以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけではない。
[1.第1実施形態]
最初に、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の実施形態について説明する。
パチンコ遊技機において、一般入賞領域への遊技媒体の進入は、遊技媒体が進入することにより特別図柄の可変表示が実行される始動入賞領域への遊技媒体の進入と比較して、遊技への影響が低いものとなっている。また、特別図柄の可変表示の表示結果が特定表示結果となったときには遊技者にとって有利な有利状態に制御されるが、この有利状態において遊技媒体が進入可能となる特定入賞領域への遊技媒体の進入と比較して、遊技者の関心は低く、興趣を高めることが困難なものとなっている。このような事情により、一般入賞領域への遊技媒体の進入が実質的に困難となるように店舗側で遊技釘がメンテナンスされてしまう場合がある。
しかしながら遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。そのため、本来であれば、店舗側でも予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するような(試験を通過するような)遊技釘のメンテナンス状態とされていることが望ましく、そのためには、一般入賞領域への遊技媒体の進入について遊技者の関心を高め、遊技者に一般入賞領域への遊技媒体の進入頻度を意識させる必要がある。
そこで、このような一般入賞領域を有する遊技機において、一般入賞領域に遊技媒体が進入した場合の興趣をさらに高める余地が存在する。本実施形態に係る遊技機では、一般入賞領域を有する遊技機における遊技の興趣を高めることが可能となっている。以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
[1−1.パチンコ遊技機の構成]
図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、「遊技機1」という。)の正面図の一例であり、主要部材の配置レイアウトを示す。また、図2は、遊技機1の機能構成の一例を示すブロック図である。
遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(メーター盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。また、遊技機1は、遊技機用枠3に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠3aを有する。
遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技領域10は、左遊技領域10Aと右遊技領域10Bからなる。遊技領域10は、遊技盤2において遊技球が通過可能な領域であり、遊技領域10の中央を基準として、左側が左遊技領域10A、右側が右遊技領域10Bとなっている。
遊技盤2の所定位置(同図に示す例では、遊技領域10の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう。)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。なお、特別図柄表示装置は1つであってもよい。
遊技盤2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、表示結果を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、図2に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120は、第1特別図柄表示装置4Aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどがある。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、「突確大当り」(「2R確変大当り」ともいう。)となることに対応した飾り図柄(「突確」の文字から構成される図柄)や、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示画面における右下部には、飾り図柄と特別図柄及び後述する普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリア5A,5Bが設けられている。本実施形態では、第1特図の可変表示に同期して第1特図用の第4図柄の可変表示が行われると共に、その可変表示の表示結果の導出表示が行われる第1特図用の第4図柄表示エリア5Aと、第2特図の可変表示に同期して第2特図用の第4図柄の可変表示が行われると共に、その可変表示の表示結果の導出表示が行われる第2特図用の第4図柄表示エリア5Bとが設けられている。
本実施形態では、特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、飾り図柄の可変表示は、演出制御用CPU120側で変動パターン指定コマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、画像表示装置5を用いた演出を行う場合、例えば、飾り図柄の可変表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部又は一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、画像表示装置5上の表示画面を見ていても、現在可変表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、本実施形態では、画像表示装置5の表示画面の一部でさらに第4図柄の可変表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在可変表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で可変表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特図用の第4図柄と第2特図用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aと第2特図用の第4図柄表示エリア5Bとを、第4図柄表示エリアと総称することがある。
第4図柄の変動表示(可変表示)は、第4図柄表示エリア5A,5Bを所定の表示色(例えば、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aは白色、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bは黒色)で所定の時間間隔で点灯(表示)と消灯(非表示)とを繰り返す点滅状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の可変表示と、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aにおける第1特図用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の可変表示と、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bにおける第2特図用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点及び終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当り種別に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。このように、第1特図用の第4図柄の可変表示の表示結果は第4図柄表示エリア5Aに停止表示(導出表示)されることになる。
また、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当り種別に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第2特別図柄表示装置4Bにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。このように、第2特図用の第4図柄の可変表示の表示結果は第4図柄表示エリア5Bに停止表示(導出表示)されることになる。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、非表示態様(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示態様となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、非表示態様となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示態様に戻る。
即ち、始動入賞が発生すると、始動入賞記憶表示エリア5Hには、当該始動入賞に基づいて実行される特図ゲームに対応した保留情報が新たに表示される表示制御が行われる。例えば、保留情報は、その保留情報に対応した特図ゲームの始動条件が成立した順序(上の例では開始条件が成立する順序でもある)に従って、左から順番に表示される。n個の保留情報が表示されているとき(n回分の特図ゲームが保留されているとき)に新たな始動入賞が発生すると、当該新たな始動入賞に対応して左からn+1番目の保留情報が新たに表示されることになる。そして、保留されている特図ゲームの開始条件が成立すると、当該特図ゲームに対応する左端の保留情報が消去されると共に、左からn番目(n≧2)の保留情報が1つずつ左にシフトされて、n−1番目に表示されることになる。
なお、特図ゲームの開始条件が成立する順序は、始動条件が発生した順序に限らず、第2特図に関する特図ゲームの開始条件が、第1特図に関する特図ゲームの開始条件よりも優先して成立する(所謂特図4優先変動とする)ようにしても良い。また、これとは逆に、第1特図に関する特図ゲームの開始条件が、第2特図に関する特図ゲームの開始条件よりも優先して成立する(所謂特図1優先変動とする)ようにしても良い。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。また、画像表示装置5の右側には、可動役物150が設けられている。
可動役物150は、星型の部材を動作させるためのモータやランプが内蔵されている。可動役物150は、大当りを予告する演出、例えば、後述する変動結果予告演出や先読み予告演出が実行されるときに動作(回転動作及び点灯)するようになっている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイド27によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物、所謂電チュー)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しない又は進入しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド28によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
こうして、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値は、合計保留記憶数ということもあれば、特図保留記憶数ということもある。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41A,41Bを通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口50A〜50Dの4つの一般入賞領域が設けられている。
一般入賞口50A〜50Dは、遊技盤面より前方(遊技者側)に突設された球受部材により構成されている。球受部材は上方から流下してきた遊技球を開口部から受け入れるものであり、球受部材の開口部の水平方向の長さ(横幅)は、遊技球1個分の直径より大きいが遊技球2個分の直径よりは小さい。従って、2個以上の遊技球が水平方向に連なって球受部材の開口部を通過することがないようになっている。また、各一般入賞口50A〜50Dが設けられた各球受部材の間隔は、少なくとも遊技球1個以上が通過可能な間隔となっている。また、一般入賞口50A〜50Dの開口部の開閉を切り替えるための入賞球装置(例えば第2始動入賞口の開閉を切り替えるための普通可変入賞球装置6Bに相当する役物)は設けられておらず、常に開放状態となっている。また、一般入賞口50A〜50Dに遊技球が入賞しても、入賞に基づいて特図ゲームの可変表示の始動条件及び普図ゲームの可変表示の始動条件はいずれも成立しない。
なお、本実施形態では、一般入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて予め定められた数の賞球が遊技者に特定価値として付与されるものであるが、これに限らず、一般入賞口に遊技球が入賞したことに伴い、可変入賞球装置、例えば、第2始動入賞口の開閉制御を行うための普通可変入賞球装置6Bや大入賞口の開閉制御を行うための特別可変入賞球装置7を作動させて、第2始動入賞口や大入賞口に遊技球が入賞し易くすることを、一般入賞口に遊技球が入賞したことにより付与される特定価値としても良い。
また、一般入賞口に応じて遊技者に付与される特定価値を異ならせるようにしても良く、例えば、第2一般入賞口50Bや第3一般入賞口50Cに遊技球が入賞した場合には5個の賞球が付与されるが、第1一般入賞口50Aや第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞した場合には10個の賞球が付与される(即ち異なる大きさの特定価値が付与される)ようにしても良い。また、第2一般入賞口50Bや第3一般入賞口50Cに遊技球が入賞した場合に付与される特定価値は所定数の賞球であるが、第1一般入賞口50Aや第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞した場合には、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7を作動させる(即ち異なる種別の特定価値が付与される)ようにしても良い。
また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて付与される特定価値に応じて異なる演出が実行されるようにしても良く、例えば、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて可変入賞球装置が動作する場合とで(即ち特定価値の種別が異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて10個の賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて5個の賞球が付与される場合とで(即ち特定価値の大きさが異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。
第1一般入賞口50A,第2一般入賞口50B,第3一般入賞口50C,第4一般入賞口50Dへの遊技球の入賞は、図2に示すように、それぞれに対応した第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dにより検出される。第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dにより遊技球が検出されると、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
このように、本実施形態では、4つの一般入賞口50A〜50Dのそれぞれに対応した入賞口スイッチが設けられていることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、一般入賞口に遊技球が入賞したことのみならず、いずれの一般入賞口に遊技球が入賞したのかも検出可能となっている。
なお、一般入賞口毎に異なる一般入賞口スイッチが設けられる構成に限らず、複数の一般入賞口に対して共通の一般入賞口スイッチが設けられるようにしても良い。例えば、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bに対して共通の一般入賞口スイッチ(左遊技領域10Aに設けられた一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられ、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dに対して共通の一般入賞口スイッチ(右遊技領域10Bに設けられた一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられるようにしても良い。また、第1一般入賞口50A〜第4一般入賞口50Dの全ての一般入賞口に対して共通の一般入賞口スイッチ(いずれかの一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられるようにしても良い。
遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。アウト口に取り込まれた遊技球は、アウト口に連絡する球回収通路(図示せず)を経由して遊技島に回収される。各入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、第1〜第4一般入賞口)に入賞した遊技球は、入賞球集合樋(図示せず)を通じて集められ、球回収通路を経由して遊技島に回収されるようになっている。球回収通路にはアウト球検出器(図示せず)が設けられている。結果として、アウト球検出器では、遊技領域10に打ち込まれた(いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口に導かれた遊技球、及び、いずれかの入賞口に入賞して入賞球集合樋に集められた遊技球)すべての遊技球を検出する。アウト球検出器により遊技球が検出される毎に、検出信号が演出制御基板12に入力されることにより、演出制御用CPU120では、遊技領域10に打ち込まれた遊技球数、即ちアウト数を集計可能となっている。なお、アウト球検出器が、遊技球を検出する毎に値が1ずつ増加するカウンタを備える構成となっている場合には、カウンタの値が一定数(例えば10)増加する毎に、演出制御基板12にアウト数増加信号を出力するようにして、演出制御用CPU120側でアウト数を一定数単位(例えば10単位)で集計可能としても良い。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
ガラス扉枠3aの下部表面には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿60が設けられている。例えば上皿60の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
上皿60の右方には鍵穴61が設けられている。店舗の店員は、この鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を開放状態とすることで、ヒンジ機構を利用して、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを開閉させることが可能となる。遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを前方に開いた状態とすることで、遊技盤(遊技釘及び入賞口を含むメーター盤)2のメンテナンス(例えば、玉詰まりの解消措置)や、後述するモード切替スイッチ31や表示切替スイッチ32の操作を行うことができる。
上皿60の直下方には、上皿60に収容しきれない遊技球を貯留する下皿62が設けられ、上皿60の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)63が設けられている。例えば、打球操作ハンドル63は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
操作ボタン30は、押下可能であるとともに、回動可能なジョグダイアルになっている。なお、操作ボタン30は、押下操作や回動操作が可能なものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよいし、ジョイスティックのような押下操作及び傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン30に対してなされた遊技者の操作行為は、操作ボタン30の押下を検出する押下検出スイッチ(図示せず)及び操作ボタン(ジョグダイアル)30の回転方向及び回転量を検出するロータリーエンコーダ(図示せず)によって検出される。
次に、遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
遊技機1では、左遊技領域10Aに設けられた第1通過ゲート41A,右遊技領域10Bに設けられた第2通過ゲート41Bを通過した遊技球が、第1通過ゲート41Aに対応した第1ゲートスイッチ21A,第2通過ゲート41Bに対応した第2ゲートスイッチ21Bによって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄(はずれ図柄)が停止表示されれば「ハズレ」となる。確定特別図柄としての特定の特別図柄(大当り図柄)は、大当りの種別に応じて異なるものであり、例えば、確変大当りと非確変大当りとで確定特別図柄は異なる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示された後に制御される大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行される。こうしてラウンド遊技の実行中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンド遊技を終了させる。大当り遊技状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、例えば15回となる。なお、ラウンド遊技の実行回数の異なる複数種類の大当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、遊技者にとって有利な有利状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御が実行される時短状態や、時間短縮制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態に制御される。
ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や時短状態、確変状態とは異なる遊技状態としての通常状態であり、遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。これに対して、時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。また、確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となってさらに大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは所定回数(例えば8回)の特図ゲームが実行されるまで継続する。
大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り(種別)は、確変大当りとも称される。大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御されずに時短状態に制御される大当り(種別)は、非確変大当りとも称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態に制御されている期間と同一であればよい。高開放制御が実行されている状態を高ベース状態、高開放制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示画面に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。本実施形態では、「擬似連」や「滑り」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示することなどのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
また、大当り組合せとなる飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中に、特図表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていることを予告・報知する先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。
前述したように、遊技領域10は、左遊技領域10Aと右遊技領域10Bからなり、遊技者は、打球操作ハンドル(操作ノブ)の操作量(回転量)を調整することにより、左遊技領域10Aに向けて遊技球を発射する左打ちと、右遊技領域10Bに向けて遊技球を発射する右打ちと、を切り替えることができる。
遊技機1では、左遊技領域10Aに遊技球を発射した場合(左遊技領域10Aに遊技球が進入した場合)には、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、右遊技領域10Bに遊技球を発射した場合よりも高い割合で遊技球が第1始動入賞口に入賞するようになっている。また、遊技状態が通常状態のときには、遊技状態が確変状態及び時短状態のときよりも、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が長く且つ普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率が低いため、通常状態において左遊技領域10Aに発射された遊技球が第2始動入賞口に入賞する割合は、第1始動入賞口に入賞する割合と比較して極めて低いものとなっている。
一方、遊技機1では、右遊技領域10Bに遊技球を発射した場合(右遊技領域10Bに遊技球が進入した場合)には、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに遊技球を発射した場合と比較して、第1始動入賞口に遊技球が入賞する割合が極めて低いか、又は、第1始動入賞口には遊技球が入賞しないようになっている。そのため、通常状態において仮に右打ちを行ったとしても、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合は、通常状態において左打ちを行ったときに遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合と比較して極めて低い。従って、遊技者は通常状態において左打ちを行うこととなる。
また、右遊技領域10Bに発射された遊技球が第2通過ゲート41Bを通過する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が第1通過ゲート41Aを通過する割合よりも高くなっている。そして、右遊技領域10Bに発射された遊技球が開放状態の第2始動入賞口に入賞する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が開放状態の第2始動入賞口に入賞する割合よりも高くなっている。
そして、確変状態及び時短状態では、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が通常状態よりも短縮され且つ普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率が通常状態よりも高い。従って、確変状態及び時短状態で右打ちを行った場合に遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合は、確変状態及び時短状態で左打ちを行った場合に遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合よりも高い。従って、遊技者は確変状態及び時短状態において右打ちを行うこととなる。
また、右遊技領域10Bに発射された遊技球が開放状態の大入賞口に入賞する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が開放状態の大入賞口に入賞する割合よりも高くなっている。従って、遊技者は大当り遊技状態において右打ちを行うこととなる。このように、遊技者は、通常状態では左打ちを行い、大当り遊技状態の発生に伴い右打ちに切り替え、大当り遊技状態終了後の確変状態又は時短状態において右打ちを継続し、通常状態への移行(例えば大当り遊技状態を伴わない確変状態又は時短状態の終了)に伴い左打ちに戻すことになる。
また、左遊技領域10Aに発射された遊技球が左遊技領域10Aに設けられている第1一般入賞口50A又は第2一般入賞口50Bに入賞する割合は、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bが設けられている位置、並びに、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、右遊技領域10Bに発射された遊技球が第1一般入賞口50A又は第2一般入賞口50Bに入賞する割合よりも高くなっている。一方、右遊技領域10Bに発射された遊技球が右遊技領域10Bに設けられている第3一般入賞口50C又は第4一般入賞口50Dに入賞する割合は、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dが設けられている位置、並びに、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が第3一般入賞口50C又は第4一般入賞口50Dに入賞する割合よりも高くなっている。
なお、左遊技領域10Aに設けられている複数の一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)の一部又は全部について、左遊技領域10Aに発射された遊技球のみが入賞可能であり、右遊技領域10Bに発射された遊技球は入賞しない構成としても良く、右遊技領域10Bに設けられている複数の一般入賞口(第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50D)の一部又は全部について、右遊技領域10Bに発射された遊技球のみが入賞可能であり、左遊技領域10Cに発射された遊技球は入賞しない構成としても良い。
このように、通常状態では左打ちが行われるため、4つの一般入賞口のうち、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bに遊技球が入賞する確率が高く、大当り遊技状態、並びに、確変状態及び時短状態では、右打ちが行われるため、4つの一般入賞口のうち、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞する確率が高い。遊技状態等に応じて、遊技球が発射される遊技領域が変化することに伴い、遊技球が入賞し易い一般入賞口も変化する。なお、通常状態において遊技球が進入する左遊技領域10Aには、遊技球が入賞し易い位置に一般入賞口を設け、大当り遊技状態、並びに、確変状態及び時短状態において遊技球が進入する右遊技領域10Bには、遊技球が入賞し難い位置に一般入賞口を設ける(あるいはその逆とする)というように、遊技状態に応じて一般入賞口への入賞頻度が変化するようにしても良い。
遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。払出制御基板は、賞球の払出を制御する基板であり、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御基板は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信(主基板11から制御信号として伝送される。)に応じて、球払出装置(図示せず)などから構成される払出機構(賞球を払い出す機構)を駆動して、賞球の払い出しを実行する。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド27、28に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
また、スイッチ回路110は、異常検出用センサ群26(詳しくは後述する)からの信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。詳しくは後述するが、異常検出用センサ群26は、遊技機1で発生した異常を検出するためのものである。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、第1ゲートスイッチ21A、第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号を伝送する配線が接続されている。
なお、第1ゲートスイッチ21A、第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、異常検出用センサ群26からの信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。本実施形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
