以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。なお、ここでは、第2始動口122が閉状態にあるときに、当該第2始動口122への遊技球の入球が不可能であることとしたが、第2始動口122が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
さらに、遊技領域116には、遊技球が入球可能な大入賞口128が設けられている。この大入賞口128には、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが大入賞口128を閉鎖して、大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技や後述の小当たり遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202(202a、202b、202c)、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。なお、演出役物装置202aは、通常、遊技盤108の背面側に退避している。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122および大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、遊技球の発射制御を行う発射制御回路320が設けられている。払出制御基板310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、サブCPU330aが、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
また、副制御基板330は、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御や、演出役物装置202を可動したり演出照明装置204を点灯制御したりする。さらには、演出操作装置208が押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定される。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口128が開放されるとともに当該大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図4は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図4(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10164であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001〜20218であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/399.6、小当たり確率は約1/300.6となる。
また、高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図4(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜11640であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001〜24369であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/39.96、小当たり確率は約1/15となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が高くなる。なお、低確率遊技状態において「大当たり」となる大当たり決定乱数(10001〜10164)は、高確率遊技状態においても「大当たり」となる。
図5は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図であり、図6は当たり図柄乱数変換値判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」または「小当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図5(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図5(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択される。また、特1保留によって「小当たり」に当選した場合には、図6(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数変換値判定テーブルbが選択され、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、図6(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数変換値判定テーブルbが選択される。以下では、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄と呼び、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
なお、詳しくは後述するが、大当たり図柄には、大役遊技の実行パターンおよび大役遊技終了後の遊技状態といった遊技利益が規定されており、小当たり図柄には、小当たり遊技の実行パターンが規定されている。したがって、大当たり図柄の種類が決定されることで、遊技者に付与する遊技利益の種類が決定されることとなり、小当たり図柄の種類が決定されることで、小当たり遊技の実行パターンが決定されることとなる。
図5(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図5(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルaによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。ここでは、図示を簡略化しているが、実際には、特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、特2用当たり図柄乱数判定テーブルaにおいては、当たり図柄乱数の値に応じて選択される100個の選択領域が設けられており、それぞれの選択領域に大当たり図柄が対応付けられている。
一方、大役抽選によって小当たりの判定結果が得られた場合には、図6(a)に示す特1用当たり図柄乱数変換値判定テーブルb、または、図6(b)に示す特2用当たり図柄乱数変換値判定テーブルbを参照して特別図柄の種別(小当たり図柄)が決定される。この小当たり図柄を決定する場合にも、上記の当たり図柄乱数が用いられるが、小当たり図柄を決定する場合には、まず、取得した当たり図柄乱数を16進数に変換して初期変換値を生成する変換処理が施される。ここでは、当たり図柄乱数が0〜99の範囲から取得されることから、変換処理により、00H〜63Hの初期変換値が生成される。以下において、16進数を示す場合には数値に「H」を付し、10進数を示す場合には数値のみを記載する。
次に、本実施形態では、生成した初期変換値のうち下一桁を特定の桁として、当該特定の桁(下一桁)の値を保持したまま、特定の桁以外の桁(上一桁)の値を無効化した変換値を生成する変換値生成処理が施される。具体的には、初期変換値は2桁の値となるが、変換値生成処理では、2つの桁のうち特定の桁以外の桁(上一桁)にマスク処理を施す。これにより、初期変換値の特定の桁以外の桁(上一桁)の値は0Hとなり、特定の桁(下一桁)の値は、初期変換値の値に保持される。したがって、この変換値生成処理によって導出される変換値は、00H〜0FHの16通りとなる。
図6(a)、(b)に示すように、特1用当たり図柄乱数変換値判定テーブルb、特2用当たり図柄乱数変換値判定テーブルbにおいては、変換値と同数である16個の選択領域が設けられており、各選択領域に、変換値に応じて特定されるオフセット値と、いずれかの小当たり図柄とが対応付けられている。ここでは、特1用当たり図柄乱数変換値判定テーブルbによれば、特別図柄a1、a2が決定され、特2用当たり図柄乱数変換値判定テーブルbによれば、特別図柄b1〜b4が決定されるように、変換値ごとに小当たり図柄の種別が対応付けられている。
従来、小当たり図柄を決定するためのテーブルは、大当たり図柄を決定するテーブルと同様の構成となっていた。つまり、小当たり図柄を決定するためのテーブルには、当たり図柄乱数の乱数範囲、すなわち、当たり図柄乱数として取得され得る値の数だけ選択領域が設けられていた。したがって、本実施形態のように、乱数範囲が0〜99に設定されている場合には、2もしくは4種類の小当たり図柄を決定するためのテーブルに、100個の選択領域を設けなければならず、メインROM300bの容量が圧迫されるばかりか、小当たり図柄を決定する際の処理負荷も必要以上に大きくなっていた。
本実施形態のように、大当たり図柄を決定する際と、小当たり図柄を決定する際とで、共通の当たり図柄乱数を用いつつも、小当たり図柄を決定する場合には、当たり図柄乱数を変換して変換値を導出し、この変換値に基づいて小当たり図柄を決定することにより、選択領域を16個まで減らすことができる。このように、選択領域を減らすことで、メインROM300bの必要領域が抑制され、また、小当たり図柄を決定する際の処理負荷も軽減することができる。
なお、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、図5および図6に示す各テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。
図7は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態に対応付けて設定される後述の変動状態等に応じて1のテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されており、変動状態が通常変動状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留数(以下、単に「保留数」という)が0個であれば、図7(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、保留数が1、2個であれば、図7(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が3個であれば、図7(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、図7において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
このように、本実施形態では、変動演出パターンを決定するためのテーブルが、設定されている遊技状態に加えて、変動状態に基づいて決定される。つまり、変動状態とは、いずれのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。この変動状態とリーチグループ決定乱数判定テーブルとの関係については、後で詳述する。
なお、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合に参照されることはない。
図8は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「小当たり」であった場合に選択される小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルおよび小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄の種別ごとにも設けられている。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(a)に示し、特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(b)に示し、特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(c)に示し、特1用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(d)に示し、特2用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(e)に示す。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、図8(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、図8(b)、(c)に示すように、読み出された保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。さらに、上記の大役抽選の結果が「小当たり」であった場合には、図8(d)、(e)に示すように、読み出された保留種別に対応する小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、図8において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチモード決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。図8〜図10に○○Hと記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図7に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図8に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
一方、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄または小当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり、または、小当たり当選時の遊技状態等に対応する、図8に示すリーチモード決定乱数判定テーブルを参照し、リーチモード決定乱数を用いて、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
図9は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。
図10は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、図10(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図10(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなる。以下では、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合があるが、その詳細については後述する。
