JP2018013444A - 差圧センサ - Google Patents

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Takahira Tokimoto
貴平 時本
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Isao Shimoyama
下山  勲
亮仁 中井
Akihito Nakai
亮仁 中井
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Hidetoshi Takahashi
英俊 高橋
潔 松本
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松本  潔
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【課題】測定時のカンチレバーの変形時に、流体漏れが発生する隙間を小さくし、高精度で広い測定レンジで圧力を測定する差圧センサを提供する。【解決手段】差圧センサは、内部に流体を含む気体室の開口を塞ぐように外縁同士を近接させて、開口近傍に傾動可能に設けられた複数のカンチレバーからなるカンチレバー群と、カンチレバー上で前記開口との接続部近傍に形成された検知部を有し、気体室の内側又は外側へ傾動するカンチレバーの外縁間から流体が流通し、検知部がカンチレバーの開口に対する傾動量を検出し、検出した傾動量から気体室の内外の差圧を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、圧力変動を測定する差圧センサに関する。
従来、簡素な構成で圧力変動を測定することができる圧力センサとして、例えば、特許文献1に記載されるカンチレバーを用いた差圧センサがある。この差圧センサは、内外を連通する開口が設けられた気体室を有するセンサ筐体と、開口に設けられた検知部とで構成される。検知部は、通常時(非測定時)には、矩形の開口を塞ぐように配置される矩形のカンチレバー部が設けられている。傾動によりカンチレバー部の歪む箇所には、ピエゾ抵抗素子が形成されている。開口を塞ぐカンチレバー部は、気体室の内外の圧力変動により傾動し、この変化をピエゾ抵抗素子で電気的に検出する構成である。この差圧センサは、ダイヤフラムを用いた圧力センサが気体室を密閉する必要があったのに比べて、より簡素な構成で圧力変動を測定することができる。
国際特許出願WO2012/102073A1
前述した1つの矩形のカンチレバーを用いた差圧センサの構成では、カンチレバー部にかかる圧力が増大した場合、その変位が大きくなり、固定された開口と、傾動しているカンチレバー部との隙間が大きくなる。この結果、カンチレバー部の側方の隙間も大きくなり、圧力となるべき流体が側方に対しても抜けやすくなり、正確な圧力差を検出できなくなる。従って、カンチレバー部を圧力センサとして利用する場合、カンチレバー部の硬度を低圧力領域の精度を求めた設計を行えば、圧力が高くなるほど、傾動する角度が大きくなるため、高圧力領域の精度が悪くなる等、計測レンジ幅が制限される。
そこで本発明は、測定時のカンチレバーの変形時に、流体漏れが発生する隙間を小さくし、高精度で測定レンジの広い差圧センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に従う実施形態の差圧センサは、内部に気体を含む気体室及び、当該気体室の内外を連通する開口を形成する開口部が設けられるセンサ筐体と、前記センサ筐体の前記開口部に片持ち支持され、前記開口部を通過する前記気体の移動に従い傾動する、3つ以上となる複数のカンチレバーを有するカンチレバー群と、前記開口部から、前記複数のカンチレバーの各々の接続箇所に掛かるように形成された検知部と、を有し、前記カンチレバー群は、それぞれの前記カンチレバーを外縁同士が近接して前記開口を塞ぐように、前記開口の周囲に配置され、前記カンチレバーの一体的な傾動に伴って、前記外縁の間を含む隙間から前記気体が前記気体室の内外へ流通され、前記検知部は、前記気体室の内側又は外側へ傾動する前記カンチレバーの傾動量を検出し、検出した傾動量に基づいて前記気体室の内外の差圧を検出する。
