセージが表示されている。
第2表示部440は遊技者の遊技位置からは視認できないため、遊技者は潜伏確変中であることを知ることはできない。一方、遊技客は、第2表示部440に目を向けることで、該遊技機1が潜伏確変中であることを知ることができる。つまり、観覧している遊技客はその台がチャンス状態であることを知っているが、遊技者はチャンス状態であることを知らずに遊技を続けことになる。また、仮に潜伏確変中であることを知らずに遊技者が遊技をやめて離席した場合、周囲の遊技客は、その台がチャンス状態であることを知っているため、その台に座って遊技を行うことで大当りを期待することができる。これにより、従来の呼出ランプ装置では実現することのできない新たな興趣を生み出すことができる。
図57(4)は、非確変中画面の一例を示す図である。
この非確変中画面には、画面中央部に該遊技機1が非確変状態中であることを示す非確変中情報が表示されている。具体的には、画面中央部に雲状の吹き出しが表示されており、その中に「非確変中」のメッセージが表示されている。また、画面下部には「残念。次に期待を」のメッセージが表示されている。
第2表示部440は遊技者の遊技位置からは視認できないため、遊技者は非確変中であることを知ることはできない。一方、観覧している遊技客は、第2表示部440に目を向けることで、該遊技機1が非確変中であり、大当りする可能性が低いことを知ることができる。
なお、上記のデータ表示装置400は、発光手段を備えない構成であるが、データ表示装置1200と同様に、第1表示部430の周囲(右側、左側、上側、下側)に発光手段としてLEDを設け、データ表示装置1200と同様に、データ表示装置400の制御部が、LEDを発光させる制御を実行するようにしてもよい。
[3.第3実施形態]
[3−1.システム構成]
図58は、第3実施形態における第2遊技用システム1000Bのシステム構成の一例を示す図である。なお、第1遊技用システム1000Aと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
第2遊技用システム1000Bは、遊技島に設置される複数の遊技機1と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種である呼出ランプ装置220と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置、情報表示装置、記録媒体処理装置及び貸出装置の一種であるカードユニット300と、ホールコンピュータ600と、玉管理コンピュータ800と、台端末900と、携帯端末2000と、を備えて構成される。
カードユニット300は、遊技機1の所定側の側方位置に該遊技機1に対して1対1に対応設置され、遊技場に会員登録をしていないビジター遊技者に対して発行されるビジターカードと、遊技場に会員登録をした会員遊技者に対して発行される会員カードとを含む記録媒体である遊技用カードを受付可能に構成され、受け付けた遊技用カードから特定される所有遊技価値を、遊技機1で使用可能とするための処理を実行する。
具体的には、カードユニット300は、遊技用カードから特定される所有有価価値である残額を消費して、遊技機1での遊技に使用される遊技媒体である遊技球を貸し出したり、遊技用カードから特定される所有遊技媒体数である貯玉数や持玉数に基づいて、遊技機1での遊技に使用される遊技媒体である遊技球を払い出す処理、遊技者が獲得した遊技球を計数する処理等の各種の処理を実行する。
本実施形態において、カードユニット300は、第1遊技用システム1000Aと同様に、ホールコンピュータ600から出力される設定用データ(ユニット設定用データ693)に基づいて、払出率指標値の算出や表示に係る各種の設定を行う。そして、カードユニット300は、データ表示装置1200と同様の手法で、払出率の算出やその適否を判定し、これらの結果に基づく特定情報を液晶表示器313に表示する。また、カードユニット300は、対応する遊技機1で遊技する遊技者が所有する遊技価値に関する情報として、遊技者が獲得した遊技球の数である獲得球数を計数して、液晶表示器313に表示する。なお、カードユニット300における各種の設定や払出率の算出、表示等については第2実施形態と略同一の手法によって実現可能であるため、詳細な説明は省略する。
[3−2.信号及び情報の流れ]
図59は、第2遊技用システム1000Bの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末900については図示を省略している。
遊技機1からは、遊技機信号が呼出ランプ装置220と、カードユニット300及びホールコンピュータ600に出力される。
また、遊技機1に付設されるアウト球検出器200からは、アウト信号がカードユニット300及びホールコンピュータ600に出力される。
カードユニット300からは、カード挿入信号、カード排出信号、入金信号、消費信号、所持球数信号、玉払出信号及びユニットエラー信号を含むユニット信号が、呼出ランプ装置220、ホールコンピュータ600及び玉管理コンピュータ800に出力される。
カード挿入信号は、遊技用カードを受け付けた場合に出力状態とされる信号であり、受け付けた遊技用カードに記録されたカードIDや会員ID等の受付IDを含む信号が出力される。
カード排出信号は、受け付けた遊技用カードが排出された場合に出力状態とされる信号である。
入金信号は、遊技者により入金がなされた場合に出力状態とされる信号である。入金信号は、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
消費信号は、残額が消費された場合に出力状態とされる信号である。消費信号も、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
所持球数信号は、遊技者の所持球数を示す信号である。所持球数には、計数払出ユニット380により計数された計数玉数や、会員カードに対応付けられた貯玉数、ビジターカードに対応付けられた持玉数が含まれる。
玉払出信号は、遊技機1に遊技球を払い出した場合に出力状態とされる信号であり、遊技球を払い出した旨及び払い出した遊技球の玉数を含む信号が出力される。
ユニットエラー信号は、カードユニット300何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
また、カードユニット300からは、自装置に挿入された遊技用カードの認証を要求するための認証要求信号が玉管理コンピュータ800に出力される。認証要求信号には、自装置のIDであるユニットIDと、遊技用カードに記録されたカードID(会員カード:会員カードID,ビジターカード:ビジターカードID)とが含まれる。
ホールコンピュータ600からは、カードユニット300が表示や音出力、発光等に係る設定を行うための設定用データであるユニット設定用データ693が、カードユニット300に出力される。
玉管理コンピュータ800は、カードユニット300から出力される認証要求信号に従って認証処理を実行し、認証信号をカードユニット300に送信する。認証信号には、認証結果(OK/NG)が含まれる。また、認証結果がOKである場合には、認証要求信号に含まれるカードIDに対応付けられたカード情報がカードユニット300に出力される。
[3−3.カードユニットの構成]
図60は、カードユニット300の外観構成の一例を示す図である。
カードユニット300の前面には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、計数済玉数を払出すための計数払出操作を受付けるための払出ボタン311と、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309と、装置前面より装置前方側に突出するように形成された表示部355とが設けられている。