図11は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中および小当たり遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、特別図柄(大当たり図柄および小当たり図柄)の種別ごとに複数設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技または小当たり遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての特別図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A〜F、または、小当たり図柄である特別図柄a1、a2、b1〜b4が決定されると、図11に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技または小当たり遊技が実行される。大役遊技は、大入賞口128が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成され、小当たり遊技は、ラウンド遊技が1回のみ実行される。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技または小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口128の開放回数ごとの大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、制御データとして、特別図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
なお、大当たり図柄である特別図柄A〜D、Fが決定された場合には、大入賞口128が0.1秒×1回開放されるラウンド遊技が2回行われる。これに対して、小当たり図柄である特別図柄a1、a2が決定された場合には、大入賞口128が0.1秒×2回開放されるラウンド遊技が1回行われる。図示は省略しているが、特別図柄a1、a2が決定された場合における、大入賞口128の2回の開放間の休止時間(大入賞口128の閉鎖時間)は、特別図柄A〜D、Fが決定された場合における、ラウンド遊技間の大入賞口閉鎖有効時間と等しい。したがって、特別図柄A〜D、Fが決定された場合に実行される大役遊技と、特別図柄a1、a2が決定された場合に実行される小当たり遊技とでは、制御処理自体が異なるものの、大入賞口128の実際の開閉態様は同一となり、大入賞口128の開閉態様を見ただけでは、大役遊技が実行されているのか小当たり遊技が実行されているのかを遊技者は識別することができなくなっている。
また、小当たり図柄である特別図柄b1〜b4が決定された場合には、大入賞口128が1.7秒×1回開放されるラウンド遊技が1回行われる。したがって、特別図柄b1〜b4が決定された場合、小当たり図柄である特別図柄a1、a2が決定された場合よりも長時間大入賞口128が開放されることとなる。
図12は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。図12に示すとおり、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定され、特別図柄B〜Fが決定された場合には、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されるとともに、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は10000回に設定される。これは、大役抽選結果が10000回確定するまでの間、高確率遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が10000回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、特別図柄A〜Fが決定された場合には、大役遊技の終了後に、次のようにして時短遊技状態または非時短遊技状態に設定される。すなわち、特別図柄Aが決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態に拘わらず、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに、このとき、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は30回に設定される。これは、大役抽選結果が30回確定するまでの間、時短遊技状態が継続することを意味している。
また、特別図柄B〜Eが決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態に拘わらず、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに、時短回数は10000回に設定される。
また、特別図柄Fが決定された場合、大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態であれば、大役遊技の終了後にも時短遊技状態に設定され、このとき、時短回数は10000回に設定される。一方で、遊技状態が非時短遊技状態であるときに特別図柄Fが決定された場合には、大役遊技の終了後にも非時短遊技状態に設定される。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。
上記のように、本実施形態においては、特別図柄として、大入賞口128が開放される大役遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄、大入賞口128が所定時間開放される小当たり遊技の実行が対応付けられた小当たり図柄、大役遊技および小当たり遊技のいずれも不実行とすることが対応付けられたハズレ図柄が設けられている。そして、大当たり図柄には、遊技者に付与する遊技利益として、大役遊技の実行パターンすなわち大入賞口128の開閉パターンと、大役遊技の終了後に設定される遊技状態とが規定されており、小当たり図柄には、小当たり遊技の実行パターンが規定されている。
また、各大当たり図柄には、上記の遊技利益に加えて、大役遊技の終了後に設定する変動状態が規定されており、各小当たり図柄には、小当たり遊技の実行パターンに加えて、小当たり遊技の終了後に設定する変動状態が規定されている。上記したように、変動モード番号および変動パターン番号(以下、変動モード番号および変動パターン番号を総称して「変動情報」という)を決定する際には、現在の変動状態に対応するテーブルが参照される。変動情報には、決定された特別図柄を第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示させるまでの時間、つまり、図柄の変動表示の時間である変動時間が対応付けられている。したがって、変動状態は、変動時間を決定するための条件(以下、「変動時間決定条件」という)を規定するものであり、各大当たり図柄には、大役遊技の終了後に、いずれの変動時間決定条件にしたがって変動時間を決定するかが規定されていることとなる。
本実施形態では、変動状態として、通常変動状態、第1潜伏変動状態、第2潜伏変動状態、第1確変変動状態、第2確変変動状態の5つの変動状態が設けられている。
図13は、大当たり図柄と変動状態との関係を説明する図であり、図14は小当たり図柄と変動状態との関係を説明する図である。図13(a)に示すように、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後の遊技状態は、低確率遊技状態および時短遊技状態に設定される。この場合、時短回数は30回に設定され、大役遊技の終了後、大役抽選結果が30回導出されるまで、より厳密には、30回の図柄の変動表示(以下、図柄の変動表示の実行回数を「変動回数」という)が終了するまでの間、低確率遊技状態および時短遊技状態が継続し、30回の大役抽選によって大当たりに当選しなかった場合には、遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態に変更される。また、変動状態は、大役遊技の終了後の変動回数が1〜30回である場合には、第1潜伏変動状態となり、変動回数が31回以上になると、通常変動状態となる。つまり、遊技状態が低確率遊技状態および時短遊技状態に設定されている間は、変動状態が第1潜伏変動状態となり、遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態に移行すると、変動状態が通常変動状態に移行する。第1潜伏変動状態に設定されている間は、第1潜伏変動状態用のテーブルを参照して上記の変動モード番号および変動パターン番号が決定され、通常変動状態に設定されている間は、通常変動状態用のテーブルを参照して、変動モード番号および変動パターン番号が決定される。
また、図13(b)に示すように、特別図柄Bが決定された場合には、大役遊技の終了後の遊技状態は、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定される。そして、大役遊技の終了後の変動回数が、1〜30回である場合には、第1潜伏変動状態に設定され、大役遊技の終了後の変動回数が31回〜10000回である場合には、第1確変変動状態に設定される。
また、図13(c)、(f)に示すように、特別図柄Cが決定された場合、および、特別図柄Eが決定された場合には、大役遊技の終了後の遊技状態は、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定される。また、変動状態は、大役遊技の終了後の変動回数が1〜10000回である間、第2確変変動状態に設定される。
また、特別図柄Dが決定されたときの変動状態が第2確変変動状態であった場合には、図13(d)に示すように、大役遊技の終了後の変動回数が1〜10000回である間、第2確変変動状態に設定される。一方、特別図柄Dが決定されたときの変動状態が第2確変変動状態以外の変動状態であった場合には、図13(e)に示すように、大役遊技の終了後の変動回数が1〜10000回である間、第1確変変動状態に設定される。
また、特別図柄Fが決定されて大役遊技が実行された場合には、特別図柄Fが決定されたときの遊技状態に応じて、異なる遊技状態に設定される。具体的には、特別図柄Fが決定されたときの遊技状態が時短遊技状態である場合には、大役遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態に設定される。この場合、図13(g)に示すように、大役遊技の終了後の変動回数が1〜10000回である間、第1確変変動状態に設定される。一方、特別図柄Fが決定されたときの遊技状態が非時短遊技状態である場合には、大役遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態および非時短遊技状態に設定される。この場合、図13(h)に示すように、大役遊技の終了後の変動回数が1〜10000回である間、第2潜伏変動状態に設定される。
また、図14(a)、(d)に示すように、小当たり図柄である特別図柄a1、b1〜b3が決定された場合、小当たり遊技の終了後には、小当たり遊技開始前の変動状態が継続され、小当たり遊技開始前の変動状態用のテーブルを参照して変動モード番号および変動パターン番号が決定される。
また、図14(b)、(c)に示すように、小当たり図柄である特別図柄a2が決定された場合には、特別図柄a2が決定されたときの遊技状態に応じて、異なる変動状態に設定される。具体的には、特別図柄a2が決定されたときの遊技状態が非時短遊技状態である場合には、図14(b)に示すように、小当たり遊技の終了後の変動回数が1〜4回である間、第2潜伏変動状態に設定され、変動回数が5回以上になると、小当たり遊技開始前の変動状態に復帰する。一方、特別図柄a2が決定されたときの遊技状態が時短遊技状態である場合には、図14(c)に示すように、小当たり遊技の終了後も、小当たり遊技開始前の変動状態が継続される。
また、図14(e)〜(g)に示すように、小当たり図柄である特別図柄b4が決定された場合には、特別図柄b4が決定されたときの変動状態に応じて、異なる変動状態に設定される。具体的には、特別図柄b4が決定されたときの変動状態が第1確変変動状態である場合には、図14(e)に示すように、小当たり遊技の終了後の変動回数が1〜30回である間、第2確変変動状態に設定され、変動回数が31回以上になると、小当たり遊技開始前の変動状態、すなわち、第1確変変動状態に復帰する。また、特別図柄b4が決定されたときの変動状態が第2確変変動状態である場合には、図14(f)に示すように、小当たり遊技の終了後の変動回数が1〜30回である間、第2確変変動状態に設定され、変動回数が31回以上になると、小当たり遊技開始前の変動状態、すなわち、第2確変変動状態に復帰する。つまり、この場合には、第2確変変動状態が変更されることなく継続することとなる。また、特別図柄b4が決定されたときの変動状態が通常変動状態、第1潜伏変動状態、第2潜伏変動状態である場合には、図14(g)に示すように、小当たり遊技の終了後にも、小当たり遊技開始前の変動状態が継続される。
図15は、変動状態の遷移について説明する説明図である。なお、図15において、実線および一点鎖線の矢印は、大当たりまたは小当たりに当選した後、大役遊技または小当たり遊技の終了後の変動状態の遷移を示し、破線の矢印は、各変動状態において、予め設定された回数内の大役抽選で大当たりまたは小当たりに当選しなかった場合の変動状態の遷移を示す。また、本実施形態では、非時短遊技状態に設定されている間は、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させ、第1始動口120に遊技球を入球させ、時短遊技状態に設定されている間は、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させ、第2始動口122に遊技球を入球させるのが本来の遊技性となっている。したがって、図15においては、本実施形態の遊技機100の本来の遊技性に則って遊技を行った場合の主な変動状態の遷移を示し、本来の遊技性とは異なる不測の変動状態の遷移については説明を省略している。また、上記のように、本実施形態では、5種類の変動状態が設けられているが、第1潜伏変動状態は、遊技状態が、低確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態である場合と、高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態である場合との双方で設定され、第2潜伏変動状態は、遊技状態が、低確率遊技状態であって、かつ、非時短遊技状態である場合と、高確率遊技状態であって、かつ、非時短遊技状態である場合との双方で設定される。したがって、図15においては、理解を容易にするために、第1潜伏変動状態および第2潜伏変動状態について、遊技状態ごとに分けて示している。
上述のように、遊技機100の初期状態では、遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定され、変動状態が通常変動状態に設定される。また、図15において、一点鎖線で囲まれた通常変動状態および第2潜伏変動状態は、遊技状態が非時短遊技状態である場合に設定される変動状態である。この通常変動状態および第2潜伏変動状態では、ゲート124を遊技球が通過しても、第2始動口122は殆ど閉状態に維持されるため、遊技者は、まず、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させるとともに、第1始動口120に遊技球を入球させて大役抽選を開始させることとなる。そして、第1始動口120に遊技球が入球して大役抽選が行われ、この大役抽選によって大当たり図柄が決定されると、大役遊技が実行される。
ここで、第1始動口120に遊技球が入球して特1保留が記憶されるとともに、特1保留が読み出されて実行される大役抽選では、大当たり図柄として特別図柄A〜Fのいずれかが決定される。通常変動状態または第2潜伏変動状態において、大当たり図柄として特別図柄AまたはBが決定された場合には、大役遊技終了後に第1潜伏変動状態に設定される(図13(a)、(b))。そして、特別図柄Aが決定されていた場合には、図柄の変動表示が30回終了したところで通常変動状態に設定され、特別図柄Bが決定されていた場合には、図柄の変動表示が30回終了したところで変動状態が第1確変変動状態に設定される。