そのような演出制御コマンドには、例えば、遊技状態(通常状態、確変状態、又は時短状態)を指定する遊技状態指定コマンド、特図ゲームにおける変動開始を指定する変動開始コマンド、特図ゲームにおける特別図柄の変動時間や画像表示装置5における飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンド、大当り遊技状態の開始や終了を指定する大当り開始指定コマンド、大当り終了指定コマンド、第1始動入賞口又は第2始動入賞口に遊技球が入賞したときに出力される始動入賞コマンド、一般入賞口に遊技球が入賞したときに出力される一般入賞口指定コマンド、大入賞口に遊技球が入賞したときに出力される大入賞口入賞コマンド等が含まれる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRA(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU10がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU103がROM101に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU103)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、可動役物150に対して制御信号を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、押下検出スイッチ(図示せず)及びロータリーエンコーダ(図示せず)から伝送するための配線も接続されている。さらに、演出制御基板12には、後述するモード切替スイッチ31における操作部の位置(第1位置又は第2位置)に対応した信号を伝送するための配線、及び、後述する表示切替スイッチ32における操作部の位置(第1位置又は第2位置)に対応した信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体、操作ボタン30、可動役物150、さらには、演出用役物が備える可動部材などが含まれる演出装置(演出用の電気部品)を用いた演出動作の制御を行うために、演出制御パターンを構成するパターンデータが予め複数種類記憶されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド、押下検出スイッチ及びロータリーエンコーダから伝送された操作検出信号、並びに、モード切替スイッチ31の状態を確認可能とする信号及び表示切替スイッチ32の状態を確認可能とする信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される、可動役物150へと伝送される指令(駆動信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
本実施形態では、遊技機1において異常が発生した場合に、当該発生した異常を、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声により報知したり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を制御して光によって報知したり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に異常の報知画像(エラーメッセージ)を表示させたりして報知する。異常としては、磁気異常、振動異常、及び電波異常等があり、異常検出用センサ群26などを用いて検出される。
異常検出用センサ群26は、遊技機1において発生する異常を検出するための1以上のセンサなどから構成される。異常検出用センサ群26は、センサに限らず、異常を検出するための回路、センサには該当しない各種の検出スイッチなどを含んでもよい。異常検出用センサ群26は、異常を検出すためのものから構成されていればよい。異常検出用センサ群26それぞれに含まれるセンサなどは、異常の種類それぞれに応じて、1以上用意される。異常検出用センサ群26が具体的にどのようなものを含むかは、遊技機1の仕様などによって決定されればよい。遊技機1において発生する異常とは、遊技機1において行う通常の遊技では起こらない又は極めて起こりにくい現象(例えば、遊技機1に対する不正行為があったときに生じる磁気異常、振動異常、及び電波異常などの現象)や遊技の進行の妨げになりうる現象などのことをいい、特に、遊技者や遊技ホール(パチンコ店など)の従業員に報知が必要な現象のことをいう。
異常検出用センサ群26に含まれるものとしては、例えば、磁気を検出する磁気センサ、振動を検出する振動センサ、所定の電波(所定波長帯域の電波など)を検出する電波検出センサなどがある。例えば、これらセンサなどが、異常検出用センサ群26に含まれるようにすればよい。なお、異常の検出は、公知の方法を適宜利用することができる。遊技制御用マイクロコンピュータ100が、磁気異常、振動異常、及び電波異常等を異常検出用センサ群26からの出力信号に基づいて検出すると、異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5におけるエラーメッセージの表示、スピーカ8L、8Rからの警告音の出力、遊技効果ランプ9における異常発生時の発光態様等により異常が発生したことの報知が行われる。
ここで、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、及び遊技効果ランプ9等の報知手段によって、異常が発生したことのみならず、磁気異常、振動異常、電波異常及び前面ドアの開放のいずれの種別の異常が検出されたのかを特定可能に報知するようにしても良い。
磁気異常の報知とは、磁気異常(磁石が遊技機1の近傍にあるという異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。磁石によって遊技媒体を移動させ、入賞口に入賞させたり、遊技媒体を入賞口に誘導するため所定領域を遊技媒体で詰まらせたりする不正行為がある。磁気異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、磁気を検出するための磁気センサを設ける。CPU103は、当該磁気センサからの信号が所定の閾値以上の磁力を示すものであるかを判定することで、磁気異常の有無を判定する(磁力を示す→磁気異常有り)。磁気異常が検出された場合、当該磁気異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において磁気異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「磁気エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
振動異常の報知とは、例えば、特別可変入賞球装置7が設けられたパチンコ遊技機などにおいて実行され得る異常の報知である。故意にパチンコ遊技機を揺らすことにより遊技媒体の流下方向を大入賞口等の入賞口寄りに変化させる不正行為がある。振動異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、振動を検出するための振動センサを設ける。CPU103は、当該振動センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示すものであるかを判定することで、振動による異常(振動異常)の有無を判定する(所定の閾値以上の強さの振動を示す→振動異常有り)。振動異常が検出された場合、当該振動異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において振動異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「振動エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
電波異常の報知とは、電波異常(所定の電波が遊技機1に到達する異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23などに電波をあてることで、これらスイッチのオン/オフを切り替えるなどし、入賞を不正に発生させ賞球を得る不正行為がある。電波異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、所定の電波(所定波長帯域の電波など)を検出するための電波検出センサを設ける。CPU103は、当該電波検出センサからの信号が前記所定の電波の受信を示しているかを判定することで、電波異常の有無を判定する(所定の電波の受信を示す→電波異常有り)。電波異常が検出された場合、当該電波異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において電波異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「電波エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、いずれもDIPスイッチ(DualIn-line Package switch)により構成されており、遊技盤2の遊技領域外に設けられている。DIPスイッチにより構成されるモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、操作部を第1位置と第2位置とに切り替えることにより(例えばスライド式の場合には、つまみの位置を一端側と他端側とに切り替えることにより)、演出制御用CPU120により実行される処理(制御プログラム)を切り替え可能とするものである。遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態では、ガラス扉枠3aが遊技盤2の前面を覆っているため、遊技者はモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32を操作不能となっている。なお、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態(図1に示される状態)では、ガラス扉枠3aを介して遊技者から視認不能な位置に設置されているため、図1では図示していない。
前述したように、店舗の店員は、鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を開放状態として、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを前方に開くことで、遊技盤2に設けられているモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32の操作(DIPスイッチの切り替え)が可能となる。そして、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32の操作が完了すると、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態に戻し、鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を閉鎖状態とする。
モード切替スイッチ31の操作部が第1位置の場合には、演出制御用CPU120のモード切替端子の電圧がLowの状態となり、モード切替スイッチ31の操作部が第2位置の場合には、演出制御用CPU120のモード切替端子の電圧がHighの状態となる。演出制御用CPU120は、モード切替端子の電圧がLowの場合には、モード切替スイッチ31の操作部が第1位置となっていること、即ち、画像表示装置5に遊技者向けの情報(例えばデモ画面等)を表示する遊技モードであることを特定して、後述する入賞数管理テーブルの情報を画像表示装置5に表示しない。一方、演出制御用CPU120は、モード切替端子の電圧がHighの場合には、モード切替スイッチ31の操作部が第2位置となっていること、即ち、画像表示装置5に店員向けの情報(例えば各入賞口への入賞数等)を表示するメンテナンスモードであることを特定して、後述する入賞数管理テーブルの情報を画像表示装置5に表示する。
表示切替スイッチ32の操作部が第1位置の場合には、演出制御用CPU120の表示切替端子の電圧がLowの状態となり、表示切替スイッチ32の操作部が第2位置の場合には、演出制御用CPU120の表示切替端子の電圧がHighの状態となる。演出制御用CPU120は、表示切替端子の電圧がLowの場合には、表示切替スイッチ32の操作部が第1位置となっていること、即ち、画像表示装置5に一般入賞口への入賞数を表示する許可が行われていないことを特定して、後述する表示制御用テーブルに基づく情報(一般入賞口への入賞数を特定可能な情報)を画像表示装置5に表示することを禁止する。一方、演出制御用CPU120は、表示切替端子の電圧がHighの場合には、表示切替スイッチ32の操作部が第2位置となっていること、即ち、画像表示装置5に一般入賞口への入賞数を表示する許可が行われていることを特定して、後述する表示制御用テーブルに基づく情報(一般入賞口への入賞数を特定可能な情報)を画像表示装置5に表示することを許可する。
本実施形態では、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32が、遊技盤2の前面側(遊技者と相対する面)に設けられているが、モード切替スイッチ31及び/又は表示切替スイッチ32を、遊技盤2の裏面側(遊技島側)に設けるようにしても良い。このような構成とする場合には、遊技機用枠3のヒンジ機構を利用して、遊技機用枠3に対して遊技盤2を前方に回動させることで、遊技盤2の裏面側に設けられたモード切替スイッチ31及び/又は表示切替スイッチ32を操作可能となる。
主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドとして、前述したように始動入賞コマンドがある。始動入賞コマンドとしては、第1始動入賞口又は第2始動入賞口のいずれに対して始動入賞が発生したかを示す始動入賞口指定コマンドや、第1始動入賞口又は第2始動入賞口への遊技球の入賞時における大当り判定結果及び大当り種別判定結果を示す始動入賞時判定結果指定コマンド等が存在する。
CPU103は、第1始動入賞口への遊技球の有効始動入賞、即ち、第1始動入賞口に対応した第1保留記憶数が上限値未満の状態での第1始動入賞口への遊技球の入賞、を検出すると、乱数回路104から大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を抽出し、抽出した大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を、第1特図用の乱数格納領域における第1保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第1保留記憶数)に対応した格納領域に格納すると共に、始動入賞口指定コマンドとして「第1始動入賞口」を指定するコマンドをセットする。また、CPU103は、抽出した(格納した)大当り判定用乱数が、現在の遊技状態(通常状態若しくは時短状態、又は確変状態)に応じた大当り判定用テーブルに記憶している大当り判定値に合致するか否かを判定する始動入賞時判定を実行する。
この始動入賞時判定において、大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致しない場合には、「はずれ」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致する場合には、さらに、抽出した(格納した)大当り種別判定用乱数が、第1特図用の大当り種別判定用テーブルに大当り種別毎に記憶されている判定値のいずれに合致するかを判定する。そして、合致した判定値に対応する大当り種別の「大当り」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。例えば、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、「非確変大当り」を指定するコマンド、又は「確変大当り」を指定するコマンドをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第1始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に出力する。
なお、CPU103は、第1始動入賞口に対応した第1保留記憶数が上限値に達している状態での第1始動入賞口への遊技球の始動入賞(すなわち第1始動入賞口に応じた賞球は払い出されるものの特図ゲームの対象とはならない無効始動入賞)を検出すると、始動入賞口指定コマンドとして「第1始動入賞口」を指定するコマンドをセットすると共に、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、有効始動入賞ではないことを指定するブランクデータをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第1始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンド(ブランクデータ)を演出制御基板12に出力する。
CPU103は、第2始動入賞口への遊技球の有効始動入賞、即ち、第2始動入賞口に対応した第2保留記憶数が上限値未満の状態での第2始動入賞口への遊技球の入賞、を検出すると、乱数回路104から大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を抽出し、抽出した大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を、第2特図用の乱数格納領域における第2保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第2保留記憶数)に対応した格納領域に格納すると共に、始動入賞口指定コマンドとして「第2始動入賞口」を指定するコマンドをセットする。また、CPU103は、抽出した(格納した)大当り判定用乱数が、現在の遊技状態(通常状態若しくは時短状態、又は確変状態)に応じた大当り判定用テーブルに記憶している大当り判定値に合致するか否かを判定する始動入賞時判定を実行する。
この始動入賞時判定において、大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致しない場合には、「はずれ」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致する場合には、さらに、抽出した(格納した)大当り種別判定用乱数が、第2特図用の大当り種別判定用テーブルに大当り種別毎に記憶されている判定値のいずれに合致するかを判定する。そして、合致した判定値に対応する大当り種別の「大当り」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。例えば、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、「非確変大当り」を指定するコマンド、又は「確変大当り」を指定するコマンドをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第2始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に出力する。
なお、CPU103は、第2始動入賞口に対応した第2保留記憶数が上限値に達している状態での第2始動入賞口への遊技球の始動入賞(すなわち第2始動入賞口に応じた賞球は払い出されるものの特図ゲームの対象とはならない無効始動入賞)を検出すると、始動入賞口指定コマンドとして「第2始動入賞口」を指定するコマンドをセットすると共に、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、有効始動入賞ではないことを指定するブランクデータをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第2始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンド(ブランクデータ)を演出制御基板12に出力する。
なお、本実施形態では、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数に基づいて、当該始動入賞に対応した特図の可変表示結果を判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしているが、このような形態に限らず、始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数に基づいて、当該始動入賞に対応した可変表示の変動パターンを判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしても良い。例えば、始動入賞時の判定結果がスーパーリーチの変動パターンである場合には、始動入賞時の判定結果が非リーチの変動パターンである場合と比較して高い割合で先読み予告演出を実行するようにすると良い。
具体的には、CPU103は、第1始動入賞口への遊技球の有効始動入賞を検出すると、乱数回路104から変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した変動パターン判定用乱数を、大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数と共に、第1特図用の乱数格納領域における第1保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第1保留記憶数)に対応した格納領域に格納する。また、CPU103は、第2始動入賞口への遊技球の有効始動入賞を検出すると、乱数回路104から変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した変動パターン判定用乱数を、大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数と共に、第2特図用の乱数格納領域における第2保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第2保留記憶数)に対応した格納領域に格納する。
[1−2.連比、役比の表示]
遊技機1では、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100において、各入賞口(大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行っている。さらに、遊技機1では、主基板11に設けられた表示モニタ29に連比、役比などの情報が表示可能とされている。
なお、本実施形態では、表示モニタ29を主基板11に設けることとして説明するが、これに限らず、演出制御基板12や中継基板15、払出制御基板等の他の基板に表示モニタ29を設けるようにしてもよい。
遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。さらに、遊技機を設置した後においても、どのような整備が行われているか、その整備の結果、設計どおりの頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。そこで、本実施形態における遊技機1では、一般入賞領域を有する遊技機において、どのような整備を加えられたかを認識できるようになっている。以下、役物比率等の表示について説明する。以下、主基板11における遊技球の集計及び役物比率等の表示について説明する。
図2に示す主基板11は、遊技に関する制御を行う基板である。主基板11は、図4に示すように基板ケース201に封入されており、図4(A)に示すように、主基板11の中央には表示モニタ29(例えば、7セグメント)が配置されている。表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、ガラス扉枠3aを開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、ガラス扉枠3aを開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面と遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
主基板11には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計され、表示モニタ29は、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連続役物比率(「連比」という。)(%)、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役物比率(「役比」という。)(%)を表示するようになっている。
連比とは、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲得球数)は、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、6000個の賞球数における第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数(電チュー賞球数)、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集計する第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、リングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。さらに、6000個の11セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(%)、役比(%)を算出することができる。
表示モニタ29は、6000個分の連比(%)、役比(%)、及び累計の連比(%)、役比(%)を所定時間(例えば、30秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表示手段で4つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行うのに2分要するが、遊技が進行することで集計される第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される6000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と6000個分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、切替表示における所定のタイミング(例えば、60000個分の連比(%)の表示タイミングなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が6000個であり、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数との合計である役物獲得球数が4200個である場合の役物比率(役比(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは、アタッカー及び電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。
連比=[連続役物獲得球数/総獲得球数]×100 ・・・(1)
役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得球数]×100 ・・・(2)
賞球合計数が6000個であり、役物獲得球数が4200個である場合の役物比率は、4200を6000で除算することにより0.70(小数点以下3桁切り捨て)として求められる。
しかしながら、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を100倍して420000とする。そしてこの420000を6000で除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000倍すればよい。
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を100で除算して60とする。そしてこの60で4200を除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算すればよい。
本例で賞球合計数は6000個であるが、長い期間の役物比率を算出するために、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまり本例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
ここで、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法では遊技機に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
第3の演算方法では遊技機で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数及び役物獲得球数がともに10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くなることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
また、基板ケース201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板11、及び表示モニタ29が視認可能になっている。基板ケース201には主基板11に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板11の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板11に設けられた表示モニタ29は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため放熱孔によって表示モニタ29の視認性が遮られないようにされている。なお、ここでの「真正面」とは、主基板11を視点としての真正面を意味し、主基板11を視認しようとする従業員等と主基板11との間を意味する。
また、基板ケース201には主基板11の種類、機種、スペックなどを表示するためのシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。具体的には、図3に示すように、主基板11の第1部(例えば、主基板11の中央部)に表示モニタ29を配置した場合に、主基板11における第1部と異なる第2部(例えば、主基板11の周囲部)に他の電気部品などを配置し、主基板11の第2部に対応する基板ケースの部位に孔部、放熱孔、シールを配置するようにしてもよい。特に、放熱孔は、表示モニタ29が発する熱を放出するためには、表示モニタ29の近傍に設けることが好適である。この場合でも、放熱孔は、表示モニタ29の真正面にはない位置に配置されるのが好適である。これによれば、表示モニタ29に視認性を妨げることがないので、入賞に関する情報の確認がし易い。
また、主基板11の第2部に対応する基板ケース201の部位に配線が重ならないようにすることが好ましい。具体的には、配線の一のコネクタが接続される孔部と、その配線の他のコネクタが接続される接続先に主基板11の第2部に対応する基板ケース201の部位が重ならないようにする。これによれば、配線により表示モニタ29の視認性が妨げられることを防止することができる。
また、主基板11には、遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器が設けられているが、表示モニタ29の7セグメントとの誤認を避けるため、所定距離離すか、他の電子部品を挟んで配置するようにすることが好ましい。ここでいう他の電子部品は、例えば、CPUなどの大型の制御部品であると望ましい。
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作された場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後にさらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)であることが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100において演算を行う場合には小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。19876/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ29に表示されることとなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないものとなる。
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大となる値は総獲得球数及び役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコンピュータ100での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上においても非常に小さい誤差で役比(%)(又は連比(%))が表示できる。
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さらに大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってしまう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のランプの発光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
また、表示モニタ29は役比(%)と、連比(%)とを7セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば30秒毎)に切り替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を30秒間表示している間に、電チューやアタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を30秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連役(%)との値が乖離してしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出された値を順次表示していくことが好ましい。
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には100の代わりに99を表示するようにしてもよい。図4に示す表示モニタ29では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の一部に数値を表示してもよい。
また、上記の計算方法においては総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数をカウンタに集計していく例を示したが、集計方法としては、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計したうえで、役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。また、アタッカーに個別に設けられたセンサと、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数のカ
ウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。以下、連比役比の表示について、具体的に説明する。以下の具体例では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計する例を説明する。