表示部355は、タッチパネル314が一体的に構成された液晶表示器313を有し、液晶表示器313に表示された各表示項目をタッチパネル314に対する指触により入力可能に構成されている。また、表示部355には、遊技場の係員が所持する設定用リモコンからの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315が設けられている。
カードユニット300の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ327のカードスロット392に連設されており、このカード挿入口309を介して遊技用カード(ビジターカード、会員カード)をカードスロット392に挿入可能とされている。
遊技用カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これら遊技用カードには、個々のカードを識別可能な会員カードID/ビジターカードIDが予め書き換え不能に記憶されている。そして、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等が記憶される。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数した遊技球を、その翌日以降においても再度遊技に使用したり、景品交換に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、該会員カードには、該貯玉が行われた遊技球数である貯玉数は直接記録されておらず、該貯玉数は、後述するように、玉管理コンピュータ8において、会員カードIDと対応付けて記憶されることで、該会員カードIDから特定されるようになっている。
また、会員カードには、計数払出ユニット380によって計数されたローカル計数玉数に基づく持玉数も直接記録されておらず、該持玉数も、後述するように、会員カードIDと対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット300において遊技に使用でき、また、不図示の景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
また、本実施形態では、ビジターカードにも、計数払出ユニット380によって計数されたローカル計数玉数に基づく持玉数が直接記録されておらず、後述するように、玉管理コンピュータ8においてビジターカードIDと対応付けて記憶して管理されることで、ビジターカードIDから特定されるようになっており、不図示の景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
なお、本実施形態では、タッチパネル314に対する操作により遊技者がカードユニット3に対する各種の操作を行うこととして説明するが、例えば表示部355に、メニュー選択を行うためのメニューボタンや台データを表示させるための台データボタン、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン等の操作ボタンを設けることとしてもよい。
また、表示部355の内部には、後述する液晶表示器313や操作ボタンに対応するスイッチが設けられており、これらが表示部355に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、タッチパネル314による入力位置検出等が該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット300内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット305に出力する紙幣識別ユニット302aが設けられており、該紙幣識別ユニット302aにおいて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット300の略中央部位置には、該カードユニット300を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット305が設けられており、後述するように、該制御ユニット305によって該カードユニット300の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット300と遊技機1とは、払出単位として予め定められた複数個の遊技球の貸出に伴う貸出関連信号や遊技球の払い出しに伴う払出関連信号を送受可能に構成されている。例えば、貸出関連信号には、カードユニット300から遊技機1に遊技球の貸出しを行わせるための貸出要求信号や、遊技機1から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。
カードユニット300からは、ユニット不正信号が出力される。カードユニット300は、遊技者の不正を検出する機能として、例えば、不正電波検知機能や振動検出機能、偽造カードや偽造紙幣の判別機能を有し、これらの機能により不正電波、振動を検出した場合や、偽造カードや偽造紙幣が使用されたと判別した場合に、外部出力基板を介してユニット不正信号が外部出力されるように構成されている。
また、カードユニット300からは、ユニット異常信号が出力される。カードユニット3は、異常を検出する機能として、遊技用カードの挿入/排出不全検出機能や計数払出ユニット380による計数払出不全検出機能を有し、これらの機能により遊技用カードの挿入/排出不全が検出された場合や、計数払出ユニット380による計数払出不全が検出されたような場合に、外部出力基板を介してユニット異常信号が外部出力されるように構成されている。
プリペイド残額は、「カード残額÷単位額」の式で演算される商の整数部分であり、カード残額は、遊技用カードに記録される円単位の残額である。例えば、単位額は100円とすることができ、カード残額が10000円である場合は、プリペイド残額は100となる。
上記の残額は、遊技用カードに直接記録する運用としてもよいし、遊技用カードには記録せずに、玉管理コンピュータ800等の管理装置で管理する運用としてもよい。遊技用カードに残額を記録する場合には、カードユニット300が、受け付けた遊技用カードから残額を読み取ることで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。また、遊技用カードに残額を記録しない場合には、カードユニット300が、受け付けた遊技用カードのカードIDを管理装置に出力し、管理装置から該カードIDに対応付けられた残額データを取得することで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。
カードユニット300は、上記のようにして特定した残額を、プリペイド残額データやカード残額データとして記憶部320に記憶させる。また、カードユニット300は、遊技用カードの受付中は、遊技のための残額の消費や入金による残額の追加によって残額のデータを更新する。そして、遊技用カードに残額を記録する運用では、カードユニット300は、遊技用カードの返却時に、遊技用カードに残額を記録させる。また、管理装置で残額を管理する運用では、遊技用カードの返却時や返却後に、残額のデータを管理装置に出力する。
本実施形態では、残額と言った場合、遊技用カードに対応付けられている残額のことを意味することとして説明する。つまり、入金によって遊技用カードに直接的に記録される残額や、入金によって遊技用カードのカードIDや会員IDと対応付けて上位の管理装置で管理される残額を意味するものとする。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機での遊技で獲得した玉であって、ホールに預けている玉のことを「貯玉」と称する。また、ホールに預けている貯玉の数を「貯玉数」と称する。貯玉数は、管理装置で管理される。原則的に、貯玉数は会員カードに記録させることはできず、記録媒体処理装置が会員カードを受け付けたことに応じて、管理装置で管理されている貯玉数が記録媒体処理装置に送信される。また、当営業日に遊技者が獲得した玉のことを「当日貯玉」と称し、当営業日以前に会員遊技者によって獲得されて貯蓄された玉のことを「過去貯玉」と称する。なお、原則には反するが、貯玉数を会員カードに記録させるようにしてもよい。