本発明は、測定時のカンチレバーの変形時に、流体漏れが発生する隙間を小さくし、高精度で測定レンジの広い差圧センサを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る差圧センサの断面構成を示す断面図である。 図2は、第1の実施形態の差圧センサを正面から見た外観構成を示す図である。 図3Aは、圧力測定時にカンチレバー部が傾動した状態を示す断面図である。 図3Bは、圧力測定時にカンチレバー部が傾動した状態を斜め上から見た概念的な状態を示す図である。 図4(a)乃至(j)は、差圧センサの製造プロセスを示すプロセス工程図である。 図5Aは、片持ち支持された矩形形状を成して傾動状態のカンチレバー部を有する差圧センサの断面構成を示す断面図である。 図5Bは、1つの矩形形状のカンチレバー部が傾動した状態を斜め上から見た外観構成を示す図である。 図6は、本実施形態のカンチレバー部と1つのカンチレバー部における、傾動量に対する開口中央の隙間の関係の比較例を示す図である。 図7は、第2の実施形態の差圧センサを正面から見た外観構成を示す図である。 図8は、第2の実施形態のカンチレバーの変形例を示す図である。 図9は、第3の実施形態の差圧センサにおける1つのカンチレバーの構成例を示す図である。 図10Aは、第4の実施形態の差圧センサにおける1つのカンチレバーの構成例を示す図である。 図10Bは、図10AのB−Bにおけるカンチレバーの断面構成を示す断面図である。 図11は、第5の実施形態の差圧センサにおける1つのカンチレバーの構成例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1乃至図3Bを参照して、第1の実施形態に係る差圧センサについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る差圧センサの断面構成を示す断面図、図2は、本実施形態の差圧センサを正面から見た外観構成を示す図である。図3Aは、圧力測定時にカンチレバーが傾動した状態を示す断面図、図3Bは、圧力測定時にカンチレバーが傾動した状態を斜め上から見た概念的な状態を示す図である。尚、本実施形態の差圧センサは、測定対象を気体とした例について説明するが、液体においても測定可能であるため、以下の説明においては、流体と称して説明している。
差圧センサ1は、内外を連通する開口部2bが形成された気体室(空気室)2aを有するセンサ筐体2と、その開口部2bを覆う同じ形状の4つのカンチレバー部(又は、カンチレバーチップ)6を備える。尚、本実施形態では、立方体形状の気体室2aと、矩形形状の開口部2bを有するセンサ筐体2を例として説明するが、これらの形状は限定されるものではなく、開口部2bの中央を中心として、3つの以上のカンチレバー5aが回転対称に配置可能であれば、気体室2aは、水平断面が多角形の立体形状、円筒形状又は球体形状であってもよく、また、開口部2bにおいても、開口形状が円形や多角形であってもよい。さらに、カンチレバー5aは、4つ以上の偶数であった場合には、点対称の配置としてもよい。これらのカンチレバー5aは、それぞれの形状において、開口部の中央を中心として対称な形状(同じ形状)であり、又は、カンチレバー5aは、全てが同一形状又は、対向するカンチレバー毎に同一形状である。
