JP2018014262A - ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置 - Google Patents

ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018014262A
JP2018014262A JP2016143590A JP2016143590A JP2018014262A JP 2018014262 A JP2018014262 A JP 2018014262A JP 2016143590 A JP2016143590 A JP 2016143590A JP 2016143590 A JP2016143590 A JP 2016143590A JP 2018014262 A JP2018014262 A JP 2018014262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric wires
robot hand
claw
connector
wires
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016143590A
Other languages
English (en)
Inventor
英昭 伊藤
Hideaki Ito
英昭 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd, AutoNetworks Technologies Ltd, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2016143590A priority Critical patent/JP2018014262A/ja
Priority to PCT/JP2017/024795 priority patent/WO2018016335A1/ja
Publication of JP2018014262A publication Critical patent/JP2018014262A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J13/00Controls for manipulators
    • B25J13/08Controls for manipulators by means of sensing devices, e.g. viewing or touching devices
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • H01B13/012Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables for manufacturing wire harnesses

Abstract

【課題】本発明は、複数の線状部材を集める作業に適した技術を提供することを目的とする。【解決手段】ワイヤーハーネスの製造方法は、コネクタ14から延出する複数の電線11をロボットハンド32で集線しつつ前記コネクタ14から離れた位置で束ねてワイヤーハーネス10を製造する。この際、複数の電線11の経路情報と、ロボットハンド32の爪部37の開き量とに基づいて、ロボットハンド32で複数の電線11を寄せる動作が必要か否かを判定する。必要と判定された場合に、ロボットハンド32を移動させて複数の電線11を寄せつつ爪部37を閉じて集線する。一方、必要でないと判定された場合に、爪部37を閉じて複数の電線11をそのまま集線する。【選択図】図8

Description

この発明は、ワイヤーハーネス等を加工するために用いられる加工装置に関する。
世界的な人件費高騰の影響により、ワイヤーハーネスの製造工程においても従来人手で行ってきた作業をロボットに代替させたいというニーズが高まっている。このような作業として、例えば、複数の電線を集線して把持すると共に把持した状態でしごく作業がある。
ここで、特許文献1乃至4には、電線を圧接端子に圧接する際、又は端子をコネクタハウジングに挿入する際に、電線を把持して移動させる機構が開示されている。
特開2000−173367号公報 特開2000−353437号公報 特開2002−95127号公報 特開平4−259776号公報
しかしながら、特許文献1乃至4に記載の電線を把持して移動させる機構は、1本の電線を対象としているため、また、電線を移動させることを目的としているため、複数の電線を集める作業に不向きである。
そこで、本発明は、複数の線状部材を集める作業に適した技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、コネクタから延出する複数の電線をロボットハンドで集線しつつ前記コネクタから離れた位置で束ねてワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネスの製造方法であって、(a)複数の電線が延出するコネクタを、コネクタホルダにセットする工程と、(b)前記コネクタから延出する前記複数の電線の経路情報を取得する工程と、(c)前記工程(b)で取得された前記複数の電線の経路情報と、ロボットハンドの爪部の開き量とに基づいて、前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要か否かを判定する工程と、(d)前記工程(c)において前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要と判定された場合に、前記ロボットハンドを移動させて前記複数の電線を寄せつつ前記爪部を閉じて集線する工程と、(e)前記工程(c)において前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要でないと判定された場合に、前記爪部を閉じて前記複数の電線をそのまま集線する工程と、(f)前記工程(d)又は前記工程(e)で集線された前記複数の電線を結束する工程と、を備える。
第2の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、第1の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法であって、前記ロボットハンドは、固定爪に対して可動爪を開閉駆動する。
第3の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、第2の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法であって、前記工程(d)は、(d1)開いた前記可動爪を前記複数の電線の存在範囲の一方端に位置させる工程と、(d2)前記複数の電線の存在範囲の一方端から他方端に向かう方向にロボットハンドを移動させると共に前記可動爪を閉じる工程と、を含む。