当日に遊技者が獲得した貯玉数は、所定条件の成立に応じて、当日貯玉数はその当日に遊技者が貯蓄した貯玉数として確定され、翌営業日以降における過去貯玉数として管理される。所定条件は、例えば、当日の店舗の営業終了後、締め処理が行われることとして定めておくことができる。締め処理は、時刻が所定の締め時刻(例えば深夜10時や深夜0時、深夜2時)となったことや、店舗の管理者によって締め処理の実行操作がなされたこと、店舗の営業終了により管理装置の電源が一旦切断され、次の営業日の営業のために管理装置の電源が立ち上げられたこと、等の条件の成立に応じて実行される。この締め処理が実行されることにより、当日貯玉数は過去貯玉数に加算されてリセットされ、次の営業日以降の過去貯玉として管理されることになる。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機で遊技を行った結果、遊技者の所有となった遊技玉数のことを「持玉」と称する。また、会員カードに対応付けられる当日貯玉と区別するために、ビジターカードに記録されている玉数のことを「持玉数」と称する。
また、本明細書では、遊技機1で発射可能なパチンコ玉であり、残額や持玉、貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成されるパチンコ玉のことを「遊技球」と称する。
また、本明細書では、カードユニット3に対応して設けられる遊技機1のことを「対応パチンコ機」と称し、遊技機1に対応して設けられるカードユニット3のことを「対応ユニット」と称する。
図61は、カードユニット300の機能構成の一例を示すブロック図である。
カードユニット300は、紙幣識別ユニット302aと、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット305とから構成されており、紙幣識別ユニット302a、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット305と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し及び書き込みを行う。
制御ユニット305は、処理部310と、記憶部320と、時計部335とを備えて構成される。
処理部310は、カードユニット3を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される制御装置及び演算装置である。
記憶部320は、ROMやフラッシュROM、EEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。本実施形態において、記憶部320には、処理部310により読み出され、カードユニット処理として実行されるカードユニット処理プログラム321と、ローカル計数玉数のデータであるローカル計数玉数データ323と、払出率集計データ325と、受け付けた遊技用カードのデータである受付カードデータ327と、ホールコンピュータ600から出力されるユニット設定用データ693と、が記憶される。
払出率集計データ325は、対応遊技機1における払出率に係る集計値を記憶したデータであり、第2実施形態で説明した払出率集計データ1295と同様のデータである。
また、カードユニット処理プログラム321は、払出率指標値算出処理として実行される払出率指標値算出プログラム321aと、表示処理として実行される表示処理プログラム321bと、をサブルーチンとして含む。
制御ユニット305は、遊技球の貸出に伴う各種の信号の授受を、対応遊技機1に設けられている不図示の賞球制御基板との間において実施可能に接続されているとともに、前述のように、信号ケーブルを介して、遊技機1の情報出力基板と接続されることで、遊技機信号が入力可能とされている。
また、制御ユニット305は、対応遊技機1の下方位置に設けられているアウト球検出器200に接続されて該アウト球検出器200によるアウト信号が入力可能とされており、これらアウト球検出器200からのアウト信号の入力に応じて、払出率集計データ325を更新する。
また、制御ユニット305は、タッチパネル314に対する操作の有無を把握できるようになっている。タッチパネル314に対する操作を検知すると、制御ユニット305は、当該操作に応じた処理を実行する。
また、制御ユニット305には、前述したように、対応遊技機1の操作部に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
制御ユニット305は、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力や表示部355に設けられている各種ボタンの操作やタッチパネルの操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット302aによる貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ327からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、制御ユニット305に接続されている前記多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ327、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御を行う。
また、制御ユニット305は、カード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付処理や、受付中の遊技用カードから特定した残額を使用した玉貸を行う貸与処理、貨幣の受付に応じて、受付中の遊技用カードに残存する残額への入金、或いは、新たな遊技用カードにプリペイド残額を書き込んで発行する発行・入金処理、返却ボタンによる返却操作により受付中の会員カードやビジターカードの返却する返却処理、払出ボタン311の操作の受付によって所有遊技媒体数(ローカル計数玉数に貯蓄済みの貯玉数や持玉数を加算した玉数)のうちの所定の単位球数の遊技球の払い出しを行う払出処理等の処理を実行する。
また、制御ユニット305は、HUBを介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ600や玉管理コンピュータ800等の外部装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が可能とされている。
また、制御ユニット305に接続された表示制御基板329は、表示部355を構成する液晶表示器313やタッチパネル314、各種の操作ボタン316に対応するスイッチ、IR受光ユニット315、前述した再プレイ表示部内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これらタッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報、IR受光ユニット315から出力された出力信号に基づく情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット305に出力される。
