本発明に係る遊技機を実施するための形態の一例を実施例に基づいて以下に説明する。なお、以下においては、フローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記することがある。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。なお、遊技盤2の前面は、遊技機用枠(台枠)3に、開閉可能に設けられたガラス扉枠3aによって覆われている。なお、これらガラス扉枠3aは、遊技場の係員が、開放鍵を開放錠Kに挿入して解鍵することで開放可能となり、一般の遊技者等はガラス扉枠3aを開放することはできないようになっている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄としてあらかじめ設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。なお、上記では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを方形状とした形態を例示したが、これに限定されるものではなく、これら第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各セグメントを、不規則に配置したものであってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(「飾り図柄」ともいう)が変動表示される。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(「完全停止表示」や「最終停止表示」ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uが配置されている。第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでは、各特別図柄に対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、各特別図柄に対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示)とする。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、異なる表示態様であってもよい。
図1に示す例では、第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
演出表示装置5の左右には、一般入賞口50A,50Dが設けられているとともに、一般入賞口50Aの下方の領域には、一般入賞口50B,50Cとが設けられている。また、演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態(図1中実線位置参照)と傾動位置(図1中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
また、一般入賞口50A,50B,50C,50Dを通過(進入)した遊技球は、図2に示す第1一般入賞口スイッチ26A,第2一般入賞口スイッチ26B,第3一般入賞口スイッチ26C,第4一般入賞口スイッチ26Dによって検出され、該検出に基づいて所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bが一体化された特別可変入賞球ユニット7が設けられている。
ここで、特別可変入賞球ユニット7の構成について説明する。なお、以下の説明では、パチンコ遊技機1を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。
図1に示すように、特別可変入賞球ユニット7は、左部側が第1特別可変入賞球装置7Aを構成し、右部側が第2特別可変入賞球装置7Bを構成している。また、特別可変入賞球ユニット7の正面側には透光性を有する合成樹脂材にて構成された図示しないカバー体が取り付けられており、遊技者は該カバー体を介して特別可変入賞球ユニット7内、特に第2特別可変入賞球装置7B内を流下する遊技球を視認できるようになっている。
第1特別可変入賞球装置7Aは、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される第1大入賞口扉701を備え、該第1大入賞口扉701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。第1大入賞口は、特別可変入賞球ユニット7の左部において、上向きに開放するように形成されている。なお、第1大入賞口扉701は、ソレノイド82の駆動によって第1大入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口を開放する開放位置との間で前後方向にスライド移動可能となっている。
第1特別可変入賞球装置7Aでは、ソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい遊技者とって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)しがたい一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口内に設けられた第1カウントスイッチ23(図2参照)を通過することで、該第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23を通過した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、第1大入賞口に進入することなく流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等により普通可変入賞球装置6Bに誘導され、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態であれば第2始動入賞口に入賞するようになっている。
図8に示す第2特別可変入賞球装置7Bは、第1特別可変入賞球装置7Aよりも上方に向けて突出して形成されており、ソレノイド83(図2参照)によって開閉駆動される第2大入賞口扉711を備え、該第2大入賞口扉711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口を形成する。第2大入賞口は、第2特別可変入賞球装置7Bの上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口扉711は、ソレノイド83の駆動によって第2大入賞口を開放する第1状態(開放状態)と、第2大入賞口を閉鎖する第2状態(閉鎖状態)との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口扉711用のソレノイド83がオン状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口を開放状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、第2大入賞口扉711用のソレノイド83がオフ状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)しがたい一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口を通過(進入)する遊技球は、図8に示す第2大入賞口内に設置された第2カウントスイッチ24Aを通過することで、該第2カウントスイッチ24A内によって検出される。第2カウントスイッチ24Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口が開放状態となれば、該第2大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口が閉鎖状態となれば、第2大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
図8に示すように、第2特別可変入賞球装置7B内には、第2大入賞口を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路750が形成されている。遊技球流路750は、第2大入賞口を通過した遊技球が通過可能な主経路740(図8中実線に沿う領域)と該主経路740から分岐する分岐路741(図8中点線に沿う領域)とを有する。主経路740と分岐路741との間には後述する逆流防止部材730が配設されている。また、主経路740における逆流防止部材730の上流側には、主経路740から分岐路741が分岐する第1分岐部742が設けられており、主経路740における逆流防止部材730の下流側には、主経路740から分岐路741が分岐する第2分岐部743が設けられている。つまり、主経路740を流下する遊技球は、第1分岐部742または第2分岐部743から分岐路741側に移動可能とされている。
主経路740の最下流部には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ24Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ24Bを通過することで、該第3カウントスイッチ24Bによって検出される。第3カウントスイッチ24Bを通過した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導される。また、分岐路741の最下流部に到達した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ24Cを通過することで、該第4カウントスイッチ24Cによって検出される。
なお、本実施例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技状態に制御するようになっている。よって、小当り遊技中に第2大入賞口扉711が開放している期間において、振動等を印加することよって遊技球の進路が変更されて第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されてしまうと、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されてしまう不正が可能となってしまうので、パチンコ遊技機1では、このような場合に遊技を中止するようになっている。
主経路740における第1分岐部742の下流側には、遊技球の第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制及び許容する規制部材721が設けられている。規制部材721は、ソレノイド85(図2参照)の駆動によって主経路740内に突出することで、遊技球の主経路740での第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制する規制状態と、主経路740内から退避することで遊技球の主経路740での第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。
なお、規制部材721の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で分岐路741側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路740に設けられている。このため、規制部材721が規制状態であるときに主経路740を遊技球が流下してくると、該遊技球は規制部材721の上部に形成された平坦面に沿って第2分岐部743を経由して分岐路741に向けて流下するように誘導される。
主経路740と分岐路741との間には、前後方向を向く枢軸によって逆流防止部材730が回動可能に枢支されている。逆流防止部材730は、上端が枢軸により枢支された板状部材からなり、規制部材721の平坦面にて誘導される遊技球が主経路740側から接触したときに主経路740側から分岐路741側へ通過可能となるように移動(回動)可能である。具体的には、主経路740と分岐路741との間を開放するように傾斜する許容位置と、主経路740と分岐路741との間を閉鎖する規制位置と、の間で回動可能に設けられている。なお、規制部材721の上方には前方に向けて突出するリブ801が設けられており、逆流防止部材730は規制位置において該リブ801に正面視で反時計回り方向から当接する。
なお、逆流防止部材730は、通常は自重により規制位置に配置されており、該規制位置では、平坦面にて誘導される遊技球が主経路740側(正面視で右側)から当接することで、該遊技球により押されて許容位置を上限に正面視で時計回り方向に回動する。
このとき、逆流防止部材730の先端部と第2分岐部743の下部との間の上下幅寸法が遊技球の直径よりも短寸に変化し、第3カウントスイッチ24Bが設けられている主経路740側から第4カウントスイッチ24Cが設けられている分岐路741側への遊技球の移動が許容される。一方、逆流防止部材730が規制位置にあるときは、遊技球が分岐路741側(正面視で左側)から当接したとしても、逆流防止部材730がリブ801に当接していることによって逆流防止部材730の反時計回り方向への回動が規制される。このとき、逆流防止部材730の先端部と第2分岐部743の下部との間の幅寸法は、遊技球の直径よりも短寸に維持されるため、第4カウントスイッチ24Cが設けられている分岐路741側から第3カウントスイッチ24Bが設けられている主経路740側への遊技球の移動が確実に規制される。
図1に戻って、遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。なお、通過ゲート41は、特別可変入賞球ユニット7における第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7B間に設置されている。なお、通過ゲート41内には、後述するゲートスイッチ21が内蔵されている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、上記した各入賞口以外の入賞口を設けるようにしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球ユニット7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。
上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域を流下するようになっている。
また、左遊技領域を流下した遊技球は、普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bに入賞可能となり、右遊技領域を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞可能、かつ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞不能、かつ、通過ゲート41を通過不能である。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図の変動表示が開始される。
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」、「10」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が、所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bは遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)となる。
なお、小当り遊技状態において第2大入賞口扉711が所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまで1回開放するように設定されているが、これに限定されるものではなく、小当り遊技状態において複数回開放するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU103は、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第4カウントスイッチ24Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU103は、該遊技球の第4カウントスイッチ24Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
そして、遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。なお、第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置7Bが第1状態に制御されるようになっているが、これに限定されるものではなく、第1特別可変入賞球装置7Aが第1状態に制御されるようにしてもよい。
第2大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第2大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
なお、大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、100回や20回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、100回や20回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器20による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、ターミナル基板(情報出力基板)16といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
また、主基板11には、図9(A)に示すように、パチンコ遊技機1の背面側から視認可能な表示モニタ29が設けられており、該表示モニタ29に、入賞に関する各種の入賞情報を表示する機能も備えている。
また、主基板11には、図2に示すように、磁石による不正を検知するための磁気センサ60、電磁波による不正を検知するための電波センサ70、パチンコ遊技機1に振動を与えて遊技球の進路を変更する等の不正を検知するための振動センサ80、遊技盤2の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠3aの開放を検知する扉開放センサ90、第1大入賞口扉701の開放を検知するための第1大入賞口扉センサ91、第2大入賞口扉711の開放を検知するための第2大入賞口扉センサ92、遊技球が下皿に流下する経路上に設けられて遊技球が下皿に満杯になっていることを検知するための満タンセンサ93、賞球として払い出す遊技球が所定数以下であることを検知するための球切れセンサ94等の各種のセンサが接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。なお、図2において球切れセンサ94は、主基板11に直接接続されているように表記しているが、実際には、払出基板に接続されており、該払出基板を経由して接続されている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81〜83に伝送する出力回路111、ターミナル基板16からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路112が搭載されている。
また、図2に示す主基板11は、図9(A)に示すように、基板ケース201に封入されており、主基板11の中央には表示モニタ29(例えば、7セグメント)が配置されている。表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、ガラス扉枠3aを開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、ガラス扉枠3aを開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
また、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、各入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行い、該集計による連比、役比などの各種の入賞情報が表示モニタ29に表示されるようになっており、これら入賞情報が表示されることで、遊技場に設置後における連比、役比などの各種の入賞情報を確認できる。つまり、パチンコ遊技機1のメーカ側においては、あらかじめ定められた頻度で一般入賞口に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞口に遊技媒体が進入しているかが確認される。さらに、パチンコ遊技機1を設置した後においても、どのような調整が行われているか、その調整の結果、設計どおりの頻度で一般入賞口に遊技媒体が進入しているかが確認される。そこで、パチンコ遊技機1では、当該パチンコ遊技機1において、設置後にどのような調整を加えられたかを認識できるようになっている。
なお、出力回路111は、ソレノイド85を駆動させるためのコントローラ84にも接続されている。コントローラ84は、パチンコ遊技機1の起動時に出力回路111を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から起動信号を受信することでソレノイド85の駆動制御を開始するようになっている。コントローラ84がソレノイド85を駆動することにより、規制部材721は、遊技状態にかかわらず規制状態と許容状態とを1秒間毎に繰り返す。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。なお、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当りA」となる旨の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当りB」となる旨の事前決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、図19に示す各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理(図30参照)によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドD100は、V入賞したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことで第3カウントスイッチ24Bがオンとなったことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)106とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図5は、変動パターンを示している。変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンがあらかじめ用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンがあらかじめ用意されている。なお、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。なお、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、これに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、・・・のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ・・・といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図5に示すように、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
なお、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
なお、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、これに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図6などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図6(A)に示す表示結果判定テーブル、図6(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図6(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)、図6(D)に示す小当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
図6(A)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図6(A)に示すように、変動特図指定バッファが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率で大当りが発生するとともに、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、50%(100/200)の確率(割合)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU103は、MR1の値が図6(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りC)とすることを決定する。また、MR1が図6(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、CPU103は、図6(A)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、変動特図指定バッファが第1である場合、大当りに対応する判定値以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選しないようになっていたが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応する判定値として設定し、小当りが当選するようにしてもよい。
図6(B)、(C)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、図6(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図6(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、図6(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には、大当りCの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りCのみとなる。
図6(D)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、小当りの種別を小当りAまたは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。なお、本実施例では、小当りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りDの大当り遊技が実行されるようになっており、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りEの大当り遊技が実行されるようになっている。つまり、これら大当りD及び大当りEは、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR2によって決定される大当り種別ではなく、小当りAと小当りBのいずれの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したか否かによって決定される大当り種別である。
ここで、大当り種別について、図6(E)を用いて説明すると、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行されない大当りA及び大当りDと、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行される大当りB、大当りC及び大当りEが設定されている。
これら大当りA〜大当りEのうち、大当りAは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りAの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りBは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りBの大当り遊技状態の終了後は20回の特図ゲームが実行されるまで、または20回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りCは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りCの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
大当りDは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りDの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
大当りEは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが14回(いわゆる14ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りEの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
なお、時短状態においては、「普図当り」となる確率が上昇することで通常状態よりも小当りが発生しやすくなる。このため、時短状態では、第2特別図柄の変動表示結果として大当りが発生する場合と、遊技球が小当り遊技中にV入賞することにより大当りが発生する場合があるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生しやすい、いわゆる連荘状態となる。
なお、大当りBの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が20回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する割合(20回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)は約50%に設定されている。一方、大当りC及び大当りEの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が100回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する割合(100回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)はほぼ100%に設定されている。
なお、本実施例では大当り種別として大当りA〜大当りEの5種類が設けられているが、これに限定されるものではなく、大当り種別は6種類以上設けられていても良く、また、4種類以下が設けられていてもよい。
また、図6(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜299のうち、0〜149までが大当りAに割り当てられており、150〜249までが大当りBに割り当てられており、250〜299までが大当りCに割り当てられている。このため、第1特別図柄の特図ゲームにおいて大当りが発生した場合は、50%の割合で大当り遊技終了に時短制御が実行されないようになっている。また、大当り遊技終了後に時短制御が実行される場合においては、時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回よりも高い割合で20回に決定されるようになっている。
一方で、図6(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜299のうち、全ての範囲(0〜299)が大当りCに割り当てられているため、大当り遊技終了後は必ず時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている。
また、図6(D)に示すように、小当り種別判定テーブルにおいては、MR2の判定値の範囲0〜299のうち、0〜99までが小当りAに割り当てられており、100〜299までが小当りBに割り当てられている。このため、小当り遊技中にV入賞大当りが発生した場合は、75%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている一方で、25%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行されないようになっている。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとがあらかじめ用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。なお、これらの判定値が、大当りの種別が「大当りB」または「大当りC」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「大当りA」である場合には、スーパーリーチαが決定されやすいように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「大当りB」または「大当りC」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1−1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。なお、本実施における小当りの変動パターンとしてはPC1−1のみが設けられているが、これに限定されるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設けるようにしてもよい。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
なお、図5に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図7に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図7に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
なお、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルや、各種のエラー(異常)の報知において表示する表示画面や遊技効果ランプ9の点灯態様や出力音声等のエラー報知パターン等が記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、あらかじめ複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにて保留記憶表示を行うための始動入賞バッファが設定されている。始動入賞バッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。なお、これら始動入賞バッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留表示更新処理(S72、図29参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞バッファのデータに基づいて第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。
ここで、主基板11における遊技球の集計及び役物比率等の表示について説明する。
主基板11には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計され、表示モニタ29は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連比(%)、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役比(%)を表示するようになっている。連比とは、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲得球数)は、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、6000個の賞球数における第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数(電チュー賞球数)、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集計する第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、リングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。つまり、6000個の11セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(%)、役比(%)を算出することができる。
表示モニタ29は、6000個分の連比(%)、役比(%)、及び累計の連比(%)、役比(%)を所定時間(例えば、30秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表示手段で4つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行うのに2分要するが、遊技が進行することで集計される第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される60000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と60000個分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、切替表示における所定のタイミング(例えば、6000個分の連比(%)の表示タイミングなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が60000個であり、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数との合計である役物獲得球数が42000個である場合の役物比率(役比(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、パチンコ遊技機1から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは、アタッカー及び電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。
連比=[連続役物獲得球数/総獲得数]×100 ・・・(1)
役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得数]×100 ・・・(2)
賞球合計数が60000個であり、役物獲得球数が42000個である場合の役物比率は、42000を60000で除算することにより0.70小数点以下3桁切り捨て)として求められる。 しかしながら、パチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータは小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を100倍して4200000とする。そしてこの4200000を60000で除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000倍すればよい。
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を100で除算して600とする。そしてこの600で42000を除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算すればよい。
上記した例で賞球合計数は60000個であるが、長い期間の役物比率を算出するために、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまり本例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
ここで、パチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法ではパチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