第4の態様に係る電線端末加工用装置は、駆動源と、前記駆動源の駆動力を受けて開閉可能に設けられた爪部とを含むロボットハンドと、前記ロボットハンドを、少なくとも前記爪部が開いたときの前記爪部の開口と底部とを結ぶ第1方向と交差する第2方向に移動可能な移動機構と、コネクタから延出する複数の電線の経路情報を取得する経路情報取得部と、前記経路情報取得部で取得された前記複数の電線の経路情報と、前記ロボットハンドの前記爪部の開き量とに基づいて、前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要か否かを判定し、前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要と判定された場合に前記ロボットハンドを前記第2方向に移動させて前記複数の電線を寄せつつ前記爪部を閉じて集線させ、前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要でないと判定された場合に、前記爪部を閉じて前記複数の電線をそのまま集線させる寄せ動作制御部と、を備える。
第5の態様に係る電線端末加工用装置は、第4の態様に係る電線端末加工用装置であって、前記爪部は、開閉駆動する可動爪と、固定された固定爪とを含む。
第1から第3の態様によると、取得された複数の電線の経路情報と、ロボットハンドの爪部の開き量とに基づいて、ロボットハンドで複数の電線を寄せる動作が必要か否かを判定し、複数の電線を寄せる動作が必要と判定された場合に、ロボットハンドを移動させて複数の電線を寄せつつ爪部を閉じて集線するため、爪部の開き量が小さい場合でも、複数の電線をもれなく集めることができる。また、ロボットハンドで複数の電線を寄せる動作が必要でないと判定された場合に、爪部を閉じて複数の電線をそのまま集線するため、集線にかかる動作の簡略化を図ることができる。
特に、第2の態様によると、ロボットハンドは、固定爪に対して可動爪を開閉駆動するため、複数の電線を可動爪に向けて寄せた状態で可動爪を閉じるなどすることで、寄せ動作と爪を閉じる動作とを簡易に行うことができる。
特に、第3の態様によると、爪部の開き量が小さい場合でも、簡易な方法で複数の電線をもれなく集めることができる。
第4又は第5の態様によると、経路情報取得部で取得された複数の電線の経路情報と、ロボットハンドの爪部の開き量とに基づいて、ロボットハンドで複数の電線を寄せる動作が必要か否かを判定し、複数の電線を寄せる動作が必要と判定された場合に、ロボットハンドを移動させて複数の電線を寄せつつ爪部を閉じて集線するため、爪部の開き量が小さい場合でも、複数の電線をもれなく集めることができる。また、ロボットハンドで複数の電線を寄せる動作が必要でないと判定された場合に、爪部を閉じて複数の電線をそのまま集線するため、集線にかかる動作の簡略化を図ることができる。
特に、第5の態様によると、固定爪に対して可動爪を開閉駆動するため、複数の電線を可動爪に向けて寄せた状態で可動爪を閉じるなどすることで、寄せ動作と爪を閉じる動作とを簡易に行うことができる。
ワイヤーハーネスの一例を示す図である。 電線端末加工用装置を示す概略図である。 加工制御部を示すブロック図である。 結束加工処理を示すフローチャートである。 電線が垂れ下がった様子を示す説明図である。 電線端末の撮像画像を示す説明図である。 寄せ動作を含む集線作業例を示す説明図である。 寄せ動作を含む集線作業例を示す説明図である。 寄せ動作を含む集線作業例を示す説明図である。 寄せ動作を含む集線作業例を示す説明図である。 寄せ動作を含む集線作業例を示す説明図である。 寄せ動作を含まない集線作業例を示す説明図である。 寄せ動作を含まない集線作業例を示す説明図である。 電線の結束作業例を示す説明図である。 電線が結束された様子を示す説明図である。
{実施形態}
以下、実施形態に係るワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置について説明する。
<ワイヤーハーネスについて>
まず、加工の対象となるワイヤーハーネス10について説明する。図1はワイヤーハーネス10の一例を平面に展開した図である。なお、図1において、同じ経路を通る電線11は、1本の線で描かれている。このため、図1において、1本の線で描かれた電線11は、実際には、複数の電線11の束であることがあり得る。
加工対象となるワイヤーハーネス10は、複数のコネクタ14が複数の電線11を介して接続されている。より詳細には、ワイヤーハーネス10は、複数の電線11が分岐しつつ結束された構成とされている。そして、ワイヤーハーネス10の各分岐先では、複数の電線11の端部がコネクタ14に挿入接続されている。本ワイヤーハーネス10が車両に組込まれた状態で、各コネクタ14が車両に搭載された各種電気部品に接続される。これにより、ワイヤーハーネス10は、車両に搭載された各種電気部品を電気的に接続する役割を果す。ワイヤーハーネス10に含まれる電線11は、車両における敷設経路に応じた形態で分岐されつつ結束される。
上述したように、電線11の端部には、コネクタ14が接続される。電線11は、例えば、その端部に圧着又は溶接などによって接続された端子を介してコネクタ14に接続される。
コネクタ14の本体部は、例えば、絶縁性の樹脂材料で一体成型されている。コネクタ14の本体部には、電線11の端部の端子を挿入保持可能な複数のキャビティが形成されている。複数の電線11の端子がキャビティに挿入保持されることで、各コネクタ14から複数の電線11が延出した状態となる。
<電線端末加工用装置について>
次に、電線端末加工用装置20について説明する。図2は電線端末加工用装置20を示す概略図である。電線端末加工用装置20は、複数の電線11を集線する集線機構としての第1ロボット30と、複数の電線11を結束する結束機構としての第2ロボット40と、撮像部50と、加工制御部60とを備える。加工制御部60は、第1ロボット30、第2ロボット40の動作制御を行う。この際、加工制御部60は、撮像部50で撮像された画像に基づいて寄せ動作を行うか否かを判定する寄せ動作制御部としての機能及び第1ロボット30、第2ロボット40の結束動作制御を行う結束動作制御部としての機能を備えている。寄せ動作について詳しくは後述する。
ここでは、電線端末加工用装置20は、コネクタ保持部70を備える。コネクタ保持部70は、コネクタ14から電線11が垂れ下がった状態で当該コネクタ14を保持可能に構成されている。より具体的には、コネクタ保持部70は、フレーム部72と、コネクタホルダ76とを備える。フレーム部72は、横フレーム73と、縦フレーム74とを備える。縦フレーム74は、床上に立設状態で支持されている。横フレーム73は、縦フレーム74によって床上の位置に水平姿勢で支持されている。横フレーム73によって、コネクタホルダ76が床上の位置に支持されている。コネクタホルダ76は、コネクタ14のうち電線11が延出する側の背部を外方に露出させた状態で、コネクタ14を着脱可能に支持する。例えば、コネクタホルダ76には、コネクタ14を嵌め込み可能な凹部が形成されており、当該凹部にコネクタ14を着脱可能に嵌め込むことができる。ここでは、複数のコネクタホルダ76が横フレーム73において間隔をあけて支持されている。コネクタホルダ76によって、コネクタ14のうち電線11が延出する側の背部を下向きにした姿勢で、コネクタ14が支持されている。コネクタホルダ76は、コネクタ14のうち電線11が延出する側の背部を横向きにした姿勢で保持する構成であってもよい。