遊技機1における主基板11には、図2に示すように、表示モニタ29が接続されている。主基板11は、遊技機1において、図3に示すように、遊技機用枠3に設けられた遊技盤2の裏面側に設けられている。遊技盤2の裏面側には、主基板11以外の他、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、電源基板、払出制御基板、発射制御基板などの各周辺基板も設けられている。主基板11は、主基板11以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。なお、主基板11は、これらの各周辺基板と重なっていてもよい。特に、主基板11は、各周辺基板の上側となるように重なっていてもよい。
主基板11におけるRAM102には、第1ゲート通過数カウンタ、第2ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウンタ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。
第1ゲート通過数カウンタは、第1ゲートスイッチ21Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2ゲート通過数カウンタは、第2ゲートスイッチ21Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
第1一般入賞数カウンタは、第1一般入賞口スイッチ24Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2一般入賞数カウンタは、第2一般入賞口スイッチ24Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第3一般入賞数カウンタは、第3一般入賞口スイッチ24Cが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第4一般入賞数カウンタは、第4一般入賞口スイッチ24Dが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。大入賞数カウンタが、カウントスイッチ23が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
また、主基板11には、クリアスイッチが接続されている。クリアスイッチは、遊技盤2の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。クリアスイッチを操作することにより、後に説明するRAM102に記憶された連比や役比に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチを操作すると、データのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板11に送信される。
また、主基板11には、RTC106が設けられている。主基板11は、RTC106によって現在時刻を検出できる。RTC106は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過時間などを測定できるが、本実施形態では、RTC106は、店舗の営業可能時間を計測可能とされている。
主基板11は、図4(A)に示すように、基板ケース201に収容されている。基板ケース201には、かしめピン11Bが取り付けられている。このかしめピン11Bが設けられていることにより、主基板11が基板ケース201に完全に封入された状態となり、主基板11に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、表示モニタ29は、主基板11上に設けられている。また、基板ケース201には、主基板11が封入されたことを証明するための封印シール11Sが貼られている。封印シール11Sは例えば基板ケース201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール11Sは、主基板11からは離れた位置に配置されており、表示モニタ29の真正面など、表示モニタ29の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ29は、封印シール11Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ29は、第1表示部29A、第2表示部29B、第3表示部29C、及び第4表示部29Dを備えている。第1表示部29A〜第4表示部29Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部29A〜第4表示部29Dは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
表示モニタ29には、図4(B)に示す表示No1〜4の各項目が表示される。上位2桁の第1表示部29A及び第2表示部29Bには集計期間が表示され、下位2桁の第3表示部29C及び第4表示部29Dには、数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No2では、総累計の役比が表示される。
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が6000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、又は連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
なお、上記の例では、連比や役比は、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。
表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bには、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
表示No3の総累計連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
主基板11は、連比及び役比を算出するにあたり、アタッカー、第1始動入賞口、第2始動入賞口、及び第1一般入賞口から第4一般入賞口に進入した遊技球の進入数の集計を行っている。CPU103は、メイン処理において、第1ゲートスイッチ21A及び第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dの各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認する状態確認処理を行っている。
この各スイッチの状態確認処理において、各スイッチから出力される検出信号に基づいて、いずれの進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、第1ゲートスイッチ21A,第2ゲートスイッチ21Bから検出信号が出力された場合には、第1ゲート通過数カウンタ,第2ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウンタ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、カウントスイッチ23から検出信号が出力された場合には、大入賞数カウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM102に記憶されている。
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状態確認処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
主基板11のCPU103は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数に基づいて、各入賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM102に記憶させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口毎にあらかじめ定められている。
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図5に示すように、一般入賞口賞球(第1一般入賞口〜第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞による賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RAM102は、総賞球数も記憶している。なお、CPU103では、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数を個別に集計しているが、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数をまとめて集計してもよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とを個別に算出しているが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよい。
RAM102は、これらの賞球数を記憶するためのリングバッファとアクティブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域〜第10記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算される。第0記憶領域〜第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、入賞口毎に、第1記憶領域〜第10記憶領域に記憶された賞球数(10セット分)の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セット分の総和及び総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、このため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、60000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域を備えている。主基板11のCPU103では、10セット分及び総累計の各入賞口への遊技球の入賞数に基づく賞球数によって、10セット分及び総累計の役比及び連比を算出し、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分及び総累計の役比及び連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
ここで、主基板11のCPU103のメモリ空間について説明する。
図6は主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU103は、上述の内蔵レジスタ、ROM101、RAM102などにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図6のメモリマップに示すように、ROM101のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H〜2FBFH。2FC0H〜2FFFHはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU103は、このROM領域を指定してROM101からのデータの読み出しを行う。また、本実施形態では、ROM領域を第一領域〜第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから始まる領域としている。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本実施形態では、FE00H〜FEBFH)に割り当てられ、CPU103は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM102のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本実施形態では、F000H〜F3FFH)に割り当てられ、CPU103は、このRWM領域を指定してRAM102からのデータの読み出しやRAM102へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、RAM102の記憶領域に対応するRAM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFHの16Kバイト領域)は、図7に示すように、RAM制御領域、非使用領域、RAMデータ領域及びその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応するRAM102の記憶領域には、CPU103が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU103がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御プログラムデータと称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応するRAM102の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
また、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域及びその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶する記憶領域及び総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第1記憶領域〜第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分)の総和の記憶領域、及び10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域と、その他領域に対応するRAM102の記憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されている。
なお、本実施形態では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM102の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRAM102の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、主基板11は、表示モニタ29に対して、連比及び役比を表示する制御を行う。ここで、主基板11は、複数の項目を順次表示する制御を行う。
図8(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャートである。図8(A)に示すように、表示モニタ29に対する表示を開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図8(B−1)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「1.」の文字が表示される。
表示No1の表示が30秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No2の短期連比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図8(B−2)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期役比が表示される。例えば、短期役比が63%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「3.」の文字が表示される。
表示No2の表示が30秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示No3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図8(B−3)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が表示される。例えば、総累計連比が58%の場合、第3表示部29Cに「5.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No3の表示が30秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示No4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図8(B−4)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が表示される。例えば、総累計役比が68%の場合、第3表示部29Cに「6.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No4の表示が30秒間継続すると、図8(B−5)に示すように、表示No1の短期連比が表示される。以後、表示No1の短期連比〜表示No4の総累計役比の表示が30秒毎に順次表示される。また、その表示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比〜表示No4の総累計役比は赤色とされる。このように、表示モニタ29は、短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比を30秒ごとに切り替えて表示する。
また、主基板11では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域〜第10記憶領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和及び総累計の記憶領域、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
アクティブバッファ及びリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。例えば、図9に示すように、第0記憶領域〜第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このときに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、第1憶領域〜第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新する。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
第0記憶領域〜第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
また、図2に示す異常検出用センサ群26には、ガラス扉枠3aの開放を検出するドア開放センサが含まれている。ガラス扉枠3aの開放は、従業員が行う際には異常には相当しないが、従業員以外の者が行うときには、異常に相当することが多い。このため、本実施形態では、ガラス扉枠3aの開放を検出するドア開放センサを異常検出用センサ群26に含めている。ドア開放センサは、ガラス扉枠3aの開放を検出したときに、開放信号を主基板11に送信する。
ドア開放は、従業員による場合の正常なガラス扉枠3aの開放と、従業員以外の者等による異常なガラス扉枠3aの開放とがある。ここでは、異常なガラス扉枠3aの開放を想定してドア開放の検出が行われる。また、従業員がガラス扉枠3aを開放した正常なガラス扉枠3aの開放であっても、ドア開放は検出されるが、ガラス扉枠3aの開放を従業員等が認識していることが多いので、特段の問題は生じないようにすることができる。
[1−3.処理]
続いて、主基板11で実行される連比役比の表示に関する制御について説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM102におけるRAM制御領域及びRAMデータ領域がクリアされる。このため、電源基板からの電力供給が開始されたときには、RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアされることなく維持される。RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアスイッチが操作されることでクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。初期設定を行った後、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。連比・役比関連処理は、このタイマ割込み処理で実行される。
図10は、連比・役比関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。主基板11では、図10に示すように、連比・役比関連処理において、異常操作が検出されたか否か判断する(ステップS101)。異常操作が検出されたか否かは、クリアスイッチからクリアスイッチ操作信号が送信されたか否かで判断する。
その結果、クリアスイッチ操作信号が送信されており、異常操作が検出された場合(ステップS101;YES)には、警告表示準備を行い(ステップS102)、ステップS103に進む。また、クリアスイッチ操作信号が送信されておらず、異常操作が検出されない場合(ステップS101;NO)には、入賞情報を取得する(ステップS103)。入賞情報は、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dのいずれかによって遊技球が検出されることによって取得される。
続いて、現在の時刻が営業時間内であるか否かを判断する(ステップS104)。現在の時刻が営業時間内であるか否かは、RTC106によって計測されて判断される。その結果、現在の時刻が営業時間内である場合には(ステップS104;YES)、ガラス扉枠3aが閉鎖されているか否かを判断する(ステップS105)。ガラス扉枠3aが閉鎖されているか否かは、ドア開放センサから開放信号が送信されたか否かによって判断される。
その結果、ドア開放センサから開放信号が出力されておらず、ガラス扉枠3aが閉鎖されている場合には(ステップS105;YES)、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞しているか否かを判断する(ステップS106)。ここでの単位時間及び所定球数は、通常の遊技では入賞し得ない状態を想定した数値が設定される。具体的には、遊技球の発射は、最大1分間100発であるため、例えば、1分間に100個を上限として適宜決定できる。より具体的には、単位時間が1秒間である場合に所定球数が5個、又は、単位時間が10秒である場合に所定個数が30個などである。単位時間は、RTC106によって計測される。また、アタッカーへの遊技球の入賞個数は、カウントスイッチ23による遊技球の検出個数によって計測される。
その結果、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していない場合(ステップS106;NO)には、ステップS103で取得した入賞情報に応じた賞球数を加算する賞球数加算処理を行う(ステップS107)。なお、賞球数加算処理は、警告表示準備が行われていない場合に行う。ここで、警告表示準備が行われている場合には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。賞球数加算処理では、図52に示す第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数を加算する。
また、賞球数加算処理では、アクティブバッファにおける第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数の賞球合計を算出する。ここで、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000となった場合には、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。また、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。
続いて、算出タイマがタイムアップした(算出タイマ=0)か否かを判断する(ステップS108)。その結果、算出タイマがタイムアップしていない場合(ステップS108;NO)には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、算出タイマがタイムアップしている場合(ステップS108;YES)には、算出タイマをセット(算出タイマ=2000ms)する(ステップS109)。
それから、ステップS107で加算して得られた賞球数(賞球合計)が算出実行数となっているか否かを判断する(ステップS110)。算出実行数は、適宜の数とすることができるが、例えばリングバッファにおける第0記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第1記憶領域〜第10記憶領域に移動させる基準となる賞球合計の6000個よりもわずかに少ない数、例えば5900個とすることができる。また、算出実行数は、6000個から最大払出し球数を減じた数よりもわずかに小さい数とすることが好適である。
その結果、賞球数(賞球合計)が算出実行数となっていない場合には(ステップS110;NO)、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、賞球数が算出実行数となっている場合には(ステップS110;YES)、連比及び役比を算出する(ステップS111)。ここでは、短期連比、短期役比、累計連比(総累計連比)、累計役比(総累計役比)をそれぞれ算出する。このため、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比は、いずれも同一割込み内で算出される。その後、連比・役比表示処理を行って(ステップS112)、連比・役比関連処理を終了する。
また、ステップS104で営業時間内でないと判断した場合(ステップS104;NO)、ステップS105で扉枠が閉鎖していないと判断した場合(ステップS105;NO)、ステップS106で単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していると判断した場合(ステップS106;YES)には、エラー表示準備を行う(ステップS113)。その後、連比・役比関連処理を終了する。
次に、連比・役比表示制御処理について説明する。
図11は、連比・役比表示制御処理の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示すように、連比・役比表示制御処理では、連比・役比表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS201)。連比・役比表示準備処理が済んでいないと判断した場合(ステップS201;NO)には、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS202)。
その結果、エラー表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS202;YES)には、エラー表示を行う(ステップS203)。エラー表示は、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「1」を表示することができる。また、エラー表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置5、第1特別図柄表示装置4Aに、第2特別図柄表示装置4B等に所定のエラー表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警報音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
エラー表示を行ったら、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。また、ステップS202において、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断いないと判断した場合(ステップS202;NO)にも、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。
その結果、警告表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS204;YES)には、警告表示を行う(ステップS205)。警告表示は、警告表示以外の表示とは異なるように、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「6」を表示することができる。このとき、警告がなされる状態であることを示すために、表示モニタ29を点滅させてもよいし、表示モニタ29の表示の色を変化させながら表示させてもよい。あるいは、表示モニタ29の表示の明度を高くして表示を行ってもよい。このように、警告表示は、他の表示よりも目立つようにして行うのが好適である。
また、警告表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置5、第1特別図柄表示装置4Aに、第2特別図柄表示装置4B等に所定の警告表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警告音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
警告表示を行ったら、連比・役比制御処理を終了する。また、ステップS204で警告表示準備が済んでいないと判断した場合(ステップS204;NO)にも、連比・役比制御処理を終了する。
また、連比・役比表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS201;YES)には、短期連比表示を行う(ステップS206)。続いて、短期連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS207)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS207;NO)には、ステップS206に戻り、短期連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS207;YES)には、ステップS208に進む。こうして、短期連比表示は、30秒(30000ms)間継続して行われる。
続いて、短期役比表示を行い(ステップS208)、短期役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS209)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS209;NO)には、ステップS208に戻り、短期役比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS209;YES)には、ステップS210に進む。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積連比表示を行い(ステップS210)、累積連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS211)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS211;NO)には、ステップS210に戻り、累積連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS211;YES)には、ステップS212に進む。こうして、累積連比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積役比表示を行い(ステップS212)、累積役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS213)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS213;NO)には、ステップS212に戻り、累積役比表示を継続する。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS213;YES)には、連比・役比制御処理を終了する。
このように、上記の遊技機1では、主基板11に設けられた表示モニタ29によって短期連比、短期役比、累積連比、累積役比を表示している。また、表示モニタ29は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する主基板11上に設けられている。このため、遊技盤に設けられた遊技釘(障害釘)や風車などについてどのような整備が加えられたかを認識できる。
また、表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。このため、表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。また、主基板11は、基板ケース201に設けられた放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が放熱孔によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、主基板11は、主基板11以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が演出制御基板12などの周辺基板によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、表示モニタ29には、電チューやアタッカーの通過によって払い出された賞球と、一般入賞口の通過によって払い出された賞球との関係に関する連比や役比を表示することができる。また、表示モニタ29は、短期連比と累計連比など、所定情報を所定期間ごとに切り替えて表示可能である。このため、複数の期間についての情報を表示するための表示器を設ける必要がないので、部品点数の削減に寄与することができる。
また、表示モニタ29には、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)が表示されるので、総賞球数が6000個となるなど、一定の単位に対応した期間の数値を容易に認識することができる。所定単位に対応した期間は、賞球数が6000個となる以外の期間であってもよい。例えば、賞球数が1000個、10000個となる期間でもよい。あるいは、賞球数ではなく時間を単位としてもよい。例えば、所定単位に対応した期間を1時間、3時間、10時間などの適宜の時間としてもよい。