第3の演算方法ではパチンコ遊技機1で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数および役物獲得球数がともに10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くなることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
また、基板ケース201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板11、及び表示モニタ29が視認可能になっている。基板ケース201には主基板11に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板11の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板11に設けられた表示モニタ29は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため放熱孔によって表示モニタ29の視認性が遮られないようにされている。なお、ここでの「真正面」とは、主基板11を視点としての真正面を意味し、主基板11を視認しようとする従業員等と主基板11との間を意味する。
ここで、パチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法ではパチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作された場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後にさらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)であることが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100において演算を行う場合には小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。19876/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ29に表示されることとなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないものとなる。
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大となる値は総獲得球数および役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコンピュータ100での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上においても非常に小さい誤差で役比(%)(又は連比(%))が表示できる。
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さらに大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってしまう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のランプの発光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
また、表示モニタ29は役比(%)と、連比(%)とを7セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば30秒毎)に切り替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を30秒間表示している間に、電チューやアタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を30秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連役(%)との値が乖離してしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出された値を順次表示していくことが好ましい。
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には100の代わりに99を表示するようにしてもよい。図9(A)に示す表示モニタ29では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の一部に数値を表示してもよい。
なお、本実施例では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計する形態を例示したが、これに限定されるものではなく、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数、連続役物獲得球数を集計するようにしてもよい。
以下、連比役比の表示について、より具体的に説明する。主基板11は、遊技盤2(図1参照)の裏面側に設けられている。遊技盤2の裏面側には、主基板11以外の他、演出制御基板12などの各周辺基板も設けられている。
主基板11におけるRAM102には、ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウンタ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。なお、本実施例では、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)の入賞数を大入賞数カウンタにて集計する形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら第1大入賞口への入賞数を集計する第1大入賞数カウンタと、第2大入賞口への入賞数を集計する第2大入賞数カウンタとを個別に設けて、第1大入賞口への入賞数と第2大入賞口への入賞数とを個別に集計し、これらの各入賞数を合計してアタッカーへの入賞数とするようにしてもよい。
ゲート通過数カウンタは、ゲートスイッチ21が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1一般入賞数カウンタは、第1一般入賞口スイッチ26Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2一般入賞数カウンタは、第2一般入賞口スイッチ26Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第3一般入賞数カウンタは、第3一般入賞口スイッチ26Cが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第4一般入賞数カウンタは、第4一般入賞口スイッチ26Dが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。大入賞数カウンタが、第1カウントスイッチ23と第2カウントスイッチ24Aとが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
なお、主基板11には、図示しないクリアスイッチが接続されている。クリアスイッチは、遊技盤2の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。クリアスイッチを操作することにより、後に説明するRAM102に記憶された連比や役比に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチを操作すると、データのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板11に送信される。
なお、主基板11には、前述したように、RTC106が設けられおり、RTC106によって現在時刻を検出できる。RTC106は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過時間などを測定できるが、RTC106は、遊技場の営業可能時間を計測可能とされている。
主基板11は、図9(A)に示すように、基板ケース201に収容されている。基板ケース201には、かしめピン11Bが取り付けられている。このかしめピン11Bが設けられていることにより、主基板11が基板ケース201に完全に封入された状態となり、主基板11に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、表示モニタ29は、主基板11上に設けられている。また、基板ケース201には、主基板11が封入されたことを証明するための封印シール11Sが貼られている。封印シール11Sは例えば基板ケース201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール11Sは、主基板11からは離れた位置に配置されており、表示モニタ29の真正面など、表示モニタ29の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ29は、封印シール11Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ29は、第1表示部29A、第2表示部29B、第3表示部29C、及び第4表示部29Dを備えている。第1表示部29A〜第4表示部29Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部29A〜第4表示部29Dは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
表示モニタ29には、図9(B)に示す表示No1〜4の各項目が表示される。上位2桁の第1表示部29A及び第2表示部29Bには集計期間が表示され、下位2桁の第3表示部29C及び第4表示部29Dには、数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No2では、総累計の役比が表示される。
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が6000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、又は連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
なお、上記の例では、連比や役比は、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数は、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。
表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bには、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
表示No3の総累計連比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第1表示部29A及び第2表示部29Bに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
主基板11は、連比及び役比を算出するにあたり、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)、第1始動入賞口、第2始動入賞口、及び第1一般入賞口から第4一般入賞口に進入した遊技球の進入数の集計を行っている。CPU103は、メイン処理において、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、並びに、第1一般入賞口スイッチ26A〜第4一般入賞口スイッチ26Dの各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認するスイッチ処理を行っている。
このスイッチ処理において、各スイッチから出力される検出信号に基づいて、いずれの進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、ゲートスイッチ21から検出信号が出力された場合には、ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウンタ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24Aから検出信号が出力された場合には、大入賞数カウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ26A,第2一般入賞口スイッチ26B,第3一般入賞口スイッチ26C,第4一般入賞口スイッチ26Dから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM102に記憶されている。
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状態確認処理であるスイッチ処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
主基板11のCPU103は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数に基づいて、各入賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM102に記憶させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口毎にあらかじめ定められている。
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図11に示すように、一般入賞口賞球(第1一般入賞口〜第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞による賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RAM102は、総賞球数も記憶している。なお、CPU103では、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数を個別に集計しているが、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数をまとめて集計してもよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とを個別に算出しているが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよい。
RAM102は、これらの賞球数を記憶するためのリングバッファとアクティブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域〜第10記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算される。第0記憶領域〜第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、入賞口毎に、第1記憶領域〜第10記憶領域に記憶された賞球数(10セット分)の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セット分の総和及び総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、このため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、60000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域を備えている。主基板11のCPU103では、10セット分及び総累計の各入賞口への遊技球の入賞数に基づく賞球数によって、10セット分及び総累計の役比及び連比を算出し、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分及び総累計の役比及び連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
ここで、主基板11のCPU103のメモリ空間について説明する。図12は主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU103は、上述の内蔵レジスタ、ROM101、RAM102などにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図12のメモリマップに示すように、ROM101のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H〜2FBFH。2FC0H〜2FFFHはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU103は、このROM領域を指定してROM101からのデータの読み出しを行う。また、本実施例では、ROM領域を第一領域〜第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから始まる領域としている。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本実施形態では、FE00H〜FEBFH)に割り当てられ、CPU103は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM102のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本実施形態では、F000H〜F3FFH)に割り当てられ、CPU103は、このRWM領域を指定してRAM102からのデータの読み出しやRAM102へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、RAM102の記憶領域に対応するRAM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFHの16Kバイト領域)は、図13に示すように、RAM制御領域、非使用領域、RAMデータ領域及びその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応するRAM102の記憶領域には、CPU103が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU103がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、「制御プログラムデータ」と称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応するRAM102の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
また、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域及びその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶する記憶領域及び総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第1記憶領域〜第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分)の総和の記憶領域、及び10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域と、その他領域に対応するRAM102の記憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されている。
なお、本実施形態では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM102の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRAM102の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、主基板11は、表示モニタ29に対して、連比及び役比を表示する制御を行う。ここで、主基板11は、複数の項目を順次表示する制御を行う。図14(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャートである。図14(A)に示すように、表示モニタ29に対する表示を開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図14(B−1)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「1.」の文字が表示される。
表示No1の表示が30秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No2の短期連比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図14(B−2)に示すように、第1表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期役比が表示される。例えば、短期役比が63%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「3.」の文字が表示される。
表示No2の表示が30秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示No3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図14(B−3)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が表示される。例えば、総累計連比が58%の場合、第3表示部29Cに「5.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No3の表示が30秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示No4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図14(B−4)に示すように、第1表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が表示される。例えば、総累計役比が68%の場合、第3表示部29Cに「6.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No4の表示が30秒間継続すると、図14(B−5)に示すように、表示No1の短期連比が表示される。以後、表示No1の短期連比〜表示No4の総累計役比の表示が30秒毎に順次表示される。また、その表示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比〜表示No4の総累計役比は赤色とされる。このように、表示モニタ29は、短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比を30秒ごとに切り替えて表示する。
また、主基板11では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域〜第10記憶領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和及び総累計の記憶領域、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
アクティブバッファ及びリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。例えば、図15に示すように、第0記憶領域〜第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このときに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、第1憶領域〜第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新する。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
第0記憶領域〜第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM102におけるRAM制御領域及びRAMデータ領域がクリアされる。このため、電源基板からの電力供給が開始されたときには、RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアされることなく維持される。RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアスイッチが操作されることでクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B、第4カウントスイッチ24C、第1一般入賞口スイッチ26A,第2一般入賞口スイッチ26B,第3一般入賞口スイッチ26C,第4一般入賞口スイッチ26Dといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定し、各スイッチに対応する入賞数カウンタへの加算を実行する(S11)。
続いて、入賞が発生した場合、つまり、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第1一般入賞口スイッチ26A,第2一般入賞口スイッチ26B,第3一般入賞口スイッチ26C,第4一般入賞口スイッチ26Dからの検出信号の入力があった場合には、各検出信号による入賞に対応した賞球個数の設定などを行う賞球処理(S12)を実行する。
次いで、CPU103は、役比、連比等の入賞情報を算出する入賞情報処理(S13)、該入賞情報処理にて算出された役比、連比等の入賞情報を表示モニタ29に表示する入賞情報表示制御処理(S14)を行う。その後、所定のメイン側エラー処理(S15)を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を実行可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、払出情報などのデータを出力する(S16)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1や乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S17)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S18)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球ユニット7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S19)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S20)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
以下、遊技制御用タイマ割込処理における各種処理の内容について説明する。
図16は、入賞情報処理を示すフローチャートである。CPU103は、図16に示すように、入賞情報処理において、異常操作が検出されたか否か判断する(S301)。異常操作が検出されたか否かは、クリアスイッチからクリアスイッチ操作信号が送信されたか否かで判断する。
その結果、クリアスイッチ操作信号が送信されており、異常操作が検出された場合(S301;Y)には、警告表示準備を行い(S302)、S303に進む。また、クリアスイッチ操作信号が送信されておらず、異常操作が検出されない場合(S301;N)には、入賞情報を取得する(S303)。入賞情報は、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23及び第2カウントスイッチ24A、並びに、第1一般入賞口スイッチ26A〜第4一般入賞口スイッチ26Dのいずれかによって遊技球が検出されることによって取得される。
続いて、現在の時刻が営業時間内であるか否かを判断する(S304)。現在の時刻が営業時間内であるか否かは、RTC106によって計測されて判断される。その結果、現在の時刻が営業時間内である場合には(S304;Y)、ガラス扉枠3aが閉鎖されているか否かを扉開放センサ90からの出力信号により判断する(S305)。
その結果、扉開放センサ90から信号が出力されておらず、ガラス扉枠3aが閉鎖されている場合には(S305;Y)、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞しているか否かを判断する(S306)。ここでの単位時間及び所定球数は、通常の遊技では入賞し得ない状態を想定した数値が設定される。具体的には、遊技球の発射は、最大1分間100発であるため、例えば、1分間に100個を上限として適宜決定できる。より具体的には、単位時間が1秒間である場合に所定球数が5個、又は、単位時間が10秒である場合に所定個数が30個などである。単位時間は、RTC106によって計測される。また、アタッカーへの遊技球の入賞個数は、カウントスイッチ23による遊技球の検出個数によって計測される。
その結果、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していない場合(S306;N)には、S303で取得した入賞情報に応じた賞球数を加算する賞球数加算処理を行う(S307)。なお、賞球数加算処理は、警告表示準備が行われていない場合に行う。ここで、警告表示準備が行われている場合には、そのまま入賞情報処理を終了する。賞球数加算処理では、図10に示す第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数を加算する。
また、賞球数加算処理では、アクティブバッファにおける第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数の賞球合計を算出する。ここで、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000となった場合には、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。また、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。
続いて、算出タイマがタイムアップした(算出タイマ=0)か否かを判断する(S308)。その結果、算出タイマがタイムアップしていない場合(S308;N)には、そのまま入賞情報処理を終了する。また、算出タイマがタイムアップしている場合(S308;Y)には、算出タイマをセット(算出タイマ=2000ms)する(S309)。
それから、S307で加算して得られた賞球数(賞球合計)が算出実行数となっているか否かを判断する(S310)。算出実行数は、適宜の数とすることができるが、例えばリングバッファにおける第0記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第1記憶領域〜第10記憶領域に移動させる基準となる賞球合計の6000個よりもわずかに少ない数、例えば5900個とすることができる。また、算出実行数は、6000個から最大払出し球数を減じた数よりもわずかに小さい数とすることが好適である。
その結果、賞球数(賞球合計)が算出実行数となっていない場合には(S310;N)、そのまま入賞情報処理を終了する。また、賞球数が算出実行数となっている場合には(S310;Y)、連比及び役比を算出する(S311)。ここでは、短期連比、短期役比、累計連比(総累計連比)、累計役比(総累計役比)をそれぞれ算出する。このため、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比は、いずれも同一割込み内で算出される。その後、連比・役比表示処理を行って(S312)、入賞情報処理を終了する。
また、S304で営業時間内でないと判断した場合(S304;N)、S305でガラス扉枠3aが閉鎖していないと判断した場合(S305;N)、S306で単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していると判断した場合(S306;Y)には、エラー表示準備を行う(S313)。その後、入賞情報処理を終了する。
図17は、入賞情報表示制御処理(S14)を示すフローチャートである。CPU103は、図17に示すように、まず、連比・役比表示準備が済んでいるか否かを判断する(S321)。連比・役比表示準備処理が済んでいないと判断した場合(S321;N)には、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断する(S322)。
その結果、エラー表示準備が済んでいると判断した場合(S322;Y)には、エラー表示を行う(S323)。エラー表示は、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「1」を表示することができる。また、エラー表示を行う際に、他の表示装置、例えば演出表示装置5、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B等に所定のエラー表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警報音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられたパチンコ遊技機1のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
エラー表示を行ったら、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(S324)。また、S322において、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断していないと判断した場合(S322;N)にも、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(S324)。
その結果、警告表示準備が済んでいると判断した場合(S324;Y)には、警告表示を行う(S325)。警告表示は、警告表示以外の表示とは異なるように、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「6」を表示することができる。このとき、警告がなされる状態であることを示すために、表示モニタ29を点滅させてもよいし、表示モニタ29の表示の色を変化させながら表示させてもよい。あるいは、表示モニタ29の表示の明度を高くして表示を行ってもよい。このように、警告表示は、他の表示よりも目立つようにして行うのが好適である。
また、警告表示を行う際に、他の表示装置、例えば演出表示装置5、第1特別図柄表示器4Aに、第2特別図柄表示器4B等に所定の警告表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警告音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられたパチンコ遊技機1のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。なお、演出表示装置5に他のエラー表示等が行われている場合には、これら表示されているエラーの表示を消去しないように警告表示を行うことが好適である。
警告表示を行ったら、連比・役比制御処理を終了する。また、S324で警告表示準備が済んでいないと判断した場合(S324;N)にも、連比・役比制御処理を終了する。
また、連比・役比表示準備が済んでいると判断した場合(S321;Y)には、短期連比表示を行う(S326)。続いて、短期連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S327)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(S327;N)には、S326に戻り、短期連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(S327;Y)には、S328に進む。こうして、短期連比表示は、30秒(30000ms)間継続して行われる。
続いて、短期役比表示を行い(S328)、短期役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S329)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(S329;N)には、S328に戻り、短期役比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(S329;Y)には、S330に進む。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積連比表示を行い(S330)、累積連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S331)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(S331;N)には、S330に戻り、累積連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(S331;Y)には、S332に進む。こうして、累積連比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積役比表示を行い(S332)、累積役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S333)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(S333;N)には、S332に戻り、累積役比表示を継続する。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。また、所定時間が経過したと判断した場合(S333;Y)には、連比・役比制御処理を終了する。
このように、パチンコ遊技機1では、主基板11に設けられた表示モニタ29によって短期連比、短期役比、累積連比、累積役比が表示される。また、表示モニタ29は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する主基板11上に設けられている。このため、遊技盤2に設けられた遊技釘(障害釘)や風車などについてどのような調整が加えられたかを認識できる。
また、表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。このため、表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。また、主基板11は、基板ケース201に設けられた放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が放熱孔によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、主基板11は、主基板11以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が演出制御基板12などの周辺基板によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、表示モニタ29には、電チューやアタッカーの通過によって払い出された賞球と、一般入賞口の通過によって払い出された賞球との関係に関する連比や役比を表示することができる。また、表示モニタ29は、短期連比と累計連比など、所定情報を所定期間ごとに切り替えて表示可能である。このため、複数の期間についての情報を表示するための表示器を設ける必要がないので、部品点数の削減に寄与することができる。
また、表示モニタ29には、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)が表示されるので、総賞球数が6000個となるなど、一定の単位に対応した期間の数値を容易に認識することができる。所定単位に対応した期間は、賞球数が6000個となる以外の期間であってもよい。例えば、賞球数が1000個、10000個となる期間でもよい。あるいは、賞球数ではなく時間を単位としてもよい。例えば、所定単位に対応した期間を1時間、3時間、10時間などの適宜の時間としてもよい。
また、表示モニタ29は、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)のほか、累計連比及び累計役比を切り替えて表示している。このため、所定単位ごとの短期連比や短期役比と累計連比や累計役比などを容易に比較することができる。また、表示モニタ29は、かしめられた基板ケース201内に収容された主基板11に設けられている。このため、表示モニタ29における表示を改ざんするなどの不正の防止に寄与することができる。