本実施形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部355に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部355に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット305から独立して、各種スイッチ類やタッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット305から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部355を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
カードユニット300は、遊技用カードを受付可能に構成され、遊技用カードを受け付けたカードユニット300は、遊技用カードから特定されるプリペイド残額に応じて、上記の玉貸処理を実行する。また、遊技用カードから特定される貯玉数や持玉数に応じて、上記の払出処理を実行する。
カードユニット300の前面には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。このカード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタに受け付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。紙幣挿入口に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
遊技者が遊技を終えてカードユニット300からカードの返却を受けたときには、カードユニット3に記憶していた持玉が一旦貯玉として玉管理コンピュータ8に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じ又は別のカードユニット3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
また、制御ユニット305には、音出力制御基板319が接続されている。音出力制御基板319は、音出力部350に接続され、制御ユニット305の制御に従って、音出力部350から各種の音を出力させるように制御する。
また、カードユニット300の最下方位置には、遊技球を計数して取り込み、該計数した遊技球を最大端数分、つまり、対応する遊技機1における払出単位個数未満の単位未満端数の最大値だけ貯留するとともに、該単位未満端数の遊技球を計数する計数払出ユニット380が設けられている。以下、「単位未満端数」を「端数」と称する。
なお、カードユニット300の計数払出ユニット380で遊技球を貯留して払い出すようにするのではなく、遊技島に従来公知の遊技球貯留循環装置を構成し、この遊技球貯留循環装置から遊技球を払い出すようにしてもよい。
計数払出ユニット380には、遊技機1の下皿24と、遊技島の繕板との間に配置される横長の箱状とされた連結ボックス340が連結されるようになっている。
この連結ボックス340は、連結ボックス340の終端側に形成された、高さ方向の厚みが比較的大きな終端ボックス(不図示)と、高さ方向の厚みが比較的小さく、終端ボックスと計数払出ユニットとの連結部とを繋ぐように形成された経路ボックス(不図示)とから構成されている。
連結ボックス340は、計数払出ユニット380に連結することで、終端ボックスが下皿24の下方に位置するようになっており、該終端ボックスの上面には、下皿24から排出される遊技球が投入されるホッパ形状とされた投入部345が形成されている。また、終端ボックスの前面下部位置には、遊技者が開閉自在とされ、通常において閉状態となるように付勢されている開閉シャッタを有し、計数払出ユニット380から払い戻し(返却)される端数の遊技球が排出される返却口342が設けられている。
また、経路ボックス内の上部位置には、計数払出ユニット380に向けて傾斜するように設けられ、該投入部345に投入された遊技球を自然流下において計数払出ユニット380に導く2条の流路から成る計数通路343が設けられている。また、該計数通路343の下方位置に返却口342に向けて傾斜するように設けられ、計数払出ユニット380から払出された遊技球を自然流下において返却口342に導く返却通路344が設けられている。
なお、終端ボックス340aの前面上部位置には、遊技者がスライド操作可能とされた計数レバー341が設けられており、該計数レバー341を、付勢に抗してスライドさせることで、投入部345から計数通路343への侵入口に設けられた開閉シャッタ346が開放されるようになっている。
連結ボックス340が連結される計数払出ユニット380の内部には、計数通路343と連結され、カードユニット3の前面側からカードユニット3の内方側に向けて傾斜するように設けられた流入路を有し、該流入路の終端位置には、該流入路を流下する遊技球を検出して計数する計数センサ(不図示)が各条の流路毎に設けられており、計数通路343を通じて計数払出ユニット380に流入した遊技球が、該計数センサにより検出されて計数されるようになっている。計数センサによって計数された場合には、1球の遊技球の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット305に対して出力される。制御ユニット305は、その検出信号が入力される毎に、記憶している所持球数を1加算する。
カードユニット300は、計数払出ユニット380によって計数された玉数をローカル計数玉数データ323として記憶部320に記憶させる。カードユニット3は、遊技用カードの返却時に、ユニットID、カードID及びローカル計数玉数データ323を玉管理コンピュータ8に送信する。受付中の遊技用カードがビジターカードである場合には、ローカル計数玉数データ323に記憶されたローカル計数玉数を持玉数としてビジターカードに記録させる。
玉管理コンピュータ800は、カードユニット3から送信されたユニットID、カードID及びローカル計数玉数データ323に基づいて、ローカル計数玉数を当日貯玉数/持玉数に加算して更新する。
具体的には、玉管理コンピュータ800は、カードIDの種別が会員カードIDである場合には、当該会員カードIDに対応する会員カード管理データの貯玉管理データの当日貯玉数に、ローカル計数玉数データ323から特定されるローカル計数玉数を加算して更新する。
また、玉管理コンピュータ800は、カードIDの種別がビジターカードIDである場合には、当該ビジターカードIDに対応するビジターカード管理データの持玉管理データの持玉数に、ローカル計数玉数データ323から特定されるローカル計数玉数を加算して更新する。
[3−4.処理]
図62は、カードユニット300の処理部310が、記憶部320に記憶されているカードユニット処理プログラム321に従って実行するカードユニット処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、自装置の設定タイミングであるか否かを判定する(K1)。設定タイミングは、例えば、自装置の電源投入時のタイミングとすることができる。この場合における設定タイミングは、自装置の表示内容や操作内容が設定されたことを示す設定済みフラグが「ON」にセットされているか否かを確認することで判定すればよい。なお、設定済みフラグは、設定処理が実行された後に「ON」にセットされ、店舗の営業終了時等に当該カードユニット300の電源を切断する時に「OFF」にクリアされればよい。
設定タイミングであると判定した(設定済みフラグが「OFF」であると判定した)場合(K1;Yes)、処理部310は、ホールコンピュータ600にユニット設定用データ693を要求し、ホールコンピュータ600からユニット設定用データ693を取得する(K3)。
次いで、処理部310は、設定処理を実行する(K5)。なお、この設定処理における設定方法は、第2実施形態で説明したデータ表示装置1200おける設定方法と略同一であるため、説明を省略する。
次いで、処理部310は、ローカル計数玉数データ更新処理の実行を開始する(K7)。具体的には、計数払出ユニット380の計数結果に基づいて、ローカル計数玉数に計数された玉数を加算することで、記憶部320のローカル計数玉数データ327を更新する処理を開始する。