また、大当たり図柄として特別図柄CまたはEが決定された場合には、大役遊技終了後に第2確変変動状態に設定され(図13(c)、(f))、大当たり図柄として特別図柄Dが決定された場合には、大役遊技終了後に第1確変変動状態に設定される(図13(e))。さらに、大当たり図柄として特別図柄Fが決定された場合には、大役遊技終了後に第2潜伏状態に設定される(図13(h))。
また、通常変動状態または第2潜伏変動状態においては、小当たり図柄として特別図柄a1、a2のいずれかが決定される。特別図柄a1が決定された場合には、小当たり遊技の実行前後で同一の変動状態が維持される(図14(a))。一方、通常変動状態において特別図柄a2が決定された場合には、小当たり遊技終了後に第2潜伏変動状態(低確率遊技状態および非時短遊技状態)に設定され、その後、図柄の変動表示が4回終了したところで、変動状態が通常変動状態に設定される(図14(b))。また、第2潜伏変動状態において特別図柄a2が決定された場合には、小当たり遊技の実行前後で同一の変動状態が維持される(図14(c))。
また、第1潜伏変動状態は、遊技状態が低確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態である場合と、遊技状態が高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態である場合との双方で設定され得る。つまり、第1潜伏状態に設定されているときの遊技状態は、必ず時短遊技状態となっていることから、第2始動口122に遊技球が入球しやすく、本来の遊技性では、特2保留に基づく大役抽選が行われることとなる。そして、遊技状態が低確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態に設定されており、変動状態が第1潜伏変動状態に設定されている場合に、特別図柄A〜Eが決定されると、大役遊技の終了後の変動状態は、通常変動状態および第2潜伏変動状態に設定されている場合と同様に遷移する。ただし、特別図柄Fが決定された場合には、大役遊技の終了後、遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態となり、変動状態は、第1確変変動状態となる。
また、遊技状態が低確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態に設定されており、変動状態が第1潜伏変動状態に設定されている場合に、小当たり図柄である特別図柄b1〜b4が決定されると、小当たり遊技の終了後も、第1潜伏変動状態が継続する。
また、遊技状態が高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態に設定されており、変動状態が第1潜伏変動状態に設定されている場合に、特別図柄Aが決定されると、大役遊技の終了後に、遊技状態が低確率遊技状態および時短遊技状態に設定され、変動状態は第1潜伏変動状態に設定される。また、特別図柄Bが決定されると、大役遊技の終了後も、第1潜伏変動状態(高確率遊技状態および時短遊技状態)が継続し、その後、図柄の変動表示が30回終了すると、第1確変変動状態に設定される。また、特別図柄C、Eが決定されると、大役遊技の終了後に第2確変変動状態に設定され、特別図柄D、Fが決定されると、大役遊技の終了後に第1確変変動状態に設定される。さらに、遊技状態が高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態に設定されており、変動状態が第1潜伏変動状態に設定されている場合に、小当たり図柄である特別図柄b1〜b4が決定されると、小当たり遊技の終了後も、第1潜伏変動状態が維持される。
以上のように、第1潜伏変動状態は、遊技状態が低確率遊技状態である場合と高確率遊技状態である場合との双方で設定される。したがって、第1潜伏変動状態においては、遊技状態が低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれに設定されていても、同一の変動時間決定条件にしたがって変動情報が決定されることとなり、遊技者は、変動時間から遊技状態を識別することができなくなっている。つまり、第1潜伏変動状態は、遊技状態が低確率遊技状態に設定されているのか、それとも高確率遊技状態に設定されているのかを遊技者に識別できないようにすることで、緊張感を付与するための状態となっている。
これに対して、本実施形態の第1確変変動状態および第2確変変動状態は、遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態に設定されていることを明確に識別できる状態となっている。第1確変変動状態では、特別図柄A、Bが決定されると、大役遊技の終了後の変動状態が第1潜伏変動状態に設定され、特別図柄C、Eが決定されると、大役遊技の終了後の変動状態が第2確変変動状態に設定され、特別図柄D、Fが決定されると、大役遊技の終了後の変動状態が第1確変変動状態に維持される。また、第1確変変動状態において、小当たり図柄である特別図柄b1〜b3が決定された場合には、小当たり遊技の終了後も第1確変変動状態が維持される。これに対して、第1確変変動状態において、小当たり図柄である特別図柄b4が決定された場合には、小当たり遊技の終了後に第2確変変動状態に設定される。
また、第2確変変動状態では、特別図柄A、Bが決定されると、大役遊技の終了後の変動状態が第1潜伏変動状態に設定され、特別図柄C、D、Eが決定されると、大役遊技の終了後の変動状態が第2確変変動状態に維持され、特別図柄Fが決定されると、大役遊技の終了後の変動状態が第1確変変動状態に設定される。また、第2確変変動状態において、小当たり図柄である特別図柄b1〜b4が決定された場合には、小当たり遊技の終了後も第2確変変動状態が維持される。なお、第1確変変動状態において特別図柄b4が決定されたことにより、変動状態が第2確変変動状態に設定された場合には、図柄の変動表示が30回終了したところで、第1確変変動状態に移行する。
このように、高確率遊技状態および時短遊技状態であることを遊技者が明確に識別できる第1確変変動状態および第2確変変動状態は、大当たり図柄または小当たり図柄の種別に応じて、相互に行き来するように構成されている。第1確変変動状態および第2確変変動状態は、いずれも特2保留に基づく大役抽選を主として遊技が進行するとともに、いずれも同一の遊技状態であることから、大当たりや小当たりの当選確率のみならず、大当たり図柄や小当たり図柄の選択比率についても、両変動状態で差異はない。
つまり、第1確変変動状態および第2確変変動状態では、変動情報を決定する条件、つまり、変動時間決定条件のみが異なり、他の遊技の進行条件は同一である。しかしながら、本実施形態では、第1確変変動状態および第2確変変動状態で変動時間決定条件を異ならせることで、遊技者の実質的な利益に差が生じるように構成されている。以下に、第1確変変動状態および第2確変変動状態の相違点について説明する。
図16は、第1確変変動状態および第2確変変動状態の相違点を説明するための図である。図16(a)に示すように、第1確変変動状態においてハズレの大役抽選結果が導出された場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブルによれば、グループ種別がグループ10〜15のいずれかに決定される。そして、グループ10〜15用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、変動モード番号は30H〜3FHの範囲から決定され、変動パターン番号は30H〜39Hの範囲から決定される。これらの変動モード番号および変動パターン番号の組み合わせによれば、変動時間1、2の合計である合計変動時間が2秒〜20秒となる。
一方、第2確変変動状態においてハズレの大役抽選結果が導出された場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブルによれば、グループ種別がグループ20に決定される。そして、グループ20用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、変動モード番号は必ずA0Hに決定され、変動パターン番号は必ずA0Hに決定される。つまり、第2確変変動状態においてハズレの大役抽選結果が導出された場合の変動モード番号および変動パターン番号の組み合わせは1パターンとなり、このときの合計変動時間は1秒となる。
また、図16(b)に示すように、第1確変変動状態において小当たりの大役抽選結果が導出された場合に選択される小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、変動モード番号は必ず3FHに決定され、変動パターン番号は必ず3AHに決定され、この場合の合計変動時間は10秒となる。また、第2確変変動状態において小当たりの大役抽選結果が導出された場合に選択される小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、変動モード番号は必ずAFHに決定され、変動パターン番号は必ずAAHに決定され、この場合の合計変動時間は5秒となる。
上記のように、本実施形態によれば、ハズレ図柄が決定された場合の変動時間決定条件として、変動時間もしくは変動時間の平均である平均時間が所定時間となる通常変動時間決定条件と、この通常変動時間決定条件よりも、変動時間もしくは平均時間が短く、単位時間当たりの図柄の変動表示の回数が多くなる特定変動時間決定条件とが設けられている。そして、第1確変変動状態においては、通常変動時間決定条件にしたがって変動時間が決定され、第2確変変動状態においては、特定変動時間決定条件にしたがって変動時間が決定されることから、第2確変変動状態では、第1確変変動状態よりも、単位時間当たりの図柄の変動表示の回数が多くなる。
ここで、第1確変変動状態および第2確変変動状態においては、遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態に設定されていることから、本来の遊技性に則れば、第2遊技領域116bに向けて遊技球が発射される。時短遊技状態では、第2始動口122が頻繁に開状態になることから、第2遊技領域116bに向けて発射された遊技球は、次々と第2始動口122に入球し、特2保留に基づく大役抽選および図柄の変動表示が行われる。ただし、遊技機100の特性上、第2遊技領域116bに向けて発射された遊技球の全てが第2始動口122に入球するわけではなく、発射された遊技球の一部が第2始動口122に入球することとなる。
第2始動口122に遊技球が入球すると、所定数(例えば3個)の賞球が払い出されるため、時短遊技状態においては、第2遊技領域116bに向けて発射された遊技球のうち、所定数(3個)に1個の割合で第2始動口122に遊技球が入球すれば、遊技球を費消することなく、大役抽選の機会を獲得することが可能となる。本実施形態では、時短遊技状態において継続的に遊技球が発射された場合に、第2始動口122への遊技球の入球によって払い出される賞球数よりも、遊技球の発射球数の方が多くなるように設定されている。
ただし、高確率遊技状態では、特2保留に基づく大役抽選において約1/15の確率で小当たりに当選する。特2保留によって小当たりに当選して実行される小当たり遊技では、大入賞口128が1.7秒開放される。この小当たり遊技中に大入賞口128に遊技球が入球すると、例えば、1個の遊技球の入球に対して15個の賞球が払い出される。操作ハンドル112に対して継続的な遊技球の発射操作を行った場合、遊技領域116には0.6秒間隔で遊技球が発射されることから、1回の小当たり遊技において2〜3個の遊技球が入球可能となり、30〜45個の賞球が払い出される。したがって、第2始動口122への遊技球の入球によって払い出される賞球数と、小当たり遊技中に大入賞口128に遊技球が入球して払い出される賞球数との合計である合計賞球数が、遊技球の発射球数を上回れば、高確率遊技状態および時短遊技状態において、大役抽選の機会を獲得しつつ、遊技球を増加させることができる。
本実施形態では、図16(c)に示すように、第1確変変動状態において、単位時間当たりの発射球数を100とした場合の合計賞球数が80となるように設計されており、遊技球が徐々に減少する。これに対して、第2確変変動状態においては、単位時間当たりの発射球数を100とした場合の合計賞球数が120となるように設計されており、大役抽選の機会を獲得しつつ、遊技球を増加させることができる。このように、第2確変変動状態において遊技球が増加するのは、第1確変変動状態よりも1回当たりの図柄の変動表示の時間が短く、単位時間当たりの大役抽選の回数が増加した結果、単位時間当たりの小当たり遊技の実行回数が多く(ここでは4倍)なるためである。
以上のように、遊技者にもっとも有利な遊技状態である高確率遊技状態および時短遊技状態において、変動時間決定条件を異にする第1確変変動状態および第2確変変動状態の2つの変動状態を設ける。そして、第2確変変動状態および第1確変変動状態のそれぞれにおいて、遊技領域116への遊技球の発射強度、発射球数等の発射態様が同一である場合には、第2確変変動状態の方が、第1確変変動状態中よりも、単位時間当たりの小当たり遊技の実行回数が多くなり、払い出される賞球数が多くなる。
図17は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図17(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図17(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
図18(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図18(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、図18(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、普通図柄(当たり図柄)の種別ごとに設けられており、決定された当たり図柄の種別に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各当たり図柄の種別に対応する制御データを示す。
当たり図柄が決定されると、図18(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
ここでは、普通図柄種別(当たり図柄1〜3)によって、ソレノイド通電時間が異なっている。具体的には、ソレノイド通電時間は、当たり図柄1では1回目が2.9秒、2回目が2.9秒、当たり図柄2では1回目が1.9秒、2回目が3.9秒、当たり図柄3では1回目が0.9秒、2回目が4.9秒となっている。つまり、決定された当たり図柄によって第2始動口122の開閉タイミングが異なり、遊技者は第2始動口122の開閉タイミングを予測することが困難となる。したがって、第2始動口122の開閉タイミングに合わせて遊技球を発射させる、所謂止め打ちを抑制することができる。