また、パチンコ遊技機1は、適正な所定情報が表示できなくなる不正を検知検出する検出手段を備えている。ここでの不正とは、例えば遊技上の営業時間外における賞球数の計数、ガラス扉枠3aの開放中における賞球数の計数、許容入賞数を超えた遊技球の入賞などがある。パチンコ遊技機1は、遊技場の営業時間内で稼働するものであり、営業時間以外の時間における賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。また、パチンコ遊技機1は、扉枠を閉じて遊技を行うものであり、扉枠の開放中の賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。
また、パチンコ遊技機1の遊技中、遊技球は、一定の速度を超えて発射させることができない。例えば、遊技球の発射は、最大1分間100発である。このため、1分間での遊技球の入賞の上限数はほぼ100個となる。したがって、例えば1分間に100個、あるいは12秒間に20個を超える遊技球の入賞が検出された場合には、不正行為があった蓋然性が極めて高くなる。
パチンコ遊技機1では、不正を検知するために、営業時間内でない場合、ガラス扉枠3aが閉鎖されていない場合、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数の加算を排除している。したがって、これらの不正による連比、役比の情報などの改ざんを抑制することができる。なお、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数に代えて、単位時間あたりの払出球数に基づいて不正を検出してもよい。
また、上記のパチンコ遊技機1では、RAM102が備えるアクティブバッファの第0記憶領域が所定の容量である6000個となった場合に、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。このため、リングバッファが容量不足となることを防ぐことができる。
また、リングバッファでは、第1記憶領域〜第10記憶領域が設けられており、アクティブバッファの第0記憶領域のデータがリングバッファの第1記憶領域に移動する場合、第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータが所定単位ごととされるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。また、消去されずに残るデータを多くしておくことができる。
なお、アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファにおける第9記憶領域のデータを第10記憶領域に移動させる。このとき、第10記憶領域のデータを消去して、第9記憶領域のデータを移動させてもよいし、第10記憶領域のデータに第9記憶領域のデータを上書きしてもよい。この場合でも、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。
アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファでは、その一部の記憶領域である第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータを少なくすることができるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができるとともに、多くのデータで連比や役比を算出できる。
なお、リングバッファのデータを消去する際には、その一部第10記憶領域のデータを消去するのみではなく、第1記憶領域〜第10記憶領域のデータの全てを消去するようにしてもよい。この場合、リングバッファの容量不足をより好適に防ぐことができる。また、所定の条件に応じてリングバッファの一部又は全部のデータを消去するようにしてもよい。例えば、営業時間開始時最初には、リングバッファの全部のデータを消去し、以後はリングバッファの一部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の例では、リングバッファにおけるデータの移動について説明しているが、リングバッファ以外のデータ、例えば総累計を記憶する記憶領域についても、同様に一部や全部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記のパチンコ遊技機1では、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示している。このため、各データを容易に比較することができる。なお、各データを表示する周期は30秒ではなく、適宜の周期としてもよい。例えば、10秒毎としてもよいし、1分毎としてもよい。または、1時間ごととしてもよい。また、表示されるデータは、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比のデータ以外のデータとしてもよいし、これらのデータの一部のみとしてもよい。
また、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示するにあたり、短期連比については、他のデータと異なる表示を行っている。具体的には、短期連比については赤字で表示し、他のデータは緑字で表示している。このため、短期連比から新たなデータを表示することを認識させることができる。
また、パチンコ遊技機1では、異常操作が行われたときに、警告表示を行うようにしている。具体的に、クリアスイッチが操作された場合に異常操作として警告を表示する。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合に操作されるいわば非常用のスイッチである。このスイッチが操作されると、連比や役比のデータの改ざんを行うことができるので、クリアスイッチの操作を異常操作として検出する。パチンコ遊技機1では、この異常操作を警告表示によって警告できるので、データの改ざんなどの不正を抑制することができる。
図18は、メイン側エラー処理(S15)を示すフローチャートである。メイン側エラー処理においてCPU103は、まず、演出制御基板12側において異常報知を所定期間において実行中であることを示す異常報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S401)
異常報知中タイマが動作中でない場合(S401;N)にはS402に進む。また、異常報知中タイマが動作中である場合(S401;Y)には、S420に進んで、異常報知中タイマを−1し、該減算後の異常報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S421)。
異常報知中タイマがタイマアップしていない場合(S421;N)には、S402に進む。一方、異常報知中タイマがタイマアップした場合(S421;Y)には、異常報知中フォラグをクリアした後(S422)、S402に進む。
S402においては、図19に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を行う。パチンコ遊技機1では、図19に示すエラー(異常)を判定する形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これらエラー(異常)の種類や数は、パチンコ遊技機1の機種や仕様によって適宜に設定されればよい。
本実施例では、図19に示すように、1〜15の各エラー(異常)が設定されており、異常判定処理においては、これら1〜15の各エラー(異常)の発生を判定可能である。
これら各エラー(異常)には、図19に示すように、優先順位が設定されており、原則として、該優先順位が高いエラー(異常)が優先して報知されるようになっている。
これらエラーとしては、例えば、優先順位「1」のスイッチコモン短絡エラーのように、機器である電源を供給するスイッチ電源の短絡異常によるエラーや、電波センサ70による電磁波の検出や磁気センサ60による磁力の検出等の不正の可能性が非常に高いエラーや、第1カウントスイッチ23や第2カウントスイッチ24Aの検出異常等のように、機器(スイッチ)の不良または不正の可能性があるエラーや、満タンエラーや球切れエラー等の不正である可能性がないが、遊技の進行において支障が生じるエラー等がある。
また、それぞれのエラーには、発生したエラーを解除するための条件が設定されており、比較的優先度の高いエラーについては、主に「電源オフ」が解除条件とされているのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、一定時間が経過することや、当該エラーの状態が解除されることが解除条件とされている。
また、エラー(異常)には、図19に示すように、所定状態である遊技停止状態に制御されるエラー(異常)と、所定状態である遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とがあり、比較的優先度の高いエラーは遊技停止状態に制御されるエラー(異常)とされ、比較的優先度の低いエラー(異常)については、遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とされている。
なお、これらエラーには、同一のセンサによるエラーであっても、検出される時期によって異なるエラーとなるものがある。例えば、振動センサ80により異常振動が検出された場合のエラーとしては、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bの作動時に振動センサ80により異常振動が検出された場合には、優先順位が「6」と高い振動検出1エラーと判定されて、電源がオフされるまで遊技停止状態に制御されるのに対し、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bの作動時に振動センサ80により異常振動が検出された場合には、優先順位が「11」と低い振動検出2エラーと判定され、遊技停止状態に制御されることなく、60秒後に当該エラーが解除されるようになっている。
また、各エラー(異常)には、図19に示すように、各々、セキュリティ信号の出力態様が設定されており、各エラー(異常)の発生が判定された場合には、各エラー(異常)に対応する態様にてセキュリティ信号がターミナル基板16からパチンコ遊技機1の外部に出力されるようになっている。なお、セキュリティ信号は、比較的優先度が高く、遊技停止状態となるエラー(異常)については、電源がオフされるまで出力されるのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、エラー判定後の一定時間において出力されるか、或いは、出力されないようになっている。なお、優先度「10」の「不正入賞エラー」については、電源がオフされるまでだけではなく、再電源投入後から一定時間(例えば4分)にわたり、セキュリティ信号が出力されるように設定されている。
このように、異常判定処理においてCPU103は、主基板11に接続されている磁気センサ60、電波センサ70、振動センサ80、扉開放センサ90、第1大入賞口扉センサ91、第2大入賞口扉センサ92、満タンセンサ93、球切れセンサ94の検出状態や、払出基板の状態、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24Aの遊技球の検知状態等に基づいて、図19に示す各エラー(異常)を判定する。
そして、S402の異常判定処理を実行した後、該異常判定処理において異常の発生を判定したか否かを判断し(S403)、異常の発生を判定していない場合(S403;N)には当該メイン側エラー処理を終了する。
一方、異常の発生を判定した場合(S403;Y)には、異常報知を実行中であることを示す異常報知中フラグがセットされているか否か、つまり、既に異常の報知を行っているか否かを判定する(S404)。
異常報知中フラグがセットされていない場合(S404;N)には、S410に進んで、異常報知中フラグと異常報知中タイマをセットするとともに、報知を開始するエラー(異常)を記憶した後、S411に進む。
なお、異常報知中タイマには、例えば、報知を開始するエラー(異常)が振動検出2エラーであれば、60秒に対応するタイマ値がセットされ、報知を開始するエラー(異常)が始動口2異常入賞エラーであれば、300秒に対応するタイマ値がセットされる。但し、報知を開始するエラー(異常)が、「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、異常報知中タイマに「0」をセットする。これにより、S401においては、異常報知中タイマが動作中ではないと判定されることで、セットされた異常報知中フラグは、電源がオフとされるまでセットされていることになる。つまり、これら「電源オフ」の解除条件に対応するエラーについては、電源がオフとされるまでエラーの報知が継続されることになるので、電源がオフとされるまで異常報知中フラグがクリアされないようになっている。なお、異常賞球数が所定数以上であると判定された賞球異常エラーの場合には、遊技停止状態に制御されないので、遊技が可能な状態にてエラーが報知されることになる。
異常報知中フラグがセットされている場合(S404;Y)には、S410にて記憶されている報知異常のデータから報知中の異常を特定し(S405)、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一であるか否かを判定する(S406)。
S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一である場合(S406;Y)には、当該メイン側エラー処理を終了する。一方、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一でない場合(S406;N)には、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)であるか否かを判定する(S407)。S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合(S407;N)には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合には、S413のステップが実行されてエラー指定コマンドが演出制御基板12に送信されることがないため、該エラー(異常)の報知は実行されず、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになる。
一方、S402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)である場合(S407;Y)には、さらに、所定状態である遊技停止状態を示す遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(S408)。
遊技停止フラグがセットされている場合(S408;Y)、つまり、遊技停止状態である場合には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、遊技停止状態である場合には、報知中のエラー(異常)よりも優先度の高いエラー(異常)がS402にて判定されても、S413のステップやS414のステップが実行されることがないため、演出制御基板12に新たなエラー指定コマンドが送信されることがないので、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになるとともに、出力中のセキュリティ信号の出力が変化(信号のON・OFF)してしまうこともない。
一方、遊技停止フラグがセットされていない場合(S408;N)、つまり、遊技停止状態ではない場合には、S409に進んで、異常報知中タイマを再セットするとともに、報知中のエラー(異常)を更新記憶する。なお、S402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、前述したS410の場合と同様に、異常報知中タイマに「0」をセットすることで、異常報知中フラグが、電源がオフとされるまでセットされているようになる。
そして、S402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が遊技停止に該当するエラーであるか否かを判定し(S411)、遊技停止に該当するエラーでない場合(S411;N)には、S412を経由することなくS413に進む。遊技停止に該当するエラーである場合(S411;Y)には、発射制御基板に対して発射を停止する設定を行って、打球発射装置からの遊技球の発射を不能とし、遊技停止フラグをセットして(S412)、S413に進む。
S413においては、S402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)の発生を指定するエラー指定コマンドを演出制御基板12に送信する設定を行い、その後、該エラー(異常)に対応する出力態様にてセキュリティ信号を出力する設定を行い(S414)、メイン側エラー処理を終了する。これらS414にてセキュリティ信号を出力する設定がなされることにより、情報出力処理(S16)において、ターミナル基盤16からセキュリティ信号がホールコンピュータ等の外部機器に対して出力される。
なお、S413において送信設定されたエラー指定コマンドは、S20のコマンド制御処理が実行されることにより演出制御基板12に送信される。そして、演出制御基板12においては、後述するエラー報知処理(図30参照)が実行されることで、該送信されたエラー指定コマンドにて特定されるエラー(異常)に対応したエラー報知が実行される。
このように、パチンコ遊技機1の主基板11においては、上記したメイン側エラー処理が実行され、演出制御基板12においては、後述するエラー報知処理(図30参照)が実行されることにより、図20に示すように、遊技状態が所定状態である遊技停止状態であるか否かにより、エラー報知の実行態様が異なる。
具体的には、例えば、遊技可能な状態において、最初に図19に示す振動検出2エラーの発生が判定された場合には、該振動検出2エラーの発生が、図21(A)に示すように、振動検出2エラーに対応する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウが、所定時間である60秒にわたって演出表示装置5において表示されることにより報知される。
そして、これら振動検出2エラーの報知中において賞球異常エラーの発生が判定された場合には、賞球異常エラーの優先度は「7」であり、実行されている振動検出2エラーの優先度である「11」よりも高いので、実行されている振動検出2エラーを報知する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウに代えて、賞球異常エラーの報知、具体的には、図21(A)に示すように、「係員をお呼びください! E−33 賞球異常エラー 電源を再投入してください」の表示を含むポップアップウインドウが表示されて、賞球異常エラーの発生が報知される。但し、この賞球異常エラーの発生では、遊技停止状態に制御されることはなく、遊技可能な状態が維持される。
そして、賞球異常エラーの報知中において、例えば、賞球異常エラーよりも優先度の高いエラーである「磁石エラー」の発生が判定された場合には、図21(B)に示すように、演出表示装置5の表示全体が黒表示とされることで遊技停止中であることが示されるとともに、演出表示装置5に「遊技停止中 係員をお呼びください! E−02 磁石エラー 電源を再投入してください」の表示が白文字にて表示されることで、「磁石エラー」の発生が報知されるとともに、遊技停止となったエラー(異常)が磁石エラーであることが報知される。
そして、このように遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、該「電波エラー」の発生が判定されても遊技停止フラグがセットされていることによって、該「電波エラー」の判定に対応するエラー指定コマンドが送信されないので、図21(B)に示すように、「電波エラー」の報知が実行されずに、遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」の報知が継続されることで、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーがどのようなエラーであるのかが特定できなくなって、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーである、磁石を使用した不正に対する適切な対応ができなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S414のステップが実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機1の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
図22は、特別図柄プロセス処理として、図9に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S31の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、変動表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、変動表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、変動表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、更に遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。なお、大当りフラグと小当りフラグの両方がオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれであるかに対応して、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「大当りA」であれば「5回」、「大当りB」であれば「10回」、「大当りC」であれば「15回」にそれぞれ設定することにより、大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、第1大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、第1大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第1大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第1大入賞口扉701用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して時短制御を開始するための各種の設定(時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
具体的には、大当り終了処理においては、実行した大当りの種別を特定する。そして、特定した大当り種別が「大当りA」である場合は、時短フラグをセットせずに特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。特定した大当り種別が「大当りB」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りB」に対応するカウント初期値(たとえば、「20」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。また、特定した大当り種別が「大当りC」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りC」に対応するカウント初期値(例えば、「100」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S29の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第2大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第2大入賞口の開放回数を「1回」に設定することにより、小当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
なお、本実施例では、小当り状態において第2大入賞口の開放回数を「1回」、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定する形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、小当り状態における第2大入賞口の開放回数は2回以上の複数回であってもよく、また、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限は遊技球が第2大入賞口に入賞可能な期間であれば「1秒」以外の期間であってもよい。
S30の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放中処理には、第2大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第2カウントスイッチ24Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第2大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第2大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第2大入賞口扉711用のソレノイド83に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S31の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図23は、特別図柄通常処理として、図22のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bのデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aのデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図6(A)に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定する(S150)。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。このとき、CPU103は、変動特図指定バッファの値が「1」である場合は、図6(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットし、変動特図指定バッファの値が「2」である場合は、図6(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットすればよい。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データが、大当り種別判定テーブルにおいて「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時間単出制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶してS156に進む。一例として、大当り種別が「大当りA」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「大当りB」であれば「1」とし、「大当りC」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、CPU103は、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S151a)。「小当り」であると判定された場合には(S151a;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S151a)。このときには、小当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り種別判定テーブル(図6(D)参照)を選択してセットする(S151c)。こうしてセットされた小当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データが、小当り種別判定テーブルにおいて「小当りA」、「小当りB」の各小当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、小当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S151d)。
こうして決定された小当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた小当り種別バッファの格納値である小当り種別バッファ値を設定することなどにより(S151e)、決定された小当り種別を記憶してS156に進む。一例として、小当り種別が「小当りA」であれば小当り種別バッファ値を「0」とし、「小当りB」であれば「1」とすればよい。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果、更には、小当り遊技状態に制御するか否か(小当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「大当りA」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「大当りB」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「大当りC」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
なお、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図24は、特別図柄停止処理として、図22のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。なお、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S189aに移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、時短フラグがセットされていれば時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて当り開始1指定コマンド(大当りA)、当り開始2指定コマンド(大当りB)、当り開始3指定コマンド(大当りC)を送信するための設定を行う(S185)。なお、S185において設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S17)にて演出制御基板12に送信される。
更にCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、大当りAの場合には5回、大当りBの場合には10回、大当りCの場合には15回)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新し(S189)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S189aにおいてCPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを判定する(S189a)。小当りフラグがセットされていない場合(S189a;Y)には、S190に移行する。一方、小当りフラグがセットされている場合は(S189a;Y)、CPU103は、演出制御基板12に、記憶されている小当りの種別に応じて当り開始4指定コマンド(小当りA)、当り開始5指定コマンド(小当りB)を送信するための設定を行う(S189b)。なお、S189bにおいて設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S17)にて演出制御基板12に送信される。
そして、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S189c)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、小当りの場合には1回)をセットする(S189d)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S26)に対応した値である“7”に更新し(S189e)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態(時短状態)である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低ベース状態(通常状態))に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図25は、小当り開始前処理として、図22のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。小当り開始前処理において、CPU103は、先ず小当り表示時間タイマを−1し(S201)、該小当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S202)。小当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S202;N)、小当り開放前処理を終了する一方、小当り表示時間タイマがタイマアウトした場合は(S202;Y)、第2大入賞口を開放状態とするための開放時間タイマにあらかじめ定められている期間(例えば、1秒)に応じた値をセットする(S203)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S30)に対応した値である“8”に更新し(S204)、当該小当り開放前処理を終了する。
図26は、小当り開放中処理として、図22のS30にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り開放中処理において、CPU103は、先ず開放時間タイマの値を−1する(S211)。そして、CPU103は、開放時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S212)。
開放時間タイマがタイマアウトした場合は(S212;Y)、S230に移行し、開放時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S212;N)、第2大入賞口の開放タイミングであるか否かを判定する(S213)。第2大入賞口の開放タイミングである場合は、CPU103は第2大入賞口扉711用のソレノイド83を駆動させることで第2大入賞口を開放状態に制御する(S214)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放中指定コマンドの送信設定を行い(S215)、S216に移行する。なお、S215において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理にて演出制御基板12に送信される。第2大入賞口の開放タイミングでない場合は(S213;N)、S214及びS215を経由せずにS216に移行する。
S216において、CPU103は、第2大入賞口の閉鎖タイミングであるか否かを判定する(S216)。第2大入賞口の閉鎖タイミングである場合は(S216;Y)、CPU103は第2大入賞口扉711用のソレノイド83を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御する(S217)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放後指定コマンドの送信設定を行い(S218)、S223に移行する。なお、S218において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理にて演出制御基板12に送信される。第2大入賞口の閉鎖タイミングでない場合は(S216;N)、S217及びS218を経由せずにS223に移行する。
S223において、CPU103は、第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否かを判定する(S223)。第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていない場合は(S223;N)、小当り開放中処理を終了し、第3カウントスイッチ24Bがオンとなっている場合は(S223;Y)、既に第3カウントスイッチ24Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S224)。V入賞フラグがセットされている場合は(S224;Y)、小当り開放中処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S224;N)、V入賞フラグをセットする(S225)。
そして、CPU103は、演出制御基板12に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行う(S227)。なお、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S17)において演出制御基板12に送信される。また、CPU103は、第2大入賞口が開放状態であれば、第2大入賞口扉711用のソレノイド83を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御し(S228)、開放時間タイマをクリアする(S229)。
そして、S230において、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(S31)に対応した値である“9”に更新し(S230)、当該小当り開放中処理を終了する。
図27は、小当り終了処理として、図22のS31にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り終了処理において、CPU103は、小当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S231)。小当り終了表示タイマが動作中でない場合は(S231;N)、小当りフラグをクリアし(S232)、演出制御基板12に対して小当りに応じた当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S233)。なお、当り終了指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S17)において演出制御基板12に送信される。そして、小当り終了表示タイマに小当り終了表示時間に応じた値をセットし(S234)、小当り終了処理を終了する。
一方、小当り終了表示タイマが動作中である場合は(S231;Y)、小当り終了表示タイマの値を−1する(S235)。そして、小当り終了表示時間が経過したか否か、つまり、小当り終了表示タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S236)。小当り終了表示時間が経過していない場合は(S236;N)、CPU103は第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否かを判定する(S237)。第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていない場合は(S237;N)、小当り終了処理を終了し、第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていり場合は(S237;Y)、既に第3カウントスイッチ24Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S238)。V入賞フラグがセットされている場合は(S238;Y)、小当り終了処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S238;N)、V入賞フラグをセットする(S239)。
そして、CPU103は、演出制御基板12に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行い(S241)、小当り終了処理を終了する。なお、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S17)において演出制御基板12に送信される。