また、処理部31は、払出率集計データ更新処理の実行を開始する(K9)。具体的には、対応遊技機1から送信される遊技機信号に基づいて払出率実測値を算出するために必要な指標値を算出し、記憶部320の払出率集計データ325を更新する処理を開始する。
次いで、処理部310は、遊技可能化処理を実行する(K10)。具体的には、自装置に対する遊技者の操作に基づいて、玉貸処理や玉払出処理等の遊技者が対応遊技機1での遊技を可能とするための処理を実行する。
その後、処理部310は、記憶部320に記憶されている払出率指標値算出プログラム321aに従って、払出率指標値算出処理を実行する(K11)。なお、この払出率指標値算出処理については、第2実施形態で説明した処理と同様の処理によって実現可能であるため、再度の説明を省略する。
次いで、処理部310は、払出率適否判定処理を実行する(K13)。なお、この払出率適否判定処理についても、第2実施形態で説明した処理と同様の処理によって実現可能であるため、再度の説明を省略する。
次いで、処理部310は、払出率の適否判定結果が適正であったか否かを判定し(K15)、不適正であったと判定したならば(K15;No)、対応遊技機1の遊技機IDをホールコンピュータ600に出力する(K17)。このようにすることで、店舗の管理者は、払出率が不適正である可能性のある遊技機1を把握することができ、店舗の店員に当該遊技機1のガラス扉枠3aを開放して表示モニタ26を確認するように指示を与えることができる。
K17の後、又は、払出率の適否判定結果が適正であったならば(K15;Yes)、処理部310は、処理部310は、記憶部320に記憶されている表示処理プログラム321bに従って、表示処理を実行する(K19)。なお、この表示処理についても、第2実施形態で説明した処理と同様の処理によって実現可能であるため、再度の説明を省略する。
次いで、処理部310は、処理を終了するか否かを判定し(K21)、処理を継続すると判定したならば(K21;No)、K1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(K21;Yes)、カードユニット処理を終了する。
[3−5.表示画面]
図63は、カードユニット300の表示部355を構成する液晶表示器313に表示される表示画面の一例を示す図である。
図63(1)は、遊技者に遊技用カードの取り忘れを注意喚起するためのカード取り忘れ報知画面の一例であり、画面中央部に「カードの取り忘れに注意してください。」というメッセージが表示されている。
また、画面右下部には、払出率適否情報表示313Aが表示されている。この払出率適否情報表示313Aは、図45(1)のデータ表示装置1200の表示部1230に表示される払出率適否情報表示1230Aと同様であり、色変化モードによって払出率の適否を表示するものである。
また、カード取り忘れ放置画面の下には、遊技者が対応遊技機1での遊技によって獲得した遊技球数である獲得遊技球数が表示されている。この表示によって、遊技者は、自身が遊技によって獲得した球数を知ることができる。
図63(2)は、カード取り忘れ報知画面の別例を示す図である。
このカード取り忘れ報知画面では、画面右下部に、払出率適否情報表示313Bが表示されている。この払出率適否情報表示313Bは、図45(2)のデータ表示装置1200の表示部1230に表示される払出率適否情報表示1230Bと同様であり、メーターモードによって払出率の適否を表示するものである。
図63(3)は、カード取り忘れ報知画面の別例を示す図である。
このカード取り忘れ報知画面では、画面右下部に、払出率適否情報表示313Cが表示されている。この払出率適否情報表示313Bは、図45(3)のデータ表示装置1200の表示部1230に表示される払出率適否情報表示1230Cと同様であり、誤差モードによって払出率の適否を表示するものである。
なお、ここでは、図45で説明した払出率適否情報表示1230A〜1230Cと同様の表示態様で液晶表示器313に払出率適否情報を表示させる場合を例示したが、図46で説明した払出率適否情報表示1230D〜1230Fと同様の表示態様で液晶表示器313に払出率適否情報を表示させるようにしてもよいことは勿論である。
[4.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[4−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技機として説明したが、遊技機はこれに限られるわけではない。例えば、遊技メダルを用いて遊技可能なスロットマシンを本発明に係る遊技機としてもよい。
また、本発明に係る遊技機として、右打ち機と呼ばれるパチンコ遊技機を適用してもよい。右打ち機では、通常状態では左打ちによって、主として第1始動入賞口(ヘソ)への入賞を狙い、大当り当選によって大当り遊技状態に制御された場合には、右打ちによって大入賞口(アタッカー)への入賞を狙い、その後に制御される高確率/高ベース状態、又は、低確率/高ベース状態では、主として第2始動入賞口(電チュー)への入賞を狙う。
この場合には、低ベース状態における払出率の算出対象を、第1始動入賞口及び左打ち領域に設けられた一般入賞口への入賞による賞球によって払い出された払出数とし、高ベース状態における払出率の算出対象を、第2始動入賞口及び右打ち領域に設けられた一般入賞口への入賞による賞球によって払い出された払出数とすればよい。一般入賞口が存在しない遊技機であれば、低ベース状態における払出率の算出対象を第1始動入賞口のみとし、高ベース状態における払出率の算出対象を第2始動入賞口のみとすればよい。
また、本発明に係る遊技機は、従来型のパチンコ遊技機やスロットマシンに限らず、遊技球を内部に封入して循環させる封入方式パチンコ遊技機や、遊技点(持点)によって遊技を行う遊技点方式スロットマシンとしてもよい。
[4−2.端末装置]
上記の実施形態では、本発明に係る端末装置を携帯電話機(スマートフォン)として説明したが、端末装置はこれに限られるわけではない。例えば、PDAやハンディターミナル、リモコン、ノートパソコン等の端末装置であって、表示部や音出力部等を備える端末装置を本発明に係る端末装置としてもよい。
また、本発明に係る端末装置は、必ずしも携行可能な端末装置としなければならないわけではなく、遊技店に据え置かれる据え置き型の端末装置としてもよい。
[4−3.管理装置]
上記の実施形態では、本発明に係る管理装置をホールコンピュータ600として説明したが、ホールコンピュータ600に代えて、玉管理コンピュータ800やメダル管理コンピュータ16を、本発明に係る管理装置としてもよい。また、会員情報を管理する会員管理コンピュータや、カード情報を管理するカード管理コンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。また、これらの管理コンピュータのうちの2以上の機能を有するコンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。
また、本発明に係る管理装置は、必ずしも遊技機に関する情報を管理する管理装置でなければならないわけではなく、遊技機に関する情報を管理する管理装置とは別に端末装置に特定情報を送信する管理装置を設け、この管理装置から端末装置が特定情報を受信する構成としてもよい。
具体的には、上記の実施形態において、ホールコンピュータ600が実行する管理処理における表示装置設定用データ691やユニット設定用データ693を生成して送信(配信)する処理を、ホールコンピュータ600ではなく、玉管理コンピュータ800や会員管理コンピュータ、カード管理コンピュータ等の管理装置が実行するようにしてもよい。
[4−4.情報表示装置]
