JP2018139769A - 管理装置 - Google Patents

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小倉 敏男
Toshio Ogura
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Abstract

【課題】複数の特別状態に制御可能な遊技機の遊技情報を適切に集計して管理することのできる管理装置を提供する。【解決手段】ホールコンピュータは、通常高確高ベース状態及び特殊高確高ベース状態に対応する大当り2信号と、通常高確高ベース状態には対応せず特殊高確高ベース状態には対応する大当り3信号及び大当り4信号と、出玉の付与に対応する賞球信号と、を遊技機1から入力可能な第1通信部を備える。また、ホールコンピュータは、第1通信部に入力される信号に基づいて、通常高確高ベース状態と特殊高確高ベース状態とを区別して、遊技者に付与された出玉に対応するベース値及びTYを算出可能な処理部を備える。【選択図】図27

Description

本発明は、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機を管理するための管理装置に関する。
パチンコ店やスロット店等の店舗では、パチンコ遊技機やスロットマシンといった遊技機で遊技者が遊技を行うことができるようになっている。このような店舗においては、遊技機を管理するための管理装置を店舗内に設置することが一般的となっている。
これに関連して、例えば特許文献1には、遊技機のベース値(遊技球の払出率、出玉率)を集計可能な管理装置に関するに関する発明が開示されている。
特開2014−97161号公報
ところで、遊技機のうちのパチンコ遊技機を例に挙げると、遊技機の中には、大当り状態等の遊技者にとって有利な状態(以下、「有利状態」という。)とは別に、例えば、設計上のベース値が異なる複数の特別な状態(以下、「特別状態」という。)に制御可能な遊技機が存在する。このような遊技機が設置される店舗においては、当該遊技機の遊技情報を管理装置において集計・管理したいという要望がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の特別状態に制御可能な遊技機の遊技情報を適切に集計して管理することのできる管理装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採る。なお、後述する発明を実施するための形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために付記するが、本発明の構成要素は該符号を付したものには限定されない。
手段1に係る発明は、
遊技者にとって有利な有利状態(大当り状態等)に制御可能な遊技機(遊技機1等)を管理するための管理装置(ホールコンピュータ600等)であって、
前記遊技機は、前記有利状態の終了後(大当り状態の終了後等)に、前記有利状態とは異なる契機(普通可変入賞球装置6Bの開放、小当り等)により遊技価値を付与可能な特別状態(高確高ベース状態、小当りタイム(KT)状態等)に制御可能であり、
前記特別状態は、第1特別状態(通常高確高ベース状態、通常KT状態等)と、該第1特別状態とは有利度合い(遊技球の付与され易さ、ベース値等)が異なる第2特別状態(特殊高確高ベース状態、特殊KT状態等)とを含み、
前記第1特別状態及び前記第2特別状態に対応する特別信号(大当り2信号、連荘中信号等)と、前記第1特別状態には対応せず前記第2特別状態には対応する特定信号(大当り3信号、大当り4信号等)と、遊技価値の付与に対応する所定信号(賞球信号等)と、を前記遊技機から入力可能(図35の管理処理:A11等)な入力手段(第1通信部640等)と、
前記入力手段に入力される信号に基づいて、前記第1特別状態と前記第2特別状態とを区別して、遊技者に付与された遊技価値である付与遊技価値に対応する特定値(TY(T1Yを含む。)、ベース値等)を算出可能(図35の管理処理:A21、A25等)な特定値算出手段(処理部610等)と、
を備えることを特徴とする管理装置である。
これによれば、遊技機から出力される特定信号と特別信号と所定信号とに基づいて、第1特別状態と第2特別状態とのそれぞれの特別状態における遊技情報を適切に集計して管理することが可能となる。
また、手段2に係る発明として、
手段1に記載した管理装置であって、
前記入力手段は、前記有利状態に対応する有利信号(大当り1信号等)を前記遊技機からさらに入力可能(図35の管理処理:A11等)であり、
前記特定値算出手段は、前記入力手段に入力される有利信号に基づいて、前記有利状態をさらに区別して前記特定値を算出可能(図35の管理処理:A17等)である、
ことを特徴とする管理装置を構成してもよい。
これによれば、遊技機から出力される有利信号に基づいて、有利状態における遊技情報を適切に集計して管理することが可能となる。
また、手段3に係る発明として、
手段2に記載した管理装置であって、
前記特定値算出手段は、前記有利状態に対応する期間に遊技者に付与された付与遊技価値に基づく第1付与値(T1Y等)と、前記有利状態が開始されてから前記第2特別状態が終了するまでの期間に遊技者に付与された付与遊技価値に基づく第2付与値(特殊T1Y等)とを、前記特定値として区別して算出可能(図37の特殊高確高ベース時処理:C3、C13等)な付与値算出手段(TY算出部613等)を有することを特徴とする管理装置を構成してもよい。
これによれば、有利状態に対応する期間の付与遊技価値に基づく情報ばかりでなく、有利状態が開始されてから第2特別状態が終了するまでの期間の付与遊技価値に基づく情報も集計して管理することが可能となる。
また、手段4に係る発明として、
手段1〜3のいずれか1つに記載した管理装置であって、
前記特定値算出手段は、前記第1特別状態と前記第2特別状態とを区別して、前記有利状態を除外した期間において遊技者が使用した遊技価値である使用遊技価値と遊技者に付与された付与遊技価値との相対値(通常BA、特殊BA等)を前記特定値として算出可能(図37の特殊高確高ベース時処理:C15、図38の通常高確高ベース時処理:D9等)な相対値算出手段(ベース算出部615等)を有することを特徴とする管理装置を構成してもよい。
これによれば、第1特別状態と第2特別状態とのそれぞれについて、有利状態を除外した期間の使用遊技価値と付与遊技価値との相対値を集計して管理することが可能となる。
また、手段5に係る発明として、
手段4に記載した管理装置であって、
前記相対値算出手段によって算出された相対値(通常BA、特殊BA等)と該相対値の基準情報である基準相対情報(通常BA基準情報:通常BA基準範囲、通常BA基準値、特殊BA基準情報:特殊BA基準範囲、特殊BA基準値等)とに基づいて、所定処理(B適否判定処理、誤差算出処理等)を実行可能(図38の通常高確高ベース時処理:D11等)な所定処理実行手段(ベース適否判定部617等)をさらに備えることを特徴とする管理装置を構成してもよい。
これによれば、基準相対情報を用いることで、算出された相対値の適否判定や算出された相対値に含まれる誤差の算出といった種々の処理を行うことができ、店舗にとって有益となる情報を提供することが可能となる。
また、手段6に係る発明として、
手段5に記載した管理装置であって、
前記所定処理実行手段は、前記相対値算出手段によって算出された相対値の適否を判定する適否判定処理(図38の通常高確高ベース時処理:D11等)を前記所定処理として実行することを特徴とする管理装置を構成してもよい。
これによれば、算出された相対値の適否を判定することができ、その判定結果が不適正である場合には、遊技機の調整を行うなどの措置を講じることが可能となる。
また、手段7に係る発明として、
手段5又は6に記載した管理装置であって、
前記所定処理実行手段は、前記相対値算出手段によって算出された前記第1特別状態における相対値については前記所定処理を実行するが、前記相対値算出手段によって算出された前記第2特別状態における相対値については前記所定処理を実行しない(図30のテーブル:通常BA:適否判定対象、特殊BA:適否判定非対象、図38の通常高確高ベース時処理:D11等)ことを特徴とする管理装置を構成してもよい。
これによれば、第1特別状態と第2特別状態とで所定処理を実行の有無を切り替えることができる。
また、手段8に係る発明として、
手段2に記載した管理装置であって、
前記入力手段に入力される有利信号に基づいて、前記遊技機による前記有利状態の制御に関する情報である有利状態情報(大当り回数等)を集計可能な有利状態情報集計手段(処理部610等)をさらに備えることを特徴とする管理装置を構成してもよい。
これによれば、遊技機から出力される有利信号に基づいて、有利状態情報を適切に集計して管理することが可能となる。
手段9に係る発明は、
遊技者にとって有利な有利状態(大当り状態等)に制御可能な遊技機(遊技機1等)であって、
前記有利状態の終了後(大当り状態の終了後等)に、前記有利状態とは異なる契機(普通可変入賞球装置6Bの開放、小当り等)により遊技価値を付与可能な特別状態(高確高ベース状態、小当りタイム(KT)状態等)に制御可能な特別状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ100等)を備え、
前記特別状態は、第1特別状態(通常高確高ベース状態、通常KT状態等)と、該第1特別状態とは有利度合い(遊技球の付与され易さ、ベース値等)が異なる第2特別状態(特殊高確高ベース状態、特殊KT状態等)とを含み、
前記第1特別状態及び前記第2特別状態に対応する特別信号(大当り2信号、連荘中信号等)と、前記第1特別状態には対応せず前記第2特別状態には対応する特定信号(大当り3信号、大当り4信号等)と、を出力可能(図25の信号出力用テーブル等)な出力手段(遊技制御用マイクロコンピュータ100、外部出力基板16等)をさらに備えることを特徴とする遊技機である。
これによれば、特別信号と特定信号とに基づいて、第1特別状態と第2特別状態とのいずれの特別状態に制御されたかを外部装置において正しく把握することが可能となる。
また、手段10に係る発明として、
手段9に記載した遊技機であって、
前記出力手段は、
前記特別状態制御手段によって前記第1特別状態に制御されるときには、前記有利状態の終了に伴い前記特定信号の出力を停止し(通常高確高ベース状態に制御されるときには、大当り状態の終了に伴い大当り3信号、大当り4信号の出力を停止する等)、
前記特別状態制御手段によって前記第2特別状態に制御されるときには、前記有利状態の終了後も前記特定信号を出力する(特殊高確高ベース状態に制御されるときには、大当り状態の終了後も大当り3信号、大当り4信号の出力を継続する等)、
ことを特徴とする遊技機を構成してもよい。
これによれば、特定信号の出力の態様に基づいて、第1特別状態と第2特別状態とのいずれの特別状態に制御されたかを外部装置において簡易に判定することが可能となる。
また、手段11に係る発明として、
手段9又は10に記載した遊技機であって、
前記特別状態制御手段は、前記第1特別状態と前記第2特別状態とのうち、制御される有利状態の種別に応じた特別状態に制御する(図19の大当り種別決定用テーブル131等;確変A、確変B)、
ことを特徴とする遊技機を構成してもよい。
これによれば、有利状態の種別に応じて制御する特別状態を異ならせることができる。
また、手段12に係る発明として、
手段9〜11のいずれか1つに記載した遊技機であって、
可変表示(第1特別図柄の可変表示、第2特別図柄の可変表示等)を行う可変表示手段(第1特別図柄表示装置4A,第2特別図柄表示装置4B等)をさらに備え、
前記特別状態制御手段は、前記可変表示手段による可変表示の表示結果が特定表示結果(特図表示結果「大当り」のうちの「確変B大当り」に対応する特図表示結果)となったことに基づいて、前記特別状態に制御可能である、
ことを特徴とする遊技機を構成してもよい。
これによれば、可変表示の表示結果に基づいて特別状態に制御することができるため、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、手段13に係る発明として、
手段12に記載した遊技機であって、
少なくとも第1可変表示時間(図21(2)の変動パターンテーブルB:変動パターンPAs1−1やPAs1−2の特図変動時間等)と該第1可変表示時間よりも短い第2可変表示時間(図21(1)の変動パターンテーブルA:変動パターンPAn1−1やPAn1−2の特図変動時間等)との中から前記可変表示手段の可変表示時間を決定可能な可変表示時間決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ100等)をさらに備え、
前記可変表示時間決定手段は、前記特別状態制御手段によって前記第1特別状態に制御される場合よりも前記第2特別状態に制御される場合の方が、前記第1可変表示時間よりも前記第2可変表示時間を選択する割合を高くして(短縮変動に対応する変動パターンの選択割合「10%」、超短縮変動に対応する変動パターンの選択割合「90%」等)前記可変表示時間を決定する、
ことを特徴とする遊技機を構成してもよい。
これによれば、第2特別状態に制御された場合に、第1特別状態に制御された場合と比べて、可変表示時間を短くする割合を高くして可変表示を行わせることができる。
また、手段14に係る発明として、
手段12又は13に記載した遊技機であって、
前記可変表示手段は、
第1情報(第1特別図柄等)の可変表示を行う第1可変表示手段(第1特別図柄表示装置4A等)と、
第2情報(第2特別図柄等)の可変表示を行う第2可変表示手段(第2特別図柄表示装置4B等)と、
を有し、前記第1情報の可変表示と前記第2情報の可変表示とを同時に行い(第1特別図柄と第2特別図柄の同時変動等)、
前記第1情報の可変表示の表示結果又は前記第2情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて、前記有利状態及び前記特別状態とは異なる状態であって、遊技価値を付与可能な所定状態(小当り状態等)に制御可能な所定状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ100等)をさらに備える、
ことを特徴とする遊技機を構成してもよい。
これによれば、第1情報の可変表示と第2情報の可変表示とを同時に実行可能ないわゆる同時変動タイプの遊技機を構成することができる。また、第1情報の可変表示の表示結果又は第2情報の可変表示の表示結果に基づいて、遊技価値を付与可能な所定状態に制御することができるため、遊技興趣を高めることができる。
また、手段15に係る発明として、
手段14に記載した遊技機であって、
前記所定状態制御手段は、前記第2情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合の方が前記第1情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合よりも前記所定状態に制御する割合を高くし(第2特別図柄の特図表示結果を「小当り」とする割合を第1特別図柄の特図表示結果を「小当り」とする割合よりも高くする等)、
前記第2可変表示手段は、前記特別状態制御手段によって前記第2特別状態に制御される場合に、前記第1特別状態に制御される場合よりも可変表示時間を短くする(特殊高確高ベース状態や特殊KT状態に制御する場合に、通常高確高ベース状態や通常KT状態に制御する場合よりも特図変動時間を短くする等)、
ことを特徴とする遊技機を構成してもよい。
これによれば、第2情報の可変表示を行う場合の方が第1情報の可変表示を行う場合よりも所定状態に制御し易くし、第2特別状態の方が第1特別状態よりも可変表示時間を短くすることができる。
また、手段16に係る発明として、
手段12〜15のいずれか1つに記載した遊技機であって、
開閉可能に制御され、遊技媒体が進入可能な第1可変装置(普通可変入賞球装置6B等)と、
開閉可能に制御され、遊技媒体が進入したことにより遊技価値を付与可能であり、前記第1可変装置の下方に設けられる第2可変装置(特別可変入賞球装置7等)と、
をさらに備え、
前記第2可変装置は、前記特別状態制御手段によって前記第2特別状態に制御される場合に、前記第1可変装置が閉鎖された後に開放されるように制御される、
ことを特徴とする遊技機を構成してもよい。
これによれば、第2特別状態に制御される場合に、第1可変装置の閉鎖を待って、第2可変装置に遊技媒体を進入させ易くすることができる。
また、手段17に係る発明として、
手段12〜16のいずれか1つに記載した遊技機であって、
前記可変表示手段による可変表示の表示結果が確定した後に、所定演出(ファンファーレ演出等)を実行可能な所定演出実行手段(演出制御用CPU120等)をさらに備え、
前記有利状態に対応する期間には、前記所定演出が実行される期間である所定演出期間(ファンファーレ期間等)が含まれ、
前記出力手段は、前記有利状態に制御される場合に、前記所定演出期間を除外した期間に前記特定信号を出力する、
ことを特徴とする遊技機を構成してもよい。
これによれば、所定演出期間を除外した期間に特定信号を出力することで、外部装置において遊技情報を算出・集計する期間の判断が容易となる。
遊技機の正面図である。 遊技機の機能構成の一例を示すブロック図である。 遊技機の背面図である。 (A)は、主基板を簡略化した正面図、(B)は、表示モニタの表示内容 を説明する説明図である。 主基板のRAMにおける記憶領域の一部の構成を示す図である。 主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。 主基板RAMの記憶領域に対応するRAM領域を示した図である。 (A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチ ャート、(B−1)〜(B−5)は、表示モニタの表示内容の変化を説明する説明図 である。 リングバッファの記憶領域に記憶されたデータの移動を説明する説明図で ある。 連比・役比関連処理の手順を示すフローチャートである。 連比・役比表示制御処理の手順を示すフローチャートである。 総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数のカウンタの例を示す説明 図である。 (A)〜(D)は、主基板の変形例を簡略した正面図である。 第1遊技用システムのシステム構成の一例を示す図である。 第1遊技用システムにおける信号及び情報の流れの一例を示す図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す図である。 乱数値の一例を示す図である。 特図表示結果決定用テーブルの一例を示す図である。 大当り種別決定用テーブルの一例を示す図である。 変動パターン決定用テーブルの一例を示す図である。 変動パターンテーブルの一例を示す図である。 遊技制御用データ保持エリアの一例を示す図である。 特別可変入賞球装置の開放パターンの一例を示す図である。 遊技機の外部出力基板から出力される遊技機信号の一例を示す図である。 遊技機の信号出力用テーブルの一例を示す図である。 ホールコンピュータの機能構成の一例を示す図である。 指標値及び基準指標値の説明図である。 機種情報テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。 装置対応関係テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。 指標値の算出及びその他の処理を説明するための原理図である。 遊技機信号の出力に関するタイミングチャートである。 遊技機信号の出力に関するタイミングチャートである。 減るベース及び増えるベースの説明図である。 玉管理コンピュータの機能構成の一例を示す図である。 管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。 大当り時処理の流れの一例を示すフローチャートである。 特殊高確高ベース時処理の流れの一例を示すフローチャートである。 通常高確高ベース時処理の流れの一例を示すフローチャートである。 遊技機の外部出力基板から出力される遊技機信号の別例を示す図である。 遊技機の外部出力基板から出力される遊技機信号の別例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけではない。
[1.第1実施形態]
最初に、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の実施形態について説明する。
パチンコ遊技機において、一般入賞領域への遊技媒体の進入は、遊技媒体が進入することにより特別図柄の可変表示が実行される始動入賞領域への遊技媒体の進入と比較して、遊技への影響が低いものとなっている。また、特別図柄の可変表示の表示結果が特定表示結果となったときには遊技者にとって有利な有利状態に制御されるが、この有利状態において遊技媒体が進入可能となる特定入賞領域への遊技媒体の進入と比較して、遊技者の関心は低く、興趣を高めることが困難なものとなっている。このような事情により、一般入賞領域への遊技媒体の進入が実質的に困難となるように店舗側で遊技釘がメンテナンスされてしまう場合がある。
しかしながら遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。そのため、本来であれば、店舗側でも予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するような(試験を通過するような)遊技釘のメンテナンス状態とされていることが望ましく、そのためには、一般入賞領域への遊技媒体の進入について遊技者の関心を高め、遊技者に一般入賞領域への遊技媒体の進入頻度を意識させる必要がある。
そこで、このような一般入賞領域を有する遊技機において、一般入賞領域に遊技媒体が進入した場合の興趣をさらに高める余地が存在する。本実施形態に係る遊技機では、一般入賞領域を有する遊技機における遊技の興趣を高めることが可能となっている。以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
[1−1.パチンコ遊技機の構成]
図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、「遊技機1」という。)の正面図の一例であり、主要部材の配置レイアウトを示す。また、図2は、遊技機1の機能構成の一例を示すブロック図である。
遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(メーター盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。また、遊技機1は、遊技機用枠3に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠3aを有する。
遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技領域10は、左遊技領域10Aと右遊技領域10Bからなる。遊技領域10は、遊技盤2において遊技球が通過可能な領域であり、遊技領域10の中央を基準として、左側が左遊技領域10A、右側が右遊技領域10Bとなっている。
遊技盤2の所定位置(同図に示す例では、遊技領域10の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう。)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。なお、特別図柄表示装置は1つであってもよい。
遊技盤2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、表示結果を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、図2に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120は、第1特別図柄表示装置4Aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどがある。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、「突確大当り」(「2R確変大当り」ともいう。)となることに対応した飾り図柄(「突確」の文字から構成される図柄)や、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示画面における右下部には、飾り図柄と特別図柄及び後述する普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリア5A,5Bが設けられている。本実施形態では、第1特図の可変表示に同期して第1特図用の第4図柄の可変表示が行われると共に、その可変表示の表示結果の導出表示が行われる第1特図用の第4図柄表示エリア5Aと、第2特図の可変表示に同期して第2特図用の第4図柄の可変表示が行われると共に、その可変表示の表示結果の導出表示が行われる第2特図用の第4図柄表示エリア5Bとが設けられている。
本実施形態では、特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、飾り図柄の可変表示は、演出制御用CPU120側で変動パターン指定コマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、画像表示装置5を用いた演出を行う場合、例えば、飾り図柄の可変表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部又は一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、画像表示装置5上の表示画面を見ていても、現在可変表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、本実施形態では、画像表示装置5の表示画面の一部でさらに第4図柄の可変表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在可変表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で可変表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特図用の第4図柄と第2特図用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aと第2特図用の第4図柄表示エリア5Bとを、第4図柄表示エリアと総称することがある。
第4図柄の変動表示(可変表示)は、第4図柄表示エリア5A,5Bを所定の表示色(例えば、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aは白色、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bは黒色)で所定の時間間隔で点灯(表示)と消灯(非表示)とを繰り返す点滅状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の可変表示と、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aにおける第1特図用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の可変表示と、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bにおける第2特図用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点及び終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当り種別に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。このように、第1特図用の第4図柄の可変表示の表示結果は第4図柄表示エリア5Aに停止表示(導出表示)されることになる。
また、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当り種別に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第2特別図柄表示装置4Bにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。このように、第2特図用の第4図柄の可変表示の表示結果は第4図柄表示エリア5Bに停止表示(導出表示)されることになる。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや遊技機1が大当り状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、非表示態様(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示態様となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、非表示態様となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示態様に戻る。
即ち、始動入賞が発生すると、始動入賞記憶表示エリア5Hには、当該始動入賞に基づいて実行される特図ゲームに対応した保留情報が新たに表示される表示制御が行われる。例えば、保留情報は、その保留情報に対応した特図ゲームの始動条件が成立した順序(上の例では開始条件が成立する順序でもある)に従って、左から順番に表示される。n個の保留情報が表示されているとき(n回分の特図ゲームが保留されているとき)に新たな始動入賞が発生すると、当該新たな始動入賞に対応して左からn+1番目の保留情報が新たに表示されることになる。そして、保留されている特図ゲームの開始条件が成立すると、当該特図ゲームに対応する左端の保留情報が消去されると共に、左からn番目(n≧2)の保留情報が1つずつ左にシフトされて、n−1番目に表示されることになる。
なお、特図ゲームの開始条件が成立する順序は、始動条件が発生した順序に限らず、第2特図に関する特図ゲームの開始条件が、第1特図に関する特図ゲームの開始条件よりも優先して成立する(所謂特図4優先変動とする)ようにしても良い。また、これとは逆に、第1特図に関する特図ゲームの開始条件が、第2特図に関する特図ゲームの開始条件よりも優先して成立する(所謂特図1優先変動とする)ようにしても良い。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。また、画像表示装置5の右側には、可動役物150が設けられている。
可動役物150は、星型の部材を動作させるためのモータやランプが内蔵されている。可動役物150は、大当りを予告する演出、例えば、後述する変動結果予告演出や先読み予告演出が実行されるときに動作(回転動作及び点灯)するようになっている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイド27によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物、所謂電チュー)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しない又は進入しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド28によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
こうして、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、遊技機1が大当り状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値は、合計保留記憶数ということもあれば、特図保留記憶数ということもある。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41A,41Bを通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口50A〜50Dの4つの一般入賞領域が設けられている。
一般入賞口50A〜50Dは、遊技盤面より前方(遊技者側)に突設された球受部材により構成されている。球受部材は上方から流下してきた遊技球を開口部から受け入れるものであり、球受部材の開口部の水平方向の長さ(横幅)は、遊技球1個分の直径より大きいが遊技球2個分の直径よりは小さい。従って、2個以上の遊技球が水平方向に連なって球受部材の開口部を通過することがないようになっている。また、各一般入賞口50A〜50Dが設けられた各球受部材の間隔は、少なくとも遊技球1個以上が通過可能な間隔となっている。また、一般入賞口50A〜50Dの開口部の開閉を切り替えるための入賞球装置(例えば第2始動入賞口の開閉を切り替えるための普通可変入賞球装置6Bに相当する役物)は設けられておらず、常に開放状態となっている。また、一般入賞口50A〜50Dに遊技球が入賞しても、入賞に基づいて特図ゲームの可変表示の始動条件及び普図ゲームの可変表示の始動条件はいずれも成立しない。
なお、本実施形態では、一般入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて予め定められた数の賞球が遊技者に特定価値として付与されるものであるが、これに限らず、一般入賞口に遊技球が入賞したことに伴い、可変入賞球装置、例えば、第2始動入賞口の開閉制御を行うための普通可変入賞球装置6Bや大入賞口の開閉制御を行うための特別可変入賞球装置7を作動させて、第2始動入賞口や大入賞口に遊技球が入賞し易くすることを、一般入賞口に遊技球が入賞したことにより付与される特定価値としても良い。
また、一般入賞口に応じて遊技者に付与される特定価値を異ならせるようにしても良く、例えば、第2一般入賞口50Bや第3一般入賞口50Cに遊技球が入賞した場合には5個の賞球が付与されるが、第1一般入賞口50Aや第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞した場合には10個の賞球が付与される(即ち異なる大きさの特定価値が付与される)ようにしても良い。また、第2一般入賞口50Bや第3一般入賞口50Cに遊技球が入賞した場合に付与される特定価値は所定数の賞球であるが、第1一般入賞口50Aや第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞した場合には、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7を作動させる(即ち異なる種別の特定価値が付与される)ようにしても良い。
また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて付与される特定価値に応じて異なる演出が実行されるようにしても良く、例えば、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて可変入賞球装置が動作する場合とで(即ち特定価値の種別が異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて10個の賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて5個の賞球が付与される場合とで(即ち特定価値の大きさが異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。
第1一般入賞口50A,第2一般入賞口50B,第3一般入賞口50C,第4一般入賞口50Dへの遊技球の入賞は、図2に示すように、それぞれに対応した第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dにより検出される。第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dにより遊技球が検出されると、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
このように、本実施形態では、4つの一般入賞口50A〜50Dのそれぞれに対応した入賞口スイッチが設けられていることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、一般入賞口に遊技球が入賞したことのみならず、いずれの一般入賞口に遊技球が入賞したのかも検出可能となっている。
なお、一般入賞口毎に異なる一般入賞口スイッチが設けられる構成に限らず、複数の一般入賞口に対して共通の一般入賞口スイッチが設けられるようにしても良い。例えば、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bに対して共通の一般入賞口スイッチ(左遊技領域10Aに設けられた一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられ、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dに対して共通の一般入賞口スイッチ(右遊技領域10Bに設けられた一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられるようにしても良い。また、第1一般入賞口50A〜第4一般入賞口50Dの全ての一般入賞口に対して共通の一般入賞口スイッチ(いずれかの一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられるようにしても良い。
遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。アウト口に取り込まれた遊技球は、アウト口に連絡する球回収通路(図示せず)を経由して遊技島に回収される。各入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、第1〜第4一般入賞口)に入賞した遊技球は、入賞球集合樋(図示せず)を通じて集められ、球回収通路を経由して遊技島に回収されるようになっている。球回収通路にはアウト球検出器(図示せず)が設けられている。結果として、アウト球検出器では、遊技領域10に打ち込まれた(いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口に導かれた遊技球、及び、いずれかの入賞口に入賞して入賞球集合樋に集められた遊技球)すべての遊技球を検出する。アウト球検出器により遊技球が検出される毎に、検出信号が演出制御基板12に入力されることにより、演出制御用CPU120では、遊技領域10に打ち込まれた遊技球数、即ちアウト数を集計可能となっている。なお、アウト球検出器が、遊技球を検出する毎に値が1ずつ増加するカウンタを備える構成となっている場合には、カウンタの値が一定数(例えば10)増加する毎に、演出制御基板12にアウト数増加信号を出力するようにして、演出制御用CPU120側でアウト数を一定数単位(例えば10単位)で集計可能としても良い。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
ガラス扉枠3aの下部表面には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿60が設けられている。例えば上皿60の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
上皿60の右方には鍵穴61が設けられている。店舗の店員は、この鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を開放状態とすることで、ヒンジ機構を利用して、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを開閉させることが可能となる。遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを前方に開いた状態とすることで、遊技盤(遊技釘及び入賞口を含むメーター盤)2のメンテナンス(例えば、玉詰まりの解消措置)や、後述するモード切替スイッチ31や表示切替スイッチ32の操作を行うことができる。
上皿60の直下方には、上皿60に収容しきれない遊技球を貯留する下皿62が設けられ、上皿60の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)63が設けられている。例えば、打球操作ハンドル63は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
操作ボタン30は、押下可能であるとともに、回動可能なジョグダイアルになっている。なお、操作ボタン30は、押下操作や回動操作が可能なものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよいし、ジョイスティックのような押下操作及び傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン30に対してなされた遊技者の操作行為は、操作ボタン30の押下を検出する押下検出スイッチ(図示せず)及び操作ボタン(ジョグダイアル)30の回転方向及び回転量を検出するロータリーエンコーダ(図示せず)によって検出される。
次に、遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
遊技機1では、左遊技領域10Aに設けられた第1通過ゲート41A,右遊技領域10Bに設けられた第2通過ゲート41Bを通過した遊技球が、第1通過ゲート41Aに対応した第1ゲートスイッチ21A,第2通過ゲート41Bに対応した第2ゲートスイッチ21Bによって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄(はずれ図柄)が停止表示されれば「ハズレ」となる。確定特別図柄としての特定の特別図柄(大当り図柄)は、大当りの種別に応じて異なるものであり、例えば、確変大当りと非確変大当りとで確定特別図柄は異なる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する有利状態としての大当り状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示された後に制御される大当り状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行される。こうしてラウンド遊技の実行中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンド遊技を終了させる。大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、例えば15回となる。なお、ラウンド遊技の実行回数の異なる複数種類の大当り種別を設けてもよい。
大当り状態が終了した後には、遊技者にとって有利な有利状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御が実行される時短状態や、時間短縮制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態に制御される。
ここで、通常状態とは、大当り状態等の有利状態や時短状態、確変状態とは異なる遊技状態としての通常状態であり、遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。これに対して、時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。また、確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となってさらに大当り状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは所定回数(例えば8回)の特図ゲームが実行されるまで継続する。
大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り(種別)は、確変大当りとも称される。大当り状態が終了した後に確変状態に制御されずに時短状態に制御される大当り(種別)は、非確変大当りとも称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態に制御されている期間と同一であればよい。高開放制御が実行されている状態を高ベース状態、高開放制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示画面に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。本実施形態では、「擬似連」や「滑り」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示することなどのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
また、大当り組合せとなる飾り図柄が導出表示された後には、大当り状態におけるラウンドの実行中に、特図表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていることを予告・報知する先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。
前述したように、遊技領域10は、左遊技領域10Aと右遊技領域10Bからなり、遊技者は、打球操作ハンドル(操作ノブ)の操作量(回転量)を調整することにより、左遊技領域10Aに向けて遊技球を発射する左打ちと、右遊技領域10Bに向けて遊技球を発射する右打ちと、を切り替えることができる。
遊技機1では、左遊技領域10Aに遊技球を発射した場合(左遊技領域10Aに遊技球が進入した場合)には、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、右遊技領域10Bに遊技球を発射した場合よりも高い割合で遊技球が第1始動入賞口に入賞するようになっている。また、遊技状態が通常状態のときには、遊技状態が確変状態及び時短状態のときよりも、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が長く且つ普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率が低いため、通常状態において左遊技領域10Aに発射された遊技球が第2始動入賞口に入賞する割合は、第1始動入賞口に入賞する割合と比較して極めて低いものとなっている。
一方、遊技機1では、右遊技領域10Bに遊技球を発射した場合(右遊技領域10Bに遊技球が進入した場合)には、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに遊技球を発射した場合と比較して、第1始動入賞口に遊技球が入賞する割合が極めて低いか、又は、第1始動入賞口には遊技球が入賞しないようになっている。そのため、通常状態において仮に右打ちを行ったとしても、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合は、通常状態において左打ちを行ったときに遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合と比較して極めて低い。従って、遊技者は通常状態において左打ちを行うこととなる。
また、右遊技領域10Bに発射された遊技球が第2通過ゲート41Bを通過する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が第1通過ゲート41Aを通過する割合よりも高くなっている。そして、右遊技領域10Bに発射された遊技球が開放状態の第2始動入賞口に入賞する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が開放状態の第2始動入賞口に入賞する割合よりも高くなっている。
そして、確変状態及び時短状態では、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が通常状態よりも短縮され且つ普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率が通常状態よりも高い。従って、確変状態及び時短状態で右打ちを行った場合に遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合は、確変状態及び時短状態で左打ちを行った場合に遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合よりも高い。従って、遊技者は確変状態及び時短状態において右打ちを行うこととなる。
また、右遊技領域10Bに発射された遊技球が開放状態の大入賞口に入賞する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が開放状態の大入賞口に入賞する割合よりも高くなっている。従って、遊技者は大当り状態において右打ちを行うこととなる。このように、遊技者は、通常状態では左打ちを行い、大当り状態の発生に伴い右打ちに切り替え、大当り状態終了後の確変状態又は時短状態において右打ちを継続し、通常状態への移行(例えば大当り状態を伴わない確変状態又は時短状態の終了)に伴い左打ちに戻すことになる。
また、左遊技領域10Aに発射された遊技球が左遊技領域10Aに設けられている第1一般入賞口50A又は第2一般入賞口50Bに入賞する割合は、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bが設けられている位置、並びに、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、右遊技領域10Bに発射された遊技球が第1一般入賞口50A又は第2一般入賞口50Bに入賞する割合よりも高くなっている。一方、右遊技領域10Bに発射された遊技球が右遊技領域10Bに設けられている第3一般入賞口50C又は第4一般入賞口50Dに入賞する割合は、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dが設けられている位置、並びに、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が第3一般入賞口50C又は第4一般入賞口50Dに入賞する割合よりも高くなっている。
なお、左遊技領域10Aに設けられている複数の一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)の一部又は全部について、左遊技領域10Aに発射された遊技球のみが入賞可能であり、右遊技領域10Bに発射された遊技球は入賞しない構成としても良く、右遊技領域10Bに設けられている複数の一般入賞口(第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50D)の一部又は全部について、右遊技領域10Bに発射された遊技球のみが入賞可能であり、左遊技領域10Cに発射された遊技球は入賞しない構成としても良い。
このように、通常状態では左打ちが行われるため、4つの一般入賞口のうち、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bに遊技球が入賞する確率が高く、大当り状態、並びに、確変状態及び時短状態では、右打ちが行われるため、4つの一般入賞口のうち、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞する確率が高い。遊技状態等に応じて、遊技球が発射される遊技領域が変化することに伴い、遊技球が入賞し易い一般入賞口も変化する。なお、通常状態において遊技球が進入する左遊技領域10Aには、遊技球が入賞し易い位置に一般入賞口を設け、大当り状態、並びに、確変状態及び時短状態において遊技球が進入する右遊技領域10Bには、遊技球が入賞し難い位置に一般入賞口を設ける(あるいはその逆とする)というように、遊技状態に応じて一般入賞口への入賞頻度が変化するようにしても良い。
遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。払出制御基板は、賞球の払出を制御する基板であり、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御基板は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信(主基板11から制御信号として伝送される。)に応じて、球払出装置(図示せず)などから構成される払出機構(賞球を払い出す機構)を駆動して、賞球の払い出しを実行する。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド27、28に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
また、スイッチ回路110は、異常検出用センサ群26(詳しくは後述する)からの信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。詳しくは後述するが、異常検出用センサ群26は、遊技機1で発生した異常を検出するためのものである。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、第1ゲートスイッチ21A、第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号を伝送する配線が接続されている。
なお、第1ゲートスイッチ21A、第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、異常検出用センサ群26からの信号を伝送する配線が接続されている。
また、主基板11には、外部出力基板16が接続されている。外部出力基板16は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100(CPU103)の制御に従って、各種の遊技機信号を外部出力する。遊技機信号及びその種類については後述する。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。本実施形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
そのような演出制御コマンドには、例えば、遊技状態(通常状態、確変状態、又は時短状態)を指定する遊技状態指定コマンド、特図ゲームにおける変動開始を指定する変動開始コマンド、特図ゲームにおける特別図柄の変動時間や画像表示装置5における飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンド、大当り状態の開始や終了を指定する大当り開始指定コマンド、大当り終了指定コマンド、第1始動入賞口又は第2始動入賞口に遊技球が入賞したときに出力される始動入賞コマンド、一般入賞口に遊技球が入賞したときに出力される一般入賞口指定コマンド、大入賞口に遊技球が入賞したときに出力される大入賞口入賞コマンド等が含まれる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRA(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU10がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU103がROM101に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU103)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、可動役物150に対して制御信号を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、押下検出スイッチ(図示せず)及びロータリーエンコーダ(図示せず)から伝送するための配線も接続されている。さらに、演出制御基板12には、後述するモード切替スイッチ31における操作部の位置(第1位置又は第2位置)に対応した信号を伝送するための配線、及び、後述する表示切替スイッチ32における操作部の位置(第1位置又は第2位置)に対応した信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体、操作ボタン30、可動役物150、さらには、演出用役物が備える可動部材などが含まれる演出装置(演出用の電気部品)を用いた演出動作の制御を行うために、演出制御パターンを構成するパターンデータが予め複数種類記憶されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド、押下検出スイッチ及びロータリーエンコーダから伝送された操作検出信号、並びに、モード切替スイッチ31の状態を確認可能とする信号及び表示切替スイッチ32の状態を確認可能とする信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される、可動役物150へと伝送される指令(駆動信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
本実施形態では、遊技機1において異常が発生した場合に、当該発生した異常を、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声により報知したり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を制御して光によって報知したり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に異常の報知画像(エラーメッセージ)を表示させたりして報知する。異常としては、磁気異常、振動異常、及び電波異常等があり、異常検出用センサ群26などを用いて検出される。
異常検出用センサ群26は、遊技機1において発生する異常を検出するための1以上のセンサなどから構成される。異常検出用センサ群26は、センサに限らず、異常を検出するための回路、センサには該当しない各種の検出スイッチなどを含んでもよい。異常検出用センサ群26は、異常を検出すためのものから構成されていればよい。異常検出用センサ群26それぞれに含まれるセンサなどは、異常の種類それぞれに応じて、1以上用意される。異常検出用センサ群26が具体的にどのようなものを含むかは、遊技機1の仕様などによって決定されればよい。遊技機1において発生する異常とは、遊技機1において行う通常の遊技では起こらない又は極めて起こりにくい現象(例えば、遊技機1に対する不正行為があったときに生じる磁気異常、振動異常、及び電波異常などの現象)や遊技の進行の妨げになりうる現象などのことをいい、特に、遊技者や遊技ホール(パチンコ店など)の従業員に報知が必要な現象のことをいう。
異常検出用センサ群26に含まれるものとしては、例えば、磁気を検出する磁気センサ、振動を検出する振動センサ、所定の電波(所定波長帯域の電波など)を検出する電波検出センサなどがある。例えば、これらセンサなどが、異常検出用センサ群26に含まれるようにすればよい。なお、異常の検出は、公知の方法を適宜利用することができる。遊技制御用マイクロコンピュータ100が、磁気異常、振動異常、及び電波異常等を異常検出用センサ群26からの出力信号に基づいて検出すると、異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5におけるエラーメッセージの表示、スピーカ8L、8Rからの警告音の出力、遊技効果ランプ9における異常発生時の発光態様等により異常が発生したことの報知が行われる。
ここで、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、及び遊技効果ランプ9等の報知手段によって、異常が発生したことのみならず、磁気異常、振動異常、電波異常及び前面ドアの開放のいずれの種別の異常が検出されたのかを特定可能に報知するようにしても良い。
磁気異常の報知とは、磁気異常(磁石が遊技機1の近傍にあるという異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。磁石によって遊技媒体を移動させ、入賞口に入賞させたり、遊技媒体を入賞口に誘導するため所定領域を遊技媒体で詰まらせたりする不正行為がある。磁気異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、磁気を検出するための磁気センサを設ける。CPU103は、当該磁気センサからの信号が所定の閾値以上の磁力を示すものであるかを判定することで、磁気異常の有無を判定する(磁力を示す→磁気異常有り)。磁気異常が検出された場合、当該磁気異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において磁気異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「磁気エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
振動異常の報知とは、例えば、特別可変入賞球装置7が設けられたパチンコ遊技機などにおいて実行され得る異常の報知である。故意にパチンコ遊技機を揺らすことにより遊技媒体の流下方向を大入賞口等の入賞口寄りに変化させる不正行為がある。振動異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、振動を検出するための振動センサを設ける。CPU103は、当該振動センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示すものであるかを判定することで、振動による異常(振動異常)の有無を判定する(所定の閾値以上の強さの振動を示す→振動異常有り)。振動異常が検出された場合、当該振動異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において振動異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「振動エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
電波異常の報知とは、電波異常(所定の電波が遊技機1に到達する異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23などに電波をあてることで、これらスイッチのオン/オフを切り替えるなどし、入賞を不正に発生させ賞球を得る不正行為がある。電波異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、所定の電波(所定波長帯域の電波など)を検出するための電波検出センサを設ける。CPU103は、当該電波検出センサからの信号が前記所定の電波の受信を示しているかを判定することで、電波異常の有無を判定する(所定の電波の受信を示す→電波異常有り)。電波異常が検出された場合、当該電波異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において電波異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「電波エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、いずれもDIPスイッチ(DualIn-line Package switch)により構成されており、遊技盤2の遊技領域外に設けられている。DIPスイッチにより構成されるモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、操作部を第1位置と第2位置とに切り替えることにより(例えばスライド式の場合には、つまみの位置を一端側と他端側とに切り替えることにより)、演出制御用CPU120により実行される処理(制御プログラム)を切り替え可能とするものである。遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態では、ガラス扉枠3aが遊技盤2の前面を覆っているため、遊技者はモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32を操作不能となっている。なお、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態(図1に示される状態)では、ガラス扉枠3aを介して遊技者から視認不能な位置に設置されているため、図1では図示していない。
前述したように、店舗の店員は、鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を開放状態として、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを前方に開くことで、遊技盤2に設けられているモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32の操作(DIPスイッチの切り替え)が可能となる。そして、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32の操作が完了すると、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態に戻し、鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を閉鎖状態とする。
モード切替スイッチ31の操作部が第1位置の場合には、演出制御用CPU120のモード切替端子の電圧がLowの状態となり、モード切替スイッチ31の操作部が第2位置の場合には、演出制御用CPU120のモード切替端子の電圧がHighの状態となる。演出制御用CPU120は、モード切替端子の電圧がLowの場合には、モード切替スイッチ31の操作部が第1位置となっていること、即ち、画像表示装置5に遊技者向けの情報(例えばデモ画面等)を表示する遊技モードであることを特定して、後述する入賞数管理テーブルの情報を画像表示装置5に表示しない。一方、演出制御用CPU120は、モード切替端子の電圧がHighの場合には、モード切替スイッチ31の操作部が第2位置となっていること、即ち、画像表示装置5に店員向けの情報(例えば各入賞口への入賞数等)を表示するメンテナンスモードであることを特定して、後述する入賞数管理テーブルの情報を画像表示装置5に表示する。
表示切替スイッチ32の操作部が第1位置の場合には、演出制御用CPU120の表示切替端子の電圧がLowの状態となり、表示切替スイッチ32の操作部が第2位置の場合には、演出制御用CPU120の表示切替端子の電圧がHighの状態となる。演出制御用CPU120は、表示切替端子の電圧がLowの場合には、表示切替スイッチ32の操作部が第1位置となっていること、即ち、画像表示装置5に一般入賞口への入賞数を表示する許可が行われていないことを特定して、後述する表示制御用テーブルに基づく情報(一般入賞口への入賞数を特定可能な情報)を画像表示装置5に表示することを禁止する。一方、演出制御用CPU120は、表示切替端子の電圧がHighの場合には、表示切替スイッチ32の操作部が第2位置となっていること、即ち、画像表示装置5に一般入賞口への入賞数を表示する許可が行われていることを特定して、後述する表示制御用テーブルに基づく情報(一般入賞口への入賞数を特定可能な情報)を画像表示装置5に表示することを許可する。
本実施形態では、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32が、遊技盤2の前面側(遊技者と相対する面)に設けられているが、モード切替スイッチ31及び/又は表示切替スイッチ32を、遊技盤2の裏面側(遊技島側)に設けるようにしても良い。このような構成とする場合には、遊技機用枠3のヒンジ機構を利用して、遊技機用枠3に対して遊技盤2を前方に回動させることで、遊技盤2の裏面側に設けられたモード切替スイッチ31及び/又は表示切替スイッチ32を操作可能となる。
主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドとして、前述したように始動入賞コマンドがある。始動入賞コマンドとしては、第1始動入賞口又は第2始動入賞口のいずれに対して始動入賞が発生したかを示す始動入賞口指定コマンドや、第1始動入賞口又は第2始動入賞口への遊技球の入賞時における大当り判定結果及び大当り種別判定結果を示す始動入賞時判定結果指定コマンド等が存在する。
CPU103は、第1始動入賞口への遊技球の有効始動入賞、即ち、第1始動入賞口に対応した第1保留記憶数が上限値未満の状態での第1始動入賞口への遊技球の入賞、を検出すると、乱数回路104から大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を抽出し、抽出した大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を、第1特図用の乱数格納領域における第1保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第1保留記憶数)に対応した格納領域に格納すると共に、始動入賞口指定コマンドとして「第1始動入賞口」を指定するコマンドをセットする。また、CPU103は、抽出した(格納した)大当り判定用乱数が、現在の遊技状態(通常状態若しくは時短状態、又は確変状態)に応じた大当り判定用テーブルに記憶している大当り判定値に合致するか否かを判定する始動入賞時判定を実行する。
この始動入賞時判定において、大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致しない場合には、「はずれ」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致する場合には、さらに、抽出した(格納した)大当り種別判定用乱数が、第1特図用の大当り種別判定用テーブルに大当り種別毎に記憶されている判定値のいずれに合致するかを判定する。そして、合致した判定値に対応する大当り種別の「大当り」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。例えば、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、「非確変大当り」を指定するコマンド、又は「確変大当り」を指定するコマンドをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第1始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に出力する。
なお、CPU103は、第1始動入賞口に対応した第1保留記憶数が上限値に達している状態での第1始動入賞口への遊技球の始動入賞(すなわち第1始動入賞口に応じた賞球は払い出されるものの特図ゲームの対象とはならない無効始動入賞)を検出すると、始動入賞口指定コマンドとして「第1始動入賞口」を指定するコマンドをセットすると共に、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、有効始動入賞ではないことを指定するブランクデータをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第1始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンド(ブランクデータ)を演出制御基板12に出力する。
CPU103は、第2始動入賞口への遊技球の有効始動入賞、即ち、第2始動入賞口に対応した第2保留記憶数が上限値未満の状態での第2始動入賞口への遊技球の入賞、を検出すると、乱数回路104から大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を抽出し、抽出した大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を、第2特図用の乱数格納領域における第2保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第2保留記憶数)に対応した格納領域に格納すると共に、始動入賞口指定コマンドとして「第2始動入賞口」を指定するコマンドをセットする。また、CPU103は、抽出した(格納した)大当り判定用乱数が、現在の遊技状態(通常状態若しくは時短状態、又は確変状態)に応じた大当り判定用テーブルに記憶している大当り判定値に合致するか否かを判定する始動入賞時判定を実行する。
この始動入賞時判定において、大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致しない場合には、「はずれ」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致する場合には、さらに、抽出した(格納した)大当り種別判定用乱数が、第2特図用の大当り種別判定用テーブルに大当り種別毎に記憶されている判定値のいずれに合致するかを判定する。そして、合致した判定値に対応する大当り種別の「大当り」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。例えば、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、「非確変大当り」を指定するコマンド、又は「確変大当り」を指定するコマンドをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第2始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に出力する。
なお、CPU103は、第2始動入賞口に対応した第2保留記憶数が上限値に達している状態での第2始動入賞口への遊技球の始動入賞(すなわち第2始動入賞口に応じた賞球は払い出されるものの特図ゲームの対象とはならない無効始動入賞)を検出すると、始動入賞口指定コマンドとして「第2始動入賞口」を指定するコマンドをセットすると共に、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、有効始動入賞ではないことを指定するブランクデータをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第2始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンド(ブランクデータ)を演出制御基板12に出力する。