また、表示モニタ29は、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)のほか、累計連比及び累計役比を切り替えて表示している。このため、所定単位ごとの短期連比や短期役比と累計連比や累計役比などを容易に比較することができる。また、表示モニタ29は、かしめられた基板ケース内に収容された主基板11に設けられている。このため、表示モニタ29における表示を改ざんするなどの不正の防止に寄与することができる。
また、遊技機1は、適正な所定情報が表示できなくなる不正を検知検出する検出手段を備えている。ここでの不正とは、例えば遊技上の営業時間外における賞球数の計数、扉枠の開放中における賞球数の計数、許容入賞数を超えた遊技球の入賞などがある。遊技機1は、店舗の営業時間内で稼働するものであり、営業時間以外の時間における賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。また、遊技機1は、扉枠を閉じて遊技を行うものであり、扉枠の開放中の賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。
また、遊技機1の遊技中、遊技球は、一定の速度を超えて発射させることができない。例えば、遊技球の発射は、最大1分間100発である。このため、1分間での遊技球の入賞の上限数はほぼ100個となる。したがって、例えば1分間に100個、あるいは12秒間に20個を超える遊技球の入賞が検出された場合には、不正行為があった蓋然性が極めて高くなる。
遊技機1では、不正を検知するために、営業時間内でない場合、ガラス扉枠3aが閉鎖されていない場合、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数の加算を排除している。したがって、これらの不正による連比、役比の情報などの改ざんを抑制することができる。なお、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数に代えて、単位時間あたりの払出球数に基づいて不正を検出してもよい。
また、上記の遊技機1では、RAM102が備えるアクティブバッファの第0記憶領域が所定の容量である6000個となった場合に、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。このため、リングバッファが容量不足となることを防ぐことができる。
また、リングバッファでは、第1記憶領域〜第10記憶領域が設けられており、アクティブバッファの第0記憶領域のデータがリングバッファの第1記憶領域に移動する場合、第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータが所定単位ごととされるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。また、消去されずに残るデータを多くしておくことができる。
なお、アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファにおける第9記憶領域のデータを第10記憶領域に移動させる。このとき、第10記憶領域のデータを消去して、第9記憶領域のデータを移動させてもよいし、第10記憶領域のデータに第9記憶領域のデータを上書きしてもよい。この場合でも、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。
アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファでは、その一部の記憶領域である第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータを少なくすることができるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができるとともに、多くのデータで連比や役比を算出できる。
なお、リングバッファのデータを消去する際には、その一部第10記憶領域のデータを消去するのみではなく、第1記憶領域〜第10記憶領域のデータの全てを消去するようにしてもよい。この場合、リングバッファの容量不足をより好適に防ぐことができる。また、所定の条件に応じてリングバッファの一部又は全部のデータを消去するようにしてもよい。例えば、営業時間開始時最初には、リングバッファの全部のデータを消去し、以後はリングバッファの一部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の例では、リングバッファにおけるデータの移動について説明しているが、リングバッファ以外のデータ、例えば総累計を記憶する記憶領域についても、同様に一部や全部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の遊技機1では、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示している。このため、各データを容易に比較することができる。なお、各データを表示する周期は30秒ではなく、適宜の周期としてもよい。例えば、10秒毎としてもよいし、1分毎としてもよい。又は、1時間ごととしてもよい。また、表示されるデータは、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比のデータ以外のデータとしてもよいし、これらのデータの一部のみとしてもよい。
また、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示するにあたり、短期連比については、他のデータと異なる表示を行っている。具体的には、短期連比については赤字で表示し、他のデータは緑字で表示している。このため、短期連比から新たなデータを表示することを認識させることができる。
また、上記の遊技機1では、異常操作が行われたときに、警告表示を行うようにしている。具体的に、クリアスイッチが操作された場合に異常操作として警告を表示する。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合に操作されるいわば非常用のスイッチである。このスイッチが操作されると、連比や役比のデータの改ざんを行うことができるので、クリアスイッチの操作を異常操作として検出する。遊技機1では、この異常操作を警告表示によって警告できるので、データの改ざんなどの不正を抑制することができる。
また、上記の遊技機1では、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号に基づいて得られる賞球数に基づいて、連比や役比を算出している。例えば、アタッカーに個別に設けられたセンサ(カウントスイッチ23)と、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計して連比や役比を算出した場合、どの入賞口からの払い出しなのかを特定しづらく、役比、連比の算出が複雑になってしまう虞がある。この点、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dによって遊技媒体が入賞したことを検出して、その検出結果から得られる賞球数に基づいて、連比や役比を算出ことにより、各入賞口への入賞に基づいて賞球数判断できる。したがって、連比や役比を簡単に算出することができるとともに、精度よく算出することができる。
[1−4.変形例]
この発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。なお、
上記の各演出形態に示された遊技機の制御及び構成を任意に組み合わせるようにしても良く、上記の各演出形態に示された遊技機の制御及び構成と、以下の変形例に示された遊技機の制御及び構成を任意に組み合わせるようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域を最大2バイトのカウンタが10個設けられたリングバッファを用いたが、最大3バイトのカウンタや最大4バイトのカウンタを設けることもできる。このとき、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総獲得球数から前述の役比(%)及び連比(%)の2種類を上述した表示モニタ29に表示するにあたっての計算方法は前述した方法に限られず以下のようにしてもよい。図12に示すように最大4バイトで構成されたカウンタによって、総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数のそれぞれを集計する場合、その上位16ビットを使用して計算を行ってもよい。ちなみに4バイトのカウンタによって、獲得球数が1日30000個であると仮定した場合に、4294836225(4バイト)/30000(1日あたりの獲得球数)=143161.2075、143161.2075/365日=約392、となり、392年分の集計を賄える計算となる。
また、上記の実施形態では、図4(A)に示すように、基板ケース201に収容された主基板11上の中央部に表示モニタ29が設けられた例を説明したが、表示モニタ29は、他の位置に設けられていてもよい。
例えば、図13(A)に示すように、表示モニタが設けられていない主基板11Cと、主基板11Cとは別に表示基板11Dを設け、主基板11Cと表示基板11Dとをハーネス11Eで接続して、表示基板11Dに表示モニタ29を設けてもよい。この場合、表示モニタ29に表示する連比や役比の算出やこれらの算出に用いるためのデータの受信は、主基板11Cで行われる。主基板11Cは、算出した連比や役比、さらにはこれらを表示するための制御に関する情報を表示基板11Dに対してハーネス11Eを介して送信する。表示基板11Dでは、主基板11Cから送信されたデータに基づいて、表示モニタ29に連比や役比を表示すればよい。
また、主基板11C及び表示基板11Dは、かしめ基板ケースである基板ケース201Aに収納されている。基板ケース201Aには、図4(A)に示す基板ケース201と同様、かしめピン11Bが取り付けられている。このかしめピン11Bが設けられていることにより、主基板11C及び表示基板11Dが基板ケース201Aに完全に封入された状態となり、主基板11Cに対する不正行為を防止するようになっている。また、基板ケース201Aにおいても、図4(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。
また、図13(B)に示すように、表示基板11Dについては、かしめ基板ケースである基板ケース201Bの外側に設け、主基板11Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板11Dには、ハーネス11Eで主基板11Cに接続されている。
また、図13(C)に示すように、表示基板11Dを基板ケース201Cに封入し、主基板11Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板11Dには、ハーネス11Eで主基板11Cに接続されている。また、基板ケース201Cにおいても、図4(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。なお、表示基板11Dを封入する基板ケース201Cは、かしめ基板ケースでなくてもよいし、かしめ基板ケースであってもよい。
また、図13(D)に示すように、図4(A)に示す基板ケース201の表面にラベルが貼り付けられており、ラベル11Rには、かしめ使用記録が記載されるようになっていてもよい。ここで、ラベル11Rは、表示モニタ29の一部を隠す位置に配置されていてもよい。このように、ラベル11Rによって表示モニタ29の一部が隠されていることにより、例えばガラス扉枠3aを開放した際に、遊技者が簡単に連比や役比を視認できないようにできる。また、ラベル11Rを貼り付ける場合でも、表示モニタ29を隠さない位置に貼り付けてもよい。
また、上記の実施形態では、可動役物として、ソレノイドによって開閉する大入賞口(アタッカー)や第2始動入賞口(電チュー)といった電動役物が用いられているが、これらの電動役物に代えて、遊技球の自重によって開閉を行ういわゆる機械式役物を可動役物としてもよい。また、表示モニタ29としては、7セグメントのLEDを用いているが、7セグメントに代えてドット表示、表示画面などとしてもよい。また、LEDに代えて、液晶表示装置や、有機EL、蛍光表示管などとしてもよい。
また、上記の実施形態では、表示モニタ29に表示する内容、例えば連比や役比の表示等とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除などの対応をすることがある。例えば、遊技球の払出しを行うために、遊技盤3の裏側には、遊技球(補給球)を補給する補給機構が設けられていることがある。この補給機構において、球詰まりが生じた場合などには、ガラス扉枠3aを開放させて球詰まりを解消させてエラー解除を行うことがある。このような表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除を行う場合などには、表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにしてもよい。
また、このときに表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにするために、連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件としてもよい。ここでの連比や役比等の表示に対するエラーとは、例えば、図10に示すステップS101で判断される異常操作の検出やステップ104で判断される営業時間内の入賞情報の取得、ステップS106で判断される単位時間当たりにおけるアタッカーに対する所定数以上の入賞の検出としてもよい。このような連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件とすることにより、遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。
また、表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除を行い、エラー解除が完了した後は、表示モニタ29に対する連比や役比等を表示するまで所定期間例えば1分間待機し、所定時間が経過した後に表示するようにしてもよい。エラーの発生の解除後は、エラー発生の原因を完全に取り除くことができずに、同様のエラーが続いて発生することが少なくない。表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を所定時間が経過した後に行うことにより、このようなエラー発生時にも遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。ここでの所定期間は任意に設定することができ、5分や10分等の1分より長い時間としてもよいし、30秒等の1分よりも短い時間としてもよい。また、エラーの原因に応じて所定時間を設定するようにしてもよい。例えば、補給機構における球詰まりの場合と、画像表示装置5の故障の場合では、補給機構の球詰まりの方の所定期間を長く設定してもよい。
また、主基板11には、表示モニタ29以外の表示装置、例えばエラーを表示するための7セグメント表示器(以下「エラー表示器」という)が設けられている。このエラー表示器は、表示モニタ29から離れた位置に配置されていることが好適である。具体的には、表示モニタ29が主基板11の右側1/3の位置に配置され、エラー表示器が主基板11の左側1/3の位置に配置されていてもよい。また、表示モニタ29を分かりやすくするために、表示モニタ29が主基板11のどこにあるかを基板ケース201上に文字で印刷しておいてもよいし、基板ケース201にシールを貼り付けたりしておいてもよい。
また、パチンコ遊技機を例として役比(%)や連比(%)を算出し、表示モニタにおいて表示することを説明したが、スロットマシンにおいてパチンコ遊技機における役比(%)や連比(%)に相当する値を算出し表示するようにしてもよい。
以下にスロットマシンにおける連比(%)の算出方法について説明する。スロットマシンは、賭数を設定することにより図柄の変動が開始可能となり、図柄の変動の結果に応じて入賞が発生する。スロットマシンにおける入賞には、遊技用価値の付与を伴う付与入賞、賭数を設定することなく図柄の変動が開始可能となる再遊技入賞、付与入賞の発生確率が向上する特別遊技状態に移行させるボーナス入賞がある。ここで、スロットマシンにおける連比(%)は、図柄の変動が所定回数行なわれる期間のうち、図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における総獲得球数に相当)に対して、特別遊技状態に移行している期間において図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における連続役物獲得球数に相当)の比率で表される。例えば、6000回の図柄の変動が行なわれる期間において、該期間に得られた遊技用価値の一例であるメダルの数が16000枚である場合に、特別遊技状態に移行している期間において付与入賞により得られたメダルの数が9000枚である場合、9000を16000で除算して得られる0.56が連比(%)となる。
なお、算出した役比(%)や連比(%)を主基板の中央に設けられた表示モニタ(例えば、7セグメント)において表示する例を示したが、これに限らず、払出制御基板などの他の基板や、遊技盤面、遊技機用枠(台枠)等に表示モニタを設けるようにしてもよい。また、役比(%)や連比(%)を表示するための専用の表示モニタを設けるものに限らず、既存の表示装置(例えば、画像表示装置5、エラーを表示するための7セグメント表示器、スロットマシンにおけるクレジット表示器や払出数表示器など)を用いて役比(%)や連比(%)を表示するようにしてもよい。
上記実施形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えば遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
課題欄で述べたように、小当り等の特定状態において出玉を増やすタイプの遊技機においては、外部装置において特定状態において遊技者に付与された玉数を正確に算出することができないという問題がある。
また、遊技釘などの整備により、遊技球の払出率の設計などを行うことがある。しかし、遊技釘などに対してどのような整備を行ったかを外部から確認することができないため、設計値通りの払出率となるか否かの判断が難しいという問題がある。
そこで、これらの課題を解決することが可能な遊技機及び管理装置を含む遊技用システムの実施形態について説明する。
[2−1.システム構成]
図14は、本実施形態における第1遊技用システム1000Aのシステム構成の一例を表す図である。
第1遊技用システム1000Aは、遊技島に設置される複数の遊技機1´と、各遊技機1´に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置1200と、各遊技機1´に対応して設けられる遊技用装置、計数装置及び記録媒体処理装置の一種である台間計数ユニット500と、管理装置の一種であるホールコンピュータ600と、遊技客の貯玉数や持玉数を管理するための管理装置の一種である玉管理コンピュータ800と、を備えて構成される。
各遊技機1´の上方所定位置には、カラーの液晶画面によって遊技機1´での遊技に係る遊技情報や店舗の営業に係る店舗情報等の各種の情報を表示するデータ表示装置1200が設置されている。データ表示装置1200は、遊技者や遊技客に対して情報を公開する端末であるため、情報公開端末と言い換えることもできる。
本実施形態において、データ表示装置1200は、ホールコンピュータ600により提供されるデータ表示装置1200用の設定用情報である表示装置設定用データ691に基づいて、自装置の各種の設定を行うことが可能に構成されている。
ここで、設定とは、特定の動作を行うように、自装置の動作を定めることを言う。また、本実施形態では、データ表示装置1200に対応して設けられる遊技機1´のことを「対応遊技機1´」と称し、データ表示装置1200に対応して設けられる台間計数ユニット500のことを「対応ユニット500」と称する。
なお、本実施形態では、データ表示装置1200の設定用データを管理装置の一種であるホールコンピュータ600が提供することとして説明するが、ホールコンピュータ600ではなく、他の管理装置の一種である玉管理コンピュータ800が設定用データを提供するようにしてもよい。また、会員登録している遊技者の会員情報を管理する会員管理コンピュータや、遊技者が所持する遊技用カードのカード情報を管理するカード管理コンピュータ等の管理装置を店舗に設置するようにし、これらの管理装置が設定用データを提供するようにしてもよい。
データ表示装置1200は、対応遊技機1´に関する情報を表示可能な表示手段である表示部1230と、当該表示部1230を表示制御する表示制御手段である処理部1210と、を備える。また、データ表示装置1200は、操作手段である呼出ボタン1221やタッチパネル1222を有する操作部1220を備える。
台間計数ユニット500は、各遊技機1´の左方(或いは右方)に併設して設けられ、遊技者が所有する遊技用の記録媒体であって遊技用カードの一種である持玉カードを受け付けて、遊技者が対応する遊技機1´での遊技を可能とするための処理(遊技可能化処理)を実行する。台間計数ユニット500は、台間機(サンド)とも呼ばれるものである。
ホールコンピュータ600は、店舗に設置された各遊技機1´を統括的に管理する。また、ホールコンピュータ600は、各遊技機1´に対応して設けられたデータ表示装置1200や台間計数ユニット500を統括的に管理する。
玉管理コンピュータ800は、遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する持玉カードに記録された持玉数の管理等を行う。
各遊技機1´は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、遊技機1´、データ表示装置1200及び台間計数ユニット500は、台端末900を介してホールコンピュータ600や玉管理コンピュータ800に接続されている。なお、この図では、簡明化のために、遊技島に設置される遊技機1´を4台として図示している。
[2−2.信号及び情報の流れ]
図15は、第1遊技用システム1000Aの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末900については図示を省略している。
遊技機1´からは、遊技機信号がデータ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。この遊技機信号については後述する。また、遊技機1´の背面に設けられたアウト球検出器200からは、アウト信号がデータ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。これらの信号については後述する。
台間計数ユニット500からは、カード挿入信号、カード排出信号、入金信号、消費信号、玉払出信号、ユニットエラー信号を含むユニット信号が、データ表示装置1200及びホールコンピュータ600及びに出力される。
カード挿入信号は、遊技用カードを受け付けた場合に出力状態とされる信号であり、受け付けた持玉カードのカードID等を含む信号が出力される。
カード排出信号は、受け付けた持玉カードが排出された場合に出力状態とされる信号である。
入金信号は、遊技者により入金がなされた場合に出力状態とされる信号である。入金信号は、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
消費信号は、残額が消費された場合に出力状態とされる信号である。消費信号も、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
玉払出信号は、遊技機1´に遊技球を払い出した場合に出力状態とされる信号であり、遊技球を払い出した旨及び払い出した遊技球の玉数を含む信号が出力される。
ユニットエラー信号は、台間計数ユニット500に何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
ホールコンピュータ600からは、データ表示装置1200が各種の設定を行うための表示装置設定用データ691がデータ表示装置1200に出力される。また、ホールコンピュータ600からは、データ表示装置1200に一斉演出を行わせるための一斉演出信号、定期告知を行わせるための定期告知信号等を含む管理装置信号が、データ表示装置1200に出力される。
台間計数ユニット500からは、自装置に挿入された持玉カードの認証を要求するための認証要求信号が玉管理コンピュータ800に出力される。認証要求信号には、自装置のIDであるユニットIDと、持玉カードに記録されたカードIDとが含まれる。
玉管理コンピュータ800は、台間計数ユニット500から出力される認証要求信号に従って認証処理を実行し、認証信号を台間計数ユニット500に送信する。認証信号には、認証結果(OK/NG)が含まれる。
[2−3.遊技機]
図16は、遊技機1´の外観構成の一例を示す正面図である。
遊技機1´は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、遊技機1´は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図16に示すように、遊技機1´は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9に表示させる表示内容やその表示制御方法については、第1実施形態で説明した遊技機1の画像表示装置5と基本的には同様とすることができるため、共通する内容については再度の説明を省略する。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8a及び第2特別図柄表示器8bが設けられている。本実施形態では、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、本実施形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶又は始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。このように、本実施形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。本実施形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18a及び第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18a及び第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
本実施形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。又は、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、本実施形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
本実施形態では、第1始動入賞口13を有する入賞装置が、演出表示装置9の下方に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、演出表示装置9の右方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
演出表示装置9の右方には、後述する小当りタイム状態において、第2特別図柄表示部8bに特定表示結果(小当りB図柄)が導出表示された場合に生起する小当りB遊技状態においてソレノイドによって開状態とされる第1特別可変入賞球装置22Aが設けられている。
具体的には、第2特別図柄表示器8bに特殊表示結果(小当りB図柄)が導出表示されたときに生起する特殊遊技状態(小当りB遊技状態)において、第1特別可変入賞球装置22Aを作動させ、短時間に第1大入賞口24Aに遊技球が入賞可能な開状態と遊技球が入賞不能な閉状態とに変化させる短開放を繰り返し実行する。この場合における短開放の終了条件は、例えば、開放の実行回数が第1特定回数となること、又は、入賞した遊技球の数が第1特定球数となること、として定めておくことができる。
第1大入賞口24A内には、第1大入賞口24A内に入賞した遊技球を検出可能なカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、第1賞球数の遊技球が賞球として払い出される。ここで、第1特別可変入賞球装置22Aを作動させて開状態となった第1大入賞口24Aを遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、第1大入賞口24Aが開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、第1大入賞口24Aが閉状態となれば、第1大入賞口24Aに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、演出表示装置9の右下方には、第1特別図柄表示部8a又は第2特別図柄表示部8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド106によって開状態とされる第2特別可変入賞球装置22Bが設けられている。第2特別可変入賞球装置22Bは、これに加えて、第2特別図柄表示部8bに特定表示結果(小当りA図柄)が導出表示された場合に生起する小当りA遊技状態においてもソレノイド106によって開状態とされるように構成されている。
詳細は後述するが、この第2特別可変入賞球装置22Bは、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材23を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材23の下方に位置する第2大入賞口24Bに遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。第2特別可変入賞球装置22Bは、底面部材23を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材23を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2大入賞口24Bを開状態とする開放制御を複数ラウンド実行可能に構成されている。
第2特別可変入賞球装置22Bは、KT状態において第2特別図柄表示器8bに特殊表示結果(小当りA図柄)が導出表示されたときに生起する特殊遊技状態(小当りA遊技状態)において、短時間に第2大入賞口24Bに遊技球が入賞可能な開状態と遊技球が入賞不能な閉状態とに変化させる短開放を繰り返し実行する。短開放の終了条件は、例えば、開放の実行回数が第2特定回数となること、又は、入賞した遊技球の数が第2特定球数となること、として定めておくことができる。
ここで、本実施形態では、第1大入賞口24Aの短開放の終了条件である第1特定回数と、第2大入賞口24Bの短開放の終了条件である第2特定回数との関係は、第2特定回数が第1特定回数よりも大きい値となるように特定回数が定められていることとして説明する。例えば、第1特定回数には「2回」、第2特定回数には「8回」といった値が定められている。
また、第1大入賞口24Aの短開放の終了条件である第1特定球数と、第2大入賞口24Bの短開放の終了条件である第2特定球数との関係は、第1特定球数が第2特定球数よりも大きい値となるように特定球数が定められていることとして説明する。なお、詳細は後述するが、本実施形態の遊技機1´は、第2大入賞口24Bの一度の開放によって同時に7個の遊技球を収納可能に構成されており、小当りA遊技状態における上限入賞数を「7」として説明する。従って、例えば、第1特定球数には「3球」、第2特定球数には「7球」といった値を定めておくことができる。
第2大入賞口24B内には、第2大入賞口24B内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ25aと第3入賞確認スイッチ25b)が設けられている。なお、図示省略するが、本実施形態では、第2大入賞口24B内において、カウントスイッチ25aが上側に配置され、その下側に第3入賞確認スイッチ25bが配置される。従って、本実施形態では、第2大入賞口24B内に入賞した遊技球は、遊技盤9の背面に導かれ、まずカウントスイッチ25aで検出され、次いで第3入賞確認スイッチ25bで検出されることになる。なお、カウントスイッチ25aは、遊技球が第2大入賞口24Bに入賞してから2.0秒が経過するまでに該遊技球を検出可能な位置に設けられている。
カウントスイッチ25aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、第2賞球数の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特別可変入賞球装置22Bにおいて開状態となった第2大入賞口24Bを遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特別可変入賞球装置22Bが開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置22Bが閉状態となれば、第2大入賞口24Bに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
遊技機1´では、第1大入賞口24Aの賞球数である第1賞球数と、第2大入賞口24Bの賞球数である第2賞球数とは、同じ数(例えば15個)が定められている。
後述するが、本実施形態では、KT状態における小当りAの当選確率が、小当りBの当選確率よりも高く設定されている。つまり、小当りA遊技状態は、小当りB遊技状態よりも遊技者にとって有利な特殊状態である。そこで、小当りA遊技状態では、小当りB遊技状態よりも多い数の遊技球が賞球されるようにしてもよい。つまり、「第1賞球数<第2賞球数」として、小当りA遊技状態における第2大入賞口24Bへの入賞により遊技者が獲得する出玉が、小当りB遊技状態における第1大入賞口24Aへの入賞による遊技者が獲得する出玉よりも多くなるようにしてもよい。
また、上記の他にも、小当りA遊技状態における第2大入賞口24Bの開放時間を小当りB遊技状態における第1大入賞口24Aの開放時間よりも長くすることで、小当りA遊技状態では小当りB遊技状態よりも多い出玉を遊技者が獲得できるようにしてもよい。