そして、複数の電線11の各端部の端子を対応する各コネクタ14に挿入保持した状態で、各コネクタ14が上記各コネクタホルダ76に支持される。この状態では、各電線11は、結束されていない。このため、各コネクタ14から延出する各電線11は各コネクタ14から垂れ下がっており、各コネクタ14間の下方位置で、他のコネクタ14に向うように湾曲している。上記各コネクタ14に対する電線11の端部の挿入は、コネクタホルダ76にコネクタ14をセットした状態で行われてもよいし、コネクタ14をコネクタホルダ76にセットする前に行われてもよい。
上記のように、コネクタ14及び電線11が保持された状態で、コネクタ14から延出する複数の電線11が集線され(図2において円形状の予定集線箇所E1、図11参照)、しごかれる(図2において方形状の領域E2参照)。また、その領域E2の下方で、複数の電線11が粘着テープ又は結束バンド等の結束部材80で結束される(図2において円形状の予定結束箇所E3、図14参照)。これにより、複数の電線11が上記ワイヤーハーネス10の形態をなすように結束されることになる。複数の電線11は、上記予定結束箇所E3とコネクタ14との間、予定結束箇所E3の間等でも結束されてもよい。
ここで、結束されていない電線11は無定形であるため、通常、加工するワイヤーハーネス10毎に複数の電線11の延出形態が異なり、予定集線箇所E1での複数の電線11の存在範囲が異なることが考えられる。従って、集線機構には、加工するワイヤーハーネス10毎に異なる存在範囲を有する複数の電線11をもれなく集線する機能が求められる。
集線機構としての第1ロボット30は、複数の電線11を集線可能に構成されている。また、結束機構としての第2ロボット40は、複数の電線11を結束可能に構成されている。第1ロボット30、第2ロボット40のロボットアーム31、41としては、一般的な産業用ロボットを用いることができる。図2では、第1ロボット30、第2ロボット40のロボットアーム31、41として、一般的な垂直多関節ロボットが図示されている。
第1ロボット30は、ロボットアーム31と、ロボットアーム31の先端部に設けられたロボットハンド32とを備える。ロボットアーム31の駆動によってロボットハンド32を各作業位置に移動させることができる。ロボットハンド32は、複数の電線11を集線することができる。また、ここでは、ロボットハンド32は、集線した複数の電線11を掴んだり、複数の電線11を掴んだ状態でその延在方向に移動することで当該複数の電線11をしごいたり、複数の電線11を束ねた状態で保持することができる。特に、ロボットアーム31の駆動によってロボットハンド32をコネクタ14の下方位置に移動させた状態で、ロボットハンド32を閉じることで、複数の電線11を集線することができる。そして、集線した複数の電線11を同じロボットハンド32で軽く保持し、この状態で、ロボットアーム31の駆動によってロボットハンド32を下方に移動させることで、コネクタ14から延出する複数の電線11をしごくことができる。つまり、第1ロボット30は、複数の電線11を集線する電線集線機構、及び複数の電線11をなるべく真っ直ぐな状態に矯正する電線矯正機構として用いられる。ロボットハンド32がコネクタ14から下方に移動した状態で、ロボットハンド32が複数の電線11を保持した状態を保つことで、複数の電線11を束ねた状態に保つことができる。
ここで、ロボットハンド32について説明する。
ロボットハンド32は、駆動源33と、伝達機構34と、爪部37とを含む(図7参照)。これらは固定部材32aに支持されている。ロボットハンド32において、駆動源33の駆動力を利用して爪部37が開閉駆動される。この際、爪部37の開閉量が調節可能である。
ここでは、駆動源33はモータ33aを含む。モータ33aの駆動量を決定することで爪部37の開閉量が決定される。モータ33aとしては、例えば、ステッピングモータ等の位置決め制御に向いたモータが使用されるとよい。もっとも駆動源は、エアシリンダ、油圧シリンダ又はリニアモータ等のアクチュエータで構成されていてもよい。この場合でも駆動源は位置決め制御可能であることなどにより爪部37の開閉量を調節可能であることが好ましい。
伝達機構34は、駆動源33の駆動力を爪部37に伝達する。伝達機構34は、モータ側ギア35と、爪側ギア36とを含む。モータ側ギア35は、モータ33aのシャフトに連結されている。爪側ギア36は、固定部材32aに軸支されている。爪側ギア36は、モータ側ギア35と噛み合う。
爪部37は、回動しつつ開閉可能に設けられている。ここでは爪部37は、可動爪38と固定爪39とを含む。図7に示す例では、可動爪38と固定爪39とが1つずつ設けられている。
可動爪38は、固定部材32aの一端に上記爪側ギア36と共に軸支されている。これにより、爪側ギア36がモータ33aの駆動力を受けて回動することで、可動爪38も爪側ギア36と共に回動し、以て爪部37の開閉動作が行われる。ここでは、可動爪38は、平面視L字状に形成されている。もっとも可動爪38の形状は、上記に限られるものではない。例えば、可動爪38は、平面視直線状に形成されていてもよいし、平面視円弧状に形成されていてもよい。また、可動爪38は、L字の屈曲部分が固定爪39とは反対側に位置するように取り付けられている。これにより、L字の凹み部分が閉空間の一部を構成できるようになる。
固定爪39は、固定部材32aの他端に取付けられている。ここでは、固定爪39は、平面視直線状に形成されている。もっとも固定爪39の形状は、上記に限られるものではない。例えば、固定爪39は、平面視L字状に形成されていてもよいし、平面視円弧状に形成されていてもよい。固定爪39が平面視曲がった形状に形成されている場合、凹んだ部分が閉空間の一部を構成できるように取り付けられているとよい。
可動爪38と固定爪39とは、例えば、段違いに取付けられるなどして、相互に交差可能に形成されている(図10参照)。これにより、可動爪38と固定爪39とが最初に閉空間を形成した状態(図9参照)からさらに爪部37を閉じることで、その閉空間を小さくすることが可能となる(図10参照)。また、可動爪38及び固定爪39の各内向き面は、その閉空間が平面視楕円状となるように形成されている(図10参照)。ここでは、各内向き面の形状は、閉空間が最初に形成された後に小さくされた状態であって、電線を挟持可能な状態のときに、平面視楕円状となるように設定されている。これにより、可動爪38と固定爪39とで電線を挟持した際に電線を傷つけにくくなる。もっとも、閉空間が平面視楕円状となることは必須ではなく、例えば、円状又は角形状であってもよい。また、閉空間が平面視楕円状となる場合でも、閉空間が小さくされた段階で楕円状になることは必須ではなく、例えば、最初に閉空間が形成された段階で楕円状になることも考えられる。