また、S236において小当り終了表示時間が経過した場合は(S236;Y)、CPI103は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S242)。V入賞フラグガセットされている場合は(S242;Y)、CPU103はV入賞フラグをクリアするとともに大当りフラグをセットする(S243、S244)。そして、CPU103は、当該V入賞が発生した小当り種別にもとづいて大当り種別を「大当りD」と「大当りE」とから決定する(S246)。なお、大当り種別は、図6(D)に示すように、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りA」である場合は、大当り種別を「大当りD」に決定し、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りB」である場合は、大当り種別を「大当りE」に決定する。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S247)、決定された大当り種別を記憶してS248に進む。一例として、大当り種別が「大当りD」であれば大当り種別バッファ値を「3」とし、「大当りE」であれば「4」とすればよい。
S247の実行後、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新し(S248)、小当り終了処理を終了する。
つまり、小当り遊技中だけでなく、小当り遊技終了後の小当り終了表示時間が経過するまでの期間において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過するようになっているため、小当り遊技終了直前に第2大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても、該遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することで小当り終了処理の終了後に大当り遊技が実行されるようになっている。
なお、S242においてV入賞フラグがセットされていない場合は(S242;N)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S22)に対応した値である“0”に更新し(S249)、小当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図28は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。
そして、図30に示すエラー報知処理(S57)を実行した後、S52に移行する。
図29は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S82のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)、小当り表示処理(S80)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S80):変動時間の終了後、演出表示装置5に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S81)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S81):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S82)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S82):演出表示装置5において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)または大当り表示処理(S77)に対応した値に更新する。
図30は、エラー報知処理(S57)を示すフロー図である。エラー報知処理では、演出制御用CPU120は、先ず、エラー報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S501)。
エラー報知中タイマが動作中でない場合、つまり、エラー報知を実行していない場合には、S502に進む。
一方、エラー報知中タイマが動作中である場合、つまり、エラー報知を実行している場合には、エラー報知中タイマを−1した後(S510)、該減算後のエラー報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S511)。
エラー報知中タイマがタイマアップしていない場合(S511;N)には、S512とS513を経由することなくS502に進む。
一方、エラー報知中タイマがタイマアップした場合(S511;Y)には、エラー報知中フラグをクリアするとともに(S512)、実行中のエラー報知を終了して(S513)、S502に進む。
S502では、エラー指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。エラー指定コマンド受信フラグは、主基板11から送信されたコマンドが、エラー指定コマンドであることが前述のコマンド解析処理(S54)にて特定されたときに、該コマンド解析処理にてセットされる。
エラー指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S502;N)には、当該エラー報知処理を終了する。一方、エラー指定コマンド受信フラグがセットされている場合(S502;Y)には、セットされているエラー指定コマンド受信フラグをクリアし(S503)、エラー指定コマンド格納領域に格納されているエラー指定コマンド(具体的にはEXTの値)からエラー種別を特定し(S504)、特定したエラー種別に対して設定されている報知態様、具体的には、演出表示装置5に表示する内容と、遊技効果ランプ9の点灯態様と、出力する音声等を特定する(S505)し、該特定した報知態様にてエラー報知を開始する(S506)。
次いで、S504にて特定したエラー種別が報知期間の有るエラー、例えば、解除期間(報知期間)として60秒が設定されている振動検出2エラーや、解除期間(報知期間)として300秒が設定されている始動口2異常入賞エラー等であるか否かを判定する。
エラー種別が報知期間の有るエラーである場合(S507;Y)には、エラー報知中フラグとともにエラー報知中タイマに報知期間に対応する値をセットしてエラー報知中タイマのタイマカウントとを開始して当該エラー報知処理を終了する。これにより、該S506にて開始されたエラーの報知は、エラー報知中タイマがタイマアップした時点で終了する。
一方、エラー種別が報知期間の有るエラーではない場合(S507;N)には、エラー報知中フラグだけをセットし、エラー報知中タイマのタイマカウントを開始せずに当該エラー報知処理を終了する。これにより、前述したS501にてエラー報知中タイマが動作中と判定されることがないので、S506にて開始されたエラーの報知は、次にエラー指定コマンドを受信するまで報知が継続される。
以上、パチンコ遊技機1によれば、所定状態として、エラー(異常)の判定による遊技停止状態であるときに新たにエラー(異常)が判定された場合には、該判定されたエラー(異常)の優先度が報知中のエラー(異常)の優先度より高くても、先のエラー(異常)の報知を継続するので、遊技停止状態の契機となったエラー(異常)が確認困難となって、適切な対応が不能となってしまうことを防ぐことができる。
また、パチンコ遊技機1によれば、遊技停止状態に制御されるエラー(異常)として、図19に示すように、複数のエラー(異常)が設定されているので、より多くの遊技停止状態となる異常の発生を判定できる。
また、パチンコ遊技機1によれば、特定領域である第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過(進入)することで遊技者にとって有利な大当りとなる第2特別可変入賞球装置7Bを備えるパチンコ遊技機1において、該第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711の開放時において振動センサ80により異常振動が検出された場合には、優先順位が「6」と高い振動検出1エラーと判定されて遊技停止状態に制御されるので、振動によって遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過(進入)するようにする不正をエラー(異常)の発生と判定することができる。
(変形例1)
次に、前述したメイン側エラー処理についての変形例1について図31に基づいて説明する。なお、メイン側エラー処理以外の構成等に関しては、前述した実施例と同一である。
図18において示したように、前述した実施例では、所定状態である遊技停止状態においてもエラー(異常)の発生を判定するが、該判定したエラー(異常)の発生の報知を制限することで、所定状態である遊技停止状態の契機となったエラー(異常)が確認困難となってしまうことを防ぐようにしているが、図31に示す変形例1においては、遊技停止状態となった場合には、エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を含むメイン側エラー処理自体を実行しないようにすることで、新たなエラー(異常)の発生の判定を行わないように制限することにより、所定状態である遊技停止状態の契機となったエラー(異常)が確認困難となってしまうことを防ぐようにしている。
具体的には、図31に示すように、メイン側エラー処理の最初のステップにおいて、遊技停止フラグがセットされているか否かを判定し、遊技停止フラグがセットされている場合(S400;Y)には、当該メイン側エラー処理を終了し、遊技停止フラグがセットされていない場合(S400;N)には、S401以降の処理を実行するようにすればよい。
なお、S401以降の処理については、S408のステップの処理を除いて前述した実施例と同一であるので、ここでの説明は省略する。
このように、上記した変形例1によれば、所定状態である遊技停止状態のときには、優先度に関係なく新たなエラー(異常)の判定が制限されるようになるので、所定状態である遊技停止状態に制御される契機となった異常が確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
(変形例2)
次に、前述したエラー報知処理についての変形例2について図32に基づいて説明する。なお、エラー報知処理以外の構成等に関しては、メイン側エラー処理を除き前述した実施例と同一である。但し、図19に示す、各エラー(異常)の優先度を特定するためのデータについては、演出制御基板12側の演出制御用CPU120が読み出し可能に記憶されているものとする。
図18において示したように、前述した実施例では、メイン側エラー処理において新たに判定したエラー(異常)の優先度を特定し、該特定した優先度が報知中のエラー(異常)よりも高いか否かを判定して、優先度が報知中のエラー(異常)よりも高い場合においてのみ、エラー指定コマンドを送信することで、演出制御基板12(演出制御用CPU120)側では、優先度の特定や比較による判定等を行わない形態を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、前述した実施例におけるメイン側エラー処理においては、S407のステップを実行しないことで、優先度に関係なくエラー(異常)の発生を判定してエラー指定コマンドの送信設定を行い、演出制御基板12(演出制御用CPU120)側で、図32に示すエラー報知処理を実行することで、演出制御基板12(演出制御用CPU120)側において、新たに判定されたエラー(異常)の優先度の特定や比較による判定等を行うようにしてもよい。
つまり、図32に示すように、S504の処理に続いて、エラー報知中フラグがセットされているか否か、すなわち、エラー報知中であるか否かを判定し(S504a)、エラー報知中フラグがセットされていない場合(S504a;N)には、S505に進む一方、エラー報知中フラグがセットされている場合(S504a;Y)には、S504bに進んで、S504にて特定したエラー種別の優先度は、報知中のエラー種別の優先度よりも高いか否かを更に判定し、報知中のエラー種別の優先度よりも高くない場合(S504b;N)には、当該エラー報知処理を終了することで、既に実行しているエラー報知を継続する一方、報知中のエラー種別の優先度よりも高い場合(S504b;N)には、実行中のエラー報知を終了した後(S504c)、S505に進むことで、S504にて特定したエラー種別のエラー報知を、実行中のエラー報知に代えて開始するようにすればよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例や前記変形例では、所定状態である遊技停止状態を、遊技球の発射を制限することで遊技を不能化し、主基板11においては、遊技可能時と同様に遊技制御用タイマ割込処理を実行することで、スイッチの検出や、賞球の払い出しや、入賞情報の算出や表示、演出制御コマンドの送信等が可能な状態とすることで、例えば、磁石センサや電波センサ等の誤作動やノイズ等による誤検知等によって誤って遊技停止状態となっても、賞球の払い出し等は実行されるようになるので、例え、誤って遊技停止状態となっても不都合が生じてしまうこと等を防ぐことができるようになっているが、これに限定されるものではなく、遊技停止状態を、遊技制御用タイマ割込処理をほぼ実行しないようにして、スイッチの検出や、賞球の払い出しや、入賞情報の算出や表示、演出制御コマンドの送信等が不能な状態としてもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、所定状態として遊技停止状態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら所定状態を、遊技停止状態とは異なる状態、例えば、セキュリティ信号が出力されている状態やエラー(異常)を報知中である状態とすることで、セキュリティ信号が出力されている場合やエラー(異常)を報知中である場合には、新たなセキュリティ信号の出力や新たなエラー(異常)の報知や新たなエラー(異常)の判定を制限するようにしてもよいし、これら所定状態を、エラー(異常)に起因しない状態、例えば、営業時間外である状態や閉店時間前の所定期間である状態等のように、時間的な条件を満たす状態であっても良いし、遊技に関する所定の条件を満たす状態(例えば、ベースが設計値としての基準範囲の上限値を超える状態又は下限値を下回る状態)であっても良い。
また、所定状態は、例えば、原点位置から離れた動作位置に変位可能に設けられ、少なくとも動作範囲の一部が重なることで同時に動作すると衝突する可能性のある複数の役物(可動体)と、各々の役物(可動体)が原点位置に位置していることを検出可能な原点センサ(検出手段)とを備える場合において、各役物(可動体)を順次初期化する初期化処理において、1の役物(可動体)を原点位置に位置させる原点復帰動作において原点センサによって役物(可動体)を検出できず、該役物(可動体)を原点位置に位置させることが不能であることによって、該役物(可動体)が異常である旨の報知を行いつつ、少なくとも一部の動作範囲が重なる複数の役物(可動体)の動作を制限するようなものであってもよい。この場合には、複数の役物(可動体)の動作が制限されることにより、1の役物(可動体)以外の他の役物(可動体)については、原点位置に位置させる復帰動作のエラー判定とそれに伴うエラー報知を行わないので、どの役物(可動体)のエラーで複数の役物(可動体)の動作が制限されたのかを確認不能となることを防ぐことができるとともに、無用な異常判定による処理負荷の増大を防ぐことができる。つまり、各々の役物(可動体)について、原点復帰動作において原点センサによって検出されないことを原点復帰エラー(異常)として判定するようにし、1の役物(可動体)について原点復帰エラー(異常)が判定された場合には、他の役物(可動体)については、原点復帰エラー(異常)の判定や報知を行わないようにすればよい。また、1の役物(可動体)の動作異常に伴って、セキュリティ信号出力する場合には、他の役物(可動体)については、セキュリティ信号出力を行わないようにしてもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、役比や連比を算出して表示モニタ29に表示しているだけで、役比や連比についての異常を判定しない形態を例示したが、これに限定されるものではなく、役比が所定の役比規定値(例えば、7割)を超えた状態、又は連比が連比規定値(例えば、6割)を越えた状態を異常として判定し、異常報知するようにしてもよい。また、役比が役比規定値から外れた度合いや連比が連比規定値から外れた度合いによって、異なる種類のエラーとして判定又は報知するようにしてもよい。なお、この場合、役比が役比規定値から外れた度合いや連比が連比規定値から外れた度合いによって、報知優先度を設定してもよい。
また、役比や連比について異常の判定を行う場合、これらの異常について、図19に示すような報知優先度をあらかじめ設定すれば、図18に示すメイン側エラー処理に基づいて役比や連比についての異常を報知することが可能である。
また、これら役比や連比について複数種類のエラーを設定する場合、優先度が高いエラーについては遊技停止状態にしたりセキュリティ信号を出力する処理を行うようにしてもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、各エラー(異常)の優先度は、図19に示すようにあらかじめ設定されていて、遊技場が適宜変更することができない形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら各エラー(異常)の優先度等を、遊技場が適宜に変更できる優先度変更手段を備えるようにしてもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、遊技機として、小当りとなることにより開放される第2特別可変入賞球装置7Bを備え、該第2特別可変入賞球装置7Bにおいて特定領域である第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過(進入)することで遊技者にとって有利な大当りとなるパチンコ遊技機1を例示したが、これに限定されるものではなく、これら第2特別可変入賞球装置7Bを備えずに、第1特別可変入賞球装置7Aのみを備えるものであってもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、役比や連比等の入賞情報を表示可能な表示モニタ29を備え、入賞情報処理や入賞情報表示制御処理を実行する形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら表示モニタ29を備えておらず、入賞情報処理や入賞情報表示制御処理を実行しないものであってもよい。
また、前記実施例および前記変形例では、表示モニタ29を主基板11に設けた形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、これら表示モニタ29を、主基板11以外の基板、例えば、払出基板や電源基板や中継基板15や演出制御基板12等に設けるようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、あらかじめ定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、いわゆる、封入式遊技機にも適用可能である。なお、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動表示結果が小当りとなった場合、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することで大当り種別判定用乱数値MR2を抽出し、該抽出した大当り種別判定用乱数値MR2とV入賞用大当り種別判定テーブルを用いることで小当り遊技終了後の大当り遊技における大当り種別を決定する形態を例示したが、これに限定されるものではなく、小当りに複数の種別(小当り種別)を設けるとともに、各小当り種別の小当り遊技中や小当り遊技終了から所定期間経過するまでの間で遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することで、一義的に小当り遊技終了後の大当り遊技における大当り種別を決定するようにしてもよい。
具体的には、例えば、小当り種別として「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」を設けるとともに、「小当りA」の小当り遊技中や小当り遊技終了から所定期間経過するまでの間で遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合は、小当り遊技終了後の大当り遊技の大当り種別を「大当りA」に決定し、「小当りB」の小当り遊技中や小当り遊技終了から所定期間経過するまでの間で遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合は、小当り遊技終了後の大当り遊技の大当り種別を「大当りB」に決定し、「小当りC」の小当り遊技中や小当り遊技終了から所定期間経過するまでの間で遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合は、小当り遊技終了後の大当り遊技の大当り種別を「大当りC」に決定すればよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部または一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、変動表示を行い、遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1、パチンコ遊技機901等)であって、
優先度が異なる複数種類の事象に対応しての異常の発生を判定可能な異常判定手段(例えば、CPU103が、図19に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を実行する部分)と、
前記異常判定手段によって異常が判定されたときに、該判定された異常の優先度が報知中の異常の優先度よりも高い場合に該報知を終了し、該判定された異常についての報知を行う異常報知手段(例えば、メイン側エラー処理のS407において、報知中のエラーよりも優先度の高いエラーを判定した場合に、遊技停止フラグがセットされていない場合には、優先度の高いエラーのエラー指定コマンドを演出制御基板12に対して送信することにより、演出制御基板12の演出制御用CPU120が実行するエラー報知処理において、該優先度の高いエラーのエラー報知を、既に実行されているエラー報知に代えて実行する部分)と、
前記異常判定手段によって異常が判定されたことにもとづいて、該判定された異常に対応した状態に制御する状態制御手段(例えば、CPU103が、S411において遊技球の発射を禁止して遊技停止状態とする部分)と、
表示態様が複数段階で変化することにより遊技者にとって有利となる期待度を示唆する示唆表示を少なくとも変動表示中において実行可能な示唆表示実行手段(例えば、図56〜図58のように、メーターMTの表示を実行可能な演出制御用CPU90120等)と、
前記示唆表示の表示態様を変化させ得る変化演出(メーター演出)を実行可能な変化演出実行手段(例えば、図56〜図58のように、可動演出部材9060の動作演出、小判のようなエフェクト画像を表示する演出、メーターMTの表示態様をメーターの上限値(レベル4(MAX))へ向かって変化させる演出、メーターの表示態様をメーターの下限値へ向かって変化させる演出、アイテムの種類や数を変化させる演出、キャラクタ(大きさ、色、数等)を変化させる演出、数字が増えていったり減っていったりする演出等を実行可能な演出制御用CPU90120等)と、
変動表示中において実行されている前記示唆表示を、特別演出(例えば、ノーマルリーチ演出、リーチ発展可否演出)の実行が開始されたことを契機として一旦消去した後、前記変化演出の実行に応じて再表示する表示制御を実行可能な示唆表示制御手段(例えば、図62〜図64のように、リーチ発展可否演出の実行開始時にメーターMT等を一旦消去し、その後、可動演出部材9060が動作してスーパーリーチに発展したことに応じてメーターMT等を再表示させる演出等を実行可能な演出制御用CPU90120等)と、
を備え、
前記異常報知手段は、前記状態制御手段により制御されている状態が所定状態(例えば、遊技停止フラグがセットされている遊技停止状態)であるときに、異常に対応する新たな事象が発生した場合には、異常の優先度にかかわらず前記所定状態の制御の契機となった異常についての報知を継続する(例えば、メイン側エラー処理のS407において、報知中のエラーよりも優先度の高いエラーを判定した場合に遊技停止フラグがセットされている場合には、優先度の高いエラーのエラー指定コマンドを演出制御基板12に対して送信しないことにより、演出制御基板12の演出制御用CPU120が、該優先度の高いエラーのエラー報知を実行せずに、既に実行中のエラーの報知を継続する部分)
ことを特徴とする遊技機が挙げられる。
上記遊技機によれば、所定状態に制御される契機となった事象が確認困難となってしまうことを防ぐことができる。また、遊技機において、示唆表示が特別演出の邪魔をすることを抑制できる。
上記遊技機において、変動表示中に示唆表示が行われているときに異常判定手段によって異常が判定された場合、異常の報知を優先する点より該示唆表示は消去されてもよいし、そのまま継続して該示唆表示は表示されてもよい。なお、そのまま継続して該示唆表示を表示する場合、異常の報知を優先する点より、異常の報知に関する表示が該示唆表示に比べて目立つように表示してもよい。例えば、異常の報知に関する表示は示唆表示に重複して表示され、重複する部分は異常の報知に関する表示が優先して表示される形態や、異常の報知に関する表示は示唆表示に比べて派手に大きく表示される形態などが挙げられる。
さらに、上記遊技機において、変動表示中における特別演出の実行を契機として示唆表示が一旦消去されているときに、異常判定手段によって異常が判定された場合、異常の報知を優先する点より該示唆表示は再表示されないようにしてもよいし、示唆表示は再表示されるようにしてもよい。なお、示唆表示を再表示する場合、異常の報知を優先する点より、示唆表示は、異常の報知に関する表示に比べて目立たないように表示してもよい。
さらに、示唆表示が特別演出の邪魔をすることを抑制できる遊技機の一例として、
変動表示を行なうことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901等)であって、
表示態様が複数段階で変化することにより遊技者にとって有利となる期待度を示唆する示唆表示を少なくとも変動表示中において実行可能な示唆表示実行手段(例えば、図56〜図58のように、メーターMTの表示を実行可能な演出制御用CPU90120等)と、
前記示唆表示の表示態様を変化させ得る変化演出(メーター演出)を実行可能な変化演出実行手段(例えば、図56〜図58のように、可動演出部材9060の動作演出、小判のようなエフェクト画像を表示する演出、メーターMTの表示態様をメーターの上限値(レベル4(MAX))へ向かって変化させる演出、メーターの表示態様をメーターの下限値へ向かって変化させる演出、アイテムの種類や数を変化させる演出、キャラクタ(大きさ、色、数等)を変化させる演出、数字が増えていったり減っていったりする演出等を実行可能な演出制御用CPU90120等)と、
変動表示中において実行されている前記示唆表示を、特別演出(例えば、ノーマルリーチ演出、リーチ発展可否演出)の実行が開始されたことを契機として一旦消去した後、前記変化演出の実行に応じて再表示する表示制御を実行可能な示唆表示制御手段(例えば、図62〜図64のように、リーチ発展可否演出の実行開始時にメーターMT等を一旦消去し、その後、可動演出部材9060が動作してスーパーリーチに発展したことに応じてメーターMT等を再表示させる演出等を実行可能な演出制御用CPU90120等)とを備えることを特徴とする遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、図面を参照しつつ、他の形態例を詳細に説明する。図33は、この他の形態例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置904Aと第2特特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、飾り図柄の可変表示(変動表示とも呼ぶ)が実行可能な画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置905の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の可変表示や第2特特別図柄表示装置904Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の変動と第2特特別図柄表示装置904Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または第2特特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行ない、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
画像表示装置905の画面上には、始動入賞記憶表示エリア905Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行なわれる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行なわれる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過する第2始動入賞の発生により、第2特特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア905Hと共に、あるいは始動入賞記憶表示エリア905Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図33に示す例では、始動入賞記憶表示エリア905Hと共に、第1特別図柄表示装置904A及び第2特特別図柄表示装置904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値に対応した個数のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置905の表示領域における所定縁部の近傍には、可動演出部材9060が設けられている。可動演出部材9060は、図34に示す可動演出部材用モータ9061の回転駆動により、画像表示装置905側に下端部を支点として図33の左側に向かって傾動し、上端部が画像表示装置905における表示領域の前面に進出する演出用模型を構成する。すなわち、可動演出部材9060は、図34に示す可動演出部材用モータ9061の回転駆動により、上下方向に延在する非傾動状態と、上記した傾動状態とに、変化可能である。
画像表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図34に示す普通電動役物用のソレノイド9081によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しない閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入する開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置906Bは、閉鎖状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。このように、遊技領域には、遊技球が進入可能な開放状態と、遊技球が進入不可能なまたは進入困難な閉鎖状態とに変化する普通可変入賞球装置906Bが設けられている。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図34に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図34に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機901は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図34に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば図34に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置907において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態または一部閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、「普図ゲーム」と称される。普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機901には、例えば図34に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行なう機能、演出制御基板9012等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示装置904Aと第2特特別図柄表示装置904Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行なって第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御等を行なって普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100やスイッチ回路90110、ソレノイド回路90111等が搭載されている。スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド9081や大入賞口扉用のソレノイド9082に伝送する。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置905、スピーカ908L、908R、及び遊技効果ランプ909や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板9012は、画像表示装置905における表示動作や、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ909や装飾用LED等における点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ908L、908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ909や装飾用LED等における点灯/消灯駆動を行なうランプドライバ回路等が搭載されている。
図34に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ、カウントスイッチ9023といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えば「センサ」と称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板9011には、第1特別図柄表示装置904A、第2特特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020等の表示制御を行なうための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置905における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ909や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行なうCPU90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路90104と、I/O90105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行なわれる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU90103の他にRAM90102が内蔵されていればよく、ROM90101や乱数回路90104、I/O90105等は外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、例えば乱数回路90104等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路90104等のハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100のCPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM90102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU90103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行なわれるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行等を制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行なう演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行なわれる。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板9012には、画像表示装置905に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板9012には、可動演出部材9060を動作させる可動演出部材用モータ9061を駆動するためのモータ駆動回路9016に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板9012では、例えば乱数回路90124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図34に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板9012に搭載された表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの表示制御指令等に基づき、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部90123は、画像表示装置905の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定すること等により、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行なう。一例として、表示制御部90123には、VDP、CGROM、VRAM、LCD駆動回路等が搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU、GCL、あるいは、より一般的にDSPと称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリ等の書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011等から伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板9012の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O90125の出力ポートからは、画像表示装置905へと伝送される映像信号や、音声制御基板9013へと伝送される指令、ランプ制御基板9014へと伝送される指令等が出力される。
パチンコ遊技機901においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行なわれ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機901における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータ等により、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過すると、図34に示す第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたこと等により第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過すると、図34に示す第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたこと等により第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置906Bが第2状態としての閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート9041を通過した遊技球が図34に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器9020にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御が行なわれ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御が行なわれる。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定等が行なわれ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図34に示す主基板9011の演出制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板9012に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置905の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示が行なわれる。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置905において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「ハズレ」となる。