また、第2特別可変入賞球装置22Bの右方には、遊技球が入賞可能な一般入賞口29が設けられている。一般入賞口29は、遊技盤面より前方に突設された球受部材により構成され、一般入賞口29に遊技球が入賞すると、予め定められた数の賞球が遊技者に特定価値として付与される。一般入賞口29に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、一般入賞口スイッチ25dによって検出される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部及び外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28b及び右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了又は前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示部8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了又は前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示部8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、又は、所定個数(例えば、10個)の遊技球が第2大入賞口24Bに入賞するまで第2特別可変入賞球装置22Bが開放される。第2大入賞口24Bが開放されてから一定期間経過するまで、又は、所定個数(例えば、10個)の打球が第2大入賞口24Bに入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が第2大入賞口24Bに入賞すると、又は第2大入賞口24Bが開放されてから一定期間経過すると、第2特別可変入賞球装置22Bの開放が再度行われ、所定回数(例えば、15ラウンド)の開放が行われる。
本実施形態における遊技機1´は、通常状態と、遊技者にとって有利な大当り遊技状態及び小当り遊技状態とに制御可能であり、大当り遊技状態とは異なる状態であって遊技者にとって有利な小当りタイム状態(以下、「KT状態」という。)に大当り遊技状態の後に制御可能に構成されている。KT状態は、通常状態よりも小当りが発生しやすい遊技状態である。大当り遊技状態は有利状態に相当し、小当り遊技状態は特殊状態に相当し、KT状態は特定状態に相当する。
具体的には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄、又は第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄が、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態よりも高い確変状態、及びKT状態(具体的には、確変フラグ及び特殊フラグの両方の状態フラグがセットされている状態)という遊技者にとって有利な状態に移行する。
なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に制御された場合には、第1特別図柄及び第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示及び第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
確変状態では、大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、通常状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の所定倍となっており、確変状態を通常状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。例えば、通常状態における大当りの当選確率には「1/200」、確変状態における大当りの当選確率には「1/80」といった値を定めておくことができる。
また、KT状態は、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの変動時間が通常状態よりも短いため、通常状態よりも一定時間に対する変動の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時には小当りに当選する確率が高くなるように設定されており、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。つまり、KT状態とは、第2特別図柄の変動時間が通常状態よりも短縮されているため、第2特別図柄の変動による小当りが比較的短い間隔で発生するようになっている状態である。
次に、本実施形態における遊技状態の遷移について説明する。
まず、通常状態において第1始動入賞口13への入賞により大当りに当選した場合には、一定の確率で確変状態及びKT状態に移行する。一定の確率は、KT突入率(確変突入率)を意味し、例えば「65%」といった値が定められている。そして、確変大当りに当選した場合には、それに伴う確変大当り遊技状態の終了後に確変状態及びKT状態に移行する。
確変大当り遊技状態が終了したタイミングで確変状態及びKT状態が開始される。遊技機1´は、いわゆる複数特図同時変動タイプの遊技機であり、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動する(特図1、2同時変動タイプ)ように制御される。但し、後述するように、KT状態においては、第1特別図柄はロング変動で、第2特別図柄は高速変動するように制御される。
大当りの種別には、確変大当り(15R)と、小当りとみせかけた確変大当り(みせかけ確変大当り)と、通常大当り(5R)との3種類の大当りが存在する。確変大当りは、例えば15ラウンド(15R)の確変大当り遊技状態に制御される大当りであり、みせかけ確変大当りは、例えば15Rのうちの1R目の開放パターンが小当りA遊技状態と同様の開放パターンであり、2R〜15Rまでが確変大当り遊技状態と同様の開放パターンの大当りである。つまり、1R目では第2特別可変入賞球装置22Bが小当りA遊技状態と同様の開放パターンで開放されるとともに、演出表示装置9の演出表示の内容が小当りA遊技状態と同様のものとなっているため、あたかも小当りAに当選したかのように見えるが、2R目以降では第2特別可変入賞球装置22Bが確変大当り遊技状態と同様の開放パターンで開放されるとともに演出表示装置9の演出表示の内容が小当りA遊技状態とは異なるもの(例えば昇格演出が実行される)となっているため、実際には確変大当りに当選していたことを遊技者に認識させることが可能となっている。また、通常大当りは、例えば5ラウンド(5R)のKT状態から通常状態に移行する契機となる大当り(いわゆるカス当り)である。
確変状態では、第2特別図柄での確変大当りの当選確率がKT突入率と同じ確率、上記の例では「65%」に定められている。これは、KT継続率(確変継続率)が「65%」であることを意味する。従って、確変大当り(みせかけ確変大当りを含む。)よりも通常大当りに当選する確率の方が低くなるように大当り種別の振分が定められており、上記の例では「確変大当り:通常大当り=65:35」となる。また、確変大当りよりもみせかけ確変大当りに当選する確率の方が低くなるように大当り種別の振分が定められている。例えば「確変大当り:みせかけ確変大当り=9:1」が定められている。
また、小当りの種別には、例えば、小当りAと小当りBとの2種類があり、後述するように小当りAの方が小当りBよりも遊技者に付与可能な遊技価値が大きい。つまり、小当りA遊技状態は、小当りB遊技状態よりも遊技者にとって有利な特殊状態となっている。小当りA遊技状態は第1特殊状態に相当し、小当りB遊技状態は第2特殊状態に相当する。
また、小当りAよりも小当りBに当選する確率の方が低くなるように小当り種別の振分が定められている。例えば「小当りA:小当りB=55:45」といった比率が定められている。ここで、KT状態では、第2特別図柄の変動表示が主に実行され、第2特別図柄の小当りの当選確率は「1/10」であるため、小当りの発生頻度が通常状態よりも高くなっている。このため、遊技者は、大当りのみならず、小当りを繰り返すことで出玉を増やすことが可能となっている。
但し、本実施形態では、第1特別図柄での小当りの当選確率は0とされており、第2特別図柄でのみ、前述したように「1/10」の確率で小当りに当選することが可能となっている。なお、本実施形態とは異なるが、第1特別図柄で小当りに当選するようにしてもよい。
KT状態及び確変状態において確変大当り又はみせかけ確変大当りに当選した場合には、対応する確変大当り遊技状態を経て再びKT状態及び確変状態が開始される。また、小当りAに当選した場合には、小当りA遊技状態を経て再びKT状態及び確変状態に戻り、小当りBに当選した場合にも、小当りB遊技状態を経て再びKT状態及び確変状態に戻る。
その一方で、KT状態及び確変状態において通常大当りに当選した場合には、その図柄が確定し、通常大当り遊技状態が開始されたタイミングでKT状態及び確変状態が終了する。当該通常大当り遊技状態が終了すると、通常状態に戻る。
小当りA遊技状態では、第2大入賞口24Bが短開放され、遊技者は、第2大入賞口24Bに遊技球を入賞させることで、出玉を獲得することができる。また、大当り遊技状態では、小当りA遊技状態と同じく、第2大入賞口24Bが開放され、遊技者は、第2大入賞口24Bに遊技球を入賞させることで、出玉を獲得することができる。一方、小当りB遊技状態では、第1大入賞口24Aが短開放され、遊技者は、第1大入賞口24Aに遊技球を入賞させることで、出玉を獲得することができる。
本実施形態では、KT状態及び確変状態において確変大当りと小当りAとのいずれかの当選を繰り返すことを「連荘(連チャン)」と定義する。つまり、本実施形態における連荘には、KT状態及び確変状態における小当りBの当選は含まれないこととして説明する。小当りAも小当りBもいずれも小当りであることに変わりはないが、本実施形態では、小当りAを確変大当りと同じ分類とし、小当りBをハズレと同じ分類として取り扱うことで、小当りBを連荘から除外する。
ここで、演出制御用CPU201は、一連のKT状態及び確変状態において、大当りの当選回数と小当りAの当選回数とを集計し、その集計結果を「BONUS回数」として演出表示装置9に表示可能となっているとともに、大当りで払い出された遊技球数と小当りAで払い出された遊技球数とを集計し、その集計結果を「獲得ポイント」として表示可能となっている。これらの「BONUS回数」及び「獲得ポイント」においては、小当りBの当選回数と、小当りBで払い出された遊技球数とは集計から除外されている。これは、小当りA遊技状態では、最大で7個まで入賞可能となるように第2大入賞口24Bが開放されることにより、大当り遊技状態の1ラウンド遊技分に近い遊技球が払い出されるのに対して、小当りB遊技状態では、1個又は2個程度の入賞可能に開放されるに過ぎず、小当りB遊技状態で払い出される遊技球数が小当りA遊技状態に比べて少なく、小当りB遊技状態は、KT状態において遊技者に払い出された払出数の割合(後述のBA)を一定範囲に維持することを目的とするものであるためである。なお、小当りA遊技状態では、最大で10個まで入賞可能となるように第2大入賞口24Bを開放させてもよい。
また、演出制御用CPU120は、賞球予定数が更新される毎に獲得ポイントを累積して加算していき、このようにして累積的に算出される獲得ポイントを累計獲得ポイントとして、演出表示装置9に表示される演出画面上の特定位置に表示させてもよい。この場合、獲得ポイントや累計獲得ポイントは、演出画面における演出が妨げられないように、例えば、演出画面の左上部や右上部、左下部、右下部等に小さく表示させるなどするとよい。なお、「BONUS回数」(連荘の集計対象)及び「獲得ポイント」の集計対象に、小当りBの当選回数と小当りB遊技状態にて払い出された遊技球数を加えてもよい。
遊技機1´では、遊技者に対して、通常状態では遊技領域7の略左側に遊技球を打ち出させる遊技方法(以下、「左打ち」という。)を行わせることで第1始動入賞口13への入賞を狙わせる。そして、特定状態(KT状態)では遊技状態7の略右側に遊技球を打ち出させる遊技方法(以下、「右打ち」という。)を行わせることで第2始動入賞口14への入賞を狙わせる構成となっている。ただし、第1始動入賞口13の設置位置の関係から、右打ちを行った場合であっても、遊技球が第1始動入賞口13に入賞する場合がある。
KT状態では、第2特別図柄の変動時間が、大当り又は小当りAに当選した場合の方が、小当りBに当選した場合又はハズレを引いた場合よりも長くなるように制御される。これは、上記のように、小当りA遊技状態は小当りB遊技状態よりも有利な状態であるため、遊技者に期待を込めさせる意味で変動時間を長くする一方、小当りBは意味合い的にはハズレに近い小当りであるため、時短的に変動を消化することを可能とするためである。例えば、大当り又は小当りAに当選した場合には、第2特別図柄の変動時間を「10秒〜20秒程度の時間:例えば12、5秒や15.5秒」とし、小当りBに当選した場合又はハズレを引いた場合には、第2特別図柄の変動時間を「1秒」とする。
但し、特別図柄の変動後に煽り演出を行う場合には、上記の時間よりも長い時間で第2特別図柄が変動するように制御される。具体的には、小当りBに当選した場合又はハズレを引いた場合であって煽り演出を行う場合には、その時間込みで第2特別図柄の変動時間を上記の「1秒」よりも長い時間、例えば「6秒」や「9秒」といった時間とする。
ここで、遊技者によっては、通常状態(低確時)において意図的に右打ちを行い、第2始動入賞口14への入賞を狙う攻略(右打ち攻略)を行う場合がある。第2始動入賞口14への入賞により、大当りや小当りを狙うためである。しかし、これは遊技機メーカが本来想定していない遊技方法であるため、遊技者に何らかのペナルティを与えることが望ましい。そこで、通常状態(低確時)における第2特別図柄の変動時間は、KT状態(高確率時)における第2特別図柄の変動時間よりも短くなるように制御される。
より具体的には、通常状態では、第2特別図柄の変動時間が、ハズレを引いた場合や小当りに当選した場合の方が、大当りに当選した場合よりも長くなるように制御される。これは、本来想定していない遊技方法で遊技を行った遊技者に対してペナルティを与えるためであり、通常状態において遊技者が右打ちによって第2始動入賞口14に入賞させた場合には、特にハズレを引いた場合や小当りに当選した場合に第2特別図柄の変動時間を長めの時間(例えば10分以内の分単位:450秒〜600秒)とし、次の変動までに要する時間を長くすることで、遊技者に右打ち攻略を行わないように注意喚起する。ただし、大当りに当選した場合にも変動時間を長めにすることは遊技者にとって酷である。このため、ハズレを引いた場合や小当り(小当りA、小当りB)に当選した場合よりも、第2特別図柄の変動時間を短くする(例えば20秒以内の秒単位:17秒)。
なお、上記の例において、ハズレを引いた場合や小当りに当選した場合における変動時間が10分以内の分単位といった極端に長い時間であるため、ペナルティを軽減するという意味で、大当りに当選した場合と同様に、例えば20秒以内の秒単位といった変動時間としてもよい。
なお、右打ち攻略に対するペナルティを与えるという意味においては、ハズレを引いた場合や大当りに当選した場合も同じであると考えることもできるため、第2始動入賞口14への入賞によって大当りに当選した場合にも、ハズレを引いた場合と同様に、10分以内の分単位といった長めの時間で第2特別図柄を変動させるようにしてもよい。例えば、上記の450秒〜600秒として規定される時間と同じ変動時間としてもよい。
また、KT状態においては右打ちを行わせるが、前述したように、第1始動入賞口13の設置位置の関係から、右打ちを行った場合であっても、遊技球が第1始動入賞口13に入賞してしまう場合がある。このため、KT状態における第1特別図柄の変動時間は、第1始動入賞口13への入賞によりハズレを引いた場合であっても大当りに当選した場合であっても、通常状態と同じ変動時間(例えば0.5秒)とし、第1特別図柄での消化を早くする。
KT状態において大当りや小当りに当選した場合には、それぞれ対応して定められた演出映像を演出表示装置9に表示させる演出を行う。確変大当り遊技状態は、通常大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な有利状態であるため、確変大当り遊技状態では、通常大当り遊技状態と比べて派手な演出や特別な演出を行うようにすることで、遊技者に特別感や優越感を与えることができる。つまり、確変大当り遊技状態に制御された場合と、通常大当り遊技状態に制御された場合とで、演出態様の異なる演出を実行するようにするとよい。
また、小当りA遊技状態は、小当りB遊技状態よりも遊技者にとって有利な特殊状態であるため、小当りA遊技状態では、小当りB遊技状態よりも派手な演出や特別な演出を行うようにすることで、遊技者に特別感や優越感を与えることができる。つまり、小当りA遊技状態に制御された場合と、小当りB遊技状態に制御された場合とで、演出態様の異なる演出を実行するようにするとよい。
また、ハズレを引いた場合と小当りBに当選した場合とで同様の演出態様での演出を行い、一方で、確変大当りに当選した場合と小当りBに当選した場合とで同様の演出態様での演出を行うようにしてもよい。つまり、小当りBに当選した場合には、あたかもハズレを引いたかのように遊技者を落胆させるが、小当りAに当選した場合には、あたかも確変大当りに当選したかのように遊技者を歓喜させるように演出を行うこととしてもよい。
右打ちにおいては、遊技者に対し遊技領域7の略右側への遊技球の打ち出しを促進する演出を行う。例えば、演出表示装置9に「右打ち」や「右側に打ち出してください」などといった情報を表示させる演出を行う。このように遊技状態によって遊技方法を変えさせることにより、遊技者に退屈感を与えることを防止することができる。
また、例えば、遊技者が左打ちを行った場合には第2始動入賞口14を遊技球が通過し得ない構成であり、且つ、右打ちを行った場合には第1始動入賞口13を遊技球が通過し得ない構成としてもよい。例えば、本実施形態の遊技盤6上の構成における右打ち時の遊技球の流下領域に、第1始動入賞口13に遊技球が入賞することを妨げるような部材(例えば、釘)を配置したり、遊技盤の略右側から第2始動入賞口14近傍まで遊技球を誘導する部材(例えば、通路)を配置したりすることにより実現可能である。
このように、左打ちにて第1始動入賞口13への入賞を狙わせ、右打ちにて第2始動口14への入賞を狙わせるような構成とすることにより、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちいずれか一方のみを用いた遊技が可能となる。従って、常に両始動入賞口への入賞を狙わせるような構成の遊技機より、特別図柄の変動回数を減らした遊技が可能となり、効率的な遊技を遊技者に行わせることができる。なお、単一の特別図柄のみを設ける構成とすることでも、常に両始動入賞口への入賞を狙わせるような構成の遊技機よりも特別図柄の変動回数を減らした遊技が可能となるが、当り種別の選択割合や演出の種類又は発生頻度などの設定ができないため、興趣を低下させてしまうことになる。そのため、複数の特別図柄を設けることが望ましい。
図17〜図23は、第2特別可変入賞球装置22Bの一構成例を示す図である。
図17〜図20に示すように、第2特別可変入賞球装置22Bは、左右方向に長い矩形板状のベース板部101を備えている。第2特別可変入賞球装置22Bは、このベース板部101が遊技領域7に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域7に固定支持される。ベース板部101の略中央領域には、前方に向けて開口する第2大入賞口24Bが形成されるとともに、ベース板部101における第2大入賞口24Bよりも上方の位置には、底面部材23が後退移動した際に、底面部材23を遊技領域7の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔102が形成されている。なお、本実施形態において第2大入賞口24Bは詳しくは、ベース板部101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左又は右であってもよい。
底面部材23は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102は、底面部材23の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材23は、図18に示す前進移動された状態と、図19に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部101の背面側(後方)には、底面部材23を進退移動させる駆動装置103が配置されている。
駆動装置103は、ベース板部101の背面に一体形成された収容部104(図面においては、説明便宜上、二点鎖線で示す。)に収容され、この収容部104は、遊技領域7に形成された図示省略する孔に挿通されて、遊技領域7の後方内部に収容されるように配置されている。なお、本実施形態において収容部104は、ベース板部101に一体形成されるが、別体でベース板部101に固定されるものであってもよい。
駆動装置103は、プランジャ105を前後方向に進退移動させるソレノイド106と、プランジャ105の先端部に、一端部を上下方向を軸中心として回動可能に支持されるとともに他端を右方に延ばし、その中央部に枢支孔107が形成された第1アーム部108と、第1アーム部108の先端部に形成された長孔109に挿通される軸部110を一端部に有するとともに、他端部を底面部材23の後部に固定させた前後方向に延在する第2アーム部111と、を備えている。
ソレノイド106は、主基板40からの指令に基づき駆動し、第1アーム部108の枢支孔107には、上下方向が軸中心となるように図示省略する枢軸(例えば、収容部104に形成される)が挿通される。これにより、プランジャ105の進退移動に伴い、第1アーム部108が枢支孔107を軸中心に揺動し、長孔109が形成された側の端部が前後方向に揺動する。そして、第2アーム部111は、軸部110が長孔109の長手方向に相対移動可能に挿通されることで、第1アーム部108の揺動に応じて長孔109から前後方向に沿った作用力を付与されることになり、底面部材23を前後方向に沿って進退移動させることが可能となっている。
本実施形態では、図20において、プランジャ105が後方に向けて推進した状態で、底面部材23が前進移動した状態となる一方で、プランジャ105を縮退させることで、第1アーム部108が枢支孔107を軸中心に揺動して、長孔109が形成された側の端部が後方に移動する。これにより、第2アーム部111が後方に引かれることで、底面部材23が後退移動した状態となり、逆の動作によって、底面部材23が前進移動した状態となる。
なお、仮に底面部材23がベース板部101よりも深い位置まで後退移動した場合、ベース板部101の収容孔102の位置からずれてしまい、底面部材23を前進移動させようとしたときに収容孔102の淵に引っかかるなどして適正に収容孔102から前進移動しない虞がある。そこで、以下のように構成することで対策を講じることとしてもよい。
まず、第1の構成例として、底面部材23がベース板部101よりも深い位置まで後退移動することを抑制するストッパ部材を設けることとしてもよい。例えば、第2アーム部111の前後方向に長孔部を形成し、該長孔部にストッパ部材としての突起部を挿通して固定し、底面部材23を適切な位置まで後退移動させたときに該突起部が該長孔部の前端部に当接することにより、底面部材23がベース板部101よりも深い位置まで後退移動することを抑制することとしてもよい。また、第2の構成例として、底面部材23がベース板部101よりも深い位置まで後退移動した場合であっても、適正に前進移動させるよう底面部材23を誘導する誘導部(誘導リブ)をベース板部101の裏面や収容部104に設けることとしてもよい。これら第1の構成例及び第2の構成例のうち、いずれか一方の構成例を適用することとしてもよいし、両方の構成例を適用することとしてもよい。
図17〜図19に戻り、ベース板部101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部112が形成されており、この流路形成台部112の上部には、前進移動した状態の底面部材23の上方側端部(右端部)である上流領域23Uと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部113と、底面部材23の下方側端部(左端部)である下流領域23Lと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部114とが形成されている。
また、流路形成台部112の上部には、上流側流路部113及び下流側流路部114の底面部材23側の端部から下方に凹み、正面視で、第2大入賞口24Bを左右及び下方から囲うようにして、底面部材23の下方に落下した遊技球を第2大入賞口24Bに案内する案内流路部115が形成されている。
上流側流路部113及び下流側流路部114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部115の底部は、第2大入賞口24B側に向けて左下がりに延びるとともに、第2大入賞口24Bの前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を第2大入賞口24B側(遊技領域7の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部116が配設されている。
さらに、流路形成台部112の前部(遊技者側)には、上流側流路部113、下流側流路部114及び案内流路部115を前方から覆う被覆部117が一体に形成されている。この被覆部117は、上流側流路部113、下流側流路部114及び案内流路部115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠4側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部117が流路形成台部112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
第2特別可変入賞球装置22Bでは、ベース板部101と被覆部117との間において、上流側流路部113、底面部材23、及び下流側流路部114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部101及び被覆部117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。
本実施形態において、規制片118は、ベース板部101及び被覆部117に一体形成され、ベース板部101から前方に突出する、又は被覆部117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片118がない場合よりも遅延させる。これら規制片118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部101及び被覆部117に交互に形成されている。また、規制片118は、底面部材23の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部117のうちの上流側流路部113を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されるとともに、被覆部117のうちの下流側流路部114を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されている。また、ベース板部101及び被覆部117のうちの底面部材23を覆う部位には、ベース板部101及び被覆部117に交互に形成された規制片118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片118の配置により、第2特別可変入賞球装置22Bでは、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される第2特別可変入賞球装置22Bの閉状態では、遊技球Pが第2大入賞口24Bに入賞せずに、第2特別可変入賞球装置22Bを基本的に通過する。一方で、底面部材23が後退移動した第2特別可変入賞球装置22Bの開状態では、遊技球Pが、流路形成台部112の案内流路部115に落下することが可能となり、この案内流路部115を流下して、第2大入賞口24Bに入賞することが可能となる。
また、図21に示すように、底面部材23は閉状態であるときに同時に最大7個の遊技球Pが流下可能な面積を有しており、第2特別可変入賞球装置22Bの一度の開放制御によって同時に7個の遊技球が案内流路部115に落下することが可能となっている。本実施形態では小当りA遊技状態における上限入賞数を「7」とし、0.1秒の開放であっても小当り遊技状態における上限入賞数が入賞可能なよう構成されている。
なお、本実施形態では省略するが、第2特別可変入賞球装置22Bが閉鎖されているが開放制御することが決定されているときには、底面部材23上に遊技球を乗せることを促す演出を行うこととしてもよい。例えば、底面部材23上を遊技球が通過する際の所要時間が5.0秒である遊技機であって、小当りA遊技状態において、第2特別可変入賞球装置22Bを0.5秒開放した後に4.0秒閉鎖し、更に0.5秒開放するものとした場合、第2特別可変入賞球装置22Bが閉鎖されている間に「アタッカーに球を乗せろ」といった文字情報を演出表示装置9に表示するようなこととしてもよい。これによれば、2回目の開放制御の際に案内流路部115に落下する遊技球を増加させるよう促すことができ、興趣を向上させることができる。また、第2特別可変入賞球装置22Bが閉鎖されているが開放制御することが決定されているときであれば、底面部材23上に遊技球を乗せることを促す演出を行うタイミングとしては、小当りA遊技状態中の閉鎖期間中に限るものではない。例えば、第2特別可変入賞球装置22Bの開放制御を1回のみ行う小当りA遊技状態に移行する場合には、小当りとなる変動中や、小当りとなる変動が停止してから小当り遊技状態が開始されるまでの間(いわゆる、ファンファーレ演出の実行中)に、底面部材23上に遊技球を乗せることを促す演出を行うこととしてもよい。
また、底面部材23上に乗っている遊技球の数を検出可能とし、検出した遊技球の数に応じた演出を行うようにしてもよい。例えば、本実施形態のように小当り遊技状態における上限入賞数が「7」である場合に、検出した遊技球の数が「0」又は「1」であれば「・・・」といった表示を、検出した遊技球の数が「2」から「5」のいずれかであれば「チャンス」といった表示を、検出した遊技球の数が「6」又は「7」であれば「大チャンス」といった表示を行うこととしてもよい。また、第2特別可変入賞球装置22B又は第2特別可変入賞球装置22B付近に発光部材を配置し、該発光部材を発光させる演出を行うこととしてもよい。例えば、検出した遊技球の数が「0」から「4」のいずれかであれば青色で発光部材を発光させる一方、検出した遊技球の数が「5」から「7」のいずれかであれば赤色で発光部材を発光させるようなこととしてもよい。
図22は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。
なお、図22には、払出制御基板37及び演出制御基板80等も示されている。
主基板31には、プログラムに従って遊技機1´を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。本実施形態では、ROM54及びRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(又はCPU56)が実行する(又は、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ25a、第1大入賞口スイッチ25b、第2大入賞口スイッチ25c及び一般入賞口スイッチ25dからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞球装置22を開閉するソレノイド106を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
本実施形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄と背景図柄と図柄保留記憶表示部との表示制御を行う。
図23は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図23に示す例では、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU201及びRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU201は、内蔵又は外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ202及び入力ポート203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)209に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ202に入力する。入力ドライバ202は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図23には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンド及び演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図22に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU201は、入出力ポート205を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU201は、入出力ポート204を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音又は音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号及び音番号データは、演出制御用CPU201とランプドライバ基板35及び音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形又は記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。
演出制御用CPU201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP209に出力する。VDP209は、演出制御用CPU201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