また、以下の説明において、3つ以上の複数のカンチレバー5aをカンチレバー群と称する。さらに、これらのカンチレバー5aは、必ずしも全てが同じ形状である必要は無い。例えば、形状には関わらず、気体室2aにおける気体の流通、即ち、気体室2aから気体の流出又は、気体室2aへの気体の流入によるカンチレバー5aの傾き加減となる傾動量を揃えれば、同じ形状で形成したカンチレバー5aと同様な検出結果を得ることができる。カンチレバー5aの形状が異なった構成においては、適切な材質や厚みを適宜、選択又は変えることによって、それぞれのカンチレバーの傾動量を揃えることができる。
以下の説明において、カンチレバー部6は、5角形所謂、ホームベース形状のカンチレバー層5の矩形部分に積層構造を形成する箇所をカンチレバー基部5bと称し、また、検知部となるピエゾ抵抗層(ピエゾ抵抗素子)7を形成したカンチレバー層5の三角形部分をカンチレバー5aと称している。これらのカンチレバー5aは、それぞれの尖端が開口部2bの中央Oを回転対称となるように配置されている。本実施形態では、開口中央Oを挟み対向するように2対のカンチレバー部6が配置された例を示している。また本実施形態おいては、カンチレバー5aの形状おいても、開口中央Oを中心として対称な形状を一例としている。
また、三角形のカンチレバー5aと、矩形形状のカンチレバー基部5bとの付け根部分は、後述する傾動の支持箇所n1となる。さらに、カンチレバー部6は、差圧センサの構成部品として、カンチレバーチップ6と称してもよい。
カンチレバー基部5bには、支持層3及びBOX層(熱酸化膜)4が形成され、積層構造を成している。カンチレバー基部5bの積層構造により、カンチレバー5aが補強され、さらに、支持層3がセンサ筐体2へ固定されて、カンチレバー5aは、片持ち支持により傾動可能となる。尚、この様な積層構造において、支持層3はシリコンに限定されず、BOX層4は、シリコン酸化膜以外の絶縁体による絶縁層を用いてもよい。
これら4つのカンチレバー5aは、互いの2辺(外縁とする)との間に、上下を連通する貫通溝であるスリットSをあけて開口中央Oを中心とする回転対称(点対称でもよい)に近接して配置されている。本実施形態において、片持ち支持されたカンチレバー5aは、多角形であった場合、一辺が傾動の支持箇所n1となり、残りの辺が外縁となる。例えば、3角形状であれば、一辺が傾動の支持箇所n1又は接続箇所となり、残りの2辺が外縁となる。基本的に傾動が発生すると、接続箇所がある幅で変形して、外縁が傾動する。尚、傾動とは、通常状態(基準としている圧力状態又は0とする)から気体等の圧力変化により、傾き動くことを意味し、傾動量とは傾く度合い、即ち、カンチレバーの傾動に伴って、カンチレバー先端が通常状態の位置から変位する量とする。また、これらのカンチレバー5aは、カンチレバー群として、圧力が掛かると全てのカンチレバー5aが同時に同じ傾動量、即ち、一体的に傾動する。
また、前述したスリットSの幅S1は、1μm以下になるように配置しており、これらのわずかな隙間以外、気体室2aの開口部2bは、4つのカンチレバー部6で、ほぼすべて塞さがれている。図2に示すように、スリットSで区切られたカンチレバー5aの傾動の支持箇所n1の開口部nは、気体室2aの開口部2bよりも小さくなっている。尚、この隙間は、製造上の精度や周囲環境の温度変化に対応するものであり、熱膨張等による外縁の重なりを防止し、且つ、最小の幅であることが望ましい。
カンチレバー層5は、シリコン(Si)材料で形成され、厚さは、0.1〜1μm程度の薄膜である。尚、この厚さは、カンチレバー5aの剛性を決める要素となる。即ち、カンチレバー5aは、厚さが薄い方が大きい傾動量となり、作用する圧力差(又は、差圧)によって、傾動する度合いが異なる。従って、カンチレバー5aの厚さは、検知したい圧力の測定レンジによって、適宜設定される。但し、複数のカンチレバー5aを用いて1つの差圧センサを構成する場合、すべてのカンチレバー5aの厚さは同一であり、同じ特性となるように形成する必要がある。