一例として、「3」や「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。また、数字や記号として特定の意味を有する点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄とするものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおける任意の点灯パターンの特別図柄を、大当り図柄やハズレ図柄としてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置907が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間、あるいは所定個数の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ9023により入賞球が検出され、その検出毎に所定個数の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数に達するまで繰り返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態とする上限時間が比較的に長い時間となる通常開放ラウンドが実行される。なお、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置907を第1状態とする上限時間が比較的に短い時間となる短期開放ラウンドが実行される大当り種別を設けてもよい。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置906Bを第1状態と第2状態とに変化させる。例えば、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行なう傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1状態と第2状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行なわれるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行なわれるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1状態と第2状態とに変化させる制御は、高開放制御と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機901において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機901で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置905の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける一部では予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリアでは飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置905の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の可変表示態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の可変表示態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置905における表示動作のみならず、スピーカ908L、908Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ909等の発光体における点灯動作等を、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。例えば、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されていてもよい。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ909や装飾用LEDの点灯動作等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等といった、パチンコ遊技機901において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間に変化が生じないものであればよい。
また、特殊演出として特殊態様スーパーリーチ演出が実行可能に設定されていてもよい。特殊態様スーパーリーチ演出は、スーパーリーチ演出が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出されるまでの一部または全部の期間において、通常態様スーパーリーチ演出の演出態様とは一部または全部の演出態様が異なる演出である。スーパーリーチ演出が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出されるまでの一部の期間において特殊態様スーパーリーチ演出が実行される場合、その前後におけるスーパーリーチ演出の演出態様は通常態様となる。特殊態様スーパーリーチ演出が実行された場合には、通常態様スーパーリーチ演出のみが実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
なお、一例として、特殊態様スーパーリーチ演出は、図58(B1)に示すように、キャラクタCGや特殊態様のメッセージSG4と共に、鯛や招き猫といったミニキャラMGが表示される態様が挙げられる。また、通常態様スーパーリーチ演出は、図58(B2)に示すように、キャラクタCGや通常態様のメッセージSG5が表示される一方、ミニキャラMGが表示されない態様である。
また、メーター演出が実行可能に設定されていてもよい。メーター演出は、画像表示装置905に、所定表示としてメーターを表示し、メーターの表示態様を変化させる演出である。なお、メーター演出が実行されるか否かにかかわらず、画像表示装置905にメーターを常時表示しておいてもよい。メーターの表示態様は、一例として、レベル0〜レベル4の5段階に設定されている。メーター演出では、メーターの表示態様が、メーターが何も溜まっていない状態を示すレベル0、メーターが1つ溜まった状態を示すレベル1、メーターが2つ溜まった状態を示すレベル2、メーターが3つ溜まった状態を示すレベル3、メーターがMAXまで溜まった状態を示すレベル4の表示態様へ順次変化していく。
なお、メーター演出は、メーターの表示態様が、レベル0〜レベル4の表示態様へ順次変化していくもの、すなわち、メーターの上限値へ向かって変化していくものに限定されない。例えば、メーター演出は、メーターの表示態様が、レベル4〜レベル0の表示態様へ順次変化していくもの、すなわち、メーターの下限値へ向かって変化していくものであってもよい。
また、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される場合、メーター演出においてメーターの表示態様がレベル4の表示態様へ変化する。また、可変表示結果が「大当り」となる場合、可変表示結果が「ハズレ」となる場合と比べて高い割合で、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される。すなわち、メーターの表示態様がレベル4の表示態様となった場合、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
なお、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される場合、メーター演出においてメーターの表示態様がレベル3といった特定のレベル以上の表示態様へ変化するようにしてもよい。メーターの表示態様がレベル3以上の表示態様となった場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるようにしてもよい。
また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出として、メーター演出が実行されることを報知する態様の演出画像、例えば、特定のキャラクタ画像を表示すると共に、例えば「溜めるぞ」といったメッセージ画像を、画像表示装置905の画面上に表示するメーター変化報知態様で実行される予告演出が用意されていてもよい。なお、この形態では、メーター演出が実行される可変表示において、メーター変化報知態様での予告演出を実行可能となっている。なお、予告演出の演出態様は、メーター演出が実行されることを報知する態様以外の態様であってもよい。予告演出の演出態様は、例えば「LV1UP」といった画像を画像表示装置905の画面上に表示するといったように、メーターのレベルをいくつまで上げるかを示唆する態様であってもよい。また、予告演出の演出態様は、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する表示の一部を変化させてメーター演出が実行されることを報知する態様であってもよい。
また、あおり演出が実行可能に設定されていてもよい。あおり演出は、メーター変化報知態様での予告演出が実行されることをあおる態様の演出画像、例えば、特定のキャラクタ画像を表示すると共に、例えば「溜めるぞ」といったメッセージ画像を、画像表示装置905の画面上に表示する演出である。
なお、予告演出やあおり演出といった演出は、画像表示装置905の画面上にて画像表示を行なうことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。画像表示とはことなる予告演出やあおり演出の一例として、装飾用LEDの表示色が変化する演出であってもよいし、特殊な効果音となる音声をスピーカ908L、908Rから出力する演出であってもよい。こうした予告演出やあおり演出の一部または全部に加えて、あるいは、これらの一部または全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、可動演出部材9060の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部または全部を組み合わせた予告演出やあおり演出を実行するように制御されてもよい。また、1種類の演出態様のみで予告演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた予告演出が実行される期間を含んでいる場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
さらに、メーター演出にてメーターの表示態様が変化することに対応して可動演出部材演出が実行されてもよい。可動演出部材演出は、可動演出部材9060が非傾動状態から傾動状態になり、その後に再び非傾動状態になることで、可動演出部材9060の一部が画像表示装置905の表示領域前方に一旦進出する演出である。これによって、メーター演出にてメーターの表示態様が変化することが遊技者に分かりやすく報知される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置905の表示領域において、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、パチンコ遊技機901の動作を説明する。
主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行なう。この初期設定では、例えばRAM90102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行なう。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機901における遊技の進行等を制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機901の異常診断を行ない、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板9011の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板9011の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR’1と、大当り種別決定用の乱数値MR’2と、変動パターン決定用の乱数値MR’3と、普図表示結果決定用の乱数値MR’4とがあればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR’1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR’2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を、例えば「非確変」や「確変」といった複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR’3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR’4は、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等の決定を行なうために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込み処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行なうために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器9020における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板9011から演出制御基板9012等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM90102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図35は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであれば、普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行なわれる。一方、第2始動口スイッチ9022Bがオンであれば、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行なわれる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM90102の所定領域に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM90102の所定領域に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM90102の所定領域に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM90102の所定領域に保留データとして記憶させる。
図35に示すステップS90101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S90117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行なわれる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR’1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行なう処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行なう処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行なう処理が含まれている。そして、RAM90102の所定領域に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行なわれる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行なうと共に、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行なう処理等が含まれている。この処理では、例えば大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。なお、大当り種別に「突確」を設けた場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理等が含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行なう処理等が含まれている。例えば、大当り種別が「確変」であるか「非確変」であるかに応じて、確変状態や時短状態に制御するための設定が行なわれる。その後、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図36は、特別図柄通常処理として、図35のステップS90110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す特別図柄通常処理において、CPU90103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU90103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS90231;NO)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM90102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS90232)。これにより、図35に示すステップS90101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS90232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS90233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS90233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM90102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS90234)。
ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS90231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS90235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU90103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS90235の処理は、ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかを示す始動口データを、保留データと共に、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM90102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS90235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS90235;NO)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM90102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS90236)。これにより、図35に示すステップS90101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS90236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS90237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS90237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS90238)。
ステップS90234、S90238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS90239)。一例として、ステップS90239の処理では、予めROM90101の所定領域に記憶する等して用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR’1と比較される数値が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR’1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図37(A)は、ステップS90239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR’1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図37(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU90103は、RAM90102の所定領域に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行なわれていると判定すればよい。
図37(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行なわれているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行なわれていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図35に示すステップS90117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたこと等に基づいて、確変制御が行なわれる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行なわれていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
また、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、確変制御の有無に応じた所定割合で特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームの場合と、第2特特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割り当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームの場合と、第2特特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームの場合とでは、所定の特図表示結果に対する決定値の割り当てを異ならせてもよい。
その後、CPU90103は、ステップS90239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS90240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS90240;YES)、RAM90102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS90241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS90242)。一例として、ステップS90242の処理では、予めROM90101の所定領域に記憶する等して用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR’2と比較される数値が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR’2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図37(B)は、ステップS90242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、所定割合で大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれかに決定される。なお、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、決定可能な大当り種別を異ならせてもよいし、大当り種別の決定割合を異ならせてもよい。一例として、変動特図が第1特図である場合には所定割合で大当り種別が「突確」に決定可能とする一方、変動特図が第2特図である場合には大当り種別が「突確」には決定されないように設定してもよい。
ステップS90242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS90243)。CPU90103は、RAM90102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS90240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS90240;NO)、ステップS90243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS90244)。一例として、ステップS90240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。一方、ステップS90240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS90242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。より具体的には、大当り種別が「非確変」の場合には「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。大当り種別が「確変」の場合には「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS90244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS90245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS90245の処理にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図35に示すステップS90111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS90235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS90235;YES)、所定のデモ表示設定を行なってから(ステップS90246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置905において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行なってから、デモ表示設定を終了する。
図38(A)は、変動パターン設定処理として、図35のステップS90111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU90103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS90261;YES)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS90262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS90261;NO)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS90263)。
図38(B)は、変動パターンを示している。可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されていてもよい。
図38(A)に示すステップS90262の処理では、例えば予めROM90101の所定領域に記憶する等して用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR’3と比較される数値が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR’3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図38(A)に示すステップS90263の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行なわれる時短中の場合とに対応して、予め用意した複数のハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。複数のハズレ変動パターン決定テーブルでは、通常時であるか時短中であるかや、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR’3と比較される数値が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR’3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられていればよい。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定され難いように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止を低減することができる。
図39(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA’3−1といった、ノーマルのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA’3−2、PA’3−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。
図39(B)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA’2−1といった、ノーマルのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA’2−2、PA’2−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。
また、大当り時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。
図39(A)に示す決定例において、変動パターンPA’3−3といった、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA’3−2といった、スーパーAのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。一方、図39(B)に示す決定例において、変動パターンPA’2−3といった、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA’2−2といった、スーパーAのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
図38(B)に示すように、変動パターンPA’2−1〜PA’2−3と、変動パターンPA’3−1〜PA’3−3とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図39(A)及び(B)に示す決定割合の設定により、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、ノーマルのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。また、スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。
ステップS90262、S90263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS90264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図38(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU90103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS90264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行なう(ステップS90265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行なう。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特特別図柄表示装置904Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行なう。
ステップS90265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行なわれる(ステップS90266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU90103は、主基板9011から演出制御基板9012に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM90101における記憶アドレスを指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU90103は、主基板9011から演出制御基板9012に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM90101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS90266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS90267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS90267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図35に示すステップS90112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。
演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理において、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行なう。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行なう。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行なわれる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909及び装飾用LED等の発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行なわれる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM90122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図40は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、RAM90122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS90170〜S90176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置905の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置905の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行なうために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理には、RAM90122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行なうための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板9011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御等を行なった後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板9011から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果等に基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、特図表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS90174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板9011から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したこと等に基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS90175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の画面上に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したこと等に対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS90176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の画面上に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図41(A)は、図40のステップS90171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図41(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄等を決定する(ステップS90401)。このとき、演出制御用CPU90120は、主基板9011から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、変動開始時決定内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。変動パターンや可変表示結果の組み合わせに応じた変動開始時決定内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」等がある。