なお、本実施形態では、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数に基づいて、当該始動入賞に対応した特図の可変表示結果を判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしているが、このような形態に限らず、始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数に基づいて、当該始動入賞に対応した可変表示の変動パターンを判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしても良い。例えば、始動入賞時の判定結果がスーパーリーチの変動パターンである場合には、始動入賞時の判定結果が非リーチの変動パターンである場合と比較して高い割合で先読み予告演出を実行するようにすると良い。
具体的には、CPU103は、第1始動入賞口への遊技球の有効始動入賞を検出すると、乱数回路104から変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した変動パターン判定用乱数を、大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数と共に、第1特図用の乱数格納領域における第1保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第1保留記憶数)に対応した格納領域に格納する。また、CPU103は、第2始動入賞口への遊技球の有効始動入賞を検出すると、乱数回路104から変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した変動パターン判定用乱数を、大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数と共に、第2特図用の乱数格納領域における第2保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第2保留記憶数)に対応した格納領域に格納する。
[1−2.連比、役比の表示]
遊技機1では、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100において、各入賞口(大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行っている。さらに、遊技機1では、主基板11に設けられた表示モニタ29に連比、役比などの情報が表示可能とされている。
なお、本実施形態では、表示モニタ29を主基板11に設けることとして説明するが、これに限らず、演出制御基板12や中継基板15、払出制御基板等の他の基板に表示モニタ29を設けるようにしてもよい。
遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。さらに、遊技機を設置した後においても、どのような整備が行われているか、その整備の結果、設計どおりの頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。そこで、本実施形態における遊技機1では、一般入賞領域を有する遊技機において、どのような整備を加えられたかを認識できるようになっている。以下、役物比率等の表示について説明する。以下、主基板11における遊技球の集計及び役物比率等の表示について説明する。
図2に示す主基板11は、遊技に関する制御を行う基板である。主基板11は、図4に示すように基板ケース201に封入されており、図4(A)に示すように、主基板11の中央には表示モニタ29(例えば、7セグメント)が配置されている。表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、ガラス扉枠3aを開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、ガラス扉枠3aを開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面と遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
主基板11には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計され、表示モニタ29は、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連続役物比率(「連比」という。)(%)、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役物比率(「役比」という。)(%)を表示するようになっている。
連比とは、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲得球数)は、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、6000個の賞球数における第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数(電チュー賞球数)、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集計する第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、リングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。さらに、6000個の11セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(%)、役比(%)を算出することができる。
表示モニタ29は、6000個分の連比(%)、役比(%)、及び累計の連比(%)、役比(%)を所定時間(例えば、30秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表示手段で4つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行うのに2分要するが、遊技が進行することで集計される第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される6000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と6000個分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、切替表示における所定のタイミング(例えば、60000個分の連比(%)の表示タイミングなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が6000個であり、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数との合計である役物獲得球数が4200個である場合の役物比率(役比(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは、アタッカー及び電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。
連比=[連続役物獲得球数/総獲得球数]×100 ・・・(1)
役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得球数]×100 ・・・(2)
賞球合計数が6000個であり、役物獲得球数が4200個である場合の役物比率は、4200を6000で除算することにより0.70(小数点以下3桁切り捨て)として求められる。
しかしながら、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を100倍して420000とする。そしてこの420000を6000で除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000倍すればよい。
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を100で除算して60とする。そしてこの60で4200を除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算すればよい。
本例で賞球合計数は6000個であるが、長い期間の役物比率を算出するために、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまり本例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
ここで、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法では遊技機に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
第3の演算方法では遊技機で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数及び役物獲得球数がともに10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くなることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
また、基板ケース201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板11、及び表示モニタ29が視認可能になっている。基板ケース201には主基板11に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板11の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板11に設けられた表示モニタ29は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため放熱孔によって表示モニタ29の視認性が遮られないようにされている。なお、ここでの「真正面」とは、主基板11を視点としての真正面を意味し、主基板11を視認しようとする従業員等と主基板11との間を意味する。
また、基板ケース201には主基板11の種類、機種、スペックなどを表示するためのシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。具体的には、図3に示すように、主基板11の第1部(例えば、主基板11の中央部)に表示モニタ29を配置した場合に、主基板11における第1部と異なる第2部(例えば、主基板11の周囲部)に他の電気部品などを配置し、主基板11の第2部に対応する基板ケースの部位に孔部、放熱孔、シールを配置するようにしてもよい。特に、放熱孔は、表示モニタ29が発する熱を放出するためには、表示モニタ29の近傍に設けることが好適である。この場合でも、放熱孔は、表示モニタ29の真正面にはない位置に配置されるのが好適である。これによれば、表示モニタ29に視認性を妨げることがないので、入賞に関する情報の確認がし易い。
また、主基板11の第2部に対応する基板ケース201の部位に配線が重ならないようにすることが好ましい。具体的には、配線の一のコネクタが接続される孔部と、その配線の他のコネクタが接続される接続先に主基板11の第2部に対応する基板ケース201の部位が重ならないようにする。これによれば、配線により表示モニタ29の視認性が妨げられることを防止することができる。
また、主基板11には、遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器が設けられているが、表示モニタ29の7セグメントとの誤認を避けるため、所定距離離すか、他の電子部品を挟んで配置するようにすることが好ましい。ここでいう他の電子部品は、例えば、CPUなどの大型の制御部品であると望ましい。
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作された場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後にさらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)であることが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100において演算を行う場合には小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。19876/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ29に表示されることとなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないものとなる。
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大となる値は総獲得球数及び役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコンピュータ100での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上においても非常に小さい誤差で役比(%)(又は連比(%))が表示できる。
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さらに大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってしまう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のランプの発光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
また、表示モニタ29は役比(%)と、連比(%)とを7セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば30秒毎)に切り替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を30秒間表示している間に、電チューやアタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を30秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連役(%)との値が乖離してしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出された値を順次表示していくことが好ましい。
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には100の代わりに99を表示するようにしてもよい。図4に示す表示モニタ29では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の一部に数値を表示してもよい。
また、上記の計算方法においては総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数をカウンタに集計していく例を示したが、集計方法としては、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計したうえで、役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。また、アタッカーに個別に設けられたセンサと、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数のカ
ウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。以下、連比役比の表示について、具体的に説明する。以下の具体例では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計する例を説明する。
遊技機1における主基板11には、図2に示すように、表示モニタ29が接続されている。主基板11は、遊技機1において、図3に示すように、遊技機用枠3に設けられた遊技盤2の裏面側に設けられている。遊技盤2の裏面側には、主基板11以外の他、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、電源基板、払出制御基板、発射制御基板などの各周辺基板も設けられている。主基板11は、主基板11以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。なお、主基板11は、これらの各周辺基板と重なっていてもよい。特に、主基板11は、各周辺基板の上側となるように重なっていてもよい。
主基板11におけるRAM102には、第1ゲート通過数カウンタ、第2ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウンタ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。
第1ゲート通過数カウンタは、第1ゲートスイッチ21Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2ゲート通過数カウンタは、第2ゲートスイッチ21Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
第1一般入賞数カウンタは、第1一般入賞口スイッチ24Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2一般入賞数カウンタは、第2一般入賞口スイッチ24Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第3一般入賞数カウンタは、第3一般入賞口スイッチ24Cが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第4一般入賞数カウンタは、第4一般入賞口スイッチ24Dが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。大入賞数カウンタが、カウントスイッチ23が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
また、主基板11には、クリアスイッチが接続されている。クリアスイッチは、遊技盤2の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。クリアスイッチを操作することにより、後に説明するRAM102に記憶された連比や役比に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチを操作すると、データのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板11に送信される。
また、主基板11には、RTC106が設けられている。主基板11は、RTC106によって現在時刻を検出できる。RTC106は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過時間などを測定できるが、本実施形態では、RTC106は、店舗の営業可能時間を計測可能とされている。
主基板11は、図4(A)に示すように、基板ケース201に収容されている。基板ケース201には、かしめピン11Bが取り付けられている。このかしめピン11Bが設けられていることにより、主基板11が基板ケース201に完全に封入された状態となり、主基板11に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、表示モニタ29は、主基板11上に設けられている。また、基板ケース201には、主基板11が封入されたことを証明するための封印シール11Sが貼られている。封印シール11Sは例えば基板ケース201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール11Sは、主基板11からは離れた位置に配置されており、表示モニタ29の真正面など、表示モニタ29の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ29は、封印シール11Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ29は、第1表示部29A、第2表示部29B、第3表示部29C、及び第4表示部29Dを備えている。第1表示部29A〜第4表示部29Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部29A〜第4表示部29Dは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
表示モニタ29には、図4(B)に示す表示No1〜4の各項目が表示される。上位2桁の第1表示部29A及び第2表示部29Bには集計期間が表示され、下位2桁の第3表示部29C及び第4表示部29Dには、数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No2では、総累計の役比が表示される。
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が6000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、又は連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
なお、上記の例では、連比や役比は、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。
表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bには、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
表示No3の総累計連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
主基板11は、連比及び役比を算出するにあたり、アタッカー、第1始動入賞口、第2始動入賞口、及び第1一般入賞口から第4一般入賞口に進入した遊技球の進入数の集計を行っている。CPU103は、メイン処理において、第1ゲートスイッチ21A及び第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dの各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認する状態確認処理を行っている。
この各スイッチの状態確認処理において、各スイッチから出力される検出信号に基づいて、いずれの進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、第1ゲートスイッチ21A,第2ゲートスイッチ21Bから検出信号が出力された場合には、第1ゲート通過数カウンタ,第2ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウンタ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、カウントスイッチ23から検出信号が出力された場合には、大入賞数カウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM102に記憶されている。
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状態確認処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
主基板11のCPU103は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数に基づいて、各入賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM102に記憶させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口毎にあらかじめ定められている。
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図5に示すように、一般入賞口賞球(第1一般入賞口〜第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞による賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RAM102は、総賞球数も記憶している。なお、CPU103では、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数を個別に集計しているが、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数をまとめて集計してもよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とを個別に算出しているが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよい。
RAM102は、これらの賞球数を記憶するためのリングバッファとアクティブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域〜第10記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算される。第0記憶領域〜第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、入賞口毎に、第1記憶領域〜第10記憶領域に記憶された賞球数(10セット分)の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セット分の総和及び総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、このため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、60000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域を備えている。主基板11のCPU103では、10セット分及び総累計の各入賞口への遊技球の入賞数に基づく賞球数によって、10セット分及び総累計の役比及び連比を算出し、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分及び総累計の役比及び連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
ここで、主基板11のCPU103のメモリ空間について説明する。
図6は主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU103は、上述の内蔵レジスタ、ROM101、RAM102などにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図6のメモリマップに示すように、ROM101のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H〜2FBFH。2FC0H〜2FFFHはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU103は、このROM領域を指定してROM101からのデータの読み出しを行う。また、本実施形態では、ROM領域を第一領域〜第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから始まる領域としている。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本実施形態では、FE00H〜FEBFH)に割り当てられ、CPU103は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM102のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本実施形態では、F000H〜F3FFH)に割り当てられ、CPU103は、このRWM領域を指定してRAM102からのデータの読み出しやRAM102へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、RAM102の記憶領域に対応するRAM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFHの16Kバイト領域)は、図7に示すように、RAM制御領域、非使用領域、RAMデータ領域及びその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応するRAM102の記憶領域には、CPU103が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU103がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御プログラムデータと称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応するRAM102の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
また、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域及びその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶する記憶領域及び総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第1記憶領域〜第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分)の総和の記憶領域、及び10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域と、その他領域に対応するRAM102の記憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されている。
なお、本実施形態では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM102の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRAM102の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、主基板11は、表示モニタ29に対して、連比及び役比を表示する制御を行う。ここで、主基板11は、複数の項目を順次表示する制御を行う。
図8(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャートである。図8(A)に示すように、表示モニタ29に対する表示を開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図8(B−1)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「1.」の文字が表示される。
表示No1の表示が30秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No2の短期連比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図8(B−2)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期役比が表示される。例えば、短期役比が63%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「3.」の文字が表示される。
表示No2の表示が30秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示No3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図8(B−3)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が表示される。例えば、総累計連比が58%の場合、第3表示部29Cに「5.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No3の表示が30秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示No4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図8(B−4)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が表示される。例えば、総累計役比が68%の場合、第3表示部29Cに「6.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No4の表示が30秒間継続すると、図8(B−5)に示すように、表示No1の短期連比が表示される。以後、表示No1の短期連比〜表示No4の総累計役比の表示が30秒毎に順次表示される。また、その表示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比〜表示No4の総累計役比は赤色とされる。このように、表示モニタ29は、短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比を30秒ごとに切り替えて表示する。
また、主基板11では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域〜第10記憶領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和及び総累計の記憶領域、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
アクティブバッファ及びリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。例えば、図9に示すように、第0記憶領域〜第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このときに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、第1憶領域〜第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新する。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
第0記憶領域〜第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
また、図2に示す異常検出用センサ群26には、ガラス扉枠3aの開放を検出するドア開放センサが含まれている。ガラス扉枠3aの開放は、従業員が行う際には異常には相当しないが、従業員以外の者が行うときには、異常に相当することが多い。このため、本実施形態では、ガラス扉枠3aの開放を検出するドア開放センサを異常検出用センサ群26に含めている。ドア開放センサは、ガラス扉枠3aの開放を検出したときに、開放信号を主基板11に送信する。
ドア開放は、従業員による場合の正常なガラス扉枠3aの開放と、従業員以外の者等による異常なガラス扉枠3aの開放とがある。ここでは、異常なガラス扉枠3aの開放を想定してドア開放の検出が行われる。また、従業員がガラス扉枠3aを開放した正常なガラス扉枠3aの開放であっても、ドア開放は検出されるが、ガラス扉枠3aの開放を従業員等が認識していることが多いので、特段の問題は生じないようにすることができる。
[1−3.処理]
続いて、主基板11で実行される連比役比の表示に関する制御について説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM102におけるRAM制御領域及びRAMデータ領域がクリアされる。このため、電源基板からの電力供給が開始されたときには、RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアされることなく維持される。RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアスイッチが操作されることでクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。初期設定を行った後、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。連比・役比関連処理は、このタイマ割込み処理で実行される。
図10は、連比・役比関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。主基板11では、図10に示すように、連比・役比関連処理において、異常操作が検出されたか否か判断する(ステップS101)。異常操作が検出されたか否かは、クリアスイッチからクリアスイッチ操作信号が送信されたか否かで判断する。