上記の実施形態では、本発明に係る情報表示装置を、大型の液晶ディスプレイによって遊技情報等を表示するデータ表示装置1200、400や、記録媒体処理装置の一種であるカードユニット300として説明したが、情報表示装置はこれに限られるわけではない。例えば、前述した呼出ランプ装置220を本発明に係る情報表示装置としてもよいし、持玉カードを処理する記録媒体処理装置であって、表示部を備える台間計数ユニットを本発明に係る情報表示装置としてもよい。
[4−5.遊技用システム]
上記の実施形態で説明した遊技用システムは、本発明を実現するための遊技用システムの一例に過ぎず、適宜設計変更することが可能であることは勿論である。
例えば、上記の実施形態では、遊技機から出力される信号が情報表示装置や遊技用装置に直接的に入力される遊技用システムを構成したが、これに限らず、遊技機から出力される信号が管理装置に入力され、これらの信号が管理装置を介して間接的に情報表示装置や遊技用装置に入力される遊技用システムを構成してもよい。
また、上記の実施形態では、カードユニット300が計数手段である計数払出ユニット380を備えることとして説明したが、遊技用装置に計数手段を備えないようにすることも可能である。例えば、ホールコンピュータ600が、各遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて、出玉数や差玉数を演算するようにしてもよい。
具体的には、例えば、ホールコンピュータ600が、各遊技機1それぞれについて、当該遊技機1から出力される賞球信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて差玉数を演算するようにし、計数玉数や差玉数等の情報を、遊技用装置に出力するようにしてもよい。
また、上記の実施形態とは異なるが、遊技機1において算出された役比や連比が不適正な値である場合に、その旨を示す信号(例えば払出率異常信号)を情報表示装置に出力するように構成し、情報表示装置は、遊技機1から出力される払出率異常信号に基づいて、所定報知を実行するようにしてもよい。
例えば、情報表示装置をデータ表示装置1200とする場合には、データ表示装置1200が対応遊技機1から払出率異常信号を受信した場合に、払出率が不適正である旨を示すメッセージを表示部1230に表示させたり、同様の音声メッセージや警告音を音出力部1240から音出力させたり、発光部1250を赤色で発光させるなどして、払出率が不適正である旨を遊技者や店舗の店員に報知するようにしてもよい。情報表示装置をカードユニット300とする場合についても同様である。
また、上記の実施形態において、情報表示装置が払出率実測値を算出するようにするのではなく、ホールコンピュータ600等の管理装置が、遊技機1から出力される遊技機信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて払出率実測値を算出し、算出した払出率を情報表示装置に出力するようにしてもよい。この場合、情報表示装置は、管理装置から入力した払出率実測値と、予め設定しておいた払出率基準範囲又は払出率基準値とに基づいて払出率実測値の適否を判定して、上記の実施形態と同様の払出率適否情報表示を行うようにすればよい。
また、この場合において、ホールコンピュータ600等の管理装置が払出率実測値を算出した上で、算出した払出率実測値と、予め記憶しておいた対応する遊技機1の払出率基準範囲又は払出率基準値とに基づいて払出率実測値の適否を判定し、その判定結果を情報表示装置に出力するようにしてもよい。この場合、情報表示装置は、管理装置から払出率実測値が不適正である旨の判定結果を入力した場合には、払出率が不適正である旨を示すメッセージを表示部に表示させたり、同様の音声メッセージや警告音を音出力部から音出力させたり、発光部を赤色で発光させるなどして、払出率が不適正である旨を遊技者や店舗の店員に報知するようにすればよい。
また、上記の実施形態では、情報表示装置の表示部に払出率適否情報を表示させることとして説明したが、これをホールコンピュータ600の表示部625に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、払出率が不適正である可能性のある遊技機を把握することができ、店舗の店員に当該遊技機1のガラス扉枠3aを開放して表示モニタ26を確認するように指示を与えることができる。
また、ホールコンピュータ600が各遊技機1での遊技履歴を集計し、その集計データを表示部625に表示させるようにしてもよいし、データ表示装置1200、400から遊技履歴の集計データを取得し、その集計データを表示部625に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、各遊技機における遊技履歴を把握することが可能となる。
また、玉管理コンピュータ800が各遊技機1での遊技によって遊技者が獲得した獲得玉数を集計し、その集計データを表示部830に表示させるようにしてもよいし、カードユニット300から獲得玉数の集計データを取得し、その集計データを表示部830に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、各遊技機での遊技において遊技者が獲得した獲得玉数を把握することが可能となる。
また、上記の実施形態において、携帯端末2000がホールコンピュータ600から払出情報を取得するようにするのではなく、データ表示装置1200やカードユニット300等の情報表示装置から払出情報を取得するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、役比や連比が不適正な値となった場合に遊技機1からホールコンピュータ600にセキュリティ信号を出力するように構成し、ホールコンピュータ600は、遊技機1からセキュリティ信号を受信した場合に、当該遊技機1の遊技機IDを含むアラート信号を携帯端末2000に送信するようにしてもよい。この場合、携帯端末2000は、ホールコンピュータ600からアラート信号を受信した場合に、アラート情報の表示や音出力をするようにすればよい。
また、本発明に係る遊技用システムは、前述した封入方式パチンコ遊技機や遊技点方式スロットマシン等の遊技機と、これらの遊技機の遊技情報を管理する管理装置とを備える遊技用システムについても同様に適用可能である。
[4−6.相対値]
上記の実施形態では、本発明に係る相対値を、アウト数に対する払出数の割合として算出される払出率として説明したが、本発明に係る相対値はこれに限られるわけではない。
具体的には、アウト数と払出数との差数として算出される差玉数を相対値として算出して表示するようにしてもよい。この場合、本発明に係る基準相対情報は、差玉数の基準値(差玉設計値)や差玉数の基準範囲(差玉設計範囲)とすればよい。
また、管理装置が、上記の実施形態で説明したパチンコ遊技機1と同様に、連比や役比を相対値として算出するようにし、算出した連比や役比を特定情報として端末装置に送信するようにしてもよい。
また、管理装置が各種の相対値を算出する際に、上記の実施形態で説明したパチンコ遊技機1と同様に、短期の相対値や累積の相対値を算出するようにしてもよい。例えば、払出率を算出する際に、短期の払出率(短期払出率)や累計の払出率(累計払出率)を算出するようにしてもよい。
これらは、情報表示装置についても同様である。
[4−7.特定情報]
上記の実施形態では、特定情報を払出率誤差や払出率適否情報等の払出情報として説明したが、特定情報はこれらに限られるわけではなく、基準相対情報と実測相対値とに基づく情報であれば任意の情報を特定情報とすることができる。上記の実施形態のように相対値を払出率とするのであれば、払出率基準情報と払出率実測値とを対比可能な態様(例えば払出率基準値と払出率実測値とを並べて表示するもの)で示す情報や、払出率実測値が払出率基準下限値や払出率基準上限値からどの程度ずれているかを数値的に示す情報等を特定情報としてもよい。