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、この3つの要素のうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図19は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリアフラグがオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入されると、RAMクリア信号が入力され、RAMクリアフラグがオンされる。そして、RAMクリアフラグがオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリアフラグはオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図20は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理の割込み許可期間中(ステップS100−41とステップS100−33の処理の間)に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。これにより、電源断が発生した場合に、メインRAM300cに記憶されたデータが記憶され続ける(維持される)。したがって、メインRAM300cの当選時遊技状態記憶領域に記憶された当選時の遊技状態も電源断時に維持されることになる。そして、電源が復帰した時に、上記ステップS110でメインRAM300cの当選時遊技状態記憶領域にセーブされた当選時遊技状態が副制御基板330に送信される。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が発生した場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図21は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cおよび大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図22は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、大入賞口128に遊技球が入球して大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS540)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中または小当たり遊技中であるか否かを判定し、大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する大入賞口通過処理を実行し、当該スイッチ管理処理を終了する。なお、この大入賞口通過処理の詳細については後述する。
図23は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図24は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図25は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて第2始動口122の可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図26は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、取得時演出判定処理を実行する。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−19でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−25)
メインCPU300aは、上記ステップS535−23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−27)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図27は、主制御基板300における大入賞口通過処理(ステップS540)を説明するフローチャートである。
(ステップS540−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。主制御基板300では、特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。特別遊技管理フェーズについては後述する。
(ステップS540−3)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが大入賞口開放前処理以上であるか、すなわち、特別遊技管理フェーズが03H以上であるかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが大入賞口開放前処理以上であると判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、特別遊技管理フェーズが03H未満であると判定した場合にはステップS540−7に処理を移す。
(ステップS540−5)
メインCPU300aは、大入賞口128に遊技球が適正に入球したことを示す払出指定コマンドを送信バッファにセットして当該大入賞口通過処理を終了する。
(ステップS540−7)
メインCPU300aは、大入賞口128への遊技球の入球が不適正なものであるとして、エラーを示すエラーコマンドを送信バッファにセットする等、所定のエラー処理を実行して当該大入賞口通過処理を終了する。
図28は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図28に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」、「09H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」、「0AH」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図29は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図30は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−3に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610−1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610−3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS611)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。この特別図柄図柄判定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、上記ステップ611で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS612)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、上記ステップS612で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS611でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタにセーブする。また、ここでは、大当たり当選時に設定されている遊技状態が記憶される。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610−7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図31は、主制御基板300における特別図柄図柄判定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が小当たりであるかを判定する。その結果、小当たりであると判定した場合には、ステップS611−3に処理を移し、小当たりでないと判定した場合にはステップS611−11に処理を移す。
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送された当たり図柄乱数をロードし、当たり図柄乱数を16進数に変換した初期変換値を導出する変換処理を実行する。
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、上記ステップS611−3で導出した初期変換値の上一桁にマスク処理を施し、初期変換値の下一桁の値を互いに異にし、上一桁の値が無効化された変換値を生成する変換値生成処理を実行する。
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数変換値判定テーブル(図6参照)をセットする。
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、上記ステップS611−5で生成した変換値と、上記ステップS611−7でセットした当たり図柄乱数変換値判定テーブルとに基づき、変換値に対応する小当たり図柄を決定する小当たり図柄決定処理を実行する。また、ここで決定された小当たり図柄に対応する特別図柄判定データを、メインRAM300cの所定の記憶領域にセーブする。
(ステップS611−11)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合には、ステップS611−13に処理を移し、大当たりでないと判定した場合にはステップS611−17に処理を移す。
(ステップS611−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数判定テーブル(図5参照)をセットする。
(ステップS611−15)
メインCPU300aは、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送された当たり図柄乱数をロードし、ロードした当たり図柄乱数と、上記ステップS611−13でセットした当たり図柄乱数判定テーブルとに基づいて、大当たり図柄を決定する大当たり図柄決定処理を実行する。また、ここで決定された大当たり図柄に対応する特別図柄判定データを、メインRAM300cの所定の記憶領域にセーブする。
(ステップS611−17)
メインCPU300aは、保留種別に応じたハズレ図柄を決定するハズレ図柄決定処理を実行する。また、ここで決定されたハズレ図柄に対応する特別図柄判定データを、メインRAM300cの所定の記憶領域にセーブする。
(ステップS611−19)
メインCPU300aは、上記ステップS611−9、ステップS611−15、またはステップS611−17でセーブした特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットし、当該特別図柄図柄判定処理を終了する。
図32は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS612−1)
メインCPU300aは、メインRAM300cにセットされている変動状態識別フラグをロードする。
(ステップS612−3)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであるかを判定する。その結果、大当たりまたは小当たりであると判定した場合にはステップS612−5に処理を移し、大当たりおよび小当たりのいずれでもない(ハズレである)と判定した場合にはステップS612−7に処理を移す。
(ステップS612−5)
メインCPU300aは、現在の変動状態、大当たり図柄の種別、保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS612−7)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
(ステップS612−9)
メインCPU300aは、現在の変動状態、上記ステップS612−7で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
(ステップS612−11)
メインCPU300aは、上記ステップS612−9で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS612−13)
メインCPU300aは、上記ステップS612−5または上記ステップS612−11でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
(ステップS612−15)
メインCPU300aは、上記ステップS612−13で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS612−17)
メインCPU300aは、上記ステップS612−13で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS612−19)
メインCPU300aは、上記ステップS612−17で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図33は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS610−13で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−11で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。なお、この特図停止指定コマンドは、停止表示される特別図柄の種別ごとに設けられており、よって、特図停止指定コマンドは、停止表示された特別図柄の種別を副制御基板330に伝達するものとして機能する。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
図34は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630−19に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
また、ここでは、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを識別するための普通図柄時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する普通図柄時短状態フラグをセットする。これにより、時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、変動状態更新処理を実行する。ここでは、変動状態識別フラグを確認し、現在の変動状態が、通常変動状態以外の変動状態であるかを判定する。そして、通常変動状態以外の変動状態であると判定した場合には、変動回数カウンタのカウンタ値(TC)をインクリメントし、そのカウンタ値(TC)が、変動状態を切り換える回数であるかを判定する。その結果、変動状態を切り換える回数であると判定した場合には、変動状態識別フラグを更新して変動状態を切り換える。なお、変動状態識別フラグを切り換えるための変動回数カウンタのカウンタ値(TC)や、いずれの変動状態識別フラグに切り換えるかについては、大当たりまたは小当たり当選時に、決定された特別図柄の種別に応じて記憶される。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したとき、より詳細には、上記ステップS630−7で更新した後の遊技状態、上記ステップS630−9で更新した後の変動状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、上記ステップS630−7で更新した高確回数および時短回数を副制御基板330に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が小当たりであるかを判定する。その結果、小当たりであると判定した場合にはステップS630−21に処理を移し、小当たりではないと判定した場合にはステップS630−17に処理を移す。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、遊技状態を初期状態である低確率遊技状態および非時短遊技状態にリセット(設定)する。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−21でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、上記ステップS630−21でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−27)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−29)