その結果、クリアスイッチ操作信号が送信されており、異常操作が検出された場合(ステップS101;YES)には、警告表示準備を行い(ステップS102)、ステップS103に進む。また、クリアスイッチ操作信号が送信されておらず、異常操作が検出されない場合(ステップS101;NO)には、入賞情報を取得する(ステップS103)。入賞情報は、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dのいずれかによって遊技球が検出されることによって取得される。
続いて、現在の時刻が営業時間内であるか否かを判断する(ステップS104)。現在の時刻が営業時間内であるか否かは、RTC106によって計測されて判断される。その結果、現在の時刻が営業時間内である場合には(ステップS104;YES)、ガラス扉枠3aが閉鎖されているか否かを判断する(ステップS105)。ガラス扉枠3aが閉鎖されているか否かは、ドア開放センサから開放信号が送信されたか否かによって判断される。
その結果、ドア開放センサから開放信号が出力されておらず、ガラス扉枠3aが閉鎖されている場合には(ステップS105;YES)、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞しているか否かを判断する(ステップS106)。ここでの単位時間及び所定球数は、通常の遊技では入賞し得ない状態を想定した数値が設定される。具体的には、遊技球の発射は、最大1分間100発であるため、例えば、1分間に100個を上限として適宜決定できる。より具体的には、単位時間が1秒間である場合に所定球数が5個、又は、単位時間が10秒である場合に所定個数が30個などである。単位時間は、RTC106によって計測される。また、アタッカーへの遊技球の入賞個数は、カウントスイッチ23による遊技球の検出個数によって計測される。
その結果、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していない場合(ステップS106;NO)には、ステップS103で取得した入賞情報に応じた賞球数を加算する賞球数加算処理を行う(ステップS107)。なお、賞球数加算処理は、警告表示準備が行われていない場合に行う。ここで、警告表示準備が行われている場合には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。賞球数加算処理では、図52に示す第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数を加算する。
また、賞球数加算処理では、アクティブバッファにおける第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数の賞球合計を算出する。ここで、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000となった場合には、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。また、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。
続いて、算出タイマがタイムアップした(算出タイマ=0)か否かを判断する(ステップS108)。その結果、算出タイマがタイムアップしていない場合(ステップS108;NO)には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、算出タイマがタイムアップしている場合(ステップS108;YES)には、算出タイマをセット(算出タイマ=2000ms)する(ステップS109)。
それから、ステップS107で加算して得られた賞球数(賞球合計)が算出実行数となっているか否かを判断する(ステップS110)。算出実行数は、適宜の数とすることができるが、例えばリングバッファにおける第0記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第1記憶領域〜第10記憶領域に移動させる基準となる賞球合計の6000個よりもわずかに少ない数、例えば5900個とすることができる。また、算出実行数は、6000個から最大払出し球数を減じた数よりもわずかに小さい数とすることが好適である。
その結果、賞球数(賞球合計)が算出実行数となっていない場合には(ステップS110;NO)、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、賞球数が算出実行数となっている場合には(ステップS110;YES)、連比及び役比を算出する(ステップS111)。ここでは、短期連比、短期役比、累計連比(総累計連比)、累計役比(総累計役比)をそれぞれ算出する。このため、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比は、いずれも同一割込み内で算出される。その後、連比・役比表示処理を行って(ステップS112)、連比・役比関連処理を終了する。
また、ステップS104で営業時間内でないと判断した場合(ステップS104;NO)、ステップS105で扉枠が閉鎖していないと判断した場合(ステップS105;NO)、ステップS106で単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していると判断した場合(ステップS106;YES)には、エラー表示準備を行う(ステップS113)。その後、連比・役比関連処理を終了する。
次に、連比・役比表示制御処理について説明する。
図11は、連比・役比表示制御処理の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示すように、連比・役比表示制御処理では、連比・役比表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS201)。連比・役比表示準備処理が済んでいないと判断した場合(ステップS201;NO)には、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS202)。
その結果、エラー表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS202;YES)には、エラー表示を行う(ステップS203)。エラー表示は、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「1」を表示することができる。また、エラー表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置5、第1特別図柄表示装置4Aに、第2特別図柄表示装置4B等に所定のエラー表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警報音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
エラー表示を行ったら、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。また、ステップS202において、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断いないと判断した場合(ステップS202;NO)にも、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。
その結果、警告表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS204;YES)には、警告表示を行う(ステップS205)。警告表示は、警告表示以外の表示とは異なるように、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「6」を表示することができる。このとき、警告がなされる状態であることを示すために、表示モニタ29を点滅させてもよいし、表示モニタ29の表示の色を変化させながら表示させてもよい。あるいは、表示モニタ29の表示の明度を高くして表示を行ってもよい。このように、警告表示は、他の表示よりも目立つようにして行うのが好適である。
また、警告表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置5、第1特別図柄表示装置4Aに、第2特別図柄表示装置4B等に所定の警告表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警告音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
警告表示を行ったら、連比・役比制御処理を終了する。また、ステップS204で警告表示準備が済んでいないと判断した場合(ステップS204;NO)にも、連比・役比制御処理を終了する。
また、連比・役比表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS201;YES)には、短期連比表示を行う(ステップS206)。続いて、短期連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS207)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS207;NO)には、ステップS206に戻り、短期連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS207;YES)には、ステップS208に進む。こうして、短期連比表示は、30秒(30000ms)間継続して行われる。
続いて、短期役比表示を行い(ステップS208)、短期役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS209)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS209;NO)には、ステップS208に戻り、短期役比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS209;YES)には、ステップS210に進む。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積連比表示を行い(ステップS210)、累積連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS211)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS211;NO)には、ステップS210に戻り、累積連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS211;YES)には、ステップS212に進む。こうして、累積連比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積役比表示を行い(ステップS212)、累積役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS213)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS213;NO)には、ステップS212に戻り、累積役比表示を継続する。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS213;YES)には、連比・役比制御処理を終了する。
このように、上記の遊技機1では、主基板11に設けられた表示モニタ29によって短期連比、短期役比、累積連比、累積役比を表示している。また、表示モニタ29は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する主基板11上に設けられている。このため、遊技盤に設けられた遊技釘(障害釘)や風車などについてどのような整備が加えられたかを認識できる。
また、表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。このため、表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。また、主基板11は、基板ケース201に設けられた放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が放熱孔によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、主基板11は、主基板11以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が演出制御基板12などの周辺基板によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、表示モニタ29には、電チューやアタッカーの通過によって払い出された賞球と、一般入賞口の通過によって払い出された賞球との関係に関する連比や役比を表示することができる。また、表示モニタ29は、短期連比と累計連比など、所定情報を所定期間ごとに切り替えて表示可能である。このため、複数の期間についての情報を表示するための表示器を設ける必要がないので、部品点数の削減に寄与することができる。
また、表示モニタ29には、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)が表示されるので、総賞球数が6000個となるなど、一定の単位に対応した期間の数値を容易に認識することができる。所定単位に対応した期間は、賞球数が6000個となる以外の期間であってもよい。例えば、賞球数が1000個、10000個となる期間でもよい。あるいは、賞球数ではなく時間を単位としてもよい。例えば、所定単位に対応した期間を1時間、3時間、10時間などの適宜の時間としてもよい。
また、表示モニタ29は、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)のほか、累計連比及び累計役比を切り替えて表示している。このため、所定単位ごとの短期連比や短期役比と累計連比や累計役比などを容易に比較することができる。また、表示モニタ29は、かしめられた基板ケース内に収容された主基板11に設けられている。このため、表示モニタ29における表示を改ざんするなどの不正の防止に寄与することができる。
また、遊技機1は、適正な所定情報が表示できなくなる不正を検知検出する検出手段を備えている。ここでの不正とは、例えば遊技上の営業時間外における賞球数の計数、扉枠の開放中における賞球数の計数、許容入賞数を超えた遊技球の入賞などがある。遊技機1は、店舗の営業時間内で稼働するものであり、営業時間以外の時間における賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。また、遊技機1は、扉枠を閉じて遊技を行うものであり、扉枠の開放中の賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。
また、遊技機1の遊技中、遊技球は、一定の速度を超えて発射させることができない。例えば、遊技球の発射は、最大1分間100発である。このため、1分間での遊技球の入賞の上限数はほぼ100個となる。したがって、例えば1分間に100個、あるいは12秒間に20個を超える遊技球の入賞が検出された場合には、不正行為があった蓋然性が極めて高くなる。
遊技機1では、不正を検知するために、営業時間内でない場合、ガラス扉枠3aが閉鎖されていない場合、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数の加算を排除している。したがって、これらの不正による連比、役比の情報などの改ざんを抑制することができる。なお、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数に代えて、単位時間あたりの払出球数に基づいて不正を検出してもよい。
また、上記の遊技機1では、RAM102が備えるアクティブバッファの第0記憶領域が所定の容量である6000個となった場合に、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。このため、リングバッファが容量不足となることを防ぐことができる。
また、リングバッファでは、第1記憶領域〜第10記憶領域が設けられており、アクティブバッファの第0記憶領域のデータがリングバッファの第1記憶領域に移動する場合、第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータが所定単位ごととされるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。また、消去されずに残るデータを多くしておくことができる。
なお、アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファにおける第9記憶領域のデータを第10記憶領域に移動させる。このとき、第10記憶領域のデータを消去して、第9記憶領域のデータを移動させてもよいし、第10記憶領域のデータに第9記憶領域のデータを上書きしてもよい。この場合でも、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。
アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファでは、その一部の記憶領域である第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータを少なくすることができるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができるとともに、多くのデータで連比や役比を算出できる。
なお、リングバッファのデータを消去する際には、その一部第10記憶領域のデータを消去するのみではなく、第1記憶領域〜第10記憶領域のデータの全てを消去するようにしてもよい。この場合、リングバッファの容量不足をより好適に防ぐことができる。また、所定の条件に応じてリングバッファの一部又は全部のデータを消去するようにしてもよい。例えば、営業時間開始時最初には、リングバッファの全部のデータを消去し、以後はリングバッファの一部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の例では、リングバッファにおけるデータの移動について説明しているが、リングバッファ以外のデータ、例えば総累計を記憶する記憶領域についても、同様に一部や全部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の遊技機1では、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示している。このため、各データを容易に比較することができる。なお、各データを表示する周期は30秒ではなく、適宜の周期としてもよい。例えば、10秒毎としてもよいし、1分毎としてもよい。又は、1時間ごととしてもよい。また、表示されるデータは、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比のデータ以外のデータとしてもよいし、これらのデータの一部のみとしてもよい。
また、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示するにあたり、短期連比については、他のデータと異なる表示を行っている。具体的には、短期連比については赤字で表示し、他のデータは緑字で表示している。このため、短期連比から新たなデータを表示することを認識させることができる。
また、上記の遊技機1では、異常操作が行われたときに、警告表示を行うようにしている。具体的に、クリアスイッチが操作された場合に異常操作として警告を表示する。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合に操作されるいわば非常用のスイッチである。このスイッチが操作されると、連比や役比のデータの改ざんを行うことができるので、クリアスイッチの操作を異常操作として検出する。遊技機1では、この異常操作を警告表示によって警告できるので、データの改ざんなどの不正を抑制することができる。
また、上記の遊技機1では、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号に基づいて得られる賞球数に基づいて、連比や役比を算出している。例えば、アタッカーに個別に設けられたセンサ(カウントスイッチ23)と、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計して連比や役比を算出した場合、どの入賞口からの払い出しなのかを特定しづらく、役比、連比の算出が複雑になってしまう虞がある。この点、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dによって遊技媒体が入賞したことを検出して、その検出結果から得られる賞球数に基づいて、連比や役比を算出ことにより、各入賞口への入賞に基づいて賞球数判断できる。したがって、連比や役比を簡単に算出することができるとともに、精度よく算出することができる。
[1−4.変形例]
この発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。なお、
上記の各演出形態に示された遊技機の制御及び構成を任意に組み合わせるようにしても良く、上記の各演出形態に示された遊技機の制御及び構成と、以下の変形例に示された遊技機の制御及び構成を任意に組み合わせるようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域を最大2バイトのカウンタが10個設けられたリングバッファを用いたが、最大3バイトのカウンタや最大4バイトのカウンタを設けることもできる。このとき、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総獲得球数から前述の役比(%)及び連比(%)の2種類を上述した表示モニタ29に表示するにあたっての計算方法は前述した方法に限られず以下のようにしてもよい。図12に示すように最大4バイトで構成されたカウンタによって、総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数のそれぞれを集計する場合、その上位16ビットを使用して計算を行ってもよい。ちなみに4バイトのカウンタによって、獲得球数が1日30000個であると仮定した場合に、4294836225(4バイト)/30000(1日あたりの獲得球数)=143161.2075、143161.2075/365日=約392、となり、392年分の集計を賄える計算となる。
また、上記の実施形態では、図4(A)に示すように、基板ケース201に収容された主基板11上の中央部に表示モニタ29が設けられた例を説明したが、表示モニタ29は、他の位置に設けられていてもよい。
例えば、図13(A)に示すように、表示モニタが設けられていない主基板11Cと、主基板11Cとは別に表示基板11Dを設け、主基板11Cと表示基板11Dとをハーネス11Eで接続して、表示基板11Dに表示モニタ29を設けてもよい。この場合、表示モニタ29に表示する連比や役比の算出やこれらの算出に用いるためのデータの受信は、主基板11Cで行われる。主基板11Cは、算出した連比や役比、さらにはこれらを表示するための制御に関する情報を表示基板11Dに対してハーネス11Eを介して送信する。表示基板11Dでは、主基板11Cから送信されたデータに基づいて、表示モニタ29に連比や役比を表示すればよい。
また、主基板11C及び表示基板11Dは、かしめ基板ケースである基板ケース201Aに収納されている。基板ケース201Aには、図4(A)に示す基板ケース201と同様、かしめピン11Bが取り付けられている。このかしめピン11Bが設けられていることにより、主基板11C及び表示基板11Dが基板ケース201Aに完全に封入された状態となり、主基板11Cに対する不正行為を防止するようになっている。また、基板ケース201Aにおいても、図4(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。
また、図13(B)に示すように、表示基板11Dについては、かしめ基板ケースである基板ケース201Bの外側に設け、主基板11Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板11Dには、ハーネス11Eで主基板11Cに接続されている。
また、図13(C)に示すように、表示基板11Dを基板ケース201Cに封入し、主基板11Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板11Dには、ハーネス11Eで主基板11Cに接続されている。また、基板ケース201Cにおいても、図4(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。なお、表示基板11Dを封入する基板ケース201Cは、かしめ基板ケースでなくてもよいし、かしめ基板ケースであってもよい。
また、図13(D)に示すように、図4(A)に示す基板ケース201の表面にラベルが貼り付けられており、ラベル11Rには、かしめ使用記録が記載されるようになっていてもよい。ここで、ラベル11Rは、表示モニタ29の一部を隠す位置に配置されていてもよい。このように、ラベル11Rによって表示モニタ29の一部が隠されていることにより、例えばガラス扉枠3aを開放した際に、遊技者が簡単に連比や役比を視認できないようにできる。また、ラベル11Rを貼り付ける場合でも、表示モニタ29を隠さない位置に貼り付けてもよい。
また、上記の実施形態では、可動役物として、ソレノイドによって開閉する大入賞口(アタッカー)や第2始動入賞口(電チュー)といった電動役物が用いられているが、これらの電動役物に代えて、遊技球の自重によって開閉を行ういわゆる機械式役物を可動役物としてもよい。また、表示モニタ29としては、7セグメントのLEDを用いているが、7セグメントに代えてドット表示、表示画面などとしてもよい。また、LEDに代えて、液晶表示装置や、有機EL、蛍光表示管などとしてもよい。
また、上記の実施形態では、表示モニタ29に表示する内容、例えば連比や役比の表示等とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除などの対応をすることがある。例えば、遊技球の払出しを行うために、遊技盤3の裏側には、遊技球(補給球)を補給する補給機構が設けられていることがある。この補給機構において、球詰まりが生じた場合などには、ガラス扉枠3aを開放させて球詰まりを解消させてエラー解除を行うことがある。このような表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除を行う場合などには、表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにしてもよい。
また、このときに表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにするために、連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件としてもよい。ここでの連比や役比等の表示に対するエラーとは、例えば、図10に示すステップS101で判断される異常操作の検出やステップ104で判断される営業時間内の入賞情報の取得、ステップS106で判断される単位時間当たりにおけるアタッカーに対する所定数以上の入賞の検出としてもよい。このような連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件とすることにより、遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。
また、表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除を行い、エラー解除が完了した後は、表示モニタ29に対する連比や役比等を表示するまで所定期間例えば1分間待機し、所定時間が経過した後に表示するようにしてもよい。エラーの発生の解除後は、エラー発生の原因を完全に取り除くことができずに、同様のエラーが続いて発生することが少なくない。表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を所定時間が経過した後に行うことにより、このようなエラー発生時にも遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。ここでの所定期間は任意に設定することができ、5分や10分等の1分より長い時間としてもよいし、30秒等の1分よりも短い時間としてもよい。また、エラーの原因に応じて所定時間を設定するようにしてもよい。例えば、補給機構における球詰まりの場合と、画像表示装置5の故障の場合では、補給機構の球詰まりの方の所定期間を長く設定してもよい。
また、主基板11には、表示モニタ29以外の表示装置、例えばエラーを表示するための7セグメント表示器(以下「エラー表示器」という)が設けられている。このエラー表示器は、表示モニタ29から離れた位置に配置されていることが好適である。具体的には、表示モニタ29が主基板11の右側1/3の位置に配置され、エラー表示器が主基板11の左側1/3の位置に配置されていてもよい。また、表示モニタ29を分かりやすくするために、表示モニタ29が主基板11のどこにあるかを基板ケース201上に文字で印刷しておいてもよいし、基板ケース201にシールを貼り付けたりしておいてもよい。
また、パチンコ遊技機を例として役比(%)や連比(%)を算出し、表示モニタにおいて表示することを説明したが、スロットマシンにおいてパチンコ遊技機における役比(%)や連比(%)に相当する値を算出し表示するようにしてもよい。
以下にスロットマシンにおける連比(%)の算出方法について説明する。スロットマシンは、賭数を設定することにより図柄の変動が開始可能となり、図柄の変動の結果に応じて入賞が発生する。スロットマシンにおける入賞には、遊技用価値の付与を伴う付与入賞、賭数を設定することなく図柄の変動が開始可能となる再遊技入賞、付与入賞の発生確率が向上する特別遊技状態に移行させるボーナス入賞がある。ここで、スロットマシンにおける連比(%)は、図柄の変動が所定回数行なわれる期間のうち、図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における総獲得球数に相当)に対して、特別遊技状態に移行している期間において図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における連続役物獲得球数に相当)の比率で表される。例えば、6000回の図柄の変動が行なわれる期間において、該期間に得られた遊技用価値の一例であるメダルの数が16000枚である場合に、特別遊技状態に移行している期間において付与入賞により得られたメダルの数が9000枚である場合、9000を16000で除算して得られる0.56が連比(%)となる。
なお、算出した役比(%)や連比(%)を主基板の中央に設けられた表示モニタ(例えば、7セグメント)において表示する例を示したが、これに限らず、払出制御基板などの他の基板や、遊技盤面、遊技機用枠(台枠)等に表示モニタを設けるようにしてもよい。また、役比(%)や連比(%)を表示するための専用の表示モニタを設けるものに限らず、既存の表示装置(例えば、画像表示装置5、エラーを表示するための7セグメント表示器、スロットマシンにおけるクレジット表示器や払出数表示器など)を用いて役比(%)や連比(%)を表示するようにしてもよい。
上記実施形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えば遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
課題欄で述べたように、小当り等の特定状態において出玉を増やすタイプの遊技機においては、外部装置において特定状態において遊技者に付与された玉数を正確に算出することができないという問題がある。
また、遊技釘などの整備により、遊技球の払出率の設計などを行うことがある。しかし、遊技釘などに対してどのような整備を行ったかを外部から確認することができないため、設計値通りの払出率となるか否かの判断が難しいという問題がある。
そこで、これらの課題を解決することが可能な遊技機及び管理装置を含む遊技用システムの実施形態について説明する。
[2−1.システム構成]
図14は、本実施形態における第1遊技用システム1000Aのシステム構成の一例を表す図である。
第1遊技用システム1000Aは、遊技島に設置される複数の遊技機1と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置400と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置、計数装置及び記録媒体処理装置の一種である台間計数ユニット500と、管理装置の一種であるホールコンピュータ600と、遊技客の貯玉数や持玉数を管理するための管理装置の一種である玉管理コンピュータ800と、を備えて構成される。
各遊技機1の上方所定位置には、カラーの液晶画面によって遊技機1での遊技に係る遊技情報や店舗の営業に係る店舗情報等の各種の情報を表示するデータ表示装置400が設置されている。データ表示装置400は、遊技者や遊技客に対して情報を公開する端末であるため、情報公開端末と言い換えることもできる。
本実施形態において、データ表示装置400は、ホールコンピュータ600により提供されるデータ表示装置400用の設定用情報である表示装置設定用データ691に基づいて、自装置の各種の設定を行うことが可能に構成されている。
ここで、設定とは、特定の動作を行うように、自装置の動作を定めることを言う。また、本実施形態では、データ表示装置400に対応して設けられる遊技機1のことを「対応遊技機1」と称し、データ表示装置400に対応して設けられる台間計数ユニット500のことを「対応ユニット500」と称する。
なお、本実施形態では、データ表示装置400の設定用データを管理装置の一種であるホールコンピュータ600が提供することとして説明するが、ホールコンピュータ600ではなく、他の管理装置の一種である玉管理コンピュータ800が設定用データを提供するようにしてもよい。また、会員登録している遊技者の会員情報を管理する会員管理コンピュータや、遊技者が所持する遊技用カードのカード情報を管理するカード管理コンピュータ等の管理装置を店舗に設置するようにし、これらの管理装置が設定用データを提供するようにしてもよい。
データ表示装置400は、対応遊技機1に関する情報を表示可能な表示手段である表示部と、当該表示部を表示制御する表示制御手段である処理部と、を備える。また、データ表示装置400は、操作手段である呼出ボタンやタッチパネルを有する操作部を備える。
台間計数ユニット500は、各遊技機1の左方(或いは右方)に併設して設けられ、遊技者が所有する遊技用の記録媒体であって遊技用カードの一種である持玉カードを受け付けて、遊技者が対応する遊技機1での遊技を可能とするための処理(遊技可能化処理)を実行する。台間計数ユニット500は、台間機(サンド)とも呼ばれるものである。
ホールコンピュータ600は、店舗に設置された各遊技機1を統括的に管理する。また、ホールコンピュータ600は、各遊技機1に対応して設けられたデータ表示装置400や台間計数ユニット500を統括的に管理する。
玉管理コンピュータ800は、遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する持玉カードに記録された持玉数の管理等を行う。
各遊技機1は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、遊技機1、データ表示装置400及び台間計数ユニット500は、台端末900を介してホールコンピュータ600や玉管理コンピュータ800に接続されている。なお、この図では、簡明化のために、遊技島に設置される遊技機1を4台として図示している。
[2−2.信号及び情報の流れ]
図15は、第1遊技用システム1000Aの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末900については図示を省略している。
遊技機1からは、遊技機信号がデータ表示装置400及びホールコンピュータ600に出力される。この遊技機信号については後述する。また、遊技機1の背面に設けられたアウト球検出器200からは、アウト信号がデータ表示装置400及びホールコンピュータ600に出力される。これらの信号については後述する。
台間計数ユニット500からは、カード挿入信号、カード排出信号、入金信号、消費信号、玉払出信号、ユニットエラー信号を含むユニット信号が、データ表示装置400及びホールコンピュータ600及びに出力される。
カード挿入信号は、遊技用カードを受け付けた場合に出力状態とされる信号であり、受け付けた持玉カードのカードID等を含む信号が出力される。
カード排出信号は、受け付けた持玉カードが排出された場合に出力状態とされる信号である。