ロボットハンド32を移動させる移動機構としてのロボットアーム31は、ロボットハンド32を爪部37が開いたときの爪部37の開口と底部とを結ぶ第1方向D1に移動可能である。ロボットハンド32が第1方向D1に移動可能であることによって、第1方向D1に沿って固定爪39の先端と可動爪38の先端との間に複数の電線11を位置させることができる。また、ロボットアーム31は、ロボットハンド32を第1方向D1に交差する方向であって爪部37の閉空間の中心軸方向と交差する方向である第2方向D2に移動可能である。ロボットハンド32が第2方向D2に移動可能であることによって、複数の電線11を可動爪38と固定爪39との一方に寄せる寄せ動作を行いつつ、爪部37を閉じることが可能となっている。また、ロボットアーム31は、ロボットハンド32を閉空間の中心軸の延在方向である第3方向D3に移動可能である。ロボットハンド32が第3方向D3に移動可能であることによって、ロボットハンド32によってしごき動作が可能となる。上述したようにここでは、ロボットアーム31として、垂直多関節ロボットが用いられる。垂直多関節ロボットとしては、例えば、駆動軸数が4軸乃至6軸のものが用いられる。これにより、ロボットアーム31は上記したような動作が可能となっている。
第2ロボット40は、ロボットアーム41と、ロボットアーム41の先端部に設けられた結束装置42とを備える。ロボットアーム41の駆動によって結束装置42を各作業位置に移動させることができる。結束装置42は、複数の電線11を粘着テープ又は結束バンド等の結束部材によって結束する装置である。かかる結束装置42としては、例えば、粘着テープを巻回したテープ巻回体を、複数の電線11周りに回転させることで、当該粘着テープを複数の電線11に巻回する、周知のテープ巻付装置を用いることができる。特に、コネクタ14から距離をあけた下方位置で、複数の電線11がロボットハンド32によって束ねられた状態で、ロボットアーム41の駆動によって結束装置42を当該ロボットハンド32の上側又は下側の隣の位置に移動させた状態で、当該結束装置42によって複数の電線11に粘着テープを巻付けて、複数の電線11を結束することができる。
ここでは、第1ロボット30、第2ロボット40が別々に設けられている例で説明したが、上記ロボットハンド32と結束装置42とが、共通するロボットアームによって移動する構成であってもよい。
撮像部50は、コネクタ14から延出する複数の電線11の経路情報を取得する経路情報取得部として用いられるものであり、ここでは、コネクタ14から延出する複数の電線11を撮像可能に構成されている。すなわち、撮像部50は、CCDカメラ等によって構成される撮像カメラである。撮像部50としては、2次元カメラが用いられてもよいし、ステレオカメラが用いられてもよい。ここでは、前者の例で説明する。
加工制御部60は、第1ロボット30、第2ロボット40及び撮像部50に接続されている。撮像部50で撮像された画像は、加工制御部60に与えられ、これにより、加工制御部60においロボットハンド32が寄せ動作を行うか否かが判定される。また、加工制御部60の制御下、第1ロボット30が集線動作を行うと共に、第2ロボット40が結束動作を行う。
図3は加工制御部60を示すブロック図である。加工制御部60は、CPU62、ROM63、RAM64、外部記憶装置65等がバスライン61を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROM63は基本プログラム等を格納しており、RAM64はCPU62が所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置65は、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。外部記憶装置65には、OS(オペレーションシステム)66、ロボットハンド32が寄せ動作を行うか否かを判定する判定プログラム67aを含む加工プログラム67が格納されている。後に詳述するように、加工プログラム67に記述された手順に従って、主制御部としてのCPU62が演算処理を行うことにより、第1ロボット30、第2ロボット40の動作制御、寄せ動作の可否の判定等がなされる。
また、この加工制御部60では、画像信号入力インターフェース68及び入出力インターフェース69もバスライン61に接続されている。そして、撮像部50の撮像信号が、画像信号入力インターフェース68を通じて本加工制御部60に入力され、寄せ動作の判定処理に供される。また、本加工制御部60からの制御信号が入出力インターフェース69を介して第1ロボット30、第2ロボット40に与えられ、第1ロボット30、第2ロボット40が駆動制御される。
なお、本加工制御部60には、各種スイッチ、タッチパネル等により構成された、図示省略の入力部が接続され、本加工制御部60に対する諸指示を受付可能に構成されている。
また、電線端末加工用装置20には、電線端末の状態を検査する電線端末検査装置が設けられていてもよい。電線端末検査装置は、例えば、上記撮像部50と、得られた撮像データから電線端末の状態を検査する検査部とを含む。例えば、加工制御部60が検査部としての機能を備えていることが考えられる。より詳細には、加工制御部60において撮像部50の撮像信号が、画像信号入力インターフェース68を通じて本加工制御部60に入力され、電線11の端末状態の判定処理に供される。この場合、加工制御部60には、必要に応じて、液晶表示装置、ランプ等により構成された表示装置が接続され、判定結果等の諸情報を表示可能に構成されていてもよい。
なお、本加工制御部60が行う一部或は全部の機能は、専用の論理回路等でハードウェア的に実現されてもよい。
図4は加工制御部60による結束加工処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、加工制御部60は、撮像部50を通じて1つのコネクタ14から延出する複数の電線11の端末の画像(予定集線箇所E1を含む領域E2の画像)を取得する。
次ステップS2では、撮像画像において電線画像を抽出する。電線画像の抽出は、背景と異なる電線画像を呈する画素を抽出する処理等を実行することによって行われる。
次ステップS3では、加工制御部60は、第1ロボット30に、ロボットハンド32を1つのコネクタ14から所定距離下方に離れた予定集線箇所E1(例えば、当該コネクタ14に接続された複数の電線11のうち当該コネクタ14に近い部分)に移動させるように指示を与える。なお、この際のロボットハンド32の移動位置は、事前にティーチングされた座標又は撮像部50によって得られた画像においてコネクタ14及び当該コネクタ14から延出する電線11の位置を抽出すること等によって決定される。
次ステップS4では、加工制御部60は、撮像画像に含まれる複数の電線11の経路情報(電線画像部分)と、爪部37の開き量とに基づいて、ロボットハンド32を移動させて複数の電線11を寄せつつ集線を行う必要があるか否かを判定する。爪部37の開き量は、事前に設定されていてもよいし、電線11の散らばり具合に応じてその都度設定されてもよい。また、爪部37の開き量の設定例については後で説明する。この判定結果は、必要に応じて外部信号として出力され、外部への表示等に供されてもよい。ステップS4において、ロボットハンド32を移動させて複数の電線11を寄せつつ集線を行う必要があると判定された場合、ステップS5に進む。一方、ステップS4においてロボットハンド32を移動させて複数の電線11を寄せつつ集線を行う必要がないと判定された場合、ステップS6に進む。