本実施形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP209が演出制御基板80に搭載されている。VDP209は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP209は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には外部出力回路53が接続されており、この外部出力回路は外部出力基板130に接続されている。外部出力基板130は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される指示信号に応じた外部出力回路53の制御に従って、遊技機信号を外部装置に外部出力可能に構成されている。
なお、本実施形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70及びランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図23に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、又は例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
図24は、遊技機1´が備える特別可変入賞球装置22の開放パターンの説明図である。この図において、横軸は時間軸を示し、各開放パターンにおけるパルスは開放状態を示す。
図24(A)は、確変大当り(15R)の当選に伴い制御される確変大当り遊技状態における第2特別可変入賞球装置22Bの第2大入賞口24Bの開放パターンの一例を示す図である。この開放パターンでは、例えば、15Rで構成される確変大当り遊技状態として、一定の時間間隔で15回分、第2大入賞口24Bが連続的に開閉するように制御される。
図24(B)は、小当りAの当選に伴い制御される小当りA遊技状態における第2特別可変入賞球装置22Bの第2大入賞口24Bの開放パターンの一例を示す図である。この開放パターンでは、1Rで構成される小当りA遊技状態として、第1規定回数(例えば8回)分、第2大入賞口24Bが連続的に短時間の開放(短開放)を行うように制御される。
図24(C)は、小当りBの当選に伴い制御される小当りB遊技状態における第1特別可変入賞球装置22Aの第1大入賞口24Aの開放パターンの一例を示す図である。この開放パターンでは、1Rで構成される小当りB遊技状態として、第2規定回数(例えば2回)分、第1第1賞口24Aが連続的に短時間の開放(短開放)を行うように制御される。
図24(D)は、みせかけ確変大当りの当選に伴い制御されるみせかけ確変大当り遊技状態における第2第入賞口24Bの開放パターンの一例を示す図である。この開放パターンでは、図24(B)に示した小当りA遊技状態の1Rの開放パターンに続いて、図24(A)に示した確変大当り遊技状態の開放パターンの2R〜15ラウンドの開放パターンで第2大入賞口24Bが開放されるように制御される。
なお、図24(B)の小当りA遊技状態における第2大入賞口24Bの開放パターンでは、第1規定回数を8回とする場合を図示しているが、第1規定回数をこれとは別の回数として定めておくことで、8回未満や9回以上の短開放を行うようにしてもよい。同様に、図24(C)の小当りB遊技状態における第1大入賞口24Aの開放パターンでは、第2規定回数を2回とする場合を図示しているが、第2規定回数として別の回数を定めておくことで、8回未満や9回以上の開閉を行うようにしてもよい。第2規定回数をこれとは別の回数として定めておくことで、1回や3回以上の短開放を行うようにしてもよい。
[2−4.遊技機信号]
図25は、外部出力基板130から外部装置に出力される遊技機信号の一例を示す図である。ここで言う外部装置とは、遊技機1´と通信可能に接続された外部装置のことを意味し、本実施形態ではデータ表示装置1200とホールコンピュータ600とがこれに含まれる。外部出力基板130からは、遊技機信号として、大当り信号1、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号の4つの異なる大当り信号と、賞球信号と、セキュリティ信号と、図柄確定信号と、扉開放中信号と、賞球予定信号と、特1特2始動入賞信号(第1特別図柄第2特別図柄始動入賞信号、第1特図第2特図始動入賞信号)と、が外部出力される。
大当り1信号は、遊技機1´が大当り遊技状態に制御されている期間に出力状態(ON状態)とされるパルス信号である。
大当り2信号は、遊技機1´がKT状態及び確変状態(以下、単にKT状態として説明する)に制御されている期間に出力状態(ON状態)とされるパルス信号である。具体的には、通常状態においてKT状態に移行する契機となる確変大当りの当選に伴う確変大当り遊技状態が終了し、KT状態が開始されたタイミングでON状態とされる。そして、KT状態が継続している間はON状態が維持され、KT状態から転落する契機となる通常大当りの当選に伴う通常大当り遊技状態が開始されたタイミング(つまりKT状態が終了したタイミング)でOFF状態とされる。
大当り3信号は、大当り遊技状態に制御されている期間と、KT状態に制御されている期間との両方に対応する期間に出力状態(ON状態)とされるパルス信号である。具体的には、通常状態においてKT状態に移行する契機となる確変大当りの当選に伴う確変大当り遊技状態が開始されたタイミングでON状態とされる。当該確変大当り遊技状態が終了し、その後に移行されるKT状態においてもON状態は維持される。そして、KT状態から転落する契機となる通常大当りの当選に伴う通常大当り遊技状態が開始されたタイミングでもON状態は維持されるが、当該通常大当り遊技状態が終了したタイミングでOFF状態とされる。
大当り2信号又は大当り3信号は、少なくとも特定状態(KT状態)に対応する特定信号の一例である。「少なくとも」の意味は、大当り2信号と大当り3信号とのいずれの信号を用いても、外部装置は遊技機1´がKT状態を特定可能であるという意味である。
大当り4信号は、遊技機が大当り遊技状態に制御されている期間と、一部の小当り遊技状態(本実施形態では小当りA遊技状態)に制御されている期間との両方に対応する期間に出力状態(ON状態)とされるパルス信号である。具体的には、大当り遊技状態の制御が開始されたタイミングでON状態とされ、当該大当り遊技状態が終了したタイミングでOFF状態とされる。また、小当りA遊技状態が開始されたタイミングでON状態とされ、当該小当りA遊技状態が終了したタイミングでOFF状態とされる。大当り4信号は、有利状態(大当り遊技状態)及び特殊状態(小当り遊技状態)のいずれにも対応する特別信号の一例である。
つまり、遊技機1´は、小当りA遊技状態(第1特殊状態)に制御された場合には大当り4信号(特別信号)を出力するが、小当りB遊技状態(第2特殊状態)に制御された場合には大当り4信号(特別信号)を出力しないように構成されている。
上記の信号については、タイミングチャートを用いて後述する。
なお、本実施形態では、大当り遊技状態及び小当りA遊技状態のいずれにも対応する特別信号としての大当り4信号を例示するが、後述するように、大当り遊技状態及び小当りB遊技状態のいずれにも対応する特別信号としての大当り5信号や、大当り遊技状態、小当りA遊技状態及び小当りB遊技状態のいずれにも対応する特別信号としての大当り6信号といった大当り信号を特別信号として構成することも可能である。従って、本発明における有利状態及び特殊状態のいずれにも対応する特別信号は、広義には、大当り遊技状態及び小当り遊技状態(小当りの種別に依らない。)のいずれにも対応する特別信号のことを意味する。
賞球信号は、遊技機1´において第1規定球数の遊技球が払い出された場合に出力状態(ON状態)とされるパルス信号である。第1規定球数は、例えば「10球」とすることができる。賞球信号は、遊技価値(出玉)の付与に対応する付与信号の一例である。
セキュリティ信号は、遊技機1´に何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。セキュリティ信号は、エラー信号の一例である。
図柄確定信号は、遊技機1´において変動した図柄が確定したことを通知する信号であり、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示結果が導出表示される毎に出力される信号である。
扉開放中信号は、遊技機1´の前面に設けられたガラス扉枠が開放されていることを通知するための信号であり、ガラス扉枠が開放されている間出力状態とされるパルス信号である。これは、遊技機1´に発生した異常を示す信号(異常信号)の一種ともいえる。
賞球予定信号は、遊技機1´が備える各種の入賞口に遊技球が入賞したことで賞球を行うことを予定していることを通知するための信号であり、入賞口に第2規定球数が入賞した場合に出力状態(ON状態)とされるパルス信号である。第2規定球数は、例えば「10球」とすることができる。
特1特2始動入賞信号は、遊技機1´において第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかを始動する契機となる入賞がなされたことを通知するための信号であり、遊技球が第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14とのいずれかに入賞した場合に出力状態(ON状態)とされる。
また、上記とは別に、遊技機1´の背面に設けられるアウト球検出器200からは、アウト信号がデータ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。
アウト信号は、第3規定球数(例えば10球)がアウト球検出器200により計数される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。第3規定球数は、例えば「10球」とすることができる。
図26は、遊技機1´の遊技状態と、外部出力基板130から出力される遊技機信号のうちの大当り信号と、の対応関係の一例を示すテーブルである。
遊技状態には、KT状態と、確変大当り遊技状態と、通常大当り遊技状態と、小当りA遊技状態と、小当りB遊技状態と、が含まれる。
KT状態は、前述したように、遊技機1´がKT状態に制御されたことを示す遊技状態である。KT状態は、特定状態の一例である。
確変大当り遊技状態は、遊技機1´が確変大当り遊技状態に制御されたことを示す遊技状態である。確変大当り遊技状態は、有利状態の一例である。
通常大当り遊技状態は、遊技機1´が通常大当り遊技状態に制御されたことを示す遊技状態である。
小当りA遊技状態は、前述したように、遊技機1´が小当りA遊技状態に制御されたことを示す遊技状態である。小当りA遊技状態は、特殊状態の一例である。
小当りB遊技状態は、前述したように、遊技機1´が小当りB遊技状態に制御されたことを示す遊技状態である。
大当り信号には、大当り1信号と、大当り2信号と、大当り3信号と、大当り4信号とが含まれる。
遊技状態には、遊技機1´が対応する遊技状態に制御されていることを「1」で示し、遊技機1´が対応する遊技状態に制御されていないことを「0」で示している。外部出力信号には、大当り1信号〜大当り4信号のそれぞれについて、対応する遊技状態における信号の出力の有無を「ON」、「OFF」で示している。以下、具体的に説明する。
(1)KT状態「1」について
(1−1)
確変大当り遊技状態が「1」、大当り遊技状態が「0」、小当りA遊技状態が「0」、小当りB遊技状態が「1」については、大当り1信号〜大当り4信号が全て「ON」とされることが定められている。
(1−2)
確変大当り遊技状態が「0」、大当り遊技状態が「1」、小当りA遊技状態が「0」、小当りB遊技状態が「0」については、大当り信号1信号〜大当り4信号が全て「ON」とされることが定められている。
(1−3)
確変大当り遊技状態が「0」、大当り遊技状態が「0」、小当りA遊技状態が「1」、小当りB遊技状態が「0」については、大当り信号1信号が「OFF」、大当り2信号〜大当り4信号が「ON」とされることが定められている。
(1−4)
確変大当り遊技状態が「0」、通常大当り遊技状態が「0」、小当りA遊技状態が「0」、小当りB遊技状態が「1」については、大当り信号1信号が「OFF」、大当り2信号及び大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」とされることが定められている。
(1−5)
確変大当り遊技状態が「0」、通常大当り遊技状態が「0」、小当りA遊技状態が「0」、小当りB遊技状態が「0」については、大当り信号1信号が「OFF」、大当り2信号及び大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」とされることが定められている。
(2)KT状態が「0」の場合
(2−1)
確変大当り遊技状態「1」、通常大当り遊技状態が「0」、小当りA遊技状態「0」、小当りB遊技状態が「1」については、大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号及び大当り4信号が「ON」とされることが定められている。
(2−2)
確変大当り遊技状態が「0」、通常大当り遊技状態が「1」、小当りA遊技状態が「0」、小当りB遊技状態が「0」については、大当り1信号が「」ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号及び大当り4信号が「ON」とされることが定められている。
(3−3)
確変大当り遊技状態が「0」、通常大当り遊技状態が「0」、小当りA遊技状態が「0」、小当りB遊技状態が「0」については、大当り信号1信号〜大当り信号4が全て「OFF」とされることが定められている。
[2−5.ホールコンピュータの機能構成]
図27は、ホールコンピュータ600の機能構成の一例を示す図である。
ホールコンピュータ600は、処理部610と、入力部620と、表示部625と、音出力部630と、時計部635と、第1通信部640と、第2通信部650と、ROM670と、ハードディスク680と、RAM690とを備えて構成され、各部がバスを介して接続されるコンピューターシステムである。
処理部610は、ROM670に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ600の各部を統括的に制御するCPUやDSP等プロセッサやASIC等の電気電子素子を有して構成される制御装置及び演算装置である。本実施形態において、処理部610は、主要な機能部として、設定用データ生成部611と、TY情報集計部613と、BA情報集計部615とを有する。
設定用データ生成部611は、ROM670に記憶されている設定用データ生成プログラム671aに従って動作する機能部であり、後述する表示装置設定用データ691を生成し、生成した表示装置設定用データ691をRAM690に格納する。
TY情報集計部613は、各遊技機1´の有利区間出玉数(TY)に関する情報であるTY情報を集計する機能部であり、集計したTY情報を、TY情報集計データとしてハードディスク680のTY情報集計データベース688に格納する。TYについては後述する。
BA情報集計部615は、各遊技機1´のベース値(BA)に関する情報であるBA情報を集計する機能部であり、集計したBA情報を、BA情報集計データとしてハードディスク680のBA情報集計データベース689に格納する。BAについては後述する。
入力部620は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部610に出力する。この入力部620からの操作入力により、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
表示部625は、処理部610から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部625には、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
音出力部630は、処理部610から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行うスピーカなどの音出力装置である。音出力部630からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
時計部635は、ホールコンピュータ600が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部635の計時時刻(日付を含む。)は処理部610に出力される。
第1通信部640は、遊技機1´との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部640は、遊技機1´から前述した遊技機信号を受信するとともに、アウト球検出器200から前述したアウト信号を受信する。
第2通信部650は、データ表示装置1200との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部650は、処理部610の制御に従って、表示装置設定用データ691をデータ表示装置1200に送信(配信)する。
ROM670は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ600のシステムプログラム等の各種のプログラムを記憶している。本実施形態において、ROM670には、処理部610によって読み出され、管理処理として実行される管理プログラム671が記憶されている。管理プログラム671は、設定用データ生成処理として実行される設定用データ生成プログラム671aをサブルーチンとして含む。
なお、ホールコンピュータ600が記憶装置としてROM670を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、例えばハードディスク680に記憶させるようにすればよい。
ハードディスク680は、読み書き可能な不揮発性の記憶装置であり、データ表示装置1200の表示設定に係る各種のデータや、遊技機1´での遊技に係る各種のデータベースを記憶する。具体的には、表示内容設定用テーブル681と、表示態様設定用テーブル682と、機種情報テーブル685と、装置対応関係テーブル686と、TY情報集計データベース688と、BA情報集計データベース689とが記憶される。
表示内容設定用テーブル681は、データ表示装置1200の表示内容を設定するために用いられるテーブルであり、遊技機1´毎や遊技機1´の機種毎、遊技機1´が設置される遊技島毎といった単位で、対応して設けられるデータ表示装置1200の表示内容が定められている。
表示態様設定用テーブル682は、データ表示装置1200に上記の表示内容を表示させる際の表示態様を設定するために用いられるテーブルであり、遊技機1´毎や遊技機1´の機種毎、遊技機1´が設置される遊技島毎といった単位で、対応して設けられるデータ表示装置1200における表示態様が定められている。
図28(A)は、本実施形態においてホールコンピュータ600の処理部610が算出・集計対象とする指標値の説明図であり、テーブル形式で指標値を示したものである。
このテーブルには、指標値と、当該指標値の名称と、当該指標値の詳細内容とが対応付けて定められている。
指標値「TY」は、その名称が「KT時平均差玉」であり、その詳細内容は「KT状態における平均差玉」である。TYは、一般的には特賞1回あたりの平均差玉(=セーフ−アウト)として定義されるが、本実施形態では、KT状態において発生した大当り遊技状態及び小当りA遊技状態で賞球によって払い出された玉数を対象として上記のTYを算出する。このTYは、遊技機1´で実際に遊技が行われた際に算出されるTYの実測値のことを意味する。
なお、この場合において、大当り遊技状態で賞球によって払い出された玉数のみを対象としてTYを算出してもよい。また、大当り遊技状態の一回又は小当りA遊技状態1回あたりの平均差玉(特賞1のセーフから特賞1を消化するために打ち込んだアウトを引いた差玉)を特賞1回分の差玉であるT1Yを算出するようにしてもよい。TYやT1Yは、特定値の一例である。
指標値「R」は、その名称が「KT時払出数」であり、その詳細内容は「KT状態のうち非大当り中かつ非小当りA中における賞球による払出数」である。つまり、KT時払出数Rは、KT状態において、遊技機1´を構成する一般入賞口29、始動入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)及び小当りB遊技状態における第1大入賞口24Aへの入賞による賞球によって遊技者に払い出された球数である。非大当り中かつ非小当りA中としているため、第2大入賞口24Bへの入賞による賞球による払出数は対象から除外している。
指標値「B」は、その名称が「通常時払出率」であり、その詳細内容は「通常状態におけるアウト数に対する賞球による払出数の割合」である。このBは、遊技機1´で実際に遊技が行われた際に算出されるBの実測値のことを意味する。
指標値「BA」は、その名称が「KT時払出率」であり、その詳細内容は「KT状態のうち非大当り中かつ非小当りA中におけるアウト数に対するRの割合」である。つまり、KT時払出率BAは、大入賞口への入賞を算出対象から除外したKT状態におけるアウト数に対する賞球によって遊技者に払い出された払出数の割合を示す。このBAは、遊技機1´で実際に遊技が行われた際に算出されるBAの実測値のことを意味する。
指標値「ER1」は、その名称が「通常時払出率」であり、その詳細内容は「B基準値からのBのずれ量(誤差)」である。つまり、ER1は、通常状態における払出率の実測値が、予め定められた通常状態における払出率の基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
指標値「ER2」は、その名称が「KT時払出率誤差」であり、その詳細内容は「BA基準値からのBAのずれ量」である。つまり、ER2は、KT状態における払出率の実測値が、予め定められたKT状態における払出率の基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
ここで、本実施形態において問題とするTYは、KT状態におけるTYである。より具体的には、KT状態のうち、大当り遊技状態又は小当りA遊技状態に伴う第2大入賞口24Bへの入賞による賞球数、つまり、連荘中に遊技者が獲得した玉数を対象としてTYを算出する。なお、本実施形態とは異なり、小当りB遊技状態に伴う第2大入賞口24Bへの入賞による賞球数も加味してTYを算出するようにしてもよい。
ここで、B基準値とは、遊技機メーカが想定しているBの設計値であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される値である。同様に、BA基準値とは、遊技機メーカが想定しているBAの設計値であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される値である。
ここで、本実施形態において問題とするBAは、KT状態におけるBAである。具体的には、KT状態のうち、大当り遊技状態又は小当りA遊技状態に伴う第2大入賞口24Bへの入賞による賞球数は対象から除外し、始動入賞口や一般入賞口29、小当りB遊技状態に伴う第1大入賞口24Aへの入賞による賞球数を対象としてBAを算出する。なお、本実施形態とは異なり、小当りB遊技状態に伴う第1大入賞口24Aへの入賞による賞球数も対象から除外してBAを算出するようにしてもよい。
図28(B)は、本実施形態における基準相対情報の説明図であり、テーブル形式で基準相対情報に対応する基準指標値を示したものである。
このテーブルには、基準指標値と、当該基準指標値の名称と、当該基準指標値の詳細内容とが対応付けて定められている。
基準指標値「a」は、その名称が「B基準下限値」であり、その詳細内容は「B基準範囲の下限値」である。
基準指標値「b」は、その名称が「B基準上限値」であり、その詳細内容は「B基準範囲の上限値」である。
基準指標値「c」は、その名称が「B基準値」であり、その詳細内容は「Bの基準値」である。
基準指標値「α」は、その名称が「BA基準下限値」であり、その詳細内容は「BA基準範囲の下限値」である。
基準指標値「β」は、その名称が「BA基準上限値」であり、その詳細内容は「BA基準範囲の上限値」である。
基準指標値「γ」は、その名称が「BA基準値」であり、その詳細内容は「BAの基準値」である。
B基準下限値a及びB基準上限値bによって、通常時におけるBの基準範囲であるB基準範囲a〜bが規定される。このB基準範囲は、前述したB基準値と同様に、遊技機メーカが想定しているBの設計範囲であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される数値範囲である。
また、BA基準下限値α及びBA基準上限値βによって、非大当り中かつKT時におけるBAの基準範囲であるBA基準範囲α〜βが規定される。このBA基準範囲は、前述したBA基準値と同様に、遊技機メーカが想定しているBAの設計範囲であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される数値範囲である。
B基準値及びB基準範囲は、Bに関する基準相対情報の一例であり、Bは、特定値及び相対値の一例である。また、BA基準値及びBA基準範囲は、BAに関する基準相対情報の一例であり、BAも、特定値及び相対値の一例である。
ここで、上記の基準値や基準範囲を含む基準情報は、例えば店舗の管理者が、遊技機メーカから提供される各機種の遊技機1´それぞれについての取扱説明書を参照してホールコンピュータ600に入力する作業を行うことで、ホールコンピュータ600に記憶させるようにすることができる。
機種情報テーブル685は、遊技機1´の機種情報が定められたテーブルであり、
のテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図29に示す。
機種情報テーブル685には、遊技機1´のID及び機種毎に、機種情報データが記憶される。
各機種情報データには、当該遊技機1´の識別情報である遊技機IDと、当該遊技機1´の機種名と、当該遊技機1´の外端出力データと、当該遊技機1´のB基準情報データと、当該遊技機1´のBA基準情報データとが記憶される。
外端出力データには、当該遊技機1´の外部出力基板130における外部出力端子(コネクタCN)の用途及び出力される信号の種類が定められている。
B基準情報データには、当該遊技機1´について、種別「B」と、B基準下限値と、B基準上限値と、B基準値とが対応付けて定められている。
また、BA基準情報データには、当該遊技機1´について、種別「BA」と、BA基準下限値と、BA基準上限値と、BA基準値とが対応付けて定められている。
具体的に説明する。
図29の最上位に図示したデータは、遊技機1´のIDが「P1〜P20」、機種名が「パチンコXXX」に係るデータである。そして、外端出力データには、CN1〜CN4について大当り1信号〜大当り4信号がそれぞれ定められている。また、CN5には賞球信号が、CN6にはセキュリティ信号が、CN7には図柄確定信号が、CN8には扉開放中信号が、CN9には賞球予定信号が、CN10には特1特2始動入賞信号が、それぞれ定められている。
また、B基準情報データには、B基準下限値として「a1」が、B基準上限値として「b1」が、B基準値として「c1」がそれぞれ定められており、BA基準情報データには、BA基準下限値として「α1」が、BA基準上限値として「β1」が、BA基準値として「γ1」がそれぞれ定められている。
装置対応関係テーブル686は、遊技機1´とデータ表示装置1200と台間計数ユニット500との対応関係を定めたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図30に示す。
装置対応関係テーブル686には、遊技機IDと、機種名と、当該遊技機IDの遊技機1´に対応するデータ表示装置1200の識別情報である対応表示装置IDと、当該遊技機IDの遊技機1´に対応する台間計数ユニット500の識別情報である対応ユニットIDとが対応付けて定められている。
表示装置設定用データ691は、各データ表示装置1200における表示や音出力、発光等に係る設定を行わせるためのデータである。例えば、表示内容設定用テーブル681や表示態様設定用テーブル682、不図示の音出力設定用テーブルや発光設定用テーブルに従って、処理部610は、対応して設けられる遊技機1´の個別単位や、対応して設けられる遊技機1´の機種単位、対応して設けられる遊技機1´が設置される遊技島単位といった各種の単位で、表示装置設定用データ691を生成する。遊技機1´とデータ表示装置1200との対応関係は、装置対応関係テーブル686に基づいて判定することができる。
TY情報集計データベース688は、店舗に設置される各遊技機1´それぞれについて、当該遊技機1´について算出したTY(TYの算出値)やTYの算出値が適正な値であるか否かの判定を行った判定結果等を含むTY情報を記憶したTY情報集計データが記憶されるデータベースである。
BA情報集計データベース689は、店舗に設置される各遊技機1´それぞれについて、当該遊技機1´について算出したBA(BAの算出値)やER2(ER2の算出値)、BAの算出値が適正な値であるか否かの判定を行った判定結果等を含むBA情報を記憶したBA情報集計データが記憶されるデータベースである。
なお、ハードディスク680には、TY情報集計データベース688やBA情報集計データベース689の他にも、各遊技機1´について遊技情報を集計した遊技集計データが記憶される遊技集計データベースや、店舗の売上情報(例えば、割数(機械割数や景品割数)や出玉率、客滞率、売上玉、景品玉、景品金額、玉粗利等)を集計した売上集計データが記憶される売上集計データベースといったデータベースを記憶させることができる。
図31は、処理部610が、遊技機1´から出力される遊技機信号に基づいて実行する処理を説明するための図である。この図には、大当り信号(大当り1信号〜大当り4信号)と、算出対象と、その他とを対応づけたテーブルを図示している。
(1)大当り1信号〜大当り4信号が全て「ON」の場合
この場合には、算出対象として「TY」、その他として「−(無し)」が定められている。
(2)大当り1信号〜大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り1信号と大当り3信号とがいずれも「ON」であれば、大当り4信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(3)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「ON」、大当り信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り1信号と大当り2信号とがいずれも「ON」であれば、大当り3信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(4)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。この理由は、(3)と同様である。
(5)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り3信号及び大当り4信号がいずれも「ON」であれば、大当り2信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(6)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り1信号及び大当り3信号がいずれも「ON」であれば、大当り2信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(7)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「TY」、その他として「−(無し)」が定められている。
(8)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り1信号が「ON」であれば、大当り4信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(9)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号〜大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り4信号が「ON」であれば、大当り1信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(10)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「BA」、その他として「−(無し)」が定められている。
(11)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「TY」、その他として「−(無し)」が定められている。
(12)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り2信号が「ON」であれば、大当り3信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(13)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。この理由は、(9)と同様である。
(14)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り3信号が「ON」であれば、大当り1信号、大当り2信号及び大当り4信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(15)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。この理由は、(9)と同様である。
(16)大当り1信号〜大当り4信号の全てが「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、その他として「−(無し)」が定められている。
図32は、遊技機1´における遊技状態と、遊技機1´から出力される遊技機信号と、ホールコンピュータ600の処理部610が算出する指標値との関係を説明するためのタイミングチャートである。縦欄には、遊技機1´の遊技状態と、その遊技状態において出力される大当り信号とを図示している。また、横軸は時間「t」を示している。また、図31で説明したテーブルに基づき、TY、BAの算出対象とする期間を時間軸に対応付けてそれぞれ図示している。
遊技機1´において確変大当りが発生し、時刻「t1」において遊技機1´が大当り遊技状態の制御が開始されたとすると、時刻「t1」において大当り1信号、大当り3信号及び大当り4信号がON状態とされる。そして、時刻「t2」において大当り遊技状態の制御が終了すると、大当り1信号及び大当り4信号がOFF状態とされる。この際、大当り3信号はON状態が維持される。そして、遊技機1´がKT(小当りタイム)状態の制御を開始すると、大当り2信号がON状態とされ、大当り4信号はOFF状態とされる。