入金信号は、遊技者により入金がなされた場合に出力状態とされる信号である。入金信号は、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
消費信号は、残額が消費された場合に出力状態とされる信号である。消費信号も、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
玉払出信号は、遊技機1に遊技球を払い出した場合に出力状態とされる信号であり、遊技球を払い出した旨及び払い出した遊技球の玉数を含む信号が出力される。
ユニットエラー信号は、台間計数ユニット500に何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
ホールコンピュータ600からは、データ表示装置400が各種の設定を行うための表示装置設定用データ691がデータ表示装置400に出力される。また、ホールコンピュータ600からは、データ表示装置400に一斉演出を行わせるための一斉演出信号、定期告知を行わせるための定期告知信号等を含む管理装置信号が、データ表示装置400に出力される。
台間計数ユニット500からは、自装置に挿入された持玉カードの認証を要求するための認証要求信号が玉管理コンピュータ800に出力される。認証要求信号には、自装置のIDであるユニットIDと、持玉カードに記録されたカードIDとが含まれる。
玉管理コンピュータ800は、台間計数ユニット500から出力される認証要求信号に従って認証処理を実行し、認証信号を台間計数ユニット500に送信する。認証信号には、認証結果(OK/NG)が含まれる。
[2−3.遊技機]
遊技機1の外観構成及び機能構成は、第1実施形態と同様であるため、第1実施形態とは異なる部分を中心に説明する。
本実施形態における遊技機1は、通常状態と、大当り状態と、大当り状態の終了後に、当該大当り状態とは異なる契機により出玉が付与される高ベース状態と、に制御可能である。高ベース状態には、通常高確高ベース状態と、特殊高確高ベース状態と、が含まれる。大当り状態は、遊技者にとって有利な有利状態に相当し、高ベース状態は、有利状態とは異なる契機により遊技価値が付与される特別状態に相当する。また、通常高確高ベース状態は、第1特別状態に相当し、特殊高確高ベース状態は、第1特別状態とは有利度合いが異なる第2特別状態に相当する。
高ベース状態は、時短状態とも呼ばれ、時短制御と高開放制御とが行われる状態である。時短制御では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御を組み合わせた制御が行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
このように、時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態を、高ベース状態又は時短状態という。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態又は高確状態という。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも呼ばれる。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。
なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。
本実施形態における遊技機1は、第2特別図柄の変動が第1特別図柄の変動よりも優先して実行されるタイプ(いわゆる特図2優先消化タイプ)の遊技機として設計されている。つまり、遊技機1は、第2始動入賞口への入賞による第2特別図柄の保留が第1始動入賞口への入賞による第1特別図柄の保留よりも先に消化され、第2特別図柄の保留が全て消化されるまで、第1特別図柄の保留が消化されないように制御される。
本実施形態において、非確変大当りに当選した場合には、大当り状態の終了後に、低確率状態及び時短状態で、規定回数分の特図ゲームを可能とする非確変(低確高ベース)状態に移行するように制御される。規定回数は、例えば「100回」とすることができ、この場合には、大当り状態の終了後に、いわゆる時短100回転の非確変状態へと移行する。この非確変状態は、確変大当りが発生するまで継続するように制御される。
一方、確変A大当りに当選した場合には、大当り状態の終了後に、高確率状態及び時短状態で、次回大当りまで特図ゲームを可能とする確変A(通常高確高ベース)状態に移行するように制御され、確変B大当りに当選した場合には、大当り状態の終了後に、高確率状態及び時短状態で、次回大当りまで特図ゲームを可能とする確変B(特殊高確高ベース)状態に移行するように制御される。この確変A状態及び確変B状態は、次回大当りが発生するまで、高確率状態及び時短状態のまま継続するように制御される。
本実施形態における通常高確高ベース状態及び特殊高確高ベース状態は、いずれも高確高ベース状態である。しかし、通常高確高ベース状態と特殊高確高ベース状態とでは、ベース値(遊技球の払出率、出玉率)に差が生ずるように遊技機1が設計されている。具体的には、特殊高確高ベース状態では、通常高確高ベース状態よりもベース値が高くなるように設計されている。つまり、高ベース状態において、遊技者に対して払い出される遊技媒体の数が多くなるように設計されている。従って、特殊高確高ベース状態は、通常高確高ベース状態よりも有利度合いが高い遊技状態と言える。
大当り状態では、16Rや8Rといった大当りラウンドによる大入賞口の開放により、遊技者は多くの出玉を獲得することができる。このため、遊技者が1回に獲得可能な遊技球数という観点では、大当り状態が遊技者にとって最も有利度合いが高い遊技状態と言える。他方で、特殊高確高ベース状態では、特別図柄の変動効率が高められた状態で普通可変入賞球装置6Bの開放による第2始動入賞口への入賞に伴う賞球を繰り返しながら小当り当選に伴う賞球を繰り返すことで、遊技者は継続的に持玉を増やしていくことができる。このため、短期的に獲得可能な遊技球数という観点では、大当り状態が最も有利度合いが高い遊技状態であると言えるが、長期的に獲得可能な遊技球数という観点では、特殊高確高ベース状態が最も有利度合いの高い遊技状態であると言える。また、通常状態では、第1始動入賞口への入賞を狙うために多くの遊技球を打ち込まなければならず、その大部分はアウト口を経て回収されるため、遊技者の持玉は常に減少していく。このため、通常状態は、最も有利度合いが低い遊技状態であると言える。
図16(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、この図に示したコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。
コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。
コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば、図16(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変(低確高ベース)」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A(通常高確高ベース)」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変B(特殊高確高ベース)」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。
コマンド95XXHは、遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えば遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。
具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御と時短制御とがともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)のうち通常の高確高ベース状態である通常高確高ベース状態に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを確変制御と時短制御とがともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)のうち特殊な高確高ベース状態である特殊高確高ベース状態に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう。)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
本実施形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドであ
る。
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変B」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、図2に示したように、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図17は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。
本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば後述する遊技制御カウンタ設定部154に設けられるランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り状態に制御するか否かや可変表示結果を「小当り」として小当り状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変(低確高ベース)」、「確変A(通常高確高ベース)」、「確変B(特殊高確高ベース)」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「996」の範囲の値をとる。
普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定用テーブル、設定用テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
図18は、ROM101に記憶される特図表示結果決定用テーブルの一例を示す図である。
本実施形態では、特図表示結果決定用テーブルとして、(A)に示す第1特図表示結果決定用テーブル130Aと、(B)に示す第2特図表示結果決定用テーブル130Bと、が予め用意されている。
第1特図表示結果決定用テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第2特図表示結果決定用テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り状態に制御するか否かや可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定用テーブル130Aには、遊技状態と、判定値(MR1)と、特図表示結果と、が対応付けて定められている。
遊技状態には、「非確変」と「確変」とが定められている。
判定値(MR1)には、当該遊技状態において対応する特図表示結果に割り当てられる乱数値MR1の判定値の数値範囲が定められている。
特図表示結果には、当該判定値(MR1)の数値範囲に割り当てられた特図表示結果の種別が定められている。
遊技状態「非確変」には、判定値として「5000〜5217(確率(1/300)」及び「上記数値以外」が定められており、判定値「5000〜5217(確率(1/300)」には特図表示結果「大当り」が、判定値「上記数値以外」には特図表示結果「ハズレ」がそれぞれ定められている。
遊技状態「確変」には、判定値として「5000〜7183(確率(1/30)」及び「上記数値以外」が定められており、判定値「5000〜7183(確率(1/30)」には特図表示結果「大当り」が、判定値「上記数値以外」には特図表示結果「ハズレ」がそれぞれ定められている。
第2特図表示結果決定用テーブル130Bには、第1特図表示結果決定用テーブル130Aと同様に、遊技状態と、判定値(MR1)と、特図表示結果と、が対応付けて定められている。
遊技状態には、「非確変」と「確変」とが定められている。
判定値(MR1)には、当該遊技状態において対応する特図表示結果に割り当てられる乱数値MR1の判定値の数値範囲が定められている。
特図表示結果には、当該判定値(MR1)の数値範囲に割り当てられた特図表示結果の種別が定められている。
遊技状態「非確変」には、判定値として「5000〜5217(確率(1/300)」と「14000〜18368(確率1/15)」と「上記数値以外」とが定められており、判定値「5000〜5217(確率(1/300)」には特図表示結果「大当り」が、判定値「14000〜18368(確率1/15)」には特図表示結果「小当り」が、判定値「上記数値以外」には特図表示結果「ハズレ」がそれぞれ定められている。
遊技状態「確変」には、判定値として「5000〜7183(確率(1/30)」と「14000〜18368(確率1/15)」と「上記数値以外」とが定められており、判定値「5000〜7183(確率(1/30)」には特図表示結果「大当り」が、判定値「14000〜18368(確率1/15)」には特図表示結果「小当り」が、判定値「上記数値以外」には特図表示結果「ハズレ」がそれぞれ定められている。
第1特図表示結果決定用テーブル130Aにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。なお、本実施形態において、第1特図表示結果決定用テーブル130Aでは、第2特図表示結果決定用テーブル130Bとは異なり、特図表示結果「小当り」の判定値が割り当てられておらず、第1特別図柄の変動によって小当り状態に制御されることはない。
他方、第2特図表示結果決定用テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」又は「小当り」として大当り状態又は小当り状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第2特図表示結果決定用テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定用テーブル130Aとは異なり、特図表示結果「小当り」に判定値が割り当てられている。従って、本実施形態における遊技機1は、第1特別図柄の変動によって小当り状態に制御される場合はないが、第2特別図柄の変動によっては小当り状態に制御され得ることになる。
第1特図表示結果決定用テーブル130Aでは、遊技状態「確変」について、遊技状態「非確変」よりも多くの判定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、遊技機1において確変制御が行われる確変状態では、非確変状態であるときと比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り状態に制御すると決定される確率が高くなる。また、第2特図表示結果決定用テーブル130Bでは、遊技状態「確変」について、遊技状態「非確変」よりも多くの判定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、遊技機1において確変制御が行われる確変状態では、非確変状態であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り状態に制御すると決定される確率が高くなる。
図19は、ROM101に記憶される大当り種別決定用テーブル131のテーブル構成の一例を示す図である。
大当り種別決定用テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示が行われた特別図柄が第1特別図柄(第1特図:第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特別図柄(第2特図:第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定用テーブル131には、特図と、判定値(MR2)と、大当り種別と、が対応付けて定められている。
特図には、「第1特図」と「第2特図」とが定められている。
判定値(MR2)には、当該変動図柄において対応する大当り種別に割り当てられる乱数値MR2の判定値の数値範囲が定められている。
大当り種別には、当該判定値(MR2)の数値範囲に割り当てられた大当りの種別が定められている。
具体的には、変動図柄「第1特図」には、判定値として「0〜39」と「40〜69」と「70〜99」とが定められており、判定値「0〜39」には大当り種別「非確変(低確高ベース)」が、判定値「40〜69」には大当り種別「確変A(通常高確高ベース)」が、判定値「70〜99」には大当り種別「確変B(特殊高確高ベース)」が、それぞれ定められている。乱数値MR2は「0〜99」の数値範囲の乱数値であるため、第1特別図柄による特図ゲームにおいて、判定値(MR2)が「0〜39」の数値範囲として定められた非確変大当りに当選する確率は「40%」であり、判定値(MR2)が「40〜99」の数値範囲として定められた確変大当りに当選する確率は「60%」である。また、確変Aには「40〜69」の数値範囲、確変Bには「70〜99」の数値範囲、といったように同数の数値で規定される数値範囲が割り当てられているため、確変大当りの振り分けは「確変A:確変B=1:1」となる。
また、変動図柄「第2特図」には、判定値として「0〜39」と「40〜99」とが定められており、判定値「0〜39」には大当り種別「非確変(低確高ベース)」が、判定値「40〜99」には大当り種別「確変B(特殊高確高ベース)」が、それぞれ定められている。乱数値MR2は「0〜99」の数値範囲の乱数値であるため、第2特別図柄による特図ゲームにおいて、判定値(MR2)が「0〜39」の数値範囲として定められた非確変大当りに当選する確率は「40%」であり、判定値(MR2)が「40〜99」の数値範囲として定められた確変B大当りに当選する確率は「60%」である。確変A大当りには判定値(MR2)の数値範囲が割り当てられていないため、第2特別図柄による特図ゲームでは確変A大当りに当選しないようになっている。なお、第2特別図柄による特図ゲームでも、第1特別図柄と同様に、確変A大当りに当選可能としてもよく、第2特別図柄による特図ゲームにおいて大当りに当選した場合に、該大当り後の遊技状態を通常高確高ベース状態に移行するようにしてもよい。
ROM101には、特図表示結果の決定結果や、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定用テーブルが記憶される。
図20は、変動パターン決定用テーブル132のテーブル構成の一例を示す図である。
変動パターン決定用テーブル132は、図19の大当り種別決定用テーブル131に基づき大当り種別が決定されたときに、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づき、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
変動パターン決定用テーブル132には、遊技状態と、変動パターンテーブルと、判定値(MR3)と、変動パターンと、が対応付けて定められている。
変動パターンテーブルには、当該遊技状態に対応して選択される変動パターンテーブルの種別が定められている。
判定値(MR3)には、当該変動パターンテーブルにおいて対応する変動パターンに割り当てられる乱数値MR3の判定値の数値範囲が定められている。
変動パターンには、当該判定値(MR3)の数値範囲に割り当てられた変動パターンの種別が定められている。
具体的には、遊技状態「通常状態(低確低ベース状態)」には変動パターンテーブル「変動パターンテーブルX」が、遊技状態「非確変状態(低確高ベース状態)又は確変A状態(通常高確高ベース状態)」には変動パターンテーブル「変動パターンテーブルA」が、遊技状態「確変B状態(特殊高確高ベース状態)」には変動パターンテーブル「変動パターンテーブルB」が、それぞれ定められている。
「変動パターンテーブルX」については、判定値「0〜199」には変動パターン「PA1−1」が、判定値「200〜399」には変動パターン「PA1−2」が、判定値「400〜499」には変動パターン「PA1−3」が、・・・、といったように、判定値の数値範囲毎に変動パターンが割り当てられている。
「変動パターンテーブルA」については、判定値「0〜299」には変動パターン「PAn1−1」が、判定値「300〜599」には変動パターン「PAn1−2」が、判定値「600〜699」には変動パターン「PAn1−3」が、判定値「700〜799」には変動パターン「PAn1−4」が、・・・、といったように、判定値の数値範囲毎に変動パターンが割り当てられている。
「変動パターンテーブルB」については、判定値「0〜299」には変動パターン「PAs1−1」が、判定値「300〜599」には変動パターン「PAs1−2」が、判定値「600〜699」には変動パターン「PAs1−3」が、判定値「700〜799」には変動パターン「PAs1−4」が、・・・、といったように、判定値の数値範囲毎に変動パターンが割り当てられている。
図21は、変動パターンテーブルの一例を示す図であり、変動パターンテーブルAと、変動パターンテーブルBとを例示している。
図21(1)は、変動パターンテーブルAのテーブル構成の一例を示す図であり、可変表示結果と、変動パターンと、特図変動時間(ミリ秒(ms))と、内容と、が対応付けて定められている。
可変表示結果は、特図(第1特別図柄及び第2特別図柄)の可変表示結果であり、「ハズレ」と「大当り」と「小当り」とがこれに含まれる。但し、前述したように、第1特別図柄による特図ゲームで「小当り」に制御されることはないため、「小当り」については第2特別図柄の可変表示結果を意味する。
変動パターンは、当該可変表示結果に対応する特図の変動のパターンである。
特図変動時間は、当該変動パターンに対応する特図の変動の時間(第1特別図柄と第2特別図柄で共通)である。
内容は、当該変動パターンの具体的な内容である。
(A−1)可変表示結果「ハズレ」について
変動パターン「PAn1−1」には、特図変動時間として「3000ms」が、内容として「非リーチA(短縮変動)」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAn1−2」には、特図変動時間として「5000ms」が、内容として「非リーチB(短縮変動)」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAn1−3」には、特図変動時間として「24000ms」が、内容として「通常図柄リーチA」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAn1−4」には、特図変動時間として「35000ms」が、内容として「通常図柄リーチB」がそれぞれ定められている。
(A−2)可変表示結果「大当り」について
変動パターン「PAn2−1」には、特図変動時間として「24000ms」が、内容として「通常図柄リーチA」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAn2−2」には、特図変動時間として「35000ms」が、内容として「通常図柄リーチB」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAn2−3」には、特図変動時間として「24000ms」が、内容として「確変図柄リーチA」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAn2−4」には、特図変動時間として「35000ms」が、内容として「確変図柄リーチB」がそれぞれ定められている。
(A−3)可変表示結果「小当り」について
変動パターン「PAn3−1」には、特図変動時間として「3000ms」が、内容として「非リーチA(短縮変動)」がそれぞれ定められている。変動パターンテーブルAでは、可変表示結果「小当り」に対応する変動パターンの内容を「非リーチ」とし、演出上はハズレ演出としている。
図21(2)は、変動パターンテーブルBのテーブル構成の一例を示す図であり、可変表示結果と、変動パターンと、特図変動時間(ミリ秒(ms))と、内容と、が対応付けて定められている。
可変表示結果は、特図(第1特別図柄及び第2特別図柄)の可変表示結果であり、変動パターンテーブルAと同様に、「ハズレ」と「大当り」と「小当り」とがこれに含まれる。但し、前述したように、第1特別図柄による特図ゲームで「小当り」に制御されることはないため、「小当り」については第2特別図柄の可変表示結果を意味する。
変動パターンは、当該可変表示結果に対応する特図の変動のパターンである。
特図変動時間は、当該変動パターンに対応する特図の変動の時間(第1特別図柄と第2特別図柄で共通)である。
内容は、当該変動パターンの具体的な内容である。
(B−1)可変表示結果「ハズレ」について
変動パターン「PAs1−1」には、特図変動時間として「500ms」が、内容として「非リーチC(超短縮変動)」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAs1−2」には、特図変動時間として「1000ms」が、内容として「非リーチD(超短縮変動)」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAs1−3」には、特図変動時間として「12000ms」が、内容として「通常図柄リーチA」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAs1−4」には、特図変動時間として「24000ms」が、内容として「通常図柄リーチC」がそれぞれ定められている。
(B−2)可変表示結果「大当り」について
変動パターン「PAs2−1」には、特図変動時間として「12000ms」が、内容として「通常図柄リーチA」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAs2−2」には、特図変動時間として「24000ms」が、内容として「通常図柄リーチC」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAs2−3」には、特図変動時間として「12000ms」が、内容として「確変図柄リーチA」がそれぞれ定められている。
変動パターン「PAs2−4」には、特図変動時間として「24000ms」が、内容として「確変図柄リーチC」がそれぞれ定められている。
(B−3)可変表示結果「小当り」について
変動パターン「PAs3−1」には、特図変動時間として「500ms」が、内容として「チャンス目停止」がそれぞれ定められている。変動パターンテーブルBでは、変動パターンテーブルAとは異なり、可変表示結果が「小当り」の場合における変動パターンの内容を「チャンス目停止」としている。
変動パターンテーブルAの変動パターン「PAn1−1」及び「PAn1−2」は、いずれも可変表示結果が「ハズレ」で内容を「非リーチ」とするものであり、この2つの変動パターンについては、同種の他の変動パターンと比べて相対的に短い特図変動時間が定められている。この2つの変動パターンは「短縮変動」に相当し、「ハズレ」で「非リーチ」とする場合には、同種の他の変動パターンと比べて、特図変動時間を短縮させることを意味する。この短縮変動を実現するための特図変動時間としては「3秒〜5秒(3000ms〜5000ms)」程度の時間を定めておくようにすると好適である。
図20に示した変動パターン決定用テーブル132を参照すると、変動パターンテーブルAについては、上記の短縮変動に対応する変動パターン(「PAn1−1」、「PAn1−2」)に対応する判定値(MR3)が、同種の他の変動パターン(「PAn1−3」、「PAn1−4」、・・・)に対応する判定値(MR3)の数値範囲と比べて相対的に広い数値範囲とされている。これにより、確変A(通常高確高ベース)状態では、短縮変動に対応する変動パターン(「PAn1−1」、「PAn1−2」)が選択される割合が高くなり、結果として短縮変動の実行割合が高くなる。
同様に、変動パターンテーブルBの変動パターン「PAs1−1」及び「PAs1−2」は、いずれも可変表示結果が「ハズレ」で内容を「非リーチ」とするものであり、この2つの変動パターンについては、同種の他の変動パターンと比べて相対的に短い特図変動時間が定められている。この2つの変動パターンは「超短縮変動」に相当し、「ハズレ」で「非リーチ」とする場合には、同種の他の変動パターンと比べて、特図変動時間を短縮させることを意味する。この超短縮変動を実現するための特図変動時間としては「0.5秒〜1秒(500ms〜1000ms)」程度の時間を定めておくようにすると好適である。
図20に示した変動パターン決定用テーブル132を参照すると、変動パターンテーブルBについても、上記の超短縮変動に対応する変動パターン(「PAs1−1」、「PAs1−2」)に対応する判定値(MR3)が、同種の他の変動パターン(「PAs1−3」、「PAs1−4」、・・・)に対応する判定値(MR3)の数値範囲と比べて相対的に広い数値範囲とされている。これにより、確変B(特殊高確高ベース)状態では、超短縮変動に対応する変動パターン(「PAs1−1」、「PAs1−2」)が選択される割合が高くなり、結果として超短縮変動の実行割合が高くなる。
また、変動パターンテーブルAと変動パターンテーブルBとを対比すると、相互に対応する同種の変動パターンに対応付けられた特図変動時間について、変動パターンテーブルAよりも変動パターンテーブルBにおける特図変動時間の方が、相対的に短い時間が定められている。また、変動パターンテーブルAよりも変動パターンテーブルBの方が、小当りに対応する変動パターンの特図変動時間が短く定められている。
上記のようにすることで、特殊高確高ベース状態では、通常高確高ベース状態よりも特図変動時間を短縮させることができ、小当り当選(小当り到来)までの相対的な時間を短くするばかりでなく、小当り変動の時間も短くすることができる。つまり、特殊高確高ベース状態では、通常高確高ベース状態よりも特別図柄の変動効率が高められた状態で普通可変入賞球装置6Bの開放による第2始動入賞口への入賞に伴う賞球を繰り返すことが可能となり、その結果、特殊高確高ベース状態では通常高確高ベース状態よりもベース値が高くなる。なお、低確高ベース状態において、通常高ベース状態と、該通常高ベース状態よりもベース値が高い特殊高ベース状態とを設けてもよい。
なお、変動パターンテーブルXについては図示を省略するが、上記の変動パターンテーブルAや変動パターンテーブルBと同様に、変動パターンテーブルXにも可変表示結果に応じた変動パターン、特図変動時間及び内容がそれぞれ定められており、特図変動時間には、変動パターンテーブルAに定められた特図変動時間よりも平均的に長い時間が定められている。
本実施形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、図20で説明した変動パターン決定用テーブル132を参照し、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)である場合には「変動パターンテーブルX」を選択し、遊技状態が非確変状態(低確高ベース状態)又は確変A状態(通常高確高ベース状態)である場合には「変動パターンテーブルA」を選択し、遊技状態が確変B状態(特殊高確高ベース状態)である場合には「変動パターンテーブルB」を選択する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、選択した変動パターンテーブルのうち、図20の変動パターン決定用テーブル132の乱数値MR3の決定値に対応する判定値(MR3)の変動パターンを選択し、選択した変動パターンに対応する特図変動時間(ms)及び内容で、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bに第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示を実行させる。
なお、本実施形態では、遊技状態に依らず共通の乱数値MR3に基づいて、対応する変動パターンテーブルから変動パターンを決定することとして説明するが、遊技状態毎に個別に乱数値を設定しておき、遊技状態に応じた乱数値に基づいて、対応する変動パターンテーブルから変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、非確変状態と確変A状態とで共通の変動パターンテーブルを定めているが、非確変状態と確変A状態とで個別の変動パターンテーブルを定めておくこととしてもよい。
また、確変A状態と確変B状態とで共通の変動パターンテーブルを定めておき、この共通の変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。この場合は、上記の短縮変動に対応する変動パターン及び超短縮変動に対応する変動パターンを含む共通の変動パターンテーブルを用意しておき、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、確変A状態に制御する場合よりも確変B状態に制御する場合の方が、超短縮変動に対応する変動パターンを選択する割合を高くして変動パターンを選択して、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bに第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示を実行させるようにすればよい。
この場合は、例えば、確変A状態については、短縮変動に対応する変動パターンの選択割合を「90%」、超短縮変動に対応する変動パターンの選択割合を「10%」とそれぞれ定めておき、確変B状態については、短縮変動に対応する変動パターンの選択割合を「10%」、超短縮変動に対応する変動パターンの選択割合を「90%」とそれぞれ定めておくなどして、対応する遊技状態に応じた選択割合に従って、変動パターンを選択して決定すればよい。
また、短縮変動及び超短縮変動を実現するための手法として、上記のように、確変A状態と確変B状態とで特図変動時間を異ならせるのではなく、確変A状態と確変B状態とで特別図柄の図柄確定期間(変動後の特別図柄の図柄停止時間)を異ならせるように制御してもよい。
具体的には、確変A状態では、図柄確定期間を例えば「1.0秒」とし、確変B状態では、図柄確定期間を例えば「0.5秒」として、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bに第1特別図柄及び第2特別図柄の図柄を確定させるように制御してもよい。
また、この他にも、確変A状態と確変B状態とで、普図変動時間や普図図柄確定期間を異ならせて、普通図柄表示器20に普図を変動表示させるようにしてもよい。さらに、確変A状態と確変B状態とで、普通可変入賞球装置6Bの開放パターン(普電開放パターン)を異ならせて、普通可変入賞球装置6Bを開放させるように制御してもよい。
遊技機1のRAM102には、遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。
図22は、遊技制御用データ保持エリア150の一例を示す図である。
遊技制御用データ保持エリア150には、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とが含まれる。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立(第1特図保留記憶数が上限値に達していない状態で第1始動入賞口への始動入賞が発生したこと)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立(第2特図保留記憶数が上限値に達していない状態で第2始動入賞口への始動入賞が発生したこと)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのラ
ンダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図23は、遊技機1が備える特別可変入賞球装置22に形成された大入賞口の開放パターンの説明図である。この図において、横軸は時間軸を示し、各開放パターンにおけるパルスは開放状態を示す。
図23(A)は、確変大当り(16R)の当選に伴い制御される確変大当り状態における特別可変入賞球装置22に形成された大入賞口の開放パターンの一例を示す図である。この開放パターンでは、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、16Rで構成される確変大当り状態として、一定の時間間隔で16回分、大入賞口扉を開閉させるソレノイド駆動信号をソレノイド回路111を介してソレノイド28に伝送することで、大入賞口を連続的に開閉させるように制御する。
図23(B)は、非確変大当り(8R)の当選に伴い制御される非確変大当り状態における特別可変入賞球装置22に形成された大入賞口の開放パターンの一例を示す図である。この開放パターンでは、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、8Rで構成される非確変大当り状態として、一定の時間間隔で8回分、大入賞口扉を開閉させるソレノイド駆動信号をソレノイド回路111を介してソレノイド28に伝送することで、大入賞口を連続的に開閉させるように制御する。