ステップS5では、加工制御部60は、予定集線箇所E1にいる第1ロボット30に、ロボットハンド32を第2方向D2に移動させつつ爪部37を閉じて複数の電線11を集線するように指示を与える。これにより、第1ロボット30は、ロボットハンド32によって予定集線箇所E1で複数の電線11を集線する。ステップS5における集線動作例について詳しくは後述する。
一方、ステップS6では、加工制御部60は、予定集線箇所E1にいる第1ロボット30に、そのまま爪部37を閉じて複数の電線11を集線するように指示を与える。これにより、第1ロボット30は、ロボットハンド32によって予定集線箇所E1で複数の電線11を集線する。ステップS6における集線動作例について詳しくは後述する。
ステップS5又はステップS6を経て、複数の電線11が集線されたら、ステップS7に進む。なお、集線が完了した状態で、第1ロボット30の爪部37は、複数の電線11の延在方向に沿って移動させることができる程度に把持した状態となっている。
次ステップS7において、加工制御部60は、第1ロボット30にしごき動作を行うように指示を与える。具体的には、ロボットハンド32で複数の電線11を把持した状態のままロボットハンド32を下方に移動させるように指示を与える。すると、ロボットハンド32は、複数の電線11をコネクタ14から引っ張りつつ下方に下がる。ロボットハンド32は、予定結束箇所E3又はその上側或いは下側の隣の位置まで下がる。これにより、複数の電線11は、コネクタ14から直線状に垂下がった状態でロボットハンド32により引っ張られた状態となる。
次ステップS8において、加工制御部60は、第2ロボット40に予定結束箇所E3で複数の電線11を結束するように指示を与える。これにより、第2ロボット40は、結束装置42によって予定結束箇所E3で複数の電線11を結束する。この際の結束装置42の作業位置は、事前にティ−チングされた座標又は撮像部50によって得られた画像において電線11に沿った位置であってコネクタ14から所定距離離れた位置を選定すること等によって決定される。
上記処理が、各コネクタ14及び当該コネクタ14から延出する複数の電線11に対してなされる。
<動作>
上記電線端末加工用装置20を前提として、ワイヤーハーネスの製造方法を説明する。なお、図7乃至図13において、便宜上、コネクタ14及びコネクタ14から延出する電線11は正面図で示されており、ロボットハンド32は平面図で示されている。
まず、複数のコネクタ14のそれぞれに複数の電線11の端部が接続されたものを準備し、複数の電線11が延出する各コネクタ14をコネクタホルダ76にセットする(図2参照、工程(a))。この状態では、図5に示すように、コネクタ14から複数の電線11が垂れ下がった状態となる。
この状態で、図6に示すように、コネクタ14から延出する複数の電線11の経路情報を取得する(工程(b))。ここでは、複数のコネクタ14のうち集線対象のコネクタ14から延出する複数の電線11の経路情報を取得する。すなわち、撮像部50によって、集線対象のコネクタ14から延出する複数の電線11の予定集線箇所E1を含む領域E2を撮像する。さらに、撮像された画像に基づいて複数の電線11の存在範囲を取得する。ここでは、第2方向D2に沿った電線11の存在範囲W1に加えて、第1方向D1に沿った電線11の存在範囲W2についても取得するものとして説明する。従って、図5の実線に示すように、撮像部50によって第1方向D1から撮像すると共に、図5の仮想線に示すように第2方向D2からも撮像する。もっとも、第1方向D1に沿った電線11の存在範囲W2は取得されなくてもよい。
具体的には、まず第1方向D1から撮像された撮像画像Gにおいてコネクタ画像及び電線画像を抽出する。コネクタ画像及び電線画像の抽出は、背景と異なるコネクタ画像及び電線画像を呈する画素を抽出する処理等を実行することによって行われる。次に、撮像画像Gにおいてコネクタ画像から第3方向D3に沿って所定距離離れた位置(予定集線箇所E1)において第2方向D2に沿って最も外側に位置する電線画像同士の間の間隔W1を取得する。例えば、抽出された撮像画像G内で集線対象のコネクタ画像の画素から所定距離離れた位置において集線対象のコネクタ画像の画素から延出する電線画像の画素のうち最も外側に位置する電線画像の画素の間隔W1を取得する。そして、撮像画像G内の電線画像の画素の間隔を予め与えられた倍率又はコネクタ画像の画素の幅寸法を与えられた実寸法と比較するなどして得られた倍率等を用いて乗算することによって最も外側に位置する電線11同士の間の実寸を得る。
なお、撮像画像G内で間隔W1を取得するのに用いる電線画像の画素が集線対象のコネクタ画像の画素から延出されたものかどうかは、抽出された電線画像から当該電線画像の画素がコネクタ画像の画素から延出しているかどうかなどで判定する。これにより、撮像画像Gに集線対象のコネクタ14とは異なるコネクタ14から延出する電線11が映りこんだ場合でも、より正確に複数の電線11の存在範囲W1を取得できる。なお、最も外側に位置する電線画像の画素の間隔W1の取得は、コネクタ画像の画素から一定ピッチで行うものであってもよい。
このあと、第2方向D2から撮像した画像についても、上記と同様の処理を行い、第1方向D1に沿った電線11の存在範囲W2(図7参照)を取得する。
次に、ロボットハンド32を予定集線箇所E1に移動させる。この際、ここでは、電線11を寄せる役割を担う爪(ここでは可動爪38)が第2方向D2に沿った電線11の存在範囲W1の一方端に位置するようにロボットハンド32を移動させる。なお、この際のロボットハンド32の移動位置は、撮像部50によって得られた画像においてコネクタ14及び当該コネクタ14から延出する電線11の位置を抽出すること等によって決定される。これにより、可動爪38を電線11のすぐ近くに移動させることができる。もっとも、この際のロボットハンド32の移動位置は、事前にティーチングされた座標であってもよい。この場合、上記座標は第2方向D2に沿った電線11の存在範囲W1の一方端の十分外側であることが考えられる。
このとき、集線開始時のロボットハンド32の爪部37の開き量W3は、例えば、以下のようにして決定されるとよい。
すなわち、上記したようにここでは、モータ33aの駆動量に応じて爪部37の開き量を調節可能である。このとき爪部37の開き量を変えることで、第1方向D1に沿った固定爪39の先端と可動爪38の先端との間隔W4も変わる。そして、集線開始時の爪部37の開き量W3は、第1方向D1に沿った電線11の散らばり具合に応じて調節される。具体的には、ロボットハンド32を第2方向D2に沿って移動させて電線11を寄せる動作を行うに当たり、ここでは可動爪38と固定爪39のうちどちらか一方の爪であって電線11を寄せる役割を担う爪(ここでは可動爪38)を他方の爪(ここでは、固定爪39)よりも第1方向D1に突出させている。これにより、固定爪39を第1方向D1に沿って電線11の存在範囲外に位置させておくことで、ロボットハンド32を第2方向D2に沿って移動させて電線11を寄せる動作を行っている途中に、固定爪39の外側に電線11が引っ掛かって集線もれが生じることが抑制される。さらにここでは、第1方向D1に沿った電線11の存在範囲W2よりも、寄せ動作前の固定爪39の先端と可動爪38の先端との間隔W4が大きくなるように、爪部37の開き量を調節している。これにより、予定集線箇所E1にロボットハンド32を移動させる際に、複数の電線11が第1方向D1に沿って固定爪39の先端と可動爪38の先端との間に収まるように移動させることで、この後、寄せ動作を行っている途中に、電線11が可動爪38に引っかからずに集線もれが生じることを抑制することができる。