また、図2に示すように、カンチレバー5a上面は平坦面であり、カンチレバー5aの付け根部分となる傾動の支持箇所n1から先端側に向かうように、キャップ(逆U字形)形状のピエゾ抵抗素子7が埋め込み形成され、そのU形状の両端は、それぞれ電極層8の一端が接続するように形成される。これらの電極層8は、カンチレバー基部5b上に配線として形成される。カンチレバー5aの傾動により、付け根部分が変形するので、ピエゾ抵抗素子7にひずみが生じ、ピエゾ抵抗値が変化する。
電極層8の他端は、カンチレバー基部5b上でパッド部を形成し、このパッド部は、ワイヤボンディングによる接続方式で、図示しない信号処理部やピエゾ抵抗素子7に電流を供給する電源供給部が形成された基板へ接続されている。
この差圧センサ1の構成において、カンチレバー5aは、気体室2aの内外で生じた圧力差により上下に傾動する場合、正確に圧力を検出するためには、図3A、図3Bに示すように、付け根の部分となる傾動の支持箇所nのみで変形することが好ましい。さらに、圧力差を無駄に損失しないように、カンチレバー5aは、撓まずに直線性を維持する必要がある。そこで、後述する第2乃至第5の実施形態において、カンチレバー5aの付け根の部分となる傾動の支持箇所n1のみで変形しやすくなる構成例を示し説明する。
ここで、図4(a)乃至図4(j)に示すプロセス工程図を参照して、差圧センサ1の製造プロセスについて、簡単に説明する。
本実施形態の差圧センサ1に用いているカンチレバー部6は、シリコン薄膜を活性層とするSOI基板に対して、MEMS加工技術及び半導体製造技術による微細加工を用いて作製する。例えば、厚さ1μmのカンチレバー部6を形成する場合には、Si活性層とBOX層とSi基板層の積層構造のSOI基板を用いる。本実施形態に用いるSOI基板は、活性層Siの厚さ1μm、BOX層の厚さ1μm、Si基板層の厚さ300μmの仕様であり、市販されているため容易に入手することができる。
図4(a)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いて、SOI基板20の表面側のSi活性層(カンチレバー層5)21の表面上に、フォトレジストを塗布して露光し、ピエゾ抵抗素子7を形成する領域を抜いたレジストパターン24:を作製する。ここでは、図2に示すように、上から見るとカンチレバー5aの付け根部分となる傾動の支持箇所nから先端側に向かうキャップ形状(逆U形)の領域となる。このレジストパターン24を形成した後、イオン注入法を用いて不純物をドーピングする。
図4(b)に示すように、イオン注入後、レジストパターン24を除去し、900℃で熱処理を施し、ピエゾ抵抗素子7を形成する。不純物の種類は、ホウ素BやガリウムGaやリンP又はヒ素As等の中から選択可能である。カンチレバー5aの傾動をピエゾ抵抗値の変化として検知するためには、ピエゾ抵抗素子7をカンチレバー層5の表面から埋め込む構造に形成することが望ましい。例えば、不純物に、ヒ素Asを用いた場合には、深さ150nm程度のN型ピエゾ抵抗層が形成できる。
図4(c)に示すように、Si活性層21上に電極層8となるメタル層25を蒸着法やスパッタリング法を用いて積層形成する。メタル材料としては、金AuやアルミニウムAlを用いることができる。次に、フォトリソグラフィー技術を用いて、メタル層25上に、貫通溝であるスリットS及び、電極層(メタル配線及びパッド部)8を形成するためのレジストパターン26を作製する。
図4(d)に示すように、メタル層25をドライエッチング等でエッチングして溝27を形成し、配線及びパッド部を形成する。引き続き、Si活性層21をエッチングしてBOX層22を露出させて、それぞれのカンチレバー層(カンチレバー5a及びカンチレバー基部5b)5が分離状態となるように形成する。この時、溝27によりスリットSが形成されている。
図4(e)電極層(メタル配線及びパッド部)8上にレジストパターン28を作製し、カンチレバー5a及びピエゾ抵抗素子7が露出するように、メタル層25をエッチングにより除去した後、図4(f)に示すように、レジストパターン28を除去する。