図23(C)は、小当りの当選に伴い制御される小当り状態における特別可変入賞球装置22に形成された大入賞口の開放パターンの一例を示す図である。この開放パターンでは、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1Rで構成される小当り状態として、一定の時間間隔で規定回数(例えば1回〜3回)分、大入賞口扉を開閉させるソレノイド駆動信号をソレノイド回路111を介してソレノイド28に伝送することで、大入賞口を開閉させるように制御する。
[2−4.遊技機信号]
図24は、遊技機1の外部出力基板16から外部装置に出力される遊技機信号の一例を示す図である。ここで言う外部装置とは、遊技機1と通信可能に接続された外部装置のことを意味し、本実施形態ではデータ表示装置400とホールコンピュータ600とがこれに含まれる。
外部出力基板16からは、遊技機信号として、賞球信号と、扉開放中信号と、図柄確定信号と、全始動口信号と、大当り信号1、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号の4つの異なる大当り信号と、入賞信号と、セキュリティ信号と、が外部出力される。
賞球信号は、遊技機1において賞球によって第1規定球数(例えば10球)の遊技球が払い出される毎に一定時間(例えば0.1秒)出力されるパルス信号である。賞球信号は、遊技価値(出玉)の付与に対応する所定信号の一例である。
扉開放中信号は、遊技機1の前面に設けられたガラス扉枠が開放されていることを通知するための信号であり、ガラス扉枠が開放されている間出力されるパルス信号である。これは、遊技機1に発生した異常を示す信号(異常信号)の一種ともいえる。
図柄確定信号は、遊技機1において変動した図柄が確定したことを通知する信号であり、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の停止毎に一定時間(例えば0.5秒)出力されるパルス信号である。但し、図柄確定信号は、特図表示結果が「大当り」である場合には、大当り状態が開始されても継続して出力され、大当り状態の最初に実行されるファンファーレ演出に対応するファンファーレ期間中に出力が停止されるように制御される。このようにしているのは、ホールコンピュータ600等の外部装置によっては、大当り状態中に図柄確定信号を入力しないと1回の大当りとしてカウントしないものがあるためである。
全始動口信号は、遊技機1において普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口及び普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口への入賞毎に一定時間(例えば0.1秒)出力されるパルス信号である。
大当り1信号は、遊技機1が大当り状態に制御されている期間に出力されるパルス信号である。大当り1信号は、有利状態に対応する有利信号に相当する。
大当り2信号は、遊技機1が大当り状態及び高ベース状態に制御されている期間に出力されるパルス信号である。ここで言う高ベース状態には、非確変(低確高ベース)状態、確変A(通常高確高ベース)状態及び確変B(特殊高確高ベース)状態の全てが含まれる。具体的には、通常状態(低確低ベース状態)において大当りが発生し、大当り状態の制御が開始されたタイミングでON状態とされる。大当り種別に関わらず、高ベース状態が維持されている期間はON状態が維持され、非確変状態が終了し、通常状態に戻るタイミングでOFF状態とされる。大当り2信号は、連荘中(連チャン中)に出力される信号であるため「連荘中信号」とも言える。大当り2信号は、第1特別状態及び第2特別状態に対応する特別信号に相当する。
大当り3信号は、遊技機1が大当り状態に制御されている期間と確変B(特殊高確高ベース)状態に制御されている期間との両方に対応する期間に出力されるパルス信号である。具体的には、通常状態において大当りが発生し、大当り状態の制御が開始されたタイミングでON状態とされる。大当り種別が「確変B」であった場合には、確変B大当り状態の終了後に確変B(特殊高確高ベース)状態の制御が開始されるためON状態は維持される。しかし、大当り種別が「非確変」又は「確変A」であった場合には、大当り状態の終了後に確変A(通常高確高ベース)状態又は非確変状態(低確高ベース)の制御が開始されるためOFF状態とされる。確変B状態が継続している期間はON状態が維持される。
大当り4信号は、遊技機1が大当り状態に制御されている期間のうちファンファーレ演出が実行されるファンファーレ期間を除外した期間と確変B(特殊高確高ベース)状態に制御されている期間との両方に対応する期間に出力されるパルス信号である。大当り3信号との違いは、大当り状態中のファンファーレ期間においてのみOFF状態とされる点である。大当り3信号及び大当り4信号は、第1特別状態には対応せず第2特別状態には対応する特定信号に相当する。
少なくとも、(1)図柄確定信号、(2)大当り1信号、(3)大当り2信号、の組み合わせにより、ホールコンピュータ600等の外部装置は、遊技機1において大当りが発生したと判定することができる。
ここで、確変B状態に制御されている期間を対象として大当り3信号及び大当り4信号を出力するようにしているのは、ホールコンピュータ600等の外部装置において、遊技機1が確変A状態と確変B状態とのいずれの遊技状態に制御されたかを正しく判定することができるようにするためである。つまり、大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号及び大当り4信号が「OFF」であれば、遊技機1が確変A状態に制御されていると判定することができ、大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号及び大当り4信号が「ON」であれば、遊技機1が確変B状態に制御されていると判定することができる。
また、仮に、大当り3信号及び大当り4信号を確変A状態及び確変B状態の両方の期間に出力される信号とした場合には、ホールコンピュータ600等の外部装置において、確変A状態と確変B状態とを区別してベース値を算出することができなくなるため、ベース異常が発生する可能性がある。しかし、少なくとも、(1)図柄確定信号、(2)大当り2信号、(3)大当り3信号又は大当り4信号、の組み合わせにより、ホールコンピュータ600等の外部装置は、遊技機1が確変A状態と確変B状態とのいずれの確変状態に制御されているかを判定することができ、確変A状態と確変B状態とを区別してベース値を算出することができるため、ベース異常の発生を防止できる。
また、ファンファーレ期間中に大当り4信号を出力しないようにしているのは、ホールコンピュータ600等の外部装置において、大当り回数を正しくカウントすることができるようにするためである。少なくとも、(1)図柄確定信号、(2)大当り4信号、(3)大当り2信号、の組み合わせにより、ホールコンピュータ600等の外部装置は、連荘中の大当り回数(連荘数)を正しくカウントすることができる。
入賞信号は、遊技機1が備える全ての入賞口への入賞に伴い賞球によって第2規定球数(例えば10球)の遊技球が払い出される毎に一定時間(例えば0.1秒)出力されるパルス信号である。
また、上記とは別に、遊技機1の背面に設けられるアウト球検出器200からは、アウト信号がデータ表示装置400及びホールコンピュータ600に出力される。
アウト信号は、第3規定球数(例えば10球)がアウト球検出器200により計数される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。
図25は、遊技機1の信号出力用テーブルの一例を示す図である。
この信号出力用テーブルには、大当り種別と、大当りと、ベースと、大当り信号(大当り1信号〜大当り4信号)とが対応付けて定められている。
大当り種別には、「確変」と「非確変」とが含まれる。
大当りには、状態とファンファーレとが含まれる。
ベースには、通常高確高ベースと特殊高確高ベースとが含まれる。
大当り信号には、大当り1信号と、大当り2信号と、大当り3信号と、大当り4信号とが含まれる。
このテーブルでは、遊技機1が対応する状態に制御されていることを「1」で示し、遊技機1が対応する状態に制御されていないことを「0」で示している。大当り信号には、大当り1信号〜大当り4信号のそれぞれについて、対応する状態における信号の出力の有無を「ON」、「OFF」で示している。以下、具体的に説明する。
(1)大当り種別「確変」について
(1−1)
大当り(状態「0」、ファンファーレ「0」)、ベース(通常高確高ベース「1」、特殊高確高ベース「0」)については、大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」とされることが定められている。
(1−2)
大当り(状態「0」、ファンファーレ「0」)、ベース(通常高確高ベース「0」、特殊高確高ベース「1」)については、大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「ON」とされることが定められている。
(1−3)
大当り(状態「1」、ファンファーレ「0」)、ベース(通常高確高ベース「0」、特殊高確高ベース「0」)については、大当り1信号〜大当り4信号が全て「ON」とされることが定められている。
(1−4)
大当り(状態「1」、ファンファーレ「1」)、ベース(通常高確高ベース「0」、特殊高確高ベース「0」)については、大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」とされることが定められている。
(2)大当り種別「非確変」について
(2−1)
大当り(状態「0」、ファンファーレ「0」)、ベース(通常高確高ベース「0」、特殊高確高ベース「0」)については、大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」とされることが定められている。
(2−2)
大当り(状態「1」、ファンファーレ「0」)、ベース(通常高確高ベース「0」、特殊高確高ベース「0」)については、大当り1信号〜大当り4信号が全て「ON」とされることが定められている。
(2−3)
大当り(状態「1」、ファンファーレ「1」)、ベース(通常高確高ベース「0」、特殊高確高ベース「0」)については、大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」とされることが定められている。
[2−5.ホールコンピュータの機能構成]
図26は、ホールコンピュータ600の機能構成の一例を示す図である。
ホールコンピュータ600は、処理部610と、入力部620と、表示部625と、音出力部630と、時計部635と、第1通信部640と、第2通信部650と、ROM670と、ハードディスク680と、RAM690とを備えて構成され、各部がバスを介して接続されるコンピューターシステムである。
処理部610は、ROM670に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ600の各部を統括的に制御するCPUやDSP等プロセッサやASIC等の電気電子素子を有して構成される制御装置及び演算装置である。処理部610は、主要な機能部として、設定用データ生成部611と、TY算出部613と、ベース算出部615と、ベース適否判定部617と、を有する。
設定用データ生成部611は、ROM670に記憶されている設定用データ生成プログラム671aに従って動作する機能部であり、後述する表示装置設定用データ691を生成し、生成した表示装置設定用データ691をRAM690に格納する。
TY算出部613は、各遊技機1の有利区間差玉(TY)を算出する機能部であり、TYの算出値をハードディスク680のTY情報集計データベース688に記憶させる。TYについては後述する。
ベース算出部615は、各遊技機1のベース値を算出する機能部であり、ベース値の算出値をハードディスク680のベース情報集計データベース689に記憶させる。ベース値については後述する。
ベース適否判定部617は、ベース算出部615によって算出されたベース値の適否判定を行う機能部であり、その適否判定結果をハードディスク680のベース情報集計データベース689に記憶させる。
入力部620は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部610に出力する。この入力部620からの操作入力により、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
表示部625は、処理部610から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部625には、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
音出力部630は、処理部610から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行うスピーカなどの音出力装置である。音出力部630からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
時計部635は、ホールコンピュータ600が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部635の計時時刻(日付を含む。)は処理部610に出力される。
第1通信部640は、遊技機1との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部640は、遊技機1から前述した遊技機信号を入力(受信)するとともに、アウト球検出器200から前述したアウト信号を入力(受信)する。
第2通信部650は、データ表示装置400との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部650は、処理部610の制御に従って、表示装置設定用データ691をデータ表示装置400に出力(送信)する。
ROM670は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ600のシステムプログラム等の各種のプログラムを記憶している。本実施形態において、ROM670には、処理部610によって読み出され、管理処理として実行される管理プログラム671が記憶されている。
なお、ホールコンピュータ600が記憶装置としてROM670を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、例えばハードディスク680に記憶させるようにすればよい。
ハードディスク680は、読み書き可能な不揮発性の記憶装置であり、データ表示装置400の表示設定に係る各種のデータや、遊技機1での遊技に係る各種のデータベースを記憶する。具体的には、表示内容設定用テーブル681と、表示態様設定用テーブル682と、機種情報テーブル685と、装置対応関係テーブル686と、TY情報集計データベース688と、ベース情報集計データベース689とが記憶される。
表示内容設定用テーブル681は、データ表示装置400の表示内容を設定するために用いられるテーブルであり、遊技機1毎や遊技機1の機種毎、遊技機1が設置される遊技島毎といった種々の単位で、対応して設けられるデータ表示装置400の表示内容が定められている。
表示態様設定用テーブル682は、データ表示装置400に上記の表示内容を表示させる際の表示態様を設定するために用いられるテーブルであり、遊技機1毎や遊技機1の機種毎、遊技機1が設置される遊技島毎といった種々の単位で、対応して設けられるデータ表示装置400における表示態様が定められている。
図27(A)は、本実施形態においてホールコンピュータ600の処理部610が算出・集計対象とする指標値の説明図であり、テーブル形式で指標値を示したものである。
このテーブルには、指標値と、当該指標値の名称と、当該指標値の詳細内容とが対応付けて定められている。
指標値「T1Y」は、その名称が「大当り平均差玉」であり、その詳細内容は「大当り状態1回当たりの平均差玉」である。但し、ここで言うT1Yとは、遊技機1で実際に遊技が行われた際に算出されるT1Yの実測値(算出値)のことを意味する。TYは連荘が継続している期間(大当り2信号が一旦ONとなってから当該ONの状態が継続している期間)1回あたりの平均差玉として定義される。連荘とは、一の大当り状態の終了後に低ベース状態に制御されることなく次の大当りが発生することであり、大当り状態の終了後に次の大当りが発生することなく低ベース状態に制御されることを「連荘が終了する」という。また、T1Yは大当り状態1回当たりの平均差玉(大当り状態中のセーフ−大当り状態中のアウト)として定義される。
指標値「特殊T1Y」は、その名称が「特殊平均差玉」であり、その詳細内容は「(大当り状態+特殊高確高ベース状態)1回当たりの平均差玉」である。本実施形態では、大当り状態において賞球によって払い出された玉数とその後に移行される確変B(特殊高確高ベース)状態において賞球によって払い出された玉数とを対象として上記の特殊T1Yを算出する。但し、ここで言う特殊T1Yとは、遊技機1で実際に遊技が行われた際に算出される特殊T1Yの実測値(算出値)のことを意味する。
指標値「R」は、その名称が「低確高ベース払出数」であり、その詳細内容は「低確高ベース状態のうち非大当り中かつ非小当り中における賞球による払出数」である。つまり、「R」は、非確変(低確高ベース)状態において、遊技機1を構成する一般入賞口及び始動入賞口への入賞による賞球によって遊技者に払い出された球数である。非大当り中かつ非小当り中としているため、大入賞口への入賞による賞球による払出数は対象から除外している。
指標値「通常R」は、その名称が「通常高確高ベース払出数」であり、その詳細内容は「通常高確高ベース状態のうち非大当り中かつ非小当り中における賞球による払出数」である。つまり、「通常R」は、確変A(通常高確高ベース)状態において、遊技機1を構成する一般入賞口及び始動入賞口への入賞による賞球によって遊技者に払い出された球数である。非大当り中かつ非小当り中としているため、大入賞口への入賞による賞球による払出数は対象から除外している。
指標値「特殊R」は、その名称が「特殊高確高ベース払出数」であり、その詳細内容は「特殊高確高ベース状態のうち非大当り中かつ非小当り中における賞球による払出数」である。つまり、「特殊R」は、確変B(特殊高確高ベース)状態において、遊技機1を構成する一般入賞口及び始動入賞口への入賞による賞球によって遊技者に払い出された球数である。非大当り中かつ非小当り中としているため、大入賞口への入賞による賞球による払出数は対象から除外している。
指標値「B(ベース)」は、その名称が「払出率」であり、その詳細内容は「通常状態におけるアウト数に対する賞球による払出数の割合」である。この「B」は、遊技機1で実際に遊技が行われた際に算出されるBの実測値(算出値)のことを意味する。
指標値「BA(ベースエー)」は、その名称が「低確高ベース払出率」であり、その詳細内容は「低確高ベース状態のうち非大当り中かつ非小当り中におけるアウト数に対するRの割合」である。つまり、「BA」は、大入賞口への入賞を算出対象から除外した低確高ベース状態におけるアウト数に対する賞球によって遊技者に払い出された払出数の割合を示す。この「BA」は、遊技機1で実際に遊技が行われた際に算出されるBAの実測値(算出値)のことを意味する。
指標値「通常BA(通常ベースエー)」は、その名称が「通常高確高ベース払出率」であり、その詳細内容は「通常高確高ベース状態のうち非大当り中かつ非小当り中におけるアウト数に対する通常Rの割合」である。つまり、「通常BA」は、大入賞口への入賞を算出対象から除外した通常高確高ベース状態におけるアウト数に対する賞球によって遊技者に払い出された払出数の割合を示す。この「通常BA」は、遊技機1で実際に遊技が行われた際に算出される通常BAの実測値(算出値)のことを意味する。
指標値「特殊BA(特殊ベースエー)」は、その名称が「特殊高確高ベース払出率」であり、その詳細内容は「特殊高確高ベース状態のうち非大当り中かつ非小当り中におけるアウト数に対する特殊Rの割合」である。つまり、「特殊BA」は、大入賞口への入賞を算出対象から除外した特殊高確高ベース状態におけるアウト数に対する賞球によって遊技者に払い出された払出数の割合を示す。この「特殊BA」は、遊技機1で実際に遊技が行われた際に算出される特殊BAの実測値(算出値)のことを意味する。
指標値「Berr」は、その名称が「払出率誤差」であり、その詳細内容は「B基準値からのBのずれ量(誤差)」である。つまり、「Berr」は、通常状態における払出率の実測値が、予め定められた通常状態における払出率の基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
指標値「BAerr」は、その名称が「低確高ベース払出率誤差」であり、その詳細内容は「BA基準値からのBAのずれ量(誤差)」である。つまり、「BAerr」は、低確高ベース状態における払出率の実測値が、予め定められた低確高ベース状態における払出率の基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
指標値「通常BAerr」は、その名称が「通常高確高ベース払出率誤差」であり、その詳細内容は「通常BA基準値からの通常BAのずれ量(誤差)」である。つまり、「通常BAerr」は、通常高確高ベース状態における払出率の実測値が、予め定められた通常高確高ベース状態における払出率の基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
指標値「特殊BAerr」は、その名称が「特殊高確高ベース払出率誤差」であり、その詳細内容は「特殊BA基準値からの特殊BAのずれ量(誤差)」である。つまり、「特殊BAerr」は、特殊高確高ベース状態における払出率の実測値が、予め定められた特殊高確高ベース状態における払出率の基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
B基準値とは、遊技機メーカが想定しているBの設計値であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される値である。同様に、BA基準値、通常BA基準値及び特殊BA基準値とは、それぞれ遊技機メーカが想定しているBA、通常BA及び特殊BAの設計値であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される値である。
図27(B)は、本実施形態における基準相対情報の説明図であり、テーブル形式で基準相対情報に対応する基準指標値を示したものである。
このテーブルには、基準指標値と、当該基準指標値の名称と、当該基準指標値の詳細内容とが対応付けて定められている。
基準指標値「a」は、その名称が「B基準下限値」であり、その詳細内容は「B基準範囲の下限値」である。
基準指標値「b」は、その名称が「B基準上限値」であり、その詳細内容は「B基準範囲の上限値」である。
基準指標値「c」は、その名称が「B基準値」であり、その詳細内容は「Bの基準値」である。
基準指標値「α」は、その名称が「BA基準下限値」であり、その詳細内容は「BA基準範囲の下限値」である。
基準指標値「β」は、その名称が「BA基準上限値」であり、その詳細内容は「BA基準範囲の上限値」である。
基準指標値「γ」は、その名称が「BA基準値」であり、その詳細内容は「BAの基準値」である。
基準指標値「αn」は、その名称が「通常BA基準下限値」であり、その詳細内容は「通常BA基準範囲の下限値」である。
基準指標値「βn」は、その名称が「通常BA基準上限値」であり、その詳細内容は「通常BA基準範囲の上限値」である。
基準指標値「γn」は、その名称が「通常BA基準値」であり、その詳細内容は「通常BAの基準値」である。
基準指標値「αs」は、その名称が「特殊BA基準下限値」であり、その詳細内容は「特殊BA基準範囲の下限値」である。
基準指標値「βs」は、その名称が「特殊BA基準上限値」であり、その詳細内容は「特殊BA基準範囲の上限値」である。
基準指標値「γs」は、その名称が「特殊BA基準値」であり、その詳細内容は「特殊BAの基準値」である。
B基準下限値a及びB基準上限値bによって、通常状態におけるB(ベース値)の基準範囲であるB基準範囲a〜bが規定される。このB基準範囲は、前述したB基準値と同様に、遊技機メーカが想定しているBの設計範囲であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される数値範囲である。
また、BA基準下限値α及びBA基準上限値βによって、低確高ベース状態におけるBA(ベース値)の基準範囲であるBA基準範囲α〜βが規定される。このBA基準範囲は、遊技機メーカが想定しているBAの設計範囲であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される数値範囲である。
同様に、通常BA基準下限値αn及び通常BA基準上限値βnによって、通常高確高ベース状態における通常BA(ベース値)の基準範囲である通常BA基準範囲αn〜βnが規定される。この通常BA基準範囲は、遊技機メーカが想定している通常BAの設計範囲であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される数値範囲である。
同様に、特殊BA基準下限値αs及び特殊BA基準上限値βsによって、特殊高確高ベース状態における特殊BA(ベース値)の基準範囲である特殊BA基準範囲αs〜βsが規定される。この特殊BA基準範囲は、遊技機メーカが想定している特殊BAの設計範囲であり、それぞれの機種の遊技機について、例えば遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される数値範囲である。
B基準値及びB基準範囲は、「B」に関する基準相対情報の一例であり、「B」は、通常状態における特定値及び相対値の一例である。また、BA基準値及びBA基準範囲は、「BA」に関する基準相対情報の一例であり、「BA」は、低確高ベース状態における特定値及び相対値の一例である。また、通常BA基準値及び通常BA基準範囲は、「通常BA」に関する基準相対情報の一例であり、「通常BA」は、通常高確高ベース状態(第1特別状態)における特定値及び相対値の一例であり、特殊BA基準値及び特殊BA基準範囲は、「特殊BA」に関する基準相対情報の一例であり、「特殊BA」は、特殊高確高ベース状態(第2特別状態)における特定値及び相対値の一例である。
ここで、上記の基準値や基準範囲を含む基準情報は、例えば店舗の管理者が、遊技機メーカから提供される各機種の遊技機1それぞれについての取扱説明書を参照してホールコンピュータ600に入力する作業を行うことで、ホールコンピュータ600に記憶させるようにすることができる。
機種情報テーブル685は、遊技機1の機種情報が定められたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図28に示す。
機種情報テーブル685には、遊技機1のID及び機種毎に、機種情報データが記憶される。
各機種情報データには、当該遊技機1の識別情報である遊技機IDと、当該遊技機1の機種名と、当該遊技機1の外端出力データと、当該遊技機1の基準情報データと、が記憶される。
外端出力データには、当該遊技機1の外部出力基板16における外部出力端子(コネクタCN)の用途及び出力される信号の種類が定められている。
基準情報データには、当該遊技機1について、種別と、基準下限値と、基準上限値と、基準値とが対応付けて定められている。種別には、「B」と「BA」と「通常BA」と「特殊BA」とが含まれ、これらの種別それぞれに対応する基準下限値と基準上限値と基準値とがそれぞれ定められている。
具体的に説明する。
図28の一番上に図示したデータは、遊技機1のIDが「P1〜P20」、機種名が「パチンコXXX」に係るデータである。そして、外端出力データにおいて、「CN1」には賞球信号が、「CN2」には扉開放中信号が、「CN3」には図柄確定信号が、「CN4」には全始動口信号が、「CN5」には「大当り1信号」が、「CN6」には「大当り2信号」が、「CN7」には「大当り3信号」が、「CN8」には「大当り4信号」が、「」、「CN9」には入賞信号が、「CN10」にはセキュリティ信号が、それぞれ定められている。
また、基準情報データには、種別「B」について、基準下限値として「a1」が、基準上限値として「b1」が、基準値として「c1」がそれぞれ定められている。また、種別「BA」について、基準下限値として「α1」が、基準上限値として「β1」が、基準値として「γ1」がそれぞれ定められており、種別「通常BA」について、基準下限値として「αn1」が、基準上限値として「βn1」が、基準値として「γn1」がそれぞれ定められており、種別「特殊BA」について、基準下限値として「αs1」が、基準上限値として「βs1」が、基準値として「γs1」がそれぞれ定められている。
装置対応関係テーブル686は、遊技機1とデータ表示装置400と台間計数ユニット500との対応関係を定めたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図29に示す。
装置対応関係テーブル686には、遊技機IDと、機種名と、当該遊技機IDの遊技機1に対応するデータ表示装置400の識別情報である対応表示装置IDと、当該遊技機IDの遊技機1に対応する台間計数ユニット500の識別情報である対応ユニットIDとが対応付けて定められている。
表示装置設定用データ691は、各データ表示装置400における表示や音出力、発光等に係る設定を行わせるためのデータである。例えば、表示内容設定用テーブル681や表示態様設定用テーブル682、不図示の音出力設定用テーブルや発光設定用テーブルに従って、処理部610は、対応して設けられる遊技機1の個別単位や、対応して設けられる遊技機1の機種単位、対応して設けられる遊技機1が設置される遊技島単位といった各種の単位で、表示装置設定用データ691を生成する。遊技機1とデータ表示装置400との対応関係は、装置対応関係テーブル686に基づいて判定することができる。
TY情報集計データベース688は、店舗に設置される各遊技機1それぞれについて、当該遊技機1について算出したTY(T1Yを含む。)の算出値や当該算出値が適正な値であるか否かの判定を行った判定結果等を含むTY情報を記憶したTY情報集計データが記憶されるデータベースである。
ベース情報集計データベース689は、店舗に設置される各遊技機1それぞれについて、当該遊技機1について算出したB(Bの算出値)やBA(BAの算出値)やerr(Eerrの算出値)、BやBAの算出値が適正な値であるか否かの判定を行った判定結果等を含むベース情報を記憶したベース情報集計データが記憶されるデータベースである。
なお、ハードディスク680には、TY情報集計データベース688やベース情報集計データベース689の他にも、各遊技機1について遊技情報を集計した遊技集計データが記憶される遊技集計データベースや、店舗の売上情報(例えば、割数(機械割数や景品割数)や出玉率、客滞率、売上玉、景品玉、景品金額、玉粗利等)を集計した売上集計データが記憶される売上集計データベースといったデータベースを記憶させることができる。
図30は、処理部610が、遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて実行する処理を説明するための図である。この図には、大当り信号(大当り1信号〜大当り4信号)と、算出対象と、備考と、を対応づけたテーブルを図示している。
(1)大当り1信号〜大当り4信号が全て「ON」の場合
この場合には、算出対象として「T1Y、特殊T1Y」が、備考として「正常」が定められている。
(2)大当り1信号〜大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「正常」が定められている。
(3)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「ON」、大当り信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「異常」が定められている。大当り信号4が「ON」であれば、大当り3信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常と判断することができる。
(4)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「異常」が定められている。大当り1信号が「ON」であれば、大当り3信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常と判断することができる。
(5)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「異常」が定められている。大当り1信号が「ON」であれば、大当り2信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常と判断することができる。
(6)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「異常」が定められている。この理由は、(5)と同じである。
(7)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「TY」、備考として「異常」が定められている。この理由は、(5)と同じである。
(8)大当り1信号が「ON」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「異常」が定められている。この理由は、(5)と同じである。
(9)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号〜大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「特殊BA、特殊T1Y」、備考として「正常、特殊BA:適否判定非対象」が定められている。つまり、この組み合わせの大当り信号を入力した場合には、特殊BA及び特殊T1Yを算出することが定められている。特殊BAは、特殊高確高ベース状態におけるベース値であるが、これは100%を超える値となることが想定される値である。このため、特殊BAについてはベース値の適否判定の対象から除外している。
(10)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「異常」が定められている。大当り2信号及び大当り3信号が「ON」であれば、大当り4信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常と判断することができる。
(11)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「異常」が定められている。大当り2信号及び大当り4信号が「ON」であれば、大当り3信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常と判断することができる。
(12)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「BA、通常BA」、備考として「正常、BA&通常BA:適否判定対象」が定められている。つまり、この組み合わせの大当り信号を入力した場合には、BA又は通常BAを算出することが定められている。BA及び通常BAは、それぞれ低確高ベース状態及び通常高確高ベース状態におけるベース値であるが、これらは100%未満の値となることが想定される値である。このため、BA及び通常BAについては、特殊BAとは異なり、ベース値の適否判定の対象とする。
(13)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し」、備考として「異常」が定められている。大当り3信号及び大当り4信号が「ON」であれば、大当り2信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常と判断することができる。
(14)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「ON」、大当り4信号が「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「異常」が定められている。大当り3信号が「ON」であれば、大当り2信号も「ON」となるはずである。従って、この組み合わせは異常と判断することができる。
(15)大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「OFF」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「ON」の場合
この場合には、算出対象として「−(無し)」、備考として「正常」が定められている。この理由は、(9)と同様である。
(16)大当り1信号〜大当り4信号の全てが「OFF」の場合
この場合には、算出対象として「B」、その他として「正常、B:適否判定対象」が定められている。