メインCPU300aは、上記ステップS630−3で確認した大役抽選の結果が大当たりである場合には、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、小当たりである場合には、特別遊技管理フェーズを「07H」に更新して、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技または小当たり遊技が開始されることとなる。
図35は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−23でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図36は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図37は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS540で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口128が閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「05H」または「09H」)に更新する。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図38は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」、「09H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが「09H」である場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660−3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「06H」または「0AH」)に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図39は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」、「0AH」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−15でセーブした特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタをロードして、状態データをセーブする。また、ここでは、特別図柄(大当たり図柄)の種別に応じて、普通図柄時短状態フラグおよび時短回数切りカウンタに所定の状態データをセーブする。なお、この処理は、大役遊技が実行された場合にのみ行われ、小当たり遊技が実行された場合には、当該処理を行うことはない。
また、ここでは、大役遊技または小当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄または小当たり図柄と、大役遊技または小当たり遊技の実行前の変動状態とに基づいて、大役遊技または小当たり遊技の終了後の変動状態を設定すべく、変動状態識別フラグをセットする処理が行われる。また、ここでは、以後、変動状態がどのように切り換わるのかにかかる情報が同時に記憶され、ここで記憶された情報に基づいて、変動状態の切り換え処理がなされることとなる。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態、および、変動状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数および時短回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
図40は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図40に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図41は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
図42は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図43は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図44は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
図45は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図46は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
図47は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図48は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図49は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
次に、上記の特別遊技にかかる演出について説明する。特別遊技にかかる演出としては、主に、大役抽選の結果を報知する変動演出や、大役遊技に対応する大役演出、小当たり遊技に対応する小当たり遊技中演出が実行される。既に説明したように、主制御基板300においては、設定中の変動状態に応じて変動情報(変動モード番号および変動パターン番号)が決定される。主制御基板300において変動情報が決定されると、決定された変動情報に対応する変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330では、受信した変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の実行パターンが決定される。これにより、副制御基板330においては、主制御基板300で設定されている変動状態に応じた演出が実行されることとなる。
変動演出では、演出表示部200aに種々の変動演出画像が表示されるとともに、変動演出画像に応じた音声が音声出力装置206から出力される。これにより、主制御基板300で設定される変動状態ごとに異なる演出が実行され、演出効果の向上ならびに遊技の興趣向上が図られる。上記のとおり、本実施形態では、主制御基板300で設定される変動状態として、通常変動状態、第1潜伏変動状態、第2潜伏変動状態、第1確変変動状態、第2確変変動状態からなる5つの変動状態が設けられている。副制御基板330においては、特別遊技にかかる演出を実行するにあたり、変動状態ごとに設けられた演出モードを設定、管理しており、設定されている演出モードに応じて各種の演出を実行制御する。
具体的には、副制御基板330で設定される演出モードは、通常変動状態に対応する通常モード、第1潜伏変動状態に対応する第1潜伏モード、第2潜伏変動状態に対応する第2潜伏モード、第1確変変動状態に対応する第1確変モード、第2確変変動状態に対応する第2確変モードの5種類が設けられている。主制御基板300において通常変動状態に設定されている場合には、副制御基板330において通常モードに設定され、通常モードに対応する演出が実行制御される。同様に、第1潜伏変動状態に設定されている場合には第1潜伏モードに設定され、第2潜伏変動状態に設定されている場合には第2潜伏モードに設定され、第1確変変動状態に設定されている場合には第1確変モードに設定され、第2確変変動状態に設定されている場合には第2確変モードに設定される。
演出表示部200aに表示される背景画像は、演出モードごとに設けられており、設定中の演出モードに応じた背景画像が演出表示部200aに表示されることで、現在設定されている演出モード、すなわち、主制御基板300で設定されている変動状態を、遊技者が容易に識別できるようになっている。
ここで、上記のように、変動状態が通常変動状態に設定されている場合には、演出モードが通常モードに設定され、このとき、遊技状態は必ず低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている。したがって、通常モード用の背景画像が演出表示部200aに表示されることで、遊技者は、現在の遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されていることを把握することができる。
また、変動状態が第1潜伏変動状態に設定されている場合には、演出モードが第1潜伏モードに設定される。変動状態が第1潜伏変動状態に設定される場合、遊技状態は、低確率遊技状態および時短遊技状態に設定されているときと、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定されているときとがある。したがって、第1潜伏モード用の背景画像が演出表示部200aに表示されると、遊技者は、現在の遊技状態が低確率遊技状態に設定されているのか、それとも高確率遊技状態に設定されているのかを把握することができない。このように、主制御基板300において第1潜伏変動状態に設定されているときに、演出モードを第1潜伏モードに設定し、第1潜伏モードに対応する演出を実行することで、遊技者に緊張感が付与され、演出効果の向上ならびに遊技の興趣向上が図られる。
また、変動状態が第2潜伏変動状態に設定されている場合には、演出モードが第2潜伏モードに設定される。変動状態が第2潜伏変動状態に設定される場合、遊技状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されているときと、高確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されているときとがある。したがって、第2潜伏モード用の背景画像が演出表示部200aに表示されると、遊技者は、現在の遊技状態が低確率遊技状態に設定されているのか、それとも高確率遊技状態に設定されているのかを把握することができない。このように、演出モードを第2潜伏モードに設定し、第2潜伏モードに対応する演出を実行することで、第1潜伏モードと同様に、遊技者に緊張感が付与されることとなる。
また、変動状態が第1確変変動状態に設定されている場合には、演出モードが第1確変モードに設定され、変動状態が第2確変変動状態に設定されている場合には、演出モードが第2確変モードに設定される。変動状態が第1確変変動状態および第2確変変動状態に設定される場合、遊技状態は、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定されている。したがって、第1確変モード用および第2確変モード用の背景画像が演出表示部200aに表示されることで、遊技者は、現在の遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態に設定されていることを把握することができる。
ただし、図16(a)を用いて説明したように、第1確変変動状態と第2確変変動状態とでは、ハズレ図柄が決定された場合の変動時間もしくは変動時間の平均である平均時間が異なり、第2確変変動状態では、第1確変変動状態よりも、変動時間もしくは平均時間が短く、単位時間当たりの大役抽選の回数(図柄の変動表示の回数)が多くなる。その結果、第1確変変動状態および第2確変変動状態のそれぞれにおいて、同一条件下で遊技領域116(第2遊技領域116b)に遊技球を発射した場合には、図16(c)に示すように、第2確変変動状態の方が、第1確変変動状態中よりも、単位時間当たりの小当たり遊技の実行回数が多くなり、払い出される単位時間当たりの賞球数が多くなる。
これにより、遊技球が継続して発射された場合に、第2確変変動状態では、遊技球の発射球数よりも払い出される賞球数が多くなり、第1確変変動状態では、遊技球の発射球数よりも払い出される賞球数が少なくなる。つまり、第2確変変動状態は、第1確変変動状態よりも遊技者に有利な状態となっている。また、第1確変変動状態では、遊技球が徐々に減少することから、早期に大当たりに当選することで遊技球の費消が抑制される。したがって、第1確変変動状態では、早期に次なる大当たりに当選したいという遊技者心理が働く。
一方、第2確変変動状態は、大当たりに当選した際に、主に特別図柄A、B、Fが決定されると終了する(図15参照)。この第2確変変動状態では、小当たり図柄である特別図柄b1〜b4が決定されて小当たり遊技が実行されることで遊技球が徐々に増加することから、第2確変変動状態が終了するおそれのある大当たりに当選するよりも、小当たりに当選することが遊技者に望まれる。つまり、第2確変変動状態では、極力、大当たりに当選したくないという遊技者心理が働くこととなる。
このように、高確率遊技状態および時短遊技状態という同一の遊技状態に設定されていても、第1確変変動状態および第2確変変動状態のいずれに設定されているかにより、遊技者心理が大きく異なる。そこで、本実施形態では、第1確変変動状態に設定されている場合には第1確変モード用の演出を実行し、第2確変変動状態に設定されている場合には第2確変モード用の演出を実行し、これら第1確変モードと第2確変モードとでそれぞれ遊技者心理に沿った演出を実行することとしている。以下に、演出モードごとに実行される演出のうち、本実施形態において特徴的な、第1確変モードおよび第2確変モード用の演出について詳述する。
(演出の一例)
図50は、第1確変モード時のリーチなし変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。第1確変モード時に主制御基板300において大役抽選が行われると、特別図柄の変動表示中、すなわち、特別図柄の変動時間に亘って、大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出においては、演出表示部200aにおいて第1確変モード用の背景画像(図示を省略)が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、図柄構成群(演出図柄210a、210b、210c)が変動表示(スクロール表示)される。なお、図柄構成群は、1〜9の数字が記された9つの演出図柄で構成されており、本実施形態では、3つの図柄構成群が演出表示部200aに変動表示される。また、変動演出中は、演出表示部200aに表示される画像に伴って、音声出力装置206から音声が出力されるとともに、演出照明装置204が点灯制御され、また、演出役物装置202が可動制御されるが、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施形態では、第1確変モード時の変動演出は、リーチなし変動パターンとリーチ変動パターンとに大別される。リーチなし変動パターンの変動演出では、例えば、図50(a)に示すように、大役抽選結果がハズレであったことを示す組み合わせで演出図柄210a、210b、210cが停止表示されているとする。この状態で、新たに特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示の開始に伴って、図50(b)に示すように、3つの演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)を開始する。なお、図中下向きの白抜き矢印は、演出図柄210a、210b、210cが高さ方向にスクロール表示されていることを示している。