図4(g)に示すように、SOI基板20の裏面側のSi基板層23に、支持層3を形成するためのレジストパターン29を作製し、ドライエッチングを行い、図4(h)に示すように、Si基板層23をエッチングを行い、開口部n部分を除去して、支持層3を形成する。
続いて、図4(i)に示すように、開口部nに露出しているBOX層22をエッチングで除去して、Si活性層21の裏面側、即ち、カンチレバー5aを露出させる。このようなプロセス工程により、図4(j)に示すカンチレバーチップ6が形成される。
次に、センサ筐体2の形成について説明する。
センサ筐体2は、気体室2a内部の気体または液体を側壁及び底部から透過せず、また検知する圧力で形状が変形しない材料で形成されることが必要であり、例えば、金属材料、金属合金材料、セラミックス材料又は、硬質樹脂材料を用いることができる。カンチレバーチップ6と同様に、シリコン基板を微細加工して作製することも可能である。
例えば、厚さ500μmのシリコン基板に、気体室2aの開口部2bの大きさの窓を設けたレジストパターンを作製し、ドライエッチングを用いて、深さ300〜400μmの気体室を形成する。このシリコン基板をダイシングにより切り離し、気体室2aが設けられたセンサ筐体2を作製できる。
カンチレバーチップ6をセンサ筐体2の気体室2aの開口部2bを覆うように接着剤等を使用して固定し、差圧センサ1を形成することができる。この差圧センサ1は、配線基板上に実装する。カンチレバーチップ6のパッド部と配線基板はワイヤボンド等の配線方法で接続する。
図3A、図3B、図5A、図5B及び図6を参照して、このように形成された差圧センサ1の動作及び効果について説明する。
図3A及び図3Bに示すように、外部から差圧センサ1に圧力が加わった場合(気体室と外気との間で圧力差(差圧)が生じた場合、カンチレバー5aが傾動されて、気体室2aと外気との間で気体が隙間を通過する。カンチレバー5aの傾動により、付け根部分に配置したピエゾ抵抗素子7の抵抗値が変化する。予め、圧力と抵抗値との関係を明らかにして検量線を作成しておけば、この抵抗値変化から圧力を算出することができる。前述したように、カンチレバー5aの形状及び材質は、4つともすべて同一であり、開口部2bの中央Oで回転対称(又は、点対称)に配置されているため、圧力(圧力差)による傾動量は、4つのカンチレバー5aとも同じである。図3Aに示すように、カンチレバー5aが気体室2aの外側へ向かい傾動する、即ち、気体室2aの外側の圧力が低下した場合、カンチレバー5aは、気体室2aから外側に向かって傾動する。
図4A及び図4Bに示すように、差圧センサ100が1つのカンチレバー101で構成されていた場合、圧力によりカンチレバー101が、外側に向かい傾動すると、レバー先端とセンサ筐体102の間の隙間t1だけでなく、両側面においても外部と繋がる隙間t2が増大する。これに比べて、本実施形態における4つのカンチレバー部6で構成される差圧センサ1の場合、図3Bに示すように、それぞれのカンチレバー5aが同様に傾動するため、カンチレバー5a間の隙間Sの増大が抑制される。
即ち、1つのカンチレバー101で構成されていた差圧センサ100における隙間は、固定されたセンサ筐体2の開口部と可動するカンチレバーとの隙間になる。これに対して、本実施形態の差圧センサ1においては、互いに同じ傾動を行う、カンチレバーの一辺と、隣接するカンチレバーの一辺との隙間Sとなる。
図6には、例えば、カンチレバーの長さが100μm、それぞれの隙間Sの幅が1μm(可動前)である場合の傾動量と隙間の関係の計算結果を示す。
カンチレバーが圧力を受けて、カンチレバーの傾動量が5μm傾動した場合、図5Aのように、傾動できるカンチレバー101が1つであれば、隙間t1が5.13μmになり、傾動前の1μmから5倍以上に大きく変化する。一方、本実施形態の4つのカンチレバー5aが同様に傾動する場合は、隙間Sは1.25μmと計算できる。