KT状態では、始動入賞口への入賞に伴い抽選が行われ、図柄の変動及び図柄の確定が繰り返される。この状態を示したのが図中の変動中及び図柄確定中である。変動中の時刻「t2」から「t3」までの1つのパルスが1回目の図柄の変動を示し、図柄確定中の時刻「t3」から「t4」までの1つのパルスが1回目の図柄の確定を示している。
ここで、例えば、1回目の抽選において小当りAに当選した場合、図柄が完全に確定した時刻「t4」において小当りA遊技状態の制御が開始される。遊技機1´は小当りA遊技状態に制御されると大当り4信号がON状態とされるように設計されているため、ここで大当り4信号がON状態とされる。そして、時刻「t5」において小当りA遊技状態の制御が終了すると、大当り4信号はOFF状態とされ、図柄の変動に戻る。
変動中の時刻「t5」から「t6」までの1つのパルスが2回目の図柄の変動を示し、図柄確定中の時刻「t6」から「t7」までの1つのパルスが2回目の図柄の確定を示している。
ここで、例えば、2回目の抽選においても小当りAに当選した場合、図柄が完全に確定した時刻「t7」において小当りA遊技状態の制御が開始され、大当り4信号がON状態とされる。そして、時刻「t8」において小当りA遊技状態の制御が終了すると、大当り4信号はOFF状態とされ、図柄の変動に戻る。
変動中の時刻「t8」から「t9」までの1つのパルスが3回目の図柄の変動を示し、図柄確定中の時刻「t9」から「t10」までの1つのパルスが3回目の図柄の確定を示している。
ここで、例えば、3回目の抽選において小当りBに当選した場合、図柄が完全に確定した時刻「t10」において小当りB遊技状態の制御が開始される。但し、小当りB遊技状態では大当り4信号はON状態とならないように設計されていないため、大当り4信号はOFF状態のままである。そして、時刻「t11」において小当りA遊技状態の制御が終了すると、図柄の変動に戻る。
変動中の時刻「t11」から「t12」までの1つのパルスが4回目の図柄の変動を示し、図柄確定中の時刻「t12」から「t13」までの1つのパルスが4回目の図柄の確定を示している。
ここで、例えば、4回目の抽選において通常大当りに当選した場合、図柄が完全に確定した時刻「t13」において通常大当り遊技状態に制御され、大当り1信号がON状態とされる。大当り2信号は遊技機1´がKT状態に制御されている場合にON状態とされるように設計されているため、時刻「t13」において大当り2信号はOFF状態とされる。
その一方、大当り3信号は遊技機1´が大当り遊技状態又はKT状態に制御されている場合にON状態とされるように設計されているため、ON状態は維持される。そして、時刻「t14」において通常大当り遊技状態の制御が終了すると、大当り1信号、大当り3信号及び大当り4信号がOFF状態とされる。
[2−6.玉管理コンピュータの機能構成]
図33は、玉管理コンピュータ800の機能構成の一例を示す図である。
玉管理コンピュータ800は、処理部810と、入力部820と、表示部830と、通信部840と、時計部850と、記憶部860とを備えて構成される。
処理部810は、記憶部860に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、玉管理コンピュータ800の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
入力部820は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部810に出力する。
表示部830は、処理部810から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部830には、記憶部860に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部840は、台間計数ユニット500との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。通信部840は、台間計数ユニット500から認証要求信号を受信する。
時計部850は、玉管理コンピュータ800が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部850の計時時刻(日付を含む。)は処理部810に随時出力される。
記憶部860には、処理部810により玉管理処理として実行される玉管理プログラム861と、持玉カード管理データ865と、ユニット管理データ867とが記憶される。
持玉カード管理データ865は、持玉カードの管理データであり、例えば、遊技者が所持する持玉カードに付与される持玉カードIDと、当該持玉カードが発行された日時である発行日時と、遊技者が所持する持玉数とが対応付けて記憶される。
ユニット管理データ867は、台間計数ユニット500の管理データであり、例えば、台間計数ユニット500のユニットIDが対応する遊技機1´や対応するデータ表示装置1200のIDと対応付けて記憶される。
[2−7.データ表示装置の構成]
図34は、データ表示装置1200の外観構成の一例を示す図である。
データ表示装置1200は、遊技島の側面上部位置に開閉可能に設けられているランプ板に取付けられるものであり、各遊技機1´に対応して、各遊技機1´の上方に設置される。
データ表示装置1200は、液晶ディスプレイを有して構成される表示手段である表示部1230を中央部に備えて構成される。また、データ表示装置1200は、遊技者から見て(遊技機と対向する側から見て)左側及び右側に発光手段である左枠LED1251及び右枠LED1252をそれぞれ備えている。具体的には、表示部1230に隣接する左部に左枠LED1251、表示部1230に隣接する右部に右枠LED1252が設けられている。つまり、左枠LED1251及び右枠LED1252は、表示部1230の周囲に設けられている。
左枠LED1251及び右枠LED1252は、いずれも多数のLEDが透明樹脂材にて形成されたランプカバー部によって覆われて構成されたLEDモジュールである。左枠LED1251及び右枠LED1252の発光体は、後述する処理部1210及びLEDドライバ1252の制御により指定された発光色で発光する。左枠LED1251と右枠LED1252に挟まれた中央部には、液晶表示装置(LCD)で構成された表示部1230を備え、下枠部に遊技者が操作可能な呼出ボタン1221を備える。
呼出ボタン1221は、対応遊技機1´で遊技中の遊技者が店員を呼び出すために押下するボタンである。呼出ボタン1221は、データ表示装置1200が通常モードと省エネモードのいずれのモードに制御されている場合であっても、押下操作によって店員を呼び出すことが可能に構成されている。
左枠LED1251及び右枠LED1252は、通常表示において前述した共通発光パターンで発光し、特別表示が表示された場合に前述した個別発光パターンで発光する。また、表示部1230は、遊技機1´での遊技情報を表示可能に構成されている。
データ表示装置1200には、自装置における各種信号の入力状況を確認して遊技情報の集計や大当りランニング演出を実行するための制御を行う制御部が搭載されている。ここで、大当りランニング演出は、ホールコンピュータ600から大当りランニング演出信号が入力されることで実行される。大当りランニング演出を実行する場合には、左枠LED1251及び右枠LED1252を発光させる発光演出を実行した後に表示部1230にキャラクタを表示する画像演出を実行する。
なお、ホールコンピュータ600から送信される大当りランニング演出信号に基づいて大当りランニング演出を行うのに限らず、例えば、対応遊技機1´から送信される大当り信号に基づいて、大当りランニング演出を行うようにしてもよい。また、隣接するデータ表示装置1200間で大当りランニング演出信号を順次に伝搬させることで、大当りランニング演出を実現してもよい。
また、本実施形態のデータ表示装置1200は、発光手段であるLEDを表示部1230の左側及び右側に備える構成であるが、発光手段の設置位置はこれに限られるわけではない。例えば、表示部1230の上側や下側にLEDを設置してもよいし、表示部1230の左側、右側、上側及び下側の4か所にLEDを設置してもよい。
図35は、データ表示装置1200の機能構成の一例を示すブロック図である。
データ表示装置1200は、処理部1210と、操作部1220と、表示部1230と、音出力部1240と、発光部1250と、第1通信部1261と、第2通信部1262と、第3通信部1263と、近距離無線通信部1265と、時計部1275と、電源部1280と、記憶部1290とを備えて構成される。
処理部1210は、データ表示装置1200が備える各機能部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサを有して構成される。
操作部1220は、遊技者が自装置に対する各種の操作を行うための操作装置であり、呼出ボタン1221と、タッチパネル1222とを有して構成される。
表示部1230は、LCD等のディスプレイを有して構成される表示装置であり、処理部1210の制御に従って、各種の情報を表示する。タッチパネル1222が表示部1230と一体的に構成されることでタッチスクリーンを形成している。
音出力部1240は、スピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部1210の制御に従って、各種の音を出力する。
発光部1250は、LED等を有して構成される発光装置であり、表示部1230の左側の筐体枠に設けられた左枠LED1251と、表示部1230の右側の筐体枠に設けられた右枠LED1252とを有して構成される。
第1通信部1261は、有線通信モジュール等を有して構成され、対応遊技機1´との間で通信を行うための通信装置である。第1通信部1261は、対応遊技機1´から遊技機信号を受信するとともに、アウト球検出器200からアウト信号を受信する。
第2通信部1262は、有線通信モジュール等を有して構成され、対応ユニット500との間で通信を行うための通信装置である。第2通信部1262は、対応ユニット500からユニット信号を受信する。
第3通信部1263は、有線通信モジュール等を有して構成され、ホールコンピュータ600との間で通信を行うための通信装置である。第3通信部1263は、ホールコンピュータ600から管理装置信号や表示装置設定用データ691を受信する。
近距離無線通信部1265は、無線通信モジュール等を有して構成され、店舗の店員が所持する設定用リモコン700との間で近距離無線通信を行うための通信装置である。近距離無線通信部1265は、自装置の表示や音出力、発光に係る設定を行うための設定信号を設定用リモコン700から受信する。
時計部1275は、データ表示装置1200の内部時計であり、計時した時刻(計時時刻)を処理部1210に出力する。
電源部1280は、データ表示装置1200が備える各機能部に接続された電源装置であり、電源制御部1212の制御に従って、データ表示装置1200の各機能部に電力を供給する。
記憶部1290は、ROMやEEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。記憶部1290には、処理部1210により読み出され、データ表示装置処理として実行されるデータ表示装置処理プログラム1291が記憶されている。
また、記憶部1290には、データ表示装置1200が各種の演出を行うための演出用データ1293と、対応遊技機1´における遊技履歴情報の集計値を記憶したデータである遊技履歴集計データ1297と、ホールコンピュータ600から受信した表示装置設定用データ691とが記憶される。
[2−8.台間計数ユニットの構成]
図36は、台間計数ユニット500の機能構成の一例を示すブロック図である。
台間計数ユニット500の前面板は、長手方向を上下方向とする矩形状に構成されており、台間計数ユニット500の前面中央部に、発券ボタン551、払出ボタン552及び離席ボタン553を含む操作ボタン550と、遊技者が持玉カードを挿入/取り出すためのカード挿入口560とが設けられている。
遊技者が発券ボタン551を押下すると、その時点における遊技者の所持球数(持玉数)を記録した持玉カードがカード挿入口560から発券される。また、遊技者が払出ボタン552を押下すると、所持球数のうちの所定の単位球数(例えば25玉の倍数:125玉等)が遊技機1´に払い戻され、この払い戻されたパチンコ玉を用いて遊技者は遊技を行うことが可能となる。また、遊技者が離席ボタン553を押下すると、台間計数ユニット500からの持玉カードの発券/返却が規制され、受付中の持玉カードによる玉貸しや玉払出しが規制される。
なお、遊技機1´では、遊技球が払い出される玉払出皿の近傍位置に遊技球を貸与するための玉貸ボタンと、台間操作ユニット500から持玉カードを返却するための返却ボタンとが設けられるのが通常である。このため、遊技機1´に設けられた返却ボタンの押下操作に応じて、台間計数ユニット500がカード挿入口560から持玉カードを発券するようにしてもよい。
カード挿入口560は、該カード挿入口560に対応する位置に内蔵される持玉カードリーダライタ(R/W)570に連接しており、持玉カードR/W570により、カード挿入口560から挿入される持玉カードに記録されているカードIDや持玉数等の記録情報の読み出し及び書き込みが行われる。
また、台間計数ユニット500の略中央部位置には、該台間計数ユニット500を構成する各部と接続しやすいように該台間計数ユニット500の動作を制御する制御ユニット505が設けられており、該制御ユニット505によって該台間計数ユニット500の各種の動作が制御される。
台間計数ユニット500と遊技機1´とは、貸出単位として予め定められた玉数のパチンコ玉の貸し出しに伴う貸出関連信号や、払出単位として予め定められた玉数のパチンコ玉の払い出しに伴う払出関連信号を送受可能に構成されている。貸出関連信号には、台間計数ユニット500から遊技機1´に遊技球の貸し出しを行わせるための貸出要求信号や、遊技機1´から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、台間計数ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。また、遊技機1´からは、大当中信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号や、該遊技機1´に対応して設けられるアウト球検出器200から出力されるアウト信号を受信可能に構成されている。
台間計数ユニット500は、制御ユニット505と、操作ボタン550と、音出力部560と、持玉カード挿入/排出部565と、持玉カードR/W570と、第1通信部571と、第2通信部572とを備えて構成される。
制御ユニット505は、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の回路素子を有して構成される処理部510と、ROMやRAM等の記憶装置を有して構成される記憶部520と、時刻情報やカレンダ情報等を出力可能な時計部530とを備えて構成される。
記憶部520には、処理部510により読み出され、台間計数ユニット処理として実行される台間計数ユニット処理プログラム521が記憶されている。また、記憶部520には、受付中の持玉カードのカードIDや個人カスタマイズデータ等の情報が記録された受付カードデータ523が記憶される。
第1通信部571は、データ表示装置1200との間でデータの授受や信号の送受を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
第2通信部572は、玉管理コンピュータ800との間でデータの授受や信号の送受を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部572は、処理部510の制御に従って、受付カードデータ523を玉管理コンピュータ800に送信する。
なお、上記では、便宜的に、第1通信部571と第2通信部572との2つの通信部として分離して図示・説明しているが、第1通信部571と第2通信部572とを1つの通信部として構成してもよい。他の各種の装置における通信部についても同様である。
[2−9.処理]
[2−9−1.ホールコンピュータの処理]
図37は、ホールコンピュータ600の処理部610が、ROM670に記憶された管理プログラム671に従って実行する管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部610は、各データ表示装置1200それぞれについて、ループAの処理を実行する(A1〜A7)。ループAの処理は、各データ表示装置1200について順番に実行される処理である。
ループAの処理では、処理部610は、ROM670に記憶されている設定用データ生成プログラム671aに従って、設定用データ生成処理を行う(A1)。
具体的には、設定用データ生成部611が、ハードディスク670に記憶されている表示内容設定用テーブル681や表示態様設定用テーブル682、不図示の音出力設定用テーブル、発光設定用テーブル等の設定用テーブルに基づいて、前述した方法を用いて当該データ表示装置1200用の表示装置設定用データ691を生成する。そして、処理部610は、生成した表示装置設定用データ691をRAM690に記憶させる(A3)。
次いで、処理部610は、生成した表示装置設定用データ691を当該データ表示装置1200に送信する(A5)。そして、処理部610は、次のデータ表示装置1200へと処理を移す。
ループAの処理を終了したならば(A7)、処理部610は、各遊技機1´それぞれについて、ループBの処理を実行する(A9〜A33)。ループBの処理では、処理部610は、当該遊技機1´から出力される遊技機信号を判定する(A11)。
次いで、処理部610は、判定した遊技機信号に基づいて、当該遊技機1´について何らかの異常が発生しているか否かを判定し(A13)、異常が発生していると判定したならば(A13;Yes)、その異常を店舗の管理者等に報知するための異常報知処理を実行する(A31)。具体的には、例えば、異常が発生した遊技機1´のIDや台番号と対応付けて、異常が発生した旨、及び、発生した異常の種類を表示部625に表示させるなどして、異常の発生を報知する。そして、処理部610は、次の遊技機1´へと処理を移す。
一方、異常が発生していないと判定したならば(A13;No)、処理部610は、TY(T1Yを含む。以下同じ。)算出条件が成立したか否かを判定する(A15)。具体的には、図31に示したテーブルにおいて、算出対象にTYが定められている組み合わせの大当り信号を当該遊技機1´から受信した(ON状態となった)か否かを判定する。成立したと判定したならば(A15;Yes)、処理部610は、TY算出用賞球数(アウト数についても同様。)を算出・更新する処理を実行する(A17)。そして、処理部610は、例えば上記の組み合わせの大当り信号を当該遊技機1´から受信しなくなった(OFF状態)となったタイミングで、TY算出用賞球数に基づいてTYを算出するTY算出処理を実行する(A19)。
図32のタイミングチャートに示したように、遊技機1´から入力した大当り1信号〜大当り4信号の組み合わせから、処理部610は、遊技機1´の現在の遊技状態を判定することができる。そして、判定した遊技状態と遊技機1´から入力した賞球信号から特定される賞球数とアウト球検出器200から入力したアウト信号から特定されるアウト数とに基づき、TYの算出対象となっている遊技状態に対応する賞球数及びアウト数をそれぞれ対応する球数に加算して更新することで、TYを正確に算出することができる。そして、処理部610は、TYの算出値をハードディスク680のTY情報集計データベース688に記憶させる。
次いで、処理部610は、TYの算出値が適正な値であるか否かを判定するTY適否判定処理を実行する(A21)。遊技機1´の仕様等に基づき、店舗側では、遊技機1´の大当り遊技状態(15R確変大当り遊技状態等)における払出数(セーフ)と大当り遊技状態を消化するために打ち込まれる打込数(アウト数)とを概算することができるため、例えばT1Y(大当り1回あたりの平均差玉)がどれくらいの数値範囲の値となるか(T1Yの基準情報)を把握することができる。
そこで、処理部610は、例えば、当該遊技機1´の機種について、店舗の管理者等が予め入力するなどして設定しておいたT1Yの基準情報に基づいて、T1Yの算出値が適正な値となっているか否かを判定する。そして、処理部610は、TY適否判定処理の判定結果(OK/NG)をハードディスク680のTY情報集計データベース688にTYの算出値と対応付けて記憶させる。なお、ここではT1Yを例に挙げて説明したが、TYについても同様にして適否判定を行うようにしてもよい。
次いで、処理部610は、BA算出条件が成立したか否かを判定する(A23)。具体的には、図31に示したテーブルにおいて、算出対象にBAが定められている組み合わせの大当り信号を当該遊技機1´から受信した(ON状態となった)か否かを判定する。成立したと判定したならば(A23;Yes)、処理部610は、BA算出用賞球数(アウト数についても同様。)を算出・更新する処理を実行する(A25)。そして、処理部610は、例えば上記の組み合わせの大当り信号を当該遊技機1´から受信しなくなった(OFF状態)となったタイミングで、BA算出用賞球数に基づいてBAを算出するBA算出処理を実行する(A27)。
図32のタイミングチャートに示したように、遊技機1´から入力した大当り1信号〜大当り4信号の組み合わせから、処理部610は、遊技機1´の現在の遊技状態を判定することができる。そして、判定した遊技状態と遊技機1´から入力した賞球信号から特定される賞球数とアウト球検出器200から入力したアウト信号から特定されるアウト数とに基づき、BAの算出対象となっている遊技状態に対応する賞球数及びアウト数をそれぞれ対応する球数に加算して更新することで、BAを正確に算出することができる。そして、処理部610は、BAの算出値をハードディスク680のBA情報集計データベース689に記憶させる。
次いで、処理部610は、BAの算出値が適正な値であるか否かを判定するBA適否判定処理を実行する(A29)。具体的には、機種情報テーブル685のうち、当該遊技機1´の機種について定められている機種情報データのBA基準情報データを参照する。そして、BAの算出値が、当該BA基準情報データから特定されるBA基準範囲内の値となっているか否かを判定する。そして、BA基準範囲内の値となっている場合には、BAの算出値は適正とし、BA基準範囲内の値となっていない場合には、BAの算出値は不適正とする。そして、処理部610は、BA適否判定処理の判定結果(OK/NG)をハードディスク680のBA情報集計データベース689にBAの算出値と対応付けて記憶させる。
なお、図示は省略しているが、処理部610は、遊技機1´が通常状態に制御されている場合には、BAと同様にBを算出し、機種情報テーブル685のうち、当該遊技機1´の機種について定められている機種情報データのB基準情報データに基づいて、Bの算出値が、当該BA基準情報データから特定されるBA基準範囲内の値となっているか否かを判定する。そして、B基準範囲内の値となっている場合には、Bの算出値は適正とし、B基準範囲内の値となっていない場合には、Bの算出値は不適正とする。
次いで、処理部610は、次の遊技機1´へと処理を移す。全ての遊技機1´に対するループBの処理を終了したならば(A33)、処理部610は、TY情報を表示部625に表示させる表示条件が成立したか否かを判定する(A35)。具体的には、例えば、管理者等によって、操作部620を介してTY情報を表示させる指示操作がなされたか否かを判定する。
成立したと判定したならば(A35;Yes)、処理部610は、TY情報表示処理を実行する(A37)。具体的には、TYの算出値や当該算出値の適否判定結果等を表示部625に表示させる制御を行う。この際、店舗の管理者が操作部620を介して遊技機1´の個別単位や機種単位、遊技島単位、全部といった各種の単位で表示させるTY情報を指定することを可能とし、指定された単位でTY情報を表示部625に表示させるようにすると好適である。
次いで、処理部610は、BA情報を表示部625に表示させる表示条件が成立したか否かを判定する(A39)。具体的には、例えば、管理者等によって、操作部620を介してBA情報を表示させる指示操作がなされたか否かを判定する。
成立したと判定したならば(A39;Yes)、処理部610は、BA情報表示処理を実行する(A41)。具体的には、BAの算出値や当該算出値の適否判定結果等を表示部625に表示させる制御を行う。この際、上記と同様に、店舗の管理者が操作部620を介して遊技機1´の個別単位や機種単位、遊技島単位、全部といった各種の単位で表示させるBA情報を指定することを可能とし、指定された単位でBA情報を表示部625に表示させるようにすると好適である。
なお、図示は省略しているが、処理部610は、上記のBA情報表示処理と同様に、Bの算出値や当該算出値の適否判定結果等を表示部625に表示させる制御を行うB情報表示処理を実行する。
その後、処理部610は、処理を終了するか否かを判定し(A43)、まだ処理を継続すると判定したならば(A43;No)、A9に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(A43;Yes)、処理部610は、管理処理を終了する。
なお、図示はしていないが、処理部610は、上記の他にも、大当りランニング演出を含む一斉演出の実行条件の成立に応じて、成立した実行条件に対応する一斉演出信号をデータ表示装置1200に送信して一斉演出を実行させたり、定期告知の実行条件の成立に応じて、成立した実行条件に対応する定期告知信号をデータ表示装置1200に送信して定期告知を実行させるなどの処理を実行可能である。
[2−9−2.遊技機の処理]
図38は、遊技機1´の主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。
遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理の実行を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(S4)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(S8)。S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91及びS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(S94)。そして、CPU56は、S15に移行する。
なお、この実施形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11及びS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(S14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)及び初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。本実施形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、又は他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図39のS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ25aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
[2−10.作用効果]
第1遊技用システム1000Aにおいて、遊技機1´は、遊技者にとって有利な大当り遊技状態(有利状態)に制御可能であり、大当り遊技状態の終了後にKT状態(特定状態)に制御可能であり、大当り遊技状態とは異なる状態であって遊技者にとって有利な小当り遊技状態(特殊状態)に制御可能であり、遊技球の入賞(所定条件の成立)に応じて遊技者に賞球による出玉を付与可能に構成される。
遊技機1´は、大当り遊技状態及び小当り遊技状態(小当りA遊技状態)のいずれにも対応する大当り4信号と、少なくともKT状態に対応する大当り2信号又は大当り3信号と、遊技球の付与に対応する賞球信号と、を出力可能な外部出力基板130を備える。
これによれば、KT状態において遊技者に付与された出玉に対応するTY等の指標値をホールコンピュータ600等の外部装置において正確に算出できるようにすることができ、外部装置において遊技情報の集計をより適切に行うことを可能とすることができる。
また、第1遊技用システム1000Bでは、特別可変入賞球装置22(可変装置)を遊技球の進入可能状態に制御するための状態であって遊技者にとって有利な大当り遊技状態(有利状態)及び小当り遊技状態(特殊状態)に制御可能であり大当り遊技状態とは異なる状態であって遊技者にとって有利なKT状態(特定状態)に大当り遊技状態の後に制御可能であり遊技球の入賞(所定条件の成立)に応じて遊技者に遊技球を付与可能な遊技機1´と接続されたホールコンピュータ600が設けられる。
ホールコンピュータ600は、大当り遊技状態及び小当りA遊技状態のいずれにも対応可能な大当り4信号(特別信号)と、少なくともKT状態に対応する大当り2信号又は大当り3信号(特定信号)と、遊技球の付与に対応する賞球信号(付与信号)と、を遊技機1´から入力可能な第1通信部640(入力手段)と、第1通信部640に入力される信号に基づいて、KT状態において遊技者に付与された遊技球に対応するTY(特定値)を算出可能な処理部610とを備える。
これによれば、KT状態において遊技者に付与された出玉に対応するTY等の指標値を正確に算出することが可能となり、遊技情報の集計をより適切に行うことができる。
[3.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[3−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技機として説明したが、遊技機はこれに限られるわけではない。例えば、遊技メダルを用いて遊技可能なスロットマシンを本発明に係る遊技機としてもよい。この場合は、遊技者にとって有利な有利状態を、各種のチャレンジタイム(アシストタイム(AT)、アシストリプレイタイム(ART)等)状態やボーナス(レギュラーボーナス(RB)、ビッグボーナス(BB)等)状態とすればよい。
また、本発明に係る遊技機を、上記の実施形態で説明した遊技機1´の第2始動入賞口に代えて、普通電動役物としての電動チューチップ付きの第2始動入賞口を構成してもよい。この場合、上記の実施形態において、電動チューチップとして構成される第2始動入賞口への入賞による賞球数をBAの算出対象として加味して、BAを算出するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技機1´を「KT状態=確変状態」として制御する遊技機として説明したが、KT状態と確変状態とを別々に制御する遊技機としてもよい。例えば、KT状態では確変状態を伴わない遊技状態とし、これとは別に、KT状態を伴わない確変状態で制御可能な遊技機としてもよい。この場合は、KT状態と確変状態とにそれぞれ制御する契機を異ならせたり、制御するタイミングをずらすなどの処理を行えばよい。
また、上記の実施形態において、遊技機1´の大入賞口に特殊領域としてV領域を設け、大入賞口の開放中に遊技球が特殊領域を通過したことを条件に、確変状態及びKT状態に制御するようにしてもよい。また、大当りの種別によって、大入賞口の開放パターンを異なる開放パターンとし、特殊領域の通過しやすさを変化させても良い。また、上記の実施形態では、遊技機1´を第1特別図柄での小当りが発生しないタイプの遊技機として説明したが、第1特別図柄での小当りが発生するタイプの遊技機として構成してもよい。また、上記の実施形態において、遊技機1´が次回大当りまで確変状態及びKT状態に制御するものであったが、所定回数(例えば100回)の可変表示の実行により確変状態及びKT状態の制御が終了するようなものであってもよい。
また、上記の第2実施形態において、遊技機1´を第1実施形態で説明した遊技機1とし、この遊技機1を対象としてTYやB、BA、連比、役比といった指標値を算出するようにしてもよい。
また、本発明に係る遊技機は、従来型のパチンコ遊技機やスロットマシンに限らず、遊技球を内部に封入して循環させる封入方式パチンコ遊技機や、遊技点(持点)によって遊技を行う遊技点方式スロットマシンとしてもよい。
[3−2.管理装置]
上記の実施形態では、本発明に係る管理装置をホールコンピュータ600として説明したが、ホールコンピュータ600に代えて、玉管理コンピュータ800を、本発明に係る管理装置としてもよい。
また、会員情報を管理する会員管理コンピュータや、カード情報を管理するカード管理コンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。また、これらの管理コンピュータのうちの2以上の機能を有するコンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。
この場合、上記の各種の管理装置が、遊技機から出力される遊技機信号に基づいて、上記の実施形態で説明した各種の指標値を算出して集計するようにすればよい。
[3−3.遊技用装置]
上記の実施形態では、遊技機に対応して、遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置1200が設けられることとして説明した。また、遊技機に対応して、遊技用装置及び記録媒体処理装置の一種である台間計数ユニット500が設けられることとして説明した。この場合、データ表示装置1200を従来型の呼出ランプ装置に置き換えてもよいし、台間計数ユニット500をカードユニットに置き換えてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技機から出力される遊技機信号に基づいて、管理装置が各種の指標値を算出して集計する例を挙げて説明したが、これに代えて、上記の各種の遊技用装置が、遊技機から出力される遊技機信号に基づいて各種の指標値を算出・集計して、表示部に表示させるなどしてもよい。この場合、遊技用装置における指標値の表示によって、遊技者や店舗の従業員は、対応する遊技機の払出率が適正であるか否かを確認することができる。
例えば、データ表示装置1200の表示部1230に指標値を表示させる場合、遊技機で遊技を行っている遊技者は、表示を確認して払出率が不適正であると判断したならば、呼出ボタンを押下して店舗の店員を呼び出して、払出率が不適正である可能性があることを指摘することができる。この際、店舗の店員は、表示部1230に表示された払出率適否情報表示を確認し、遊技者の指摘が妥当であると判断したならば、遊技機のガラス扉枠を開放し、主基板11の中央に設けられた表示モニタ29を確認する。