そして、図50(c)に示すように、まず、演出図柄210aが停止表示され、その後、図50(d)に示すように、演出図柄210aと異なる演出図柄210cが停止表示される。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、図50(e)に示すように、演出図柄210bが停止表示され、このときの3つの演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様によって、大役抽選結果が遊技者に報知される。
なお、大役抽選の結果がハズレであった場合には、演出図柄210a、210b、210cは、その少なくとも1つが、他の2つと異なる数字が記された図柄で停止表示され、大役抽選の結果が大当たりであった場合には、演出図柄210a、210b、210cが、全て同一の数字が記された図柄で停止表示される。
図51は、第1確変モード時のリーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。リーチ変動パターンの変動演出は、図51(a)に示すように、リーチなし変動パターンの変動演出と同様に、特別図柄の変動表示の開始に伴って、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始され、図51(b)に示すように、演出図柄210aがまず停止表示される。その後、図51(c)に示すように、演出図柄210aと同一の演出図柄210cが停止表示される。
このように、演出表示部200aにおいて、同一の演出図柄210a、210cが停止表示されるリーチ態様で表示されると、図51(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの形状を、リーチ態様になる前と異にして変動表示が継続される。そして、図51(e)に示すように、演出表示部200aにおいて、所定の動画が再生表示されるリーチ発展演出が実行される。なお、このリーチ発展演出は、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦する内容や、味方キャラクタが所定のミッションに挑むといった内容となっている。
こうしたリーチ発展演出の内容は、主制御基板300で決定された変動パターン番号に基づいて決定される。このとき、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦内容や、味方キャラクタが挑むミッションの内容は複数パターン設けられており、そのいずれのパターンについても、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したり、味方キャラクタがミッションを達成したりする大当たりパターンと、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北したり、味方キャラクタがミッションに失敗したりするハズレパターンとがそれぞれ設けられている。
大当たりパターンは、大役抽選の結果が大当たりであった場合にのみ選択され、ハズレパターンは、大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ選択される。これら両パターンは、演出の終盤までは同一内容で構成されており、最終的に味方キャラクタが勝利するか敗北するか、あるいは、味方キャラクタがミッションを達成するか失敗するかといった点を異にしている。したがって、リーチ発展演出中は、変動演出の終盤まで、大役抽選の結果を遊技者が識別することができず、遊技者に大当たりの期待感が付与されることとなる。なお、こうしたリーチ発展演出が終了するタイミングで、大役抽選の結果を報知する組み合わせで、演出図柄210a、210b、210cが停止表示され、リーチ発展演出の内容とともに、演出図柄210a、210b、210cによっても、大役抽選の結果が報知されることとなる。
また、第1確変モード中は、演出表示部200aの右下部の領域に、大役遊技および小当たり遊技中に大入賞口128に遊技球が入球して払い出された賞球の合計数(以下、単に「合計賞球数」という)が表示される。具体的には、副制御基板330においては、遊技状態が非時短遊技状態に設定されているときに、大役遊技後の遊技状態が時短遊技状態に設定される大当たりに当選した場合(所謂「初当たり」)に、当該大当たりの当選によって実行される大役遊技の開始から、遊技状態が最終的に非時短遊技状態(低確率遊技状態)に移行するまでの間(所謂「連荘状態」)、大入賞口128に遊技球が入球して払い出される賞球数が累積されて合計賞球数が算出される。第1確変モード中は、こうして算出された合計賞球数が演出表示部200aに表示されることで、連荘状態においてどのくらいの賞球を獲得したのかを遊技者が把握することができるようにしている。ただし、少なくともリーチ発展演出中は、合計賞球数の表示が演出表示部200aから消去され、リーチ発展演出が終了して次なる変動演出が開始されるときに、合計賞球数が再表示されることとなる。
図52は、第1確変モード時に小当たりに当選した場合の演出の一例を説明する図である。第1確変モード時において、特2保留に基づく大役抽選で小当たりに当選すると、小当たり図柄としての特別図柄b1〜b4が決定される。この場合には、図52(a)〜(e)に示すように、上記と同様、リーチ変動パターンの変動演出が実行される。このときのリーチ発展演出はハズレパターンとなり、リーチ発展演出の終了タイミングで、図52(f)に示すように、演出図柄210a、210cが同一の図柄で、演出図柄210bが演出図柄210a、210cと異なる図柄で停止表示される。
そして、特別図柄の変動表示が終了すると、主制御基板300では小当たり遊技を実行するための制御処理が行われ、副制御基板330では、小当たり遊技中演出が実行制御される。演出表示部200aには、小当たり遊技の開始に伴い、図52(g)に示すように、大入賞口128が開放されることを報知する画像が表示されるとともに、図52(h)に示すように、小当たり遊技中に大入賞口128に遊技球が入球して払い出された賞球数の合計数が、獲得数として報知される。この獲得数は、小当たり遊技の開始前に演出表示部200aに表示されていた合計賞球数に加算される。こうして合計賞球数が更新されると、図52(i)に示すように、更新後の合計賞球数が、次の変動演出の開始に伴って演出表示部200aに表示されることとなる。
以上のように、第1確変モード中は、早期の大当たりの当選を望む遊技者心理に合致するように、一定の頻度でリーチ変動パターンの変動演出が実行される。また、小当たりに当選した場合には、ハズレ時と同様の演出を実行した後に、小当たり遊技中の獲得数が合計賞球数に上乗せされたかのような演出が実行されるので、大当たりには当選しなかったものの、遊技球が増加したといった印象が遊技者に付与される。これにより、第1確変モードにおいて長期間に亘って大当たりに当選しなかったとしても、遊技球の費消が低減されたような印象が与えられ、遊技者のストレスを軽減することができる。
なお、第1確変変動状態において、小当たり図柄として特別図柄b4が決定された場合には、以後、図柄の変動表示(大役抽選)が30回終了するまでの間、第2確変変動状態に設定される。詳しい説明は省略するが、特別図柄b4が決定された場合には、その変動演出において、以後、第2確変モードに移行することが報知されることとなる。また、大当たりに当選した場合には、変動演出によって大当たりの当選が報知された後、大役遊技中に所定の大役演出が実行され、この大役演出において、大役遊技後に設定される演出モードが報知される。
図53は、第2確変モード時の演出の一例を説明する図である。上記のように、第1確変モードに設定されている場合には、1回の特別図柄の変動表示に対して変動演出が1回行われるとともに、小当たり遊技中は小当たり遊技中演出が実行され、大役遊技中は大役演出が実行される。つまり、第1確変モード中は、大役抽選が行われるたびに、その抽選結果が1回ずつ明確に遊技者に報知される。これに対して、第2確変モード中は、特別図柄の変動表示中、小当たり遊技中、大役遊技中ごとの演出の区切りが、第1確変モード中に比べて把握しにくくなっている。
具体的には、第2確変モード中は、図53(a)に示すように、演出表示部200aに、背景画像としてキャラクタ画像が表示される。また、演出表示部200aの下部には、第2確変モードに設定されてから、当該第2確変モードが終了するまでの間、つまり、1回の第2確変モード中における、合計賞球数と小当たり遊技の実行回数とが表示される。第2確変モード中は、上記のように、遊技球を第2遊技領域116bに向けて継続的に発射することで、単位時間当たりの小当たり遊技の回数が増加し、遊技球が徐々に増加する。したがって、第2確変モード中に、当該第2確変モードにおける合計賞球数と小当たり遊技の実行回数とを報知することで、遊技者に対して満足感や達成感が付与されることとなる。
また、第2確変モード、すなわち、主制御基板300において第2確変変動状態に設定されている場合、大役抽選の結果がハズレであると、変動時間(合計変動時間)が1秒に決定され、大役抽選の結果が小当たりであると、変動時間(合計変動時間)が5秒に決定される(図16(a)、(b)参照)。また、第2確変モード中は、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射すると、次々とゲート124を遊技球が通過し、第2始動口122が頻繁に開状態に変移する。このとき、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けていれば、特2保留がほぼ途切れることがなく、次々と特2保留に基づく大役抽選、つまり、特2保留に基づく図柄の変動表示が行われるように設計されている。
そして、第2確変モード中は、図53(a)、(b)に示すように、背景画像に重畳して、演出表示部200aの左上の領域に、3つの演出図柄210a、210b、210cが小さく変動表示および停止表示される。このとき停止表示される演出図柄210a、210b、210cの組み合わせは、上記の第1確変モード中と同じであり、大役抽選の結果に応じた組み合わせで、演出図柄210a、210b、210cが停止表示される。ただし、第2確変モード中は、演出図柄210a、210b、210cが第1確変モード中に比べて小さく表示されることから、遊技者の意識が演出図柄210a、210b、210cの変動表示に向きにくく、演出表示部200aの下部に表示される合計賞球数や小当たり遊技の実行回数に意識が向くようにしている。したがって、第2確変モード中は、演出図柄210a、210b、210cが頻繁に停止表示されるものの、演出としての役割はほぼないと言える。
そして、大役抽選によって小当たりに当選し、小当たり図柄である特別図柄b1〜b4が決定されると、図53(c)に示すように、演出表示部200aの中央上部に、ランプの点灯を模したランプ画像250が表示されるとともに、第2確変モード中における小当たり遊技の実行回数(小当たり当選回数)と、大入賞口128の開放とが報知される。また、小当たり遊技中および小当たり遊技の実行前後で共通の音声が音声出力装置206から出力される。なお、第2確変変動状態において、小当たり図柄である特別図柄b1〜b4が決定された場合の変動時間(合計変動時間)は5秒であることから、図53(c)に示す演出は約5秒の構成となっている。また、この小当たり当選を報知する演出では、ランプ画像250の表示とともに、音声出力装置206から所定の音声が出力され、また、小当たりに対応する組み合わせで演出図柄210a、210b、210cが停止表示される。なお、小当たり遊技中に大入賞口128に遊技球が入球して払い出された賞球数である獲得数は、演出表示部200aに表示されている合計賞球数に加算表示される。したがって、第2確変変動状態において実行される小当たり遊技中は、第2確変変動状態以外の変動状態(たとえば、第1確変変動状態)において実行される小当たり遊技中とは異なる演出が実行されることとなる。
また、大役抽選によって大当たりに当選した場合にも、図53(d)に示すように、演出表示部200aの中央上部にランプ画像250が表示されるとともに、演出表示部200aの中央に「大当たり」と表示される。つまり、大当たり当選時の変動演出は、小当たり当選時の変動演出と一部共通化されている。ただし、大当たり当選時の変動演出では、小当たり当選時の変動演出で出力される音声よりも音量が大きく設定されている。
なお、第2確変モード以外の演出モードにおいても、大当たり当選時にランプ画像250を表示する演出が実行される。大当たり当選時の演出は、遊技者にとって印象に強く残るものであるが、遊技機100の特性上、大当たりの当選確率はあまり高く設定することができず、1の遊技者が大当たり当選時の演出を体験する回数はどうしても限られてしまう。本実施形態のように、大当たり当選時の演出を、小当たり当選時にも実行することで、演出効果の向上が図られ、遊技の興趣を向上することができる。
そして、第2確変モード中は、小当たり遊技中および小当たり遊技の実行前後で共通の音声が出力される。また、大役遊技が実行されている間も、図53(e)に示すように、図柄の変動表示中と同様の背景画像が表示される。このように、第2確変モード中は、図柄の変動表示中、小当たり遊技中、大役遊技中のいずれが実行されているかを遊技者が識別しにくくなっている。ただし、大役遊技中は、演出表示部200aの左上部において、演出図柄210a、210b、210cの変動表示に代えて、現在のラウンド遊技の実行回数が表示される。また、大役遊技中は、大入賞口128に遊技球が入球して払い出された賞球数が、合計賞球数に次々と加算表示される。
そして、大役遊技の終了後も、第2確変モードが継続する場合には、図53(f)に示すように、大役遊技のエンディング中に第2確変モードの継続が報知され、第2確変モードが終了する場合には、図53(g)に示すように、大役遊技のエンディング中に第2確変モードの終了が報知される。このとき、第2確変モードから移行する演出モードは、第1潜伏モードもしくは第1確変モードに限られており、第1潜伏モードもしくは第1確変モードに移行する場合には、図53(h)に示すように、第2確変モード中の合計賞球数が、第2確変モードに移行するまでの合計賞球数に加算される演出が行われる。また、第2確変モードから他の演出モードに移行する際には、例えば、図53(i)に示すように、いずれの演出モードに移行するかが報知される。さらに、第1潜伏モードまたは第1確変モードから第2確変モードに移行し、その後、第2確変モードから第1確変モードに移行する場合には、図53(j)に示すように、加算された合計賞球数が、第1確変モード中に演出表示部200aに表示されることとなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、もっとも遊技者に有利な遊技状態である高確率遊技状態および時短遊技状態において、さらに有利度合を異にする第1確変変動状態および第2確変変動状態が設けられる。そして、第1確変変動状態と第2確変変動状態とで異なる演出を実行し、現在の変動状態を遊技者が容易に識別可能とすることで、同一の遊技状態が長期間に亘って継続したとしても、遊技者の倦怠感が払拭され、遊技の興趣を向上することができる。
(演出決定テーブルの一例)