図31及び図32は、遊技機1における遊技状態と、遊技機1から出力される遊技機信号と、ホールコンピュータ600の処理部610が算出する指標値との関係を説明するためのタイミングチャートである。縦欄には、遊技機1の遊技状態と、その遊技状態において出力される大当り信号とを図示している。また、横軸は時間「t」を示している。また、図30で説明したテーブルに基づき、T1Y及びBAの算出対象とする期間を時間軸に対応付けてそれぞれ図示している。
図31は、遊技機1において確変B大当りが発生した場合のタイミングチャートの一例である。ここでは、通常状態において確変B大当りに当選し、確変B大当り状態を経て、確変B(特殊高確高ベース)状態に遊技機1が制御される場合を例に挙げて説明する。
遊技機1において確変B大当りが発生すると、時刻「t1」においてファンファーレ演出の実行が開示される。このファンファーレ演出の実行が開始されたタイミングが確変B大当り状態の開始のタイミングであり、このタイミングで、大当り1信号〜大当り3信号は「OFF」→「ON」とされる。
ファンファーレ演出の実行が開始された後の時刻「t2」において図柄確定信号が「ON」→「OFF」とされ、時刻「t3」においてファンファーレ演出が終了すると、続いてラウンド期間へと移行し、このタイミングで大当り4信号が「OFF」→「ON」とされる。本実施形態では、以下の説明において、大当り状態における1回目のラウンドの開始から大当り種別に応じた最後のラウンドが終了してエンディング演出が終了するまでの期間を「ラウンド期間」と称する。
ラウンド期間が開始すると、大入賞口が開放され、大入賞口への入賞に伴い賞球がなされる。このタイミングで、大当り1信号〜大当り4信号の全てが「ON」となるため、図30のテーブルに示したように、処理部610は、T1Y及び特殊T1Yの算出を開始する。なお、この時点では、処理部610は大当り種別の判別ができないため、特殊T1Yを算出するか否かの判断を行うことはできない。
時刻「t4」においてラウンド期間が終了すると、大当り種別が「確変B」であったため、確変B(特殊高確高ベース)状態へと移行する。大当り1信号は、大当り中のみ出力されるため、時刻「t4」において大当り1信号は「ON」→「OFF」とされる。その一方で、大当り2信号は高ベース状態で出力されるため「ON」のままとされ(継続して出力され)、大当り3信号及び大当り4信号は特殊高確高ベース状態で出力されるため「ON」のままとされる(継続して出力される)。
大当り1信号が「OFF」となるため、処理部610は、T1Yの算出を終了する。また、大当り3信号及び大当り4信号が「ON」のまま維持されるため、処理部610は、この時点で遊技機が特殊高確高ベース状態に制御されたと判断することができ、引き続き特殊T1Yの算出を継続するとともに、特殊BAの算出を開始する。
特殊高確高ベース状態では始動入賞口への入賞に伴い特図が変動する。この際、第2始動入賞口への入賞による特図2の変動が、第1始動入賞口への入賞による特図1の変動よりも優先的に実行される。この図では時刻「t4」〜「t7」までが特図が変動している状態であり、図柄の確定に伴う図柄確定信号が時刻「t5」において「ON」とされ、時刻「t6」において「OFF」とされた状態を示している。
ここで、特図2の変動で確変B大当りに当選し、それに伴い、時刻「t7」において図柄確定信号が「ON」とされると、その後の時刻「t8」においてファンファーレ演出の実行が開示される。このファンファーレ演出の実行が開始されたタイミングは確変B大当り状態の開始のタイミングであるため、大当り1信号は「OFF」→「ON」とされる。また、大当り2信号及び大当り3信号は大当り状態中も出力されるため「ON」のままとされる。一方、大当り4信号はファンファーレ期間中には出力されないため「ON」→「OFF」とされる。このタイミングで特殊高確高ベース状態は終了となる。つまり、時刻「t4」〜時刻「t8」までの期間が特殊高確高ベース期間となる。このため、処理部610は、特殊T1Y及び特殊BAの算出を終了する。
ファンファーレ演出の実行が開始された後の時刻「t9」において図柄確定信号が「OFF」とされる。そして、時刻「t10」においてファンファーレ演出が終了すると、続いてラウンド期間へと移行し、このタイミングで大当り4信号が「OFF」→「ON」とされる。このタイミングで、処理部610は、T1Y及び特殊T1Yの算出を開始する。
時刻「t11」においてラウンド期間が終了すると、大当り種別が「確変B」であったため、再び確変B(特殊高確高ベース)状態へと移行する。大当り1信号は、大当り中のみ出力されるため、時刻「t11」において大当り1信号は「ON」→「OFF」とされる。その一方で、大当り2信号は高ベース状態で出力されるため「ON」のままとされ(継続して出力され)、大当り3信号及び大当り4信号は特殊高確高ベース状態で出力されるため「ON」のままとされる(継続して出力される)。
大当り1信号が「OFF」となるため、処理部610は、T1Yの算出を終了する。また、大当り3信号及び大当り4信号が「ON」のまま維持されるため、処理部610は、この時点で遊技機が特殊高確高ベース状態に制御されたと判断することができ、特殊T1Yの算出を継続するとともに、特殊BAの算出を開始する。
特殊高確高ベース状態では始動入賞口への入賞に伴い特図が変動する。この際、第2始動入賞口への入賞による特図2の変動が、第1始動入賞口への入賞による特図2の変動よりも優先的に実行される。この図では時刻「t11」〜「t14」までが特図が変動している状態であり、図柄の確定に伴う図柄確定信号が時刻「t12」において「ON」とされ、時刻「t13」において「OFF」とされた状態を示している。
ここで、特図2の変動で非確変大当りに当選し、それに伴い、時刻「t14」において図柄確定信号が「ON」とされると、その後の時刻「t15」においてファンファーレ演出の実行が開示される。このファンファーレ演出の実行が開始されたタイミングは非確変大当り状態の開始のタイミングであるため、大当り1信号は「OFF」→「ON」とされる。また、大当り2信号及び大当り3信号は大当り状態中も出力されるため「ON」のままとされる。一方、大当り4信号はファンファーレ期間中には出力されないため「ON」→「OFF」とされる。この時点で特殊高確高ベース状態は終了となる。つまり、時刻「t11」〜時刻「t15」までの期間が特殊高確高ベース期間となる。このため、処理部610は、特殊T1Y及び特殊BAの算出を終了する。
ファンファーレ演出の実行が開始された後の時刻「t16」において図柄確定信号が「OFF」とされる。そして、時刻「t17」においてファンファーレ演出が終了すると、続いてラウンド期間へと移行し、このタイミングで大当り4信号が「OFF」→「ON」とされる。この時点で、処理部610は、T1Y及び特殊T1Yの算出を開始する。なお、この時点では、処理部610は大当り種別の判別ができないため、特殊T1Yを算出するか否かの判断を行うことはできない。
時刻「t18」においてラウンド期間が終了すると、大当り種別が「非確変」であったため、低確高ベース状態へと移行する。大当り2信号は高ベース状態で出力されるため「ON」のままとされるが、大当り1信号、大当り3信号及び大当り4信号は、このタイミングで「ON」→「OFF」とされる。これにより、処理部610は、この時点で遊技機が低確高ベース状態に制御されたと判断することができ、T1Y及び特殊T1Yの算出を終了するとともに、BAの算出を開始する。
図32は、遊技機1において確変A大当りが発生した場合のタイミングチャートの一例である。ここでは、通常状態において確変A大当りに当選し、確変A大当り状態を経て、確変A(通常高確高ベース)状態に遊技機1が制御される場合を例に挙げて説明する。
遊技機1において確変A大当りが発生すると、時刻「t21」においてファンファーレ演出の実行が開示される。このファンファーレ演出の実行が開始されたタイミングが確変A大当り状態の開始のタイミングであり、このタイミングで、大当り1信号〜大当り3信号は「OFF」→「ON」とされる。
ファンファーレ演出の実行が開始された後の時刻「t22」において図柄確定信号が「ON」→「OFF」とされ、その後の時刻「t23」においてファンファーレ演出が終了すると、続いてラウンド期間へと移行し、このタイミングで大当り4信号が「OFF」→「ON」とされる。
ラウンド期間が開始すると、大入賞口が開放され、大入賞口への入賞に伴い賞球がなされる。この時点で、大当り1信号〜大当り4信号の全てが「ON」となるため、図30のテーブルに示したように、処理部610は、T1Y及び特殊T1Yの算出を開始する。なお、この時点では、処理部610は大当り種別の判別ができないため、特殊T1Yを算出するか否かの判断を行うことはできない。
時刻「t24」においてラウンド期間が終了すると、大当り種別が「確変A」であったため、確変A(通常高確高ベース)状態へと移行する。大当り1信号は、大当り中のみ出力されるため、時刻「t24」において大当り1信号は「ON」→「OFF」とされる。また、大当り2信号は高ベース状態で出力されるため「ON」のままとされる(継続して出力される)。しかし、大当り3信号及び大当り4信号は通常高確高ベース状態では出力されないため「ON」→「OFF」とされる(出力が停止される)。
大当り1信号が「OFF」となるため、処理部610は、T1Yの算出を終了する。また、大当り3信号及び大当り4信号が「OFF」とされるため、処理部610は、この時点で遊技機1が通常高確高ベース状態に制御されたと判断することができ、特殊T1Yの算出を終了するとともに、通常BAの算出を開始する。
通常高確高ベース状態では、特殊高確高ベース状態と同様に、始動入賞口への入賞に伴い特図が変動する。この際、第2始動入賞口への入賞による特図2の変動が、第1始動入賞口への入賞による特図2の変動よりも優先的に実行される。この図では時刻「t24」〜「t31」までが特図が変動している状態であり、図柄の確定に伴う図柄確定信号が、時刻「t25」〜「t26」、時刻「t27」〜「t28」、時刻「t29」〜「t30」でそれぞれ「ON」→「OFF」とされた状態を示している。
ここで、特図2の変動で確変B大当りに当選し、それに伴い、時刻「t31」において図柄確定信号が「ON」とされると、その後の時刻「t32」においてファンファーレ演出の実行が開示される。このファンファーレ演出の実行が開始されたタイミングは確変B大当り状態の開始のタイミングであるため、大当り1信号は「OFF」→「ON」とされる。また、大当り2信号は大当り状態中も出力されるため「ON」のままとされる。大当り3信号は通常高確高ベース状態では出力されないが、大当り状態中は出力されるため「OFF」→「ON」とされる。一方、大当り4信号はファンファーレ期間中には出力されないため「OFF」のままとされる。この時点で通常高確高ベース状態は終了となる。つまり、時刻「t24」〜時刻「t32」までの期間が通常高確高ベース期間となる。このため、処理部610は、通常BAの算出を終了する。
ファンファーレ演出の実行が開始された後の時刻「t33」において図柄確定信号が「OFF」とされる。そして、その後の時刻「t34」においてファンファーレ演出が終了すると、続いてラウンド期間へと移行し、このタイミングで大当り4信号が「OFF」→「ON」とされる。この時点で、処理部610は、T1Y及び特殊T1Yの算出を開始する。
時刻「t35」においてラウンド期間が終了すると、大当り種別が「確変B」であったため、特殊高確高ベース状態へと移行する。大当り1信号は、大当り中のみ出力されるため、時刻「t35」において大当り1信号は「ON」→「OFF」とされる。その一方で、大当り2信号は高ベース状態で出力されるため「ON」のままとされ(継続して出力され)、大当り3信号及び大当り4信号は特殊高確高ベース状態で出力されるため「ON」のままとされる(継続して出力される)。以降は、図31と同様である。
図33は、本実施形態における通常高確高ベース状態及び特殊高確高ベース状態におけるベース値の説明図である。この図には、各高ベース状態における特図の変動状態と小当り状態とを含む帯を、横軸を時間軸として示している。
図33(A)は、通常高確高ベース状態におけるベース値の説明図である。
通常高確高ベース状態では、小当りの当選確率が「1/15」と高く設定されているため、例えば「短縮変動→短縮変動→小当り→短縮変動→短縮変動→短縮変動→小当り→短縮変動→・・・」といったように短縮変動と小当りとが繰り返される状態となる。通常高確高ベース状態では、前述したように、「ハズレ」に対応する特図の変動が「3秒〜5秒」程度の変動時間に基づく短縮変動として実行される。
図33(B)は、特殊高確高ベース状態におけるベース値の説明図である。
特殊高確高ベース状態では、小当りの当選確率が「1/15」と高く設定されているため、例えば「超短縮変動→超短縮変動→小当り→超短縮変動→超短縮変動→超短縮変動→小当り→超短縮変動→・・・」といったように超短縮変動と小当りとが繰り返される状態となる。特殊高確高ベース状態では、前述したように、「ハズレ」に対応する特図の変動が「0.5秒〜1秒」程度の変動時間に基づく超短縮変動として実行される。
上記のように、通常高確高ベース状態では、特殊高確高ベース状態と比べて、特図の変動時間が相対的に長く、小当り変動の変動時間も相対的に長いため、小当りが到来するまでの期間に遊技者が打ち込む玉数に対する第2始動入賞口への入賞に伴う賞球によって払い出される玉数の割合が低くなり、結果としてベース値が100%を下回る状態となる。つまり、これは通常BAを100%未満(通常BA<100%)とする設計であり、この状態は、いわば「減るベース」と言うことができる。
これに対し、特殊高確高ベース状態では、通常高確高ベース状態と比べて、特図の変動時間が相対的に短く、小当り変動の変動時間も相対的に短いため、小当りが到来するまでの期間に遊技者が打ち込む玉数に対する第2始動入賞口への入賞に伴う賞球によって払い出される玉数の割合が高くなり、結果としてベース値が100%を上回る状態となる。つまり、これは特殊BAを100%超(特殊BA>100%)とする設計であり、この状態は、いわば「増えるベース」と言うことができる。
[2−6.玉管理コンピュータの機能構成]
図34は、玉管理コンピュータ800の機能構成の一例を示す図である。
玉管理コンピュータ800は、処理部810と、入力部820と、表示部830と、通信部840と、時計部850と、記憶部860とを備えて構成される。
処理部810は、記憶部860に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、玉管理コンピュータ800の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
入力部820は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部810に出力する。
表示部830は、処理部810から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部830には、記憶部860に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部840は、台間計数ユニット500との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。通信部840は、台間計数ユニット500から認証要求信号を受信する。
時計部850は、玉管理コンピュータ800が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部850の計時時刻(日付を含む。)は処理部810に随時出力される。
記憶部860には、処理部810により玉管理処理として実行される玉管理プログラム861と、持玉カード管理データ865と、ユニット管理データ867とが記憶される。
持玉カード管理データ865は、持玉カードの管理データであり、例えば、遊技者が所持する持玉カードに付与される持玉カードIDと、当該持玉カードが発行された日時である発行日時と、遊技者が所持する持玉数とが対応付けて記憶される。
ユニット管理データ867は、台間計数ユニット500の管理データであり、例えば、台間計数ユニット500のユニットIDが対応する遊技機1や対応するデータ表示装置400のIDと対応付けて記憶される。
[2−7.処理]
図35は、ホールコンピュータ600の処理部610が、ROM670に記憶された管理プログラム671に従って実行する管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部610は、各データ表示装置400それぞれについて、ループAの処理を実行する(A1〜A7)。ループAの処理は、各データ表示装置400について順番に実行される処理である。
ループAの処理では、処理部610は、ROM670に記憶されている設定用データ生成プログラム671aに従って、設定用データ生成処理を行う(A1)。
具体的には、設定用データ生成部611が、ハードディスク670に記憶されている表示内容設定用テーブル681や表示態様設定用テーブル682、不図示の音出力設定用テーブル、発光設定用テーブル等の設定用テーブルに基づいて、前述した方法を用いて当該データ表示装置400用の表示装置設定用データ691を生成する。そして、処理部610は、生成した表示装置設定用データ691をRAM690に記憶させる(A3)。
次いで、処理部610は、生成した表示装置設定用データ691を当該データ表示装置400に送信する(A5)。そして、処理部610は、次のデータ表示装置400へと処理を移す。
なお、上記とは異なり、データ表示装置400の設定用データである表示装置設定用データ691を、対応する遊技機1の機種や遊技機1が設置される遊技島毎に生成するようにし、処理部610は、ループAの処理を、遊技機1の機種単位や遊技島単位で実行するようにしてもよい。
ループAの処理を終了したならば(A7)、処理部610は、各遊技機1それぞれについて、ループBの処理を実行する(A9〜A33)。ループBの処理では、処理部610は、当該遊技機1から出力される遊技機信号を判定する(A11)。
次いで、処理部610は、判定した遊技機信号に基づいて、当該遊技機1について何らかの異常が発生しているか否かを判定し(A13)、異常が発生していると判定したならば(A13;Yes)、その異常を店舗の管理者等に報知するための異常報知処理を実行する(A31)。具体的には、例えば、異常が発生した遊技機1のIDや台番号と対応付けて、異常が発生した旨、及び、発生した異常の種類を表示部625に表示させるなどして、異常の発生を報知する。そして、処理部610は、次の遊技機1へと処理を移す。
一方、異常が発生していないと判定したならば(A13;No)、処理部610は、大当り条件が成立したか否かを判定する(A15)。大当り条件は、当該遊技機1について、例えば、大当り1信号「ON」、大当り2信号「ON」、大当り3信号「ON」、図柄確定信号「OFF」となることとして定めておくことができる。そして、大当り条件が成立したと判定したならば(A15;Yes)、処理部610は、大当り時処理を実行する(A17)。
図36は、大当り時処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部610は、大当り回数を更新し、ハードディスク680に記憶させる(B1)。大当り回数は、遊技機による有利状態の制御に関する情報である有利状態情報の一例である。つまり、処理部610は、遊技機1から入力される信号のうち、少なくとも大当り1信号に基づいて、大当り回数を更新して集計する。なお、有利状態情報として、大当り回数の他にも、大当りの制御割合や大当りの制御時間といった大当りに関する他の種類の情報を更新して集計可能としてもよい。
次いで、処理部610は、当該遊技機1から大当り4信号を入力したか否かを判定し(B3)、入力していないと判定したならば(B3;No)、大当り条件が成立してからの経過時間が予め定められた異常判定時間を経過したか否かを判定する(B5)。異常判定時間は、例えば、当該遊技機1のファンファーレ演出の実行が開始されてから終了するまでの時間に一定時間分(例えば数秒程度)の猶予時間を加算した時間として定めておくことができる。
異常判定時間が経過していないと判定したならば(B3;Yes)、処理部610は、B3に処理を戻す。一方、異常判定時間が経過したと判定したならば(B5;Yes)、処理部610は、異常報知処理を実行する(B7)。具体的には、当該遊技機1に異常が発生している可能性があることを店舗の管理者等に報知するためのメッセージを表示部625に表示させるなどの処理を実行する。そして、処理部610は、大当り時処理を終了する。
一方、大当り4信号を入力したと判定したならば(B3;Yes)、処理部610は、T1Y算出用玉数を算出し、RAM690に更新記憶させる(B9)。T1Y算出用玉数は、T1Y及び特殊T1Yを算出するために用いられる玉数であり、アウト(打込玉数)とセーフ(払出玉数)とがこれに含まれる。具体的には、当該遊技機1に対応して設けられるアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいてアウトを算出し、当該遊技機1から出力される賞球数に基づいてセーフを算出する。
次いで、処理部610は、当該遊技機1から大当り4信号を入力しなくなったか否かを判定し(B11)、大当り4信号を入力中であると判定したならば(B11;No)、B9に処理を戻す。一方、大当り4信号を入力しなくなったと判定したならば(B11;Yes)、処理部610は、大当り時処理を終了する。
管理処理に戻り、大当り時処理を実行した後(A17)、又は、大当り条件が成立しなかったと判定した場合(A15;No)、処理部610は、特殊高確高ベース条件が成立したか否かを判定する(A19)。特殊高確高ベース条件は、当該遊技機1から出力される大当り信号について、例えば、大当り1信号「OFF」、大当り2信号「ON」、大当り3信号「ON」、大当り4信号「ON」となることとして定めておくことができる。そして、特殊高確高ベース条件が成立したと判定したならば(A19;Yes)、処理部610は、特殊高確高ベース時処理を実行する(A21)。
図37は、特殊高確高ベース時処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部610は、ベースフラグを「2(特殊高確高ベース)」に設定する(C1)。そして、TY算出部613は、T1Y算出処理を実行する(C3)。具体的には、RAM690に記憶されている最新のT1Y算出用玉数に基づき、「セーフ−アウト」によってT1Yを算出する。そして、当該遊技機1の遊技機IDと対応付けてT1Yの算出値をハードディスク680のTY情報集計データベース688に記憶させる。
次いで、TY算出部613は、最新のT1Y算出用玉数を特殊T1Y算出用玉数としてRAM690に記憶させる(C5)。特殊T1Y算出用玉数は、特殊T1Yを算出するために用いられる玉数であり、特殊アウト(打込数)と特殊セーフ(払出数)とがこれに含まれる。具体的には、RAM690に記憶されている最新のT1Y算出用玉数に含まれるアウトとセーフのそれぞれを特殊アウト及び特殊セーフとする。
次いで、TY算出部613は、特殊T1Y算出用玉数を算出し、RAM690に更新記憶させる(C7)。具体的には、当該遊技機1に対応して設けられるアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて特殊アウトを算出し、当該遊技機1から出力される賞球数に基づいて特殊セーフを算出する。
次いで、ベース算出部615は、特殊BA算出用玉数を算出し、RAM690に更新記憶させる(C9)。特殊BA算出用玉数は、特殊BAを算出するために用いられる玉数であり、特殊R(特殊高確高ベース払出数)と特殊アウト(特殊高確高ベース打込数)とがこれに含まれる。具体的には、当該遊技機1に対応して設けられるアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて特殊アウトを算出し、当該遊技機1から出力される賞球数に基づいて特殊Rを算出する。
その後、処理部610は、特殊高確高ベース終了条件が成立したか否かを判定する(C11)。特殊高確高ベース終了条件は、当該遊技機1から出力される大当り信号について、例えば、大当り1信号「ON」、大当り2信号「ON」、大当り3信号「ON」、大当り4信号「OFF」となることとして定めておくことができる。特殊高確高ベース終了条件が成立しなかったと判定したならば(C11;No)、処理部610は、C7に処理を戻す。
一方、特殊高確高ベース終了条件が成立したと判定したならば(C11;Yes)、TY算出部613は、特殊T1Y算出処理を実行する(C13)。具体的には、RAM690に記憶されている最新の特殊T1Y算出用玉数に基づき、「特殊セーフ−特殊アウト」によって特殊T1Yを算出する。そして、当該遊技機1の遊技機IDと対応付けて特殊T1Yの算出値をハードディスク680のTY情報集計データベース688に記憶させる。
また、ベース算出部615は、特殊BA算出処理を実行する(C15)。具体的には、RAM690に記憶されている最新の特殊BA算出用玉数に基づき、「(特殊R/特殊アウト)×100」によって特殊BA(%)を算出する。そして、当該遊技機1の遊技機IDと対応付けて特殊BAの算出値をハードディスク680のベース情報集計データベース689に記憶させる。
その後、処理部610は、ベースフラグを「0(低ベース)」に設定する(C17)。そして、処理部610は、特殊高確高ベース時処理を終了する。
管理処理に戻り、特殊高確高ベース時処理を実行した後(A21)、又は、特殊高確高ベース条件が成立しなかったと判定した場合(A19;No)、処理部610は、通常高確高ベース条件が成立したか否かを判定する(A23)。通常高確高ベース条件は、当該遊技機1から出力される大当り信号について、例えば、大当り1信号「OFF」、大当り2信号「ON」、大当り3信号「OFF」、大当り4信号「OFF」となることとして定めておくことができる。そして、通常高確高ベース条件が成立したと判定したならば(A23;Yes)、処理部610は、通常高確高ベース時処理を実行する(A25)。
図38は、通常高確高ベース時処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部610は、ベースフラグを「1(通常高確高ベース)」に設定する(D1)。そして、TY算出部613は、T1Y算出処理を実行する(D3)。具体的には、RAM690に記憶されている最新のT1Y算出用玉数に基づき、「セーフ−アウト」によってT1Yを算出する。そして、当該遊技機1の遊技機IDと対応付けてT1Yの算出値をハードディスク680のTY情報集計データベース688に記憶させる。
次いで、ベース算出部615は、通常BA算出用玉数を算出し、RAM690に更新記憶させる(D5)。通常BA算出用玉数は、通常BAを算出するために用いられる玉数であり、通常R(通常高確高ベース払出数)と通常アウト(通常高確高ベース打込数)とがこれに含まれる。具体的には、当該遊技機1に対応して設けられるアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて通常アウトを算出し、当該遊技機1から出力される賞球数に基づいて通常Rを算出する。
その後、処理部610は、通常高確高ベース終了条件が成立したか否かを判定する(D7)。通常高確高ベース終了条件は、当該遊技機1から出力される大当り信号について、例えば、大当り1信号「ON」、大当り2信号「ON」、大当り3信号「ON」、大当り4信号「OFF」となることとして定めておくことができる。通常高確高ベース終了条件が成立しなかったと判定したならば(D7;No)、処理部610は、D5に処理を戻す。
通常高確高ベース終了条件が成立したと判定したならば(D7;Yes)、ベース算出部615は、通常BA算出処理を実行する(D9)。具体的には、RAM690に記憶されている最新の通常BA算出用玉数に基づき、「(通常R/通常アウト)×100」によって通常BA(%)を算出する。そして、当該遊技機1の遊技機IDと対応付けて通常BAの算出値をハードディスク680のベース情報集計データベース689に記憶させる。
次いで、ベース適否判定部617が、通常BA適否判定処理を実行する(D11)。具体的には、D9で通常BAの算出値が、機種情報テーブル685の当該遊技機1について記憶されているBA基準情報データのうちの種別「通常BA」に対応して定められているBA基準情報(BA基準下限値、BA基準上限値、BA基準値)から規定される通常BA基準範囲に含まれるか否かを判定する。そして、含まれると判定した場合は、通常BAは適正と判定し、含まれないと判定した場合は、通常BAは不適正と判定する。そして、処理部610は、BA適否判定処理の判定結果(適正/不適正)を通常BAの算出値と対応付けて、ハードディスク680のベース情報集計データベース689に記憶させる。
次いで、処理部610は、通常BA適否判定処理の判定結果が不適正であったか否かを判定し(D13)、不適正であったと判定したならば(D13;Yes)、通常BA異常報知処理を実行する(D15)。具体的には、当該遊技機1の遊技機IDと対応付けて、通常BAは不適正であることを店舗の管理者等の報知するためのメッセージを表示部625に表示させる等の処理を実行する。
その後、処理部610は、ベースフラグを「0(低ベース)」に設定する(D17)。そして、処理部610は、通常高確高ベース時処理を終了する。
管理処理に戻り、通常高確高ベース処理を実行した後(A25)、又は、通常高確高ベース条件が成立しなかったと判定した場合(A23;No)、処理部610は、低確高ベース条件が成立したか否かを判定する(A27)。低確高ベース条件は、当該遊技機1から出力される大当り信号について、例えば、大当り1信号が「OFF」、大当り2信号が「ON」、大当り3信号が「OFF」、大当り4信号が「OFF」となることとして定めておくことができる。そして、低確高ベース条件が成立したと判定したならば(A27;Yes)、処理部610は、低確高ベース時処理を実行する(A29)。なお、低確高ベース時処理については、前述した原理に基づき簡易に実現可能であるため、フローチャートは省略する。
低確高ベース処理を実行した後(A29)、又は、低確高ベース条件が成立しなかったと判定した場合(A27;No)、処理部610は、次の遊技機1へと処理を移す。そして、全ての遊技機1についてA11〜A31の処理を実行したならば、処理部610は、ループBの処理を終了する(A33)。
なお、ここで、図示は省略しているが、遊技機1が通常状態に制御されている場合には、ベース算出部615が、通常BAや特殊BAと同様に、Bを算出する。そして、ベース適否判定部617が、機種情報テーブル685のうち、当該遊技機1の機種に対応する機種情報データに記憶されている基準情報データを参照して、Bの算出値が、当該基準情報データから特定される基準範囲内の値となっているか否かを判定する。そして、基準範囲内の値となっている場合には、Bの算出値は適正と判定し、基準範囲内の値となっていない場合には、Bの算出値は不適正と判定する。
また、遊技機1が非確変状態に制御されている場合には、ベース算出部615が、通常BAや特殊BAと同様に、BAを算出する。そして、ベース適否判定部617が、機種情報テーブル685のうち、当該遊技機1の機種に対応する機種情報データに記憶されている基準情報データを参照して、BAの算出値が、当該基準情報データから特定される基準範囲内の値となっているか否かを判定する。そして、基準範囲内の値となっている場合には、BAの算出値は適正と判定し、基準範囲内の値となっていない場合には、BAの算出値は不適正と判定する。
また、本実施形態では、処理部610が特殊BAについては適否判定処理を実行しないこととして説明したが、特殊BAについても適否判定処理を実行するようにしてもよい。この場合は、ベース適否判定部617が、機種情報テーブル685のうち、当該遊技機1の機種に対応する機種情報データに記憶されている基準情報データを参照して、特殊BAの算出値が、当該基準情報データから特定される基準範囲内の値となっているか否かを判定する。そして、基準範囲内の値となっている場合には、特殊BAの算出値は適正と判定し、基準範囲内の値となっていない場合には、特殊BAの算出値は不適正と判定すればよい。
また、ベース値の適否判定処理のみならず、処理部610が、TYの算出値が適正な値であるか否かを判定するTY適否判定処理を実行するようにしてもよい。遊技機1の仕様等に基づき、店舗側では、遊技機1の大当り状態における払出数(セーフ)と大当り遊技状態を消化するために打ち込まれた打込数(アウト)とを概算することができる。このため、TY(T1Yや特殊T1Y)の算出値がどれくらいの数値範囲の値となるか(T1Yの基準情報)を把握することができる。
そこで、処理部610は、例えば、当該遊技機1の機種について、店舗の管理者等が予め入力するなどして設定しておいたT1Yの基準情報に基づいて、T1Yの算出値が適正な値となっているか否かを判定するTY適否判定処理を実行し、その判定結果(適正/不適正)をハードディスク680のTY情報集計データベース688にTYの算出値と対応付けて記憶させるようにしてもよい。なお、ここではT1Yを例に挙げて説明したが、TYについても同様にして適否判定を行うようにしてもよい。
ループBの処理を終了した後(A33)、処理部610は、TY情報を表示部625に表示させる表示条件が成立したか否かを判定する(A35)。具体的には、例えば、管理者等によって、操作部620を介してTY情報を表示させる指示操作がなされたか否かを判定する。
成立したと判定したならば(A35;Yes)、処理部610は、TY情報表示処理を実行する(A37)。具体的には、TY(T1Y、特殊T1Y等)の算出値や当該算出値の適否判定結果等を表示部625に表示させる制御を行う。この際、店舗の管理者が操作部620を介して遊技機1の個別単位や機種単位、遊技島単位、全部といった各種の単位で表示させるT1Y情報を指定することを可能とし、指定された単位でT1Y情報を表示部625に表示させるようにすると好適である。
次いで、処理部610は、ベース情報を表示部625に表示させる表示条件が成立したか否かを判定する(A39)。具体的には、例えば、管理者等によって、操作部620を介してベース情報を表示させる指示操作がなされたか否かを判定する。
成立したと判定したならば(A39;Yes)、処理部610は、ベース情報表示処理を実行する(A41)。具体的には、ベース値(B、特殊BA、通常BA等)の算出値や当該算出値の適否判定結果等を表示部625に表示させる制御を行う。この際、上記と同様に、店舗の管理者が操作部620を介して遊技機1の個別単位や機種単位、遊技島単位、全部といった各種の単位で表示させるベース情報を指定することを可能とし、指定された単位でベース情報を表示部625に表示させるようにすると好適である。
その後、処理部610は、処理を終了するか否かを判定し(A43)、処理を継続すると判定したならば(A43;No)、A9に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(A43;Yes)、処理部610は、管理処理を終了する。
[2−8.データ表示装置の表示]
上記の実施形態において、データ表示装置400の表示部には、対応する遊技機1に関する各種の遊技情報を表示させることができる。具体的には、データ表示装置400の処理部は、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて、大当り回数(総合大当り回数、非確変大当り回数、確変A大当り回数、確変B大当り回数)やスタート回数、出玉、差玉等の情報を遊技情報として算出・集計し、集計した遊技情報を表示部に表示させることができる。また、データ表示装置400の処理部は、対応する台間計数ユニット500から出力されるユニット信号に基づいて、遊技者の持玉を遊技情報として算出・集計することができる。
この場合、データ表示装置400の処理部は、対応する遊技機1から出力される大当り信号(大当り1信号〜大当り4信号)に基づいて、上記に示したホールコンピュータ600と同様の手法で、対応する遊技機1の遊技状態を判定することできる。このため、データ表示装置400の処理部は、通常状態と、非確変(低確高ベース)状態と、確変A(通常高確高ベース)状態と、確変B(特殊高確高ベース)状態とをそれぞれ区別して遊技情報を算出・集計した上で、集計した遊技情報を遊技状態毎に区別して表示部に表示させることができる。
大当り回数は、図30に示したテーブルに従って、対応する遊技機1から出力される大当り1信号〜大当り4信号の組み合わせから判定することができる。スタート回数は、対応する遊技機1から出力される全始動口信号に基づいて算出することができる。出玉は、対応する遊技機1から出力される賞球信号に基づいて算出することができる。差玉は、対応する遊技機1から出力される賞球信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて算出することができる。また、持玉は、対応する台間計数ユニット500から出力される玉計数信号及び玉払出信号に基づいて算出することができる。
[2−9.作用効果]
第1遊技用システム1000Aにおいて、遊技機1は、大当り状態(有利状態)の終了後に、大当り状態とは異なる契機により遊技球を付与可能な高確高ベース状態(特別状態)に制御可能な遊技制御用マイクロコンピュータ100(特別状態制御手段)を備える。高確高ベース状態は、通常高確高ベース状態(第1特別状態)と、該通常高確高ベース状態よりも出玉が付与され易い特殊高確高ベース状態(第2特別状態)とを含む。遊技機1は、通常高確高ベース状態及び特殊高確高ベース状態に対応する大当り2信号(特別信号)と、通常高確高ベース状態には対応せず特殊高確高ベース状態には対応する大当り3信号及び大当り4信号(特定信号)と、を出力可能な外部出力基板13を備える。