本実施形態の構成では、カンチレバー5aの傾動量が増大しても隙間の増大が抑制されていることが分かる。カンチレバー5aの傾動により、付け根部分の隙間も増大するが、隙間の増大量は先端のそれよりは小さいので、影響は小さい。結果的には、気体室2aから流出又は流入する流体の移動(もれ)を低減することができ、圧力差の変動を抑制することができる。これにより、従来の構成の差圧センサと比較して、より高圧力領域でも精度よく圧力差を測ることができる。
尚、この例では、4つのカンチレバー5aで構成された差圧センサ1を例としたが、これらのカンチレバー5aは、3つ以上であれば、同等の効果がある。これは、差圧センサにカンチレバー部6が配置される際に、開口部の中央Oに向かい、隣接するカンチレバーの辺どうしが隣接する配置であり、カンチレバーの可動する辺が固定されたセンサ筐体と隣接しない配置であればよい。
また、この例では、4つのカンチレバー5aのそれぞれに検知部を設けた構成を示しているが、ピエゾ抵抗値の変化を検出するカンチレバーは少なくとも1つでよい。ひずみに対するピエゾ抵抗値の変化量は、シリコンSiの結晶方位によって異なる。
圧力により4つのカンチレバー5aが傾動した場合、ひずみの量は同じであるが、ピエゾ抵抗値の変化量は、カンチレバー5a毎で異なる。これらの中で、より大きな変化量を示すカンチレバー5aの検出結果を用いた方が精度よく圧力差を算出することができる。
また、差圧センサ1が、4つ以外の構成であっても、偶数個のカンチレバーを有する構成であれば、対向する位置の一対のカンチレバーは、形成されたピエゾ抵抗層におけるシリコン結晶方向が同一となる。つまり、対向配置された一対のカンチレバーにおいては、ピエゾ抵抗値の変化量も同じとなるため、2つの変化量の平均値を求めることができる。これにより、何れか1つの検出値を選択しなければならない奇数個のカンチレバーによるセンサ構成よりも、ショットノイズによる影響を低減し、精度よく圧力差を算出することができる。さらに、ひずみによる抵抗値の変化量の異なる隣のカンチレバーからの出力は、温度変化の補正等の信号補正に用いることもできる。
次に図7を参照して、第2の実施形態の差圧センサについて説明する。
図7は、第2の実施形態の差圧センサを正面から見た外観構成を示す図である。
本実施形態は、差圧センサ1のカンチレバー部6のカンチレバー5aの付け根の部分となる傾動の支持箇所n1のみが変形しやすくなる構成例である。
図7に示すように、カンチレバー5a内の両側に、支持箇所n1と直交する方向で辺に繋がる2つの切り込み溝11aが形成される。また、カンチレバー5a内の中央には、支持箇所n1から直交する方向でピエゾ抵抗素子まで延びる貫通穴11bが形成される。
さらに、それぞれの切り込み溝11aと貫通穴11bの間には、支持箇所n1に向かう角括弧形状の2つの貫通穴11cが形成される。これらの切り込み溝11a及び貫通穴11b,11cを形成することにより、カンチレバー5aの付け根部分のカンチレバー基部5bとの繋がり幅p(この例では、開口部nと同じ長さ)が、より狭くなる。
従って、これらの切り込み溝11aと貫通穴11b、11cを設けることにより、カンチレバー5aが傾動しやすくなり、カンチレバー5aの面の直線性を保ちながら、付け根部分のみの曲がりで傾動させることができる。また、同じ圧力であっても、カンチレバー5aが傾動しやすいため、傾動量を大きくすることができる。これらの切り込み溝11a及び貫通穴11b,11cを設けた場合でも、近接するカンチレバー5aの辺どうしのスリットSの関係は変わらないため、前述した第1の実施形態と同様に、傾動による隙間の増大は抑制される。
図8は、第2の実施形態のカンチレバー5aの変形例を示す図である。