図41(B)は、ステップS90401の処理における最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示している。この例では、変動開始時決定内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて異なる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU90120は、乱数回路90124、またはRAM90122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア905Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア905Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定等により、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
変動開始時決定内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU90120は、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組み合わせとなってしまう場合には、任意の値を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算すること等により、確定飾り図柄が大当り組み合わせとはならずにリーチ組み合わせとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU90120は、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、画像表示装置905の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否か等に応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS90401の処理では、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄から成る非確変大当り組み合わせの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示させて同一の確変図柄から成る確変大当り組み合わせの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組み合わせの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることを報知できればよい。ステップS90401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組み合わせ等を決定すればよい。
ステップS90401における最終停止図柄等の決定に続いて、演出制御用CPU90120は、特殊態様スーパーリーチ演出決定処理を行なう(ステップS90402)。ステップS90402では、一例として、演出制御用CPU90120は、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される特殊態様スーパーリーチ演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された特殊態様スーパーリーチ演出決定テーブルを参照すること等により、特殊態様スーパーリーチ演出の実行の有無を決定する。
図42は、特殊態様スーパーリーチ演出決定テーブルの構成例を示している。図42に示す特殊態様スーパーリーチ演出決定テーブルでは、例えば、変動パターンが、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA’3−2やPA’3−3であるか、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA’2−2やPA’2−3であるかに応じて、特殊態様スーパーリーチ演出決定用の乱数値と比較される数値が、特殊態様スーパーリーチ演出を実行する「実行あり」、特殊態様スーパーリーチ演出を実行しない「実行なし」のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。なお、図42では、各決定結果に割り当てられる決定値の代わりに各決定結果の決定割合が記載されている。
図42に示す特殊態様スーパーリーチ演出決定テーブルでは、変動パターンが、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA’3−2やPA’3−3であるか、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA’2−2やPA’2−3であるかにかかわらず、「実行あり」または「実行なし」に決定されるように設定されている。なお、変動パターンが、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA’3−2やPA’3−3である場合、特殊態様スーパーリーチ演出を必ず実行するように設定してもよい。
図42に示す決定例において、変動パターンが、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA’3−2やPA’3−3である場合には、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される「実行あり」の決定割合が、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されない「実行なし」の決定割合よりも高くなるように設定されている。一方、変動パターンが、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA’2−2やPA’2−3である場合には、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される「実行あり」の決定割合が、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されない「実行なし」の決定割合よりも低くなるように設定されている。また、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA’3−2やPA’3−3である場合には、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される「実行あり」の決定割合が、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA’2−2やPA’2−3である場合よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
ステップS90402の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、メーター演出決定処理を実行する(ステップS90403)。図43は、メーター演出決定処理として、図41(A)のステップS90403にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図43に示すメーター演出決定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、特殊態様スーパーリーチ演出の実行があるか否かを判定する(ステップS90501)。ステップS90501では、一例として、演出制御用CPU90120は、ステップS90402にて「実行あり」に決定された場合、特殊態様スーパーリーチ演出の実行があると判定すればよい。
ステップS90501にて特殊態様スーパーリーチ演出の実行があると判定された場合(ステップS90501;YES)、演出制御用CPU90120は、メーターをMAXまで変化させるタイミングを決定する(ステップS90502)。ステップS90502では、一例として、演出制御用CPU90120は、メーターをMAXまで変化させるタイミングを決定するための使用テーブルとして、予めROM90121の所定領域に記憶する等して用意されたMAXタイミング決定テーブルを選択してセットする。MAXタイミング決定テーブルでは、例えば、変動パターンが、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA’3−2やPA’3−3であるか、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA’2−2やPA’2−3であるかに応じて、MAXタイミング決定用の乱数値と比較される数値が、高速変動中にメーターをMAXまで変化させる「高速変動中」、スーパーリーチのリーチ演出中にメーターをMAXまで変化させる「スーパーリーチ中」のいずれかの決定結果に、割り当てられていればよい。ここで、高速変動中とは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄が一定速度にて高速変動しているときである。演出制御用CPU90120は、例えば乱数回路90124やRAM90122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等から抽出したMAXタイミング決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、MAXタイミング決定テーブルを参照することにより、メーターをMAXまで変化させるタイミングを決定すればよい。
図44は、MAXタイミング決定テーブルの構成例を示している。このMAXタイミング決定テーブルでは、変動パターンが、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となる変動パターンPA’3−2やPA’3−3である場合、「高速変動中」に決定され得るように設定されている。一方、変動パターンが、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「ハズレ」となる変動パターンPA’2−2やPA’2−3である場合、「高速変動中」には決定されないように設定されている。したがって、高速変動中にメーターがMAXまで変化した場合には、スーパーリーチのリーチ演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となることが確定的に告知される。
ステップS90502の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップS90502にて「スーパーリーチ中」に決定されたか否かを判定する(ステップS90503)。ステップS90503にて「スーパーリーチ中」に決定されたと判定された場合(ステップS90503;YES)、演出制御用CPU90120は、高速変動中にメーターをどのレベルまで変化させるかを決定する(ステップS90504)。ステップS90504では、一例として、演出制御用CPU90120は、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される高速変動中到達レベル決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された高速変動中到達レベル決定テーブルを参照すること等により、高速変動中到達レベルとして、レベル0〜レベル2のうちのいずれにするかを決定する。
図45は、ステップS90504にて使用される高速変動中到達レベル決定テーブルの構成例を示している。図45に示す高速変動中到達レベル決定テーブルでは、高速変動中到達レベル決定用の乱数値と比較される数値が、レベル0〜レベル3のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。なお、図45は、各決定結果に割り当てられる決定値の代わりに各決定結果の決定割合が記載されている。一例として、特図変動時間にかかわらずレベル0〜レベル3の決定割合を設定している。しかし、上記決定割合を特図変動時間に応じて異なるように設定してもよい。例えば、レベル0〜レベル3のうちのいずれにするかを、スーパーAのリーチ演出が実行される変動パターンであるか、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンであるかに応じて異なる割合で決定してもよい。また、レベル0〜レベル3のうちのいずれにするかを、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて異なる割合で決定してもよい。
ステップS90504の処理を実行した後や、ステップS90503にて「スーパーリーチ中」に決定されなかったと判定された場合(ステップS90503;NO)、演出制御用CPU90120は、メーター演出決定処理を終了する。
また、ステップS90501にて特殊態様スーパーリーチ演出の実行がないと判定された場合(ステップS90501;NO)、演出制御用CPU90120は、メーターをMAXへ変化させないガセとなるメーター演出の実行の有無を決定する(ステップS90505)。ステップS90505では、一例として、演出制御用CPU90120は、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるガセとなるメーター演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意されたガセとなるメーター演出決定テーブルを参照すること等により、ガセとなるメーター演出の実行の有無を決定する。
図46は、ガセとなるメーター演出決定テーブルの構成例を示している。図46に示すガセとなるメーター演出決定テーブルでは、ガセとなるメーター演出決定用の乱数値と比較される数値が、ガセとなるメーター演出を実行する「実行あり」、ガセとなるメーター演出を実行しない「実行なし」のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。なお、図46では、各決定結果に割り当てられる決定値の代わりに各決定結果の決定割合が記載されている。
一例として、図46に示すガセとなるメーター演出決定テーブルでは、「実行あり」よりも「実行なし」に決定される割合が高くなるように設定されている。一方、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される場合には、メーター演出が必ず実行され、上述したように、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されるように設定されている。こうした設定により、メーター演出を実行したときに、遊技者に期待感を与えることができる。
ステップS90505の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ガセとなるメーター演出の実行があるか否かを判定する(ステップS90506)。ステップS90506にてガセとなるメーター演出の実行があると判定された場合(ステップS90506;YES)、演出制御用CPU90120は、最終的にメーターをどのレベルまで変化させるかを決定する(ステップS90507)。
ステップS90507では、一例として、演出制御用CPU90120は、メーターの最終到達レベルを決定する場合、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される最終到達レベル決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された最終到達レベル決定テーブルを参照すること等により、最終到達レベルとして、レベル1〜レベル3のうちのいずれにするかを決定する。
図47は、ステップS90507にて使用される最終到達レベル決定テーブルの構成例を示している。図47に示す最終到達レベル決定テーブルでは、最終到達レベル決定用の乱数値と比較される数値が、レベル1〜レベル3のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。なお、図47では、各決定結果に割り当てられる決定値の代わりに各決定結果の決定割合が記載されている。一例として、最終到達レベルが高くなるにつれて決定される割合が低くなるように設定されている。なお、例えば、レベル1〜レベル3のうちのいずれにするかを、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて異なる割合で決定してもよい。
ステップS90507の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、MAXまで変化させないメーターを高速変動中にどのレベルまで変化させるかを決定する(ステップS90508)。例えば、ステップS90507にて最終到達レベルがレベル1に決定された場合、ステップS90508では、演出制御用CPU90120は、高速変動中到達レベルをレベル0、レベル1のいずれにするかに決定する。また、ステップS90507にて最終到達レベルがレベル2に決定された場合、ステップS90508では、演出制御用CPU90120は、高速変動中到達レベルをレベル0〜レベル2のいずれにするかを決定する。また、ステップS90507にて最終到達レベルがレベル3に決定された場合、ステップS90508では、演出制御用CPU90120は、高速変動中到達レベルをレベル0〜レベル3のうちのいずれにするかを決定する。ステップS90508では、一例として、演出制御用CPU90120は、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される高速変動中到達レベル決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された高速変動中到達レベル決定テーブルを参照すること等により、高速変動中到達レベルとして、レベル0〜レベル3のうちのいずれにするかを決定する。
なお、ステップS90508の処理において、高速変動中到達レベルとして、ステップS90507にて決定された最終到達レベルよりも低いレベルに決定された場合、スーパーリーチ中にメーター演出が再度実行されてメーターが最終到達レベルまで変化するようにすればよい。一方、ステップS90508の処理において、高速変動中到達レベルとして、ステップS90507にて決定された最終到達レベルに決定された場合、スーパーリーチ中にメーター演出が実行されてもメーターが変化しないようにするか、スーパーリーチ中にはメーター演出を実行しないようにすればよい。
図48は、ステップS90508にて使用される高速変動中到達レベル決定テーブルの構成例を示している。図48に示す高速変動中到達レベル決定テーブルでは、例えば、ガセとなるメーター演出におけるメーターの最終到達レベルが、レベル1であるか、レベル2であるか、レベル3であるかに応じて、高速変動中到達レベル決定用の乱数値と比較される数値が、レベル0〜レベル3のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。なお、図48では、各決定結果に割り当てられる決定値の代わりに各決定結果の決定割合が記載されている。一例として、特図変動時間にかかわらずレベル0〜レベル3の決定割合を設定している。しかし、上記決定割合を特図変動時間に応じて異なるように設定してもよい。例えば、レベル0〜レベル3のうちのいずれにするかを、スーパーAのリーチ演出が実行される変動パターンであるか、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンであるかに応じて異なる割合で決定してもよい。また、レベル0〜レベル3のうちのいずれにするかを、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかに応じて異なる割合で決定してもよい。
また、ガセとなるメーター演出が実行される場合、一例として、高速変動中到達レベルが高くなるにつれて決定される割合が高くなるように設定されている。一方、図45に示すように、メーターをMAXまで変化させるメーター演出が実行される場合、高速変動中到達レベルが高くなるにつれて決定される割合が低くなるように設定されている。そして、メーターがMAXまで変化した場合、特殊態様スーパーリーチ演出が必ず実行され、上述したように、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されるように設定されている。こうした設定により、高速変動中にメーターが変化しなかったとき、もしくは高速変動中に変化したメーターのレベルが小さいときには、高速変動中に変化したメーターのレベルが大きいときよりも大当り期待度が高められる。
ステップS90508の処理を実行した後や、ステップS90506にてガセとなるメーター演出の実行がないと判定された場合(ステップS90506;NO)、演出制御用CPU90120は、メーター演出決定処理を終了する。
ステップS90403の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、予告演出決定処理を実行する(ステップS90404)。図49は、予告演出決定処理として、図41(A)のステップS90404にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す予告演出決定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、予告演出の実行の有無を決定する(ステップS90521)。ステップS90521では、一例として、演出制御用CPU90120は、予告演出の実行の有無を決定するための使用テーブルとして、予めROM90121の所定領域に記憶する等して用意された予告演出決定テーブルを選択してセットする。予告演出決定テーブルでは、例えば、主基板9011から伝送された可変表示結果通知コマンド等により特定される可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかや、スーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値が、予告演出を実行する「実行あり」、予告演出を実行しない「実行なし」のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU90120は、例えば乱数回路90124やRAM90122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等から抽出した予告演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の実行の有無を決定すればよい。
図50(A)は、スーパーリーチ演出中のメーター演出が実行されない場合に使用テーブルとして選択される予告演出決定テーブルの構成例を示している。この予告演出決定テーブルでは、可変表示結果が「大当り」である場合に、「実行あり」に決定される割合が、「実行なし」に決定される割合よりも高くなるように設定されている。また、可変表示結果が「ハズレ」である場合に、「実行あり」に決定される割合が、「実行なし」に決定される割合よりも低くなるように設定されている。図50(A)に示す決定割合の設定により、予告演出が実行されたときには、予告演出が実行されなかったときよりも大当り期待度が高められる。なお、スーパーリーチ中に実行されるメーター演出にて変化させるメーターの量は、例えば、最終的に変化させるメーターのレベルから、変動中に変化させるメーターのレベルを減じることにより算出すればよい。
図50(B)は、スーパーリーチ演出中のメーター演出が実行される場合に使用テーブルとして選択される予告演出決定テーブルの構成例を示している。この予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量が1レベルまたは2レベルである場合に、「実行なし」に必ず決定されるように設定されている。また、スーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量が3レベルまたは4レベルである場合に、「実行あり」に決定される割合が、「実行なし」に決定される割合よりも高くなるように設定されている。また、上述したように、メーター演出が実行される可変表示では、メーター変化報知態様での予告演出が実行される。したがって、図50(B)に示す決定割合の設定により、メーター変化報知態様での予告演出が実行されたときには、メーター変化報知態様での予告演出が実行されなかったときよりも、スーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量が大きい。
ステップS90521の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、予告演出の実行があるか否かを判定する(ステップS90522)。ステップS90522にて予告演出の実行があると判定された場合(ステップS90522;YES)、演出制御用CPU90120は、スーパーリーチ演出中におけるメーター演出の実行があるか否かを判定する(ステップS90523)。ステップS90523の処理では、例えば、図43に示すメーター演出決定処理におけるステップS90502の処理にてスーパーリーチ演出中にメーターをMAXまで変化させることに決定された場合や、ステップS90508にて高速変動中到達レベルとして最終到達レベルに決定されなかった場合、スーパーリーチ演出中におけるメーター演出の実行があると判定すればよい。
ステップS90523にてスーパーリーチ演出中におけるメーター演出の実行があると判定された場合(ステップS90523;YES)、演出制御用CPU90120は、予告演出の演出態様を、メーター変化報知態様に決定する(ステップS90524)。
ステップS90524の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、メーター変化報知態様での予告演出の実行期間を決定する(ステップS90525)。ステップS90525では、一例として、演出制御用CPU90120は、スーパーリーチ中に実行されるメーター演出にて変化させるメーターの量を算出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された予告演出実行期間決定テーブルを参照すること等により、メーター変化報知態様での予告演出の実行期間として、4秒間、6秒間、8秒間、10秒間のうちのいずれにするかを決定する。なお、スーパーリーチ中に実行されるメーター演出にて変化させるメーターの量は、例えば、最終的に変化させるメーターのレベルから、変動中に変化させるメーターのレベルを減じることにより算出すればよい。
図51は、ステップS90525にて使用される予告演出実行期間決定テーブルの構成例を示している。図51に示す予告演出実行期間決定テーブルでは、スーパーリーチ中に実行されるメーター演出にて変化させるメーターの量に対応して、4秒間、6秒間、8秒間、10秒間のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。一例として、スーパーリーチ中に実行されるメーター演出にて変化させるメーターの量が多くなるにつれてメーター変化報知態様での予告演出の実行期間が長くなるように設定されている。図51に示す設定により、メーター変化報知態様での予告演出の実行期間が長いときには、メーター変化報知態様での予告演出の実行期間が短いときよりも、メーターがMAXまで変化することについて、遊技者に期待感を与えることができる。
また、ステップS90523にてメーター演出の実行がないと判定された場合(ステップS90523;NO)、演出制御用CPU90120は、予告演出の演出態様を、メーター変化報知態様以外の演出態様に決定する(ステップS90526)。なお、ステップS90526では、所定の決定割合でメーター変化報知態様に決定されてもよい。ステップS90526にてメーター変化報知態様に決定されると、メーター演出が実行されないにもかかわらず、メーター変化報知態様の予告演出が実行される。このように、メーター演出が実行されないにもかかわらず、ガセとなるメーター変化報知態様の予告演出を実行してもよい。
ステップS90525の処理を実行した後や、ステップS90526の処理を実行した後、ステップS90522にて予告演出の実行がないと判定された場合(ステップS90522;NO)、演出制御用CPU90120は、予告演出決定処理を終了する。
ステップS90404の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、あおり演出決定処理を実行する(ステップS90405)。ステップS90405では、一例として、演出制御用CPU90120は、あおり演出の実行を決定するための使用テーブルとして、予めROM90121の所定領域に記憶する等して用意されたあおり演出決定テーブルを選択してセットする。あおり演出決定テーブルでは、例えば、メーター変化報知態様での予告演出が実行されるか否かに応じて、あおり演出決定用の乱数値と比較される数値が、あおり演出を実行する「実行あり」、あおり演出を実行しない「実行なし」のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU90120は、例えば乱数回路90124やRAM90122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等から抽出したあおり演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、あおり演出決定テーブルを参照することにより、あおり演出の実行の有無を決定すればよい。
図52は、あおり演出決定テーブルの構成例を示している。このあおり演出決定テーブルは、メーター変化報知態様での予告演出が実行される場合に、「実行あり」に決定される割合が、「実行なし」に決定される割合よりも高くなるように設定されている。また、メーター変化報知態様での予告演出が実行されない場合に、「実行あり」に決定される割合が、「実行なし」に決定される割合よりも低くなるように設定されている。図52に示す決定割合の設定により、あおり演出が実行されたときには、あおり演出が実行されなかったときよりも、メーター変化報知態様での予告演出が実行される期待度が高められる。
なお、メーター変化報知態様での予告演出が実行される場合に、「実行あり」に決定される割合が、「実行なし」に決定される割合よりも低くなるように設定され、メーター変化報知態様での予告演出が実行されない場合に、「実行あり」に決定される割合が、「実行なし」に決定される割合よりも高くなるように設定されていてもよく、また、メーター変化報知態様での予告演出が実行されるか否かにかかわらず、「実行あり」に決定される割合と、「実行なし」に決定される割合とが同じになるように設定されていてもよい。
ステップS90405の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS90406)。例えば、演出制御用CPU90120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターン、及びステップS90402〜S90405の処理で決定した各種演出等に対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS90406の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM90122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90407)。そして、画像表示装置905における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行なう(ステップS90408)。このときには、例えばステップS90406にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させること等により、画像表示装置905の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS90408の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行なう(ステップS90409)。例えば、始動入賞記憶表示エリア905Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去すると共に、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90410)、可変表示開始設定処理を終了する。
図53は、図40のステップS90172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図53に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値等に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90451)。一例として、ステップS90451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたとき等に、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS90451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS90451;NO)、演出制御用CPU90120は、あおり演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS90452)。あおり演出実行期間は、例えばステップS90405の設定に応じて使用パターンに決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS90452にてあおり演出実行期間であると判定された場合(ステップS90452;YES)、演出制御用CPU90120は、あおり演出を実行するためのあおり演出動作制御処理を実行する(ステップS90453)。
ステップS90453の処理を実行した後や、ステップS90452にてあおり演出実行期間でないと判定された場合(ステップS90452;NO)、演出制御用CPU90120は、予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS90454)。予告演出実行期間は、例えばステップS90404の設定に応じて使用パターンに決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS90454にて予告演出実行期間であると判定された場合(ステップS90454;YES)、演出制御用CPU90120は、予告演出を実行するための予告演出動作制御処理を実行する(ステップS90455)。ステップS90455では、演出制御用CPU90120は、ステップS90524にてメーター変化報知態様に決定された場合、メーター変化報知態様で予告演出を実行する。
ステップS90455の処理を実行した後や、ステップS90454にて予告演出実行期間でないと判定された場合(ステップS90454;NO)、演出制御用CPU90120は、メーター演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS90456)。メーター演出実行期間は、例えばステップS90403の設定に応じて使用パターンに決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS90456にてメーター演出実行期間であると判定された場合(ステップS90456;YES)、演出制御用CPU90120は、メーター演出を実行するためのメーター演出動作制御処理を実行する(ステップS90457)。
ステップS90457の処理を実行した後や、ステップS90456にてメーター演出実行期間でないと判定された場合(ステップS90456;NO)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS90458)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンやステップS90402の設定に応じて使用パターンに決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS90458にてリーチ演出実行期間であると判定された場合(ステップS90458;YES)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行なう(ステップS90459)。例えば、ステップS90459の処理では、演出制御パターン等から読み出した演出制御実行データに応じて、所定の演出態様によるリーチ演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部90123や音声制御基板9013、ランプ制御基板9014、モータ駆動回路9016等に対して伝送させればよい。これにより、画像表示装置905の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ908L、908Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ909及び装飾用LEDを点滅または点灯させること、可動演出部材9060を動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にてリーチ演出を実行できればよい。
図54は、図53のステップS90459にて実行されるリーチ演出動作制御処理の一例を示すフローチャートである。図54に示すリーチ演出動作制御処理において、演出制御用CPU90120は、まず、スーパーリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS90601)。ステップS90601にてスーパーリーチ演出実行期間でないと判定された場合(ステップS90601;NO)、演出制御用CPU90120は、ノーマルのリーチ演出(ノーマルリーチ演出)を実行するためのノーマルリーチ演出動作制御処理を実行する(ステップS90602)。
ステップS90601にてスーパーリーチ演出実行期間であると判定された場合(ステップS90601;YES)、演出制御用CPU90120は、特殊態様スーパーリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS90603)。ステップS90603にて特殊態様スーパーリーチ演出実行期間でないと判定された場合(ステップS90603;NO)、演出制御用CPU90120は、通常態様スーパーリーチ演出を実行するための通常態様スーパーリーチ演出動作制御処理を実行する(ステップS90604)。
ステップS90603にて特殊態様スーパーリーチ演出実行期間であると判定された場合(ステップS90603;YES)、演出制御用CPU90120は、特殊態様スーパーリーチ演出を実行するための特殊態様スーパーリーチ演出動作制御処理を実行する(ステップS90605)。
ステップS90602の処理を実行した後や、ステップS90604の処理を実行した後や、ステップS90605の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、リーチ演出動作制御処理を終了する。
ステップS90458にてリーチ演出実行期間でないと判定された場合や(ステップS90458;NO)、ステップS90459の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定等に基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行なってから(ステップS90460)、可変表示中演出処理を終了する。
また、ステップS90451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS90451;YES)、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90461)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS90461;NO)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS90461にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS90461;YES)、例えば表示制御部90123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄を導出表示させる制御を行なう(ステップS90462)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90463)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS90464)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、メーター演出等の実行タイミングについて図55を参照して説明する。