上記のように爪部37の開き量を調節することで、第2方向D2に沿った爪部37の開き量W3、つまり、可動爪38の先端と、固定爪39の先端の延長線との第2方向D2に沿った間隔W3が決まる。この間隔W3と、第2方向D2に沿った電線11の間隔W1に付加長αを付加した量とに基づいて寄せ動作が必要か否かを判定する。
次に、工程(b)で取得された複数の電線11の経路情報と、ロボットハンド32の爪部37の開き量とに基づいて、ロボットハンド32で複数の電線11を寄せる動作が必要か否かを判定する(工程(c))。具体的には、工程(b)で第2方向D2に沿って最も外側に位置する電線11同士の間の間隔W1が得られる。これと、第2方向D2に沿った爪部37の開き量W3との差分を取ることによって、ロボットハンド32で複数の電線11を寄せる動作が必要か否かを判定する。例えば、爪部37の開き量W3が、最も外側に位置する電線11同士の間隔W1に付加長αを付加した量未満であれば、ロボットハンド32で複数の電線11を寄せる動作が必要と判定する。また、爪部37の開き量W3が、最も外側に位置する電線11同士の間隔W1に付加長αを付加した量以上であれば、ロボットハンド32で複数の電線11を寄せる動作が必要でないと判定する。ここで、付加長αは、集線時に集線もれのないように考慮した値として実験的、経験的に設定することができる。
判定に際して、複数の電線11が予定集線箇所E1において比較的広範に散らばって存在している場合には、図7に示すように、第2方向D2に沿った爪部37の開き量W3は、電線11の存在範囲W1よりも小さくなる。このため、ロボットハンド32を移動させて複数の電線11を寄せる動作を行う必要があると判定される。
一方、複数の電線11が予定集線箇所E1において比較的集中して存在している場合には、図12に示すように、第2方向D2に沿った爪部37の開き量W3は、電線11の存在範囲W1よりも大きくなる。このため、ロボットハンド32を移動させて複数の電線11を寄せる動作を行う必要がないと判定される。
寄せ動作を行う必要があると判定されると、図8に示すように、ロボットアーム31によってロボットハンド32を第2方向D2に沿った複数の電線11の存在範囲W1の一方端から他方端に向かう向きに移動させて複数の電線11を可動爪38に寄せつつ、駆動源33を駆動させて可動爪38を閉じ、複数の電線11を集線する(工程(d))。これにより、図9に示すように、複数の電線11がもれなく爪部37の閉空間内に集線される。この際、例えば、固定爪39が第2方向D2に沿った電線11の存在範囲W1の他方端を超えたら、寄せ動作、つまりロボットアーム41によるロボットハンド32の第2方向D2に沿った移動を停止させるとよい。また、固定爪39が第2方向D2に沿った電線11の存在範囲W1の他方端を超えたら、ロボットハンド32を第1方向D1に沿って前進させるとよい。また、固定爪39が第2方向D2に沿った電線11の存在範囲W1の他方端を超えてから、可動爪38が閉空間を形成可能な位置まで閉じられるとよい。
複数の電線11の数及び断面積によっては、可動爪38を閉じて最初に閉空間を形成した段階では、閉空間における隙間が大きすぎて、複数の電線11の集線が十分でないこともあり得る。また、当該ロボットハンド32でしごき動作も行う場合には、爪部37で複数の電線11を把持する必要がある。これらのような場合には、最初に閉空間を形成した段階からさらに可動爪38を閉じて図10に示すように閉空間を小さくするとよい。ここでは、当該ロボットハンド32でしごき動作も行うため、爪部37は、複数の電線11を集線した後に把持する。把持は、ロボットハンド32を複数の電線11の延在方向に沿って移動させることができる程度に爪部37を閉じた状態にすることで行われる。この際、爪部37の閉じる量は、事前にティーチングされることが考えられる。なお、集線動作に係る爪部37と同じ爪部37で把持動作を行う場合、集線動作のために爪部37を閉じる際に把持可能な開閉量まで爪部37を閉じることで、一度の開閉動作で集線及び把持を行うことができる。
なお、集線後にしごき動作、結束動作等を行う場合には、ロボットハンド32は、図11に示すようになるべくコネクタ14の真下に位置していること、つまり、コネクタ14のセンターC1とロボットハンド32のセンターC2とが第2方向D2に沿って同じ位置にあることが好ましい。従って、図10のように完全に閉空間が形成された後、コネクタ14のセンターC1とロボットハンド32のセンターC2とを合わせるために、ロボットアーム31によってロボットハンド32を第2方向D2に沿って移動させるとよい。もっとも、センター合わせを行うに当たっては、図9のように最初に閉空間が形成された後であって、図10のように完全に閉空間が形成される前に行われてもよい。つまり、最初に閉空間が形成された後であれば、センター合わせと、閉空間の狭小化とは、どちらが先に行われてもよく、また同時進行されてもよい。
寄せ動作を行う必要がないと判定されると、寄せ動作を行わずに、つまり、ロボットアーム31によってロボットハンド32を第2方向D2に沿った存在範囲W1の一方端から他方端に向かう向きに移動させることなく、図12に示す段階から、そのまま駆動源33を駆動させて可動爪38を閉じ、複数の電線11を集線する(工程(e))。この場合には、ロボットハンド32を第1方向D1に沿って移動させて、第1方向D1に沿って固定爪39の先端と基端との間に電線11が存在するようにしつつ可動爪38を閉じるとよい。これにより、集線時に電線11がもれにくくなる。そして、上記したのと同様に、最初に閉空間が形成された後、閉空間の狭小化が行われることで、図13に示すように、複数の電線11が十分に集線された状態となる。この後、センター合わせを行うことで、図11に示すような状態となる。もっとも、上記と同様に、最初に閉空間が形成された後であれば、センター合わせと、閉空間の狭小化とは、どちらが先に行われてもよく、また同時進行されてもよい。
図11に示すようにロボットハンド32によって複数の電線11が集線されたら、次に、集線された複数の電線11を把持してしごく。ここでは、上述したように、集線動作に係る第1ロボット30のロボットハンド32で複数の電線11のうちコネクタ14に近い部分を把持する。この状態で、ロボットハンド32を下降させて、しごき動作を行わせる。本しごきは、ロボットハンド32とは別のロボットハンドが行ってもよいし、作業者の手作業によって行われてもよい。ロボットハンド32とは別のロボットハンドがしごき動作を行う場合、当該しごき動作を行うロボットハンドはロボットアーム31又はロボットアーム41に設けられてもよいしロボットアーム31、41とは別のロボットアームに設けられてもよい。また、しごき作業は必須ではなく、しごき作業は省略されてもよい。