前述した図7に示した切り込み溝11a及び貫通穴11b,11cの幅や形状を変更することで、カンチレバー5aの傾動しやすさを変更させることもできる。従って、カンチレバー5aは、切り込み溝11a及び貫通穴11b,11cの幅を拡げることで、より低圧力領域の圧力差を検知することができる。反対に、切り込み溝11a及び貫通穴11b,11cの幅を狭くすることで、高圧力領域側を検知することができる。
次に、図9を参照して、第3の実施形態の差圧センサについて説明する。
図9は、第3の実施形態の差圧センサにおける1つのカンチレバーの構成例を示す図である。本実施形態は、差圧センサ1のカンチレバー5a自体の剛性を高めた構成例である。
図9に示すように、カンチレバー5aの付け根部分の支持箇所n1近傍を含む領域以外で、シリコン薄膜からなるカンチレバー5aの表面上に、メタル又は樹脂等の薄膜からなる補強膜12を成膜する。補強膜12は、カンチレバー5aの両面に形成してもよいし、いずれの片面に形成してもよい。また、膜厚は、補強膜12上に均一な膜厚であってもよいし、先細りの先端側に向かう従い剛性が高くなるため、逆に膜厚先端側に向かうに従い徐々に薄くしていってもよい。また、メタルは蒸着法等により所望する膜厚に形成することができる。また、樹脂において、スプレー等による噴霧により所望する膜厚に形成することができる。
これらの補強膜12は、カンチレバー5aを形成する際に、Si活性層21を通常よりも薄くした後に、補強膜12を形成することで、支持箇所n1に傾動性を持たせながら、付け根部分以外の剛性を高めることができる。
本実施形態においては、カンチレバー5aに貫通穴や切り込み等を形成していないため、圧力測定に寄与しない流体の漏れが少なくなり高圧力領域で精度よく圧力計測ができる。
次に、図10A,10Bを参照して、第4の実施形態の差圧センサについて説明する。図10Aは、第4の実施形態の差圧センサにおける1つのカンチレバーの構成例を示す図、図10Bは、図10AのB−Bにおけるカンチレバーの断面構成を示す断面図である。
本実施形態は、前述した第2の実施形態における切り込み溝11aと貫通穴11b,11cのうちの角括弧形状の2つの貫通穴11cを、図10Bに示すような測定する流体による圧力及び傾動による破れが生じない程度の膜厚の溝底を有する有底溝13に変更した例である。
図10に示すように、有底溝13を付け根部分の支持箇所n1と平行する方向に長く取ることで、支持箇所n1のみが変形しやすくなる構成例である。本実施形態の差圧センサは、貫通していない有底溝13を用いているため、流体の漏れはなく、正確な計測ができる。また、カンチレバー5aの傾動に係る変化の度合いと強度についても、有底溝13の底の厚みと幅を変えることで容易に調整することができる。
次に、図11を参照して、第5の実施形態の差圧センサについて説明する。
図11は、第5の実施形態の差圧センサにおける1つのカンチレバーの構成例を示す図である。
本実施形態は、差圧センサ1のカンチレバー部6のカンチレバー5aの付け根の部分となる傾動の支持箇所n1のみが変形しやすくなる構成例である。図11に示すように、カンチレバー5a内で支持箇所n1より先端側に、長丸(トラック形状)の貫通孔14を支持箇所n1の長手方向に沿って、2列で千鳥配置した例である。
本実施形態の千鳥配置の貫通孔14は、前述した第2の実施形態の切り込み溝11aと貫通穴11b、11cと同様に、カンチレバー5aが傾動しやすくなり、カンチレバー5aの面の直線性を保ちながら、付け根部分のみの曲がりで傾動させることができる。
さらに、貫通孔14を千鳥配置しているため、支持箇所n1に対して、平行な方向と直交方向において、均等に曲がるため、傾動するカンチレバー5aに対して流体による圧力が均等に分散して、カンチレバー5aにおける捻れが防止できる。カンチレバー5aが傾動しやすいため、傾動量を大きくすることができる。
本実施形態では2列の千鳥配置された貫通孔14を例としているが、2列に限定されるものではなく、1列又は3列以上であってもよい。但し、貫通孔14の数や面積を大きくすると、カンチレバー5aを抜ける流体の量が増加するため、測定対象や圧力差を考慮して、適宜設計することが好ましい。