次に、上記の変動演出の実行パターンの決定方法について説明する。図54(a)は、前半変動演出決定テーブルを説明する図であり、図54(b)は、後半変動演出決定テーブルを説明する図である。本実施形態では、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて前半の変動演出の実行パターンが決定され、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて後半の変動演出の実行パターンが決定される。具体的には、リーチ変動パターンの変動演出においては、所定の動画(リーチ発展演出)が再生表示されるまでの変動演出の実行パターン(演出表示部200aに表示される画像パターン)が、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて決定され、動画(リーチ発展演出)の画像パターンが、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定される。したがって、例えば、図51に示すリーチ変動パターンの変動演出においては、図51(a)〜図51(d)に示す変動演出の実行パターン(画像パターン)が変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて決定されており、図51(e)に示す変動演出の実行パターン(動画)が変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定されている。
なお、リーチなし変動パターンの変動演出は、前半の変動演出が実行されないことを示す変動モード番号(変動モードコマンド)と、所定の変動パターン番号(変動パターンコマンド)とが決定された場合に実行される。例えば、前半の変動演出が実行されないことを示す「00H」の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信すると、副制御基板330では、必ず、前半の変動演出の実行パターンとして「なし」が決定される。また、同時に受信した変動パターンコマンドに基づいて、開始から終了までの変動演出の実行パターンが決定される。したがって、図50に示す変動演出の実行パターン(画像パターン)は、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて決定されることとなる。
図54(a)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動モードコマンド(変動モード番号)のそれぞれに、前半の変動演出の実行パターンが対応付けられた前半変動演出決定テーブルが記憶されている。この前半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動モードコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する前半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動モードコマンド(変動モード番号)に基づいて、前半の変動演出の実行パターンが決定される。
なお、図54(a)において、変動モード番号と前半の変動演出の実行パターンとが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半の変動演出の実行パターンとして、必ず、「なし」が決定され、変動モード番号=01Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半の変動演出の実行パターンとして、必ず、「リーチA」の変動演出が決定され、変動モード番号=02Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半の変動演出の実行パターンとして、必ず、「リーチB」の変動演出が決定されることとなる。
ここで、前半の変動演出の実行パターンのうち「なし」は、前半の変動演出を実行しないことを示しており、この「なし」が決定された場合には、後述する変動パターンコマンドに基づいて決定される後半の変動演出のみが実行されることとなる。また、図54(a)において、前半の変動演出の実行パターンにおける「リーチA」や「リーチB」は、それぞれ、リーチ変動パターンの変動演出のうち、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様になるまでの、演出表示部200aに表示される画像パターンを示している。これらの画像パターンは、変動モード番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致するように予め設計されている。
したがって、演出表示部200aにおいて、リーチなし変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチなし変動パターンの変動演出が実行されることとなる。これに対して、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00H以外の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンド以外の変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行されることとなる。
また、図54(b)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動パターンコマンド(変動パターン番号)のそれぞれに、後半の変動演出の実行パターンが対応付けられた後半変動演出決定テーブルが記憶されている。この後半変動演出決定テーブルは、演出モードごとに設けられており、副制御基板330では、変動パターンコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する後半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動パターンコマンド(変動パターン番号)に基づいて、後半の変動演出の実行パターンが決定される。
なお、図54(b)において、変動パターン番号と後半の変動演出の実行パターンとが対応付けられた各選択領域に記された数字は、図54(a)と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動パターン番号=00Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半の変動演出の実行パターンとして、必ず、「ハズレ4秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=01Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半の変動演出の実行パターンとして、必ず、「ハズレ8秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=02Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半の変動演出の実行パターンとして、必ず、「ハズレ12秒」の変動演出が実行されることとなる。
なお、「ハズレ4秒」、「ハズレ8秒」、「ハズレ12秒」の変動演出の実行パターンは、演出図柄210a、210b、210cが、変動表示を開始してから、リーチ態様になることなく、それぞれ4秒、8秒、12秒で、ハズレを報知する態様で停止表示するものである。したがって、主制御基板300において、「00H」、「01H」、「02H」の変動パターン番号が決定される場合には、前半の変動演出の実行パターンとして「なし」が決定されるように、必ず、「00H」の変動モード番号(変動モードコマンド)が決定されるように設計されている。
また、主制御基板300において、例えば、変動パターン番号=04Hが決定された場合には、後半の変動演出の実行パターンとして、「パターン1」および「パターン2」のいずれかが決定される。「パターン1」、「パターン2」は、図51(e)に示す動画の種類を示すものであり、演出表示部200aに表示される画像は異なるものの、その構成時間は、変動パターン番号=04Hに対応付けられた変動表示の時間と一致している。
上記のように、副制御基板330においては、設定されている演出モードに応じて、前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルが選択され、当該選択したテーブルに基づいて、演出表示部200aに表示される変動演出の実行パターンが決定される。
以下に、副制御基板330における処理のうち、上記の第1確変モードおよび第2確変モードの演出を実行するための処理について簡単に説明する。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図55は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図56は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。なお、このタイムスケジュール管理処理の詳細については後述する。
(ステップS1100−7)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図57は、副制御基板330による上記コマンド解析処理のうち、特図確定時遊技状態確認指定コマンドおよび遊技状態変化指定コマンドを受信した際に実行される演出モード移行処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、特図確定時遊技状態確認指定コマンドは、主制御基板300において、図34のステップS630−11でセットされ、遊技状態変化指定コマンドは、主制御基板300において、図39のステップS670−5でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図19参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210−1)
特図確定時遊技状態確認指定コマンドまたは遊技状態変化指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、受信した特図確定時遊技状態確認指定コマンドまたは遊技状態変化指定コマンドを解析し、主制御基板300で設定される遊技状態をサブRAM330cに記憶する遊技状態記憶処理を実行する。
(ステップS1210−3)
サブCPU330aは、受信した特図確定時遊技状態確認指定コマンドまたは遊技状態変化指定コマンドを解析し、主制御基板300で設定される変動状態を記憶するとともに、記憶した変動状態に対応する演出モードに設定する演出モード設定処理を実行する。なお、副制御基板330においては、演出モードごとにフラグが用意されており、ここでは、記憶した変動状態に対応するフラグがセットされることで、演出モードの設定がなされる。また、特図確定時遊技状態確認指定コマンドまたは遊技状態変化指定コマンドを解析した結果、変動状態に変更はないと判定した場合には、そのまま次のステップに処理を移す。
(ステップS1210−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−3で演出モードが変更されたかを判定する。その結果、演出モードが変更されたと判定した場合にはステップS1210−7に処理を移し、演出モードは変更されていないと判定した場合には当該演出モード移行処理を終了する。
(ステップS1210−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−3で設定した演出モードに対応する背景画像を演出表示部200aに表示するとともに、当該演出モードに対応する音声の出力を開始して、当該演出モード移行処理を終了する。
図58は、副制御基板330による上記コマンド解析処理のうち、変動コマンド(変動モードコマンドおよび変動パターンコマンド)を受信した際に実行される変動コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動モードコマンドは、主制御基板300において、図32のステップS612−15でセットされ、変動パターンコマンドは、主制御基板300において、図32のステップS612−19でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図19参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1220−1)
変動モードコマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、現在設定されている演出モードを確認する。
(ステップS1220−3)
サブCPU330aは、受信した変動モードコマンドを解析して、記憶する。
(ステップS1220−5)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドを解析して、記憶する。
(ステップS1220−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−1で確認した演出モードに対応する変動演出決定テーブルをセットするとともに、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得する。そして、セットした変動演出決定テーブルと、取得した演出乱数および上記ステップS1210−3およびステップS1220−5における解析結果に基づいて、変動演出の実行パターンを決定する。
(ステップS1220−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−7において決定された変動演出の実行パターンに基づいてタイムテーブルのタイムデータをセットする。なお、ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、変動演出画像が演出表示部200aに表示される。
(ステップS1220−11)
サブCPU330aは、現在の演出モードが第2確変モードであるかを判定する。その結果、第2確変モードであると判定した場合にはステップS1220−13に処理を移し、第2確変モードではないと判定した場合には当該変動コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1220−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−7で決定された変動演出の実行パターンが、図53(c)に示す小当たり遊技の実行を報知する実行パターンであるかを判定する。つまり、ここでは、第2確変モード中に小当たり図柄としての特別図柄b1〜b4が決定されたかを判定する。その結果、変動演出の実行パターンが小当たり遊技の実行を報知する実行パターンであると判定した場合にはステップS1220−15に処理を移し、変動演出の実行パターンが小当たり遊技の実行を報知する実行パターンではないと判定した場合には当該変動コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1220−15)
サブCPU330aは、第2確変モード中に実行された小当たり遊技の回数をカウントする小当たり遊技回数カウンタのカウンタ値(KK)をインクリメントする。
(ステップS1220−17)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−15でインクリメントされたカウンタ値(KK)を演出表示部200aに表示して、図53(c)の演出を実行する小当たり遊技回数報知演出実行処理を行い、当該変動コマンド受信処理を終了する。
図59は、副制御基板330による上記コマンド解析処理のうち、オープニング指定コマンドを受信した際に実行されるオープニング指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、オープニング指定コマンドは、主制御基板300において、図34のステップS630−27でセットされた後、ステップ100−39のサブコマンド送信処理(図19参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1230−1)
サブCPU330aは、まず、現在の演出モードを確認する。