この後、図14に示すように、ロボットハンド32がコネクタ14から所定距離離れた下方位置に移動し、予定結束箇所E3又はその近く(ここでは、予定結束箇所E3の上側の位置)に移動した状態となる。この状態では、コネクタ14とロボットハンド32との間で、複数の電線11が直線状に引っ張られた状態となる。そして、コネクタ14から延出し、しごき動作が行われた複数の電線11を結束装置42で結束する(工程(f))。つまり、しごき動作が行われたら、結束装置42を予定結束箇所E3に移動させて、複数の電線11を結束する。この後、結束装置42が退避移動すると、図15に示すように、コネクタ14から延出する複数の電線11が予定結束箇所E3で結束されたものが得られる。
上記を複数のコネクタ14のそれぞれに対して行うことで、各コネクタ14から延出する複数の電線11が結束されたワイヤーハーネス10が製造される。
以上のように構成されたワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置20によると、取得された複数の電線11の経路情報と、ロボットハンド32の爪部37の開き量とに基づいて、ロボットハンド32で複数の電線11を寄せる動作が必要か否かを判定し、複数の電線11を寄せる動作が必要と判定された場合に、ロボットハンド32を移動させて複数の電線11を寄せつつ爪部37を閉じて集線するため、爪部37の開き量が小さい場合でも、複数の電線11をもれなく集めることができる。また、ロボットハンド32で複数の電線11を寄せる動作が必要でないと判定された場合に、爪部37を閉じて複数の電線11をそのまま集線するため、集線にかかる動作の簡略化を図ることができる。
また、ロボットハンド32は、固定爪39に対して可動爪38を開閉駆動するため、複数の電線11を可動爪38に向けて寄せた状態で可動爪38を閉じるなどすることで、寄せ動作と爪を閉じる動作とを簡易に行うことができる。
また、開いた可動爪38を複数の電線11の存在範囲W1の一方端に位置させて、複数の電線11の存在範囲W1の一方端から他方端に向かう方向にロボットハンド32を移動させると共に可動爪38を閉じるため、爪部37の開き量が小さい場合でも、簡易な方法で複数の電線11をもれなく集めることができる。
{変形例}
実施形態において、爪部37が可動爪38と固定爪39とを含むものとして説明したが、このことは必須ではない。爪部37は、可動爪38のみで構成されていてもよい。この場合、可動爪38を複数備え、そのうちの1つに向けて電線11を寄せるように構成されていることが考えられる。
また、実施形態において、可動爪38を電線11に近づけて可動爪38側に電線11を寄せるものとして説明したが、このことは必須ではなく、固定爪39を電線11に近づけて固定爪39側に電線11を寄せるものであってもよい。この場合、可動爪38を回動させるなどして固定爪39が可動爪38よりも第1方向D1に突出した状態で固定爪39に向けて電線11を寄せた後、可動爪38を閉じることが考えられる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 ワイヤーハーネス
11 電線
14 コネクタ
20 電線端末加工用装置
30 第1ロボット
31 ロボットアーム
32 ロボットハンド
33 駆動源
34 伝達機構
37 爪部
38 可動爪
39 固定爪
40 第2ロボット
41 ロボットアーム
42 結束装置
50 撮像部
60 加工制御部
67 加工プログラム
68a 判定プログラム
70 コネクタ保持部
76 コネクタホルダ
E1 予定集線箇所
E3 予定結束箇所

Claims (5)

  1. コネクタから延出する複数の電線をロボットハンドで集線しつつ前記コネクタから離れた位置で束ねてワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネスの製造方法であって、
    (a)複数の電線が延出するコネクタを、コネクタホルダにセットする工程と、
    (b)前記コネクタから延出する前記複数の電線の経路情報を取得する工程と、
    (c)前記工程(b)で取得された前記複数の電線の経路情報と、ロボットハンドの爪部の開き量とに基づいて、前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要か否かを判定する工程と、
    (d)前記工程(c)において前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要と判定された場合に、前記ロボットハンドを移動させて前記複数の電線を寄せつつ前記爪部を閉じて集線する工程と、
    (e)前記工程(c)において前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要でないと判定された場合に、前記爪部を閉じて前記複数の電線をそのまま集線する工程と、
    (f)前記工程(d)又は前記工程(e)で集線された前記複数の電線を結束する工程と、
    を備える、ワイヤーハーネスの製造方法。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記ロボットハンドは、固定爪に対して可動爪を開閉駆動する、ワイヤーハーネスの製造方法。
  3. 請求項2に記載のワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記工程(d)は、
    (d1)開いた前記可動爪を前記複数の電線の存在範囲の一方端に位置させる工程と、
    (d2)前記複数の電線の存在範囲の一方端から他方端に向かう方向にロボットハンドを移動させると共に前記可動爪を閉じる工程と、を含む、ワイヤーハーネスの製造方法。
  4. 駆動源と、前記駆動源の駆動力を受けて開閉可能に設けられた爪部とを含むロボットハンドと、
    前記ロボットハンドを、少なくとも前記爪部が開いたときの前記爪部の開口と底部とを結ぶ第1方向と交差する第2方向に移動可能な移動機構と、
    コネクタから延出する複数の電線の経路情報を取得する経路情報取得部と、
    前記経路情報取得部で取得された前記複数の電線の経路情報と、前記ロボットハンドの前記爪部の開き量とに基づいて、前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要か否かを判定し、前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要と判定された場合に前記ロボットハンドを前記第2方向に移動させて前記複数の電線を寄せつつ前記爪部を閉じて集線させ、前記ロボットハンドで前記複数の電線を寄せる動作が必要でないと判定された場合に、前記爪部を閉じて前記複数の電線をそのまま集線させる寄せ動作制御部と、
    を備える、電線端末加工用装置。
  5. 請求項4に記載の電線端末加工用装置であって、
    前記爪部は、開閉駆動する可動爪と、固定された固定爪とを含む、電線端末加工用装置。