この第5の実施形態の変形例として、貫通孔14を有底溝に変更することにより流体の漏れを無くしてもよい。有底溝に変更することで、流体の漏れが無く正確な計測ができる。
また、カンチレバー5aの傾動に係る変化の度合いと強度についても、有底溝の底の厚みと幅を変えることで容易に調整することができる。本変形例においては、カンチレバー5aに貫通穴や切り込み等を形成していないため、圧力測定に寄与しない流体の漏れが少なくなり高圧力領域で精度よく圧力計測ができる。以上のことから、測定時のカンチレバーの変形時に、流体漏れが発生する隙間を小さくし、高精度で広い測定レンジで圧力を測定する差圧センサを提供することができる。
1…差圧センサ、2…センサ筐体、2a…気体室、2b…開口部、3…支持層、4…BOX層、5…カンチレバー層、5a…カンチレバー、5b…カンチレバー基部、6…カンチレバー部(カンチレバーチップ)、7…ピエゾ抵抗素子(ピエゾ抵抗層)、8…電極層、11a…切り込み溝、11a,11b…貫通穴、12…補強膜、13…有底溝、14…貫通孔、有底溝、20…SOI基板、21…Si活性層、22…BOX層、23…Si基板層、24…レジストパターン、25…メタル層、26…レジストパターン、27…溝、28,29…レジストパターン、100…差圧センサ、101…カンチレバー、102…センサ筐体。

Claims (8)

  1. 内部に気体を含む気体室及び、当該気体室の内外を連通する開口を形成する開口部が設けられるセンサ筐体と、
    前記センサ筐体の前記開口部に片持ち支持され、前記開口部を通過する前記気体の移動に従い傾動する、3つ以上となる複数のカンチレバーを有するカンチレバー群と、
    前記開口部から、前記複数のカンチレバーの各々の接続箇所に掛かるように形成された検知部と、
    を有し、
    前記カンチレバー群は、それぞれの前記カンチレバーを外縁同士が近接して前記開口を塞ぐように、前記開口の周囲に配置され、
    前記カンチレバーの一体的な傾動に伴って、前記外縁の間を含む隙間から前記気体が前記気体室の内外へ流通され、
    前記検知部は、前記気体室の内側又は外側へ傾動する前記カンチレバーの傾動量を検出し、検出した傾動量に基づいて前記気体室の内外の差圧を検出する差圧センサ。
  2. 前記複数のカンチレバーは、前記センサ筐体の前記開口の中央を中心として回転対称に配置されることを特徴とする請求項1に記載の差圧センサ。
  3. 前記複数のカンチレバーは、それぞれの前記傾動により、前記カンチレバーの接続箇所が変形し、先端側は直線性が維持されることを特徴とする請求項1に記載の差圧センサ。
  4. 前記複数のカンチレバーは、気体又は液体の流通による傾動量による位置の変動がすべて同じであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の差圧センサ。
  5. 前記検知部は前記複数のカンチレバーのそれぞれの表面に形成されたピエゾ抵抗層からなることを特徴とする請求項1に記載の差圧センサ。
  6. 前記複数のカンチレバーの材質及び剛性は、互いにほぼ同じであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れか1つに記載の差圧センサ。
  7. 前記カンチレバー群は、前記開口の中央を中心として対称な形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れか1つに記載の差圧センサ。
  8. 前記複数のカンチレバーは、全てが同一形状又は、対向するカンチレバー毎に同一形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れか1つに記載の差圧センサ。
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