これによれば、大当り2信号と、大当り3信号又は大当り4信号と、に基づいて、遊技機1が通常高確高ベース状態と特殊高確高ベース状態とのいずれの高確高ベース状態に制御されたかを、ホールコンピュータ600等の外部装置において正しく把握することが可能となる。
また、ホールコンピュータ600は、通常高確高ベース状態及び特殊高確高ベース状態に対応する大当り2信号(特別信号)と、通常高確高ベース状態には対応せず特殊高確高ベース状態には対応する大当り3信号及び大当り4信号(特定信号)と、遊技球の付与に対応する賞球信号(所定信号)と、を遊技機1から入力可能な第1通信部640を備え、第1通信部640に入力される信号に基づいて、通常高確高ベース状態(第1特別状態)と特殊高確高ベース状態(第2特別状態)とを区別して、遊技者に付与された出玉に対応するベース値及びTY(特定値)を算出可能な処理部610(特定値算出手段)を備える。
これによれば、遊技機1から出力される信号に基づいて、通常高確高ベース状態と特殊高確高ベース状態とのそれぞれの遊技状態において遊技者に付与された遊技価値に関する情報を適切に集計して管理することが可能となる。
[3.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[3−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技機として説明したが、遊技機はこれに限られるわけではない。
[3−1−1.スロットマシン]
本発明に係る遊技機を、遊技メダルを用いて遊技可能なスロットマシンを本発明に係る遊技機としてもよい。この場合は、遊技者にとって有利な有利状態を、各種のチャレンジタイム(アシストタイム(AT)、アシストリプレイタイム(ART)等)状態やボーナス(レギュラーボーナス(RB)、ビッグボーナス(BB)等)状態とすればよい。
[3−1−2.KT機]
本発明に係る遊技機を、2種類の小当りタイム(KT)状態に制御可能な遊技機としてもよい。具体的には、遊技機1を、通常状態と、遊技者にとって有利な大当り状態に制御可能であり、大当り状態の終了後に、大当り状態とは異なる契機により遊技球を付与可能な小当りタイム状態(以下、「KT状態」という。)に制御可能とする。この場合は、遊技機1を、いわゆる複数特図同時変動タイプの遊技機として構成し、遊技制御マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動させるように制御する(特図1特図2同時変動タイプ)。
KT状態は、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、第2特別図柄の変動時に選択される変動パターンの特図変動時間が通常状態よりも短く、通常状態よりも一定時間に対する変動の割合を高くする。そして、第2特別図柄の変動時には、第1特別図柄の変動時と比べて、小当りに当選する確率が高くなるように設定しておくことで、KT状態では、通常状態よりも小当りになり易い遊技状態とする。つまり、KT状態とは、第2特別図柄の変動時間が通常状態よりも短縮されており、第2特別図柄の変動による小当りが比較的短い間隔で発生するようになっている遊技状態である。第2特別図柄の変動では、第1特別図柄の変動と比べて、小当りに制御される割合を高く設定しておく。
本変形例では、遊技機1は、通常KT状態と特殊KT状態との2種類のKT状態に制御可能とする。KT状態は特別状態に相当し、通常KT状態は第1特別状態に相当し、特殊KT状態は第2特別状態に相当する。
この場合、例えば、可変表示結果「ハズレ」の変動パターンと可変表示結果「小当り」の変動パターンとについては、通常KT状態と特殊KT状態とで共通で、超短縮変動を実現可能な特図変動時間(例えば1秒(1000ms))を定めておく。また、特殊KT状態について、可変表示結果「大当り」の変動パターンについては、通常KT状態と特殊KT状態とで共通で、比較的長い時間(例えば15秒(15000ms))を定めておく。
この場合、遊技機1の外部出力基板16からは、上記の実施形態と同様に、制御されたKT状態の種別を外部装置において特定可能な信号を出力させるようにすればよい。具体的には、図24に示した遊技機信号において、大当り2信号を、遊技機1が大当り状態及びKT状態に制御されている期間に出力されるパルス信号とする。ここで言うKT状態には、通常KT状態及び特殊KT状態の両方が含まれる。また、大当り3信号を、遊技機1が大当り状態に制御されている期間と特殊KT状態に制御されている期間との両方に対応する期間に出力されるパルス信号とする。また、大当り4信号は、遊技機1が大当り状態に制御されている期間のうちファンファーレ演出が実行されるファンファーレ期間を除外した期間と特殊KT状態に制御されている期間との両方に対応する期間に出力されるパルス信号とする。
また、この場合における遊技機1の構成としては、例えば、いわゆる右打ちタイプの遊技機として構成することができる。具体的には、盤面上の右打ち領域の上流から下流に向けて、順番に、第1特別可変入賞球装置(第1大入賞口:上アタッカー)→普通可変入賞球装置(第2始動入賞口:電チュー)→第2特別可変入賞球装置(第2大入賞口:下アタッカー)を構成する。普通可変入賞球装置は、第1可変装置に相当し、第2特別可変入賞球装置は、第2可変装置に相当する。
この場合、遊技機1の遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ソレノイド回路111を介してソレノイド駆動信号を各入賞球装置それぞれに対応して設けられるソレノイドに伝送することで、対応する入賞球装置を開閉させるように制御する。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、KT状態に制御する場合に、ソレノイド駆動信号を普通可変入賞球装置に対応するソレノイドに伝送して、普通可変入賞球装置を開閉させるように制御する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、大当り状態に制御する場合に、ソレノイド駆動信号を第1特別可変入賞球装置に対応するソレノイドに伝送して、第1特別可変入賞球装置を開閉させるように制御する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、小当り状態に制御する場合に、ソレノイド駆動信号を第2可変入賞球装置に対応するソレノイドに伝送して、第2可変入賞球装置を開閉させるように制御する。具体的には、小当り状態では、第2特別可変入賞球装置に遊技球が入賞可能な開状態に所定期間(例えば1秒)制御する。
また、通常KT状態では、普通可変入賞球装置の開閉パターンを、例えば「開放10秒/閉鎖0.5秒」とし、普通可変入賞球装置の開放時間の方が閉鎖時間よりも長くなるように制御する。この場合、普通可変入賞球装置の開放時間が閉鎖時間よりも遥かに長いため、小当り状態において遊技者によって打ち込まれた遊技球は、その大部分が普通可変入賞球装置に入賞することとなり、第2特別可変入賞球装置にはほとんど入賞できない状態となる。その結果、通常KT状態では、小当り状態にて低頻度で遊技球が第2可変入賞球装置に入賞可能な低頻度入賞小当り状態とすることができる。
それに対し、特殊KT状態では、普通可変入賞球装置の開閉パターンを、例えば「開放0.5秒/閉鎖3秒」とし、普通可変入賞球装置の閉鎖時間の方が開放時間よりも長くなるように制御する。これにより、小当り状態において遊技者によって打ち込まれた遊技球は、その大部分が第2特別可変入賞球装置に入賞可能な状態となる。その結果、特殊KT状態では、小当り状態にて高頻度で遊技球が第2可変入賞球装置に入賞可能な高頻度入賞小当り状態とすることができる。
また、上記の他にも、普図変動時間には、通常KT状態と特殊KT状態とで共通の時間(例えば0.5秒)を定めておき、普図図柄確定期間についても、通常KT状態と特殊KT状態とで共通の時間(例えば0,5秒)を定めておき、これらの普図変動時間及び普図図柄確定期間に従って、普通図柄表示器20に普図を変動表示(可変表示)させるようにしてもよい。また、この他に、一の遊技球にて、普通図柄と特別図柄との両方が所定期間(例えば200ms)内始動可能に盤面を構成することによって、普通可変入賞球装置の開閉と第2特別可変入賞球装置とを実質的に同期させてもよい。この場合、通常KT状態では、小当り状態での第2特別可変入賞球装置の開放期間において、普通可変入賞球装置が開放状態となるように制御し、特殊KT状態では、小当り状態による開放期間において、普通可変入賞球装置が閉鎖状態となるように制御することができる。
なお、特殊KT状態と通常KT状態とで、上記の普通変動時間や普図図柄確定期間を異ならせるようにしてもよい。具体的には、特殊KT状態の方が通常KT状態よりも普通変動時間や普図図柄確定期間を短くしてもよい。
[3−1−3.その他]
また、上記の実施形態において、遊技機1の大入賞口に特殊領域としてV領域を設け、大入賞口の開放中に遊技球が特殊領域を通過したことを条件に、確変状態に制御するようにしてもよい。また、大当りの種別によって、大入賞口の開放パターンを異なる開放パターンとし、特殊領域の通過しやすさを変化させてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技機1を第1特別図柄での小当りが発生しないタイプの遊技機として説明したが、第1特別図柄での小当りが発生するタイプの遊技機として構成してもよい。また、上記の実施形態において、遊技機1が次回大当りまで確変状態に制御するものであったが、所定回数(例えば100回)の可変表示の実行により確変状態の制御が終了するタイプ(いわゆるST(スペシャルタイム)タイプ)の遊技機として構成してもよい。
また、本発明に係る遊技機は、従来型のパチンコ遊技機やスロットマシンに限らず、遊技球を内部に封入して循環させる封入方式パチンコ遊技機や、遊技点(持点)によって遊技を行う遊技点方式スロットマシンとしてもよい。
[3−2.管理装置]
上記の実施形態では、本発明に係る管理装置をホールコンピュータ600として説明したが、ホールコンピュータ600に代えて、玉管理コンピュータ800を、本発明に係る管理装置としてもよい。
また、会員情報を管理する会員管理コンピュータや、カード情報を管理するカード管理コンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。また、これらの管理コンピュータのうちの2以上の機能を有するコンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。
この場合、上記の各種の管理装置が、遊技機から出力される遊技機信号に基づいて、上記の実施形態で説明した各種の指標値を算出して集計するようにすればよい。
[3−3.遊技用装置]
上記の実施形態では、遊技機に対応して、遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置400が設けられることとして説明した。また、遊技機に対応して、遊技用装置及び記録媒体処理装置の一種である台間計数ユニット500が設けられることとして説明した。この場合、データ表示装置400を従来型の呼出ランプ装置に置き換えてもよいし、台間計数ユニット500をカードユニットに置き換えてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技機から出力される遊技機信号に基づいて、管理装置が各種の指標値を算出して集計する例を挙げて説明したが、これに代えて、上記の各種の遊技用装置が、遊技機から出力される遊技機信号に基づいて各種の指標値を算出・集計して、表示部に表示させるなどしてもよい。この場合、遊技用装置における指標値の表示によって、遊技者や店舗の従業員は、対応する遊技機の払出率が適正であるか否かを確認することができる。
例えば、データ表示装置400の表示部に指標値を表示させる場合、遊技機で遊技を行っている遊技者は、表示を確認して払出率が不適正であると判断したならば、呼出ボタンを押下して店舗の店員を呼び出して、払出率が不適正である可能性があることを指摘することができる。この際、店舗の店員は、表示部に表示された払出率適否情報表示を確認し、遊技者の指摘が妥当であると判断したならば、遊技機のガラス扉枠を開放し、主基板11の中央に設けられた表示モニタ29を確認する。
この場合、店舗の店員は、表示モニタ29に表示されている役比や連比を参照することで、実際に払出率に影響する不具合が生じているか否かを判断することができる。そして、不具合が生じていると判断したならば、当該遊技機を稼働停止させた上で、当該遊技機の再整備(例えば遊技釘の再整備)を行うことができる。
[3−4.遊技用システム]
上記の実施形態で説明した遊技用システムは、本発明を実現するための遊技用システムの一例に過ぎず、適宜設計変更することが可能であることは勿論である。
例えば、上記の実施形態では、遊技機から出力される信号が遊技用装置に直接的に入力される遊技用システムを構成したが、これに限らず、遊技機から出力される信号が管理装置に入力され、これらの信号が管理装置を介して間接的に遊技用装置に入力される遊技用システムを構成してもよい。
また、上記の実施形態とは異なるが、遊技機において算出された役比や連比が不適正な値である場合に、その旨を示す信号(例えば払出率異常信号)を遊技用装置に出力するように構成し、遊技用装置は、遊技機から出力される払出率異常信号に基づいて、所定報知を実行するようにしてもよい。
例えば、遊技用装置をデータ表示装置400とする場合には、データ表示装置400が対応する遊技機から払出率異常信号を受信した場合に、払出率が不適正である旨を示すメッセージを表示部に表示させたり、同様の音声メッセージや警告音を音出力部から音出力させたり、発光部を赤色で発光させるなどして、払出率が不適正である旨を遊技者や店舗の店員に報知するようにしてもよい。遊技用装置をカードユニット等とする場合についても同様である。
また、上記の実施形態において、ホールコンピュータ600等の管理装置が、遊技機から出力される遊技機信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて算出した指標値を、遊技用装置に出力するようにしてもよい。そして、遊技用装置は、予め設定・記憶されている基準情報に基づいて指標値の適否を判定し、その判定結果を表示させるようにしてもよい。
また、この場合において、ホールコンピュータ600等の管理装置が指標値を算出した上で、予め設定・記憶されている基準情報に基づいて指標値の適否を判定し、その判定結果を遊技用装置に出力するようにしてもよい。そして、遊技用装置は、管理装置から入力した指標値の適否の判定結果を表示させるようにしてもよい。
また、本発明に係る遊技用システムは、前述した封入方式パチンコ遊技機や遊技点方式スロットマシン等の遊技機と、これらの遊技機の遊技情報を管理する管理装置とを備える遊技用システムについても同様に適用可能である。
[3−5.外部出力信号]
上記の実施形態では、図24に示した種類の遊技機信号が、遊技機1の外部出力基板16から出力されることとして説明したが、外部出力基板16からどのような種類の遊技機信号の種類は、適宜設計変更可能である。以下、遊技機信号のバリエーションについて説明する。
図39は、遊技機信号の別例を示す図である。
この例では、外部出力基板16からは、遊技機信号として、全賞球信号と、扉開放中信号と、図柄確定信号と、全始動口信号と、大当り信号1、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号の4つの異なる大当り信号と、入賞信号と、特定経路対応賞球信号と、賞球予定信号と、セキュリティ信号と、が外部出力される。
全賞球信号は、遊技球が入賞した入賞口に関わらず、規定球数(例えば10球)毎に1パルスが出力される信号である。
特定経路対応賞球信号は、遊技機の盤面における第1経路とは異なる経路であって可変装置が設けられた第2経路を通る遊技球が進入可能な入賞口に入賞したことによる遊技球の付与に対応する信号である。具体的には、上記の実施形態の遊技機1では、盤面の右打ち領域に特別可変入賞球装置22が構成され、打ち出された遊技球の経路として、左打ち領域に対応する経路(第1経路)と右打ち領域に対応する経路(第2経路)との2つの経路が存在する。
この場合、特定経路対応賞球信号は、例えば、右打ち領域に設けられた入賞口である第2始動入賞口14の入賞、又は一般入賞口50への遊技球の入賞に応じて、規定球数(例えば10球)毎に1パルスが出力される信号として構成することができる。この例における特定経路対応賞球信号は、右打ちに対応する賞球信号であるため、右打ち用賞球信号と言い換えることもできる。この場合、ホールコンピュータ600等の管理装置は、遊技機1から出力される特定経路対応賞球信号に基づいて、BA等の特定値(指標値)を算出して集計する。なお、特定経路対応賞球信号として、大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)への入賞による賞球数を含んでもよく、この場合には、T1Y又はTYについても、特定経路対応賞球信号に基づいて算出してもよい。
賞球予定信号は、遊技機1が備える各種の入賞口に遊技球が入賞したことで賞球を行うことを予定していることを通知するための信号であり、入賞口に第2規定球数が入賞した場合に出力状態(ON状態)とされるパルス信号である。第2規定球数は、例えば「10球」とすることができる。
図40は、遊技機信号の別例を示す図である。
この例における遊技機信号は、図24で説明した遊技機信号とほぼ同様であるが、入賞信号として、遊技機1が備える各種の入賞口それぞれに対応する入賞信号が個別に出力される点が異なる。具体的には、この例では、入賞信号として、一般入賞口への入賞に応じて出力される一般入賞口信号と、第1始動入賞口への入賞に応じて出力される第1始動口入賞信号と、第2始動入賞口への入賞に応じて出力される第2始動口入賞信号と、大入賞口への入賞に応じて出力される大入賞口信号と、の4種類の信号が出力される。
このようにすることで、ホールコンピュータ600等の外部装置は、遊技機1から出力される入賞信号の種別に基づいて、いずれの入賞口に遊技球が打ち込まれている状態であるかを判断することができる。そして、遊技機1から出力される賞球信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号を用いて、TYやベース値等の特定値を入賞口の種別毎に算出して集計することができる。
また、上記の実施形態において、大当り2信号を連荘中信号として外部出力させるようにしてもよい。また、上記の実施形態では、大当り3信号を大当り状態と特殊高確高ベース状態との両方の期間に出力される信号とし、大当り4信号を大当り状態中のファンファーレ期間を除外した期間と特殊高確高ベース状態との両方の期間に出力される信号とした。つまり、大当り3信号と大当り4信号を、第1特別状態には対応せず第2特別状態には対応する特定信号として説明した。
しかし、このようにするのではなく、例えば、大当り3信号を大当り状態と通常高確高ベース状態との両方の期間に出力される信号とし、大当り4信号を大当り状態中のファンファーレ期間を除外した期間と通常高確高ベース状態との両方の期間に出力される信号としてもよい。つまり、大当り3信号と大当り4信号を、第2特別状態には対応せず第1特別状態には対応する特定信号としてもよい。
また、遊技機1に対応して設けられる情報表示装置(データ表示装置や呼出ランプ装置)によっては、大当り4信号が「ON」となるまで大当り回数を更新しないような設計や設定となっている場合があり得る。この場合、大当り4信号が「ON」となるまで大当り回数の表示が更新されないため、遊技者は不安を抱くおそれがある。そこで、例えば、初当りの場合にのみ、例外的に、大当り状態が開始されたタイミングで大当り4信号を出力させるようにしてもよい。つまり、初当りの場合にのみ、ファンファーレ演出が開始されたタイミングで大当り4信号の出力を開始させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技機から遊技機信号が外部装置に出力され、遊技機の背面に設けられるアウト球検出器200からアウト信号が外部装置に出力されることとして説明した。しかし、必ずしもこのようにしなければならないわけではなく、各入賞口又はアウト口を通過した遊技球を検知するためのアウトスイッチを備える遊技機を構成し、アウトスイッチが検知した遊技球の個数が第3規定球数(例えば10球)に達する毎に、1パルスのアウト信号を遊技機から直接的に外部装置に出力するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技機から賞球信号を出力する際の第1規定球数や賞球予定信号を出力する際の第2規定球数を「10球」として説明したが、必ずしもこのように構成しなければならないわけではなく、例えば、第1規定球数や第2規定球数を「1球」としてもよい。同様に、アウト信号についても、例えば、第3規定球数を「1球」としてもよい。
[3−6.特定値(指標値)]
上記の実施形態では、本発明に係る特定値(指標値)をTY(T1Yを含む。)やB、BA等として説明したが、本発明に係る相対値はこれに限られるわけではない。具体的には、例えば、BやBAの代わりに、アウト数と払出数との差数として算出される差玉を相対値として算出して表示するようにしてもよい。この場合、基準相対情報は、差玉の基準値(設計値)や差玉数の基準範囲(設計範囲)とすればよい。
また、上記の第2実施形態において、ホールコンピュータ600が第1実施形態で説明した連比や役比を指標値として算出するようにしてもよい。具体的には、ホールコンピュータ600が、高ベース状態やKT状態における連比や役比を指標値として算出して集計するようにしてもよい。連比や役比は、遊技機から出力される遊技機信号に基づいて算出すればよい。
例えば、第2実施形態で説明した遊技機1を例に挙げると、役比の算出では、総獲得球数(賞球合計数、全賞球数)のうち、大当り状態中の賞球数と小当り状態中の賞球数と高ベース状態中の賞球数とを対象とすればよく、次式(3)に従って役比を算出することができる。
役比=[(大当り状態中の賞球数+小当り状態中の賞球数+高ベース状態中の賞球数)/総獲得球数]×100(%) ・・・(3)
ここで、高ベース状態中の賞球数とは、例えば電チューで構成される第2始動入賞口への入賞によって賞球された賞球数に相当する。
なお、この場合において、一般入賞口及び第1始動入賞口への入賞による賞球数を対象としてBを算出するのであれば、式(3)に従って算出した役比を用いて「B≒100(%)−役比(%)」としてBを概算することができる。
つまり、Bと役比とは、実質的に相関関係があると言える。
上記の役比の算出に対して、連比の算出では、大当り状態中における賞球数を対象とすればよく、次式(4)に従って連比を算出することができる。
連比=[大当り状態中の賞球数/総獲得球数]×100(%) ・・・(4)
また、遊技機メーカから店舗に提供される遊技機の取扱説明書には、上記の実施形態で説明した基準情報(BA基準情報やB基準情報)の他にも、一般入賞口への遊技球の入賞率の理論値である理論入賞率が記載されている。具体的には、通常状態及び確変状態(又は時短状態)のそれぞれについて、例えば、1分間100発あたり何個の遊技球が一般入賞口に入賞するように設計されているかの設計値(個/分)が理論入賞率として取扱説明書に記載されている。そこで、上記のようにして算出(概算)される役比や連比を、取扱説明書に記載されている理論入賞率に基づいて補正してもよい。
役比を例に挙げて説明する。例えば、式(3)に着目すると、大当り状態中の賞球数、小当り遊技状態中の賞球数及び高ベース状態中の賞球数それぞれの実測値には、一般入賞口への入賞によって賞球された賞球数が含まれ得るため、これらの実測値はそれぞれの遊技状態に対応する正確な賞球数を反映しているとは限らない。そこで、次のようにして役比を算出する。
まず、大当り状態中の賞球数、小当り遊技状態中の賞球数及び高ベース状態中の賞球数それぞれの実測値を用いて、式(3)に従って役比(以下、「実測役比」という。)を算出する。また、一般入賞口の理論入賞率に基づいて、大当り状態中の一般入賞口への入賞による賞球数、小当り遊技状態中の一般入賞口への入賞による賞球数及び高ベース状態中の一般入賞口への入賞による賞球数をそれぞれ推定し、これらの賞球数を用いて、式(3)に従って役比(理論役比)を算出する。そして、実測役比から理論役比を減算することで役比(=実測役比−理論役比)を算出する。つまり、理論役比を用いて実測役比を補正することで、役比を算出する。
なお、上記のようにするのではなく、大当り状態中の賞球数の実測値から一般入賞口の理論入賞率に基づく賞球数の理論値を減算した値と、小当り遊技状態中の賞球数の実測値から一般入賞口の理論入賞率に基づく賞球数の理論値を減算した値と、高ベース状態中の賞球数の実測値から一般入賞口の理論入賞率に基づく賞球数の理論値を減算した値とを用いて、式(3)に従って役比を算出してもよい。
上記の役比や連比の算出を外部装置において実現するためには、外部装置において、遊技機の各遊技状態(大当り状態、小当り遊技状態、低ベース状態、高ベース状態等)それぞれに対応する賞球カウンタ(遊技状態対応カウンタ)を構成し、遊技機から賞球信号を受信したときの遊技機の遊技状態に対応する賞球カウンタに賞球数を加算することで、各遊技状態それぞれにおける賞球数を個別にカウントする。そして、外部装置が、賞球カウンタのカウント値に基づいて、役比・連比算出処理を実行するようにすればよい。
なお、この場合における外部装置には、上記の実施形態におけるホールコンピュータ600等の管理装置や、データ表示装置400、台間計数ユニット500、カードユニット等の遊技用装置が含まれ、これらの管理装置や遊技用装置が、上記の手法に基づく役比・連比算出処理を実行して、役比や連比を算出するようにすればよい。
[3−7.遊技機の制御状況に関する情報の表示]
上記の実施形態において、管理装置が、遊技機から入力される信号に基づいて、当該遊技機の制御状況に関する情報を表示部に表示させるようにしてもよい。なお、管理装置に限らず、データ表示装置400や台間計数ユニット500等の遊技用装置や、遊技者が所有する携帯端末等の利用者端末装置に、これらの情報を表示させるようにしてもよい。
例えば、上記の実施形態で説明した大当り信号の他に、突然確変大当りに当選したことを示す突然確変大当り信号や、16R確変大当りに当選したことを示す16R確変大当り信号、8R非確変大当りに当選したことを示す8R非確変大当り信号、等の大当り信号を外部出力基板16から遊技機信号として出力するように構成する。そして、管理装置は、遊技機からこれらの信号を入力し、入力した突然確変大当り信号や16R確変大当り信号、8R非確変大当り信号等の大当り信号に基づいて、遊技機の突然確変大当りや16R確変大当り、8R非確変大当り等の制御に関する情報を表示部に表示させるようにしてもよい。この場合には、大当りの制御に関する情報として、各種の大当り状態に制御された回数や割合に関する情報や、各種の大当り状態に制御されるまでに要した回転数等の情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
[3−8.指標値の報知]
上記の実施形態では、管理装置がベース値(B、BA)やベース値の適否判定結果の情報等の情報を表示部に表示させることして説明したが、基準相対情報と相対値の算出値とに基づく情報であれば、任意の情報を表示させるようにすることが可能である。例えば、ベース値の基準情報やとベース値の算出値とを対比可能な態様(例えば基準情報との算出値とを並べて表示するもの)で示す情報や、ベース値の算出値が基準下限値や基準上限値からどの程度ずれているかを数値的に示す情報等を表示させるようにしてもよい。
[3−9.付与値の算出・表示]
上記の実施形態において、遊技機が、入賞口への入賞によって遊技者に付与される予定の賞球数に基づいて所定の付与値を算出し、算出した付与値を遊技機に表示させるなどして遊技者に報知することを可能としてもよい。
[3−10.役比・連比の表示]
上記の実施形態において、遊技機から管理装置や遊技用装置に対して、遊技機が内部的に算出した役比や連比等に関する情報を外部出力するように構成し、管理装置や遊技用装置が、遊技機から入力したこれらの情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
[3−11.指標値に異常が生じた遊技機の表示]
上記の実施形態において、ホールコンピュータ600等の管理装置が、指標値が不適正と判定された遊技機のID(遊技機ID)等の情報を表示部625に表示させるようにしてもよい。例えば、店舗内の全ての遊技機の配置が示された店舗レイアウト画面において、遊技用装置から遊技機IDを受信した遊技機を色分けして表示部625に表示させるなどしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、異常が生じている可能性のある遊技機を店舗の管理者が一見して把握することが可能となる。遊技用装置についても同様である。
[3−12.管理装置における設定]
上記の実施形態では、管理装置であるホールコンピュータ600に遊技機の機種情報が予め記憶されており、この機種情報に基づいて、払出率基準情報(払出率基準範囲や払出率基準値)を遊技用装置に提供することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、例えば、ホールコンピュータ600が、遊技機の製造メーカに設置されるサーバから機種情報をダウンロードすることを可能とすることで、新台となる遊技機が店舗に導入される際に、この新台の払出率基準情報を製造メーカのサーバからダウンロードするようにしてもよい。また、この際、払出率基準情報ばかりでなく、遊技機が備える外部出力端子や出力される遊技機信号の種類の情報等を含む設計情報を、製造メーカのサーバからダウンロードするようにしてもよい。
このようにすることで、ホールコンピュータ600は、払出率の算出方法や払出率の適否の判定方法を遊技機の機種毎に管理することが可能となる。
[3−13.遊技用装置における設定]
上記の実施形態では、データ表示装置等の遊技用装置が、管理装置から配信される設定用データに基づいて、各種の設定を行うこととして説明した。この場合、店舗に設置された全ての遊技用装置について一括設定を行うようにしてもよいし、遊技島単位で一括設定を行うようにしてもよいし、遊技用装置毎に個別設定を行うようにしてもよい。特に、同種の遊技機が設置される遊技島単位で設定を行うようにすると効果的である。
また、遊技用装置の操作部への設定操作がなされたことを特定可能な信号に基づいて遊技用装置が設定を行うようにしてもよいし、遊技用装置の記憶部に設定用データを予め記憶させておき、店舗の従業員が操作部から設定の実行操作を行うことで、遊技用装置が設定を行うことを可能としてもよい。
また、店舗の管理者や従業員が、設定用リモコンから遊技用装置に設定信号を送信させることによって遊技用装置が設定を行うことを可能としてもよい。
さらに、インターネット等の通信ネットワークを利用して店舗外に設置される外部装置(例えばカード会社に設置されるサーバ)から設定用情報をダウンロードすることを可能とし、ダウンロードした設定用情報に基づいて、遊技用装置が設定を行うことを可能としてもよい。
また、上記の遊技用装置の設定は、基本的には、店舗の営業終了後や営業開始前といった非営業中に店舗の従業員が行うようにすることが望ましい。つまり、遊技用装置の設定に関するモードとして、非営業中モードを装置のプログラムに規定しておき、この非営業中モードに遊技用装置の設定を行うようにすればよい。
[3−14.遊技情報の集計・表示]
上記の実施形態において、遊技用装置が、遊技情報として、遊技履歴情報(総合遊技履歴情報、個人遊技履歴情報等)や獲得球数等の情報を表示するようにしてもよい。
また、遊技機が設置される店舗によっては、貸与レートの異なる遊技機の間での乗り入れを許可する店舗が存在する。パチンコ遊技機を例に挙げると、4円パチンコから1円パチンコへの乗り入れや、1円パチンコから4円パチンコへの乗り入れがこれに含まれる。そこで、例えば、貸与レートの異なる遊技機での貯玉(又は持玉)の払い出しに関する情報を、遊技情報として表示するようにしてもよい。
具体的には、乗り入れで貯玉が払い出された回数や時間、払い出された玉数等の情報を、遊技情報として表示するようにしてもよい。これらの情報は、例えば、玉管理コンピュータ800等の管理装置が集計するようにし、集計した情報を、管理装置からユニット(カードユニットや台間計数ユニット)を介して間接的に遊技用装置に出力したり、管理装置から直接的に遊技用装置に出力するようにすればよい。
また、上記の実施形態では、遊技用装置が、遊技履歴情報として、総合遊技履歴情報と個人遊技履歴情報との2種類の遊技履歴情報を表示させることが可能であることとして説明した。しかし、この他にも、一の遊技履歴情報のより詳細な情報である詳細遊技履歴情報を遊技履歴情報として表示させるようにしてもよい。
具体的には、遊技履歴情報に含まれる大当り回数(総合、確変、通常)について、当日の大当り回数ばかりでなく、過去所定期間分(例えば過去3日分)の大当り回数を詳細遊技履歴情報として表示させるようにしてもよいし、出玉グラフについて、当日の出玉グラフばかりでなく、日別の出玉グラフや台別の出玉グラフを詳細遊技履歴情報として表示させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、ホールコンピュータ600等の管理装置が、遊技機1等の遊技機から入力した大当り1信号に基づいて、当該遊技機において1日に発生した大当りの回数(1日の大当り回数)を集計するようにしてもよい。大当り1信号は、遊技機が大当り状態に制御されている期間に出力状態とされる信号であるため、大当り1信号のみから、1日に発生した大当りのみの回数を集計することができる。
また、同様に、管理装置が、遊技機から入力した大当り3信号(又は大当り4信号)に基づいて、当該遊技機において1日に発生した確変B大当りの回数(1日の確変B大当り回数)や当該遊技機において1日に発生した確変B大当りの回数(1日の確変B大当り回数)を集計するようにしてもよい。大当り3信号は、遊技機が大当り状態に制御されている期間と確変B状態に制御されている期間との両方に対応する期間に出力状態とされる信号であるため、大当り3信号のみから、1日に発生した確変B大当りのみの回数を集計することができる。
上記のようにして集計した回数は、管理装置の表示部に表示させるなどして、店舗の管理者が確認できるようにしてもよい。また、上記のようにして集計した回数を、管理装置から各種の遊技用装置(呼出ランプ装置、データ表示装置、カードユニット等)に出力するようにし、遊技用装置が、管理装置から入力したこれらの集計回数を表示部に表示させるなどして、遊技者が確認できるようにしてもよい。
なお、この場合、上記の回数の集計を、管理装置ではなく遊技用装置が同様の手法で行うようにしてもよい。また、1日の期間を対象として回数を集計するのに限らず、数日や1週間、1か月といった期間を対象として回数を集計するようにしてもよい。
[3−15.記録媒体]
遊技者が所持し、遊技機での遊技に使用可能な記録媒体は、上記の実施形態で説明した持玉カード等の遊技用カードに限られるわけではない。例えば、遊技者が所持するスマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末、PDA等の遊技者端末を記録媒体としてもよい。
具体的には、例えば、IC対応の遊技者端末であるスマートフォンが遊技用装置に設けられたICリーダに翳されたことを記録媒体の受付とし、遊技者が電子マネーによる入金を行って遊技機で遊技することを可能としてもよい。また、カード返却ボタンが押下された場合に受付解除待機状態とし、この受付解除待機状態において受付中のスマートフォンと同一のスマートフォンがICリーダに翳された場合に、記録媒体の受付を解除するようにしてもよい。
1 パチンコ遊技機
200 アウト球検出器
400 データ表示装置
500 台間計数ユニット
600 ホールコンピュータ
800 玉管理コンピュータ
900 台端末
1000 遊技用システム

Claims (1)

  1. 遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機を管理するための管理装置であって、
    前記遊技機は、前記有利状態の終了後に、前記有利状態とは異なる契機により遊技価値を付与可能な特別状態に制御可能であり、
    前記特別状態は、第1特別状態と、該第1特別状態とは有利度合いが異なる第2特別状態とを含み、
    前記第1特別状態及び前記第2特別状態に対応する特別信号と、前記第1特別状態には対応せず前記第2特別状態には対応する特定信号と、遊技価値の付与に対応する所定信号と、を前記遊技機から入力可能な入力手段と、
    前記入力手段に入力される信号に基づいて、前記第1特別状態と前記第2特別状態とを区別して、遊技者に付与された遊技価値である付与遊技価値に対応する特定値を算出可能な特定値算出手段と、
    を備えることを特徴とする管理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020058657A (ja) * 2018-10-11 2020-04-16 株式会社三共 遊技機

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