JP2016143590A 2016-07-21 2016-07-21 ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置 Pending JP2018014262A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016143590A JP2018014262A (ja) 2016-07-21 2016-07-21 ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置
PCT/JP2017/024795 WO2018016335A1 (ja) 2016-07-21 2017-07-06 ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016143590A JP2018014262A (ja) 2016-07-21 2016-07-21 ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018014262A true JP2018014262A (ja) 2018-01-25

Family

ID=60992179

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016143590A Pending JP2018014262A (ja) 2016-07-21 2016-07-21 ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2018014262A (ja)
WO (1) WO2018016335A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019108810A1 (de) * 2019-04-04 2020-10-08 HELLA GmbH & Co. KGaA Griffelement zur Anordnung an einem Bauteil
JPWO2019188196A1 (ja) * 2018-03-28 2021-03-18 倉敷紡績株式会社 把持制御装置
US11878824B2 (en) 2021-08-04 2024-01-23 Yazaki Corporation Electric wire bundling robot

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017114578B4 (de) * 2017-06-29 2019-03-14 Lisa Dräxlmaier GmbH Vorrichtung und verfahren zum herstellen eines kabelbaums

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2982600B2 (ja) * 1993-12-28 1999-11-22 住友電装株式会社 ワイヤーハーネスの仮結束回路の製造方法および装置
JP2009148845A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Olympus Corp 小型生産設備
JP5788460B2 (ja) * 2013-11-05 2015-09-30 ファナック株式会社 バラ積みされた物品をロボットで取出す装置及び方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2019188196A1 (ja) * 2018-03-28 2021-03-18 倉敷紡績株式会社 把持制御装置
JP7140826B2 (ja) 2018-03-28 2022-09-21 倉敷紡績株式会社 把持制御装置
DE102019108810A1 (de) * 2019-04-04 2020-10-08 HELLA GmbH & Co. KGaA Griffelement zur Anordnung an einem Bauteil
DE102019108810B4 (de) * 2019-04-04 2021-06-24 HELLA GmbH & Co. KGaA Griffelement zur Anordnung an einem Bauteil
US11878824B2 (en) 2021-08-04 2024-01-23 Yazaki Corporation Electric wire bundling robot
JP7469268B2 (ja) 2021-08-04 2024-04-16 矢崎総業株式会社 電線の集束用ロボット

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018016335A1 (ja) 2018-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018016335A1 (ja) ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工用装置
JP2018006309A (ja) ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工装置
WO2017038479A1 (ja) ワイヤーハーネス組立装置及びワイヤーハーネスの製造方法
WO2018012337A1 (ja) ワイヤーハーネス製造用装置及びワイヤーハーネスの製造方法
JP6171457B2 (ja) ロボット制御装置、ロボットシステム、ロボット、ロボット制御方法及びロボット制御プログラム
WO2017141778A1 (ja) 電線端末状態検査装置、電線端末結束装置及びワイヤーハーネスの製造方法
JP5556552B2 (ja) ロボット制御装置、ロボットおよびロボット制御装置の教示方法
WO2018003607A1 (ja) ワイヤーハーネスの製造方法及び電線端末加工装置
WO2016158282A1 (ja) 電線群加工用の画像取得システム
WO2017141786A1 (ja) 加工ロボット装置
JP6706777B2 (ja) 制御装置、ロボット、及びロボットシステム
WO2018074245A1 (ja) ワイヤーハーネスの製造支援装置
CN109093599A (zh) 一种抓取示教方法及系统
WO2018105375A1 (ja) ワイヤーハーネスの製造方法
CN112566758A (zh) 机器人控制装置、机器人控制方法及机器人控制程序
JP6168849B2 (ja) 内視鏡装置及び内視鏡画像の撮影方法
JP2012228757A (ja) ロボット教示方法、ロボット教示装置およびプログラム
JP2018153891A (ja) ワイヤーハーネス加工装置及びワイヤーハーネスの製造方法
CN111745675B (zh) 用于自动装入电导体的设备和方法
JP2018001293A (ja) ロボットハンド
JP2018097952A (ja) 電線保持治具、ワイヤーハーネス組立用装置およびワイヤーハーネスの製造方法
JP2018051632A (ja) ワイヤーハーネス製造装置及びワイヤーハーネス製造方法
WO2018101020A1 (ja) ワイヤーハーネスの製造方法
JP2018181723A (ja) ワイヤーハーネス加工装置及びワイヤーハーネスの製造方法
JP7099408B2 (ja) ワイヤーハーネスの製造方法及び製造装置