図55(A)は、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチ演出が実行される変動パターンPA’2−2、PA’2−3、PA’3−2またはPA’3−3に基づく特別図柄の可変表示における、リーチ演出、あおり演出、メーター変化報知態様での予告演出、メーター演出、特殊態様スーパーリーチ演出の実行タイミングの例を示す。なお、変動パターンPA’2−2またはPA’3−2の特図変動時間は65秒に設定されている。また、変動パターンPA’2−3またはPA’3−3の特図変動時間は78秒に設定されている。
図55(A)に示す例では、タイミングT0(0秒)で特別図柄の可変表示を開始した後、タイミングT1(例えば、タイミングT0から4秒後)で高速変動中のメーター演出を開始する。この例では、高速変動中のメーター演出を開始すると、画像表示装置905に表示されたメーターの表示態様が所定のタイミングでレベル1まで変化していく。そして、タイミングT2(例えば、タイミングT0から8秒後)で高速変動中のメーター演出を終了する。そして、タイミングT3(例えば、タイミングT0から12秒後)でノーマルリーチ演出を開始した後、タイミングT4(例えば、タイミングT0から20秒後)で通常態様スーパーリーチ演出を開始する。そして、タイミングT5(例えば、タイミングT0から28秒後)であおり演出を開始する。そして、タイミングT6(例えば、タイミングT0から32秒後)であおり演出を終了すると共に、メーター変化報知態様での予告演出を開始する。そして、タイミングT7(例えば、タイミングT0から36秒後(タイミングT6から4秒後))でメーター変化報知態様での予告演出を終了すると共に、スーパーリーチ中のメーター演出を開始する。この例では、スーパーリーチ中のメーター演出を開始すると、画像表示装置905に表示されたメーターの表示態様が所定のタイミングでレベル1の表示態様からレベル4のMAXの表示態様までの3レベル分変化していく。そして、タイミングT8(例えば、タイミングT0から44秒後)でメーター演出を終了すると共に、スーパーリーチ演出が通常態様スーパーリーチ演出から特殊態様スーパーリーチ演出へ移行する。そして、タイミングT9(例えば、タイミングT0から52秒後)でスーパーリーチ演出が特殊態様スーパーリーチ演出から通常態様スーパーリーチ演出へ移行する。そして、タイミングT10(例えば、変動パターンPA’2−2またはPA’3−2に基づく特別図柄の可変表示ではタイミングT0から65秒後、変動パターンPA’2−3またはPA’3−3に基づく特別図柄の可変表示ではタイミングT0から78秒後)で特別図柄の可変表示が終了する。
図55(B)は、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチ演出が実行される変動パターンPA’2−2、PA’2−3、PA’3−2またはPA’3−3に基づく特別図柄の可変表示における、リーチ演出、メーター演出の実行タイミングの例を示す。なお、変動パターンPA’2−2またはPA’3−2の特図変動時間は65秒に設定されている。また、変動パターンPA’2−3またはPA’3−3の特図変動時間は78秒に設定されている。
図55(A)に示す例では、タイミングT0(0秒)で特別図柄の可変表示を開始した後、タイミングT1(例えば、タイミングT0から4秒後)で高速変動中のメーター演出を開始する。この例では、高速変動中のメーター演出を開始すると、画像表示装置905に表示されたメーターの表示態様が所定のタイミングでレベル1まで変化していく。そして、タイミングT2(例えば、タイミングT0から8秒後)で高速変動中のメーター演出を終了する。そして、タイミングT3(例えば、タイミングT0から12秒後)でノーマルリーチ演出を開始した後、タイミングT4(例えば、タイミングT0から20秒後)で通常態様スーパーリーチ演出を開始する。そして、タイミングT7(例えば、タイミングT0から36秒後)でスーパーリーチ中のメーター演出を開始する。この例では、スーパーリーチ中のメーター演出を開始すると、画像表示装置905に表示されたメーターの表示態様が所定のタイミングでレベル1の表示態様からレベル3の表示態様までの2レベル分変化していく。そして、タイミングT8(例えば、タイミングT0から44秒後)でメーター演出を終了する。そして、特殊態様スーパーリーチ演出を実行可能な期間に相当するタイミングT8からタイミングT9(例えば、タイミングT0から52秒後)の期間においても、通常態様スーパーリーチ演出を実行する。そして、タイミングT10(例えば、変動パターンPA’2−2またはPA’3−2に基づく特別図柄の可変表示ではタイミングT0から65秒後、変動パターンPA’2−3またはPA’3−3に基づく特別図柄の可変表示ではタイミングT0から78秒後)で特別図柄の可変表示が終了する。
なお、図55(A)、(B)に示すように、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されるか否かにかかわらず、タイミングT8からタイミングT9までの演出時間が同じ時間となるようにしている。このように、変動パターンが、スーパーAのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンであるか、スーパーBのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンであるかにかかわらず、スーパーリーチ演出が実行される変動パターンであれば、演出制御用CPU90120にて、特殊態様スーパーリーチ演出の演出時間を確保して実行可能としている。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101において、特殊態様スーパーリーチ演出を実行するか否かに応じて異なる変動パターンを用意しておく必要がなく、変動パターンを格納するための容量を抑制することができる。
次に、メーター演出が実行されるときの主な演出画面について図56〜図58を参照して説明する。
図56は、スーパーリーチ演出が実行される可変表示において、あおり演出とメーター変化報知態様での予告演出が実行された後にメーター演出が実行される場合の演出画面と、あおり演出が実行されるもののメーター変化態様での予告演出が実行されずにメーター演出が実行される場合の演出画面と、あおり演出とメーター変化態様での予告演出のいずれも実行されずにメーター演出が実行される場合の演出画面を示す。
図56(A)は、スーパーリーチ演出が開始されたときの演出画面を示す。図56(A)に示すように、メーター演出の実行中であるか否かにかかわらず、所定表示としてメーターMTを常時表示している。なお、上述したように、高速変動中にもメーター演出を実行可能であるが、図56(A)では、高速変動中のメーター演出にてメーターMTの表示態様が変化したことにより、メーターMTの表示態様がレベル1となっている状態を示している。また、メーターMTの表示態様を高レベルの表示態様へと変化させること、換言すれば、メーターMTの「レベル」を溜めることを、神仏等の加護となる「徳」を溜めることになぞらえている。そして、最終的に「徳」がどれだけ溜まるかに応じて、すなわち、メーターMTの最終到達レベルに応じて、スーパーリーチ演出やスーパーリーチ演出中に実行される各種演出におけるキャラクタCGの行動等が異なる。例えば、キャラクタCGが「徳」を溜めるのに積極的な行動をとるような演出が実行されれば、最終的に多くの「徳」が溜まることについて、すなわち、メーターMTの最終到達レベルが高レベルとなることについて、遊技者に期待感を与えることができる。
図41(A)に示す可変表示開始設定処理におけるステップS90405の処理にて、あおり演出を実行することに決定された場合、スーパーリーチ演出中における所定タイミングにて、図56(B1)に示すように、あおり演出が実行される。あおり演出として、キャラクタCGを表示すると共に、例えば「お詣りして徳を溜めるぞ」といったメッセージSG1を表示する。なお、メーター変化報知態様での予告演出として、キャラクタCGが神社にお詣りして「徳」を溜めようとする態様の演出が実行される。したがって、あおり演出として、キャラクタCGを表示すると共に、例えば「お詣りして徳を溜めるぞ」といったメッセージSG1が表示されることにより、メーター変化報知態様での予告演出が実行されることについて、遊技者に期待感を与えることができる。
図41(A)に示す可変表示開始設定処理におけるステップS90404の処理にて、メーター変化報知態様での予告演出を実行することに決定された場合、あおり演出が実行された後の所定タイミングにて、図56(C1)に示すように、メーター変化報知態様での予告演出が実行される。メーター変化報知態様での予告演出として、キャラクタCGを表示すると共に、例えば「徳を溜めるぞ」といったメッセージCG2を表示する。なお、メーターMTの表示態様がMAXまで変化すれば、すなわち、「徳」がMAXまで溜まれば、特殊態様スーパーリーチ演出が必ず実行される。そして、特殊態様スーパーリーチ演出が実行された場合には、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されなかった場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。したがって、メーター変化報知態様での予告演出として、キャラクタCGを表示すると共に、例えば「徳を溜めるぞ」といったメッセージCG2を表示することにより、「徳」がMAXまで溜まることについて、すなわち、メーターMTの表示態様がMAXまで変化することについて、遊技者に期待感を与えることができる。
一方、図41(A)に示す可変表示開始設定処理におけるステップS90405の処理にて、あおり演出を実行しないことに決定され、図41(A)に示す可変表示開始設定処理におけるステップS90404の処理にて、メーター変化報知態様での予告演出を実行しないことに決定された場合、図56(B2)、(C2)に示すように、あおり演出やメーター変化報知態様での予告演出は実行されずに、通常態様スーパーリーチ演出が実行される。通常態様スーパーリーチ演出として、キャラクタCGを表示すると共に、例えば「良いことないな〜」といったメッセージCG3を表示する。ここで、通常態様スーパーリーチ演出にて表示されるメッセージCG3は、「徳」が溜まること、すなわち、メーターMTの表示態様が変化することへの遊技者の期待感を過度にあおるような表現でなければよく、例えば「どうしたら良いこと起こるかな〜」や「良いこと起きて欲しいな〜」といった程度の表現のメッセージであってもよい。
また、図41(A)に示す可変表示開始設定処理におけるステップS90405の処理にて、あおり演出を実行することに決定され、図41(A)に示す可変表示開始設定処理におけるステップS90404の処理にて、メーター変化報知態様での予告演出を実行しないことに決定された場合、スーパーリーチ演出中における所定タイミングにて、図56(B1)に示すように、あおり演出が実行されるものの、その後には、図56(C2)に示すように、メーター変化報知態様での予告演出は実行されずに、通常態様スーパーリーチ演出が実行される。このように、ガセとなるあおり演出が実行されることもある。
図50の予告演出実行決定テーブルに示すように、スーパーリーチ演出中のメーター演出が実行される場合に、そのスーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量が3レベルまたは4レベルであれば、メーター変化報知態様での予告演出が必ず実行されてもよい。したがって、図56(C1)に示すようなメーター変化報知態様での予告演出が実行されてスーパーリーチ演出中のメーター演出が実行される場合には、メーター変化報知態様での予告演出が実行された後の所定タイミングにて、図56(D1)に示すように、メーターの変化量が大きい態様のメーター演出が実行される。
一方、図50の予告演出実行決定テーブルに示すように、スーパーリーチ演出中のメーター演出が実行される場合に、そのスーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量が1レベルまたは2レベルであれば、メーター変化報知態様での予告演出は実行されない。したがって、メーター変化報知態様での予告演出が実行されずにスーパーリーチ演出中のメーター演出が実行される場合には、スーパーリーチ演出中の所定タイミングにて、図56(D2)に示すように、メーターの変化量が小さい態様のメーター演出が実行される。
また、上述したように、メーター演出にてメーターの表示態様が変化することに対応して可動演出部材演出が実行されてもよい。可動演出部材演出が実行されると、図56(D1)や(D2)に示すように、可動演出部材9060が非傾動状態から傾動状態になり、その後に再び非傾動状態になることで、可動演出部材9060の一部が画像表示装置905の表示領域前方に一旦進出する演出が実行される。そして、可動演出部材演出が実行されたときには、可動演出部材9060の動作に合わせて、画像表示装置905の画面上に所定のエフェクト画像が表示される。おとぎ話等に登場する「うちでのこづち」を模した可動演出部材9060が非傾動状態から傾動状態になり、その後に再び非傾動状態になることで、あたかも「うちでのこづち」が振られたかのような演出が実行される。そして、例えば、「うちでのこづち」を模した可動演出部材9060が傾動状態になったタイミングに合わせて、画像表示装置905の画面上には、所定のエフェクトとして、「うちでのこづち」を模した可動演出部材9060から小判が出てくるような態様の演出画像が表示される。その際、図56(D1)に示すように、メーターの変化量が大きい態様のメーター演出が実行される場合には、大量の小判が出てくるような態様の演出画像を表示し、図56(D2)に示すように、メーターの変化量が小さい態様のメーター演出が実行される場合には、小量の小判しか出てこないような態様の演出画像を表示する。このように、メーター変化報知態様での予告演出が実行された場合と、メーター変化報知態様での予告演出が実行されなかった場合とで、メーターの変化量のみならず、演出態様をも異ならせることにより、メーター演出の興趣をより向上させることができる。
図57は、スーパーリーチ演出が実行される可変表示において、メーター変化報知態様での予告演出が実行された後にメーター演出が実行される場合の演出画面を示す。
図49に示す予告演出決定処理におけるステップS90525の処理にて、メーター変化報知態様での予告演出の実行期間を8秒間にすることが決定された場合、あおり演出が実行された後の所定タイミングにて、図57(A)〜(B)に示すように、メーター変化報知態様での予告演出が8秒間にわたり実行される。一方、メーター変化報知態様での予告演出の実行期間を4秒間にすることが決定された場合、あおり演出が実行された後の所定タイミングにて、図57(A)に示すように、メーター変化報知態様での予告演出が4秒間にわたり実行される。
そして、メーター変化報知態様での予告演出が8秒間にわたり実行された場合には、その後に実行されるスーパーリーチ演出中のメーター演出にて、メーターMTが4レベル増加する。なお、メーターMTのレベルとして、レベル4をMAXとしているため、メーター変化報知態様での予告演出が8秒間にわたり実行された場合には、スーパーリーチ演出中のメーター演出が実行される前のメーターMTのレベルにかかわらず、スーパーリーチ演出中のメーター演出が実行されることにより、図57(C1)に示すように、メーターMTは必ずMAXとなる。
一方、メーター変化報知態様での予告演出が4秒間しか実行されなかった場合には、その後に実行されるスーパーリーチ演出中のメーター演出にて、メーターMTは3レベルしか増加しない。したがって、図57(A)に示すように、スーパーリーチ演出中のメーター演出が実行される前のメーターMTのレベルがレベル0であった場合、メーター変化報知態様での予告演出が実行されたとしても、その演出時間が4秒間であれば、図57(C2)に示すように、メーターMTの表示態様はMAXにはならない。
図58は、スーパーリーチ演出中のメーター演出にてメーターMTの表示態様がMAXまで変化して特殊態様スーパーリーチ演出が実行される場合の演出画面と、スーパーリーチ演出中のメーター演出にてメーターMTの表示態様がMAXまで変化せずに特殊態様スーパーリーチ演出が実行されることなく通常態様スーパーリーチ演出が実行される場合の演出画面を示す。
図58(A1)は、スーパーリーチ演出中のメーター演出にてメーターMTの表示態様がMAXまで変化したときの演出画面を示す。このように、メーターMTの表示態様がMAXまで変化した場合、その後の所定タイミングにて、図58(B1)に示すように、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される。特殊態様スーパーリーチ演出として、キャラクタCGを表示すると共に、例えば「ご利益があるかも」といった特殊態様のメッセージSG4や、鯛や招き猫といった縁起物の象徴となるようなミニキャラMGを表示する。なお、可変表示結果が「大当り」となる場合には、スーパーリーチ演出の演出結果を報知する態様の演出として、ご利益がありそうな演出が実行される。したがって、特殊態様スーパーリーチ演出として、キャラクタCGを表示すると共に、例えば「ご利益があるかも」といった特殊態様のメッセージSG4や、鯛や招き猫といった縁起物の象徴となるようなミニキャラMGを表示することにより、可変表示結果が「大当り」となることについて、遊技者に期待感を与えることができる。
図58(A2)は、スーパーリーチ演出中のメーター演出にてメーターMTの表示態様がMAXまで変化しなかったときの演出画面を示す。このように、メーターMTの表示態様がMAXまで変化しなかった場合、その後の所定タイミングが到来しても特殊態様スーパーリーチ演出が実行されることはなく、図58(B2)に示すように、通常態様スーパーリーチ演出が実行される。特殊態様スーパーリーチ演出が実行され得る期間に対応して実行される通常態様スーパーリーチ演出として、キャラクタCGを表示すると共に、例えば「良いことが起きるかも」といった通常態様のメッセージSG5が表示される一方、鯛や招き猫といった縁起物の象徴となるようなミニキャラMGは表示されない。特殊態様スーパーリーチ演出が実行され得る期間に対応して実行される通常態様スーパーリーチ演出にて表示されるメッセージSG5は、可変表示結果が「大当り」となることへの遊技者の期待感を過度にあおるような表現でなければよく、例えば「チャンスかも」や「この変動は何かが起こるかも」といった程度の表現のメッセージであってもよい。
そして、特殊態様スーパーリーチ演出が実行され得る期間が終了すると、特殊態様スーパーリーチ演出と通常態様スーパーリーチ演出とのいずれが実行されていたかにかかわらず、通常態様スーパーリーチ演出が実行され、スーパーリーチ演出の演出結果を報知する態様の演出が実行される。可変表示結果が「大当り」となる場合、スーパーリーチ演出の演出結果を報知する態様の演出として、図58(C1)に示すように、例えば、神様を模したキャラクタKGが宝船FGに乗って登場するといった、いかにもご利益がありそうな演出が実行される。一方、可変表示結果が「ハズレ」となる場合、スーパーリーチ演出の演出結果を報知する態様の演出として、図58(C2)に示すように、例えば、神様を模したキャラクタも乗っていないボロボロの船BGだけが登場するといった、いかにもご利益がなさそうな演出が実行される。
そして、スーパーリーチ演出の演出結果を報知する態様の演出として、図58(C1)に示すような、ご利益がありそうな演出が実行された場合には、図58(D1)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示される。
一方、スーパーリーチ演出の演出結果を報知する態様の演出として、図58(C2)に示すような、ご利益がなさそうな演出が実行された場合には、図58(D2)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に所定のリーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
次に、このようなパチンコ遊技機901において、遊技者の調整操作により、演出効果としての音量が調整された場合の例について説明する。
また、遊技中や客待ちデモンストレーション表示中に、遊技者の調整操作により、遊技効果としての音量を調整可能となっている。また、演出制御用CPU90120は、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像を、画像表示装置905の所定領域において演出画像やデモ画像と重畳した態様で表示する。調整結果画像は、例えば、左右方向に増減するバーグラフ表示の態様にて表示される。なお、調整結果画像の態様は、遊技者等に現在の音量を認識させることができれば任意であり、音量に対応した数値や文字を表示する態様や、円グラフ態様等であってもよい。なお、メニューモード中において、メニュー画面から「音量調整」の項目が選択されて音量調整モード選択中となったときにのみ音量の調整が可能となっている。また、客待ちデモ表示中に所定操作を受け付けたことに応じて、客待ちデモ表示中からメニューモードへと移行する。
図59(A)は、遊技中における調整結果画像Rの表示例である。遊技中には、調整結果画像Rは画像表示装置905の右下端部に表示される。そして、調整結果画像Rの表示領域は、図59(A)に示すように、飾り図柄の表示領域Arの一部と重なるようになっている。
図59(B)は、デモ表示中における調整結果画像Rの表示例である。デモ表示中は、同図に示すように、例えば「デモ表示中」等の客待ちデモンストレーション中であることを示す画像が画像表示装置905に表示されると共に、調整操作が行なわれた場合には、デモ表示画像に調整結果画像Rが重畳表示される。
図59(C1)は、メニューモード中におけるメニュー画面の表示例である。メニューモード中において遊技者による音量調整モード選択操作があり、図59(C2)に表示例を示す音量調整モード選択中の画面に切り替わった際にのみ音量調整が可能となっている。メニューモードにおける項目の選択は、例えばスティックコントローラの傾倒操作により可能となっており、「音量調整」の項目を選択した状態でスティックコントローラのトリガボタンを押引操作したり、プッシュボタンを押下操作したりすることによって、図59(C2)に示すような音量調整モード選択中の画面に遷移する。なお、項目選択のための操作手段はスティックコントローラに限られず、十字キー等であってもよい。
図59(D1)、(D2)はエラー報知処理において表示可能なエラー画像の例であり、エラー画像は、可変表示結果の導出表示中も消去されず、調整結果画像Rよりも優先して表示される。
ここで、可変表示結果の導出表示期間T2に調整結果画像Rが消去される場合の主な例を、図60(A)、(B)のタイミングチャートを参照して説明する。図60(A)、(B)に示すように、直近の調整操作があった時点から所定期間T1は調整結果画像Rの表示期間となるが、所定期間T1と導出表示期間T2の少なくとも一部が重なる場合には、調整結果画像Rは消去される。図60(A)に示す例は、導出表示期間T2が所定期間T1の後端部と重なる場合であり、この場合は次回の調整操作があるまで調整結果画像Rは表示されない。一方で、図60(B)に示す例は、導出表示期間T2が所定期間T1内にある場合であり、この場合は導出表示期間T2が終了すると、調整結果画像Rが再び表示され、所定期間T1が経過するまで表示が継続される。なお、図示しないが、導出表示期間T1が所定期間T1の前端部と重なる場合は、導出表示期間T2の終了を待って、調整結果画像Rが表示されることになる。このように、導出表示期間T2においては調整結果画像Rが消去されるため、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
次に、図61を参照して、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の一例を説明する。飾り図柄の可変表示が実行され、図61(A)に示すように飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となると、ノーマルリーチにおける所定のリーチ演出が実行され、その後、図61(B)に示すような発展報知画像を画像表示装置905に表示することにより、スーパーリーチへの発展報知が行なわれる。変動中において、遊技者による調整操作が成されると、図61(B)に示すように画像表示装置905の右下端に調整結果画像Rが表示される。
このような発展報知に続いて、図61(C)に示すようなスーパーリーチにおけるリーチ演出の実行中に操作促進画像Pが表示される。そして、プッシュボタンによる操作が成されると、図61(D)に示すように、所定のカットイン演出が実行される。なお、操作促進画像Pの表示期間中にプッシュボタンによる操作が成されない場合には、カットイン演出は実行されない。その後、図61(E)に示すように、例えば大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示される。
調整操作が成されてから所定時間T1が経過するまでは、図61(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは画像表示装置905に表示されたままである。この場合、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像Pとは重畳しない位置に表示される。しかし、可変表示結果の導出表示期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図61(E)に示すように調整結果画像Rは消去される。これにより、導出表示される可変表示結果の視認性の低下を抑えることができる。
以上説明したように、パチンコ遊技機901によれば、例えば、演出制御用CPU90120は、メーター変化報知態様での予告演出を実行可能である。また、演出制御用CPU90120は、メーターMTの表示態様をMAXまで変化させ得るメーター演出を実行可能である。そして、演出制御用CPU90120は、スーパーリーチ演出中のメーター演出を実行するよりも前にメーター変化報知態様での予告演出が実行された場合と実行されなかった場合とで、スーパーリーチ演出中のメーター演出においてメーターMTの表示態様を変化させるときのメーターの変化量や、所定のエフェクトとして表示される小判の量を異ならせるので、メーターMTの表示態様を変化させるメーター演出の興趣を向上させることができる。
上記パチンコ遊技機901によれば、例えば、演出制御用CPU90120は、スーパーリーチ演出中のメーター演出を実行するよりも前にメーター変化報知態様での予告演出が実行された場合には、スーパーリーチ演出中のメーター演出においてメーターを3レベルまたは4レベル変化させ、スーパーリーチ演出中のメーター演出を実行するよりも前にメーター変化報知態様での予告演出が実行されなかった場合には、スーパーリーチ演出中のメーター演出においてメーターを1レベルまたは2レベルしか変化させないので、メーター変化報知態様での予告演出が実行されることへの期待感を向上させることができる。
上記パチンコ遊技機901によれば、例えば、演出制御用CPU90120は、メーター変化報知態様での予告演出として、スーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量が4レベルである場合には8秒間の予告演出を実行し、スーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量が3レベルである場合には4秒間の予告演出を実行するので、メーター変化報知態様での予告演出の興趣を向上させることができる。
上記パチンコ遊技機901によれば、例えば、演出制御用CPU90120は、メーター変化報知態様での予告演出が実行されるか否かをあおるあおり演出を実行可能であるので、メーター変化報知態様での予告演出が実行されることへの遊技者の期待感をあおることができる。
上記パチンコ遊技機901によれば、例えば、演出制御用CPU90120は、メーターMTの表示態様がMAXまで変化したことに対応して特殊態様スーパーリーチ演出を実行可能であるので、メーターMTの表示態様がMAXまで変化することへの遊技者の期待感を向上させることができる。
上記パチンコ遊技機901によれば、例えば、演出制御用CPU90120は、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像を、画像表示装置905の所定領域において演出画像やデモ画像と重畳した態様で表示する。そして、演出制御用CPU90120は、可変表示結果の導出表示期間T2に調整結果画像Rを消去するので、可変表示結果の視認性が低下することを抑制することができる。
[特別演出時にメーターを一旦消去後再表示する演出例]
次に、スーパーリーチ演出のような特別演出を実行するときに、メーターMTの表示を一旦消去した後、可動演出部材9060の動作に応じてメーターMTを再表示する「メーター一旦消去後再表示演出」を実行する演出例を説明する。以下に説明する「メーター一旦消去後再表示演出」は、前述した説明した各種演出に加え、または、当該演出とは別に実行可能である。
メーターMTの表示は、図56〜図58等に示されるように、表示態様が複数段階で変化することにより遊技者にとって有利となる期待度を示唆する示唆表示であり、少なくとも変動表示中において実行可能である。このような示唆表示の表示態様を変化させ得る変化演出としては、図56〜図58等に示されるように、可動演出部材9060の動作に応じてメーターMTの表示態様を変化させ得る演出等の演出が実行可能である。
メーターMTは、画像表示装置905において基本的に常時表示される画像であり、表示態様のレベルにより遊技者に大当り等の有利状態(遊技者にとって有利な状態)への期待感を与えることが可能となる演出をする示唆表示である。しかし、パチンコ遊技機901では、画像表示装置905において遊技者に大当り等の有利状態への期待感を与えることが可能となる演出として、その他にも各種の特別演出が設けられている。このため、遊技者は、特別演出が実行されるときに、メーターMTよりも特別演出に注目する場合があり、このような場合にメーターMTを表示し続けると、メーターMTの表示が特別演出の邪魔になってしまうおそれがある。そこで、予め定められた特別演出を実行するときにおいて、特別演出を邪魔しないようにするために、メーターMT等の表示を一旦消去する演出を実行する「メーター一旦消去後再表示演出」が実行可能である。
図62は、メーター一旦消去後再表示演出の演出画面を示す図である。図62(A)〜(D1),(D2)には、画像表示装置905でメーター一旦消去後再表示演出が実行されるときに表示される画像の一例が時間経過に応じて示されている。メーター一旦消去後再表示演出は、画像表示装置905で飾り図柄の可変表示としての変動表示が実行されるときにおいて、例えばノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出に発展(移行)するか否かの可否を示唆するリーチ発展可否演出が実行されることに応じて実行可能である。
図62(A)のように、前述した飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて、「左」、「中」、「右」の飾り図柄9051、9052、9053の変動表示(可変表示)が開始された後、図62(B)のように「左」、「右」の飾り図柄9051、9053が同じ図柄で停止してリーチ表示態様となると、ノーマルリーチ演出が実行される。画像表示装置905では、このような変動表示が開始される前からメーターMTが表示されており、当該変動表示の開始後もメーターMTが表示される。
特定のリーチ変動パターン(特定のノーマルリーチの変動パターンと、特定のスーパーリーチの変動パターンとを含む)が実行されるときにおいては、リーチ表示態様となると、まず図62(B)のようにノーマルリーチ演出の実行が開始される。ノーマルリーチ演出の開始時から第1時間(数秒間)が経過すると、図62(C)のようにリーチ発展可否演出が実行される。なお、ノーマルリーチ演出の開始直後にリーチ発展可否演出が実行されるようにしてもよい。
図62(C)に示すように、リーチ発展可否演出は、シャッターを模したシャッター画像9054を図中の破線矢印で示す方向に出現させ、それまでに表示されていた飾り図柄9051、9052、9053およびメーターMT等の画像を遮蔽可能な表示態様でシャッターを閉じるシャッター表示をすることにより、変動表示がスーパーリーチ演出に発展(移行)するか否かの可否を示唆する演出である。このようなシャッター表示が行なわれることにより、飾り図柄9051、9052、9053およびメーターMTの画像が、シャッター画像9054により遮蔽された演出態様で一旦消去される。
リーチ発展可否演出においては、図62(C)のように、シャッター画像9054が表示された画像表示装置905において、遊技者にとってのチャンス状態であることを報知可能な「チャンス」という文字が示されたチャンス文字画像9055が、その前にメーターMTが表示されていた表示領域と少なくとも一部が重複する表示領域で表示される。リーチ発展可否演出においては、このようにチャンス文字画像9055がメーターMTと重なる表示領域で表示されることも理由として、メーターMTを一旦消去する必要がある。
チャンス文字画像9055は、リーチ発展可否演出が実行されるときに必ず表示されるものであってもよく、リーチ発展可否演出が実行されるときに表示をするか否かを抽選によりランダムに選択決定するものであってもよい。抽選によりチャンス文字画像9055を表示するか否かを選択決定する場合には、例えば、変動表示結果が大当り表示結果となるときに、変動表示結果がはずれ表示結果となるときよりも表示される選択割合が高くなるようにする等、遊技者にとって有利となるか否かにより表示される選択割合が異なるようにしてもよい。
そして、ノーマルリーチ演出の開始時から第2時間(第1時間よりも長い時間)が経過すると、シャッター画像9054のシャッターが開くような表示をすることにより、シャッター画像9054およびチャンス文字画像9055が消去されてシャッター表示が終了し、図62(D1)または(D2)のように、一旦消去されていた飾り図柄9051、9052、9053およびメーターMTの画像が再表示される。これにより、シャッター画像9054により遮蔽されていた飾り図柄9051、9052、9053およびメーターMTが再度出現する演出態様で再表示される。
変動パターンが特定のノーマルリーチの変動パターンであるときには、図62(D1)のように、リーチ発展可否演出においてシャッター表示の終了後に、ノーマルリーチ演出態様で飾り図柄9051、9052、9053およびメーターMTの画像が再表示され、リーチ発展可否演出の開始前のノーマルリーチ演出が続行される。一方、変動パターンが特定のスーパーリーチの変動パターンであるときは、図62(D2)のように、リーチ発展可否演出においてシャッター表示の終了後に、スーパーリーチ演出態様で飾り図柄9051、9052、9053およびメーターMTの画像が再表示され、リーチ発展可否演出の開始前のノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演に発展(変化)し、スーパーリーチ演出が開始される。
図62(D1)のように、ノーマルリーチ演出が続行されるときには、可動演出部材9060が動作されず、メーターMTのレベルがアップしない。そして、リーチ発展可否演出の開始前と同じ表示態様で、飾り図柄9051、9052、9053およびメーターMTが表示され、ノーマルリーチ演出が続行される。
図62(D2)のように、ノーマルリーチ演出から発展したスーパーリーチ演出が開始されるときには、図56に示した可動演出部材演出と同様の演出が実行される。例えば、飾り図柄9051、9052、9053が縮小された表示態様で、画像表示装置905における画面左上隅部(メーターMTの上方)に移動して表示され、キャラクタCGが出現する表示がされる。さらに、次のようなメーター演出が実行される。可動演出部材9060が傾動状態に変化した後非傾動状態となる態様で動作させられ、その動作タイミングに応じて画像表示装置905の画面上に小判が出てくる所定のエフェクト画像が表示される。さらに、可動演出部材9060の動作に対応して、メーターMTのレベルがアップする演出が実行されて、スーパーリーチ演出に発展する。
図62(D2)のように、スーパーリーチ演出に発展したときには、例えば、図56〜図58に示したようなスーパーリーチの演出が実行されるか、または、その他の所定のスーパーリーチ演出が実行される。
図62に示したように、変動表示中において実行されているメーターMTが、特別演出であるリーチ発展可否演出の実行が開始されたことを契機として一旦消去された後、可動演出部材演出の実行に応じて再表示される表示制御が行なわれることにより、メーターMTがリーチ発展可否演出の邪魔をすることを抑制できる。具体的に、例えば、メーターMTを一旦消去しないでリーチ発展可否演出を実行すると、画像表示装置905の表示領域全体が隠蔽できず、さらに、チャンス文字画像9055と表示領域の少なくとも一部が重複するので、メーターMTがリーチ発展可否演出を邪魔することとなる。しかし、図62のようなメーター一旦消去後再表示演出が実行されると、メーターMTがリーチ発展可否演出を邪魔することが抑制される。
また、変動表示中において実行されているメーターMTが、特別演出であるリーチ発展可否演出の実行が開始されたことを契機として一旦消去された後、可動演出部材演出の実行に応じて再表示される表示制御が行なわれることで、メーターが溜まらない状態のときには、そのような状態でメーターMTの表示が継続されることによって、遊技者に不快感を与えることを防止できる効果も得ることができる。
また、図62(B),(C)に示すように、リーチ発展可否演出の実行中において、メーターMTが表示される表示領域と少なくとも一部が重なる表示領域においてチャンス文字画像9055の表示が実行されるので、リーチ発展可否演出の実行が開始されたことを契機としてメーターMTが一旦消去されることにより、リーチ発展可否演出の実行中に、メーターMTとチャンス文字画像9055とが重なって視認性が低下するのを抑制することができる。
また、図62(D2)に示すように、一旦消去されたメーターMT等の再表示が、リーチ発展可否演出の実行中に可動演出部材9060の動作演出を含むメーター演出が実行されたときに行なわれるので、メーターMTに関する制御を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[メーター一旦消去後再表示演出タイミング例]
次に、図62に示すメーター一旦消去後再表示演出が実行されるときのメーター演出等の実行タイミングを説明する。図63は、メーター一旦消去後再表示演出が実行されるときのメーター演出等の実行タイミングの一例を示す説明図(タイミングチャート)である。図63においては、リーチ演出、あおり演出、メーター変化報知態様での予告演出、メーター演出、リーチ発展可否演出、および、メーターMTの表示有無のタイミング例を示す。
図63は、スーパーリーチ発展時にメーターMTがLV1に到達し、スーパーリーチ中にメーターMTがMAXになって特殊態様スーパーリーチ演出が実行される演出例である。図63では、スーパーリーチ演出に発展した後の演出が、図55(A)の演出と同じ演出が実行される例を一例として示されているため、以下において、スーパーリーチ演出に発展した後の演出の説明を省略する。
図63を参照して、メーター一旦消去後再表示演出が実行される場合において、リーチ状態となったときには、まず、ノーマルリーチ演出によるリーチ演出が実行される。リーチ演出において、ノーマルリーチ演出の開始時から第1時間が経過すると、リーチ発展可否演出(シャッター表示)の実行が開始され、それまで表示されていたメーターMTの表示等(飾り図柄も含む)が一旦消去される。これにより、ノーマルリーチ演出の実行中において、図62(C)のように、シャッター画像9054およびチャンス文字画像9055が表示され、メーターMTの表示等が一旦消去されるリーチ発展可否演出が開始される。
次に、リーチ演出において、ノーマルリーチ演出の開始時から第2時間が経過すると、リーチ発展可否演出(シャッター表示)の実行が終了される。そのときには、一旦消去されていたメーターMT等(飾り図柄も含む)が再表示される。これにより、ノーマルリーチ演出の終了時において、図62(D2)のように、一旦消去されていたメーターMT等(飾り図柄も含む)が再表示される。リーチ発展可否演出後にスーパーリーチ演出に発展する場合には、図62(D2)のように、可動演出部材9060が動作する可動演出部材演出が実行されるとともに、可動演出部材演出に合わせて、メーターMTのレベルをアップするメーター演出が実行される。
[メーター一旦消去後再表示演出処理例]
次に、図62および図63を用いて説明したメーター一旦消去後再表示演出をするために演出制御用CPU90120で実行されるメーター一旦消去後再表示演出処理について説明する。