この場合、店舗の店員は、表示モニタ29に表示されている役比や連比を参照することで、実際に払出率に影響する不具合が生じているか否かを判断することができる。そして、不具合が生じていると判断したならば、当該遊技機を稼働停止させた上で、当該遊技機の再整備(例えば遊技釘の再整備)を行うことができる。
[3−4.遊技用システム]
上記の実施形態で説明した遊技用システムは、本発明を実現するための遊技用システムの一例に過ぎず、適宜設計変更することが可能であることは勿論である。
例えば、上記の実施形態では、遊技機から出力される信号が遊技用装置に直接的に入力される遊技用システムを構成したが、これに限らず、遊技機から出力される信号が管理装置に入力され、これらの信号が管理装置を介して間接的に遊技用装置に入力される遊技用システムを構成してもよい。
また、上記の実施形態とは異なるが、遊技機において算出された役比や連比が不適正な値である場合に、その旨を示す信号(例えば払出率異常信号)を遊技用装置に出力するように構成し、遊技用装置は、遊技機から出力される払出率異常信号に基づいて、所定報知を実行するようにしてもよい。
例えば、遊技用装置をデータ表示装置1200とする場合には、データ表示装置1200が対応する遊技機から払出率異常信号を受信した場合に、払出率が不適正である旨を示すメッセージを表示部に表示させたり、同様の音声メッセージや警告音を音出力部から音出力させたり、発光部を赤色で発光させるなどして、払出率が不適正である旨を遊技者や店舗の店員に報知するようにしてもよい。遊技用装置をカードユニット等とする場合についても同様である。
また、上記の実施形態において、ホールコンピュータ600等の管理装置が、遊技機から出力される遊技機信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて算出した指標値を、遊技用装置に出力するようにしてもよい。そして、遊技用装置は、予め設定・記憶されている基準情報に基づいて指標値の適否を判定し、その判定結果を表示させるようにしてもよい。
また、この場合において、ホールコンピュータ600等の管理装置が指標値を算出した上で、予め設定・記憶されている基準情報に基づいて指標値の適否を判定し、その判定結果を遊技用装置に出力するようにしてもよい。そして、遊技用装置は、管理装置から入力した指標値の適否の判定結果を表示させるようにしてもよい。
また、本発明に係る遊技用システムは、前述した封入方式パチンコ遊技機や遊技点方式スロットマシン等の遊技機と、これらの遊技機の遊技情報を管理する管理装置とを備える遊技用システムについても同様に適用可能である。
[3−5.特定値(指標値)]
上記の実施形態では、本発明に係る特定値(指標値)をTYやBA等として説明したが、本発明に係る相対値はこれに限られるわけではない。具体的には、例えば、BAの代わりに、アウト数と払出数との差数として算出される差玉を相対値として算出して表示するようにしてもよい。この場合、基準相対情報は、差玉の基準値(設計値)や差玉数の基準範囲(設計範囲)とすればよい。
また、上記の第2実施形態において、ホールコンピュータ600が第1実施形態で説明した連比や役比を指標値として算出するようにしてもよい。具体的には、ホールコンピュータ600が、KT状態における連比や役比を指標値として算出して集計するようにしてもよい。連比や役比は、遊技機から出力される遊技機信号に基づいて算出すればよい。
例えば、第2実施形態で説明した遊技機1´を例に挙げると、役比の算出では、総獲得球数(賞球合計数、全賞球数)のうち、大当り遊技状態中の賞球数と小当りA遊技状態中の賞球数とを対象とすればよく、次式(3)に従って役比を算出することができる。
役比=[(大当り遊技状態中の賞球数+小当りA遊技状態中の賞球数)/総獲得球数]×100(%) ・・・(3)
また、小当りB遊技状態中の賞球数も役比の算出に加味するのであれば、式(3)における「小当りA遊技状態中の賞球数」を「小当り遊技状態(小当りA遊技状態+小当りB遊技状態)中の賞球数」として役比を算出すればよい。つまり、次式(4)に従って役比を算出すればよい。
役比=[(大当り遊技状態中の賞球数+小当り遊技状態中の賞球数)/総獲得球数]×100(%) ・・・(4)
なお、この場合において、一般入賞口及び始動入賞口への入賞による賞球数と小当りB遊技状態中の賞球数とを対象としてBAを算出するのであれば、式(3)に従って算出した役比を用いて「BA≒100(%)−役比(%)」としてBAを概算することができる。また、一般入賞口及び始動入賞口への入賞による賞球数を対象としてBAを算出するのであれば、式(4)に従って算出した役比を用いて「BA≒100(%)−役比(%)」としてBAを概算することができる。
つまり、BAと役比とは、実質的に相関関係があると言える。
また、上記の第2実施形態で説明した遊技機1´は、高ベース状態(いわゆる時短状態)なしの遊技機として説明したが、遊技機1´を高ベース状態ありの遊技機として構成することも可能である。この場合、式(3)、(4)は、それぞれ次式(5)、(6)のように書き換えることができる。
役比=[(大当り遊技状態中の賞球数+小当りA遊技状態中の賞球数+高ベース状態中の賞球数)/総獲得球数]×100(%) ・・・(5)
役比=[(大当り遊技状態中の賞球数+小当り遊技状態中の賞球数+高ベース状態中の賞球数)/総獲得球数]×100(%) ・・・(6)
ここで、高ベース状態中の賞球数とは、例えば電チューで構成される第2始動入賞口への入賞によって賞球された賞球数に相当する。
上記の役比の算出に対して、連比の算出では、大当り遊技状態中における賞球数を対象とすればよく、次式(7)に従って連比を算出することができる。
連比=[大当り遊技状態中の賞球数/総獲得球数]×100(%) ・・・(7)
また、遊技機メーカから店舗に提供される遊技機の取扱説明書には、上記の実施形態で説明した基準情報(BA基準情報やB基準情報)の他にも、一般入賞口への遊技球の入賞率の理論値である理論入賞率が記載されている。具体的には、通常状態及び確変状態(又は時短状態)のそれぞれについて、例えば、1分間100発あたり何個の遊技球が一般入賞口に入賞するように設計されているかの設計値(個/分)が理論入賞率として取扱説明書に記載されている。そこで、上記のようにして算出(概算)される役比や連比を、取扱説明書に記載されている理論入賞率に基づいて補正してもよい。
役比を例に挙げて説明する。例えば、式(6)に着目すると、大当り遊技状態中の賞球数、小当り遊技状態中の賞球数及び高ベース状態中の賞球数それぞれの実測値には、一般入賞口への入賞によって賞球された賞球数が含まれ得るため、これらの実測値はそれぞれの遊技状態に対応する正確な賞球数を反映しているとは限らない。そこで、次のようにして役比を算出する。
まず、大当り遊技状態中の賞球数、小当り遊技状態中の賞球数及び高ベース状態中の賞球数それぞれの実測値を用いて、式(6)に従って役比(以下、「実測役比」という。)を算出する。また、一般入賞口の理論入賞率に基づいて、大当り遊技状態中の一般入賞口への入賞による賞球数、小当り遊技状態中の一般入賞口への入賞による賞球数及び高ベース状態中の一般入賞口への入賞による賞球数をそれぞれ推定し、これらの賞球数を用いて、式(6)に従って役比(理論役比)を算出する。そして、実測役比から理論役比を減算することで役比(=実測役比−理論役比)を算出する。つまり、理論役比を用いて実測役比を補正することで、役比を算出する。
なお、上記のようにするのではなく、大当り遊技状態中の賞球数の実測値から一般入賞口の理論入賞率に基づく賞球数の理論値を減算した値と、小当り遊技状態中の賞球数の実測値から一般入賞口の理論入賞率に基づく賞球数の理論値を減算した値と、高ベース状態中の賞球数の実測値から一般入賞口の理論入賞率に基づく賞球数の理論値を減算した値とを用いて、式(6)に従って役比を算出してもよい。
説明は省略するが、式(3)〜(5)に従って算出される役比についても同様であり、式(7)に従って算出される連比についても同様である。
上記の役比や連比の算出を外部装置において実現するためには、外部装置において、遊技機の各遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低ベース状態、高ベース状態等)それぞれに対応する賞球カウンタ(遊技状態対応カウンタ)を構成し、遊技機から賞球信号を受信したときの遊技機の遊技状態に対応する賞球カウンタに賞球数を加算することで、各遊技状態それぞれにおける賞球数を個別にカウントする。そして、外部装置が、賞球カウンタのカウント値に基づいて、役比・連比算出処理を実行するようにすればよい。
なお、この場合における外部装置には、上記の実施形態におけるホールコンピュータ600等の管理装置や、データ表示装置1200、台間計数ユニット500、カードユニット等の遊技用装置が含まれ、これらの管理装置や遊技用装置が、上記の手法に基づく役比・連比算出処理を実行して、役比や連比を算出するようにすればよい。
[3−6.外部出力信号]
上記の実施形態では、図25に示した種類の遊技機信号が、遊技機1´の外部出力基板130から出力されることとして説明したが、外部出力基板130からどのような種類の遊技機信号の種類は、適宜設計変更可能である。以下、遊技機信号のバリエーションについて説明する。
まず、上記の実施形態では、遊技機1´から出力される遊技機信号として、大当り遊技状態及び小当りA遊技状態のいずれにも対応する特別信号である大当り4信号を例示した。しかし、これに代えて、大当り遊技状態及び小当りB遊技状態のいずれにも対応する特別信号である大当り5信号を構成して遊技機1´から出力させるようにしてもよい。さらに、大当り遊技状態、小当りA遊技状態及び小当りB遊技状態のいずれにも対応する特別信号である大当り6信号を構成して遊技機1´から出力させるようにしてもよい。
図40は、遊技機1´の外部出力基板130から出力される遊技機信号の別例を示す図である。この例では、図25で説明した遊技機信号に加えて、外部出力基板130から入賞信号が出力されるように構成される。入賞信号には、一般入賞口入賞信号と、第1始動口入賞信号と、第2始動口入賞信号と、第1大入賞口入賞信号と、第2大入賞口入賞信号と、が含まれる。
一般入賞口入賞信号は、遊技球が一般入賞口に入賞したことが検知された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
第1始動口入賞信号は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことが検知された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
第2始動口入賞信号は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことが検知された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
第1大入賞口入賞信号は、遊技球が第1大入賞口24Aに入賞したことが検知された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
第2大入賞口入賞信号は、遊技球が第2大入賞口24Bに入賞したことが検知された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
上記の入賞信号を遊技機1´から出力可能とすることで、ホールコンピュータ600等の外部装置は、いずれの入賞口に遊技球が入賞したかを判定することが可能となる。上記の実施形態では、入賞口毎に指標値の算出処理や異常報知等の処理を実行することはできなかったが、このようにすることで、入賞口毎に指標値の算出処理や異常報知等の例外処理を実行することが可能となる。
図41及び図42は、この場合において、ホールコンピュータ600の処理部610が、遊技機1´から出力される遊技機信号に基づいて実行する処理を説明するための図である。この図は、図26に示したテーブルとほぼ同様であるが、大当り信号(大当り1信号〜大当り4信号)と、入賞信号と、算出対象と、その他と、が対応づけられており、入賞信号の欄が追加されている点が異なっている。入賞信号の欄には、上記の遊技機信号に対応して、一般入賞口と、第1始動入賞口と、第2始動入賞口と、第1大入賞口と、第2大入賞口とが含まれる。以下、詳細に説明する。
(1)大当り1信号〜大当り4信号が全て「ON」の場合
この場合には、入賞信号「一般入賞口」、「第1始動入賞口」、「第2始動入賞口」及び「第2大入賞口」については、算出対象として「TY」、その他として「−(無し)」が定められ、入賞信号「第1大入賞口」については、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。これは、大当り1信号〜大当り4信号が全て「ON」であれば、小当りBには当選しておらず、第1大入賞口が開放されることはないためである。
(2)大当り1信号〜大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り1信号と大当り3信号とがいずれも「ON」であれば、大当り4信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(3)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「ON」、大当り信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り1信号と大当り2信号とがいずれも「ON」であれば、大当り3信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(4)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。この理由は、(3)と同様である。
(5)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り3信号及び大当り4信号がいずれも「ON」であれば、大当り2信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(6)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り1信号及び大当り3信号がいずれも「ON」であれば、大当り2信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(7)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、入賞信号「一般入賞口」、「第1始動入賞口」、「第2始動入賞口」及び「第2大入賞口」については、算出対象として「TY」、その他として「−(無し)」が定められ、入賞信号「第1大入賞口」については、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。この理由は、(1)と同様である。
(8)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り1信号が「ON」であれば、大当り4信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(9)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号〜大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り4信号が「ON」であれば、大当り1信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(10)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、入賞信号「一般入賞口」、「第1始動入賞口」、「第2始動入賞口」及び「第1大入賞口」については、算出対象として「BA」、その他として「−(無し)」が定められ、入賞信号「第2大入賞口」については、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。これは、小当りA遊技状態での賞球数は、BAの算出対象から除外するためである。
(11)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、入賞信号「一般入賞口」、「第1始動入賞口」、「第2始動入賞口」及び「第2大入賞口」については、算出対象として「TY」、その他として「−(無し)」が定められ、入賞信号「第1大入賞口」については、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。この理由は、(1)と同様である。
(12)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り2信号が「ON」であれば、大当り3信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(13)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。この理由は、(9)と同様である。
(14)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。大当り3信号が「ON」であれば、大当り1信号、大当り2信号及び大当り4信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常(エラー)と判断することができ、処理部610は、異常報知を実行する。
(15)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「異常報知」が定められている。この理由は、(9)と同様である。
(16)大当り1信号〜大当り4信号の全てが「OFF」の場合
この場合には、全ての入賞信号について、算出対象として「−(無し)」、その他として「−(無し)」が定められている。
図40に示した遊技機信号の出力の例は、通常のパチンコ遊技機に適用することも可能ではあるが、入賞信号の種類が多く、現行のパチンコ遊技機の構成の制約等の理由から実装が困難な場合もあるため、前述した封入方式パチンコ遊技機に適用すると好適である。
図43は、遊技機1´の外部出力基板130から出力される遊技機信号の別例を示す図である。この例では、図25で説明した遊技機信号において、特1特2始動入賞信号が特定経路対応賞球信号に置き換えられている。
賞球信号は、いわゆる全賞球信号であり、遊技球が入賞した入賞口に関わらず、規定球数(例えば10球)毎に1パルスが出力される信号である。
特定経路対応賞球信号は、遊技機の盤面における第1経路とは異なる経路であって可変装置が設けられた第2経路を通る遊技球が進入可能な入賞口に入賞したことによる遊技球の付与に対応する信号である。具体的には、上記の実施形態の遊技機1´では、盤面の右打ち領域に特別可変入賞球装置22が構成され、打ち出された遊技球の経路として、左打ち領域に対応する経路(第1経路)と右打ち領域に対応する経路(第2経路)との2つの経路が存在する。
この場合、特定経路対応賞球信号は、例えば、右打ち領域に設けられた入賞口である第2始動入賞口14の入賞、又は一般入賞口29への遊技球の入賞に応じて、規定球数(例えば10球)毎に1パルスが出力される信号として構成することができる。この例における特定経路対応賞球信号は、右打ちに対応する賞球信号であるため、右打ち用賞球信号と言い換えることもできる。この場合、ホールコンピュータ600等の管理装置は、遊技機1´から出力される特定経路対応賞球信号に基づいて、BA等の特定値(指標値)を算出して集計する。なお、特定経路対応賞球信号として、大入賞口(第1大入賞口24A、第2大入賞口24B)への入賞による賞球数を含んでもよく、この場合には、T1Y又はTYについても、特定経路対応賞球信号に基づいて算出してもよい。
図44は、遊技機1´の外部出力基板130から出力される遊技機信号の別例を示す図である。この例では、図25で説明した遊技機信号とは異なり、大当り信号と、小当りA信号と、小当りB信号と、確変中信号と、連荘中信号と、賞球信号と、セキュリティ信号と、図柄確定信号と、扉開放中信号と、賞球予定信号と、特1特2始動入賞信号とが遊技機信号として外部出力されるように構成されている。
大当り信号は、遊技機1´が大当り遊技状態に制御された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
小当りA信号は、遊技機1´が小当りA遊技状態に制御された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
小当りB信号は、遊技機1´が小当りB遊技状態に制御された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
確変中信号は、遊技機1´が確変状態の制御を開始してから、その制御を終了するまでの間、出力状態(ON状態)とされる信号である。
連荘中信号は、遊技機1´において連荘が行われている間、出力状態(ON状態)とされる信号である。
この場合、大当り信号と、小当りA信号と、小当りB信号とは、共通の信号線によって遊技機1´からホールコンピュータ600等の外部装置に出力するようにするように構成することができる。大当り遊技状態と、小当りA遊技状態と、小当りB遊技状態とは、それぞれ独立した遊技状態であるため、大当り遊技状態に対応する信号と小当り遊技状態に対応する信号とは、共通の信号線によって出力するように構成しても、外部装置は入力した信号の「ON」、「OFF」のパターンに基づいて、それぞれの遊技状態を判別することができる。
図45は、遊技機1´の外部出力基板130から出力される遊技機信号の別例を示す図であり、図25に対応する遊技機信号を示している。この例では、便宜的に、遊技機信号を情報出力信号と試験信号との2種類の信号に分けている。
情報出力信号は、外部装置に遊技機に関する情報を通知するための信号である。
試験信号は、遊技機の性能確認のために用いられる信号であって、試験機関における外部試験装置が遊技機の動作や状態の検査(確認)を行うことを可能とする信号である。
情報出力信号には、例えば、賞球信号と、セキュリティ信号と、図柄確定信号と、扉開放中信号と、賞球予定信号と、特1特2始動入賞信号とを含めることができる。
試験信号には、例えば、役物連続作動装置作動中信号と、第1大入賞口作動中信号と、第2大入賞口作動中信号とを含めることができる。
役物連続作動装置は、遊技機において確変状態に移行する契機となる特定図柄で当選した場合に作動する装置である。役物連続作動装置の作動によって大入賞口が開放状態とされる場合には、遊技機は大当り遊技状態に制御され、その後に確変状態に制御される。なお、役物連続作動装置の作動によらずに大入賞口が開放状態とされる場合には、いわゆる小当りとなり、小当り遊技状態に制御される。
役物連続作動装置作動中信号は、上記の役物連続作動装置が作動状態となったときにON状態となる信号である。
第1大入賞口作動中信号は、第1大入賞口が開放状態となるときに出力状態(ON状態)となる信号である。
第2大入賞口作動中信号は、第2大入賞口が開放状態となるときに出力状態(ON状態)となる信号である。
上記の試験信号に基づくことで、大当り遊技状態、小当り遊技状態、KT状態等の遊技機の遊技状態の判定を共通化し、遊技状態の簡易な判定を実現することが可能となる。つまり、連続作動装置作動中信号を受信している間は、遊技機は大当り遊技状態に制御されていると判定することができ、連続作動装置作動中信号の受信が終了した後は、遊技機はKT状態に制御されたと判定することができる。一方、連続作動装置作動中信号を受信せずに第1大入賞口作動中信号を受信すれば、遊技機は小当りB遊技状態に制御されたと判定することができ、連続作動装置作動中信号を受信せずに第2大入賞口作動中信号を受信すれば、遊技機は小当りA遊技状態に制御されたと判定することができる。
また、上記の実施形態では、遊技機から遊技機信号が外部装置に出力され、遊技機の背面に設けられるアウト球検出器200からアウト信号が外部装置に出力されることとして説明した。しかし、必ずしもこのようにしなければならないわけではなく、各入賞口又はアウト口を通過した遊技球を検知するためのアウトスイッチを備える遊技機を構成し、アウトスイッチが検知した遊技球の個数が第3規定球数(例えば10球)に達する毎に、1パルスのアウト信号を遊技機から直接的に外部装置に出力するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技機から賞球信号を出力する際の第1規定球数や賞球予定信号を出力する際の第2規定球数を「10球」として説明したが、必ずしもこのように構成しなければならないわけではなく、例えば、第1規定球数や第2規定球数を「1球」としてもよい。同様に、アウト信号についても、例えば、第3規定球数を「1球」としてもよい。
[3−7.遊技機の制御状況に関する情報の表示]
上記の実施形態において、管理装置が、遊技機から入力される信号に基づいて、当該遊技機の制御状況に関する情報を表示部に表示させるようにしてもよい。なお、管理装置に限らず、データ表示装置1200や台間計数ユニット500等の遊技用装置や、遊技者が所有する携帯端末等の利用者端末装置に、これらの情報を表示させるようにしてもよい。
例えば、図25に示した大当り1信号や図44に示した大当り信号等の大当り信号(第1有利状態信号に相当)の他に、突然確変大当りに当選したことを示す突然確変大当り信号や15R確変大当りに当選したことを示す15R確変大当り信号等の大当り信号(第2有利状態信号に相当)を外部出力基板130から遊技機信号として出力するように構成する。突然確変大当りや15R確変大当り(第2有利状態に相当)は、通常大当り(第1有利状態に相当)よりも有利度が高い有利状態と言える。そして、管理装置は、遊技機からこれらの信号を入力し、入力した突然確変大当り信号や15R確変大当り信号等の大当り信号に基づいて、遊技機の突然確変大当りや15R確変大当りの制御に関する情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
この場合には、遊技機の突然確変大当りや15R確変大当りの制御に関する情報として、突然確変大当り遊技状態や15R確変大当り遊技状態に制御された回数や割合に関する情報や、突然確変大当り遊技状態や15R確変大当り遊技状態に制御されるまでに要した回転数等の情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
[3−8.指標値の報知]
上記の実施形態では、管理装置がBAやBA適否情報等の情報を表示部に表示させることして説明したが、基準相対情報と相対値の算出値とに基づく情報であれば、任意の情報を表示させるようにすることが可能である。上記の実施形態のように相対値をBAとするのであれば、BA基準情報と払BAの算出値とを対比可能な態様(例えばBA基準情報とBAの算出値とを並べて表示するもの)で示す情報や、BAの算出値がBA基準下限値やBA基準上限値からどの程度ずれているかを数値的に示す情報等を表示させるようにしてもよい。
[3−9.付与値の算出・表示]
上記の実施形態において、遊技機が、入賞口への入賞によって遊技者に付与される予定の賞球数に基づいて所定の付与値を算出し、算出した付与値を遊技機に表示させるなどして遊技者に報知することを可能としてもよい。
[3−10.役比・連比の表示]
上記の実施形態において、遊技機から管理装置や遊技用装置に対して、遊技機が内部的に算出した役比や連比等に関する情報を外部出力するように構成し、管理装置や遊技用装置が、遊技機から入力したこれらの情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
[3−11.指標値に異常が生じた遊技機の表示]
上記の実施形態において、ホールコンピュータ600等の管理装置が、指標値が不適正と判定された遊技機のID(遊技機ID)等の情報を表示部625に表示させるようにしてもよい。例えば、店舗内の全ての遊技機の配置が示された店舗レイアウト画面において、遊技用装置から遊技機IDを受信した遊技機を色分けして表示部625に表示させるなどしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、異常が生じている可能性のある遊技機を店舗の管理者が一見して把握することが可能となる。遊技用装置についても同様である。
[3−12.管理装置における設定]
上記の実施形態では、管理装置であるホールコンピュータ600に遊技機の機種情報が予め記憶されており、この機種情報に基づいて、払出率基準情報(払出率基準範囲や払出率基準値)を遊技用装置に提供することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、例えば、ホールコンピュータ600が、遊技機の製造メーカに設置されるサーバから機種情報をダウンロードすることを可能とすることで、新台となる遊技機が店舗に導入される際に、この新台の払出率基準情報を製造メーカのサーバからダウンロードするようにしてもよい。また、この際、払出率基準情報ばかりでなく、遊技機が備える外部出力端子や出力される遊技機信号の種類の情報等を含む設計情報を、製造メーカのサーバからダウンロードするようにしてもよい。
このようにすることで、ホールコンピュータ600は、払出率の算出方法や払出率の適否の判定方法を遊技機の機種毎に管理することが可能となる。
[3−13.遊技用装置における設定]
上記の実施形態では、データ表示装置等の遊技用装置が、管理装置から配信される設定用データに基づいて、各種の設定を行うこととして説明した。この場合、店舗に設置された全ての遊技用装置について一括設定を行うようにしてもよいし、遊技島単位で一括設定を行うようにしてもよいし、遊技用装置毎に個別設定を行うようにしてもよい。特に、同種の遊技機が設置される遊技島単位で設定を行うようにすると効果的である。
また、遊技用装置の操作部への設定操作がなされたことを特定可能な信号に基づいて遊技用装置が設定を行うようにしてもよいし、遊技用装置の記憶部に設定用データを予め記憶させておき、店舗の従業員が操作部から設定の実行操作を行うことで、遊技用装置が設定を行うことを可能としてもよい。
また、店舗の管理者や従業員が、設定用リモコン700から遊技用装置に設定信号を送信させることによって遊技用装置が設定を行うことを可能としてもよい。
さらに、インターネット等の通信ネットワークを利用して店舗外に設置される外部装置(例えばカード会社に設置されるサーバ)から設定用情報をダウンロードすることを可能とし、ダウンロードした設定用情報に基づいて、遊技用装置が設定を行うことを可能としてもよい。
また、上記の遊技用装置の設定は、基本的には、店舗の営業終了後や営業開始前といった非営業中に店舗の従業員が行うようにすることが望ましい。つまり、遊技用装置の設定に関するモードとして、非営業中モードを装置のプログラムに規定しておき、この非営業中モードに遊技用装置の設定を行うようにすればよい。
[3−14.遊技情報の集計・表示]
上記の実施形態において、遊技用装置が、遊技情報として、遊技履歴情報(総合遊技履歴情報、個人遊技履歴情報等)や獲得球数等の情報を表示するようにしてもよい。
また、遊技機が設置される店舗によっては、貸与レートの異なる遊技機の間での乗り入れを許可する店舗が存在する。パチンコ遊技機を例に挙げると、4円パチンコから1円パチンコへの乗り入れや、1円パチンコから4円パチンコへの乗り入れがこれに含まれる。そこで、例えば、貸与レートの異なる遊技機での貯玉(又は持玉)の払い出しに関する情報を、遊技情報として表示するようにしてもよい。
具体的には、乗り入れで貯玉が払い出された回数や時間、払い出された玉数等の情報を、遊技情報として表示するようにしてもよい。これらの情報は、例えば、玉管理コンピュータ800等の管理装置が集計するようにし、集計した情報を、管理装置からユニット(カードユニットや台間計数ユニット)を介して間接的に遊技用装置に出力したり、管理装置から直接的に遊技用装置に出力するようにすればよい。
また、上記の実施形態では、遊技用装置が、遊技履歴情報として、総合遊技履歴情報と個人遊技履歴情報との2種類の遊技履歴情報を表示させることが可能であることとして説明した。しかし、この他にも、一の遊技履歴情報のより詳細な情報である詳細遊技履歴情報を遊技履歴情報として表示させるようにしてもよい。
具体的には、遊技履歴情報に含まれる大当り回数(総合、確変、通常)について、当日の大当り回数ばかりでなく、過去所定期間分(例えば過去3日分)の大当り回数を詳細遊技履歴情報として表示させるようにしてもよいし、出玉グラフについて、当日の出玉グラフばかりでなく、日別の出玉グラフや台別の出玉グラフを詳細遊技履歴情報として表示させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、ホールコンピュータ600等の管理装置が、遊技機1´等の遊技機から入力した大当り1信号に基づいて、当該遊技機において1日に発生した大当りの回数(1日の大当り回数)を集計するようにしてもよい。大当り1信号は、遊技機が大当り遊技状態に制御されている期間に出力状態とされる信号であるため、大当り1信号のみから、1日に発生した大当りのみの回数を集計することができる。
また、同様に、管理装置が、遊技機から入力した大当り4信号に基づいて、当該遊技機において1日に発生した大当りの回数(1日の大当り回数)や当該遊技機において1日に発生した小当りAの回数(1日の小当りA回数)を集計するようにしてもよい。大当り4信号は、遊技機が大当り遊技状態に制御されている期間と小当りA遊技状態に制御されている期間との両方に対応する期間に出力状態とされる信号であるため、大当り4信号のみから、1日に発生した大当りのみの回数や小当りAのみの回数を集計することができる。
上記のようにして集計した回数は、管理装置の表示部に表示させるなどして、店舗の管理者が確認できるようにしてもよい。また、上記のようにして集計した回数を、管理装置から各種の遊技用装置(呼出ランプ装置、データ表示装置、カードユニット等)に出力するようにし、遊技用装置が、管理装置から入力したこれらの集計回数を表示部に表示させるなどして、遊技者が確認できるようにしてもよい。
なお、この場合、上記の回数の集計を、管理装置ではなく遊技用装置が同様の手法で行うようにしてもよい。また、1日の期間を対象として回数を集計するのに限らず、数日や1週間、1か月といった期間を対象として回数を集計するようにしてもよい。
[3−15.記録媒体]
遊技者が所持し、遊技機での遊技に使用可能な記録媒体は、上記の実施形態で説明した持玉カード等の遊技用カードに限られるわけではない。例えば、遊技者が所持するスマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末、PDA等の遊技者端末を記録媒体としてもよい。
具体的には、例えば、IC対応の遊技者端末であるスマートフォンが遊技用装置に設けられたICリーダに翳されたことを記録媒体の受付とし、遊技者が電子マネーによる入金を行って遊技機で遊技することを可能としてもよい。また、カード返却ボタンが押下された場合に受付解除待機状態とし、この受付解除待機状態において受付中のスマートフォンと同一のスマートフォンがICリーダに翳された場合に、記録媒体の受付を解除するようにしてもよい。