また、管理装置から端末装置に送信する特定情報には、遊技機の識別情報(遊技機IDや台番号、機種名等)を含めてもよいし、含めないこととしてもよい。遊技機の識別情報を含めない場合には、特定情報を要求した遊技機の識別情報と管理装置から送信される特定情報とを対応付けたデータを端末装置側で生成して記憶するようにすればよい。
[4−8.表示態様]
上記の実施形態では、払出率が不適正と判定された表示部分を色分け表示したり、払出率が不適正と判定された遊技機の識別情報を色分け表示するなどすることで、遊技店の店員が払出率が不適正である遊技機を確認することを可能としたが、払出情報の表示態様はこれらに限られるわけではない。例えば、払出率が不適正と判定された表示部分を点滅表示させたり、払出率が不適正と判定された遊技機の識別情報を点滅表示させるなどしてもよい。
また、払出率実測値と払出率基準値との乖離度合いに基づいて、払出情報等の表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、払出率が不適正と判定された表示部分や払出率が不適正と判定された遊技機の識別情報を、乖離度合いが小さい順に「緑色→黄色→赤色」と段階的に変化させて表示させるなどしてもよい。
また、端末装置の表示部に払出情報等を表示させる表示態様についても、上記の実施形態で説明した表示形態はあくまでも一例に過ぎず、適宜設計変更することが可能であることは勿論である。
[4−9.払出情報の対象]
上記の実施形態では、情報表示装置が、遊技機1の非大当り中且つ低ベース状態と非大当り中且つ高ベース状態との2つの遊技状態の両方を対象として、払出率の算出や払出率情報の表示を行うこととして説明した。しかし、これに限らず、いずれか一方の遊技状態については、情報表示装置が払出率の算出や払出率に関連する情報の表示を行う対象から除外するようにしてもよい。
高ベース状態とは異なり、低ベース状態は、いわば遊技者にとって不利な遊技状態であるため、非大当り中且つ低ベース状態における払出率は、遊技者にとって注目すべき情報であると言える。そこで、例えば、非大当り中且つ高ベース状態を対象から除外し、情報表示装置が非大当り中且つ低ベース状態のみについて、払出率の算出や払出率に関連する情報の表示を行うようにしてもよい。
同様に、管理装置が、遊技機1の非大当り中且つ低ベース状態と非大当り中且つ高ベース状態との2つの遊技状態のうちのいずれか一方の遊技状態については、払出率の算出の対象から除外するようにしてもよい。また、端末装置も、遊技機1の非大当り中且つ低ベース状態と非大当り中且つ高ベース状態との2つの遊技状態のうちのいずれか一方の遊技状態については払出情報の表示の対象から除外するようにしてもよい。
[4−10.モニタガイド表示]
上記の実施形態では、遊技機1に内蔵される表示モニタ29の構造や表示モニタ29の確認方法等を含むモニタガイド情報を、携帯端末2000の表示部2300に表示させることとして説明した。
一般的に遊技店には多くの機種の遊技機が設置されるため、店舗の店員は全ての機種の遊技機の構造を把握することは困難である。そこで、各機種それぞれについて、遊技機のガラス扉の開閉方法や表示モニタの設置位置の情報を端末装置に表示させたり、表示モニタを確認するまでの操作手順を端末装置に表示させるなどしてもよい。
[4−11.遊技機が出力する信号の種類]
上記の実施形態では、遊技機1から遊技機信号が外部装置に出力され、遊技機1の背面に設けられるアウト球検出器200からアウト信号が外部装置に出力されることとして説明した。しかし、必ずしもこのようにしなければならないわけではなく、各入賞口又はアウト口を通過した遊技球を検知するためのアウトスイッチを備える遊技機を構成し、アウトスイッチが検知した遊技球の個数が規定球数(例えば10球)に達する毎に、1パルスのアウト信号を遊技機から直接的に外部装置に出力するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技機1から賞球信号を出力する際の第1規定球数を「10球」として説明したが、必ずしもこのように構成しなければならないわけではなく、第1規定球数を「1球」としてもよい。同様に、アウト信号についても、第2規定球数を「1球」としてもよい。
また、上記の実施形態で説明した信号の種類の他にも、遊技機から外部装置に出力させる信号の種類は、適宜設計変更することが可能である。
図64は、遊技機が外部装置に出力する信号の別例を示す図である。
この遊技機からは、試験信号と情報出力信号との2種類の信号が外部出力基板から出力されるように構成されている。
試験信号は、遊技機の性能確認のために用いられる信号であって、試験機関における外部試験装置が遊技機の動作や状態の検査(確認)を行うことを可能とする信号である。
一方、情報出力信号は、外部装置に遊技機に関する情報を通知するための信号である。
この場合、試験信号には、例えば、役物連続作動装置作動中信号と、第2始動口作動中信号と、大入賞口作動中信号と、を含めることができる。また、情報出力信号には、始動信号と、賞球信号と、セキュリティ信号と、を含めることができる。
役物連続作動装置は、遊技機において確変状態に移行する契機となる特定図柄で当選した場合に作動する装置である。役物連続作動装置の作動によって大入賞口が開放状態とされる場合には、遊技機は大当り遊技状態に制御され、その後に確変状態に制御される。なお、役物連続作動装置の作動によらずに大入賞口が開放状態とされる場合には、いわゆる小当りとなり、小当り遊技状態に制御される。
役物連続作動装置作動中信号は、上記の役物連続作動装置が作動状態となったときにON状態となる信号である。
第2始動口作動中信号は、普通可変入賞球装置が作動して第2始動入賞口が開放状態となるときにON状態となる信号である。
大入賞口作動中信号は、特別可変入賞球装置が作動して大入賞口が開放状態であるときにON状態となる信号である。
上記の試験信号に基づくことで、大当り遊技状態、小当り遊技状態、確変状態、時短状態等の遊技機の遊技状態の判定を共通化し、遊技状態の簡易な判定を実現することが可能となる。つまり、連続作動装置作動中信号を受信している間は、遊技機は大当り遊技状態であると判定することができ、連続作動装置作動中信号の受信が終了した後は、遊技機は確変状態であると判定することができる。一方、連続作動装置作動中信号を受信せずに大入賞口作動中信号を受信すれば、遊技機は小当り遊技状態であると判定することができる。また、第2始動口信号を受信している間は、遊技機は時短状態であると判定することができる。
上記の試験信号を前述した実施形態に適用する場合には、外部装置は、試験信号に基づいて、遊技機が「非大当り中かつ低ベース状態」及び「非大当り中かつ高ベース状態」のいずれであるかを判定し、「非大当り中かつ低ベース状態」と判定した場合には低ベース払出率実測値を算出し、「非大当り中かつ高ベース状態」と判定した場合には高ベース払出率実測値を算出するようにすればよい。
[4−12.役比・連比の表示]
上記の実施形態において、遊技機が内部的に算出した役比や連比等に関する情報を管理装置に出力するように構成し、管理装置が、遊技機から入力したこれらの情報を特定情報として端末装置に送信するようにしてもよい。そして、端末装置が、管理装置から取得した役比や連比等の情報を遊技機の識別情報と対応付けて表示するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、遊技機1が内部的に算出した役比や連比等に関する情報を情報表示装置に出力するように構成し、情報表示装置が、遊技機1から入力したこれらの情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
[4−13.払出率に異常が生じた場合の処理]