(ステップS1230−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1230−1で確認した演出モードが第2確変モードであるかを判定する。その結果、第2確変モードであると判定した場合には当該オープニング指定コマンド受信処理を終了し、第2確変モードではないと判定した場合にはステップS1230−5に処理を移す。
(ステップS1230−5)
サブCPU330aは、受信したオープニング指定コマンドを解析し、これから開始される遊技が大役遊技であるかを判定する。なお、オープニング指定コマンドは、決定された特別図柄の種別ごとに設けられており、オープニング指定コマンドを解析することで、いずれの大役遊技または小当たり遊技が実行されるかを識別可能に構成されている。そして、これから開始される遊技が大役遊技であると判定した場合にはステップS1230−7に処理を移し、これから開始される遊技は大役遊技ではないと判定した場合にはステップS1230−9に処理を移す。
(ステップS1230−7)
サブCPU330aは、演出モードごとに設けられた大役演出のうち、上記ステップS1230−1で確認した演出モードに対応する大役演出を実行、開始し、当該オープニング指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1230−9)
サブCPU330aは、演出モードごとに設けられた小当たり遊技中演出のうち、上記ステップS1230−1で確認した演出モードに対応する小当たり遊技中演出を実行、開始し、当該オープニング指定コマンド受信処理を終了する。
図60は、副制御基板330による上記コマンド解析処理のうち、払出指定コマンドを受信した際に実行される払出指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、払出指定コマンドは、主制御基板300において、図27のステップS540−5でセットされた後、ステップ100−39のサブコマンド送信処理(図19参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1240−1)
サブCPU330aは、まず、現在の演出モードが第2確変モードであるかを判定する。その結果、第2確変モードであると判定した場合にはステップS1240−3に処理を移し、第2確変モードではないと判定した場合にはステップS1240−7に処理を移す。
(ステップS1240−3)
サブCPU330aは、第2確変モード中に払い出された合計賞球数をカウントするための第2賞球数カウンタのカウンタ値(2C)を更新する。なお、この第2賞球数カウンタは、第2確変モードから他の演出モードに移行する際に、上記ステップS1210−3でクリアされる。これにより、1回の第2確変モード中に、大入賞口128に遊技球が入球して払い出された合計賞球数が計数されることとなる。
(ステップS1240−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1240−5で更新したカウンタ値(2C)の値を演出表示部200aに表示する第2確変モード中合計賞球数更新表示処理を実行し、当該払出指定コマンド受信処理を終了する。これにより、第2確変モード中は、例えば、図53(e)に示すように、大入賞口128に遊技球が入球して賞球が払い出されるたびに、合計賞球数が更新表示されることとなる。
(ステップS1240−7)
サブCPU330aは、現在の演出モードが第1確変モードもしくは第1潜伏モードであるかを判定する。その結果、第1確変モードもしくは第1潜伏モードであると判定した場合にはステップS1240−11に処理を移し、第1確変モードおよび第1潜伏モードのいずれでもないと判定した場合にはステップS1240−9に処理を移す。
(ステップS1240−9)
サブCPU330aは、大役遊技の実行中であるか小当たり遊技の実行中であるかを確認し、小当たり遊技中であると判定した場合には当該払出指定コマンド受信処理を終了する。また、大役遊技の実行中であると判定した場合には、大役遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に移行するかを判定する。そして、時短遊技状態に移行すると判定した場合にはステップS1240−11に処理を移し、時短遊技状態に移行しないと判定した場合には当該払出指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1240−11)
サブCPU330aは、第1確変モード中に払い出された合計賞球数をカウントするための第1賞球数カウンタのカウンタ値(1C)を更新する。なお、この第1賞球数カウンタは、第1確変モードもしくは第1潜伏モードから、非時短遊技状態で設定される変動状態、すなわち、通常変動状態に移行する際に、上記ステップS1210−3でクリアされる。これにより、初当たりから第1確変モードが終了するまで(第2確変モード中を除く)の間に、大入賞口128に遊技球が入球して払い出された合計賞球数が計数されることとなる。
(ステップS1240−13)
サブCPU330aは、現在の演出モードが第1確変モードであるかを判定する。その結果、第1確変モードであると判定した場合にはステップS1240−15に処理を移し、第1確変モードではないと判定した場合には当該払出指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1240−15)
サブCPU330aは、現在、小当たり遊技中であるかを判定する。その結果、小当たり遊技中であると判定した場合には、ステップS1240−17に処理を移し、小当たり遊技中ではないと判定した場合には当該払出指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1240−17)
サブCPU330aは、現在実行中の小当たり遊技で払い出された賞球数の合計である獲得数をカウントするための獲得数カウンタのカウンタ値(KC)を更新する。なお、この獲得数カウンタは、遊技状態変化指定コマンドの受信時に上記ステップS1210−3でクリアされる。
(ステップS1240−19)
サブCPU330aは、上記ステップS1240−17で更新したカウンタ値(KC)の値を演出表示部200aに表示する獲得数報知演出実行処理を実行し、当該払出指定コマンド受信処理を終了する。これにより、第1確変モード中に小当たり遊技が実行された場合には、上記ステップS1230−9で実行される小当たり遊技中演出に重ねて、例えば、図52(h)に示す演出が実行されることとなる。
図61は、副制御基板330による上記コマンド解析処理のうち、エンディング指定コマンドを受信した際に実行されるエンディング指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、エンディング指定コマンドは、主制御基板300において、図38のステップS660−13でセットされた後、ステップ100−39のサブコマンド送信処理(図19参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1250−1)
サブCPU330aは、まず、現在の演出モードが第2確変モードであるかを判定する。その結果、第2確変モードであると判定した場合にはステップS1250−3に処理を移し、第2確変モードではないと判定した場合にはステップS1250−11に処理を移す。
(ステップS1250−3)
サブCPU330aは、大役遊技または小当たり遊技の終了後に設定される演出モードが、第2確変モードであるか、つまり、第2確変モードが継続するかを判定する。その結果、第2確変モードが継続すると判定した場合にはステップS1250−5に処理を移し、第2確変モードは継続しないと判定した場合にはステップS1250−7に処理を移す。
(ステップS1250−5)
サブCPU330aは、図53(f)に示す、第2確変モードの継続を報知する演出を実行するための継続報知処理を実行し、当該エンディング指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1250−7)
サブCPU330aは、第1賞球数カウンタのカウンタ値(1C)を、現在のカウンタ値(1C)に、第2賞球数カウンタのカウンタ値(2C)を加算した値に更新する。
(ステップS1250−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1250−7で更新した第1賞球数カウンタのカウンタ値(1C)、および、第2賞球数カウンタのカウンタ値(2C)に基づいて、図53(g)、(h)に示す演出を実行する合計賞球数報知演出実行処理を行う。
(ステップS1250−11)
サブCPU330aは、いずれの演出モードに移行するかを報知する演出モード移行報知演出実行処理を行い、当該エンディング指定コマンド受信処理を終了する。
図62は、上記タイムスケジュール管理処理(ステップS1300)を説明するフローチャートである。
(ステップS1300−1)
サブCPU330aは、まず、変動時間計時タイマのカウンタ値を加算し、変動演出の実行時間を更新する。
(ステップS1300−3)
サブCPU330aは、変動演出の実行中においてセットされるタイムテーブルのタイムデータを参照し、現在の変動演出の実行時間に応じて、各種のコマンドを送信バッファにセットしたり、各種のフラグをON/OFFしたりする制御処理を実行する。これにより、上記ステップS1220−7で決定された実行パターンで変動演出が実行されることとなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態においては、低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれかに遊技状態が設定されるとともに、時短遊技状態および非時短遊技状態のいずれかに遊技状態が設定される場合について説明したが、遊技中に設定される遊技状態の内容は一例に過ぎない。いずれにしても、所定の遊技の進行条件が規定された第1の遊技状態、および、第1の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技の進行条件が規定された第2の遊技状態が少なくとも設けられ、設定中の遊技状態に規定された進行条件にて遊技の進行が制御されればよい。
また、上記実施形態における遊技性は一例に過ぎない。したがって、上記実施形態では、第1始動口120および第2始動口122の2つの始動口を設けることとしたが、始動口の数は1つ以上であれば、いくつ設けてもよい。
また、上記実施形態では、特1保留よりも特2保留が優先して読み出されることとしたが、保留種別に拘わらず、先に記憶された保留から順に読み出して大役抽選を行ってもよいし、特1保留に基づく図柄の変動表示と、特2保留に基づく図柄の変動表示とを同時並行して行ってもよい。つまり、大役抽選を実行するための始動条件は、始動口に遊技球が入球したことを含んでいれば適宜設計可能であり、本発明は、所定の始動条件が成立することで大役抽選が行われる遊技機に広く適用可能である。
また、上記実施形態における特別図柄の種別や、各特別図柄に規定された遊技状態および変動状態は一例に過ぎず、特別図柄の種別は適宜設定可能である。上記実施形態では、小当たり図柄ごとに変動状態が規定されており、しかも、小当たり図柄には、少なくとも時短遊技状態に設定されているときに決定された場合において、小当たり遊技の終了後、第2確変変動状態に設定されるとともに、第2確変変動状態において変動時間(変動情報)を決定する回数である特定回数が規定された特定小当たり図柄(特別図柄b4)が含まれていることとした。そして、特定小当たり図柄(特別図柄b4)が停止表示されて小当たり遊技が実行された場合に、変動時間(変動情報)の決定回数が特定回数になるまでの間、第2確変変動状態に対応する変動時間決定条件(特定変動時間決定条件)にしたがって変動時間(変動情報)を決定することとした。しかしながら、小当たり図柄には変動状態を規定することなく、小当たり遊技の実行前後の変動状態は一定であってもよい。つまり、変動状態を大当たり図柄にのみ規定しておき、大当たり図柄が決定された場合にのみ、変動状態が変更されるようにしても構わない。
また、上記実施形態では、5種類の変動状態および演出モードを設ける場合について説明したが、変動状態および演出モードの種類や内容は上記実施形態に限らない。いずれにしても、相対的に遊技者に有利な遊技状態において、変動時間もしくは平均時間を異にする2つの変動状態に設定されるものであればよく、したがって、上記実施形態における第1潜伏変動状態および第2潜伏変動状態は必須ではない。
また、上記実施形態における各演出モード中の演出は一例に過ぎず、適宜設計可能であることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、第2確変モード中に、第2確変モード中における小当たり遊技の実行回数および第2確変モード中の大入賞口128への遊技球の入球に基づいて払い出された賞球の合計数を報知するとしたが、第2確変モード中に大入賞口128へ入球した遊技球の合計数を報知するとしてもよい。いずれにしても、第2確変モード中に、第2確変モード中における小当たり遊技の実行回数、第2確変モード中の大入賞口128への遊技球の入球に基づいて払い出された賞球の合計数、第2確変モード中に大入賞口128へ入球した遊技球の合計数の群から選択される1または複数が報知されればよい。
なお、上記実施形態において、図31の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の図柄決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図32の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の変動時間決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図33の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の図柄表示制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、図35〜38の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の特定遊技実行手段に相当する。
また、上記実施形態において、図39のステップS670−3の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の遊技状態設定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図57のステップS1210−7、図58のステップS1220−17、図59のステップS1230−7、ステップS1230−9、図60のステップS1240−5、ステップS1240−19、図61のステップS1250−5、ステップS1250−9、ステップS1250−11の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の演出実行手段に相当する。
なお、上記実施形態において、特別図柄Aが本発明の普通大当たり図柄に相当する。
また、上記実施形態において、特別図柄B〜Fが本発明の特定大当たり図柄に相当し、特別図柄B、Fが本発明の第1特定大当たり図柄に相当し、特別図柄C、Eが本発明の第2特定大当たり図柄に相当する。
また、上記実施形態において、特別図柄b4が本発明の特定小当たり図柄に相当する。
なお、上記実施形態において、遊技状態が低確率遊技状態かつ非時短遊技状態である場合が第1の遊技状態に相当し、高確率遊技状態かつ時短遊技状態である場合が第2の遊技状態に相当し、低確率遊技状態かつ時短遊技状態である場合が第3の遊技状態に相当する。
また、上記実施形態において、ランプ画像250の表示が特定演出に相当する。