図64は、メーター一旦消去後再表示演出処理を示すフローチャートである。図64のメーター一旦消去後再表示演出処理は、前述の演出制御プロセス処理に含まれる処理であり、図54に示すリーチ演出動作制御処理におけるステップS(以下、単に「S」と呼ぶ)601,S90602,S90603の代替処理として実行させるものである。図64のメーター一旦消去後再表示演出処理は、図54のリーチ演出動作制御処理の一部を構成する処理として設けられてもよく、図54のリーチ演出動作制御処理とは別に、メーター一旦消去後再表示演出を実行する変動パターンの変動表示を実行する場合の専用処理として、通常態様スーパーリーチ演出の実行開始時までの期間にのみ実行される処理として設けられてもよい。
メーター一旦消去後再表示演出処理においては、まず、現在がメーター一旦消去後再表示演出を実行すべき特定変動パターンの変動表示中であるか否かを判定する(S90701)。S90701においては、変動表示の開始時に受信した変動パターンを指定するコマンドの種類を確認することに基づいて特定変動パターンの変動表示中であるか否かを判定する。
S90701で特定変動パターンの変動表示中ではないときは、処理を終了する。一方、S90701で特定変動パターンの変動表示中であるときは、現在がノーマルリーチ演出の実行中であるか否かを判定する(S90702)。S90702においては、変動表示を実行中の特定変動パターンにおいて予め定められた演出進行のタイムスケジュールと、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値とを確認することに基づいて、現在が特定変動パターンにおけるノーマルリーチ演出の実行期間中であるか否かを判定する。このような判定が可能であるのは、各変動パターンについて、演出進行のタイミングのタイムスケジュールが予め定められており、変動表示タイマの計時値に基づき、演出を進行させる演出制御が実行されるからである。
S90702でノーマルリーチ演出の実行中でないと判定されたときは、ノーマルリーチ演出の開始後における前述の第1時間の経過時であるか否かを判定する(S90703)。S90703で第1時間の経過時ではないと判定されたときは、処理を終了する。一方、S90703で第1時間の経過時であると判定されたときは、図62(C)のようなシャッター表示を行なうリーチ発展可否演出の実行を開始し、メーターMT等のそれまでに表示されていた画像を消去して(S90704)、処理を終了する。
前述のS90702でノーマルリーチ演出の実行中であると判定されたときは、特定変動パターンにおける演出進行のタイムスケジュールと、変動表示タイマの計時値とを確認することに基づいて、ノーマルリーチ演出の開始後における前述の第2時間の経過時であるか否かを判定する(S90705)。S90705で第2時間の経過時ではないと判定されたときは、処理を終了する。一方、S90705で第2時間の経過時であると判定されたときは、現在実行中の変動パターンがスーパーリーチ演出に発展するものであるか否かを確認する(S90706)。S90706では、変動表示の開始時に受信した変動パターンを指定するコマンドの種類を確認することに基づいてスーパーリーチに発展する変動パターンであるか否かを判定する。
S90706で変動表示パターンがスーパーリーチ演出に発展するものであると判定されたときは、図62(D2)のように可動演出部材9060を動作させる演出の実行を開始させる(S90707)。そして、図62(D2)のように、可動演出部材9060の動作に対応して、シャッター表示を終了させてリーチ発展可否演出の実行を終了するとともに、一旦消去されたメーターMT等の画像をスーパーリーチ演出の演出態様で再表示し、メーターMTのレベルがアップするメーター演出が実行され(S90708)、処理を終了する。これにより、変動表示の演出がノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出に発展する。その後は、メーター一旦消去後再表示演出処理とは別に設けられた演出処理により、スーパーリーチ演出が実行される。
一方、S90706で変動表示パターンがスーパーリーチ演出に発展するものでないと判定されたときは、図62(D1)のように可動演出部材9060を動作させず、シャッター表示を終了させてリーチ発展可否演出の実行を終了するとともに、一旦消去されたメーターMT等の画像をノーマルリーチ演出の演出態様で再表示し、メーターMTのレベルをアップさせない演出が実行され(S90709)、処理を終了する。これにより、変動表示の演出がノーマルリーチ演出で続行される。その後は、メーター一旦消去後再表示演出処理とは別に設けられた演出処理により、ノーマルリーチ演出が続行される。
[メーター一旦消去後再表示演出の第1変形例]
次に、メーター一旦消去後再表示演出の第1変形例を説明する。演出制御用CPU90120は、メーター一旦消去後再表示演出として、一旦消去したメーターMT等の表示をそのまま消去し続ける(再表示しない)ことが可能となるようにしてもよい。例えば、リーチ発展可否演出を実行する特定変動パターンが複数種類設けられ、それらのうち、第1の特定変動パターンについては、リーチ発展可否演出において、一旦消去したメーターMT等の表示をスーパーリーチ発展時に再表示し、第2の特定変動パターンについては、リーチ発展可否演出において、一旦消去したメーターMT等の表示を、スーパーリーチ発展時に再表示せず、その後のリーチ演出中(スーパーリーチ演出に発展した場合のリーチ演出中と、スーパーリーチ演出に発展しない場合のリーチ演出中との両方を含む)そのまま消去し続け、変動表示の終了後に再表示するようにしてもよい。
なお、リーチ発展可否演出において、一旦消去したメーターMT等の表示を、スーパーリーチ発展時に再表示しない制御を実行する場合であっても、その後のスーパーリーチ演出中に、可動演出部材9060の動作等を伴なうメーター演出が実行されるときに、一旦消去したメーターMT等の再表示を実行してもよい。
また、リーチ発展可否演出においてメーターMT等の表示を消去した後は、スーパーリーチ演出に発展した場合のリーチ演出中と、スーパーリーチ演出に発展しない場合のリーチ演出中との少なくとも一方について、消去したメーターMT等の表示を必ず消去し続けるようにしてもよい。
このような第1変形例によれば、リーチ発展可否演出の実行が開始されたことを契機として一旦消去したメーターMT等の表示の消去状態を継続させる表示制御が実行可能であるので、メーターMTに関する制御を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[メーター一旦消去後再表示演出の第2変形例]
次、メーター一旦消去後再表示演出の第2変形例を説明する。演出制御用CPU90120は、メーター一旦消去後再表示演出として、メーターMTの表示値が所定値未満のときはメーターMTを一旦消去し、メーターMTの表示値が所定値以上のときはメーターMTを一旦消去しない演出を実行するようにしてもよい。例えば、メーターMTの表示値が最大値未満のときは、メーターMTを一旦消去し、メーターMTの表示値が最大値のときはメーターMTを一旦消去しない演出を実行する。
メーターMTの表示値が所定値以上のときは、メーターが溜まったことにより、遊技者が、他者に対する優越感、および、遊技者にとって有利な状態への期待感等を持つと考えられるので、メーターMTの表示値が所定値以上のときはメーターMTを一旦消去しない演出を実行することにより、遊技者の心理状態に応じた演出を実行することができる。一方、メーターMTの表示値が所定値未満のときは、メーターが溜まっていないことにより、遊技者がメーターMTに興味を持たないと考えられるので、メーターMTの表示値が所定値未満のときはその他の演出を優先的に実行させるために、メーターMTを一旦消去する演出を実行することにより、遊技者の心理状態に応じた演出を実行することができる。
なお、メーターMTの表示値が所定値以上のときにメーターMTを一旦消去しない演出を実行する場合には、メーターMTの視認性の低下を抑制するために、図62(C)に示すチャンス文字画像9055の表示位置(表示領域)について、次のような演出制御をしてもよい。チャンス文字画像9055の表示位置を、メーターMTの表示位置(表示領域)と重複しない位置に変更するようにしてもよい。チャンス文字画像9055の表示による演出を実行しないように演出を制限(例えば、禁止)するようにしてもよい。このような演出制御を実行する場合において、例えば、チャンス文字画像9055が表示されるときの大当りへの期待度(例えば、チャンス文字画像9055が抽選により表示される場合であって、大当りとなるときの方が、はずれとなるときよりも抽選により表示される割合が高い場合等)よりも、メーターMTの表示値が所定値以上のときの大当りへの期待度の方が高くなるように設定しておけば、遊技者の注目がメーターMTの表示値の方に集まりやすいので、チャンス文字画像9055の表示制御の変更により遊技者に不満感を持たせることが抑制される。
このような第2変形例によれば、メーターMT等の一旦消去について、リーチ発展可否演出の実行が開始されたときのメーターMT等の表示態様の表示態様に応じた制御が実行されることにより、メーターMTに関する制御を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[メーター一旦消去後再表示演出により得られる主な効果]
(1) 図62に示したように、変動表示中に実行されているメーターMTが、特別演出であるリーチ発展可否演出の実行が開始されたことを契機として一旦消去された後、可動演出部材演出の実行に応じて再表示される表示制御が行なわれることにより、メーターMTがリーチ発展可否演出の邪魔をすることを抑制できる。
(2) 図62(B),(C)に示すように、リーチ発展可否演出の実行中において、メーターMTが表示される表示領域と少なくとも一部が重なる表示領域においてチャンス文字画像9055の表示が実行されるので、リーチ発展可否演出の実行が開始されたことを契機としてメーターMTが一旦消去されることにより、リーチ発展可否演出の実行中に、メーターMTとチャンス文字画像9055とが重なって視認性が低下するのを抑制することができる。
(3) 図62(D2)に示すように、一旦消去されたメーターMT等の再表示が、リーチ発展可否演出の実行中に可動演出部材9060の動作演出を含むメーター演出が実行されたときに実行されるので、メーターMTに関する制御を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 第1変形例に示すように、リーチ発展可否演出の実行が開始されたことを契機として一旦消去したメーターMT等の表示の消去状態を継続させる表示制御が実行可能であるので、メーターMTに関する制御を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 第2変形例に示すように、メーターMT等の一旦消去について、リーチ発展可否演出の実行が開始されたときのメーターMT等の表示態様の表示態様に応じた制御が実行されることにより、メーターMTに関する制御を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 図56のように、スーパーリーチ演出中のメーター演出を実行するよりも前にメーター変化報知態様での予告演出が実行された場合と実行されなかった場合とで、スーパーリーチ演出中のメーター演出においてメーターMTの表示態様を変化させるときのメーターの変化量や、所定のエフェクトとして表示される小判の量を異ならせることにより、メーター演出を実行するよりも前に予告演出が実行された場合と実行されなかった場合とで、メーター演出においてメーターMTの表示態様を変化させるときの態様が異なることにより、メーターMTの表示態様を変化させ得るメーター演出の興趣を向上させることができる。
(7) 図60、図61のように、可変表示結果の導出表示期間T2に調整結果画像Rを消去することにより、導出表示される表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
[メーター一旦消去後再表示演出のその他の構成例]
(1) 「メーター一旦消去後再表示演出」については、メーターMTを一旦消去する条件となる「特別演出」として、ノーマルリーチ演出およびリーチ発展可否演出を一例として示した。しかし、これに限らず、「特別演出」としては、ノーマルリーチ演出単体(リーチ発展可否演出を伴なわないノーマルリーチ演出)、スーパーリーチ演出、予告(大当り予告、リーチ予告等)演出、擬似連演出、および、滑り演出等のその他の演出を用いてもよい。また、「特別演出」としては、可動体を用いた演出を含んでいてもよい。「特別演出」として用いる演出は、大当りとなる期待度等の遊技者にとって価値が高い演出を用いることが望ましい。
(2) 「メーター一旦消去後再表示演出」については、メーターMTを変化させ得る変化演出として、メーター演出を一例として示した。メーター演出は、可動演出部材9060の演出動作、小判のようなエフェクト画像を表示する演出、メーターMTの表示態様をメーターの上限値(レベル4(MAX))へ向かって変化させる演出、メーターの表示態様をメーターの下限値へ向かって変化させる演出を含む変化演出である。変化演出としては、アイテムの種類や数を変化させる演出、キャラクタ(大きさ、色、数等)を変化させる演出、および、数字が増えていったり減っていったりする演出等のその他の演出を実行してもよい。また、メーターMTを変化させ得る変化演出としては、メーターMTに加えて可動演出部材9060の演出動作のみをする演出、メーターMTに加えてエフェクト画像のみを表示する演出、および、メーターMTに加えてメーターMTに作用する特定のキャラクタ画像を表示する演出等のその他の演出を用いてもよい。
(3) 「メーター一旦消去後再表示演出」については、リーチ発展可否演出のような特別演出の実行が開始されるタイミングと同時のタイミングでメーターMTが一旦消去される演出を一例として示した。しかし、これに限らず、「メーター一旦消去後再表示演出」は、特別演出の実行が開始されたことを契機としてメーターMTが一旦消去されるものであればよく、例えば、特別演出の実行が開始されてから所定時間が経過したときにメーターMTが一旦消去されるものであってもよい。
(4) 「メーター一旦消去後再表示演出」については、リーチ発展可否演出のような特別演出の実行が終了するタイミングと同時のタイミングでメーターMTが再表示される演出を一例として示した。しかし、これに限らず、「メーター一旦消去後再表示演出」は、特別演出の実行が終了した後のタイミング(例えば、変動表示終了直前のタイミング、変動表示終了後のタイミング等)でメーターMTが再表示されるものであってもよい。
(5) 特別演出としてのリーチ発展可否演出において表示されるシャッター画像9054については、大当り表示結果となる期待度により画像色が異なるように、画像色を複数色から選択して表示してもよく、スーパーリーチに発展する期待度により画像色が異なるように画像色を複数色から選択して表示してもよい。
(6) 「メーター一旦消去後再表示演出」においては、リーチ発展可否演出のような特別演出が実行されるときに、メーターMTを一旦消去するが、パチンコ遊技機901において、画像表示装置905の他に別の画像表示装置が設けられている構成では、一旦消去されたメーターMTを、当該別の画像表示装置に移動させて表示させるような演出態様で、当該別の画像表示装置で表示し続けるようにしてもよい。また、パチンコ遊技機901において、画像表示装置905の他に別の画像表示装置が設けられているときには、一旦消去されたメーターMTの再表示を、当該別の画像表示装置において行なうようにしてもよい。
(7) 特別演出としてのリーチ発展可否演出において用いられるシャッター画像9054(チャンス文字画像9055を含んでもよい)は、リーチ発展可否演出専用の演出として実行されてもよく、飾り図柄の背景画像の変更等の場面転換、および、演出モードの変更等のその他の演出でも共通に表示されるものであってもよい。このように複数種類の演出において共通に表示される画像が特別演出に用いられる場合には、演出用の画像を複数階層で表示する画像表示装置において、特別演出に用いられる画像として、複数種類の演出において同じ階層で表示してもよく、異なる階層で表示してもよい。特別演出に用いられる画像を、複数種類の演出において同じ階層で表示する場合には、当該画像の階層をメーターMTの画像を表示する階層よりも前面側の階層で表示するように設定すれば、メーターMTの画像を消去することなく、前面側の階層の特別演出に用いられる画像によりメーターMTの画像を隠蔽するような態様で、容易にメーターMTの画像が消去されているように見せることができる。
(8) 「メーター一旦消去後再表示演出」では、図62(D1)に示すように、ノーマルリーチ演出が続行されるときにはメーターMTのレベルを変化させない演出をする例を示した。しかしこれに限らず、ノーマルリーチ演出が続行されるときでも、可動演出部材9060の演出動作およびエフェクトの表示を含みメーターMTのレベルを変化させる演出をしてもよい。その場合において、リーチ演出が、図62(D1)に示すようにノーマルリーチ演出の演出態様で実行されればよい。つまり、スーパーリーチ演出に発展するときと、ノーマルリーチ演出を継続するときで、同じメーター演出を実行してもよい。なお、スーパーリーチ演出に発展するときと、ノーマルリーチ演出を継続するときで、メーター演出を実行するが、メーターMTのレベル変化量が異なる(例えば、スーパーリーチ演出に発展する方がノーマルリーチ演出を継続する方よりもレベル変化量が多い等)ようにしてもよい。
なお、この発明は、上記形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機901は、上記形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
[その他の構成例]
(1) メーター演出のような所定表示の表示態様を変化させる変化演出の興趣を向上させることができるようにするという目的を達成するため、前述した遊技機は、以下のような構成を有する。遊技を行なうための遊技機(例えば、パチンコ遊技機901等)であって、特定演出を実行可能な特定演出実行手段(例えば、メーター変化報知態様での予告演出を実行可能な演出制御用CPU90120等)と、所定表示の表示態様を特定の段階まで変化させ得る変化演出を実行可能な変化演出実行手段(例えば、メーターMTの表示態様をメーターの上限値(レベル4(MAX))へ向かって変化させる演出や、メーターの表示態様をメーターの下限値(レベル0)へ向かって変化させる演出や、アイテムの種類や数を変化させる演出や、キャラクタの大きさや色、人数等を変化させる演出や、数字が増えていったり減っていったりする演出等を実行可能な演出制御用CPU90120等)とを備え、前記変化演出実行手段は、前記変化演出を実行するよりも前に前記特定演出が実行された場合と実行されなかった場合とで、前記変化演出において所定表示の表示態様を変化させるときの態様を異ならせる(例えば、スーパーリーチ演出中のメーター演出を実行するよりも前にメーター変化報知態様での予告演出が実行された場合と実行されなかった場合とで、スーパーリーチ演出中のメーター演出においてメーターMTの表示態様を変化させるときのメーターの変化量や、所定のエフェクトとして表示される小判の量を異ならせること等)ことを特徴とする。このような構成によれば、所定表示の表示態様を変化させる変化演出の興趣を向上させることができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、前記変化演出実行手段は、前記変化演出を実行するよりも前に前記特定演出が実行された場合には実行されなかった場合よりも、前記所定表示の表示態様をより多く変化させる(例えば、スーパーリーチ演出中のメーター演出を実行するよりも前にメーター変化報知態様での予告演出が実行された場合には、スーパーリーチ演出中のメーター演出においてメーターを3レベルまたは4レベル変化させ、スーパーリーチ演出中のメーター演出を実行するよりも前にメーター変化報知態様での予告演出が実行されなかった場合には、スーパーリーチ演出中のメーター演出においてメーターを1レベルまたは2レベルしか変化させないこと等)ことを特徴とする。このような構成によれば、特定演出が実行されることへの期待感を向上させることができる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、前記特定演出実行手段は、複数種類の実行期間のうちいずれかの実行期間にて前記特定演出を実行可能である(例えば、メーター変化報知態様での予告演出として、スーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量が4レベルである場合には8秒間の予告演出を実行し、スーパーリーチ演出中のメーター演出におけるメーターの変化量が3レベルである場合には4秒間の予告演出を実行すること等)ことを特徴とする。このような構成によれば、特定演出の興趣を向上させることができる。
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、前記特定演出が実行されるか否かを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、メーター変化報知態様での予告演出が実行されるか否かをあおるあおり演出を実行可能な演出制御用CPU90120等)を更に備えることを特徴とする。このような構成によれば、特定演出が実行されることへの遊技者の期待感をあおることができる。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、前記所定表示の表示態様が特定の段階まで変化したことに対応して特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段(例えば、メーターMTの表示態様がMAXまで変化したことに対応して特殊態様スーパーリーチ演出を実行可能な演出制御用CPU90120等)を更に備えることを特徴とする。このような構成によれば、所定表示の表示態様が特定の段階まで変化することへの遊技者の期待感を向上させることができる。
(6) 上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、演出効果を調整するための調整画像を表示可能な調整画像表示手段(例えば、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像を、画像表示装置905の所定領域において演出画像やデモ画像と重畳した態様で表示する演出制御用CPU90120等)を更に備え、前記調整画像表示手段は、可変表示の表示結果が導出されることに対応して前記調整画像を視認不可または視認困難とする(例えば、可変表示結果の導出表示期間T2に調整結果画像Rを消去すること等)ことを特徴とする。このような構成によれば、可変表示結果の視認性が低下することを抑制することができる。
(変形例1)上記においては、メーターの表示態様を、レベル0〜レベル4の5段階に設定した。しかし、メーターの表示態様は5段階に限定されない。例えば、メーターの表示態様を、4段階以下または6段階以上に設定してもよい。
(変形例2)上記においては、メーターの表示態様を変化させるタイミングが、ステップS90403の処理で設定された内容に対応して、ステップS90406の処理で選択された演出制御パターンに基づいて、高速変動中やスーパーリーチ演出中となるように、メーターの表示態様を変化させた。しかし、例えば、可変表示の開始タイミングや、予告演出の開始タイミング、キャラクタ画像が表示されるタイミング、「擬似連」の可変表示演出が実行されるタイミングといった所定のタイミング毎に、どのレベルまで変化させるか、または何段階変化させるかを決定して、メーターの表示態様を変化させてもよい。また、一回の可変表示中に予告演出やキャラクタ画像の表示等が複数回実行される場合には、予告演出、キャラクタ画像の表示、あるいは予告演出及びキャラクタ画像の表示等が実行されるタイミング毎に、メーターの表示態様を変化させてもよい。また、「擬似連」の可変表示演出において、複数回の擬似連変動が行なわれる場合には、擬似連変動が行なわれるタイミング毎に、メーターの表示態様を変化させてもよい。
(変形例3)上記においては、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される可変表示においてメーター演出を実行してメーターの表示態様を変化させた。しかし、例えば、メーター演出を、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される可変表示の前に行なわれる可変表示において実行してもよい。具体的には、特殊態様スーパーリーチ演出を実行可能な可変表示を予告対象の可変表示とし、予告対象の可変表示の前に行なわれる複数回の可変表示にわたってメーター演出を実行してもよく、また、予告対象の可変表示の直前に行なわれる可変表示においてメーター演出を実行してもよい。複数回の可変表示にわたってメーター演出を実行する場合、可変表示が実行される毎に、メーターの表示態様を1つずつ変化させてもよいし、また、可変表示が実行される毎に、メーターの表示態様を変化させる段階を決定し、決定結果に基づいてメーターの表示態様を変化させてもよい。
また、複数回の可変表示にわたってランダムにメーターの表示態様を、最大でレベル3まで変化させ、特殊態様スーパーリーチ演出が実行される可変表示が開始される場合、当該特殊態様スーパーリーチ演出が実行される可変表示において、特殊態様スーパーリーチ演出に便乗してメーターの表示態様をMAXの表示態様へ変化させてもよい。
(変形例4)上記においては、ステップS90504にて、メーターの高速変動中到達レベルを抽選により決定した。しかし、メーターの高速変動中到達レベルは、抽選によるものに限られない。例えば、変動パターンに対応して1つの高速変動中到達レベルが予め設定されていてもよい。また、変動パターンに対応して複数の高速変動中到達レベルが設定されていてもよい。この場合には、複数の高速変動中到達レベルのうちのいずれにするかを抽選で決定すればよい。また、実行される予告演出の種類や実行時間等に基づいて、メーターの高速変動中到達レベルを決定してもよい。
(変形例5)上記形態においては、ガセとなるメーター演出を実行する場合、ステップS90507にて、メーターの最終到達レベルを抽選により決定し、ステップS90508にて、メーターの高速変動中到達レベルを抽選により決定した。しかし、メーターの最終到達レベルや高速変動中到達レベルの決定は、抽選によるものに限られない。例えば、変動パターンに対応して1つの最終到達レベルや高速変動中到達レベルが予め設定されていてもよい。また、変動パターンに対応して複数の最終到達レベルや高速変動中到達レベルが設定されていてもよい。この場合には、複数の最終到達レベルや高速変動中到達レベルのうちのいずれにするかを抽選で決定すればよい。また、実行される予告演出の種類や実行時間等に基づいて、メーターの最終到達レベルや高速変動中到達レベルを決定してもよい。ガセとなるメーター演出を実行する場合には、メーターの表示態様をMAXの表示態様まで変化させないことが好ましい。
(変形例6)上記形態においては、特殊態様スーパーリーチ演出は、可変表示が開始してから44秒後経過したタイミングで開始する、といったように、特殊態様スーパーリーチ演出の実行タイミングを予め定めておいた。しかし、特殊態様スーパーリーチ演出の実行タイミングは、予め定められたものに限定されない。例えば、特殊態様スーパーリーチ演出の実行タイミングを、複数の実行タイミングのうちから抽選によって決定してもよい。
(変形例7)上記形態では、特殊態様スーパーリーチ演出を、可変表示結果が「大当り」となることへの期待感を高めることができるような態様とし、特殊態様スーパーリーチ演出を実行可能な期間に相当する期間にて実行される通常態様スーパーリーチ演出を、可変表示結果が「大当り」となることへの期待感をあまり高めることができないような態様とした。しかし、特殊態様スーパーリーチ演出や、特殊態様スーパーリーチ演出を実行可能な期間に相当する期間にて実行される通常態様スーパーリーチ演出の演出態様は、上記態様に限定されない。例えば、特殊態様スーパーリーチ演出を、多くの出玉が得られる大当りを煽る演出態様とし、特殊態様スーパーリーチ演出を実行可能な期間に相当する期間にて実行される通常態様スーパーリーチ演出を、実質的には出玉が得られない大当りや小当りを煽る演出態様としてもよい。そして、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されてから出玉が得られる大当り遊技状態に制御される割合を、例えば6割とし、特殊態様スーパーリーチ演出を実行可能な期間に相当する期間にて通常態様スーパーリーチ演出が実行されてから出玉が得られない大当り遊技状態に制御される割合を、例えば4割とする等して、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されたときの大当り期待度と、特殊態様スーパーリーチ演出を実行可能な期間に相当する期間にて通常態様スーパーリーチ演出が実行されたときの大当り期待度とに、高低をつけてもよい。
(変形例8)上記形態においては、メーター変化報知態様以外の演出態様の予告演出を、大当り遊技状態となる可能性があることを報知する演出とした。しかし、メーター変化報知態様以外の演出態様の予告演出は、大当り遊技状態となる可能性があることを報知する演出に限られない。例えば、メーター変化報知態様以外の演出態様の予告演出を、可変表示結果が「大当り」となった後に確変状態等の遊技状態になる可能性があることを報知する演出としてもよい。この場合には、例えば、確変判定装置を設けてもよい。確変判定装置は、例えば、遊技球が進入しやすい進入容易状態と遊技球が進入し難い進入困難状態とに変化する領域を備える。確変判定装置の当該領域は、例えば、大当り遊技状態のラウンド遊技において、進入容易状態に変化するものであればよい。領域を通過した遊技球は確変判定装置内部に進入する。また、確変判定装置は、内部に、領域を通過した遊技球が進入可能な特定領域が設けられている。なお、賞球の払い出しは、入賞口、特定領域、非特定領域の少なくともいずれかに遊技球が進入したことに基づいて行なわれればよい。このようなパチンコ遊技機では、例えば、入賞口を通過した遊技球が特定領域に進入した場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態になる。そして、可変表示開始時には、大当り種別の代わりに、領域を進入容易状態に変化させる態様を複数種類の態様のうちから決定する。決定した態様に応じて進入容易状態にする時間が異なることになるので、結果的に、決定された態様に応じて、その後に確変状態になるか否かの可能性が変化することになる。
(変形例9)上記形態においては、メーターを、所定表示とした。しかし、所定表示はメーターに限定されない。所定表示は、例えば、アイテムやキャラクタ、数字等であってもよい。所定表示がアイテムの場合には、例えばアイテムの種類や数が変化していけばよい。所定表示がキャラクタの場合には、例えばキャラクタの大きさや色、人数等が変化していけばよい。所定表示が数字の場合には、例えば数字が増えていったり減っていったりすればよい。このような所定表示を用いて、メーター演出に代わる演出を実行してもよい。すなわち、所定表示は、例えば、メーターの値が段階的に変化して最終的に特定の値となること、アイテムの種類が段階的に変化して特定の種類となること、アイテムの数が段階的に変化して特定の数となること、キャラクタの大きさが段階的に変化して特定の大きさとなること、キャラクタの色が段階的に変化して特定の色となること、キャラクタの人数が段階的に変化して特定の人数となること、数字が段階的に変化して特定の数字となることといった、特定の段階まで段階的に変化するものであればよい。そして、段階的に変化することは、例えば、メーターの値が増減すること、アイテムの種類が予め設定された複数種類のいずれかに次々と変化すること、アイテムの数が増減すること、キャラクタの大きさが大きくなったり小さくなったりすること、キャラクタの色が予め設定された複数種類のいずれかに次々と変化すること、キャラクタの人数が増減すること、数字が増減することといった、所定表示が常に特定の段階へ向けて変化するものでなく、所定表示が特定の段階へ向けて変化したり(例えば、変化開始時の段階がレベル0で特定の段階がレベル4であれば、レベルが上がること)、特定の段階とは逆の段階へ向けて変化したりすること(例えば、変化開始時の段階がレベル0で特定の段階がレベル4であれば、レベルが下がること)を繰り返すものであってもよい。
(変形例10)上記形態においては、メーター演出の実行中であるか否かにかかわらず、所定表示としてメーターMTを常時表示している。しかし、所定表示としてのメーターMTは、メーター演出が実行されるときにだけ表示されるものであってもよい。その場合、メーター演出が実行されないにもかかわらず、所定表示としてのメーターMTが表示されることがあってもよい。このような態様とすることにより、所定表示としてメーターMTが表示されれば、メーター演出が実行されることへの遊技者の期待感を高めることができる。
(変形例11)上記形態では、スーパーリーチ演出中のメーター演出の直前にのみ、メーター変化報知態様での予告演出が実行されるようにしている。しかし、メーター変化報知態様での予告演出は、高速変動中のメーター演出といった、他のタイミングにて実行され得るメーター演出の演出期間の直前にも実行されるようにしてもよい。このような態様とすることにより、様々なタイミングにて、メーター演出が実行されることへの遊技者の期待感を高めることができる。
(変形例12)上記形態では、変動パターンが、スーパーAのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンであるか、スーパーBのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンであるかにかかわらず、スーパーリーチ演出が実行される変動パターンであれば、演出制御用CPU90120にて、特殊態様スーパーリーチ演出の演出時間を確保して実行可能としている。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101において、特殊態様スーパーリーチ演出を実行するか否かや、特殊態様スーパーリーチ演出を実行する場合における演出時間に応じて異なる変動パターンを用意しておき、演出制御用CPU90120は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の方から送信された変動パターン指定コマンドに従って、特殊態様スーパーリーチ演出の実行が指定されている変動パターンである場合にのみ、指定された演出時間となるように特殊態様スーパーリーチ演出を実行するようにしてもよい。このような態様とすることにより、演出制御用CPU90120により特殊態様スーパーリーチ演出を実行するか否かや、特殊態様スーパーリーチ演出を実行する場合における演出時間等を決定するための処理を省略して、処理負荷を抑制することができる。
(変形例13)上記形態では、メーター演出にてメーターの表示態様がMAXまで変化した場合、特殊態様スーパーリーチ演出が必ず実行される。しかし、メーター演出にてメーターの表示態様がMAXまで変化しても、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されないことがあってもよい。その場合、メーター演出にてメーターの表示態様がMAXまで変化しても、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されないことについて、可変表示結果が「大当り」となる場合にのみ、例えば十分に小さい割合で決定され得るようにしてもよい。このような態様とすることにより、メーター演出にてメーターの表示態様がMAXまで変化しても、特殊態様スーパーリーチ演出が実行されない場合には、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることを確定的に告知することができる。
(変形例14)上記形態においては、飾り図柄の可変表示時間、及びリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU90120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU90120の方で選択を行なうようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
(変形例15)本発明は、パチンコ遊技機901に限らずスロットマシン等にも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行ない、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数を設定することによりゲームが開始可能になると共に、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行なうソフトウェアとが協働することにより、パチンコ遊技機901が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機901やスロットマシンは、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、且つ、入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
こうしたスロットマシンにおいて実行可能な演出として、上記メーター変化報知態様での予告演出やメーター演出等が含まれていればよい。
(変形例16)その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、予告演出等の所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、更には遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(変形例17)本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機901やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
(変形例18)そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(変形例19)上記において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけに限らず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるものも含む概念である。
(変形例20)上記の形態では、例えば「1」〜「8」の複数種類の特別図柄や飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様に限られない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯及び点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(変形例21)上記形態において、各乱数の更新タイミングを異ならせたり、各乱数の更新範囲を異ならせたりすることによって、各乱数が同期しないようにしてもよい。
(変形例22)上記の形態では、主基板9011に乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、始動入賞時に主基板9011において抽出された乱数値に基づき、主基板9011が乱数値の判定用テーブルを参照し、乱数値の判定処理を実行し、演出制御基板9012は、主基板9011において判定された判定結果を受信して、受信した判定結果に基づき先読予告演出を実行する例を示したが、先読予告演出の実行態様はこれに限定されない。例えば、演出制御基板9012に上記乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、演出制御基板9012は、主基板9011において抽出された乱数値そのものを主基板9011から受信し、受信した乱数値に基づき乱数値の判定用テーブルを参照して乱数値の判定処理を実行し、判定処理の判定結果に基づき先読予告演出を実行するようにしてもよい。すなわち、乱数値の判定処理を演出制御基板9012において行なってもよい。また、乱数値の判定処理を主基板9011と演出制御基板9012の両方で行なってもよい。例えば、演出制御基板9012は、一部の乱数値を受信して乱数値の判定処理を実行するとともに、主基板9011において判定された判定結果を受信してもよい。具体的には、例えば、演出制御基板9012は、乱数値を受信して大当りとなるか否かの判定及び大当りである場合は大当りの種別の判定を実行すると共に、乱数値に基づき主基板9011で判定された変動パターン種別の判定結果を受信するようにしてもよい。すなわち、演出制御基板9012は、自ら判定した判定結果と主基板9011で判定された判定結果に基づき先読予告演出を実行することができる。
(変形例23)上記形態では、演出制御基板9012の側で、主基板9011から演出制御コマンドを受信するための割込みが、主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばシリアル通信の先頭ビットによる割込み要求を以て、演出制御コマンドを受信するための割込みが発生するものとしてもよい。
なお、今回開示された形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。