上記の実施形態では、払出率が不適正と判定された遊技機のID(遊技機ID)を情報表示装置がホールコンピュータ600に出力することで、ホールコンピュータ600は異常が生じている可能性のある遊技機1を特定することができる。そこで、ホールコンピュータ600の処理部610が、店舗内の全ての遊技機の配置が示されたレイアウト画面において、情報表示装置から遊技機IDを受信した遊技機を色分けして表示部625に表示させるなどしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、異常が生じている可能性のある遊技機1を店舗の管理者が一見して把握することが可能となる。
[4−14.管理装置における設定]
上記の実施形態において、ホールコンピュータ600が、遊技機1の製造メーカに設置されるサーバから機種情報をダウンロードすることを可能とし、新台となる遊技機1が店舗に導入される際などに、この新台の払出率基準情報を製造メーカのサーバからダウンロードするようにしてもよい。また、この際、払出率基準情報ばかりでなく、遊技機1が備える外部出力端子や出力される遊技機信号の種類の情報等を含む設計情報を、製造メーカのサーバからダウンロードするようにしてもよい。
このようにすることで、ホールコンピュータ600は、払出率の算出方法や払出率の適否の判定方法を遊技機の機種毎に管理することが可能となる。
[4−15.情報表示装置における設定]
上記の実施形態では、本発明に係る情報表示装置が、管理装置から送信される設定用データに基づいて、各種の設定を行うこととして説明した。この場合、店舗に設置された全ての情報表示装置について一括設定を行うようにしてもよいし、遊技島単位で一括設定を行うようにしてもよいし、情報表示装置毎に個別設定を行うようにしてもよい。特に、同種の遊技機が設置される遊技島単位で設定を行うようにすると効果的である。
また、情報表示装置の操作部への設定操作がなされたことを特定可能な信号に基づいて情報表示装置が設定を行うようにしてもよいし、情報表示装置の記憶部に設定用データを予め記憶させておき、店舗の従業員が操作部から設定の実行操作を行うことで、情報表示装置が設定を行うことを可能としてもよい。
また、店舗の管理者や従業員が、設定用リモコン700から情報表示装置に設定信号を送信させることによって情報表示装置が設定を行うことを可能としてもよい。
さらに、インターネット等の通信ネットワークを利用して店舗外に設置される外部装置(例えばカード会社に設置されるサーバ)から設定用情報をダウンロードすることを可能とし、ダウンロードした設定用情報に基づいて、情報表示装置や設定を行うことを可能としてもよい。
また、上記の情報表示装置の設定は、基本的には、店舗の営業終了後や営業開始前といった非営業中に店舗の従業員が行うようにすることが望ましい。つまり、情報表示装置の設定に関するモードとして、非営業中モードを装置のプログラムに規定しておき、この非営業中モードに情報表示装置の設定を行うようにすればよい。
[4−16.遊技履歴や所有遊技価値の表示]
上記の第2実施形態では、情報表示装置の一種であるデータ表示装置1200が、対応する遊技機1での遊技履歴情報を集計して表示部1230に表示させることとして説明したが、これを第3実施形態で説明したカードユニット300が行うようにしてもよい。つまり、情報表示装置の一種であるカードユニット300が、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて遊技履歴情報を集計して、液晶表示器313に表示させるようにしてもよい。
また、上記の第3実施形態では、情報表示装置の一種であるカードユニット300が、対応する遊技機1での遊技によって遊技者が獲得した獲得球数を集計して液晶表示器313に表示させることとして説明したが、これを第2実施形態で説明したデータ表示装置1200が行うようにしてもよい。情報表示装置の一種であるデータ表示装置1200が、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて獲得球数を算出して、表示部1230に表示させるようにしてもよい。
また、各遊技機1の遊技履歴情報を、管理装置の一種であるホールコンピュータ600の表示部625や玉管理コンピュータ800の表示部830に表示させるようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ600は、データ表示装置1200から遊技履歴情報を取得するようにしてもよいし、各遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて処理部610が遊技履歴情報を集計するようにしてもよい。また、玉管理コンピュータ800は、ホールコンピュータ600から遊技履歴情報を取得するなどすればよい。
また、各遊技機1での遊技によって遊技者が獲得した獲得球数を、管理装置の一種であるホールコンピュータ600の表示部625や玉管理コンピュータ800の表示部830に表示させるようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ600は、カードユニット300から獲得球数を取得するようにしてもよいし、各遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて処理部610が獲得球数を集計するようにしてもよい。また、玉管理コンピュータ800は、カードユニット300やホールコンピュータ600から獲得球数の情報を取得するなどすればよい。
[4−17.遊技情報]
上記の実施形態では、情報表示装置が、遊技情報として、遊技履歴情報(総合遊技履歴情報、個人遊技履歴情報等)や獲得球数等の情報を表示することとして説明したが、遊技情報として表示可能な情報はこれらの情報に限られるわけではない。
遊技機が設置される店舗によっては、貸与レートの異なる遊技機の間での乗り入れを許可する店舗が存在する。パチンコ遊技機を例に挙げると、4円パチンコから1円パチンコへの乗り入れや、1円パチンコから4円パチンコへの乗り入れがこれに含まれる。そこで、例えば、貸与レートの異なる遊技機1での貯玉(又は持玉)の払い出しに関する情報を、遊技情報として表示するようにしてもよい。
具体的には、乗り入れで貯玉が払い出された回数や時間、払い出された玉数等の情報を、遊技情報として表示するようにしてもよい。これらの情報は、例えば、玉管理コンピュータ800等の管理装置が集計するようにし、集計した情報を、管理装置からユニット(カードユニットや台間計数ユニット)を介して間接的に情報表示装置に出力したり、管理装置から直接的に情報表示装置に出力するようにすればよい。
また、上記の実施形態では、情報表示装置が、遊技履歴情報として、総合遊技履歴情報と個人遊技履歴情報との2種類の遊技履歴情報を表示させることが可能であることとして説明した。しかし、この他にも、一の遊技履歴情報のより詳細な情報である詳細遊技履歴情報を遊技履歴情報として表示させるようにしてもよい。
具体的には、遊技履歴情報に含まれる大当り回数(総合、確変、通常)について、当日の大当り回数ばかりでなく、過去所定期間分(例えば過去3日分)の大当り回数を詳細遊技履歴情報として表示させるようにしてもよいし、出玉グラフについて、当日の出玉グラフばかりでなく、日別の出玉グラフや台別の出玉グラフを詳細遊技履歴情報として表示させるようにしてもよい。
[4−18.記録媒体]
遊技者が所持し、遊技機での遊技に使用可能な記録媒体は、上記の実施形態で説明した持玉カード等の遊技用カードに限られるわけではない。例えば、遊技者が所持するスマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末、PDA等の遊技者端末を記録媒体としてもよい。
具体的には、例えば、IC対応の遊技者端末であるスマートフォンが遊技用装置に設けられたICリーダに翳されたことを記録媒体の受付とし、遊技者が電子マネーによる入金を行って遊技機で遊技することを可能としてもよい。また、カード返却ボタンが押下された場合に受付解除待機状態とし、この受付解除待機状態において受付中のスマートフォンと同一のスマートフォンがICリーダに翳された場合に、記録媒体の受付を解除するようにしてもよい。